特許第6174346号(P6174346)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6174346
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】化粧料
(51)【国際特許分類】
   A61K 8/73 20060101AFI20170724BHJP
   A61K 8/04 20060101ALI20170724BHJP
   A61K 8/81 20060101ALI20170724BHJP
   A61K 8/26 20060101ALI20170724BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   A61K8/73
   A61K8/04
   A61K8/81
   A61K8/26
   A61Q19/00
【請求項の数】6
【全頁数】18
(21)【出願番号】特願2013-58197(P2013-58197)
(22)【出願日】2013年3月21日
(65)【公開番号】特開2014-181224(P2014-181224A)
(43)【公開日】2014年9月29日
【審査請求日】2016年1月21日
(73)【特許権者】
【識別番号】000145862
【氏名又は名称】株式会社コーセー
(74)【代理人】
【識別番号】110000590
【氏名又は名称】特許業務法人 小野国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】阿部 茜
【審査官】 岩下 直人
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−171891(JP,A)
【文献】 特開2004−107306(JP,A)
【文献】 特開2004−137225(JP,A)
【文献】 特開2013−075878(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 8/73
A61K 8/04
A61K 8/26
A61K 8/81
A61Q 19/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粉体を含有する平均粒径0.5〜10mmの寒天ゲル粒子を、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上、及び、天然ガム質を含有する水性媒体に分散してなり、前記粉体が平均粒径40〜250μmの板状粉体を含むことを特徴とする化粧料。
【請求項2】
前記平均粒径40〜250μmの板状粉体の粉体中の含有量が35〜90質量%であることを特徴とする請求項1記載の化粧料。
【請求項3】
前記寒天ゲル粒子の1粒を、25℃において、テクスチャーアナライザーを用いて0.1mm/秒で圧縮した時の崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜9gであることを特徴とする請求項1又は2記載の化粧料。
【請求項4】
前記天然ガム質がキサンタンガムであることを特徴とする請求項1〜3の何れかに記載の化粧料。
【請求項5】
前記水性媒体の25℃における粘度が65000〜85000mPa・sであることを特徴とする請求項1〜4の何れかに記載の化粧料。
【請求項6】
前記化粧料がスキンケア化粧料であることを特徴とする請求項1〜5の何れかに記載の化粧料。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、粉体を含有する平均粒径0.5〜10mmの寒天ゲル粒子を、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上、及び、天然ガム質を含有する水性媒体に分散させた化粧料に関し、さらに詳細には、該寒天ゲル粒子は肌に塗布した際に容易に崩壊して残片が存在せず、該水性媒体と絡み合って肌上で均一に伸び広がり、肌なじみに優れる化粧料に関する。
【背景技術】
【0002】
様々な機能を発揮する水性のゲル粒子に関する技術は、従来より検討されており、例えば、ゲル粒子内に水溶性の有効成分を配合して外層に分散させることにより、有効成分を外層に直接分散した場合よりも、有効成分の安定性が優れたり、有効成分の効果が強く感じられたりする場合がある。また、外層と異なった系をゲル粒子として配合することにより、使用性や質感に変化を与えることができる。そこで、アルギン酸のカルシウム等の多価金属により架橋されてゲル化する性質を利用したアルギン酸カルシウムによる小球状物質を得る技術(例えば、特許文献1参照)や、寒天やゼラチン等の熱可逆性によってゲル化が生じるゲル化剤を用いてハイドロゲル粒子を調製する技術(例えば、特許文献2参照)や、寒天やアルギン酸ナトリウム等からなる視認可能な粒子を特定比重の水性基剤に分散浮遊させた皮膚化粧料(例えば、特許文献3参照)等が検討され知られている。
【0003】
【特許文献1】特開昭63−139108号公報
【特許文献2】特開2010−131479号公報
【特許文献3】特開2002−20228号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1のようにアルギン酸カルシウムによる小球状物質を含有する化粧料は小球状物質の崩壊後、小球状物質の不溶膜の残片が存在し、塗布後、残片を何らかの方法で肌上から取り除く必要があり、膜の均一性や肌なじみが欠けていた。また、特許文献2のように寒天やゼラチンを用いたゲル粒子であっても、ゲル粒子中に粉体を多く配合した化粧料では、粉体の重さにより経時で沈降したり、また粉体の遊離イオンにより、ゲル粒子の崩壊や、ゲル粒子を分散している水性媒体の粘度が低下したりする問題があり、耐塩性、耐イオン性に優れた水溶性高分子を配合するだけでは、伸び広がりが重く、また均一に塗布することができず、優れた使用感を有するゲル粒子を含有する化粧料を提供するのは困難であった。さらに、特許文献3のように0.1〜5mmの視認可能な大きさのゲル粒子を特定比重の水性基剤に分散浮遊させた皮膚化粧料では、肌上でゲル粒子が滑ってしまい崩壊しなかったり、残片が存在するといった問題があった。
【0005】
一方、化粧料市場において、化粧料の塗布後のメイク効果、スキンケア効果だけで無く、化粧料自体の外観の美しさや使用感も重要な要素であり、また塗布時の視覚的演出も商品の魅力の1つといえる。従来から、その視覚的演出の1つとして、使用時の形状や色調の変化を意図した化粧料の提案がなされている。特に、視覚的演出はメイク化粧料においては、顔料粒子を肌への塗擦行為やポンプによるせん断力によって崩壊させ、均一に分散させる等の技術の提案がなされているが、スキンケア化粧料においては、使用時の視覚的演出がされているものは少なく、化粧料市場において求められていた。化粧料中に浮遊しているゲル粒子を塗布時に崩壊させながら、肌に均一に伸び広げていく行為は、視覚的演出としても商品の魅力の1つとなる。
【0006】
また、寒天ゲル粒子を水性媒体中に均一に分散させるためには、ゲル粒子の固さだけでなく、水性媒体にも固さが必要であり、塗布時に崩壊したゲル粒子が水性媒体と均一に絡み合うためにも、水性媒体に粘度をもたせた水性ゲル溶液の使用は必要であると考えられる。しかし、単に水性ゲル溶液中に寒天ゲル粒子を分散するだけでは、寒天ゲル粒子が肌上で滑ってしまい崩壊しなかったり、残片が存在したりして均一な伸び広がりが得られず、またゲルのべたつきが生じることがあった。
そこで、粉体を含有する寒天ゲル粒子を水性ゲル溶液中に分散してなり、肌に塗布した際に粒子が容易に崩壊し、伸び広がりや肌なじみが優れる寒天ゲル粒子を含有する化粧料が求められていた。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記実情に鑑み、本発明者は鋭意研究を行った結果、粉体を含有し、寒天で固化した平均粒径0.5〜10mmの寒天ゲル粒子を、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上及び天然ガム質を組み合わせた水性媒体中に分散することにより、該ポリマーと天然ガム質が該寒天ゲル粒子と絡み合って一体となり、肌に塗布した際に粒子が滑ることなく容易に崩壊して均一に伸び広がり、肌へのなじみに優れる化粧料が得られ、上記の課題が解決できることを見出し、本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は、
粉体を含有する平均粒径0.5〜10mmの寒天ゲル粒子を、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上、及び、天然ガム質を含有する水性媒体に分散してなることを特徴とする化粧料を提供するものである。
【0009】
前記粉体の35〜90質量%が平均粒径40〜250μmの板状粉体であることを特徴とする前記化粧料を提供するものである。
【0010】
前記寒天ゲル粒子の1粒を、25℃において、テクスチャーアナライザーを用いて0.1mm/秒で圧縮した時の崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜9gであることを特徴とする前記化粧料を提供するものである。
【0011】
前記天然ガム質がキサンタンガムであることを特徴とする前記化粧料を提供するものである。
【0012】
前記水性媒体の25℃における粘度が65000〜85000mPa・sであることを特徴とする前記化粧料を提供するものである。
【0013】
前記化粧料がスキンケア化粧料であることを特徴とする前記化粧料を提供するものである。
【発明の効果】
【0014】
本発明の化粧料は、肌に塗布した際に寒天ゲル粒子が滑ることなく容易に崩壊して均一に伸び広がり、肌へのなじみに優れる化粧料である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の化粧料は、粉体を含有する平均粒径0.5〜10mmの寒天ゲル粒子を視認可能な程度に水中に分散させてなり、使用時に寒天ゲル粒子が崩壊する化粧料である。本発明の寒天ゲル粒子とは、粉体を含有する水を寒天で固化したゲル粒子である。
【0016】
本発明に用いられる寒天ゲル粒子に使用される寒天は、固化剤として用いられ、公知の天然高分子であり、その産地、起源等は問わず何れのものも使用可能である。また、この寒天は、ゼリー強度を調整するために、酸処理して分子を切断させた、いわゆる低強度寒天(特開平5−317008号公報に開示)を用いても良い。また、この寒天のゼリー強度は特に限定されないが、20〜2000g/cmが好ましく、さらに30〜1000g/cmが好ましい。ここでゼリー強度とは1.5質量%(以下、単に「%」と記す。)となるように寒天を水に加熱溶解し、20℃で15時間放置、凝固せしめたゲルについて、その表面を1cm当たり20秒間耐え得る最大質量のことを言う。この範囲のゼリー強度の寒天を用いると、硬い固形状になり難いので、化粧膜の均一性が特に良好な化粧料を得ることができる。このような寒天は、市販品としてAX−100、UP−37(以上、伊那食品工業社製)等を用いることができる。
【0017】
本発明においてこの寒天の含有量は、寒天ゲル粒子中に0.3〜2.5%が好ましく、さらに好ましくは0.5〜1.5%である。この範囲であると、耐衝撃性が非常に良好なものとなり水生媒体との混合の際に崩壊することなく、また、肌上では容易に崩壊し、肌なじみと均一な伸び広がりに優れた化粧料を得ることができる。
【0018】
本発明の寒天ゲル粒子に用いられる粉体は、通常、化粧料等に用いられる粉体であれば、球状、板状、針状等の形状、煙霧状、微粒子、顔料級等の粒子径、多孔質、無孔質等の粒子構造等により特に限定されず、無機粉体類、光輝性粉体類、有機粉体類、色素粉体類、複合粉体類等が挙げられる。
【0019】
具体的には、酸化チタン、黒色酸化チタン、コンジョウ、群青、ベンガラ、黄色酸化鉄、黒色酸化鉄、酸化亜鉛、酸化アルミニウム、シリカ、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭酸マグネシウム、炭酸カルシウム、酸化クロム、水酸化クロム、カーボンブラック、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、ケイ酸アルミニウムマグネシウム、マイカ、合成マイカ、セリサイト、合成セリサイト、タルク、カオリン、炭化珪素、硫酸バリウム、ベントナイト、スメクタイト、ヒドロキシアパタイト、窒化硼素等の無機粉体類;オキシ塩化ビスマス、酸化チタン被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカ、酸化鉄被覆マイカチタン、有機顔料被覆マイカチタン、アルミニウムパウダー、ポリエチレンテレフタレート・アルミニウム・エポキシ積層末、ポリエチレンテレフタレート・ポリオレフィン積層フィルム末、ポリエチレンテレフタレート・ポリメチルメタクリレート積層フィルム末等の光輝性粉体類;ナイロンパウダー、ポリメチルメタクリレートパウダー、アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体パウダー、塩化ビニリデン−メタクリル酸共重合体パウダー、ポリエチレンパウダー、ポリスチレンパウダー、アクリル酸アルキル共重合体、オルガノポリシロキサンエラストマーパウダー、ポリメチルシルセスキオキサンパウダー、ポリウレタンパウダー、ウールパウダー、シルクパウダー、結晶セルロース、N−アシルリジン等の有機粉体類;有機タール系顔料、有機色素のレーキ顔料等の色素粉体類;微粒子酸化チタン被覆マイカチタン、微粒子酸化亜鉛被覆マイカチタン、硫酸バリウム被覆マイカチタン、酸化チタン含有シリカ、酸化亜鉛含有シリカ等の複合粉体類等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いることができる。
【0020】
これら粉体の中でも、寒天ゲル粒子を肌上で崩壊させやすくして伸び広がりを良好にする観点から平均粒径40〜250μmの板状粉体を用いることが好ましい。さらに、寒天ゲル粒子の肌なじみの観点から粉体のアスペクト比は高いほうが好ましく、90以上であるとさらに良い。
【0021】
これら粉体は、フッ素系化合物、シリコーン系化合物、金属石鹸、レシチン、水素添加レシチン、コラーゲン、炭化水素、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス、ロウ、界面活性剤等の1種又は2種以上を用いて表面処理を施してあっても良い。例えば、二酸化ケイ素処理、酸化アルミニウム処理、ジメチルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキサン、トリメチルシロキシケイ酸等のシリコーン化合物による処理、パーフルオロポリエーテルリン酸、パーフルオロアルキルリン酸、弗素変性シリコーン等の弗素化合物による処理、ラウリン酸亜鉛等の金属石鹸処理、N−長鎖アシルアミノ酸等のアミノ酸処理、高級脂肪酸、高級アルコール、エステル、ワックス等の油処理、水素添加リン脂質による処理、シランカップリング剤であるN−オクチルシリル化処理、チタネートカップリング剤であるイソプロピルトリイソステアロイルチタネート処理等が挙げられる。なお、疎水化表面処理した粉体が寒天ゲル粒子に用いられる粉体の50%以下であると、寒天ゲル粒子の製造時に粉体が寒天溶液中に均一に分散しやすく、さらに寒天ゲル粒子の粒子成形性と耐衝撃性が優れるため好ましい。
【0022】
粉体の市販品としては、例えば、合成金雲母としてPDM−40L、20L、10L、5L(以上、トピー工業社製)、酸化チタン被覆マイカとしてFLAMENCO SPARKLE RED 420J(BASF社製)等が挙げられる。
【0023】
本発明における寒天ゲル粒子の粉体の含有量は、寒天ゲル粒子中3.0〜8.0%であることが耐衝撃性と肌上で崩壊させやすくして伸び広がりを良好にする観点で好ましい。また、寒天ゲル粒子の粉体中35〜90%が平均粒径40〜250μmの板状粉体であることが好ましく、さらに好ましくは40〜75%である。この範囲であると、肌なじみと均一な伸び広がりに優れた化粧料を得ることができる。
【0024】
本発明における寒天ゲル粒子は水を含有する。この水の含有量は、寒天ゲル粒子の安定性と崩壊性、製造性の観点から、寒天ゲル粒子中55〜90%であることが好ましく、65〜80%であることが好ましい。
【0025】
本発明における寒天ゲル粒子中には、前記成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、他の任意の成分を含有してもよい。例えば、寒天以外の水溶性高分子、油性成分、非水溶性高分子、水性成分、界面活性剤、油ゲル化剤、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、香料、美容成分等が挙げられる。
【0026】
なお、寒天ゲル粒子中に、カルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、メチルセルロース、ヒドロキシメチルセルロース、ビドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、アルギン酸ナトリウム、カラギーナン、クインシードガム、キサンタンガム、ジェランガム、ネイティブジェランガム、グァーガム、ローストビーンガム、ペクチン、ポリビニルアルコール等から選ばれる1種又は2種以上の水溶性高分子を含有することができ、水溶性高分子を含有することで寒天ゲル粒子の物理的強度を補強することができる。
【0027】
上記水溶性高分子は、寒天ゲル粒子中に0.001〜3%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1%である。この範囲であると、寒天ゲル粒子の強度、崩壊性、安定性の点で好ましい。
【0028】
本発明において、寒天ゲル粒子の平均粒径は、0.5〜10mmである。0.5mmより小さい場合は粒として見えづらくなり外観の美しさに欠け、10mmを超える場合は崩壊した際に水性媒体との絡みが不十分となり均一な伸び広がりが得られない。また、外観の美しさや肌なじみの観点から1〜7mmであることが好ましい。なお、寒天ゲル粒子の平均粒径は、各粒子の最大径を目視にて測定し平均したものである。例えば、寒天ゲル粒子の任意の10粒を取り出し、各粒子の最大径を測定して平均粒径を算出することができる。
【0029】
また、寒天ゲル粒子は、崩壊して用いるため、寒天ゲル粒子の1粒を、室温(25℃)にて、テクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、速度0.1mm/秒で圧縮した時の崩壊時にかかる崩壊強度(最大荷重値)が0.5〜9gであることが好ましい。この範囲であると、耐衝撃性が非常に良好なものが得られ、肌上で容易に崩壊する化粧料を得ることができる。さらに1〜7gであると肌上で容易に崩壊する化粧料を得ることができるため、より好ましい。
【0030】
寒天ゲル粒子の製造方法は特に限定されないが、例えば、水と寒天を約90℃に加熱溶解し、約50℃まで冷却後、粉体を添加し、冷却固化することにより寒天ゲル粒子の元となる寒天ゲルを製造する。その寒天ゲルを再度約70℃に加熱し、約25℃のシリコーン油や炭化水素油等の油性成分中に滴下することで粒子状の寒天ゲル粒子を得ることができる。このとき加熱溶解した寒天ゲルを50〜60℃程度に冷却し、シリコーン油や炭化水素油等の油性成分は5〜30℃程度にして滴下すると、球状に近づき外観形状が美しくなるため好ましい。得られた寒天ゲル粒子は、精製水で洗浄し、表面の油分を取り除いて使用する。
【0031】
本発明は、前記寒天ゲル粒子をカルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上、及び、天然ガム質を含有する水性媒体に分散してなる化粧料である。本発明の水性媒体とは水を含有しており、寒天ゲル粒子を分散させる媒体である。
【0032】
この水性媒体は、カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーから選ばれる1種又は2種以上を含有するが、これらは降伏値を持ち、水性媒体中での寒天ゲル粒子の沈降や収縮を防ぐことができ、また、天然ガム質と組み合わせることで寒天ゲル粒子と水性媒体を絡み合わせ、寒天ゲル粒子が肌上で逃げることなく崩壊し残片が存在せず、均一な伸び広がりに寄与する。
【0033】
カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、アクリル酸を主としてこれに少量のアリルショ糖で架橋した共重合体、又はこれをアルキル化処理したものである。特にアルキル化処理するアルキル基は炭素数10〜30が好ましく、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、(アクリル酸/アクリル酸アルキル(C10−30))コポリマーが好ましい。これらの共重合体の平均分子量は好ましくは約50,000〜3,000,000で、さらに750,000以上のものが好ましい。
【0034】
カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーの市販品として例えば、カルボキシビニルポリマーとしては、カーボポール940、カーボポール941、カーボポール980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)、アルキル変性カルボキシビニルポリマーとしては、ペミュレンTR−1、ペミュレンTR−2(NOVEON社製)、カーボポール1342、カーボポール1382(以上、LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)等が挙げられる。
【0035】
カルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーは、1種又は2種以上を用いることができ、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、トリエタノールアミン、アルギニン等の対アルカリを加えて中和、増粘させて含有することがより好ましい。
【0036】
本発明においてカルボキシビニルポリマー及びアルキル変性カルボキシビニルポリマーの含有量は、水性媒体中に0.001〜1%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜0.5%である。この範囲であると、水性媒体中での寒天ゲル粒子の沈降や収縮を防ぐことができ、寒天ゲル粒子との絡みに優れる。
【0037】
また、本発明において、水性媒体中に天然ガム質を含有する。天然ガム質とは、キサンタンガム、スクレロチウムガム、ローカストビーンガム、グアーガム、タマリンドガム、クインスシードガム、カラヤガム、アラビアガム、トラガントガム、ガッティーガム、アラビノガラクタン、寒天、カラギーナン、アルギン酸、ファーセレラン、ペクチン、マルメロ、カードラン、プルラン、デキストラン、ジェランガム、ゼラチン等の天然から採取又は抽出、あるいは微生物が生産、あるいは酵素で培養する等して得られる多糖類である。天然ガム質は、塗布時に肌上で寒天ゲル粒子と水性媒体が剥離することなく、寒天ゲル粒子を肌上で容易に崩壊させ、均一な伸び広がりに寄与するものである。
【0038】
上記天然ガム質の中でも、寒天ゲル粒子との絡みや均一な伸び広がりの観点からキサンタンガムが好ましい。キサンタンガムは、ブドウ糖等炭水化物をキサントマナス属菌により発酵させて得られる微生物由来の天然ガム質である。このようなキサンタンガムは、通常の化粧料に使用されているものであれば特に限定されず、市販品としては、GLINSTED XANTHAN CLEAR 80(DANISCO社製)、エコーガム(五協産業社製)、ケルトロール(香栄興業社製)等が挙げられる。
【0039】
本発明に用いられる天然ガム質は、水性媒体中に0.001〜3%が好ましく、さらに好ましくは0.01〜1%である。この範囲であると、寒天ゲル粒子と水性媒体が絡み合い寒天ゲル粒子が逃げることなく、一体となって均一に伸び広がることができる。
【0040】
なお、本発明においては、水性媒体の25℃における粘度が65000mPa・s〜85000mPa・sであると、寒天ゲル粒子の沈降を防ぎ、手ですくい取りやすく、塗布時も肌上で垂れること無く、適度な厚みをもって伸び広げられるため好ましい。
【0041】
本発明における水性媒体は、通常化粧料に用いられる顔料や染料等の着色剤で着色されていても問題ない。なお外観で寒天ゲル粒子が分散していることが認識でき、美しさの観点から、水性媒体は、透明であることが好ましく、不透明の場合は寒天ゲル粒子と異なる色であることが好ましい。
【0042】
本発明における水性媒体中には、前記成分に加えて、本発明の効果を損なわない範囲で、他の任意の成分を含有してもよい。例えば、前記以外の水溶性高分子、油性成分、非水溶性高分子、水性成分、界面活性剤、油ゲル化剤、保湿剤、紫外線吸収剤、酸化防止剤、防腐剤、キレート剤、香料、美容成分、粉体等が挙げられる。
【0043】
油性成分としては、通常化粧料に使用される原料であれば特に限定されず、用いることができる。例えば、動物油、植物油、合成油等の起源や、固形油、半固形油、液体油、揮発性油等の性状を問わず、炭化水素類、油脂類、高級アルコール類、ロウ類、硬化油類、エステル油類、脂肪酸類、シリコーン油類、フッ素系油類、ラノリン誘導体類、油性ゲル化剤類、油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられる。具体的には、流動パラフィン、スクワラン、ワセリン、ポリイソブチレン、ポリブテン、パラフィンワックス、セレシンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャトロプスワックス等の炭化水素類、オリーブ油、ヒマシ油、ホホバ油、ミンク油、マカデミアンナッツ油等の植物油類、ミツロウ、カルナウバワックス、キャンデリラワックス、ゲイロウ、モクロウ等のロウ類、モンタンワックス、2−エチルヘキサン酸セチル、イソステアリン酸イソトリデシル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ミリスチン酸オクチルドデシル、トリオクタン酸セチル、トリ2−エチルヘキサン酸グリセリル、ジイソステアリン酸ポリグリセリル、トリイソステアリン酸ジグリセリル、トリベヘン酸グリセリル、ロジン酸ペンタエリトリットエステル、ジオクタン酸ネオペンチルグリコール、リンゴ酸ジイソステアリル、コレステロール脂肪酸エステル、N−ラウロイル−L−グルタミン酸ジ(コレステリル・ベヘニル・オクチルドデシル)、マカデミアンナッツ脂肪酸フィトステリル等のエステル類、ステアリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、ベヘニン酸、イソステアリン酸、オレイン酸等の脂肪酸類、セチルアルコール、ステアリルアルコール、セトステアリルアルコール、ベヘニルアルコール等の高級アルコール類、パーフルオロポリエーテル、パーフルオロデカン、パーフルオロオクタン等のフッ素系油剤類、ラノリン、酢酸ラノリン、ラノリン脂肪酸イソプロピル、ラノリンアルコール等のラノリン誘導体、デキストリン脂肪酸エステル、蔗糖脂肪酸エステル、デンプン脂肪酸エステル、12−ヒドロキシステアリン酸、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム等の油性ゲル化剤類、パラアミノ安息香酸エチル、パラメトキシケイ皮酸−2−エチルヘキシル、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン、オクチルトリアゾン、ビスエチルヘキシルオキシフェノールメトキシフェニルトリアジン、ジエチルアミノヒドロキシベンゾイル安息香酸ヘキシル、メチレンビスベンゾトリアゾリルテトラメチルブチルフェノール、オキシベンゾン等の油溶性紫外線吸収剤類等が挙げられる。これらの油剤は必要に応じて1種又は2種以上を用いることができる。
【0044】
非水溶性高分子としては、例えば、アクリル酸アルキル共重合体、メタアクリル酸アルキル共重合体、アクリル酸アルキル・スチレン共重合体、ポリ酢酸ビニル、シリコーン含有重合体等が挙げられ、必要に応じて1種又は2種以上を用いることができ、さらにこれらの水分散物を用いることもできる。
【0045】
水性成分としては、前記成分のほかに、感触調整、保湿、清涼、防腐等の目的で用いられるものであり、エタノール、イソプロピルアルコール等のアルコール類、プロピレングリコール、1,3−ブチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール等のグリコール類、グリセリン、ジグリセリン、ポリグリセリン等のグリセロール類等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0046】
水溶性高分子としては、前記成分のほかに、粘度調整剤、感触調整剤等の目的でコンドロイチン硫酸ナトリウム、ヒアルロン酸、アラビアガム、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸アミド等が挙げられ、これらを1種又は2種以上用いることができる。
【0047】
界面活性剤としては、顔料や染料の分散剤、湿潤剤、感触調整剤等の目的で用いられるものであり、グリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリグリセリン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、プロピレングリコール脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビタン脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ソルビトールの脂肪酸エステル及びそのアルキレングリコール付加物、ポリアルキレングリコール脂肪酸エステル、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、グリセリンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシアルキレン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンアルキル共変性シリコーン、グリセリン変性シリコーン、ポリオキシアルキレンシリコーン共変性シリコーン等の非イオン性界面活性剤類、アルキルベンゼン硫酸塩、アルキルスルホン酸塩、α−オレフィンスルホン酸塩、ジアルキルスルホコハク酸塩、α−スルホン化脂肪酸塩、アシルメチルタウリン塩、N−メチル−N−アルキルタウリン塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル硫酸塩、アルキル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルエーテル燐酸塩、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル燐酸塩、N−アシルアミノ酸塩、N−アシル−N−アルキルアミノ酸塩等の陰イオン性界面活性剤類、アルキルアミン塩、ポリアミン及びアルカノイルアミン脂肪酸誘導体、アルキルアンモニウム塩、脂環式アンモニウム塩等の陽イオン性界面活性剤類、レシチン、N,N−ジメチル−N−アルキル−N−カルボキシメチルアンモニウムベタイン等の両性界面活性剤等が挙げられ、これらを1種又は2種以上を用いることができる。
【0048】
油ゲル化剤としては、アルミニウムステアレート、マグネシウムステアレート、ジンクミリステート等の金属セッケン、N−ラウロイル−L−グルタミン酸、α,γ−ジ−n−ブチルアミン等のアミノ酸誘導体、デキストリンパルミチン酸エステル、デキストリンステアリン酸エステル、デキストリン2−エチルヘキサン酸パルミチン酸エステル等のデキストリン脂肪酸エステル、ショ糖パルミチン酸エステル、ショ糖ステアリン酸エステル等のショ糖脂肪酸エステル、モノベンジリデンソルビトール、ジベンジリデンソルビトール等のソルビトールのベンジリデン誘導体、ジメチルベンジルドデシルアンモニウムモンモリロナイトクレー、ジメチルジオクタデシルアンモニウムモンモリナイトクレー等の有機変性粘土鉱物が挙げられる。
【0049】
紫外線吸収剤としては、通常、化粧料に用いられるものであれば何れでもよく、例えば、2サリチル酸ホモメンチル、サリチル酸オクチル、サリチル酸トリエタノールアミン等のサリチル酸系;パラアミノ安息香酸、エチルジヒドロキシプロピルパラアミノ安息香酸、グリセリルパラアミノ安息香酸、オクチルジメチルパラアミノ安息香酸、パラジメチルアミノ安息香酸アミル、パラジメチルアミノ安息香酸2−エチルへキシル等のPABA系;4−(2−β−グルコピラノシロキシ)プロポキシ−2−ヒドロキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノン、ジヒドロキシジメトキシベンゾフェノンジスルホン酸ナトリウム、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン−5−硫酸、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2、2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−N−オクトキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン系;パラメトキシケイ皮酸2−エチルヘキシル(別名;パラメトキシケイ皮酸オクチル)、ジパラメトキシケイ皮酸モノ−2−エチルヘキサン酸グリセリル、2,5−ジイソプロピルケイ皮酸メチル、2,4,6−トリス[4−(2−エチルへキシルオキシカルボニル)アニリノ]−1,3,5−トリアジン、トリメトキシケイ皮酸メチルビス(トリメチルシロキシ)シリルイソペンチル、パラメトキシケイ皮酸イソプロピル・ジイソプロピルケイ皮酸エステル混合物、p−メトキシハイドロケイ皮酸ジエタノールアミン塩等のケイ皮酸系;2−フェニル−ベンズイミダゾール−5−硫酸、4−イソプロピルジベンゾイルメタン、4−tert−ブチル−4’−メトキシジベンゾイルメタン等のベンゾイルメタン系;2−シアノ−3,3−ジフェニルプロパン−2−エン酸2−エチルヘキシルエステル(別名;オクトクリレン)、ジメトキシベンジリデンジオキソイミダゾリジンプロピオン酸2−エチルへキシル、1−(3,4−ジメトキシフェニル)−4,4−ジメチル−1,3−ペンタンジオン、シノキサート、メチル−O−アミノベンゾエート、2−エチルヘキシル−2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリレート、3−(4−メチルベンジリデン)カンフル、オクチルトリアゾン、4−(3,4−ジメトキシフェニルメチレン)−2,5−ジオキソ−1−イミダゾリジンプロピオン酸2−エチルヘキシル、等が挙げられる。
【0050】
保湿剤としては、例えばタンパク質、ムコ多糖、コラーゲン、エラスチン、ケラチン等が挙げられ、酸化防止剤としては、例えばα−トコフェロール、アスコルビン酸等が挙げられ、防腐剤としては、例えばパラオキシ安息香酸エステルフェノキシエタノール、1,3−ブチレングリコール、1,2−ペンタンジオール等が挙げられ、美容成分としては、例えばビタミン類、消炎剤、生薬等がそれぞれ挙げられる。
【0051】
水性媒体の製造方法は特に限定されないが、例えば、水とカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマー、天然ガム質をデスパー等の攪拌機を用いて、均一に攪拌、混合することで得ることができる。
【0052】
本発明の化粧料は、寒天ゲル粒子と水性媒体を混合することで製造することができる。ただし、寒天ゲル粒子が崩壊しないよう、せん断力を抑えて混合する。例えば、パドルミキサーに水性媒体を入れ、その後、寒天ゲル粒子、水性媒体の順で層状に流し入れ、パドルをゆっくりと回転させ混合することにより、本発明の化粧料を得ることができる。
【0053】
寒天ゲル粒子と水性媒体を含有する化粧料の製造に当たり、外観の美しさと塗布膜の均一性の面から寒天ゲル粒子と水性媒体の含有比が質量比で、25:75〜45:55であることが好ましい。
【0054】
以上のようにして得られる本発明の化粧料は、下地料、ファンデーション、フェイスカラー、頬紅、アイカラー、口紅等のメイクアップ化粧料、化粧水、美容液等のスキンケア化粧料、ヘアジェル、整髪剤等のヘアケア化粧料、ボディー用化粧料やフレグランス等に適用することができる。特に、本発明の化粧料は高いスキンケア機能と使用時の視覚的演出が同時に兼ね備えることが出来る点において、スキンケア化粧料が好ましい。
【実施例】
【0055】
以下に実施例をもって本発明をより詳細に説明するが、本発明はこれらにより、何ら限定されるものではない。
【0056】
製造例A1〜A8:寒天ゲル粒子
表1に示す寒天ゲル粒子を下記の製造方法で製造した。
【0057】
【表1】
【0058】
注1:伊那寒天UP−37CS(伊那食品工業社製)
注2:カーボポール1382(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
注3:ケルコゲルLT100(大日本住友製薬社製)
注4:PDM−40L(トピー工業株式会社製)
注5:PDM−5L(トピー工業株式会社製)
注6:ハイフィラーK‐5(松村産業社製)
【0059】
(製造方法)
A.成分11の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1、4、成分11の残量を加え混合する。
B.成分5〜10を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、50℃に冷却後、25℃のシリコーン油の中に滴下して、直径3.5mm程度の粒子状の寒天ゲル粒子を得た。
F.Eで得られた寒天ゲル粒子を、精製水で洗浄した。
【0060】
製造例B〜B9:水性媒体
表2に示す水性媒体を下記の製造方法で製造した。
【0061】
【表2】
【0062】
注7:カーボポール980(LUBRIZOL ADVANCED MATERIALS社製)
注8:GRINSTED XANTHAN CLEAR80(DANISCO社製)
注9:GRANULATED AMIGEL(AMI社製)
【0063】
(製造方法)
成分11の一部と成分1〜3を加えて中和後、成分4〜10と成分11の残量を加えてデスパーを用いて均一に混合し、水性媒体を得た。
【0064】
実施例〜1、比較例1〜3:スキンケア化粧料
表3に示す、実施例〜1及び比較例1〜3の組成のスキンケア化粧料を下記の製造方法で製造した。得られた寒天ゲル粒子について下記の方法で崩壊強度を測定して評価した。また、得られたスキンケア化粧料について、寒天ゲル粒子の肌なじみ、化粧料の均一な伸び広がりについて下記の方法で評価を行った。これらの結果も併せて表3に示す。
【0065】
【表3】
【0066】
(製造方法)
製造例A1〜A8の寒天ゲル粒子と製造例B〜B9の水性媒体を、表3に記載の割合で混合して、ジャー容器に充填し、スキンケア化粧料を得た。
【0067】
(崩壊強度)
崩壊強度については、化粧料を気密容器に入れ、室温で2時間保存した後、各試料の寒天ゲル粒子10粒を取り出し、下記の測定方法にて測定し、各試料の平均値を求め、下記判定基準にて判定した。
室温(25℃)にて、試料1粒(粒径3.5mm)をテクスチャーアナライザーTA.XTplus(Stable Micro Systems社製)を用いて、プローブとして直径12.5mm円柱状のポリアセタール樹脂(Delrin(登録商標)デュポン社製)製プローブを使用し、速度0.1mm/秒で圧縮した時の崩壊時にかかる崩壊強度(最大荷重値)を求めた。
【0068】
5段階絶対評価
(崩壊強度) :(判定)
9gを超える :×(硬すぎる)
7gを超えて9g以下 :○(少し硬いが問題なし)
1〜7g :◎(非常に良い硬さ)
0.5g以上1g未満 :○(少し柔らかいが問題なし)
0.5g未満 :×(柔らかすぎる)
【0069】
(肌なじみ、均一な伸び広がり)
化粧料評価専門パネル20名による使用テストを行い、パネル各人が下記評価基準にて5段階に評価し評点を付け、各試料ごとにパネル全員の評点から、その平均値を算出し、下記判定規準により4段階で判定した。なお、肌なじみについては寒天ゲル粒子の残片に注目して評価を行い、均一な伸び広がりについては化粧料全体の評価を行った。
【0070】
(肌なじみ)
5段階絶対評価
(評点) :(評価)
5点 : 肌なじみが非常に優れ、寒天ゲル粒子の残片が全く存在しない
4点 : 肌なじみが優れ、寒天ゲル粒子の残片が残らない
3点 : 普通
2店 : やや肌なじみが悪く、若干、寒天ゲル粒子の残片が残る
1点 : 肌なじみが悪く、寒天ゲル粒子の残片が残る
【0071】
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ : 4点を超える (非常に良好)
○ : 3点を超え4点以下(良好)
△ : 2点を超え3点以下(やや不良)
× : 2点以下 (不良)
【0072】
(均一な伸び広がり)
5段階絶対評価
(評点) :(評価)
5点 : 非常に滑らかで均一な伸び広がりである
4点 : 滑らかで均一な伸び広がりである
3点 : 普通
2点 : やや不均一な伸び広がりである
1点 : 不均一な伸び広がりである
【0073】
4段階判定基準
(判定):(評点の平均点)
◎ : 4点を超える (非常に良好)
○ : 3点を超え4点以下(良好)
△ : 2点を超え3点以下(やや不良)
× : 2点以下 (不良)
【0074】
(結果)
表3から明らかなように、実施例〜1のスキンケア化粧料は透明な水性成分に寒天ゲル粒子が分散し、良好な外観を有するものであった。また、肌上で寒天ゲル粒子が崩壊し、水性媒体中に微細に分散するため、非常に滑らかであり均一な伸び広がりで肌なじみも優れるものであった。
さらに、実施例〜1より得られた寒天ゲル粒子について、崩壊強度を測定した結果、全て崩壊強度は0.5〜9gの数値幅に入るものであった。
【0075】
一方、寒天ゲル粒子中に粉体を含有していない比較例1は、寒天ゲル粒子が硬く崩壊性が劣るため、水性媒体中への分散性に欠け残片が存在し、均一な伸び広がりと肌なじみの点においても良好なものが得られなかった。
水性媒体中にカルボキシビニルポリマー、アルキル変性カルボキシビニルポリマーを含有していない比較例2は、水性媒体の粘性が低く、寒天ゲル粒子が沈降し、良好な外観は得られず、さらに、寒天ゲル粒子と水性媒体を均一に手に取ることが困難なため使用性に欠け、肌上での均一な伸び広がりや肌なじみが劣るものであった。
水性媒体中にキサンタンガムを含有していない比較例3は、水性媒体の粘度は実施例1と同程度であるが、塗布時に肌上での寒天ゲル粒子と水性媒体との絡みが弱く、肌上での均一な伸び広がりや肌なじみが劣るものであった。
【0076】
実施例16:美容液
(成分) (%)
寒天ゲル粒子(白色)
1.寒天(注1) 0.5
2.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.05
3.トリエタノールアミン 0.05
4.ジェランガム 0.05
5.1,3−ブチレングリコール 20
6.酸化チタン被覆合成金雲母(注10) 4
7.酸化チタン 1
8.セスキオレイン酸ソルビタン 0.1
9.流動パラフィン 2
10.ジメチルポリシロキサン(20mm/s:25℃) 2
11.アセチルヒアルロン酸ナトリウム 0.001
12.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
13.精製水 残量(100%)
水性媒体
14.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.07
15.トリエタノールアミン 0.07
16.キサンタン 1
17.ヒドロキシプロピルメチルセルロース 0.35
18.1,3−ブチレングリコール 14
19.エデト酸二ナトリウム 0.1
20.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
21. 精製水 残量(100%)
寒天ゲル粒子の含有割合(質量部) 30
水性媒体の含有割合(質量部) 70
(注10)SHARON SUPER SPARKLE VIOLET 7600G(CQV社製)
【0077】
(製造方法)
・寒天ゲル粒子
A.成分13の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1、4、成分13の残量を加え混合する。
B.成分5〜12を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、50℃に冷却後、5℃の炭化水素油の中に滴下して、直径5.0mm程度の粒子状の寒天ゲル粒子を得た。
F.Eで得られた寒天ゲル粒子を、精製水で洗浄した。
・水性媒体
G.成分21の一部と成分14、15を加えて中和後、成分16〜20、成分21の残量をデスパーを用いて均一に混合し、水性媒体を得た。
・美容液
H.F30質量部とG70質量部を混合して、ディスペンサー付容器に充填し、美容液を得た。
【0078】
本発明の美容液は、白色のゲル粒子が分散し、透明な水性媒体に寒天ゲル粒子が分散し、良好な外観を有するものであった。また、塗布時、寒天ゲル粒子が崩壊し、水性媒体中に微細に分散するため、非常に滑らかで均一な伸び広がりと肌なじみが優れるものであった。
【0079】
実施例17 ゲル状クリーム
(成分) (%)
寒天ゲル粒子
1.寒天(注1) 1.6
2.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.アクリレーツコポリマー(注11) 1
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 2
8.雲母チタン 4
9.水添レシチン 5
10.ポリオキシエチレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注12) 0.05
12.アセチルヒアルロン酸ナトリウム 1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量(100%)
水性媒体
15.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.1
16.カルボキシビニルポリマー(注7) 0.05
17.水酸化ナトリウム 0.05
18.キサンタン 0.9
19.1,3−ブチレングリコール 8
20.エデト酸二ナトリウム 0.1
21.グリセリン 10
22.トコフェロール 0.1
23.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
24.PEG‐400(注13) 10
25. 精製水 残量(100%)
寒天ゲル粒子の含有割合(質量部) 60
水性媒体の含有割合(質量部) 40
注11:スノーリーフS(昭立プラスチック工業社製)
注12:ウルトラゾール V−280C(ガンツ化成社製)
注13:ポリエチレングリコール20000(日油社製)
【0080】
(製造方法)
・寒天ゲル粒子
A.成分14の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1と成分14の残量を加え混合する。
B.成分4〜13を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、50℃に冷却後、25℃のシリコーン油と炭化水素油(1:1)の混合油中に滴下して、直径6.5mm程度の粒子状の寒天ゲル粒子を得た。
F.Eで得られた寒天ゲル粒子を、精製水で洗浄した。
・水性媒体
G.成分25の一部と成分15、16に成分17を加えて中和後、成分18〜24、成分25の残量をデスパーを用いて均一に混合し、水性媒体を得た。
・ゲル状クリーム
H.F60質量部とG40質量部を混合して、ジャー容器に充填し、ゲル状クリームを得た。
【0081】
本発明のゲル状クリームは、透明な水性媒体に寒天ゲル粒子が分散し、良好な外観を有するものであった。また、塗布時、寒天ゲル粒子が崩壊し、水性媒体中に微細に分散するため、非常に滑らかで均一な伸び広がりと肌なじみが優れるものであった。
【0082】
実施例18 ボディジェル
寒天ゲル粒子−1(淡黄色)
(成分) (%)
1.寒天(注1) 1.6
2.カルボキシビニルポリマー(注7) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.黄酸化鉄 2
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 1
8.二酸化チタン被覆合成金雲母 5
9.水添レシチン 0.05
10.ポリオキシエテレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注12) 0.05
12.ホホバ油 1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量(100%)
【0083】
寒天ゲル粒子−2(白色)
(成分) (%)
1.寒天(注1) 1.6
2.カルボキシビニルポリマー(注7) 0.08
3.トリエタノールアミン 0.08
4.1,3−ブチレングリコール 20
5.合成金雲母 1
6.酸化チタン 0.5
7.タルク 2
8.二酸化チタン・無水珪酸処理雲母 5
9.水添レシチン 0.05
10.ポリオキシエテレン(10)コレステリルエーテル 0.01
11.アクリル酸/アクリル酸アルキル(C3〜8)
コポリマー液(注12) 0.05
12.ジメチルポリシロキサン(20mm/s:25℃) 1
13.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
14.精製水 残量(100%)
水性媒体
15.アルキル変性カルボキシビニルポリマー(注2) 0.1
16.カルボキシビニルポリマー(注7) 0.05
17.水酸化ナトリウム 0.05
18.キサンタン 0.9
19.1,3−ブチレングリコール 8
20.エデト酸二ナトリウム 0.1
21.グリセリン 10
22.トコフェロール 0.1
23.パラオキシ安息香酸メチル 0.1
24.エタノール 5
25. 精製水 残量(100%)
寒天ゲル粒子の含有割合(質量部) 60
水性媒体の含有割合(質量部) 40
【0084】
(製造方法)
・寒天ゲル粒子−1
A.成分14の一部と成分2、3を加えて中和後、成分1と成分14の残量を加え混合する。
B.成分4〜13を混合する。
C.Aを90℃で均一に加熱溶解後、冷却し、50℃にてBを加え混合する。D.さらに冷却固化することで、寒天ゲルを得た。
E.Dを70℃に加熱し、50℃に冷却後、25℃のシリコーン油と炭化水素油(1:1)の混合油中に滴下して、直径6.5mm程度の粒子状の寒天ゲル粒子−1を得た。
F.Eで得られた寒天ゲル粒子−1を精製水で洗浄した。
・寒天ゲル粒子−2
G.寒天ゲル粒子−1と同様に製造した。
・水性媒体
H.成分25の一部と成分15、16に成分17を加えて中和後、成分18〜24、成分25の残量をデスパーを用いて均一に混合し、水性媒体を得た。
・ボディジェル
I.F30質量部とG30質量部とH40質量部を混合して、ジャー容器に充填し、ボディジェルを得た。
【0085】
本発明のボディジェルは、透明な水性媒体に寒天ゲル粒子−1及び寒天ゲル粒子−2が分散し、良好な外観を有するものであった。また、塗布時、寒天ゲル粒子が崩壊し、水性媒体中に微細に分散するため、非常に滑らかで均一な伸び広がりと肌なじみが優れるものであった。