(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
1つ以上の周波数帯域の送受信信号を処理するための1つ以上の送受信部をそれぞれ含む無線接続ノードシステムA及び無線接続ノードシステムBを含む無線通信ネットワークで無線接続ノードシステムのアンテナ共用化装置であって、
前記無線接続ノードシステムAの前記1つ以上の送受信部の多入力多出力(MIMO)経路の中で第1の送受信経路を通して提供される送信信号を全反射特性で通過させ、前記無線接続ノードシステムBの前記1つ以上の送受信部のMIMO経路の中で第2の送受信経路を通して提供される送信信号を通過させ、両信号を合成して前記無線接続ノードシステムAのアンテナに出力する方向性結合器モジュールAと、
前記方向性結合器モジュールAと前記無線接続ノードシステムAのアンテナとの間の経路間の信号を一部カップリングして、前記無線接続ノードシステムAのアンテナの受信信号の一部を前記無線接続ノードシステムBの前記第2の送受信経路を通して提供する受信信号処理回路とを含むMIMO結合器Aを有することを特徴とするアンテナ共用化装置。
前記第1の送受信経路の信号の中の予め定められた第1の周波数帯域と前記第1の周波数帯域外の他の帯域とを分離し、前記第1の周波数帯域の信号を前記方向性結合器モジュールAに提供するBPFと、
前記無線接続ノードシステムA及び前記BPFと共通で送信信号を受信し、前記第1の周波数帯域の信号をフィルタリングし、前記フィルタリングされた信号を前記方向性結合器モジュールAに提供する下段第1のBPFと、
前記無線接続ノードシステムAのアンテナ及び前記BPFと共通で受信信号を受信し、前記第1の周波数帯域の信号をフィルタリングし、前記フィルタリングされた信号を前記方向性結合器モジュールAに提供する上段第1のBPFとを有し、
前記方向性結合器モジュールAは、前記無線接続ノードシステムAの前記第1の送受信経路を通して提供される送信信号を前記下段第1のBPFを通して受信し、前記無線接続ノードシステムAのアンテナに出力する信号は、前記上段第1のBPFを通して出力することを特徴とする請求項1に記載のアンテナ共用化装置。
【背景技術】
【0002】
最近では、無線通信サービスの普遍化及び無線広帯域データ通信の活性化に従って、不足した周波数帯域を十分に確保するために様々な周波数帯域が使用可能な周波数帯域となっている。主に使用される周波数帯域は、比較的低周波帯域である800MHz帯域又は900MHz帯域(例えば、698〜960MHz:以下、“第1の周波数帯域”と称する)、比較的高周波帯域である1.8GHz帯域又は2.1GHz帯域(例えば、1.71〜2.17GHz:以下、“第2の周波数帯域”と称する)、又は2.3GHz帯域(例えば、2.3〜2.7GHz:以下、“第3の周波数帯域”と称する)である。第1、第2、及び第3の周波数帯域は、それぞれ第2の世代(2G、例えば、CDMA)、第3の世代(3G、例えば、WCDMA(登録商標))、第4の世代(4G、例えば、LTE)無線接続技術(Radio Access Technology:RAT)に従う通信方式に適切に分配し割り当てて使用している。また、多重アンテナ基盤MIMO技術は、データ送信速度を向上させるための必須の技術であり、LTE及びモバイルWiMAXのような最近の無線通信ネットワークに適用されている。
【0003】
図1は、通常のアンテナ設置状態を示す複数の事業者別無線接続ノードシステムの一例を示すブロック図であり、例えば、事業者A及びBの無線通信基地局である基地局システムA 10及び基地局システムB 20を示す。この場合に、基地局システムA 10及び基地局システムB 20は、比較的広い地域を担当する一般的な無線通信基地局であり得るが、
図1の例では、ビルディングの各層に設置されるなど、特定の陰影地域1に設けられる中継局又は小型基地局に対応する。
【0004】
図1を参照すると、基地局システムA 10及び基地局システムB 20は、例えば、それぞれ第1乃至第3の帯域の通信装備を含む。この場合に、第1乃至第3の帯域のそれぞれで事業者別にサブバンドが異なって割り当てられるので、基地局システムA 10は、帯域1−A、2−A、及び3−Aの送受信信号を処理するための送受信部1−A 110、2−A 120、及び3−A 130を含む。同様に、基地局システムB 20は、帯域1−B、2−B、及び3−Bの送受信信号を処理するための送受信部1−B 210、2−B 220、及び3−B 230を含む。例えば、帯域1−Aは、送信帯域824〜839MHz及び受信帯域869〜884MHzを有するように設定され、帯域1−Bは、送信帯域839〜849MHz及び受信帯域884〜894MHzを有するように設定される。
【0005】
基地局システムA 10の送受信部1−A 110、2−A 120、及び3−A 130で処理されるそれぞれの異なる帯域の送信信号は、フィルタ結合器140により結合され、陰影地域1(例えば、建物の特定の層)に設けられる1つ以上の基地局アンテナA 12に送信され、アンテナ12により受信された信号は、フィルタ結合器140で周波数別に分配され、それぞれの送受信部1−A 110、2−A 120、及び3−A 130に提供される。同様に、基地局システムB 20の送受信部1−B 210、2−B 220、及び3−B 230と陰影地域1に設けられる1つ以上の基地局アンテナB 22との間の送受信信号の分配及び結合のために、基地局システムB 20もフィルタ結合器240を含む。
【0006】
基地局システムA 10及び基地局システムB 20の各フィルタ結合器140及び240は、送受信信号に対する無損失結合及び分配のために、デュプレクサ、マルチプレクサなどの構造と類似のフィルタ結合構造で具現される。この場合に、各フィルタ結合器140及び240は、構造の変更なしに、単純に信号入出力方向が変更される場合に、そのまま分配器として機能し、用語“結合器”は、実際に“結合器/分配器”を意味していることを理解する。このようなフィルタ結合器に対する技術の例は、本願出願人により先出願された韓国特許出願公開10−2008−0114104号(フィルタ結合器/分配器、発明者:バクサンシク(PARK, Sang-Sik)及びヤンミョンフン(YANG, Myeong-Hoon)、公開日:2008年12月31日)である。
【0007】
一方、
図1に示す構造は、MIMO方式でなく、1T1R(1Transfer 1Receive)方式で具現された例が図示されている。例えば、基地局システムA 10の送受信部1−A 110、2−A 120、及び3−A 130で第1の送受信経路P1(Path1)だけがフィルタ結合器140と接続される。このような構造において、2T2R(2Transfer 2Receive)のようにMIMO方式を具現する場合には、基地局システムA 10の送受信部1−A 110、2−A 120、及び3−A 130の第2の送受信経路P2に対する送受信信号を処理するための追加のフィルタ結合器及び追加のアンテナがさらに備えられる。
【0008】
図1に示すように、通常、無線通信システムは、一般的に、複数の事業者がサービスしており、事業者ごとに個別に独立した基地局システム10及び20とアンテナ12及び22とを設置してサービスを提供している。したがって、事業者別に個別に設けられる基地局の相互の干渉による電波品質の低下と、投資の重複及び過剰などの問題点が発生している。特に、事業者別に複数のアンテナの設置の時に設置費用の増加はもちろん、実際のアンテナ設置空間の確保及びアンテナ管理の効率性も大きな問題となる。
【0009】
さらに、最近では、様々な周波数帯域でMIMOをサポートするための要求が台頭しており、このために、事業者別に追加のアンテナを設置する場合には、上述した問題点は、より深刻となる。
【発明を実施するための形態】
【0026】
以下、本発明の望ましい実施形態を添付の図面を参照して詳細に説明する。以降の説明では、具体的な特定事項を示しているが、これは、本発明のより全般的な理解を助けるべく提供しただけであって、このような特定事項が本発明の範囲内で所定の変形又は変更が実施されることができることは、当該技術分野における通常の知識を有する者には自明である。なお、添付した図において、同一の構成要素または機能的に類似した構成要素に対しては、同一の参照符号及び参照番号を付ける。
【0027】
図2は、本発明の第1の実施形態による無線接続ノードシステムのアンテナ共用化装置及び関連装置に対するブロック図であり、
図1に示した従来の例と同様に、事業者A及びBの無線通信基地局に対応する基地局システムA 10及び基地局システムB 20を示す。
図2を参照すると、基地局システムA 10及び基地局システムB 20は、従来と同様に、それぞれ第1乃至第3の帯域の通信装備を具備できる。例えば、基地局システムA 10は、帯域1−A、2−A、及び3−Aの送受信信号を処理するための送受信部1−A 110、2−A 120、及び3−A 130を含み、基地局システムB 20は、帯域1−B、2−B、3−Bの送受信信号を処理するための送受信部1−B 210、2−B 220、3−B 230を含む。
【0028】
このような構造において、基地局システムA 10及び基地局システムB 20は、例えば、2T2R(2Transfer 2Receive)のMIMOシステムを実現し、このために、追加で備えなければならないアンテナは、本発明の特徴に従って、相互に相手事業者(すなわち、相手基地局)のアンテナを共用で活用するための構造を有する。
【0029】
より詳細に説明すると、基地局システムA 10の送受信部1−A 110、2−A 120、及び3−A 130で処理されるMIMO経路の中の第1の送受信経路P1を通した送信信号は、従来と類似して、フィルタ結合器140により結合され、陰影地域1に設置される1つ以上の基地局アンテナA 12に送信され、この場合に、本発明の特徴に従って設置されるMIMO結合器A 30を通してアンテナ12に送信される。同様に、基地局システムB 20の送受信部1−B 210、2−B 220、3−B 230で処理されるMIMO経路の中の第1の送受信経路P1を通した送信信号は、フィルタ結合器240により結合され、本発明の特徴に従って設置されるMIMO結合器B 40を通して陰影地域1に設置される1つ以上の基地局アンテナB 22に送信される。
【0030】
また、基地局システムA 10の少なくとも1つの帯域の送受信部、すなわち、
図2の例において、送受信部1−A 110のMIMO経路の中の第2の送受信経路P2を通した送信信号は、MIMO結合器B 40に提供され、基地局システムB 20の少なくとも1つの帯域の送受信部、すなわち、
図2の例において、送受信部1−B 210のMIMO経路の中の第2の送受信経路P2は、MIMO結合器A 30に提供される。
【0031】
MIMO結合器A 30は、基地局システムB 20から送信されるMIMO経路の中で第2の送受信経路P2を通した送信信号を基地局システムA 10の送信信号と結合して基地局アンテナA 12に送信する。同様に、MIMO結合器B 40は、基地局システムA 10から送信されるMIMO経路の中で第2の送受信経路P2を通した送信信号を基地局システムB 20の送信信号と結合して基地局アンテナB 22に送信する。
【0032】
受信動作は、送信動作の逆過程により実行される。すなわち、MIMO結合器A 30は、基地局アンテナA 12から受信された信号の中で基地局システムA 10に割り当てられた帯域の信号は、基地局システムA 10に分配し、この信号を基地局Aのフィルタ結合器140に提供し、基地局アンテナA 12により受信された信号の中で基地局システムB 20に割り当てられた帯域の信号は、基地局システムB 20に分配し、最終に、基地局システムB 20の送受信部1−B 210の第2の送受信経路に提供する。基地局システムA 10のフィルタ結合器140は、受信信号を周波数帯域別に分配し、この分配された信号を対応する送受信部1−A 110、2−A 120、3−A 130にそれぞれ提供する。同様に、MIMO結合器B 40は、基地局アンテナB 22により受信された信号の中で基地局システムB 20に割り当てられた帯域の信号を基地局システムB 20に分配し、この信号を基地局Bのフィルタ結合器240に提供し、基地局アンテナB 22により受信された信号の中で基地局システムA 10に割り当てられた帯域の信号を基地局システムA 10に分配する。
【0033】
図3は、
図2におけるMIMO結合器に対応する動作を実行するために考慮すべき1つの例示構造に対するブロック図であって、例えば、
図2のMIMO結合器A 30に対応する作用を実行することができる。
図3に示すMIMO結合器30−1は、通過信号の周波数帯域のそれぞれに対応するフィルタ部を含むフィルタ結合器の構造に基づいて構成される。
【0034】
より詳細に説明すると、MIMO結合器30−1は、基地局システムA 10の第2/第3の周波数帯域(例えば、1.8GHz帯域及び2GHz帯域)及び基地局システムA 10の第1の周波数帯域(例えば、800MHz帯域の中の周波数帯域1−A)の信号をそれぞれフィルタリングするための第2/第3の帯域通過フィルタ(Band Pass Filter:BPF)310及びBPF 1−A 311を含み、また、基地局システムB 20の第1の周波数帯域(例えば、800MHz帯域の中の周波数帯域1−B)の信号をフィルタリングするためのBPF 1−B 312を含む。また、MIMO結合器30−1は、基地局システムA 10により送信された信号が第2/第3のBPF310及びBPF 1−A 311に分配され入力され、基地局システムB 20により送信された信号がBPF 1−B 312に入力されるように構成される。第2/第3のBPF310、BPF 1−A 311、BPF 1−B 312を通過した信号は、さらに合成され、基地局アンテナA 10に提供されるように構成される。このような構成を通して、逆過程において、受信信号は、第2/第3のBPF 310、BPF 1−A 311、BPF 1−B 312により分配され、第2/第3のBPF 310及びBPF 1−A 311を通過した信号は、さらに合成され、基地局システムA 10に提供され、BPF 1−B 312を通過した信号は、基地局システムB 20に提供される。
【0035】
図2のMIMO結合器A 30に対応する作用を実行するMIMO結合器30−1は、上述したように構成され、このような構成原理を用いて、
図2のMIMO結合器B 40に対応する作用を実行するMIMO結合器も実現できる。
【0036】
しかしながら、
図3に示すような構成は、現在使用可能な実際の製品の実現の時には、帯域1−A及び帯域1−Bが相互に比較的相当に離隔している場合のみ、その実現が可能である。すなわち、現在の各事業者別周波数割り当て帯域は、実質的に相互に保護(guard)帯域がないように割り当てられる。例えば、帯域1−Aの送信帯域は、824〜839MHzに設定されることができ、帯域1−Bの送信帯域は、839〜849MHzに設定されることができ、事業者別に使用可能な周波数帯域を最大に活用しているので、帯域1−Aと帯域1−Bとの間には、最大に考慮してみても実際に最大1MHz程度の保護帯域が存在する。
【0037】
しかしながら、通常の無線周波数フィルタの設計の時に、このような周波数帯域を精密にフィルタリングできるようにBPF 1−A 311及びBPF 1−B 312を具現することは、現在の技術では非常に難しく、このような特性を有するようにフィルタを具現するためには、相当な複雑性及び高い費用が要求される。したがって、
図3に示す構成でMIMO結合器を実現することは、現在では比較的望ましくない。
【0038】
図4は、
図2におけるMIMO結合器に対応する動作を実行するために考慮すべき他の例示構造に対する詳細なブロック図であり、例えば、
図2のMIMO結合器A 30に対応する作用を実行することができる。
図4に示すMIMO結合器30−2は、
図3に示すMIMO結合器30−1の実際の具現上問題点を多少解決する構成を示す。
【0039】
図4を参照すると、MIMO結合器30−2は、第1の周波数帯域外の他の帯域の信号、すなわち、第2/第3の周波数帯域の信号をフィルタリングする第2/第3のBPF310と、第1の周波数帯域(すなわち、周波数帯域1−A及び1−Bをすべて含む帯域)の信号をそれぞれフィルタリングする下段第1のBPF320及び上段第1のBPF322及び第1の周波数帯域の中で周波数帯域1−Bの信号を通過させる特性を有する方向性結合器モジュール330を含む。
【0040】
また、基地局システムA 10により送信された信号が第2/第3のBPF310及び下段第1のBPF320に分配され入力され、基地局アンテナA 12により受信された信号が第2/第3のBPF310及び上段第1のBPF322に分配され入力されるように構成される。
【0041】
さらに、方向性結合器モジュール330は、下段第1のBPF320及び上段第1のBPF322とそれぞれ1つの入出力ポートが接続され、基地局システムB 20と他の入出力ポートと接続されるように構成される。この場合に、方向性結合器モジュール330は、下段第1のBPF320を通して入力される基地局システムA 10の送信信号を全反射し、基地局システムB 20の送信信号を通過させ、両信号を合成して上段第1のBPF322に出力するように構成される。従って、基地局アンテナA 12により受信された受信信号の中で第1の周波数帯域信号が上段第1のBPF322を通して方向性結合器モジュール330に入力される場合に、方向性結合器モジュール330は、これを周波数帯域1−A及び1−Bに分離し、周波数帯域1−Aの受信信号を全反射し、この全反射した受信信号を下段第1のBPF320に出力し、周波数帯域1−Bの受信信号を通過させ、この通過させた受信信号を基地局システムB 20に出力する。
【0042】
方向性結合器モジュール330の構成をより詳細に説明する。方向性結合器モジュール330は、それぞれ第1の周波数帯域の信号を処理する第1の方向性結合器331及び第2の方向性結合器332と、第1の方向性結合器331と第2の方向性結合器332との間の信号経路にそれぞれ設置される周波数帯域1−Bの上段BPF 1−B 333及び下段BPF 1−B 334とを含む。
【0043】
第1の方向性結合器331及び第2の方向性結合器332の各々は、1番端子又は2番端子に入力される信号を予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、それぞれ3番端子及び4番端子に分配し出力する。逆に、第1の方向性結合器331及び第2の方向性結合器332は、3番端子及び4番端子に入力される信号をその位相差に従って合成して1番端子又は2番端子に出力する。この場合に、第1の方向性結合器331の1番端子は、上段第1のBPF322と接続され、2番端子は、下段第1のBPF320と接続される。第2の方向性結合器332の4番端子は、基地局システムB 20と接続される。また、第1の方向性結合器331の3番端子及び第2の方向性結合器332の1番端子が上段BPF 1−B 333を通して接続され、第1の方向性結合器331の4番端子及び第2の方向性結合器332の2番端子が下段BPF 1−B 334を通して接続されるように構成される。
【0044】
下段第1のBPF320を通して第1の方向性結合器331の2番端子に入力される信号は、相互に予め定められた位相差を有し、3番及び4番端子に分配され出力され、対応する分配された信号の周波数帯域が周波数帯域1−Aであるので、上段BPF 1−B 333及び下段BPF 1−B 334で全反射され、3番及び4番端子に再入力される。3番及び4番端子に再入力された信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有するので、最終に、これらの信号が合成され、1番端子に出力される。一方、第2の方向性結合器332の4番端子に入力される信号は、相互に予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、1番及び2番端子に分配され出力され、対応する分配された信号の周波数帯域が周波数帯域1−Bであるので、分配された信号が上段BPF 1−B 333及び下段BPF 1−B 334を通過し、第1の方向性結合器331の3番及び4番端子に入力され、最終に、合成され、第1の方向性結合器331の1番端子に出力される。
【0045】
図2のMIMO結合器A 30に対応する作用を実行する他の構造を有するMIMO結合器30−2は、上述したように構成され、
図2のMIMO結合器B 40に対応する作用を実行するMIMO結合器を上記構成の原理を用いて実現される。
【0046】
しかしながら、
図4に示すような構成は、
図3に示した構成と比較して、製品の実現の時に容易に製作されることができるが、第2/第3のBPF310と、下段及び上段第1のBPF320及び322とが結合されたフィルタ構造が要求される点でやはり多少複雑な構成を有し、比較的多くの数の素子を具備する必要がある。
【0047】
図5は、
図2におけるMIMO結合器、すなわち、MIMO結合器A 30及びMIMO結合器B 40の詳細なブロック図である。
図5に示すMIMO結合器A 30及びMIMO結合器B 40は、
図4に示したMIMO結合器30−2の具現上の問題点を多少解決した構成を示す。
【0048】
図5を参照すると、MIMO結合器A 30及びMIMO結合器B 40は、それぞれ1つの方向性結合器モジュール、すなわち、方向性結合器モジュールA 340及び方向性結合器モジュールB 440として具現されることがわかる。
図4に示した方向性結合器モジュール330は、第1の周波数帯域(例えば、800MHz帯域)の信号を処理するように設計されたが、
図5に示す方向性結合器モジュールA 340及び方向性結合器モジュールB 440は、第1乃至第3の周波数帯域、例えば、800MHz、1.8GHz、2GHz帯域の信号をすべて処理可能な広帯域特性を有するように設計される。
【0049】
本実施形態は、800MHz、1.8GHz、及び2GHzの帯域に基づいて例を挙げて説明したが、帯域よりさらに大きいか又は小さい帯域で動作が実行されるように設計されることができることは、当業者には十分に推論可能である。
【0050】
まず、方向性結合器モジュールA 340についてより詳細に説明する。方向性結合器モジュールA 340は、基地局システムA 10により送信されたすべての帯域の信号を1つの入出力ポートを通して受信し、基地局システムB 20に他の入出力ポートを通して接続されるように構成される。この場合に、方向性結合器モジュールA 340は、基地局システムA 10の送信信号を全反射し、基地局システムB 20の送信信号を通過させ、両信号を合成し、基地局アンテナA 12に出力するように構成される。したがって、基地局アンテナA 12により受信された信号が方向性結合器モジュールA 340に入力される場合に、方向性結合器モジュールA 340は、これを基地局周波数帯域A及びBに分離し、基地局周波数帯域A(本実施形態では、周波数帯域1−A、2−A、3−A)の受信信号を全反射し、全反射した受信信号を基地局システムA 10に出力し、基地局周波数帯域B(本実施形態では、周波数帯域1−B)の受信信号を通過させ、この受信信号を基地局システムB 20に出力する。
【0051】
方向性結合器モジュールA 340の構成についてより詳細に説明する。方向性結合器モジュールA 340は、それぞれ第1乃至第3の周波数帯域の信号を処理する広帯域の第1の方向性結合器341及び第2の方向性結合器342とこれらの間の信号経路にそれぞれ設置される周波数帯域1−Bの上段BPF 1−B 343及び下段 BPF 1−B 344とを含む。
【0052】
第1の方向性結合器341及び第2の方向性結合器342の各々は、1番端子又は2番端子に入力される信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、それぞれ3番端子及び4番端子に分配し出力する。逆に、3番端子及び4番端子に入力される信号をその位相差に従って合成し、この合成された信号を1番端子又は2番端子に出力する。この場合に、第1の方向性結合器341の2番端子は、基地局システムA 10に接続され、1番端子は、基地局アンテナA 12に接続される。第2の方向性結合器342の4番端子は、基地局システムB 20に接続される。また、第1の方向性結合器341の3番端子は、上段BPF 1−B 343を通して第2の方向性結合器342の1番端子と接続され、第1の方向性結合器341の4番端子は、下段BPF 1−B 344を通して第2の方向性結合器342の2番端子と接続されるように構成される。
【0053】
第1の方向性結合器341の2番端子に入力される信号は、相互に予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、3番及び4番端子に分配され出力され、対応する分配された信号の周波数帯域が周波数帯域1−A、2−A、3−Aであるので、上段BPF 1−B 343及び下段第BPF 1−B 344で全反射され、3番及び4番端子に再入力される。3番及び4番端子に再入力された信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有するので、最終に、 これらの信号が合成され、1番端子に出力される。一方、第2の方向性結合器342の4番端子に入力される信号は、相互に予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、1番及び2番端子に分配され出力され、対応する分配された信号の周波数帯域が周波数帯域1−Bであるので、分配された信号が上段BPF 1−B 343及び下段第BPF 1−B 344を通過し、第1の方向性結合器341の3番及び4番端子に入力され、最終に、合成され、第1の方向性結合器341の1番端子に出力される。
【0054】
第1の方向性結合器341及び第2の方向性結合器342は、3dB広帯域ハイブリッド結合器で構成される。この場合に、例えば、第1の方向性結合器341及び第2の方向性結合器342の2番端子に入力される信号は、90°の位相差を有し、それぞれ3番及び4番端子に分配し出力される。この場合に、例えば、第1の方向性結合器341の2番端子に入力され、3番及び4番端子に分配され出力される信号は、上段BPF 1−B 343及び下段BPF 1−B 344で全反射され、3番及び4番端子に再入力される場合に、これらは、相互に90°の位相差を有するので、最終に、これらの信号は、相互に合成され1番端子に出力される。また、第2の方向性結合器342で他の装備と接続されない4番端子は、50Ω(Ohm)で終端(termination)される。
【0055】
次いで、方向性結合器モジュールB 440の詳細な構成の原理は、方向性結合器モジュールA 340と比較して、基地局Aの信号と基地局Bの信号とが反対の方式で処理されるという点の他には、その構成原理が同一である。
【0056】
すなわち、方向性結合器モジュールB 440は、それぞれ第1乃至第3の周波数帯域の信号を処理する広帯域の第1の方向性結合器441及び第2の方向性結合器442と、これらの間の信号経路にそれぞれ設置される周波数帯域1−Aの上段BPF 1−A 443及び下段BPF 1−A 444とを含む。
【0057】
1番端子又は2番端子に入力される信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、第1の方向性結合器441及び第2の方向性結合器442のそれぞれは、3番及び4番端子に分配し出力する。逆に、3番及び4番端子に入力される信号は、その位相差に従って合成し1番又は2番端子に出力する。この場合に、第1の方向性結合器441の2番端子は、基地局アンテナB 22に接続され、1番端子は、基地局システムB 20に接続される。第2の方向性結合器442の4番端子は、基地局システムA 10に接続される。また、第1の方向性結合器441の3番端子及び第2の方向性結合器442の1番端子は、上段BPF 1−A 443を通して接続され、第1の方向性結合器441の4番端子及び第2の方向性結合器442の2番端子は、下段BPF 1−A 444を通して接続されるように構成される。
【0058】
図5に示すような構成は、
図4に示した構成と比較して、広帯域方向性結合器を使用しているが、
図4の構成において、第2/第3のBPF310及び下段及び上段の第1のBPF320及び322の構造などが要求されないので、
図5に示す構成がより簡単であり、全体的に小型及び低コストで実現可能である。
【0059】
一方、方向性結合器モジュールA 340及び方向性結合器モジュールB 440は、基地局システムA 10及び基地局システムB 20の送信信号だけでなく、受信信号も処理するものと説明し、この場合に、方向性結合器モジュールA 340の上段及び下段BPF 1−B 343及び344は、帯域1−Bの送信帯域及び受信帯域のすべてを通過するフィルタ構造を有し、同様に、方向性結合器モジュールB 440の上段及び下段BPF 1−A 443及び444は、帯域1−Aの送信帯域及び受信帯域のすべてを通過するフィルタ構造を有することをわかる。すなわち、上段及び下段BPF 1−B 343及び344は、帯域1−Bの中でそれぞれ送信帯域及び受信帯域の通過フィルタがフィルタ結合された構造を有し、同様に、上段及び下段BPF 1−A 443及び444は、帯域1−Aの中でそれぞれ送信帯域及び受信帯域の通過フィルタがフィルタ結合された構造を有する。このような構造は、高性能の送信及び受信フィルタが要求される構造であり、比較的その構成が複雑であり、設置空間及び製造コストの観点でやはり問題を有する。
【0060】
したがって、上段及び下段BPF 1−B 343及び344は、帯域1−Bの中で送信帯域だけを処理する通過フィルタ構造を有し、同様に、上段及び下段BPF 1−A 443及び444は、帯域1−Aの中で送信帯域だけを処理する通過フィルタ構造を有する。この場合に、方向性結合器モジュールA 340は、基地局システムA 10の送信及び受信信号はすべて処理できるが、基地局システムB 20の受信信号は処理できない構成であり、同様に、方向性結合器モジュールB 440は、基地局システムB 20の送信及び受信信号は通過させるが、基地局システムA 10の受信信号は処理できない構成であることがわかる。しかしながら、このような構成は、2T1R(2Transfer 1Receive)方式に従うアンテナ共用化システムを実現する場合には、十分に有用であり得る。
【0061】
一方、この他にも、本発明の他の実施形態において、上記の通りに、上段及び下段BPF 1−B 343及び344は、帯域1−Bの中で送信帯域だけを処理する通過フィルタ構造を有し、上段及び下段BPF 1−A 443及び444は、帯域1−Aの中で送信帯域だけを処理する通過フィルタ構造を有するように、方向性結合器モジュールA 340及び方向性結合器モジュールB 440を構成する場合に、それぞれの方向性結合器モジュールA 340及び方向性結合器モジュールB 440で処理できない基地局システムA 10又は基地局システムB 20の受信信号を処理するために、後述するように、個別の受信信号処理構造をさらに追加する構成を有してもよい。
【0062】
図6は、本発明の第2の実施形態による無線接続ノードシステムのアンテナ共用化装置でのMIMO結合器の詳細なブロック図であって、
図6に示すMIMO結合器A 50は、
図2に示すMIMO結合器A 30の詳細な構造として適用可能である。
図6を参照すると、本発明の第2の実施形態によるMIMO結合器A 50は、
図5に示す方向性結合器モジュールA 340と類似の構造を有するが、帯域1−Bの中で送信信号の帯域だけを通過させる方向性結合器モジュールA 530を含む。また、基地局システムA 10のアンテナ12の受信信号を第2のポートP2を通して基地局システムB 20に提供する受信信号処理回路として、受信信号帯域1−Bを処理するために、方向性結合器モジュールA 530とアンテナ12との接続経路に設置され、共用ポートPcを通して入力される受信信号の一部を結合し、アンテナ12により結合された信号を出力する結合器550と、第1の帯域の送信信号及び受信信号をフィルタリングし、方向性結合器モジュールA 530と基地局システムB 20との接続経路に設置され、結合器550により提供される受信信号をフィルタリングし、第2のポートP2を通して基地局システムB 20に送信し、基地局システムB 20により送信された送信信号をフィルタリングし、フィルタリングされた信号を方向性結合器モジュールA 530に提供するデュプレクサ560とを追加で含む。
【0063】
デュプレクサ560は、結合器550により提供される受信信号をフィルタリングするための第1の受信BPF561と、基地局システムB 20により送信された送信信号をフィルタリングするための第1の送信BPF562のフィルタ結合構造で構成される。この場合に、第1の受信BPF561及び第1の送信BPF562は、送信及び受信周波数帯域1−Bに対応するようにフィルタリング帯域を有するように設計されるが、より簡単に第1の送信及び受信周波数帯域を有するように設定される。その理由は、デュプレクサ560が送受信信号を結合するために使用され、基地局システムB 20の対応する送受信部1−B 210が対応する帯域に従って送受信信号をフィルタリングするためである。
【0064】
方向性結合器モジュールA 530は、
図5の例と同様に、第1乃至第3の周波数帯域、例えば、800MHz、1.8GHz、2GHzの帯域の信号をすべて処理可能な広帯域特性を有するように設計される。より詳細に説明すると、方向性結合器モジュールA 530は、基地局システムA 10により送信されたすべての帯域の信号を1つの入出力ポート(例えば、第1のポートP1)を通して受信し、デュプレクサ560を通して他の入出力ポート(例えば、第2のポートP2)を通して基地局システムB 20と接続されるように構成される。この場合に、方向性結合器モジュールA 530は、基地局システムA 10の送信信を全反射し、基地局システムB 20の送信信号を通過させ、両信号を合成して共用ポートPcを通して基地局アンテナA 12に出力するように構成される。この場合に、基地局アンテナA 12により受信された信号が結合器550を通して方向性結合器モジュールA 530に入力される場合に、方向性結合器モジュールA 530は、この信号を全反射し、この全反射した信号を基地局システムA 10に出力する。
【0065】
方向性結合器モジュールA 530の構成をより詳細に説明する。方向性結合器モジュールA 530は、第1乃至第3の周波数帯域の信号を処理する広帯域の第1の方向性結合器531及び第2の方向性結合器532とこれらの間の信号経路にそれぞれ設置される周波数帯域1−Bの上段及び下段送信BPF 1−B533及び534とを含む。
【0066】
1番端子又は2番端子に入力される信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、第1の方向性結合器531及び第2の方向性結合器532のそれぞれは、3番端子及び4番端子に分配し出力する。逆に、第1の方向性結合器531及び第2の方向性結合器532は、3番端子及び4番端子に入力される信号をその位相差に従って合成し、その合成された信号を1番端子又は2番端子に出力する。この場合に、第1の方向性結合器531の2番端子は、基地局システムA 10に接続され、1番端子は、基地局アンテナA 12に接続される。第2の方向性結合器531の4番端子は、基地局システムB 20に接続される。また、第1の方向性結合器531の3番端子及び第2の方向性結合器532の1番端子が上段送信BPF 1−B 533を通して接続され、第1の方向性結合器531の4番端子及び第2の方向性結合器532の2番端子が下段送信BPF 1−B 534を通して接続されるように構成される。
【0067】
第1の方向性結合器531の2番端子に入力される信号は、相互に予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、3番及び4番端子に分配され出力され、対応する分配された信号の周波数帯域が周波数帯域1−A、2−A、3−Aであるので、上段送信BPF 1−B 533及び下段送信BPF 1−B 534で全反射され、3番端子及び4番端子に再入力される。上段送信BPF 1−B 533及び下段送信BPF 1−B 534で全反射され、3番及び4番端子に再入力される。3番及び4番端子に再入力された信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有するので、最終に、これらの信号が合成され、1番端子に出力される。
【0068】
一方、第2の方向性結合器532の4番端子に入力される信号は、相互に予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、1番及び2番端子に分配され出力され、対応する分配された信号の周波数帯域が周波数帯域1−Bであるので、分配された信号が上段送信BPF 1−B 533及び下段送信BPF 1−B 534を通過し、第1の方向性結合器531の3番及び4番端子に入力され、最終に、合成され、第1の方向性結合器531の1番端子に出力される。
【0069】
上述したように、本発明の第2の実施形態によるMIMO結合器A 50が構成され、同様の方式でMIMO結合器Bが構成される。このようなMIMO結合器Bは、方向性結合器モジュールA 530と比較して、基地局Aの信号と基地局Bの信号とが反対の方式で処理されるという点の他には、その構成及び動作原理が同一である。
【0070】
図7は、
図6の変形例示図である。
図6に示すMIMO結合器A50の構成で多少変形された構造のMIMO結合器A 52が示されている。MIMO結合器A 52は、
図6の例と類似の方向性結合器モジュールA 540を含み、
図7に示す方向性結合器モジュールA 540は、
図6に示す方向性結合器モジュールA 530とは異なり、第1の周波数帯域、例えば、800MHz帯域の信号を処理可能な(比較的狭帯域の)特性を有するように設計され、これに従って、内部の第1の方向性結合器541及び第2の方向性結合器542は、狭帯域の特性を有するように設計される。このような構造は、
図4に示す構造と多少類似しており、帯域1−Bの中で送信帯域だけを通過させるという点で差がある。
【0071】
また、このような
図7に示す構造では、方向性結合器モジュールA 540が第1の周波数帯域の信号を処理できるので、方向性結合器モジュールAの前端には、
図4に示した例と同様に、第2/第3の周波数帯域と第1の周波数帯域とを分離して第1の周波数帯域だけを方向性結合器モジュールA 540に提供するフィルタ構造510、520、及び522が備えられる。
【0072】
フィルタ構造をより詳細に説明する。このフィルタ構造は、第1の周波数帯域外の他の帯域の信号、すなわち、第2/第3の周波数帯域の信号をフィルタリングする第2/第3のBPF510と、第1の周波数帯域(すなわち、周波数帯域1−A及び周波数帯域1−Bをすべて含む帯域)の信号をそれぞれフィルタリングする下段第1のBPF520及び上段第1のBPF522とを含む。また、基地局システムA 10により送信される信号は、第2/第3のBPF510及び下段第1のBPF520に分配され入力され、基地局アンテナA 12により受信された信号は、結合器550を通して第2/第3のBPF510及び上段第1のBPF522に分配され入力されるように構成される。
【0073】
また、方向性結合器モジュール540は、それぞれ1つの入出力ポートが下段第1のBPF520及び上段第1のBPF522と接続され、デュプレクサ560を経由して他の入出力ポートを通して基地局システムB 20と接続されるように構成される。この場合に、方向性結合器モジュール540は、下段第1のBPF520を通して入力される基地局システムA 10の送信信号を全反射し、基地局システムB 20の送信信号を通過させ、両信号を合成し、上段第1のBPF522に出力するように構成される。したがって、基地局アンテナA 12により受信された受信信号の中で第1の周波数帯域信号が上段第1のBPF522を通して方向性結合器モジュールA 540に入力される場合に、方向性結合器モジュール541は、対応する信号を全反射し、下段第1のBPF520に出力する。
【0074】
図7に示すように、MIMO結合器A 52が構成され、MIMO結合器Bが同一の構成で構成される。このようなMIMO結合器Bの構成及び動作原理は、方向性結合器モジュールA 540と比較して、基地局Aの信号と基地局Bの信号とが反対の方式で処理されるという点の他には、その構成及び動作原理と同一である。
【0075】
図8は、本発明の第3の実施形態による無線接続ノードシステムのアンテナ共用化装置でのMIMO結合器の詳細なブロック図である。
図8に示すMIMO結合器A 60は、
図2に示すMIMO結合器A 30の詳細な構造として適用可能である。
図8を参照すると、本発明の第3の実施形態によるMIMO結合器A 60は、
図6に示す方向性結合器モジュールA 530と同一の構成を有し、帯域1−Bの中で送信信号の帯域だけを通過させる方向性結合器モジュールA 530と、
図6に示す結合器と同一の構成を有し、アンテナ12により共用ポートPcを通して入力される受信信号の一部をカップリングし出力する結合器550と、結合器550から提供される受信信号から第1の帯域の受信信号をフィルタリングし出力する第1の受信BPF660と、第1の受信BPF660から出力される信号を方向性結合器モジュールA 530に提供するアイソレータ670と含む。この場合に、方向性結合器モジュールA 530は、アイソレータ670を通して提供される受信信号を受信し、これを全反射して第2のポートP2を通して基地局システムB 20に送信する構成をさらに含む。上述したように、本発明の第3の実施形態では、結合器550、第1の受信BPF660、及びアイソレータ670が受信信号処理回路として提供される。
【0076】
より詳細に説明すると、
図6では、第2の方向性結合器モジュール532の4番端子は、50Ωで終端されるが、
図8の実施形態では、アイソレータ670を通して提供される受信信号は、方向性結合器モジュールA 530の第2の方向性結合器532の3番端子に入力されるように構成される。第2の方向性結合器532の3番端子に入力される信号は、相互に予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、1番及び2番端子に分配され出力され、対応する分配された信号の周波数帯域が第1の受信周波数帯域であるので、上段送信BPF 1−B 533及び下段送信BPF 1−B 534で全反射され、1番及び2番端子に再入力される。1番及び2番端子に再入力された信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有するので、最終に、これらの信号が合成され、4番端子に出力される。
【0077】
上述したように、本発明の第3の実施形態によるMIMO結合器A 60が構成され、同様の方式でMIMO結合器Bが構成される。このようなMIMO結合器Bは、方向性結合器モジュールA 530と比較して、基地局Aの信号と基地局Bの信号とが反対の方式で処理されるという点の他には、その構成及び動作原理が同一である。
【0078】
図9は、本発明の第4の実施形態による無線接続ノードシステムのアンテナ共用化装置でのMIMO結合器の詳細なブロック図である。
図9を参照すると、本発明の第4の実施形態によるMIMO結合器A 70は、
図6に示す方向性結合器モジュールA 530と同一の構成を有し、帯域1−Bの中で送信信号の帯域だけを通過させる方向性結合器モジュールA 530と、第1の帯域の送信及び受信信号をフィルタリングし、方向性結合器モジュールA 530と基地局システムB 20との接続経路に設置され、外部、すなわち、後述するように、基地局システムA 10、より詳細には、基地局システムA 10の送受信部1−A 110から提供される受信信号をフィルタリングし、フィルタリングされた信号を第2のポートP2を通して基地局システムB 20に送信し、基地局システムB 20から送信された送信信号をフィルタリングし、フィルタリングされた信号を方向性結合器モジュールA 530に提供するデュプレクサ760とを含む。上述したように、本発明の第4の実施形態では、デュプレクサ760だけが受信信号処理回路としてMIMO結合器A 70内に備えられることをわかる。
【0079】
デュプレクサ760は、例えば、第3のポートP3を通して送受信部1−A 110から提供される受信信号をフィルタリングするための第1の受信BPF761と、基地局システムB 20により送信される送信信号をフィルタリングするための第1の送信BPF762とを含むフィルタ結合構造を有する。
【0080】
基地局システムA 10の送受信部1−A 110は、送受信信号の結合及び分離を行うために第1の受信BPF111及び第1の送信BPF112を含むフィルタ結合構造を有するデュプレクサDUP(111及び112)を含む。デュプレクサDUPの第1の受信BPF111によりフィルタリングされた受信信号は、低雑音増幅器(LNA)113により増幅され、低雑音増幅器113の出力信号の中の一部は、分配器(2WAY分配器)114により分配された後に、対応する送受信部1−A 110に個別に備えられた補助ポートPaを通して外部に出力される。
【0081】
上述したように、送受信部1−A 110の補助ポートPaから出力される信号は、減衰器790により減衰された後に、MIMO結合器A 70の第3のポートP3を通してデュプレクサ760の第1の受信BPF761に提供される。この場合に、減衰器790は、送受信部1−A 110の低雑音増幅器113で増幅された信号をさらに基地局システムB 20で処理するのに適合したレベルに減衰させるために構成される。
図9の例では、減衰器790が送受信部1−A 110とMIMO結合器A 70との間に個別に設置されるものと図示されているが、MIMO結合器A 70の内部に設置されることもある。
【0082】
上述した構造によると、基地局システムB 20の受信信号がMIMO結合器A 70を通して基地局システムA 10の送受信部1−A 110で受信された後に、さらにMIMO結合器A 70に提供され、基地局システムB 20に再送信されることをわかる。
【0083】
一方、送受信部1−A 110の構造が周波数分割多重化方式で送受信信号の分離及び結合を行う構造を有することをわかる。また、送受信部1−A 110は、時分割デュプレクス(TDD)方式で送受信信号の分離及び結合を行う構造を有し、この場合に、デュプレクサDUPの代りにTDDスイッチングが備えられる。
【0084】
上述したように、本発明の第4の実施形態によるMIMO結合器A 70が構成され、同様の方式でMIMO結合器Bが構成される。このようなMIMO結合器Bは、方向性結合器モジュールA 530と比較して、基地局Aの信号と基地局Bの信号とが反対の方式で処理されるという点の他には、その構成及び動作原理が同一である。
【0085】
図10は、本発明の第5の実施形態による無線接続ノードシステムのアンテナ共用化装置でMIMO結合器の詳細なブロック図である。
図10を参照すると、本発明の第5の実施形態によるMIMO結合器A 80は、
図6に示した方向性結合器モジュールA 530と同一の構成を有することにより帯域1−Bの中で送信信号の帯域だけを通過させる方向性結合器モジュールA 530と、例えば、第3のポートP3を通して外部、すなわち、基地局システムA 10の送受信部1−A 110から提供される受信信号から第1の帯域の受信信号をフィルタリングし、このフィルタリングされた信号を出力する第1の受信BPF860と、第1の受信BPF860から出力された信号を方向性結合器モジュールA 530に提供するアイソレータ870とを含む。この場合に、方向性結合器モジュールA 530は、アイソレータ870を通して提供される受信信号を受信し、この受信された受信信号を全反射し、全反射した信号を第2のポートP2を通して基地局システムB 20に送信する構成をさらに含む。
【0086】
より詳細に説明すると、アイソレータ870を通して提供される受信信号は、方向性結合器モジュールA 530の第2の方向性結合器532の3番端子に入力される。第2の方向性結合器532の3番端子に入力される信号は、相互に予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、1番及び2番端子に分配され出力され、対応する分配された信号の周波数帯域が第1の受信周波数帯域であるので、上段送信BPF 1−B 533及び下段送信BPF 1−B 534で全反射され、1番及び2番端子に再入力される。1番及び2番端子に再入力された信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有するので、 これらの信号が合成され、4番端子に出力されることにより、最終に、第2のポートP2を通して基地局システムB 20に提供される。
【0087】
基地局システムA 10の送受信部1−A 110は、
図9の例と同一の構成を有することにより、個別に備えられた補助ポートPaを通して受信信号の一部を外部に出力するように構成される。送受信部1−A 110の補助ポートPaから出力される信号は、減衰器790により減衰された後に、MIMO結合器A 80の第3のポートP3を通して第1の受信BPF860に提供される。
【0088】
上述したように、本発明の第5の実施形態によるMIMO結合器A 80が構成され、同様の方式でMIMO結合器Bが構成される。このようなMIMO結合器Bは、方向性結合器モジュールA 530と比較して、基地局Aの信号と基地局Bの信号とが反対の方式で処理されるという点の他には、その構成及び動作原理が同一である。
【0089】
図11は、本発明の第6の実施形態による無線接続ノードシステムのアンテナ共用化装置及び関連装置に対するブロック図である。
図2に示した第1の実施形態と同様に、事業者A及びBの無線通信基地局に対応する基地局システムA 1050及び基地局システムB 1060が例として図示される。また、第1の実施形態と同様に、基地局システムA 1050は、帯域1−A、2−A、及び3−Aの送受信信号を処理するための送受信部1−A 1510、2−A 1520、及び3−A 1530を含み、基地局システムB 1060は、帯域1−B、2−B、及び3−Bの送受信信号を処理するための送受信部1−B 1610、2−B 1620、及び3−B 1630を含む。
【0090】
図11に示す第6の実施形態において、MIMO経路の中の第1の送受信経路P1を通して基地局システムA 1050の送受信部1−A 1510、2−A 1520、及び3−A 1530により処理される送信信号は、第1の実施形態と類似しているように、第1の経路フィルタ結合器1541により結合され、MIMO結合器A 1070に提供されるが、MIMO経路の中で第2の送受信経路P2を通して送受信部1−A 1510、2−A 1520、及び3−A 1530により処理される送信信号は、第2の経路フィルタ結合器1542により結合され、MIMO結合器B 1080に提供される。同様に、MIMO経路の中で第1の送受信経路P1を通して基地局システムB 1060の送受信部1−B 1610、2−B 1620、及び3−B 1630により処理される送信信号は、第1の経路フィルタ結合器1641により結合され、MIMO結合器B 1080に提供され、MIMO経路の中で第2の送受信経路P2を通して基地局システムB 1060の送受信部1−B 1610、2−B 1620、及び3−B 1630により処理される送信信号は、第2の経路フィルタ結合器1642により結合され、MIMO結合器A 1070に提供される。
【0091】
図12は、
図11のMIMO結合器、すなわち、MIMO結合器A 1070及びMIMO結合器B 1080の詳細なブロック図である。
図12を参照すると、MIMO結合器A 1070及びMIMO結合器B 1080は、それぞれ1つの方向性結合器モジュール、すなわち、方向性結合器モジュールA 1740及び方向性結合器モジュールA 1840として具現されることをわかる。方向性結合器モジュールA 1740及び方向性結合器モジュールA 1840は、第1乃至第3の周波数帯域(例えば、800MHz、1.8GHz、及び2GHzの帯域)の信号をすべて処理可能な広帯域特性を有するように設計される。
【0092】
まず、方向性結合器モジュールA 1740をより詳細に説明する。方向性結合器モジュールA 1740は、基地局システムA 1050により送信されたすべての帯域の信号を1つの入出力ポートを通して受信し、他の入出力ポートを通して基地局システムB 1060に接続されるように構成される。この場合に、方向性結合器モジュールA 1740は、基地局システムA 1050の送信信号を全反射し、基地局システムB 1060の送信信号を通過させ、両信号を合成し、合成された信号を基地局アンテナA 12に出力するように構成される。
【0093】
方向性結合器モジュールA 1740の構成をより詳細に説明する。方向性結合器モジュールA 1740は、それぞれ第1乃至第3の周波数帯域の信号を処理する広帯域の第1の方向性結合器1741及び第2の方向性結合器1742と、これらの間の信号経路にそれぞれ設置される基地局周波数帯域B(すなわち、周波数帯域1−B、2−B、及び3−B)の上段及び下段BPF 1−B/2−B/3−B 1743及び1744とを含む。上段及び下段BPF 1−B/2−B/3−B 1743及び1744は、それぞれ帯域1−Bの周波数信号をフィルタリングするBPF 1−Bと、帯域2−Bの周波数信号をフィルタリングするBPF 2−Bと、帯域3−Bの周波数信号をフィルタリングするBPF 3−Bとがフィルタ結合された構造を有する。
【0094】
第1の方向性結合器1741及び第2の方向性結合器1742のそれぞれは、1番端子又は2番端子に入力される信号を予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、それぞれ3番端子及び4番端子に分配し出力する。逆に、第1の方向性結合器1741及び第2の方向性結合器1742は、3番端子及び4番端子に入力される信号をその位相差に従って合成して1番端子又は2番端子に出力する。この場合に、第1の方向性結合器1741の1番端子は、基地局システムA 1050に接続され、2番端子は、基地局アンテナA 12に接続される。第2の方向性結合器1742の4番端子は、基地局システムB 1060に接続される。また、第1の方向性結合器1741の3番端子及び第2の方向性結合器1742の1番端子が上段BPF 1−B/2−B/3−B 1743を通して接続され、第1の方向性結合器1741の4番端子及び第2の方向性結合器1742の2番端子が下段BPF 1−B/2−B/3−B 1744を通して接続されるように構成される。
【0095】
次いで、方向性結合器モジュールB 1840の詳細な構成の原理は、方向性結合器モジュールA 1740と比較して、基地局Aの信号と基地局Bの信号とが反対の方式で処理されるという点の他には、その構成原理が同一である。
【0096】
すなわち、方向性結合器モジュールB 1840は、それぞれ第1乃至第3の周波数帯域の信号を処理する広帯域の第1の方向性結合器1841及び第2の方向性結合器1842と、これらの間の信号経路にそれぞれ設置される基地局周波数帯域A(すなわち、周波数帯域1−A、2−A、及び3−A)の上段BPF 1−A/2−A/3−A 1843及び下段 BPF 1−A/2−A/3−A 1844とを含む。
【0097】
1番端子又は2番端子に入力される信号は、予め定められた位相差(例えば、90°)を有し、第1の方向性結合器1841及び第2の方向性結合器1842のそれぞれは、3番及び4番端子に分配し出力する。逆に、3番及び4番端子に入力される信号は、その位相差に従って合成し1番又は2番端子に出力する。この場合に、第1の方向性結合器1841の1番端子は、基地局システムB 1060に接続され、2番端子は、基地局アンテナB 22に接続される。第2の方向性結合器1842の4番端子は、基地局システムA 1050に接続される。また、第1の方向性結合器1841の3番端子及び第2の方向性結合器1842の1番端子が上段BPF 1−A/2−A/3−A 1843を通して接続され、第1の方向性結合器1841の4番端子及び第2の方向性結合器1842の2番端子が下段BPF 1−A/2−A/3−A 1844を通して接続されるように構成される。
【0098】
本発明の一実施形態による無線接続ノードシステムのアンテナ共用化装置の構成及び動作は、上述したように構成され、本発明では、具体的な実施形態について説明したが、本発明の範囲を逸脱することなく、様々な変形が可能である。
【0099】
例えば、上記の説明では、基地局システムA及びBのぞれぞれは、3つの帯域の周波数信号を処理するための3つの送受信部を含むが、本発明の他の実施形態において、それぞれの基地局システムA及びBは、2個の帯域又は4個以上の帯域の周波数信号を処理するための複数の送受信部を含み、送受信部の中の一部又は全体のMIMO経路を処理するための構成を含む。また、この他にも、基地局システムA及びBのぞれぞれは、1つの帯域の周波数信号を処理するための1つの送受信部を含み、この場合には、基地局システムは、
図2及び
図6などに示すように、複数の送受信部の信号の結合及び分配を行うためのフィルタ結合器を含む必要がないこともある。
【0100】
また、上記の説明において、方向性結合器は、3dBハイブリッド結合器を用いて構成されるが、この他にも、方向性結合器は、マジック−T(Magic-T)結合器を用いて構成され得る。方向性結合器がマジック−T結合器を用いて構成される場合には、分配及び合成が行われる入出力信号の位相を調整するための位相シフタが入出力端子に適切に備えられる。
【0101】
さらに、上記の説明において、本発明のMIMO結合器は、基地局システムA 10及び基地局システムB 20のための2つの結合器、例えば、MIMO結合器A 30及びMIMO結合器B 40を含むが、この他にも、MIMO結合器A 30及びMIMO結合器B 40のうちのいずれか1つが設置される構成も使用可能であり、対応する構成も有用に使用されることができる。