【実施例】
【0024】
図1及び
図2に示すように、ボトル飲用水充填装置1は、枠体2とパネル3によって中空直方体状に形成されるとともに下面の四隅にキャスター5が取り付けられた筺体4の内部に、ドラム6、ドラムカバー7,8、給水ノズル9、洗浄ノズル10、給気ノズル11、キャップ供給部12、キャップ巻締機13及び制御盤14が設置された構造となっている。そして、ドラム6、給水ノズル9、洗浄ノズル10、給気ノズル11及びキャップ巻締機13は、制御盤14によってその動作を制御されている。
【0025】
枠体2の前面を覆うように設置されるパネル3は、スタートボタン15、非常停止ボタン16及び液晶タッチパネル17が設けられた前面パネル3aと、枠体2の上段、中段、下段に対してそれぞれ着脱可能に取り付けられる前面パネル3b〜3dとからなり、前面パネル3bにはキャップ投入口4eが開口形成され、前面パネル3cにはボトル装填口4aとキャップ装填口4bがそれぞれ開口形成されている。そして、ボトル装填口4aとキャップ装填口4bには、硬質樹脂や硬質ガラス等の透明板に取っ手18が設けられた開閉扉19a,19bがそれぞれヒンジ20を用いて開閉可能に取り付けられている。また、前面パネル3c,3dには、開口部に透明板が嵌めこまれるようにして窓部4c,4dが形成されている。
なお、スタートボタン15はドラム5の動作を開始させるためのボタンであり、非常停止ボタン16は本装置を稼働中に何らかの不具合が生じた場合に全ての動作を停止させるためのボタンである。また、液晶タッチパネル17は装置の運転状態を表示するとともに、装置の運転条件等の設定を行う際に用いられるものである。
【0026】
ドラム6は、前面側に複数のボトル保持具21が円周方向へ所定のピッチで環状に配列された円盤22と、隣接する2つのボトル保持具21の間を仕切るように円盤22の前面側の複数箇所に立設される仕切り部材23と、からなり、円盤22は、枠体2に回動可能に設置された回動軸24によって中心部を支持されている。すなわち、ドラム6は枠体2に回動軸24を回動中心として回動可能に取り付けられている。
【0027】
仕切り部材23は、長尺状の板材であり、曲折された曲折部23aを除き、その長手方向が半径方向と一致するように円盤22に取り付けられている。なお、本実施例では、6個のボトル保持具21の間を互いに仕切るために、曲折部23aの曲折角度が120°の仕切り部材23を用いている。そして、この仕切り部材23を円盤22の前面側6箇所に設置することにより、ボトル保持具21が個別に収納される区画が円周方向へ均等に6箇所形成され、回動軸24の端部を囲む区間が中央に形成されている。
【0028】
給水ノズル9から供給された飲用水がドラム6の側方へ飛散することを防ぐため、ドラム6の上部側面と背面を覆うようにドラムカバー7が設置されている。一方、ドラム6の下方には、洗浄ノズル10から供給された洗浄水を受ける容器として機能するドラムカバー8が設置されている。そして、ドラムカバー8には、貯留した水を外部へ排出するための排水ロート25が設けられている。
なお、ドラムカバー7,8の外側には、後述の光電センサの投光部と受光部を設置するための固定金具26a,26bが枠体2に取り付けられている。
【0029】
次に、ドラム6を回動させる機構について
図3を用いて説明する。
図3(a)はドラム6を背面側から見た図であり、
図3(b)は
図3(a)におけるA−A線矢視断面の一部を拡大して示した図である。
図3(a)及び
図3(b)に示すように、ドラム6を構成する円盤22の回動中心に接合された回動軸24は、枠体2にボルト28を用いて固定された一対の軸受27,27によって水平に保持されている。また、回動軸24は軸受27,27で挟まれた部分の中央付近にフリーホイール29を介してピニオン30が接続されており、ピニオン30には、枠体2に取り付けられたシリンダ31のロッド32の先端に固定されたラック33が噛合している。したがって、シリンダ31によってロッド32を前進又は後退させると、ラック33と噛合するピニオン30が正方向(
図3(a)に矢印Bで示す方向)又はその逆方向へ回動する。そして、フリーホイール29の作用により、回動軸24にはピニオン30から正方向へ回動させる力のみが伝達される。すなわち、ドラム6は、シリンダ31のロッド32を前進若しくは後退させることにより、ドラム6が間欠的に所定の角度(本実施例では60°)ずつ回動する構造となっている。
【0030】
図4(a)及び
図4(b)は
図1のように前面パネル3c,3dを取り外した状態で、ドラム6の上部付近及び下部付近をそれぞれ拡大して示した斜視図である。なお、
図4では、便宜上、1個のボトル保持具21のみを示している。また、図中の二点鎖線は光電センサを構成する投光部と受光部の間に形成される光路を模式的に表したものである。
図4(a)に示すように、ドラムカバー7と仕切り部材23には、ドラム6が回動していない状態において、光電センサの投光部と受光部の間に形成される光路を遮断することがないように、それぞれ貫通穴7a,23bが設けられている。また、給水ノズル9から供給された飲用水等が仕切り部材23によって仕切られた前述の区画の内部に溜まることがないように、仕切り部材23の曲折部23aには排水用の貫通穴23cが設けられている。
【0031】
図4(b)に示すように、ドラムカバー8にもドラムカバー7の貫通穴7aと同様の目的で貫通穴8aが設けられている。ただし、ドラムカバー8の内壁面を伝って流下する洗浄水や飲用水等が貫通穴8aを通って外部へ排出されることがないように、貫通穴8aの上部を覆うようにカバー8bが設けられている。
ボトル保持具21は、互いに平行となるように所定の間隔をあけて円盤22に立設される一対の挟持板34,34と、挟持板34,34を連結するとともに円盤22に対して平行に設置される平面視矩形状の背板35と、挟持板34,34及び背板35に対して直交するように円盤22に立設されるU字板36と、背板35と平行に挟持板34,34から外方へ向かって延設される取付部37と、円盤22に設けられたネジ孔(図示せず)に対して取付部37をネジ止めする固定具38からなる。そして、挟持板34には、貫通穴7a,8aと同様の目的で貫通穴34aが設けられている。
このように、ボトル飲用水充填装置1においては、U字板36により給水口39a(
図10(a)参照)が保持されるとともに挟持板34,34により本体部39b(
図10(a)参照)が両側から挟み込まれるようにしてボトル39(
図10(a)参照)が固定される。また、使用するボトル39の本体部39bの幅に対応したサイズの挟持板34,34と背板35に適宜交換できるように、挟持板34,34と背板35は円盤22に対して着脱自在となっている。
【0032】
図5は
図1において枠体2や前面パネル3a〜3dなど構成要素の一部を省略して拡大した図である。なお、図を見易くするために、ボトルにハッチングを施すともに、ドラムカバー8の前面及び説明上必要でないボトルの図示を省略している。また、図中の矢印Dはドラム6が回動する方向(
図3に示した矢印Bと同一方向)を示している。
図5に示すように、ボトル保持具21は、ボトル39が円盤22に対して放射状に、かつ、その給水口が外側に向いた状態で配置されるように、円盤22に着脱自在に設置されている。
ドラム6の上方には、貯留タンク(図示せず)から給水ライン(図示せず)を介して供給される飲用水をボトル39に注入するための給水ノズル9が配置されている。
【0033】
給水ノズル9にはキャップ巻締機13が併設されている。このキャップ巻締機13は、複数の爪を用いてキャップ40を解放自在に保持するチャック部13aと、チャック部13aを鉛直方向に平行な軸心周りに回転させる回転機構13bと、チャック部13a及び回転機構13bを上下方向へ移動させる昇降機構13cを備えている。また、キャップ巻締機13の真下には、キャップ受け部41が設置され、このキャップ受け部41はキャップ供給部12の下端に接続されている。なお、キャップ供給部12は、その内部をキャップ40が滑動可能に中空形状をなし、キャップ投入口4eの近傍に上端が開口し、下端はキャップ受け部41に向かって開口している。
したがって、キャップ投入口4e(
図2参照)から投入されたキャップ40は、自重によってキャップ供給部12の内部を下方へ向かって滑動した後、キャップ受け部41に供給され、上方から下降してきたチャック部13aに保持されることになる。
【0034】
給水ノズル9とキャップ巻締機13は、円盤22に沿って水平に枠体2に取り付けられたガイドレール(図示せず)によってスライド自在に支持される保持プレート42によって一体として保持されている。また、保持プレート42は図示しないプレート駆動手段によって矢印Cで示すように水平方向へ移動可能となっている。
すなわち、キャップ巻締機13は、鉛直方向に対して平行に配置されたボトル39の給水口39aの真上に給水ノズル9が配置されている場合、チャック部13aがキャップ受け部41の真上に配置され、昇降自在となっている。また、キャップ巻締機13は、保持プレート42の水平移動に伴い、給水ノズル9と一体として円盤22に沿って水平方向へ移動する。そして、ボトル飲用水充填装置1においては、キャップ巻締機13が上記ボトル39の給水口39aの真上にチャック部13aが配置されるまで、水平移動可能となっている。
なお、本願明細書において、「給水ノズル9や洗浄ノズル10がボトル39の給水口39aの真上又は真下にある」とは、長手方向の中心軸が鉛直方向と一致するようにボトル39が設置されている場合に、その中心軸の延長線上に給水ノズル9や洗浄ノズル10が配置されている状態を意味するものとする。
【0035】
ドラム6の側方には、ドラムカバー8の内部へ突出するように設けられた給気ノズル11が、高圧の空気を円盤22に対して平行に、かつ、その中心へ向けて噴射可能にボトル39の給水口39aの近傍に設置されている。
また、ドラム6の下方には、ドラムカバー8の内部へ突出するように設けられた洗浄ノズル10がボトル39の内部へ洗浄水を注入可能に、ボトル39の給水口39aの真下に配置されている。なお、本実施例では、水道の蛇口等に洗浄ノズル10を接続することで、水道水を洗浄水として利用しているが、これに限らず、例えば、洗浄液が貯留されたタンクから洗浄液ポンプ等を用いて洗浄液を洗浄ノズル10に供給する構造であっても良い。
【0036】
ドラム6の上部及び下部には、ドラムカバー7,8と枠体2の間に光電センサの投光部43及び受光部44がそれぞれ固定金具26a,26bを用いて設置されている。なお、本実施例で使用する光電センサは、投光部43の光源(投光素子)に発光ダイオードを使用し、受光部44の受光素子にフォトトランジスタ、フォトダイオード、PSD(位置検出用フォトダイオード)を使用している。
ドラム6が回動していない場合、ドラムカバー7の貫通穴7aと仕切り部材23の貫通穴23b、及びドラムカバー8の貫通穴8aと仕切り部材23の貫通穴23bは、それぞれ一直線上に配置されており、投光部43及び受光部44もそれらの直線状にそれぞれ配置されている。すなわち、投光部43と受光部44は、両者の間に形成される光路が円盤22に対して略平行となるように配置されている。
したがって、鉛直方向に対して平行状態にあるボトル保持具21にボトル39が装填されていない場合、投光部43と受光部44の間には、
図5に二点鎖線で示すような光路が形成される。一方、上述のボトル保持具21にボトル39が装填されている場合、投光部43と受光部44の間の光路は、ボトル39によって遮断されるため、受光部44が受ける光量に応じて発生する電気信号が変化する。そして、この電気信号が制御盤14に内蔵された信号処理回路で処理され、ボトル保持具21にボトル39が装填されていることが検出される。
なお、枠体2と円盤22との間には、枠体2の四隅等に無駄な空間が発生し易いが、この空間は、上述したように投光部43と受光部44が設置されることにより、有効に利用される。また、本実施例のように、各ボトル39の給水口39aが円盤22の中心から略等距離に配置されている場合、光路を遮るボトルが常に1本のみとなるように、投光部43と受光部44を配置することができる。この場合、給水ノズル9の真下、あるいは洗浄ノズル10の真上に配置されたボトル39以外のボトル39が誤って光電センサによって検出されるおそれがない。したがって、装置の誤動作を防ぐことができる。
【0037】
次に、ボトル飲用水充填装置1の運転手順について
図6〜
図11を用いて説明する。
図6(a)はボトル飲用水充填装置1の運転手順を示すフローチャートであり、
図6(b)〜
図10(b)はドラム6の回動状態を示す模式図である。なお、図を見易くするために、説明上図示の必要のない構成要素を省略している。
また、
図6(b)は
図6(a)におけるステップS2に対応し、
図7(a)及び(b)はそれぞれステップS4及びステップS7に対応する。さらに、
図8(a)及び
図8(b)はそれぞれステップS10及びステップS11に対応し、
図9(a)及び
図9(b)はそれぞれステップS12及びステップS13に対応している。そして、
図10(a)及び
図10(b)はそれぞれステップS14及びステップS16に対応している。また、
図11は
図5において全てのボトル保持具21にボトル39が装着された状態を示している。
【0038】
図6(a)に示すように、まず、ステップS1において、装置の電源を投入する。ステップS2では、ボトル装填口4aの開閉扉19aを開けてボトル保持具21にボトル39を装填し、開閉扉19aを閉める(
図2及び
図6(b)参照)。次に、ステップS3において、スタートボタン15(
図2参照)を押すと、制御盤14からの指令に従って、ドラム6が正方向(
図6(b)の矢印D参照)に60°回動する。
ステップS4では、ドラム6が停止した後、制御盤14からの指令に従って、給気ノズル11から高圧の空気が噴射される。そして、この高圧の空気がボトル39の給水口39aから注入されることにより、ボトル39の内部に存在する可能性のあるゴミ等の混入物が吹き飛ばされて排除される(
図7(a)参照)。この場合、ボトル39の内部に浮遊している微細なゴミ等が洗浄水による洗浄によって水分を含み、ボトル39の内面に付着してしまう前に、高圧空気によって、それらのゴミ等を効率よく排除することができる。
その後、ステップS5において、スタートボタン15を押すと、制御盤14からの指令に従って、ドラム6が正方向(
図7(a)の矢印D参照)に60°回動する。
【0039】
ステップS6において、ドラム6が停止した後、ドラム6の下部に配置された投光部43及び受光部44からなる光電センサによってボトル保持具21に装填されたボトル39が検出されると、ステップS7において、制御盤14からの指令に従って、洗浄ノズル10から洗浄水が吐出される。この洗浄水が給水口39aからボトル39の内部へ注入されることにより、ボトル39の内面が洗浄される。その後、洗浄水は、再び給水口39aを通ってボトル39の外部へ排出され、ドラムカバー8の排水ロート25からボトル飲用水充填装置1の外部へ排出される(
図7(b)参照)。なお、ステップS6において、ボトル39が検出されない場合は、ステップS7の工程が省略される。
【0040】
ステップS8では、スタートボタン15を3回押すことにより、ドラム6が制御盤14からの指令に従って正方向(
図7(b)の矢印D参照)に180°回動する。
ステップS9では、ドラム6が停止した後、ドラム6の上部に配置された投光部43及び受光部44からなる光電センサによってボトル保持具21に装填されたボトル39が検出されると、ステップS10において、制御盤14からの指令に従って、給水ノズル9から飲用水が給水口39aを通してボトル39の内部へ注入される(
図8(a)参照)。
また、このとき、ステップS11では、制御盤14からの指令に従ってキャップ巻締機13の昇降機構13cが作動することにより、
図8(a)に矢印Eで示すように、チャック部13aが下降する。そして、
図8(b)に示すように、キャップ受け部41において、キャップ供給部12から供給されたキャップ40をキャップ巻締機13のチャック部13aが保持する。キャップ巻締機13へのキャップ40の装填が完了すると、制御盤14からの指令に従ってキャップ巻締機13の昇降機構13cが再び作動し、矢印Fで示すように、チャック部13aが上昇する。
その後、ステップS12では、制御盤14からの指令に従ってプレート駆動手段(図示せず)が作動する。これにより、矢印Gで示す方向へ保持プレート42が水平移動し、キャップ40が装填されたキャップ巻締機13のチャック部13aがボトル39の給水口39aの真上に配置される(
図9(a)参照)。
【0041】
ステップS13では、制御盤14からの指令に従ってキャップ巻締機13の回転機構13b及び昇降機構13cが作動する。これにより、チャック部13aはキャップ40を保持した状態で鉛直方向に平行な軸を中心として回転しながら、
図9(a)に矢印Eで示すように下降する。その結果、
図9(b)に示すように、雄ネジが形成されたボトル39の給水口39aに対し、キャップ40が所定のトルクで螺入される。そして、ボトル39へのキャップ40の装着が完了すると、制御盤14からの指令に従って、チャック部13aはキャップ40を解放するともに、昇降機構13cの作動により、矢印Fで示すように上昇する。
ステップS14では、制御盤14からの指令に従ってプレート駆動手段(図示せず)が再び作動する。その結果、矢印Hで示す方向へ保持プレート42が水平移動し、給水ノズル9がボトル39の給水口39aの真上に配置される(
図10(a)参照)。なお、ステップS9において、ボトル39が検出されない場合は、ステップS10〜ステップS14の工程が省略される。
【0042】
ステップS15では、スタートボタン15を押すことにより、ドラム6が制御盤14からの指令に従って正方向(
図10(a)の矢印D参照)に60°回動する。
ステップS16では、ドラム6が停止した後、ボトル装填口4aの開閉扉19aを開けてボトル保持具21からボトル39を取り外し、
図10(b)に示すように、装置からボトル39を取り出す。そして、開閉扉19aを閉めた後、ステップS17において、装置の電源を切断する。
【0043】
以上の説明は、本装置の運転手順に対する理解を容易にするために、円盤22に対して1本のボトル39のみが装填された状態を想定したものであるが、実際には、本装置は、
図11に示すように、全てのボトル保持具21に対してボトル39が装着された状態で使用される。
すなわち、ボトル飲用水充填装置1においては、バッチ処理によって、複数のボトル39に対して、給気ノズル11及び洗浄ノズル10による洗浄、給水ノズル9による飲料水の充填、キャップ巻締機13によるキャップ40の装着という一連の工程が同時並行的に進められる。すなわち、ボトル飲用水充填装置1によれば、従来、複数の装置で行われていた処理を1台の装置で、効率良く行うことができるため、設置スペースが削減されるとともに、作業効率が向上する。
【0044】
そして、ボトル飲用水充填装置1においては、ボトル39の給水口39aが下方を向いた状態で、給水ノズル9から噴射された洗浄水が給水口39aからボトル39の内部へ注入されるため、ボトル39の内部のゴミ等を洗い流した洗浄水が自重により再び給水口39aを通ってボトル39の外へ排出されるという作用を有する。この場合、ボトル39から洗浄水を強制的に排出する機構を設ける必要がないため、洗浄機構が簡素化される。
また、ドラム6の回動に伴って、洗浄ノズル10の真上や給水ノズル9の真下までボトル39が搬送されるとともに、洗浄ノズル10に対しては給水口39aが下方を向き、給水ノズル9に対しては給水口39aが上方を向くように、すなわち、それぞれの処理に適した姿勢になるようにボトル39が回転するという作用を有する。このように、ボトル飲用水充填装置1によれば、ボトル39の搬送と姿勢制御をドラム6の回動という一つの動作で実現できるため、ボトル39の搬送機構が簡素化される。したがって、本装置は小型化及び製造コストの削減が可能である。
【0045】
また、ボトル飲用水充填装置1においては、ドラム6の前面に装着され回動軸24を中心として円を描くように搬送されるボトル39に対して洗浄や飲料水の充填、キャップ40の装着等の処理が順次行われる構造であるため、前面パネル3b〜3dを取り外すことにより、ボトル39のボトル保持具21への装填状態、あるいはボトル39の搬送状態が一目瞭然となる。すなわち、ボトル39の装填状態や搬送状態を一目で確認できるため、保守や点検が容易である。
さらに、ボトル飲用水充填装置1は、幅方向よりも回動軸24の軸方向の長さが短いため、設置スペースの奥行きが狭い場合でも設置することができる。
【0046】
さらに、ボトル飲用水充填装置1においては、保持プレート42が円盤22に沿って水平移動することで、給水ノズル9によるボトル39への飲用水の注入が可能な状態と、キャップ巻締機13による給水口39aへのキャップ40の装着が可能な状態が切り替わるという作用を有する。これにより、ボトル39に対する飲用水の充填工程とキャップ40の装着工程が効率良く連続して行われる。
加えて、ボトル飲用水充填装置1では、給水ノズル9によってボトル39に飲用水が注入されている間に、キャップ巻締機13の昇降機構13cを作動させて、チャック部13aをキャップ受け部41に到達するように下降させることで、キャップ受け部21に既に供給済みのキャップ40がチャック部13aに装填される。すなわち、ボトル飲用水充填装置1によれば、ボトル39への飲用水の充填工程の間にキャップ巻締機13へのキャップ40の装填が行われるため、作業効率が高い。
【0047】
本実施例では、ドラム6の回動機構を構成するシリンダ31としてエアシリンダを用いているが、これに限らず、エアシリンダの代わりに電動シリンダや油圧シリンダを用いても良い。また、ピニオン30に噛合するラック33をシリンダ31によって駆動しドラム6を回動させる機構に代えて、電動モータや油圧モータを用いてドラム6を回動させることもできる。
さらに、円盤22に設置されるボトル保持具21の個数は本実施例に示した6個に限定されず、適宜変更可能である。なお、円盤22に設置されるボトル保持具21の個数を変更する場合には、スタートボタン15の1回の操作によってドラム6が回動する角度や仕切り部材23の個数や設置箇所もそれに応じて変更する必要がある。
また、仕切り部材23を省略した構造とすることもできる。ただし、洗浄水や飲用水の飛散を防止するためには、本実施例に示したように円盤22に対して仕切り部材23を設けることが望ましい。
そして、投光部43及び受光部44を給気ノズル11を間に挟むように設置して、ボトル保持具21にボトル39が装填されていない場合には、給気ノズル11から高圧の空気が噴射されない構造とすることもできる。