(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記閉じ位置において、前記外部パッケージ(3)の上部(6)は、少なくとも、前記第1内部パッケージ(11)及び第2内部パッケージ(12)の各々の前記取り出し開口部(21)を覆うことを特徴とする、請求項1に記載のパケット。
前記開放位置において、前記第1内部パッケージ(11)及び第2内部パッケージ(12)は部分的に重なり合い、夫々の前記取り出し開口部(21)は覆われないことを特徴とする、請求項1又は2に記載のパケット。
第1ストラップ(23)及び第2ストラップ(24)を備え、各ストラップ(23、24)は前記外部パッケージ(3)を各内部パッケージ(11、12)に接続することを特徴とする、請求項1から3のうち何れか一項に記載のパケット。
各ストラップ(23、24)は、前記外部パッケージ(3)の夫々の大側壁(4)を、その反対側にある外部パッケージ(3)の大側壁(4)に隣接した各内部パッケージ(11、12)に接続することを特徴とする、請求項4に記載のパケット。
各内部パッケージ(11、12)は、タバコ製品(2)の一群(13)を収容する内箱(25)と、前記内箱(25)が前記タバコ製品(2)の各軸線に平行にスライドできるように前記内箱(25)を収容する外箱(26)とを備え、以て前記内箱(25)が格納位置と、抽出又は持ち上げ位置との間でスライドするのを可能にし、前記格納位置では前記内箱(25)が前記内箱の下壁(27)を前記外箱(26)の下壁(33)に隣接させると共に前記タバコ製品(2)の全てが前記内箱(25)に完全に包含され、前記抽出又は持ち上げ位置では前記内箱(25)が外箱(26)の上壁(34)近傍に位置することを特徴とする、請求項1から5のうち何れか一項に記載のパケット。
前記内箱(25)の前記下壁(27)は、内箱(25)内にあるタバコ製品(2)の内の少なくとも1本を支持するように設計された支持部分(47’)を形成し、前記内箱(25)の実際に前記抽出又は持ち上げ位置に向かう各スライド動作によって、前記支持部分(47’)に支持される前記少なくとも1本のタバコ製品(2)が外箱(26)の上壁(34)に向かって軸方向移動し、前記タバコ製品(2)が前記内部パッケージ(11、12)の前記取り出し開口部(21)を介して外に出ることを特徴とする、請求項6に記載のパケット。
前記内箱(25)の下壁(27)の一部分が開くことで、前記タバコ製品(2)は前記外箱(26)の下壁(33)に接触することができることを特徴とする、請求項6又は7に記載のパケット。
前記外箱(26)には、それを介して喫煙者が手動で内箱(25)に作用し、内箱(25)に前記格納位置と前記抽出又は持ち上げ位置の間でスライド動作させる追加の開口部(40)が設けられることを特徴とする、請求項6から9のうち何れか一項に記載のパケット。
前記追加の開口部(40)は、前記外箱(26)の1つの大側壁(35)と1つの小側壁(38)を接合するエッジの略中央領域に形成されることを特徴とする、請求項10に記載のパケット。
喫煙者にパケット(1)からタバコ製品(2)を取り出す方法と、前記支持部分(47’)上に次のタバコ製品(2)を装填する方法を指示する指示手段(65)を備えることを特徴とする、請求項1から14のうち何れか一項に記載のパケット。
前記指示手段(65)は、前記タバコ製品(2)を取り出すための内箱(25)のスライド方向を示す第1矢印(A)と、その次のタバコ製品(2)を前記支持部分(47’)上に装填するための内箱(25)のスライド方向を示す第2矢印(B)とを備えることを特徴とする、請求項15に記載のパケット。
前記矢印は夫々の内箱(25)のフロント領域(41)にあり、夫々の外箱(26)の前記開口部(40)を介して目視可能であることを特徴とする、請求項15又は16に記載のパケット。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1及び
図2を参照するに、番号1はタバコ2用のパケット全体を示している。
【0013】
パケット1は、幾つかの構成要素から形成され、2枚の大側壁4、2枚の小側壁5、上部6及び底部7を形成する外部パッケージ3を備える。底部7は第1ベース部分8と第2ベース部分9(
図3)を備えており、それらは、大側壁4に対して垂直であってかつヒンジ線10を成す弱め線によって互いに連結されている。
【0014】
パケット1は又、共に外部パッケージ3内に位置する第1内部パッケージ11と第2内部パッケージ12を備えている。内部パッケージ11、12の夫々には、タバコ2の夫々の群13、14が含まれる。
【0015】
タバコ2の各群13,14は、好ましくは
図5に示すように、互いに平行なタバコ2の列からなり、それらは組になって並置され列を成すために位置合わせされる。タバコ2は又、2列以上に並んで配置される場合もあり、各タバコは、一端部15で手でつかむことが可能な取り出し部分16と、その取り出し部分16の反対側にある端部分17を備える。
【0016】
パケット1の不使用時、タバコ2はそれぞれの軸線を垂直にした状態で配置されるが、特に、以下の説明では“垂直”(及び類似の用語)なる用語は、説明目的上、パケット不使用時、その内部のタバコ2が各軸線を垂直にして配置されかつパケット1から取り出されたタバコ2がある領域はパケット1それ自体の上部に位置するような状態において、パケット1によって取られた位置を説明するために使用されることになる。 “上方”及び“下方”(更に、“上部”や“下部”のような類似語)なる用語も又、パケットが垂直位置にある時、パケット1の対応する部分を指定するために使用される。
【0017】
図4に示すように、第1内部パッケージ11及び第2内部パッケージ12は夫々、2つの大側壁18、2つの小側壁19、少なくとも1本のタバコ2を取り出すための開口部21を備えた上部20、及び底部22を備えている。第1内部パッケージ1と第2内部パッケージ12の各底部22は、外部パッケージ3の第1ベース部分8と第2ベース部分9に夫々接続されている。
【0018】
好ましくは、取り出し開口部21は、初めは図示しない引き裂きストリップによって閉じられているかもしれないし、さもなければ同開口部には、同様に図示しない着脱可能な密封ラベルが設けられるかもしれない。
【0019】
第1内部パッケージ11及び第2内部パッケージ12は、パケット1が閉じた状態にあって第1及び第2内部パッケージが重なり合い、実質的に1列に並んだような位置(
図1)と、パケット1が扇形に開放され、第1及び第2内部パッケージが所定の開き角度αだけ互いにオフセットされるような位置(
図2)との間で、ヒンジ線10周りに移動可能になっている。より正確には、開き角αは、
図2に示すように、第1部分8と第2の部分9によって占有された方向同士のなす角度である。
【0020】
図1、2、3に示されるように、パケット1は第1ストラップ23と第2ストラップ24を備え、その夫々は外部パッケージ3の各大側壁4と、外部パッケージ3の反対側にある大側壁4に隣接する各内部パッケージ11、12とに接続される。したがって、使用中、ストラップ23、24は互いに接触しあい(
図2)、パケット1の扇形開放位置を成す。さらに、第1ストラップ23及び第2ストラップ24は少なくとも部分的に外部パッケージ3の上部6を形成する。
【0021】
閉じ位置では、外部パッケージ3の上部6は、第1及び第2内部パッケージ11、12の各々の少なくとも取り出し開口部12を覆う。開放位置では、第1内部パッケージ11と第2内部パッケージ12は部分的に重なり合い、夫々の取り出し開口部21は覆われることはない。
【0022】
図3〜
図7に示されるように、内部パッケージ11、12の夫々は、好ましくは硬質の内箱25を備えており、その箱は、同様に好ましくは硬質の厚紙又は同種のものから作られた外箱26内で直線的にスライドできるように収納されることで、内箱25が、外箱26内部で最も低い位置にあるような格納位置(
図5に示す)と、内箱25が外箱26内部で最も高い位置にあって1本のタバコ2が内箱25それ自体から部分的に(上方に)引き出された状態に保持されるような持ち上げ位置又はタバコ2取り出し位置(
図7に示す)との間で直線的移動を伴って双方向に移動可能となっている。
【0023】
内箱25(
図5)は、実質上、“カップ”の形を伴った平行六面体形状であり、下壁27、互いに平行に向かい合った2つの大きな平行側壁28、29及びこれら大側壁28、29の間に位置した2つの小さな平行側壁30、31を備える。内箱25の開放した上端部32は、小側壁31の近傍で、一度に1本のタバコ2を引き出すための領域Zを形成し、内箱25が“上げ”位置(その特徴及び目的は以下に説明する)にある時、その領域を介してパケット1からタバコ2を引き出すことができる。
【0024】
特に
図6に示したように、外箱26も平行六面体形状であり、下壁33、上壁34、互いに平行に向かい合う2つの大側壁35、36、及び2つの小側壁37、38を備える。
【0025】
外箱26の側壁35、38が接するエッジ39に沿って実質上中間の領域には、外箱26それ自体を作り上げるブランク44(
図9)に作られたスロット55からなる開口部40があり、この開口部を介して喫煙者は内箱25のフロント領域41に触れることができる。スロット55の形状及びサイズは、喫煙者がそのスロット55それ自体を介して内箱52のフロント領域41に押し動作を付与できるようなものになっており、内箱を垂直方向双方向に移動させ、それを外箱26の中で上述した格納・持ち上げ位置間でスライドさせるようになっている。尚、ここでは図示しないがパケット1の変形実施形態として、スロット55は、外箱26の大側壁35の一方のみ(好ましくは、前方にある側壁)に形成されたり小側壁38の一方に形成されたりする場合もあることに留意されたい。
【0026】
好ましくは、開口角αの大きさは、使用中、パケット1が扇形に開放した時(
図3)、スロット55が完全に覆われないようなものとなっている。喫煙者によって内箱25のフロント領域41に与えられる手押し操作を容易にするために、フロント領域41の露出面には図示されていないがギザギザやその他の粗化機能を設けることも可能である。
【0027】
図4に明瞭に示すように、外箱26の上壁34には、タバコ2を取り出すための上記開口部21を形成する実質上正方形のつかみ口42がある。
【0028】
タバコパケット1の箱25、26は夫々、
図8及び
図9に示した対応ブランク43、44から作られる。ブランク43、44の各々は複数の要素からなり、これらは可能な限り、夫々の箱25、26の対応要素を示すダッシュ無し参照番号と同様なダッシュ付き参照番号で示されている。
【0029】
図8を参照するに、ブランク43には、長手方向に延びる2本の弱め線45と、横断方向に延びる2本の弱め線46とがあり、これらによって2本の長手方向弱め線45の間には、(図の下から上に)1つの大側壁28を成すパネル28’、下壁27を成すパネル27’、及びもう一方の大側壁29を成すパネル29’が形成される。
【0030】
パネル28”は、
図8の下側に位置し、左右に1組のサイドフラップ30’、31’を夫々備えており、それらは小側壁30、31’の内側部分を構成すると共に、隣接するパネル28’の両側に位置し、長手方向弱め線45によってパネル28’から隔てられている。同様に、
図8の上に位置するパネル29’にも左右に1組のサイドフラップ30”、31”が夫々あり、それらは小側壁30、31’の外側部分を構成すると共に、隣接するパネル29’の両側に位置し、長手方向弱め線45によってパネル29’から隔てられている。
【0031】
下壁27を構成するパネル27’には、
図8においてその左側部分に、左に向かって凹んだ略“U”字状の弱め線47が設けられ、その凹みはパネル27’それ自体の2つの対辺を定める2本の長手方向弱め線45の各部分に一致する2本の対向する長辺48を備えている。
【0032】
弱め線47はパネル27’の右手に向かって、その端部からの距離がタバコ2の直径より少し長くなるように延びる。パネル27’それ自体の右端部と弱め線47との間に位置するパネル27’の部分はこれ以降、参照番号47’で示した“支持部分”と呼ぶことにする。
【0033】
図9を参照するに、ブランク44は2本の長手方向弱め線49と、複数本の横断方向弱め線50とを備え、それらによって(図の下から上にかけて)2本の長手方向弱め線49の間に、一方の大側壁15を成すパネル35’、底壁33を成すパネル33’、及び他方の大側壁13を成すパネル36’を形成している。
【0034】
パネル35’は、
図9にあって左右夫々に1組のサイドフラップ37’、38’を備え、それらはパネル35’それ自体の両側に位置し、パネル35’からは長手方向の弱め線49によって分離され、実質的に長方形であり、夫々が小側壁37、38の外側部分を構成する。同様に、パネル36’は
図9にあって左右夫々に1組のサイドフラップ37”、38”を備え、それらはパネル36’の両側に位置し、パネル36’自体からは長手方向の弱め線49によって隔てられ、実質的に長方形であり、夫々が小側壁37、38の内側部分を構成している。
図9において上側にあるサイドフラップ37’、38’の横辺は、パネル33’をパネル35’から隔てる横断方向弱め線50の端部分によって2枚のフラップ51へと接続され、それらフラップは夫々フラップ37”、38”へと延びて、ほぼ接触した状態となる。パネル35’、36’の夫々は、
図9の下部と上部に夫々横辺を配置し、その横辺はパネル33’とは反対側に位置する各フラップ52に接続され、これらフラップは横断方向弱め線53によって夫々のパネル35’、36’から分離されている。
【0035】
横断方向弱め線53の方向でのフラップ52の横寸法は、パネル35’、36’の横断方向の寸法よりも小さく、フラップ52は各パネル35’、36’に対し、
図9の右に位置してその幅がタバコ2の直径よりも僅かに大きいパネル35’、36’の各側方部分を取り除いた形で配置される。パネル35’の、
図9の右側に位置するエッジに接続されるサイドフラップ38’には、長手方向中央域に、ブランク44が延びる長手方向に平行に走り、かつその深さがフラップ38’自体の幅の半分にほぼ等しい凹部54が設けられる。
【0036】
パネル36’と、
図9の右側に位置するサイドフラップ38”との接続領域は、その長手方向の中央部において、ブランク44が延びる長手方向に平行に走る略長方形の細長スロット55によって遮断され、その長さは凹部54の長さに実質上等しく、サイドフラップ38”に対応するスロット部分の幅は凹部54の幅に実質的に等しい。他方、パネル36’上に位置するスロット部分の幅は、凹部54の幅よりも大きいことが望ましく、実質的に7〜10mmに等しい。
【0037】
図示しないが、本発明の変形実施形態として、スロット55はパネル36’及び/又はフラップ38’上の如何なる位置に配置しても良く、
図6に示したスロット55の形状やサイズと異なるどんな場合であっても、任意の形状及びサイズを持つことが可能であることに留意されたい。
【0038】
図10に示すように、タバコパケット1の外部パッケージ3はブランク56から得られる。
【0039】
そのブランク56は外部パッケージ3の大側壁4を形成する2つの大パネル4’を備えている。
【0040】
大パネル4’は横断方向の2本の弱め線57を介して外部パッケージ3の底部7を形成するパネル7’によって相互に接続されている。接続パネル7’は底部7の第1部分8と第2部分9を夫々形成する第1サブパネル8’と第2サブパネル9’に分割され、各サブパネルは前述のヒンジ線10を構成する弱め線58によって互いに接続されている。より具体的には、パケット1を扇形に開かせるために、第1サブパネル8’は図中左側において横断方向の弱め線57によって大パネル4’に接続され、図中右側にある他方の大パネル4’からは第1切断線59によって分離される。同様に、第2サブパネル9’は、図中右側において横断方向の弱め線57によって大パネル4’に接続されており、更に第2切断線60によって図中左側にある他方の大パネル4’から分離されている。
【0041】
大パネル4’の各々は、外部パッケージ3(
図11)のための内部補強材を形成する第1フラップ5’と、夫々が外部パッケージ3の各小側壁5を形成する第2フラップ5”とを備えている。第1フラップ5’と第2フラップ5”は長手方向の弱め線61によって大パネル4’に接続される。
【0042】
具体的には、
図10に示すように、第1フラップ5’と第2フラップ5”は大パネル4’それ自体の両側において各々の大パネル4’に接続されている。
【0043】
各大パネル4’は又、側方翼23’、24’を備え、夫々の翼はパネル7’とは反対に位置する大パネル4’の側部において各大パネル4’に接続されている。第1側方翼23’と第2側方翼24’が前述した接続ストラップ23、24を夫々形成する。
【0044】
各側方翼23’、24’は弱め線62によって夫々の大パネル4’に接続されている。好ましくは、各側方翼23’、24’は第1フラップ5’の近傍で各大パネル4’に接続される。
【0045】
ブランク56は更に、大パネル4’を第2フラップ5”に接続する弱め線61に沿って、各々が実質上その途中に形成された1組の開口部63を備えている。
【0046】
好適なこととして、開口部63の夫々は直角台形の形状で作られ、その台形の底辺は弱め線61に対して垂直である一方、斜辺は夫々の大パネル4’上にあって、ブランクが延びる主要方向に垂直な方向に対し角度αを成して傾斜している。そうすれば、喫煙者にとっては片手だけでパケットを扇形に開くことが一層容易となる。
【0047】
第1の代替実施形態では、各開口部63は夫々の大パネル4’だけに形成されている。第2の代替実施形態では、各開口部63は夫々の第2フラップ5”だけに形成される。
【0048】
略中央領域において、各第2のフラップはU字状の型の凹み64を備えている。パケット1の組み立ての際、各U字状凹み64はブランク43の凹部54に対向し、パケット1完成時には外部パッケージ26のつかみ開口部42の一部を形成する。
【0049】
図8、
図9及び
図10に示されたブランク43、44及び56では、内、外箱25、26及び外部パッケージ3を組み立てるために接着剤が塗布されるべき部分を斜線領域で示している。
【0050】
内箱25は、パネル27に対してパネル28’、29’を互いに、これらをパネル27’自体に結合する横断方向の弱め線48周りで直角に折り畳むことによって組み立てられる。次にサイドフラップ30、31’は、これらが2つのパネル28’、29’間の空間を覆うように、これらフラップをパネル28’に結合する長手方向弱め線45周りに直角に折り畳まれ、次にサイドフラップ30”、31”が既に折り畳まれた状態にある各サイドフラップ30’、31’上へと直角に折り畳まれる。前述したようにブランク43上の接着剤は、内箱25を、このようにして得られた形に保持する。
【0051】
パネル35’、36’はこれらをパネル33’に結合する横断方向の弱め線50周りで直角に折り畳まれるという点で、外箱26は内箱25と同じ方法で組み立てられる。サイドフラップ37”、38”は、これらが2つのパネル35’、36’間の空間を覆うように、これらフラップをパネル36’に結合する長手方向弱め線49周りに直角に折り畳まれる。フラップ51は、これらを各フラップ37’、38’に結合する横断方向弱め線50周りに直角に折り畳まれてパネル33’上に配置される。そして、サイドフラップ37’、38’は既に折り畳まれた状態にある各サイドフラップ37”、38”上へと直角に折り畳まれる。これらの作業は、既に組み立てられかつその内部にタバコ2の列13を収納する内箱25の周りで外箱26を形作ることにより行われる。外箱26が完成したならば、サイドフラップ52は外箱26を閉じるという形でお互いに重なり合うように直角に折り畳まれる。上で特定したように、ブランク44上の接着剤は、外箱25を、このようにして得られた形状に保持する。
【0052】
尚、内箱25の外側にあるその面上で、ブランク43の内、弱め線47で包囲されたパネル27’の一部には、箱25,26が組み立てられた後にそれをブランク44のパネル33’に接着させる接着剤が設けられていることに留意されたい。
【0053】
その結果として、ブランク43は内箱25が作られている間は取り扱いが容易である。何故なら、弱め線47が手つかずのままである限りにおいてはずっと底パネル47’が各パネル28’、29’を互いに接続した状態であり、結果としてブランク43に良好な形状安定性と充分な剛性を与えているからである。
【0054】
ひとたび内部パッケージが完成したならば、上述したように、そして以下に更に詳細に説明するように、内箱25が外箱26内で上方にスライドさせられた時に初めて弱め線47は裂かれ、内箱25は外箱26から完全に自由となり、内箱25の各壁28は、弱め線47の外側にあるパネル27の領域によってのみ互いに対し接続されたままとなる。その後は、内箱25は、弱め線47の外側にあるパネル27’の領域だけを除いて、つまり壁27の支持部分47’を除いて底が開口する。
【0055】
換言すれば、上述したように、内箱25の底壁は、引き裂き可能な弱め線47が同じ下壁27の領域を区切るように作られる下壁27によって形成される。その領域外にある下壁27の一部分が支持部分47’を形作り、その領域は接着剤によって外箱26の下壁33に接続される。
【0056】
図11に示されるように、外部パッケージ3は、最初にサイドフラップ5’を長手方向弱め線61周りに折り畳み、それらが各大パネル4’にぴったり合うまで折り畳むことによって組み立てられる、第1サイドフラップ5’は、各フラップ5’自体に塗布された接着剤によって大パネル4’に接着され、ひいては外部パッケージ3の内部補強材を構成する。
【0057】
次に、第1内部パッケージ11と第2内部パッケージ12は、各外箱26の下方パネル33上にある接着剤によって、パネル7’の夫々のサブパネル8’、9’に並んだ状態で当てられる。
【0058】
図9に示すように、接着剤はパネル33’それ自体の一部分にだけに限って下方パネル33’に塗布される。具体的には、接着剤は、扇形のパケット1の開口部を隠さないように、各内部パッケージが当たるブランク56の各サブパネル8’、9’に略等しい長さ、好ましくはそれよりも短い長さを以て、パネル33’に塗布される。
【0059】
ひとたび内部パッケージ11、12が外部パッケージ3に当てられたならば、第2フラップ5”は長手方向弱め線61周りで直角に折り畳まれ、各内部パッケージ11、12の外箱26の側壁38にぴったり合わされる。
【0060】
側壁38自体を形成するブランク44のパネル38’に塗布された接着剤のおかげで、各第2サイドフラップ5”は側壁38にしっかり接着する。
【0061】
そして、側方翼23’、24’は直角に折り曲げられて夫々の内部パッケージ11、12の上部20にしっかりと接着し、上述したストラップ23、24を形成する。
【0062】
使用時、パケット1からタバコ2を取り出すために、喫煙者がしなければならない全ては、同時に開口部63の両方を押すことで、パケット1を扇状に開けさせ、取り出し開口部21の両方に対してアクセス可能にすることである。
【0063】
タバコ2を取り出す必要がない場合には、内箱25は、その下壁27が外箱26の下壁13に接触するような最も低い格納位置(
図4、5)を占めるはずである。これらの条件下で、内箱25の内部にあるタバコ2は、それらの軸線に対して垂直に、内箱25の壁31に向かって並進スライドすることができる。このスライドの結果として、内箱25の壁31に最も近いタバコ2は、壁31それ自体に隣接する壁の領域の上方、言い換えれば支持部分47’の上方に移動する。
【0064】
上述した事項によれば、内箱25の下壁の一部分は破れ、外箱26の下壁33に接続されたままの状態であるため、底部には段差が生じず、したがってタバコは支持部分47’の上へと容易に移動可能である。
【0065】
この時点で、喫煙者がしなければならない全ては、開口部40を介して内箱25のフロント領域41上で指を押し、内箱25を格納位置から持ち上げ位置へと上方に付勢すること、及び壁7の支持部分47’上にあるタバコ2の上方部分を外箱26の上壁34のつかみ開口部42から突き出させることである(
図7)。
【0066】
好ましくは、スロット55は、図面には示さないが、パケットが開かれる最初に引き裂かれるべきパネルによって覆われるかもしれない。
【0067】
図7に示すように、壁7の支持部分47’を除いて内箱25の底部は開いているため、群13内の他のタバコ2は外箱26の下壁33に接触した状態で下降位置にとどまる。
【0068】
一旦、パケット1から部分的に突出するタバコ2が取り出されたならば、別のタバコ2を壁7の支持部分47’上へと移動させるために、上述したようにフロント領域41上の指を押すことで内箱25は元の格納位置まで戻されなければならない。
【0069】
パケット1は、喫煙者に対してタバコ2を取り出す方法と、支持部分47’の上に次のタバコ2を装填する手段65を指示した指示手段65を備える。
【0070】
指示手段は、
図5で“A”の標識を付け、タバコ2を取り出すための内箱25のスライド方向を示す第1矢印と、
図5で“B”の標識を付け、支持部分47’上に次のタバコ2を装填するための内箱25のスライド方向を示す第2矢印とによって規定される。
【0071】
矢印A、Bは、パケット1を扇形(
図2)に開いた際に見ることができる。
【0072】
矢印A、Bは各内箱25のフロント領域41にあり、各外箱26の開口部40を通して見ることができる、
【0073】
より具体的には、パケット1は扇形に開いた際には、内箱25は後退位置にあって第1矢印Aだけが見ることができる(
図4)。これは、喫煙者に対して、タバコ2を取り出すために内箱25がスライドされなければならない正規方向を示すものである。
【0074】
内箱25が持ち上げ位置に移動された際には、第1矢印Aは外箱26の大きな壁35の一部分によって隠され、第2矢印Bだけが開口部40(
図2、3)を介して見ることができる。これは、喫煙者に対して、次のタバコ2を支持部分47’上に装填するために内箱25がスライドされなければならない正規方法を示すものである。
【0075】
内箱25が格納位置へと戻る際には、第2矢印Bは外箱26のより大きな壁35の一部分の後ろに隠れ、矢印Aだけが開口部40を通して見ることができる。
【0076】
更に、図示されない変形実施形態では、タバコ2が取り出され、内箱25が元の格納位置に戻った後、壁31に向って戻る残りタバコ2のスライドを容易にするために、パケット1は内箱25の内部に弾性要素を収納する。この弾性要素は、好ましくは、(例えば)板紙やプラスチック材料からなるシートを(例えば)ジグザグ状に折り畳むことで作られるバネであり、内箱25内のタバコ2を壁31に向けて、言い方を変えれば支持部分47’の作用領域に向けて横断方向に付勢することができるバネである。
【0077】
尚、図示しない本発明の更なる変形実施形態では、支持部分47’と引き出し領域Zのサイズについては、パネル7’を延長したその長手方向に沿って測定した場合、タバコ2の直径の複数倍に実質的に等しいサイズとなる場合もあることに留意されたい。この場合、内箱25を上方に移動することで、2本以上のタバコ2の上方部分が領域Zを通って外にでることになる。そしてこれらタバコ2の内の1本を取り出した後は、喫煙者は内箱25を再度下げるだろうし、それにより部分的に突き出していた残りのタバコ2も外箱26の中に戻ることになる。
【0078】
図示されない更なる変形実施形態では、内箱25内のタバコ2は又、単一列ではなく2列以上並んだ状態で配置される場合もある。このような場合でも、支持部分47’はその上に2本以上のタバコ2を並べる可能性があり、内箱25を上方に移動することで、2本以上のタバコ2の上方部分が領域Zを通って外にでることになるだろうし、これらタバコ2の内の1本を取り出した後は、喫煙者は内箱25を再度下げることで部分的に突き出していた残りのタバコ2も外箱26の中に戻ることになる。