(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
(D)が、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン及びビニルトリエトキシシランからなる群より選ばれる1種以上の脂肪族不飽和基を含有するシラン化合物である、請求項1〜6のいずれか記載の画像表示装置用のダム材組成物。
【発明を実施するための形態】
【0009】
本発明の画像表示装置用のダム材組成物は、
(A)23℃における粘度が20〜25000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
(B)脂肪族不飽和基を有する付加反応硬化型シリコーンゲル;
(C)光反応開始剤;及び
(D)シラン化合物
を含む。
【0010】
本発明の組成物は、(A)23℃における粘度が20〜25000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサンを含む。
【0011】
(A)において、1分中のケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基の個数は、架橋反応による安定した構造を確保しつつ、過度な硬化収縮を抑制する点から、平均で2個以上、20個以下とすることができる。中でも、2個超、10個以下が好ましく、より好ましくは3〜7個である。
【0012】
(A)において、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基のアルキル部分は、C1〜C6アルキル基であることができる。メルカプトアルキル基としては、メルカプトメチル、2−メルカプトエチル、3−メルカプトプロピル、4−メルカプトブチル、6−メルカプトヘキシル等が挙げられるが、合成の容易さ等の点から、メルカプトメチル、3−メルカプトプロピルが好ましく、より好ましくは3−メルカプトプロピルである。
【0013】
(A)において、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基以外の有機基は、置換又は非置換基の1価の炭化水素基(ただし、脂肪族不飽和基ではないこととする)であることができる。具体的には、アルキル基、例えばC1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等);シクロアルキル基、例えばC3〜C10シクロアルキル基(例えば、シクロヘキシル等);アリール基、例えばC6〜C12アリール基(例えば、フェニル、トリル、キシリル等);アラルキル基、例えばC7〜C13アラルキル基(例えば、2−フェニルエチル、2−フェニルプロピル等);置換炭化水素基、例えばハロゲン置換炭化水素基(例えば、クロロメチル、クロロフェニル、3,3,3−トリフルオロプロピル等)が挙げられる。合成の容易さ等の点からアルキル基が好ましく、中でもメチル、エチル、プロピルが好ましく、より好ましくはメチルである。屈折率を調整するために、アリール基を併用することができ、中でも、合成の容易さ等の点からフェニルが好ましい。
【0014】
(A)の主鎖の構造は、直鎖状、分岐状、環状のいずれでもよく、分岐状が好ましい。例えば、R''SiO
3/2単位、R''
3SiO
1/2単位及びR''
2SiO
2/2単位、並びに場合によってはさらにSiO
4/2単位(式中、R''は、それぞれ独立して、非置換又は置換の1価の炭化水素基(ただし、脂肪族不飽和基ではないこととする)を表す)からなり、1分子当たり、2個以上、20個以下のR''がメルカプトアルキル基である、メルカプトアルキル基を含有する分岐状のオルガノポリシロキサンが挙げられる。メルカプトアルキル基及び非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、上記の基が挙げられる。メルカプトアルキル基であるR''は、いずれの単位のR''としても存在してもよいが、好ましくはR''SiO
3/2単位のR''として存在する。メルカプトアルキル基及び非置換又は置換の1価の炭化水素基としては、上記の基を適用することができる。作業性と架橋反応性の点から、メルカプトアルキル基を含有するシロキサン単位とメルカプトアルキル基を含まないシロキサン単位の個数の比が、1:60〜1:5のものが好ましいが、これに限定されない。
【0015】
(A)において、23℃における粘度は、20〜25000cPであり、ダムの形成の点からは、(B)成分との相溶性が著しく損なわれない限り、高粘度であることが好ましいが、23℃における粘度が、20〜2000cPのような低粘度のものも使用することができ、例えば、50〜500cPのものを使用することができる。
【0016】
本明細書において、粘度は、B型回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)にて、ローターNo.2〜4を使用し、1.5〜60rpm、23℃で測定した値とする(ただし、チキソトロピー比の算定における粘度の測定を除く)。
【0017】
(A)中のメルカプト基の個数は、ヨウ素による比色滴定により測定することができる。これは、下記式:
2RSH + I
2 → RSSR + 2HI
の反応を利用した方法であり、滴定中、微量の過剰ヨウ素で滴定液が微黄色になることを利用する。
【0018】
(A)は、透明性が高いものであることが好ましい。透明性の指標としては、23℃において、(A)を容器に充填して、厚さ10mmについて、分光測式計によって、可視光領域波長(360〜780nm)の透過率を測定したときに、透過率80%以上であることが挙げられる。透過率は、本発明の組成物の硬化物の透明性が、安定的に保持できる点から、90%以上であることが好ましい。
【0019】
(A)の調製方法は、特に限定されず、例えば、メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メルカプトプロピルトリエトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジメトキシシラン、メルカプトプロピルメチルジエトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルメトキシシラン、メルカプトプロピルジメチルエトキシシラン等のアルキルクロロシラン、メルカプトアルキルアルコキシシランと、所望のアルキルクロロシラン、アルキルアルコキシシラン、シラノール含有シロキサンとを加水分解、重縮合、再平衡化することにより製造できる。
【0020】
(A)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
【0021】
本発明の組成物は、(B)脂肪族不飽和基を有する付加反応硬化型シリコーンゲルを含む。脂肪族不飽和基としては、アルケニル基、例えばC2〜C6アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)が挙げられる。末端が不飽和であるアルケニル基がより好ましく、合成の容易さ等の点から、ビニル基が好ましい。
【0022】
(B)は、(a)1分子中にケイ素原子に結合した水素原子を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサン、(b)1分子中にケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基を平均0.1〜2個有するポリオルガノシロキサン、(c)白金系触媒を含有し、(b)中の脂肪族不飽和基の個数に対する、(a)中のケイ素原子に結合した水素原子の個数の比が、0.10〜1.5である組成物を硬化させて得られる反応生成物を含むことができる。
【0023】
(a)としては、1分子中にケイ素原子に結合した水素原子(SiH基)を2個以上有するポリオルガノハイドロジェンシロキサンであれば、特に限定されず、直鎖状、分岐鎖状、環状、三次元網目状のいずれを使用することもできるが、好ましくは、直鎖状である。(a)は単独でも、二種以上を併用してもよい。
【0024】
(a)において、水素原子は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよい。
【0025】
(a)としては、例えば、平均組成式:
R
3cH
dSiO
[4−(c+d)]/2
で示されるものが用いられる。
【0026】
式中、R
3は、脂肪族不飽和炭化水素基を除く、置換または非置換の1価炭化水素基である。R
3としては、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、オクチル基等のアルキル基;フェニル基、トリル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基等のアラルキル基;およびこれらの基の水素原子の一部または全部がフッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子やシアノ基で置換されているもの、例えばクロロメチル基、ブロモエチル基、トリフルオロプロピル基、シアノエチル基等が挙げられる。これらのなかでも、合成のし易さ、コストの点から、炭素原子数が1〜4のアルキル基が好ましく、メチル基がより好ましい。
【0027】
c、dは、0.5≦c≦2、0<d≦2、0.5<c+d≦3を満足する数であり、好ましくは0.6≦c≦1.9、0.01≦d≦1.0、0.6≦c+d≦2.8である。
【0028】
(a)成分の23℃における粘度は、10〜500cPであることが好ましい。
【0029】
(a)としては、両末端がトリメチルシロキシ単位で閉塞され、ハイドロジェンメチルシロキシ単位が5〜90モル%、残余がジメチルシロキシ単位である、ハイドロジェンオルガノシロキサンが挙げられ、ハイドロジェンメチルシロキシ単位は、好ましくは20〜75モル%である。また、トリス(ジアルキルシロキシ)アルキルシラン(例えば、トリス(ジメチルシロキシ)メチルシラン等)、トリス(ジアルキルシロキシ)アリールシラン(例えば、トリス(ジメチルシロキシ)フェニルシラン)等も使用することができる。
【0030】
(b)としては、平均組成式:
R
1aR
2bSiO
[4−(a+b)]/2
で表されるものが用いられる。
【0031】
式中、R
1は、アルケニル基である。アルケニル基としては、炭素原子数が2〜8の範囲にあるものが好ましく、例えばビニル基、アリル基、プロペニル基、1−ブテニル基、1−ヘキセニル基等が挙げられ、好ましくはビニル基である。アルケニル基は、1分子中に平均0.1〜2個、好ましくは平均0.5〜1.8個含有されている。アルケニル基が平均0.1個未満であると、架橋反応に関与しないポリオルガノシロキサン分子が多くなりすぎるためゲル調製が困難になる。一方、平均2個を越えると、反応生成物が硬くなりすぎる。また、アルケニル基は、分子鎖末端のケイ素原子に結合していても、分子鎖途中のケイ素原子に結合していても、両者に結合していてもよいが、硬化速度、反応生成物の物性、特に柔軟性の点から、少なくとも分子鎖末端のケイ素原子、特に分子鎖両末端のケイ素原子に結合していることが好ましい。
【0032】
R
2は、脂肪族不飽和結合を有さない置換又は非置換の1価炭化水素基である。R
2は、炭素原子数が1〜12、好ましくは1〜10であり、例えばメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、ヘキシル基、オクチル基、デシル基、ドデシル基等のアルキル基;シクロペンチル基、シクロヘキシル基、シクロブチル基等のシクロアルキル基;フェニル基、トリル基、キシリル基、ナフチル基等のアリール基;ベンジル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基等のアラルキル基;及びこれらの水素原子の一部又は全部が塩素、フッ素、臭素などのハロゲン原子、シアン基等で置換された基、例えばクロロメチル基、トリフルオロプロピル基、クロロフェニル基、ブロモフェニル基、ジブロモフェニル基、テトラクロロフェニル基、フルオロフェニル基、ジフルオロフェニル基等のハロゲン化炭化水素基やα−シアノエチル基、β−シアノプロピル基、γ−シアノプロピル基等のシアノアルキル基等が挙げられる。なかでもアルキル基、アリール基が好ましく、メチル基、フェニル基がより好ましい。
【0033】
a,bは0<a<3、0<b<3、1<a+b<3を満足する正数である。好ましくは0.0005≦a≦1、1.5≦b<2.4、1.5<a+b<2.5であり、より好ましくは0.001≦a≦0.5、1.8≦b≦2.1、1.8<a+b≦2.2である。
【0035】
(式中、
R
1は、独立して、C1〜C6アルキル基もしくはC6〜C12アリール基、又は脂肪族不飽和基であるが、少なくとも一方は、脂肪族不飽和基であり、
Rは、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であり、好ましくは、Rのうち、1〜60モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜1,000,000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンが挙げられる。
【0036】
式(I)において、R
1は、C1〜C6アルキル基もしくはC6〜C12アリール基、又は脂肪族不飽和基であるが、2つのR
1のうち少なくとも一方は、脂肪族不飽和基であるが、両方ともが脂肪族不飽和基であってもよい。
【0037】
脂肪族不飽和基としては、アルケニル基、例えばC2〜C6アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)が挙げられる。末端が不飽和であるアルケニル基がより好ましく、合成の容易さ等の点から、ビニル基が好ましい。C1〜C6アルキル基としては、例えば、メチル、エチル、プロピル等が挙げられ、C6〜C12アリール基としては、フェニル、トリル、キシリル等が挙げられる。R
1は、両方とも、ビニル基であるか、あるいは一方がビニル基であり、他方がメチル基であるか、一方がビニル基であり、他方がフェニル基であることが好ましい。
【0038】
式(I)において、Rは、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等)又はC6〜C12アリール基(例えば、フェニル、トリル、キシリル等)である。Rは同一であっても、異なっていてもよい。
【0039】
屈折率の調整の点から、Rのうち、1〜60モル%はC6〜C12アリール基であり、粘性及びチキソトロピー性の点から、Rのうち、1〜50モル%がC6〜C12アリール基であることがより好ましく、さらに好ましくは1〜35モル%である。
【0040】
合成の容易さ等の点から、C1〜C6アルキル基としては、メチルが好ましく、C6〜C12アリール基としては、フェニルが好ましい。
【0041】
式(I)において、Rのうち、1〜60モル%はフェニル基であり、残余がメチル基であるものが好ましく、より好ましくは、Rのうち、1〜50モル%がフェニル基であり、残余がメチル基であるものであり、さらに好ましくは、Rのうち、1〜35モル%がフェニル基であり、残余がメチル基であるものである。
【0042】
式(I)のポリオルガノシロキサンは、ゲルの粘度調整のために添加することができ、23℃における粘度は100〜1,000,000cPの範囲で変化させることができ、500〜1,000,000cPが好ましい。
【0043】
式(I)のポリオルガノシロキサン中の脂肪族不飽和基の個数は、NMRにて平均構造式を求め、分子量を計算し、得られた分子量から求めることができる。
【0044】
式(I)のポリオルガノシロキサンの調製方法は、特に限定されず、例えば、ジメチルジクロロシラン、ジフェニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、ジメチルビニルクロロシラン等の所望の構造に必要なクロロシラン類を重縮合、再平衡化を行うか、あるいはジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、メチルフェニルジメトキシシラン、ジメチルビニルメトキシ等の所望の構造に必要なアルコキシシラン類を共加水分解し、重縮合、再平衡化反応を行なうことにより得ることができる。また、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタメチルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3,5,5,7,7−オクタフェニルシクロテトラシロキサン、1,1,3,3−テトラメチル−1,3−ジビニルジシロキサン等の所望の構造に必要なシロキサン類を、アルカリ触媒(水酸化アルカリ金属塩、アルカリ金属シラノレート、水酸化アンモニウム塩等)又は酸触媒(硫酸、硫酸シラノレート、トリフルオロメタンスルホン酸)の存在下で、開環重合、再平衡化を行うことにより得ることもできる。
【0045】
(b)は単独でも、二種以上を併用してもよい。
【0046】
(c)としては、ヒドロシリル化反応に用いられる周知の触媒を用いることができる。例えば白金黒、塩化第2白金、塩化白金酸、塩化白金酸と一価アルコールとの反応物、塩化白金酸とオレフィン類やビニルシロキサンとの錯体、白金ビスアセトアセテート等が挙げられる。
【0047】
(b)の配合量は、(a)のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基の個数に対する、(b)ケイ素原子に結合した水素原子の個数の比が、0.10〜1.5となる量とすることができる。この範囲であれば、所望のゲル状物を得ることができる。(a)のケイ素原子に結合した脂肪族不飽和基の個数に対する、(b)ケイ素原子に結合した水素原子の個数の比は、好ましくは0.12〜1.5である。
【0048】
(c)の配合量は、硬化に必要な量であればよく、所望の硬化速度などに応じて適宜調整することができる。(a)に対し、白金元素に換算して1〜100ppmの範囲とすることができる。
【0049】
(a)〜(c)の反応においては、その他任意成分として硬化反応性と保存安定性を適度に保つため反応抑制剤を添加してもよい。反応抑制剤としては、例えば3,5−ジメチル−1−ヘキシン−3−オール、2−メチル−3−ヘキシン−2−オール、1−エチニル−1−シクロヘキサノール等のアセチレンアルコールや、3−メチル−3−ペンテン−1−イン、3,5−ジメチル−3−ヘキセン−1−イン等、あるいはメチルビニルシロキサン環状化合物、有機チッソ化合物、有機リン化合物等が挙げられる。反応抑制剤の配合量は、本発明の効果を損なわない範囲であればよいが、好ましくは(b)100重量部に対して0.01〜1重量部である。
【0050】
(a)〜(c)の反応においては、(a)〜(c)及びその他任意成分をプラネタリーミキサー、ニーダー、品川ミキサー等の混合機で混合して付加反応硬化型シリコーンゲル組成物を得た後、これを60〜150℃で30〜180分加熱硬化する方法等が挙げられる。
【0051】
このようにして得られた反応生成物がゲル状で、脂肪族不飽和基を有する場合、それをそのまま、(B)として用いてもよいし、さらにポリオルガノシロキサンを混合したゲルとして用いておもよい。反応生成物とポリオルガノシロキサンとの混合物を使用する場合は、これらの合計100質量部に対して、反応生成物が5〜95質量部であることが好ましく、10〜95質量部、さらにチキソ性付与の観点から20〜95質量部であることがより好ましい。
【0052】
反応生成物とポリオルガノシロキサンとの混合物におけるポリオルガノシロキサンとしては、脂肪族不飽和基を有するポリオルガノシロキサンを挙げることができる。具体的には、上記(b)において例示された式(I)のポリオルガノシロキサンを使用することができる。
【0053】
中でも、23℃における粘度は100〜40,000cPであり、R
1が、両方とも、ビニル基であるか、あるいは一方がビニル基であり、他方がメチル基であるか、又は一方がビニル基であり、他方がフェニル基であり、Rが、メチル基又はフェニル基であり、Rのうち1〜60モル%がフェニル基である、ポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0054】
本発明の組成物は、(C)光反応開始剤を含む。(C)は、(A)と(B)とを光架橋させる際のラジカル開始剤として、又は増感剤として機能する成分である。(C)は、反応性の観点から、芳香族炭化水素、アセトフェノン及びその誘導体、ベンゾフェノン及びその誘導体、o−ベンゾイル安息香酸エステル、ベンゾイン及びベンゾインエーテル並びにその誘導体、キサントン及びその誘導体、ジスルフィド化合物、キノン化合物、ハロゲン化炭化水素及びアミン類、有機過酸化物が挙げられる。シリコーンとの相溶性、安定性の観点から、置換又は非置換のベンゾイル基を含有する化合物又は有機過酸化物がより好ましい。
【0055】
(C)としては、例えば、アセトフェノン、プロピオフェノン、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(IRGACURE 651:BASF社製)、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン(DAROCUR 1173:BASF社製)、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン(IRGACURE 184:BASF社製)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(IRGACURE 2959:BASF社製)、2−ヒロドキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチル−プロピオニル)−ベンジル]フェニル}−2−メチル−プロパン−1−オン(IRGACURE 127:BASF社製)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(IRGACURE 907:BASF社製)、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1(IRGACURE 369:BASF社製)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン(IRGACURE 379:BASF社製);2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド(LUCIRIN TPO:BASF社製)、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド(IRGACURE 819:BASF社製);1,2−オクタンジオン,1−[4−(フェニルチオ)−,2−(O−ベンゾイルオキシム)](IRGACURE OXE 01:BASF社製)、エタノン,1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−,1−(〇−アセチルオキシム)(IRGACURE OXE 02:BASF社製);オキシフェニル酢酸、2−[2−オキソ−2−フェニルアセトキシエトキシ]エチルエステルとオキシフェニル酢酸、2−(2−ヒドロキシエトキシ)エチルエステルの混合物(IRGACURE 754:BASF社製)、フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル(DAROCUR MBF:BASF社製)、エチル−4−ジメチルアミノベンゾエートDAROCUR EDB:BASF社製)、2−エチルヘキシル−4−ジメチルアミノベンゾエート(DAROCUR EHA:BASF社製)、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド(CGI 403:BASF社製)、ベンゾイルペルオキシド、クメンペルオキシド等が挙げられる。
【0056】
(C)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
【0057】
本発明の組成物は、(D)シラン化合物を含む。(D)は、硬化物の基材への密着性・接着性を向上させる役割を担う。
【0058】
(D)として、脂肪族不飽和基を有するシラン化合物を使用することができる。脂肪族不飽和基を有するシラン化合物は、UV硬化の際に反応して、硬化物のマトリクスに組み込まれ、物性等を制御することが期待できる。脂肪族不飽和基としては、(B1)において脂肪族不飽和基として挙げられた基が挙げられ、具体的にはアルケニル基、例えばC2〜C6アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)が挙げられる。末端が不飽和であるアルケニル基がより好ましく、合成の容易さ等の点から、ビニル基が好ましい。
【0059】
脂肪族不飽和基を有するシラン化合物としては、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビス(トリメトキシシリルプロピル)アリルイソシアヌレート、トリメトキシシリルプロピルジアリルイソシアヌレートが挙げられ、好ましくは3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランである。
【0060】
その他のシラン化合物として、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリエトキシシラン、3−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、テトラエトキシシラン、テトラメトキシシラン、トリス(トリメトキシシリルプロピル)イソシアヌレートを使用することができる。
【0061】
(D)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
【0062】
本発明の組成物は、(E)(E1)脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサン、及び/又は、(E2)脂肪族不飽和基を含有する分岐状オルガノポリシロキサンを含むことができる。
【0063】
(E1)としては、上記(b)において例示された式(I)のポリオルガノシロキサンを使用することができる。
【0064】
中でも、23℃における粘度は100〜40,000cPであり、R
1が、両方とも、ビニル基であるか、あるいは一方がビニル基であり、他方がメチル基であるか、又は一方がビニル基であり、他方がフェニル基であり、Rがすべてメチル基であるか、又は1〜60モル%がフェニル基であり、残余がメチル基である、ポリオルガノシロキサンが好ましい。
【0065】
(E1)は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
【0066】
(E2)としては、SiO
4/2単位、R'
3SiO
1/2単位及びR'
2SiO
2/2単位、並びに場合によってはさらにR'SiO
3/2単位(式中、R'は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基又は脂肪族不飽和基を表す)からなり、1分子当たり、少なくとも3個のR'が脂肪族不飽和基である、分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。(E2)を併用することにより、硬化物の硬度の調整等し、接着性を制御することができる。
【0067】
(E2)としては、R'
2SiO
2/2単位1モルに対して、SiO
4/2単位を6〜10モル、R'
3SiO
1/2単位を4〜8モルの比率で有する分岐状オルガノポリシロキサンが挙げられる。(E2)は、常温で固体ないし粘稠な半固体の樹脂状又は液状のものが好ましい。例えば、重量平均分子量1,000〜400,000のものが挙げられ、好ましくは、2,000〜200,000のものである。重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値である。
【0068】
R’に関する脂肪族不飽和基としては、アルケニル基、例えばC2〜C6アルケニル基(例えば、ビニル、プロペニル、ブテニル、ヘキセニル等)が挙げられる。末端が不飽和であるアルケニル基がより好ましく、合成の容易さ等の点から、ビニル基が好ましい。脂肪族不飽和基であるR'は、いずれの単位のR'としても存在してもよいが、好ましくはR'
2SiO単位のR'として存在する。
【0069】
脂肪族不飽和基以外のR’は、C1〜C6アルキル基(例えば、メチル、エチル、プロピル等)であり、耐熱性を考慮すると、メチル基が好ましい。
【0070】
(E2)を使用する場合、単独でも、二種以上を併用してもよい。
【0071】
また、本発明の組成物には、(F)接着性付与剤を配合することができ、例えば、ケイ素原子に結合した水素原子と、ケイ素原子に結合した下記一般式(III):
【0073】
(式中、Q
1は、ケイ素原子とエステル結合の間に2個以上の炭素原子を有する炭素鎖を形成する、直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し;Q
2は、酸素原子と側鎖のケイ素原子の間に3個以上の炭素原子を有する炭素鎖を形成する、直鎖状又は分岐状のアルキレン基を表し;R
4は、炭素数1〜6の非置換又は置換のアルキル基を表す)で示される側鎖とを有する有機ケイ素化合物;アルミニウムトリエトキシド、アルミニウムトリプロポキシド、アルミニウムトリブトキシドのようなアルミニウムアルコキシド;チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、チタンテトライソブトキシド、チタンテトライソプロペニルオキシドのようなチタンアルコキシド;ジルコニウムテトライソプロポキシド、ジルコニウムテトラブトキシドのようなジルコニウムアルコキシド;マレイン酸ジアリル、トリアリルイソシアナートのような極性基含有有機化合物などが例示される。
【0074】
上記一般式(III)で示される側鎖において、Q
1としては、エチレン、トリメチレン、2−メチルエチレン、テトラメチレンなどのアルキレン基が例示され、合成及び取扱いが容易なことから、エチレン基及び2−メチルエチレン基が好ましい。Q
2としては、トリメチレン、2−メチルトリメチレン、テトラメチレンなどのアルキレン基が例示され、合成及び取扱いが容易なことから、トリメチレン基が好ましい。R
4としては、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチルなどのアルキル基;及び2−メトキシエチル等のアルコキシで置換されたアルキル基が例示され、良好な接着性を与え、かつ加水分解によって生じるアルコールが揮発しやすいことから、メチル基及びエチル基が好ましく、メチル基が特に好ましい。このような側鎖を有する有機ケイ素化合物として、式(IV):
【0076】
本発明の組成物は、(G)MQ樹脂及び/又はMDQ樹脂を含有することができる。(G)の配合により、ダム形成に適切な粘度が得られ、かつ粘着性(チキソ性)が高くすることができる。
【0077】
ここで、MQ樹脂とは、(R
a)
3SiO
1/2単位(ここで、R
aは、アルキル基、アリール基が挙げられ、入手、合成のしやすさおよび経済性の面からアルキル基が好ましく、なかでもメチル基が粘着性の点からも好ましい)とSiO
2単位からなる樹脂であって、例えば、(CH
3)
3SiO
1/2単位と、SiO
2単位からなる樹脂が挙げられる。好ましくは、(R
a)
3SiO
1/2単位とSiO
2単位の単位数の比が、1:99〜70:30であるものが好ましく、より好ましくは、5:95〜50:50のものである。これらのMQ樹脂の重量平均分子量は、2,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは5,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは10,000〜1,000,000である。ここで、本明細書において、重量平均分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値とする。
【0078】
MDQ樹脂としては、(R
a)
3SiO
1/2単位(ここで、R
aは、アルキル基、アリール基が挙げられ、入手、合成のしやすさおよび経済性の面からアルキル基が好ましく、なかでもメチル基が粘着性の点からも好ましい)、(R
b)
2SiO単位(ここで、R
bは、アルキル基、アリール基が挙げられ、入手、合成のしやすさおよび経済性の面からアルキル基が好ましく、なかでもメチル基が好ましい)及びSiO
2単位からなる樹脂であって、例えば、(CH
3)
3SiO
1/2単位、(CH
3)
2SiO単位及びSiO
2単位からなる樹脂が挙げられる。(R
a)
3SiO
1/2単位、(R
b)
2SiO単位及びSiO
2単位の比は、所望の屈折率によって、適宜調整することができる。これらのMDQ樹脂の重量平均分子量は、2,000〜1,000,000が好ましく、より好ましくは5,000〜1,000,000であり、さらに好ましくは10,000〜1,000,000である。
【0079】
MQ樹脂及びMDQ樹脂は、単独でも、二種以上を併用してもよい。粘着性およびチキソ性の点からMQ樹脂が好ましい。MQ樹脂とMDQ樹脂とを併用する場合、所望の屈折率によって、適宜調整することができ、例えば、屈折率が1.43であれば、MQ樹脂とMDQ樹脂の重量比を80:20〜5:95にすることができ、好ましくは20:80である。その比率は各々の屈折率と(A)等の屈折率に依存して、適宜、変更することができる。
【0080】
(A)中のケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基の個数をHSとし、(B)中の脂肪族不飽和基の個数をViBとしたとき、適切な硬度及び弾性を硬化物にもたせる点から、ViBに対するHSの比(HS/ViB)は、0.9〜20であり、好ましくは1.0〜10であり、さらに好ましくは1.2〜8である。(B)として、(a)〜(c)の反応生成物を使用する場合、(B)中の脂肪族不飽和基の個数をViBは、(b)中の脂肪族飽和基の個数から、(a)中のケイ素原子に結合した水素原子を差し引いた個数とし、(a)〜(c)の反応生成物とポリオルガノシロキサンとの混合物を使用する場合、(B)中の脂肪族不飽和基の個数をViBは、(b)及びポリオルガノシロキサン中の脂肪族飽和基の合計個数から、(a)中のケイ素原子に結合した水素原子を差し引いた個数とする。
【0081】
(E)を併用する場合、(E)中の脂肪族不飽和基の個数をViEとしたとき、(B)中の脂肪族不飽和基の個数及び(E)中の脂肪族不飽和基の個数の合計(ViB+ViE)に対するHSの比(HS/(ViB+ViE))が、0.8〜5であることが好ましく、より好ましくは、0.8〜3である。
【0082】
良好な接着性、硬化物の温度変化の抑制の一層の改善の点から、(D)に、脂肪族不飽和基を有するシラン化合物を使用する場合、ViDに対するHSの比(HS/ViD)は、0.8〜3であることができ、好ましくは1〜3である。また、(D)に、脂肪族不飽和基を有するシラン化合物を使用する場合、ViB及びVIDの合計に対するHSの比(HS/(ViB+ViD)は、0.5〜1.5であることが好ましい。さらに、(E)を併用する場合、ViB、ViD及びViEの合計に対するHSの比(HS/(ViB+ViD+ViE)が、0.5〜1.2であることが好ましく、より好ましくは、0.6〜1.0である。
【0083】
光反応開始作用、硬化時の耐熱性及び視認性(高透過率及び低曇り性)の点から、(C)は、(B)100重量部に対して、0.05〜50重量部が好ましく、より好ましくは、0.1〜40重量部である。
【0084】
耐変形性と視認性の観点から、(A)〜(D)の合計量は、組成物中、55重量%以上であることが好ましく、より好ましくは75重量%以上であり、さらに好ましくは90重量%以上である。
【0085】
本発明の組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で、シランカップリング剤(但し、(D)は除く)、重合禁止剤、酸化防止剤、耐光性安定剤である紫外線吸収剤、光安定化剤、無機充填剤等の添加剤を配合することができる。
【0086】
重合禁止剤としては、ハイドロキノン、p−メトキシフェノール、t−ブチルカテコール、フェノチアジン等が挙げられる。
【0087】
酸化防止剤は、組成物の硬化物の酸化を防止して、耐候性を改善するために使用することができ、例えば、ヒンダードアミン系やヒンダードフェノール系の酸化防止剤等が挙げられる。ヒンダードアミン系酸化防止剤としては、例えば、N,N′,N″,N″′−テトラキス−(4,6−ビス(ブチル−(N−メチル−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン−4−イル)アミノ)−トリアジン−2−イル)−4,7−ジアザデカン−1,10−ジアミン、ジブチルアミン・1,3,5−トリアジン・N,N′−ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル−1,6−ヘキサメチレンジアミン・N−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)ブチルアミンの重縮合物、ポリ[{6−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)アミノ−1,3,5−トリアジン−2,4−ジイル}{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}ヘキサメチレン{(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)イミノ}]、コハク酸ジメチルと4−ヒドロキシ−2,2,6,6−テトラメチル−1−ピペリジンエタノールの重合体、[デカン二酸ビス(2,2,6,6−テトラメチル−1(オクチルオキシ)−4−ピペリジル)エステル、1,1−ジメチルエチルヒドロペルオキシドとオクタンの反応生成物(70%)]−ポリプロピレン(30%)、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ブチルマロネート、メチル1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジルセバケート、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)セバケ−ト、1−[2−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕エチル]−4−〔3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオニルオキシ〕−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、4−ベンゾイルオキシ−2,2,6,6−テトラメチルピペリジン、8−アセチル−3−ドデシル−7,7,9,9−テトラメチル−1,3,8−トリアザスピロ[4.5]デカン−2,4−ジオン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ヒンダードフェノール系酸化防止剤としては、例えば、ペンタエリストール−テトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレン−ビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート)、N,N′−ヘキサン−1,6−ジイルビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルプロピオアミド)、ベンゼンプロパン酸3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシC7−C9側鎖アルキルエステル、2,4−ジメチル−6−(1−メチルペンタデシル)フェノール、ジエチル[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート、3,3′,3″,5,5′,5″−ヘキサン−tert−ブチル−4−a,a′,a″−(メシチレン−2,4,6−トリル)トリ−p−クレゾール、カルシウムジエチルビス[[[3,5−ビス−(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシフェニル]メチル]ホスホネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート]、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、N−フェニルベンゼンアミンと2,4,4−トリメチルペンテンとの反応生成物、2,6−ジ−tert−ブチル−4−(4,6−ビス(オクチルチオ)−1,3,5−トリアジン−2−イルアミノ)フェノール等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記酸化防止剤は、単独でも、二種以上を併用してもよい。
【0088】
光安定剤は、硬化物の光酸化劣化を防止するために使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、ヒンダードアミン系、ベンゾエート系化合物等が挙げられる。耐光性安定剤である紫外線吸収剤は、光劣化を防止して、耐候性を改善するために使用することができ、例えば、ベンゾトリアゾール系、トリアジン系、ベンゾフェノン系、ベンゾエート系等の紫外線吸収剤等が挙げられる。紫外線吸収剤としては、例えば、2,4−ジ−tert−ブチル−6−(5−クロロベンゾトリアゾール−2−イル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、メチル3−(3−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−5−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート/ポリエチレングリコール300の反応生成物、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−(直鎖及び側鎖ドデシル)−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系紫外線吸収剤、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン系紫外線吸収剤、オクタベンゾン等のベンゾフェノン系紫外線吸収剤、2,4−ジ−tert−ブチルフェニル−3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンゾエート等のベンゾエート系紫外線吸収剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。上記紫外線吸収剤は単独でも、二種以上を併用してもよい。光安定化剤としては、ヒンダードアミン系が好ましい。中でも、第3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤を用いることが、組成物の保存安定性改良のために好ましい。第3級アミン含有ヒンダードアミン系光安定剤としては、チヌビン622LD,チヌビン144,CHIMASSORB119FL(以上いずれもBASF社製);MARK LA−57,LA−62,LA−67,LA−63(以上いずれも旭電化工業株式会社製);サノールLS−765,LS−292,LS−2626,LS−1114,LS−744(以上いずれも三共株式会社製)等の光安定剤が挙げられる。
【0089】
本発明の組成物は、ダム形成において吐出時の形状を確保する観点から、23℃における粘度が、20,000〜400,000cPであることが好ましく、20,000〜300,000cPであることがより好ましく、25,000〜250,000cPであることがさらに好ましい。
【0090】
本発明の組成物は、23℃で、回転数6rpmで測定した粘度(cP)をV
6rpm、23℃で、回転数12rpmで測定した粘度(cP)をV
12rpmとし、V
12rpm/V
6rpmで求めたチキソトロピー比が、1.02〜1.9であることが好ましい。チキソトロピー比が、この範囲にあると、吐出性に影響が少なく、作業性に優れ、かつ形状の保持の点からも好適である。チキソトロピー比は、より好ましくは、1.03〜1.7であり、さらに好ましくは、1.04〜1.5である。
【0091】
本発明の組成物は、(A)〜(D)及び添加剤を配合することにより調製することができる。調製にあたっては、(A)及び(B)を配合した後、紫外線の不存在下で、(C)及び(D)並びに任意の重合禁止剤を配合することが好ましい。例えば、万能混合攪拌機に(A)及び(B)を加え、90〜130℃程度に加熱し、減圧下で均一に混合、冷却後に、紫外線の不存在下で、(C)、(D)及び重合禁止剤等を加え、氷水冷却下(10℃以下)、低速にて、冷却減圧にて均一に混合し、脱泡した後、所望により濾過することにより、組成物を得ることができる。
【0092】
本発明の組成物は、紫外線を照射することによって、硬化させることができる。(C)の反応可能な範囲の波長領域のランプとしては、例えば、ウシオ電機株式会社製の高圧水銀ランプ(UV−7000)、メタルハライドランプ(MHL−250、MHL−450、MHL−150、MHL−70)、韓国:JM tech社製のメタルハライドランプ(JM−MTL 2KW)、三菱電機株式会社製の紫外線照射灯(OSBL360)、日本電池株式会社製 紫外線照射機(UD−20−2)、株式会社東芝製蛍光ランプ(FL−20BLB))、Fusion社製のHバルブ、Hプラスバルブ、Dバルブ、Qバルブ、Mバルブ等が挙げられる。照射量は、100〜10000mJ/cm
2が好ましく、より好ましくは300〜5000mJ/cm
2であり、さらに好ましくは500〜3500mJ/cm
2である。
【0093】
本発明の組成物の硬化物は、以下のような好適な物性を有する。
〔硬化後の可視光透過率〕
本発明の組成物は、硬化厚み150μmにおける硬化後の可視光透過率を、95%以上とすることができるため、視認性の点から好ましい。可視光透過率は、より好ましくは96%以上、さらに好ましくは98%以上である。可視透過率の点からは、(C)の使用量を抑制することが好ましい。また、(A)、(B)の各成分を、それぞれ、又は均一に混合した後、80〜180℃にて加熱処理することにより、硬化後の可視光透過率を向上させることができる。加熱処理は、経時的安定性の点からも好ましい。
【0094】
〔硬化後の引張り強さ〕
本発明の組成物は、硬化物の硬度が小さく、かつ機械的強度の指標である引張り強さが良好であるため、好ましい。引張り強さは0.10MPa以上であることが好ましく、より好ましくは0.15MPa以上である。
【0095】
〔硬化収縮率〕
本発明の組成物は、硬化収縮率を、1.0%以下とすることができるため、画像表示装置に適用した場合に、容易に、歪みが防止され、視認性を確保することができる点で好ましい。硬化収縮率は、好ましくは0.5%以下、より好ましくは0.3%以下、さらに好ましくは0.2%以下である。
【0096】
〔硬化後のE硬度〕
本発明の組成物は、硬化後のE硬度を5〜40とすることができるため、画像表示装置に適用した場合に、容易に、外部からの応力を適度に緩和することができ、かつ高温高湿下でも水分の浸透を抑止して、視認性を確保することができる点で好ましい。E硬度は、好ましくは5〜35であり、より好ましくは10〜30である。
【0097】
〔硬化後の伸び〕
本発明の組成物は、硬化後の伸びを50%以上とすることができるため、外部からの応力緩和に優れ、耐変形性を確保することができる点で好ましい。硬化後の伸びは、好ましくは80%以上であり、100%以上がより好ましく、200%以上がさらに好ましい。
【0098】
本発明の組成物は、画像表示装置におけるダム材組成物である。ダム材組成物は、画像表示装置の表示部又は保護部に枠を形成するために用いられ、この枠内に封止剤を適用することにより、封止剤が、表示部等からはみ出したりすることを防止する。例えば、液晶パネル上に、本組成物をディスペンシング機の吐出ノズル(例えば23Gなど吐出量に合わせて適宜選択可能)で、縁取りを行い、その後充填剤である材料を塗布しカバーパネルと張り合わせることにより、充填剤の液晶パネル裏へ回り込みを防ぎ、周辺部への汚染を防ぐことができるものである。本発明の組成物は、良好な接着性を有し、表示部又は保護部のどちらにも好適に適用することができる。
【0099】
本発明の組成物は、画像表示パネルが5〜100インチ、より好ましくは7〜80インチ、さらに好ましくは10〜60インチの大画面画像表示装置の製造に好適である。
【0100】
本発明の組成物は、画像表示装置において保護部と画像表示部との間に介在させる封止剤が、紫外線硬化型樹脂組成物である場合に好ましく、より好ましくは、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物の場合である。封止剤として用いる紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物としては、WO2012/086402号公報に記載の組成物を用いることができ、具体的には、(A’)23℃における粘度が20〜25000cPである、ケイ素原子に結合するメルカプトアルキル基を含有するポリオルガノシロキサン;
(B’)(B1’)式(I’):
【化5】
(式中、
R
1’は、独立して、脂肪族不飽和基であり、
R
’は、独立して、C1〜C6アルキル基又はC6〜C12アリール基であって、R
’のうち、1〜60モル%はC6〜C12アリール基であり、
nは、23℃における粘度を100〜25000cP、好ましくは100〜8000cPとする数である)で示される、脂肪族不飽和基を含有する直鎖状ポリオルガノシロキサンと、(B2’)SiO
4/2単位、R''
3SiO
1/2単位及びR''
2SiO
2/2単位、並びに場合によってはさらにR''SiO
3/2単位(式中、R'は、それぞれ独立して、C1〜C6アルキル基又は脂肪族不飽和基を表す)からなり、1分子当たり、少なくとも3個のR'が脂肪族不飽和基である、分岐状オルガノポリシロキサンとからなる、脂肪族不飽和基を含有するオルガノポリシロキサン(ただし、(B2’)の量は、(B’)中の脂肪族不飽和基の全個数に占める(B2’)中の脂肪族不飽和基の個数の割合が50%以下となる量とする);
(C’)光反応開始剤;及び
(D’)脂肪族不飽和基を含有するシラン化合物
を含み、ここで、
(B’)及び(D’)中の脂肪族不飽和基の合計個数に対する、(A’)に存在するメルカプトアルキル基の個数の比が、0.5〜1.05であり、
(B’)中の脂肪族不飽和基の個数に対する、(A’)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、0.95〜3であり、かつ
(D’)中の脂肪族不飽和基の個数に対する、(A’)中のメルカプトアルキル基の個数の比が、1.5〜3である、紫外線硬化型シリコーン樹脂組成物が挙げられる。これらを封止剤として使用すると、本発明の組成物により形成されたダムとの境界が判別しにくいため、好ましい。
【実施例】
【0101】
以下、実施例及び比較例によって、本発明をさらに詳細に説明する。部、%は、他に断りのない限り、重量部、重量%を表す。本発明は、これらの実施例によって限定されるものではない。実施例及び比較例で調製した各組成物の硬化は、ウシオ電機株式会社製:UVL-4001Mを用い、120w/cm
2にて、特段の断りのない限り、2000mJ/cm
2(光量計:UIT-250、ウシオ電機株式会社製にて測定)の紫外線エネルギー照射量にて行った。
【0102】
〔物性の評価条件〕
【0103】
(1)メルカプト基の個数の測定
ヨウ素源として、1/10規定ヨウ素溶液(特級試薬)を使用し、比色滴定により、単位重量当りのメルカプト基数を定量した。
計算方法: SH含有量(mmol/g) = (A×P×0.1)/(W×C)
A:変色するまでに要したヨウ素溶液滴下量
P:ヨウ素溶液の補正係数(試薬に記載されている補正係数):補正が必要な場合に記載
W:サンプル重量(g)
C:サンプルの不揮発分
予備測定を行ないヨウ素溶液量を求め、その後精度よく3回測定し、3回の平均値を求めた。
【0104】
(2)脂肪族不飽和基の個数の測定
NMR測定における、Si−CH
3(0.1ppm付近)、Si−Ph(7.3−7.7ppm付近)及びCH
3Si−CH=CH
2(5.7−6.3ppm付近)のピークが、それぞれ、(CH
3)
2SiO単位、Ph
2−SiO単位及び(CH
3)
2Si−CH=CH
2O
1/2単位に対応するものとして、それぞれのピーク強度の比より単位数を求め、平均構造式を得て、そこから分子量を求め、不飽和基の個数を算出した。
【0105】
(3)引張強さ
組成物を厚さ2mmの型枠に均一に充填、脱泡後に、ウシオ電機株式会社製UVL-4001Mを用い、120w/cm
2にて5000/cm
2(光量計:UIT-250、ウシオ電機株式会社製にて測定)して硬化させた。JIS K 6249に準拠し、島津製作所(株)製オートグラフにて測定を行った。
【0106】
(4)硬化後の伸び
JIS K 6301に準拠し、島津製作所(株)製オートグラフにて測定にて23℃における硬化物の伸びを測定した。
【0107】
(5)タック
上記引張り強さ、伸びと同様に硬化させた硬化物表面を指触にて、定性的に評価をおこなった。
【0108】
(6)硬化後のE硬度
JIS K 6253 Eに準拠し、DUROMETER HARDNESS TYPE E(ASKER製)にて23℃における硬化物のE硬度を測定した。
【0109】
(7)硬化収縮率
組成物の硬化前と硬化後の比重を電子比重計(MIRAGE社製SD−120L)により測定し、下記式より双方の比重差から算出した。
硬化収縮率(%)=(硬化後の比重−硬化前の比重)/ 硬化後の比重)×100
【0110】
(8)粘度
回転粘度計(ビスメトロン VDA−L)(芝浦システム株式会社製)を使用して、No.4のローターを使用し、所定の回転数で、23℃における粘度を測定した。
【0111】
(9)可視光透過率
液状物については、石英セルに充填して厚さ10mmについて、硬化物については厚さ150μmにして、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)によって23℃における可視光領域波長(400nm、740nm)における透過率を測定した。
【0112】
(10)イエローインデックス
硬化物を温度85℃、湿度85%RHの高温多湿条件に設定した恒温恒湿層に500時間放置後、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)により、温度23℃、湿度50%の状態に戻した後に変色の度合いの指標であるイエローインデックスを測定した。
【0113】
(11)曇り
硬化物を、温度85℃、湿度85%の条件下で500時間保管した後、23℃、湿度50%の状態に戻し、JIS K 7105に準拠し、ヘーズメータNDH5000(日本電色工業株式会社製)にて測定した。
【0114】
(12)b*(D65)
松浪ガラス社製スライドガラス(S1112)上に、組成物を200μm厚みで塗布し、松浪ガラス社製スライドガラス(S1112)を貼りあわせ、2000mJ/cm
2となる紫外線エネルギー照射量にて硬化させた。その後、分光測式計((株)ミノルタ製CM−3500d)により、カラーコーディネートの指標の一つであるb*(D65)の測定を行った。
【0115】
(13)塗り継ぎ性能
松浪ガラス社製スライドガラス(S1112)上に、組成物を200μm厚みで塗布し、2000mJ/cm
2となる紫外線エネルギー照射量にて硬化させた後、充填用材料を塗布し、松浪ガラス社製スライドガラス(S1112)を貼りあわせ、同様に2000mJ/cm
2となる紫外線エネルギー照射量にて硬化させた。塗り継ぎ部分を目視で観察して、塗り継ぎ部分が目視で判別できるか、塗り継ぎ部分が形状を維持しているか、について評価を行なった。
ここで、充填用材料は、以下のようにして調製した。(a−1’)、(b−1’)、(c−1’)、(c−2’)、(d−1’)及び(e−1’)の内容は、以下のとおりである。
(b−1’)79.76重量部及び(e−1’)10重量物を、均一に混合した後、130℃で2時間加熱撹拌を行い、50℃以下まで冷却後に(a−1’)8.5重量部、を加え、110℃で2時間加熱撹拌、50℃以下まで冷却後に(c−1’)0.22重量部、(c−2’)0.22重量部、(d−1’)1.3重量部を加え、さらに均一になるまで混合して、充填用材料とした。
【0116】
(a−1’)
平均構造式:{(CH
3)
3SiO
1/2}{HS(CH
2)
3SiO
3/2}
5{(CH
3)
2SiO
2/2}
60
粘度:286cP
10mm厚みにおける透過率:93.8%
単位重量当りのメルカプト基数:0.98mmol/g
(b−1’)両末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位である両末端ビニルポリメチルフェニルシロキサン
粘度:3300cP
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
(c−1’)2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン
(c−2’)2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
(d−1’)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
(e−1’)MQ樹脂
平均構造式:{(CH
3)
3SiO
1/2}{SiO
2}
3.5のMQ樹脂
重量平均分子量:26200
重量分子量は、ゲル浸透クロマトグラフ分析(GPC)により、ポリスチレンを検量線とした値である。
【0117】
〔合成例A〕
実施例及び比較例における(A)は、以下のとおりである。
(A)メルカプトプロピル基を含有するポリメチルシロキサン
平均構造式:{(CH
3)
3SiO
1/2}{HS(CH
2)
3SiO
3/2}
5{(CH
3)
2SiO
2/2}
60
粘度:330cP
10mm厚みにおける透過率:93.1%
単位重量当りのメルカプト基数:0.97mmol/g
【0118】
〔合成例B〕
表1の欄Iに示す(a)〜(c)成分を、万能混練機器に添加し、均一になるまで混合し、反応生成物を得た。場合により、表1の欄IIに示す成分を、さらに添加し、均一になるまで混合して、B−1〜B−6のゲルを得た。
(a−1) 直鎖状ポリオルガノハイドロジェンシロキサン
{(CH
3)
3SiO
1/2}{H(CH
2)SiO}
23{(CH
3)
2SiO}
16{(CH
3)
3SiO
1/2}
(a−2) トリス(ジメチルシロキシ)フェニルシラン
(b−1) 両末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位である両末端ビニルポリメチルフェニルシロキサン
粘度:1050cP
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
(b−2) 両末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位である両末端ビニルポリメチルフェニルシロキサン
粘度:3300cP
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
(b−3) 両末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位である両末端ビニルポリメチルフェニルシロキサン
粘度:19800cP
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
(b−4) 片末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位である両末端ビニルポリメチルフェニルシロキサン
粘度:3030cP
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:1
(b−5) 片末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞され、ジフェニルシロキシ単位が5モル%、残余がジメチルシロキシ単位である両末端ビニルポリメチルフェニルシロキサン
粘度:960cP
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:1
(c) 1,3,5,7−テトラメチル−1,3,5,7−テトラビニルシクロテトラシロキサン白金錯体
【0119】
実施例及び比較例における(C)は、以下のとおりである。
(C−1)2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン
(C−2)2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン
【0120】
実施例及び比較例における(D)は、以下のとおりである。
(D−1)3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン
【0121】
実施例及び比較例における(E1)は、以下のとおりである。
(E1−1) (b−1)と同じ
(E1−2) (b−2)と同じ
(E1−3) (b−3)と同じ
(E1−4) (b−4)と同じ
(E1−5) (b−5)と同じ
(E1−6) 両末端がジメチルビニルシロキシ基で閉塞された、ビニルポリジメチルシロキサン
粘度:9860cP
1分子中の脂肪族不飽和基の平均個数:2
【0122】
実施例及び比較例における(G)は、以下のとおりである。
(G−1)p−t−ブチルカテコール(重合禁止剤)
【0123】
〔実施例1〕
表2に示す配合で、(A)、(B)、場合により(E)を、5Lの万能混合攪拌機(ダルトン社製)に入れ、室温(22℃)、低速レバーによる回転条件で30分間、均一に混合した。均一に混合した後、他の成分を加え、氷水冷却下(8℃)、低速レバーによる回転条件で30分間、冷却減圧にて均一に混合した。その後、10μmのメンブレンフィルターにて異物等を除去し、組成物を得た。実施例・比較例の組成物を調製し、物性を評価した。結果を表3に示す。
【0124】
【表1】
【0125】
【表2】
【0126】
【表3】
【0127】
本発明の組成物によれば、画像表示装置に用いるのに好適な硬度、接着性等の物性を有する硬化物が得られ、この硬化物と封止剤との間の継目の判別が困難で、視認性の点からも好ましい。