特許第6174118号(P6174118)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6174118
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】シャンプー組成物
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/60 20060101AFI20170724BHJP
   A61K 8/37 20060101ALI20170724BHJP
   A61K 8/46 20060101ALI20170724BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20170724BHJP
   A61K 8/891 20060101ALI20170724BHJP
   A61K 8/898 20060101ALI20170724BHJP
   A61Q 5/02 20060101ALI20170724BHJP
   C11D 1/29 20060101ALI20170724BHJP
   C11D 1/14 20060101ALI20170724BHJP
   C11D 3/20 20060101ALI20170724BHJP
   C11D 3/37 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   A61K8/60
   A61K8/37
   A61K8/46
   A61K8/73
   A61K8/891
   A61K8/898
   A61Q5/02
   C11D1/29
   C11D1/14
   C11D3/20
   C11D3/37
【請求項の数】11
【全頁数】32
(21)【出願番号】特願2015-506684(P2015-506684)
(86)(22)【出願日】2014年3月4日
(86)【国際出願番号】JP2014055451
(87)【国際公開番号】WO2014148245
(87)【国際公開日】20140925
【審査請求日】2016年7月26日
(31)【優先権主張番号】特願2013-57557(P2013-57557)
(32)【優先日】2013年3月21日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000006769
【氏名又は名称】ライオン株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100107515
【弁理士】
【氏名又は名称】廣田 浩一
(74)【代理人】
【識別番号】100107733
【弁理士】
【氏名又は名称】流 良広
(74)【代理人】
【識別番号】100115347
【弁理士】
【氏名又は名称】松田 奈緒子
(72)【発明者】
【氏名】谷口 香織
【審査官】 池田 周士郎
(56)【参考文献】
【文献】 特開平11−228383(JP,A)
【文献】 特開2004−059560(JP,A)
【文献】 特開2006−273838(JP,A)
【文献】 特開2006−219449(JP,A)
【文献】 特開平11−263715(JP,A)
【文献】 特開2006−182723(JP,A)
【文献】 特開2004−018439(JP,A)
【文献】 特表2010−512406(JP,A)
【文献】 特開2007−045726(JP,A)
【文献】 特表2005−506989(JP,A)
【文献】 特開2000−319116(JP,A)
【文献】 国際公開第2012/117828(WO,A1)
【文献】 特開2008−115107(JP,A)
【文献】 特開2012−106962(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/00− 8/99
A61Q 1/00−90/00
CAplus/REGISTRY/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS/KOSMET(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
(A)硫酸残基を有するアニオン性界面活性剤と、
(B)没食子酸配糖体と、
(C)光沢付与剤と、
(D)カチオン性ポリマーと、
(E)シリコーン化合物を0.15質量%〜5.0質量%と、
を含有し、
前記(B)成分及び前記(C)成分と、前記(A)成分及び前記(D)成分との質量比(B+C)/(A+D)が、0.05〜0.6であり、
前記(A)成分が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(A1)とアルキル硫酸塩(A2)とを含有し、
前記(D)成分が、カチオン化グアーガム(D1)及びカチオン化セルロース(D2)からなり、前記(D1)成分と前記(D2)成分との質量比D1/D2が、2〜20であり、
前記(E)成分が、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン(E1)及びアミノ変性シリコーン(E2)からなり、前記(E1)成分と前記(E2)成分との質量比E1/E2が、2〜30であり、
pHが、5.0〜6.0であることを特徴とするシャンプー組成物。
【請求項2】
(A)硫酸残基を有するアニオン性界面活性剤を10質量%〜25質量%と、
(B)没食子酸配糖体を0.05質量%〜3質量%と、
(C)光沢付与剤を1.2質量%〜4.5質量%と、
(D)カチオン性ポリマーを0.2質量%〜1.5質量%と、
を含有する請求項1に記載のシャンプー組成物。
【請求項3】
(D1)成分の窒素含量が1質量%〜1.8質量%であり、(D2)成分の窒素含量が1.5質量%〜2.2質量%である請求項1から2のいずれかに記載のシャンプー組成物。
【請求項4】
(A1)成分と(A2)成分との質量比A1/A2が、1〜7である請求項1から3のいずれかに記載のシャンプー組成物。
【請求項5】
(A1)成分が3質量%〜24質量%であり、(A2)成分が1質量%〜15質量%である請求項1から4のいずれかに記載のシャンプー組成物。
【請求項6】
(D1)成分が0.075質量%〜4.5質量%であり、(D2)成分が0.01質量%〜1質量%である請求項1から5のいずれかに記載のシャンプー組成物。
【請求項7】
(A1)成分が、下記一般式(A1)で表されるアニオン性界面活性剤であり、(A2)が、下記一般式(A2)で表されるアニオン性界面活性剤である請求項1から6のいずれかに記載のシャンプー組成物。
O(CHCHO)SO ・・・ 一般式(A1)
〔ただし、前記一般式(A1)において、Rは、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは、アルカリ金属、アンモニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを示し、mは、平均付加モル数で1〜5の数を示す。〕
OSO ・・・ 一般式(A2)
〔ただし、前記一般式(A2)において、Rは、炭素数10〜18のアルキル基を示し、Mは、アルカリ金属、アンモニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを示す。〕
【請求項8】
(B)成分が、没食子酸メチルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−4−グルコシド、没食子酸プロピルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルコシド、没食子酸−3−マルトシド、没食子酸オクチル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルクロニド、没食子酸ガラクツロニド、没食子酸メチルエステル−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド、及び没食子酸−3,5−ジグルコシドから選択される少なくとも1種である請求項1から7のいずれかに記載のシャンプー組成物。
【請求項9】
(C)成分が、ヒドロキシステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸モノエタノールアミド、及びステアリン酸モノエタノールステアレートから選択される少なくとも1種である請求項1から8のいずれかに記載のシャンプー組成物。
【請求項10】
(E1)成分が、25℃における動粘度が10,000mm/s〜30,000,000mm/sであるトリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサンを含有する請求項1から9のいずれかに記載のシャンプー組成物。
【請求項11】
(E2)成分が、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体、アミノ変性オルガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とのブロック鎖を有する共重合体、及びアミノプロピルジメチコンから選択される少なくとも1種である請求項1から10のいずれかに記載のシャンプー組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、シャンプー組成物に関する。
【背景技術】
【0002】
一年を通じて平均気温が25℃以上、平均相対湿度が約70%と高温高湿度の気候が特徴的な東南アジアでは、近年、エアコン等を使用する習慣も形成されてきている。そこで、室内と室外で気温及び湿度が大きく異なる環境下において、どちらの環境においても髪のパサツキを防ぎ、なめらかさとやわらかさを併せ持ちつつも軽さが良好なシャンプー組成物の提供が強く求められている。
【0003】
従来より、洗髪後の仕上がり感を向上させる目的で、シャンプー使用後にコンディショナー、トリートメントを使用するのが一般的である。また、シャンプーしただけで乾燥後の毛髪の風合いを改善する効果を有するシャンプー組成物に関する技術が数多く提案され、コンディショニングシャンプーとして市販されている。例えば、感触付与剤としてカチオン化ポリマー、各種シリコーン、油分、カチオン性界面活性剤等をシャンプー組成物に配合することが提案されている(例えば、特許文献1〜4参照)。
また、損傷毛及び毛髪のきしみ改善のために、没食子酸配糖体をシャンプー組成物に配合することが提案されている(例えば、特許文献5及び6参照)。
しかしながら、これらの提案の技術は、高温高湿度下において、コンディショニングシャンプーでは、毛髪がべたつき、毛髪同士がくっついて、スタイリングしにくく、毛髪の軽さ、なめらかさ及びやわらかさが損なわれしまうことがある。
【0004】
したがって、高温高湿度下とエアコンの効いた低湿度下との環境変化が激しい地域においても毛髪が広がらずにスタイリングしやすく、毛髪同士がくっつかないで、軽く仕上がり、なめらかさとやわらかさを併せ持ち、使用性に優れたシャンプー組成物の提供が望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特表2010−512406号公報
【特許文献2】特開2007−45726号公報
【特許文献3】特開2006−219449号公報
【特許文献4】特表2005−506989号公報
【特許文献5】特開2000−319116号公報
【特許文献6】特開2004−059560号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明は、従来における前記諸問題を解決し、以下の目的を達成することを課題とする。即ち、本発明は、高温高湿度下とエアコンの効いた低湿度下との環境変化が激しい地域においても毛髪が広がらずに、スタイリングしやすく、毛髪同士がくっつかないで、軽く仕上がり、なめらかさとやわらかさを併せ持ち、使用性に優れたシャンプー組成物を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
前記課題を解決するための手段としての本発明のシャンプー組成物は、
(A)硫酸残基を有するアニオン性界面活性剤と、
(B)没食子酸配糖体と、
(C)光沢付与剤と、
(D)カチオン性ポリマーと、
(E)シリコーン化合物を0.15質量%〜5.0質量%と、
を含有し、
前記(B)成分及び前記(C)成分と、前記(A)成分及び前記(D)成分との質量比(B+C)/(A+D)が、0.05〜0.6であり、
前記(A)成分が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(A1)とアルキル硫酸塩(A2)とを含有し、
前記(D)成分が、カチオン化グアーガム(D1)及びカチオン化セルロース(D2)からなり、前記(D1)成分と前記(D2)成分との質量比D1/D2が、2〜20であり、
前記(E)成分が、ジメチルポリシロキサン(E1)及びアミノ変性シリコーン(E2)からなり、前記(E1)成分と前記(E2)成分との質量比E1/E2が、2〜30である。
【発明の効果】
【0008】
本発明によれば、従来における前記諸問題を解決し、前記目的を達成することができ、高温高湿度下とエアコンの効いた低湿度下との環境変化が激しい地域においても毛髪が広がらずに、スタイリングしやすく、毛髪同士がくっつかないで、軽く仕上がり、なめらかさとやわらかさを併せ持ち、使用性に優れたシャンプー組成物を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0009】
(シャンプー組成物)
本発明のシャンプー組成物は、硫酸残基を有するアニオン性界面活性剤(以下、「(A)成分」と称することがある)と、没食子酸配糖体(以下、「(B)成分」と称することがある)と、光沢付与剤(以下、「(C)成分」と称することがある)と、カチオン性ポリマー(以下、「(D)成分」と称することがある)と、シリコーン化合物(以下、「(E)成分」と称することがある)とを含有し、更に必要に応じて、その他の成分を含有する。
【0010】
<(A)成分:硫酸残基を有するアニオン性界面活性剤>
前記(A)成分であるアニオン性界面活性剤は、適度な泡を形成し、かつ毛髪に付着した汚れを除去する洗浄基剤となる成分である。
【0011】
前記(A)成分としては、硫酸残基を有していれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルキル硫酸塩、アルケニル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アミドエーテル硫酸塩、などが挙げられる。
【0012】
前記塩としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ナトリウム、カリウム等のアルカリ金属;アンモニウム;アルカノールアミン、などが挙げられる。
【0013】
これらの中でも、前記(A)成分としては、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシアルキレンアルケニルエーテル硫酸塩、アルキル硫酸塩が好ましく、下記一般式(A1)で表されるアニオン性界面活性剤(以下、「(A1)成分」と称することがある)、下記一般式(A2)で表されるアニオン性界面活性剤(以下、「(A2)成分」と称することがある)がより好ましい。
O(CHCHO)SO ・・・ 一般式(A1)
〔ただし、前記一般式(A1)において、Rは、炭素数10〜18のアルキル基又はアルケニル基を示し、Mは、アルカリ金属、アンモニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを示し、mは、平均付加モル数で1〜5の数を示す。〕
OSO ・・・ 一般式(A2)
〔ただし、前記一般式(A2)において、Rは、炭素数10〜18のアルキル基を示し、Mは、アルカリ金属、アンモニウム、及びアルカノールアミンのいずれかを示す。〕
【0014】
前記シャンプー組成物中での溶解安定性と、洗髪時の毛髪の指通りよさとを両立する観点から、前記一般式(A1)におけるR及び/又は前記一般式(A2)におけるRは、炭素数12〜16のアルキル基が好ましい。また、すすぎ時の毛髪になめらかさを付与できる点で、前記一般式(A1)におけるmは、2〜3が好ましい。更に、前記一般式(A1)におけるM又は前記一般式(A2)におけるMは、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、洗髪後の毛髪の乾きが速く、毛髪のスタイリングのしやすさの点で、アンモニウムが特に好ましい。
【0015】
前記(A)成分としては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記市販品の具体例としては、商品名で、Texapon ALES 70(POE(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、BASF社製)、シノリンSPE−1250(POE(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム、新日本理化株式会社製)等の(A1)成分;Texapon ALS 70(ラウリル硫酸アンモニウム、BASF社製)、Texapon K12(ラウリル硫酸ナトリウム、BASF社製)等の(A2)成分、などが挙げられる。
これらの中でも、すすぎ時の毛髪のなめらかさの点から、前記(A1)成分として、Texapon ALES 70(POE(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム、前記(A2)成分として、Texapon ALS 70(ラウリル硫酸アンモニウム、BASF社製)が好ましい。
【0016】
前記(A)成分としては、前記(A1)成分と前記(A2)成分とを併用することが特に好ましい。前記(A)成分が、前記(A1)成分のみの場合、高湿度下での毛髪のスタイリングのしやすさ、及びすすぎ時の毛髪のなめらかさが低下したり、十分な泡立ちを得ることができないことがある。また、前記(A)成分が、前記(A2)成分のみの場合、高湿度下での毛髪のスタイリングのしやすさ、及びすすぎ時の毛髪のなめらかさが低下したり、すすぎ時の毛髪のなめらかさが不十分になることがある。
【0017】
前記(A1)成分の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シャンプー組成物全量に対して、3質量%〜24質量%が好ましく、5質量%〜22質量%がより好ましく、7質量%〜15質量%が特に好ましい。前記(A1)成分の含有量が、3質量%未満であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがあり、24質量%を超えると、すすぎ時の泡切れが悪くなること、粘性が高くなり使用性が悪くなることがある。
【0018】
前記(A2)成分の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シャンプー組成物全量に対して、1質量%〜15質量%が好ましく、2質量%〜12質量%がより好ましく、3質量%〜10質量%が特に好ましい。前記(A2)成分の含有量が、1質量%未満であると、すすぎ時の泡切れが悪くなることがあり、15質量%を超えると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがある。
【0019】
前記(A)成分の含有量(前記(A1)成分と前記(A2)成分との合計含有量)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡立ちの良さ、すすぎ時の泡切れがよさ、及びすすぎ時の毛髪のなめらかさの点から、前記シャンプー組成物全量に対して、5質量%〜30質量%が好ましく、10質量〜25質量%がより好ましく、12質量%〜20質量%が特に好ましい。前記(A)成分の含有量が、5質量%未満であると、泡立ちが悪くなること、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがあり、30質量%を超えると、粘性が高く使用性が悪いこと、すすぎ時の泡切れが悪くなること、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがある。
【0020】
前記(A1)成分と前記(A2)との質量比A1/A2は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、泡性能及びすすぎ時の毛髪のなめらかさ、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)において乾燥後の毛髪のべたつきを防ぐ点から、1〜7が好ましく、1.3〜4がより好ましい。前記質量比A1/A2が、1未満であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがあり、7を超えると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)において乾燥後の毛髪のべたつきが生じ、スタイリングしにくく、毛髪の軽さ、及び乾燥後の毛髪のなめらかさが低下することがある。
【0021】
<(B)成分:没食子酸配糖体>
前記(B)成分である没食子酸配糖体は、乾燥後の毛髪のやわらかさが得られ、低湿度下(温度25℃で湿度40%RH)においても毛髪が広がらずに、スタイリングしやすく、かつ毛髪同士がくっつきにくく、毛髪がべたつかなくなり、毛髪が軽く仕上がるという機能を付与することができる成分である。
前記没食子酸配糖体としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、没食子酸メチルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−4−グルコシド、没食子酸プロピルエステル−3−グルコシド、没食子酸メチルエステル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルコシド、没食子酸−3−マルトシド、没食子酸オクチル−3−マルトシド、没食子酸−3−グルクロニド、没食子酸ガラクツロニド、没食子酸メチルエステル−3,5−ジグルコシド、没食子酸−3,4−ジグルコシド、没食子酸−3,5−ジグルコシドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、乾燥後の毛髪のやわらかさの点から、没食子酸−3,4−ジグルコシド、没食子酸−3,5−ジグルコシドが特に好ましい。
【0022】
前記(B)成分の没食子酸配糖体としては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。前記市販品としては、例えば、没食子酸−3,4−ジグルコシド(DGA、三井化学株式会社製)、没食子酸−3,5−ジグルコシド(DGA、三井化学株式会社製)、などが挙げられる。
【0023】
前記(B)成分の没食子酸配糖体の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シャンプー組成物全量に対して、0.01質量%〜7.5質量%が好ましく、0.05質量%〜3質量%がより好ましく、0.1質量%〜1質量%が更に好ましい。前記含有量が、0.01%質量未満であると、毛髪のやわらかさを得ることができず、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪が広がりすぎ、スタイリングしにくくなってしまうことがある。前記含有量が、7.5質量%を超えると、毛髪への吸着量が過剰になり、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)、低温低湿度下(温度25℃で湿度40%RH)共に、毛髪同士がくっついて毛髪のスタイリングがしにくく、べたついて毛髪の軽さが低下することがある。
【0024】
<(C)成分:光沢付与剤>
前記(C)成分としての光沢付与剤(「光沢剤」、「パール化剤」、「パール付与剤」などと称することもある。)は、前記シャンプー組成物にパール様の光沢を付与することができる。これにより、商品価値を高めることができる点で有利である。
また、前記(C)成分は、パール様の光沢をシャンプー組成物に付与するだけでなく、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)において毛髪が広がらず、毛髪同士がくっつきにくいため、毛髪のスタイリングがしやすく、毛髪がべたつかず軽く仕上がる。
【0025】
前記(C)成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール又はトリエチレングリコールのステアリン酸エステルが好ましく、具体的には、ヒドロキシステアレート、ポリエチレングリコールモノステアレート、ポリエチレングリコールジステアレート、エチレングリコールモノステアレート、エチレングリコールジステアレート、ステアリン酸モノエタノールアミド、ステアリン酸モノエタノールステアレートなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)において毛髪が広がらずに毛髪のスタイリングがしやすく、軽く仕上がり、乾燥後の毛髪のなめらかさ、及びパールの安定性の点から、エチレングリコールジステアレートが特に好ましい。
【0026】
前記(C)成分は、一般的にシャンプー組成物中に結晶物として分散することにより、パール様の光沢をシャンプー組成物に付与することができる。
前記結晶物の分散液を調製する方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記(C)成分を融解し、該(C)成分の融点以上に保持した界面活性剤水溶液中に該(C)成分を分散混合したものを、冷却する方法などが挙げられる。
【0027】
前記シャンプー組成物中に、前記(C)成分の結晶物の分散液を、前記(C)成分が所定濃度になるように添加することにより、前記シャンプー組成物にパール様の光沢を好適に付与することができる。
【0028】
前記(C)成分の結晶物の分散液のメディアン粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.5μm〜6μmが好ましく、1μm〜3μmがより好ましい。前記メディアン粒径が、0.5μm未満であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することなどがあり、更にパール様の光沢が付与できず高級感が失われることがある。前記メディアン粒径が、6μmを超えると、乾燥後の毛髪の軽さ、毛先のさらさら感が低下することがあり、好ましい洗浄実感が低下することがある。
【0029】
また、前記(C)成分の結晶物の分散形状は、針状結晶であることが好ましい。針状結晶を形成することによって、すすぎ時の毛髪のなめらかさが向上する。
【0030】
前記メディアン粒径とは、一般的にD50と表記され、前記分散液をある粒子径から2つに分けたとき、大きい側と小さい側とが等量となる径のことを指す。具体的には、レーザー回析式粒度分布測定器(LA−920、株式会社堀場製作所製)を用い、水に対する相対屈折率を1.08として、前記シャンプー組成物に添加する前に予め調製した前記(C)成分の結晶物の分散液の粒度分布を測定することにより、前記メディアン粒径を計算することができる。
【0031】
前記(C)成分の光沢付与剤の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、パール光沢付与の点から、前記シャンプー組成物全量に対して、1質量%〜5質量%が好ましく、1.2質量%〜4.5質量%がより好ましい。前記含有量が、1質量%未満であると、パール外観が弱くなり、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪同士がくっつきやすく、毛髪のスタイリングがしにくく、毛髪の軽さ、及び毛髪のなめらかさが低下することがあり、5質量%を超えると、乾燥後の毛髪のなめらかさが低下し、使用性(ボトルからの出しやすさ)が劣ることがある。
【0032】
<(D)成分:カチオン性ポリマー>
前記(D)成分であるカチオン性ポリマーは、カチオン化グアーガム(以下、「(D1)成分」と称することがある)及びカチオン化セルロース(以下、「(D2)成分」と称することがある)からなる。
【0033】
<<(D1)成分:カチオン化グアーガム>>
前記(D1)成分としてのカチオン化グアーガムは、グアーヒドロキシプロピルトリモニウムクロリド、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]グアーガムなどとも呼ばれる。
【0034】
前記(D1)成分の窒素含量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の毛髪になめらかさを付与することができる点から、1質量%〜1.8質量%のものが好ましく、1.1質量%〜1.45質量%のものがより好ましい。
前記窒素含量は、ケルダール法により、前記(D1)成分を硫酸で分解して硫酸アンモニウムとし、そのアンモニアを定量することにより測定できる。詳細には、「医薬部外品原料規格2006(薬事日報社)」一般試験法 44.窒素定量法を参考に記載された方法により測定できる。
【0035】
前記(D1)成分としては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。前記市販品の好ましい具体例としては、商品名で、JAGUAR C14S(窒素含量:1.3質量%〜1.7質量%)、JAGUAR Excel(窒素含量:1.0質量%〜3.0質量%)、Jaguar C−500(窒素含量:1.15質量%〜1.45質量%)等のJAGUARシリーズ(Rhodia社製);N−Hance CG14(窒素含量:1.25質量%〜1.55質量%)、N−Hance 3299(窒素含量:1.15質量%〜1.45質量%)、N−Hance CCG45(窒素含量:1.15質量%〜1.45質量%)等のN−Hanceシリーズ(Ashland社製、Aqualon部門);カチナールCG−100S(窒素含量:1.0質量%〜1.7質量%)(東邦化学工業株式会社製); Guarsafe JK140(窒素含量:1.3質量%〜1.7質量%)(JINGKIN CHEMISTRY COMPANY製)などが挙げられる。これらの中でも、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び乾燥後の毛髪のなめらかさの点で、N−Hance 3299、N−Hance CCG45、Jaguar C−500が特に好ましい。
【0036】
前記(D1)成分の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の泡切れのよさ、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び乾燥後の毛髪のなめらかさの点から、前記シャンプー組成物全量に対して、0.075質量%〜4.5質量%が好ましく、0.1質量%〜1.1質量%がより好ましく、0.2質量%〜0.6質量%が更に好ましい。前記(D1)成分の含有量が、0.075質量%未満であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがあり、4.5質量%を超えると、乾燥後の毛髪のやわらかさ、すすぎ時の泡切れ、及び使用性が悪くなることがある。
【0037】
<<(D2)成分:カチオン化セルロース>>
前記(D2)成分としてのカチオン化セルロースは、ポリクオタニウム−10、塩化O−[2−ヒドロキシ−3−(トリメチルアンモニオ)プロピル]ヒドロキシエチルセルロースなどとも呼ばれるトリメチルアンモニウム置換エポキシドと反応させたヒドロキシエチルセルロースの塩である。
【0038】
前記(D2)成分の窒素含量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の泡切れがよく、すすぎ時の毛髪になめらかさを付与することができる点から、1.5質量%〜2.2質量%のものが好ましく、1.6質量%〜2.0質量%のものがより好ましい。
前記窒素含量は、ケルダール法により、前記(D2)成分を硫酸で分解して硫酸アンモニウムとし、そのアンモニアを定量することにより測定できる。詳細には、「医薬部外品原料規格2006(薬事日報社)」一般試験法 44.窒素定量法を参考に記載された方法により測定できる。
【0039】
前記(D2)成分としては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。前記市販品の好ましい具体例としては、商品名で、UCARE Polymer JR400(窒素含量:1.5質量%〜2.2質量%)、UCARE Polymer JR−30M(窒素含量:1.5質量%〜2.2質量%)等のUCARE Polymer JRシリーズ(ダウ・ケミカル社製);カチナールHC 100、カチナールHC 200等のカチナールHCシリーズ(東邦化学工業株式会社製);レオガードGP、レオガードKGP、レオガード MGP等(窒素含量:1.6質量%〜2.0質量%)のレオガードシリーズ(ライオン株式会社製);MICONIUM(登録商標) PQ10−J−400(窒素含量:1.5質量%〜2.2質量%)(MIWON社製)、などが挙げられる。これらの中でも、すすぎ時の泡切れがよく、すすぎ時の毛髪になめらかさを付与することができる点から、MICONIUM(登録商標) PQ10−J−400、レオガードGP、レオガードKGPが特に好ましい。
【0040】
前記(D2)成分の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、すすぎ時の泡切れの良さ、すすぎ時の毛髪のなめらかさの点から、前記シャンプー組成物全量に対して、0.01質量%〜1質量%が好ましく、0.03質量%〜0.7質量%がより好ましく、0.09質量%〜0.5質量%が更に好ましい。前記(D2)成分の含有量が、0.01質量%未満であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがあり、1質量%を超えると、乾燥後の毛髪のやわらかさ、及びすすぎ時の泡切れが悪くなることがある。
【0041】
前記(D1)成分と前記(D2)成分の合計含有量(以下、「(D)成分の含有量」と称することがある)は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シャンプー組成物全量に対して、0.1質量%〜5質量%が好ましく、0.2質量%〜1.5質量%がより好ましく、0.3質量%〜0.8質量%が更に好ましい。前記(D)成分の含有量が、0.1質量%未満であると、乾燥後の毛髪のなめらかさが得られないことがあり、5質量%を超えると、乾燥後の毛髪のやわらかさが低下し、前記シャンプー組成物がゲル化して粘度が高くなり使用性が悪くなることがある。
【0042】
前記(D1)成分と前記(D2)との質量比D1/D2は、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び乾燥後の毛髪のなめらかさの点から、2〜20であり、3〜15が好ましく、3〜9がより好ましい。前記質量比D1/D2が、2未満であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがあり、20を超えると、乾燥後の毛髪のなめらかさが低下することがある。
【0043】
<(E)成分:シリコーン化合物>
前記(E)成分であるシリコーン化合物は、ジメチルポリシロキサン(以下、「(E1)成分」と称することがある)及びアミノ変性シリコーン(以下、「(E2)成分」と称することがある)からなる。
【0044】
<(E1)成分:ジメチルポリシロキサン>
前記(E1)成分は、ジメチルポリシロキサンであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサン、シラノール基末端ジメチルポリシロキサン、などが挙げられる。これらの中でも、乾燥後の毛髪の軽さ、乾燥後の毛髪のなめらかさ、及び毛先にさらさら感を付与することができる点で、トリメチルシリル基末端ジメチルポリシロキサンが好ましい。
【0045】
前記ジメチルポリシロキサンの25℃における動粘度としては、乾燥後の毛髪の軽さ、乾燥後の毛髪のなめらかさ、及び毛先にさらさら感を付与することができる点から、10,000mm/s〜30,000,000mm/sが好ましく、100,000mm/s〜10,000,000mm/sがより好ましく、100,000mm/s〜1,000,000mm/sが特に好ましい。
【0046】
前記ジメチルポリシロキサンの25℃における動粘度は、例えば、下記に示す方法により測定することができる。
1g/100mL濃度のジメチルポリシロキサンのトルエン溶液を調製し、下記式(1)により、比粘度ηsp(25℃)を求める。次に、下記式(2)に示すHugginsの関係式に代入し、固有粘度〔η〕を求める。Huggins定数は、中牟田,日化,77,588,1956に記載のものを用いる。次に、〔η〕を下記式(3)に示すA.Kolorlovの式に代入し、分子量を求める。最後に、Mを下記式(4)に示すA.J.Barryの式に代入し、ジメチルポリシロキサンの動粘度ηを求めることができる。
ηsp=(η/η)−1・・・式(1)
ηsp=〔η〕+K’〔η〕・・・式(2)
〔η〕=0.215×10−40.65・・・式(3)
logη=1.00+0.0123M0.5・・・式(4)
前記式(1)中、「η」は、トルエンの粘度を示し、「η」は、溶液の粘度を示す。
前記η及び前記ηは、化粧品原料基準一般試験法粘度測定法第1法に準拠して測定したものである。
【0047】
前記(E1)成分は、シャンプー組成物の製造の効率性、分散安定性の点から、乳化剤で予めエマルション化することが好ましい。前記(E1)成分をエマルション化する際の、乳化剤や乳化方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
【0048】
前記エマルション中の前記(E1)成分の数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、洗髪時の毛髪の指通りがよく、洗髪後の毛髪の乾きが速い点から、0.5μm〜60μmが好ましく、10μm〜50μmがより好ましく、15μm〜40μmが特に好ましい。前記数平均粒径が、0.5μm未満であると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪同士がくっつきやすく、スタイリングがしにくく、べたつきが生じて毛髪の軽さが低下してしまうことがあり、60μmを超えると、すすぎ時の毛髪のなめらかさが低下することがある。
前記数平均粒径は、光学顕微鏡で観察した粒子の像を任意に100ヶ所コンピューターに取り込み、同倍率とした上で、画像処理(例えば、二次元画像解析ソフトウェアWinROOFなど)することにより求められる。
【0049】
前記(E1)成分としては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。エマルションで市販されている前記(E1)成分の具体例としては、商品名で、BY22−029〔動粘度:100,000mm/s、数平均粒径:0.5μm〕(東レ・ダウコーニング株式会社製)、DC−7137〔動粘度:600,000mm/s、数平均粒径:35μm〕(ダウコーニング社製);KM−902〔動粘度:500,000mm/s、数平均粒径:0.5μm〕(以上、信越化学工業株式会社製);レオフローDMS−55〔動粘度:100,000mm/s、数平均粒径:0.5μm〕、レオフローDMS−60〔動粘度:10,000,000mm/s:4,000,000mm/s:1,000mm/s=15:15:70(質量比)、数平均粒径:0.9μm〕(以上、一方社油脂工業株式会社製);EMU120〔動粘度:900,000mm/s、数平均粒径:20μm〕(モメンティブ社製)などが挙げられる。これらの中でも、乾燥後の毛髪のなめらかさ、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)での毛髪の軽さ、スタイリングのしやすさの点から、DC−7137、EMU120が好ましい。
【0050】
前記(E1)成分の含有量は、乾燥後の毛髪のなめらかさを得る点から、前記シャンプー組成物全量に対して、0.1質量%〜4.8質量%が好ましく、0.5質量%〜3質量%がより好ましい。前記(E1)成分の含有量が、0.1質量%未満であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び乾燥後の毛髪のなめらかさが得られないことがあり、4.8質量%を超えると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪同士がくっつきやすく、毛髪のスタイリングのしやすさが低下し、毛髪にべたつきが生じ、毛髪の軽さが低下してしまうことがある。
【0051】
<(E2)成分:アミノ変性シリコーン>
前記(E2)成分としてのアミノ変性シリコーンとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アミノエチルアミノプロピルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(以下、「アモジメチコン」と称することがある)、アミノエチルアミノプロピルメチルシロキサン・ジメチルシロキサン共重合体(以下、「アミノエチルアミノプロピルメチコン・ジメチコン共重合体」と称することがある)、アミノ変性オルガノポリシロキサン鎖とポリオキシアルキレン鎖とのブロック鎖を有する共重合体(以下、「直鎖アミノポリエーテル変性シリコーン」と称することがある)、アミノプロピルジメチコンなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、すすぎ時の毛髪のなめらかさを付与することができる点から、アモジメチコン、直鎖アミノポリエーテル変性シリコーンが好ましい。
【0052】
前記(E2)成分としては、市販品を用いてもよく、適宜合成したものを用いてもよい。
前記(E2)成分の市販品の具体例としては、商品名で、SM8904CE、BY22−079、FZ−4671(アモジメチコンエマルション、東レ・ダウコーニング株式会社製)、DC2−8194(ダウコーニング社製)、KF−8004、KF−867S、KF−880(以上、信越化学工業株式会社製)等のアモジメチコン;KF−8005(信越化学工業株式会社製)等のアミノエチルアミノプロピルメチコン・ジメチコン共重合体;SILSTYLE 104(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー、SILSTYLE 201(ビスイソブチルPEG−14/アモジメチコン)コポリマー、SILSTYLE 401(ビスブチロキシアモジメチコン/PEG−60)コポリマー(以上、東レ・ダウコーニング株式会社製)等の直鎖アミノポリエーテル変性シリコーン;KF−8015、KF−865、KF−8017、KF−8018、KF−8020(信越化学工業株式会社製)等のアミノプロピルジメチコン、などが挙げられる。これらの中でも、SILSTYLE 401が好ましい。
【0053】
前記(E2)成分の含有量は、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記シャンプー組成物全量に対して、0.01質量%〜1.5質量%が好ましく、0.1質量%〜1質量%がより好ましい。前記(E2)成分の含有量が、0.01質量%未満であると、乾燥後の毛髪のなめらかさが得られないことがあり、1.5質量%を超えると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪同士がくっつきやすく、スタイリングのしやすさが低下し、毛髪がべたつき、毛髪の軽さが低下することがある。
【0054】
前記(E1)成分と前記(E2)成分の合計含有量(以下、「(E)成分の含有量」と称することがある)は、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪のスタイリングのしやすさが広がることを防ぐ点から、前記シャンプー組成物全量に対して、0.15質量%〜5.0質量%であり、0.8質量%〜3.8質量%が好ましい。前記(E)成分の含有量が、0.15質量%未満であると、すすぎ時の毛髪のなめらかさ、及び乾燥後の毛髪のなめらかさが得られないことがあり、5.0質量%を超えると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪同士がくっつきやすく、スタイリングのしやすさが低下し、毛髪がべたつき、毛髪の軽さ、及び使用性が低下することがあり、前記(E)成分がエマルションである場合、エマルション粒子が合一し、安定性が悪くなることがある。
【0055】
前記(E1)成分と前記(E2)との質量比E1/E2は、2〜30であり、5〜27が好ましい。前記質量比E1/E2が、2未満であると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)での乾燥後、毛髪同士がくっつきやすくなり、スタイリングのしやすさが低下し、毛髪がべたつき、毛髪の軽さが低下することがあり、洗浄感の乏しいシャンプー組成物となることがある。前記質量比E1/E2が、30を超えると、乾燥後の毛髪のなめらかさ、及び使用性が低下することがある。
【0056】
<質量比(B+C)/(A+D)>
前記(B)成分及び前記(C)成分と、前記(A)成分及び前記(D)成分との質量比(B+C)/(A+D)は、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪が広がるのを防ぎ、毛髪のスタイリングのしやすさ、及び毛髪の軽さの点から、0.05〜0.6であり、0.06〜0.5が好ましく、0.08〜0.4がより好ましい。前記質量比(B+C)/(A+D)が、0.05未満であると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪同士がくっつきやすくなり、毛髪のスタイリングのしやすさが低下し、毛髪がべたつき、毛髪の軽さが低下することがあり、0.6を超えると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)で毛髪同士がくっつきやすくなり、毛髪のスタイリングのしやすさが低下し、毛髪がべたつき、毛髪の軽さが低下し、乾燥後の毛髪のなめらかさが悪くなる場合がある。
前記質量比(B+C)/(A+D)が、前記数値範囲であると、高温高湿度下(温度27℃で湿度70%RH)とエアコンの効いた低湿度下のどちらにおいても毛髪が広がらずに毛髪のスタイリングがしやすく、毛髪同士がくっつきにくく、毛髪がべたつかず、毛髪の軽さの点で有利である。
【0057】
<その他の成分>
前記その他の成分としては、本発明の効果を損なわない限り、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、油分、アルコール類、保湿剤、増粘剤、防腐剤、酸化防止剤、キレート剤、pH調整剤、紫外線吸収・散乱剤、ビタミン類、アミノ酸類、香料、色素、水等を適宜必要に応じて配合することができる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
【0058】
前記油分としては、例えば、ヒマシ油、オリーブ油、カカオ油、硬化パーム油、椿油、ヤシ油、木ロウ、ホホバ油、グレープシード油、アボガド油等の植物油脂類又はそれらのエステル化合物、ミンク油、卵黄油等の動物油脂類、ミツロウ、鯨ロウ、ラノリン、水添ラノリン、カルナウバロウ、キャンデリラロウ等のロウ類、流動パラフィン、スクワラン、マイクロクリスタリンワックス、セレシンワックス、パラフィンワックス、ワセリン等の炭化水素類、ラウリン酸、ミリスチン酸、ステアリン酸、オレイン酸、イソステアリン酸、ベヘニン酸等の天然及び合成脂肪酸類、グリセロールトリ−2−エチルヘキサン酸エステル、2−エチルヘキシルステアレート、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、オレイン酸オクチルドデシル、コレステロールオレート等のエステル類、ジメチルポリシロキサン、などが挙げられる。
【0059】
前記アルコール類としては、例えば、セチルアルコール、オレイルアルコール、ステアリルアルコール、ヘキシルデカノール、オクチルドデカノール、ラウリルアルコール等の天然及び合成高級アルコール類、などが挙げられる。
【0060】
前記保湿剤としては、例えば、1,3−ブタンジオール、イソプレングリコール、1,2−ペンタンジオール、エチレングリコール、プロピレングリコール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ジエチレングリコールモノアルキルエーテル、ポリエチレングリコール(平均分子量が200、300、400、600、1,000、又は1,500)、ポリプロピレングリコール、ポリエチレングリコール・ポリプロピレングリコール、硬化ヒマシ油(30E.O.)、グリセリン、ジグリセリン、トリグリセリン、ポリグリセリン、ソルビトール、などが挙げられる。
【0061】
前記増粘剤としては、例えば、アルギン酸ナトリウム、キサンタンガム、硅酸アルミニウム、マルメロ種子抽出物、トラガントガム、デンプン等の天然高分子、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシメチルセルロース、可溶性デンプン等の半合成高分子、カルボキシビニルポリマー、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、メタクリロイルエチルベタイン・メタクリル酸エステル共重合体等の合成高分子化合物、などが挙げられる。
【0062】
前記防腐剤としては、例えば、安息香酸塩、ソルビン酸塩、デヒドロ酢酸塩、パラオキシ安息香酸エステル、2,4,4’−トリクロロ−2’−ヒドロキシジフェニルエーテル、3,4,4’−トリクロロカルバニリド、塩化ベンザルコニウム、ヒノキチオール、レゾルシン、メチルクロロイソチアゾリノン・メチルイソチアゾリノン液(商品名ケーソンCG;ローム・アンド・ハース・ジャパン社製)、サリチル酸、ペンタンジオール、フェノキシエタノール、エタノール、などが挙げられる。
【0063】
前記酸化防止剤としては、例えば、ジブチルヒドロキシトルエン、ブチルヒドロキシアニソール、アスコルビン酸、などが挙げられる。
【0064】
前記キレート剤としては、例えば、エデト酸二ナトリウム、エチレンジアミン四酢酸塩、ヘキサメタリン酸塩、グルコン酸、などが挙げられる。
【0065】
前記pH調整剤としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、クエン酸、コハク酸、トリエタノールアミン、アンモニア水、トリイソプロパノールアミン、リン酸、グリコール酸、などが挙げられる。
【0066】
前記紫外線吸収・散乱剤としては、例えば、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、オクチルジメチルパラアミノベンゾエート、エチルヘキシルパラメトキシサイナメート、酸化チタン、カオリン、タルク、などが挙げられる。
【0067】
前記ビタミン類としては、例えば、ビタミンA、ビタミンB群、ビタミンC、ビタミンD、ビタミンE、ビタミンF、ビタミンK、ビタミンP、ビタミンU、カルニチン、フェルラ酸、γ−オリザノール、α−リポ酸、オロット酸又はその誘導体、などが挙げられる。
【0068】
前記アミノ酸類としては、例えば、グリシン、アラニン、バリン、ロイシン、イソロイシン、フェニルアラニン、トリプトファン、シスチン、システイン、メチオニン、プロリン、ヒドロキシプロリン、アスパラギン酸、グルタミン酸、アルギニン、ヒスチジン、リジン又はその誘導体、などが挙げられる。
【0069】
前記香料としては、特開2003−300811号公報の段落[0021]〜[0035]に記載した香料成分、段落[0050]に記載した香料用溶剤、などが挙げられる。
【0070】
<pH>
前記シャンプー組成物のpHとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃で、5.0〜6.0が好ましい。
前記pHは、例えば、前記シャンプー組成物をpHメーター(HM−30G、東亜ディーケーケー株式会社製)を用いて25℃で測定することができる。
前記シャンプー組成物のpHは、所望のpH調整剤を用いて調整することができる。前記pH調整剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、クエン酸、コハク酸、硫酸、2−アミノ−2−メチル−1−プロパノール、モノエタノールアミン、又はこれらの塩、などが挙げられる。
【0071】
<粘度>
前記シャンプー組成物の粘度としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、25℃で、1Pa・s〜30Pa・sが好ましい。
前記粘度は、例えば、粘度計(BM型粘度計、TOKIMEC社製)を用い、No.4ローターにて、30rpm、20秒間後、25℃の条件で測定することができる。
【0072】
<容器>
前記シャンプー組成物の容器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルミニウムラミネートチューブ、EVALチューブ、アルミチューブ、ガラス蒸着プラスチックチューブ等のチューブの他、機械的又は差圧によるディスペンサー容器及びスクイーズ容器、ラミネートフィルム容器、スポイト容器、スティック容器、ボトル容器等に充填することができる。
前記ラミネートフィルムは、通常2層以上の多層を有し、その材質はポリエチレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリエステル樹脂、二軸延伸ポリプロピレン樹脂、無延伸ポリプロピレン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、エチレン−酢酸ビニル共重合樹脂等の合成樹脂、紙、アルミニウム蒸着プラスチック等によって構成される。これらの中でも、強度、柔軟性、耐候性等を考慮して、一般的には2層〜5層のものを用いることが好ましい。
前記ボトルの材質としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、エチレン−ビニルアルコール共重合樹脂、アクリロニトリル−スチレン共重合樹脂、ABS樹脂、ポリアミド等の樹脂、あるいはガラス等を単層ないし2層以上組み合わせて用いることができる。
【0073】
<用途>
前記シャンプー組成物は、高温高湿度(温度27℃で湿度70%RH)下とエアコンの効いた低湿度下との環境変化が激しい地域においても毛髪が広がらずに、スタイリングしやすく、毛髪同士がくっつかないで、軽く仕上がり、なめらかさとやわらかさを併せ持ち、使用性に優れているため、例えば、地肌クレンジング用シャンプー、ダメージケア用シャンプー、マイルドシャンプー、リンスインシャンプーなどに好適に用いることができる。また、ヒトの毛髪の他、ペット等の動物の毛にも使用することができる。
【実施例】
【0074】
以下に本発明の実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。なお、以下に示す実施例及び比較例において、特に明記しない限り、「%」は「質量%」を示し、各成分の配合量は、純分換算値を示す。
【0075】
(実施例1〜50及び比較例1〜18)
下記表1〜表12に示す実施例及び比較例に記載の(A)成分、(B)成分、(C)成分、(D)成分、(E)成分、及び任意成分を添加し、25℃で30分間攪拌した。(C)成分の光沢付与剤(エチレングリコールジステアレート)については、予め下記の調製方法により4.5質量%光沢付与剤分散液を調製し、シャンプー組成物中の光沢付与剤が所定量になるよう添加した。例えば、(C)成分の光沢付与剤1.5質量%配合の場合は、4.5質量%光沢付与剤分散液を33.3質量%添加した。光沢付与剤分散液中には、(A)成分であるポリオキシエチレンラウリル硫酸塩とラウリル硫酸塩を含有するが、実施例に記載の配合量は、光沢付与剤分散液中からの添加量との合算量として記載した。光沢付与剤分散液添加後、十分攪拌した後、クエン酸でpHを5.8に調整し、シャンプー組成物を得た。
【0076】
(調製例1)
−エチレングリコールジステアレート結晶物分散液の調製−
(C)成分の光沢付与剤としてのエチレングリコールジステアレート結晶物分散液は、以下の方法で調製した。
ポリオキシエチレン(3)ラウリルエーテル硫酸アンモニウム(Texapon ALES 70、BASF社製)が終濃度10質量%、ラウリル硫酸アンモニウム(Texapon ALS 70、BASF社製)が終濃度5質量%となるように溶解した水溶液を80℃に保ち、2Lビーカー中で攪拌した。前記水溶液を攪拌しながら、該水溶液に、80℃で融解したエチレングリコールジステアレート(Tegin EGS、Evonik社製)を終濃度4.5質量%となるように徐々に添加し、80℃にて、スリーワンモータ(FBL1200、HEIDEN社製)、4枚傾斜パドルを用いて100rpmで30分間均一混合後、ホモミキサー(プライミクス株式会社製)を使用して、4,500rpmで10分間分散混合させた。
次いで、得られた分散混合物をウォーターバス中に浸漬させて4枚傾斜パドルを用いて100rpmで攪拌しながら、分散混合槽内を35℃まで冷却(冷却速度1℃/分間)することにより、4.5質量%エチレングリコールジステアレート結晶物分散液を調製した。
なお、実施例21は、ポリオキシエチレン(2)ラウリルエーテル硫酸ナトリウム/ラウリル硫酸ナトリウムを使用して、上記と同様な操作で4.5質量%エチレングリコールジステアレート結晶物分散液を調製した。
前記4.5質量%エチレングリコールジステアレート結晶物分散液のメディアン粒径を、レーザー回析式粒度分布測定器(LA−920、株式会社堀場製作所製)を用い、水に対する相対屈折率を1.08として測定した。メディアン粒径は、2.0μmであった。また、結晶物の分散形状は、針状であった。
【0077】
得られた各シャンプー組成物について、女性専門パネラー20名が約6mL/回の使用量で7日間使用し、下記評価方法、基準に基づいて、「27℃、70%RHでの乾燥後の毛髪の軽さ」、「25℃、40%RHでの乾燥後の毛髪の軽さ」、「27℃、70%RHでの乾燥後の毛髪のスタイリングのしやすさ」、「25℃、40%RHでの乾燥後の毛髪のスタイリングのしやすさ」、「すすぎ時の毛髪のなめらかさ」、「乾燥後の毛髪のなめらかさ」、「乾燥後の毛髪のやわらかさ」、及び「使用性(ボトルからの出しやすさ)」を評価した。結果を表1〜表12に併記した。
【0078】
<評価方法>
十分濡らした毛髪に、各シャンプー組成物6mLを塗布し、十分に泡立てて洗髪後、水道水温度40℃、流量250mL/3秒間のシャワーで洗い流し、軽くタオルドライした後に、温度27℃、湿度70%RHの部屋で12時間安静にし、温度25℃、湿度40%RHの部屋で12時間安静にする工程を7回繰り返した(下記サイクルを7回繰り返した。)
【数1】
7回目の洗浄時に、「すすぎ時の毛髪のなめらかさ」を評価し、タオルドライ後に温度27℃で湿度70%RHの部屋で12時間安静にし、「27℃、70%RHでの乾燥後の毛髪の軽さ」、「27℃、70%RHでの乾燥後の毛髪のスタイリングのしやすさ」、「乾燥後の毛髪のなめらかさ」、及び「乾燥後の毛髪のやわらかさ」を評価した。
また、その後、温度25℃で湿度40%RHの部屋で12時間安静にし、「25℃、40%RHでの乾燥後の毛髪の軽さ」、及び「25℃、40%RHでの乾燥後の毛髪のスタイリングのしやすさ」を評価した。
【0079】
(1)27℃、70%RHでの乾燥後の毛髪の軽さ
「27℃、70%RHでの乾燥後の毛髪の軽さ」を以下の判断基準により評価した。良好と回答した人数により下記判断基準で示した。ここで「毛髪の軽さ」とは、毛髪が軽く、髪の毛一本一本がばらけて、さらさらすることを示す。
〔判断基準〕
◎:16名以上が良好と回答した
◎〜○:13名以上15名以下が良好と回答した
○:11名以上12名以下が良好と回答した
△:6名以上10名以下が良好と回答した
×:5名以下が良好と回答した
【0080】
(2)25℃、40%RHでの乾燥後の毛髪の軽さ
「25℃、40%RHでの乾燥後の毛髪の軽さ」を以下の判断基準により評価した。良好と回答した人数により下記判断基準で示した。ここで「毛髪の軽さ」とは、毛髪が軽く、髪の毛一本一本がばらけて、さらさらすることを示す。
〔判断基準〕
◎:16名以上が良好と回答した
◎〜○:13名以上15名以下が良好と回答した
○:11名以上12名以下が良好と回答した
△:6名以上10名以下が良好と回答した
×:5名以下が良好と回答した
【0081】
(3)27℃、70%RHでの乾燥後の毛髪のスタイリングのしやすさ
「27℃、70%RHでの乾燥後の毛髪のスタイリングのしやすさ」を以下の判断基準により評価した。良好と回答した人数により下記判断基準で示した。ここで「毛髪のスタイリングのしやすさ」とは、毛髪の櫛通りが良く、まとまりやすいことを示す。
〔判断基準〕
◎:16名以上が良好と回答した
◎〜○:13名以上15名以下が良好と回答した
○:11名以上12名以下が良好と回答した
△:6名以上10名以下が良好と回答した
×:5名以下が良好と回答した
【0082】
(4)25℃、40%RHでの乾燥後の毛髪のスタイリングのしやすさ
「25℃、40%RHでの乾燥後の毛髪のスタイリングのしやすさ」を以下の判断基準により評価した。良好と回答した人数により下記判断基準で示した。ここで「毛髪のスタイリングのしやすさ」とは、毛髪の櫛通りが良く、まとまりやすいことを示す。
〔判断基準〕
◎:16名以上が良好と回答した
◎〜○:13名以上15名以下が良好と回答した
○:11名以上12名以下が良好と回答した
△:6名以上10名以下が良好と回答した
×:5名以下が良好と回答した
【0083】
(5)すすぎ時の毛髪のなめらかさ
「すすぎ時の毛髪のなめらかさ」を以下の判断基準により評価した。良好と回答した人数により下記判断基準で示した。ここで「すすぎ時の毛髪のなめらかさ」とは、シャンプーを洗い流している間、毛髪を触った時、抵抗なく指が滑ることを示す。
〔判断基準〕
◎:16名以上が良好と回答した
◎〜○:13名以上15名以下が良好と回答した
○:11名以上12名以下が良好と回答した
△:6名以上10名以下が良好と回答した
×:5名以下が良好と回答した
【0084】
(6)乾燥後の毛髪のなめらかさ
「乾燥後の毛髪のなめらかさ」を以下の判断基準により評価した。良好と回答した人数により下記判断基準で示した。ここで「乾燥後の毛髪のなめらかさ」とは、乾燥後に毛髪を触ったとき、抵抗なく指が滑ることを示す。
〔判断基準〕
◎:16名以上が良好と回答した
◎〜○:13名以上15名以下が良好と回答した
○:11名以上12名以下が良好と回答した
△:6名以上10名以下が良好と回答した
×:5名以下が良好と回答した
【0085】
(7)乾燥後の毛髪のやわらかさ
「乾燥後の毛髪のやわらかさ」を以下の判断基準により評価した。良好と回答した人数により下記評価基準で示した。ここで「乾燥後の毛髪のやわらかさ」とは、乾燥後に毛髪を触った時、しなやかであることを示す。
〔判断基準〕
◎:16名以上が良好と回答した
◎〜○:13名以上15名以下が良好と回答した
○:11名以上12名以下が良好と回答した
△:6名以上10名以下が良好と回答した
×:5名以下が良好と回答した
【0086】
(8)使用性
シャンプー組成物の「使用性」を以下の判断基準により評価した。良好と回答した人数により下記評価基準で示した。ここで、「使用性」とは、ボトルからのシャンプー組成物の出しやすさを示す。
〔判断基準〕
◎:16名以上が良好と回答した
◎〜○:13名以上15名以下が良好と回答した
○:11名以上12名以下が良好と回答した
△:6名以上10名以下が良好と回答した
×:5名以下が良好と回答した
【0087】
【表1】
【0088】
【表2】
【0089】
【表3】
【0090】
【表4】
【0091】
【表5】
【0092】
【表6】
【0093】
【表7】
【0094】
【表8】
【0095】
【表9】
【0096】
【表10】
【0097】
【表11】
【0098】
【表12】
【0099】
表1〜表12の実施例及び比較例で使用した各成分の詳細については、下記表13に示すとおりである。
【0100】
【表13】
*1:表13におけるジメチルポリシロキサンB(エマルション)は、以下の方法で調製した。
レオフローDMS−60(一方社油脂工業株式会社製)〔動粘度10,000,000mm/sの高重合メチルポリシロキサン:動粘度4,000,000mm/sの高重合メチルポリシロキサン:動粘度1,000mm/sのメチルポリシロキサン=15:15:70(質量比)〕に、POE(15)セチルエーテル(商品名:NPO−97、ライオンケミカル株式会社製)を乳化剤として添加し、水に乳化分散した。
【0101】
本発明の態様としては、例えば、以下のものなどが挙げられる。
<1> (A)硫酸残基を有するアニオン性界面活性剤と、
(B)没食子酸配糖体と、
(C)光沢付与剤と、
(D)カチオン性ポリマーと、
(E)シリコーン化合物を0.15質量%〜5.0質量%と、
を含有し、
前記(B)成分及び前記(C)成分と、前記(A)成分及び前記(D)成分との質量比(B+C)/(A+D)が、0.05〜0.6であり、
前記(A)成分が、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩(A1)とアルキル硫酸塩(A2)とを含有し、
前記(D)成分が、カチオン化グアーガム(D1)及びカチオン化セルロース(D2)からなり、前記(D1)成分と前記(D2)成分との質量比D1/D2が、2〜20であり、
前記(E)成分が、ジメチルポリシロキサン(E1)及びアミノ変性シリコーン(E2)からなり、前記(E1)成分と前記(E2)成分との質量比E1/E2が、2〜30であることを特徴とするシャンプー組成物である。
<2> (A)硫酸残基を有するアニオン性界面活性剤を10質量%〜25質量%と、
(B)没食子酸配糖体を0.05質量%〜3質量%と、
(C)光沢付与剤を1.2質量%〜4.5質量%と、
(D)カチオン性ポリマーを0.2質量%〜1.5質量%と、
を含有する前記<1>に記載のシャンプー組成物である。
<3> (D1)成分の窒素含量が1質量%〜1.8質量%であり、(D2)成分の窒素含量が1.5質量%〜2.2質量%である前記<1>から<2>のいずれかに記載のシャンプー組成物である。
<4> (A1)成分と(A2)成分との質量比A1/A2が、1〜7である前記<1>から<3>のいずれかに記載のシャンプー組成物である。
【産業上の利用可能性】
【0102】
本発明のシャンプー組成物は、高温高湿度下とエアコンの効いた低湿度下との環境変化が激しい地域においても毛髪が広がらずに、スタイリングしやすく、毛髪同士がくっつかないで、軽く仕上がり、なめらかさとやわらかさを併せ持ち、使用性に優れているため、例えば、地肌クレンジング用シャンプー、ダメージケア用シャンプー、マイルドシャンプー、リンスインシャンプーなどに好適に用いることができる。