特許第6173723号(P6173723)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173723
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】動作回数表示装置及び開閉装置
(51)【国際特許分類】
   E06B 9/68 20060101AFI20170724BHJP
【FI】
   E06B9/68 A
【請求項の数】8
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-43629(P2013-43629)
(22)【出願日】2013年3月6日
(65)【公開番号】特開2014-173226(P2014-173226A)
(43)【公開日】2014年9月22日
【審査請求日】2016年2月16日
(73)【特許権者】
【識別番号】000239714
【氏名又は名称】文化シヤッター株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100114166
【弁理士】
【氏名又は名称】高橋 浩三
(72)【発明者】
【氏名】高橋 大助
【審査官】 藤脇 昌也
(56)【参考文献】
【文献】 特開平10−238258(JP,A)
【文献】 特開平10−220146(JP,A)
【文献】 特開2009−138488(JP,A)
【文献】 特開2008−231815(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E06B 9/00 − 9/92
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中にある場合は、制御手段から出力されるDC電圧に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示し、前記開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中でない場合は、前記開動作及び閉動作の停止を指示する停止指示信号の入力経過時間に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示する動作回数表示装置であって、
前記制御手段から出力される前記DC電圧に応じて、前記動作回数を視認可能に表示すると共に前記DC電圧の出力経過時間が第1の時間経過した場合に前記動作回数をカウントアップし、
前記停止指示信号の入力がオンした場合は前記停止指示信号の入力がオンしてから第2の時間が経過してから第3の時間が経過するまでの間、又はこの間に前記停止指示信号の入力がオフした場合は前記停止指示信号の入力がオンしてから第2の時間が経過してからオフするまでの間、前記制御手段からDC電圧を出力することによって、前記動作回数を視認可能に表示することを特徴とする動作回数表示装置。
【請求項2】
請求項に記載の動作回数表示装置において、前記動作回数をカウントアップした後に第4の時間が経過するまで、前記カウントアップした動作回数を表示することを特徴とする動作回数表示装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の動作回数表示装置において、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数に対応したメンテナンス時期を、多色LEDの各色の点灯及び点滅の状態を制御することによって視認可能に表示すると共に前記動作回数を赤外信号として外部の表示部に視認可能に表示することを特徴とする動作回数表示装置。
【請求項4】
請求項に記載の動作回数表示装置において、前記多色LEDは赤色LED及び緑色LEDを備え、前記動作回数が第1の値以下の場合は前記緑色LEDを点灯させ、前記動作回数が前記第1の値よりも大きく第2の値以下の場合は前記緑色LEDを点滅させ、前記動作回数が前記第2の値よりも大きく第3の値以下の場合は前記赤色LEDを点灯させ、前記動作回数が前記第3の値よりも大きい場合は前記赤色LEDを点滅させることによって、前記メンテナンス時期を表示することを特徴とする動作回数表示装置。
【請求項5】
開口部を開閉するように移動する開閉体手段と、
前記開閉体手段の開閉停の各動作を制御する制御手段と、
前記制御手段に接続され、前記開閉停の各動作に対応した指示信号を出力する動作指示手段と、
前記動作指示手段に設けられ、前記開閉体手段の開動作及び/又は閉動作中に前記制御手段から出力されるDC電圧に基づいて前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示する表示手段とを備えた開閉装置において、
前記表示手段は、前記開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中にある場合は、前記制御手段から出力されるDC電圧に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示し、前記開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中でない場合は、前記開動作及び閉動作の停止を指示する停止指示信号の入力経過時間に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示し、
前記制御手段から出力される前記DC電圧に応じて、前記動作回数を視認可能に表示すると共に前記DC電圧の出力経過時間が第1の時間経過した場合に前記動作回数をカウントアップし、
前記停止指示信号の入力がオンした場合は前記停止指示信号の入力がオンしてから第2の時間が経過してから第3の時間が経過するまでの間、又はこの間に前記停止指示信号の入力がオフした場合は前記停止指示信号の入力がオンしてから第2の時間が経過してからオフするまでの間、前記制御手段からDC電圧を出力することによって、前記動作回数を視認可能に表示することを特徴とする開閉装置。
【請求項6】
請求項に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記動作回数をカウントアップした後に第4の時間が経過するまで、前記カウントアップした動作回数を表示することを特徴とする開閉装置。
【請求項7】
請求項5又は6に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中にある場合は、前記制御手段から出力されるDC電圧に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数に対応したメンテナンス時期を、多色LEDの各色の点灯及び点滅の状態を制御することによって視認可能に表示すると共に前記動作回数を赤外信号として外部の表示部に視認可能に表示することを特徴とする開閉装置。
【請求項8】
請求項に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記多色LEDは赤色LED及び緑色LEDを備え、前記動作回数が第1の値以下の場合は前記緑色LEDを点灯させ、前記動作回数が前記第1の値よりも大きく第2の値以下の場合は前記緑色LEDを点滅させ、前記動作回数が前記第2の値よりも大きく第3の値以下の場合は前記赤色LEDを点灯させ、前記動作回数が前記第3の値よりも大きい場合は前記赤色LEDを点滅させることによって、前記メンテナンス時期を表示することを特徴とする開閉装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構築・構造物の開口部に設置されるシャッターカーテンなどの開閉部材の開閉動作の回数を検出して表示する動作回数表示装置及び開閉装置に関する。
【背景技術】
【0002】
開閉装置は、住宅、ビル、工場、倉庫、車庫などの建物を含む構築・構造物の開口部に設置されるシャッターカーテンなどの開閉部材を閉鎖方向へ移動することによってその開口部を閉鎖するものである。開閉装置は、例えば開口部の上部から開閉部材であるシャッターカーテンを徐々に繰り出し下降させて開口部を閉鎖する。このような開閉装置には、上下限リミットスイッチ等による位置検出もしくは開閉スイッチ、開閉機内部のブレーキ作動等による接点作動の有無を検出して、シャッターの開閉動作の回数をカウントして表示する構成となっている。このカウント回数は、開閉装置の点検、保守(メンテナンス)を行なう目安として利用されている。開閉動作の回数をカウントして表示するものとして、特許文献1,2に記載のものが知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−220146号公報
【特許文献2】特開2004−316148号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に記載のものは、総動作時間と総動作回数がそれぞれ予め設定した報知動作時間と報知動作回数に達したとき動作回数LEDと動作時間LEDを発光したり、ランプの点灯やCRT等表示手段に表示データを送出したり、報知音を発生させて外部報知している。特許文献2に記載のものは、シャッター動作回数等を、表示機会又は及び表示時間を限定して表示している。
【0005】
シャッターカーテンの降下中のみDC電圧を出力するような開閉装置においては、電磁石を励磁および消磁することにより文字車を動作させ、計数を行う電磁コイル式カウンタが用いられていた。従って、特許文献1,2に記載のもののように、電気的に動作回数を表示するものは、シャッターカーテンの降下中しか動作回数を表示することができず、シャッターカーテンの異常停止時のようにDC電圧が出力されなくなると、動作回数の確認作業等を行なうことができない可能性があった。
【0006】
本発明は、開閉部材の閉動作及び/又は開動作にDC電圧を出力するような開閉装置において、閉動作及び/又は開動作でない状況であっても動作回数を簡易に表示することのできる動作回数表示装置及び開閉装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る動作回数表示装置の第1の特徴は、開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中にある場合は、制御手段から出力されるDC電圧に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示し、前記開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中でない場合は、前記開動作及び閉動作の停止を指示する停止指示信号の入力経過時間に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示することにある。
開閉体手段は、ビル、住宅、工場、倉庫等の建物などの構築・構造物における、出入口や窓部、あるいは内部の通路や空間などの開口部などを開閉移動するシャッターカーテンなどの部材で構成される。開閉体手段がシャッターカーテンの場合には、例えば、建物などの開口部の上部に収納され、まぐさなどを介してシャッターカーテンが下降し、開口部を閉鎖する。これ以外にも開閉体手段が開口部の側部に収納され横引き方式で開閉移動したり、開口部の下部に収納され上昇方式で開閉移動したりするものもある。動作回数表示装置は、開閉装置の制御手段から出力されるDC電圧に応じて、開閉体手段の開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示する。しかしながら、従来は、開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中でない場合は、制御手段からDC電圧は出力されないので、動作回数を視認可能に表示することができなかった。この発明の動作回数表示装置は、開動作及び閉動作の停止を指示する停止ボタンが操作されたときに出力される停止指示信号に基づいて制御手段からDC電圧を出力して動作回数を表示するようにした。停止指示信号は、停止ボタンが押圧されている場合に継続的に出力されるので、動作回数表示装置は、停止指示信号の入力経過時間に応じて、制御手段からDC電圧を出力し、開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示する。これによって、上述した従来の開閉体手段におけるDC電圧が出力されていない状況下であっても動作回数を表示することができる。なお、この発明では、停止指示信号の入力に即して動作回数を表示するのではなく、停止指示信号の入力経過時間を計測し、所定の時間に限って、動作回数を表示するようにした。
【0008】
本発明に係る動作回数表示装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の動作回数表示装置において、前記制御手段から出力される前記DC電圧に応じて、前記動作回数を視認可能に表示すると共に前記DC電圧の出力経過時間が第1の時間経過した場合に前記動作回数をカウントアップすることにある。これは、制御手段から出力されるDC電圧が継続的に第1の時間経過するまではカウントアップを行なわないようにしたものである。
【0009】
本発明に係る動作回数表示装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の動作回数表示装置において、前記停止指示信号の入力がオンした場合は第2の時間が経過してから第3の時間が経過するまでの間、又はこの間に前記停止指示信号の入力がオフした場合は前記停止指示信号の入力がオンしてからオフするまでの間、前記制御手段からDC電圧を出力することによって、前記動作回数を視認可能に表示することにある。これは、停止指示信号の入力経過時間として、第2の時間が経過してから第3の時間が経過するまでに限って、制御手段からDC電圧を出力して動作回数を表示するようにした。なお、停止指示信号の入力経過時間として、第2の時間が経過してから第3の時間が経過する前に停止指示信号がオフになった場合は、そのオフになるまでの間に限って、制御手段からDC電圧を出力して動作回数を表示するようにした。これによって、停止ボタンが長く押圧された場合でも、第1の時間を経過する前の第3の時間の経過に応じてDC電圧の出力がオフとなり、カウントアップされることはなくなる。
【0010】
本発明に係る動作回数表示装置の第4の特徴は、前記第2の特徴に記載の動作回数表示装置において、前記動作回数をカウントアップした後に第4の時間が経過するまで、前記カウントアップした動作回数を表示することにある。これは、カウントアップ後に、その動作回数を表示するようにしたものである。
【0011】
本発明に係る動作回数表示装置の第5の特徴は、開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中にある場合は、制御手段から出力されるDC電圧に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数に対応したメンテナンス時期を、多色LEDの各色の点灯及び点滅の状態を制御することによって視認可能に表示すると共に前記動作回数を赤外信号として外部の表示部に視認可能に表示するにある。これは、開動作及び/又は閉動作の動作回数に対応して、多色LEDの各色の点灯及び点滅の状態を制御することによって、メンテナンス時期を容易に視認できるようにしたものである。また、正確な動作回数は、赤外信号として外部に出力されるので、この赤外信号を受信して表示する専用のテスター等を用いることによって視認することができるようにしてある。
【0012】
本発明に係る動作回数表示装置の第6の特徴は、前記第5の特徴に記載の動作回数表示装置において、前記多色LEDは赤色LED及び緑色LEDを備え、前記動作回数が第1の値以下の場合は前記緑色LEDを点灯させ、前記動作回数が前記第1の値よりも大きく第2の値以下の場合は前記緑色LEDを点滅させ、前記動作回数が前記第2の値よりも大きく第3の値以下の場合は前記赤色LEDを点灯させ、前記動作回数が前記第3の値よりも大きい場合は前記赤色LEDを点滅させることによって、前記メンテナンス時期を表示することにある。これは、多色LEDを赤色及び緑色の2色とし、それぞれの点灯及び点滅状態をそれぞれ組み合わせることによって4種類の状態を視認可能に表示するようにしたものである。
【0013】
本発明に係る開閉装置の第1の特徴は、開口部を開閉するように移動する開閉体手段と、前記開閉体手段の開閉停の各動作を制御する制御手段と、前記制御手段に接続され、前記開閉停の各動作に対応した指示信号を出力する動作指示手段と、前記動作指示手段に設けられ、前記開閉体手段の開動作及び/又は閉動作中に前記制御手段から出力されるDC電圧に基づいて前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示する表示手段とを備えた開閉装置において、前記表示手段は、前記開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中にある場合は、前記制御手段から出力されるDC電圧に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示し、前記開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中でない場合は、前記開動作及び閉動作の停止を指示する停止指示信号の入力経過時間に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示するにある。これは、前記動作回数表示装置の第1の特徴に記載のものを開閉装置に適用したものである。
【0014】
本発明に係る開閉装置の第2の特徴は、前記第1の特徴に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記制御手段から出力される前記DC電圧に応じて、前記動作回数を視認可能に表示すると共に前記DC電圧の出力経過時間が第1の時間経過した場合には前記動作回数をカウントアップすることにある。これは、前記動作回数表示装置の第2の特徴に記載のものを開閉装置に適用したものである。
【0015】
本発明に係る開閉装置の第3の特徴は、前記第1又は第2の特徴に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記停止指示信号の入力がオンした場合は前記停止指示信号の入力がオンしてから第2の時間が経過してから第3の時間が経過するまでの間、又はこの間に前記停止指示信号の入力がオフした場合は前記停止指示信号の入力がオンしてからオフするまでの間、前記制御手段からDC電圧を出力することによって、前記動作回数を視認可能に表示することにある。これは、前記動作回数表示装置の第3の特徴に記載のものを開閉装置に適用したものである。
【0016】
本発明に係る開閉装置の第4の特徴は、前記第2の特徴に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記動作回数をカウントアップした後に第4の時間が経過するまで、前記カウントアップした動作回数を表示することにある。これは、前記動作回数表示装置の第4の特徴に記載のものを開閉装置に適用したものである。
【0017】
本発明に係る開閉装置の第5の特徴は、開口部を開閉するように移動する開閉体手段と、前記開閉体手段の開閉停の各動作を制御する制御手段と、前記制御手段に接続され、前記開閉停の各動作に対応した指示信号を出力する動作指示手段と、前記動作指示手段に設けられ、前記開閉体手段の開動作及び/又は閉動作中に前記制御手段から出力されるDC電圧に基づいて前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数を視認可能に表示する表示手段とを備えた開閉装置において、前記表示手段は、前記開閉体手段が開動作及び/又は閉動作中にある場合は、制御手段から出力されるDC電圧に応じて、前記開動作及び/又は閉動作の状態を検出し、前記開動作及び/又は閉動作の動作回数に対応したメンテナンス時期を、多色LEDの各色の点灯及び点滅の状態を制御することによって視認可能に表示すると共に前記動作回数を赤外信号として外部の表示部に視認可能に表示することにある。これは、前記動作回数表示装置の第5の特徴に記載のものを開閉装置に適用したものである。
【0018】
本発明に係る開閉装置の第6の特徴は、前記第5の特徴に記載の開閉装置において、前記表示手段は、前記多色LEDは赤色LED及び緑色LEDを備え、前記動作回数が第1の値以下の場合は前記緑色LEDを点灯させ、前記動作回数が前記第1の値よりも大きく第2の値以下の場合は前記緑色LEDを点滅させ、前記動作回数が前記第2の値よりも大きく第3の値以下の場合は前記赤色LEDを点灯させ、前記動作回数が前記第3の値よりも大きい場合は前記赤色LEDを点滅させることによって、前記メンテナンス時期を表示することにある。これは、前記動作回数表示装置の第6の特徴に記載のものを開閉装置に適用したものである。
【発明の効果】
【0019】
本発明の開閉体装置によれば、シャッターカーテンの降下及び/又は上昇中のみにDC電圧を出力するような開閉装置において、DC電圧が出力されていない状況下であっても動作回数を簡易に表示することができるという効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0020】
図1】障害物感知装置を備えたシャッター装置の概略構成を示す図である。
図2図1に示した開閉装置の制御装置と操作スイッチとの概略を示す図である。
図3】この実施の形態に係る開閉装置の動作回数表示処理の一例を示すフローチャート図である。
図4図3のカウンタ出力オン処理の詳細を示すフローチャート図である。
図5図2の操作スイッチの変形例を示す図である。
図6図5の多色LEDを用いたメンテナンス時期表示処理の詳細を示すフローチャート図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
以下添付図面に従って本発明に係る動作回数表示装置及び装置並びに開閉装置の好ましい実施の形態について説明する。この実施の形態では動作回数表示装置及び装置を備えた開閉装置として上下に開閉制御されるシャッター装置を例に説明する。図1は、障害物感知装置を備えたシャッター装置の概略構成を示す図である。このシャッター装置は、建物の開口部に設けられるものであり、基本的にシャッターケース1、シャッターカーテン2、ガイドレール3,4、巻取シャフト5、チェーン6、モータ7、制御装置8、操作スイッチ9及び障害物感知器11から構成される。このシャッター装置は、通常時には、操作スイッチ9の操作に応じて、開閉機であるモータ7を駆動して開閉制御するようになっている。さらに、このシャッター装置では、シャッターカーテン2が巻取シャフト5に巻き取られている開放状態を機械的な保持機構(図示せず)によって保持しており、この開放状態で外部から火災の発生などを示す非常信号BSなどが制御装置8に入力された場合には、その保持機構による開放状態の保持が解除されて、シャッターカーテン2は、その自重で自然降下して開口部を自動閉鎖する機能も備えている。
【0022】
ガイドレール3,4は、シャッターカーテン2の両端部に接するように建物の開口部の両端側に設けられ、まぐさ部から床面まで掛け渡された断面形状がコの字型の案内溝を有する金属製部材で構成されている。シャッターカーテン2は、このガイドレール3,4の各案内溝に沿って上昇下降し、開口部の開閉動作を行う。巻取シャフト5は、シャッターケース1の両端側に回動可能に設けられ、シャッターカーテン2を巻き取ったり巻き戻したりする。チェーン6は、モータ7の回転軸に設けられた主動スプロケットと巻取シャフト5の回転軸に設けられた従動スプロケットとを連結している。従って、モータ7の回転駆動力はチェーン6を介して巻取シャフト5側に伝達され、モータ7が回転すると、チェーン6を介して巻取シャフト5が回転し、シャッターカーテン2の開閉動作が制御されるようになっている。
【0023】
制御装置8は、マイクロコンピュータ構成になっており、電源ラインACを介して電力が供給されている。制御装置8は、操作スイッチ9上の各操作ボタンの操作状態に対応した制御信号やモータ7に設けられたプロテクタからの信号などに基づいてモータ7の回転を制御したり、非常信号BSに基づいて保持機構を解除したりする。
【0024】
操作スイッチ9は、開閉停の各動作に対応した制御スイッチとして、上昇(開)ボタン9A、停止(停)ボタン9B、下降(閉)ボタン9Cを有し、それぞれのボタンの操作状態に応じた制御信号を制御装置8に出力する。なお、図1では示していないが、制御装置8は無線型リモコン装置によっても操作可能となっている。
【0025】
非常信号BSは、火災発生などの非常時に外部の制御室などから供給される電圧24[V]の信号である。なお、外部からの非常信号BSの入力と併せて、又は代わりにシャッターケース1の内側であって、まぐさ部の開口部近傍すなわちシャッターカーテン2が昇降する部分に温度感知器などを設けてもよい。この温度感知器としては、常時接点がオン状態にあり、接点が所定温度(摂氏100〜300度の範囲の任意温度)に達した時点で接点を開きオフ状態となるB接点の自動復帰型の高温度用バイメタル式サーモスタットなどで構成され、接点が開いた場合には火災などが発生したとして非常信号BSを出力するようにすればよい。また、このような温度感知器を設ける場合には、開閉体内部に非常信号BSに相当する信号を出力するために電源ラインACとは別途の例えばバッテリによる電源を設ければよい。
【0026】
障害物感知器11は送信機がシャッターカーテン2の下端部(座板)に設けられたもので、障害物感知時に座板スイッチの移動で感知信号を制御装置8に送信し、また、その後の障害物の除去により座板スイッチの復帰移動時には復帰信号を送信する構成となっている。障害物感知器11の送信機から制御装置8への信号の送信は、図のような有線方式に限らず、電池を電源として作動する無線方式のものでもよい。また、シャッターカーテン2の下端部に障害物の接触で移動する座板スイッチを設け、障害物接触時の座板の移動力でガイドレールの高さ方向に沿って設けられたテープスイッチを押圧する構成、テープスイッチから制御手段に対し感知信号を有線出力する構成としてもよい。この他、開口部に光電管やLED等の投受光センサを設け、画像認識等により障害物を非接触で感知する構成としてもよい。
【0027】
図2は、図1に示した開閉装置の制御装置と操作スイッチとの概略を示す図である。図2において、図1と同じ構成のものには同一の符号が付してある。図2において、制御装置8は、CPU81、カウンタ出力部82及びモータ出力部83を内蔵している。カウンタ出力部82は、モータ出力部83がモータ7を制御してシャッターカーテン2を降下している間DC電圧をLCD表示部91に出力する。なお、制御装置8には、これ以外の構成部品として、モータ7に設けられたブレーキ、モータ7の減速機に設けられたリミットスイッチ、モータ7内のプロテクタ、障害物感知器11、リモコンスイッチ受信機などが接続されているが、ここではそれらの図示及び説明は省略する。操作スイッチ9は、動作回数を表示する液晶(LCD)を備えたLCD表示部91を備えている。LCD表示部91は、カウンタ出力部82からのDC電圧をマイクロプロセッサの動作電圧に変換する電圧変換器(DC−DC)92、変換後の動作電圧に応じて動作するCPU及びメモリからなる表示制御部93及び動作回数を表示する液晶(LCD)94を備えている。なお、LCD表示部91は、動作回数以外に現在のシャッター装置の制御状態や異常発生状態を表示することもできるようになっている。
【0028】
図3は、この実施の形態に係る開閉装置の動作回数表示処理の一例を示すフローチャート図である。この動作回数表示処理では、シャッターカーテン2が降下を開始したら、その時点からT5秒間(例えば20秒間)継続的にDC電圧をLCD表示部91に出力する。また、シャッター制御盤に接続されている操作スイッチ9の停止ボタン9BがT2秒(例えば3秒)以上押圧されたら、その押圧状態が解除されるまで又はT3秒(例えば10秒)経過するまでの間、DC電圧をLCD表示部91に出力する。以下、各ステップを説明する。
【0029】
ステップS30では、CPU81は、シャッターカーテン2が降下を開始したか否かの判定を行い、降下を開始した(yes)と判定した場合は、ステップS31に進み、降下を開始していない(no)と判定した場合は、ステップS34に進む。ステップS31では、カウンタ出力部82からDC電圧をLCD表示部91に出力し、動作回数等をLCD表示部91に表示するカウンタ出力オン処理を実行する。ステップS32では、動作回数のカウントアップを行なう。ステップS33では、ステップS31によるカウンタ出力オン処理開始からT5秒(例えば20秒)を経過するまでの時間監視を行って、ステップS39にジャンプする。T5秒経過していない場合はT5秒経過するまでこの判定処理を繰り返し、動作回数の表示処理を続行する。これによって、カウントアップされた動作回数が新たに表示されるようになる。
【0030】
ステップS34では、前のステップS31で降下開始中でないと判定されたので、操作スイッチ9の停止ボタン9Bが操作され、停止信号が入力したか否かの判定を行い、停止信号が入力した(yes)場合はステップS35に進み、停止信号が入力しない場合はステップS31にリターンする。ステップS35では、ステップS34による停止信号が入力してからT2秒(例えば3秒)を経過したか否かの判定を行い、T2秒経過した(yes)場合はステップS36に進み、T2秒経過していない(no)場合はステップS34にリターンし、停止信号がT2秒間継続して入力されるまでこの判定を実行する。
【0031】
ステップS36では、カウンタ出力部82からDC電圧をLCD表示部91に出力し、動作回数等をLCD表示部91に表示するカウンタ出力オン処理を実行する。ステップS37では、停止信号が継続して入力中か否かの判定を行い、停止信号入力中(yes)の場合はステップS38に進み、停止信号の入力が無くなった(no)場合はステップS39にジャンプする。ステップS38では、ステップS36によるカウンタ出力オン処理が開始されてからT3秒(例えば10秒)を経過したか否かの判定を行い、T3秒経過した(yes)場合はステップS39に進み、T3秒経過していない(no)場合はステップS36にリターンし、カウンタ出力オン処理がT3秒間継続実行されるまでこの判定を実行する。ステップS39では、カウンタ出力部82からLCD表示部91へのDC電圧の出力を停止するカウンタ出力オフ処理を実行する。この処理によってLCD表示部91は動作回数等の表示を終了する。
【0032】
図4は、図3のカウンタ出力オン処理の詳細を示すフローチャート図である。このカウンタ出力オン処理では、カウンタ出力部82からLCD表示部91にDC電圧が出力されると、LCD表示部91は、シャッターカーテン2の現在の動作回数を表示する。そして、カウンタ出力部82からLCD表示部91に対してT4秒(例えば15秒)以上に渡ってDC電圧がLCD表示部91に出力された場合は、カウンタ出力オン処理を終了する。以下、各ステップを説明する。
【0033】
ステップS41では、LCD表示部91は、カウンタ出力部82からDC電圧を入力する。これによって、電圧変換器(DC−DC)92は、カウンタ出力部82からのDC電圧をマイクロプロセッサの動作電圧に変換して、表示制御部93に供給する。ステップS42では、表示制御部93は、メモリに記憶されている現在の動作回数を液晶(LCD)94に表示する。ステップS43では、ステップS31によるカウンタ出力オン処理開始からT4秒(例えば15秒)を経過するまでの時間監視を行って、カウンタ出力オン処理を終了し、ステップS32にジャンプする。T4秒経過していない場合はT4秒経過するまでこの判定処理を繰り返し、動作回数の表示処理を続行する。この動作回数の表示は、ステップS39のカウンタ出力オフ処理が実行されるまで続行される。
【0034】
図5は、図2の操作スイッチの変形例を示す図である。図5において、図2と同じ構成のものには同一の符号が付してあるので、その説明は省略する。図5の操作スイッチが図2のものと異なる点は、動作回数を表示する液晶(LCD)94に代えて、動作回数に応じてメンテナンス時期を表示する多色LED95と、動作回数を外部表示器に表示するための赤外ダイオード96を設けた点にある。図2に操作スイッチ9のように、動作回数を液晶(LCD)94に表示したとしても、その動作回数に基づいてメンテナンス時期を把握する必要がある。そこで、この実施の形態では、赤色及び緑色を発行する多色LED95を操作スイッチ9に設け、多色LED95の点灯状態及び/又は点滅状態を視認するだけで、メンテナンス時期を認識することができるようにした。
【0035】
図6は、図5の多色LEDを用いたメンテナンス時期表示処理の詳細を示すフローチャート図である。このメンテナンス時期表示処理は、図3のカウンタ出力オン処理として実行されるものである。メンテナンス時期表示では、カウンタ出力部82からLCD表示部91にDC電圧が出力されると、LCD表示部91は、シャッターカーテン2の現在の動作回数に応じて多色LED95の表示を変化させる。そして、カウンタ出力部82からLCD表示部91に対してT4秒(例えば15秒)以上に渡ってDC電圧がLCD表示部91に出力された場合は、シャッターカーテン2の動作回数をカウントアップする。以下、各ステップを説明する。
【0036】
ステップS61では、LCD表示部91は、カウンタ出力部82からDC電圧を入力する。これによって、電圧変換器(DC−DC)92は、カウンタ出力部82からのDC電圧をマイクロプロセッサの動作電圧に変換して、表示制御部93に供給する。ステップS62では、表示制御部93は、メモリに記憶されている現在の動作回数を赤外ダイオード96を介して赤外出力する。この赤外出力を専用のテスターなどで受信することによって、正確な動作回数がテスターに表示されるようになる。
【0037】
ステップS63では、現在の動作回数が所定値N1(例えば、約5000回)よりも大きいか否かの判定を行い、動作回数が所定値N1以下の場合はステップS64に進み、動作回数が所定値N1よりも大きい場合は次のステップS65に進む。ステップS64では、多色LED95の中のLEDの緑色を点灯させる。ステップS65では、現在の動作回数が所定値N2(例えば、約10000回)よりも大きいか否かの判定を行い、動作回数が所定値N2以下の場合はステップS66に進み、動作回数が所定値N2よりも大きい場合は次のステップS67に進む。ステップS66では、多色LED95の中のLEDの緑色を点滅させる。
【0038】
ステップS67では、現在の動作回数が所定値N3(例えば、約20000回)よりも大きいか否かの判定を行い、動作回数が所定値N3以下の場合はステップS68に進み、動作回数が所定値N3よりも大きい場合は次のステップS69に進む。ステップS68では、多色LED95の中のLEDの赤色を点灯させる。ステップS69では、多色LED95の中のLEDの赤色を点滅させる。ステップS6aでは、ステップS32によるカウンタ出力オン処理開始からT4秒(例えば15秒)を経過したか否かの判定を行い、T4秒経過した(yes)場合はステップS6bに進み、T4秒経過していない場合はT4秒経過するまでステップS62にリターンし、動作回数表示処理を続行する。ステップS6bでは、動作回数のカウントアップを行なう。
【0039】
以上のように多色LED95の緑色及び赤色のLEDの点灯・点滅状態を視認することによって、シャッターカーテンの開閉動作回数がおよそどの程度であるのかを容易に認識することができるようになる。例えば、緑色のLEDが点灯状態にある場合は、動作回数は5000回以下であり、緑色のLEDが点滅状態にある場合は、動作回数は5000〜10000回であり、赤色のLEDが点灯状態にある場合は、動作回数は10000〜20000回であり、赤色のLEDが点滅状態にある場合は、動作回数は20000回を越えているということを、LEDの点灯・点滅状態を視認するだけで、容易に認識することができるようになる。
【0040】
上述の実施の形態では、シャッターカーテン2が下降する時の閉動作時の回数をカウントアップする場合について説明したが、シャッターカーテン2が上昇する時の開動作時の回数についても、例えば図3におけるステップS30を開操作開始か否かの判定をするように変更して(またはこの処理を追加して)カウントアップして表示するようにしてもよい。この場合、開動作及び/又は閉動作の回数(閉動作時の回数、開動作時の回数、及び開閉動作時の合計回数)を別々又は同時に表示するようにすればよい。
【0041】
上述の実施の形態では、シャッターカーテンが上方から下降方式で繰り出される場合について説明したが、逆に上昇方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。さらに、シャッター状の開閉部材が横引き方式で繰り出されたり、あるいは水平方式で繰り出されたりするものであっても同様に適用することができる。開閉装置としては、例えば、シャッター装置、ブラインド装置、ロールスクリーン装置、垂れ幕装置、引戸装置、移動間仕切装置、オーニング装置、防水板装置などがある。また、開閉手段である開閉部材の材質は、使用目的に応じたものであれば、どのようなものでもよい。具体的には、金属製、木製、プラスチック製、布製、これらの複合されたものなどで構成することができる。
【符号の説明】
【0042】
1…シャッターケース
11…障害物感知器
2…シャッターカーテン
3,4…ガイドレール
5…巻取シャフト
6…チェーン
7…モータ
8…制御装置
81…CPU
82…カウンタ出力部
83…モータ出力部
9…操作スイッチ
91…LCD表示部
93…表示制御部
95…多色LED
96…赤外ダイオード
9A…上昇(開)ボタン
9B…停止(停)ボタン
9C…下降(閉)ボタン
図1
図2
図3
図4
図5
図6