(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B1)
(11)【特許番号】6174222
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】即席カップ麺蓋用固定具
(51)【国際特許分類】
B65D 81/34 20060101AFI20170724BHJP
【FI】
B65D81/34 B
B65D81/34 Z
【請求項の数】1
【全頁数】6
(21)【出願番号】特願2016-207547(P2016-207547)
(22)【出願日】2016年10月24日
【審査請求日】2016年10月28日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】516312040
【氏名又は名称】光和ネットサービス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100166589
【弁理士】
【氏名又は名称】植村 貴昭
(74)【代理人】
【識別番号】100134050
【弁理士】
【氏名又は名称】岩崎 博孝
(72)【発明者】
【氏名】小木曽 大介
【審査官】
秋山 誠
(56)【参考文献】
【文献】
特開2016−013855(JP,A)
【文献】
登録実用新案第3172361(JP,U)
【文献】
登録実用新案第3113943(JP,U)
【文献】
特開平09−066970(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B65D 81/32−81/36
B65D 88/00−90/66
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
長辺が、即席カップ麺容器の蓋の直径よりも長くなるようにシート状の可撓性材料を用いて短冊形状に本体を構成し、
当該本体の長手方向両端近傍に、お互いの先端が向かい合うように凸状乃至は円弧状のスリットを設けることによって前記本体に対して上下に揺動可能なフラップ部を形成し、
前記短冊形状の本体の短辺のそれぞれの略中央位置に、箸やフォークを載置するための凹部を設け、
前記スリットは、即席カップ麺容器の蓋の直径となるそれぞれの位置に形成されている
ことを特徴とする即席カップ麺蓋用固定具。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、即席カップ麺の調理に関し、特に詳しくは、即席カップ麺に湯を注いて待っている間に、カップ麺の蓋が起き上がることを防止するための固定具に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、即席カップ麺の蓋の起き上がりを防止するための「固定具」乃至は「押え具」に関する発明は種々提案されている(例えば特許文献1)。
【0003】
特許文献1においては、湯気が漏れ出るのを防止するために、カップ麺の蓋全面に渡る形状に本体を構成し、当該本体の一部に切り込みを入れることによって形成したクリップ部をカップ麺開口縁の鍔部分に引っ掛けることによって、蓋の起き上がりを防止する発明が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2013−18538号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
確かに、特許文献1に記載の発明では、蓋の全面を抑えることができるので、湯気の漏出を防止するという観点からは望ましい。
【0006】
しかしながら、カップ麺の蓋は、通常、湯を注ぐ部分だけシールを剥がして開けるのであるから、そもそも開口部縁を全周に渡って押さえ込む必要性に乏しい。更に、特許文献1に記載の発明のように構成すると、サイズが大きくなるので単純に邪魔であるし、原材料のコストも高くなる。加えて、個々の製品パッケージ内に封入した状態で需要者に提供することも難しい。
【0007】
そこで本発明は、上記問題点を解決するべくなされたものであって、個々の製品パッケージ内にも容易に封入することができ、蓋の全面を押さえなくとも十分効率的に蓋の起き上がりを防止することが可能な即席カップ麺蓋用固定具を提供する事を目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0008】
上記課題を解決するべく、本願発明は、長辺が、即席カップ麺容器の蓋の直径よりも長くなるようにシート状の可撓性材料を用いて短冊形状に本体を構成し、当該本体の長手方向両端近傍に、お互いの先端が向かい合うように凸状乃至は円弧状のスリットを設けることによって前記本体に対して上下に揺動可能なフラップ部を形成し、前記短冊形状の本体の短辺のそれぞれの略中央位置に、箸やフォークを載置するための凹部を設けたことを特徴とする。
【0009】
このように短冊形状の本体としたことによって、場所もとらず、個々の製品パッケージ内にも容易に封入することができる。また、本体の長手方向両端近傍に、お互いの先端が向かい合うように凸状乃至は円弧状のスリットを設けることによって前記本体に対して上下に揺動可能なフラップ部を形成し、前記短冊形状の本体の短辺のそれぞれの略中央位置に、箸やフォークを載置するための凹部を設けたことによって、蓋の全面を押さえなくとも十分効率的に蓋の起き上がりを防止することが可能となっている。即ち、フラップ部をカップ麺容器の開口縁鍔部に引っ掛けるために下方に揺動させると、その位置関係から、凹部が形成された短辺はその反力を受けて上方に揺動する。そして、凹部に箸やフォークといった一定の重さを有した物体を載置すると、その重みがフラップ部を閉じる方向に作用し、蓋を押さえ込む力が発生することによって、蓋の全面を押さえなくとも十分効率的に蓋の起き上がりを防止することを可能としているのである。
【発明の効果】
【0010】
本発明を適用することで、個々の製品パッケージ内にも容易に封入することができ、蓋の全面を押さえなくとも十分効率的に蓋の起き上がりを防止することが可能な即席カップ麺蓋用固定具を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【
図1】本発明に係る実施形態の一例として示した即席カップ麺蓋用固定具の正面図である。
【
図2】本発明に係る実施形態の一例として示した即席カップ麺蓋用固定具の斜視図であって、フラップ部が回動している状態(装着状態)を示した図である。
【
図3】本発明に係る実施形態の一例として示した即席カップ麺蓋用固定具の装着時の正面図である。
【
図4】本発明に係る実施形態の一例として示した即席カップ麺蓋用固定具の装着時の斜視図である。
【
図5】本発明に係る実施形態の一例として示した即席カップ麺蓋用固定具の装着時の斜視図であって、箸置き凹部に箸を載置した状態を示した図である。
【
図6】本発明に係る実施形態の一例として示した即席カップ麺蓋用固定具が、カップ麺販売時のパッケージ内に一体として封入されている状態を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、添付図面を参照しつつ、本発明の実施形態の一例である即席カップ麺蓋用固定具100について説明を加える。なお、図面理解容易の為、各部の大きさや寸法を誇張して表現している部分があり、実際の製品と必ずしも一致しない部分があることを付記しておく。また各図面は符号の向きに見るものとし、当該向きを基本に上下左右、手前、奥と表現する。
【0013】
〈即席カップ麺蓋用固定具の構成〉
図1乃至
図3に示しているように、本発明の実施形態の一例として示した即席カップ麺蓋用固定具100は、長辺が、即席カップ麺容器10の蓋14の直径よりも長くなるようにシート状の可撓性材料を用いて短冊形状に構成されている。
【0014】
ここで可撓性材料は特に限定されるものではないが、例えば、ある程度の厚みを有した紙、PETなどの樹脂材料、ゴム又はこれらの複合体が好適である。
【0015】
即席カップ麺蓋用固定具100の長手方向両端近傍には、お互いの先端が向かい合うように凸状乃至は円弧状のスリット102が設けられている。このスリット102は正面側から裏面(背面)側まで貫通しており、当該スリット102を設けたことによって、本体(即席カップ麺蓋用固定具100)に対して上下に揺動可能(
図2を参照)なフラップ部104が形成される。
【0016】
また、即席カップ麺蓋用固定具100の短辺側の略中央位置には、それぞれ、箸やフォークを載置するための箸置き凹部106が設けられている。
【0017】
〈即席カップ麺蓋用固定具の使用方法及びその作用・機能〉
本発明の実施形態の一例として示した即席カップ麺蓋用固定具100の使用方法は極めて簡単である。
【0018】
即席カップ麺容器10の蓋14を開けて所定量のお湯を容器内に注いだ後、両方のフラップ部106を下方に揺動させて、当該フラップ部106を即席カップ麺容器10の鍔部12に引っ掛ければよい。この時、一方のフラップ部106が、即席カップ麺容器10の蓋14のつまみ部16の位置となるように引っ掛けて装着するのが望ましい。また、フラップ部104を下方に揺動させると、その位置関係から、凹部106が形成された短辺はその反力を受けて上方に揺動し、蓋14よりも高い位置となる(例えば
図4参照)。
【0019】
その後、
図5に示しているように、手元にある箸20(若しくはフォーク)を、両端に形成された箸置き凹部106に載置すればよい。箸置き凹部106に箸20(やフォーク)といった一定の重さを有した物体を載置すると、箸置き凹部106とフラップ部104の位置関係から、その重みがフラップ部104を閉じる方向に作用するので、即席カップ麺容器10の蓋14を効率的に押さえ込む力が発生することによって、蓋14の全面を押さえなくとも十分効率的に蓋14の起き上がりを防止することを可能としている。
【0020】
このように、短冊形状としたことによって、場所もとらず、例えば
図6として示しているように、個々の製品パッケージ内にも容易に封入することができる。このとき、即席カップ麺蓋用固定具100の表面や裏面に広告宣伝を行うことも可能であるし、特定のキャラクターグループやアイドルグループなどシリーズ物として用意しておき、コレクターズアイテムとして機能させ、販売促進効果を発揮させることも可能となる。
【符号の説明】
【0021】
10・・・即席カップ麺容器
12・・・鍔部
14・・・蓋
20・・・箸
16・・・つまみ部
100・・・即席カップ麺蓋用固定具
102・・・スリット
104・・・フラップ部
106・・・箸置き凹部
【要約】 (修正有)
【課題】個々の製品パッケージ内にも容易に封入することができ、蓋の全面を押さえなくとも十分効率的に蓋の起き上がりを防止することが可能な即席カップ麺蓋用固定具を提供する。
【解決手段】長辺が、即席カップ麺容器10の蓋14の直径よりも長くなるようにシート状の可撓性材料を用いて短冊形状に即席カップ麺蓋用固定具100を構成し、当該即席カップ麺蓋用固定具100の長手方向両端近傍に、お互いの先端が向かい合うように凸状乃至は円弧状のスリットを設けることによって本体に対して上下に揺動可能なフラップ部104を形成し、短冊形状の即席カップ麺蓋用固定具100の短辺のそれぞれの略中央位置に、箸やフォークを載置するための凹部106を設ける。
【選択図】
図5