(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
端末装置からウェブページの送信要求を受信する要求受信機能と、前記送信要求に応じて前記ウェブページの全体を表示させるためのウェブページデータを前記端末装置に送信するページデータ送信機能と、をコンピュータ装置に実現させるコンピュータ装置が読み取り可能なプログラムを記憶した記憶媒体であって、
前記ページデータ送信機能は、
前記端末装置のブラウザが前記ウェブページデータの読み込みを開始した後、前記ウェブページにおける特定部分までの表示に必要な所定データの読み込みが完了したか否かを判定する完了判定機能と、
前記完了判定機能により前記読み込みが完了したと判定したことに応じて、ブラウザ画面の位置を、前記特定部分が前記ブラウザ画面に内包される位置である特定スクロール位置に移動させる中途移動機能と、
を前記端末装置に実現させるプログラムを含んだ前記ウェブページデータを送信する機能とされた
記憶媒体。
ブラウザがウェブページの全体を表示させるためのウェブページデータの読み込みを開始した後、前記ウェブページにおける特定部分までの表示に必要な所定データの読み込みが完了したか否かを判定する完了判定機能と、
前記完了判定機能により前記読み込みが完了したと判定したことに応じて、ブラウザ画面の位置を、前記特定部分が前記ブラウザ画面に内包される位置である特定スクロール位置に移動させる中途移動機能と、
をコンピュータ装置に実現させるコンピュータ装置が読み取り可能なプログラムを記憶した
記憶媒体。
【発明を実施するための形態】
【0025】
以下、本発明に係る実施形態を次の順序で説明する。
<1.第一実施形態>
[1-1.ネットワークシステムの概要]
[1-2.コンピュータ装置のハードウェア構成]
[1-3.第一実施形態としてのページ表示手法]
[1-4.処理手順]
[1-5.第一実施形態のまとめ]
<2.第二実施形態>
[2-1.第二実施形態としてのページ表示手法]
[2-2.処理手順]
[2-3.第二実施形態のまとめ]
<3.第三実施形態>
[3-1.第三実施形態としてのページ表示手法]
[3-2.処理手順]
[3-3.第三実施形態のまとめ]
<4.プログラム及び記憶媒体>
<5.変形例>
【0026】
<1.第一実施形態>
[1-1.ネットワークシステムの概要]
図1に、本実施形態で前提とするネットワークシステム1の例を示す。
ネットワークシステム1は、ウェブページの配信サーバとして機能するページ配信サーバ3と、複数のユーザ端末4とを備えている。ネットワークシステム1においては、例えばインターネットとしてのネットワーク2を介して、ページ配信サーバ3と個々のユーザ端末4とが互いに通信可能とされている。
【0027】
ユーザ端末4は、ブラウザ(ウェブブラウザ)を備えたコンピュータ装置である。ユーザ端末4としては、例えば高機能携帯電話機(スマートフォン)や携帯電話機、携帯情報端末(タブレット端末)、携帯型又は据置型のパーソナルコンピュータ(PC)などが挙げられるが、ユーザ端末4の種類はこれらに限定されない。
ユーザ端末4は、HTTP(Hypertext Transfer Protocol)要求をページ配線サーバ3に送信することでウェブページや所定の処理を要求する。またユーザ端末4は、HTTP要求に応じて送られてきたウェブページデータ(例えばHTML(HyperText Markup Language)データやXML(Extensible Markup Language)データ等を含む)を受信し、該ウェブページデータに基づいてブラウザによりウェブページの表示処理を行う。これにより、ユーザは所望のウェブページを閲覧したり操作したりすることができる。
【0028】
ページ配信サーバ3は、コンピュータ装置とされ、ユーザ端末4からのウェブページWpの送信要求に応じて、ウェブページWpを表示させるためのウェブページデータの送信を行う。
本実施形態では、ページ配信サーバ3により配信されるウェブページは、ユーザが複数項目について情報入力を行う情報入力ページとされている。具体的に本例においては、ユーザがアンケートの回答情報を入力するためのアンケート回答ページとされている。
なお、情報入力ページとしては、例えばクレジットカードの申込ページ等、各種申込の必要情報を入力するためのページ等も挙げることができる。
【0029】
図2は、アンケート回答ページとしてのウェブページWpの一例を示している。
この場合のウェブページWpでは、ページ先頭からページ終端に向かって複数の設問部が配置されており、各設問部においては、設問内容が例えばテキストにより表されると共に、設問に対する回答の入力部が設けられている。ウェブページWpにおいては、個々の設問部はそれぞれ一つのパーツPとして構成されている。なお、ここで言う「パーツ」は、例えばHTMLにおけるタグで区切られた部分を意味する。
本例において、一つのウェブページWpにおける設問部の配置数は50個とされている。図示の例では、ページ先頭部に設問部以外のパーツP(図中「パーツP0」)が一つ配置され、ウェブページWpにおけるパーツPの数はパーツP0と各設問部のパーツP1〜P50までを合わせた計51個とされている。
【0030】
本例において、ウェブページWpを用いて行うアンケートは、所定ウェブサイトの会員を対象としたアンケートとされている。
ユーザは、会員登録の際に、例えば自身の氏名や性別、生年月日、住所や電話番号等のユーザ属性情報を会員登録情報として登録するが、本例のネットワークシステム1においてユーザは、自身の会員IDにより所定ウェブサイトにログインした状態でウェブページWpを訪れると、アンケートの設問のうち性別や年齢、居住地域等のユーザ属性情報を問う設問について、回答情報の自動入力サービスを受けることができる。
例えば、ウェブページWpにおいて先頭の設問Q1から設問Q5までがユーザ属性情報を問う設問であった場合は、これら設問Q1〜Q5についてはユーザによる登録情報に基づいて回答内容が自動入力される。
このとき、ユーザとしては設問Q1〜Q5に回答入力を行う必要がないため、設問Q6から迅速に回答を開始できるように、ウェブページWpへの遷移後には、ブラウザ画面内に設問Q6が表示されるように、ブラウザ画面の位置を移動させる。
なお、ウェブページWpへの遷移直後におけるブラウザ画面の位置は、ページ先頭位置とされている。
【0031】
ここで、本例において、自動入力対象の設問はウェブページWpの先頭部分に複数連続して配置されている。
ウェブページWpに対しては、自動入力対象の設問部の次に位置する設問部(上記例では設問Q6)をユーザ端末4に通知するための情報が「特定部分通知情報I1」として設定されており、特定部分通知情報I1は、ユーザ端末4からのウェブページWpの送信要求に応じて、ページ配信サーバ3がウェブページデータの一部としてユーザ端末4に送信する。
【0032】
ページ配信サーバ3は、ウェブページWpを表示させるためのウェブページデータとして、上記のようなページ内の特定部分からの表示を実現させるためのプログラムを含んだウェブページデータを送信するが、該プログラムの詳細については改めて説明する。
【0033】
なお、
図1において、ネットワーク2の構成は多様な例が想定される。例えば、インターネットを始めとして、イントラネット、エキストラネット、LAN(Local Area Network)、CATV(Community Antenna TeleVision)通信網、仮想専用網(Virtual Private Network)、電話回線網、移動体通信網、衛星通信網等が想定される。
またネットワーク2の全部又は一部を構成する伝送媒体についても多様な例が想定される。例えばIEEE(Institute of Electrical and Electronics Engineers)1394、USB(Universal Serial Bus)、電力線搬送、電話線等の有線でも、IrDA(Infrared Data Association)のような赤外線、ブルートゥース(登録商標)、802.11無線、携帯電話網、衛星回線、地上波デジタル網等の無線でも利用可能である。
【0034】
[1-2.コンピュータ装置のハードウェア構成]
図3に、
図1で示したページ配信サーバ3、ユーザ端末4の各々を構成するコンピュータ装置のハードウェア構成を示す。
図3において、コンピュータ装置のCPU(Central Processing Unit)101は、ROM(Read Only Memory)102に記憶されているプログラム、または記憶部108からRAM(Random Access Memory)103にロードされたプログラムに従って各種の処理を実行する。RAM103にはまた、CPU101が各種の処理を実行する上において必要なデータなども適宜記憶される。
CPU101、ROM102、及びRAM103は、バス104を介して相互に接続されている。このバス104には、入出力インタフェース105も接続されている。
入出力インタフェース105には、キーボード、マウス、タッチパネルなどよりなる入力部106、LCD(Liquid Crystal Display)、CRT(Cathode Ray Tube)、有機EL(Electroluminescence)パネルなどよりなるディスプレイ(表示装置)、並びにスピーカなどよりなる出力部107、HDD(Hard Disk Drive)やフラッシュメモリ装置などより構成される記憶部108、外部装置との間で相互通信を行うための通信部109が接続されている。
入出力インタフェース105にはまた、必要に応じてメディアドライブ110が接続され、磁気ディスク、光ディスク、光磁気ディスク、或いは半導体メモリなどのリムーバブルメディア111が適宜装着され、リムーバブルメディア111に対する情報の書込や読出が行われる。
【0035】
このようなコンピュータ装置では、通信部109による通信によりデータやプログラムのアップロード、ダウンロードが行われたり、リムーバブルメディア111を介したデータやプログラムの受け渡しが可能である。
CPU101が各種のプログラムに基づいて処理動作を行うことで、特にページ配信サーバ3としてのコンピュータ装置においては以降で説明する情報処理や通信が実行される。
【0036】
なお、ページ配信サーバ3をはじめとして
図1で示した各装置は、
図3のようなコンピュータ装置が単一で構成されることに限らず、複数のコンピュータ装置がシステム化されて構成されてもよい。複数のコンピュータ装置は、LAN等によりシステム化されていてもよいし、インターネット等を利用したVPN等により遠隔地に配置されたものでもよい。
【0037】
[1-3.第一実施形態としてのページ表示手法]
図4の機能ブロック図を参照して、ページ配信サーバ3が実現する各種機能について説明する。
図4において、ページ配信サーバ3は、機能ごとに分けて要求受信処理部F1とページデータ送信処理部F2とを有するものとして表すことができる。
要求受信処理部F1は、ユーザ端末4からウェブページWpの送信要求を受信する。
ページデータ送信処理部F2は、ユーザ端末4からの送信要求に応じてウェブページWPの全体を表示させるためのウェブページデータをユーザ端末4に送信する。
【0038】
ここで、
図5のフローチャートを参照して、ウェブページWpの送信要求から表示までの流れの概要を説明しておく。
ユーザ端末4がウェブページWpの送信要求をページ配信サーバ3に行うと(ステップS11)、ページ配信サーバ3はウェブページWpを表示させるためのウェブページデータの送信処理を開始する(ステップS21)。
このとき、ページ配信サーバ3からユーザ端末4に送信されるウェブページデータには、HTMLデータ等、ウェブページにおける各パーツのレイアウトや表示されるべきテキスト情報等を指示するためのドキュメントデータが少なくとも含まれている。また、該ウェブページデータには、ウェブページのスタイルを指定するためのCSS(Cascading Style Sheets)データや、ページ内に表示すべき画像データ、JavaScript等のソースコードが含まれる場合もある。
【0039】
ユーザ端末4は、ページ配信サーバ3から受信したHTMLデータ等のドキュメントデータに基づき、ウェブページWpを表示するためのページデータ取得・表示処理を行う(ステップS12)。
ページデータ取得・表示処理は、ユーザ端末4のブラウザにより行われる処理であり、受信したHTMLデータ等のドキュメントデータについての解析処理、及び該ドキュメントデータにより指定されるデータをページ配信サーバ3から取得する処理、及び上記解析処理の結果に基づくパーツPのレイアウト処理、及びレイアウト処理結果と上記取得したデータとに基づく描画データの生成処理を行い、描画データに基づきウェブページWpをブラウザ画面に表示させる処理である。
周知のように、HTMLやXML等のドキュメントデータに基づくウェブページの表示は、ドキュメントデータの全てが解析されてからパーツPのレイアウトや描画が開始されるのではなく、ドキュメントデータの先頭部から順に一部の解析が完了するごとに、データ取得やレイアウト処理、描画処理が行われていく。ページデータ取得・表示処理としても、同様にドキュメントデータ先頭部から一部ずつ解析、データ取得、レイアウト、描画の各処理を行っていく処理とされている。これにより、ページ遷移開始からコンテンツ表示が開始されるまでの速度向上が図られている。
【0040】
なお、上記説明から理解されるように、ユーザ端末4によるページ配信サーバ3からのウェブページデータの取得(ダウンロード)は、ウェブページWpの表示が開始された以降においても行われるものである。
【0041】
本実施形態において、
図4に示すページデータ送信処理部F2は、ウェブページWpの送信要求に応じ、以下の機能をユーザ端末4に実現させるためのプログラムを含んだウェブページデータを送信する。
すなわち、ユーザ端末4のブラウザがウェブページデータの読み込みを開始した後、ウェブページWpにおける特定部分Ppまでの表示に必要な所定データの読み込みが完了したか否かを判定する完了判定機能f1と、完了判定機能f1により読み込みが完了したと判定したことに応じて、ブラウザ画面の位置を、特定部分Ppがブラウザ画面に内包される位置である特定スクロール位置PSpに移動させる中途移動機能f2である。
なお、本実施形態における完了判定機能f1では、「特定部分Ppまでの表示に必要な所定データの読み込み」として、特定部分Ppまでにおける表示に必要な全てのデータの読み込みが完了したか否かを判定する。
【0042】
ここで、「特定部分Ppまでの表示に必要な所定データの読み込みが完了」とは、特定部分Ppまでの表示に必要な所定データの表示準備が完了したことを意味する。具体的には、例えば特定部分Ppまでの表示に必要な所定データについて、ダウンロード又はレイアウト処理が完了したことを挙げることができる。或いは、特定部分Ppまでの表示に必要な所定データについて描画データの生成が完了したこと等とすることもできる。
完了判定機能f1による判定処理は、特定部分Ppまでの表示に必要な所定データについてダウンロードの完了から描画データが生成されるまでの処理過程における任意のタイミングの到来を判定する処理とすればよい。
【0043】
また、本例のページデータ送信処理部F2は、ウェブページWpの送信要求に応じ、ユーザ端末4にウェブページWpにおける特定部分Ppを通知するための情報として、前述した特定部分通知情報I1を送信する。具体的には、前述した自動入力対象の設問部の次に位置する設問部を通知するための情報である。本例では、該設問部を構成するパーツPが特定部分Ppとされる。
【0044】
図6及び
図7を参照して、完了判定機能f1と中途移動機能f2とを説明する。
図6A及び
図6Bでは、ウェブページWpとブラウザ画面G(ユーザ端末4のブラウザ画面の意味として以下用いる)との関係を模式的に表している。
ここで、本例では、ウェブページWpは縦長のページとされ、スクロール方向は縦方向に一致している。この場合、ウェブページWpの先頭位置SpはウェブページWpの上端と一致する。
【0045】
図6Aは、ウェブページWpへのページ遷移直後の様子として、ウェブページWpの先頭部分のみの読み込みが完了したときの様子を表している。
ページ遷移直後には、ブラウザ画面GはウェブページWpの先頭部に位置されている。具体的に本例では、ブラウザ画面Gの上端がウェブページWpの先頭位置Spと一致している。この場合、ブラウザ画面G内には、ウェブページWpにおける先頭部分のコンテンツが表示される。
【0046】
図6Aに示す状態からページデータ取得・表示処理(ステップS12)によるウェブページデータの読み込みが進行していくと、上記した完了判定機能f1により特定部分Ppまでの表示に必要な所定データの読み込み完了(本実施形態では特定部分Ppまでにおける表示に必要な全てのデータの読み込みの完了)が判定される。
【0047】
完了判定機能f1により上記読み込みが完了したと判定された場合には、中途移動機能f2により、ブラウザ画面Gが
図6Bに示すような特定スクロール位置PSpに移動される。なお、
図6Bでは、ブラウザ画面Gの特定スクロール位置PSpが、ブラウザ画面Gの上端位置を基準とした位置として定義された場合を例示している。
本例において、特定スクロール位置PSpは、特定部分Ppとブラウザ画面Gのページ先頭側の端辺位置同士が一致する位置(本例では上端同士が一致する位置)として定められている。これにより、ブラウザ画面G内の先頭部に入力項目が位置されるので、入力を開始すべき項目をユーザに理解させ易くすることができる。
【0048】
図7は、本例の中途移動機能f2による効果の説明図であり、ウェブページデータの読み込み開始時点(図中「t0」)から特定部分Ppが提示されるまでに要する時間を、本例の中途移動機能f2のない従来例との対比により表している。
従来例においては、ウェブページWp全体の読み込み完了後にブラウザ画面Gを特定スクロール位置PSpへ移動させる。この場合、特定部分Ppの提示までに要する時間は時点t0から時点t2までの時間である。
一方、本例では特定部分Ppまでの読み込み完了に応じてブラウザ画面Gが特定スクロール位置PSpに移動されるため、特定部分Ppの提示までに要する時間は時点t0から時点t1までの時間に短縮される。図中では、本例と従来例との間における特定部分Ppの提示までの時間差を「Δ」として表している。
【0049】
このように本例では、ウェブページWp全体の読み込み完了前に特定部分Ppをユーザに提示することができ、ユーザが閲覧を希望する部分について提示の迅速化を図ることができる。
【0050】
なお、特定スクロール位置PSpへの移動が行われた以降も、ページデータ取得・表示処理は継続される。すなわち、本例の表示手法は、ウェブページWp全体のうち特定部分Ppまでのデータのみを部分的に読み込むものではない。
【0051】
ここで、通信環境が良好であったりページデータ量が少ない場合等、ページ全体の読み込みまでに要する時間が短いときには、中途移動機能f2による中途移動を発現させた場合とそうでない場合とで特定部分Ppが提示されるまでの時間差が生じ難い。すなわち、中途移動機能f2による提示の迅速化効果が薄れる。
一方、通信環境が悪い場合やページデータが膨大な場合等、ページ全体の読み込みまでに要する時間が長いときには、中途移動を発現させた場合とそうでない場合とで特定部分Ppが提示されるまでの時間差が生じ易く、中途移動機能f2による提示の迅速化効果が高まる。
【0052】
そこで本実施形態では、ユーザ端末4に以下の二つの機能を実現させる。
すなわち、ウェブページWp全体の読み込みが完了するまでに要する時間であるページ読込時間Trを推定する読込時間推定機能f3と、ページ読込時間Trが所定時間以上と推定される場合に中途移動機能f2による特定スクロール位置PSpへの移動を許可する中途移動許可機能f4と、ページ読込時間Trが所定時間未満であると推定される場合に中途移動機能f2による特定スクロール位置PSpへの移動を禁止し、ウェブページWp全体の読み込み完了後に特定スクロール位置PSpへの移動を実行させる中途移動禁止機能f5である。
【0053】
本例において、読込時間推定機能f3としては、通信速度(単位時間あたりの読込データ量)を計測し、該通信速度とウェブページWp全体のデータ容量とに基づいてページ読込時間Trを推定する。具体的には、「ウェブページWp全体のデータ容量/通信速度」をページ読込時間Trとして求める。
ここで、ウェブページWp全体のデータ容量の情報は、本例ではページ配信サーバ3から送信されるウェブページデータの一部に含まれている。
【0054】
中途移動許可機能f4は、推定されたページ読込時間Trが所定の閾値TH以上であれば、中途移動機能f2によるブラウザ画面Gの特定スクロール位置PSpへの移動を許可する。
一方、中途移動禁止機能f5は、ページ読込時間Trが閾値TH未満であれば中途移動機能f2によるブラウザ画面Gの特定スクロール位置PSpへの移動を禁止して、ウェブページWp全体の読み込み完了後にブラウザ画面Gの特定スクロール位置PSpへの移動を実行させる。
【0055】
上記の各機能により、通信環境が悪い場合やページデータ量が膨大な場合等、ページ読込時間Trが長いと推定される場合にはブラウザ画面Gの中途移動が行われ、一方、通信環境が良好であったりページデータ量が少ない場合等、ページ読込時間Trが短いと推定される場合にはブラウザ画面Gの中途移動は行われず、処理の単純化が図られる。
従って、ユーザに対する特定部分Ppの提示の迅速化を、ユーザ端末4の処理負担軽減を図りつつ実現することができる。
【0056】
本実施形態におけるページ配信サーバ3は、前述した完了判定機能f1及び中途移動機能f2と共に、上記した読込時間推定機能f3、中途移動許可機能f4、及び中途移動禁止機能f5を実現させるためのプログラムを含んだウェブページデータをページデータ送信処理部F2によりユーザ端末4に送信する。
【0057】
[1-4.処理手順]
図8のフローチャートを参照して、上記したユーザ端末4の各機能を実現するために実行されるべき処理の手順を説明する。
図8に示す処理は、ユーザ端末4におけるCPU101がページ配信サーバ3からのウェブページデータに含まれるプログラムに従って実行する。該プログラムは、例えばJavaScript等のソースコードにより記述されたプログラムとすることが考えられる。
図8に示す処理は、
図5に示したページデータ取得・表示処理(ステップS12)と並行して実行される。なお、
図8の説明において「CPU101」とは、特に断りがなければユーザ端末4におけるCPU101を指す。
【0058】
先ず、ステップS101でCPU101は、ステップS12のページデータ取得・表示処理が開始されるまで待機し、ページデータ取得・表示処理が開始された場合は、ステップS102でログイン中であるか否かを判定する。すなわち、前述した所定ウェブサイトへのログイン中であるか否かを判定する。
ログイン中でなければ、CPU101は
図8に示す処理を終える。つまりこの場合は、ページ先頭部の該当設問に対する自動入力は行われず、ブラウザ画面Gの特定スクロール位置PSpへの移動も行われない。従ってユーザは、ウェブページWp先頭の設問から回答入力を行う。
【0059】
一方、ステップS102でログイン中と判定した場合、CPU101はステップS103に進み、データ読込速度の計測処理を行い、続くステップS104でページ読込時間Trを推定する。つまり本例では、「ウェブページWp全体のデータ容量/データ読込速度」による計算結果をページ読込時間Trとして得る。
【0060】
さらに、続くステップS105でCPU101は、ページ読込時間Trが閾値TH以上であるか否かを判定する。
ページ読込時間Trが閾値TH以上でなければ、CPU101はステップS106に処理を進める。
【0061】
ステップS106でCPU101は、ページ全体(ウェブページWp全体)の読み込みが完了するまで待機し、ページ全体の読み込みが完了したらステップS107で該当設問の自動入力処理を行う。すなわち、ページ先頭部に位置されたユーザ属性情報を問う設問について、該当する属性情報を該設問の回答情報として入力する処理を行う。なおこのとき、回答情報の入力は描画データにも反映させて、自動入力された回答情報をユーザがブラウザ画面Gを通じて確認できるようにする。
ステップS107において、入力すべきユーザ属性情報は、例えばブラウザのCookie(クッキー)に保存されていればその情報を用いる。或いは、入力すべきユーザ属性情報は、ユーザ属性情報が登録(保存)された外部のデータベースからネットワーク2を介した通信を行って取得することもできる。
【0062】
続くステップS108でCPU101は、特定スクロール位置PSpへの移動処理として、ブラウザ画面Gのスクロール方向における位置をページ先頭位置Spから特定スクロール位置PSpに移動させる処理を行う。
ステップS108の移動処理を実行したことに応じ、CPU101は
図8に示す処理を終える。
【0063】
また、上記したステップS105において、ページ読込時間Trが閾値TH以上であった場合には、CPU101はステップS109に処理を進める。
ステップS109でCPU101は、特定部分Ppまでの読み込みの完了を待機する。すなわち、ページ配信サーバ3からの特定部分Ppまでのウェブページデータのダウンロードが完了するまで待機する。
【0064】
特定部分Ppまでの読み込みが完了したと判定した場合、CPU101はステップS110で該当設問の自動入力処理を行い、続くステップS111で特定スクロール位置PSpへの移動処理を行う。なお、ステップS110、S111の処理はそれぞれステップS107、S108と同様となるため重複説明は避ける。
【0065】
ステップS111の移動処理を実行したことに応じ、CPU101はステップS112でページ全体の読み込みが完了するまで待機し、ページ全体の読み込みが完了したことに応じて
図8に示す処理を終える。
【0066】
ここで、ステップS108やステップS111における特定スクロール位置PSpへの移動は、スクロール移動として行うことができる。これにより、自動入力対象の設問のうち、ページ遷移直後のブラウザ画面G(ページ先頭位置Spにあるブラウザ画面G)では表示しきれない部分の設問についても、自動入力された情報をユーザに確認させることができる。
或いは、特定スクロール位置PSpへの移動は、瞬時移動(ブラウザ画面G内の表示内容を特定部分Ppを含む内容に瞬時に切り替える)として行うこともできる。これにより、特定部分Ppが提示されるまでの時間の短縮化を図ることができる。
【0067】
なお、上記では、該当設問への自動入力処理(S107、S110)を特定スクロール位置PSpへの移動前に行う例を挙げたが、該処理は特定スクロール位置PSpへの移動後に行うこともできる。これにより、特定部分Ppの提示までに要する時間の短縮化を図ることができる。
【0068】
また、上記では、通信速度をウェブページWp読込開始からの速度として計測する例を挙げたが、例えばユーザ端末4にてネットワーク2を介した通信速度を定常的に計測している場合など、
図8とは別処理で通信速度計測が行われている場合には、該別処理での計測結果を流用することもできる。
【0069】
また、特定スクロール位置PSpへの移動機能は、ユーザの操作等に応じてオン/オフが可能とされてもよい。例えば、実施形態で例示しているアンケート回答ページであれば、設問への自動入力機能のオン/オフを指示するための操作を受け付けるようにしておき、該操作により自動入力機能のオン指示がされた場合に特定スクロール位置PSpへの移動機能をオンとし、オフ指示がされた場合は特定スクロール位置PSpへの移動機能をオフとする等が考えられる。
【0070】
また、本例では、特定スクロール位置PSpは、特定部分Ppとブラウザ画面Gのページ先頭側の端辺同士が一致する位置であった(
図6B参照)が、これによると、ブラウザ画面Gが特定スクロール位置PSpに移動した時点で、ブラウザ画面G内に読み込み不十分な部分(表示対象の全てのデータが揃ってない部分)が含まれる可能性があり、ブラウザ画面G内における特定部分Ppよりも下部に(瞬間的ではあるものの)表示不十分な領域が発生してしまう可能性がある。
そこで、そのような表示不十分領域の発生防止を図るべく、特定スクロール位置PSpは、ブラウザ画面Gと特定部分Ppのページ終端側の端辺同士が一致する位置として定めることもできる。
なお、特定スクロール位置PSpとしては、特定部分Ppがブラウザ画面Gに内包される位置として設定されればよく、例えばブラウザ画面Gと特定部分Ppのセンター位置同士が一致する位置とする等、任意の設定が可能である。
【0071】
また、ユーザ端末4が行うウェブページWpの送信要求は、ウェブページWpにおける特定部分Ppの表示要求を含むものであってもよい。この場合、ページ配信サーバ3は、ウェブページWpの送信要求が上記特定部分Ppの表示要求を含むものであることに応じて完了判定機能f1と中途移動機能f2とを実現させるプログラムを含んだウェブページデータをユーザ端末4に送信することになる。
【0072】
[1-5.第一実施形態のまとめ]
上記のように第一実施形態の情報処理装置(ページ配信サーバ3)は、端末装置(ユーザ端末4)からウェブページ(同Wp)の送信要求を受信する要求受信部(要求受信処理部F1)と、送信要求に応じてウェブページの全体を表示させるためのウェブページデータを端末装置に送信するページデータ送信部(ページデータ送信処理部F2)と、を備えている。
そして、ページデータ送信部は、端末装置のブラウザがウェブページデータの読み込みを開始した後、ウェブページにおける特定部分(同Pp)までの表示に必要な所定データの読み込みが完了したか否かを判定する完了判定機能(同f1)と、完了判定機能により読み込みが完了したと判定したことに応じて、ブラウザ画面の位置を、特定部分がブラウザ画面(同G)に内包される位置である特定スクロール位置(同PSp)に移動させる中途移動機能(同f2)と、を端末装置に実現させるプログラムを含んだウェブページデータを送信している。
【0073】
これにより、ウェブページの全体送信が前提とされる場合であっても、ウェブページデータ全体の読み込みが完了する前に、ブラウザ画面に特定部分を表示させることが可能とされる。
従って、全体送信が前提とされるウェブページのうちの特定部分の閲覧をユーザが希望する場合において、ユーザに対する特定部分の提示の迅速化を図ることができる。
【0074】
また、第一実施形態の情報処理装置においては、ページデータ送信部は、ウェブページ全体の読み込みが完了するまでに要する時間であるページ読込時間を推定する読込時間推定機能(同f3)と、ページ読込時間が所定時間以上と推定される場合に中途移動機能による特定スクロール位置への移動を許可する中途移動許可機能(同f4)と、ページ読込時間が所定時間未満であると推定される場合に中途移動機能による特定スクロール位置への移動を禁止し、ウェブページ全体の読み込み完了後に特定スクロール位置への移動を実行させる中途移動禁止機能(同f5)と、を端末装置に実現させるプログラムを含んだウェブページデータを送信している。
【0075】
通信環境が悪い場合やページデータ量が膨大な場合等、ページ全体の読み込みまでに要する時間が長いときには、中途移動を発現させた場合とそうでない場合とで特定部分が提示されるまでの時間差が生じ易い。その場合に中途移動を実行させ、ユーザに対し特定部分を迅速に提示できるようにする。
一方、通信環境が良好であったりページデータ量が少ない場合等、ページ全体の読み込みまでに要する時間が短いときには、中途移動機能による中途移動を発現させた場合とそうでない場合とで特定部分が提示されるまでの時間差が生じ難い。そこで、そのような場合に中途移動を発現させないことで、端末装置の処理を単純化し、処理負担の低減を図る。
これらの結果、ユーザに対する特定部分の提示の迅速化を、端末装置の処理負担軽減を図りつつ実現することができる。
【0076】
さらに、第一実施形態の情報処理装置においては、ウェブページは、ユーザが複数項目について情報入力を行う情報入力ページとされ、特定部分は、情報入力ページにおける特定項目の表示部分とされている。
【0077】
これにより、情報入力ページにおけるユーザの待ち時間低減が図られる。
すなわち、例えばアンケートの回答情報や各種申込のための必要情報等をユーザが入力する情報入力環境として、より快適な情報入力環境を提供することができる。
【0078】
さらにまた、第一実施形態の情報処理装置においては、送信要求は、前記ウェブページにおける前記特定部分の表示要求を含んでいる。
【0079】
この場合、情報処理装置は、特定部分の表示要求を含んだウェブページの送信要求に応じて完了判定機能と中途移動機能とを実現させるプログラムを含んだウェブページデータを端末装置に送信する。
従って、端末装置の要求に応じてウェブページ内の特定部分に表示を遷移させる場合において、ユーザに対する特定部分の提示の迅速化を図ることができる。
【0080】
<2.第二実施形態>
[2-1.第二実施形態としてのページ表示手法]
続いて、第二実施形態について説明する。
第二実施形態は、例えば複数のウェブページWpによって1つのアンケートが構成されている場合等、ユーザによる入力対象項目が複数のウェブページにわたって設けられている場合を前提としたものであり、それら一連のウェブページのうち或るウェブページにおける情報入力内容に基づいて、該一連のウェブページのうち他のウェブページの特定入力項目への表示遷移を生じさせるものである。
なお、以下の説明において、既にこれまでに説明済みとなった部分と同様となる部分については、特に断りがない限り同一の符号やステップ番号を付して説明を省略する。ネットワークシステム1の構成やページ配信サーバ3、ユーザ端末4のハードウェア構成については第一実施形態と同様となることか図示は省略する。
【0081】
第二実施形態では、アンケート回答ページとしてのウェブページWpについて、次のようなロジックが設問単位で設定されている。
1)「a3→Q44」
2)「a2→Q58、a3→Q68」
例えば1)のロジックは、対象とする設問に対する回答(answer)が「3番」であった場合(例えば3番目の選択肢を回答として選択した場合)は、設問44に表示遷移すべきことを表している。また、2)のロジックは、対象とする設問に対する回答が「2番」であった場合は設問58に、「3番」であった場合は設問68にそれぞれ表示遷移すべきことを表している。
上記のロジックは、回答内容に応じて表示遷移が必要とされる設問に対して設定され、ユーザ端末4は設問への回答入力があるごとに、該設問に対するロジック有無を確認し、ロジックがある場合は該ロジックと回答内容とに従った表示遷移処理を行う。
ロジックは、ウェブページデータの一部としてページ配信サーバ3から送信されるものである。
【0082】
上記のようなロジックによっては、回答入力が行われたウェブページWpとは異なるウェブページWpにおける設問に表示遷移が行われ得る。例えば、本例のようにウェブページWpにおける設問数が「50」に制約されているとして、上記2)のロジックが1ページ目に存在する設問に対するものであった場合には、該ロジックに従って2ページ目の設問(設問58又は68)への表示遷移が行われ得る。
第二実施形態は、このようにロジックに従って新たなウェブページWpの特定部分に表示遷移が行われる際に、中途移動機能f1によるブラウザ画面Gの中途移動を適用するものである。
【0083】
[2-3.処理手順]
図9及び
図10のフローチャートを参照して、第二実施形態としてのページ表示手法を実現するために実行されるべき処理を説明する。
これら
図9及び
図10に示す処理は、ユーザ端末4におけるCPU101がウェブページデータの一部として送信したプログラムに基づいて実行するものである。
図9及び
図10においても、特に断りがない限り、CPU101はユーザ端末4におけるCPU101であるとする。
【0084】
図9は、ロジックを対象として行われるべき処理を示している。
図9の処理は、設問に対する情報入力が行われるごとに実行される。なお、設問部にはユーザによる入力完了操作を可能とするための操作子(例えば入力完了ボタン)を設けておくこともでき、その場合、
図9に示す処理は、該操作子の操作が行われるごとに実行される。
【0085】
先ず、ステップS31でCPU101は、入力項目(本例では設問)に対応するロジックがあるか否かを判定する。対応するロジックが無ければ、CPU101は
図9に示す処理を終える。つまりこの場合は、自動的な表示遷移は行われない。
【0086】
一方、対応するロジックがある場合には、CPU101はステップS32に進みロジックが対象とする入力内容か否かを判定する。すなわち、先の2)のロジックであれば、設問への回答が「2番」又は「3番」であるか否かを判定する。
ロジックが対象とする入力内容でなければ、CPU101は
図9に示す処理を終える。
【0087】
ロジックが対象とする入力内容であれば、CPU101はステップS33に進み要ページ遷移の入力内容か否かを判定する。つまり、ロジックにおいて入力内容に対応づけられている遷移先設問番号が、現在表示中のウェブページWpとは異なるウェブページWpにおける設問の番号を表しているか否かを判定する。
【0088】
要ページ遷移の入力内容でなければ、CPU101はステップS34に進んでロジックに従った現ページでのブラウザ画面移動処理を行う。すなわち、現在表示中のウェブページWpにおいて、ロジックが表す設問へのブラウザ画面Gの移動(ブラウザ画面G内に該設問が表示される位置への移動)を行う。
ステップS34の処理を実行したことに応じ、CPU101は
図9に示す処理を終える。
【0089】
一方、要ページ遷移の入力内容であった場合には、CPU101はステップS35に進んでページ遷移フラグをON(例えば「1」)とした上で、ステップS11でウェブページWpの送信要求を行う。すなわち、ロジックと回答入力内容とから特定される遷移先設問を含むウェブページWpの送信要求を行う。
そして、続くステップS12でCPU101は、ステップS11で送信要求を行ったウェブページWpについてのページデータ取得・表示処理を実行し、
図9に示す処理を終える。
【0090】
図10は、第二実施形態における中途移動機能f2(完了判定機能f1や読込時間推定機能f3、中途移動許可機能f4、及び中途移動禁止機能f5を含む)を実現するための処理を示している。
CPU101は、ステップS101でページデータ取得・表示処理(
図9のステップS12)が開始されるまで待機し、ページデータ取得・表示処理が開始されたことに応じて、ステップS201でページ遷移フラグがONであるか否かを判定する。
ページ遷移フラグがONでなれば、CPU101は
図10に示す処理を終える。つまり、この場合のページ遷移はロジックに基づくページ遷移ではないため、通常通りページ先頭への表示遷移が行われる。
【0091】
ページ遷移フラグがONであれば、CPU101はステップS202に進んでページ遷移フラグをOFF(例えば「0」)とした上で、ステップS103のデータ読込速度の計測処理に進む。先の
図8と比較して分かるように、この場合におけるステップS103以降の処理は、ステップS107、S110の自動入力処理が省略された点のみが第一実施形態の場合と異なる。
ここで、ステップS109の処理について、この場合における「特定部分」は、ロジックと回答入力内容とに基づき特定された設問部を構成するパーツP(設問部)が該当する。
【0092】
上記の処理により、情報入力項目への入力内容とロジックとに基づき他のウェブページWpにおける特定入力項目への表示遷移が行われる場合に対応して、ブラウザ画面Gの中途移動が行われる。
これにより、ユーザによる入力対象項目が複数ページにわたって設けられている場合において、情報入力途中におけるユーザの待ち時間低減が図られる。
【0093】
なお、第二実施形態では、特定部分PpがウェブページWpの先頭部近傍となることがあり得る。このとき、ブラウザ画面Gのサイズ(特にスクロール方向の長さ)、表示拡大率によっては、ブラウザ画面Gが初期位置にある状態で特定部分Ppが提示される場合がある。このようにブラウザ画面Gが初期位置にある状態で特定部分Ppが提示される場合には、中途移動機能f2によるブラウザ画面Gの中途移動を行わないようにすることもできる。
具体的には、ブラウザ画面Gのスクロール方向の長さ、特定部分Ppのスクロール方向における位置、及び表示拡大率に基づき、初期位置にあるブラウザ画面G内に特定部分Ppが含まれるか否かを判定し、該判定により肯定結果が得られた場合には中途移動機能f2によるブラウザ画面Gの中途移動を禁止する。
【0094】
[2-4.第二実施形態のまとめ]
上記のように第二実施形態の情報処理装置(ページ配信サーバ3)においては、特定項目は、特定項目を含む情報入力ページとは別の情報入力ページにおける情報入力内容に基づいて端末装置が特定した項目とされている。
【0095】
これにより、ユーザによる入力対象項目が複数ページにわたって設けられている場合において、情報入力途中におけるユーザの待ち時間低減が図られる。
従って、より快適な情報入力環境を提供することができる。
また、情報入力途中における待ち時間に起因してユーザが情報入力を途中で諦めてしまうことの防止を図ることができる。
【0096】
<3.ページ表示手法に係る変形例>
[3-1.第三実施形態としてのページ表示手法]
第三実施形態は、特定部分Ppよりもページ先頭側に位置される部分に画像が含まれている場合に、該画像を後読みする機能をユーザ端末4に実現させるものである。
具体的に、第三実施形態におけるページ配信サーバ3は、該画像の読み込みを中途移動機能f2による特定スクロール位置PSpへの移動よりも後に実行させる画像後読み機能f6をユーザ端末4に実現させるプログラムを含んだウェブページデータを送信する。
【0097】
[3-2.処理手順]
図11のフローチャートは、画像後読み機能f6を実現するために実行されるべき処理の手順を示している。
図11の説明において「CPU101」とは、特に断りがなければユーザ端末4におけるCPU101を指す。
図11に示す処理は、ページデータ取得・表示処理(S12)の開始に応じて開始される。
【0098】
先ず、CPU101はステップS301で、画像取得タスクの発生、すなわちページデータ取得・表示処理における画像データの取得タスクの発生を待機する。
画像取得タスクが発生したことに応じ、CPU101はステップS302でタスク保留指示を行う。このタスク保留指示に応じて、ページデータ取得・表示処理における画像取得タスクが保留される。
【0099】
続くステップS303でCPU101は、特定部分Ppまでの画像を除く読み込みが完了したか否かを判定する。
ここで、第三実施形態において、「特定部分までの表示に必要な所定データの読み込み」とは、表示に必要なデータのうち、特定部分Ppまでの画像を除くデータの読み込みを指すものである。
【0100】
ステップS303において、特定部分Ppまでの画像を除く読み込みが完了していなければ、CPU101はステップS301に戻り、再び画像取得タスクの発生を待機する。これにより、ウェブページWpの先頭から特定部分Ppまでに存在する画像データについて、取得タスクが保留される。
【0101】
一方、特定部分Ppまでの画像を除く読み込みが完了した場合、CPU101はステップS304に進んで保留タスク実行指示を行う。この実行指示に応じ、ステップS302で保留された画像取得タスクがページデータ取得・表示処理において実行される。
CPU101はステップS304の処理を実行したことに応じて
図11に示す処理を終える。
【0102】
なお、特定部分Ppは画像を含む部分とされる場合もある。特定部分Ppが画像を含む場合は、該画像の取得タスクがステップS302の保留対象から除外されるようにする。具体的にその場合は、例えばステップS301とステップS302との間に位置する処理として、発生した画像取得タスクが特定部分Ppにおける画像の取得タスクか否かを判定する処理を設け、該処理により否定結果が得られた場合はステップS302に進み、肯定結果が得られた場合はステップS302をパスしてステップS303に進むようにすればよい。
【0103】
[3-3.第三実施形態のまとめ]
上記のように第三実施形態の情報処理装置(ページ配信サーバ3)は、ウェブページにおける特定部分よりもページ先頭側に位置される部分に画像が含まれている場合に、該画像の読み込みを中途移動機能による特定スクロール位置への移動よりも後に実行させる画像後読み機能(同f6)を端末装置に実現させるプログラムを含んだウェブページデータを送信している。
【0104】
特定部分よりもページ先頭側にある画像の読み込みを後回しにすることによって、特定部分までの読み込み完了に要する時間の短縮化が図られる。
従って、特定部分をより速くユーザに提示することができる。
【0105】
<4.プログラム及び記憶媒体>
以上、本発明に係る情報処理装置の実施形態としてのページ配信サーバ3を説明してきたが、実施形態の第一のプログラムは、該ページ配信サーバ3の処理を情報処理装置(CPU等)に実行させるプログラムである。
【0106】
実施形態の第一のプログラムは、端末装置からウェブページの送信要求を受信する要求受信機能(要求受信処理部F1)と、送信要求に応じてウェブページの全体を表示させるためのウェブページデータを端末装置に送信するページデータ送信機能(ページデータ送信処理部F2)と、をコンピュータ装置に実現させるコンピュータ装置が読み取り可能なプログラムとされる。
そして、ページデータ送信機能は、端末装置のブラウザがウェブページデータの読み込みを開始した後、ウェブページにおける特定部分までの表示に必要な所定データの読み込みが完了したか否かを判定する完了判定機能(同f1)と、完了判定機能により読み込みが完了したと判定したことに応じて、ブラウザ画面の位置を、特定部分がブラウザ画面に内包される位置である特定スクロール位置に移動させる中途移動機能(同f2)と、を端末装置に実現させるプログラムを含んだウェブページデータを送信する機能とされている。
すなわち、このプログラムは、例えばページ配信サーバ3等の情報処理装置に
図5等により説明した処理を実行させるプログラムに相当する。
【0107】
このようなプログラムにより、上述したページ配信サーバ3としての情報処理装置を実現できる。
そして、このようなプログラムはコンピュータ装置等の機器に内蔵されている記憶媒体としてのHDDや、CPUを有するマイクロコンピュータ内のROM等に予め記憶しておくことができる。或いはまた、半導体メモリ、メモリーカード、光ディスク、光磁気ディスク、磁気ディスクなどのリムーバブル記憶媒体に、一時的あるいは永続的に格納(記憶)しておくことができる。またこのようなリムーバブル記憶媒体は、いわゆるパッケージソフトウェアとして提供することができる。
また、このようなプログラムは、リムーバブル記憶媒体からパーソナルコンピュータ等にインストールする他、ダウンロードサイトから、LAN、インターネットなどのネットワークを介してダウンロードすることもできる。
【0108】
また、実施形態の第二のプログラムは、上記した実施形態としてのユーザ端末4の処理をコンピュータ装置(CPU等)に実行させるプログラムである。
【0109】
実施形態の第二のプログラムは、コンピュータ装置が読み取り可能なプログラムであって、ブラウザがウェブページの全体を表示させるためのウェブページデータの読み込みを開始した後、ウェブページにおける特定部分までの表示に必要な所定データの読み込みが完了したか否かを判定する完了判定機能(同f1)と、完了判定機能により読み込みが完了したと判定したことに応じて、ブラウザ画面の位置を、特定部分がブラウザ画面に内包される位置である特定スクロール位置に移動させる中途移動機能(同f2)と、をコンピュータ装置に実現させるプログラムである。
すなわち、このプログラムは、例えばユーザ端末4等のコンピュータ装置に
図8、
図10、
図11等により説明した処理を実行させるプログラムに相当するものである。
このようなプログラムは、例えばウェブページデータの一部として含まれるJavaScript等のソースコードで記述されたプログラムとして実現することができる。
【0110】
<5.変形例>
本発明は上記により説明した具体例に限定されず、各種の変形例が考えられる。
例えば、上記では本発明が対象とするウェブページの例としてアンケート回答ページを例示したが、本発明は、例えばクレジットカードの申込ページ等、ユーザが各種情報入力を行う情報入力ページに広く好適に適用できる。
情報入力ページの他の例としては、例えば試験問題の回答入力ページを挙げることができる。試験問題の回答入力ページの例としては、例えば複数の科目の出題を含んだ形式のページを挙げることができる。ユーザが回答すべき科目を指定操作すると、回答入力ページにおける該当する科目の出題部における先頭部分を特定部分として、該特定部分に表示遷移が行われる。この表示遷移の際のブラウザ画面の移動について、完了判定機能及び中途移動機能を適用するものである。
【0111】
ここで、本発明を適用可能なウェブページは情報入力ページに限らない。例えば、各種製品等の取り扱い説明書をコンテンツとして有するウェブページ等、ユーザによる情報入力が前提とされないウェブページにも本発明は好適に適用できる。例えば、取り扱い説明書のウェブページであれば、掲載される複数の説明項目のうち特定の説明項目への表示遷移時におけるブラウザ画面の移動について、完了判定機能及び中途移動機能を適用することが考えられる。
また、本発明は、ゲームをコンテンツとするウェブページに対しても好適に適用することができる。
本発明に係る情報処理装置は、端末装置からウェブページの送信要求を受信する要求受信部と、送信要求に応じてウェブページの全体を表示させるためのウェブページデータを端末装置に送信するページデータ送信部とを備える。ページデータ送信部は、端末装置のブラウザがウェブページデータの読み込みを開始した後、ウェブページにおける特定部分までの表示に必要な所定データの読み込みが完了したか否かを判定する完了判定機能と、完了判定機能により読み込みが完了したと判定したことに応じて、ブラウザ画面の位置を、特定部分がブラウザ画面に内包される位置である特定スクロール位置に移動させる中途移動機能とを端末装置に実現させるプログラムを含んだウェブページデータを送信する。