(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0007】
以下、エレベータの三方枠の据付構造の例示的な実施形態および変形例が開示される。以下に示される実施形態の構成や制御(技術的特徴)、ならびに当該構成や制御によってもたらされる作用および結果(効果)は、一例である。
【0008】
各図では、便宜上、互いに直交するX方向、Y方向、およびZ方向が示されている。本実施形態では、X方向は、乗場敷居の長手方向に沿った横方向(水平方向)であって、乗場から昇降路を見た視線における左方と定義される。X方向は、乗り場とかごとの乗降口(乗場開口部)における幅方向と称されうる。Y方向は、乗場敷居の長手方向と直交した横方向(水平方向)であって、乗場から昇降路またはかごへ向かう方向と定義される。Y方向は、乗降口あるいはかごにおける奥行き方向と称されうる。また、Z方向は、上方向(鉛直方向における上方向)と定義される。なお、以下の説明では、左および右は、それぞれ、Y方向の視線、すなわち奥行き方向における左および右を示す。
【0009】
<第1実施形態>
図1は、三方枠100の据付構造1の分解斜視図である。三方枠100は、二つの縦枠101および一つの横枠(不図示)の三つの枠を有する。縦枠101は、乗降口の左側および右側のそれぞれに位置され、上下方向に延びている。なお、
図1には、右側の縦枠101のみが示されている。横枠は、乗降口の上側に位置され、二つの縦枠101の上端部間で左右方向に渡され、横方向に延びている。二つの縦枠101と横枠とは、逆U字状に繋がれ、一体化されている。
【0010】
乗場敷居200は、乗降口の下側に位置され、扉(不図示)を、横方向にスライド可能、すなわち開閉可能に支持する。乗場敷居200の上面200aには、扉を長手方向にガイドする溝(レール)が設けられている。
【0011】
三方枠100は、二つの支持部材10,20を介して、乗場敷居200と結合される。三方枠100の縦枠101の下端部には、支持部材10が固定されている。乗場敷居200には、支持部材20が固定されている。支持部材10と支持部材20とが結合されることにより、三方枠100と乗場敷居200とが一体化され、三方枠100がエレベータの乗降口に据え付けられる。支持部材10は、第一の支持部材の一例である。支持部材20は、第二の支持部材の一例である。
【0012】
図2は、支持部材10,20を介して互いに固定された縦枠101および乗場敷居200の、上方からの視線での平面図である。
図1,2に示されるように、縦枠101は、五つの壁部101a〜101eを有している。縦枠101では、これら五つの壁部101a〜101eによって、
図2に示されるような略C字状の断面が構成されている。
【0013】
壁部101aは、乗降口側の端部、すなわち右側の縦枠101では左側(X方向)の端部に位置され、一定の幅で帯状に、上下方向(Z方向)に延びている。壁部101bは、昇降路側(Y方向)の端部に位置され、一定の幅で帯状に、上下方向に延びている。壁部101cは、昇降路とは反対側(Y方向の反対方向)の端部に位置され、一定の幅で帯状に、上下方向に延びている。壁部101dは、乗降口とは反対側の端部、すなわち右側の縦枠101では右側(X方向の反対方向)の端部における、昇降路側(
図2では上側)に位置されている。また、壁部101eは、乗降口とは反対側の端部、すなわち右側の縦枠101では右側の端部における、昇降路とは反対側(
図2では下側)に位置されている。縦枠101内には、五つの壁部101a〜101eで囲まれた空間101fが設けられている。すなわち、縦枠101は、中空構造を有している。壁部101dと壁部101eとは、Y方向に離れて位置されており、壁部101dと壁部101eとの間には、一定幅で上下方向に延びるスリット101gが設けられている。スリット101gは、開口部とも称されうる。壁部101a〜101eは、縦壁の一例である。
【0014】
図1に示されるように、支持部材10は、縦枠101の下端部に固定されている。支持部材10は、壁部101dに、溶接等によって固定されている。また、
図1,2に示されるように、支持部材10は、縦枠101内の空間101fのうちの昇降路側に収容されている。
【0015】
支持部材10は、三つの壁部11,12,13を有する。これら三つの壁部11,12,13により、支持部材10は、Z字状あるいはクランク状に構成されている。
【0016】
壁部11は、壁部101dの乗降口側、すなわち右側の縦枠101では左側の面に沿って、上下方向に延びている。壁部11は、Y方向およびZ方向に沿って延びた四角形状かつ板状に構成されている。壁部11は、第一の固定壁部の一例である。
【0017】
壁部12は、壁部11の下端部から乗降口側に、すなわち右側の縦枠101では左方向に延びている。壁部12は、X方向およびY方向に沿って延びた四角形状かつ板状に構成されている。壁部12は、上方向を向いた上面12aと、上面12aの反対側に位置され下方向を向いた下面12bと、を有する。壁部12には、上面12aと下面12bとを上下方向に貫通する貫通孔12cが設けられている。壁部12は、第一の支持壁部の一例である。下面12bは、第一の面の一例である。
【0018】
壁部13は、壁部12の端部のうち、壁部11と接続された端部とは異なる端部、すなわち壁部11とは反対側の端部から、下方向に突出している。壁部13は、Y方向およびZ方向に沿って延びた四角形状かつ板状に構成されている。壁部13は、第一の突出壁部の一例である。
【0019】
また、支持部材10の乗降口側の端部、すなわち右側の縦枠101では左側の端部には、傾斜部10a(傾斜面)が設けられている。傾斜部10aは、壁部12,13において、乗降口の中央部から横方向に遠ざかるほど昇降路から遠ざかる方向、換言すれば、昇降路から遠ざかるにつれて乗降口の中央部から遠ざかる方向、すなわち右側の縦枠101ではX方向の反対方向に向かうにつれてY方向の反対方向に向かう方向に、延びている。傾斜部10aは、第一の傾斜部の一例である。傾斜部10aは、支持部材10の、乗降口側および昇降路より遠い側の端部における面取り部、あるいは切欠部とも称されうる。
【0020】
図1に示されるように、支持部材20は、乗場敷居200に固定されている。支持部材20は、二つの壁部21,22を有する。これら二つの壁部21,22により、支持部材20は、L字状に構成されている。
【0021】
壁部21は、乗場敷居200の昇降路とは反対側の側面200bに沿って、上下方向に延びている。壁部21は、X方向およびZ方向に沿って延びた四角形状かつ板状に構成されている。壁部21は、例えば溶接等によって乗場敷居200と固定されている。壁部21は、第二の固定壁部の一例である。
【0022】
壁部22は、壁部21の上端部から昇降路とは反対側に延びている。壁部22は、X方向およびY方向に沿って延びた四角形状かつ板状に構成されている。壁部22は、上方向を向いた上面22aと、上面22aの反対側に位置され下方向を向いた下面22bと、を有する。壁部22には、上面22aと下面22bとを上下方向に貫通する貫通孔22cが設けられている。壁部22は、第二の支持壁部の一例である。上面22aは、第二の面の一例である。
【0023】
また、支持部材20の乗降口側の端部、すなわち右側の縦枠101では左側の端部には、傾斜部20a(傾斜面)が設けられている。傾斜部20aは、壁部22において、乗降口の中央部から横方向に遠ざかるほど昇降路から遠ざかる方向、換言すれば、昇降路から遠ざかるにつれて乗降口の中央部から遠ざかる方向、すなわち右側の縦枠101ではX方向の反対方向に向かうにつれてY方向の反対方向に向かう方向に、延びている。傾斜部20aは、第二の傾斜部の一例である。傾斜部20aは、支持部材20の、乗降口側および昇降路より遠い側の端部における面取り部、あるいは切欠部とも称されうる。
【0024】
図3は、据付構造1をY方向に見た側面図であって、支持部材10と支持部材20とが結合される前の状態を示す図である。また、
図4は、据付構造1をY方向に見た側面図であって、支持部材10と支持部材20とが結合された後の状態を示す図である。
図1,3,4に示されるように、支持部材10,20が結合される前、換言すれば、三方枠100と乗場敷居200とが固定される前の状態にあっては、支持部材10の壁部12は支持部材20の壁部22上に載置可能である。支持部材10は、支持部材20上に、下面12bと上面22aとが接触した状態で載せられる。また、支持部材10は、支持部材20上に載せられた状態で、下面12bと上面22aとが摺れながら、下面12bおよび上面22aに沿って、支持部材20に対してX方向にスライド可能となるように構成されている。このような構成により、作業者は、三方枠100を、支持部材10の壁部12を支持部材20の壁部22上に載せた状態で、乗場敷居200に対して、X方向にスライドすることができる。
【0025】
また、
図4に示されるように、三方枠100と乗場敷居200とのX方向における相対移動は、支持部材10の壁部13と支持部材20の壁部21,22とが当接することによって制限される。
図3,4から明らかとなるように、三方枠100および支持部材10の、乗場敷居200および支持部材20に対するX方向の反対方向への移動は、壁部13のX方向の反対方向の側面10bと、壁部21,22のX方向の端部20bとの当接により、制限される。壁部13およびその側面10bと、壁部21,22およびその端部20bとは、X方向(横方向)に面し、かつ互いに接触する。壁部13およびその側面10bは、第一の接触部の一例であり、かつX方向(横方向)における位置決め部の一例である。壁部21,22およびその端部20bは、第二の接触部の一例であり、かつX方向(横方向)における位置決め部の一例である。なお、側面10bは、端部と称されうる。
【0026】
図5は、据付構造1をX方向の反対方向に見た側面図であって、支持部材10と支持部材20とが結合される前の状態を示す図である。また、
図6は、据付構造1をX方向の反対方向に見た側面図であって、支持部材10と支持部材20とが結合された後の状態を示す図である。上述したように、支持部材10は、支持部材20上に、下面12bと上面22aとが接触した状態で載せられる。また、支持部材10は、支持部材20上に載せられた状態で、下面12bと上面22aとが摺れながら、下面12bおよび上面22aに沿って、支持部材20に対してY方向にもスライド可能となるように構成されている。このような構成により、作業者は、三方枠100を、支持部材10の壁部12を支持部材20の壁部22上に載せた状態で、乗場敷居200に対して、X方向およびY方向に、すなわち、上下方向(Z方向)と直交する方向(横方向)に、スライドすることができる。
【0027】
また、
図6に示されるように、三方枠100と乗場敷居200とのY方向における相対移動は、支持部材10の壁部13と乗場敷居200とが当接することによって制限される。
図5,6から明らかとなるように、三方枠100および支持部材10の、乗場敷居200および支持部材20に対するY方向への移動は、壁部13のY方向の端部10cと、乗場敷居200の側面200bとの当接により、制限される。壁部13およびその端部10cと、乗場敷居200およびその側面200bとは、Y方向(横方向)に面し、かつ互いに接触する。壁部13およびその端部10cは、第一の接触部の一例であり、かつY方向(横方向)における位置決め部の一例である。乗場敷居200およびその側面200bは、第二の接触部の一例であり、かつY方向(横方向)における位置決め部の一例である。なお、側面200bは、端部と称されうる。
【0028】
そして、
図4,6に示されるように、支持部材10および支持部材20が位置決めされた状態で、支持部材10と支持部材20とが、結合部材30によって結合される。結合部材30は、例えば、ボルト(ねじ)である。
図1に示されるように、結合部材30の雄ねじ部30aは、支持部材10の壁部12の貫通孔12cを貫通し、支持部材20の壁部22の貫通孔22cに設けられた雌ねじ部に、結合される。貫通孔12cの直径は、寸法公差等によるずれが生じても結合部材30が貫通できるよう、結合部材30の雄ねじ部30aの直径よりも大きく設定されている。結合部材30によって支持部材10と支持部材20とを結合することにより、三方枠100と乗場敷居200とが固定される。本実施形態によれば、三方枠100と乗場敷居200とを固定する構成が支持部材10,20とは別個に設けられた構成に比べて、据付構造1がより簡素化されやすい。雄ねじ部30aは、棒状部の一例である。
【0029】
以上、説明したように、本実施形態では、支持部材10が、下面12b(第一の面)、側面10b(第一の接触部)、および端部10c(第一の接触部)を有し、支持部材20が、上面22a(第二の面)および端部20b(第二の接触部)を有し、乗場敷居200が、側面200b(第二の接触部)を有する。このような構成において、三方枠100と乗場敷居200とは、互いに固定されていない状態では、支持部材10と支持部材20とは、上面22aと下面12bとが摺れる状態でスライド可能に構成され、当該スライドが、側面10bと端部20bとの当接、および端部10cと側面200bとの当接によって、制限されるよう、構成されている。よって、作業者は、三方枠100を、支持部材20上に支持部材10を載せた状態で、横方向にスライドさせ、側面10bと端部20bとが当接し、かつ端部10cと側面200bとが当接する位置で、三方枠100と乗場敷居200とを位置決めすることができる。したがって、本実施形態によれば、例えば、作業者が、三方枠100を、乗場敷居200とより精度良く位置決めされた位置に、より容易に据え付けることができる、という効果が得られる。
【0030】
また、本実施形態では、支持部材10は、X方向の位置決め部として機能する側面10bと、Y方向の位置決め部として機能する端部10cと、を有した。すなわち、支持部材10を、横方向に含まれる異なる二方向における位置決め部として、機能させることができる。よって、例えば、異なる二方向の位置決め部材が別個に設けられた構成に比べて、構成が簡素化されうる。
【0031】
また、本実施形態では、支持部材10の、Y方向の位置決め部として機能する端部10cは、乗場敷居200の側面200bに当接する。すなわち、乗場敷居200は、横方向のうち一方向における位置決め部として、機能している。よって、例えば、支持部材20が異なる二方向の位置決め部として機能する構成に比べて、支持部材20の構成が簡素化されうる。
【0032】
また、本実施形態では、支持部材10は、壁部11(第一の固定壁部)、壁部12(第一の支持壁部)、および壁部13(第一の突出壁部)を有し、支持部材20は、壁部21(第二の固定壁部)および壁部22(第二の支持壁部)を有する。また、本実施形態では、支持部材10の壁部13の側面10b(端部、第一の接触部)と、支持部材20の壁部21,22の端部20b(第二の接触部)とが、X方向(横方向)に面するとともに当接し、支持部材10の壁部13の端部10c(第一の接触部)と、乗場敷居200の側面200b(端部、第二の接触部)とが、Y方向(横方向)に面するとともに当接する。よって、例えば、支持部材10、支持部材20、第一の接触部、および第二の接触部が、比較的簡素に構成されうる。
【0033】
また、本実施形態では、
図2に示されるように、支持部材10の乗降口側および乗降口から遠い側の端部には傾斜部10aが設けられるとともに、支持部材20の乗降口側および乗降口から遠い側の端部には傾斜部20aが設けられている。よって、本実施形態によれば、
図2中に二点鎖線で示されるように、昇降路から離れるほど縦枠間の距離が長くなるような傾斜した壁部101aを有した三方枠100Aに対しても、支持部材10,20を適用することができる。
【0034】
なお、左側の縦枠に固定される支持部材(不図示)、および当該左側の縦枠に設けられる支持部材に対応して乗場敷居200に固定される支持部材(不図示)にあっては、X方向に位置決めするための構成は省略されうる。
【0035】
<第1実施形態の変形例>
図7は、変形例の据付構造1Aの分解斜視図である。
図7の変形例では、結合部材31が、上記第1実施形態の結合部材とは異なる。すなわち、結合部材31は、支持部材20Aの壁部22から上方へ向けて突出した雄ねじ部31aと、雄ねじ部31aに結合されるナット31bと、を有する。雄ねじ部31aは、例えば、例えばスタッドボルト(植え込みボルト)や、溶接により固定されたボルトである。支持部材10Aの壁部12に設けられた貫通孔12cは、例えばX方向に長い長穴状に形成されている。貫通孔12cの幅は、雄ねじ部31aの直径よりも大きく設定されている。作業者は、支持部材10Aの壁部12を、雄ねじ部31aが貫通孔12cを貫通する状態で、支持部材20Aの壁部22上に載せる。作業者は、支持部材10Aを支持部材20Aに対して相対的にX方向の反対方向にスライドさせることにより第1実施形態と同様に支持部材10Aと支持部材20AとをX方向に位置決めした後、貫通孔12cを貫通した雄ねじ部31aのうち、壁部12よりも上方に突出した部分に、ナット31bが結合され、ナット31bを締め付けることにより、支持部材10Aと支持部材20Aとを結合することができる。このような変形例の構成によっても、第1実施形態と同様の効果が得られる。雄ねじ部31aは、棒状部の一例である。なお、支持部材10Aの壁部12から下方に突出し貫通孔22cを貫通した結合部材31に、ナット31bが結合される構成であってもよい。
【0036】
<第2実施形態>
図8〜10に示される本実施形態の据付構造1Bは、上記第1実施形態の据付構造1と同様の構成要素を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第1実施形態と同様の作用や効果(結果)が得られる。ただし、本実施形態では、支持部材10B,20Bの構成が、第1実施形態とは相違している。
【0037】
図8は、据付構造1Bの分解斜視図である。
図9は、据付構造1BをY方向に見た側面図である。
図10は、据付構造1BをX方向に見た側面図である。
【0038】
図8〜10に示されるように、支持部材10Bは、壁部101bに、溶接等によって固定されている。壁部11は、壁部101bの昇降路とは反対側の面に沿って、上下方向に延びている。壁部11は、X方向およびZ方向に沿って延びた四角形状かつ板状に構成されている。壁部11は、第一の固定壁部の一例である。壁部12は、壁部11の下端部から昇降路とは反対側に、すなわちY方向の反対方向に延びている。壁部13は、壁部12の端部のうち、壁部11と接続された端部とは異なる端部、すなわち壁部11とは反対側の端部から、下方向に突出している。壁部13は、X方向およびZ方向に沿って延びた四角形状かつ板状に構成されている。
【0039】
支持部材20Bは、壁部23を有している。壁部23は、壁部22の端部のうち、壁部21と接続された端部とは異なる端部、すなわちX方向の端部から、上方向に突出している。壁部23は、Y方向およびZ方向に沿って延びた四角形状かつ板状に構成されている。壁部23は、第二の突出壁部の一例である。
【0040】
本実施形態でも、支持部材10B,20Bが結合される前、換言すれば、三方枠100と乗場敷居200とが固定される前の状態にあっては、支持部材10Bは、支持部材20B上に載せられた状態で、下面12bと上面22aとが摺れながら、下面12bおよび上面22aに沿って、上下方向(Z方向)と直交する方向(横方向)にスライド可能となるように構成されている。よって、本実施形態でも、作業者は、三方枠100を、支持部材10Bの壁部12を支持部材20Bの壁部22上に載せた状態で、乗場敷居200に対して横方向にスライドすることができる。
【0041】
図9に示されるように、三方枠100と乗場敷居200とのX方向における相対移動は、支持部材10Bの壁部12と支持部材20Bの壁部23とが当接することによって制限される。三方枠100および支持部材10Bの、乗場敷居200および支持部材20Bに対するX方向への移動は、壁部12のX方向の端部10cと、壁部23のX方向の反対方向の側面20cとの当接により、制限される。壁部12およびその端部10cと、壁部23およびその側面20cとは、X方向(横方向)に面し、かつ互いに接触する。壁部12およびその端部10cは、第一の接触部の一例であり、かつX方向(横方向)における位置決め部の一例である。壁部23およびその側面20cは、第二の接触部の一例であり、かつX方向(横方向)における位置決め部の一例である。なお、側面20cは、端部と称されうる。
【0042】
図10に示されるように、三方枠100と乗場敷居200とのY方向における相対移動は、支持部材10Bの壁部13と支持部材20Bの壁部22とが当接することによって制限される。三方枠100および支持部材10Bの、乗場敷居200および支持部材20Bに対するY方向への移動は、壁部13のY方向の側面10dと、壁部22のY方向の反対方向の端部20dとの当接により、制限される。壁部13およびその側面10dと、壁部22およびその端部20dとは、Y方向(横方向)に面し、かつ互いに接触する。壁部13およびその側面10dは、第一の接触部の一例であり、かつY方向(横方向)における位置決め部の一例である。壁部22およびその端部20dは、第二の接触部の一例であり、かつY方向(横方向)における位置決め部の一例である。なお、側面10dは、端部と称されうる。
【0043】
このように、本実施形態では、支持部材10B,20Bの構成が第1実施形態とは異なるものの、第1実施形態と同様の効果が得られる。
【0044】
<第3実施形態>
図11,12に示される本実施形態の据付構造1Cは、上記第2実施形態の据付構造1Bと同様の構成要素を備えている。よって、本実施形態によっても、上記第2実施形態と同様の作用や効果(結果)が得られる。ただし、本実施形態では、支持部材10C,20Cの構成が、第2実施形態とは相違している。
【0045】
図11は、据付構造1CをY方向に見た側面図である。
図12は、据付構造1CをX方向に見た側面図である。
【0046】
図11,12を
図9,10と比較すれば明らかとなるように、支持部材10Cは、壁部13を有さない点が、第2実施形態の支持部材10Bと相違している。また、支持部材20Cの壁部23は上方(Z方向)かつY方向(昇降路側)に延びており、支持部材10Bの壁部23よりも大きい。
【0047】
本実施形態でも、支持部材10C,20Cが結合される前、換言すれば、三方枠100と乗場敷居200とが固定される前の状態にあっては、支持部材10Cは、支持部材20C上に載せられた状態で、下面12bと上面22aとが摺れながら、下面12bおよび上面22aに沿って、上下方向(Z方向)と直交する方向(横方向)にスライド可能となるように構成されている。よって、本実施形態でも、作業者は、三方枠100を、支持部材10Cの壁部12を支持部材20Cの壁部22上に載せた状態で、乗場敷居200に対して横方向にスライドすることができる。
【0048】
X方向の位置決め構造は、第2実施形態と同じである。すなわち、本実施形態でも、壁部12およびその端部10cは、第一の接触部の一例であり、かつX方向(横方向)における位置決め部の一例である。壁部23およびその側面20cは、第二の接触部の一例であり、かつX方向(横方向)における位置決め部の一例である。
【0049】
図12に示されるように、三方枠100と乗場敷居200とのY方向における相対移動は、支持部材10Cの壁部11と支持部材20Cの壁部23とが当接することによって制限される。三方枠100および支持部材10Cの、乗場敷居200および支持部材20Cに対するY方向への移動は、壁部11のY方向の反対方向の側面10eと、壁部23のY方向の端部20eとの当接により、制限される。壁部11およびその側面10eと、壁部23およびその端部20eとは、Y方向(横方向)に面し、かつ互いに接触する。壁部11およびその側面10eは、第一の接触部の一例であり、かつY方向(横方向)における位置決め部の一例である。壁部23およびその端部20eは、第二の接触部の一例であり、かつY方向(横方向)における位置決め部の一例である。なお、側面10eは、三方枠100の縦枠101(例えば、壁部101b)に接触してもよい。側面10eは、端部と称されうる。
【0050】
このように、本実施形態では、支持部材10C,20Cの構成が第2実施形態とは異なるものの、第2実施形態と同様の効果が得られる。
【0051】
以上、本発明の実施形態を例示したが、上記実施形態は一例であって、発明の範囲を限定することは意図していない。これら実施形態は、その他の様々な形態で実施されることが可能であり、発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の省略、置き換え、組み合わせ、変更を行うことができる。これら実施形態は、発明の範囲や要旨に含まれるとともに、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。また、各実施形態や各変形例の構成や形状は、部分的に入れ替えて実施することも可能である。また、各構成や形状等のスペック(構造や、種類、方向、形状、大きさ、長さ、幅、厚さ、高さ、数、配置、位置、材質等)は、適宜に変更して実施することができる。
【0052】
例えば、第一の支持部材および第二の支持部材の構成や、形状、配置、大きさ、広さ、三方枠および乗場敷居への固定位置等は、種々に変更されうる。また、第一の面および第二の面のうち一方は、複数箇所に分散して設けられてもよい。また、第一の支持部材の三方枠への固定、および第二の支持部材の乗場敷居への固定については、例えばねじなどの結合具が用いられる等、溶接以外の結合方式あるいは結合構造が採用されてもよい。また、横方向のうちの二つの方向は、X方向、X方向の反対方向、Y方向、およびY方向の反対方向には限定されず、横方向のうち互いに交差する二つの方向であればよい。また、第一の接触部と第二の接触部の組み合わせは、端部と側面とには限定されず、端部と端部や、側面と側面であってもよい。