(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
一方の端面である第1端面から他方の端面である第2端面まで通じる流体の流路となる複数のセルを区画形成する隔壁を有するハニカムセグメントを複数個と、前記複数個のハニカムセグメントの側面同士を接合する接合層とを有するハニカム構造部と、
前記ハニカム構造部の外周を取り囲む外周部と、を備え、
前記外周部の外側表面から前記外周部の内側に窪ませてなる、または前記外周部の外側表面から前記外周部および前記接合層の内側に窪ませてなるとともに、前記ハニカムセグメントには達しない窪み部を有し、
前記窪み部の少なくも1つは、前記接合層の外側縁に近接する接合層近接窪み部であり、
前記接合層近接窪み部は、前記セルの延びる方向に垂直な任意の断面において、前記接合層から延長した領域を含み且つ前記接合層の幅Tの2倍以内の最大幅を有するハニカム構造体。
前記窪み部は、前記セルの延びる方向に垂直な任意の断面において、前記窪み部の深さdが、前記外周部の厚さSの0.2倍以上1.5倍以下である請求項1に記載のハニカム構造体。
前記外側縁の総数の50%以上の個数の前記外側縁は、前記外側縁の全長の50%以上の部分において前記接合層近接窪み部が近接している請求項1〜4のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
前記セルの延びる方向に垂直な任意の断面において該断面が直径200mmの円を包含するような大きさを有するものである請求項1〜5のいずれか1項に記載のハニカム構造体。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について説明する。本発明は、以下の実施形態に限定されるものではなく、本発明の範囲を逸脱しない限りにおいて、変更、修正、改良を加え得るものである。
【0021】
1.ハニカム構造体:
図1〜
図6に示されているように、本発明の一実施形態のハニカム構造体50は、ハニカム構造部10と、ハニカム構造部10の外周を取り囲む外周部31とを備えている。ハニカム構造部10は、複数個のハニカムセグメント1と、複数のハニカムセグメント1の側面21同士を接合する接合層23とを有する。ハニカムセグメント1は、一方の端面である第1端面3から他方の端面である第2端面5まで通じる流体の流路となる複数のセル7を区画形成する隔壁9を有する。さらに、ハニカム構造体50は、窪み部41を有する。窪み部41は、外周部31の外側表面35から外周部31の内側に窪ませてなる、または外周部31の外側表面35から外周部31および接合層23の内側に窪ませてなるとともに、ハニカムセグメント1には達しない。窪み部41の少なくとも1つは、接合層23の外側縁25に近接する接合層近接窪み部43である。接合層近接窪み部43は、セル7の延びる方向(以下、「Z方向」)に垂直な任意の断面において、接合層23から延長した領域αを含み且つ接合層23の幅Tの2倍以内の最大幅Wを有する。
図1は、本発明の一実施形態のハニカム構造体50の模式的な斜視図である。
図2は、
図1中のハニカム構造体50を構成するハニカムセグメント1の模式的な斜視図である。
図3は、
図2中のB−B’断面の模式図である。
図4は、
図1中のA−A’断面の一部を拡大した模式図である。
図5および
図6は、
図4中の接合層近接窪み部43およびその周辺部分を拡大した模式図である。
【0022】
ハニカム構造体50によれば、外周部31における接合層23の外側縁25近傍の部分に熱応力が生じたとしても、接合層近接窪み部43の幅を拡大または縮小するように変形することにより、当該熱応力を緩和することが可能になる。その結果として、ハニカム構造体50によれば、接合層23近傍の外周部分におけるクラック発生を抑制することが可能になる。さらに、上述のように、接合層近接窪み部43が接合層23から延長した領域αを含み且つ接合層23の幅Tの2倍以内の最大幅Wを有することにより、接合層近接窪み部43の幅を拡大または縮小するように変形することでもたらされる熱応力緩和作用を効果的に発現させることが可能である。
【0023】
ハニカム構造体50では、従来の接合型ハニカム構造体を大型化する場合にクラックが最も発生しやすい部分、具体的には接合層23近傍の外周部分におけるクラック発生を抑制する。そのため、ハニカム構造体50によれば、従来のハニカム構造体と比べて、大型化に起因した破損を抑制することが可能になる。
【0024】
また、ハニカム構造体50では、窪み部41が、ハニカムセグメント1には達しない。そのため、ハニカム構造体50によれば、排ガス浄化のための主要な機能に寄与するハニカムセグメント1における破損を抑制することが可能になる。本明細書にいう「窪み部41がハニカムセグメント1に達しない」とは、窪み部41がハニカムセグメント1の最外周にあるセル7に連通していないことをいう。
【0025】
図5は、
図4中の接合層近接窪み部43およびその周辺部分を拡大した模式図である。
図5を参照し述べると、本明細書にいう「窪み部41が接合層23の外側縁25に近接する」とは、ハニカム構造体50のZ方向に垂直な断面において、窪み部41が接合層23から延長した領域αを含むことをいう。本明細書にいう「接合層23から延長した領域α」とは、接合層23の外側縁25の両側端29a,29bを結ぶ線分Aと、線分Aに対して垂直で外側縁25の両側端29a,29bのそれぞれから外側に延びる線とに囲まれた領域のことをいう。また、「接合層23の外側縁25」とは、接合層23におけるハニカム構造体50の外周部31を除いた外周側の縁である。例えば、接合層23の外側縁25のうち、接合層近接窪み部43の近接していないものに関しては、接合層23の外側縁25で外周部31と接合していることになる
【0026】
本明細書にいう「窪み部41の最大幅W」は、
図4および
図6を参照しつつ述べると、ハニカム構造体50のZ方向に垂直な断面において、窪み部41の両縁部45a,45bを結ぶ線分B(
図6を参照)と平行な方向に沿って測定されるものとする。
【0027】
ハニカム構造体50では、窪み部41は、Z方向に垂直な任意の断面において、窪み部41の深さdが、外周部31の厚さSの0.2倍以上1.5倍以下であることが好ましい。窪み部41の深さdが外周部31の厚さSの0.2倍以上1.5倍以下であることにより、窪み部41の幅を拡大または縮小するように変形することでもたらされる熱応力緩和作用をより効果的に発現させることができる。また、窪み部41の深さdが外周部31の厚さSの0.2倍以上1.5倍以下であることにより、ハニカム構造体50に過剰な応力が発生した場合に、内側に窪んでいる窪み部41の構造的特徴を原因とした破損を生じにくくすることが可能なる。さらに、窪み部41の深さdが、外周部31の厚さSの0.2倍以上1.0倍未満であることがより好ましい。特に、窪み部41の深さdが、外周部31の厚さSの0.5倍以上1.0倍未満であることが最も好ましい。
【0028】
本明細書にいう「窪み部41の深さd」とは、
図6を参照しつつ述べると、ハニカム構造体50のZ方向に垂直な断面における、窪み部41の両縁部45a,45bを結ぶ線分B(
図6を参照)と窪み部41の最深部49との距離を意味する。
【0029】
また、ハニカム構造体50では、窪み部41を複数有することが好ましい。窪み部41を複数有する場合には、窪み部41による熱応力緩和を効果的に行うことができる。その結果として、外周部31におけるクラックの発生をより効果的に抑制することが可能になる。
【0030】
また、ハニカム構造体50では、
図1に示されているように、複数の接合層近接窪み部43が同一の接合層23の外側縁25に沿って断続的に設けられていてもよい。このように複数の接合層近接窪み部43が断続的に設けられている場合、ハニカム構造体50の構造的強度の維持とクラック発生の抑制とを両立させやすくなる。
【0031】
また、ハニカム構造体50では、「第1端面3および第2端面5の双方に達していない窪み部41」を少なくとも1つ有することが好ましい。ハニカム構造体50を固定する際に「第1端面3および第2端面5の双方に達していない窪み部41」に部材を嵌め込むことにより、ハニカム構造体50の位置ずれを防止することが可能になる。例えば、
図7に示されているように、ハニカム構造体50の外周をクッション材75で取り囲み、金属管70内に収めるとよい。金属管70内でクッション材75がハニカム構造体50と金属管70の内壁面との間で圧縮されて変形し、クッション材75がハニカム構造体50の窪み部41内に嵌まり込む。さらに、クッション材75に予め凹凸を設けておき、クッション材75の凸部を「第1端面3および第2端面5の双方に達していない窪み部41」に嵌め込むとよい。なお、
図7は、Z方向に平行な面の模式的な断面図であり、ハニカム構造体50は輪郭のみを表している。
【0032】
ハニカム構造体50では、外側縁25の総数の50%以上の個数の外側縁25は、外側縁25の全長の50%以上の部分において接合層近接窪み部43が近接していることが好ましい。上述のように50%以上の個数の外側縁25で全長の50%以上の部分において接合層近接窪み部43が近接していることにより、外側縁25に沿ってZ方向に伸展するクラックの発生を効果的に抑制することが可能になる。さらに、外側縁25の総数の75%以上の個数の外側縁25で全長の50%以上の部分において接合層近接窪み部43が近接していることがより好ましい。特に、全ての外側縁25で全長の50%以上の部分において接合層近接窪み部43が近接していることが最も好ましい。
【0033】
ハニカム構造体50では、Z方向に垂直な任意の断面において当該断面が直径200mmの円を包含するような大きさを有するものであることが好ましい。ハニカム構造体50では、全体幅が200mm以上、すなわち、Z方向に垂直な断面が直径200mmの円を包含するような大きさに大型化しても、接合層23近傍の外周部分におけるクラック発生を抑制することが可能である。さらに、ハニカム構造体50は、Z方向に垂直な任意の断面が直径300mmの円を包含する大きさであっても、さらに大きな、直径350mmの円を包含する大きさであってもよい。
【0034】
ハニカム構造体50では、窪み部41の全てが、接合層近接窪み部43であることが好ましい。窪み部41の全てが接合層近接窪み部43である場合、内側に窪んでいる窪み部41の構造的特徴を原因とした破損を生じにくくすることが可能なる。
【0035】
さらに、ハニカム構造体50では、「外周部31の外側表面35からハニカムセグメント60まで達する切り込み」(以下、本明細書では「スリット」という)を有さないことが好ましい。本明細書にいう「切り込みがハニカムセグメント1に達する」とは、切り込みが少なくともハニカムセグメント1の最外周にあるセル7まで連通していることをいう。ハニカム構造体50がスリットを有さない場合、ハニカム構造体50の構造的強度を高めることが可能になる。
【0036】
以下、本発明のハニカム構造体における「その他の特徴」を説明する。
【0037】
ハニカムセグメント1の外観形状は、特に制限はない。例えば、Z方向に垂直な断面において、側壁33の断面形状が、
図2に示されているハニカムセグメント1のような四角形の他に、三角形、六角形、八角形等の多角形形状などとすることができる。
【0038】
ハニカムセグメント1では、Z方向に垂直な断面において、セル7の断面形状は、特に限定されず、例えば、三角形、四角形、六角形、八角形等の多角形形状、あるいは、円形や楕円形などとすることができる。
【0039】
ハニカムセグメント1を構成する隔壁9の、Z方向に垂直な断面における厚さ(以下、単に、「隔壁9の厚さ」ということがある)は、基本的に均一なものとする。「基本的に均一」とは、成形時の変形等により、僅かに隔壁9の厚さに差異が生じた場合を除き、隔壁9の厚さが均一であることを意味する。例えば、ハニカムセグメント1を押出成形する口金(金型)のスリットを、スライサー加工により製造した場合に、上記均一な厚さの隔壁9が実現される。
【0040】
隔壁9の厚さは、64〜508μmであることが好ましく、89〜483μmであることが更に好ましく、110〜381μmであることが特に好ましい。隔壁9の厚さを上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9が64μmより薄いと、ハニカムセグメント1の強度が低くなることがある。隔壁9が508μmより厚いと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。上記「隔壁9の厚さ」は、ハニカムセグメント1のZ方向に垂直な断面における隔壁9の幅のことを意味する。
【0041】
隔壁9の気孔率は、35〜70%であることが好ましく、40〜70%であることが更に好ましく、40〜68%であることが特に好ましい。隔壁9の気孔率を上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9の気孔率が35%より小さいと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。隔壁9の気孔率が70%より大きいと、ハニカムセグメント1の強度が低くなることがある。隔壁9の気孔率は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
【0042】
隔壁9の平均細孔径は、7〜30μmであることが好ましく、8〜27μmであることが更に好ましく、9〜25μmであることが特に好ましい。隔壁9の平均細孔径を上記範囲とすることにより、ハニカムセグメント1の強度を維持し、初期の圧力損失の増加を更に抑制することができる。隔壁9の平均細孔径が7μmより小さいと、ハニカムセグメント1の初期の圧力損失が高くなることがある。隔壁9の平均細孔径が30μmより大きいと、アッシュ、粒子状物質の捕集性能が低下することがある。隔壁9の平均細孔径は、水銀ポロシメータによって測定した値である。
【0043】
ハニカムセグメント1のセル密度は、特に制限されないが、15〜62個/cm
2であることが好ましく、26〜56個/cm
2であることが更に好ましく、31〜56個/cm
2であることが最も好ましい。セル密度が上記範囲であると、ハニカムセグメント1の強度を保ちつつ圧力損失を低く抑えることができる。セル密度が15個/cm
2より小さいと、ハニカムセグメント1の強度が低下するため、キャニング時に破壊してしまうおそれがある。セル密度が62個/cm
2より大きいと、初期圧力損失が高くなりすぎるため、エンジン出力が低下したり、燃費が悪くなったりするおそれがある。本明細書において「セル密度(個/cm
2)」とは、Z方向に垂直な断面における単位面積当たり(1cm
2当たり)のセル7の個数を意味する。
【0044】
隔壁9の材料としては、セラミックスが好ましい。セラミックスの中では、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される少なくとも1種がさらに好ましい。これらの材料を用いることにより、強度および耐熱性に優れたものとなる。特に、隔壁9の材料としては、炭化珪素、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタン酸アルミニウム、窒化珪素、及び炭化珪素−コージェライト系複合材料からなる群から選択される1種を主成分とすることが最も好ましい。「珪素−炭化珪素系複合材料」とは、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成されたものである。なお、本明細書において「主成分」というときは、全体の50質量%以上含有することをいう。例えば、「隔壁9が炭化珪素を主成分とする」とは、隔壁9が炭化珪素を50質量%以上含有していることをいう。
【0045】
外周部31の材質は、隔壁9と同じであることが好ましいが、異なっていてもよい。
【0046】
外周部31の形状は、特に限定されない。外周部31の形状は、Z方向に垂直な断面形状が、円の円筒形状、楕円形の筒形状、あるいは、四角形、五角形、六角形等の多角形の筒形状等であってもよい。
【0047】
ハニカムセグメント1は、Z方向の長さHが50〜381mmであることが好ましく、70〜330mmであることが更に好ましく、100〜305mmであることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、各種エンジンからの排ガスの浄化に必要最小限のスペースの範囲で確保できる。
【0048】
ハニカムセグメント1は、Z方向に垂直な断面における最大幅Lが25〜50mmであることが好ましく、30〜45mmであることが更に好ましく、33〜43mmであることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、各種エンジンからの排ガスの浄化に必要最小限のスペースの範囲で確保できる。
【0049】
ハニカムセグメント1は、「長さH/最大幅L」の値が1.0〜12.0であることが好ましく、1.3〜8.5であることが更に好ましく、1.3〜7.3であることが特に好ましい。上記範囲とすることにより、リングクラックを抑制することができる。
【0050】
接合層23は、複数個のハニカムセグメント1を接合して一体化するための接合材からなるものである。
【0051】
接合層23の実際の厚さについては、ハニカムセグメント1の形状、複数個のハニカムセグメント1の配列などによって、適宜決定される。
【0052】
また、接合層23は、ハニカムセグメント1の第1端面3から第2端面5まで配設されていることが好ましい。
【0053】
接合層23の材料については特に制限はないが、例えば、炭化珪素、アルミナ、窒化珪素、等のセラミック粒子を、コロイダルシリカ、コロイダルアルミナにより結合した材料等を好適例として挙げることができる。このような材料を用いることによって、ハニカム構造体50に生じる熱応力を良好に低減することができる。また、このような材料を用いることにより、接合層23が、ハニカム構造体50に負荷がかかったときの緩衝材としての役割も果たす。
【0054】
また、接合層23としては、熱膨張係数が、2.0×10
−6/K以上、4.0×10
−6/K以下であることが好ましい。また、接合層23のヤング率は、0.01GPa以下であることが好ましい。熱膨張係数は、接合層23の40℃から800℃における熱膨張係数とする。
【0055】
上述のハニカム構造体50を構成するハニカムセグメント1の個数についても特に制限はない。例えば、
図1に示すハニカム構造体50は、円筒形状の外観を備えたものであり、16個のハニカムセグメント1を備えたものである。このハニカム構造体50においては、4個のハニカムセグメント60が完全セグメントであり、この完全セグメントが、Z方向に垂直な断面において、縦2個×横2個の配列で並んだ状態になっている。また、上記4個の完全セグメントの外周(Z方向に垂直な断面における外周)に位置する12個のハニカムセグメント1が、不完全セグメントである。不完全セグメントの形状は、Z方向に垂直な断面形状の一部に、ハニカム構造体50の外周形状に対応した形状(例えば、円弧部分)を有する。
【0056】
図8は、本発明の他の実施形態のハニカム構造体を構成するハニカムセグメント60の模式的な斜視図である。
図9は、
図8中のC−C’断面の模式図である。ハニカム構造体をディーゼルパテキュレートフィルタとして用いる場合、図示されているように、目封止部19を所定のセル7の端部に設けてもよい。このとき、目封止部19の材料(目封止材)としては、隔壁9の材料と同じものを挙げることができ、隔壁9の材料と同じものを用いることが好ましい。ハニカムセグメント60では、複数のセル7は、所定のセル7である第1セル11と、残余のセル7である第2セル15とから構成される。目封止部19は、第1セル11の第2端面5側の開口部および第2セル15の第1端面3側の開口部を封止する。こうした目封止部19の配置態様によって、ハニカムセグメント60では、ガスGは、第1端面3から第1セル11内に流入し、第1セル11の第2端面5側の端部が目封止部19によって塞がれているために、当該第1セル11を取り囲む隔壁9を通り抜ける。そして、ガスGは、隣の第2セル15に流れ、第2セル15の第2端面5側から排出されていく。このとき、ガスGに含まれる粒子状物質(PM)が隔壁9によって捕捉されていく。そのため、ガスGは、粒子状物質の濃度を低減したより浄化された状態で第2セル15に流入し、外部に排出される。
【0057】
2.ハニカム構造体の製造方法:
次に、本実施形態のハニカム構造体を製造する方法について説明する。まず、ハニカムセグメントを作製するための坏土を調製し、この坏土を成形して、複数個のハニカムセグメントの成形体を作製する(成形工程)。得られたハニカムセグメントの成形体を、乾燥して、ハニカムセグメントの乾燥体を得ることが好ましい。
【0058】
次に、得られたハニカムセグメントの成形体(或いは、必要に応じて行われた乾燥後のハニカムセグメントの乾燥体)を焼成してハニカムセグメントを作製する(ハニカムセグメント作製工程)。
【0059】
次に、得られた各ハニカムセグメントを接合材で接合して、ハニカムセグメント接合体(ハニカム構造体)を作製する(ハニカムセグメント接合工程)。即ち、複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置されるとともに、対向する側面同士が接合材により接合されたハニカムセグメント接合体(ハニカム構造体)を作製する。接合させるハニカムセグメントの個数は、作製しようとするハニカム構造体の大きさに合わせた個数であることが好ましい。接合材は、ハニカムセグメントが熱膨張、熱収縮したときに、体積変化分を緩衝する(吸収する)役割を果たすとともに、各ハニカムセグメントを接合する役割を果たす。この接合材が、本実施形態のハニカム構造体における接合層となる。
【0060】
また、ハニカムセグメント接合体を形成した後、ハニカムセグメント接合体の外周部分を切削して円筒形状にしてもよい。
【0061】
続いて、ハニカムセグメント接合体の外周に外周コート材を塗布し外周部を形成する(外周部形成工程)。さらに、外周部のみまたは外周部および接合層に窪み部を形成する(窪み部形成工程)。
【0062】
このようにして本実施形態のハニカム構造体を製造することができる。以下、各製造工程について更に詳細に説明する。
【0063】
2−1.成形工程:
まず、成形工程においては、セラミックス原料を含有するセラミックス成形原料を成形して、流体の流路となる複数のセルを区画形成するハニカム成形体を形成する。例えば、ハニカム成形体は、隔壁と側壁とを押出成形によって一体的に成形してもよい。
【0064】
セラミックス成形原料に含有されるセラミックス原料としては、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、チタン酸アルミニウムなどを挙げることができる。そして、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、及びチタン酸アルミニウムからなる群から選択された少なくとも1種であることが好ましい。なお、「珪素−炭化珪素系複合材料」とは、炭化珪素(SiC)を骨材としてかつ珪素(Si)を結合材として形成されたものである。「コージェライト化原料」とは、シリカが42〜56質量%、アルミナが30〜45質量%、マグネシアが12〜16質量%の範囲に入る化学組成となるように配合されたセラミックス原料であって、焼成されてコージェライトになるものである。
【0065】
また、このセラミックス成形原料は、上記セラミックス原料に、分散媒、有機バインダ、無機バインダ、造孔材、界面活性剤等を混合して調製することが好ましい。各原料の組成比は、特に限定されず、作製しようとするハニカム構造部の構造、材質等に合わせた組成比とすることが好ましい。
【0066】
セラミックス成形原料を成形する際には、まず成形原料を混練して坏土とし、得られた坏土をハニカム形状に成形することが好ましい。成形原料を混練して坏土を形成する方法としては特に制限はなく、例えば、ニーダー、真空土練機等を用いる方法を挙げることができる。坏土を成形してハニカム成形体を形成する方法としては特に制限はなく、押出成形、射出成形等の従来公知の成形方法を用いることができる。例えば、所望のセル形状、隔壁厚さ、セル密度を有する口金を用いて押出成形してハニカム成形体を形成する方法等を好適例として挙げることができる。口金の材質としては、摩耗し難い超硬合金が好ましい。
【0067】
また、上記成形後に、得られたハニカム成形体を乾燥してもよい。乾燥方法は、特に限定されるものではないが、例えば、熱風乾燥、マイクロ波乾燥、誘電乾燥、減圧乾燥、真空乾燥、凍結乾燥等を挙げることができ、なかでも、誘電乾燥、マイクロ波乾燥又は熱風乾燥を単独で又は組合せて行うことが好ましい。
【0068】
2−2.ハニカムセグメント作製工程:
次に、得られたハニカム成形体を焼成してハニカムセグメントを得る。なお、目封止を設けたハニカムセグメントを作製する場合には、ハニカム成形体の焼成は、ハニカム成形体に目封止部を配設した後に行ってもよい。
【0069】
また、ハニカム成形体を焼成(本焼成)する前には、そのハニカム成形体を仮焼することが好ましい。仮焼は、脱脂のために行うものであり、その方法は、特に限定されるものではなく、ハニカム成形体中の有機物(有機バインダ、分散剤、造孔材等)を除去することができればよい。一般に、有機バインダの燃焼温度は100〜300℃程度、造孔材の燃焼温度は200〜800℃程度であるので、仮焼の条件としては、酸化雰囲気において、200〜1000℃程度で、3〜100時間程度加熱することが好ましい。
【0070】
ハニカム成形体の焼成(本焼成)は、仮焼した成形体を構成する成形原料を焼結させて緻密化し、所定の強度を確保するために行われる。焼成条件(温度、時間、雰囲気)は、成形原料の種類により異なるため、その種類に応じて適当な条件を選択すればよい。例えば、炭化珪素(SiC)または珪素−炭化珪素系複合材料を使用している場合には、焼成温度は、1450〜1500℃が好ましい。また、炭化珪素(SiC)または珪素−炭化珪素系複合材料を使用している場合、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として、4〜6時間が好ましい。また、コージェライト化原料を使用している場合には、焼成温度は、1410〜1440℃が好ましい。また、コージェライト化原料を使用している場合、焼成時間は、最高温度でのキープ時間として、4〜6時間が好ましい。
【0071】
なお、目封止を設けたハニカムセグメント(目封止ハニカムセグメント)を作製する場合には、ハニカムセグメントにおける複数のセルを、第1セルとなる群と第2セルとなる群とに振り分ける。そして、第1セルの第2端面側の端部と、第2セルの第1端面側の端部とに、目封止材(目封止部の材料)を充填して、目封止部を形成する。
【0072】
ハニカムセグメントに目封止材を充填する際には、例えば、まず、第1端面側の端部に目封止材を充填し、その後、第2端面側の端部に目封止材を充填する。端部に目封止材を充填する方法としては、以下のマスキング工程と圧入工程とを有する方法を挙げることができる。マスキング工程は、ハニカムセグメントの一方の端面(例えば、第1端面)にシートを貼り付け、シートにおける、「目封止部を形成しようとするセル」(この場合は第2セル)と重なる位置に孔を開ける工程である。圧入工程は、「ハニカムセグメントの、シートが貼り付けられた側の端部」を目封止材が貯留された容器内に圧入して、目封止材をハニカムセグメントのセル内に圧入する工程である。目封止材をハニカムセグメントのセル内に圧入する際には、目封止材は、シートに形成された孔を通過し、シートに形成された孔と連通するセルのみに充填される。
【0073】
次に、ハニカムセグメントに充填された目封止材を乾燥させて、目封止部を形成し、目封止ハニカムセグメントを得る。なお、ハニカムセグメントの両端部に目封止材を充填した後に、目封止材を乾燥させてもよいし、ハニカムセグメントの一方の端部に充填した目封止材を乾燥させた後に、他方の端部に目封止材を充填し、その後、他方の端部に充填した目封止材を乾燥させてもよい。更に、目封止材を、より確実に固定化する目的で、焼成してもよい。また、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体に目封止材を充填し、乾燥前のハニカム成形体又は乾燥後のハニカム成形体と共に、目封止材を焼成してもよい。
【0074】
2−3.ハニカムセグメント接合工程:
次に、得られた各ハニカムセグメントを接合材で接合して、複数個のハニカムセグメントが、互いの側面同士が対向するように隣接して配置されるとともに、対向する側面同士が接合層により接合されたハニカムセグメントの接合体を作製する。
【0075】
ハニカムセグメントは、接合材を用いて接合されることが好ましい。接合材をハニカムセグメントの側面に塗布する方法は、特に限定されず、刷毛塗り等の方法を用いることができる。
【0076】
接合材としては、無機繊維、コロイダルシリカ、粘土、SiC粒子等の無機原料に、有機バインダ、発泡樹脂、分散剤等の添加材を加えたものに水を加えて混練したスラリー等を挙げることができる。
【0077】
ハニカムセグメントの側面同士を接合する接合材が、作製されるハニカムフィルタにおける接合層となる。
【0078】
また、
図1に示されているような、円筒形状のハニカム構造体を製造する場合には、複数個のハニカムセグメントを接合材によって接合した後、得られたハニカムセグメントの接合体の外周部分を切削して円筒形状にすることが好ましい。
【0079】
2−4:外周部形成工程:
次に、ハニカムセグメントの接合体の外周部分に外周コート材を配設して、外周部を形成する。この外周コート材が、ハニカム構造体の外周部となる。
【0080】
外周コート材の材料としては、炭化珪素(SiC)、珪素−炭化珪素系複合材料、窒化珪素、コージェライト化原料、コージェライト、ムライト、アルミナ、チタニア、炭化珪素、チタン酸アルミニウムなどを挙げることができる。外周コート材は、上述のセラミックス成形原料(ハニカムセグメントの材料)と同じであっても、異なっていてもよい。
【0081】
2−5:窪み部形成工程:
窪み部を形成する際には、カッターなどを用いて、外周部のみ、または外周部および更にその内側の接合層に溝を切り込むようにするとよい。
【0082】
また、窪み部の形成は、以下に述べるように、上述の外周部形成工程と窪み部形成工程を組み合わせて、両工程を同時に実施することも可能である。まず、ハニカムセグメントの接合体の外周の表面にZ方向に沿って延びるようにワイヤを付着する。このとき、接合層近接窪み部のうちで、接合層の内部まで達しない形態のものを形成する場合には、ワイヤを接合層の外側縁に付着するとよい。あるいは、接合層近接窪み部のうちで、接合層の内部まで達しているものを形成する場合には、接合層の外側縁をZ方向に沿って予め削っておき、この接合層の外側縁の削られた部分にワイヤをはめ込んでおくとよい。続いて、ワイヤを付着した状態のまま外周コート材を塗布する。そして、ワイヤを外側方向に引っ張り、ワイヤ上に堆積している外周コート材を剥がすことにより、窪み部と外周部を同時に形成することができる(外周部/窪み部形成工程)。
【0083】
上述の構成にすることによって、本実施形態のハニカム構造体を製造することができる。但し、本実施形態のハニカム構造体の製造方法は、上述した製造方法に限定されることはない。
【実施例】
【0084】
以下、本発明を実施例に基づいてさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0085】
(実施例1)
セラミックス原料として、炭化珪素(SiC)粉末と金属珪素(Si)粉末とを80:20の質量割合で混合したものを用いた。そして、これに、バインダとしてヒドロキシプロピルメチルセルロース、造孔材として吸水性樹脂を添加するとともに、水を添加して成形原料を作製した。得られた成形原料を、ニーダーを用いて混練して、坏土を得た。
【0086】
次に、得られた坏土を、真空押出成形機を用いて成形し、隔壁によって複数のセルが区画形成されたハニカムセグメントの成形体を複数個作製した。
【0087】
次に、得られたハニカムセグメントの成形体を高周波誘電加熱乾燥した後、熱風乾燥機を用いて120℃で2時間乾燥した。なお、乾燥時には、ハニカムセグメントの成形体のZ方向を鉛直方向に沿わせるように配置した。
【0088】
そして、ハニカムセグメントの成形体を脱脂し、焼成して、ハニカムセグメントを得た。脱脂の条件は、550℃で3時間とした。焼成の条件は、アルゴン雰囲気下で、1450℃、2時間とした。
【0089】
得られたハニカムセグメントは、隔壁厚さが300μmであり、セル密度が47個/cm
2であった。また、ハニカムセグメントは、長さ254.0mmで、四角柱形状(37mm×37mmの正方形の断面形状)であった。
【0090】
上述のハニカムセグメントを49個作製した。これらの49個のハニカムセグメントが、7個×7個の並びになるようにして、接合材で接合し、接合材を乾燥させてハニカムセグメントの接合体を得た。乾燥させた接合材が、接合層となる。接合材をハニカムセグメントの側面に塗布する際には、接合層の幅Tが1.0mmとなるようにした。
【0091】
次に、ハニカムセグメントの接合体を、まず、その全体形状が円筒形状となるように、外周を研削加工した。
【0092】
その後、外周コート材をハニカムセグメントの接合体の外周に塗工し、外周部を形成した。続いて、カッターを用いて、外周部の中で接合層の外周縁の近傍部分に所望の幅および深さの切り込みを入れることにより、接合層近接窪み部を形成した。なお、実施例1では、全ての窪み部が、接合層近接窪み部に該当するものであった。全ての窪み部については、第1端面から第2端面までハニカム構造体の全長にわたって形成した。また、各窪み部における窪み部の最大幅Wおよび窪み部の深さdは同一とした。
【0093】
以上の製法を経て得られたハニカム構造体のZ方向に垂直な断面の形状は、直径が266.7mmの円形であった。また、ハニカム構造体のZ方向の長さは254.0mmであった。実施例1のハニカム構造体における「窪み部の数」、「接合層近接窪み部の数」、「幅比」、「深さ比」、「外側縁A(ハニカム構造体の全長の50%以上の部分において接合層近接窪み部が近接している外側縁)の数」を表1に示す。なお、ここでいう「幅比」は、窪み部の最大幅Wと接合層の幅Tとの比(W/T)である。ここでいう「深さ比」は、窪み部の深さdと外周部の厚さSとの比(d/S)である。
【0094】
(実施例2〜36)
実施例2〜36のハニカム構造体については、表1〜表3に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様に作製した。なお、実施例2〜36における全ての窪み部については、第1端面から第2端面までハニカム構造体の全長にわたって形成した。そのため、実施例2〜36における「外側縁A」の全ては、ハニカム構造体の全長にわたって接合層近接窪み部が近接している外側縁であった。
【0095】
(比較例1)
比較例1のハニカム構造体については、窪み部を形成しない(換言すると、窪み部形成工程を実施しない)以外は、実施例1と同様に作製した。
【0096】
(比較例2〜25)
比較例2〜25のハニカム構造体については、窪み部に代わりスリットを形成し、表1〜表3に示す条件に変更した以外は、実施例1と同様に作製した。なお、ここでいう「スリット」とは、Z方向に沿って延び、かつ、外周部の外側表面からハニカムセグメントまで達する切り込みである。また、ここでいう「スリット」は溝の全長にわたりセルと連通させた。各比較例については、「幅比」はスリットの最大幅と接合層の幅Tとの比(スリットの最大幅/接合層の幅T)であり、「深さ比」はスリットの深さと外周部の厚さとの比(スリットの深さ/外周部の厚さ)である。なお、「スリットの深さ」は、ハニカムセグメントの隔壁に入れられた切り込みのうちで、外周部の外側表面から最も遠い位置にある隔壁の切り込みから外周部の外側表面までの距離である。
【0097】
実施例1〜36および比較例1〜25のハニカム構造体について、[耐熱衝撃性]の評価を行った。評価方法を以下に示す。
【0098】
[耐熱衝撃性]
プロパンガスバーナー試験機を用いてハニカム構造体の加熱冷却試験を実施した。プロパンガスバーナー試験機は、ハニカム構造体を収納する金属ケースと、当該金属ケース内に加熱ガスを供給することができるプロパンガスバーナーとを備えたものである。上記加熱ガスについては、燃焼ガスを適用した。燃焼ガスは、ガスバーナー(プロパンガスバーナー)でプロパンガスを燃焼させることにより発生させた。上記加熱冷却試験によって、ハニカム構造体にクラックが発生するか否かを目視または打音で確認することにより、耐熱衝撃性を評価した。具体的には、まず、プロパンガスバーナー試験機の金属ケースに、ハニカム構造体を収納(キャニング)した。そして、金属ケース内に加熱ガス(燃焼ガス)を1.0Nm
3/minにて供給し、加熱ガスがハニカム構造体内を通過するようにした。金属ケースに流入する加熱ガスの温度条件(入口ガス温度条件)を以下のようにした。まず、5分で指定温度まで昇温し、指定温度で10分間保持し、その後、冷却ガス(空気)を流して5分で100℃まで冷却し、100℃で10分間保持した。このような昇温、冷却、保持の一連の操作を「昇温、冷却操作」と称する。その後、ハニカム構造体のクラックを確認した。第1回目の「昇温、冷却操作」は、指定温度を825℃に設定した。当該第1回目の「昇温、冷却操作」後、ハニカム構造体にクラックを確認しない場合には、さらに、第2回目の「昇温、冷却操作」を行った。第2回目の「昇温、冷却操作」は、指定温度を前回の温度よりも25℃高く設定(825℃+25℃=850℃)して実施した。同様の要領で、第n回目の「昇温、冷却操作」後にハニカム構造体にクラックを確認しない場合には、第n+1回目の「昇温、冷却操作」を第n回目の指定温度よりも25℃高い指定温度で実施した。そして、ハニカム構造体にクラックを発生させた「昇温、冷却操作」における指定温度を「破壊温度」とした。「耐熱衝撃性」の評価は、比較例1のハニカム構造体における破壊温度を基準とした。破壊温度が、比較例1の破壊温度と比べて、+100℃以上高い場合には「A」、+25℃以上+100℃未満の場合には「B」、同じ(±0℃)の場合には「C」、−100℃以上かつ−25℃以下の場合には「D」、−100℃未満の場合には「E」とした。結果を表1〜3に示す。
【0099】
【表1】
【0100】
【表2】
【0101】
【表3】
【0102】
[考察]
表1〜3に示されている結果から、各実施例は、対比する各比較例と比べて耐熱衝撃性が高くなることが判明した。さらに、外側縁Aを有する場合の方が、外側縁Aを有しない場合よりも耐熱衝撃性が高くなることが判明した。また、「深さ比」が0.2〜1.5の場合、「深さ比」が2.0の場合と比較して耐熱衝撃性が高くなることが判明した。