(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
長手方向中心線(Y)と、前記長手方向中心線(Y)に垂直な横方向中心線(X)とを有する、小児用又は成人用おむつ(1)であって、前記おむつ(1)は、トップシート(20)と、バックシート(21)と、それらの間に位置決めされた吸収性コア(22)と、前記トップシート(20)の長手方向両側に位置決めされた、長手方向に延びて対向する第1及び第2の弾性カフ(30a、30b)とを備え、前記おむつ(1)は、前側領域(A)と後側領域(C)との間に位置決めされたクロッチ領域(B)を有し、前記おむつ(1)は、弾性分離シート材料(15)で作製された横断方向分離シート(10)を備え、前記横断方向分離シート(10)が、横断方向に延びる上縁部(11)及び上縁部部分(16)と、対向する横断方向に延びる底縁部(12)及び底縁部部分(17)とを有し、
−前記上縁部部分(16)の部分が、前記おむつ(1)の前記クロッチ領域(B)又は前記前側領域(A)内で、前記第1のカフ(30a)に、前記上縁部部分(16)の第1の取り付け区域を取り付けるとともに、前記おむつ(1)の前記クロッチ領域(B)又は前記前側領域(A)内で、前記第2のカフ(30b)に、前記上縁部部分(16)の第2の対向する取り付け区域を取り付けることによって、その前記おむつ(1)の前記クロッチ領域(B)又は前記前側領域(A)内で、前記カフ(30a、30b)に取り付けられて、第1のカフ取り付け区域(13a)及び第2のカフ取り付け区域(13b)が形成され、各カフ取り付け区域(13a、13b)が、前記おむつ(1)の前記長手方向中心線(Y)に向けた内縁部(131a、131b)を有し、
−前記底縁部部分(17)の部分又は全てが、1つ以上のトップシート取り付け区域(14)で、前記トップシート(20)に取り付けられ、
前記第1のカフ取り付け区域(13a)が、投影結合測定試験方法に従って測定される、第1の投影結合長さ(D4a)を有し、前記第2のカフ取り付け区域(13b)が、投影結合測定試験方法に従って測定される、第2の投影結合長さ(D4b)を有し、
a)前記おむつ(1)の平坦状態で測定される、前記第1の投影結合長さ(D4a)と前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の最小長手方向寸法(D9a)が、前記分離シート材料(15)が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、前記分離シート材料(15)の弛緩状態で測定される、前記第1の投影結合長さ(D4a)と前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の最小長手方向寸法(D10a)を下回り、及び/又は
b)前記おむつ(1)の平坦状態で測定される、前記第2の投影結合長さ(D4b)と前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の最小長手方向寸法(D9b)が、前記分離シート材料(15)が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、前記分離シート材料(15)の弛緩状態で測定される、前記第2の投影結合長さ(D4b)と前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の最小長手方向寸法(D10b)を下回り、
前記分離シート(10)の全体が、前記おむつ(1)の前記横方向中心線(X)に対して前記おむつ(1)の前側に存在し、
前記第1のカフ取り付け区域(13a)及び前記第2のカフ取り付け区域(13b)が、前記カフ(30a、30b)の前記トップシート(20)に面する面に存在する、小児用又は成人用おむつ(1)。
前記第1の長手方向に延びる弾性カフ(30a)が、前記おむつ(1)の前記トップシート(20)及び/又は前記バックシート(21)に接合若しくは取り付けられる、長手方向に延びる近位縁部(302a)と、使用時に前記おむつ(1)の着用者の皮膚と接触する、長手方向に延びる遠位縁部(301a)とを有し、前記第2の長手方向に延びる弾性カフ(30b)が、前記おむつ(1)の前記トップシート(20)及び/又は前記バックシート(21)に接合若しくは取り付けられる、長手方向に延びる近位縁部(302b)と、使用時に前記おむつ(1)の着用者の皮膚と接触する、長手方向に延びる遠位縁部(301b)とを有し、
−前記分離シート材料(15)が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、前記分離シート材料(15)の弛緩状態で測定される、前記第1の投影結合長さ(D4a)と前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の前記最小長手方向寸法(D10a)、及び/又は
−前記分離シート材料(15)が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、前記分離シート材料(15)の弛緩状態で測定される、前記第2の投影結合長さ(D4b)と前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の前記最小長手方向寸法(D10b)が、
3つの寸法
a.前記第1の長手方向に延びる弾性カフ(30a)の、前記長手方向に延びる近位縁部(302a)と前記長手方向に延びる遠位縁部(301a)との間の、平均横断方向寸法(D11a)と、
b.前記第2の長手方向に延びる弾性カフ(30b)の、前記長手方向に延びる近位縁部(302b)と前記長手方向に延びる遠位縁部(301b)との間の、平均横断方向寸法(D11b)と、
c.前記第1の長手方向に延びる弾性カフ(30a)の前記長手方向に延びる近位縁部(302a)と、前記第2の長手方向に延びる弾性カフ(30b)の前記長手方向に延びる近位縁部(302b)との間の、平均横断方向寸法(D12)と
の合計の、33%〜100%であり、
前記3つの寸法が、前記第1及び第2のカフ取り付け区域(13a、13b)から、前記第1及び第2の弾性カフ(30a、30b)を取り外した後の、前記おむつ(1)の平坦状態で、前記おむつ(1)の前記クロッチ領域(B)内で測定される、請求項1又は2に記載のおむつ(1)。
前記第1の長手方向に延びる弾性カフ(30a)が、前記おむつ(1)の前記トップシート(20)及び/又は前記バックシート(21)に接合若しくは取り付けられる、長手方向に延びる近位縁部(302a)と、使用時に前記おむつ(1)の着用者の皮膚と接触する、長手方向に延びる遠位縁部(301a)とを有し、前記第2の長手方向に延びる弾性カフ(30b)が、前記おむつ(1)の前記トップシート(20)及び/又は前記バックシート(21)に接合若しくは取り付けられる、長手方向に延びる近位縁部(302b)と、使用時に前記おむつ(1)の着用者の皮膚と接触する、長手方向に延びる遠位縁部(301b)とを有し、
−前記分離シート材料(15)が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、前記分離シート材料(15)の弛緩状態で測定される、前記第1の投影結合長さ(D4a)と前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の前記最小長手方向寸法(D10a)、及び/又は
−前記分離シート材料(15)が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、前記分離シート材料(15)の弛緩状態で測定される、前記第2の投影結合長さ(D4b)と前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の前記最小長手方向寸法(D10b)が、
35mm〜170mmである、請求項1〜3のいずれか一項に記載のおむつ(1)。
前記おむつ(1)が、前縁部(1F)を有し、前記1つ以上のトップシート取り付け区域(14)のそれぞれが、前記第1及び第2のカフ取り付け区域(13a、13b)のそれぞれよりも、前記前縁部(1F)の近くに位置決めされる、請求項1〜6のいずれか一項に記載のおむつ(1)。
前記第1及び第2のカフ取り付け区域(13a、13b)が、前記おむつ(1)の平坦状態で、前記おむつ(1)の前記長手方向中心線(Y)における互いの鏡像である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のおむつ(1)。
前記第1及び/又は第2のカフ取り付け区域の前記内縁部(131a、131b)が、前記おむつ(1)の平坦状態で、前記おむつ(1)の前記長手方向中心線(Y)に平行な長手方向線と、0°超の角度αa、αbを形成する、請求項1〜9のいずれか一項に記載のおむつ(1)。
前記第1及び第2のカフ取り付け区域(13a、13b)の対向する前記内縁部(131a、131b)間の、前記分離シート(10)の弛緩状態での、前記分離シートの最小横断方向寸法が、少なくとも20mmであり、前記分離シートの前記上縁部(11)と前記底縁部(12)との間の、前記分離シート(10)の弛緩状態での、前記分離シートの最小長手方向寸法が、少なくとも30mmであり、前記横断方向分離シート(10)が、プロセス時2サイクルヒステリシス試験に従って測定される際に、少なくとも0.8の歪みまで、横断方向で弾性的に延伸可能である、請求項1〜12のいずれか一項に記載のおむつ(1)。
前記分離シート材料が、弾性フィルム、若しくは不織布シート材料、若しくは弾性フィルムと不織布シート材料との積層体であるか、又はそれらを備え、あるいは、1つ以上の弾性バンド又は弾性ストランドを備える、請求項1〜13のいずれか一項に記載のおむつ(1)。
【発明を実施するための形態】
【0008】
「おむつ」とは、本明細書では、着用者の下部胴体の周囲に配置される吸収性物品を指すために使用され、小児(乳幼児及び幼児)用おむつ及び成人用おむつを包含し、いわゆる、下部胴体の周囲で締結される締結具を有するおむつ、及びパンツ型おむつを包含する。
【0009】
「前側領域」及び「後側領域」とは、本明細書では、使用時に、それぞれ着用者の前面及び着用者の背面に最も近い、おむつの2つの領域を指すために使用され、それぞれが、おむつの横断方向寸法にわたり、それぞれが、おむつの長手方向寸法の3分の1の長手方向寸法を有する。
【0010】
「クロッチ領域」とは、本明細書では、前側領域と後側領域との間に位置決めされ、同じく、おむつの長手方向寸法の3分の1の長手方向寸法を有する、おむつの領域を指すために使用される。
【0011】
おむつの前縁部及び/又は後縁部が、おむつの横断方向中心線(X)に平行に延びる直線として構成されない実施形態に関しては、おむつの長手方向寸法は、おむつの横断方向中心線(X)に平行に延び、おむつの横断方向中心線(X)に最も近い、おむつの前縁部の点を通過する横断線と、おむつの横断方向中心線(X)に平行に延び、おむつの横断方向中心線(X)に最も近い、おむつの後縁部の点を通過する横断線との間で測定される、長手方向寸法に相当する。そのような実施形態に関しては、前側領域又は後側領域の長手方向寸法は、それぞれ、おむつの横断方向中心線(X)に平行に延び、おむつの横断方向中心線(X)に最も近い、おむつの前縁部の点を通過する横断線から、又は、おむつの横断方向中心線(X)に平行に延び、おむつの横断方向中心線(X)に最も近い、おむつの後縁部の点を通過する横断線から、測定が開始される。
【0012】
「長手方向」とは、本明細書では、おむつ又はトップシートの長手方向中心線(Y)に、実質的に平行又は厳密に平行に延びている方向を指すために使用され、プロセスの機械方向(MD)とすることができる。
【0013】
「横方向」又は「横断方向」とは、本明細書では、おむつ又はトップシートの長手方向中心線(Y)に、実質的に垂直又は厳密に垂直な方向を指すために使用され、プロセスの機械横方向(CD)とすることができる。
【0014】
「Z方向」とは、本明細書では、長手方向に垂直かつ横断方向若しくは横方向に垂直な方向を指すために使用される。
【0015】
「長手方向寸法」、「横断方向寸法」、又は「Z寸法」とは、本明細書では、おむつ、又はその要素、例えば、おむつの弾性カフ、又はトップシート、又は横断方向分離シート、又は横断方向分離シート材料若しくは領域の、それぞれ、長手方向、横断方向、又はZ方向で測定される、おむつ、又はその要素、例えば、おむつの弾性カフ、又はトップシート、又は横断方向分離シート、又は横断方向分離シート材料若しくは領域の寸法を指すために使用される。
【0016】
「実質的に垂直」又は「実質的に平行」とは、本明細書では、特に記述又は指定のない限り、厳密に垂直又は平行な方向から、30°又は20°又は10°又は5°の範囲内の方向を指すために使用される。
【0017】
本明細書で使用するとき、「沿って」とは、「少なくとも部分的に、実質的に平行かつ隣接している」ことを意味する。
【0018】
「上縁部」又は「上縁部部分」とは、本明細書では、それぞれ、おむつ1が着用者に適用される際に着用者の身体と接触する、分離シート10若しくは分離シート材料の、横断方向に延びる縁部、又は横断方向に延びる縁部部分を指すために使用される。
【0019】
「底縁部」又は「底縁部部分」とは、本明細書では、それぞれ、おむつ1が着用者に適用される際に(上縁部又は上縁部部分と比較して)着用者の身体からより遠く離れている、分離シート10若しくは分離シート材料15の、横断方向に延びる縁部、又は横断方向に延びる縁部部分を指すために使用される。
【0020】
「弛緩した」若しくは「弛緩状態」、又は「収縮した」若しくは「収縮状態」とは、本明細書では、おむつ又は分離シート若しくは分離シート材料に、それぞれ力が加えられていない、おむつ又は分離シート若しくは分離シート材料の状態を指すために使用される。
【0021】
「平坦状態」とは、本明細書では、おむつが平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、おむつの状態を指すために使用される。
【0022】
「投影結合長さと1つ以上のトップシート取り付け区域との間の最小長手方向寸法」とは、本明細書では、投影結合測定試験方法に従って画定される横方向に延びる線L
3と、1つ以上のトップシート取り付け区域との間の、最小長手方向寸法を指すために使用される。
【0023】
「1つ以上のトップシート取り付け区域の最大横断方向寸法」とは、本明細書では、おむつの平坦状態での、2つ以上のトップシート取り付け区域が存在する場合の、2つの取り付け区域間の間隙を含めた、互いに最も遠く離れたトップシート取り付け区域の2つの点の間で測定される、トップシート取り付け区域の横断方向寸法を指すために使用される。
【0024】
「第1及び第2の弾性カフの長手方向に延びる遠位縁部間の最小横断方向寸法」とは、本明細書では、第1及び第2のカフ取り付け区域が、第1及び第2の弾性カフから取り外された、おむつの平坦状態での、第1及び第2の弾性カフの長手方向に延びる遠位縁部間で測定される、最小横断方向寸法を指すために使用される。
【0025】
「歪み」とは、本明細書では、本出願の試験方法のセクションで以降に定義される、工学歪みを指すために使用される。
【0026】
「結合パターン密度」とは、本明細書では、カフ取り付け区域又はトップシート取り付け区域によって含まれる、1つ以上の個別の結合部で覆われた、カフ取り付け区域又はトップシート取り付け区域の表面積の百分率を指すために使用される。
【0027】
「非延伸性」とは、本明細書では、以下の試験が実施される場合に、力が加えられると、その元の長さを超えて10%以下まで伸長する要素又は材料を指すために使用される:2.54cmの幅及び25.4cmの長さを有する、要素又は材料の矩形部片を、その全幅に沿った、その上側の幅2.54cmの縁部に沿って、その部片を保持することによって、垂直位置のまま維持する。反対側の下側縁部上に、その材料の全幅に沿って、25℃で1分間、10Nの力を加える。1分後直ちに、依然として力を加えつつ、その部片の長さを測定し、その1分後に測定した長さから、初期長さ(25.4cm)を差し引き、次いで、その結果を初期長さで除算することによって、伸び率を計算する。
【0028】
本発明によるおむつ1は、長手方向中心線Yと、その長手方向中心線Yに垂直な横方向中心線Xとを有する。おむつ1は、トップシート20、バックシート21、及びそれらの間に位置決めされた吸収性コア22を備える。おむつ1は、トップシート20の長手方向両側に位置決めされた、長手方向に延びる一対の対向する弾性カフ30a、30bを更に備える。おむつ1は、前側領域Aと後側領域Cとの間に位置決めされたクロッチ領域Bを有する。
【0029】
おむつ1は、例えば
図1〜9に示すように、分離シート材料15で作製された横断方向分離シート10を備える。
【0030】
横断方向分離シート
本明細書の横断方向分離シート10は、一対の対向する弾性カフ30a、30b及びトップシート20に取り付けられる、個別シートである。カフ30a、30b又はトップシート20への取り付けの前の分離シート10は、本明細書では、分離シート材料15と称される。分離シート材料15は、分離シート材料ウェブから切り出すことができる。
【0031】
分離シート10は、おむつ1の前側領域A及び/又はクロッチ領域B内に存在し得るものであり、おむつ1の前側領域A内に存在する場合には、おむつ1の前側領域Aの後半分内で、クロッチ領域Bに極めて近接して存在する。例えば、トップシート取り付け区域14と、トップシート20又はおむつ1の前縁部1Fとの間の最小距離は、それぞれ、トップシート20又はおむつ1の平均長手方向寸法(平均長さ)の、20%又は25%又は30%〜60%又は〜50%又は〜40%とすることができる。
【0032】
分離シート10及び分離シート材料15は、上縁部11及び上縁部部分16、並びに底縁部12及び底縁部部分17と本明細書では称される、横断方向に延びる第1並びに第2の対向する縁部及び縁部部分を有する。上縁部11及び底縁部12は、分離シート10又は分離シート材料15の2つの対向する側縁部によって、互いに接続される。分離シート材料15の底縁部12に上縁部11を接続する、分離シート材料15の2つの対向する側縁部は、分離シート材料15が、平らな水平面上に弛緩した収縮状態で平坦に広げて配置される場合に、その分離シート材料の上縁部11に実質的に垂直なものであり得る点を理解されたい。また、分離シート10の底縁部12に上縁部11を接続する、分離シート10の2つの対向する側縁部の一部の部分は、使用時に、Z方向の向きを有し得る点も理解されたい。
【0033】
分離シート材料15は、弛緩した収縮状態で平らな水平面上に平坦に広げて配置される場合に、分離シート10の弛緩状態での分離シートの長手方向寸法(長さ)とも称される、長手方向寸法(長さ)を有し得るものであり、また分離シート材料15は、弛緩した収縮状態で平らな水平面上に平坦に広げて配置される場合に、分離シート10の弛緩状態での分離シートの横断方向寸法(幅)とも称される、横断方向寸法(幅)を有し得る。分離シート10又は分離シート材料15の幅は、それぞれ、分離シート10又は分離シート材料15の長さよりも長いものであり得る点を理解されたい。
【0034】
分離シート10は、3.0cm〜、又は3.5cm〜、又は4.0cm〜、又は5.0cm〜、例えば〜21.0cm、又は〜15.0cm、又は〜10.0cm、又は〜8.0cm、又は〜7.0cm、又は〜6.0cm、又は〜5.1cmの、分離シート10の上縁部11と底縁部12との間の、分離シート10の弛緩状態での最小長手方向寸法を有し得る。
【0035】
分離シート10は、少なくとも2.5cm、又は少なくとも4.0cm、又は少なくとも5.0cm〜20.0cm未満、又は〜12.0cm未満、又は10.0cm未満の、分離シート10の弛緩状態での平均横断方向寸法を有し得る。
【0036】
弾性カフへの分離シートの取り付け
分離シート10の上縁部部分16の部分は、弾性カフ30a、30bに、そのおむつ1のクロッチ領域B又は前側領域A内で取り付けられる。第1のカフ取り付け区域13a及び第2のカフ取り付け区域13bは、それぞれ、おむつ1のクロッチ領域B又は前側領域A内で、第1のカフ30aに、上縁部部分16の第1の取り付け区域を取り付けるとともに、おむつ1のクロッチ領域B又は前側領域A内で、第2のカフ30Bに、上縁部部分16の第2の対向する取り付け区域を取り付けて、形成される。第1及び第2のカフ取り付け区域13a、13bのそれぞれは、トップシート20又はおむつ1の長手方向中心線Yに最も近い、取り付け区域13a、13bの縁部である、内側取り付け区域縁部131a、131bを有する。それゆえ、カフ30a、30bのいずれにも取り付けられない、上縁部部分16の(中央)部分が存在する。分離シート10の弛緩した収縮状態での、分離シート10のこの(中央)部分の最小横断方向寸法、すなわち、対向する内側取り付け区域縁部131a、131b間で測定される、分離シート10の弛緩状態での、分離シート10の分離シートの最小横断方向寸法は、少なくとも20mm、又は少なくとも30mmとすることができる。この寸法は、最大60mm、又は最大55mm、又は最大50mm、又は最大45mmとすることができる。
【0037】
第1のカフ取り付け区域13aは、投影結合測定試験方法に従って測定される、第1の投影結合長さD
4aを有し、第2のカフ取り付け区域13bは、投影結合測定試験方法に従って測定される、第2の投影結合長さD
4bを有する。第1及び第2の投影結合長さD
4a、D
4bの平均は、おむつ(1)のクロッチ領域(B)の長手方向寸法の1%〜20%、又は2%〜15%とすることができる。第1及び第2の投影結合長さD
4a、D
4bの平均は、3mm〜25mm、又は5mm〜15mmとすることができる。このことは、おむつが着用者に適用される際に、着用者の身体と接触する上縁部部分16が、着用者の皮膚上に圧迫痕を作り出すことがないほど十分に長いものであるが、過度に長いものではないことにより、おむつ1の吸収特性を低減する可能性が極めて高くなるような、排尿点及び/又は肛門点の被覆が回避されることを確実にする。
【0038】
第1及び第2の弾性カフ30a、30bのそれぞれは、長手方向に延びる遠位縁部301a、301bを有する。第1の弾性カフの長手方向に延びる遠位縁部301aと、第1のカフ取り付け区域の内側取り付け区域縁部131aとの間の最小横断方向寸法、及び/又は、第2の弾性カフの長手方向に延びる遠位縁部301bと、第2のカフ取り付け区域の内側取り付け区域縁部131bとの間の最小横断方向寸法は、0〜15mm、又は0〜5mmである。そのような構成は、おむつ1が身体滲出物で充填される場合の、横断方向分離シート10の上方への糞便の移行のリスクを低減するために、特に有利である。
【0039】
第1及び第2のカフ取り付け区域13a、13bは、例えば
図1〜8に示すように、おむつ1の平坦状態で、おむつ1の長手方向軸線Yにおける互いの鏡像とすることができる。
【0040】
第1及び第2のカフ取り付け区域13a、13bは、任意の形状を有し得る。それらの区域は、例えば
図1〜9に示すように、矩形形状を有し得る。それらの区域はまた、円形又は楕円の形状も有し得る。
【0041】
第1及び/又は第2のカフ取り付け区域の内縁部131a、131bは、例えば
図1、3、6、及び
図7に示すように、おむつ1の平坦状態で、おむつ1の長手方向中心線Yに平行に方向付けることができる。
【0042】
第1及び/又は第2のカフ取り付け区域の内縁部131a、131bは、例えば
図4、5、8、及び
図9に示すように、おむつ1の平坦状態で、おむつ1の長手方向中心線Yに平行な長手方向線と、0°超〜90°未満の、又は15°〜70°、又は30°〜60°、又は40°〜50°の角度α
a、α
bを形成し得る。そのような構成は、第1及び第2のカフ取り付け区域の投影結合長さD4
a、D4
bを著しく増大させることなく、より長い、またそれゆえより強固なカフ取り付け区域13a、13bを有する、横断方向分離シート10を提供することが可能であるため、特に有利である。
【0043】
非直線状の内縁部131a、131bは、そのカフ取り付け区域13a、13bを取り囲むことが可能な最小面積を有する矩形の内縁部が、おむつ1の平坦状態で、それぞれ、おむつ1の長手方向中心線Yに平行に方向付けられるか、又は、おむつ1の長手方向中心線Yに平行な長手方向線と0°超の角度α
a、α
bを形成する場合には、おむつ1の長手方向中心線Yに平行に方向付けられているとして、又は、おむつ1の長手方向中心線Yに平行な長手方向線と0°超の角度α
a、α
bを形成しているとして見なされることを理解されたい。円形形状のカフ取り付け区域13a、13bは、おむつ1の平坦状態で、おむつ1の長手方向中心線Yに平行であるとして見なされることもまた、理解されたい。
【0044】
例えば
図6に示すように、第1及び第2のカフ取り付け区域13a、13bの対向する内縁部131a、131b間の、分離シート10の弛緩状態での、1つの分離シートの最小横断方向寸法D
5は、第1及び第2のカフ取り付け区域13a、13bの対向する内縁部131a、131b間の、分離シート10の弛緩状態での、1つの分離シートの最大横断方向寸法D
6よりも、分離シート10の上縁部11に近いものとすることができる。
【0045】
各カフ取り付け区域13は、分離シート10の平均横断方向寸法の3%〜40%、又は5%〜35%、又は5%〜25%の、平均横断方向寸法を有し得る。
【0046】
弾性カフ30a、30bへの分離シート10の取り付けは、接着剤結合、加圧結合、超音波結合、又は当該技術分野で既知の任意の他の取り付け手段によって、行うことができる。カフ取り付け区域13は、1つ以上の個別の結合部を含み得る。そのような個別の結合部は、特定の結合パターンに従って配置構成することができる。
【0047】
カフ取り付け区域13が、2つ以上の個別の結合部を含む場合には、それらの結合部は、本明細書では、単一の一体型カフ取り付け区域として見なされることを理解されたい。
【0048】
第1のカフ取り付け区域13a及び/又は第2のカフ取り付け区域13bの結合パターン密度は、20%超、又は30%超、又は40%超、又は60%超、最大100%とすることができる。
【0049】
トップシートへの分離シートの取り付け
分離シート10の底縁部部分17の部分又は全ては、1つ以上のトップシート取り付け区域14で、トップシート20に取り付けられる。この取り付けは、おむつ1又はトップシート20の前側領域A若しくはクロッチ領域B内とすることができる。
【0050】
1つ以上のトップシート取り付け区域14のそれぞれは、おむつ(1)のクロッチ領域(B)の長手方向寸法の1%〜10%、又は1%〜6%の、最大長手方向寸法を有し得る。1つ以上のトップシート取り付け区域14のそれぞれは、1mm〜15mm、又は2mm〜10mmの、最大長手方向寸法を有し得る。このことは、分離シート10の底縁部分17が過度に長いものではなく、それゆえ、おむつ1の吸収特性を低減する可能性が極めて高くなる恐れがある、トップシートの実質的な部分を覆うことがない点を確実にするため、特に有利である。
【0051】
トップシート取り付け区域14は、例えば
図1〜9に示すように、1つの中央トップシート取り付け区域14aと、その中央トップシート取り付け区域14aの両側の、2つの側方トップシート取り付け区域14b、14cとを含み得る。このことは、分離シート10が、着用者に対するおむつ1の快適性が低下する程度まで、おむつ1の剛性を増大させることなく、トップシート20に正確に固定されることを確実にするために、特に有利である。
【0052】
第1及び第2の弾性カフ30a、30bのそれぞれは、おむつ1のトップシート20及び/又はバックシート21に接合若しくは取り付けられる、長手方向に延びる近位縁部302a、302bと、使用時におむつ1の着用者の皮膚と接触する、長手方向に延びる対向する遠位縁部301a、301bとを有する。1つ以上のトップシート取り付け区域14の最大横断方向寸法D
7は、例えば
図1に示すように、おむつ1の平坦状態で、おむつ1の長手方向中心線Yを中心とすることができる。そのような構成は、おむつ1が着用者に適用される際に、排尿及び/又は肛門点を覆う恐れがあるか、あるいは、弾性カフ30a、30bと着用者の皮膚との間に、間隙(使用時条件では身体滲出物の漏出の原因となり得る間隙)を不用意に作り出す恐れがある、使用時の分離シート10の歪曲を防ぐために役立つ。
【0053】
1つ以上のトップシート取り付け区域14の最大横断方向寸法D
7は、例えば
図1に示すように、おむつ1の平坦状態で、第1及び第2の弾性カフの長手方向に延びる遠位縁部301a、301b間の最小横断方向寸法D
8の範囲内に含めることができる。1つ以上のトップシート取り付け区域14の最大横断方向寸法D
7は、おむつ1の平坦状態で、第1及び第2の弾性カフの長手方向に延びる遠位縁部301a、301b間の最小横断方向寸法D
8の50%〜98%、又は60%〜95%とすることができる。それゆえ、そのような構成では、トップシート取り付け区域14は、第1の弾性カフ30aと第2の弾性カフ30bとの間に完全に含まれる。このことは、おむつ1の製造中に、分離シート10がトップシート20に取り付けられる際、弾性カフの遠位縁部301a、301bが、トップシート20に不用意に取り付けられる恐れがある(このことは、おむつ1が着用者に適用される際に、脚部開口部の周囲での身体滲出物の漏出の原因となり得る)リスクを低減するために、特に有利である。
【0054】
トップシート取り付け区域14は、任意の形状を有し得る。それらの区域は、例えば
図1〜9に示すように、矩形形状を有し得る。そのような矩形形状のトップシート取り付け区域14は、おむつ1の平坦状態で、おむつ1の長手方向中心線Yに平行に方向付けることができる。それらの区域はまた、円形又は楕円の形状も有し得る。
【0055】
トップシート20への分離シート10の取り付けは、接着剤結合、加圧結合、超音波結合、又は当該技術分野で既知の任意の他の取り付け手段によって、行うことができる。トップシート取り付け区域14は、1つ以上の個別の結合部を含み得る。そのような個別の結合部は、特定の結合パターンに従って配置構成することができる。
【0056】
トップシート取り付け区域14が、2つ以上の個別の結合部を含み、それらの結合部間に3mm未満の最短距離を有する場合には、それらの結合部は、本明細書では、単一の一体型トップシート取り付け区域として見なされることを理解されたい。
【0057】
トップシート取り付け区域14のうちの少なくとも1つ(又は、それぞれ)の結合パターン密度は、20%超、又は30%超、又は40%超、又は60%超、最大100%とすることができる。
【0058】
トップシート20は、トップシート20の下の吸収性コア22に尿が通過することを可能にするための孔を備える、有孔トップシートとすることができる。
【0059】
分離シート10は、第1の面101及び第2の面102を有する。第1の面101を、弾性カフ(30a、30b)及びトップシート20の双方に取り付けることができる。あるいは、例えば
図1〜6に示すように、第1の面101を弾性カフ30に取り付け、第2の面102をトップシート20に取り付けることもできる。
【0060】
トップシート取り付け区域は、例えば
図1〜6に示すように、カフ取り付け区域13a、13bよりも、おむつ1又はトップシート20若しくはバックシート21の、前縁部1Fの近くに位置決めすることができる。このことにより、分離シート10が、おむつ1の前側への糞便の移行を促進する傾斜面を作り出すリスクを、低減することができる。
【0061】
横断方向分離シート10の特定設計
例えば、
図1、4、7〜9に示すように、おむつ1の平坦状態で測定される、第1の投影結合長さD
4aと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
9aは、分離シート材料15が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料15の弛緩状態で測定される、第1の投影結合長さD
4aと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
10aを下回り、及び/又は、おむつ1の平坦状態で測定される、第2の投影結合長さD
4bと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
9bは、分離シート材料15が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料15の弛緩状態で測定される、第2の投影結合長さD
4bと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
10bを下回る。そのような構成は、おむつ1が身体滲出物によって充填される場合に、弾性カフ30a、30b及び/又は分離シート10が、おむつ1のクロッチ領域B内で、トップシート20及び吸収性コア22によって引き倒される恐れがあるリスクを低減する。分離シート10の引き倒しは、使用時条件での、身体滲出物の漏出の原因となり得る。そのような構成では、分離シート10は、例えば
図1、2、及び
図4に示すように、おむつ1の平坦状態で、1つ以上の横断方向に延びる折り目18を備える。
【0062】
横断方向に延びる折り目18は、折り目線とすることができる。横断方向に延びる折り目18は、分離シート材料15が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料15の弛緩状態で測定される、第1の投影結合長さD
4aと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
10aの範囲内、及び、分離シート材料15が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料15の弛緩状態で測定される、第2の投影結合長さD
4bと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
10bの範囲内に、完全に位置決めすることができる。
【0063】
本明細書で前述したように、第1及び第2の弾性カフ30a、30bのそれぞれは、おむつ1のトップシート20及び/又はバックシート21に接合若しくは取り付けられる、長手方向に延びる近位縁部302a、302bと、使用時におむつ1の着用者の皮膚と接触する、長手方向に延びる対向する遠位縁部301a、301bとを有する。分離シート材料15が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料15の弛緩状態で測定される、第1の投影結合長さD
4aと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
10a、及び/又は、分離シート材料15が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料15の弛緩状態で測定される、第2の投影結合長さD
4bと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
10bは、35mm〜170mm、又は45mm〜170mm、又は55mm〜150mm、あるいは以下の3つの寸法の合計の33%〜100%、又は42%〜100%、又は53%〜90%とすることができる。
a.第1の長手方向に延びる弾性カフ30aの、長手方向に延びる近位縁部302aと長手方向に延びる遠位縁部301aとの間の、平均横断方向寸法D
11a、及び
b.第2の長手方向に延びる弾性カフ30bの、長手方向に延びる近位縁部302bと長手方向に延びる遠位縁部301bとの間の、平均横断方向寸法D
11b
c.第1の長手方向に延びる弾性カフ30aの長手方向に延びる近位縁部302aと、第2の長手方向に延びる弾性カフ30bの長手方向に延びる近位縁部302bとの間の、平均横断方向寸法D
12であって、
これらの3つの寸法は、第1及び第2のカフ取り付け区域13a、13bから、第1及び第2の弾性カフ30a、30bを取り外した後の、おむつ1の平坦状態で、おむつ1のクロッチ領域B内で測定される。このことは、おむつ1が身体滲出物によって充填される場合に、弾性カフ30a、30b及び/又は分離シート10が、おむつ1のクロッチ領域B内で、トップシート20及び吸収性コア22によって引き倒される恐れがあるリスクを低減する。分離シート10の引き倒しは、使用時条件での、身体滲出物の漏出の原因となり得る。
【0064】
おむつの平坦状態で測定される、第1の投影結合長さD
4aと1つ以上のトップシート取り付け区域(14)との間の最小長手方向寸法D
9a、及び/又は、おむつ1の平坦状態で測定される、第2の投影結合長さD
4bと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
9bは、おむつ1のクロッチ領域Bの長手方向寸法の1%〜40%、又は3%〜30%、又は5%〜20%である。このことは、使用時に、分離シート10が、おむつ1の吸収特性を低減する可能性が極めて高くなる恐れがある、トップシート20の実質的な部分を覆うことがない点を確実にする。
【0065】
おむつ1の吸収特性を低減させないためには、使用時に、分離シート10が吸収性コア22の実質的な部分を覆うことがないような方式で、分離シート10を構成するべきである。使用時に分離シート10によって覆うことができる、吸収性コア22の最大長手方向寸法を決定するために、分離シート10が、分離シート材料15が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料15の弛緩状態で測定される、第1の投影結合長さD
4aと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
10aの範囲内、及び、分離シート材料15が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料15の弛緩状態で測定される、第2の投影結合長さD
4bと1つ以上のトップシート取り付け区域14との間の最小長手方向寸法D
10bの範囲内に完全に位置決めされる、横断方向に延びる単一の折り目18を備えるように、おむつ1の平坦状態で、分離シート10を、おむつの前縁部1Fに向けて折り畳むことができる。おむつ1の平坦状態で測定される、横断方向に延びる上縁部11と横断方向に延びる単一の折り目18との間の最大長手方向寸法D
13は、おむつ1の平坦状態で測定される、横断方向に延びる上縁部11と吸収性コア22の前縁部22Fとの間の最大長手方向寸法D
14の40%未満、又は30%未満、又は20%未満とすることができる。
【0066】
横断方向分離シート材料
分離シート10は、少なくとも横断方向で弾性的に延伸可能とすることができ、すなわち、以降で説明されるように、力が加えられると、延伸することが可能であり、その力が解除されると、ほぼその元の幅に収縮することが可能である。分離シート10の上縁部部分16のみを、少なくとも横断方向で弾性的に延伸可能とすることができる。
【0067】
分離シート10はまた、長手方向にも弾性的に延伸可能とすることができる。
【0068】
伸縮性のシート材料15で分離シート10を作製することにより、分離シート10を、少なくとも横断方向で弾性的に延伸可能にさせることができる。「伸縮性」とは、本明細書で分離シート10又は分離シート材料15に関して(及び、カフ若しくはカフウェブ材料に関しても)使用される場合、弾性材料、例えば1つ以上の弾性バンド又は弾性ストランドが、特定の1区域若しくは特定の複数区域内、すなわち伸縮性区域内のみに提供されている、非弾性シート材料で作製されることを意味する。伸縮性区域の総表面積は、例えば、分離シート10又は分離シート材料15の総表面積の50%未満とすることができる。
【0069】
分離シート10若しくは分離シート材料15の上縁部部分16及び底縁部部分17のうちの一方若しくは双方は、非弾性とすることができるシート材料、例えば非弾性の不織布シートに、実質的に横断方向に延びる1つ以上の弾性バンド又は弾性ストランドを適用することによって、伸縮性にすることができる。
【0070】
分離シート10は、少なくとも横断方向で弾性的に延伸可能とすることができる。この分離シートは、少なくとも、カフ30a、30b及びトップシート20に取り付けられている表面積を除く、その表面積にわたって、横断方向で弾性的に延伸可能とすることができる。
【0071】
分離シート材料15は、弾性フィルム、又は不織布シート材料、又は弾性フィルムと不織布シート材料との積層体とすることができ、あるいは、それらを含み得る。積層体の不織布シート材料は、着用者の皮膚と接触するように位置決めすることができる。積層体のそのような構成は、弾性フィルムが着用者の皮膚に直接接触する場合よりも、着用者に対して優れた快適性を提供することができる。
【0072】
この不織布シート材料は、2成分繊維を含めた繊維へと作製され、次いで不織布シートへと作製される、ポリエチレン及び/又はポリプロピレンなどの、当該技術分野で既知のポリオレフィンで作製することができる。この不織布シート材料は、ネック付き不織布とすることができる。この不織布シート材料は、メルトブローン不織布、又はスパンボンド不織布、又はカード不織布とすることができ、それらの積層体とすることができ、例えば、スパンボンド層又はカード層とメルトブローン不織布層との積層体とすることができる。
【0073】
分離シート材料15は、少なくとも横断方向の弾性を不織布シート材料に提供する方式で、不織布シート材料に弾性材料を(例えば、実質的に均一に)適用することにより、実質的に均一な弾性挙動を有する、不織布シート材料とすることができ、又は、そのような不織布材料を含み得るものであり、例えば、弾性材料は、不織布シート材料上に、均質に、又は横断方向のストライプなどのパターンで、噴霧するか若しくは押し出すことができる。
【0074】
分離シート材料15は、弛緩した収縮状態の平らな水平面上に、弛緩した収縮状態で平坦に広げて配置された場合に、矩形又は正方形のものとすることができる。分離シート材料15はまた、弛緩した収縮状態の平らな水平面上に、弛緩した収縮状態で平坦に広げて配置された場合に、台形のものとすることができ、分離シート材料15の上縁部11及び底縁部12が、その台形の2つの平行な辺を形成する。
【0075】
分離シート材料15は、バリア材料とすることができ、疎水性とすることができ、例えば、親水性であって、かつ当該技術分野で既知のものなどの疎水性表面コーティングで、例えば、1種以上のシリコーンポリマー若しくはフッ素化ポリマーを含むワックス又は疎水性表面コーティングで、疎水性にすることができる。
【0076】
分離シート10は、おむつ1を作製するプロセスの間、及び着用者に対しておむつ1を適用する間は、少なくとも横断方向で著しく弾性的に延伸可能であり得るが、使用時条件では(着用中は)、着用者が脚を離れる方向に移動させる場合、及び着用者が脚を一体に移動させる場合の双方で、着用者の皮膚との正しい位置合わせを提供するような、弾性挙動を有する。分離シート10は、更に好ましくは、おむつ1の後側から前側への糞便の移行を回避するために、Z方向寸法を有する有効な分離帯(バリア)を確実に形成するように、使用時には特定の張力を有するべきである。更には、この張力は、過度に高いものとするべきではなく、さもなければ、分離シート10が取り付けられているカフ30a、30bは、使用時に、互いに過度に近接して一体に引き寄せられることにより、カフ30a、30bの外側、又はカフ30a、30b上への、尿若しくは糞便の潜在的な漏出の問題がもたらされる。
【0077】
分離シート10は、プロセス時2サイクルヒステリシス試験に従って測定される際に、少なくとも0.8の歪みまで、横断方向で弾性的に延伸可能とすることができる。分離シート10又は分離シート材料15は、プロセス時2サイクルヒステリシス試験に従って測定される際に、少なくとも1.2、又は少なくとも1.5、又は少なくとも2.0、又は少なくとも2.5、又は少なくとも3.0、又は少なくとも3.5の歪みまで、横断方向で弾性的に延伸可能とすることができる。このことは、弾性材料を加工処理するために好適な任意の力、典型的には20N以下の力、又は典型的には10N以下の力で行うことができる。それゆえ、分離シート10は、高度な延伸を必要とするプロセスで加工処理することができ、ほぼ即座に、ほぼその元の幅に収縮することにより、高速の加工処理が可能となるようなものである。
【0078】
分離シート10は、特定の歪み値まで、横断方向で弾性的に延伸可能であると見なされ、プロセス時2サイクルヒステリシス試験に従って、その歪み値まで延伸された後の場合には、プロセス時2サイクルヒステリシス試験に従って測定されるパーセント残留歪みは、30%以下の残留歪み、又は20%以下、又は10%以下の残留歪みであることを理解されたい。そのような低い残留歪みの値を有することは、分離シート材料15が、おむつ1の加工処理の間に損傷を受けないことを確実にする。
【0079】
カフ
おむつ1は、分離シート10(材料15)が取り付けられる、長手方向に延びる一対の対向する第1の弾性カフ30a及び第2の弾性カフ30bを有する。
【0080】
分離シート10が取り付けられるカフ30a、30bのそれぞれは、外側カフ(レッグカフ)及び内側カフ(バリアカフ)を含む、一体型二重カフシートの一部とすることができ、後者の内側カフが、分離シート10に取り付けられる。
【0081】
第1及び第2の弾性カフ30a、30bのそれぞれは、おむつ1のトップシート20及び/又はバックシート21に接合若しくは取り付けられる、長手方向に延びる近位縁部302a、302bと、使用時におむつ1の着用者の皮膚と接触する、長手方向に延びる対向する遠位縁部301a、301bとを有する。
【0082】
カフ30a、30bは、バックシート21の両側にカフ30a、30bを有するように、バックシート21の長手方向側部に隣接し、かつ長手方向側部に沿って、バックシート21に取り付けることができる。カフ30a、30bは、トップシート20の両側にカフ30a、30bを有するように、トップシート20の長手方向側部に隣接し、かつ長手方向側部に沿って、トップシート20に取り付けることができる。
【0083】
カフ30a、30bは、おむつ1の平坦状態で、おむつ1の長手方向中心線Yにおける互いの鏡像とすることができる。各カフ30a、30b及び/又はその近位縁部は、湾曲させることができ、あるいは実質的に直線状にすることもできる。
【0084】
カフ30a、30bは、一対のカフウェブから作製することができ、各カフウェブは、次いで互いに分離されて個別のカフを形成する、多数のカフを含む。
【0085】
カフ30a、30bは、例えば、分離シート10又は分離シート材料15に関して上述したように、弾性又は伸縮性である。カフ30a、30bは、少なくともその遠位縁部に沿って、又はその遠位縁部に沿ってのみ、伸縮性とすることができる。各カフ30a、30bは、伸張状態で取り付けられた1つ以上の弾性ストランドを有する、シート材料とすることができる。この1つ以上の弾性ストランドは、少なくともカフの遠位縁部301a、301bに沿って、延びることができる。
【0086】
各カフ30a、30bの近位縁部は、吸収性コア22の、又はバックシート21の、又はトップシート20の、長手方向側部に沿って位置決めすることができる。
【0087】
各カフ30a、30bの近位縁部は、吸収性コア22全体が、それらのカフの近位縁部間に存在するように、吸収性コア22の外側に長手方向で位置決めすることができる。
【0088】
カフ30a、30bは、使用時にZ方向の向きを有するように、取り付けることができる。
【0089】
カフの遠位縁部301a、301bのそれぞれは、おむつ1、又はトップシート20若しくはバックシート21の、後縁部1B(例えば、ウェストバンド)及び/又は前縁部1F(例えば、ウェストバンド)内に、例えば
図1及び
図4に示すように、それぞれ、いわゆる前側タック止め領域35a、35b及び後側タック止め領域34a、34b内で、更に取り付けることができる。
【0090】
第1のカフ30aの前側タック止め領域35aと、対向する第2のカフ30bの前側タック止め領域35bとの間の横断方向距離は、おむつ1の平坦状態で、カフ遠位縁部301a、301b間の最大横断方向距離と等しくすることができる。この横断方向距離は、少なくとも5.0cm、又は少なくとも6.0cm、又は少なくとも7.0cmとすることができる。この横断方向距離は、最大で、おむつ1の平坦状態で、おむつ1のクロッチ領域内で測定される、おむつ1の平均横断方向寸法とすることができる。同じことは、第1のカフ30aの後側タック止め領域34aと、対向する第2のカフ30bの後側タック止め領域34bとの間の横断方向距離にも適用することができる。
【0091】
各カフ30a、30bは、95%又は80%の延伸歪みまで延伸される場合、少なくとも0.2N(20グラム)、かつ最大1.0N(100グラム)又は最大0.5N(50グラム)の弾性張力を有し得る。
【0092】
カフ30a、30b又はカフウェブ材料は、不織布シート材料を含み得る。横断方向分離シート10を作製するために使用されるものと同じ不織布シート材料を、使用することができる。この不織布シート材料は、例えば、1つ以上のスパンボンド層及び/又はカード層と1つ以上のメルトブローン層とを有する不織布積層体を含めた、当該技術分野で既知のような、液体不透過性の不織布バリアシート材料とすることができる。この不織布シート材料を形成するために使用される繊維は、ポリプロピレン繊維、ポリエチレン繊維、2成分繊維、ナノ繊維、及びこれらの任意の組み合わせから選択することができる。
【0093】
カフ30a、30b若しくはそれらの一部、及び/又は分離シート10若しくはその一部は、当該技術分野で既知のようなスキンケア組成物、例えば、ローションを含み得る。
【0094】
分離シート10又は分離シート材料15を、弛緩した収縮状態で、カフ30a、30bに取り付けることができる。次いで、カフ30a、30bを離間させて広げることにより、分離シート10又は分離シート材料15を伸張させることができる。
【0095】
カフ30a、30bは、例えば、おむつの寸法に応じて、任意の好適な寸法を有し得る。それらのカフは、おむつ1のほぼ全長に延びることができる。それらのカフは、例えば少なくとも30mm、又は例えば少なくとも40mmの、おむつ1の長手方向中心線Yに垂直な横断方向寸法を有し得る。
【0096】
トップシート
おむつ1は、トップシート20を備える。本明細書のおむつ1のトップシートは、尿が通過することを可能にするものであれば、当該技術分野で既知の任意の好適な材料で作製することができる。この点で、トップシートは、親水性材料、又は親水性とするべく処理された材料を含めた、尿透過性材料で作製することができる。本明細書で前述したように、トップシート20は、トップシート20の下の吸収性コア22に尿が通過することを可能にするための孔を備える、有孔トップシートとすることができる。
【0097】
トップシートは、親水性又は疎水性のいずれかとすることができる。
【0098】
分離シート10又は分離シート材料15を、弛緩した収縮状態で、カフ30a、30b及びトップシート20に取り付けることができる。次いで、カフ30a、30bを離間させて広げることにより、分離シート10又は分離シート材料15を伸張させることができるが、カフ30a、30bは、例えば、広げる前に、又は広げる工程の後に、トップシート20に取り付けることができる。
【0099】
トップシート20は、伸縮性材料とすることができ、又は、例えば折り目を備えることによって、延伸可能な材料とすることができる。トップシート20は、例えば、分離シート10(又は分離シート材料15)及び/又はカフ30a、30bへの取り付けの前に、長手方向に延びる1つ以上のZ折り目を備え得る。トップシート20が展開されると、そのトップシートは、折り目、例えばZ折り目をもはや有さないが、依然として、長手方向に延びる折り目線を有し得る。
【0100】
好ましいトップシート材料は、有孔フィルム、孔形成フィルムなどの、孔を有する積層体及び/又は材料を含めた、不織布材料である。
【0101】
トップシート20、又は例えば、そのクロッチ領域及び/又は後側領域のみが、スキンケア組成物、例えばローションを含み得る。
【0102】
おむつの他の要素
おむつ1はまた、少なくともバックシート21及び吸収性コア22も有し、例えば、吸収性コア22は、例えば、トップシート20と液体連通する1つ以上の獲得層と、典型的にはコアカバー材料によって封入された、超吸収性ポリマー材料/粒子を少なくとも備える貯蔵層とを含めた、複数の層を備える。
【0103】
獲得層は、粉砕木材パルプ、捲縮セルロース塊、コフォームを含めたメルトブローンポリマー、化学的に剛化、変性、又は架橋されたセルロース繊維、ティッシュラップ及びティッシュ積層体を含めたティッシュ、吸収性発泡体、吸収性スポンジなどの、尿又は粘性が低い糞便を獲得することが可能な、任意の獲得材料を含み得る。
【0104】
貯蔵層は、上記の材料のうちのいずれかを含み得るが、典型的には、少なくとも超吸収性ポリマー材料/粒子を含み、例えば、この吸収性貯蔵層は、(例えば、コアラップを除く)80重量%超の超吸収性ポリマー(粒子)材料を含み得るものであり、セルロース(エアフェルト)材料を含み得ない。
【0105】
吸収性コア22は、前縁部22F及び後縁部22Bを有する。
【0106】
バックシート21は、当該技術分野で既知のように、液体不透過性とすることができる。液体不透過性バックシート21は、好ましくは、例えば約0.01mm〜約0.05mmの厚さを有する、熱可塑性フィルムなどの薄いプラスチックフィルムを含む。好適なバックシート材料は、典型的には、おむつ1から蒸気が逃れることを可能にしつつ、バックシート21を滲出物が通過することを依然として防ぐ、通気性材料を含む。好適なバックシートフィルムとしては、Tredegar Industries Inc.(Terre Haute,IN)により製造され、X15306、X10962、及びX10964の商品名で販売されるものが挙げられる。バックシートは、均質材料で作製することができる。
【0107】
バックシート21、又はその任意の部分は、1つ以上の方向で、弾性的に延伸可能とすることができる。バックシート21はまた、非延伸性とすることもできる。バックシート21は、当該技術分野で既知の任意の取り付け手段によって、トップシート20、吸収性コア22、又はおむつ1任意の他の要素に取り付けるか、若しくは接合することができる。トップシート20及びバックシート21の長手方向側縁部は、互いに直接取り付けられることが、非常に好ましい場合がある。
【0108】
おむつ1はまた、身体滲出物、典型的には糞便物質を受容し、及び/又は不動化することが可能な、トップシート20と吸収性コア22との間に配置された副層も含み得る。
【0109】
本明細書のおむつ1は、当該技術分野で既知のような、典型的にはウェストバンドに接合される、締結システムを有し得る。好ましい締結システムは、締結タブ及びランディング領域を含み、締結タブは、おむつ1の後側領域に取り付けられるか又は接合され、ランディング領域は、おむつ1の前側領域Aの一部である。
【0110】
おむつ1は、締結された側方縁部を有する、パンツ型おむつとすることができる。
【0111】
試験方法
投影結合測定試験方法:
この方法は、カフ取り付け区域の投影結合長さを判定する。おむつ1が、平らな水平面上に平坦に広げて配置される。例えば
図7、8、及び
図9に示すように、おむつ1の長手方向中心線Yに平行であり、おむつ1の長手方向中心線Yに最も近いカフ取り付け区域13の点と接触する、第1の長手方向に延びる線L
1を引く。第1の長手方向に延びる線L
1に平行な、第2の長手方向に延びる線L
2を、例えば
図7、8、及び
図9に示すように、第1の長手方向に延びる線L
1と第2の長手方向に延びる線L
2との間の5mmの距離D
3で、長手方向中心線Yから更に離れる方向で引く。例えば
図7、8、及び
図9に示すように、おむつ1の長手方向中心線Yに垂直であり、おむつ1の前縁部1Fに最も近いカフ取り付け区域13の点と接触し、第1の長手方向に延びる線L
1と第2の長手方向に延びる線L
2との間で横方向に含まれる、第1の横方向に延びる線L
3を引く。例えば
図7、8、及び
図9に示すように、おむつ1の長手方向中心線Yに垂直であり、おむつ1の後縁部1Bに最も近いカフ取り付け区域13の点と接触し、第1の長手方向に延びる線L
1と第2の長手方向に延びる線L
2との間で横方向に含まれる、第2の横方向に延びる線L
4を引く。
【0112】
第1の横方向に延びる線L
3と第2の横方向に延びる線L
4との間の距離D
4が、カフ取り付け区域13の投影結合長さに相当する。
【0113】
プロセス時2サイクルヒステリシス試験:
機器、及びサンプルの調製:
この試験のための好適な計器としては、MTS Systems Corp.(Eden Prairie,Minn)より市販の引張試験機(例えば、Alliance RT/1又はSintech 1/S)、又はInstron Engineering Corp.(Canton,Mass)若しくはZwick/Roell(Kennesaw,Georgia/Ulm,Germany)より市販の引張試験機が挙げられる。
【0114】
この試験機には、上側グリップ及び下側グリップ内に、グリップ面セットが装備され、各セットは、1つのゴムコーティング面(80Aのショア硬度)及び1つの接触線面(金属)を有し、ゴムコーティング面内に接触線面を係合させることにより滑りを防ぐ、ネジ機構を備える。上側グリップ及び下側グリップの長さは、試験される試料のクランプ固定長さと少なくとも同じ長さであり、そのグリップ長さは、試料の長さに平行なグリップの寸法である。ロードセルは、測定される最大負荷が、そのロードセルの最大能力の10〜90%の範囲内であるように使用される。計器は、製造者の仕様書に従って較正される。
【0115】
おむつから試料を得る前に、そのおむつを、少なくとも24時間、周囲温度(22℃+/−5℃)で弛緩状態に保つ。
【0116】
分離シート10を切り出して、おむつ1の長手方向中心線Yを中心とする20mmの横断方向寸法(幅)及び30mmの長手方向寸法(長さ)を有する、矩形の試料を得るが、横断方向寸法及び長手方向寸法の双方は、試料が平らな水平面上に平坦に広げて配置される場合の、弛緩した収縮状態で測定される。試料の横断方向寸法及び長手方向寸法は、それぞれ、分離シート10の横断方向寸法及び長手方向寸法に平行に測定される。分離シート10の上縁部11に最も近い、この試料の横断方向に延びる縁部は、以降では、その試料の上縁部と称される。この試料の横断方向に延びる反対側の縁部は、以降では、その試料の底縁部と称される。
【0117】
弛緩した収縮状態での、上縁部と底縁部との間で、30mm超の最小長さを有する分離シート10に関しては、試料は、分離シート10の上縁部を含むように切り出される。
【0118】
クランプ固定長さ
クランプ固定長さは、弛緩した収縮状態の試料の、その試料の上縁部から開始する、グリップ間にクランプ固定されている長さである。このクランプ固定長さは、第1の投影結合長さD4
aと第2の投影結合長さD4
bとの平均に等しい。第1及び第2の投影結合長さD4
a、D4
bは、試験試料の切り出しの前に、投影結合測定試験方法に従って測定される。
【0119】
試験(詳細は下記)を開始する前に、各試料及び機器は、本明細書のプロセス時2サイクルヒステリシス試験に関して、22℃(+/−1℃)で少なくとも1時間、平衡化しなければならない。
【0120】
装備品及びグリップの質量を補正するように、計器上の力読取り値をゼロにする。試料は、弛みが存在せず、測定される力が0.00N〜0.01Nとなる状態で、グリップ内に取り付けられる。データ取得周波数は、100Hzであり、ヒステリシス試験の全てのセグメントの間に、力、時間、及び工学歪みのデータが取得される。
【0121】
試料は、弛緩した収縮状態で、その幅のうちの10mmがグリップの接触線の間(ゲージ幅)にあり、その幅のうちの5mmが各グリップの接触線の外側にある状態で取り付けられる。クランプ固定長さの試料が、グリップ内にクランプ固定される。残余の長さの試料(試料の長さからクランプ固定長さを差し引いたものに等しいもの)は、グリップから排除される。クランプ固定長さは、上記で指定されている。
【0122】
以下では、工学歪みは、ΔW/W
0として、ΔW=W
t−W
0と共に定義され、式中、W
0は初期サンプル幅であり、W
tは時間tでのサンプル幅である。
【0123】
プロセス時2サイクルヒステリシス試験(22℃での測定):
プロセス時2サイクルヒステリシス試験を、以下のように実行する:
1.弛み調節:0.02Nの弛み調節の前負荷力が達成されるまで、13mm/分の速度でクロスヘッドを移動させる。0.02Nの弛み調節の前負荷力での、グリップの接触線間の距離は、初期サンプル幅W
0(工学歪み=0%)に等しい、調節ゲージ幅W
GAdjである。
【0124】
2.第1サイクル:
試料を、800mm/分のクロスヘッド速度で、試験される工学歪みまで延伸する。この工学歪みでは、保持されることがない。次いで、800mm/分のクロスヘッド速度で、調節ゲージ幅WG
Adjまでクロスヘッドを戻し、この工学歪みで60秒間保持する。
【0125】
3.第2サイクル:
試料を、800mm/分のクロスヘッド速度で、第1サイクルでの工学歪みと同じ工学歪みまで延伸する。この工学歪みでは、保持されることがない。次いで、800mm/分のクロスヘッド速度で、調節ゲージ幅W
GAdjまでクロスヘッドを戻し、この工学歪みで60秒間保持する。
【0126】
おむつの分離シートの各試料を、プロセス時2サイクルヒステリシス試験後の損傷に関して検査する。本発明の分離シート材料は、試験後の損傷を有さないものでなければならない。損傷は、パーセント残留歪みを介して定義される。パーセント残留歪み(%残留歪み)は、0.069N(7重量グラム)の第2サイクル延伸力が測定される場合の、パーセントでの工学歪みとして定義される。パーセント残留歪みが30%を下回る場合には、その試料は、損傷を受けていないものと見なされ、それゆえ、試験された工学歪みまで弾性的に延伸可能であると見なされる。
【0127】
最低5つの試料を測定して、平均試験値を決定するが、平均データは、引張試験機の試験ソフトウェアによって提供される(例えば、Alliance RT1 MTS計器は、TestWorks4バージョン4.08Bである)。
【0128】
この方法の報告は、測定のために使用される、使用される工学歪み、試料の寸法、及びクランプ固定長さを指定するものである。
【0129】
この方法に関して報告される分離シートの特性は、%残留歪みである。
【実施例】
【0130】
横断方向分離シートを備える4つの異なるおむつを調製する。4つのおむつのそれぞれは、横断方向分離シートが取り付けられる、2012年6月に独国で市販の、Pampers Active Fit(商標)サイズ4おむつである。4つのおむつのそれぞれは、分離シートの上縁部部分が、加圧結合によって、おむつの弾性カフのクロッチ領域に取り付けられる、第1及び第2のカフ取り付け区域を備える。4つのおむつのそれぞれはまた、分離シートの底縁部部分が、加圧結合によって、おむつのトップシートに取り付けられる、1つの中央トップシート取り付け区域、及び2つの側方トップシート取り付け区域も備える。4つのおむつのそれぞれは、488mmの長手方向寸法を有する。
【0131】
第1及び第2のカフ取り付け区域は、おむつの平坦状態で、15mmの長手方向寸法及び13mmの横方向寸法を有する、矩形形状を有し、第1及び第2のカフ取り付け区域のそれぞれの内縁部が、おむつの長手方向中心線Yに平行に方向付けられており、おむつの長手方向中心線Yにおける互いの鏡像である。中央及び2つの側方トップシート取り付け区域は、おむつの横方向中心線Xに平行に方向付けられた、矩形形状を有する。中央及び2つの側方トップシート取り付け区域のそれぞれは、6mmの長手方向寸法及び20mmの横方向寸法を有し、2つの隣り合うトップシート取り付け区域間の7.5mmの横方向寸法で、離間配置されている。おむつの平坦状態で測定される、2つのカフ取り付け区域と3つのトップシート取り付け区域との間の最小長手方向寸法は、9mmであり、分離シート材料が平らな水平面上に平坦に広げて配置された場合の、分離シート材料の弛緩状態で測定される、2つのカフ取り付け区域と3つのトップシート取り付け区域との間の最小長手方向寸法は、64mmである。
【0132】
4つのおむつのそれぞれは、以降で説明するような、異なる分離シート材料で作製される。分離シート材料のそれぞれは矩形であり、弛緩した収縮状態で平らな水平面上に平坦に広げて配置される場合に、85mmの長手方向寸法及び100mmの横断方向寸法を有するものであり、その分離シート材料が横断方向で延伸可能となるように方向付けられる。
【0133】
(実施例1〜3)
実施例1、2、及び実施例3のおむつの横断方向分離シートは、表1に示す、活性化三重積層分離シート材料で作製される。
【0134】
表1に示す、この活性化三重積層分離シート材料は、押し出し二重積層体(EBL、NW1/A1/B1/A2)の、第2の不織布(NW2)への接着剤積層によって作製され、伸張を解除するための活性化が続く。
【0135】
本発明で有用なEBLは、米国特許第8,168,853号(Autran等)に開示され、Clopay Plastic Product(Mason,Ohio)によって作製されている。EBLは、制御された温度条件及び圧力条件下の2つの圧縮ロールのニップで、1つの不織布(NW1)を、新たに押し出されて引き伸ばされた多層フィルム(A1/B1/A2)上に、互いに密着するように引き込み、押し出された多層フィルム(A1/B1/A2)の結合層(A1)と不織布(NW1)の繊維との間に、結合部を形成することによって作製される。
【0136】
EBLは、第1の不織布(NW1)と、結合層(A1)、内側層(B1)、及び表面薄層(A2)を含む15gsmの多層フィルムとを含む。実施例1及び実施例2に関するフィルム内側層(B1)の組成は、92%のVistamaxx 6102、1%のAmpacet 10562(加工助剤)、及び7%のAmpacet 110361(70%のTiO
2を有する白色マスターバッチ)の重量%ブレンドである。実施例3のEBLのフィルム内側層(B1)の組成は、87%のVistamaxx 6102、5%のInspire Dow 118PP、1%のAmpacet 10562、及び7%のAmpacet 110361の重量%ブレンドである。A1の組成は、組成的にA2と同一であり、24%のInfuse 9107、75%のElite 5800、及び1%のAmpacet 10562の重量%ブレンドである。
【0137】
実施例1、2、及び実施例3のEBL内で使用される第1の不織布(NW1)は、Pegas Nonwovens(Czech Republic)による、15gsmのスパンボンド2成分PP/PE(50/50の、コア/シース)不織布である。実施例1及び実施例2のEBLに接着積層される、第2の不織布(NW2)は、Fiberweb(Washougal,WA)による、20gsmのスパンボンド2成分PP/PE(70/30の、コア/シース)不織布であるが、実施例3では、第2の不織布(NW2)は、第1の不織布(NW1)と同じ不織布、すなわち、Pegas Nonwovens(Czech Republic)による、15gsmのスパンボンド2成分PP/PE(50/50の、コア/シース)不織布で作製される。Vistamaxx 6102樹脂は、ExxonMobil Chemical Company(Houston,Texas)より入手可能である。Ampacet 10562及び110361は、Ampacet Corporation(Cincinnati,Ohio)より入手可能である。Elite 5800 PE及びInfuse 9107樹脂は、Dow Chemical Company(Midland,Michigan)より入手可能である。
【0138】
実施例1、2、及び実施例3に関しては、エージングされたEBLのロールは、A2−NW2境界面に約4.5gsmのBostik H2861接着剤(Bostik Inc.(Wauwatosa,Wisconsin)より市販)を添加し、高速接着剤積層プロセスを使用して、第2の不織布(NW2)と組み合わされることにより、三重積層体が形成される。実施例1及び実施例3に関しては、この積層の後に、リングロール活性化プロセスによる機械的活性化が続く。実施例2に関しては、この積層の後に、高速リサーチプレス(HSRP)活性化による機械的活性化が続く。積層及び活性化の詳細を、表1に示す。
【0139】
HSRP活性化プロセスは、米国特許第7,062,983号及び同第6,843,134号で説明されている。HSRP活性化プロセスとは、三重積層体の部分を選択的に伸張させるための、噛み合い歯を有するアルミニウムプレートの使用を指し、それにより、不織布層が破断及び/又は伸長して、弾性の多層フィルムは、それらの不織布層によって必要以上に妨害されることなく、伸縮することが可能となる。HSRP活性化のために使用される活性化プレートは、0.1mmの先端半径、0.5mmの根元半径、及び10.15mmの歯の高さを有する、噛み合い歯を有する。
【0140】
【表1】
【0141】
(実施例4)
実施例4のおむつの横断方向分離シートは、2012年6月に独国で市販の、Pampers Active Fit(商標)おむつの後側耳部材料で作製される。
【0142】
本明細書で開示される寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものとして理解されるべきではない。むしろ、特に指定のない限り、そのような各寸法は、記載された値、及びその値の周辺の機能的に等価な範囲の双方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味するものとする。
【0143】
相互参照されるか若しくは関連付けられる、あらゆる特許又は出願を含めた、本明細書に引用される全ての文書は、明示的に排除されるか又は他の方式で制限されない限り、その全体が参照により本明細書に組み込まれる。いかなる文書の引用も、その文書が本明細書で開示又は特許請求されるいずれかの発明に対する先行技術であること、あるいは、その文書が単独で、又は任意の他の参照文献との組み合わせで、いずれかのそのような発明を教示するか、示唆するか、若しくは開示することを認めるものではない。更には、本文書での用語のいずれかの意味又は定義が、参照により組み込まれる文書での、同じ用語のいずれかの意味又は定義と矛盾する限りにおいて、本文書でその用語に指定された意味又は定義が、適用されるものとする。
【0144】
本発明の特定の実施形態が例示され、説明されているが、当業者には、本発明の趣旨及び範囲から逸脱することなく、様々な他の変更及び修正を実施することができる点が明白であろう。それゆえ、本発明の範囲内である全てのそのような変更及び修正を、添付の特許請求の範囲で包含するものとする。