特許第6174275号(P6174275)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6174275ショウガ加工物の製造方法及びショウガオール類の富化方法
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6174275
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】ショウガ加工物の製造方法及びショウガオール類の富化方法
(51)【国際特許分類】
   A23L 19/00 20160101AFI20170724BHJP
【FI】
   A23L19/00 A
【請求項の数】6
【全頁数】14
(21)【出願番号】特願2016-570358(P2016-570358)
(86)(22)【出願日】2016年8月10日
(86)【国際出願番号】JP2016073640
(87)【国際公開番号】WO2017026528
(87)【国際公開日】20170216
【審査請求日】2016年12月1日
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】501131379
【氏名又は名称】株式会社エヌ・エル・エー
(74)【代理人】
【識別番号】100099508
【弁理士】
【氏名又は名称】加藤 久
(74)【代理人】
【識別番号】100182567
【弁理士】
【氏名又は名称】遠坂 啓太
(74)【代理人】
【識別番号】100195327
【弁理士】
【氏名又は名称】森 博
(74)【代理人】
【識別番号】100197642
【弁理士】
【氏名又は名称】南瀬 透
(72)【発明者】
【氏名】千堂 純子
(72)【発明者】
【氏名】阿部 征次
(72)【発明者】
【氏名】永田 香織
【審査官】 川口 裕美子
(56)【参考文献】
【文献】 特許第5969096(JP,B2)
【文献】 特開2012−249553(JP,A)
【文献】 goo ブログ ウルトラ蒸しショウガシロップを作る![オンライン],2014年11月28日,[検索日2016.01.28],インターネット,<http://blog.goo.ne.jp/moonie-moonie/e/cb1e813830d39519b512a157ad49b3de>
【文献】 おやさい村の おいも畑通信 ウルトラ蒸しショウガを作ってみました♪o(%)O☆[オンライン],2013年 1月14日,[検索日 2016.01.28],インターネット,<http://oyasaimura.blog84.fc2.com/blog-entry-89.html>
【文献】 平野 美那世,加熱器を生かす鍋の種類と役割,ニューフードインダストリー,1999年 8月 1日,Vol.41 No.8,73-84
【文献】 大切な食べ物を無駄にしない読本,ベターホーム協会,2006年 6月 1日,23ページ
【文献】 山崎友里 ら,ショウガ中ショウガオール含有量を高めるための加工方法,日本栄養・食糧学会近畿支部大会および公開シンポジウム講演抄録集,2013年10月 1日,52,26,B3,9-16行
【文献】 平野 美那世,加熱器を生かす鍋の種類と役割,ニューフードインダストリー Vol.41 No.8,宇田 守孝 株式会社食品資材研究会,第41巻,73−84
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A23L 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/REGISTRY(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
原料であるショウガを冷凍処理する冷凍工程と、
冷凍工程後のショウガを、ショウガに含まれるジンゲロール類の濃度より、ショウガオール類の濃度が高くなるまで、水蒸気共存下、温度100℃以上150℃以下の条件で加熱処理する蒸気加熱工程と、
蒸気加熱工程後のショウガを乾燥する乾燥工程と、を有し、
前記原料であるショウガが、塊状のショウガであり、
前記乾燥工程において、前記蒸気加熱工程後のショウガに対して、乾燥処理と冷凍処理とを繰り返し行い、所定の水分含有量以下になるまで乾燥させることを特徴とするショウガ加工物の製造方法。
【請求項2】
前記冷凍工程における温度が、−10℃以下である請求項1に記載のショウガ加工物の製造方法。
【請求項3】
前記蒸気加熱工程における温度が110℃以上130℃以下であり、圧力が0.12MPa以上0.30MPa以下である請求項1または2に記載のショウガ加工物の製造方法。
【請求項4】
前記蒸気加熱工程における処理時間が3時間以上である請求項1から3のいずれかに記載のショウガ加工物の製造方法。
【請求項5】
乾燥処理が減圧乾燥であり、冷凍処理における温度が−10℃以下である請求項1から4のいずれに記載のショウガ加工物の製造方法。
【請求項6】
冷凍処理されたショウガを、水蒸気共存下、温度100℃以上150℃以下の条件で、ジンゲロール類の濃度より、ショウガオール類の濃度が高くなるまで加熱処理する蒸気加熱工程と、蒸気加熱工程後のショウガを乾燥する乾燥工程と、を有し、
前記冷凍処理されたショウガが、塊状のショウガを冷凍処理したものであり、前記乾燥工程において、前記蒸気加熱工程後のショウガに対して、乾燥処理と冷凍処理とを繰り返し行い、所定の水分含有量になるまで乾燥させる、ショウガに含まれるショウガオール類の富化方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本国際出願は、2015年8月12日に日本国特許庁に出願された特許出願である特願2015−159640に基づく優先権を主張するものであり、特願2015−159640の全内容を参照により本国際出願に援用する。
【0002】
本発明は、ショウガオール類が富化されたショウガ加工物の製造方法及びショウガ加工物、並びにショウガオール類の富化方法に関する。
【背景技術】
【0003】
ショウガの辛味成分であるショウガオール類は、食品香料として利用されるだけでなく、解熱作用、鎮痛作用、抗炎症作用、抗酸化作用、プロスタグランジンの生合成阻害作用、血行促進作用、体温上昇作用などを有し、さらには、糖尿病及び肥満などといった生活習慣病などを治療・予防効果があることが知られている。そのため、ショウガオール類及びこれを含む原料を、機能性食品、化粧料等へ活用することが期待されている。
【0004】
一方、ショウガ科の代表的な植物であるショウガには、辛味を有する成分としてジンゲロール類やショウガオール類が含まれる。
ショウガは、生で未加工の状態では、下記に示す構造の化合物であるジンゲロール類が多くであり、ショウガオール類はわずかしか存在しないが、ジンゲロール類から水を脱離させる脱水反応によりショウガオール類を得ることができる。
【0005】
【化1】
【0006】
ショウガ含有成分であるショウガオール類とは下記に示す構造の化合物を意味し、主にショウガオール類として、n=4,6,8に相当する6−ショウガオール、8−ショウガオール、または10−ショウガオールを意味する。
【0007】
【化2】
【0008】
なお、ショウガには、ジンゲロール類として、n=4,6,8に相当する6−ジンゲロール、8−ジンゲロール、10−ジンゲロールが含まれ、その中でも、6−ジンゲロールが主成分である。そのため、6−ジンゲロールから6−ショウガオールへの変換が主反応である。
【0009】
このような状況の中、ショウガの中に含まれるジンゲロール類をショウガオール類に変換し、ショウガオール類を富化させる方法が検討されてきた。
【0010】
例えば、特許文献1には、ジンゲロール類を酸触媒の存在下で加熱することでショウガオール類を得る方法が報告されている。しかしながら、特許文献1の方法ではトルエン等の有機溶剤を使用しているため、ヒトへの安全性の面が懸念される。
【0011】
また、有機溶剤を使用しないジンゲロール類の富化方法も報告されている。例えば、特許文献2には、ショウガの超臨界CO2抽出物を乳酸の存在下、110℃〜150℃で加熱する工程を含むショウガオール類の富化方法が開示されている。また、特許文献3には、ショウガの超臨界CO2抽出物をクエン酸、コハク酸及びリンゴ酸から選ばれる有機酸の存在下、110℃〜150℃で加熱する工程を含むショウガオール類の富化方法が開示されている。また、本出願人も、特許文献4にて、ショウガを発酵液と混合した後に、温度30℃〜90℃、湿度50%〜90%の条件下で加熱する工程を含むショウガオール類の富化方法を報告している。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】特開平8−40970号公報
【特許文献2】特開2015−10083号公報
【特許文献3】特開2015−44766号公報
【特許文献4】特許第5297294号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
特許文献2〜4で開示されたショウガオール類の富化方法は、有機溶媒を使用しないため、ヒトへの安全性に優れる方法であるが、原料としてショウガ以外にも、乳酸(特許文献2)、クエン酸等の有機酸(特許文献3)、発酵液(特許文献4)等のショウガ以外の成分を必須とする。そのため、製造されるショウガ加工品には、前記ショウガ以外の成分由来の風味が必然的に付与される。ショウガ以外の成分の風味によってショウガ本来の風味が損なわれるというおそれがあった。
【0014】
さらに特許文献2,3の方法では、ショウガそのものではなく、ショウガの抽出物を原料とするため、抽出工程が必須となり、抽出工程によっては高コストになる一因となっていた。また、特許文献4の方法では、ショウガをそのまま原料として使用できるが、ジンゲロール類からのショウガオール類への変換に十分な加熱時間として120時間〜500時間加熱する必要があった。そのため、加熱のための時間が長くなり、生産性や製造コストの面で改善の余地があった。
【0015】
かかる状況下、本発明の目的は、ショウガの風味を損ねることなく、ジンゲロール類をショウガオール類に変換する製造時間が短縮でき、生産効率が改善されたショウガオール類が富化されたショウガ加工物の製造方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明者は、上記課題を解決すべく鋭意研究を重ねた結果、冷凍処理を行ったショウガを、水蒸気共存下、特定の温度で蒸気加熱処理することにより、ショウガ以外の成分を添加しなくとも、ショウガに含まれるジンゲロール類を、高効率にショウガオール類に変換できることを見出した。さらに蒸気加熱処理後のショウガを、乾燥処理と冷凍処理を繰り返すことや原料として塊状のショウガを使用することによりショウガ加工品が含有するショウガオール類の絶対量の低減を抑制できることを見出し、本発明に至った。
【0017】
すなわち、本発明は、以下のショウガ加工物の製造方法に係るものである。
<1> 原料であるショウガを冷凍処理する冷凍工程と、
冷凍工程後のショウガを、ショウガに含まれるジンゲロール類の濃度より、ショウガオール類の濃度が高くなるまで水蒸気共存下、温度100℃以上150℃以下の条件で加熱処理する蒸気加熱工程と、
を有する、ショウガ加工物の製造方法。
<2> 前記冷凍工程における温度が、−10℃以下である前記<1>に記載のショウガ加工物の製造方法。
<3> 前記蒸気加熱工程における温度が110℃以上130℃以下であり、圧力が0.12MPa以上0.30MPa以下である、<1>または<2>に記載のショウガ加工物の製造方法。
<4> 前記蒸気加熱工程における処理時間が、3時間以上である、<1>から<3>のいずれかに記載のショウガ加工物の製造方法。
<5> 前記蒸気加熱工程後のショウガを乾燥する乾燥工程を有する、<1>から<4>のいずれかに記載のショウガ加工物の製造方法。
<6> 前記乾燥工程において、前記蒸気加熱工程後のショウガに対して、乾燥処理と冷凍処理とを繰り返し行い、所定の水分含有量以下になるまで乾燥させる、<5>に記載のショウガ加工物の製造方法。
<7> 乾燥処理が減圧乾燥であり、冷凍処理における温度が−10℃以下である、<6>に記載のショウガ加工物の製造方法。
<8> 原料であるショウガが、塊状のショウガである、<1>から<7>のいずれかに記載のショウガ加工物の製造方法。
【0018】
また、本発明の他の態様は、上記のショウガ加工物の製造方法を利用した以下の発明に係るものである
<9> <1>から<8>のいずれかに記載の製造方法で製造されてなるショウガ加工物。
<10> <9>に記載のショウガ加工物を含有する組成物。
<11> <9>に記載のショウガ加工物を含有する機能性食品。
<12> 冷凍処理されたショウガを、ショウガに含まれるジンゲロール類の濃度より、ショウガオール類の濃度が高くなるまで水蒸気共存下、温度100℃以上150℃以下の条件で加熱処理する蒸気加熱工程を有する、ショウガに含まれるショウガオール類の富化方法。
【発明の効果】
【0019】
本発明のショウガ加工物の製造方法によれば、ショウガの風味を損ねることなく、ショウガに含まれるジンゲロール類をショウガオール類に変換できるため、生産性良くショウガオール類が富化されたショウガ加工物を製造することができる。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、本発明について例示物等を示して詳細に説明するが、本発明は以下の例示物等に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲において任意に変更して実施できる。
【0021】
本発明のショウガ加工物の製造方法(以下、「本発明の製造方法」と記載する場合がある。)は、原料となるショウガを冷凍処理する冷凍工程と、冷凍工程後のショウガを、ショウガに含まれるジンゲロール類の濃度より、ショウガオール類の濃度が高くなるまで水蒸気共存下、温度100℃以上150℃以下の条件で加熱処理する蒸気加熱工程と、を有することを特徴とする。
本発明の製造方法では、原料となるショウガを冷凍した後に、水蒸気共存下、上記特定の温度条件で蒸気加熱処理することにより、従来の冷凍処理を行わずに蒸気加熱処理を行った場合と比較して、ショウガに含まれるジンゲロール類からのショウガオール類への変換効率が格段に向上し、生産性良くショウガオール類が富化されたショウガ加工物を製造することができる。
【0022】
以下、本発明の製造方法をより詳細に説明する。
【0023】
(原料ショウガ)
本発明に係るショウガ加工物の原料であるショウガ(原料ショウガ)は、ショウガ科の植物であり、ショウガ目ショウガ科ショウガ属であるショウガ(Zingiber officinale)のことを示す。原料ショウガがその大きさでの分類である大生姜、中生姜、小生姜のいずれも使用できる。原料ショウガの品種としては、例えば、金時ショウガ、三州ショウガ、黄金ショウガ、近江ショウガ、谷中ショウガ、静岡4号、黄生ショウガ、土生ショウガ、オタフクショウガなどが挙げられる。特にこれらの中でも、金時ショウガや三州ショウガはジンゲロール類を多く含有するため好ましい。また、黄金ショウガも上述の通り、ジンゲロール類は、脱水反応によりショウガオール類に変化するが、本発明の製造方法では、蒸気加熱工程で効率的にジンゲロール類をショウガオール類に変化させることができるため、ジンゲロール類を多く含有する原料ショウガを使用することにより、より多くのショウガオール類を含有するショウガ加工物を製造することができる。
【0024】
原料ショウガとしては、収穫直後のショウガでも、収穫後保管されていたショウガでもよい。また、使用する原料ショウガの部位としては、適宜の部位を選択できるが、根茎がジンゲロールの含有量が多いことから好ましい。
原料ショウガは、処理せずに生のものを丸ごと使用してもよく、粉砕したものを使用することもできる。また、原料ショウガの形態としては、適宜のものが選択でき、例えば塊状、スライス状、みじん切りにしたものなどであってもよい。また、生のショウガを圧縮して得られるエキスも原料ショウガの一形態である。
原料ショウガの形態が、特に塊状のショウガであると、加工中(特には加熱中や乾燥中)でのジンゲロール類(及びショウガオール類)の蒸散が抑制されるため好ましい。
なお、ここでいう「塊状のショウガ」は、ショウガ丸ごとのみならず、4cm角程度の大きさのものを含む。よりジンゲロール類(及びショウガオール類)の蒸散が抑制するためには、できる限り切断をしていない塊状のショウガが好ましい。
【0025】
(冷凍工程)
未加工、又は適当な形態に処理された原料ショウガは、冷凍工程に供される。
冷凍工程での冷凍温度は、0℃以下であればよいが、−10℃以下であることが好ましく、−15℃以下がより好ましい。冷凍温度の下限は特に制限がないが、解凍に余計なエネルギーや時間が必要になるため、通常、−25℃以上である。
【0026】
冷凍時間は、本発明の効果であるショウガオール類を富化させる効果を有する限りは適宜の長さにしてもよいが、通常、1時間以上、好ましくは5時間以上、より好ましくは10時間以上である。
【0027】
冷凍工程を行う手段としては、冷凍の温度調節ができる限りにおいて適宜のものが選択でき、例えば一般に市販されている冷凍庫を使用することができる。また、大型の設備化された冷凍施設を用いてもよい。温度調節ができる限りは、例えば、電気式のものでなく自然の寒冷環境を用いたものでもよい。
【0028】
冷凍工程においては、原料であるショウガをそのまま冷凍庫に収納してもよく、冷凍する場合は、生のままで丸ごと冷凍保存してもよく、皮を剥いてから輪切りにしたり、すりおろしたり、千切りにしたり、使いやすい大きさに切ってからフリーザーバッグに入れてもよい。ショウガをビニールに入れるとショウガの色合いや風味が変化しにくくなり好ましい。
【0029】
(蒸気加熱工程)
蒸気加熱工程は、冷凍工程に供された冷凍工程後のショウガを、ショウガに含まれるジンゲロール類の濃度より、ショウガオール類の濃度が高くなるまで水蒸気共存下、温度100℃以上150℃以下の条件で加熱処理する工程である。
【0030】
なお、蒸気加熱工程に供される冷凍工程後のショウガは、冷凍されたままのショウガであってもよいし、冷凍後解凍したショウガであってもよい。また、冷凍工程と蒸気加熱工程とは必ずしも連続に行う必要はなく、これらの工程の間に他の工程を含んでいてもよい。また、冷凍工程と、蒸気加熱工程をそれぞれ異なる場所で行ってもよい。
また、冷凍設備において冷凍ショウガを保管し、これを冷凍工程とみなしてもよい。この場合、ショウガ加工物を生産するときに、冷凍した適当な量の冷凍ショウガを蒸気加熱工程に供して、ショウガ加工物を製造することでき、蒸気加熱工程の時間が実質的な製造時間となる。
【0031】
蒸気加熱工程の温度は、100℃以上150℃以下であり、よりショウガオール類への変換速度を高めることができる点で、好ましくは110℃以上130℃以下である。
【0032】
蒸気加熱工程における圧力としては、0.12MPa以上であり、よりショウガオール類への変換速度を高めることができる点で、好ましくは0.13MPa以上である。圧力の上限としては、本発明の効果を損なわない範囲で決定され、好ましくは0.3MPa以下である。
【0033】
蒸気加熱工程の時間は、ショウガの種類や大きさ等を勘案して決定され、ショウガオール類の富化が十分に起こる範囲で決定される。例えば10分の短時間でもショウガオール類の富化効果自体は認められるが、製品として十分な量のショウガオール類を得るためには(すなわち、ショウガに含まれるジンゲロール類の濃度より、ショウガオール類の濃度が高い)、例えば、1時間以上、3時間以上、5時間以上である。蒸気加熱工程の時間の上限は制限はないが、時間が長すぎると含有されるショウガオール類(及びジンゲロール類)が蒸散する傾向にあるので、通常、20時間以下、10時間以下である。
【0034】
蒸気加熱工程を行う手段としては、市販のオートクレーブ、圧力鍋、あるいは圧力釜など、蒸気、圧力と温度の設定・調節ができるものであるならば、適宜のものを用いることができる。また、蒸気加熱は、高圧蒸気殺菌を行うことができるため、本発明のショウガ加工物の製造方法は、ショウガオール類の富化の効果に加え、本発明のショウガ加工物を殺菌し、清潔にもしている。蒸気加熱をする手段として、レトルト食品に用いられる殺菌器が使え、この場合も同様の滅菌・殺菌効果を得ることができる。
【0035】
上述のように、本発明の製造方法では、冷凍工程を経たショウガを、蒸気加熱工程で処理することにより、従来の方法より加熱時間が短くとも、ジンゲロール類からのショウガオール類への変換効率を向上させ、ショウガオール類を富化させることができる。
例えば、本出願人による特許文献4の製造方法では、原料ショウガを発酵液と混合した後に、温度30℃〜90℃、湿度50%〜90%の条件下で加熱処理する際に、ジンゲロール類からのショウガオール類への変換するためには、120時間以上の加熱を必要としていたが、本発明の製造方法では、冷凍後のショウガを1時間以上の蒸気加熱工程に供することにより同程度の変換効率を得られるので、ショウガオール類が富化されたショウガ加工物をより生産性よく得ることができる。
【0036】
(他の工程)
本発明の製造方法は、上述の冷凍工程と、蒸気加熱工程に加え、適宜、他の工程をさらに加えることができる。また、冷凍工程と、蒸気加熱工程を複数回繰り返してもよい。
他の工程としては、例えば、乾燥工程が挙げられる。
【0037】
(乾燥工程)
乾燥工程は、蒸気加熱工程後のショウガ加工物を乾燥する工程のことである。乾燥工程を行うことにより、ショウガ加工品の保存性がより向上し、また、ショウガ加工品を後述する応用品に使用しやすくなる。ショウガ加工物の使用用途にもよるが、含水率を通常、30重量%以下、好ましくは10重量%以下まで乾燥させる。
乾燥工程に用いる手段としては、ショウガオール類を富化させる効果を損なわない限り特に制限はなく、公知の乾燥方法を採用すればよい。乾燥条件は、ショウガ加工物を目的とする含水量になるように決定すればよい。例えば、温度70℃〜90℃で12時間〜30時間加熱乾燥すれる方法がある。
【0038】
また、好適な乾燥方法としては、乾燥工程において、前記蒸気加熱工程後のショウガに対して、乾燥処理と冷凍処理とを繰り返し行い、所定の水分含有量以下になるまで乾燥させる方法がある。この方法によれば、ショウガ加工品が含有するショウガオール類の低減を抑制でき、最終的にショウガ加工品に含まれるショウガオール類の絶対量が、加熱乾燥より多くなる。
この方法では、乾燥処理が減圧乾燥であり、冷凍処理における温度が−10℃以下であることが好ましい。減圧乾燥の時間を1〜10時間、冷凍温度を5〜20時間として、これを目的とする水分量になるまで繰り返す(通常、2〜5回繰り返し)。これにより、ショウガ加工物の品質を劣化させることなく、水分量を所定量(例えば、10重量%以下)とすることができる。この方法においては、塊状のショウガが好ましく使用される。スライスや細断されたショウガを用いると、減圧乾燥の際にショウガオール類が蒸散して、含有量が減少する傾向にある。
【0039】
(ショウガオール類の富化方法)
本発明に係るショウガオール類の富化方法は、冷凍処理されたショウガを、水蒸気共存下、温度100℃以上、150℃以下の条件で加熱処理して、ショウガに含まれるジンゲロール類をショウガオール類へ変換するショウガオール類の富化方法である。当該ショウガオール類の富化方法は、上述のショウガ加工物の製造方法と同様に原料ショウガを冷凍処理し、蒸気加熱処理して、ショウガに含まれるショウガオール類を富化させる方法のことであり、好適な条件などは同様のため、詳細は省略する。
【0040】
<ショウガ加工物>
本発明に係るショウガの製造方法によって製造されたショウガ加工物(以下、「本発明のショウガ加工物」と記載する場合がある。)は、そのまま使用してもよいし、さらに抽出、粉砕などの加工を行ってもよい。また、ショウガ加工物と任意の成分を組み合わせて、ショウガ加工物を含有する組成物としてもよい。任意成分の配合割合は、その目的に応じて適宜選択して決定することができる。
【0041】
本発明のショウガ加工物が含有するショウガオール類は、解熱、鎮痛、抗炎症、プロスタグランジンの生合成阻害、血行促進、体温上昇、アディポネクチン発現の上昇等の様々な薬理的作用を有し、また、糖尿病や肥満等により誘発するメタボリックシンドロームの予防にも有効な成分である。そのため、本発明のショウガ加工物やショウガ加工物を含む組成物は、以下に説明するようにボディーケア製品、機能性食品等の原料として好適に使用できる。なお、以下、ボディーケア製品、機能性食品、サプリメントについて説明するが、本発明のショウガ加工物の用途はこれらの用途に限定されるものではなく、例えば、医薬品用途に使用してもよい。
【0042】
(ボディーケア製品)
本発明のショウガ加工物は、ボディーケア製品として用いることができる。なお、ここでボディーケア製品とは、化粧品のほか、入浴剤やシャンプー、石鹸などの皮膚を保護したり、洗浄する製品のことである。
【0043】
本発明のショウガ加工物は、入浴剤、ボディーソープ、シャンプー等の入浴用組成物に配合して用いることができ、剤型としては、一般に用いられる、水溶液、W/O型又はO/W型エマルション、適当な賦形剤等を用いて顆粒剤その他の粉末、錠剤等としてもよい。また、ムースや育毛などのヘアケア剤として使用することもできる。
【0044】
本発明のショウガ加工物を化粧料組成物にする場合、慣用の化粧料基材を適宜配合し、所望の剤型とすることができる。その形態は特に制限はないが、ジェル、乳液、クリーム等の形態が挙げられる。また、これらの形態にする際、さらに薬草や天然の精油などを加えることができる。皮膚の保湿や美容のためになる適宜の成分、例えばヒアルロン酸や、コエンザイムQ10などをさらに加えてもよい。
【0045】
化粧料基材としては、目的とする剤型に合わせて、水、水溶性有機溶媒、油脂、ロウ、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル類等の従来公知の化粧料基材が適宜選択される。
また、本発明の化粧料組成物には、本発明の効果を損なわない範囲で通常化粧料や皮膚外用医薬で使用される任意の成分を添加することができる。かかる任意成分の具体例としては、増粘・ゲル化剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、色素剤、金属封鎖剤、防腐剤、pH調整剤、香料、ミツロウ等が挙げられる。これら任意成分の配合割合は、その目的に応じて適宜選択して決定することができる。また、本発明の効果を損なわない範囲で、他の薬効植物抽出物を添加してもよい。
【0046】
(機能性食品)
本発明のショウガ加工物は、食品、飲料に含有させて機能性食品としてもよい。
ここでいう「機能性食品」とは、一般食品に加えて、健康食品、栄養補助食品、栄養機
能食品、栄養保険食品等、健康の維持の目的で摂取する食品または飲料を意味している。なお、機能性食品として製品化する場合には、食品に用いられる様々な添加剤、具体的には、着色料、保存料、増粘安定剤、酸化防止剤漂白剤、防菌防黴剤、酸味料、調味料、乳化剤、強化剤、製造用剤、香料等を添加していてもよい。
【0047】
機能性食品の対象となる食品、飲料は特に限定されるものではないが、特にショウガの風味が加えられることが好適な食品、飲料が好ましい。例えば、食品として、ソーセージ、ハム、魚介加工品、ゼリー、キャンディー、チューインガムなどの食品類が挙げられる。また、飲料としては、各種の茶類、清涼飲料水、酒類、栄養ドリンクなどが挙げられる。
【0048】
(サプリメント)
本発明のサプリメントは、本発明のショウガ加工物を含有する。本発明のサプリメントの形態は、特に制限されず、錠剤、散剤、顆粒剤、カプセル剤、糖衣錠、フィルム剤、トローチ剤、チュアブル剤、溶液、乳濁液、懸濁液等の任意の形態でよい。
本発明のサプリメントは、本発明のショウガ加工物以外に、サプリメントとして通常使用される任意の成分を含んでいてもよい。そのような成分としては、例えば、アミノ酸,ペプチド;ビタミンE、ビタミンC、ビタミンA、ビタミンB、葉酸等のビタミン類;ミネラル類;糖類;無機塩類;クエン酸またはその塩;茶エキス;油脂;プロポリス、ローヤルゼリー、タウリン等の滋養強壮成分;ショウガエキス、高麗人参エキス等の生薬エキス;ハーブ類:コラーゲン等が挙げられる。
【実施例】
【0049】
以下に実施例を挙げて本発明の方法をより具体的に説明する。なお、本発明は、以下の実施例のみに限定されるものではない。
【0050】
(実施例1)
原料ショウガとして、高知県産の大ショウガの根茎を、温度−18℃に維持された冷凍庫(HOSHIZAKI INVERTER)に15時間保管し、冷凍されたショウガを得た(冷凍工程)。次いで、冷凍されたショウガをフタ自動開閉式高圧蒸気滅菌器(ハイクレーブHG−50、(株)平山製作所製)にて、水蒸気共存下、温度121℃、圧力0.15MPaで5時間蒸気加熱処理した(蒸気加熱工程)。次いで、蒸気加熱処理されたショウガを、乾燥器(コンパクト食品乾燥器SM7S−EH(株)木原製作所製)で、温度80℃、24時間乾燥し(乾燥工程)、実施例1のショウガ加工物を得た。
【0051】
(比較例1)
実施例1と同じ高知県産の大ショウガの根茎を、温度−18℃に維持された冷凍庫(HOSHIZAKI INVERTER)に15時間保管することで、比較例1のショウガ加工物を得た。
【0052】
(比較例2)
実施例1と同じ高知県産の大ショウガの根茎を、フタ自動開閉式高圧蒸気滅菌器(ハイクレーブHG−50、(株)平山製作所製)にて、水蒸気共存下、温度121℃、0.15〜0.2MPaで15分蒸気加熱処理した。次いで、蒸気加熱処理されたショウガを、乾燥器(コンパクト食品乾燥器SM7S−EH(株)木原製作所製)で、温度80℃、24時間乾燥し、比較例2のショウガ加工物を得た。
【0053】
<ショウガ加工物における6−ジンゲロール及び6−ショウガオール含有量の評価>
上記方法で得られた各ショウガ加工物をメタノール100%溶媒に、2時間浸漬し、その後3000rpmで10分間遠心し、上清を0.45μmフィルターで濾過処理をして抽出液を作製し、当該抽出液の6−ジンゲロール及び6−ショウガオールの含量を分析した。
分析は、ウォーターズ社製、Alliance HPLCシステムで行った。使用カラムはWakosil−II 5C18 HG、溶媒はアセトニトリルと水を用い、時間によって溶媒比率を変化させた。流速は1ml/minで行い、吸光度は、280nmで行った。6−ジンゲロール、6−ショウガオールのそれぞれのピーク面積と濃度比から検量線を作成し、定量分析した。
【0054】
(評価結果)
表1に各ショウガ加工物1gにおける6−ジンゲロール及び6−ショウガオールの含有量(mg/g)及び6−ショウガオールと6−ジンゲロールの比率(6−ショウガオール/6−ジンゲロール)を示す。なお、比較例1で使用したショウガ加工物(冷凍ショウガ)は乾燥処理を行っておらず、乾燥処理を行った実施例1,比較例2のショウガ加工物の約10倍の水分を含んでいた。
【0055】
【表1】
【0056】
表1に示すように、冷凍処理、蒸気加熱処理を施した実施例1のショウガ加工物は、冷凍処理のみを施した比較例1のショウガ加工物、蒸気加熱処理のみを施した比較例2のショウガ加工物と比較して、6−ジンゲロールに対する6−ショウガオールの割合がはるかに大きくなっていることがわかる。このように、冷凍処理と蒸気加熱処理とを組み合わせることにより、ショウガオールの含有量及び割合が多いショウガ加工物を製造することが示された。
【0057】
以下、参考例として、「ショウガ加工方法の違いによる製造時間の比較(参考例1)」、「冷凍処理がショウガに与える効果(参考例2)」の評価結果を示す。
【0058】
参考例1:「ショウガ加工方法の違いによる製造時間の比較」
本発明のショウガ加工物の製造方法と、本発明者らが特許文献4(特許第5297294号公報)で報告した、従来の発酵液を使用するショウガ加工物の製造方法について、製造時間と6−ショウガオール含有量について評価した。
【0059】
本発明のショウガ加工物の製造方法は、上記実施例1と同様であるため、詳細な説明は省略する。
【0060】
従来の発酵液を使用する、参考例1のショウガ加工物の製造方法は以下の通りである。
まず、玄米を発酵させて得られた玄米発酵物(酒粕)と水とを、重量比1:9で、均一になるまで撹拌することによって、発酵液を調製した。
次いで、発酵工程としてステンレス製の容器に、原料ショウガ(半分に切断した三州生姜(黄ショウガ))100gと、上記方法で製造した発酵液60mLとを加え、発酵液中に原料ショウガ浸漬して、常温で24時間保持することで、発酵ショウガを得た。次いで、この発酵ショウガを、遠赤外線を熱源として備えた蒸し器に入れ、50時間かけて30℃から78℃に温度を上昇させ、78℃を維持したまま、湿度70%で300時間保持して蒸し込んだ。その後、このショウガを78℃から徐々に冷却し、50時間かけて室温に戻した。熟成工程に合計400時間を要した。熟成後、このショウガを1ヶ月間乾燥させることで、参考例1のショウガ加工物(発酵黒ショウガ)を得た。
【0061】
表2に実施例1および参考例1のショウガ加工物の製造時間、及び6−ショウガオールの含有量を示す。
なお、6−ショウガオールの含有量の評価方法は、上記<ショウガ加工物における6−ジンゲロール及び6−ショウガオール含有量の評価>と同様である。
【0062】
【表2】
【0063】
実施例1では、製造時間が、冷凍工程及び蒸気加熱工程の合計時間で20時間(さらに乾燥工程24時間)、6−ショウガオールの含有量は3.21mg/gであった。一方、参考例1では、製造時間が、発酵工程及び熟成工程の合計で424時間(さらに乾燥工程1カ月)、6−ショウガオールの含有量は3.09mg/gであった。
この結果から、本発明のショウガ加工物の製造方法によれば、従来の発酵液を使用する製造方法で得られるショウガ加工物と同等以上の6−ショウガオールを含有するショウガ加工物を、はるかに短時間で製造できることが明らかになった。
【0064】
参考例2:「冷凍処理がショウガに与える効果」
原料ショウガに冷凍処理を行うことによる作用を調べるために、高知県産の大ショウガの根茎を、温度−18℃に維持された冷凍庫(HOSHIZAKI INVERTER)に15時間保管して得られる冷凍処理ショウガにおける6−ジンゲロール及び6−ショウガオールの含有量を評価した。
なお、通常の保存方法として、温度が5℃〜7℃の冷蔵庫(HOSHIZAKI INVERTER)で15時間保管した高知県大ショウガについても同様の評価を行った。
【0065】
表3に冷凍処理を行ったショウガ(冷凍処理あり)と、行っていないショウガ(冷凍処理なし)のそれぞれ1gあたりの6−ジンゲロールと6−ショウガオールの含有量(mg/g)を示す。また、表3には、冷凍処理ありのショウガと冷凍処理なしのショウガにおける6−ジンゲロールと6−ショウガオールの比率(冷凍処理あり/冷凍処理なし)をそれぞれ示す。
【0066】
【表3】
【0067】
表3からわかるように、冷凍処理ありのショウガは、冷凍処理なしのショウガと比較して、6−ジンゲロールの含有量が明らかに多いことが分かる。また、6−ショウガオールの含有量も多いことが分かる。このことから、冷凍処理により6−ショウガオール及び6−ジンゲロールの含有量が増加していることが示唆される。
【0068】
(実施例2)
原料ショウガとして、高知県産の大ショウガの根茎を切断せず丸ごと、温度−18℃に維持された冷凍庫に14時間保管し、冷凍されたショウガを得た(冷凍工程)。
次いで、冷凍されたショウガ(塊状)を蒸煮釜(SOS120/10SV、サムソン)にて、水蒸気共存下、温度121℃で4時間蒸気加熱処理した(蒸気加熱工程)。
次いで、蒸気加熱処理されたショウガを、減圧乾燥器(南極防熱、特注品)で、温度80℃、4時間減圧乾燥した(乾燥工程1)。次いで、上記冷凍庫にて再度14時間冷凍した(冷凍工程2)。次いで、再度減圧乾燥器(南極防熱、特注品)で、温度80℃、4時間乾燥した(乾燥工程2)上記(冷凍工程2)〜(乾燥工程2)までを0回から5回繰り返し、実施例2のショウガ加工物を得た。
【0069】
(実施例3)
高知県産の大ショウガの根茎を3mm程度にスライスしたこと以外は実施例2と同様にして実施例3のショウガ加工物を得た。
実施例2および実施例3のショウガ加工物における6−ジンゲロール及び6−ショウガオールの含有量を評価した結果を表4に示す。
【0070】
【表4】
【0071】
実施例1(80℃、24時間加熱乾燥)との対比から、実施例2,3で採用した減圧乾燥と冷凍処理を繰り返す方法により、ショウガ加工品に含まれる6-ショウガオール(及び6-ジンゲロール)が多くなることが確認された。特に塊状のショウガを使用した実施例2の方法では、6-ショウガオールの絶対量が2倍以上含まれており、加工中の6-ショウガオールの蒸散が抑制され、大量の6-ショウガオールを含むショウガ加工品が得られることが確認された。
【産業上の利用可能性】
【0072】
本発明に係るショウガ加工物の製造方法は、ボディーケア製品、機能性食品、サプリメント等の素材として有効性が期待される優れた生理活性・薬理作用を有するショウガオール類を高濃度に含有するショウガ加工物を時間が短縮できるため、工業的に有望である。