(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記商品購買情報に前記コードの情報が含まれている場合にのみ、前記購買者に特典を与える情報を出力する構成としたことを特徴とする請求項1記載の販売店舗一体型通信販売のための情報処理装置。
【背景技術】
【0002】
購買者が商品を購買する方法に、オンラインショッピングがある。オンラインショッピングでは、商品の販売者はまずサーバー用の情報処理装置に、オンライン専用の仮想店舗を作り上げる。購買者は、適当な情報端末から仮想店舗の情報処理装置にアクセスし、購買者が商品購買に必要な情報を入力することで、情報処理装置との間で電子商取引を成立させ、所望の商品を購買する構成となっている(特許文献1)。
【0003】
情報処理装置を構成する商品販売用サーバーは、一般に任意の時間帯に、オンライン上でどこからでもアクセス可能である。そのため購買者は、インターネットにアクセスできる情報端末等を用いて、商品購買のための電子商取引を時間帯や場所に関係なく行うことができる。また商品販売用サーバーは、配送業者に商品配送の指示を自動で行うことができるため、購買者は労力をかけることなく商品を購入できる。これにより販売者も、店舗営業に係るコスト(実店舗の光熱費、人件費、賃貸料金)を抑えることができる。
【0004】
しかし、ネット上の仮想店舗にはなく、小売店のような実店舗にしかないものとして、接客力、つまり営業宣伝力がある。実店舗は、商品を販売するだけでなく、ショールームや情報発信源として、情報や体験談を薦める場所にもなる。そのため、通常のオンラインショッピングの場合、購買者は所望の商品に関する情報や体験談を十分に得られないまま、商品の購買に踏み切ってしまう虞がある。また購買者は、実店舗販売のときのように店員に気軽に商品の質問をすることができず、商品に対する質問は、電子メール、電話、ファックスなどの間接的な通信手段に頼らざるを得なくなる。
【0005】
そこで購買者は、所望とする商品の情報については実店舗で入手し、入手した情報をもとに、購買を決めた商品をオンライン検索し、商品を購買する傾向がある。そして特許文献2などの方法を利用することで、当該商品を販売している様々なオンラインショップの当該商品販売価格を比較検討し、目的の商品をオンラインでより安価に購買しようとする。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかしながら、実店舗で探した商品をオンラインで検索し、当該実店舗以外のオンラインショップで購買する状況が普及すると、実店舗での商品の購買が減少する。実際、近年の小売店のような実店舗では、オンラインショップの大幅な普及により売り上げが低迷している。また、購買者(消費者)にとって実店舗はショールームであって、商品を確認する場所に過ぎず、実店舗で発見した商品をネットで検索することで、より安くできることを覚えてしまっている。そのため、実店舗が商品についていくら情報提供したところで、購買者は結局オンラインで商品を注文してしまうので、小売店側の営業意欲、すなわち実店舗が購買者に商品の情報を正しく伝えようとする意欲が減退し、購買者に商品の情報が伝わらなくなる。
【0008】
また、オンラインショッピングが普及すると、実店舗で商品を購入する消費者が徐々に減ることになるため、実店舗の売上げが減少し、店舗型の販売形態が縮減する。すると購買者は実店舗で商品を実際に見る機会を失うため、購買者の購買意欲までもが阻害される虞がある。
【0009】
そこで本発明は上記問題点に鑑み、実店舗と共に歩む新たなビジネスモデルとして、店舗型の販売システムと通信型の販売システムとを一体化させることで、店舗型販売システムの情報発信能力と通信型販売システムの情報管理能力の両方を兼ね備えた販売店舗一体型通信販売のための情報処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明における販売店舗一体型通信販売のための情報処理装置は、
情報を入力する入力部と、入出された情報を処理する制御部と、情報を記憶保存可能な第1記憶部及び第2記憶部を有する記憶部と、情報を出力する出力部と、を備え、前記制御部に、販売店舗に関する販売店舗情報が
前記入力部により入力される
と、その販売店舗に対応する個別のコードを作成して
前記出力部から出力すると共に、前記販売店舗情報に前記コードの情報を含ませて
前記第1記憶部に記憶保存させる販売店舗情報管理部と
、商品の購買に関する商品購買情報が
前記入力部により入力される
と、その商品購買情報を
前記第2記憶部に保存記憶させる商品購買情報管理部と、
前記第2記憶部から読み出した前記商品購買情報に基づいて、購買者が支払うべき商品の購買価格を算出し、決済情報として前記出力部から出力する決済管理部と、を備え、前記販売店舗情報管理部は、前記第2記憶部から読み出した前記商品購買情報に
、前記コードの情報が含まれている場合に、そのコードか
ら前記販売店舗
に対する販売報酬を算出して、その算出結果を販売報酬支払情報として
前記出力部から出力する構成としたものである。
【0011】
上記構成では、前記商品購買情報に前記コードの情報が含まれている場合にのみ、前記購買者に特典を与える情報を出力する構成とするのが好ましい。
【発明の効果】
【0012】
本発明の請求項1では、販売店舗情報管理部により、予め個々の販売店舗を固有のコードと紐付けているので、購買者が販売店舗で商品についての説明を受けた後、その商品を注文するために、販売店舗で提示されたコードを含めた商品購買情報を入力すると、販売店舗情報管理部は、購買者がどの販売店舗を経由して商品を購買したのかをコードで把握して、各販売店舗の販売実績に応じた販売報酬を、販売報酬支払情報として算出し出力する。そのため各販売店舗は、個々の営業努力に見合う販売報酬が得られると共に、購買者も販売店舗で良い商品に良い営業を受けて、購買意欲を高めることができ、店舗型販売システムの情報発信能力と通信型販売システムの情報管理能力の両方を兼ね備えた情報処理装置を提供できる。
【0013】
また、本発明の請求項2では、購買者が販売店舗で入手した固有のコードを、商品購買情報に含めて入力することで、情報処理装置から様々な特典が受けられるので、購買者がより好んでコードを使用すると予想され、それにより購買者の購買欲をより高めることが可能になる。
【発明を実施するための形態】
【0015】
以下、本発明の実施形態について、添付図面を参照して説明する。なお、添付図面は本発明の技術的特徴を説明するのに用いられており、記載されている装置の構成、各種処理の手順などは、特に特定的な記載がない限り、それのみに限定する趣旨ではない。
【0016】
図1は、本実施形態の情報処理装置1によって実現される販売店舗一体型通信販売システムの概要を示している。同図において、本システムはネット広告のアフィリエイトに似た仕組みを備えている。すなわち、商品販売用サーバー2に組み込まれた情報処理装置1を媒介源とし、アフィリエイトの広告媒体となるWebサイトの役目を、小売店などの販売店舗10が担い、情報処理装置1が管理する販売店舗10の販売実績に応じて、金融機関11から販売店舗10に販売に応じた報酬費を支払うシステムを構築している。システムはその他に、購買者12が保有する情報端末13や、配送業者14などを備えており、情報処理装置1と情報端末13との間は通信ネットワーク15で相互に接続される。なお図では、一人の購買者12が保有する情報端末13と、その購買者12が情報交換で利用する一軒の販売店舗10だけを示しているが、実際には複数の購買者12がそれぞれ保有する情報端末13と、複数軒の販売店舗10がシステム内に存在する。
【0017】
購買者12は、所望の商品を注文する際、任意の情報端末13を用いて、インターネットなどのネットサービス網上に提供される情報処理装置1の商品注文用のホームページにアクセスする。このホームページを情報端末13に表示させた状態で、当該情報端末13の操作部(図示せず)から商品購買に必要な商品購買情報21を入力すると、通信ネットワーク15を介してその商品購買情報21が情報処理装置1に送出される。ここでいう商品購買情報21とは、購買商品の種類およびその個数、購買者12が選択した支払方法、氏名や住所や電話番号などの他に、クレジット番号や商品配送住所などの購買者12を識別する情報、後述するクーポンコードなど、商品購買に係わるすべての情報を関連付けたものである。情報処理装置1は、情報端末13からの商品購買情報21を解析し、その解析結果に応じて、配送業者14の保有する端末に、商品配送の指示に関する配送指示情報22を出力する構成となっている。
【0018】
なお、情報端末13から入力する商品購買情報21の中で、クーポンコードは、購買者12が販売店舗10に出向いて商品に関する情報交換を行った時に、販売店舗10から提供されるもので、購買者12がどの販売店舗10の紹介で商品を購買したのかを情報処理装置1が特定できるための情報が含まれている。また、一つのクーポンコードは必ずどこか1つの販売店舗10に一対一で対応している。さらにクーポンコードは、商品の種類や個数など、クーポンコード以外の商品購買情報21とも紐付けされる。
【0019】
本実施形態の情報処理装置1は、商品購買情報21に含まれるクーポンコードと、購買商品の種類およびその個数から、購買者12がどの販売店舗10で商品を購買したのかを判別し、また購買商品の種類およびその個数から、それぞれの販売店舗10の売り上げに応じた報酬費を算出して、その算出結果を金融機関11の端末に販売報酬支払情報23として出力する構成となっている。これを受けて金融機関11は各販売店舗10に対して、販売実績に応じた販売報酬を販売店舗10に支払う。情報処理装置1を利用した商品の販売を行うためには、情報処理装置1に販売店舗10に関する情報、すなわち販売店舗情報24を登録する必要があるが、前記クーポンコードは、販売店舗情報24の登録を受けて情報処理装置1から各販売店舗10に発行される。
【0020】
ここで情報端末13とは、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、またはパーソナルコンピュータなどであり、通信ネットワーク15にアクセスして商品購買情報21を情報処理装置1に送信することが可能なあらゆる機器を含む。なお、情報処理装置1への商品購買情報21の入力は、販売店舗10が代理して行ってもよい。
【0021】
図2は、本実施形態に係る情報処理装置1の構成を示すブロック図である。同図において、コンピュータとしての情報処理装置1は、CPU(中央演算処理ユニット)などの制御部30に、入力部31と、出力部32と、記憶部33をそれぞれ接続したハードウェア構成を有する。入力部31は、例えば通信ネットワーク15に接続する入力インターフェースや、情報処理装置1に備えたマウスやキーボードのような操作体などで構成される。また出力部32は、例えば通信ネットワーク15の他に、販売店舗10や金融機関11や配送業者14に設置した各端末に通信手段(図示せず)を介して接続する出力インターフェースや、情報処理装置1に備えた表示器やプリンターなどで構成される。こうした入力部31や出力部32は、情報処理装置1に対する各種情報やデータの入出力を可能にするものである。
【0022】
記憶部33は、前述の各種情報やデータのみならず、制御部30を所定の手順で動作させるためのプログラムを格納するものである。特に本実施形態では、商品購買情報21を記憶保存する商品購買情報記憶部35と、販売店舗情報24を記憶保存する販売店舗情報記憶部36とを、記憶部33にそれぞれ備えている。また制御部30は、記憶部33からのプログラムを読み取ることで機能するソフトウェア構成として、商品購買情報管理部41と、配送管理部42と、決済管理部43と、販売店舗情報管理部44と、を備えている。
【0023】
商品購買情報管理部41は、情報端末13からの商品購買情報21の入力を可能にすると共に、情報端末13から入力部31を通して商品購買情報21が入力される毎に、その商品購買情報21を商品購買情報記憶部35に記憶保存させるものである。具体的には、購買者12の保有する情報端末13を情報処理装置1にアクセスすると、商品購買情報管理部41は、商品購買情報21を入力するための申し込みフォームを表示させるための表示制御信号を、制御部30から出力部32を通して当該情報端末13に送出し、情報端末13から商品購買情報21が適切に入力されるように購買者12を促す。これを受けて、情報端末13の操作部を利用して商品購買情報21を入力すると、商品購買情報管理部41は、入力部31を通して送出された商品購買情報21を商品購買情報記憶部35にデータベース化して記憶保存させる。
【0024】
配送管理部42は、商品購買情報記憶部35から読み出した商品購買情報21に基づいて、何時誰にどの種類の商品を何個配送するのかを示す配送指示情報22を作成し、制御部30から出力部32を通して配送業者14の端末に配送指示情報22を送出するものである。配送指示情報22は、商品購買情報記憶部35に新たな商品購買情報21が記憶保存される毎に自動的に作成され、配送業者14の端末に送出される。これにより配送業者14は、商品を購買者12へと配送し、購買者12は所望の商品を受け取ることができる。
【0025】
決済管理部43は、商品購買情報記憶部35から読み出した商品購買情報21に基づいて、購買者12が支払うべき商品の購買価格を決済情報として算出し、これを制御部30から出力部32を通して金融機関11の端末に送出するものである。金融機関11は、情報処理装置1からの決済情報に基づいて、販売者12に対して例えば配送業者14を利用した代金引換や、クレジット払いによる特定の支払方法での決済を指示する。本実施形態では、商品購買情報21を入力する際に、購買者12が支払方法を任意に選択できる構成となっている。
【0026】
販売店舗情報管理部44は、入力部31を通して制御部30に販売店舗情報24が入力される毎に、その販売店舗情報24に固有のクーポンコードに関する情報を含ませて、販売店舗情報記憶部36に記憶保存させると共に、クーポンコードを記載した印刷体51(
図4を参照)を、出力部32のプリンターに印刷出力させるものである。この印刷体51は、紹介コードシールとして販売店舗10に送付される。
【0027】
また販売店舗情報管理部44は、販売店舗情報記憶部36から読み出した販売店舗情報24と、商品購買情報記憶部35から読み出した商品購買情報21とに基づいて、各販売店舗10の売り上げに応じた報酬費を算出し、その算出結果を販売報酬支払情報23として出力するものである。本実施形態では、商品購買情報21にクーポンコードが含まれている全ての商品購買情報21について、そのクーポンコードからどの販売店舗10が売り上げたのかを、販売店舗情報24に基づき特定して、当該販売店舗10に対応した販売報酬支払情報23を販売店舗情報管理部44で作成する構成となっている。
【0028】
なお、ここでいう報酬費は、売り上げに対して20%といったように設定できる。販売店舗情報管理部44は、販売店舗10毎に支払うべき報酬費を算出し、その算出結果を金融機関11の端末に販売報酬支払情報23として出力する。これを受けて金融機関11は、各販売店舗10に報酬費を支払い、各販売店舗10は販売実績に応じた報酬費を受け取ることができる。販売店舗情報管理部44で算出される販売報酬支払情報23は、制御部30に内蔵するタイマー手段(図示せず)の計時を利用して、定期的あるいは不定期に出力することができる。
【0029】
本実施形態では、購買者12の入力した商品購買情報21の中で、特に定期的な配送を申込む情報が含まれている場合に、購買者12が支払うべき金額を、何回目の配送であるかに応じて割引し、決済情報として算出する構成を決済管理部43に備えている。これにより例えば、購買者12が商品の定期配送を商品購買情報21として申込み入力した場合に、決済管理部43が初回の配送時には割引をしないが、二回目の配送時には正規購買価格の5%の割引金額とし、三回目の配送時には正規購買価格の7%の割引金額とし、四回目の配送時には正規購買価格の10%の割引金額とし、五回目の配送時には正規購買価格の12%の割引金額とし、六回目以降の配送時には正規購買価格の15%の最大割引金額として、決済情報を算出する。つまり決済管理部43は、配送の回数が増えるたびに割引率を大きく設定した決済情報を算出できる。
【0030】
また、購買者12の入力した商品購買情報21の中で、特に販売店舗10に対応したクーポンコードの情報が含まれている場合に、例えば一回目の配送時から一律5%の割引金額に値引いた決済情報を算出する構成を、決済管理部43に備えてもよい。こうした特典サービスは、商品購買価格の値引きに限られない。例えば、購買商品の量を増したり、購買商品の他に別な商品をプレゼントしたりするサービス品を追加してもよく、その場合は商品購買情報21の中にクーポンコードの情報が含まれているか否かによって、異なる内容の配送指示情報22を作成するように、配送管理部42を構成すればよい。
【0031】
または、商品の購買価格を値引きする特典サービスはポイント制にしてもよく、例えば商品購入金額のうち、所定の金額をポイントとして換算し、当該ポイントを本実施形態の情報処理装置1を利用した購買に利用可能とすることもできる。この場合、各購買者12のポイントに関する情報を記憶部33に一旦蓄積させ、購買者12の情報端末13からポイント使用の申出を受けた時に、決済管理部43が記憶部33から読み出したポイントを所定の金額に換算し、これを商品の購買価格から差し引いて、購買者12の支払うべき金額を算出する構成とすればよい。その他様々な特典サービスが適用できるように、配送管理部42や決済管理部43を構成することも考えられる。
【0032】
なお、消費者12からの商品購買情報21は、商品購買情報記憶部35に記憶保存され、商品購買情報管理部41で管理されるが、購買者12の情報端末13が二回目以降に情報処理装置1にアクセスした場合に、購買者12が以前入力した商品購買情報21を商品購買情報記憶部35から抽出することで、情報端末13からの商品購買情報21の入力を軽減できる。特に商品購買情報記憶部35には、各購買者12に割り振られる商品購買情報21が格納されているので、情報端末13から購買者12を識別する情報の一部を入力したときに、同じ情報を含む特定の商品購買情報21が商品購買情報記憶部35に存在すれば、その商品購買情報21を携帯端末13に表示させ、その後で情報端末13から入力する他の情報を、当該商品購入情報21に上書き更新して商品購買情報記憶部35に記憶保存させるように、商品購買情報管理部41を構成すればよい。これにより、購買者情報管理部41に登録してある情報を利用した商品の購買が可能であり、購買者12は予め登録されている商品購買情報21からの変化部分のみを、情報端末13から入力すればよい。
【0033】
その他、商品購買情報21の一部をなす購買者12を識別する情報として、購買者12を特定するためのID(識別子)とパスワードを含めてもよい。これにより、情報端末13から入力したIDとパスワードを含まない商品購買情報21は、情報端末13に表示させないように商品購買情報管理部41を構成することで、他人の購買者情報をむやみに入手できないように配慮できる。
【0034】
次に、
図3〜
図5を参照して、上記構成の情報処理装置1を含む販売店舗一体型通信販売システムについて、その処理手順を詳しく説明する。
【0035】
図3において、本システムを広く活用するには、予め販売店舗10が情報処理装置1の管理者と契約を結ぶ必要がある。これは、販売店舗10が販売者12への商品の宣伝販売を行う代わりに、情報処理装置1の管理者が、販売店舗10の売り上げのうち所定の割合を、販売店舗10に報酬費として還元する契約である(ステップS1)。この契約は、販売店舗10に関する情報として、入力部31を通して制御部30に入力される販売店舗情報24を、販売店舗情報管理部44が販売店舗情報記憶部36に記憶保存することで行われる。以後、販売店舗情報管理部44において、販売店舗10の売り上げの例えば20%を報酬費として還元できるように設定される。
【0036】
販売店舗情報管理部44は、販売店舗情報記憶部36に販売店舗情報24を記憶保存すると、その販売店舗情報24に対応した数字や文字の組み合わせからなるクーポンコードを付与する。そしてこのクーポンコードを記載したシール付きの貼付け可能な印刷体51は、出力部32のプリンターから印刷出力され、販売店舗10に送付される(ステップS2)。
図4は、販売店舗10での印刷体51の活用を示すもので、販売店舗10側では、予め商品の紹介パンフレット52の所定箇所に印刷体51を貼り付け、各販売店舗10で専用のパンフレットを作成して店頭に提示しておく。
【0037】
こうした紹介パンフレット52の準備が完了すると、販売店舗10側では商品を販売するための営業を行う。これによって購買者12は、販売店舗10に来店する(ステップS3)。販売店舗10では、商品についての宣伝や口コミなどが行われ、それにより購買者12は、販売店舗10の店員から商品の説明を受ける(ステップS4)。このとき販売店舗10の店員は、営業のために印刷体51を貼り付けた紹介パンフレット52を購買者12に提示し(ステップS5)、情報端末13を利用した商品の定期的な配送を申込む際に、印刷体51に記載されたクーポンコードを入力すれば、特典サービスを受けられることを購買者12に説明する。これを受けて購買者12が、情報端末13を利用して情報処理装置1にアクセスし、商品購買情報管理部41により表示される申し込みフォームから、クーポンコードを含んだ商品購買情報21を入力することで、所望の商品を注文する(ステップS6)。
【0038】
なお、紹介パンフレット52には、商品説明と共に情報処理装置1にアクセスするサーバーのURLが予め記入されている。商品の注文は、購買者12自身が直接、任意の情報端末13から情報処理装置1に通信ネットワーク15を介してアクセスして行うことができる。
【0039】
別な商品の注文方法として、例えば
図5に示すように、購買者12が販売店舗10から渡された商品購買のための申込書53に、必要な事項を記入した後、当該申込書53を販売店舗10あるいは情報処理装置1に届けてもよい。この場合の商品購買情報21の入力は、販売店舗10の端末若しくは情報処理装置1の入力部31である操作体などから、購買者12を代理して行える。このように、購買者12が非電子媒体の発注申込書を利用する機会を設けることで、オンラインの操作に慣れていない購買者12でも所望の商品を簡単に購買できる。
【0040】
申込書53には、商品の種類、個数、配送頻度、配送日時などを指定するための商品コース選択欄、カード決済、金融機関への振り込み、代引など、商品支払方法を選択するための欄、および商品配送先記入欄があり、配送先記入欄には、配送先の住所と連絡先が記入できるようになっている。なお、申込書53には、販売店舗10を特定するためのクーポンコードを記した印刷体51が貼り付けられる。また、購買者12が商品の定期発注を申し込むと、購買者は発注の回数に応じた割引サービスが受けられることも記されている。申込書53は紙のような非電子媒体に限らず、端末に表示される電子媒体でもよい。何れの場合も、商品購買情報21にはクーポンコードに関する情報が含まれ、購買者12がどの販売店舗10に来店して商品を購買したのかは、クーポンコードの情報によってその関係性が紐付けされる。
【0041】
再度
図3に戻ると、商品の注文に伴い、クーポンコード含んだ商品購買情報21が商品購買情報記憶部35に格納登録されると、配送管理部42はこの商品購買情報21に基づいて作成した配送指示情報22を、配送委託の指示として配送業者14の端末に送出する(ステップS7)。商品の配送を委託された配送業者14は、配送指示情報22に従って、購買者12に商品を配送する(ステップS8)。また決済管理部43は、商品購買情報21に基づいて作成した決済情報を金融機関11の端末に送出する。これを受けて金融機関11は、商品購買情報21で指定された支払方法での決済を購買者12に指示する(ステップS9)。
【0042】
さらに、販売店舗情報管理部44は、商品購買情報21に含まれるクーポンコードの情報と、販売店舗情報24に含まれるクーポンコードの情報とを突き合わせて、各販売店舗10における販売実績を個々に報酬費として参照し、その算出結果を販売報酬支払情報23として金融機関11の端末に送出する(ステップS10)。これを受けて、金融機関11が販売店舗10に販売報酬を支払うことで、各販売店舗10は、商品の売り上げに応じた販売報酬を受け取ることができる。(ステップS11)
なお、購買者12がどの販売店舗10を利用して商品の購買を行ったかは、商品購買情報21に含まれるクーポンコードで把握される。商品の注文はクーポンコードを利用しなくても可能であるが、クーポンコードを利用すれば購買者12がお得な割引やサービスを受けられることを、販売店舗10で宣伝する。これにより、購買者12は積極的にクーポンコードを利用するようになり、またクーポンコードによって各販売店舗10の販売実績を情報処理装置1側で管理できるので、情報処理装置1の販売店舗10に対する販売報酬の支払いを的確に指示できる。その結果、各販売店舗10は購買者12に対する営業宣伝力が、情報処理装置1を通しての商品の売り上げに反映され、販売店舗10側での営業意欲を向上させることが可能になる。
【0043】
本実施形態で取り扱う商品が健康補助食品である場合、販売店舗10は、美容院、接骨院、雑貨店、喫茶店、病院、歯科医院などが含まれる。例えば病院や歯科医院で、購買者12が治療後や通院後も引き続きその商品を利用したい場合、販売店舗10を当該病院や歯科医院として、購買者12が情報処理装置1を利用して商品を購買することができる。この場合、商品購買情報21の中に、定期的な配送を申込む情報を含めることで、購買者12は治療後や通院後も商品を定期的に入手できる。さらに、販売店舗10側は売り上げに対して20%の還元率で、報酬費を受け取ることができる。
【0044】
その他の利点として、例えば店舗の信用があって積極的な営業が難しく、店の販売が苦手な販売店舗10であっても、
図4に示すような印刷体51を貼り付けた紹介パンフレット52を店頭で配布し、購買者12に商品を勧めるだけで、最終的に所定の還元率の報酬費が得られる。さらに、購買者12に商品を代行して配送してほしいという要望にも、情報処理装置1が商品の配送指示や定期の顧客管理を行うことができ、多忙な販売店舗10の負担を解消できる。
【0045】
このように、本実施形態の情報処理装置1を含むシステムは、販売店舗10による実店舗型の販売と、インターネットを利用した通信型の販売というこれまで相対していた販路を一つにまとめた未来型の新たなビジネスモデルを提供するもので、本システムの情報処理装置1を利用することで、購買者12の購買意欲を高めると共に、販売店舗10の売り上げにも貢献することができる。
【0046】
当該システムの実現のために、本実施形態の情報処理装置1は、コンピュータにより構成される制御部30に、販売店舗10に関する販売店舗情報24が入力される毎に、その販売店舗10に対応する個別のコードであるクーポンコードを作成して出力すると共に、販売店舗情報24にクーポンコードの情報を含ませて第1記憶部となる販売店舗情報記憶部36に記憶保存させる販売店舗情報管理部44と、購買者12や商品の購買に関する商品購買情報21が入力される毎に、その商品購買情報21を第2記憶部となる商品購買情報記憶部35に保存記憶させる商品購買情報管理部41と、を備えている。そして、販売店舗情報管理部44は、商品購買情報記憶部35から読み出した商品購買情報21に、販売店舗10で提示されたクーポンコードの情報が含まれている場合に、そのクーポンコードからどの販売店舗10が利用されたのかを、販売店舗情報記憶部36から読み出した販売店舗情報24により特定し、販売店舗10の販売実績に応じた販売報酬費を算出して、その算出結果を販売報酬支払情報23として出力する構成となっている。
【0047】
この場合、販売店舗情報管理部44により、予め個々の販売店舗10を固有のクーポンコードと紐付けているので、購買者12が販売店舗10で商品についての説明を受けた後、その商品を注文するために、販売店舗10で提示されたクーポンコードを含めた商品購買情報21を入力すると、販売店舗情報管理部44は、購買者12がどの販売店舗を経由して商品を購買したのかをクーポンコードで把握して、各販売店舗10の販売実績に応じた販売報酬を、販売報酬支払情報として算出し出力する。そのため各販売店舗10は、個々の営業努力に見合う販売報酬が得られると共に、購買者12も販売店舗10で良い商品に良い営業を受けて、購買意欲を高めることができ、結果的に店舗型販売システムの情報発信能力と通信型販売システムの情報管理能力の両方を兼ね備えた情報処理装置1を提供できる。
【0048】
また、本実施形態の情報処理装置1は、商品購買情報21にクーポンコードの情報が含まれている場合にのみ、購買者12に特典を与える情報を出力する構成として、例えば商品の他にサービス品を追加して配送するための配送指示情報22を作成して出力する配送管理部42や、商品の購買価格を値引きした決済情報を出力する決済管理部43などを備えている。
【0049】
この場合、購買者12が販売店舗10で入手した固有のクーポンコードを、商品購買情報21に含めて入力することで、情報処理装置1から様々な特典が受けられるので、購買者12がより好んでクーポンコードを使用すると予想され、それにより購買者12の購買欲をより高めることが可能になる。
【0050】
なお、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で種々の変更可能である。