特許第6173957号(P6173957)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6173957
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】袋詰め包装方法及び袋詰め包装機
(51)【国際特許分類】
   B65B 1/28 20060101AFI20170724BHJP
   B65B 43/18 20060101ALI20170724BHJP
   B65B 43/30 20060101ALI20170724BHJP
   B65B 7/02 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   B65B1/28
   B65B43/18
   B65B43/30 A
   B65B7/02
【請求項の数】8
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2014-62975(P2014-62975)
(22)【出願日】2014年3月26日
(65)【公開番号】特開2015-182806(P2015-182806A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年6月20日
(73)【特許権者】
【識別番号】000222727
【氏名又は名称】東洋自動機株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100091982
【弁理士】
【氏名又は名称】永井 浩之
(74)【代理人】
【識別番号】100091487
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 行孝
(74)【代理人】
【識別番号】100082991
【弁理士】
【氏名又は名称】佐藤 泰和
(74)【代理人】
【識別番号】100105153
【弁理士】
【氏名又は名称】朝倉 悟
(74)【代理人】
【識別番号】100127465
【弁理士】
【氏名又は名称】堀田 幸裕
(74)【代理人】
【識別番号】100196047
【弁理士】
【氏名又は名称】柳本 陽征
(72)【発明者】
【氏名】兼子 義行
【審査官】 新田 亮二
(56)【参考文献】
【文献】 特開2010−023887(JP,A)
【文献】 国際公開第2014/024172(WO,A1)
【文献】 特開平10−181713(JP,A)
【文献】 特開平08−169416(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65B 1/28
B65B 7/02
B65B 43/18
B65B 43/30
B65B 31/04
B65B 51/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にノズルを挿入し、前記左右のグリッパを所定の距離だけ離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定してあるシール予定部をシールするシール工程とを備え、
さらに、前記袋を前記脱気ステーションから前記シールステーションへ移送する途中において、前記袋の前記シール予定部を、袋の厚み方向で袋の両側に対向して配置されたガイド部材の間を通過させ、前記袋の両側シートを前記シール部において互いに近接した位置に位置させる袋口矯正工程を含み、
前記袋口矯正工程において、前記ガイド部材は、前記袋のシール予定部に対向する高さ位置で前記袋の移動方向に所定の長さ範囲にわたって延び、前記袋の移動方向において上流側から下流側に向かうにつれて上方へ延び、且つ互いの間隔が狭くなるように形成されている
ことを特徴とする、袋詰め包装方法。
【請求項2】
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にノズルを挿入し、前記左右のグリッパを所定距離だけ離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール工程とを備え、
前記スチーム置換脱気工程において、前記袋内へ前記ノズルを挿入後、一対の挟圧部材で前記ノズルを前記袋のシール予定部越しに挟み、前記ノズルを前記袋から抜取る前に前記挟圧部材を離間させ
前記袋の幅方向に沿った前記挟圧部材の幅寸法は、前記袋の袋口開口部の幅寸法よりも小さい
ことを特徴とする、袋詰め包装方法。
【請求項3】
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にノズルを挿入し、前記左右のグリッパを所定距離だけ離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール工程とを備え、
前記スチーム置換脱気工程において、前記ノズルを前記袋内へ挿入して前記袋口を緊張させた後に、前記シール予定部に、前記袋の幅方向において前記ノズルの両側で前記袋の袋口縁部を含む部分的シールを行う
ことを特徴とする、袋詰め包装方法。
【請求項4】
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にノズルを挿入し、前記左右のグリッパを所定距離だけ離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール工程とを備え、
前記シール工程において、袋の両側に配置した一対の熱板を前記袋から所定の待機距離だけ離れた待機位置から、互いに接近し、熱板の前記当接面の上縁部が前記シール予定部の上縁部より下の位置に位置し、所定の規制距離だけ離れた規制位置へ移動し、その後に前記袋或いは熱板の少なくとも一方を上下動して、前記熱板の当接面が前記シール部全体に対向する位置へ移動し、さらに互いに向けて移動して前記シール予定部に当接して該シール予定部をシールする
ことを特徴とする、袋詰め包装方法。
【請求項5】
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置と、
前記脱気ステーションと前記シールステーションとの間に設けられ、通過する袋の両側に互いに対向して設けられた一対のガイド部材を備えたガイド装置とを備え、
前記ガイド部材は、前記袋のシール予定部に対向する高さ位置で前記袋の移動方向に所定の長さ範囲にわたって延び、前記袋の移動方向において上流側から下流側に向かうにつれて上方へ延び、且つ互いの間隔が狭くなるように形成されている
ことを特徴とする、袋詰め包装機。
【請求項6】
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして袋を保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置とを備えた袋詰め包装機において、
前記スチーム置換脱気装置はさらに、前記袋の両側で前記シール予定部に対向する高さ位置に設けられ、互いに向かって移動して前記袋を介して前記ノズルを挟持する挟持位置と前記ノズルを離れた退避位置との間で移動可能な挟圧部材を備え、
前記袋の幅方向に沿った前記挟圧部材の幅寸法は、前記袋の袋口開口部の幅寸法よりも小さい
ことを特徴とする、袋詰め包装機。
【請求項7】
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置とを備えた袋詰め包装機において、
前記スチーム置換脱気装置はさらに、前記袋の両側に前記シール予定部に対向する高さ位置に設けられ、互いに向かって移動して前記袋のシール予定部を前記ノズルの両側に於いて前記袋の袋口縁部を含んで部分的にシールする一対の部分シール部材を備えている
ことを特徴とする、袋詰め包装機。
【請求項8】
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置とを備え、
前記シール装置の熱板は、該熱板の当接面の上縁部が少なくとも前記袋のシール予定部の上縁部より下に位置し、前記袋を挟んで互いに所定の待機距離だけ離れた待機位置と、該待機位置から互いに向かって移動して所定の規制距離だけ互いに離れた規制位置に位置し、前記熱板が前記規制位置に位置したのちに前記熱板または前記グリッパの少なくとも一方が他方に対して上下方向で相対移動して、前記熱板の当接面が前記袋のシール予定部全体に対向する位置に位置し、前記熱板はさらに互いに前進して前記袋を挟圧するシール位置へ移動するように構成されている
ことを特徴とする、袋詰め包装機。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願発明は袋詰め包装方法及び装置に関する。より具体的には、袋の左右縁部を挟持する左右一対のグリッパを等間隔に複数組設け、これらグリッパで袋を袋口が上を向いた吊り下げ状態で保持しながら所定の平面軌道に沿って順次間欠的又は連続的に移送しながら、袋口の開口、被包装物の充填、スチーム脱気、袋口のシールなど、所定の包装処理を施す袋詰め包装方法及び装置に関する。
【背景技術】
【0002】
食品などの袋詰め包装を行う際に、被包装物を充填したのちに袋内の空気をスチームで置換して脱気するスチーム置換脱気を行う場合がある。例えば特開平9−95311号にはそのようなスチーム置換脱気を行う装置が開示されている。スチーム置換脱気を行う場合には、被包装物が充填された袋をスチーム置換脱気工程のステーションに移動し、袋内にスチーム噴出ノズルを挿入し、袋の両側縁部を挟持する一対のグリッパを所定距離互いに遠ざけて袋口を緊張させた状態でスチームをノズル先端の噴出口から噴出させる。そして袋口を緊張させた状態のままでノズルを引き抜き、スチーム噴射も停止し、その袋口を緊張させた状態のままでシール工程を行うステーションへ袋を移動するようにしている。その際、通常スチーム噴出ノズルは袋内に挿入する挿入部を断面において扁平に形成されているノズルを使用するなどして、袋口を緊張させたときにノズルの左右縁部近くで袋口の両側のシートが離れて開いている部分が狭くなるようにし、また、袋口を緊張した状態のままでシールステーションへ移送してそのままシールするようにして、袋内へ外部から空気が入りこむのを防止するようにしている。
【0003】
ところが、袋内へ吹込まれたスチームにより後のシール工程で行われる袋口のシールに悪影響が生じる場合がある。すなわち、袋内へ噴射されたスチームは空気よりも比重が軽いために袋内で上昇し、袋の外へ流れる傾向にある。そのように上昇するスチームにより袋口のシール予定部をふくんだ袋の袋口の部分が温められて膨張し、袋口の縁部において、両側のシートが互いに離れる方向に傾倒して袋口がカール(湾曲)した状態になる場合がある。この状態で袋口のシール予定部をシールすると、シール予定部が折れ曲がったり、しわが寄ったりして見栄えが悪くなり、さらにはシール不良を引き起こす原因となる。
【0004】
従来このような問題に対処するためにカールした部分より下側でシールするなどしていたが、袋口縁部がシールされていないために製品の見栄えが悪くなり、また、密着していない袋口縁部に埃が入り込むなどして、好ましいものではなかった。また、シール幅が狭くなるところからシール強度に問題を生じる場合もあった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平9−95311号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本願発明は上記従来技術の問題点に鑑みなされたものであり、脱気工程で袋口縁部がカールした状態でもシールが適正に行えるようにし、或いはカールする度合いを低く抑えてシールに支障が生じないようにする袋詰め包装方法及び装置を提供する。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために本願発明は、以下の袋詰め包装方法を提供する。すなわち
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にスチーム噴出ノズル(以下「ノズル」と言う。)を挿入し、前記左右のグリッパを所定の距離だけ離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定してあるシール予定部をシールするシール工程とを備え、
さらに、前記袋を前記脱気ステーションから前記シールステーションへ移送する途中において、前記袋の前記シール予定部を、袋の厚み方向で袋の両側に対向して配置されたガイド部材の間を通過させ、前記袋の両側シートを前記シール予定部において互いに近接した位置に位置させる袋口矯正工程を含む
ことを特徴とする、袋詰め包装方法を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装方法を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にノズルを挿入し、前記左右のグリッパを所定距離離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定してあるシール予定部をシールするシール工程とを備え、
前記スチーム置換脱気工程において、前記袋内へ前記ノズルを挿入後、一対の挟圧部材で前記ノズルを前記袋のシール部越しに挟み、前記ノズルを前記袋から抜取る前に前記挟圧部材を離間させる
ことを特徴とする袋詰め包装方法を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装方法を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にノズルを挿入し、前記左右のグリッパを所定距離離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定してあるシール予定部をシールするシール工程とを備え、
前記スチーム置換脱気工程において、前記ノズルを前記袋内へ挿入して前記袋口を緊張させた後に、前記シール部に、前記袋の幅方向において前記ノズルの両側で部分的シールを行う
ことを特徴とする、袋詰め包装方法を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装方法を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にノズルを挿入し、前記左右のグリッパを所定距離離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定してあるシール予定部をシールするシール工程とを備え、
さらに、前記袋を前記脱気ステーションから前記シールステーションへ移送する途中において、前記袋に向けて冷却用気体を吹付けて前記シール部を冷却する冷却工程を備えている
ことを特徴とする、袋詰め包装方法を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装方法を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装方法において、
被包装物が充填された袋を脱気ステーションに移送して、前記袋内にノズルを挿入し、前記左右のグリッパを所定距離離反させて袋口を緊張させ、前記ノズルからスチームを噴射して前記袋内の空気をスチームで置換し、袋口を緊張した状態のまま前記ノズルを前記袋から抜取るスチーム置換脱気工程と、
前記離反した左右のグリッパをその位置に維持したまま前記袋をシールステーションへ移送し、前記袋の袋口に設定してあるシール予定部をシールするシール工程とを備え、
前記シール工程において、袋の両側に配置した一対の熱板を前記袋から所定の待機距離だけ離れた待機位置から、互いに接近し、熱板の前記当接面の上縁部が前記シール予定部の上縁部より下の位置に位置し、所定の規制距離だけ離れた規制位置へ移動し、その後に前記袋或いは熱板の少なくとも一方を上下動して、前記熱板の当接面が前記シール予定部全体に対向する位置へ移動し、さらに互いに向けて移動して前記シール予定部に当接して該シール予定部をシールする
ことを特徴とする、袋詰め包装方法を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装機を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置と、
前記脱気ステーションと前記シールステーションとの間に設けられ、通過する袋の両側に互いに対向して設けられた一対のガイド部材を備えたガイド装置とを備え、
前記ガイド部材は、前記袋のシール予定部に対向する高さ位置で前記袋の移動方向に所定の長さ範囲にわたって延び、前記袋の移動方向において上流側から下流側に向かうにつれて上方へ延び、且つ互いの間隔が狭くなるように形成されている
ことを特徴とする袋詰め包装機を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装機を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして袋を保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置と、
前記脱気ステーションと前記シールステーションとの間に設けられ、通過する袋の両側で、前記袋の前記シール予定部に対向する高さ位置に所定の間隔で互いに対向して設けられた一対のローラを備えたガイド装置
とを備えたことを特徴とする、袋詰め包装機を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装機を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして袋を保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置とを備えた袋詰め包装機において、
前記スチーム置換脱気装置はさらに、前記袋の両側で前記シール予定部に対向する高さ位置に設けられ、互いに向かって移動して前記袋を介して前記ノズルを挟持する挟持位置と前記ノズルを離れた退避位置との間で移動可能な挟圧部材をそなえている
ことを特徴とする、袋詰め包装機を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装機を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置とを備えた袋詰め包装機において、
前記スチーム置換脱気装置はさらに、前記袋の両側に前記シール予定部に対向する高さ位置に設けられ、互いに向かって移動して前記袋のシール予定部を前記ノズルの両側に於いて部分的にシールする一対の部分シール部材を備えている
ことを特徴とする、袋詰め包装機を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装機を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置と、
前記脱気ステーションと前記シールステーションとの間に設けられた袋口冷却装置を備え、
前記袋口冷却装置は、通過する袋の両側に位置し、それぞれ気体噴出孔を備えた一対の冷却部材と、供給配管を介して前記冷却部材に冷却用気体を供給する冷却用気体供給源とを備えている
ことを特徴とする袋詰め包装機を提供する。
さらに本願発明は、以下の袋詰め包装機を提供する。すなわち、
袋の両側縁部を左右一対のグリッパで挟持し、袋口を上向きにして保持した状態で該袋を所定の平面軌道に沿って移送しながら、所定の包装処理を順次行う袋詰め包装機において、
脱気ステーションに設けられ、被包装物が充填された袋内へ挿入され、スチームを噴射して袋内の空気をスチームで置換して脱気するノズルを備えたスチーム置換脱気装置と、
シールステーションに設けられ、一対の熱板で前記袋の袋口に設定されたシール予定部をシールするシール装置とを備え、
前記シール装置の熱板は、該熱板の当接面の上縁部が少なくとも前記袋のシール予定部の上縁部より下に位置し、前記袋を挟んで互いに所定の待機距離だけ離れた待機位置と、該待機位置から互いに向かって移動し、所定の規制距離だけ互いに離れた規制位置に位置し、前記熱板が前記規制位置に位置したのちに前記熱板または前記グリッパの少なくとも一方が他方に対して上下方向で相対移動して、前記熱板の当接面が前記袋のシール予定部全体に対向する位置に位置し、前記熱板はさらに互いに前進して前記袋を挟圧するシール位置へ移動するように構成されている
ことを特徴とする、袋詰め包装機を提供する。
【発明の効果】
【0008】
上記のとおり本願発明によれば、スチーム置換脱気工程で、スチームの影響で発生する袋口のカールを最小限に抑えたり、発生したカールを矯正したり解消したりできるので、シール工程では良好なシールを行うことができる。また、シールするシール予定部を設定する際にカールした部分を避ける必要がないので、袋口縁部までシールすることができ、十分なシール幅を得てシール強度を高めることができ、また、商品として見栄えの良いものを得ることができる。また、袋口縁部がシールされているので、陳列中に袋口に埃が入り込むことなどを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
図1】本願発明の袋詰め包装機の概略の構成を示す斜視図である。
図2】第1の実施の形態での袋口矯正装置を示す図である。
図3】第1の実施の形態で、袋口の矯正をしている状態及び矯正終了後の状態を示す図である。
図4図2、3におけるA−A,B−B,C−C断面図である。
図5】第2口矯正装置を示す図である。
図6】第2の実施の形態で袋口を矯正中及び矯正後の状態を示す図である。
図7】第3の実施の形態に係る脱気装置を示す図である。
図8】第4の実施の形態に係る袋口矯正装置を示す図である。
図9】第5の実施の形態に係る冷却装置を示す平面図である。
図10】第5の実施の形態に係る冷却装置を示す正面図である。
図11】第6の実施の形態に係るシール装置によるシール手順を示す図である。
図12】同じく第6の実施の形態に係るシール装置によるシール手順を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下図面を参照して本願発明の実施の形態について説明するが、本願発明の範囲はそれに限定されるものではない。
【0011】
図1は本願発明に係る袋詰め包装機1の概略の構成を示す斜視図であり、符号2は回転テーブルであり、以下に説明する実施の形態では間欠回転をするが、連続回転するタイプでも良い。符号3は、回転テーブル2に円周方向等間隔に配置されたそれぞれ左右一対のグリッパである。符号4は袋供給ステーションIに設けられた公知のコンベアマガジンであり、一対の取出し吸盤5で袋Bを垂直状態にして一枚づつグリッパ3に引き渡す。印字ステーションIIには印字器6が配置されていて、袋Bに製造日などを印字する。ステーションIIIは開口ステーションであり、一対の開口吸盤7で袋Bの袋口を開く。ステーションIVは充填ステーションで、被包装物をホッパ8を介して袋B内へ充填する。脱気ステーションVには図示しないスチーム源に繋がれたノズル10を備えた脱気装置9が配置され、このノズル10を袋B内へ挿入し、スチームを噴出して袋内の空気を置換脱気する。これについてはさらに後述する。ステーションVIとVIIにはそれぞれ袋Bの袋口に設定されたシール予定部に対向配置された一対の熱板12、14を備えた第1シール装置11と第2シール装置13が配置されている。なお、必ずしも第2シール装置13は必要ではなく、後述する各実施の形態では第1シール装置11で代表させ、単にシール装置11として説明する。ステーションVIIIは冷却、放出ステーションであり、一対の冷却板15でシール予定部を冷却したのち、袋Bを製品袋放出シュート16上へ放出する。
【0012】
次に図2乃至図4を参照して本願発明の第1の実施の形態を説明する。図2乃至4はガイド式袋口矯正装置21(以下、単に「矯正装置21」という。)により、脱気工程でスチームの影響により膨張して左右外側へ倒れた袋口を矯正する状態を示す図で、図2は脱気ステーションVにおいてスチームを用いて袋内の空気を置換脱気された袋Bが矯正装置21の近くへ移動してきた状態を示す図で、図3は矯正装置21により矯正している途中の状態と矯正が終了した状態を示す図で、図4図2,3におけるA−A,B−B,C−C断面を示している。なお、本実施の形態では、袋口縁部BMから袋の上下方向所定の幅の範囲がシール予定部Sとなっている。
【0013】
図2において、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。この矯正装置21は、図1に示す脱気ステーションVとシールステーションVIとの間に設けられ、一対の棒状のガイド部材22を備えている。ガイド部材22は、図から分る通り、移動してくる袋Bを保持するグリッパ3より上の位置で、袋Bの移動方向で所定の距離だけ延びている。そして、袋Bの移動方向で見て上流側から下流側に向かうにつれて上方へ延び、且つ互いの間隔が狭くなるように形成されている。すなわち図2に示すように、上下方向では、正常な状態でのシール予定部Sの下縁部より少し下の位置から袋口縁部BMより少し上の位置までの範囲で延びており、間隔としては、入口側(図中左側)は移動してくる袋Bが確実に入り込むだけの広さを有し、出口側(図中右側)では、袋Bの厚みよりもわずかに広く、袋がスムーズに移動できる間隔となっている。
【0014】
袋Bがさらに進むと図3の(イ)及び図4(ロ)に示すように、袋Bの袋口縁部BMは図中右側へ進むにつれて倒れた状態から次第に起こされて、袋口の両側のシートがきわめて近寄った状態まで矯正される。そして、袋Bがこの矯正装置21を通過したときには袋口は全幅にわたって矯正されており、その状態でシールステーションVIに到達し、図示してない熱板によりシールされる。
【0015】
上記の実施の形態によれば、仮に脱気工程においてスチームの影響により袋口がカールしても、袋口矯正工程においてそのカールが矯正され、その状態のままでシール工程でシールされるので、良好なシールを行うことができ、また、袋口縁部BMまでシールすることができる。
【0016】
次に第2の実施の形態について図5、6を参照して説明する。この実施の形態での袋口矯正装置25は、第1の実施の形態での一対の棒状のガイド部材22に代えて一対のガイドローラ27を使用している点で異なるのみで、脱気ステーションVとシールステーションVIの間に設けられる点などの他の構成は第1の実施の形態と同じであるので、異なる点についてのみ説明する。
【0017】
図5は第1の実施の形態の図2に対応し、(イ)は平面図、(ロ)は正面図である。図6図3に対応し、(イ)は袋口の矯正されている状態を、(ロ)は矯正されてシール工程へ送られた状態を示している。前述のとおり、この実施の形態での矯正装置25は、袋Bの両側に位置する一対のガイドローラ27を備えており、それらは、袋詰め包装機1の基台(図示せず)に取付けられたローラ取付け軸26に固定された回転軸28に水平面内で回転自在に取付けられている。これらのガイドローラ27は、図示のとおりグリッパ3より上方に位置し、シール部予定Sに対向する高さ位置に位置しており、二つのガイドローラ27の間には袋Bの厚みよりわずかに広い隙間が設けられている。なお、ガイドローラ27の厚み(上下方向寸法)はシール予定部の下縁部からわずかに下の位置から、袋口縁部BMをわずかに超えた位置までの寸法としてもよい。上記構成から明らかなとおり、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同じ手順で袋口のカールが矯正される。
【0018】
次に図7を参照して第3の実施の形態について説明する。この実施の形態では、脱気装置9に、スチーム置換脱気を行う際に袋口縁部BMにカールが生じないように、或いは生じたとしてもそのカールが最少となるための構成が採用されている。図7において(イ)は袋Bが脱気ステーションVへ移送されて停止し、ノズル10の下端の噴出口側が袋B内へ挿入され、グリッパ3を互いに所定距離だけ互いに遠ざけて袋口を緊張させた状態を示している。ノズル10は支持板31に取付けられ、図示しない駆動源により支持板31ごと上下動できるようになっている。そしてスチーム供給源32に供給ライン34を介して接続され、この供給ライン34には切換え弁33が設けられている。そしてこの脱気装置9には、ノズル10が挿入された状態で袋Bのシール予定部Sを両側から押さえる一対の押さえ部材35が設けられている。この一対の挟圧部材は例えばゴムなどの弾性材料で作られた、図示のような細長い断面方形の棒状の部材で構成されているが、素材及び形状はこれに限定はされず、ノズル10の形状(本実施の形態では断面が扁平な形状になっているが、これに限定されない。)に倣ってノズル10の外表面に両側から袋Bのシール予定部Sを密着させた状態で押さえ付けることができればよい。
【0019】
一対の押さえ部材35は、図7(イ)に示される袋Bから離れた退避位置と、(ロ)に示される袋Bを介してノズル10を両側から押さえ、この部分で袋Bのシール予定部Sをノズル10の側面に密着させている押さえ位置との間で移動可能になっている。すなわち、図の(イ)の状態から押さえ部材35を(ロ)に示される押さえ位置へ移動する。これにより袋Bの幅方向で中央部においてシール予定部Sがノズル10の外表面に密着する(ノズル10は通常袋の幅方向でその中央部に挿入される。)。従ってスチームが噴射されてもスチームはこの密着している部分には入り込むことができず、袋口はその中央部において膨張することが防止される。ノズル10の両側ではスチームが袋Bの外へと流れるのでその部分において膨張する可能性があるが、中央部において膨張が抑えられるので、袋口全体としてのカールは小さく抑えられるので、後工程でのシールには支障を生じない。押さえ部材35はノズル10を袋Bから引き抜くのに先立ち、退避位置へ移動させられる。なお、ノズル10からのスチームの噴射のタイミングは適宜決定される。噴射開始はノズル10が袋Bに挿入されると同時、或いは挿入後、さらには押さえ部材35で押さえたのちに開始することができる。また噴射の停止は、押さえ部材35の退避位置への移動前、或いは移動後、さらにはノズル10の袋Bから引き抜きと同時とすることができる。なお、押さえ部材35は袋口のシール予定部Sを袋口縁部BMまで確実にシールできるようにするために、シール部予定Sの下縁部より下の位置から袋口縁部BMを上に越えた位置までの範囲で当接面を設けることが望ましい。
【0020】
上記の説明から明らかなとおり、この実施の形態では袋口のカールが生じないように、或いは生じても程度が最少となるようにされているので、後工程でのシール工程でシールする際にカールした部分が折り重なってシールされたりすることがなく、良好なシールを行うことができる。また、袋口の縁部まで確実にシールすることができる。
【0021】
次に図8を参照して第4の実施の形態を説明する。この実施の形態の特徴は、脱気工程においてノズル10を袋内へ挿入したのちに、ノズル10の両側において袋を部分的に仮シールする部分シール行うことにある。すなわち図8に示されるように、この実施の形態での脱気装置9は、ノズル10の両側でシール予定部Sを部分的に仮シールする二組の仮シール用熱板41と42とを備えている。
【0022】
図8の(イ)は袋Bが脱気ステーションVへ移送されて停止し、ノズル10が挿入された状態を示している。この状態では仮シール用熱板41、42は退避位置にある。グリッパ3が移動して袋口を緊張させた後、図(ロ)に示すように仮シール用熱板41,42が互いに接近したシール位置へ移動し、シール予定部Sのノズル10の両側の部分をシールする。熱板41,42の袋Bを挟み込む当接面は、図に示されるように袋口縁部BMを挟んで上下にまたがっている。これによりシール予定部Sの中央部はノズル10の外表面に密着するか、密着しなくても隙間がきわめて狭くなり、スチームがこの隙間に入り込むのが制限され、スチームの影響が小さくなる。また、ノズル10の両側で仮シールがされているので、中央部の開口の幅が狭いために、その部分がカールしてもきわめて小さい。また、仮シールしている部分と袋の両側縁部との間の幅も狭くなるため、この部分でのカールも小さい。従ってこの状態でシールしても、カール部分が折り重なってシールされることはなく、良好なシールを行うことができる。また、袋口縁部BMまで完全にシールすることができる。なお、この実施の形態では、スチームの噴出開始のタイミングは、仮シールを施した後が望ましい。
【0023】
次に図9,10を参照して第5の実施の形態について説明する。この実施の形態では、スチーム置換脱気を行った後に袋口を冷却して、膨張してカールした袋口を元の状態に戻すようにしている。すなわちこの実施の形態では、脱気ステーションVとシールステーションVIとの間に冷却ステーションが設けられており、そこに冷却装置45が配置されている。図9は冷却装置45を示す平面図、図10は側面図であり、脱気ステーションVにおいて脱気装置9によりスチーム置換脱気を施された袋Bがこの冷却装置45の間を移動している状態を示している。
【0024】
冷却装置45は、移動中の袋Bの両側で袋Bより多少上方に位置した一対の細長い冷却用ノズル46を備えている。ノズル46は袋Bの移動方向に沿って延びている。ノズル46はその長手方向に所定の間隔で設けられた複数のガス噴出口47を備え、配管49を介して冷却ガス供給源48に繋がっている。噴出口47は図から分るとおり、斜め下方を向いて、袋Bの主としてカールしている袋口縁部BMを含んだシール予定部Sに向けて冷却用のガスを吹付けるようになっている。このように冷却用のガスを吹付けることにより、膨張して傾いてカールしているシール予定部Sが冷却されて元のカールしていない状態に戻ることとなる。この状態でシールステーションVIに袋Bは移送され、シールされるので、良好なシールを行うことができる。冷却用ガスとしては空気などを使用できる。
【0025】
次に図11,12を参照して第6の実施の形態について説明する。この実施の形態では、シール工程で使用される熱板を用いて袋口のカールを矯正する構成となっている。すなわちこの実施の形態では、シール装置11の一対の熱板12は、その当接面12aの上縁部が、袋Bのカールしたシール予定部Sの上縁部(この実施の形態では袋口縁部BMから所定の幅でシール予定部Sを設けるので、シール予定部Sの上縁部は袋口縁部BMとなる。)より下の位置(図示した例では、袋口のカールしている部分の一番下の部分(袋幅のほぼ中央となる場合が多い。)にほぼ対応する位置にしてある。)で、袋Bを挟んで互いに所定の距離離れている待機位置(図11(イ))に最初位置し、次いで互いに接近して互いの間隔が袋Bの厚みよりわずかに広い規制距離となる規制位置へ移動する(図11(ロ))。次いでその間隔を維持したまま上方へ移動し(図12(ハ))、袋Bのシール部予定Sに当接面12aが対向するシール待機位置へ向かって移動し(図12(ニ))、次いで互いに接近して袋Bのシール予定部Sを挟圧するシール位置へ移動してシール予定部Sをシールする。熱板12が規制位置からシール待機位置へ移動するときに、カールして左右に傾いている袋口縁部BM或いはシール予定部Sを互いに近接して向かい合うように矯正し、その後にシールするので、良好なシールを行うことができる。なお、熱板12の規制位置は図示の位置に限定されることはなく、熱板12がシール待機位置へ移動する際にカールした袋口を矯正できる位置であればよい。また、上記の例では熱板12を上方へ移動してシール待機位置へ移動させたが、グリッパ3を下方へ移動させ、袋Bを下へ移動するようにしてもよい。
図1
図2
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図12