(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173786
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法
(51)【国際特許分類】
G06F 3/0481 20130101AFI20170724BHJP
G06T 11/80 20060101ALI20170724BHJP
G06F 3/0488 20130101ALI20170724BHJP
【FI】
G06F3/0481
G06T11/80 A
G06F3/0488
【請求項の数】9
【全頁数】13
(21)【出願番号】特願2013-124205(P2013-124205)
(22)【出願日】2013年6月12日
(65)【公開番号】特開2015-1749(P2015-1749A)
(43)【公開日】2015年1月5日
【審査請求日】2016年4月5日
(73)【特許権者】
【識別番号】000233778
【氏名又は名称】任天堂株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100084375
【弁理士】
【氏名又は名称】板谷 康夫
(74)【代理人】
【識別番号】100130269
【弁理士】
【氏名又は名称】石原 盛規
(72)【発明者】
【氏名】瀧口 貴悠
(72)【発明者】
【氏名】白川 英一
【審査官】
原 秀人
(56)【参考文献】
【文献】
特開2010−087605(JP,A)
【文献】
特開2003−099406(JP,A)
【文献】
特開2006−166047(JP,A)
【文献】
米国特許第05878124(US,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/048
G06T 11/80
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
画像表示手段を備え、
異なる外観を有する他の情報処理装置においても実行可能なソフトウエアを共通して実行可能な情報処理装置であって、
前記情報処理装置の外観に関する外観情報を記憶した記憶手段と、
前記記憶手段から前記外観情報を読み出して、前記ソフトウエアにより当該外観情報に基づいて前記情報処理装置自らの外観に対応する対応画像を作成して前記画像表示手段に表示させる制御部と、
前記画像表示手段の一部若しくは全部を覆うタッチパネルと、
前記画像表示手段が備えられる筐体と、を備え、
前記外観情報は、前記情報処理装置の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に関する情報であり、
前記制御部は、前記ソフトウエアにより前記外観情報に応じた仮想画像を作成し、当該仮想画像は、前記筐体と前記画像表示手段との境目から表示され、
当該仮想画像は、筐体にある操作釦と同一又は類似の操作釦を含む、情報処理装置。
【請求項2】
前記外観情報は、前記情報処理装置の形状、模様若しくは色彩のうち少なくとも2つ以上の結合に関する情報である請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記外観情報は、前記情報処理装置の外観の種類に応じた記号又は数値であって、当該記号又は数値をインデックス情報として前記記憶手段に記憶する請求項1又は2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記対応画像は、外観と適合する適合画像である請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記記憶手段に記憶された前記インデックス情報は、前記制御部により外観情報に変換されて、変換後の前記外観情報に応じてソフトウエアにより前記画像表示手段に表示する画像を変更する請求項3又は4に記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記ソフトウエアは少なくとも二種類以上存在し、当該ソフトウエアの種類毎に表示する画像が異なる請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の情報処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置と、それとは異なる外観を有する他の情報処理装置と、を備える情報処理システム。
【請求項8】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置、及びそれとは異なる外観を有する他の情報処理装置において実行可能なソフトウエアを共通して各制御部において実行される情報処理プログラムであって、
前記情報処理プログラムは、前記制御部を、
前記情報処理装置の外観に関する外観情報が記憶された記憶手段から当該外観情報を読み出す読出制御手段と、
前記読出制御手段によって前記記憶手段から読み出した前記外観情報に基づいて前記ソフトウエアにより前記情報処理装置の外観に対応する画像を作成して前記画像表示手段に表示する画像制御手段として機能させる情報処理プログラム。
【請求項9】
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置、及びそれとは異なる外観を有する他の情報処理装置において実行可能なソフトウエアを共通して実行される情報処理方法であって、
前記情報処理装置の外観に関する外観情報が記憶された記憶手段から当該外観情報を読み出す読出制御ステップと、
前記読出制御ステップによって前記記憶手段から読み出した前記外観情報に基づいて前記ソフトウエアにより前記情報処理装置の外観に対応する画像を作成して前記画像表示手段に表示する画像制御ステップを含む情報処理方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像表示手段を有した情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、情報処理装置における画像表示装置の画面操作方法として、タッチされたタッチパネル上の位置に映し出されている画像を適宜変更する画面操作方法や、表示画面にスクロールバーを設けてスクロールバーのタッチの方向に合わせて画像をスクロールし、ダブルタッチを検出してページ送りを行う画面操作方法がある(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−44036号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
特許文献1に示されるような画像表示装置は、タッチパネルへの操作を検出してディスプレイ上に表示されている画面を変更することが可能なだけであった。
【0005】
本発明の目的の一つは、上記課題を解決するものであって、情報処理装置が有する特有の外観に応じた画像をディスプレイ上に表示させることによって、新たな画像表示態様を提供することができる情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するための構成例の一つは、画像表示手段を備え、異なる外観を有する他の情報処理装置においても実行可能なソフトウエアを共通して実行可能な情報処理装置であって、前記情報処理装置の外観に関する外観情報を記憶した記憶手段と、前記記憶手段から前記外観情報を読み出して、前記ソフトウエアにより当該外観情報に基づいて前記情報処理装置自らの外観に対応する対応画像を作成して前記画像表示手段に表示させる制御部と、
前記画像表示手段の一部若しくは全部を覆うタッチパネルと、前記画像表示手段が備えられる筐体と、を備え、前記外観情報は、前記情報処理装置の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に関する情報であり、前記制御部は、前記ソフトウエアにより前記外観情報に応じた仮想画像を作成し、当該仮想画像は、前記筐体と前記画像表示手段との境目から表示され、当該仮想画像は、筐体にある操作釦と同一又は類似の操作釦を含むものである。
【0009】
また、その他の構成例の一つとして、前記外観情報は、前記情報処理装置の形状、模様若しくは色彩のうち少なくとも2つ以上の結合に関する情報であってもよい。
【0010】
また、その他の構成例の一つとして、前記外観情報は、前記情報処理装置の外観の種類に応じた記号又は数値であって、当該記号又は数値をインデックス情報として前記記憶手段に記憶してもよい。
【0011】
また、その他の構成例の一つとして、前記対応画像は、外観と適合する適合画像であってもよい。
【0012】
また、その他の構成例の一つとして、前記記憶手段に記憶された前記インデックス情報は、前記制御部により外観情報に変換されて、変換後の前記外観情報に応じてソフトウエアにより前記画像表示手段に表示する画像を変更してもよい。
【0013】
また、その他の構成例の一つとして、前記ソフトウエアは少なくとも二種類以上存在し、当該ソフトウエアの種類毎に表示する画像が異なってもよい。
【0016】
また、その他の構成例の一つとして、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置と、それとは異なる外観を有する他の情報処理装置と、を備える情報処理システムである。
【0017】
また、その他の構成例の一つとして、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置、及びそれとは異なる外観を有する他の情報処理装置において実行可能なソフトウエアを共通して
各制御部において実行される情報処理プログラムであって、前記情報処理プログラムは、前記制御部を、前記情報処理装置の外観に関する外観情報が記憶された記憶手段から当該外観情報を読み出す読出制御手段と、前記読出制御手段によって前記記憶手段から読み出した前記外観情報に基づいて前記ソフトウエアにより前記情報処理装置の外観に対応する画像を作成して前記画像表示手段に表示する画像制御手段として機能させるものである。
【0018】
また、その他の構成例の一つとして、
請求項1乃至請求項6のいずれかに記載の情報処理装置、及びそれとは異なる外観を有する他の情報処理装置において実行可能なソフトウエアを共通し
て実行される情報処理方法であって、前記情報処理装置の外観に関する外観情報が記憶された記憶手段から当該外観情報を読み出す読出制御ステップと、前記読出制御ステップによって前記記憶手段から読み出した前記外観情報に基づいて前記ソフトウエアにより前記情報処理装置の外観に対応する画像を作成して前記画像表示手段に表示する画像制御ステップを含むものである。
【0019】
上記構成例によれば、情報処理装置が有する特有の外観に応じた画像をディスプレイ上に表示させることによって、趣向性のある情報処理装置、情報処理システム、情報処理プログラム及び情報処理方法を提供することができる。
【発明の効果】
【0020】
本実施形態によれば、情報処理装置の外観に関する外観情報を予めメモリに記憶しておいて、メモリに記憶した外観情報に応じて画像表示部に表示する画像を変更することにより、趣向性のある情報処理装置、情報処理プログラム、情報処理方法又は情報処理システムを形成することができる。
【図面の簡単な説明】
【0021】
【
図1】本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置の斜視図。
【
図3】同情報処理装置の外観情報を記憶するためのデータ形式を示した図。
【
図4】同情報処理装置のインデックス情報の対応表。
【
図6】同情報処理装置の画面に仮想画像を表示したときの平面図。
【
図7】同情報処理装置の外観情報によって画像を変更する手順を示したフローチャート図。
【
図8b】変形例1に係る情報処理装置により表示が変更されたキャラクタを示した図。
【
図9】同情報処理装置が外観情報によって画像を変更する手順を示したフローチャート図。
【発明を実施するための形態】
【0022】
(第1の実施形態)
本発明の第1の実施形態に係る情報処理装置について、
図1乃至
図7を参照して説明する。
図1において、情報処理装置1の筐体は、本体部2、画面部4、本体部2と画面部4を結合するヒンジ3からなる。本体部2は、操作部5として、丸釦5a、スライドパッド5b、十字釦5c、機能釦5dの操作釦を備える他、タッチパネル6に覆われており各種アイコンやキャラクタ、背景等の画像を表示する下側LCD(画像表示手段)7、及びLED8を備える。タッチパネル6は、所定の入力面(本実施形態においては下側LCD7の画像表示面全体)に対してタッチ入力された位置を検出し、アプリケーションソフトウエアやゲーム等についての各種設定や操作を行うために用いられる。LED8は、情報処理装置1の動作状態を示す。画面部4は、種々のアイコンやキャラクタ、背景等の画像を表示する上側LCD(画像表示手段)9、カメラ10、スピーカ11、上側LCD9の照度を調整するボリューム12を備える。
【0023】
図2において、情報処理装置1は、所定のプログラムを実行するCPU21、画像の処理を行うGPU(Graphics Processing Unit)22、画像表示のために画像データを蓄積するVRAM(Video Random Access Memory)23を備えたデータ処理部(制御部、画像表示制御手段)20を備える。このデータ処理部20は、次の通信モジュール24、メインメモリ25、外部インターフェース26、プログラムメモリ26a、外部メモリ27、内部メモリ28及びROM(Read Only Memory)29等の各種周辺機器が接続されている。通信モジュール24は、サーバ等の外部装置とデータやプログラムの送受を行う。メインメモリ25は、CPU21が処理するプログラムやデータ等を一時格納する。外部インターフェース26は、プログラムが記憶されたプログラムメモリ26aやデータが記憶されたメモリ等と、データ処理部20との間でやり取りされるデータを伝送する。外部メモリ27は、情報処理装置1に外部から脱着することができる不揮発性で書き換え可能なメモリであり、内部メモリ28は、情報処理装置1に内蔵されている不揮発性で書き換え可能なメモリである。また、ROM(記憶手段)29は、情報処理装置1に内蔵されている不揮発性で書き換え不可のメモリである。外部メモリ27、内部メモリ28、及びROM29は、それぞれデータを保存する。操作部5は、上述の丸釦5a、スライドパッド5b、十字釦5c、機能釦5dで構成される。
【0024】
情報処理装置1の筐体には、外観が異なる少なくとも二種類以上のものが存在する。ここで言う外観には、情報処理装置1の筐体の色や模様等が含まれ、例えば、筐体には白色、赤色、青色、模様付きの白色等の異なる外観のものが存在する。また、情報処理装置1の筐体に設けられた丸釦5a等の操作釦の色や形状、配置態様等も外観に含まれ、例えば、釦の形状は上述の丸形型の丸釦5aの他に、四角形型、三角形型や、釦上に特殊な形状が施された釦等が存在し、また、その数や色、配置位置、配置間隔等が異なるものが存在する。なお、これらに限らず、外観とは、情報処理装置1を外から見たときにユーザが感得できる、情報処理装置1の全ての特徴を指し得る。
【0025】
情報処理装置の外観は、上述のように複数種類存在するが、情報処理装置1及び他の外観が異なる情報処理装置で実行することができるプログラムは、その外観にかかわらず基本的に共通である。すなわち、プログラムは、情報処理装置の外観にかかわらず共通で実行可能であるが、情報処理装置の外観は複数種類存在し、その外観の違いにより情報処理装置はそれぞれ個性を有している。
【0026】
本実施形態では、そのデータ処理部20等において、外観が異なる他の情報処理装置を少なくとも1種以上区別できる情報処理装置1の構成について説明する。自己に施された上述の外観に関する外観情報29aが情報処理装置1自体で適宜扱えるように、この外観情報29aは、予め工場出荷時等にROM29等の記憶媒体に記憶される。外観情報29aとは、上述のような外観を示す情報であって、例えば、情報処理装置1の形状、模様若しくは色彩又はこれらの結合に関する情報も含まれる。
【0027】
図3において、表の記載は、情報処理装置1の外観情報29aのデータ形式の例として、3種類の形式を示したものである。情報処理装置1には、いずれかのデータ形式で外観情報29aが記憶される。外観情報29aのデータ形式として、1枠に記載のインデックス情報とは、例えば、情報処理装置1の筐体の色が白色の場合は「0」、赤色の場合は「1」、
図1に丸形型の操作釦として示される丸釦5aの形状が丸形型の場合は「A」、四角形型の場合は「B」、三角形型の場合は「C」というように、外観を構成する要素毎にその筐体や操作部5の操作釦等に係る色や形状等を代替的に示す数値又は記号を指す。また、筐体の色が白色かつ丸釦5aの形状が四角形型であれば「1」、情報処理装置1の筐体の色が赤色かつ丸釦5aの形状が三角形型であれば「2」として外観を構成する要素を1つにまとめて、その筐体や操作部5の操作釦等に係る色や形状等を代替的に示す数値又は記号を指してもよい。なお、インデックス情報は単なる数字や記号等の情報であるため、(基本的に後述するRGBやBMP、JPG等に比してデータ容量の少ないものではあるが、)当該インデックス情報が実際にどのような外観を示すかを判別するためには後述する対応表(参照表)が必要になる。また、2枠の色情報とは、情報処理装置の筐体の色や操作釦の色等を、RGB等の色表現法の数値で示した情報を指す。3枠の画像情報とは、情報処理装置1の外観を再現できるように情報処理装置1の外観全体又は外観の一部を表す画像(色や模様を含んでいてもよい)をBMPやJPG等の画像ファイル形式にした情報を指す。情報処理装置1に記憶される外観情報29aとして、上記3種類のデータ形式を例示したが、情報処理装置1に記憶されるデータ形式は、1種類のみで外観を再現できるため、いずれか1種類のみのデータ形式で外観情報29aを記憶すれば足りる。
【0028】
また、上記丸釦5aだけではなく、スライドパッド5b、十字釦5c、機能釦5dの形状、色の違いも、これらのインデックス情報、色情報又は画像情報としてROM29に記憶することができる。外観情報29aを記憶する形式については、上述のデータ形式に限らず、外観を再現できる情報の形式であればよい。また、記憶させる媒体もROM29である必要はなく(不揮発性の有無や書込み可否に関わらず)、必要な情報量が記憶可能な媒体であればよい。
【0029】
上述の外観情報29aがROM29に記憶され、ROM29から記憶された外観情報29aを読み出して色などの外観を判別する方法について説明する。インデックス情報がROM29に記憶されている場合は、インデックス情報と、当該インデックス情報に対応する色や形状などの外観に関する外観情報29aを記述した対応表が必要となる。
図4は、対応表の例示であり、上記で説明したように外観を構成する要素を1つにまとめた対応表である。
図4において、対応表は、情報処理装置の筐体の色、丸釦5aの色、機能釦5dの色と形状を、インデックス情報として記憶した場合の対応を示す。この対応表から、ROM29から読み出されたインデックス情報(外観情報29a)の値が「0」であれば、情報処理装置1の筐体の色が白色、丸釦5aの色は白色、機能釦の色は白色で形状は四角形型であることが判別できる。インデックス情報だけをROM29から読み出したとしても、それだけでは情報処理装置1の外観を判別することができない。そのため、情報処理装置1が自己の外観を判別するためにこの対応表を、情報処理装置1のROM29等に予め書き込んでおいて、ROM29等からインデックス情報を読み出した際に、対応表に基づいて記号又は数値である当該インデックス情報が変換されて、情報処理装置1の筐体の色や形状、また、操作釦の色や形状等が判別される。なお、対応表は、外部インターフェース26に接続されるアプリケーションソフトウエアやゲーム等のプログラムに予め記憶しておいてもよいし、通信モジュール24を通じて外部装置やインターネットからダウンロードしてきてもよい。
【0030】
外観情報29aとして、色情報(RGBの数値)をROM29に記憶した場合は、外観を再現するための上述の対応表は不要となる。なぜなら、RGB等の色表現法の数値がROM29に記憶されている場合は、記憶されたRGB等の数値からそのまま情報処理装置1の筐体の色や操作部5等の色を再現することができるからである。また、この色情報は、情報処理装置1の外観色だけではなく、操作部5の操作釦の配置を含めた釦等の領域情報をさらに含めて色情報として記憶してもよい。例えば、領域情報とは、情報処理装置1の操作部5の操作釦の配置を示した外観全体に対する釦の領域と他の領域等を示し、それぞれの領域毎に対応するRGBの値(色地図)を色情報として記憶してもよい。この色情報により、情報処理装置1は自己の外観を再現することができる。
【0031】
外観情報29aとして、画像情報をROM29に記憶した場合は、そのままその画像情報を情報処理装置1の外観全体又は外観の一部を表す画像として利用できる。例えば、画像情報を記憶する方法には、情報処理装置1の外観全体の画像を記憶する方法、操作部5が配置されている場所の画像のみを記憶する方法等がある。また、特定の画像を組み合わせて情報処理装置1の外観全体又は一部を再現できる場合、例えば、情報処理装置1の外観の端部などの特徴がある特徴画像と、端部に囲まれた部分で形状に特徴がなく単色で構成されているようなその他の画像とを組み合わせることにより、情報処理装置1の外観全体又は一部を表現できる場合は、特徴画像とその他の画像、及び特徴画像とその他の画像を組み合わせるための画像配置図を記憶する方法などがある。ただし、インデックス情報として記憶した場合は、ROM29に記憶する記憶容量は小さいが、色情報又は画像情報を記憶した場合には、記憶容量がインデックス情報に比べて大きくなる。
【0032】
次に、ROM29に記憶された外観情報29aを利用した画像表示について
図5及び
図6を参照して説明する。
図5において、上側LCD9には、アプリケーションソフトウエアやゲーム等のプログラムを実行したときに種々のアイコンやキャラクタ、背景などが映し出される。また、下側LCD7は、タッチパネル6に覆われており、下側LCD7に映し出された画像を見ながら、ユーザは、その映し出された画像の位置をタッチペン等でタッチすることにより、実行するアプリケーションソフトウエアやゲーム等についての各種設定や操作を行うことができる。
【0033】
図6において、情報処理装置1は、下側LCD7に仮想画像30を表示している。この仮想画像30は、CPU21が、
図2の外部インターフェース26に接続されたプログラムメモリ26aに記憶されたアプリケーションソフトウエアやゲーム等のプログラムと、ROM29に記憶された外観情報29aとを読み出して表示されたものであり、種々のアイコンや背景、操作部5等を表す画像である。プログラムが通信モジュール24を介してダウンロードされ、外部メモリ27又は内部メモリ28に記憶されている場合は、CPU21は、プログラムを外部メモリ27又は内部メモリ28から読み出す。なお、本実施形態において、これらのアプリケーションソフトウエアやゲーム等のプログラムは、必ずしもプログラムメモリ26a等の外部記憶媒体に記憶されていなくてもよく、例えば、サーバ等からインターネットを通じてダウンロードしてきてもよいし、初めから情報処理装置1の内部の記憶媒体に記憶されていてもよい。
【0034】
仮想画像30は、CPU21が読み出した上述のプログラムとROM29に記憶された外観情報29aとに基づいて、データ処理部20により、作成される。具体的には、インデックス情報がROM29に外観情報29aとして記憶されている場合は、読み出したインデックス情報を上述の対応表に対応させて情報処理装置1自身の筐体の色や、操作部5の色及び形状等を判別する。色情報が記憶されている場合は、上述の情報処理装置1の筐体又は操作部5の釦等に対応するRGBの値が示された色情報から筐体や操作部5等の色や模様等を再現する。また、画像情報が記憶されている場合は、記憶された上述の情報処理装置1の外観全体又は外観の一部を表す画像等から筐体や操作部5等の色や形状等を再現する。この仮想画像30は、上述の外観情報29aに基づいて情報処理装置1の筐体と同一又は類似の模様(色彩も含む)の背景を示す画像が作成され、その背景の上に、筐体に設けられた丸釦5aと同一又は類似の丸釦を示す画像が同様に外観情報29aに基づいて作成されたものである。
【0035】
上記説明では、仮想画像30は、仮想画像30を表示する情報処理装置1の外観情報29aと同一又は類似の画像を表示する例を示したが、逆に、情報処理装置1の外観情報29aと全く異なる模様(色彩も含む)の背景を示す画像を作成したり、筐体に設けられた丸釦5aと形状の異なる釦を示す画像を作成してもよい。また、外観情報29aに関連する背景画像や、情報処理装置1の筐体に設けられた丸形型の釦「A」や四角形型の釦「B」の形状と異なる新たな三角形型の釦「C」の画像を作成して表示してもよい。さらには、外観情報29aと同一又は類似の画像と、全く異なる画像を作成して、それらを組み合わせて表示してもよい。
【0036】
仮想画像30は、上述のように外観情報29aに基づいて、その外観情報29aから情報処理装置1の自らの外観に対応するように作られる。このように、外観情報29aに基づいて自らの外観に対応する対応画像31は、下側LCD7や上側LCDに表示されたとき、情報処理装置1の外観に適合して見栄えが良い場合と、必ずしも見栄えが良くない場合がある。したがって、仮想画像30が下側LCD7や上側LCDに表示されることにより、情報処理装置1がより趣向性を有するように、仮想画像30として作成された情報処理装置1の外観情報29aと同一又は類似の画像であって見栄えが良い画像かどうかを予め検証しておいて、検証後の見栄えが良い適合画像32を仮想画像30として表示するようにしてもよい。見栄えが良い適合画像32として、例えば、情報処理装置1と同一又は類似の仮想画像30であって情報処理装置1と一体感がある仮想画像30の他に、外観色の補色画像や筐体が横縞模様である場合に縦縞模様の画像等の相対する仮想画像30等が想定される。
【0037】
また、下側LCD7は、タッチパネル6で覆われているため、丸釦を表した仮想画像30部分は、その丸釦部分をタッチすることにより、実際の操作釦としての役割を成す。例えば、一体感がある仮想画像30の一例として、
図6に示すように、情報処理装置1の筐体と仮想画像30との間に境目が生じないように、筐体と下側LCD7との境目部分から仮想画像30を下側LCD7に表示する。このことにより、仮想画像30は、情報処理装置1の筐体に設けられた丸釦5aと、仮想画像30の丸釦とに一体感が生じる。すなわち、情報処理装置1の外観に応じた仮想画像30を表示することにより、趣向性が情報処理装置1に形成される。なお、実行するプログラムによっては、情報処理装置1の筐体に設けられた丸釦5a、スライドパッド5b、十字釦5c、機能釦5dだけでは、プログラム操作する上で釦が不足する場合があるため、上述のように操作釦が仮想的に設けられる。
【0038】
図7を参照して、CPU21が、仮想画像30を下側LCD7へ表示するフローチャートの一例を説明する。ゲームプログラム等を実行するための丸釦5aが押されると(S1)、プログラムを外部インターフェース26に接続されたプログラムメモリ26aから読み出す(S2)。プログラムから、外観情報29aに基づく仮想画像30の表示命令があるかどうかを判断する(S3)。外観情報29aに基づく仮想画像30の表示命令があれば外観情報29aをROM29から読み出す(S4)。読み出したプログラムと外観情報29aから仮想画像30を作成して下側LCD7へ表示し(S5)、プログラムを実行する。外観情報29aに基づく仮想画像30の表示命令がなければ(S3でNO)、そのままプログラムを実行する。
【0039】
(第1の実施形態の変形例)
本発明の第1の実施形態の変形例に係る情報処理装置1について
図8を参照して説明する。
図8(a)において、表されているキャラクタ40は、所定のゲームのプログラムを実行しているとき、上側LCD9に表示される主人公のゲームのキャラクタ40を示す。キャラクタ40は、大きく垂れ下がった耳41、首輪42、ふさふさした尻尾43を特徴とする。
【0040】
本変形例では、キャラクタ40と情報処理装置1との一体感を形成するため、キャラクタ40の耳41、首輪42、尻尾43を情報処理装置1の外観と同じ装飾に変更する一例を示す。例えば、
図8(b)に示すように、ゲームプログラムが実行される情報処理装置1の外観が縞模様であれば、キャラクタ40の耳41と首輪42にその縞模様を施し、さらにキャラクタ40の尻尾43も縞模様にして、プログラムを実行する情報処理装置1とキャラクタ40との一体感を形成する。また、情報処理装置1で実行されるソフトウエアは、複数種類存在し、キャラクタも同様に複数種類存在する。したがって、ソフトウエアの種類毎に、外観情報29aに応じて表示される画像も異なる。
【0041】
次に、
図9を参照して、データ処理部20が、ゲームのキャラクタ40を上側LCD9へ表示する動作手順の一例を説明する。ゲームプログラム等を実行するための丸釦5aが押されると(S10)、プログラムを外部インターフェース26に接続されたプログラムメモリ26aから読み出す(S11)。プログラムから、外観情報29aに基づくキャラクタの変更表示命令があるかどうかを判断する(S12)。外観情報29aに基づくキャラクタの変更表示命令があれば外観情報29aをROM29から読み出す(S13)。読み出したプログラムと外観情報29aからキャラクタ40の表示を変更して下側LCD7へ表示し(S14)、プログラムを実行する。外観情報29aに基づくキャラクタの変更表示命令がなければ(S12でNO)、そのままプログラムを実行する。なお、キャラクタの変更表示が必要かどうかは、下側LCD7にその旨を表示して、丸釦5aによって、ユーザにY/Nを入力させるようにしてもよい。また、キャラクタの変更表示が必要かどうかを問い合いわせずに、自動的にゲームキャラクタ40の表示を変更してもよい。
【0042】
上述の変形例で示したように、異なる複数種類の外観を持つ情報処理装置について、その情報処理装置1が有する外観の特徴を外観情報29aとして情報処理装置1のROM29に記憶しておいて、ゲームプログラムを実行する前に、外観情報29aをROM29から読み出して、読み出した外観情報29aに応じた画像を下側LCD7や上側LCD9に表示する。この画像の表示により、ゲーム画面と情報処理装置1とが関連付けられ、かつ、ゲームと情報処理装置1との一体感が得られる。また、ゲーム画面が情報処理装置1の外観によって変更されるため、ゲーム画面は、情報処理装置1の外観の種類毎にユーザに異なった印象を与えることができる。また、これにより、特定の外観を有する情報処理装置1は、他の外観を有する情報処理装置に対して、趣向性を有することができる。
【0043】
本実施形態では、仮想画像30とゲームのキャラクタ40の装飾を外観情報29aに応じて変更して画像表示したが、これに限らず、ゲーム以外の種々のアプリケーションソフトウエア等の種々のアイコンや背景、キャラクタの画像等を外観情報29aに応じて変更してもよい。また、必ずしもタッチパネル6を要するわけではなく、LCD等、仮想画像30を表示するための何らかの画像表示装置が情報処理装置1に備わっていればよい。
【符号の説明】
【0044】
1 情報処理装置
2 本体部(筐体)
4 画面部(筐体)
5a 丸釦(操作釦)
5b スライドパッド(操作釦)
5c 十字釦(操作釦)
5d 機能釦(操作釦)
6 タッチパネル
7 下側LCD(画像表示手段)
9 上側LCD(画像表示手段)
20 データ処理部(制御部、画像表示制御手段)
21 CPU(読出制御手段)
24 通信モジュール(通信手段)
25 メインメモリ(記憶手段)
26a プログラムメモリ(記憶手段)
29 ROM(記憶手段)
30 仮想画像
31 対応画像
32 適合画像