特許第6174672号(P6174672)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6174672動静脈(AV)フィステルを作るためのシステムおよび方法
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6174672
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】動静脈(AV)フィステルを作るためのシステムおよび方法
(51)【国際特許分類】
   A61B 17/11 20060101AFI20170724BHJP
   A61B 18/08 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   A61B17/11
   A61B18/08
【請求項の数】8
【全頁数】19
(21)【出願番号】特願2015-250535(P2015-250535)
(22)【出願日】2015年12月22日
(62)【分割の表示】特願2013-515482(P2013-515482)の分割
【原出願日】2011年6月15日
(65)【公開番号】特開2016-93528(P2016-93528A)
(43)【公開日】2016年5月26日
【審査請求日】2016年1月13日
(31)【優先権主張番号】61/480,486
(32)【優先日】2011年4月29日
(33)【優先権主張国】US
(31)【優先権主張番号】61/354,903
(32)【優先日】2010年6月15日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】512324188
【氏名又は名称】アベヌ メディカル インコーポレイテッド
【氏名又は名称原語表記】AVENU MEDICAL,INC.
(73)【特許権者】
【識別番号】512324199
【氏名又は名称】バハ リサーチ,エルエルシー.
(74)【代理人】
【識別番号】100082072
【弁理士】
【氏名又は名称】清原 義博
(72)【発明者】
【氏名】ハル,ジェフリー,イー.
(72)【発明者】
【氏名】リシャール,マーク,エー.
(72)【発明者】
【氏名】ロルスタッド,デビッド
【審査官】 近藤 利充
(56)【参考文献】
【文献】 特開2008−049157(JP,A)
【文献】 米国特許第05893369(US,A)
【文献】 特表2003−518976(JP,A)
【文献】 特開2006−181370(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2008/0033425(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61B 13/00 − 90/98
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
近位端、遠位端、および開口が設けられた表面を有する第1の部分、
前記第1の部分に旋回可能に連結された非伸縮性の第2の部分であって、第1の部分の管腔および第1の身体管腔を通って、第2の身体管腔に送達されるように構成された、第2の部分、
前記第1の部分とは別体で前記第1の部分に連結された第1のエネルギー送達部分、
前記第2の部分とは別体で前記第2の部分に連結された第2のエネルギー送達部分であって、第1のエネルギー送達部分に直接接合して対向する第2のエネルギー送達部分、および、
前記第2の部分を、前記第2の身体管腔の壁から離れて配された第1の位置から、前記第2の身体管腔の壁に隣接する第2の位置まで移動させるように構成されたアクチュエータであって、前記第1の部分と第2の部分との間に切断および溶接を実施するのに十分な圧力およびエネルギーを適用するためのアクチュエータを備え、
前記アクチュエータは前記第2の部分に備えられるシャフトに連結され、該シャフトは第1の部分の管腔内に摺動可能に位置づけられ、前記第2の部分は前記第1の部分の表面に対向し、前記第2の位置において前記第2の部分の長さ寸法が前記第1の部分の開口の長さ寸法以上であり、かつ前記第2の位置において前記第2の部分が前記開口を横切って延びることを特徴とする装置。
【請求項2】
前記装置が第1の構造であるときに、前記第1の部分と非伸縮性の前記第2の部分は第1の距離だけ離れるように構成され、前記装置が第2の構造であるときに、前記第1の部分と前記第2の部分は第2の距離だけ離れるように構成され、前記第1の距離は前記第2の距離とは異なる、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記第1の部分は、前記第1の部分の軸に対し交差する角度で前記第1の身体管腔の壁と係合するように構成された遠位端部を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
非伸縮性の前記第2の部分は、前記第2の部分の軸に対し交差する角度で前記第2の身体管腔の壁と係合するように構成された表面を含む、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
前記第1の部分は第1の表面を有し、前記第2の部分は第2の表面を有し、第1の表面と第2の表面は実質的に平行または同一平面上にある、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記第1のエネルギー送達部分または前記第2のエネルギー送達部分の少なくとも一方の温度を制御するように構成されたフィードバック制御デバイスをさらに備える、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
非伸縮性の前記第2の部分は、第1の構造と第2の構造との間で移動可能であり、前記第2の部分は、前記第1の構造で第1の横方向の寸法を有し、前記第2の構造で第2の横方向の寸法を有する、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記シャフトは、前記第2の部分が前記第1の部分から離れるように移動すると、一方向に前記第2の部分を付勢するように構成される、請求項に記載の装置。
【発明の詳細な説明】
【背景技術】
【0001】
身体では、様々な流体は様々な本質的な機能を行なうために有機体の全体にわたって導管を介して輸送される。血管、動脈、静脈および毛細管は、処理のために種々の器官および組織に栄養素および廃棄物を運んで、身体の全体にわたって血液を運ぶ。胆管は肝臓から十二指腸まで胆汁を運ぶ。尿管は腎臓から膀胱まで尿を運ぶ。腸は口から肛門まで栄養素と廃棄物を運ぶ。
【0002】
医療行為において、多くの場合、互いまたは既存の導管の疾患または機能障害を処置する、置換導管に導管を接続する要求がある。導管間で作成された接続は吻合と呼ばれる。
【0003】
血管では、吻合は、静脈および動脈、動脈および動脈、または静脈および静脈の間で作られる。これらの接続の目的は、動脈と血管の間で、高いフロー接続(high flow connection)、またはフィステルのいずれかを作ること、或いは置換導管の障害物のまわりの血液を運ぶこと、或いはバイパスを作ることである。バイパスのための導管は、静脈、動脈または人工グラフト(graft)である。
【0004】
吻合は、2つの静脈または導管を直接接触させることにより、手術中に作成される。血管は、縫合糸またはクリップにより互いに連結される。吻合は、末端同士、末端と側部或いは側部同士であり得る。血管では、吻合は楕円の形態であり、連続縫合糸で手によって縫われるのが最も一般的である。炭酸ガスレーザーおよび様々な接続用の人工器官(prothesis)、クリップおよびステントを使用する多くの方法を含む、吻合生成のための他の方法が使用されている。
【0005】
動脈−静脈のフィステル(AVF)は、静脈に動脈を接続することにより作成される。この種の接続は、運動耐容量を増加させるか、動脈または血管の開路を維持するか、あるいは化学療法に信頼できるアクセスを提供するために血液透析に使用される。
【0006】
代替的に、動脈と血管の間の高いフロー接続を作成する同じ目的のために動脈から血管に人工グラフトの移植を接続する。これは、動脈−静脈グラフトと呼ばれ、2つの吻合を必要とする。1つは動脈とグラフトの間であり、2つ目はグラフトと静脈の間である。
【0007】
バイパスは、動静脈グラフトに似ている。通過障害を迂回するために、2つの吻合および1つの導管が必要である。近位吻合は血管から導管まで作成される。導管は、通過障害のまわりまで延び、2つ目の遠位の吻合は、導管と通過障害を越えた血管の間で作成される。
【0008】
上で注意したように、現在の医療行為では、血液透析の目的でフィステルを作成するために静脈に、動脈を接続することが望まれる。血液透析のプロセスは、迅速な速度で身体からの血液の除去を必要とし、透析装置に血液を通過させ、そして身体に血液を戻す。血液循環へのアクセスは、大動脈、静脈及び動脈またはフィステル(そこでは、静脈が直接動脈に取り付けられる)に取り付けられた人工グラフトに設けられたカテーテルによって達成される。
【0009】
血液透析用フィステルは腎不全の患者に必要とされる。フィステルは、老廃物を除去し、ついで身体に戻すために、身体から透析装置に引き抜かれ得る高い血流を提供する。血液は、動脈の近くの大きいアクセス針を介して引き抜かれ、第2の大きいリターン針を介してフィステルに返される。これらのフィステルは、典型的には前腕、上腕に作成され、それほど頻繁ではないが、腿に作成され、まれな症例において、他の部位に作成される。フィステルが毎分500ml以上の流量を達成することは重要である。透析フィステルは、皮膚に接近しなければならず(<6mm)、および大きい針でアクセスするのに充分大きくなければならない(>4mm)。アクセス針とリターン針の適切な分離を可能にし、フィステルに挿入された針の間で、透析された血液、透析されていない血液の循環を防止するために、フィステルは充分に長い(>6cm)ことが必要である。
【0010】
フィステルは、組織を囲んでいる静脈および動脈から注意深く静脈及び動脈を切り裂き、微細な縫合糸またはクリップと共に血管を縫うことにより、麻酔をかけられた患者に作成される。このように作成された接続が吻合である。切り裂きを少なく、苦痛を少なく、素早く、確かに吻合を行うことは、高度に望まれる。吻合が正しい大きさであること、滑らかであること、そして、動脈と血管がねじられないことが重要である。
【発明の概要】
【0011】
本発明は、その一態様において、動静脈(AV)フィステルを作るための装置を含み、当該装置は、第1の管腔と第2の管腔を有する第1の部材または本体と、前記第2の管腔に配され、前記第2の管腔から末梢部へ移動されるように構成され、当該末梢部へ移動される間に組織を切り裂くための第2の部材または穿刺部材とを備えている。第3の部材は、前記穿刺部材の遠位端から延び、隣接する第1および第2の血管を互いの方に向かって移動させ、当該第1の血管と第2の血管のおのおのの対向する側部に細長く延びた連通開口を生成するように動作可能である。1つの特定の実施形態では、第3の部材は、前記穿刺部材の遠位端にヒンジ接続され、前記穿刺部材に対して第1の配向と第2の配向の間で旋回可能なトグル部材を含む。トグル部材は、その1つの端部に尖端を有し得る。
【0012】
RFエネルギーまたは抵抗性の熱エネルギーの源は、細長く延びた連通開口を作る目的でトグル部材への適用のために提供され得る。当業者に知られた他の切断機構も提供され得る。
【0013】
第3の部材は、前記穿刺部材の遠位端から前記本体の第1の管腔の遠位端への延伸可能であるプリフォームされた(pre−formed)針を含む。スネア(snare)または他の適切な器具が、針を近位方向に引っ込めるために第1の管腔に配される。
【0014】
本発明の他の態様において、隣接する第1および第2の血管の間にAVフィステルを作るための方法は、前記第1の血管内にデバイスの本体を位置づける工程と、前記第1の血管の壁と、隣接する第2の血管の壁とを貫いて前記本体から遠位状に穿刺部材を延伸させる工程を含み、その結果、前記穿刺部材の遠位端が前記第2の血管内に配される。前記第1の血管および第2の血管の対向する壁に細長く延びた連通開口を穿設するために前記穿刺部材の遠位端に対して移動するために第3の部材を動作する。好ましくは、前記位置づける工程は皮膚を通して行なわれる。前記第3の部材は、好ましくは旋回可能なトグル部材を含み、そして前記動作する工程が前記穿刺部材の遠位端に対して旋回させる工程を含む。また、動作する工程は、さらに前記トグル部材に近位方向に向けられた張力を加える工程を含み、その結果、前記トグル部材は前記第2の血管を前記第1の血管の方に引く。
【0015】
一つの代替において、発明性のある方法は、前記細長く延びた連通開口を生成するために、前記第1および第2の血管の前記対向する壁に沿って切断動作を引き起こすために、RFエネルギーによって前記トグル部材にエネルギーを与える工程をさらに含む。他の代替において、このさらなる工程は、同じ目的のために抵抗性の熱エネルギーにより前記トグル部材にエネルギーを与えることにより行なわれる。特定の実施形態において、前記第3の部材は、プリフォームされた穿刺針を備え、前記動作する工程は、当該プリフォームされた穿刺針を移動する工程を含み、その結果、前記穿刺針の端部が第1の管腔の遠位端に入る。これらの実施形態において、当該デバイスは、さらに前記第1の管腔内に配されたプルワイヤー(pull wire)にスネアを備え、前記動作する工程は、前記プリフォームされた穿刺針を捕捉するためのスネアを使用する工程を更に含む。
【0016】
前記方法は、プルワイヤーを近位方向に引く工程をさらに含み、それによって、細長く延びた連通開口を作るために前記第1の血管および第2の血管の対向する壁に沿って切断する作用を引き起こすためにプリフォームされた穿刺針を近位方向に移動させる。
【0017】
本発明の他の態様において、動静脈(AV)フィステルを作るためのシステムが提供され、当該システムは、中空内部及び出口ポートを有する血管アクセスシース、前記シースの中空内部内に適合するように構成された側部アクセス針カテーテル、前記側部アクセス針カテーテルを通して血管内に挿入されるように構成された針、前記シースの前記中空内部内に適合するように構成されたトグル送達カテーテル、および前記トグル送達カテーテルを介して血管内に送達されるように構成されたトグル装置を含む。前記トグル装置は、シャフトと、当該シャフトの遠位端に旋回可能に取付けられたトグル部材を備える。
【0018】
RFエネルギーまたは抵抗性の熱エネルギーの源は、動脈および静脈などの2つの隣接した血管の間に細長く延びた連通開口を作ること、あるいはトグル部材に対向する血管表面にエネルギーを適用することを含み得る目的のために、前記トグル部材への適用のために提供され得る。当業者に知られた他の切断機構も提供され得る。
【0019】
側部アクセス針カテーテルは、好ましくは第1の管腔および第2の管腔を含む。前記トグル部材は、シャフトを使用して延伸された遠位位置と、引っ込められた近位位置の間で動作され得る。
【0020】
ヒーターは、2つの隣接した血管の間の細長く延びた連通開口を作る目的でトグル送達カテーテル内に提供され得る。そのような場合に、ヒーターは、構造上、トグル送達カテーテルから分離されるか、或いは代替的にトグル送達カテーテルと一体的なヒーター挿入物を含み得る。構造上分離した実施形態では、ヒーター挿入物はトグル送達カテーテルから取り除かれ得る。好ましくは、ヒーター挿入物は、トグル部材が近位位置へ引込められる場合に、トグル部材と係合するのに適し、抵抗性の材料を含む表面を備えている。ヒーター挿入物は、また溶接切断領域およびガイドワイヤ・スロットと、ヒーター挿入物へ動力ワイヤーを伝達する装置を含み得る。
【0021】
好適な実施形態において、RFまたは抵抗性の熱エネルギーの前述の源は、2つの隣接した血管の間の細長く延びた連通開口を作る目的で、前記トグル部材およびヒーター挿入物の両方に適用される。
【0022】
本発明のさらに他の態様では、隣接する第1および第2の血管の間にAVフィステルを作る方法が開示され、当該方法は、第1の血管内に第1のガイドワイヤを挿入する工程、前記第1のガイドワイヤ上に前記第1の血管内の中空血管アクセスシースを位置づける工程、前記シース内に針を挿入する工程、および第1の血管の側壁と隣接した第2の血管の側壁を貫通する針を使用する工程を含む。付加的な方法の工程は、針の遠位端が第2の血管に入るように針を進める工程、前記針によって第1の血管から第2の血管へと第2のガイドワイヤを挿入する工程、処置位置から、第1のガイドワイヤおよび針を引き抜く工程、第2のガイドワイヤ上のシースにトグル送達カテーテルを挿入する工程を含む。この際に、シャフトと、当該シャフトの遠位端に旋回可能に取付けられたトグル部材を含むトグル装置は第2のガイドワイヤ上を進められ、その結果、トグル部材は第2の血管内に配される。トグル部材は、第2の血管の壁に接触させるために近位へ移動され、開口は2つの血管のうちの1つの壁を通って作られる。代替のアプローチは、燃焼と、蒸発を介してトグル部材の大きさ及び形状にラフに組織を除去する工程を含み得る。トグル部材移動工程は、トグル部材の長さが第2の血管の壁に接するようにトグル部材を旋回する工程を含む。
【0023】
発明性のある方法による1つのアプローチにおいて、開口作成工程は、両方の血管の壁を貫いて開口を作成する工程を含み、第1および第2の血管の各々の壁の開口は、共に、前記AVフィステルを作成するために前記血管の間に連通開口を作成する。有利には、エネルギーを与えられた部材(あるいは複数の部材)は、連通開口を作成するために、組織を切断するか除去するとともに、開口を定義する組織の縁は、加工された縁を作成し、したがって、AVフィステルが完成した後、さらなる組織の損傷を防ぐため、かつ密閉して失血を防ぐように組織を密閉するために溶接され密閉される。
【0024】
上記の顕著なエネルギーを与えられた部材は、トグル部材、またはトグル送達カテーテルに配されたヒーター、あるいは、好ましくは、両方を含み得、その結果、開口を作成する工程は、トグル部材およびヒーターにエネルギーを与えて開口が形成されるべき組織の対向する側部にエネルギーを与えられたトグル部材およびエネルギーを与えられたヒーターを適用する工程を含む。ヒーターは、好ましくは、トグル送達カテーテルから除去可能なヒーター挿入物を含む。
【0025】
本発明は、追加の特徴およびその利点と共に、添付の例証的な図面と共にあげられた以下の説明に言及することによって最良に理解される。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の装置の1つの実施形態の図であり、当該装置は、血管の所望の処置位置で経皮的に或いは外科的に配されている。
図2図2は、本発明のシャフトとトグルの部材を分離して例証している図である。
図3図3は、図1に類似の図面であり、図2で図示されたトグル部材は、第1の血管から、隣接した第2の血管へと伸びている。
図4図4は、図3に類似の図面であり、張力は、トグル部材を動かして第2の血管を近接した第1の血管へと引っ張るために、トグル部材に適用されている。
図5図5は、図1乃至4の発明性のある装置が処置上の部位から引き抜かれた後に、本発明の装置および方法によって作られるフィステルを図示する。
図6図6は、第1の血管と第2の血管の間で作られる連通管腔を図示する。
図7図7は、本発明の装置の第2の修正された実施形態を図示する、図1に類似する図面であり、前記装置は、第1の血管にある所望の処置上の位置にて、皮膚を通して又は外科的に位置付けられている。
図8図8は、図7に類似する図面であり、前記装置の第2の穿刺要素は、第1の血管から、隣接した第2の管へと伸びている。
図9図9は、図7と8に類似する図面であり、予め形成された穿刺針は、第2の穿刺要素から前記装置の本体の遠位端へと伸びている。
図10図10は、図9に類似する図面であり、スネアは、穿刺針を捉えて固定し、その後、それを通って近位に引っ張るため、前記装置の本体を通って伸びている。
図11図11は、分離した本体の遠位先端の側面図である。
図12図12は、図11に示される遠位先端の平面図である。
図13A図13Aは、本発明のまた別の実施形態で使用される、血管アクセスシースの平面図である。
図13B図13Bは、図13Aのシースの等角図である。
図14A図14Aは、図13Aのシースと共に使用するための針カテーテルの側部アクセス部分(the side access portion)の断面図である。
図14B図14Bは、図14Aのライン14A−14Aに沿って得られた断面図である。
図15図15は、ガイドワイヤ上で、図13Aの血管アクセスシースに挿入されるカテーテルの断面図である。
図16A図16Aは、カテーテルに挿入される側部アクセス針およびガイドワイヤの、図15に類似する断面図である。
図16B図16Bは、図14−16に示される側部アクセス針カテーテルの等角図である。
図17図17は、図13−16の実施形態のトグル送達カテーテルの断面図である。
図18図18は、図17に類似する断面図であり、トグル送達カテーテルは、シースに挿入されている。
図19図19は、図17と18に類似する断面図であり、トグル部材は、側部アクセスガイドワイヤ上に挿入されている。
図20図20は、図19に示されるような装置の等角図である。
図21図21は、図13乃至20で図示されるトグル送達カテーテルの実施形態を使用して、本発明の原理に従ってAVフィステルを作る、発明性のある方法の第1の工程を示す等角図である。
図22図22は、図21に類似する図面であり、針は、患者の手の血管に挿入されている。
図23図23は、針を通して血管へガイドワイヤを挿入する状態を図示する図面である。
図24図24は、図23に類似する図面であり、前記針は、引き抜かれて取り除かれている。
図25図25は、図23と24に類似する図面であり、シースは、ガイドワイヤに挿入されている。
図26図26は、図23乃至25に類似する図面であり、シースは、血管へと更に進められている。
図27図27は、図26に類似する図面であり、前記側部アクセス針カテーテルは、シースを通って挿入されている。
図28図28は、図27に類似する図面であり、前記側部アクセス針は、第2の隣接した血管へ進められている。
図29図29は、図28に類似する図面であり、第2のガイドワイヤは、側部アクセス針を通って進められている。
図30図30は、図29に類似する図面であり、前記第1のガイドワイヤ、側部アクセス針、および側部アクセス針カテーテルはすべて取り除かれ、第2のガイドワイヤは適所に残る。
図31図31は、図30に類似する図面であり、トグル部材を有するトグル送達カテーテルが挿入され、トグル部材は第2のガイドワイヤ上に進められている。
図32図32は、図31に類似する図面であり、前記トグル部材は、第2の血管へ進められている。
図33図33は、図32に類似する図面であり、前記トグル部材は、回転し、その長さを調節することで、前記トグル部材が挿入された血管の面と並列になり、その後、2つの血管を固着する(cinch)ために近位に引き抜かれる。
図34図34は、図33に類似する図面であり、前記トグルは、2つの血管の壁を通って引っ張られている。
図35図35は、トグルとアクセスシースが取り除かれた後の、完成したAVフィステルを図示する。
図36図36は、図13乃至20のトグル送達カテーテルの実施形態(210)の等角図であり、トグルヒーター挿入物の構造の詳細を図示する。
図37図37は、図36に類似する等角図であり、熱シールドは、実例となる明瞭さのために取り除かれている。
図38図38は、トグルヒーター挿入物へ動力ワイヤーを運ぶための多数の管腔を図示する、トグル送達カテーテルの実施形態のトグル挿入シースの等角図である。
図39図39は、トグルヒーター挿入物の1つの実施形態の等角図である。
図40図40は、トグルヒーター挿入物の別の実施形態の等角図である。
図41図41は、トグルヒーター挿入物を備えた、カテーテルトグル送達システムの実施形態の等角図である。
図42図42は、末端プラグおよび動力ワイヤーを示す、カテーテルトグル送達システムと共に使用するためのカテーテルチューブの等角図である。
図43図43は、適所にトグルヒーター挿入物を備えた、図42のカテーテルチューブの等角図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
図面をより具体的に参照すると、図1乃至6において、本発明の原理に従って構築される装置(10)の1つの実施形態が示される。図1で示されるように、装置(10)は、第1の管腔(14)と第2の管腔(16)を有する本体(12)を含む。AVフィステルを作成する発明性のある方法を始めるために、当業者は、互いに近接している第1の血管(18)と第2の血管(20)の各々を有する、適切な処置上の部位を選択する。現在の好ましい手法において、第1の血管(18)は静脈を含み、第2の血管(20)は動脈を含むが、本発明は必ずしもこの取り決めに限定されない。図示されるように、本体(12)は第1の血管(18)に挿入され、その結果、その遠位端(22)は第1の血管の血流通路(blood flow passage)内に存在する。好ましくは、この挿入工程は、経皮技術を使用して行なわれるが、所望の場合、外科技術も使用され得る。
【0028】
特に図2を参照すると、装置(10)の一部を含む、穿刺トグル部材(24)が示される。穿刺トグル部材(24)は、シャフト(26)およびトグルバー(28)を含む。トグルバー(28)は、好ましくは、その1つの端部の上に尖端(30)を有するように構築される。それは、ヒンジ点(32)によって、シャフト(26)の遠位端へ旋回可能に付けられる。
【0029】
図2で示されるように、トグルバー(28)は、2つの主要な配向の間で旋回可能である。第1の、または閉じた配向(34)は、実線で示され、一方、第2の、又は開いた配向(36)は、点線で示される。以下により十分に記載されるように、閉じた配向(34)は、装置の引き抜き工程と同様に最初の装置の挿入工程中に利用される一方で、開いた配向(36)は、フィステルを作成するのに操作的な配向である。トグルバー(28)は、適切な方法によって、閉じた配向(34)に付勢される。
【0030】
図1を再び参照すると、第2の管腔の遠位端にて、その閉じた配向(34)において、配置されたトグルバー(28)と共に、穿刺トグル部材(24)が、本体(12)の第2の管腔(16)に挿入されることが分かる。
【0031】
ここで、図3に関して、穿刺トグル部材(24)が遠位に進められ、その結果、それは、第2の管腔(16)の遠位端を出て、本体の壁に提供される開口(図示せず)を通ることが分かる。さらに、その閉じた配向(34)において、トグルバー(28)の尖端(30)を使用して、トグルバー(28)とシャフト(26)は、第1の血管(18)を通って進められ、第1の血管の壁、第1の血管と第2の血管(20)の間の組織(30)、及び第2の血管(20)の壁を穿刺し、その結果、トグルバー(28)とシャフト(26)の遠位端は、第2の血管(20)の中に配置される。
【0032】
一旦、穿刺トグル部材(24)の遠位端、およびトグルバー(28)が第2の血管(20)内に位置すると、図4に示されるように、トグルバー(28)は、その開いた配向(36)に対して旋回される、または展開され得る。その後、引張力は、所望のフィステルを形成する細長い開口の生成のための選択された位置で、第2の血管壁と接触するようにトグルバー(28)を移動させるために、矢印(40)に沿って、穿刺トグル部材(24)のシャフト(26)上で近位に適用される。この動作は、第1の血管(18)へと、第2の血管(20)をより近接して引っ張るように最初に機能する。その後、1つの実施形態において、無線周波数(RF)エネルギーは、トグルバー(28)に適用される。RFエネルギーは、任意の介在組織(38)と同様に、第1の血管(18)と第2の血管(20)の各々の対向する壁を通る、細長い開口(42)を焼くように機能する。この細長い開口(42)は、図5と6に示される。所望の場合、抵抗加熱(ホットワイヤ)、超音波、レーザー、または機械的な手法のような選択を切り離す手法は、RFエネルギーの代わりに使用され得る。
【0033】
細長い開口(42)は、形成されと、典型的にはスリットに類似している。しかしながら、加圧された血流(44)が、スリット(42)を通って生じ始め、第1血管(18)と第2血管(20)との間の連通路を作り出すと、スリットは、圧力に反応して広くなり、所望のフィステルを形成する。開口の縁部(46)は焼灼され、その後、装置(10)は処置上の部位から取り除かれる。
【0034】
ここで、特に図7−12を参照すると、本発明の装置(110)および方法の代替的な実施形態が記載され、参照符号1から始まる、類似する参照符号は、類似する構成要素に対応する。本実施形態は、多くの方法で図16Aの実施形態と同様に機能するが、同様に著しく異なる。これらの違いは、以下の説明で強調される。
【0035】
前の実施形態でのように、装置(110)は、一次管腔(114)および二次管腔(116)を有する本体(112)を含む。図7に示されるように、装置(110)は、所望の処置上の部位で、第1血管(118)に、好ましくは経皮的に挿入される。第2穿刺部材(48)は、二次管腔(116)へ挿入される。この第2穿刺部材(48)は、尖端遠位端(50)を有する。
【0036】
図8において、第2穿刺部材は、矢印(52)の方向に沿って、遠位に進められ、その結果、尖端遠位端(50)は、二次管腔(116)の遠位端および本体(112)の壁内の開口(図示せず)を出て、第1血管(118)およびその壁、組織(138)、および第2血管(120)の壁を通って伸びる。したがって、示されるように、第2穿刺部材(48)の尖端遠位端(50)は、十分に伸びた時、言及される組織を通って貫通した後に、第2血管(120)内に配される。
【0037】
ここで図9に示されるように、一旦、第2穿刺部材(48)の尖端遠位端(50)が、第2血管(120)内に位置付けられると、遠位端上にあご(56)を有する、予め形作された穿刺針(54)が作動され、第2穿刺部材(48)の尖端遠位端(50)から遠位に伸び、第2血管壁を通って、装置(110)の本体(112)の、遠位端(122)および結果的に一次管腔(114)へと戻る。本体(112)の遠位端(122)は、図11および12により詳細に示される。図12に示されるように、当業者は、穿刺針(54)を方向づける際に、標的領域(57)を狙う。遠位端上にスネアループ(60)を有する、プルワイヤー(58)は、スネアループ(60)があご(56)に係合し、それを捕捉するまで、一次管腔(114)を通って遠位に伸ばされる。その後、図10に示されるように、プルワイヤー(58)は、近位に引っ込められ、あご(56)を有する穿刺針(54)を堅く捕捉し、穿刺針によって形成されたループ(62)を締める。プルワイヤー(58)を近位に引っ込め続けることによって、第1血管(118)および第2血管(120)の両方の壁を形成する組織と、任意の介在組織(138)を通ってワイヤーループ(62)を引き、所望の細長いスリットまたは開口(142)を形成する。必要であれば、ループ(62)は、切断作用を増強するためにエネルギーを与えられ得る。
【0038】
図13−20において、本発明の原則に従って構築された、動静脈フィステルの装置またはシステム(210)のまた別の実施形態が示される。装置(210)は、血管アクセスシース(264)(図13Aおよび13B)および側面アクセス針カテーテル(266)(図14A、14B、16B)を含む。側面アクセス針カテーテル(266)は、一次管腔(268)および二次管腔(270)(図14Aおよび14B)を含む。
【0039】
図15では、側面アクセス針カテーテル(266)は、第1ガイドワイヤー(272)にわたって、血管アクセスシース(264)へ挿入された。示されるように、第1ガイドワイヤー(272)は、二次管腔(270)を通って伸びる。
【0040】
図16Aおよび16Bは、システム(210)(特に、システムの側面アクセス針カテーテルアセンブリー)をさらに示す。示されるように、側面アクセス針(274)は、シース(264)(シースは明瞭さのために図16Bに示されず)の近位端を通って挿入され、一次管腔(268)を通って、およびシース(264)中の側面ポート(276)から出て遠位に伸びる。第2ガイドワイヤー(278)は、示されるように、側面アクセス針(274)の近位端を通って挿入され、その遠位端から出ている。側面アクセス針カテーテルアセンブリーは、側面アクセス針(274)、側面アクセスカテーテル(266)、および第2ガイドワイヤー(278)の各々を含む。
【0041】
ここで、図17および18を参照すると、本発明の原則に従って構築されたトグル送達カテーテル(280)が示される。図18では、トグル送達カテーテル(280)は、第2ガイドワイヤー(278)にわたって、血管アクセスシース(264)へ挿入された。トグル送達カテーテルは、側面ポート(282)を含み、これは、示されるように、血管アクセスシース(264)およびトグル送達カテーテル(280)が組み立てられるときに、血管アクセスシースの側面ポート(276)と実質的に一致する。
【0042】
図19および20では、示されるように、遠位端に付けられる旋回可能なトグル部材(285)を有する、トグル装置(284)は、トグル送達カテーテル(280)を通って、第2ガイドワイヤー(278)にわたり挿入された。
【0043】
図13−20に関して上に示され記載される装置は、ここで、動静脈フィステルを作り出すためにシステム(210)が使用され得る特定の方法の説明と併用してさらに記載される。この方法は、図21−35によって具体的に示される。
【0044】
動静脈フィステルを作り出す創造性のある方法を始めるために、当業者は、互いに接近している第1血管(287)および第2血管(288)の各々を有する適切な処置上の部位を選択する。現在の好ましい手法では、第1血管(287)は静脈を含み、第2血管(288)は動脈を含むが、本発明は必ずしもこの配置に限定されない。図21に示されるように、1つの現在の好ましい位置は患者の手(290)である。ここで、図22に示されるように、セルジンガー法の原則を一般に利用して、第1血管(287)は、針(292)によって穴をあけられ、針はその中に挿入される。その後、第1ガイドワイヤー(272)は、中空針(292)の管腔を通って血管(287)へと挿入され、矢印(293)の方向に進められる(図23)。その後、図24に示されるように、針(292)は、矢印(294)の方向に引っ込めることによって取り除かれる。
【0045】
創造性のある方法の次の工程は、図25に示されるように、第1ガイドワイヤー(272)にわたって第1血管(287)へと血管アクセスシース(264)を導入し、矢印(295)の方向にシース(264)を進める工程である。図26に示されるように、側面ポート(276)が血管内に完全にあるように、一旦、シース(264)が第1血管(287)へ完全に挿入されると、図27に示されるように、側面アクセス針カテーテル(266)は、第1ガイドワイヤー(20)にわたって矢印(296)の方向にシース(264)へと導入される(図15も参照)。
【0046】
ここで、特に図28、16A、および16Bを参照すると、側面アクセス針(274)は、側面アクセス針カテーテル(266)から出て、側面ポート(276)を通り、矢印(297)の方向に進められる。図28に示されるように、側面アクセス針(274)は、尖った遠位先端(299)を有し、これは、第1および第2の血管(287)、(288)の各々の側壁にそれぞれ穴をあけ、その結果、側面アクセス針(274)の遠位端は、第2血管(288)の内部に配される。そこで、図29および16Aに示されるように、第2ガイドワイヤー(278)は、側面アクセス針(274)の管腔を通って第2血管(288)の内部へ、矢印(300)の方向に進められる。
【0047】
図30では、第2ガイドワイヤー(278)は、シース(264)および第2ガイドワイヤー(278)を残すようにして、第1ガイドワイヤー(272)、側面アクセス針(274)、および側面アクセス針カテーテル(266)がすべて、処置上の部位から引き込まれ、第1血管(287)から第2血管(288)へと依然として伸びる。
【0048】
ここで、特に図31、17、および18を参照すると、トグル送達カテーテル(280)は、第2ガイドワイヤー(278)にわたって、血管アクセスシース(264)を通り挿入される。トグル装置(284)は、図19および20に示されるのと同様、図31に示されるように、シースの側面ポート(276)から出て進められる。トグル装置(284)は、トグル部材(285)を含み、これは、ピボットジョイント(304)によってトグル軸(302)上に旋回可能に配される。
【0049】
図32では、トグル装置(284)は、第2ガイドワイヤー(278)(図示されず)にわたって、第2血管(動脈)(288)の内部へ進められた。血管(288)に入るために、トグル部材(285)は、第1の、閉じた配向において、シャフト(302)と実質的に平行であるように旋回され、シャフト(302)が、その遠位端に多少よりかさばった形状、および随意に、尖った遠位先端(305)を有することであることを本質的に示している。第1と第2の血管の両方の壁が処置における側面アクセス針(274)によって既に破られているため、トグル装置は、随意の尖った遠位先端(305)または他の切断手段の助けなしであっても、第2血管(288)へ容易に進められ得る。一旦、トグル部材(285)の第2血管(288)への進入が達成されると、トグル部材(285)は、第2の、閉じた配向に、図32に示されるように旋回され、その結果、その縦の配向は、一般的に、血管を通る血流の方向と平行である。
【0050】
この点で、図33に示されるように、トグル部材(285)が、その開いた配向において、所望のフィステルを形成する細長い開口の生成のために選択される位置で、第2血管(288)の内部壁に対して引かれるまで、トグル装置(284)は、第2ガイドワイヤー(278)に沿って近位に引き込まれる。この作用は、最初に、第2血管(288)を引くように働き、第1血管(287)により近接する。その後、1つの実施形態において、無線周波(RF)エネルギーがトグル部材(285)の長さに適用される。RFエネルギーは、一緒に血管を燃やす且つ融合する又は溶接するように働き、第1血管(287)および第2血管(288)の各々の対向壁と、任意の介在組織を通って細長い開口(307)を作り出す。この細長い開口(307)は図34および35に示される。必要であれば、抵抗加熱(ホットワイヤー)、超音波、レーザー、または機械的な手法などの、代替的な切断の手法が、RFエネルギーの代わりに使用され得る。エネルギーはまた、トグル送達カテーテルの対向面に適用され得る。
【0051】
細長い開口(307)は、形成されと、図34に示されるように、典型的にはスリットに類似する。しかしながら、圧流(309)が、スリットまたは開口(307)を通って生じ始め、第1血管(287)と第2血管(288)の間の連通路を作り出すと、開口は、圧力に反応して広くなり、開くと楕円の形状をとり、所望のフィステルを形成する。開口の縁部は焼灼且つ溶接され、その後、図35に示されるように、装置(210)は処置上の部位から取り除かれる。創造性のある方法の実施において生じるように意図される型の組織溶接は、米国特許第6,908,463号でTreat et al.に考察され、これは、その全体が引用によって本明細書に明確に組み込まれる。
【0052】
上に言及されるように、図33−35の考察に特に関して、本発明の重要な特徴は、開口または連通路(307)を定義する組織を溶接するための、言及されるような、RFエネルギー、抵抗加熱、または他の様式を利用し得る、エネルギーを与えられた装置を利用することである。上に言及されるように、このエネルギーはトグルに適用され得るか、またはカテーテルに配されたヒーターに適用され得る。しかしながら、本発明では、出願人は、カテーテルおよびトグル部材の両方にエネルギーを適用するようなシステムを好都合に設計した。したがって、図19および20を再度考慮すると、トグルヒーター(311)は、トグル部材(285)の内面に配され得る。さらに、図19および20に示されるように、ヒーター挿入物(313)は、カテーテル内のその側面に配される。この配置の重要な特長は、カテーテルシステムが、トグル部材(285)上のトグルヒーター(311)およびカテーテルの側面上のヒーター挿入物(313)の両方に熱またはRFエネルギーを適用する能力を有していることである。1つの抵抗性のある実施形態において、ヒーター挿入物(313)は、ワイヤーに動力を供給するために接続される抵抗材料で作られ、これは以下により詳細に記載される。このヒーター挿入物(313)の表面は、トグル部材(285)と接合するように設計され、その結果、図33−34に示されるように、トグルがヒーター挿入物(313)に対抗して近位に引かれるときに、システムは、上に言及されるように、シースを通って装置から取り除かれ得る。しかしながら、この接合配置によってまた、それぞれの発熱体上に圧力が直接加えられ、切断を誘発する。ヒーター挿入物(313)の縁部は、材質の変更または形状によって熱を分散させるように設計され得ることで、タンパク質変性に特有の低温、約120−175Fを助長する。側面アクセスのトグル送達カテーテル上のこの空間にはまた、ALNI(窒化アルミニウムのヒーター)、または厚膜とポリイミドのフレックスヒーターの型を含む、他の高濃度の発熱体が充填され得る。ヒーター挿入物(313)はまた、除去を促進する折り畳みの動作または機構を組み込むことができ、ヒーターがトグル送達カテーテルの管腔の空間内へと移動することを可能にする。ヒーター挿入物(313)のこの動作はまた、トグル部材(285)が動脈から静脈を通って、カテーテルへ移動することを可能にすることによって切断を増強するために使用され得る。最終的に、トグル表面へのヒーター挿入物(313)の直接の接合および対向は、上に記載されるように、発熱体に直接の圧力を適用するための主要な機構である。
【0053】
ここで特に図36−38を参照すると、カテーテルのトグル送達システム(210)の実施形態が示され、これは、加熱システム、および特にヒーター挿入物(313)の具体的な特徴をもう少し明確に例示している。トグル送達カテーテル(280)は、遮熱材(315)を含む。上に考察されるように、ヒーター挿入物(313)は、トグル部材(285)を接合するための溶接切断領域(317)をさらに含む。終端プラグの傾斜挿入物(319)も例示される。カテーテルチューブ(280)は、ヒーター挿入物(313)をシャフトの内部に置くことを可能にするために機械加工される。動力ワイヤー入力穴部(Power wire inputs holes)または管腔(321)(図36および37)は、ヒーターに関する動力接続を受けるためのヒーター挿入物(313)において形成される。図38は、分離した、カテーテルチューブ(280)を示し、特に、ヒーターシステムにエネルギーを供給するために、カテーテルチューブが、動力ワイヤー入力穴部(321)に動力ワイヤーを運ぶように働く、複数の管腔(323)とともに機械加工されることを特に示す。2つのこのような管腔(323)は、例示的目的のために、図38に示されているが、本発明の範囲は、特定用途のための設計検討に依存して、異なる数を熟考することを留意されたい。例えば、1つのこのような代替的な実施形態では、4つの管腔(323)が使用されるだろう。
【0054】
図39は、全体としてシステムとは別のヒーター挿入物(313)の1つの実施形態を例証し、したがって、その構造をより明確に示している。
【0055】
図40では、ヒーター挿入物(313a)の改良された実施形態が示されている。この実施形態は、ガイドワイヤースロット(325)と同様に、穴部よりもむしろ、とりわけ動力接続スロット(321a)を含む。この特定の設計の開いた遠心端は、ヒーター挿入物の操作をより簡単にするように機能する。
【0056】
図41乃至43は、本発明に従って、カテーテルトグル送達システムの幾分改良された実施形態(210a)を例証する。この実施形態において、同様の要素は同様の参照数字によって特定され、その後、文字aが続き、異なる特徴のみが議論される。具体的には、この実施形態は、図40の改良されたヒーター挿入物(313a)を収容するように設計され、その遠心端にガイドワイヤースロット(327)を含んでいる。カテーテルチューブ(280a)の遠心端のエンドプラグ(329)が図42および43で示され、これらの図もガイドワイヤースロット(331)を含んでいる。ヒーター挿入物(313)(313a)にエネルギーを与えるために、動力ワイヤー管腔(323)と動力ワイヤー入力穴部(321)とを通る動力ワイヤー(333)が図42に示される。
【0057】
従って、本発明による典型的な実施形態と方法が示され記載されてきたが、当然のことながら、本明細書で使用されるすべての用語は限定的であるよりもむしろ説明的なものであり、多くの変更、修正、および、置換は、以下の請求項によってのみ限定される本発明の精神と範囲を逸脱することなく、当業者によってなされてもよい。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8
図9
図10
図11
図12
図13A
図13B
図14A
図14B
図15
図16A
図16B
図17
図18
図19
図20
図21
図22
図23
図24
図25
図26
図27
図28
図29
図30
図31
図32
図33
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図36
図37
図38
図39
図40
図41
図42
図43