(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【背景技術】
【0002】
従来、スプリンクラーヘッドの破損などによる誤放水を防止する消火設備として例えば予作動式のスプリンクラー消火設備が知られている。
【0003】
予作動式スプリンクラー消火設備は、防護区画毎に設置した予作動弁装置、閉鎖型のスプリンクラーヘッド、火災感知器及び予作動弁制御盤で構成される。スプリンクラーヘッドを接続した予作動弁装置の2次側配管には加圧消火用水又は圧縮空気を充填しており、火災感知器により火災を検出した場合(シングルインターロック制御)、または火災検出とスプリンクラーヘッド作動による減圧検出の両方を判別した場合(ダブルインターロック制御)、予作動弁装置を開放してスプリンクラーヘッドから加圧消火用水を放水させる。
【0004】
一方、スプリンクラーヘッドが破損した場合は、火災感知器による火災発報が判別されていないことから予作動弁装置の開放は行われず、誤放水を確実に防止することができる。
【0005】
予作動弁装置は、開閉駆動機構を備えた本弁として機能する予作動弁と、予作動弁制御盤からの制御信号により遠隔的に開閉制御を受けて予作動弁を開閉させる
作動用電動弁を備えている。
作動用電動弁には全開位置と全閉位置を検出するリミットスイッチを設けており、予作動弁制御盤の起動制御により
作動用電動弁のモータに駆動電圧を印加して開動作を行い、開動作中に全開位置を検出したらモータ駆動を停止して全開位置に停止している。また、
作動用電動弁を全開位置に駆動した後に、
予作動弁制御盤の復旧起動制御により、
作動用電動弁のモータに極性を切り替えて駆動電圧を印加することで、モータの回転方向を切替えて閉動作を行い、閉動作中に全閉位置を検出したモータ駆動を停止して全閉位置に停止して復旧するようにしている。
【0006】
ところで、予作動式スプリンクラー消火設備にあっては、防護区画毎に予作動弁装置を設置しており、例えば二箇所の防護区画について火災発報とスプリンクラーヘッド作動による減圧検出の両方を判別した場合、各防護区画に対応して設けている二台の予作動弁装置の作動用電動弁を
予作動弁制御盤により起動制御する場合がある。
【0007】
しかし、予作動弁制御盤は予作動弁装置を所定の台数以下で制御することを前提に
作動用電動弁の駆動回路及び信号線を決めており、このため予作動制御盤から複数の作動用電動弁を起動制御する場合には、複数の作動用電動弁の動作が重複しないように、所定のインターバル時間を置いて順次起動し、一回の起動制御で流す駆動電流を制限している。
【0008】
また予作動式スプリンクラー消火設備を点検する場合、火災感知器を試験発報すると共に末端試験弁を開放操作してスプリンクラーヘッドが作動したと同じ状態を作り出し、これにより予作動弁制御盤は、火災感知器による火災検出とスプリンクラーヘッド作動による減圧検出の両方を判別することで、予作動弁装置の作動用電動弁を起動制御して正常に動作することを確認しており、点検を終了して一斉復旧の操作指示を受けた場合、所定のインターバル時間をおいて複数の作動用電動弁を順次復旧起動して全開位置から全閉位置に動作し、一回の復旧起動制御で流す駆動電流を制限している。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかしながら、動作が重複しないように複数の作動用電動弁を順次起動する場合のインターバル時間は、設計値として提供された作動用電動弁の動作時間に対し十分に余裕のある長めの時間を予め設定しており、作動用電動弁の実際の動作時間に対しインターバル時間が長いため、複数の
作動用電動弁を順次起動制御して開放するのに時間がかかり、予作動弁装置の開放が遅れることで、スプリンクラーヘッドからの放水量が一時的に落ち込んで初期消火に支障を来たす可能性がある。
【0011】
また、点検終了後に、全開位置に制御した複数の作動用電動弁を順次起動制御して全閉位置に復旧させる場合にも、作動用電動弁の実際の動作時間に対しインターバル時間が長いため、その分、復旧を完了するまでの時間が長くなる。
【0012】
このような問題を解決するためには、一の
作動用電動弁を起動制御して動作し、全開位置又は全閉位置への到達を検出したら次の
作動用電動弁を起動制御すればよい。しかしながら、作動用電動弁を起動制御して全開位置又は全閉位置への到達を検出して次の
作動用電動弁を起動制御する順次起動制御は、インターバル時間をおいた順次起動制御に比べ、全開位置の検出を判別する必要があることから制御処理が複雑となり、全開位置の検出機能に障害が発生すると、順次行っている複数の作動用電動弁の起動制御が途中で止まり、信頼性に支障を来たす可能性が残る。
【0013】
本発明は、複数の作動用電動弁の動作時間が重複しないように順次起動する場合のインターバル時間の設定を適切に行って制御遅れを抑制可能とする消火設備を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0014】
本発明は、
遠隔操作により開閉動作する複数の作動用電動弁と、
通常状態で所定の起動条件を判別した場合に
、複数の作動用電動弁を
全閉位置と全開位置との間で動作の重複を回避する所定のインターバル時間をおいて順次起動制御して動作させる制御部と、
を備えた消火設備に於いて、
複数の作動用電動弁の各々に、全閉位置と全開位置を検出する位置検出器を備え、
制御部
は、
点検状態で複数の作動用電動弁を
順次起動制御し
、複数の作動用電動弁毎に全閉位置と全開位置との間の動作時間を
位置検出器による位置検出に基づいて計測すると共に
、当該計測した複数の動作時間の中から最大動作時間を検出する動作時間計測部と、
動作時間計測部で検出した最大動作時間に基づいて決定したインターバル時間を制御部に設定するインターバル時間設定部と、
を
備えたことを特徴とする。
【0015】
ここで、インターバル時間設定部は、最大動作時間に所定の余裕時間を加え
て、インターバル時間を
求める。
【発明の効果】
【0016】
本発明の消火設備によれば、防護区画毎に予作動弁装置を設けた予作動式スプリンクラー消火設備を例にとると、複数の防護区画で例えば火災感知器による火災検出とスプリンクラーヘッド作動による減圧検出の二つの起動条件を判別した場合、全閉位置にある複数の作動用電動弁を、動作の重複を回避する所定のインターバル時間をおいて順次起動制御して動作し、この場合のインターバル時間を、消火設備に設置している全ての作動用電動弁を全開位置と全閉位置との間で動作して計測した動作時間の中から検出した最大動作時間に基づいて決定して設定するようにしたため、インターバル時間と実際の動作時間とのずれを必要最小限に抑制することを可能とし、複数の予作動弁装置に設けた作動用電動弁
の動作を重複することなく順次起動した場合の制御遅れを抑制することで、複数の予作動弁装置の順次開放による初期消火を確実に行うことを可能とする。
【0017】
また、点検終了後に、複数の作動用電動弁を、インターバル時間をおいて順次起動制御して復旧する場合にも、動作の重複を回避するインターバル時間と実際の動作時間とのずれを必要最小限に抑制することを可能とし、複数の予作動弁装置の復旧に要する時間を短縮可能とする。
【発明を実施するための形態】
【0019】
[予作動式スプリンクラー消火設備の概要]
図1は、本発明の消火設備の一例として、湿式予作動スプリンクラー消火設備の概要を示した説明図である。
図1に示すように、建物の地下階などのポンプ室には消火ポンプ10を設置し、モータ12により駆動する。モータ12はポンプ制御盤14により起動・停止の運転制御を受ける。モータ12により駆動された消火ポンプ10は水源水槽15からの消火用水を吸入し、建物の高さ方向に配置した給水本管16に加圧した消火用水を供給する。
【0020】
消火ポンプ10に対しては呼水槽17を設ける。また消火ポンプ10の起動に使用する圧力タンク18を設ける。圧力タンク18は給水本管16に接続し、配管内の加圧消火用水を導入して内部の空気を圧縮している。圧力タンク18には圧力スイッチ20を設け、圧力スイッチ20は給水本管16の管内圧力が規定圧力以下に低下した減圧を検出してポンプ制御盤14に減圧検出信号を出力し、これによってモータ12を駆動して消火ポンプ10を起動する。
【0021】
給水本管16からは建物の例えば階別の防護区画毎に分岐管22を引き出している。分岐管22の分岐部分には予作動弁装置24を設けている。予作動弁装置24の2次側の分岐管22には閉鎖型のスプリンクラーヘッド26を設けている。またスプリンクラーヘッド26を設置した防護区画には火災感知器36を設置し、火災感知器36からの感知器線を、自火報受信機35を介して予作動弁制御盤34に接続している。分岐管22の末端側には末端試験弁28を設け、その2次側を、オリフィス30を介して排水管32に接続している。
【0022】
予作動弁装置24は、予作動弁40、
作動用電動弁42、減圧検出スイッチ44及び流水検知スイッチ46を備える。予作動弁40の開放は
作動用電動弁42により行う。
作動用電動弁42は通常の監視状態では閉鎖状態にある。
作動用電動弁42を予作動弁制御盤34からの開放制御信号により開動作すると、予作動弁40が開放可能状態となる。
【0023】
この状態で、2次側配管に接続しているスプリンクラーヘッド26が火災による熱気流を受けて開放すると、作動したスプリンクラーヘッド26からの放水により2次側の圧力が低下して予作動弁40が開放し、1次側から2次側に加圧消火用水を供給する。
【0024】
予作動弁40が開放すると、その1次側に接続している給水本管16の圧力も低下し、この減圧を圧力タンク18に設けている圧力スイッチ20で検出して、ポンプ制御盤14が
消火ポンプ10を起動する。予作動弁40の2次側に設けているスプリンクラーヘッド26の作動による減圧は、減圧検出スイッチ
44で検出する。また予作動弁40の開放による2次側への流水は
流水検知スイッチ46で検出する。
【0025】
[予作動弁制御盤の構成]
(予作動弁制御盤の概要)
図2は予作動弁制御盤の機能構成の実施形態を示したブロック図である。
【0026】
図2に示すように、予作動弁制御盤34は、制御部48、操作部50、表示部52、警報部54を備え、
図1に示した例えば階別の防護区画毎に、予作動弁装置24−1〜24−nを接続している。また、予作動弁装置24−1〜24−nに対応して予作動弁制御盤34に駆動部56を設けている。なお、予作動弁装置24−1〜24−nを区別しない場合は予作動弁装置24とする。
【0027】
予作動弁装置24−1〜24−nは、
図1に示した火災感知器36、作動用電動弁42、減圧検出スイッチ44及び作動用電動弁42を取り出して示し、更に、作動用電動弁42の全開位置と全閉位置を検出する位置検出器58を設けている。なお、火災感知器36は予作動弁装置の防護区画に設置しているが、説明の都合上、予作動弁装置の中に示している。
【0028】
制御部48は、例えばプログラムの実行により実現される機能であり、ハードウェアとしてはCPU、メモリ、各種の入出力ポート等を備えたコンピュータ回路等を使用する。
【0029】
制御部48に対しては防護区画毎の予作動弁装置24−1〜24−n側に設けた火災感知器36を感知器線により接続し、また減圧検出スイッチ44と位置検出器58を信号線により接続し、更に、駆動部56を介して作動用電動弁4を制御線により接続している。
【0030】
また、制御部48には、プログラムの実行により実現される機能として、動作時間計測部60とインターバル時間設定部62を設けている。表示部52は、予作動弁制御盤34の制御動作に必要な各種の表示器を設けている。警報部54には火災警報、障害警報を音響出力するスピーカなどを設けている。
【0031】
(制御部の構成)
予作動弁制御盤34の制御部48は、ダブルインターロック制御として、防護区画毎に、火災感知器36による火災検出と減圧検出スイッチ44による減圧検出の両方を判別した場合に、予作動弁装置24に設けた作動用電動弁42に開放制御信号を出力して遠隔的に開放制御し、これに伴い予作動弁40を開放動作してスプリンクラーヘッド26から加圧消火用水を散水させる制御を行う。
【0032】
また、制御部48は、別パターンとして、火災感知器
36による火災検出ができない障害検出、例えば伝送障害、断線、短絡、連動停止、商用電源断などの障害検出と減圧検出器による減圧検出の両方を判別した場合に
作動用電動弁42に開放制御信号を出力して開放制御し、これにより予作動弁装置24を開放動作してスプリンクラーヘッド26から加圧消火用水を放水させる。
【0033】
また、制御部48は、複数の防護区画について、火災感知器36による火災検出と減圧検出スイッチ44による減圧検出の両方を判別した場合に、動作の重複を回避する所定のインターバル時間Tiをおいて、複数の予作動弁装置24に設けた作動用電動弁42に開放制御信号を順次出力して遠隔的に開放制御し、これに伴い予作動弁40を開放動作してスプリンクラーヘッド26から加圧消火用水を散水させる制御を行う。
【0034】
また、制御部48は、設備の点検により複数の予作動弁装置24を試験的に動作した後に行う一斉復旧操作の受付けを検出した場合に、動作の重複を回避する所定のインターバル時間Tiをおいて、複数の予作動弁装置24に設けた作動用電動弁42に閉鎖制御信号を順次出力して遠隔的に閉鎖制御し、これに伴い予作動弁40を閉鎖動作して定常状態に復旧させる制御を行う。
【0035】
(動作時間測定部とインターバル時間設定部の構成)
制御部48に設けた
動作時間計測部60は、例えば点検モードを設定した状態で、全ての予作動弁装置24に設けた全閉位置にある作動用電動弁42の各々に順次起動信号を出力して、位置検出器58により全開位置を検出するまでの動作時間Tdを計測し、その中の最大動作時間(Td)maxを求める。なお、作動用電動弁42の全閉位置から全開位置までの動作時間は、全閉位置から全開位置までの動作時間に略同じになることから、何れか一方を計測すればよい。また、測定精度を高めるためには両方の動作時間を測定しても良い。
【0036】
制御部48に設けたインターバル時間設定部62は、動作時間計測部60で求めた最大動作時間(Td)maxに基づいて求めたインターバル時間Tiを制御部48に設定する。インターバル時間設定部62は、例えば、最大動作時間(Td)maxに所定の余裕時間ΔTを加えたインターバル時間Ti、即ち
Ti=(Td)max+ΔT
を制御部48に設定する。
【0037】
このようなインターバル時間Tiの設定により、制御部48は、複数の防護区画で例えば火災感知器36による火災検出とスプリンクラーヘッド26の作動による減圧検出を判別した場合、全閉位置にある複数の作動用電動弁42を、所定のインターバル時間Tiをおいて順次起動制御して動作するが、この場合のインターバル時間Tiを、全ての作動用電動弁42を全開位置と全閉位置との間で動作して計測した最大動作時間(Td)maxに基づいて設定しているため、インターバル時間Tiと実際の動作時間とのずれを必要最小限に抑制することを可能とし、複数の予作動弁装置24に設けた作動用電動弁42を動作を重複することなく順次起動した場合の制御遅れを抑制することで、複数の予作動弁装置24の順次開放による初期消火を確実に行うことを可能とする。
【0038】
また、制御部48は、点検終了後の担当者による一斉復旧操作の受付けを検出した場合、点検を行った複数の予作動弁装置24の作動用電動弁42をインターバル時間Tiを置いて順次起動制御して復旧する場合にも、動作の重複を回避するインターバル時間Tiと実際の動作時間とのずれを必要最小限に抑制することを可能とし、複数の予作動弁装置24の復旧に要する時間を短縮可能とする。
【0039】
[予作動式スプリンクラー消火設備の制御動作]
図3は予作動式スプリンクラー消火設備で火災が発生した場合の制御動作を示したフローチャートである。なお
図3にあっては、予作動弁制御盤34の処理をブロックで示し、それ以外のイベントや操作などについては二重のブロックで示している。また、制御動作に伴う機器は
図1及び
図2を参照している。
【0040】
図3に示すように、ステップS1(以下「ステップ」は省略)で火災が発生した場合、S2で火災感知器36が火災を検出し、S3で予作動弁制御盤34の制御部48が所定時間の蓄積動作を行い、蓄積時間を経過しても火災検出が継続している場合は、S4で火災検出を判別する。
【0041】
一方、S5でスプリンクラーヘッド26が火災による熱気流を受けて作動すると、S6で予作動弁40の2次側配管内の減圧が発生し、これをS7のように減圧検出スイッチ44が作動して減圧検出信号を出力する。
【0042】
予作動弁制御盤34の制御部48は減圧検出スイッチ44からの減圧検出信号を受信して減圧検出を判別し、これによって火災検出と減圧検出の両方を判別することでアンド条件が成立し、作動用電動弁42に開制御信号を出力して、S8で
作動用電動弁42を開放させる。
【0043】
この場合、制御部48は、複数の防護区画に設けた火災感知器36による火災検出と減圧検出スイッチ44による減圧検出を判別した場合には、予め設定しているインターバル時間Tiをおいて複数の
作動用電動弁42に開制御信号を順次出力して、S8で複数の
作動用電動弁42を順次開放させる。
【0044】
作動用電動弁42が開放すると、S9に示す予作動弁40の開放が行われる。予作動弁40が開放すると流水検知スイッチ46が作動し、流水検出信号を出力する。続いてS11で予作動弁40の開放に伴い1次側配管内即ち
給水本管16の圧力低下が発生し、これに伴い圧力タンク18の圧力スイッチ20がS12に示すように作動し、S13で消火ポンプ10が起動することで加圧消火用水が供給され、開放状態にある予作動弁装置24を介して、作動しているスプリンクラーヘッド26から消火用水が放水され、S14の消火が行われる。
【0045】
続いてS15で消火を確認したならば、S16で
図3に示した操作部
50の予作動弁閉鎖スイッチ
を操作(復旧操作)することで、
作動用電動弁42の閉鎖をS16で行う。
【0046】
ここで、複数の予作動弁装置24を開放動作していた場合、制御部
48は、開放動作した複数の予作動弁装置24に設けている作動用電動弁42に、予め設定しているインターバル時間Tiをおいて開制御信号を順次出力して、S8で複数の
作動用電動弁42を順次閉鎖させる。
【0047】
作動電動弁42が閉鎖すると、予作動弁40の閉鎖動作がS17で行われ、これに伴い、
流水検知スイッチ46がS18で復旧し、S19で放水停止に至る。
【0048】
[開放位置を定常位置とする消火設備]
図4は定常状態で
作動用電動弁を開放位置に制御する湿式スプリンクラー消火設備の概略を示した説明図である。
【0049】
図4に示すように、消火ポンプ10、モータ12、ポンプ制御盤14、水源水槽15、給水本管16の構成は
図1の実施形態と同様になる。
【0050】
給水本管16からは建物の階ごとに、
作動用電動弁として機能する制御弁
100及び流水検知装置
102を介して分岐管22を引き出しており、流水検知装置
102の2次側の分岐管
22には閉鎖型のスプリンクラーヘッド26を接続している。
【0051】
制御弁
100はモータ駆動により開閉制御できる電動弁を使用する。制御弁100は定常監視状態で開放位置に保持し、開放位置が定常位置となる。このため給水本管
16の管内圧力は、分岐管22に設けた開放状態にある制御弁100及び流水検知装置102を通って2次側のスプリンクラーヘッド26まで供給されている。なお、制御弁100としては、
図1に示した作動用電動弁42を設けた予作動弁40を使用しても良い。
【0052】
流水検知装置102は流水検知スイッチ104を備えている。流水検知スイッチ104は、2次側の分岐管22に接続しているスプリンクラーヘッド26が火災による熱を受けて作動したときの消火用水の放出によって発生する水流による弁開放又は圧力低下等を検出してオンし、流水検知信号を、消火用中継器112を介してスプリンクラー制御盤110に出力する。
【0053】
分岐管22の端末側には末端試験弁28とオリフィス30を設け、試験時に末端試験弁28を開いて流す水流により擬似的に流水検知装置102を作動してポンプ運転等の試験動作を行わせる。
【0054】
スプリンクラー制御盤110は消火用中継器112を介して制御弁
100に対し制御信号を出力する。スプリンクラーヘッド26の防護区画には火災感知器36を設置し、火災検出信号を、火報用中継器114を介して
自火報受信機35に出力し、
自火報受信機35で火災が判断されると、スプリンクラー制御盤110に対し火災信号を移報信号として出力する。
【0055】
スプリンクラー制御盤110は、設備の運用を開始する初期状態で、分岐管22に設けている制御弁100を開放状態となる定常位置に開制御している。火災による熱気流を受けてスプリンクラーヘッド26が作動すると、作動したスプリンクラーヘッド26からの放水により2次側の圧力が低下し、このときの流水により流水検知装置
102の弁体が開いて流水検知スイッチ104がオンし、スプリンクラー制御盤110で流水検知を報知する。
【0056】
スプリンクラーヘッド26からの放水により2次側の圧力が低下に伴い給水本管16の圧力も低下し、この減圧を圧力タンク18に設けている圧力スイッチ20で検出して、ポンプ制御盤14が
消火ポンプ10を始動する。
【0057】
火災の鎮火を確認した場合は、スプリンクラー制御盤110による放水停止操作により制御弁100を閉制御し、作動したスプリンクラーヘッド26からの放水を停止し、併せてポンプ制御盤14に指示してポンプ運転を停止する。
【0058】
スプリンクラー制御盤110には、
図2に示した予作動弁制御盤34の場合と同様に、動作時間測定部60とインターバル時間設定部62の機能を備えた制御部48を設けており、また、制御弁100に対しては、
図2の作動用電動弁42の場合の同様、開放位置(全開位置)と閉鎖位置(全閉位置)を検出する位置検出器58を設けている。
【0059】
スプリンクラー制御盤110に設けた動作時間測定部60は、例えば点検モードを設定した状態で、全ての制御弁100に順次起動信号を出力して例えば全開位置から全閉位置に動作するまでの動作時間Tdを計測し、その中の最大動作時間(Td)maxを求める。
【0060】
スプリンクラー制御盤110に設けたインターバル時間設定部62は、最大動作時間(Td)maxに所定の余裕時間ΔTを加えたインターバル時間Tiを求めてスプリンクラー制御盤110に設定する。
【0061】
スプリンクラー制御盤110は、複数の防護区画でスプリンクラーヘッド26が作動して流水検知信号が得られても火災感知器36からの火災信号が得られない誤作動を判別した場合、全開位置にある複数の制御弁100を、所定のインターバル時間Tiをおいて順次閉鎖制御して閉鎖動作するが、この場合のインターバル時間Tiを、全ての制御弁
100を全開位置と全閉位置との間で動作して計測した最大動作時間(Ti)maxに基づいて設定しているため、インターバル時間Tiと実際の動作時間とのずれを必要最小限に抑制することを可能とし、複数の制御弁100の閉鎖動作を重複することなく順次閉鎖した場合の制御遅れを抑制し、スプリンクラーヘッド26からの誤報水による水損被害を抑制可能とする。
【0062】
また、スプリンクラー制御盤110は、制御弁100を閉鎖する点検終了後の担当者による一斉復旧操作の受付けを検出した場合、点検を行った複数の制御弁100をインターバル時間Tiを置いて順次開放制御して復旧する場合にも、動作を重複を回避するインターバル時間Tiと実際の動作時間とのずれを必要最小限に抑制することを可能とし、複数の制御弁100の復旧に要する時間を短縮可能とする。
【0063】
[本発明の変形例]
(シングルインターロック)
上記の実施形態は、火災感知器による火災検出と減圧検出器による減圧検出の両方を判別した場合に
作動用電動弁に開制御信号を出力して開制御し、当該開制御により予作動弁を開放してスプリンクラーヘッドから加圧消火用水を散水させるダブルインターロック制御の予作動式スプリンクラー消火設備を例にとっているが、火災感知器による火災検出を判別した場合に
作動用電動弁に開制御信号を出力して開制御し、当該開制御により予作動弁を開放してスプリンクラーヘッドから加圧消火用水を散水させるシングルインターロック制御の予作動式スプリンクラー消火設備についても、同様に適用できる。
【0064】
このシングルインターロックの場合も、火災感知器による火災検出で
作動用電動弁に開制御信号を出力して開制御するパターン以外に、火災感知器による火災検出ができない障害検出、例えば伝送障害、断線、短絡、連動停止、商用電源断などの障害検出を判別した場合に、
作動用電動弁に開制御信号を出力して開制御し、当該開制御により予作動弁装置24を開放してスプリンクラーヘッドから加圧消火用水を放水させる。
【0065】
(2次側の圧縮空気充填又は真空引き)
また、上記の実施形態は、予作動弁装置の2次側配管に加圧消火用水を充水する場合を例に取っているが、2次側配管に圧縮空気を充填させるようにしたスプリンクラー消火設備或いは真空ポンプを使用して2次側配管のスプリンクラーヘッドの誤作動に対して負圧にして誤報水を抑制する負圧式スプリンクラー消火設備についても同様に適用できる。
【0066】
(防火設備)
また、本発明は、延焼抑制、トンネル内の水噴霧、水幕等の防火設備の自動弁にも同様に適用することを可能とする。
【0067】
(その他)
また、本発明はその目的と利点を損なうことのない適宜の変形を含み、更に上記の実施形態に示した数値による限定は受けない。