(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
肌処理ヘッドは、温熱生成手段および冷熱生成手段と、温熱生成手段または冷熱生成手段で生成された熱を肌面に伝導する第1熱供給体と、冷熱生成手段または温熱生成手段で生成された熱を肌面に伝導する第2熱供給体とを含み、
第1熱供給体および第2熱供給体のそれぞれには、前後に貫通する窓が形成されており、
第1熱供給体および第2熱供給体を目元に装着して肌面に熱を伝導する状態において、第1熱供給体および第2熱供給体の窓を介して前方が視認可能に構成してあり、
温熱生成手段および冷熱生成手段が1個の熱電変換素子で構成されており、
左右いずれか一方の目元に第1熱供給体が装着され、残る他方の目元に第2熱供給体が装着されるようになっていることを特徴とする目元用美容機器。
【背景技術】
【0002】
肌面に冷熱刺激または温熱刺激を与える美容機器は、例えば特許文献1の冷温美顔器に開示されている。そこでは、本体部の一側面に、ペルチェ素子で冷却される冷熱部と、ヒーターで加熱される温熱部とが左右に隣接する状態で設けてある。冷熱部および温熱部の各面は、互いの面が所定の角度で交わるように配設されている。使用時には、冷熱部と温熱部とを肌面に交互に接触させて、冷熱刺激と温熱刺激を肌面に与える。
【0003】
目元に冷熱刺激を与える美容機器は、例えば特許文献2の人体冷却器に開示されている。そこでは、左右一対の熱伝導手段が、ケース本体のインナーケースの外部に露出するように配設されており、熱伝導手段には、それぞれペルチェ素子が面接触状に配置されている。ケース本体には、頭部を抱持するバンドが着脱可能に設けられている。ペルチェ素子で発生した温熱は、放熱板に伝導し、ケース本体内に設けた冷却ファンにより、アウターケースに形成した開口部からケース本体の外部に排出される。使用時には、熱伝導手段がまぶたの肌面に密着するようにバンドでケース本体を頭部に装着して、ペルチェ素子を駆動することにより、冷熱刺激をまぶたの肌面に与える。
【0004】
また、目元に温熱刺激を与える美容機器は、例えば特許文献3の目元ケア装置に開示されている。そこでは、目の周りを覆う一対の凹所を備えたゴーグル状のハウジングと、凹所の内奥に配置される水保持部と、ハウジングに埋設されて水保持部を加熱する加熱部などで美容機器を構成している。ハウジングの下縁寄りの左右には、下まぶたの周辺を加熱する第2の加熱部が設けてある。使用時には、スポンジ状の水保持部に水を含浸させ、バンドを後頭部に掛けてハウジングを顔面に密着させ、目元の周囲を凹所で覆う。この状態で、加熱部のヒーターに通電し、ヒーターの熱で水保持部の水を気化させ、凹所に充満する水蒸気で温熱刺激を目の周囲の皮膚や筋肉に与える。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1の美容機器では、冷熱部および温熱部の各面が、本体の一側面に隣接させてあるので、本体の傾きを変更するだけで、肌面にそれぞれの面を交互に接触させて、冷熱と温熱の刺激を交互に与えることができる。
【0007】
特許文献2および3の美容機器では、目元部分の肌面に冷熱あるいは温熱のいずれか一方の刺激しか与えることができない点に改良の余地がある。
【0008】
本発明の目的は、目元部分の肌面に冷熱による熱刺激と温熱による熱刺激を同時に付与することができるとともに、このような異なる温度の熱刺激を肌面に付与しながら前方を視認することができる目元用美容機器を提供することにある。
本発明の目的は、まぶたの周辺の肌面に、異なる温度の熱刺激を与えて目元部分に美容効果を発揮することができる目元用美容機器を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明に係る美容機器は、肌処理ヘッド102が、温熱生成手段113および冷熱生成手段114と、温熱生成手段113または冷熱生成手段114で生成された熱を肌面に伝導する第1熱供給体130と、冷熱生成手段114または温熱生成手段113で生成された熱を肌面に伝導する第2熱供給体120とを含んでいる。第1熱供給体130および第2熱供給体120のそれぞれには、前後に貫通する窓118・119が形成されている。 第1熱供給体130および第2熱供給体120を目元に装着して肌面に熱を伝導する状態において、第1熱供給体130および第2熱供給体120の窓118・119を介して前方が視認可能に構成してある。なお、本発明における温熱生成手段113および冷熱生成手段114における「温熱」および「冷熱」とは、人の感覚を基準にした温熱あるいは冷熱ではなく、異なる温度のうち温度が高い側を温熱とし、温度が低い側を冷熱とする相対的な概念である。
【0010】
温熱生成手段113および冷熱生成手段114が1個の熱電変換素子115で構成されている。左右いずれか一方の目元に第1熱供給体130が装着され、残る他方の目元に第2熱供給体120が装着されるようになっている。
【0011】
熱電変換素子115に供給される駆動電流の極性を、所定時間ごとに反転して、第1熱供給体130および第2熱供給体120による熱刺激態様を、温熱刺激態様と冷熱刺激態様とに交互に切換えるように構成してある。
【0012】
第1熱供給体130および第2熱供給体120はそれぞれ環状に形成されて、前後に貫通する窓118・119が形成されている。第2熱供給体120は第1熱供給体130の周囲を囲む状態で配置してある。
【発明の効果】
【0013】
肌処理ヘッド102に、温熱生成手段113および冷熱生成手段114と、それぞれの熱生成手段113・114で生成された熱を肌面に伝導する、第1熱供給体130と、第2熱供給体120とを設けているので、目元部分の肌面に冷熱による熱刺激と温熱による熱刺激を同時に付与することができる。つまり、目元部分の肌面に異なる温度の熱刺激を同時に付与することができる。また、第1熱供給体130および第2熱供給体120のそれぞれには、前後に貫通する窓118・119が形成されているので、窓118・119を介して前方が視認可能となり、テレビや本をみながら肌面に熱刺激を付与することができる。
【0014】
温熱生成手段113および冷熱生成手段114が1個の熱電変換素子115で構成されているので、温熱生成手段113と冷熱生成手段114を個別に設ける場合に比べて、熱生成構造を簡素化して美容機器の製造に要するコストを削減できる。また、熱電変換素子115で生成される温熱と冷熱の双方を利用するので、熱電変換素子115で生成した温熱と冷熱を無駄なく有効に活用できる。
【0015】
熱電変換素子115に供給される駆動電流の極性を、所定時間ごとに反転して、第1熱供給体130および第2熱供給体120による熱刺激態様を、温熱刺激態様と冷熱刺激態様とに交互に切換えるように構成してあるので、目元ヘッド102を目元部分に装着した状態のままで、まぶたの周辺の肌面に冷熱刺激と温熱刺激を交互に与えて、美容効果を発揮することができる。
【0016】
第2熱供給体120を第1熱供給体130の周囲を囲む状態で配置してあるので、まぶたの周辺の広範囲の肌面に同時に異なる温度の熱刺激を付与することができる。
【発明を実施するための形態】
【0018】
(第1実施例)
図1から
図5に、本発明に係る目元用美容機器の第1実施例を示す。なお、本発明における前後、左右、上下とは、図中に示す交差矢印と、各矢印の近傍に表記した前後、左右、上下の表示に従う。
図2において美容機器は、両目元部を覆うように形成される本体部101と、本体部101に固定される目元ヘッド(肌処理ヘッド)102と、本体部101を頭部に固定する固定バンド103と、本体部101とは別体に構成されて、後述する温熱生成手段113および冷熱生成手段114に駆動電流を供給し制御するコントローラ104などで構成する。コントローラ104は、電源となる電池105と、温熱生成手段113および冷熱生成手段114に供給される駆動電流を生成し制御する制御基板(制御手段)106と、制御基板106の動作を切換えるスイッチ107などを備えている。
【0019】
図2、
図3に示すように、本体部101は、左右に長い長円状のハウジング110で構成されており、ハウジング110には、前後に貫通する左右一対のハウジング窓112が形成してある。本体部1は、ハウジング110の外側に連結した左右一対の固定バンド103・103で頭部に装着できるようになっており、後頭部側で一方の固定バンド103に縫着した雌側の面ファスナーに、他方の固定バンド103に縫着した雄側の面ファスナーを固定して頭部に装着することができる。
【0020】
図3および
図4に示すように、目元ヘッド102は、温熱生成手段113および冷熱生成手段114と、温熱生成手段113または冷熱生成手段114で生成された熱を肌面に伝導する内リング体(第1熱供給体)130と、冷熱生成手段114または温熱生成手段113で生成された熱を肌面に伝導する外リング体(第2熱供給体)120とを含んで構成してある。外リング体120および内リング体130は、ハウジング110の左右に1対ずつ設けてある。
【0021】
図4に示すように、内リング体130および外リング体120は、正面視において卵型の環状に形成してあり、それぞれに前後に貫通する窓118・119が形成してある。内リング体130と外リング体120とは径の異なる相似形状に形成してあり、両リング体130・120は同心状に配置してある。両リング体130・120は、外リング体120の窓119の内方空間に、内リング体130が隙間を介して対向する状態で配置してある。これにより、外リング体120は内リング体130の周囲を囲む状態で配置されている。このように、両リング体130・120を同心状に配置すると、まぶたの周囲の肌面に対して同心状に異なる温度の熱刺激を付与することができる。
【0022】
内リング体130と外リング体120との隙間には、両リング体130・120間の熱移動を抑制するプラスチック製の断熱枠体(スペーサー)146が配置してある。断熱枠体146は、両リング体130・120を保持する保持体を兼ねている。内リング体130の後端面には第1伝熱面134が設けてあり、外リング体120の後端面には第2伝熱面123が設けてある。両伝熱面134・123は、それぞれ卵型の楕円リング状に形成してあり、断熱枠体146の後端面と、第1および第2の伝熱面134・123は、面一状に形成してある。断熱枠体146の外面側及び内面側には、両リング体130・120を保持しているとき、両リング体130・120とリング体130・120との接触面積を減少するためのリブを形成することができる。これにより断熱枠体146と内リング体130の間、断熱枠体146と外リング体120との間に断熱空間を形成することができるため、両リング体130・120間の熱移動をさらに抑制でき、互いに熱干渉しあうことを確実に防止できる。
【0023】
温熱生成手段113および冷熱生成手段114は1個の熱電変換素子115で構成してあり、その温熱を生成する温熱面116と、冷熱を生成する冷熱面117とが、それぞれ温熱生成手段113および冷熱生成手段114として機能する。目元ヘッド102には、2個の熱電変換素子115が設けてあり、各熱電変換素子115が上下に並ぶように配置してある。なお、
図1および
図3では、構成を理解しやすくするために、各熱電変換素子115が前後に位置をずらした状態で記載してある。熱電変換素子115は、各面116・117が左右に指向する状態で配置してあり、制御基板106で熱電変換素子115に順方向の駆動電流を供給したとき、一方の熱電変換素子115の右面側が温熱を生成する温熱面116の場合には、他方の熱電変換素子115の右面側が冷熱を生成する冷熱面117になるように、各熱電変換素子115の向きを逆に配置してある。本実施例では、上側の熱電変換素子115の右面および下側の熱電変換素子115の左面が冷熱面117となるように配置した。熱電変換素子115の接続リードは、ハウジング110に設けた入力端子157(
図2参照)に接続してあり、入力端子157に給電リード158の先端のプラグ159を差し込むことで、コントローラ106から熱電変換素子115に駆動電流を供給することができる。
【0024】
上記のように、温熱生成手段113および冷熱生成手段114を1個の熱電変換素子115で構成すると、温熱生成手段113と冷熱生成手段114を個別に設ける場合に比べて、熱生成構造を簡素化して美容機器の製造に要するコストを削減できる。また、熱電変換素子115で生成される温熱と冷熱の双方を利用するので、熱電変換素子115で生成した温熱と冷熱を無駄なく有効に活用できる。なお、熱電変換素子の代表例としてペルチェ素子がある。
【0025】
外リング体120は、冷熱面117で生成された熱を伝導するL字状の第2伝熱体124を一体に備えている。第2伝熱体124の一端には、冷熱面117と接触して冷熱を受取る受熱面126が形成してあり、冷熱面117と受熱面126とは、シリコーンゴム製の伝熱シートを介して密着させて、熱の伝導効率を向上させている。このように、外リング体120は、第2伝熱体124を介して熱電変換素子115の冷熱面117と接続されているので、冷熱面117から伝導された冷熱で、外リング体120の全体を冷却できる。
【0026】
同様に、内リング体130は、温熱面116で生成された熱を伝導するL字状の第1伝熱体137を一体に備えている。第1伝熱体137の一端には、温熱面116と接触して温熱を受取る受熱面142が形成してあり、温熱面116と受熱面142とは、シリコーンゴム製の伝熱シートを介して密着させて、熱の伝導効率を向上させている。このように、内リング体130は、第1伝熱体137を介して熱電変換素子115の温熱面116と接続されているので、温熱面116から伝導された温熱で、内リング体130の全体を加熱できる。
【0027】
外リング体130、および内リング体120は、アルミニウム、真鍮、銅などの熱伝導率の高い金属材料を素材として形成することができる。本実施例では、アルミニウムを素材としたダイキャスト成形品に切削加工を施して、先の各部材120・130を形成した。熱伝導率の高いアルミニウムを素材として外リング体130、および内リング体120を形成するので、それぞれの全体に素早く熱を伝導して、より短い時間で所定の温度に冷却および加熱することができる。
【0028】
目元ヘッド102に設けられる左右1対の外リング体120、内リング体130、および断熱枠体146は、同一部材で構成してある。目元ヘッド102は、断熱枠体146に設けた図示しない固定部がハウジング110に図示しない締結ビスで締結されて、ハウジング110と一体に固定される。目元ヘッド102をハウジング110に固定した状態では、ハウジング110に形成した左右一対のハウジング窓112と、各内リング体130の窓118とが対向している。これにより、目元ヘッド2を目元に装着した状態においては、窓118・119を介してハウジング窓112から前方を視認することができる。
【0029】
ここで、目元用美容機器の使用方法を説明する。まず、外リング体130および内リング体120を目元に装着する。詳しくは、左右の第1伝熱面134および第2伝熱面124が、まぶたの周辺の肌面に接触するように本体部101を目元にあてがい、左右の固定バンド103・103を後頭部側で重ねて、面ファスナーで固定する。コントローラ106のスイッチ107を押下すると、制御基板106が各熱電変換素子115に順方向の駆動電流を供給し、各温熱面116および冷熱面117で温熱と冷熱が生成される。温熱面116で生成された温熱は、第1伝熱体137を介して内リング体130に伝導され、その第1伝熱面134で接触する肌面に温熱刺激を与える。また、冷熱面117で生成された冷熱は、第2伝熱体124を介して外リング体120に伝導され、その第2伝熱面123で接触する肌面に冷熱刺激を与える。これにより、まぶたの周辺の肌面に異なる温度の熱刺激を同時に与えて、美容効果を発揮することができる。このとき、窓118・119を介してハウジング窓112から前方を視認できるので、テレビや本をみながらまぶたの周辺の肌面に熱刺激を与えることができる。制御基板106が供給する駆動電流は、予め設定された時間が経過し、あるいは再度スイッチ107を押下することで停止し、これにより熱刺激の付与が終了する。なお、「肌面に異なる温度の熱刺激を同時に付与」とは、温熱と冷熱を同一タイミングで付与するという狭い概念ではなく、温熱生成手段13と冷熱生成手段14とを個別に制御して温熱と冷熱を交互に付与する構成をも含む概念である。
【0030】
また、別の制御として、スイッチ107を押下し、各熱電変換素子115を駆動するとき、制御基板106で熱電変換素子115に供給する駆動電流の極性を、所定時間(例えば3分)ごとに反転して交互に供給することができる。このように、所定時間ごとに駆動電流の極性を反転させることで、目元ヘッド102を目元部分に装着した状態のままで、まぶたの周辺の肌面に冷熱刺激と温熱刺激を交互に与えて、美容効果を発揮することができる。そして同様に制御基板106が供給する駆動電流は、予め設定された時間が経過し、あるいは再度スイッチ107を押下することで停止し、これにより熱刺激の付与が終了する。つまり、この制御の場合、少なくとも一方のまぶたの周辺の肌面に対して異なる温度の熱刺激を同時に与えることができるばかりか、まぶた周辺で冷熱刺激と温熱刺激とを交互に切り替えることができるので、より一層の熱刺激効果がある。しかも本実施例の場合、それを左右両目において実現できる。
【0031】
さらにまた、制御基板106による駆動電流の供給形態は、スイッチ7を押下するごとに順方向供給、逆方向供給、反転供給の3種の形態を順次切換え可能とすることができる。この場合には、ユーザーの好みに応じた熱刺激付与態様を選択して、まぶたの周辺の肌面に熱刺激を与えることができる。
【0032】
(第2実施例)
図5に、本発明に係る目元用美容機器の第2実施例を示す。本実施例では、ハウジング110の左右に第1熱供給体130と第2熱供給体120を各1個ずつ設けた点と、熱電変換素子を1個とした点と、熱電変換素子115に供給される駆動電流の極性を、所定時間ごとに反転する点が第1実施例と異なる。他は第1実施例と同じであるので、同じ部材に同じ符号を付してその説明を省略する。
【0033】
ハウジング110には、右目用リング体(第1熱供給体)130と、左目用リング体(第2熱供給体)120とが固定してある。熱電変換素子115は、温熱面116と冷熱面117とが左右に指向する状態で配置してあり、制御基板106で熱電変換素子115に順方向の駆動電流を供給したとき、熱電変換素子115の右面側が温熱を生成する温熱面116として機能させ、左面側が冷熱を生成する冷熱面117として機能させることができる。
【0034】
左目用リング体120の第2伝熱体124の受熱面126は、シリコーンゴム製の伝熱シートを介して冷熱面117と接続してあり、冷熱面117から伝導された冷熱で、左目用リング体120の全体を冷却できる。また、右目用リング体130の第1伝熱体137の受熱面142は、シリコーンゴム製の伝熱シートを介して温熱面116と接続してあり、温熱面116から伝導された温熱で、右目用リング体130の全体を加熱できる。これにより、左のまぶたの周辺の肌面に冷熱刺激を与え、右のまぶたの周辺の肌面に温熱刺激を与えて、美容効果を発揮することができる。このとき、窓118・119を介してハウジング窓112から前方を視認できるので、テレビや本をみながら肌面に熱刺激を与えることができる。
【0035】
制御基板106は、熱電変換素子115に供給する駆動電流の極性を所定時間(例えば3分)ごとに反転して交互に供給するようになっている。このように、所定時間ごとに駆動電流の極性を反転させることで、右目用リング体130と、左目用リング体120による熱刺激態様を、温熱刺激態様と冷熱刺激態様とに交互に切換えるようにすることができる。従って、美容機器の構成を簡素化しながら、まぶた周囲の肌面に異なる温度刺激を交互に与えて、美容効果を発揮することができる。また、窓118・119を介してハウジング窓112から前方を視認できるので、テレビや本をみながら肌面に熱刺激を与えることができる。
【0036】
第1および第2実施例では、第1伝熱面134および第2伝熱面123を楕円リング状に形成したが、円形リング状、多角形リング状、あるいは直線と曲線を組み合わせた枠状などに適宜形成することができる。また、第1伝熱面134および第2伝熱面123は連続した面である必要はなく、断続的に形成してもよい。
【0037】
上記の窓118・119を備えた目元用美容機器は、以下の形態で実施することができる。
肌処理ヘッド102は、温熱生成手段113および冷熱生成手段114と、温熱生成手段113または冷熱生成手段114で生成された熱を肌面に伝導する第1熱供給体130と、冷熱生成手段114または温熱生成手段113で生成された熱を肌面に伝導する第2熱供給体120とを含み、
第1熱供給体130および第2熱供給体120のそれぞれには、前後に貫通する窓118・119が形成されており、
第1熱供給体130および第2熱供給体120を目元に装着して肌面に熱を伝導する状態において、第1熱供給体130および第2熱供給体120の窓118・119を介して前方が視認可能に構成してある目元用美容機器。
【0038】
第1熱供給体130および第2熱供給体120はそれぞれ環状に形成されて、前後に貫通する窓118・119が形成されており、
第2熱供給体120は第1熱供給体130の周囲を囲む状態で配置してある。換言すれば第1熱供給体130と第2熱供給体120とが同心状に配設してある。
【0039】
温熱生成手段113および冷熱生成手段114が1個の熱電変換素子115で構成されており、
左右いずれか一方の目元に第1熱供給体130が装着され、残る他方の目元に第2熱供給体120が装着されるようになっており、
熱電変換素子115は、制御手段106で作動状態が制御されるようになっており、
熱電変換素子115に供給される駆動電流の極性を、制御手段106で所定時間ごとに反転して、第1熱供給体130および第2熱供給体120による熱刺激態様を、温熱刺激態様と冷熱刺激態様とに交互に切換えるように構成してある。
【0040】
上記の各実施例では、冷温の熱刺激は温度差があればよく、例えば冷熱刺激側を35℃に設定し、温熱刺激側を45℃に設定してもよい。この場合には両熱刺激は共に肌面を加熱する。第1熱供給体130、第2熱供給体120、第1伝熱体137および第2伝熱体124は、アルミニウムで形成したが、真鍮、銅などで形成できる。この場合には、ダイキャスト品に切削加工を施したのち、その表面にメッキや蒸着などでアルミニウムの金属皮膜を形成すればよい。上記の各実施例では、温熱生成手段113および冷熱生成手段114を1個の熱電変換素子115で構成したが、温熱生成手段113をPTCヒーターで構成し、冷熱生成手段114を熱電変換素子の冷熱面で構成することができる。こうすれば温熱生成手段113と冷熱生成手段114とを個別に電圧制御して個別に温度コントロールできる。さらに、第1熱供給体130用に温熱生成手段113であるPTCヒーターと冷熱生成手段114である熱電変換素子の2個の熱生成手段を設け、第1熱供給体130に対して温冷を含む広い温度範囲の熱を供給可能に構成し、第2熱供給体120用に温熱生成手段113であるPTCヒーターと冷熱生成手段114である熱電変換素子の2個の熱生成手段を設け、第2熱供給体120に対して温冷を含む広い温度範囲の熱を供給可能に構成して、第1熱供給体130、第2熱供給体120に対して、4つの熱生成手段を個別に電圧制御して幅広い温度範囲で細かな温度コントロールを可能にできる。