(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
非乳化性弾性オルガノポリシロキサンが、(A)それぞれケイ素に結合している少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと、(B)ケイ素に結合している少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとを、 (C)白金触媒の存在下で、架橋付加反応させることによって得られることを特徴とする、請求項2に記載の組成物。
非乳化性弾性オルガノポリシロキサンが、ジメチルビニルシロキシ末端基を含有するジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端基を含有するメチルヒドロゲノポリシロキサンとを、白金触媒の存在下で反応させることによって得られることを特徴とする、請求項2または3に記載の組成物。
非乳化性弾性オルガノポリシロキサンが、少なくとも1種の炭化水素系油および/または1種のシリコーン油と混合され、ゲルを形成することを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の組成物。
油相のための非シリコーン有機増粘剤が、ポリ(ステアリルアクリレート)またはポリ(ベヘニルアクリレート)から選択されることを特徴とする、請求項1〜7のいずれか一項に記載の組成物。
非乳化性弾性オルガノポリシロキサンが、組成物の総重量に対して1.5重量%超の活性材料の量で組成物中に存在することを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の組成物。
光防護系が、1種もしくは複数種の親油性もしくは不溶性の有機UV遮断剤、および/または1種もしくは複数種の無機遮断剤からなることを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の組成物。
親油性または不溶性の有機UV遮断剤が、ケイ皮酸誘導体、アントラニラート、サリチル酸誘導体、ジベンゾイルメタン誘導体、ショウノウ誘導体、ベンゾフェノン誘導体、β,β-ジフェニルアクリレート誘導体、トリアジン誘導体、ベンゾトリアゾール誘導体、ベンザルマロナート誘導体、イミダゾリン、p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体、メチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体、ベンゾオキサゾール誘導体、遮断用ポリマーおよび遮断用シリコーン、α-アルキルスチレン系二量体、4,4-ジアリールブタジエン、メロシアニン誘導体、ならびにそれらの混合物から選択される、請求項10に記載の組成物。
艶消し剤が、コメデンプンまたはトウモロコシデンプン、カオリナイト、タルク、カボチャ種子抽出物、セルロースミクロビーズ、植物繊維、合成繊維、発泡アクリルコポリマー微小球、ポリアミド粉末、シリカ粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルポリマー粉末、ワックス粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆された弾性架橋オルガノポリシロキサンの粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、非晶質混合ケイ酸粉末、ケイ酸粒子、混合ケイ酸粒子(但し、前記非晶質混合ケイ酸粉末を除くもの)、およびそれらの混合物から選択されることを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の組成物。
【発明を実施するための形態】
【0033】
非乳化性弾性オルガノポリシロキサン
用語「非乳化性オルガノポリシロキサン」は、ポリオキシアルキレン単位またはポリグリセリン単位などの親水性鎖を含有しないオルガノポリシロキサンエラストマーを意味する。
【0034】
本発明の架橋弾性オルガノポリシロキサンは、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合したエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとを、特に白金触媒の存在下で架橋付加反応させるか、またはヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンと、ケイ素に結合した少なくとも1つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンとを、特に有機スズの存在下で脱水素架橋縮合反応させるか、またはヒドロキシル末端基を含有するジオルガノポリシロキサンと、加水分解性オルガノポリシランとを架橋縮合反応させるか、またはオルガノポリシロキサンを、特に有機過酸化物触媒の存在下で熱架橋するか、またはオルガノポリシロキサンを、ガンマ線、紫外線もしくは電子線などの高エネルギー照射によって架橋することによって得ることができる。
【0035】
好ましくは、架橋オルガノポリシロキサンエラストマーは、(A
2)それぞれケイ素に結合している少なくとも2つの水素を含有するジオルガノポリシロキサンと、(B
2)ケイ素に結合している少なくとも2つのエチレン性不飽和基を含有するジオルガノポリシロキサンとを、特に(C
2)白金触媒の存在下で架橋付加反応させることによって、例えば特許出願EP-A-295 886に記載の通りにして得られる。
【0036】
特に、オルガノポリシロキサンは、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサンと、トリメチルシロキシ末端メチルヒドロポリシロキサンとを、白金触媒の存在下で反応させることによって得ることができる。
【0037】
化合物(A
2)は、弾性オルガノポリシロキサンを形成するための塩基試薬であり、架橋は、化合物(A
2)と化合物(B
2)を、触媒(C
2)の存在下で付加反応させることによって行われる。
【0038】
化合物(A
2)は、有利には、少なくとも2つの低級(例えばC
2〜C
4)アルケニル基を含有するジオルガノポリシロキサンであり、低級アルケニル基は、ビニル、アリルおよびプロペニル基から選択することができる。これらの低級アルケニル基は、オルガノポリシロキサン分子上の任意の位置にあってよいが、好ましくはオルガノポリシロキサン分子の末端に位置する。オルガノポリシロキサン(A
2)は、分岐鎖、直鎖、環式または網目構造を有することができるが、直鎖構造が好ましい。化合物(A
2)は、液体状態からガム状態までの粘度を有することができる。好ましくは、化合物(A
2)は、25℃で少なくとも100センチストークの粘度を有する。
【0039】
オルガノポリシロキサン(A
2)は、メチルビニルシロキサン、メチルビニルシロキサン/ジメチルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルポリシロキサン、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン/ジフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン/メチルフェニルシロキサン/メチルビニルシロキサンコポリマー、ジメチルビニルシロキシ末端メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)ポリシロキサン、およびジメチルビニルシロキシ末端ジメチルシロキサン/メチル(3,3,3-トリフルオロプロピル)シロキサンコポリマーから選択することができる。
【0040】
化合物(B
2)は、特に、各分子においてケイ素に結合している少なくとも2つの水素を含有するオルガノポリシロキサンであり、したがって化合物(A
2)のための架橋剤である。
【0041】
有利には、化合物(A
2)における分子1個当たりのエチレン基の数と、化合物(B
2)における分子1個当たりのケイ素に結合している水素原子の数の合計は、少なくとも4である。
【0042】
化合物(B
2)は、任意の分子構造であってよく、特に直鎖、分岐鎖または環式構造であってよい。
【0043】
化合物(B
2)は、特に化合物(A)と混和できるように、25℃で1〜50 000センチストークの粘度を有することができる。
【0044】
化合物(B
2)におけるケイ素に結合している水素原子の総量と、化合物(A
2)におけるすべてのエチレン性不飽和基の総量の分子比が1/1〜20/1になるような量で化合物(B
2)を添加することが有利である。
【0045】
化合物(B
2)は、トリメチルシロキシ末端メチルヒドロポリシロキサン、トリメチルシロキシ末端ジメチルシロキサン/メチルヒドロシロキサンコポリマーおよびジメチルシロキサン/メチルヒドロシロキサン環式コポリマーから選択することができる。
【0046】
化合物(C
2)は、架橋反応のための触媒であり、特に、塩化白金酸、塩化白金酸-オレフィン錯体、塩化白金酸-アルケニルシロキサン錯体、塩化白金酸-ジケトン錯体、白金黒および支持体に担持された白金である。
【0047】
触媒(C
2)は、清浄な白金金属として、化合物(A
2)および(B
2)の総量の1000重量部当たり、好ましくは0.1〜1000重量部、さらに好ましくは1〜100重量部の量で添加される。
【0048】
他の有機基、例えばアルキル基、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチルまたはオクチル;置換アルキル基、例えば2-フェニルエチル、2-フェニルプロピルまたは3,3,3-トリフルオロプロピル;アリール基、例えばフェニル、トリルまたはキシリル;置換アリール基、例えばフェニルエチル;および置換されている一価の炭化水素系の基、例えばエポキシ基、カルボン酸エステル基またはメルカプト基が、前述のオルガノポリシロキサン(A
2)および(B
2)においてケイ素に結合することができる。
【0049】
本発明の特定の一形態によれば、使用される非乳化性弾性オルガノポリシロキサンは、粉末形態である。
【0050】
非乳化性弾性オルガノポリシロキサンとして、INCI名ジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマーを有する粉末形態のもの、例えば、Dow Corning社から名称Dow Corning 9505 Cosmetic PowderおよびDow Corning 9506 Cosmetic Powderで販売されている市販製品を使用することができる。
【0051】
好ましい一実施形態によれば、非乳化性弾性オルガノポリシロキサンが、少なくとも1種の揮発性もしくは不揮発性炭化水素系油および/または揮発性もしくは不揮発性シリコーン油と混合され、ゲルを形成する。これらのゲルでは、非乳化性弾性オルガノポリシロキサンは、非球形粒子の形態である。
【0052】
本発明の目的では、用語「揮発性油」は、皮膚またはケラチン繊維と接触させておくと、室温および大気圧で1時間以内に蒸発することができる油を意味する。本発明の揮発性油は、室温で液体であり、室温および大気圧で0ではない蒸気圧を有し、特に0.13Pa〜40 000Pa(10
-3〜300mmHg)、特に1.3Pa〜13 000Pa(0.01〜100mmHg)、より具体的には1.3Pa〜1300Pa(0.01〜10mmHg)の蒸気圧を有する揮発性化粧油である。
【0053】
用語「不揮発性油」は、室温および大気圧で少なくとも数時間、皮膚またはケラチン繊維上に残り、特に10
-3mmHg(0.13Pa)未満の蒸気圧を有する油を意味する。
【0054】
本発明に従って使用できる他の不揮発性炭化水素系油として、特に以下を挙げることができる:
-植物由来の炭化水素系油、例えば一般にグリセロールの脂肪酸トリエステルであるトリグリセリドエステル(この脂肪酸は、C
4〜C
24の鎖長を有することができ、これらの鎖は、直鎖または分岐、飽和または不飽和である可能性がある)。これらの油は、特にコムギ胚芽油、ヒマワリ油、ブドウ種子油、ゴマ種子油、トウモロコシ油、アプリコット油、ヒマシ油、シア油、アボカド油、オリーブ油、大豆油、スイートアーモンド油、パーム油、ナタネ油、綿実油、ヘーゼルナッツ油、マカダミア油、ホホバ油、アルファルファ油、ケシ油、カボチャ油、マロー油、ブラックカラント油、月見草油、キビ油、オオムギ油、キノア油、ライムギ油、ベニバナ油、ククイ油、パッションフラワー油およびジャコウバラ油、またはカプリル酸/カプリン酸トリグリセリド、例えばStearineries Dubois社から販売されているもの、もしくはDynamit Nobel社から名称Miglyol 810、812および818で販売されているものである、
(ii)10〜40個の炭素原子を含有する合成エーテル、
(iii)無機または合成由来の直鎖または分岐炭化水素、例えばワセリン、ポリデセン、水素化ポリイソブテン、例えばパールリームおよびスクアラン、ならびにそれらの混合物、
(iv)合成エステル、例えば式RCOOR'の油[Rは、1〜40個の炭素原子を含む直鎖または分岐脂肪酸の残基を表し、R'は、1〜40個の炭素原子を含有する特に分岐状の炭化水素系の鎖を表し、ただしR+R'≧10である]、例えば、ピュアセリン油(オクタン酸セトステアリル)、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、C
12〜C
15アルキル安息香酸エステル、例えばWitco社から商標Finsolv TNもしくはWitconol TNで販売されている製品、またはEvonik Goldschmidt社からTegosoft TNで販売されている製品、安息香酸2-エチルフェニル、例えば、ISP社から名称X-Tend 226で販売されている市販製品、ラノリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、アジピン酸ジイソプロピル、イソノナン酸イソノニル、エルカ酸オレイル、パルミチン酸2-エチルヘキシル、イソステアリン酸イソステアリル、アルコールまたは多価アルコールのオクタン酸エステル、デカン酸エステルまたはリシノール酸エステル、例えばジオクタン酸プロピレングリコール;ヒドロキシル化エステル、例えば乳酸イソステアリル、リンゴ酸ジイソステアリル;およびペンタエリスリトールエステル;クエン酸エステルまたは酒石酸エステル、例えば直鎖C
12〜C
13ジアルキル酒石酸エステル、例えばEnichem Augusta Industriale社から名称Cosmacol ETIで販売されているもの、および直鎖C
14〜C
15ジアルキル酒石酸エステル、例えば同社から名称Cosmacol ETLで販売されているもの;酢酸エステル、
(v)12〜26個の炭素原子を含有する分岐および/または不飽和炭素系の鎖を含有する、室温で液体の脂肪アルコール、例えばオクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、オレイルアルコール、2-ヘキシルデカノール、2-ブチルオクタノールまたは2-ウンデシルペンタデカノール、
(vi)高級脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸、
(vii)炭酸エステル、例えば炭酸ジカプリリル、例えばCognis社によって名称Cetiol CCで販売されている製品、
(viii)脂肪アミド、例えばN-ラウロイルサルコシン酸イソプロピル、例えば味の素から商標Eldew SL205で販売されている製品、
ならびにそれらの混合物。
【0055】
揮発性炭化水素系油は、8〜16個の炭素原子を含有する炭化水素系油、特に分岐C
8〜C
16アルカン、例えば石油由来のC
8〜C
16イソアルカン(イソパラフィンとしても公知)、例えばイソドデカン(2,2,4,4,6-ペンタメチルヘプタンとしても公知)、イソデカンおよびイソヘキサデカン、ならびにCognis社の特許出願WO 2007/068 371またはWO 2008/155 059に記載のアルカン(少なくとも1つの炭素によって異なっている様々なアルカンの混合物)から選択することができる。これらのアルカンは、ヤシ油またはパーム油から得られる脂肪アルコール、商標IsoparまたはPermethylで販売されている油、分岐C
8〜C
16エステルであるネオペンタン酸イソヘキシル、ならびにそれらの混合物から得られる。他の揮発性炭化水素系油、例えば石油留出物、特にShell社から名称Shell Soltで販売されているものを使用することもできる。一実施形態によれば、揮発性溶媒は、8〜16個の炭素原子を含有する揮発性炭化水素系油、およびそれらの混合物から選択される。
【0056】
b)シリコーン油
不揮発性シリコーン油は、特に、不揮発性ポリジメチルシロキサン(PDMS)、ペンダント状態かつ/またはシリコーン鎖の末端のアルキルまたはアルコキシ基(これらの基は、それぞれ2〜24個の炭素原子を含有する)を含むポリジメチルシロキサン、フェニルシリコーン、例えばフェニルトリメチコン、フェニルジメチコン、フェニルトリメチルシロキシジフェニルシロキサン、ジフェニルジメチコン、ジフェニルメチルジフェニルトリシロキサンおよびトリメチルシロキシケイ酸2-フェニルエチルから選択することができる。
【0057】
列挙することができる揮発性シリコーン油には、例えば、揮発性の直鎖または環式シリコーン油、特に粘度≦8センチストーク(8×10
-6m
2/s)を有し、特に2〜7個のケイ素原子を含有するものが含まれ、これらのシリコーンは、1〜10個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルコキシ基を場合によって含む。本発明において使用できる揮発性シリコーン油として、特に、オクタメチルシクロテトラシロキサン、デカメチルシクロペンタシロキサン、ドデカメチルシクロヘキサシロキサン、ヘプタメチルヘキシルトリシロキサン、ヘプタメチルオクチルトリシロキサン、ヘキサメチルジシロキサン、オクタメチルトリシロキサン、デカメチルテトラシロキサンおよびドデカメチルペンタシロキサン、ならびにそれらの混合物を挙げることができる。
【0058】
一般式(I)の直鎖揮発性アルキルトリシロキサン油を挙げることもできる。
【0060】
式中、Rは、2〜4個の炭素原子を含有するアルキル基を表し、その1つまたは複数の水素原子は、フッ素原子または塩素原子で置換されていてもよい。
【0061】
列挙することができる一般式(I)の油には、
3-ブチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、
3-プロピル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン、および
3-エチル-1,1,1,3,5,5,5-ヘプタメチルトリシロキサン
が含まれ、これらは、Rが、それぞれブチル基、プロピル基またはエチル基である式(I)の油に相当する。
【0062】
ゲル形態の油/非乳化性弾性オルガノポリシロキサンの混合物として、以下のINCI名を有する製品を使用することができる:
-ジメチコンおよびジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、例えば信越化学工業株式会社から名称KSG 6およびKSG 16で販売されている市販製品、
-シクロペンタシロキサンおよびジメチコン/ビニルジメチコンクロスポリマー、例えば信越化学工業株式会社から名称KSG 15およびKSG 24で販売されている市販製品、Dow Corning社のDow Corning 9040 Silicone Elastomer Blend、
-ジメチコンおよびジメチコンクロスポリマー、例えばDow Corning社から名称Dow Corning 9041 Silicone Elastomer Blendで販売されている市販製品、
-鉱油およびビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えば信越化学工業株式会社のKSG 41、
-イソドデカンおよびビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えば信越化学工業株式会社から販売されているKSG 42、
-トリエチルヘキサノインおよびビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えば信越化学工業株式会社から販売されているKSG 43、
-スクアランおよびビニルジメチコン/ラウリルジメチコンクロスポリマー、例えば信越化学工業株式会社から販売されているKSG 44。
【0063】
より具体的には、INCI名ジメチコンおよびジメチコンクロスポリマーを有するゲル形態の非乳化性弾性有機ポリシロキサン、例えばDow Corning社から名称Dow Corning 9041 Silicone Elastomer Blendで販売されている市販製品が使用される。
【0064】
非乳化性弾性オルガノポリシロキサンは、組成物の総重量に対して、好ましくは1.5重量%超、特に2重量%〜8重量%、より優先的には3重量%〜6重量%の量の活性材料で組成物中に存在する。
【0065】
非シリコーン有機油相増粘剤
非シリコーン有機油相増粘剤は、組成物の総重量に対して、好ましくは0.1%〜10%、より優先的には1%〜7%、さらにより優先的には4%〜7%の量で存在する。
【0066】
非シリコーン有機油相増粘剤は、
(1)好ましくは半結晶性ポリマーから選択される結晶性ポリマー、
(2)デキストリンの脂肪酸エステル、
(3)疎水性修飾多糖、
(4)結晶性オレフィンコポリマー、
(5)結晶性重縮合体、
(6)親油性ポリアミドタイプのポリマー、
(7)親油性ポリ尿素およびポリウレタン、
(8)ブロックポリマー、
(9)コレステロール系液晶剤、
ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0067】
(1)結晶性ポリマー
半結晶性ポリマー
用語「半結晶性ポリマー」は、骨格内および/または末端にある結晶化可能な部分、結晶化可能なペンダント鎖および/もしくは末端鎖、または結晶化可能なブロックと、骨格内にある非晶質部分とを含み、相が変化する、特に融解(固体-液体転移)する一次可逆反応温度を有するポリマーを意味する。結晶化可能な部分が、ポリマー骨格の結晶化可能なブロックの形態である場合、ポリマーの非晶質部分は、非晶質ブロックの形態である。この場合、半結晶性ポリマーは、例えば少なくとも1つの結晶化可能なブロックと少なくとも1つの非晶質ブロックを含む、ジブロック、トリブロックまたはマルチブロックタイプのブロックコポリマーである。用語「ブロック」は、一般に、少なくとも5個の同じ繰り返し単位を意味する。したがって、結晶化可能なブロックは、非晶質ブロックとは異なる化学的性質を有する。
【0068】
本発明の半結晶性ポリマーは、30℃以上(特に30℃〜80℃)、好ましくは30℃〜60℃の融点を有する。この融点は、状態変化の一次温度である。
【0069】
この融点は、任意の公知の方法によって、特に示差走査熱量計(DSC)を使用して測定することができる。
【0070】
有利には、本発明が適用される半結晶性ポリマーは、1000以上の数平均分子量を有する。
【0071】
有利には、本発明の組成物の半結晶性ポリマーは、数平均分子量Mnが2000〜800 000、好ましくは3000〜500 000、より好ましくは4000〜150 000、特に100 000未満、さらに好ましくは4000〜99 000である。好ましくは、このポリマーは、数平均分子量が5600超、例えば5700〜99 000である。
【0072】
本発明の目的では、表現「結晶化可能な鎖またはブロック」は、単独で得られる場合には、融点を超えるかそれ未満であるかに応じて非晶質状態から結晶状態に可逆的に変化する鎖またはブロックを意味する。本発明の目的では、「鎖」は、ポリマー骨格に対してペンダント状態または側面にある原子の群である。「ブロック」は、骨格に属する原子の群であり、この群は、ポリマーの繰り返し単位の1つを構成する。有利には、「ペンダント状態の結晶化可能な鎖」は、少なくとも6個の炭素原子を含有する鎖であってよい。
【0073】
好ましくは、半結晶性ポリマーの結晶化可能なブロックまたは鎖は、各ポリマーの総重量に対して少なくとも30%、さらに好ましくは少なくとも40%である。結晶化可能なブロックを含有する本発明の半結晶性ポリマーは、ブロックポリマーまたはマルチブロックポリマーである。これらは、反応性二重結合(またはエチレン結合)を含有するモノマーの重合によって、または縮重合によって得ることができる。本発明のポリマーが、結晶化可能な側鎖を含有するポリマーである場合、これらの側鎖は、有利にはランダム形態または統計形態である。
【0074】
好ましくは、本発明の組成物で使用できる半結晶性ポリマーは、合成由来のものである。さらに、これらのポリマーは、多糖骨格を含まない。一般に、本発明の半結晶性ポリマーの結晶化可能な単位(鎖またはブロック)は、半結晶性ポリマーを製造するために使用される、結晶化可能なブロックまたは鎖を含有するモノマーに由来する。
【0075】
本発明によれば、半結晶性ポリマーは、少なくとも1つの結晶化可能なブロックと少なくとも1つの非晶質ブロックを含むブロックコポリマー、および繰り返し単位1個当たり少なくとも1つの結晶化可能な側鎖を有するホモポリマーおよびコポリマー、ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0076】
本発明で使用できる半結晶性ポリマーは、特に以下のものである:
-結晶化が制御されたポリオレフィンのブロックコポリマー、特にそのモノマーがEP-A-0 951 897に記載されているもの、
-特に脂肪族もしくは芳香族ポリエステルタイプ、または脂肪族/芳香族コポリエステルタイプの重縮合体、
-少なくとも1つの結晶化可能な側鎖を有するホモポリマーまたはコポリマー、および骨格内に少なくとも1つの結晶化可能なブロックを有するホモポリマーまたはコポリマー、例えば特許文書US-A-5 156 911に記載されているもの、
-特許文書WO-A-01/19333に記載の、少なくとも1つの結晶化可能な側鎖を有する、特にフルオロ基を含有するホモポリマーまたはコポリマー、
-ならびにそれらの混合物。
【0077】
最後の2つの場合、結晶化可能な側鎖またはブロックは、疎水性である。
【0078】
a)結晶化可能な側鎖を含有する半結晶性ポリマー
特に、特許文書US-A-5 156 911およびWO-A-01/19333に定義されているものを挙げることができる。これらは、結晶化可能な疎水性の側鎖を有する1種または複数種のモノマーを重合することによって得られる単位を50重量%〜100重量%含むホモポリマーまたはコポリマーである。
【0079】
これらのホモポリマーまたはコポリマーは、任意の性質であるが、前述の条件を満たすものである。
【0080】
これらは、
-重合に関して反応性またはエチレン性の二重結合を含有する1種または複数種のモノマー、すなわちビニル、(メタ)アクリルまたはアリル基の重合、特にフリーラジカル重合によって、
-相互反応基(カルボン酸、スルホン酸、アルコール、アミンまたはイソシアナート)を有する1種または複数種のモノマー、例えばポリエステル、ポリウレタン、ポリエーテル、ポリ尿素またはポリアミドなどの縮重合によって得られる。
【0081】
一般に、これらのポリマーは、特に、式(I)によって表すことができる結晶化可能な鎖を含有する、少なくとも1種のモノマーの重合により得られるホモポリマーおよびコポリマーから選択される。
【0083】
ここで、Mは、ポリマー骨格の原子を表し、Sはスペーサを表し、Cは結晶化可能な基を表す。
【0084】
結晶化可能な鎖「-S-C」は、脂肪族または芳香族であってよく、場合によってフッ素化されているか、または全フッ素置換されていてもよい。「S」は、特に直鎖または分岐または環式であってよい(CH
2)
nまたは(CH
2CH
2O)
nまたは(CH
2O)基を表し、ここでnは0〜22の整数である。好ましくは、「S」は直鎖基である。好ましくは、「S」および「C」は異なっている。
【0085】
結晶化可能な鎖「-S-C」が、炭化水素系の脂肪族鎖である場合、この鎖は、少なくとも11個の炭素原子、40個以下の炭素原子、さらに好ましくは24個以下の炭素原子を含有する炭化水素系のアルキル鎖を含む。この鎖は、特に、少なくとも12個の炭素原子を含有する脂肪族鎖またはアルキル鎖であり、好ましくはC
14〜C
24アルキル鎖である。鎖がフルオロアルキルまたはペルフルオロアルキル鎖である場合、少なくとも6個のフッ素化炭素原子、特に少なくとも6個がフッ素化されている少なくとも11個の炭素原子を含有している。
【0086】
結晶化可能な鎖を有する半結晶性ポリマーまたはコポリマーの例として、以下のモノマーの1種または複数種の重合から得られるものを挙げることができる:C
14〜C
24アルキル基を有する飽和アルキル(メタ)アクリレート、C
11〜C
15ペルフルオロアルキル基を有するペルフルオロアルキル(メタ)アクリレート、フッ素原子を有するまたは有していないC
14〜C
24アルキル基を有するN-アルキル(メタ)アクリルアミド、C
14〜C
24アルキル基を有するアルキルまたはペルフルオロ(アルキル)鎖を含有するビニルエステル(ペルフルオロアルキル鎖1個当たり少なくとも6個のフッ素原子を有する)、C
14〜C
24アルキル基とペルフルオロアルキル鎖1個当たり少なくとも6個のフッ素原子とを有するアルキルまたはペルフルオロ(アルキル)鎖を含有するビニルエーテル、C
14〜C
24アルファ-オレフィン、例えばオクタデセンなど、12〜24個の炭素原子を含有するアルキル基を有するパラ-アルキルスチレン、ならびにそれらの混合物。
【0087】
ポリマーが縮重合から得られる場合、先に定義の炭化水素系の鎖および/またはフッ素化された結晶化可能な鎖は、二酸、ジオール、ジアミンまたはジイソシアナートであってよいモノマーによって担持される。
【0088】
本発明の対象となるポリマーがコポリマーである場合、これらのポリマーはさらに、以下の共重合から得られるYまたはZ基を0〜50%含有する。
α)極性もしくは非極性モノマーであるか、またはこれら2種の混合物であるYの共重合。
-Yが極性モノマーである場合、Yは、ポリオキシアルキレン化基(特にオキシエチレン化および/またはオキシプロピレン化基)を有するモノマー、ヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート、例えば、ヒドロキシエチルアクリレート、(メタ)アクリルアミド、N-アルキル(メタ)アクリルアミド、N,N-ジアルキル(メタ)アクリルアミド、例えば、N,N-ジイソプロピルアクリルアミドまたはN-ビニルピロリドン(NVP)、N-ビニルカプロラクタム、少なくとも1つのカルボン酸基、例えば(メタ)アクリル酸、クロトン酸、イタコン酸、マレイン酸もしくはフマル酸を有するか、またはカルボン酸無水物基、例えば無水マレイン酸を有するモノマー、およびそれらの混合物である。
-Yが非極性モノマーである場合、Yは、直鎖、分岐または環式アルキル(メタ)アクリレートタイプのエステル、ビニルエステル、アルキルビニルエーテル、α-オレフィン、スチレン、またはC
1〜C
10アルキル基で置換されているスチレン、例えばα-メチルスチレンであり得る。
【0089】
本発明の目的では、用語「アルキル」は、別段言及されていない場合、特にC
8〜C
24飽和基、さらに好ましくはC
14〜C
24飽和基を意味する。
【0090】
β)極性モノマーまたは極性モノマー混合物であるZの共重合。この場合、Zは、先に定義した「極性Y」と同じ定義を有する。
【0091】
好ましくは、結晶化可能な側鎖を含有する半結晶性ポリマーは、先に定義した、特にC
14〜C
24アルキル基を有するアルキル(メタ)アクリレートまたはアルキル(メタ)アクリルアミドホモポリマー、これらのモノマーと好ましくは(メタ)アクリル酸とは異なる性質の親水性モノマーとのコポリマー、例えばN-ビニルピロリドンまたはヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、およびそれらの混合物である。
【0092】
b)少なくとも1つの結晶化可能なブロックを骨格内に有するポリマー
これらのポリマーは、特に、1つが結晶化可能な、異なる化学的性質の少なくとも2つのブロックからなるブロックコポリマーである。
-特許文書US-A-5 156 911に定義されているブロックポリマーを使用することができる。
-結晶化可能な鎖を含有するオレフィンまたはシクロオレフィンのブロックコポリマー。例えば以下の、
シクロブテン、シクロヘキセン、シクロオクテン、ノルボルネン(すなわち、ビシクロ(2,2,1)-2-ヘプテン)、5-メチルノルボルネン、5-エチルノルボルネン、5,6-ジメチルノルボルネン、5,5,6-トリメチルノルボルネン、5-エチリデンノルボルネン、5-フェニルノルボルネン、5-ベンジルノルボルネン、5-ビニルノルボルネン、1,4,5,8-ジメタノ-1,2,3,4,4a,5,8a-テトラヒドロナフタレン、ジシクロペンタジエンまたはそれらの混合物と、
-エチレン、プロピレン、1-ブテン、3-メチル-1-ブテン、1-ヘキセン、4-メチル-1-ペンテン、1-オクテン、1-デセンもしくは1-エイコセン、またはそれらの混合物のブロック重合から得られるもの、
-特にコポリ(エチレン/ノルボルネン)ブロックおよび(エチレン/プロピレン/エチリデン-ノルボルネン)ブロックターポリマー。前述のものなどの少なくとも2つのC
2〜C
16、より好ましくはC
2〜C
12、さらにより好ましくはC
4〜C
12α-オレフィンのブロック共重合から得られるもの、特にエチレンおよび1-オクテンのブロックビポリマーを使用することもできる。
【0093】
コポリマーは、コポリマー残基が非晶質である(室温で)、少なくとも1つの結晶化可能なブロックを含有するコポリマーであってよい。これらのコポリマーは、異なる化学的性質の2種の結晶化可能なブロックを含有することもできる。好ましいコポリマーは、室温で、結晶化可能なブロックと非晶質ブロックを同時に含有するものであり、これらのブロックは、両方、疎水性かつ親油性であり、連続的に分布している。例えば、下記の結晶化可能なブロックの1つと、非晶質ブロックの1つを含有するポリマーを挙げることができる:
-a)ポリエステルタイプの性質の結晶化可能なブロック、例えばポリ(アルキレンテレフタラート)、b)ポリオレフィンタイプの性質の結晶化可能なブロック、例えばポリエチレンまたはポリプロピレン、
-非晶質かつ親油性のブロック、例えば非晶質ポリオレフィンまたはコポリ(オレフィン)、例えばポリ(イソブチレン)、水素化ポリブタジエンまたは水素化ポリ(イソプレン)。
【0094】
このような結晶化可能なブロックおよび別個の非晶質ブロックを含有するコポリマーの例として、以下を挙げることができる:
α)好ましくは水素化して使用されるポリ(ε-カプロラクトン)-b-ポリ(ブタジエン)ブロックコポリマー、例えば、S. Nojimaによる論文「Melting behaviour of poly(ε-caprolactone)-block-polybutadiene copolymers」、Macromolecules、32、3727〜3734頁(1999年)に記載されているもの、
β)B. Boutevinらによる論文「Study of morphological and mechanical properties of PP/PBT」、Polymer Bulletin、34、117〜123頁(1995年)に記載されている、水素化ブロックまたはマルチブロックであるポリ(ブチレンテレフタラート)-b-ポリ(イソプレン)ブロックコポリマー、
γ)P. Rangarajanらによる論文「Morphology of semicrystalline block copolymers of ethylene-(ethylene-alt-propylene)」、Macromolecules、26、4640〜4645頁(1993年)およびP. Richter等による論文「Polymer aggregates with crystalline cores: the system poly(ethylene)poly(ethylene-propylene)」、Macromolecules, 30、1053〜1068頁(1997年)に記載されている、ポリ(エチレン)-b-コポリ(エチレン/プロピレン)ブロックコポリマー、
δ)I.W. Hamleyによる論文「Crystallization in block copolymers」、Advances in Polymer Science、第148巻、113〜137頁(1999年)に言及されているポリ(エチレン)-b-ポリ(エチルエチレン)ブロックコポリマー。
【0095】
本発明の組成物の半結晶性ポリマーは、ポリマーの融点を超える温度への組成物の加熱によって、組成物中に場合によって存在する液体脂肪相にポリマーが溶解または分散するのを架橋度が妨害しないのであれば、部分的に架橋されていても架橋されていなくてもよい。したがって、架橋は、重合中に多官能性モノマーと反応することによって生じる化学的架橋の場合もあり得る。また架橋は、物理的架橋の場合もあり得、その場合、この架橋は、ポリマーが有する基の間の水素結合もしくは双極子型の結合、例えばカルボキシレートイオノマー間の双極子相互作用(これらの相互作用は少なく、ポリマー骨格が有する)の確立、またはポリマーが有する結晶化可能なブロックと非晶質ブロックの相分離に起因し得る。
【0096】
好ましくは、本発明の組成物の半結晶性ポリマーは、架橋されていない。
【0097】
本発明の特定の一実施形態によれば、ポリマーは、飽和C
14〜C
24アルキル(メタ)アクリレート、C
11〜C
15ペルフルオロアルキル(メタ)アクリレート、フッ素原子を含むまたは含まないC
14〜C
24N-アルキル(メタ)アクリルアミド、C
14〜C
24アルキルまたはペルフルオロアルキル鎖を含有するビニルエステル、C
14〜C
24アルキルまたはペルフルオロアルキル鎖を含有するビニルエーテル、C
14〜C
24アルファ-オレフィン、12〜24個の炭素原子を含有するアルキル基を有するパラ-アルキルスチレンから選択される結晶化可能な鎖を含有する少なくとも1種のモノマーと、次式(ω)によって表すことができる、少なくとも1つの場合によってフッ素化されているC
1〜C
10モノカルボン酸エステルまたはアミドとの重合によって得られるコポリマーから選択される。
【0099】
式中、R
1は、HまたはCH
3であり、Rは、場合によってフッ素化されているC
1〜C
10アルキル基を表し、Xは、O、NHまたはNR
2を表し、R
2は、場合によってフッ素化されているC
1〜C
10アルキル基を表す。
【0100】
本発明の1つまたは複数の特定の実施形態によれば、ポリマーは、飽和C
14〜C
22アルキル(メタ)アクリレート、さらにより具体的にはポリ(ステアリルアクリレート)またはポリ(ベヘニルアクリレート)から選択される、結晶化可能な鎖を含有するモノマーから導出される。
【0101】
本発明の組成物で使用できる構造化半結晶性ポリマーの具体例として、INCI名「ポリC10〜30アルキルアクリレート」を有するポリマー、例えば、Air Products社のIntelimer(登録商標)製品、例えば、ポリステアリルアクリレートである製品Intelimer(登録商標)IPA 13-1、またはベヘニルポリマーである製品Intelimer(登録商標)IPA 13-6を挙げることができる。
【0102】
半結晶性ポリマーは、特にアクリル酸とC
5〜C
16アルキル(メタ)アクリレートの共重合、より具体的には、
-重量比1/16/3のアクリル酸と、アクリル酸ヘキサデシルと、アクリル酸イソデシルの共重合、
-重量比1/19のアクリル酸とアクリル酸ペンタデシルの共重合、
-重量比2.5/76.5/20のアクリル酸と、アクリル酸ヘキサデシルと、アクリル酸エチルの共重合、
-重量比5/85/10のアクリル酸と、アクリル酸ヘキサデシルと、アクリル酸メチルの共重合、
-重量比2.5/97.5のアクリル酸と、メタクリル酸オクタデシルの共重合、
-重量比8.5/1/0.5のアクリル酸ヘキサデシルと、8個のエチレングリコール単位を含有するポリエチレングリコールメタクリレートのモノメチルエーテルと、アクリル酸の共重合
によって得られる、特許文書US-A-5 156 911の実施例3、4、5、7、9および13に記載されている-COOH基を含有するものであってよい。
【0103】
特許文書US-A-5 736 125に記載の、融点44℃を有するNational Starchの構造「O」のポリマー、ならびに特許文書WO-A-01/19333の実施例1、4、6、7および8に記載の、フルオロ基を含む結晶化可能なペンダント基を有する半結晶性ポリマーを使用することも可能である。
【0104】
特許文書US-A-5 519 063またはEP-A-550 745に記載の、それぞれ融点40℃および38℃を有する、アクリル酸ステアリルとアクリル酸またはNVPの共重合によって得られる半結晶性ポリマーを使用することも可能である。
【0105】
特許文書US-A-5 519 063およびEP-A-550 745に記載の通り、それぞれ融点60℃および58℃を有する、アクリル酸ベヘニルとアクリル酸またはNVPの共重合によって得られる半結晶性ポリマーを使用することも可能である。
【0106】
好ましくは、半結晶性ポリマーは、任意のカルボン酸基を含まない。
【0107】
最後に、本発明の半結晶性ポリマーは、特許出願US 2007/0 031 361に記載のものなどの、メタロセン触媒作用によって得られるワックス状ポリマーから選択することもできる。
【0108】
これらのポリマーは、メタロセン触媒作用によって、すなわち低圧でメタロセン触媒の存在下で重合することによって調製される、エチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーである。
【0109】
その文書に記載されているメタロセン触媒作用によって得られるワックスの重量平均分子量(Mw)は、25 000g/mol以下であり、例えば2000〜22 000g/mol、さらに好ましくは4000〜20 000g/molである。
【0110】
その文書に記載されているメタロセン触媒作用によって得られるワックスの重量平均分子量(Mw)は、好ましくは15 000g/mol以下であり、例えば1000〜12 000g/mol、さらに好ましくは2000〜10 000g/molである。
【0111】
ポリマーの多分散指数Iは、重量平均分子量Mwと数平均分子量Mnの比に等しい。好ましくは、ワックス状ポリマーの多分散指数は、1.5〜10、好ましくは1.5〜5、好ましくは1.5〜3、さらに好ましくは2〜2.5である。
【0112】
ワックス状ホモポリマーおよびコポリマーは、公知の方法で、例えば特許文書EP 571 882に記載の方法に従って、メタロセン触媒作用によってエチレンおよび/またはプロピレンモノマーから得ることができる。
【0113】
メタロセン触媒作用によって調製されたエチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーおよびコポリマーは、非修飾であってよく、または「極性」修飾されていてもよい(極性修飾ワックス、すなわち極性ワックスの特性を有するように修飾されたワックス)。極性修飾ワックス状ホモポリマーおよびコポリマーは、公知の方法で、空気などの酸素含有ガスによる酸化によって、またはマレイン酸もしくはアルキル酸もしくはこれらの酸の誘導体などの極性モノマーによるグラフトによって、前述のものなどの非修飾ワックス状ホモポリマーおよびコポリマーから調製することができる。メタロセン触媒作用によって得られたポリオレフィンを極性修飾することができるこれらの2つの経路は、例えば参照によって内容が本明細書に組み込まれる特許文書EP 890 583およびUS 5 998 547にそれぞれ記載されている。
【0114】
本発明によれば、メタロセン触媒作用によって調製された、エチレンおよび/またはプロピレンの特に好ましい極性修飾ホモポリマーおよびコポリマーは、親水性特性を有するように修飾されたポリマーである。列挙することができる例には、無水マレイン酸、アクリレート、メタクリレート、ポリビニルピロリドン(PVP)などの親水性基の存在によって修飾された、エチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーが含まれる。
【0115】
無水マレイン酸またはアクリレートなどの親水性基の存在によって修飾された、ワックス状のエチレンおよび/またはプロピレンのホモポリマーまたはコポリマーが、特に好ましい。
【0116】
列挙することができる例には、以下が含まれる:
-Clariant社から販売されている無水マレイン酸で修飾されたポリプロピレンワックス(PPMA)、もしくはClariant社から名称LicoCareで販売されているものなどのポリプロピレン-エチレン-無水マレイン酸コポリマー、例えばLicoCare PP207 LP3349、LicoCare CM401 LP3345、LicoCare CA301 LP3346およびLicoCare CA302 LP3347、あるいは
-Clariant社から販売されている非修飾ポリエチレンワックス、例えば製品LicoCare PE 102 LP3329。
【0117】
唇用の組成物の状況では、低い結晶化度、好ましくは40%未満の結晶化度の極性修飾ワックス状ポリマーが好ましい。
【0118】
(2)デキストリンの脂肪酸エステル
デキストリンの脂肪酸エステルは、デキストリンと少なくとも1つの脂肪酸のモノエステルまたはポリエステル、および式(III)に相当する化合物から選択することができる。
【0120】
式中、
nは3〜200の整数、特に20〜150、特に25〜50の整数であり、
R
2、R
3およびR
4基は、同じでも異なっていてもよく、水素およびアシル基(R-CO-)から選択され、ここでR基は、7〜29個、特に7〜21個、特に11〜19個、より具体的には13〜17個、またはさらには15個の炭素原子を含有する、直鎖または分岐の飽和または不飽和炭化水素系の基であり、ただし前記R
2、R
3またはR
4基の少なくとも1つは、水素以外である。
【0121】
特に、R
2、R
3およびR
4は、水素またはアシル基(R'-CO-)を表すことができ、ここでR'は、先に定義した炭化水素系の基であり、ただし前記R
2、R
3またはR
4基の少なくとも2つは同じであり、水素以外である。
【0122】
R
2、R
3およびR
4基はすべて、同じか異なる、特に同じアシル基(R'-CO)を含有することができる。
【0123】
特に、本発明の一般式(III)のエステルにおいて、nは、有利には25〜50の範囲であり、特に38に等しい。
【0124】
同じでも異なっていてもよいR
2、R
3および/またはR
4基が、アシル基(R'-CO)を含有する場合、これらの基は、特に、カプリリル、カプリル、ラウリル、ミリスチル、パルミチル、ステアリル、アラキル、ベヘニル、イソブチリル、イソバレリル、2-エチルブチリル、エチルメチルアセチル、イソヘプタノイル、2-エチルヘキサノイル、イソノナノイル、イソデカノイル、イソトリデカノイル、イソミリスチル、イソパルミチル、イソステアリル、イソアラキル、イソヘキサノイル、デセノイル、ドデセノイル、テトラデセノイル、ミリストレイル、ヘキサデセノイル、パルミトレイル、オレイル、エライジル、アスクレピニル(asclepinic)、ゴルドレイル(gondoleic)、エイコセノイル、ソルビル、リノレイル、リノレニル、プニシル(punicic)、ステアリドニル(stearidonic)、アラキドニルおよびステアロリル(stearolic)基、ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0125】
好ましくは、デキストリンの脂肪酸エステルとして、少なくとも1つのデキストリンのパルミチン酸エステルが使用される。このエステルは、単独で使用することができ、または他のエステルとの混合物として使用することもできる。
【0126】
有利には、デキストリンの脂肪酸エステルは、置換度が、グルコース単位1個に対して2.5以下、特に1.5〜2.5、好ましくは2〜2.5である。デキストリンのエステルの重量平均分子量は、特に10 000〜150 000、特に12 000〜100 000、さらに15 000〜80 000であってよい。
【0127】
デキストリンのエステル、特にデキストリンのパルミチン酸エステルは、千葉製粉株式会社から名称Rheopearl TLまたはRheopearl KLで市販されている。
【0128】
(3)疎水性修飾多糖
本発明で使用される多糖は、好ましくはフルクタンから選択される。
【0129】
フルクタンまたはフルクトサンは、フルクトース以外のいくつかの糖残基と場合によって組み合わされた無水フルクトース単位の配列を含む、オリゴ糖または多糖である。フルクタンは、直鎖または分岐であってよい。フルクタンは、植物もしくは微生物源から直接得られた生成物であってよく、あるいは分取、合成もしくは加水分解によって、特に酵素的に鎖長が修飾された(延長または短縮された)生成物であってよい。フルクタンは、一般に、重合度が2〜約1000、好ましくは2〜約60である。
【0130】
フルクタンは、3種類の群に区別される。第1群は、フルクトース単位の大部分がβ-2-1結合によって連結している生成物に相当する。これらは、イヌリンなどの本質的に直鎖のフルクタンである。第2群も、直鎖フルクトースに相当するが、そのフルクトース単位は、本質的にβ-2-6結合によって連結している。これらの生成物は、レバンである。第3群は、混合フルクタンに相当し、すなわちβ-2-6およびβ-2-1配列を含有する。これらは、グラミナンなどの本質的に分岐状のフルクタンである。
【0131】
本発明の組成物で使用されるフルクタンは、イヌリンである。イヌリンは、例えばチコリ、ダリアまたはキクイモから得ることができる。好ましくは、本発明の組成物で使用されるイヌリンは、例えばチコリから得られる。
【0132】
本発明の組成物で使用される多糖、特にイヌリンは、疎水性修飾されている。特に、これらは、フルクタンの親水性骨格上に疎水性鎖をグラフトすることによって得られる。
【0133】
フルクタンの主鎖上にグラフトすることができる疎水性鎖は、特に、1〜50個の炭素原子を含有する、直鎖または分岐の飽和または不飽和炭化水素系の鎖、例えば、アルキル、アリールアルキル、アルキルアリールもしくはアルキレン基、二価の脂環式基、またはオルガノポリシロキサン鎖であってよい。これらの炭化水素系の鎖またはオルガノポリシロキサン鎖は、特に、1つまたは複数のエステル、アミド、ウレタン、カルバメート、チオカルバメート、尿素、チオ尿素および/もしくはスルホンアミド官能基、特に、例えばメチレンジシクロヘキシルおよびイソホロン、またはフェニレンなどの二価の芳香族基を含むことができる。
【0134】
特に多糖、特にイヌリンは、重合度が、フルクトース単位1個に対して2〜約1000、好ましくは2〜約60であり、置換度が2未満である。
【0135】
好ましい一実施形態によれば、疎水性鎖は、式R''-NH-CO-の少なくとも1つのアルキルカルバメート基を含有する(R''は、1〜22個の炭素原子を含有するアルキル基である)。
【0136】
より好ましい一実施形態によれば、疎水性鎖は、ラウリルカルバメート基である。
【0137】
特に、本組成物で使用できる疎水性修飾イヌリンの非限定的な例として、ステアロイルイヌリン、例えばEngelhard社から名称Lifidrem INSTで、およびCiba社からRheopearl INSで販売されているもの;パルミトイルイヌリン;ウンデシレノイルイヌリン、例えばEngelhard社から名称Lifidrem INUKおよびLifidrem INUMで販売されているもの;ならびにイヌリンラウリルカルバメート、例えばOrafti社から名称Inutec SP1で販売されている製品を挙げることができる
【0138】
特に疎水性修飾多糖は、ラウリルイソシアナートと、特にチコリから得られたイヌリンとの反応から得られる、ラウリルカルバメートでグラフトされたイヌリンである。特に列挙できるこれらの化合物の一例は、Orafti社から名称Inutec SP1で販売されている製品である。
【0139】
(4)結晶性オレフィンコポリマー
本願の組成物で使用される結晶性オレフィンコポリマーは、任意のオレフィンコポリマーであってよく、すなわち結晶性質が中程度に制御され、すなわち結晶化度が50%以下、好ましくは5%〜40%、さらに好ましくは10%〜35%のオレフィン単位だけを含むコポリマーであってよい。
【0140】
これらのコポリマーは、一般にエラストマーまたはプラストマーであり、任意の公知の方法によって、特にラジカル経路を介して、チーグラー-ナッタ触媒作用またはメタロセン触媒作用、好ましくはメタロセン触媒作用によって合成することができる。
【0141】
本発明の組成物で使用できる第1のクラスの結晶性オレフィンコポリマーは、特にC
2〜C
16、さらに好ましくはC
2〜C
12α-オレフィンのα-オレフィンコポリマーである。好ましくは、これらのコポリマーは、ビポリマーまたはターポリマーであり、最も特定するとビポリマーである。
【0142】
本発明の組成物に推奨されるビポリマーの中でも、エチレンとC
4〜C
16、好ましくはC
4〜C
12α-オレフィンのビポリマー、およびプロピレンとC
4〜C
16、好ましくはC
4〜C
12α-オレフィンのビポリマーを挙げることができる。より好ましくは、α-オレフィンは、1-ブテン、1-ペンテン、1-ヘキセン、1-オクテン、1-ノネン、1-デセン、1-ウンデセン、1-ドデセン、3,5,5-トリメチル-1-ヘキセン、3-メチル-1-ペンテンおよび4-メチル-1-ペンテンから選択される。
【0143】
これらのモノマーの中でも、1-ブテンおよび1-オクテンが特に好ましい。ビポリマーにおけるα-オレフィンの含量は、一般に2mol%〜40mol%、好ましくは3mol%〜30mol%、さらに好ましくは4mol%〜20mol%である。
【0144】
推奨されるエチレン-オクテンビポリマーは、オクテン含量が5.2mol%〜6.2mol%であり、結晶化度が28%〜38%のプラストマー、およびオクテン含量が8mol%〜14mol%であり、結晶化度が10%〜28%のエラストマーである。
【0145】
これらのビポリマーは、メタロセン触媒作用によって合成される。
【0146】
このようなビポリマーは、Dow Chemical社から商標Affinity(登録商標)(プラストマー)およびEngage(登録商標)(エラストマー)で販売されている。
【0147】
エチレン-ブテンビポリマーは、Exxon社から商標Exact Resins(登録商標)で販売されている。
【0148】
ターポリマーの中でも、エチレン、プロピレンおよびC
4〜C
16、好ましくはC
4〜C
12α-オレフィンのターポリマーを挙げることができる。
【0149】
これらのターポリマーにおいて、C
4〜C
16α-オレフィンの含量は既に示した通りであり、好ましいα-オレフィンは、ブテン、ヘキセンおよびオクテンである。
【0150】
本発明の組成物で使用するのに適した第2のクラスのオレフィンコポリマーは、エチレンまたはプロピレンとシクロオレフィンのコポリマー、特にビポリマーである。
【0151】
一般に、コポリマーのシクロオレフィン含量は、20mol%未満である。使用できるシクロオレフィンの中でも、シクロブテン、シクロヘキセン、シクロオクタジエン、ノルボルネン、ジメタノオクタヒドロナフタレン(DMON)、エチリデンノルボルネン、ビニルノルボルネンおよび4-ビニルシクロヘキセンを挙げることができる。
【0152】
推奨されるこのクラスのコポリマーは、エチレンとノルボルネンのコポリマーである。これらのコポリマーのノルボルネン含量は、必要な結晶性質を有するのに一般に18mol%未満であり、これらのコポリマーは、メタロセン触媒作用によって合成される。
【0153】
適切なエチレン/ノルボルネンコポリマーは、三井石油化学株式会社または三井石化から商標Apel(登録商標)で、およびHoechst-Celanese社から商標Topas(登録商標)で販売されている。
【0154】
他の推奨されるエチレン/シクロオレフィンコポリマーは、シクロオレフィン含量が少ない、一般に20mol%未満のエチレン/シクロブテンおよびエチレン/シクロヘキセンビポリマーである。
【0155】
第3のクラスの適切なオレフィンコポリマーは、立体規則性が制御されたオレフィンコポリマー、すなわち異なる立体規則性を有する複数の単位を含むコポリマーによって形成される。
【0156】
立体規則性が制御されたこれらのコポリマーの中でも、イソタクチックプロピレン/アタクチックプロピレンおよびシンジオタクチックプロピレン/アタクチックプロピレンコポリマーを挙げることができる。
【0157】
イソタクチックまたはシンジオタクチック単位またはブロックは、コポリマーに結晶性質を与える一方、非晶質アタクチック単位またはブロックは、コポリマーの過度の結晶化度を防止し、結晶化度ならびに結晶子の形態およびサイズを制御する。
【0158】
したがって、コポリマーに結晶性質を与えるイソタクチックまたはシンジオタクチック単位の含量は、コポリマーにおいて所望の割合の結晶化度(≦50%)を得るように決定される。
【0159】
タクチック単位の含量は、一般に10mol%〜80mol%である。しかし、アタクチック単位の含量は、好ましくは30mol%未満である。
【0160】
これらのコポリマーは、メタロセン触媒作用によって合成される。
【0161】
本発明で使用するのに適した第4のクラスのオレフィンコポリマーは、モノオレフィンとジエンのコポリマー、例えばエチレン/ブタジエン、プロピレン/ブタジエン、エチレン/イソプレンおよびプロピレン/イソプレンのビポリマー、ならびにエチレン/プロピレン/ジエンのターポリマーによって形成され、これもやはりメタロセン合成によって得られる。
【0162】
結晶化が制御されたコポリマーにおけるジエン単位の割合は、一般に3mol%〜20mol%である。
【0163】
コポリマーの結晶化度の制御を改善するために、本発明の組成物に、小結晶の形成を促進する結晶化防止添加剤を場合によって添加することができる。これらの添加剤は、少ない割合で使用されるが、バルク内に均一に分布する数々の小さい結晶成長「部位」を構築する。これらの添加剤は、典型的に有機または無機物質の結晶である。
【0164】
結晶化が必要な有機添加剤の場合、この添加剤は、コポリマーの融解領域よりも高い融点を有するべきであり、好ましくは小結晶を形成するべきである。
【0165】
この物質は、その融点を超える温度では、液体脂肪相と融解ポリマーの混合物に可溶性であることが好ましい。したがって冷却時には、最初に溶解した添加剤が、混合物中に広く分布する数々の小結晶の形態で再結晶化し、次に、添加剤結晶の存在によりポリマーが再結晶化して、小結晶領域を形成する。このポリマーの再結晶技術は、標準的である。
【0166】
本発明のオレフィンコポリマーの結晶化度、サイズおよび形態は、本発明の第1のオレフィンコポリマーを、第1のオレフィンコポリマーと部分的に適合性のある第2の結晶性ポリマーまたはコポリマーと混合することによって調節することもできる。第2のポリマーまたはコポリマーは、本発明のオレフィンコポリマーであってもよいが、結晶化度が本発明のオレフィンコポリマーの結晶化度より高いなどの、第1のコポリマーとは異なる結晶化度を有する。
【0167】
第2の結晶化可能なポリマーは、異なる性質のポリマー、例えばラジカル共重合によって得られたコポリエチレン/酢酸ビニル、またはさらには化粧品に通常使用されているものなどの結晶化可能なポリエチレンであってもよい。
【0168】
結晶化度を調節するこの方法に関するさらなる詳細については、以下の論文、S. Bensasonらの表題「Elastomeric blends of homogeneous ethylene-octene copolymers」、Polymer、第38巻、第15号、1997年、3913〜19頁、およびS. Bensasonらの表題「Blends of homogeneous ethylene-octene copolymers」、Polymer、第38巻、第14号、1997年、3513〜20頁を参照することができる。
【0169】
(5)結晶性重縮合体
使用できる重縮合体は、
-重縮合体の総重量に対して10重量%〜30重量%の、3〜6個のヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリオールと、
-重縮合体の総重量に対して30重量%〜80重量%の、6〜32個の炭素原子を含有する少なくとも1種の飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式非芳香族モノカルボン酸と、
-重縮合体の総重量に対して0.1重量%〜10重量%の、1〜32個の炭素原子を含有する1〜3個の飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式アルキル基で場合によって置換されている、7〜11個の炭素原子を含有する少なくとも1種の芳香族モノカルボン酸と、
-重縮合体の総重量に対して5重量%〜40重量%の、少なくとも2個のカルボン酸基COOH、特に2〜4個のCOOH基を含む少なくとも1種の飽和もしくは不飽和の、またはさらには芳香族の直鎖、分岐および/もしくは環式ポリカルボン酸;ならびに/あるいはこのようなポリカルボン酸の環式無水物と
を反応させることによって得ることができる。
【0170】
好ましくは、重縮合体は、
-10重量%の、1〜32個の炭素原子を含有する1〜3個の飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式アルキル基で場合によって置換されている、7〜11個の炭素原子を含有する少なくとも1種の芳香族モノカルボン酸と、
-重縮合体の総重量に対して15重量%〜30重量%の、3〜6個のヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリオールと、
-重縮合体の総重量に対して30重量%〜40重量%の、6〜32個の炭素原子を含む少なくとも1種の飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式非芳香族モノカルボン酸と、
-重縮合体の総重量に対して10重量%〜25重量%の、少なくとも2個のカルボン酸基COOH、特に2〜4個のCOOH基を含む、少なくとも1種の飽和もしくは不飽和の、またはさらには芳香族の直鎖、分岐および/もしくは環式ポリカルボン酸;ならびに/あるいはこのようなポリカルボン酸の環式無水物と
を反応させることによって得ることができ、これらの条件は累積的であり、芳香族モノカルボン酸のモル数と、非芳香族モノカルボン酸のモル数の比は、0.08〜0.70である。
【0171】
重縮合体は、
-重縮合体の総重量に対して10重量%〜30重量%の、3〜6個のヒドロキシル基を含む少なくとも1種のポリオールと、
-重縮合体の総重量に対して45重量%〜80重量%の、6〜32個の炭素原子を含有する少なくとも1種の飽和、直鎖、分岐および/または環式非芳香族モノカルボン酸と、
-重縮合体の総重量に対して0.1重量%〜10重量%の、1〜32個の炭素原子を含有する1〜3個の飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式アルキル基で場合によって置換されている、7〜11個の炭素原子を含有する少なくとも1種の芳香族モノカルボン酸と、
-重縮合体の総重量に対して5重量%〜40重量%の、少なくとも2個のカルボン酸基COOH、特に2〜4個のCOOH基を含む、少なくとも1種の飽和もしくは不飽和の、またはさらには芳香族の直鎖、分岐および/もしくは環式ポリカルボン酸;ならびに/あるいはこのようなポリカルボン酸の環式無水物と
を反応させることによって得ることも可能である。
【0172】
本発明の重縮合体の調製に必要な構成成分の1つは、3〜6個のヒドロキシル基を含む化合物(ポリオール)、特に3〜4個のヒドロキシル基を含む化合物である。明らかに、このようなポリオールの混合物を使用することもできる。前記ポリオールは特に、3〜18個の炭素原子、特に3〜12個、またはさらには4〜10個の炭素原子、および3〜6個のヒドロキシル(OH)基を含有し、かつ鎖中に挿入された1つまたは複数の酸素原子(エーテル官能基)を含む可能性もある直鎖、分岐および/または環式の飽和または不飽和炭素系の、特に炭化水素系の化合物であってよい。前記ポリオールは、好ましくは、3〜18個の炭素原子、特に3〜12個、またはさらには4〜10個の炭素原子、および3〜6個のヒドロキシル(OH)基を含有する直鎖または分岐飽和炭化水素系の化合物である。前記ポリオールは、以下から単独でまたは混合物として選択することができる:
-トリオール、例えば1,2,4-ブタントリオール、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパンまたはグリセロール、
-テトラオール、例えばペンタエリスリトール(テトラメチロールメタン)、エリスリトール、ジグリセロールまたはジトリメチロールプロパン、
-ペントール、例えばキシリトール、
-ヘキソール、例えばソルビトールおよびマンニトール、あるいはジペンタエリスリトールもしくはトリグリセロール。
【0173】
好ましくは、ポリオールは、グリセロール、ペンタエリスリトール、ジグリセロールおよびソルビトール、ならびにそれらの混合物から選択され、さらに好ましくはペンタエリスリトールである。ポリオールまたはポリオール混合物は、最終的な重縮合体の総重量に対して、好ましくは10重量%〜30重量%、特に12重量%〜25重量%、さらに好ましくは14重量%〜22重量%である。
【0174】
本発明の重縮合体の調製に必要な別の構成成分は、6〜32個の炭素原子、特に8〜28個の炭素原子、さらに好ましくは10〜24個、またはさらには12〜20個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式非芳香族モノカルボン酸である。明らかに、このような非芳香族モノカルボン酸の混合物を使用することもできる。
【0175】
用語「非芳香族モノカルボン酸」は、式R'''COOHの化合物を意味し、ここでR'''は、5〜31個の炭素原子、特に7〜27個の炭素原子、さらに好ましくは9〜23個の炭素原子、またはさらには11〜19個の炭素原子を含有する飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式炭化水素系の基である。
【0176】
好ましくは、R基は飽和している。さらに好ましくは、前記R基は、直鎖または分岐であり、優先的にはC
5〜C
31、またはさらにはC
11〜C
21である。
【0177】
本発明の特定の一実施形態では、非芳香族モノカルボン酸は、融点が25℃以上、好ましくは28℃以上、またはさらには30℃であるが、この理由は、そのような酸が特に多量に使用される場合、まず、良好な光沢および前記光沢の良好な耐久力が得られ、次に、企図する組成物中に通常存在するワックスの量を低減することが可能であると見出されたからである。
【0178】
使用できる非芳香族モノカルボン酸の中でも、以下のものを単独でまたは混合物として挙げることができる:
-飽和モノカルボン酸、例えばカプロン酸、カプリル酸、イソヘプタン酸、4-エチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、4,5-ジメチルヘキサン酸、2-ヘプチルヘキサン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、ノナン酸、デカン酸、イソノナン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セロチン酸(ヘキサコサン酸)、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンタン酢酸、3-シクロペンチルプロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸または4-シクロヘキシル酪酸、
-不飽和であるが非芳香族のモノカルボン酸、例えばカプロレイン酸、オブツシル酸、ウンデシレン酸、ドデシレン酸、リンデル酸、ミリストレイン酸、フィセテリン(physeteric)酸、ツズ(tsuzunic)酸、パルミトレイン酸、オレイン酸、ペトロセリン酸、バクセン酸、エライジン酸、ゴンド酸、ガドレイン酸、エルカ酸、セトレイン(ketoleic)酸、ネルボン酸、リノール酸、リノレン酸またはアラキドン酸。
【0179】
25℃以上の融点を有する前述の非芳香族モノカルボン酸の中でも、以下のものを単独でまたは混合物として挙げることができる:
-飽和モノカルボン酸でも、デカン(カプリン)酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セロチン(ヘキサコサン)酸、
-不飽和であるが非芳香族のモノカルボン酸の中でも、ペトロセリン酸、バクセン酸、エライジン酸、ゴンド酸、ガドレイン酸、エルカ酸、ネルボン酸。
【0180】
好ましくは、2-エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、イソヘプタン酸、イソノナン酸、ノナン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、ステアリン酸またはベヘン酸、およびそれらの混合物、さらに好ましくはイソステアリン酸単独またはステアリン酸単独を使用することができる。
【0181】
前記非芳香族モノカルボン酸または前記酸の混合物は、最終的な重縮合体の総重量に対して、好ましくは30重量%〜80重量%、特に40重量%〜75重量%、またはさらには45重量%〜70重量%、さらに好ましくは50重量%〜65重量%である。
【0182】
本発明の重縮合体の調製に必要な別の構成成分は、1〜32個の炭素原子、特に2〜12個、またはさらには3〜8個の炭素原子を含有する1〜3個の飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式アルキル基で場合によって置換されている、7〜11個の炭素原子を含有する芳香族モノカルボン酸である。明らかに、このような芳香族モノカルボン酸の混合物を使用することもできる。
【0183】
用語「芳香族モノカルボン酸」は、式R''''COOHの化合物を意味し、ここでR''''は、6〜10個の炭素原子を含む芳香族炭化水素系の基であり、特に安息香酸基およびナフトエ酸基である。前記R''''基は、1〜32個の炭素原子、特に2〜12個、またはさらには3〜8個の炭素原子を含む1〜3個の飽和または不飽和の直鎖、分岐および/または環式アルキル基で置換されていてもよく、特に、メチル、エチル、プロピル、イソプロピル、ブチル、イソブチル、tert-ブチル、ペンチル、イソペンチル、ネオペンチル、シクロペンチル、ヘキシル、シクロヘキシル、ヘプチル、イソヘプチル、オクチルおよびイソオクチルから選択される。使用できる芳香族モノカルボン酸の中でも、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、p-トルイル酸、1-ナフトエ酸、2-ナフトエ酸、4-tert-ブチル安息香酸、1-メチル-2-ナフトエ酸および2-イソプロピル-1-ナフトエ酸を、単独でまたは混合物として挙げることができる。好ましくは、安息香酸、4-tert-ブチル安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸または1-ナフトエ酸を単独でまたは混合物として、さらに好ましくは安息香酸を単独で使用することができる。前記芳香族モノカルボン酸または前記酸の混合物は、最終的な重縮合体の総重量に対して、好ましくは0.1重量%〜10重量%、特に0.5重量%〜9.95重量%、さらに好ましくは1重量%〜9.5重量%、またはさらには1.5重量%〜8重量%である。
【0184】
本発明の重縮合体の調製に必要な別の構成成分は、少なくとも2個のカルボン酸基COOH、特に2〜4個のCOOH基を含む飽和もしくは不飽和の、またはさらには芳香族の直鎖、分岐および/もしくは環式ポリカルボン酸、ならびに/あるいはこのようなポリカルボン酸の環式無水物である。明らかに、このようなポリカルボン酸および/または無水物の混合物を使用することもできる。前記ポリカルボン酸は、特に、2〜50個の炭素原子、特に2〜40個、特に3〜36個の炭素原子、またはさらには3〜18個、さらに好ましくは4〜12個の炭素原子、またはさらには4〜10個の炭素原子を含有する、直鎖、分岐および/もしくは環式の飽和もしくは不飽和の、またはさらには芳香族のポリカルボン酸から選択することができ、前記酸は、少なくとも2つのカルボン酸基COOH、好ましくは2〜4個のCOOH基を含む。
【0185】
好ましくは、前記ポリカルボン酸は、脂肪族であり、2〜36個の炭素原子、特に3〜18個の炭素原子、もしくはさらには4〜12個の炭素原子を含有し、あるいは芳香族であり、8〜12個の炭素原子を含有する。前記ポリカルボン酸は、好ましくは2〜4個のCOOH基を含む。このようなポリカルボン酸環式無水物は、特に次式の1つに相当し得る。
【0187】
式中、A基およびB基は、互いに独立に、
-水素原子、
-1〜16個の炭素原子、特に2〜10個の炭素原子、もしくはさらには4〜8個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和の直鎖、分岐および/もしくは環式脂肪族、あるいは芳香族の炭素系の基、特にメチルもしくはエチルであり、
-あるいはAおよびBは、一緒になって、合計5〜7個、特に6個の炭素原子を含有する飽和もしくは不飽和の、またはさらには芳香族の環を形成する。
【0188】
好ましくは、AおよびBは、水素原子を表し、または一緒になって合計6個の炭素原子を含有する芳香族環を形成する。
【0189】
使用できるポリカルボン酸またはその無水物の中でも、以下のものを単独でまたは混合物として挙げることができる:
-ジカルボン酸、例えばデカン二酸、ドデカン二酸、シクロプロパンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-2,3-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、スベリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、テトラヒドロフタル酸、ヘキサヒドロフタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸および脂肪酸二量体(特にC
36)、例えばUniqemaから名称Pripol 1006、1009、1013および1017で販売されている製品、
-トリカルボン酸、例えばシクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、1,2,3-ベンゼントリカルボン酸または1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、
-テトラカルボン酸、例えばブタンテトラカルボン酸およびピロメリット酸、
-これらの酸の環式無水物、特に無水フタル酸、トリメリット酸無水物、無水マレイン酸および無水コハク酸。
【0190】
好ましくは、アジピン酸、無水フタル酸および/またはイソフタル酸、さらに好ましくはイソフタル酸単独を使用することができる。
【0191】
前記ポリカルボン酸および/またはその環式無水物は、最終的な重縮合体の総重量に対して、好ましくは5重量%〜40重量%、特に10重量%〜30重量%、さらに好ましくは14重量%〜25重量%である。
【0192】
本発明の重縮合体は、ヒドロキシル(OH)および/またはカルボン酸(COOH)官能基を含有するシリコーンを含むこともできる。
【0193】
本発明の重縮合体は、1〜3個のヒドロキシルおよび/またはカルボン酸官能基を含むことができ、好ましくは2つのヒドロキシル官能基または2つのカルボン酸官能基を含む。
【0194】
これらの官能基は、鎖末端または鎖中に位置することができるが、鎖末端が有利である。
【0195】
本発明の好ましい一実施形態では、芳香族モノカルボン酸は、非芳香族モノカルボン酸のモル量以上のモル量で存在し、特に、芳香族モノカルボン酸のモル数と、非芳香族モノカルボン酸のモル数の比は、好ましくは0.08〜0.70、特に0.10〜0.60、特に0.12〜0.40である。
【0196】
好ましくは、本発明の重縮合体は、
-最終的な重縮合体の総重量に対して、好ましくは10重量%〜30重量%、特に12重量%〜25重量%、さらに好ましくは14重量%〜22重量%の量で存在する、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、グリセロール、ペンタエリスリトール、エリスリトール、ジグリセロール、ジトリメチロールプロパン、キシリトール、ソルビトール、マンニトール、ジペンタエリスリトールおよび/またはトリグリセロールから単独でまたは混合物として選択される少なくとも1種のポリオールと、
-最終的な重縮合体の総重量に対して、好ましくは30重量%〜80重量%、特に40重量%〜75重量%、さらに好ましくは45重量%〜70重量%の量で存在する、カプロン酸、カプリル酸、イソヘプタン酸、4-エチルペンタン酸、2-エチルヘキサン酸、4,5-ジメチルヘキサン酸、2-ヘプチルヘキサン酸、3,5,5-トリメチルヘキサン酸、オクタン酸、イソオクタン酸、ノナン酸、デカン酸、イソノナン酸、ラウリン酸、トリデカン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、イソステアリン酸、アラキジン酸、ベヘン酸、セロチン酸(ヘキサコサン酸)、シクロペンタンカルボン酸、シクロペンタン酢酸、3-シクロペンチルプロピオン酸、シクロヘキサンカルボン酸、シクロヘキシル酢酸または4-シクロヘキシル酪酸から単独でまたは混合物として選択される少なくとも1種の非芳香族モノカルボン酸と、
-最終的な重縮合体の総重量に対して、好ましくは0.1重量%〜10重量%、特に1重量%〜9.5重量%、さらに好ましくは1.5重量%〜8重量%の量で存在する、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸、p-トルイル酸、1-ナフトエ酸、2-ナフトエ酸、4-tert-ブチル安息香酸、1-メチル-2-ナフトエ酸および2-イソプロピル-1-ナフトエ酸から単独でまたは混合物として選択される少なくとも1種の芳香族モノカルボン酸と、
-最終的な重縮合体の総重量に対して、好ましくは5重量%〜40重量%、特に10重量%〜30重量%、さらに好ましくは14重量%〜25重量%の量で存在する、デカン二酸、ドデカン二酸、シクロプロパンジカルボン酸、シクロヘキサンジカルボン酸、シクロブタンジカルボン酸、ナフタレン-1,4-ジカルボン酸、ナフタレン-2,3-ジカルボン酸、ナフタレン-2,6-ジカルボン酸、スベリン酸、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、ピメリン酸、セバシン酸、アゼライン酸、グルタル酸、アジピン酸、フマル酸またはマレイン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、トリメリット酸、1,2,3-ベンゼントリカルボン酸、1,3,5-ベンゼントリカルボン酸、ブタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、無水フタル酸、トリメリット酸無水物、無水マレイン酸および無水コハク酸から単独でまたは混合物として選択される少なくとも1種のポリカルボン酸またはその無水物と
を反応させることによって得ることができる。
【0197】
優先的に、本発明の重縮合体は、
-最終的な重縮合体の総重量に対して、10重量%〜30重量%、特に12重量%〜25重量%、さらに好ましくは14重量%〜22重量%の量で存在する、グリセロール、ペンタエリスリトールおよびソルビトール、ならびにそれらの混合物、さらに好ましくはペンタエリスリトール単独から単独でまたは混合物として選択される少なくとも1種のポリオールと、
-最終的な重縮合体の総重量に対して、30重量%〜80重量%、特に40重量%〜75重量%、さらに好ましくは45重量%〜70重量%の量で存在する、2-エチルヘキサン酸、イソオクタン酸、ラウリン酸、パルミチン酸、イソステアリン酸、イソノナン酸、ステアリン酸またはベヘン酸、およびそれらの混合物を単独でまたは混合物として、さらに好ましくはイソステアリン酸単独またはステアリン酸単独から選択される少なくとも1種の非芳香族モノカルボン酸と、
-最終的な重縮合体の総重量に対して、0.1重量%〜10重量%、特に1重量%〜9.5重量%、またはさらには1.5重量%〜8重量%の量で存在する、安息香酸、o-トルイル酸、m-トルイル酸および1-ナフトエ酸から単独でまたは混合物として選択される少なくとも1種の芳香族モノカルボン酸と、
-最終的な重縮合体の総重量に対して、5重量%〜40重量%、特に10重量%〜30重量%、さらに好ましくは14重量%〜25重量%の量で存在する、無水フタル酸およびイソフタル酸から単独でまたは混合物として、さらに好ましくはイソフタル酸の単独から選択される少なくとも1種のポリカルボン酸またはその無水物と、
を反応させることによって得ることができる。
【0198】
本発明の重縮合体は、当業者が通常使用するエステル化/縮重合方法によって調製することができる。
【0199】
例として、一般的な調製方法は、
-ポリオールと芳香族および非芳香族モノカルボン酸を混合し、
-その混合物を、モノカルボン酸が完全に消費されるまで(酸価が1以下である場合に達成される)、不活性雰囲気下でまずは融点(一般に100〜130℃)に加熱し、次に150〜220℃の温度に加熱すると同時に、好ましくは、形成される水を徐々に留去し、次に
-場合によってその混合物を90〜150℃の温度に冷却し、
-ポリカルボン酸および/または環式無水物、および場合によってヒドロキシルまたはカルボン酸官能基を含有するシリコーンを、一度にまたは逐次的に添加し、次に
-酸価、粘度、ヒドロキシル価および溶解度に関して必要な特徴が得られるまで、220℃以下の温度、特に170〜220℃以下の温度に再加熱すると同時に、好ましくは、形成される水を絶えず除去する
ことにある。
【0200】
例えば、スルホン酸タイプ(特に重量濃度1%〜10%)またはチタン酸タイプ(特に重量濃度5〜100ppm)の従来のエステル化触媒を添加することが可能である。
【0201】
反応を、キシレンなどの不活性触媒中かつ/または減圧下で、完全にまたは部分的に実施して、水を容易に除去することも可能である。触媒も溶媒も使用しないのが有利である。
【0202】
前記調製方法は、長時間の加熱に関連して起こり得る分解を制限するために、少なくとも1種の抗酸化剤を、特にモノマーの総重量に対して0.01%〜1%の重量濃度で反応媒体に添加するステップを含むこともできる。
【0203】
抗酸化剤は、一次タイプまたは二次タイプのものであってよく、ヒンダードフェノール、第二級芳香族アミン、有機リン化合物、硫黄化合物、ラクトンおよびアクリルビスフェノール、ならびにそれらの混合物から選択することができる。
【0204】
(6)親油性ポリアミド重縮合体
本発明の目的では、用語「重縮合体」は、縮重合によって、すなわち特に酸、アルコールおよびアミン官能基から選択される異なる官能基を有するるモノマー間の化学反応によって得られるポリマーを意味する。
【0205】
本発明の目的では、用語「ポリマー」は、少なくとも2個の繰り返し単位、好ましくは少なくとも3個の繰り返し単位、さらに好ましくは10個の繰り返し単位を含有する化合物を意味する。
【0206】
親油性ポリアミド重縮合体は、組成物の総重量に対して、好ましくは0.1重量%〜15重量%、より優先的には1重量%〜8重量%の濃度で本発明の組成物中に存在する。
【0207】
親油性ポリアミド重縮合体は、特に、a)ペンダント状態でない少なくとも1つのアミド単位を有する炭化水素系の繰り返し単位を含有するポリマー骨格と、場合によってb)少なくとも4つの炭素原子を含み、これらの炭化水素系の単位に結合している、場合によって官能化されている少なくとも1つのペンダント状態の脂肪鎖および/または少なくとも1つの末端脂肪鎖とを含むポリアミドポリマーから選択することができる。
【0208】
本発明の目的では、用語「官能化された鎖」は、特にアミド、ヒドロキシル、エーテル、オキシアルキレンまたはポリオキシアルキレン、フルオロまたはペルフルオロ基を含むハロゲン、ならびにエステル、シロキサンおよびポリシロキサン基から選択される1つまたは複数の官能基または試薬を含むアルキル鎖を意味する。さらに、1つまたは複数の脂肪鎖の水素原子は、フッ素原子で少なくとも部分的に置き換えられていてもよい。
【0209】
本発明の目的では、用語「炭化水素系の繰り返し単位」は、水素原子および場合によって酸素原子を有する、2〜80個の炭素原子、好ましくは2〜60個の炭素原子を含む、直鎖、分岐または環式の飽和または不飽和であってよい単位を意味する。これらの単位は、それぞれポリマー骨格内にある、有利にはペンダント状態でない少なくとも1つのアミド基も含む。
【0210】
ペンダント状態の鎖は、有利には、ポリマー骨格の窒素原子の少なくとも1つに直接結合している。
【0211】
親油性ポリアミド重縮合体は、炭化水素系単位の間に、シリコーン単位またはオキシアルキレン単位を含むことができる。
【0212】
さらに、本発明の組成物の親油性ポリアミド重縮合体は、有利には、アミド単位および脂肪鎖の総数に対して40%〜98%、さらに好ましくは50%〜95%の脂肪鎖を含む。
【0213】
ペンダント状態の脂肪鎖は、好ましくは、ポリマーのアミド単位の窒素原子の少なくとも1つに結合している。特に、このポリアミドの脂肪鎖は、アミド単位および脂肪鎖の総数の40%〜98%、さらに好ましくは50%〜95%である。
【0214】
有利には、親油性ポリアミド重縮合体は、重量平均分子量が、100 000未満(特に1000〜100 000)、特に50 000未満(特に1000〜50 000)、より具体的には1000〜30 000、好ましくは2000〜20 000、さらに好ましくは2000〜10 000である。
【0215】
親油性ポリアミド重縮合体は、特に25℃で水に不溶性である。特に、親油性ポリアミド重縮合体は、イオン性基を含有しない。
【0216】
本発明で使用できる好ましい親油性ポリアミド重縮合体として、6〜120個の炭素原子、さらに好ましくは8〜120個、特に12〜68個の炭素原子を含有するペンダント状態の脂肪鎖および/または末端の脂肪鎖で分岐しているポリアミドを挙げることができ、ここで各末端脂肪鎖は、少なくとも1つの結合基Lを介してポリアミド骨格に結合している。結合基Lは、エステル、エーテル、アミン、尿素、ウレタン、チオエステル、チオエーテル、チオ尿素およびチオウレタン基から選択することができる。好ましくは、これらのポリマーは、ポリアミド骨格の各末端に脂肪鎖を含む。
【0217】
これらのポリマーは、好ましくは、少なくとも32個の炭素原子を含有する(特に32〜44個の炭素原子を含有する)ジカルボン酸と、少なくとも2個の炭素原子(特に2〜36個の炭素原子)を含有するジアミンおよび少なくとも2個の炭素原子(特に2〜36個の炭素原子)を含有するトリアミンから選択されるアミンとの縮重合から得られるポリマーである。二酸は、好ましくは、少なくとも16個の炭素原子、好ましくは16〜24個の炭素原子を含有するエチレン性不飽和を含有する脂肪酸、例えばオレイン酸、リノール酸またはリノレン酸の二量体である。ジアミンは、好ましくはエチレンジアミン、へキシレンジアミンまたはヘキサメチレンジアミンである。トリアミンは、例えばエチレントリアミンである。1つまたは2つの末端カルボン酸基を含むポリマーでは、これらのポリマーを、少なくとも4個の炭素原子、好ましくは10〜36個の炭素原子、さらに好ましくは12〜24個、さらに好ましくは16〜24個、例えば18個の炭素原子を含有するモノアルコールでエステル化することが有利である。
【0218】
本発明の組成物の親油性ポリアミド重縮合体は、特に次式(V)のポリマーから選択することができる。
【0220】
式中、
nは、1〜30の整数であり、
R'
13は、各場合に独立に、脂肪鎖を表し、少なくとも1つの炭素原子、特に4〜24個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル基から選択され、
R'
14は、各場合に独立に、1〜52個の炭素原子を含む炭化水素系の基を表し、
R'
15は、各場合に独立に、炭素、水素および窒素原子から選択される少なくとも1つの原子を含む有機基を表し、ただしR'
15は、少なくとも3つの炭素原子を含み、
R'
16は、各場合に独立に、水素原子、1〜10個の炭素原子を含むアルキル基、またはR'
15および別のR'
16から選択される少なくとも1つの基との直接結合を表し、したがって前記基が別のR'
16である場合、R'
15およびR'
16の両方が結合している窒素原子は、R'
16-N-R'
15によって定義される複素環式構造の一部を形成し、ただしR'
4の少なくとも50%は水素原子を表し、
Lは、好ましくは、先に定義の少なくとも1つのR'
1基で場合によって置換されているエステル、エーテル、アミン、尿素、ウレタン、チオエステル、チオエーテル、チオ尿素およびチオウレタンから選択される結合基を表す。
【0221】
一実施形態によれば、これらのポリマーは、結合基Lがエステル基
【0223】
を表す式(V)のポリマーから選択される。
【0224】
これらのポリマーは、より具体的には、Union Camp社の特許文書US-A-5,783,657に記載されているものである。
【0225】
これらのポリマーのそれぞれは、特に次式(B)を満たす。
【0227】
式中、
-mは、エステル基の数が、エステル基およびアミド基の総数の10%〜50%になるようなアミド単位の整数を示し、
-R
13は、各場合に独立に、少なくとも4個の炭素原子、特に4〜24個の炭素原子を含有するアルキルまたはアルケニル基であり、
-R
14は、各場合に独立に、C
4〜C
42炭化水素系の基を表し、ただしR
14基の50%は、C
30〜C
42炭化水素系の基を表し、
-R
15は、各場合に独立に、少なくとも2つの炭素原子、水素原子、および場合によって1つまたは複数の酸素原子または窒素原子を有する有機基を表し、
-R
16は、各場合に独立に、水素原子、C
1〜C
10アルキル基、またはR
15もしくは別のR
16との直接結合を表し、したがってR
3およびR
4の両方が結合している窒素原子は、R
16-N-R
15によって定義される複素環式構造の一部を形成し、R
4基の少なくとも50%は水素原子を表す。
【0228】
式(VI)の特定の場合、本発明の目的で場合によって官能化されている末端脂肪鎖は、ポリアミド骨格の最後の窒素原子に連結している末端鎖である。
【0229】
特に、本発明の意味に含まれる末端および/またはペンダント状態の脂肪鎖の一部を形成する式(VI)のエステル基は、エステル基およびアミド基の総数の15%〜40%、さらに好ましくは20%〜35%である。
【0230】
さらに、mは、有利には1〜5の整数、さらに好ましくは2を超える整数を表す。
【0231】
好ましくは、R
13は、C
12〜C
22、好ましくはC
16〜C
22アルキル基である。有利には、R
14は、C
10〜C
42炭化水素系(アルキレン)基であってよい。好ましくは、少なくとも50%、さらに好ましくは少なくとも75%のR
2基は、30〜42個の炭素原子を含有する基である。他のR
2基は、C
4〜C
19、さらにはC
4〜C
12水素化基である。
【0232】
好ましくは、R
15は、C
2〜C
36炭化水素系の基またはポリオキシアルキレン基を表し、R
16は水素原子を表す。好ましくは、R
15は、C
2〜C
12炭化水素系の基を表す。
【0233】
炭化水素系の基は、直鎖、環式または分岐状の飽和または不飽和基であってよい。さらに、アルキルおよびアルキレン基は、直鎖または分岐、飽和または不飽和基であってよい。
【0234】
一般に、式(VI)のポリマーは、ポリマー混合物の形態であり、これらの混合物は、nが0である式(VI)の化合物、すなわちジエステルに相当する合成生成物を含有することも可能である。
【0235】
本発明の特に好ましい一形態によれば、エチレンジアミン上に縮合したC
36二酸のコポリマーの混合物が使用され、末端エステル基は、セチルアルコール、ステアリルアルコールまたはそれらの混合物(セチルステアリルアルコールとしても公知)で残りの酸末端基をエステル化することによって得られる(INCI名エチレンジアミン/二量体ジリノール酸ステアリルコポリマー)。その重量平均分子量は、好ましくは6000である。これらの混合物は、特にArizona Chemical社から商標Uniclear 80およびUniclear 100 VGで販売されており、それぞれ鉱油中(活性材料の)80%、および(活性材料の)100%のゲル形態で販売されている。これらの軟化点は88℃〜94℃である。
【0236】
一般式(VI)に相当するポリアミド重縮合体として、少なくとも1つの第三級アミド結合基を介してポリマー骨格に結合している少なくとも1つの末端脂肪鎖を含むポリマー(アミド末端ポリアミドまたはATPAとしても公知)を挙げることもできる。これらのポリマーに関するさらなる情報については、US 6 503 522を参照することができる。
【0237】
本発明の特に好ましい一形態によれば、より具体的には、水素化リノール二酸、エチレンジアミンおよびジ(C14〜C18)アルキルアミンのコポリマー(INCI名エチレンジアミド/水素化二量体ジリノール酸コポリマービス-ジ-C14〜C18アルキルアミド)が使用される。このコポリマーは、特にArizona Chemical社から商標Sylvaclear A200Vで販売されている。
【0238】
別の実施形態によれば、式(A)のポリアミドは、エステル末端ポリ(エステル-アミド)(ETPEA)、例えばその調製がUS 6 552 160に記載されているものであってもよい。
【0239】
本発明の特に好ましい一形態によれば、より具体的には、水素化リノール二酸、エチレンジアミンおよびネオペンチルグリコール、ならびにステアリルアルコールのコポリマー(INCI名ビス-ステアリルエチレンジアミン/ネオペンチルグリコール/水素化二量体ジリノール酸ステアリルコポリマー)が使用される。このコポリマーは、特にArizona Chemical社から商標Sylvaclear C75Vで販売されている。
【0240】
本発明で使用できるポリアミド重縮合体として、少なくとも1つのエーテルまたはポリエーテル結合基を介してポリマー骨格に結合している少なくとも1つの末端脂肪鎖を含むもの(この場合、エーテル末端ポリ(エーテル)アミドと呼ばれる)を挙げることもできる。このようなポリマーは、例えばUS 6 399 713に記載されている。
【0241】
本発明のポリアミドは、有利には、65℃を超え、最大190℃になることもある軟化点を有する。本発明のポリアミドは、好ましくは、軟化点が70℃〜130℃、さらに好ましくは80℃〜105℃である。ポリアミドは、特に非ワックス状ポリマーである。
【0242】
本発明で使用できるポリアミド重縮合体として、脂肪族ジカルボン酸とジアミン(2個を超えるカルボニル基および2個を超えるアミン基を含有する化合物を含む)の縮合によって得られるポリアミド樹脂を挙げることもでき、ここで隣接する個々の単位のカルボニル基およびアミン基は、アミド結合を介して縮合している。これらのポリアミド樹脂は、特にGeneral Mills, Inc.およびHenkel Corp.社からブランド名Versamid(登録商標)(Versamid 930、744または1655)、またはOlin Mathieson Chemical Corp.社からブランド名Onamid(登録商標)、特にOnamid SもしくはCで販売されている製品である。これらの樹脂は、重量平均分子量が6000〜9000である。これらのポリアミドに関するさらなる情報については、US 3 645 705およびUS 3 148 125を参照することができる。さらに特定すると、Versamid(登録商標)930または744が使用される。
【0243】
Arizona Chemical社から参照名Uni-Rez(2658、2931、2970、2621、2613、2624、2665、1554、2623および2662)で販売されているポリアミド、およびHenkel社から参照名Macromelt 6212で販売されている製品を使用することも可能である。これらのポリアミドに関するさらなる情報については、US 5 500 209を参照することができる。
【0244】
植物系のポリアミド樹脂、例えば特許文書US 5 783 657およびUS 5 998 570に記載のものを使用することも可能である。
【0245】
(7)親油性ポリ尿素またはポリウレタンポリマー
脂肪相レオロジー剤(rheological agent)として、炭化水素系油に可溶性または分散性であり、かつ
-鎖中に、少なくとも2つのウレタン基、少なくとも2つの尿素基、または少なくとも1つのウレタン基、および1つの尿素基、
-少なくとも1つの炭化水素系の長鎖の、好ましくは分岐状の脂肪族ポリエステルまたは炭化水素系ブロックまたはグラフト
を含むポリウレタンおよびポリ尿素を挙げることもできる。
【0246】
表現「炭化水素系の長鎖」は、少なくとも8個の炭素原子、好ましくは10〜500個の炭素原子を含有する直鎖または分岐の炭化水素系の鎖を意味する。
【0247】
本発明で好ましいポリマーは、以下の3つの式(VII)、(VIII)および(IX)の1つによって定義される。
【0249】
式中、
nは、1〜10,000、好ましくは1〜1000の整数を示し、
Xは、別個にまたは組み合わさって、-O-または-NH-を表し、
Rは、場合によって官能化されているアルキレン、シクロアルキレンおよび芳香族基、ならびにそれらの混合物から選択される二価の基であり、
A
1およびA
2は、同じでも異なっていてもよく、飽和しているか、または不飽和を含有することもある、1〜80個の炭素原子を含有する、直鎖、分岐または環式の一価の炭化水素系基を示し、
Dは、
1)飽和もしくは不飽和の脂肪族および/もしくは脂環式炭化水素系の二価のブロック、ならびに/または炭化水素系の長鎖脂肪族ポリエステル、
2)グラフト
【0251】
(式中、Zは、1つまたは複数のヘテロ原子を含有することができる炭化水素系の三価の基であり、φは、直鎖、分岐または環式脂肪族鎖である)、
3)ブロック1)およびグラフト2)の混合物である。
【0252】
一価の炭化水素系の基A
1およびA
2は、好ましくは、飽和または不飽和の脂肪族、脂環式および芳香族基から選択される。A
1およびA
2基は、モノアルコールおよび/またはモノアミンを場合によって使用して、重合末端部に残るイソシアナート基を消費することによって得られる。
【0253】
Dは、飽和または不飽和の脂肪族および/または脂環式炭化水素系のブロックである場合、
-天然または合成油から、
-「二量体の」脂肪酸に由来する脂肪族基などの少なくとも2つの不飽和脂肪族鎖の付加生成物(二量体、三量体またはポリマー)、例えばオレイン酸鎖間の付加生成物から、あるいは
-ポリブタジエン、水素化ポリイソプレン、またはポリオレフィンもしくはコポリオレフィンなどの、好ましくは水素化されているポリエンから
得られる。
【0254】
Dは、炭化水素系の長鎖脂肪族ポリエステルブロックである場合、好ましくは、例えばポリ(12-ヒドロキシステアラート)などの炭化水素系の長鎖分岐ポリエステルから得られる。
【0255】
Dがグラフトである場合、φは、8〜40個の炭素原子を含む飽和または不飽和の直鎖、分岐または環式脂肪族鎖である。三価の基Zにおける任意選択のヘテロ原子は、好ましくは-O-、-N-および-S-である。
【0256】
本発明の構造化ポリウレタンおよび/またはポリ尿素は、
1)一般式O=C=N-R-N=C=O(Rは、先に定義の通りである)の少なくとも1つの脂肪族、脂環式および/または芳香族ジイソシアナートと、
2)イソシアナート基とそれぞれ反応することができる2つの活性水素を有する、少なくとも1つの二官能性誘導体HX-D-XH(式中、Xは、-O-または-NH-を示し、Dは、先に定義の通りである)と、
3)場合によって、イソシアナート基と反応して、二官能性試薬H-X-D-X-Hと完全には反応していない残りのイソシアナート基を消費することができる活性水素を1つだけ有する、単官能性誘導体A
1-XH、または2つの単官能性誘導体A
1-XHおよびA
2-XH(ここで、単官能性誘導体A
1-XHおよびA
2-XHは、同じまたは異なる可能性があり、A
1およびA
2は先に定義の通りである)と
の重合反応から得られる。
【0257】
重合反応で使用されるイソシアナートは、脂肪族、脂環式または芳香族であってよい。有利には、ヘキサメチレンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、トルエンジイソシアナートまたは4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートが使用される。
【0258】
二官能性誘導体H-X-D-X-Hは、ジオール二量体およびその誘導体、アルカンジオール、ヒドロキシル末端を有する、好ましくは水素化されているポリジエン、ヒドロキシル末端を有するポリオレフィン、少なくとも2つの反応基を有する長鎖アルキルの分岐ポリエステル、2つまたは3つのヒドロキシル基を有する天然または合成油、ならびに最後に脂肪族長鎖ジアミンおよびジアミン二量体から選択することができる。
【0259】
ジオール二量体は、分岐C
36脂肪族および/もしくは脂環式ジオール、ならびに/または前記二量体の混合物である。これらのジオールは、「対応する二量体脂肪酸」から調製される。
【0260】
表現「対応する二量体脂肪酸」は、これらのジオールと同じ構造を有するが、ジオール末端の代わりに2つのカルボン酸末端を有する二量体脂肪酸を意味する。二量体脂肪酸からジオール二量体への変換は、二量体脂肪酸のメチルエステルを水素化することによって、またはオレイルアルコールを直接二量体化することによって実施され得る。特に、Cognis社から商標Sovermol 908(純度97%)およびSovermol 650 NS(純度68%)で販売されているジオール二量体が挙げられる。
【0261】
後にこれらと同じ分岐C
36ジオール二量体をエーテル化またはエステル化することによって調製される、ポリエーテルジオールオリゴマーおよびポリカーボネートジオールオリゴマーを使用することも可能である。これらのオリゴマーは、一般に500〜2000程度の数平均分子量を有し、2つのヒドロキシル官能基を含有する。
【0262】
ヒドロキシル末端基を有するポリジエンは、例えばフランス特許FR-2 782 723に定義されているものである。これらのポリジエンは、ポリブタジエン、ポリイソプレンおよびポリ(1,3-ペンタジエン)のホモポリマーおよびコポリマーを含む群から選択される。これらのオリゴマーは、数平均分子量が7000未満、好ましくは1000〜5000である。これらのオリゴマーは、鎖末端の官能度が1.8〜3、好ましくは2程度である。ヒドロキシル末端基を有するこれらのポリジエンは、例えば、Elf Atochem社からブランド名Poly BD-45H(登録商標)およびPoly BD R-20 LM(登録商標)で販売されているヒドロキシル化ポリブタジエンである。これらの製品は、好ましくは水素化して使用される。
【0263】
α,ω-ヒドロキシル末端を有するポリオレフィンのホモポリマーまたはコポリマー、例えば
-α,ω-ヒドロキシル末端を有するポリイソブチレンオリゴマー、または
-三菱社からブランド名Polytail(登録商標)で販売されているコポリマー、特に融点60〜70℃を有する次式(X)のものを使用することも可能である。
【0265】
二官能性誘導体H-X-D-X-Hとして、例えばヒドロキシル末端を含有するポリ(12-ヒドロキシステアラート)などの、少なくとも2つの反応基を含む長鎖アルキルの分岐ポリエステルを使用することが可能である。このポリエステルは、1,2-ヒドロキシステアリン酸を自己縮合させ、その後ポリオールと反応させて残りの酸基を消費することによって得られる。このオリゴマーは次式(XI)を有する。
【0267】
式中、合計m+nは、オリゴマーが2000程度の数平均分子量および1.8程度のヒドロキシル官能度を有するような数である。
【0268】
二官能性誘導体H-X-D-X-Hとして、2つまたは3つのヒドロキシル基を有する天然または合成油を使用することもできる。
【0269】
本発明の特定の一実施形態では、使用される油は、鎖1個当たり2つのヒドロキシル基を有するもの、好ましくは以下の構造のモノグリセリドである。
【0271】
R
1は、例えばモノステアリン酸グリセリルなどの直鎖または分岐C
8〜C
30アルキル鎖である。
【0272】
このようなグリセリルモノエステルは、例えば、二官能性誘導体H-X-D-X-Hに相当する(式中、
-Dは、
【0278】
を表し、R
1は先に定義の通りである。
【0279】
これらのグリセロールのモノエステルがジイソシアナートと反応する場合、可溶化性グラフトは、前述の二官能性誘導体の場合と同じく、ブロックではなくポリマー鎖に導入される。
【0280】
一変形形態では、例えば水素化または非水素化ヒマシ油などの、鎖1個当たり3つのヒドロキシル基を有する油から選択される二官能性誘導体H-X-D-X-Hが使用される。
【0281】
この場合、重合反応は、ポリマーの架橋を回避し、その良好な可溶性を保存するために、反応の化学量論量に対してジイソシアナートが欠損した状態で実施される。
【0282】
長鎖脂肪族ジオールを使用することもできる。有利には、構造HO-D-OHのジオール(式中、Dは、8〜40個の炭素原子を含有する直鎖または分岐アルキル鎖である)が使用される。これらのジオールは、Atochem社から名称Vikinol(登録商標)で販売されている。1,12-ドデカンジオールおよび1,10-デカンジオールも挙げられ、後者は、Cognis社から商標Sovermol 110(登録商標)で販売されている。
【0283】
次の構造のジオールを使用することも可能である。
【0285】
式中、R
2は、8〜40個の炭素原子を含有するアルキル鎖である。
【0286】
これらの長鎖脂肪族ジオールは、好ましくは、前述のH-X-D-X-H誘導体の任意の1つと共に使用されると、ポリウレタンおよび/またはポリ尿素の合成中に鎖のカプラーとして働く。
【0287】
最後に、長鎖脂肪族ジアミンまたはジアミン二量体は、二官能性誘導体H-X-D-X-Hとして使用することができる。
【0288】
このような試薬を重合反応で使用すると、ポリマーに、ウレタン基ではなく尿素基を導入することが可能である。
【0289】
本発明の特定の一実施形態によれば、前述のジオール二量体と同じ構造を有するジアミン二量体、すなわちヒドロキシル基の代わりに2つの第一級アミン官能基を含むジアミン二量体が使用される。
【0290】
これらのジアミン二量体は、ジオール二量体のように二量体脂肪酸の変換によって得ることができる。
【0291】
一変形形態では、構造H
2N-D-NH
2のジアミン(Dは、8〜40個の炭素原子を含有する直鎖または分岐アルキル鎖である)を使用することができる。これらのジアミンは、好ましくは、前述のジオール二量体およびその誘導体、ヒドロキシル末端を有するポリジエンおよびポリオレフィン、長鎖アルキルの分岐ポリエステル、ならびに2つまたは3つのヒドロキシル基を有する油から選択される二官能性誘導体H-X-D-X-Hとの混合物として使用される。
【0292】
これらのジアミンの中でも、以下を挙げることができる:
-1,10-ジアミノデカンおよび1,12-ジアミノドデカン、ならびに
-Akzo Nobel社から販売されている以下のジアミン油:ココプロピレンジアミン(蒸留または未蒸留)であるDuomeen(登録商標)CまたはCD、水素化獣脂プロピレンジアミンであるDuomeen(登録商標)HT、C
16〜22アルキルプロピレンジアミンであるDuomeen(登録商標)M、オレイルプロピレンジアミンであるDuomeen(登録商標)O、獣脂プロピレンジアミンであるDuomeen(登録商標)T。
【0293】
単官能性誘導体A
1-XHおよびA
2-XHに関して、有利には、1〜80個の炭素原子を含有する直鎖または分岐アルキル鎖を有するモノアルコールおよびモノアミン、鎖1個当たり単一のヒドロキシル基を有する天然または合成油、例えばグリセロールのジエステルまたは脂肪アルコールのクエン酸トリエステルなどから選択される。
【0294】
予想される縮重合反応は、従来、試薬および形成されるポリマーを溶解することができる有機溶媒中で実施される。この溶媒は、好ましくは反応の最後に、特に蒸留によって容易に除去可能であり、イソシアナート基とは反応しない。
【0295】
一般に、試薬のそれぞれを、重合反応の前に有機溶媒のいくらかに溶解させる。
【0296】
時に、重合を活性化するための触媒を使用することが望ましい。この触媒は一般に、ポリウレタンおよびポリ尿素の化学反応で一般に使用される、例えば2-エチルヘキサン酸スズなどの触媒から選択される。
【0297】
重合反応の主な複数試薬のモル比は、従来のポリウレタンおよびポリ尿素の化学反応の場合と同じように、得られることが望ましいポリマー(ポリウレタンおよび/またはポリ尿素)の化学構造および分子量に応じて決まる。同様に、試薬の導入順は、この化学反応に適合される。
【0298】
したがって、2モルの官能性誘導体H-X-D-X-Hと1モルのジイソシアナートの反応によって、試薬が完全に消費された後、式(XII)によって定義されるポリマーが得られる。
【0300】
この反応では、その方法は、有利には以下のように実施される。
-最初の媒体は、溶媒、例えばテトラヒドロフラン中に2モルの誘導体H-X-D-X-H、例えば2つモルのジオール二量体を含む溶液である。
-この最初の溶液に、同じ溶媒に溶解した1モルのジイソシアナートを含む溶液、例えばテトラヒドロフランに溶解したトルエンジイソシアナートなどを滴下添加する。
【0301】
さらに、等モルの二官能性誘導体H-X-D-X-Hとジイソシアナートの反応によって、単官能性化合物A1-XHにより残りのイソシアナートが消費され、式(XIII)によって定義されるポリマーが得られる。
【0303】
次にこの反応は、好ましくは、1モルのH-X-D-X-H、例えば前述のPolytail(登録商標)の有機溶液、および1モルのジイソシアナート、例えば4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートの有機溶液を反応器に同時に添加することによって実施される。これらの2種の有機溶液の同時添加は、「二重添加」としても公知である。二重添加の最後に、反応混合物を60℃で5時間加熱する。次に、反応媒体の試料を取り出して、当業者に公知の方法を使用して、残りのイソシアナートをアッセイする。最後に、選択された単官能性化合物A1-X-Hの溶液を、残りのイソシアナートを消費するのに十分な量で反応媒体に添加する。この量は、残りのイソシアナートのアッセイから推定される。単官能性誘導体A1-X-Hとして、有利には1-デカノールが使用される。
【0304】
最後に、
-1モルの、例えばジオール二量体などの化合物H-X-D-X-Hと、
-3モルの、例えば4,4'-ジシクロヘキシルメタンジイソシアナートなどのジイソシアナートと、
-2モルの以下の構造のカプラー
【0306】
(式中、φは、8〜20個の炭素原子を含む直鎖、分岐または環式脂肪族鎖である)との反応によって、ブロックおよびグラフト化形態の両方の、以下の構造のポリマーが形成される。
【0308】
任意の残りのイソシアナートは、適量の単官能性試薬A1-X-Hを添加することによって消費することができる。
【0309】
このようなポリマーを得るために、その方法は、以下のように実施される。
-最初の反応媒体は、1モルの二官能性誘導体H-X-D-X-Hを含む溶液からなる。
-この媒体に、3モルのジイソシアナートの溶液を滴下添加する。
-次に、この混合物を60℃で3時間かけて反応させる。
-次に、次式によって定義される2モルのカプラーを含む有機溶液を添加する。
【0311】
任意の残りのイソシアナートは、適量の単官能性試薬A1-X-Hを添加することによって消費することができる。
【0312】
(8)ブロックポリマー
脂肪相レオロジー剤として、グラフト化ブロックまたはブロックポリマーを使用することも可能である。
【0313】
列挙できるグラフト化ブロックまたはブロックコポリマーには、場合によってコンジュゲートした1つまたは複数のエチレン結合、例えばエチレンまたはジエン、例えばブタジエンおよびイソプレンを含有する少なくとも1つのエチレン性モノマーと、ビニルポリマー、さらに好ましくはスチレンポリマーの少なくとも1つのブロックとの重合から得られる少なくとも1つのブロックを含むものが含まれる。エチレン性モノマーがいくつかの場合によってコンジュゲートしたエチレン結合を含む場合、重合後に残るエチレン性不飽和は、一般に水素化される。したがって公知のように、イソプレンの重合によって、水素化後にエチレン-プロピレンブロックが形成され、ブタジエンの重合によって、水素化後にエチレン-ブチレンブロックが形成される。列挙できるこれらのポリマーの中には、ブロックコポリマー、特に「ジブロック」または「トリブロック」タイプのブロックコポリマー、例えばポリスチレン/ポリイソプレン(SI)、ポリスチレン/ポリブタジエン(SB)、例えばBASFから名称Luvitol HSBで販売されているもの、ポリスチレン/コポリ(エチレン-プロピレン)(SEP)などのタイプのコポリマー、例えばShell Chemical Co.から名称「Kraton」で販売されているもの、またはポリスチレン/コポリ-(エチレン-ブチレン)(SEB)などのタイプのコポリマーが含まれる。特にKraton G1650(SEBS)、Kraton G1651(SEBS)、Kraton G1652(SEBS)、Kraton G1657X(SEBS)、Kraton G1701X(SEP)、Kraton G1702X(SEP)、Kraton G1726X(SEB)、Kraton D-1101(SBS)、Kraton D-1102(SBS)およびKraton D-1107(SIS)を使用することができる。ポリマーは、一般に水素化または非水素化ジエンコポリマーとして公知である。
【0314】
Gelled Permethyl 99A-750、99A-753-59および99A-753-58(トリブロックと星型ポリマーの混合物)、PenrecoのVersagel 5960(トリブロック+星型ポリマー)、LubrizolのOS129880、OS129881およびOS84383(スチレン/(メタ)アクリレートコポリマー)を使用することもできる。
【0315】
1つまたは複数のエチレン結合を含有する少なくとも1つのエチレン性モノマーと、アクリルポリマーの少なくとも1つのブロックとの重合から得られる少なくとも1つのブロックを含むグラフト化ブロックまたはブロックコポリマーとして、ポリ(メチルメタクリレート)骨格およびポリイソブチレングラフトを含有するポリ(メチルメタクリレート)/ポリイソブチレンのジブロックまたはトリブロックコポリマーまたはグラフト化コポリマーを挙げることができる。
【0316】
1つまたは複数のエチレン結合を含有する少なくとも1つのエチレン性モノマーと、C
2〜C
18ポリアルキレン(特にポリオキシエチレンおよび/またはポリオキシプロピレン)などのポリマーの少なくとも1つのブロックとの重合から得られる少なくとも1つのブロックを含むグラフト化ブロックまたはブロックコポリマーとして、ポリオキシエチレン/ポリブタジエンまたはポリオキシエチレン/ポリイソブチレンのジブロックまたはトリブロックコポリマーを挙げることができる。
【0317】
(9)コレステロール系液晶剤
用語「液晶剤」は、中間状態、すなわち結晶が融解することにより、特定の結晶の光学特性に匹敵する光学特性を有する液体が得られる状態を生じる化合物を意味する。これらの化合物は、より具体的には、Ullmann's encyclopaediaのLiquid Crystalsの章に定義されている。
【0318】
これらの液晶剤は、特に特許文書または特許出願文書EP 545 409、WO 94/109 086、EP 709 445、GB 2 282 145、GB 2 276 883、WO 95/132247、WO 95/132248、EP 686 674およびEP 711 780に記載されている。
【0319】
これらの液晶剤は、粘度の変化および/または色の変化による振動に応答して反応することができる。より具体的には、中間状態を生じる化合物は、コレステロール系官能基を含有する化合物であり、その構造は以下の通りである。
【0321】
Rは、環式芳香族基、ハロゲンで場合によって置換されている、1〜30個の炭素原子を含有する分岐または非分岐のアルキルまたはアルキルカルボニル基である。
【0322】
非限定的には、この定義に対応する列挙できる液晶剤には、炭酸エルシルコレステリル、炭酸メチルコレステリル、炭酸オレイルコレステリル、炭酸パラ-ノニルフェニルコレステリル、炭酸フェニルコレステリル、酢酸コレステリル、安息香酸コレステリル、酪酸コレステリル、イソ酪酸コレステリル、塩化コレステリル、クロロ酢酸コレステリル、ケイ皮酸コレステリル、クロトン酸コレステリル、デカン酸コレステリル、エルカ酸コレステリル、ヘプタン酸コレステリル、ヘキサン酸コレステリル、ミリスチン酸コレステリル、ノナン酸コレステリル、オクタン酸コレステリル、オレイン酸コレステリル、プロピオン酸コレステリル、吉草酸コレステリルおよび炭酸ジコレステリルが含まれる。
【0323】
既に列挙した油相増粘化またはゲル化レオロジー剤の中でも、より具体的には以下が使用される:
-半結晶性ポリマー、特に飽和C
14〜C
22アルキル(メタ)アクリレート、より具体的にはポリ(ステアリルアクリレート)またはポリ(ベヘニルアクリレート)から選択される、結晶化可能な鎖を有するモノマーに由来する半結晶性ポリマー、
-親油性ポリアミド重縮合体
-それらの混合物。
【0324】
これらの増粘剤の中でも、さらにより優先的には半結晶性ポリマー、特に飽和C
14〜C
22アルキル(メタ)アクリレート、より具体的にはポリ(ステアリルアクリレート)またはポリ(ベヘニルアクリレート)から選択される、結晶化可能な鎖を有するモノマーに由来する半結晶性ポリマーが使用される。
【0325】
特に、INCI名「ポリC10〜30アルキルアクリレート」を有する半結晶性ポリマー、例えば、Air Products社のIntelimer(登録商標)製品、例えば、ポリステアリルアクリレートである製品Intelimer(登録商標)IPA 13-1、またはベヘニルポリマーである製品Intelimer(登録商標)IPA 13-6が、より使用される。
【0326】
光防護系
本発明によれば、光防護系は、1種もしくは複数種の親油性もしくは不溶性の有機UV遮断剤、および/または1種もしくは複数種の無機UV遮断剤からなり得る。光防護系は、優先的には少なくとも1種の親油性の有機UV遮断剤からなる。
【0327】
用語「親油性の有機UV遮断剤」は、液体水相に分子状態で完全に溶解することができ、または液体脂肪相にコロイド形態(例えばミセル形態)で溶解することができる任意の有機UV遮断剤を意味する。
【0328】
用語「不溶性の有機UV遮断剤」は、液体脂肪相に粒子の形態で存在し得る、任意の有機UV遮断剤を意味する。
【0329】
親油性または不溶性の有機UV遮断剤は、特に、ケイ皮酸誘導体;アントラニラート;サリチル酸誘導体;ジベンゾイルメタン誘導体;ショウノウ誘導体;ベンゾフェノン誘導体;β,β-ジフェニルアクリレート誘導体;トリアジン誘導体;ベンゾトリアゾール誘導体;ベンザルマロナート誘導体、特に特許US 5 624 663に列挙されているもの;イミダゾリン;p-アミノ安息香酸(PABA)誘導体;特許出願US 5 237 071、US 5 166 355、GB 2 303 549、DE 197 26 184およびEP 893 119に記載のメチレンビス(ヒドロキシフェニルベンゾトリアゾール)誘導体;特許出願EP 0 832 642、EP 1 027 883、EP 1 300 137およびDE 101 62 844に記載のベンゾオキサゾール誘導体;遮断用ポリマーおよび遮断用シリコーン、例えば特に特許出願WO 93/04665に記載のもの;α-アルキルスチレン系二量体、例えば特許出願DE 198 55 649に記載のもの;4,4-ジアリールブタジエン、例えば特許出願EP 0 967 200、DE 197 46 654、DE 197 55 649、EP-A-1 008 586、EP 1 133 980およびEP 133 981に記載のもの;メロシアニン誘導体、例えば特許出願WO 04/006 878、WO 05/058 269およびWO 06/032 741に記載のもの;ならびにそれらの混合物から選択される。
【0330】
追加の有機光防護剤の例として、本明細書において以下にそれらのINCI名で示すものを挙げることができる。
【0331】
親油性または不溶性の有機UV遮断剤の例として、以下にそれらのINCI名で示すものを挙げることができる。
【0332】
ジベンゾイルメタン誘導体:
DSM Nutritional Products社から商標Parsol 1789で販売されているブチルメトキシジベンゾイルメタンまたはアボベンゾン。
【0333】
パラ-アミノ安息香酸誘導体:
PABA、
エチルPABA、
エチルジヒドロキシプロピルPABA、
特にISPから名称Escalol 507で販売されているエチルヘキシルジメチルPABA。
【0334】
サリチル酸誘導体:
Rona/EM Industriesから名称Eusolex HMSで販売されているホモサラート、
Symriseから名称Neo Heliopan OSで販売されているサリチル酸エチルヘキシル。
【0335】
ケイ皮酸誘導体:
特にDSM Nutritional Productsから商標Parsol MCXで販売されているメトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
メトキシケイ皮酸イソプロピル、
Symriseから商標Neo Heliopan E 1000で販売されているメトキシケイ皮酸イソアミル、
シノキサート、
メチルケイ皮酸ジイソプロピル。
【0336】
β,β-ジフェニルアクリレート誘導体:
特にBASFから商標Uvinul N539で販売されているオクトクリレン、
特にBASFから商標Uvinul N35で販売されているエトクリレン。
【0337】
ベンゾフェノン誘導体:
BASFから商標Uvinul 400で販売されているベンゾフェノン-1、
BASFから商標Uvinul D50で販売されているベンゾフェノン-2、
BASFから商標Uvinul M40で販売されているベンゾフェノン-3またはオキシベンゾン、
Norquayから商標Helisorb 11で販売されているベンゾフェノン-6、
American Cyanamidから商標Spectra-Sorb UV-24で販売されているベンゾフェノン-8、
ベンゾフェノン-12
BASFから商標Uvinul A+で販売されている2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸N-ヘキシル、または商標Uvinul A+Bで販売されているメトキシケイ皮酸オクチルとのその混合物形態、
微粒子化形態または非微粒子化形態の1,1'-(1,4-ピペラジンジイル)ビス[1-[2-[4-(ジエチルアミノ)-2-ヒドロキシベンゾイル]フェニル]メタノン(CAS 919803-06-8)。
【0338】
ベンジリデンカンファー誘導体:
Chimexから名称Mexoryl SDで製造されている3-ベンジリデンカンファー、
Merckから名称Eusolex 6300で販売されている4-メチルベンジリデンカンファー、
Chimexから名称「Mexoryl SW」で製造されているポリアクリルアミドメチルベンジリデンカンファー。
【0339】
フェニルベンゾトリアゾール誘導体:
Rhodia Chimieから名称Silatrizoleで販売されているドロメトリゾールトリシロキサン、Fairmount Chemicalから商標MIXXIM BB/100で販売されている固体形態の、またはBASFから商標Tinosorb Mで販売されている水性分散液としての微粒子化形態のメチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール。
【0340】
トリアジン誘導体:
BASFから商標Tinosorb Sで販売されているビス-エチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、
特にBASFから商標Uvinul T150で販売されているエチルヘキシルトリアゾン、
Sigma 3Vから商標Uvasorb HEBで販売されているジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロナート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾアート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンゾアート)-6-[(3-{1,3,3,3-テトラメチル-1-[(トリメチルシリル)オキシ]ジシロキサニルプロピル)アミノ]-s-トリアジン、
特許US 6 225 467、特許出願WO 2004/085412(化合物6および9参照)、または文書「Symmetrical Triazine Derivatives」IP. COM Journal、IP.COM INC West Henrietta、NY、US(2004年9月20日)に記載の対称性トリアジン遮断剤、特に2,4,6-トリス(ビフェニル)-1,3,5-トリアジン(特に2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン)および2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン(Beiersdorfの特許出願WO 06/035000、WO 06/034982、WO 06/034991、WO 06/035007、WO 2006/034992およびWO 2006/034985にも言及されている)。
【0341】
アントラニル酸誘導体:
Symriseから商標Neo Heliopan MAで販売されているアントラニル酸メンチル。
【0342】
イミダゾリン誘導体:
エチルヘキシルジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリンプロピオナート。
【0343】
ベンザルマロナート誘導体:
ジネオペンチル4'-メトキシベンザルマロナート、
ベンザルマロナート官能基を含有するポリオルガノシロキサン、例えばDSMから商標Parsol SLXで販売されているポリシリコン-15。
【0344】
4,4-ジアリールブタジエン誘導体:
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン。
【0345】
ベンゾオキサゾール誘導体:
Sigma 3Vから名称Uvasorb K2Aで販売されている2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル-(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、およびそれらの混合物。
【0346】
親油性メロシアニン誘導体:
-オクチル5-N,N-ジエチルアミノ-2-フェニルスルホニル-2,4-ペンタジエノエートおよびそれらの混合物。
【0347】
好ましい脂溶性または不溶性有機遮断剤は、以下から選択される:
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
メトキシケイ皮酸エチルヘキシル、
サリチル酸エチルヘキシル、
ホモサラート、
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
ベンゾフェノン-3、
2-(4-ジエチルアミノ-2-ヒドロキシベンゾイル)安息香酸n-ヘキシル、
4-メチルベンジリデンカンファー、
メチレンビス(ベンゾトリアゾリル)テトラメチルブチルフェノール、
ビス(エチルヘキシルオキシフェニル)メトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
2,4,6-トリス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ジイソブチル4'-アミノベンザルマロナート)-s-トリアジン、
2,4-ビス(n-ブチル4'-アミノベンゾアート)-6-(アミノプロピルトリシロキサン)-s-トリアジン、
2,4-ビス(ジネオペンチル4'-アミノベンザルマロナート)-6-(n-ブチル4'-アミノベンゾアート)-s-トリアジン、
2,4,6-トリス(ビフェニル-4-イル)-1,3,5-トリアジン、
2,4,6-トリス(テルフェニル)-1,3,5-トリアジン、
ドロメトリゾールトリシロキサン
ポリシリコン-15、
1,1-ジカルボキシ(2,2'-ジメチルプロピル)-4,4-ジフェニルブタジエン、
2,4-ビス[5-1(ジメチルプロピル)ベンゾオキサゾール-2-イル(4-フェニル)イミノ]-6-(2-エチルヘキシル)イミノ-1,3,5-トリアジン、
およびそれらの混合物。
【0348】
好ましい親油性の有機遮断剤は、以下から選択される:
ブチルメトキシジベンゾイルメタン、
オクトクリレン、
サリチル酸エチルヘキシル、
ビス(エチルヘキシルオキシフェニル)メトキシフェニルトリアジン、
エチルヘキシルトリアゾン、
ジエチルヘキシルブタミドトリアゾン、
ドロメトリゾールトリシロキサン、およびそれらの混合物。
【0349】
本発明に従って使用される無機UV遮断剤は、金属酸化物顔料である。より優先的には、本発明の無機UV遮断剤は、平均素粒子径が500nm以下、より優先的には5nm〜500nm、さらにより優先的には10nm〜100nm、優先的には15〜50nmの金属酸化物顔料である。
【0350】
無機UV遮断剤は、特に、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化ジルコニウムおよび酸化セリウム、またはそれらの混合物、より具体的には酸化チタンから選択することができる。
【0351】
このような被覆されたまたは被覆されていない金属酸化物顔料は、特に特許出願EP-A-0 518 773に記載されている。列挙できる市販の顔料には、Kemira、Tayca、MerckおよびDegussa社から販売されている製品が含まれる。
【0352】
金属酸化物顔料は、被覆されていても被覆されていなくてもよい。
【0353】
被覆された顔料は、アミノ酸、蜜蝋、脂肪酸、脂肪アルコール、アニオン性界面活性剤、レシチン、脂肪酸のナトリウム塩、カリウム塩、亜鉛塩、鉄塩もしくはアルミニウム塩、金属アルコキシド(チタンまたはアルミニウムのアルコキシド)、ポリエチレン、シリコーン、タンパク質(コラーゲン、エラスチン)、アルカノールアミン、酸化ケイ素、金属酸化物またはヘキサメタリン酸ナトリウムなどの化合物を用いて、化学的、電子的、機械化学的および/または機械的な性質の1つまたは複数の表面処理を施された顔料である。
【0354】
被覆された顔料は、より具体的には以下のもので被覆された酸化チタンである:
-シリカで被覆されたもの、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil、
-シリカおよび酸化鉄で被覆されたもの、例えば、池田物産株式会社の製品Sunveil F、
-シリカおよびアルミナで被覆されたもの、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 500 SAおよびMicrotitanium Dioxide MT 100 SA、ならびにTioxide社のTioveil、
-アルミナで被覆されたもの、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(B)およびTipaque TTO-55(A)、ならびにKemira社のUVT 14/4、
-アルミナおよびステアリン酸アルミニウムで被覆されたもの、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 T、MT 100 TX、MT 100 ZおよびMT-01、Uniqema社の製品Solaveil CT-10 WおよびSolaveil CT 100、ならびにMerck社の製品Eusolex T-AVO、
-シリカ、アルミナおよびアルギン酸で被覆されたもの、例えば、テイカ株式会社の製品MT-100 AQ、
-アルミナおよびラウリン酸アルミニウムで被覆されたもの、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 S、
-酸化鉄およびステアリン酸鉄で被覆されたもの、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 100 F、
-酸化亜鉛およびステアリン酸亜鉛で被覆されたもの、例えば、テイカ株式会社の製品BR351、
-シリカおよびアルミナで被覆されシリコーンで処理されたもの、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 600 SAS、Microtitanium Dioxide MT 500 SASまたはMicrotitanium Dioxide MT 100 SAS、
-シリカ、アルミナおよびステアリン酸アルミニウムで被覆されシリコーンで処理されたもの、例えば、チタン工業株式社の製品STT-30-DS、
-シリカで被覆されシリコーンで処理されたもの、例えば、Kemira社の製品UV-Titan X 195、
-アルミナで被覆されシリコーンで処理されたもの、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(S)またはKemira社のUV Titan M 262、
-トリエタノールアミンで被覆されたもの、例えば、チタン工業株式社の製品STT-65-S、
-ステアリン酸で被覆されたもの、例えば、石原産業株式会社の製品Tipaque TTO-55(C)、
-ヘキサメタリン酸ナトリウムで被覆されたもの、例えば、テイカ株式会社の製品Microtitanium Dioxide MT 150 W、
-Degussa Silices社から商標T 805で販売されているオクチルトリメチルシランで処理されたTiO
2、
-Cardre社から商標70250 Cardre UF TiO2SI3で販売されているポリジメチルシロキサンで処理されたTiO
2、
-Color Techniques社から商標Microtitanium Dioxide USP Grade Hydrophobicで販売されているポリジメチル水素シロキサンで処理されたアナターゼ/ルチルTiO
2。
【0355】
被覆されていない酸化チタン顔料は、例えば、テイカ株式会社から商標Microtitanium Dioxide MT 500 BまたはMicrotitanium Dioxide MT 600 Bで、Degussa社から名称P 25で、Wacker社から名称Transparent titanium oxide PWで、三好化成社から名称UFTRで、Tomen社から名称ITSで、Tioxide社から名称Tioveil AQで販売されている。
【0356】
被覆されていない酸化亜鉛顔料は、例えば以下のものである:
-Sunsmart社から名称Z-Coteで販売されているもの、
-Elementis社から名称Nanoxで販売されているもの、
-Nanophase Technologies社から名称Nanogard WCD 2025で販売されているもの。
【0357】
被覆された酸化亜鉛顔料は、例えば以下のものである:
-株式会社東芝(Toshibi)から名称Zinc Oxide CS-5で販売されているもの(ポリメチル水素シロキサンで被覆されたZnO)、
-Nanophase Technologies社から名称Nanogard Zinc Oxide FNで販売されているもの(C
12〜C
15アルキル安息香酸エステルであるFinsolv TN中40%分散物として)、
-Daito社から名称Daitopersion ZN-30およびDaitopersion ZN-50で販売されているもの(シリカおよびポリメチル水素シロキサンで被覆されたナノ酸化亜鉛を30%または50%含有する、シクロポリメチルシロキサン/オキシエチレン化ポリジメチルシロキサン分散液)、
-ダイキン工業株式会社から名称「NFD Ultrafine ZnO」で販売されているもの(シクロペンタシロキサン分散液としての、リン酸ペルフルオロアルキルおよびペルフルオロアルキルエチル系コポリマーで被覆されたZnO)、
-信越化学工業株式会社から名称SPD-Z1で販売されているもの(シクロジメチルシロキサンに分散した、シリコーン-グラフト化アクリルポリマーで被覆されたZnO)、
-ISP社から名称Escalol Z100で販売されているもの(メトキシケイ皮酸エチルヘキシル/PVP-ヘキサデセンコポリマー/メチコン混合物に分散した、アルミナで処理されたZnO)、
-富士色素株式会社から名称Fuji ZnO-SMS-10で販売されているもの(シリカおよびポリメチルシルセスキオキサンで被覆されたZnO)、
-Elementis社から名称Nanox Gel TNで販売されているもの(ヒドロキシステアリン酸重縮合体を含むC
12〜C
15アルキル安息香酸エステルに濃度55%で分散したZnO)。
【0358】
被覆されていない酸化セリウム顔料は、Rhone-Poulenc社から名称Colloidal Cerium Oxideで販売されている。
【0359】
被覆されていない酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社から名称Nanogard WCD 2002(FE 45B)、Nanogard Iron FE 45 BL AQ、Nanogard FE 45R AQおよびNanogard WCD 2006(FE 45R)で、または三菱社から名称TY-220で販売されている。
【0360】
被覆された酸化鉄顔料は、例えば、Arnaud社から名称Nanogard WCD 2008(FE 45B FN)、Nanogard WCD 2009(FE 45B 556)、Nanogard FE 45 BL 345およびNanogard FE 45 BLで、またはBASF社から名称Transparent Iron Oxideで販売されている。
【0361】
特に二酸化チタンと二酸化セリウムの金属酸化物の混合物、例えば池田物産株式会社から名称Sunveil Aで販売されている、シリカで被覆された等重量の二酸化チタンと二酸化セリウムの混合物、ならびにアルミナ、シリカおよびシリコーンで被覆された二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物、例えばKemira社から販売されている製品M 261、またはアルミナ、シリカおよびグリセロールで被覆された二酸化チタンと二酸化亜鉛の混合物、例えばKemira社で販売されている製品M 211を挙げることもできる。
【0362】
本発明によれば、被覆されたまたは被覆されていない酸化チタン顔料が特に好ましい。
【0363】
本発明の光防護系は、本発明の組成物中に、組成物の総重量に対して好ましくは0.1重量%〜40重量%、特に5重量%〜25重量%の含量で存在する。
【0364】
艶消し剤
用語「艶消し剤」は、より艶を抑え、より輝きを抑えた見た目を皮膚に与えることを企図された作用剤を意味する。
【0365】
作用剤および/または作用剤を含有する組成物の艶消し効果は、特に、ゴニオレフレクトメーターを使用して、鏡面反射と乱反射の比Rを測定することによって評価することができる。2以下のR値は、一般に艶消し効果があることを示す。
【0366】
艶消し剤は、特に、コメデンプンまたはトウモロコシデンプン:INCI名トウモロコシ(コーン)デンプン、例えば特に、National Starchから商標Farmal CS 3650 Plus 036500で販売されている製品、カオリナイト、タルク、カボチャ種子抽出物、セルロースミクロビーズ、植物繊維、合成繊維、特にポリアミド繊維、発泡(expanded)アクリルコポリマー微小球、ポリアミド粉末、シリカ粉末、ポリテトラフルオロエチレン粉末、シリコーン樹脂粉末、アクリルポリマー粉末、ワックス粉末、ポリエチレン粉末、シリコーン樹脂で被覆された弾性架橋オルガノポリシロキサンの粉末、タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、非晶質混合ケイ酸粉末、ケイ酸粒子、特に混合ケイ酸粒子、およびそれらの混合物から選択することができる。
【0367】
特に列挙できる艶消し剤の例には以下が含まれる:
-コメまたはトウモロコシデンプン、特にNational Starch社から名称Dry Flo(登録商標)で販売されているオクテニルコハク酸デンプンアルミニウム、
-カオリナイト、
-シリカ、
-タルク、
-Indena社から名称Curbilene(登録商標)で販売されているカボチャ種子抽出物、
-特許出願EP 1 562 562に記載のセルロースミクロビーズ、
-繊維、例えば絹繊維、綿繊維、羊毛繊維、亜麻繊維、特に樹木、野菜または藻類から抽出されたセルロース繊維、ポリアミド繊維(Nylon(登録商標))、変性セルロース繊維、ポリ-p-フェニレンテレフタルアミド(phenyleneterephthamide)繊維、アクリル繊維、ポリオレフィン繊維、ガラス繊維、シリカ繊維、アラミド繊維、炭素繊維、Teflon(登録商標)繊維、不溶性コラーゲン繊維、ポリエステル繊維、ポリ塩化ビニルまたはポリ塩化ビニリデン繊維、ポリビニルアルコール繊維、ポリアクリロニトリル繊維、キトサン繊維、ポリウレタン繊維、ポリエチレンフタレート繊維、ポリマー混合物から形成された繊維、吸収性合成繊維、および特許出願EP 1 151 742に記載のそれらの混合物、
-発泡アクリルコポリマー微小球、例えばExpancel社から名称Expancel 551(登録商標)で販売されているもの、
-特許出願FR 2 869 796に記載の光学効果を有する充填剤、特に以下のもの:
-ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、例えば、平均サイズ10ミクロンおよび屈折率1.45を有するArkemaのOrgasolなどのNylon 12粒子
-シリカ粉末、例えば、平均サイズ5ミクロンおよび屈折率1.45を有する三好のSilica beads SB150、
-ポリテトラフルオロエチレン粉末、例えば、平均サイズ8ミクロンおよび屈折率1.36を有するClariantのPTFE Ceridust 9205F、
-シリコーン樹脂粉末、例えば、平均サイズ4.5ミクロンおよび屈折率1.41を有するGE Siliconeのシリコーン樹脂Tospearl 145A、
-特にポリメチル(メタ)アクリレートのアクリルコポリマー粉末、例えば、平均サイズ8ミクロンおよび屈折率1.49を有するNihon JunyokiのPMMA粒子Jurymer MBI、または松本油脂製薬のMicropearl M100(登録商標)およびF 80 ED(登録商標)粒子、
-ワックス粉末、例えば、平均サイズ7ミクロンおよび屈折率1.54のMicropowdersのパラフィンワックス粒子Microease 114S、
-特に少なくとも1つのエチレン/アクリル酸コポリマーを含む、特にエチレン/アクリル酸コポリマーからなるポリエチレン粉末、例えば、住友のFlobeads EA 209粒子(平均サイズ10ミクロンおよび屈折率1.48を有する)、
-シリコーン樹脂粉末、例えば、平均サイズ4.5μmを有するSilicon Resin Tospearl(登録商標)145 A DE GEシリコーン、
-例えば、特許文書US 5 538 793に記載の、シリコーン樹脂、特にシルセスキオキサン樹脂で被覆された弾性架橋オルガノポリシロキサン粉末。このようなエラストマー粉末は、信越化学工業株式会社から名称KSP-100、KSP-101、KSP-102、KSP-103、KSP-104およびKSP-105で販売されている。
-タルク/二酸化チタン/アルミナ/シリカ複合粉末、例えばCatalyst & Chemicals社から名称Coverleaf(登録商標)AR-80で販売されているもの、
-それらの混合物、
-特許出願FR 2 869 796に記載の、皮脂を吸収かつ/または吸着する化合物。特に以下を挙げることができる:
-シリカ粉末、例えば、三好社から名称Silica Beads SB-700で販売されている多孔質シリカ微小球、旭硝子社から販売されている製品Sunsphere(登録商標)H51、Sunsphere(登録商標)H33およびSunsphere(登録商標)H53;旭硝子社から名称SA Sunsphere(登録商標)H-33およびSA Sunsphere(登録商標)H-53で販売されているポリジメチルシロキサンで被覆された非晶質シリカ微小球、
-特にアルミニウムおよびマグネシウムの非晶質混合ケイ酸粉末、例えば、住友社から名称Neusilin UFL2で販売されている製品、
-ポリアミド(Nylon(登録商標))粉末、例えば、Arkema社から販売されているOrgasol(登録商標)4000、ならびに
-特にポリメチルメタクリレートのアクリルポリマー粉末、例えば、Wackherr社から販売されているCovabead(登録商標)LH85;ポリメチルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートのアクリルポリマー粉末、例えば、Dow Corning社から販売されているDow Corning 5640 Microsponge(登録商標) Skin Oik Adsorber、またはGanz Chemicalから販売されているGanzpearl(登録商標)GMP-0820;ポリアリルメタクリレート/エチレングリコールジメタクリレートのアクリルポリマー粉末、例えば、Amcol社から販売されているPoly-Pore(登録商標)L200またはPoly-Pore(登録商標)E200;エチレングリコールジメタクリレート/ラウリルメタクリレートコポリマーのアクリルポリマー粉末、例えば、Dow Corning社から販売されているPolytrap(登録商標)6603、
-ケイ酸粒子、例えばケイ酸アルミナ、
-混合ケイ酸粒子、例えば、
-ケイ酸マグネシウムアルミニウム粒子、例えばサポナイトまたはクニミネ社から商標Sumecton(登録商標)で販売されている、硫酸ナトリウムを含む水和ケイ酸マグネシウムアルミニウム、
-ケイ酸マグネシウム、ヒドロキシエチルセルロース、ブラッククミン油、マロー油およびリン脂質複合体またはLucas MeyerのMatipure(登録商標)、ならびに
-それらの混合物。
【0368】
本発明に従って使用できる好ましい艶消し剤には、カボチャ種子の抽出物、コメまたはトウモロコシデンプン、カオリナイト、シリカ、タルク、ポリアミド粉末、ポリエチレン粉末、アクリルコポリマー粉末、発泡アクリルコポリマー微小球、シリコーン樹脂ミクロビーズ、混合ケイ酸粒子、ならびにそれらの混合物が含まれ、より優先的にはタルクである。
【0369】
艶消し剤は、組成物の総重量に対して好ましくは10重量%〜40重量%、さらにより優先的には15重量%〜25重量%の含量である。
【0370】
油相
本発明の組成物は、一般に、前述のものなどの少なくとも1種の炭化水素系油および/または1種のシリコーン油を含有する油相を含む。
【0371】
本発明の組成物の脂肪相に存在し得る油として、鉱油(パラフィン);植物油(スイートアーモンド油、マカダミア油、ブラックカラント種子油またはホホバ油);脂肪アルコール、脂肪アミド(例えば味の素社から名称Eldew SL-205で販売されているラウロイルサルコシン酸イソプロピル)、脂肪酸またはエステル(例えば、Witco社から商標Finsolv TNまたはWitconol TNで販売されているC
12〜C
15アルキル安息香酸エステル、ラノリン酸イソプロピル、トリグリセリド、例えば、カプリン/カプリル酸トリグリセリド、Cognis社から名称Cetiol CCで販売されている炭酸ジカプリリル)、オキシエチレン化またはオキシプロピレン化脂肪エステルおよびエーテル;シリコーン油(シクロメチコンまたはポリジメチルシロキサン(PDMS))、フルオロ油、ならびにポリアルキレンを挙げることができる。
【0372】
油相は、組成物の総重量に対して好ましくは15重量%〜60重量%、より優先的には20重量%〜50重量%である。
【0373】
添加剤
本発明の水性組成物は、特に、軟化剤、安定剤、皮膚軟化剤、消泡剤、芳香剤、精油、親油性活性剤、親油性染料、防虫剤、保存剤、ワックス、ポリマー、または化粧品および/もしくは皮膚科学で通常使用される任意の他の成分から選択される標準の化粧用補助剤を含むこともできる。
【0374】
言うまでもなく当業者は、本発明の組成物に固有に関連する有利な特性が、企図される添加によって有害な影響を受けないように、または実質的に受けないように、前述の任意選択の追加の化合物および/またはその量を注意深く選択されよう。
【0375】
親油性の化粧用活性剤の中でも、列挙できる例には、抗酸化剤、角質溶解剤、例えばN-アルキルサリチル酸、例えばN-オクタノイル-5-サリチル酸;ビタミン、例えばビタミンE(トコフェロールおよび誘導体)、ビタミンA(レチノールおよび誘導体);軟化剤、ならびに皮膚または毛髪のケアに通常使用される任意の親油性の活性剤が含まれる。
【0376】
本発明の目的では、用語「ワックス」は、室温(25℃)で固体であり、固体/液体状態が可逆的に変化し、30℃以上であり、最大120℃になることもある融点を有する親油性化合物を意味する。
【0377】
ワックスの融点は、示差走査熱量計(DSC)、例えばMettler社から名称DSC 30で販売されている熱量計を使用して測定することができる。
【0378】
ワックスは、炭化水素系ワックス、フルオロワックスおよび/またはシリコーンワックスであってよく、植物、無機、動物および/または合成由来のものであってよい。特にワックスは、25℃超、さらに好ましくは45℃を超える融点を有する。
【0379】
特に、炭化水素系ワックス、例えば蜜蝋、ラノリンワックスおよびシナ蝋(Chinese insect wax);コメワックス、カルナウバワックス、オーリクリー(ouricurry)蝋、アフリカハネガヤワックス、コルク繊維ワックス、サトウキビワックス、日本蝋および木(sumach)蝋;モンタンワックス、微結晶性ワックス、パラフィンワックス;ポリエチレンワックス、フィッシャー-トロプシュ合成によって得られたワックス、およびワックス状コポリマー、ならびにそのエステルを使用することができる。
【0380】
直鎖または分岐C
8〜C
32脂肪鎖を含有する、動物または植物油の触媒水素化によって得られたワックスを挙げることもできる。
【0381】
これらのワックスの中でも、特に、水素化ホホバ油、水素化ヒマワリ油、水素化ヒマシ油、水素化ヤシ油、水素化ラノリン油、およびHeterene社から名称Hest 2T-4Sで販売されているビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラステアラート、Heterene社から名称Hest 2T-4Bで販売されているビス(1,1,1-トリメチロールプロパン)テトラベヘナートを挙げることができる。
【0382】
フルオロワックスを挙げることもできる。
【0383】
Sophimから名称Phytowax Olive 18L57で販売されている、ステアリルアルコールでエステル化されたオリーブ油の水素化によって得られたワックス、またはPhytowax Ricin 16L64および22L73で販売されている、セチルアルコールでエステル化されたヒマシ油の水素化によって得られたワックスを使用することもできる。このようなワックスは、特許出願FR-A-2 792 190に記載されている。
【0384】
本発明の特に好ましい一形態によれば、以下のものが選択される:
(i)一般式R-CH-CH
2(式中、Rは、10〜50個の炭素原子、好ましくは25〜50個の炭素原子を含有するアルキル基、好ましくは直鎖アルキルを示す)に相当するα-オレフィンの重合によって、特に単独重合によって得られたポリオレフィンワックス。
【0385】
用語「α-オレフィンの単独重合」は、α-オレフィンまたはα-オレフィン混合物から本質的になるモノマーの重合を意味する。これらのワックスは、好ましくは400〜3000ダルトン、特に1800〜2700ダルトンの数平均分子量を有する。このようなポリオレフィンワックスは、特許文書US-A-4 060 569およびUS-A-4 239 546に記載されている。これらのワックスは、特にNew Phase Technologies社から名称Performa VR 103、Performa VR 253およびPerforma VR 260で販売されている。
【0386】
(ii)数平均分子量が350〜600ダルトンのパラフィンワックス、例えば、Baerlocher社から名称Cerafine 56-58で販売されている市販製品。
【0387】
(iii)フィッシャー-トロプシュ法によって得ることができるポリメチレンワックス。ポリメチレンワックスは、一般に350〜600 ダルトンの数平均分子量を有する。特に、Sasol社から製造されている、例えば以下のCirebelleワックスが使用される:
Cirebelle 303:融点:51℃
Cirebelle 305:融点:55℃
Cirebelle 505:融点:41℃。
【0388】
本発明の組成物は、無水非固体組成物、特に無水クリームのための標準技術に従って調製することができる。
【0389】
本発明の組成物は、多数の処理で、特に頭皮を含む皮膚、唇および毛髪の化粧処理で、特に皮膚、唇および/もしくは毛髪を保護かつ/もしくはケアするため、ならびに/または皮膚および/もしくは唇をメーキャップするために適用される。
【0390】
本発明の別の主題は、皮膚、唇、爪、毛髪、まつ毛、眉毛および/または頭皮の化粧処理のための製品、特にケア製品、日焼け止め製品およびメーキャップ製品を製造するために、先に定義した本発明の組成物を使用することからなる。
【0391】
本発明の化粧用組成物は、例えば、メーキャップ製品として使用することができる。
【0392】
本発明の化粧用組成物は、例えば顔および/または身体のためのケア製品および/または日焼け止め製品、例えばバームまたは多かれ少なかれ粘性があるクリームとして使用することができる。
【0393】
当業者は、皮膚、毛髪、まつ毛、眉毛または爪に対して望ましい効果に従って、前記1つまたは複数の活性成分を選択されよう。
【0394】
脂肪分の多い皮膚をケアかつ/またはメーキャップするために、当業者は、好ましくは落屑剤、皮脂制御(sebo-regulating)剤または脂漏防止剤、および収斂薬から選択される少なくとも1種の活性剤を選択されよう。
【0395】
本組成物は、これらの活性な作用剤の生物学的作用を補足し、または即時的な視覚的効果をもたらすことを企図された少なくとも1つの追加の成分を含むこともできる。特に、蛍光剤(fluorescer)、皮膚の自然にピンク色がかった呈色を促進するための作用剤、および研磨用または剥離用充填剤を挙げることができる。
【0396】
ケラチン材料に前述の化粧用および/または皮膚科学的活性剤によって付与される効果を補足しかつ/または最適化するために、本発明の組成物に他の追加の成分を組み込むことが有利な場合がある。
【0397】
特に、これらの追加の成分は、即時的な視覚的効果を付与することができ、この効果は、前述の活性剤の生物学的作用によって伝えられる。追加の成分は、機械的作用(例えば、研磨用充填剤)によって前述の生物学的活性剤の効果を増幅することもできる。
【0398】
皮膚の自然にピンク色がかった呈色を促進するための作用剤
特に以下を挙げることができる:
-セルフタンニング剤、すなわち皮膚、特に顔に適用されると、日光(天然の黄褐色)またはUVランプに長時間暴露することにより得られる外観に、多かれ少なかれ類似している黄褐色の効果をもたらすことができる作用剤、
-追加の着色剤、すなわち皮膚に対して特定の親和性を有し、それによって皮膚に持続的な被覆性でない呈色(すなわち皮膚を不透明にする傾向がない呈色)を与えることができ、水でも溶媒を使用しても除去されず、摩擦および界面活性剤を含有する溶液による洗浄にも耐える任意の化合物(したがって、このような持続する呈色は、例えばメーキャップ顔料によってもたらされる、表面的で一時的な呈色とは区別される)、
-ならびにそれらの混合物。
【0399】
特に列挙できるセルフタンニング剤の例には、以下が含まれる:
ジヒドロキシアセトン(DHA)、
エリトルロース、および
以下から形成される触媒系の組合せ:
マンガンおよび/または亜鉛の塩および酸化物と、
アルカリ金属および/またはアルカリ土類金属炭酸水素塩。
【0400】
セルフタンニング剤は、一般に、モノカルボニルまたはポリカルボニル化合物、例えばイサチン、アロキサン、ニンヒドリン、グリセルアルデヒド、メソ酒石酸アルデヒド、グルタルアルデヒド、エリトルロース、特許出願FR 2 466 492およびWO 97/35842に記載のピラゾリン-4,5-ジオン誘導体、ジヒドロキシアセトン(DHA)および特許出願EP 903 342に記載の4,4-ジヒドロキシピラゾリン-5-オン誘導体から選択される。好ましくはDHAが使用される。
【0401】
DHAは、遊離形態で、および/または例えば特に特許出願WO 97/25970に記載のリポソームなどの脂質小胞に封入された形態で使用することができる。
【0402】
一般に、セルフタンニング剤は、組成物の総重量に対して0.01重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%の量で存在する。
【0403】
セルフタンニング剤によってもたらされる色を調節することができる他の染料を使用することもできる。
【0404】
これらの染料は、合成または天然直接染料から選択することができる。
【0405】
これらの染料は、例えば、特許出願FR 2 840 806に記載のものなどのフルオランタイプの赤色またはオレンジ色の染料から選択することができる。例えば、以下の染料を挙げることができる:
-CTFA名CI 45380またはレッド21で公知のテトラブロモフルオレセインまたはエオシン、
-CTFA名CI 45410またはレッド27で公知のフロキシンB、
-CTFA名CI 45425またはオレンジ10で公知のジヨードフルオレセイン、
-CTFA名CI 45370またはオレンジ5で公知のジブロモフルオレセイン、
-CTFA名CI 45380(Na塩)またはレッド22で公知のテトラブロモフルオレセインのナトリウム塩、
-CTFA名CI 45410(Na塩)またはレッド28で公知のフロキシンBのナトリウム塩、
-CTFA名CI 45425(Na塩)またはオレンジ11で公知のジヨードフルオレセインのナトリウム塩、
-CTFA名CI 45430またはアシッドレッド51で公知のエリスロシン、
-CTFA名CI 45405またはアシッドレッド98で公知のフロキシン。
【0406】
これらの染料は、アントラキノン、カラメル、カルミン、カーボンブラック、アズレンブルー、メトキサレン、トリオキサレン、グアイアズレン、カマズレン、ローズベンガル、エオシン10B、シアノシンまたはダフィニン(daphinine)から選択することもできる。
【0407】
これらの染料は、インドール誘導体、例えば、特許文書FR 2 651 126に記載のモノヒドロキシインドール(すなわち4-、5-、6-または7-ヒドロキシインドール)または特許文書EP-B-0 425 324に記載のジヒドロキシインドール(すなわち5,6-ジヒドロキシインドール、2-メチル-5,6-ジヒドロキシインドール、3-メチル-5,6-ジヒドロキシインドールまたは2,3-ジメチル-5,6-ジヒドロキシインドール)から選択することもできる。
【0408】
研磨用充填剤または剥離剤
本発明の洗浄組成物において使用できる剥離剤として、列挙できる例には、無機、植物または有機由来の剥離剤またはスクラブ粒子が含まれる。したがって、例えばポリエチレンのビーズまたは粉末、ナイロン粉末、ポリ塩化ビニル粉末、軽石、アプリコット核またはクルミの殻に由来する粉砕材料、おが屑、ガラスビーズ、アルミナおよびそれらの混合物を使用することができる。SolabiaのExfogreen(登録商標)(竹抽出物)、イチゴ痩果抽出物(Greentechのイチゴ痩果)、桃核粉末またはアプリコット核粉末を挙げることもでき、最後に、研磨効果のある植物粉末の分野では、クランベリー種子粉末を挙げることができる。
【0409】
本発明の好ましい研磨用充填剤または剥離剤として、桃核粉末、アプリコット核粉末、クランベリー種子粉末、イチゴ痩果抽出物または竹抽出物が挙げられる。
【0410】
以下の実施例は、本発明の性質を制限することなく本発明を例示する働きをする。これらの実施例では、組成物の成分の量は、組成物の総重量に対して重量パーセントで示される。
【0411】
(実施例)
(実施例1)(本発明ではない)
実施例Aを、特許出願WO 02/03935の教示に従って実施する。この実施例Aは、非乳化性弾性オルガノシロキサン、有機遮断剤、油相、艶消し充填剤および保湿剤を含むが、乳化シリコーン界面活性剤は含まない。
【0413】
Bの構成成分を、均一混合物が得られるまで適切な容器(例えば、ビーカー)内で一緒に混合する。混合物を80℃に加熱する。相Cの構成成分を、それに添加する。均一になるまで全体を混合する。相A1を、均一混合物が得られるまで別の容器内で80〜85℃に加熱する。Ultra-Turraxタイプのブレンダーを使用してせん断し撹拌しながら、相A2を添加する。混合物(A1+A2)を混合物B+Cに添加する。均一になるまで全体を混合する。混合物を25℃に冷却する。
【0414】
保湿剤を添加して得た配合物Aは、化粧上の使用に許容されない粒子および塊が存在しており、不均一であることが観測される。
【0415】
(実施例2)(本発明ではない)
非乳化性弾性オルガノシロキサン、有機遮断剤、油相および艶消し充填剤を含むが、非シリコーン増粘剤を含まない、本発明のものではない組成物2を、実施例1と同じ条件で調製する。
【0417】
Bの構成成分を、均一混合物が得られるまで適切な容器(例えば、ビーカー)内で一緒に混合する。混合物を80℃に加熱する。相Cの構成成分を、それに添加する。均一になるまで全体を混合する。相A1を、均一混合物が得られるまで別の容器内で80〜85℃に加熱する。UltraTurraxタイプのブレンダーを使用してせん断し撹拌しながら、相A2を添加する。混合物(A1+A2)を混合物B+Cに添加する。均一になるまで全体を混合する。混合物を25℃に冷却する。
【0418】
配合物2は不安定である。45℃で遠心分離にかけると、油相の滲出が観測され、これは化粧上の使用に許容されない。
【0419】
(実施例3)無水日焼け止めクリーム
非乳化性弾性オルガノシロキサン、有機遮断剤、油相、艶消し充填剤および非シリコーン有機増粘剤:ポリC10〜30アルキルアクリレート(Intelimer IPA 13-1-Air Products and Chemicals)を含み、保湿剤を含まない本発明の組成物3を調製する。
【0421】
Bの構成成分を、均一混合物が得られるまで適切な容器(例えば、ビーカー)内で一緒に混合する。混合物を80℃に加熱する。相Cの構成成分を、それに添加する。均一になるまで全体を混合する。相A1を、均一混合物が得られるまで別の容器内で80〜85℃に加熱する。UltraTurraxタイプのブレンダーを使用してせん断し撹拌しながら、相A2を添加する。混合物(A1+A2)を混合物B+Cに添加する。均一になるまで全体を混合する。混合物を25℃に冷却する。
【0422】
保湿剤を含まない配合物は、調製後に、粒子も塊も含有しておらず、45℃で遠心分離にかけても油が滲出せず、均質で安定であることが観測される。この組成物は、皮膚に適用しやすく、ざらつかない。
【0423】
SPFおよびPPDインデックスの決定
以下の評価を行う。
-Colipa/CTFA SA/JCIA(2006年5月)に公開された国際法に従って、15人の個体に対してインビボSPFを評価する。
-JCIA(1995年11月15日版)の推奨に従って、15人の個体に対してUVAPPD PFを評価する。
【0424】
平均SPF51.1および平均UVAインデックス21.1が得られ、すなわちSPF/PBD比は2.3であり、したがって<3となる。
【0427】
CCDカメラおよび取得ソフトウェアから構成されるSamba(登録商標)デバイスを使用して、測定を実施する。ボランティアを導入して再配置できる表を作成し、生成物を適用する前および後の測定値を再現することができる。顔全体の画像を、ソフトウェアを使用して得、次にそれぞれ顔の半分で分析を実施する。無作為化によって決定した顔半分の一方に生成物300mgを適用し、他方には適用しない。生成物を適用してT0、T10分、T4時間およびT6時間後に顔半分の両方で測定を行う。
【0428】
T0に対してT10分では、測定した光沢レベルに統計的に有意な低下が観測される。このことは、一度適用した後に、生成物の即時的な艶消し効果が得られることを反映している。
【0429】
統計的分析の結果は、処理した帯域で各実験時間に測定した差異が、対照帯域で測定した差異よりも統計的に小さいことを示しており、このことは、一度適用して10分後から6時間後まで、生成物の艶消し効果が得られることを反映している。