【実施例】
【0027】
[実施例1]2−フェノキシエチルピバル酸エステルの製造
2−フェノキシエタノール(50g、0.362mol)を、ジクロロメタン(500ml)に溶解し、溶液を0〜5℃に冷却した。トリエチルアミン(101ml、0.724mol)を冷却した溶液に加え、温度を5℃より低く維持しながら塩化ピバロイル(53.5ml、0.434mol)を加えた。添加後、混合物を5℃で30分間撹拌し、室温で12時間攪拌した。反応を1M HCl溶液(300ml)の添加によりクエンチし、しっかりと攪拌した。相を分離し、有機相を飽和NaHCO
3溶液(2×150ml)、水(1×100ml)およびブライン(1×100ml)で洗浄した。乾燥(Na
2SO
4)およびろ過後、溶媒を蒸発させ、表題の化合物(76.78g、0.345mol、95%)を黄色の油状物として得た。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ(ppm): 7.31-7.27(2H, m, ArH), 6.96-6.93(3H, m, ArH), 4.34(2H, m, CH
2CH
2OPiv), 4.19(2H, m, ArOCH
2CH
2), 1.13(9H, s, 3×Me).
13C-NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ(ppm): 177.7, 158.7, 130.1, 121.1, 114.9, 66.1, 62.9, 38.5, 27.6.
【0028】
[実施例2]2−(4−(2−フェニルアセチル)フェノキシ)エチルピバル酸エステルの製造
ポリリン酸(PPA)(250g)を反応容器に入れ、機械的に攪拌しながら50℃(浴温)に温めた。2−フェニル酢酸(30.6g、0.225mol)をPPAに加え、その後2−フェノキシエチルピバル酸エステル(50g、0.225mol)を加えた。3時間後、TLCおよびHPLCが完全な変換を示し、水(1000ml)を加えた。混合物を室温で2時間攪拌した。沈殿した生成物をろ過し、水(300ml)で洗浄した。真空下で乾燥後、粗生成物(65g)をヘキサン/i−PrOH 1:1で再結晶し、表題の化合物を淡黄色の固体として得た(51.49g、0.151mol、67%)。
1H-NMR (400 MHz, DMSO-d
6) δ(ppm): 8.02(2H, d, J=9.2Hz, ArH), 7.32-7.22(5H, m, ArH), 7.07(2H, d, J=8.8Hz, ArH), 4.37(2H, m, CH
2CH
2OPiv), 4.31(2H, s, ArCH
2CO), 4.3(2H, m, ArOCH
2CH
2), 1.12(9H, s, 3×Me).
13C-NMR (100 MHz, DMSO-d
6) δ(ppm): 196.4, 177.7, 162.6, 135.8, 131.2, 129.9, 129.8, 128.7, 126.8, 114.8, 66.5, 62.7, 44.8, 38.6, 27.2.
【0029】
[実施例3]2−(4−(1−フェニルシクロプロパンカルボニル)フェノキシ)エチルピバル酸エステルの製造
2−(4−(2−フェニルアセチル)フェノキシ)エチルピバル酸エステル(15g、44.1mmol)を窒素を吹き込んだトルエン(150ml)に溶解し、窒素雰囲気下で10分間、室温で撹拌した。硫酸水素テトラブチルアンモニウム(1.496g、4.41mmol)触媒を撹拌した溶液に加え、その後、50%NaOH溶液(60ml、1137mmol)を加えた。二相系を10分間しっかり撹拌した。1−ブロモ−2−クロロエタン(9.17ml、110mmol)をトルエン(35ml)に溶解し、撹拌反応混合物に滴下した。12時間後、出発原料が消費され、水(100ml)を添加した。相を分離し、水層をトルエン(50ml)で抽出した。合わせたトルエン相を水(100ml)およびブライン(100ml)で洗浄した。乾燥(Na
2SO
4)およびろ過後、トルエンを真空下で除去した。表題の粗化合物(15.39g、42mmol、95%)を、15%のO−アルキル化副生成物の混じった粘性の茶色の油状物として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.80(2H, d, J=9.2Hz, ArH), 7.26-7.16(5H, m, ArH), 6.77(2H, d, J=8.8Hz, ArH), 4.37(2H, t, J=4.8Hz, CH
2CH
2OPiv), 4.15(2H, t, J=5.0Hz, ArOCH
2CH
2), 1.60(2H, AB-系, J=4.4Hz, CH
2CH
2), 1.32(2H, AB-系, J=4.4Hz, CH
2CH
2), 1.17(9H, s, 3×Me).
13C-NMR (100 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 198.6, 178.9, 162.1, 141.7, 132.3, 130.2, 129.1, 127.9, 126.8, 114.2, 67.0, 62.8, 39.2, 35.0, 27.5, 16.1.
【0030】
[実施例4](Z)−2−(4−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブト−1−エン−1−イル)フェノキシ)エチルピバル酸エステルの製造
粗2−(4−(1−フェニルシクロプロパンカルボニル)フェノキシ)エチルピバル酸エステル(15.3g、41.8mmol)を、窒素雰囲気下で撹拌しながらテトラヒドロフラン(THF)(200ml)に溶解した。塩化フェニルマグネシウムの1M THF溶液(35.5ml、71mmol)を、溶液に室温で滴下した。添加後、反応を60℃まで温め、この温度で2時間保持した。反応を飽和NH
4Cl溶液(300ml)の添加によりクエンチした。5%HCl溶液でpHを4に調整し、THF相を分離した。水相をジクロロメタン(2×75ml)で抽出し、THF相と合わせ、水(100ml)およびブライン(100ml)で洗浄した。乾燥(Na
2SO
4)およびろ過後、溶媒を蒸発させ、粗シクロプロピルカルビノール中間体(21g)を開環工程に直接送った。粗シクロプロピルカルビノール中間体を、ジクロロメタン(DCM)(150ml)に溶解し、30%HCl溶液(120ml)で処理した。60分後、脱水および開環が完了し、反応混合物を飽和NaHCO
3溶液(350)mlに注いだ。相を分離し、DCM相を水(100ml)およびブライン(100ml)で洗浄した。乾燥(Na
2SO
4)およびろ過後、溶媒を蒸発させた。残渣を沸騰メタノールに溶解し、40℃まで冷却し、結晶化させた。室温で攪拌(12時間)後、沈殿した表題の化合物をろ過し、冷MeOHで洗浄した。表題の化合物を、白色固体として得た(5.4g、11.7mmol、二工程を通じて28%)。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.39-7.13(6H, m, ArH), 6.79(2H, d, J=8.8Hz, ArH), 6.56(2H, d, J=8.8Hz, ArH), 4.31(2H, t, J=4.4Hz, CH
2CH
2OPiv), 4.04(2H, t, J=4.8Hz, ArOCH
2CH
2), 3.41(2H, t, J=7.6Hz, ClCH
2CH
2), 2.92(2H, t, J=7.6Hz, ClCH
2CH
2), 1.17(9H, s, 3×Me).
13C-NMR (100 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 178.5, 156.8, 142.8, 141.6, 140.9, 135.3, 135.2, 131.7, 129.5, 129.4, 128.4, 128.2, 127.0, 126.6, 113.6, 65.7, 62.7, 42.8, 38.7, 38.6, 27.1.
【0031】
[実施例5](Z)−2−[4−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−ブト−1−エニル)フェノキシ]エタノール(オスペミフェン)の、ピバロイル基の塩基による加水分解による製造
(Z)−2−(4−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブト−1−エン−1−イル)フェノキシ)エチルピバル酸エステル(1g、2.16mmol)をTHF(8ml)に溶解し、その後MeOH(1ml)および水(1ml)を添加した。水酸化ナトリウム(0.1g、2.5mmol)を一度に加え、反応を室温で12時間攪拌した。反応完了後、混合物を水(20ml)およびEtOAc(20ml)との間に分配した。有機相を水(20ml)およびブライン(20ml)で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過し、そして濃縮した。残渣をi−PrOHから結晶化し、オスペミフェン(0.29g、35%)を白色固体として得た。
1H-NMR (400 MHz, CDCl
3) δ(ppm): 7.37(2H, t, J=8Hz, ArH), 7.29(3H, t, J=7.2Hz, ArH), 7.20(2H, t, J=7.6Hz, ArH), 7.16-7.13(3H, m, ArH), 6.80(2H, d, J=8.8Hz, ArH), 6.57(2H, d, J=8.8Hz, ArH), 3.94(2H, t, J=4.4Hz, ArOCH
2CH
2OH), 3.87(2H, m, ArOCH
2CH
2OH), 3.42(2H, t, J=7.2Hz, ClCH
2CH
2), 2.92(2H, t, J=7.2Hz, ClCH
2CH
2), 1.95(1H, t, J=6.4Hz, OH).
13C-NMR (100 MHz, CDCl
3) δ(ppm):157.2, 143.2, 142.1, 141.3, 2 x 135.7, 132.2, 130.0, 129.8, 128.8, 128.7, 127.4, 127.0, 113.9, 69.3, 61.8, 43.3, 39.0.
【0032】
[実施例6](Z)−2−[4−(4−クロロ−1,2−ジフェニル−ブト−1−エニル)フェノキシ]エタノール(オスペミフェン)の、ピバロイル基の還元的切断による製造
(Z)−2−(4−(4−クロロ−1,2−ジフェニルブト−1−エン−1−イル)フェノキシ)エチルピバル酸エステル(3.5g、7.56mmol)をトルエン(35ml)に溶解し、窒素雰囲気下、室温で5分間撹拌した。水素化リチウムアルミニウム溶液(THF中1M)(7.56ml、7.56mmol)を反応に滴下し、混合物を室温で30分間撹拌した。HPLCが完了を示した後、反応を飽和NH
4Cl溶液(75ml)の添加によりクエンチした。さらにトルエン(30ml)を加え、相を分離した。有機相を水(50ml)、ブライン(50ml)で洗浄し、乾燥(Na
2SO
4)し、ろ過し、そして真空下で濃縮した。残渣を90%MeOHから結晶化し、オスペミフェン(1.75g、61%)を白色固体として得た。