(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6174641
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】車両充電装置及び充電方法
(51)【国際特許分類】
H02J 7/02 20160101AFI20170724BHJP
H02J 7/00 20060101ALI20170724BHJP
H01M 10/44 20060101ALI20170724BHJP
H01M 10/48 20060101ALI20170724BHJP
B60L 11/18 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
H02J7/02 B
H02J7/00 P
H01M10/44 Q
H01M10/44 A
H01M10/48 P
B60L11/18 C
H02J7/00 S
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2015-158922(P2015-158922)
(22)【出願日】2015年8月11日
(65)【公開番号】特開2016-52246(P2016-52246A)
(43)【公開日】2016年4月11日
【審査請求日】2015年8月11日
(31)【優先権主張番号】10-2014-0115268
(32)【優先日】2014年9月1日
(33)【優先権主張国】KR
(73)【特許権者】
【識別番号】593121379
【氏名又は名称】エルエス産電株式会社
【氏名又は名称原語表記】LSIS CO.,LTD.
(74)【代理人】
【識別番号】100099759
【弁理士】
【氏名又は名称】青木 篤
(74)【代理人】
【識別番号】100092624
【弁理士】
【氏名又は名称】鶴田 準一
(74)【代理人】
【識別番号】100114018
【弁理士】
【氏名又は名称】南山 知広
(74)【代理人】
【識別番号】100165191
【弁理士】
【氏名又は名称】河合 章
(74)【代理人】
【識別番号】100151459
【弁理士】
【氏名又は名称】中村 健一
(74)【代理人】
【識別番号】100170380
【弁理士】
【氏名又は名称】黒田 裕也
(72)【発明者】
【氏名】チェ スン ウ
【審査官】
田中 慎太郎
(56)【参考文献】
【文献】
特開2011−125178(JP,A)
【文献】
特開2013−099078(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H02J 7/00− 7/12
7/34− 7/36
B60L 11/18
H01M 10/42−10/48
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部の電源供給源から供給される電源が入力される電源入力部と、
前記電源入力部を介して入力された電源を車両に伝達するリレー部と、
前記リレー部の動作を制御し、前記車両の充電を制御するためのパイロット信号を生成するパイロット回路と、を含み、
前記パイロット回路は、前記車両の充電電流値が予め設定された充電電流値にあたるか否かを判断して、前記車両の充電電流値が予め設定された充電電流値にあたらない場合に、前記車両の電力変換部を制御して前記車両の充電電流値が予め設定された範囲に減少されるようにして、その後前記車両の充電電流値が前記予め設定された範囲に減少されない場合に、前記電力変換部による電力変換が0になるように徐々に減少されるように制御するための制御信号を前記パイロット信号を利用して生成することで車両充電の中断を誘導する第1動作と、前記第1動作によっても車両充電の中断が行われない場合には前記リレー部をオープンすることで前記車両に電源が伝達されないようにする第2動作とを順次に行う、車両充電装置。
【請求項2】
前記制御信号は、前記パイロット回路のPWMデューティ比を100%に設定する、請求項1に記載の車両充電装置。
【請求項3】
前記制御信号は、前記車両側に予め伝達したPWMデューティ比に比べて予め設定された割合以上にPWMデューティ比が増加した信号を生成する、請求項1に記載の車両充電装置。
【請求項4】
前記パイロット回路は、前記第1動作を行った後、前記車両充電が中断されたか否かを確認し、確認の結果、前記車両充電が持続されていると判断される場合には前記第2動作を行う、請求項1に記載の車両充電装置。
【請求項5】
バッテリが具備された車両に接続される車両充電装置を利用して前記車両の充電を制御する方法であって、
前記車両は、前記車両充電装置から伝達される電源を変換する電力変換部と、前記電力変換部の動作を制御する充電制御部と、前記車両の充電を制御するためのパイロット信号を利用して前記車両充電装置とパイロット通信を行うための第2パイロット回路と、を含み、
前記車両充電装置は、前記第2パイロット回路と通信する第1パイロット回路と、前記電力変換部に電源を伝達するリレー部と、を含み、
前記車両の充電電流値を確認するステップと、
前記確認された充電電流値が予め設定された充電電流値に当たるか否かを判断するステップと、
前記確認された充電電流値が予め設定された充電電流値に当たらない場合、前記充電制御部が前記電力変換部を制御して前記確認された充電電流値を予め設定された範囲で減少させるステップと、
前記車両の充電電流値が前記予め設定された範囲に減少されるか否かを確認するステップと、
前記車両の充電電流値が前記予め設定された範囲に減少していない場合、前記パイロット信号が前記電力変換部による電力変換が0になるように徐々に減少されるように制御するための制御信号を前記パイロット信号を利用して生成するステップと、を含む車両充電方法。
【請求項6】
前記制御信号を前記パイロット信号を利用して生成するステップは、前記第1パイロット回路がデューティ比100%を有するPWM信号を生成して伝達する、請求項5に記載の車両充電方法。
【請求項7】
前記制御信号を前記パイロット信号を利用して生成した後、前記車両の充電が持続されるか否かを確認するステップを更に含み、
前記車両の充電が持続されるか否かは、前記第1パイロット回路又は前記充電制御部によって確認される、請求項5に記載の車両充電方法。
【請求項8】
前記車両の充電が持続されるか否かを判断した結果、前記車両の充電が持続される場合、前記第1パイロット回路の制御によって前記リレー部がオープンされることで前記電力変換部に伝達される電源を制御する、請求項7に記載の車両充電方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、車両充電を中断すべき場合に電気自動車内部の電力変換部が充電を中断するように誘導することを介し、電気自動車及び充電装置の内部の回路を保護する車両充電装置及びその方法に関するものである。
【背景技術】
【0002】
持続的な原油価格の上昇及び化石燃料の枯渇に備えるために、従来の石油燃料に依存する内燃機関自動車やオートバイクの代わりに、電気バッテリ及び電気モータを利用して駆動される電気自動車や二輪車などの電気移動手段に関する研究及び商用化が活発に行われている。
【0003】
電気自動車を利用することには、石油燃料に比べ相対的に安価な維持費と二酸化炭素の低減効果による環境問題の改善など多くの利点がある。よって、各国では電気自動車市場が次第に活性化している傾向にあり、このような傾向は次第に拡大すると予想される。
【0004】
電気自動車を充電するためには別途充電装置が必要である。このような充電装置は、給油所などのような充電ステーション又は家庭に設置されており、充電しようとする電気自動車とコネクタを介して連結された後、必要な電力が提供される。
【0005】
この際、充電装置は電気自動車に供給される電流の量を制御するためにパイロット制御信号(パイロット信号)を用いる。充電装置はパイロット信号を生成して電気自動車とパイロット通信を行うが、この際、パイロット信号の最大値によって充電状態を定義する。このようなパイロット信号を利用して車両の充電状態に関してモニタリングすることができる。
【0006】
車両の充電中に過電圧、低電圧、過電流又は様々な突発的状況が発生すると、車両とコネクタで連結された充電装置内部のリレー回路をオープンすることで車両に伝達されるAC電源を遮断する。
【0007】
しかし、このように強制的にリレー回路をオープンすることで車両に伝達されていたAC電源の供給が瞬間的に中断されてしまうと、充電装置内部の回路だけでなく車両内部の回路の誤動作乃至故障を誘発する恐れがある。即ち、リレー回路の強制オフを介したリレー回路の負荷でリレー回路が融着するなどの問題が発生するか、車両内部の回路にかえって過負荷がかかるなどの問題が発生する恐れがある。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
本発明は上述した問題点を解決するために提案されるものであって、車両の充電中に突発的状況が発生して車両充電を中断すべき場合に、車両側が充電を中断するように誘導することでリレー回路を保護し、車両内部の回路も急な電源供給の中断に備えるようにする装置及びその方法を提案する。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本実施例の車両充電装置は、外部の電源供給源から供給される電源が入力される電源入力部と、前記電源入力部を介して入力された電源を車両に伝達するリレー部と、前記リレー部の動作を制御し、前記車両の充電を制御するためのパイロット信号を生成するパイロット回路と、を含み、前記パイロット回路は前記パイロット信号に当たるPWM信号のデューティ比を変更することで車両充電の中断を誘導する第1動作と、前記第1動作によっても車両充電の中断が行われない場合には前記リレー部をオープンすることで前記車両に電源が伝達されないようにする第2動作とを順次に行う。
【0010】
また、本実施例の車両充電方法はバッテリが具備された車両に連結されて前記車両の充電を制御する充電制御装置を利用して前記車両の充電を制御する方法であって、前記車両は、前記充電制御装置から伝達される電源を変換する電力変換部と、前記電力変換部の動作を制御する充電制御部と、前記充電制御装置とパイロット通信を行うための第2パイロット回路と、を含み、前記充電制御装置は、前記第2パイロット回路と通信する第1パイロット回路と、前記電力変換部に電源を伝達するリレー部と、を含み、前記車両の充電電流値を確認するステップと、前記確認された充電電流値が予め設定された充電電流値に当たるか否かを判断するステップと、前記測定された充電電流値が予め設定された充電電流値に当たらない場合、前記充電制御部が前記電力変換部を制御して充電電流値を減少させるステップと、前記減少させた充電電流値に対応して前記車両の充電が減少するか否かを確認するステップと、前記車両の充電が減少していない場合、前記第1パイロット回路は第2パイロット回路側に伝達するPWM信号のデューティ比を変更するステップと、を含む。
【発明の効果】
【0011】
提案されるような実施例によって、車両充電の中断が必要であればリレー回路を物理的にオープンすることで車両の電力変換部などの回路の負荷を減らすことができ、これにより安定的な車両充電の中断を誘導する長所がある。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【
図1】本実施例によって車両を充電するシステムの例を示す図である。
【
図2】本実施例によって車両を充電するシステムの例を示す図である。
【
図3】本実施例による車両充電装置と車両の細部構成を説明するためのブロック図である。
【
図4】本実施例の車両充電方法を説明するためのフローチャートである。
【
図5】第1実施例によって車両充電の中断を要請するパイロット信号の例を示す図である。
【
図6】第2実施例によって車両充電の中断を要請するパイロット信号の例を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、本発明の実施例について添付した図面と共に詳細に説明する。
【0014】
図1と
図2は、本実施例によって車両を充電するシステムの例を示す図である。
【0015】
まず、
図1を参照すると、第1実施例の充電システムは、AC充電装置10と前記AC充電装置10を介して充電される車両200とで構成される。
【0016】
前記AC充電装置10は、外部のAC電源供給源から伝達されるAC電源によって、車両200のインレット210に連結されるコネクタ140を介して、車両のバッテリを充電する。AC充電装置10は、充電ステーション又は家庭に設置され、AC充電装置10と車両200との間のパイロット通信のための充電のために伝達される電流の量を制御する。
【0017】
一方、車両充電装置は、
図1のような充電ステーションの形態だけでなく、携帯可能なコードセット装置であってもよい。
【0018】
即ち、
図2に示したように車両充電装置は車両200と住宅20の電源コンセントとの間に充電ケーブルを接続することで、車両200に搭載されたバッテリを車両外部の使用電源(例えば、系統電源)によって充電する。
【0019】
以下、車両外部の電源を「電力供給源」又は「外部電源」と称し、電力供給源又は外部電源による車両の充電を「外部充電」と称する。
【0020】
実施例の車両充電装置100は、リレー回路及びパイロット回路を含むCCID(Charging Circuit Interrupt Device)である。前記車両充電装置100は、外部電源に連結されるプラグと、プラグ及び車両充電装置100を連結するケーブルと、車両200に接続されるコネクタ140とを含む。
【0021】
車両200は、車両充電装置100(CCID)と通信するための通信装置を有し、車両200の状態を車両充電装置100に伝達し、又は車両充電装置100の充電に関する制御命令に従う。
【0022】
車両充電装置100は、外部電源を利用した車両充電を制御するための役割をし、外部電源の供給を遮断するか許容するCCIDリレーと、車両又は外部電源の状態を確認するためのパイロット回路とを含む。
【0023】
ここで、CCIDリレーはパイロット回路によってオン/オフされ、パイロット回路は車両200の充電ECUにパイロット信号を出力する。そして、このパイロット信号は、充電ケーブル(グリッドケーブル、コネクタケーブル)の電流許容値(定格電流)を車両200の充電ECUに通知すると共に、充電ECUによって操作されるパイロット信号の電位に基づいて車両200の状態を検知するための信号である。
【0024】
図3は、本実施例による車両充電装置と車両の細部構成を説明するためのブロック図である。
【0025】
図3に示すように、車両充電装置100は、外部の電源供給源からAC電源が入力される電源入力部110と、入力された電源を連結された車両200に中継するためのリレー部120と、車両200に供給される電流の量を制御するための第1パイロット回路101と、車両200に連結されるコネクタ140とを含む。
【0026】
一方、車両200は、車両充電装置のコネクタ140と連結されるインレット210と、前記インレット210を介して伝達されるAC電源をDC電源に変換して車両に格納されているバッテリ230を充電する電力変換部220と、前記電力変換部220の動作を制御する充電制御部240とを含む。
【0027】
前記車両充電装置100をより詳細に説明すると、電源入力部110は外部のAC電源供給源に連結されてAC電源が供給される。この際、AC電源入力部110は外部から電源が入力されるか否かを表示する電源表示部を更に含む。
【0028】
リレー部120は、電源入力部110とコネクタとの間に配置され、第1パイロット回路101の制御命令に従って動作する。そして、前記第1パイロット回路101の制御に応じて電源入力部110に伝達される電源がコネクタ140側に伝達され、又はその伝達が中断する。
【0029】
前記第1パイロット回路101は車両の第2パイロット回路201と電気的に連結され、その間でパイロット通信が行われる。そして、前記第1パイロット回路101及び第2パイロット回路201を総称してパイロット回路部と称することもできる。コネクタ140とインレット210との結合で相互に電気的連結が行われる場合、第1パイロット回路101と第2パイロット回路201とが連結されることで完全な制御パイロット回路が構成される。
【0030】
第1パイロット回路101と第2パイロット回路とで構成されるパイロット回路部は、パイロット信号を利用してパイロット通信を行い車両の充電を制御する。第1パイロット回路101はパイロット信号を生成し、生成したパイロット信号は車両の第2パイロット回路201に伝達され、前記第2パイロット210に連結された充電制御部240でこれを確認する。そして、前記充電制御部240によって、電力変換部220のAC−DC変換を介した電力変換を行うか否か、又は充電のために変換される電流の量を制御する。
【0031】
この際、パイロット信号はパルス幅が変調(PWM)された信号になり、IEC 61851−1標準に従う場合、車両の電力変換部220が供給される電流の量は6Aから51AまでのAC充電電流範囲内でパイロット信号のパルス幅を調節することで車両200の充電制御部240に通知する。例えば、充電可能電流は(%デューティ比)*0.6になり、%デューティ比はパイロット信号のパルス幅のデューティ比を示し、この%デューティ比を調節することで電力変換部220から伝送される電流の量を制御する。
【0032】
一方、コネクタ140はインレット210と結合して近接感知回路を構成してもよい。パイロット回路部101,201は、結合されたコネクタ140とインレット210とによって構成された近接感知回路での電圧降下を介してコネクタ140の脱去動作を予め感知し、リレー部120を開放(オフ)することで、インレット210からコネクタ140を脱去する前に予め電流の供給を中止する。
【0033】
特に、本実施例によると、第1及び第2パイロット回路の間で車両の充電制御に関する事項と共に車両充電状態に関する情報を確認し、車両充電の中断が必要であれば前記第1パイロット回路101から前記電力変換部220の電力変換を減らして、最終的に電力変換が中断されるようにする制御信号が伝達される。そして、このような充電中断を要請するパイロット信号のPWMデューティ比を100%に設定することによって、予定された充電中断過程が行われる。
【0034】
それについては添付したフローチャートを参照する。
【0035】
図4は、本実施例の車両充電方法を説明するためのフローチャートである。
【0036】
まず、車両の充電が開始されるとパイロット回路部による充電電流値が確認及び伝達される。即ち、車両充電装置のコネクタ140が車両インレット210に連結され、車両充電装置のリレー部によって外部電源が車両に伝達される。そして、車両の電力変換部220によってAC電源がDC電源に変換され、変換されたDC電源によってバッテリ230の充電が行われる。
【0037】
このような充電過程のうち、現在の充電電流値は、前記電力変換部220と、前記電力変換部220の動作を制御する充電制御部240とによって感知される。そして、測定された電流値は、第2パイロット回路201を介して第1パイロット回路101に伝達される。
【0038】
そして、前記第1パイロット回路101は測定された充電電流値が予め設定された充電電流値に当たるか否かを判断し(S102)、もし充電電流値が予め設定された充電電流値と同じであれば充電の正常状態と判断し、許容される最大電流許容値範囲内で充電が維持されるようにする(S103)。
【0039】
一方、測定された充電電流値が予め設定された充電電流値と異なる場合、前記第1パイロット回路101は第2パイロット回路201側に充電電流を減少させる制御信号を伝達する(S201)。即ち、第1パイロット回路101は減少させたPWMデューティ比を充電制御信号として第2パイロット回路201に伝達し、前記充電制御部240は伝達されたPWM制御信号に基づいて前記電力変換部220によるDC変換率(又はDC変換量)を減少させる。例えば、現在のPWMデューティ比から10%減少したPWMデューティ比を第2パイロット回路201に伝達する。
【0040】
次に、前記第1パイロット回路101は、実際に車両の充電が減少された充電電流で行われているか否かを確認する(S202)。即ち、前記第1パイロット回路101は、第2パイロット回路201に現在の充電電流値を測定して伝達することを要請し、前記第2パイロット回路201は、充電制御部240及び電力変換部220を介して測定される充電電流値を第1パイロット回路101に伝達する。そして、前記第1パイロット回路101は追加的に伝達される測定された充電電流値が以前のステップで減少したPWMデューティ比だけ減少したかを確認する。
【0041】
確認の結果、減少したPWMデューティ比だけ充電電流値が減少したのであれば、前記第1パイロット回路101は減少した充電電流値で車両の充電が持続されるようにする制御信号を第2パイロット回路201に伝達する。
【0042】
しかしながら、確認の結果、第1パイロット回路101が充電電流値を減少させることを要請する制御信号(PWM信号)を伝達した後にも、実際の充電電流値が減少せず、又は要請した程度の減少が発生していなければ、前記第1パイロット回路101は車両充電の異常状態と判断する。
【0043】
即ち、前記第1パイロット回路101は車両充電を中断すべき状態と判断し、前記第2パイロット回路201に制御信号であるPWM信号のデューティ比を100%に生成して伝達する(S203)。この際、前記充電制御部240は、第2パイロット回路201を介して伝達されるPWM信号のデューティ比が100%であれば、前記電力変換部220による電力変換を徐々に減少させ、最終的に電力変換が0になるようにする。
【0044】
PWM信号のデューティ比を減少させて充電電流値が減少するようにしたにもかかわらず電力変換部220による正常な充電電流の減少が行われなかったため、車両内部の回路に問題が発生したか、回路の誤動作の状態と判断する。そして、この場合、前記第1パイロット回路101は、PWM信号のデューティ比を更に下げて車両充電を中断する命令が正常に伝達されないと判断し、PWM信号のデューティ比を逆に100%に設定して制御信号を車両側に伝達する。
【0045】
このように、第1パイロット回路101から100%のデューティ比を有する制御信号が伝達される場合、車両の充電制御部240は前記電力変換部220による電力変換を予め設定された時間の間に徐々に下げるように命令し、前記電力変換部220による充電電流値が次第に減少する。このような方法を介して、車両充電に異常が発生すれば直ちに充電装置のリレー部120をオープンして電源が伝達されないようにすることに比べ、安定的に車両充電の中断を誘導することができる。
【0046】
一方、前記第1パイロット回路101は100%のデューティ比を有するPWM信号を伝達した後、予め設定された時間(例えば、3秒)が経過してから、前記バッテリ230の充電が行われているか否かを確認する(S204)。なぜならば、デューティ比100%を有するPWM信号が車両の充電を中断する命令として使用されたにもかかわらず車両の充電が持続されているのであれば、このような制御命令も車両回路の内部的誤動作で正常に行われない恐れがあるためである。
【0047】
前記第1パイロット101から伝達される、充電が持続しているか否かに対する確認要請について、前記充電制御部240は、前記電力変換部220によるDC変換がなされているか否かをチェックする。そして、そのチェックされた事項は、前記第2パイロット回路201を経由して前記第1パイロット回路101に伝達される。そして、前記第1パイロット回路101は、車両の充電が持続されていると判断する場合、前記リレー部120をオープンすることでAC電源が車両に伝達されないようにすることで車両充電を中断する(S205)。
【0048】
しかしながら、前記第1パイロット回路101の確認の結果、車両充電が中断された場合には、PWMデューティ比100%の制御信号が正常に伝達され、車両の充電制御部240及び電力変換部220によって充電中断が行われたということであるため、前記車両充電装置100を安全モードに移行する(S206)。ここで、車両充電装置の安全モードでは、現在車両の充電が中断されたことをユーザが分かるように、LEDランプなどが表示される。
【0049】
一方、前記第1パイロット回路101が車両充電の中断命令としてPWM信号のデューティ比を100%に変更した後、車両の充電が持続されているか否かを監視することは、前記充電制御部240によって行われる。即ち、S204で充電が続けられているか否かを確認する構成としては、前記第1パイロット回路101から充電が持続しているか否かに対する確認要請がない場合でも、前記充電制御部240は、PWMデューティ比が100%である信号が第2パイロット回路201を介して伝達されたのであれば、電力変換部220によるバッテリ充電の中断を誘導しながら実際に車両充電が中断されるか否かを持続的にモニタリングする。
【0050】
そして、前記充電制御部240は、車両充電が中断されるか否かをモニタリングした結果を、前記第2パイロット回路201を介して前記第1パイロット回路101に伝達することで、前記第1パイロット回路101によってリレー部120をオープンするか否かが決定されるようにする。
【0051】
一方、本実施例では、車両充電の中断が必要であると判断される場合、車両充電装置のリレー部の動作を中断、即ちリレー回路をオープンする前に車両自体が電力を減らすように誘導する。そして、車両充電の中断を要請するパイロット信号のPWMデューティ比が100%に設定される。但し、このようなデューティ比の設定は実施例の変更に応じて異なるように設定してもよい。
【0052】
図5は第1実施例によって車両充電の中断を要請するパイロット信号の例を示す図であり、
図6は第2実施例によって車両充電の中断を要請するパイロット信号の例を示す図である。
【0053】
まず、
図5の場合には第1パイロット回路101で所定のデューティ比を有するPWM信号を生成しながら、車両充電の中断が必要であれば100%のデューティ比を有するPWM信号を生成する。それに関する事項は上述した通りである。
【0054】
但し、実施例によっては車両の充電制御部240は、第2パイロット回路201を介して伝達されるPWM信号のデューティ比が予め設定された割合以上に急に増加する場合でも電力変換部によるDC変換を中断するように命令する。例えば、
図6のように、デューティ比A%を有するPWM信号で予め設定された割合を逸脱するデューティ比B%を有するPWM信号が第2パイロット回路を介して伝達される場合、前記充電制御部240は、電力変換部による電源変換とそれによるバッテリの充電が次第に減少するように制御する。
【0055】
上述したように、本発明によると、車両充電の中断が必要な場合にはリレー回路を物理的にオープンすることで車両の電力変換部などの回路の負荷を減らすことができ、これにより安定的な車両充電の中断を誘導することができる長所がある。
【符号の説明】
【0056】
10 AC充電装置
20 住宅
100 車両充電装置
101 第1パイロット回路
110 電源入力部
120 リレー部
140 コネクタ
200 車両
201 第2パイロット回路
210 インレット
220 電力変換部
230 バッテリ
240 充電制御部