【氏名又は名称】メルツ ファーマ ゲゼルシャフト ミット ベシュレンクテル ハフツング ウント コンパニー コマンディト ゲゼルシャフト アウフ アクティーン
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0052】
発明の詳細な説明
第一の態様によると、本発明は、組成物の調製方法に関し、該組成物は、架橋された第一のポリマー;架橋又は非架橋であることができる、場合により存在する第二のポリマー;及び、水を含み、第一のポリマー及び第二のポリマーは多糖類から選ばれ、該方法は、少なくとも工程(i)〜(iv)、
(i)第一のポリマー及び水を含む混合物を架橋すること、
(ii)工程(i)の架橋に続いて、架橋を停止すること、
(iii)場合により、工程(ii)で得られた製品を第二のポリマーとブレンドすること、
(iv)工程(ii)又は工程(iii)で得られた製品を透析に付すこと、
を含む。
【0053】
用語「組成物」は、本開示において使用されるときに、架橋された第一のポリマー、架橋又は非架橋であることができる、場合により存在する第二のポリマー、及び、水を含む、製品を包含する。
【0054】
1つの実施形態において、組成物はハイドロゲルなどのゲルである。用語「ゲル」は、本明細書中に使用されるときに、粘性及び弾性の両方の特性を有する製品を包含する。従って、この用語は粘弾性製品を包含する。大衆的な科学では、ゲルは、しばしば、ゼリー状材料として特徴付けられる。ゲルの粘弾性特性は、ゲルの損失弾性率及び貯蔵弾性率を決定することによって決定することができる。
【0055】
損失弾性率G”及び貯蔵弾性率G’の比は損失係数tanδ=G”/G’で表現することができる。損失係数が高いほど、製品の特性はニュートン流動に近づく。製品の粘度は、η
*の用語で表現することができる。tanδ及びη
*を決定するための適切な方法は当該技術分野で知られている。
【0056】
本発明に係る組成物又はゲルなどの組成物は、本発明の方法において、第一のポリマーとして多糖類の使用を強制的に必要とし、そしてもしも第二のポリマーを使用するならば、第二のポリマーとしても多糖類の使用を必要とする。
【0057】
本明細書中に使用されるときに、用語「多糖類」はグリコシド結合によって結合された繰り返しモノマー単位からなり又は含む炭水化物分子を包含する。一般的には、多糖類は10個より多くの単糖単位を含む。多糖類の例はデンプン、グリコーゲン、セルロース、キチン又はヒアルロン酸などの多糖類、又は、それらの混合物である。
【0058】
好ましい実施形態において、多糖類はヒアルロン酸である。ヒアルロン酸は、ナトリウム塩などの塩の形態で提供することができる。酸及びナトリウム塩などの塩の混合物を提供することも可能である。
【0059】
従って、用語「ヒアルロン酸」は、本明細書中に使用されるときに、「ヒアルロナン」又は「ヒアルロネート」などの用語と同義語として使用される。以下では、ヒアルロン酸は用語「HA」と略記することがある。
【0060】
HAは二糖類の非架橋ポリマーである。それは、25.000の長さのまでの二糖類単位を有することができる。HAの分子量は、5,000〜20,000,000Daの範囲であることができる。
【0061】
HAは当該技術分野でよく認識されている意味を有する。それは異なる分子量(Mw)及び/又は異なる分子量分布を有するグレードで市販されている。本発明による方法の工程(i)において出発材料として使用されるときに、非架橋形態で入手可能である。
【0062】
工程(i)
工程(i)は第一のポリマー及び水を含む混合物の架橋を必要とする。
【0063】
用語「架橋」は、本明細書中に使用されるときに、単数の化学結合又は複数の化学結合により多糖類の少なくとも2つの異なるポリマー鎖の結合を包含する。結果として、第一ポリマーの分子量が増加し、したがって、粘度及び/又は弾性が増加される。
【0064】
1つの実施形態において、架橋は架橋剤により行われる。
【0065】
ヒアルロン酸などの多糖類を架橋するための適切な架橋剤は当該技術分野で知られている。
【0066】
1つの実施形態において、エポキシド構造に基づく架橋剤は本発明に係る方法において使用することができる。
【0067】
1つの実施形態において、ジグリシジルエーテルは架橋のために使用される。
【0068】
1つの実施形態において、1,4−ブタンジオールジグリシジルエーテル(BDDE)は架橋のために使用される。この化合物は市販されている。
【0069】
1つの実施形態において、架橋剤は5〜15%(架橋剤の体積/ヒアルロン酸の質量)、例えば、6〜14%(v/w)、又は、7〜12%(v/w)の量で使用される。
【0070】
有利には、工程(i)に係る架橋反応における温度は制御される。
【0071】
1つの実施形態において、工程(i)に係る架橋は0〜40℃の温度範囲で行われる。
【0072】
別の実施形態において、工程(i)における温度は、15〜40℃の温度範囲で進行するように制御される。
【0073】
1つの実施形態において、工程(i)における温度は25〜35℃である。
【0074】
1つの実施形態において、工程(i)における温度は25〜30℃の温度範囲で架橋が進行するように制御される。
【0075】
別の実施形態において、工程(i)における温度は30℃〜35℃、又は、30を超え、35℃までの温度範囲で架橋が進行するように制御される。
【0076】
このような温度又は温度範囲は、可能なかぎり、不均一な粒子を避け、非常に均一な架橋を確保することができる。さらに、1つの実施形態において、温度の制御は、本発明に係る組成物の粘弾性特性のテーラーメイド調整を可能にする。
【0077】
1つの実施形態において、工程(i)に係る架橋がより高い温度、例えば、30を超え、35℃までの温度範囲で行われるならば、ゲルなどの得られる組成物の粘弾性特性は、架橋がより低い温度、例えば、25〜30℃の温度で行われた組成物と比較して、より強い。このような差異は、当該技術分野で公知の方法により組成物の貯蔵弾性率及び損失弾性率を決定することによって特徴付けることができる。したがって、1つの実施形態において、工程(i)における反応温度の適切な選択は異なる粘弾性特性を有するゲルなどの組成物の調製を可能にする。
【0078】
用語「混合物」は、本明細書中に使用されるときに、互いに混合されているが、化学結合されていない2種以上の物質の組み合わせを包含する。従って、用語「混合物」は、多糖類である第一のポリマーと、水との物理的組み合わせを指す。混合物は、溶液、又は、懸濁液、又は、コロイドの形態で提供されうる。
【0079】
第一のポリマー、すなわち、第一の多糖類、すなわち、HAは、一般に、分子量Mwが1.0〜4.0MDa、又は、1.5MDa〜3.5MDa未満、又は、2.0MDa〜3.5MDa未満の範囲である。分子量Mwのこれらの範囲は、それぞれ、架橋前の範囲に関するものである。
【0080】
1つの実施形態において、第一の多糖類は、ここでも架橋の前に、分子量Mwが2.5MDa〜3.0MDa未満である。
【0081】
水は、パイプ水、蒸留水又は脱イオン水の形態で提供することができる。
【0082】
1つの実施形態において、工程(i)で使用される混合物は緩衝液をさらに含む。
【0083】
1つの実施形態において、緩衝液はリン酸緩衝液である。
【0084】
1つの実施形態において、前記リン酸緩衝液は塩化ナトリウム、二塩基性無水リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物及び水から作られている。
【0085】
1つの実施形態において、緩衝液はアルカリ性緩衝液である。
【0086】
1つの実施形態において、緩衝液のpHは6.8〜7.6、又は、7.0〜7.4、又は、7.1〜7.3である。
【0087】
1つの実施形態において、本発明の方法に従って調製される最終組成物のpHは6.5〜7.5、例えば、6.7〜7.2、又は、6.8〜7.1、又は、6.8〜6.9の範囲に調整されている。このようなpHは皮膚組織との組成物の適合性を支持することができる。前記pHの調整のために、1つの実施形態において、前記緩衝液が使用される。
【0088】
1つの実施形態において、工程(i)は、第一のポリマー、水、架橋剤、及び、場合により、緩衝液を混合し、そして所定の時間、混合物を撹拌することによって行うことができ、ここで、温度は所定の設定点を超えないように制御する。
【0089】
工程(ii)
工程(ii)は工程(i)で行われる架橋の停止を必要とする。
【0090】
工程(ii)に係る架橋反応の停止は強制的に要求される。というのは、さもなければ、皮膚科フィラーとしての適切な使用を可能にするには高すぎる粘度又は粘弾性を有した組成物又はゲルを得ることになりえ、組成物又はゲルの粘性又は粘弾性は、工程(i)において使用される架橋剤などの架橋をもたらすことができる化合物を含むかぎり、一定ではないからである。
【0091】
基本的に、架橋剤と反応して、それを不活性化することができる各化合物は、架橋反応を停止させるために使用することができる。
【0092】
1つの実施形態において、エポキシド型の架橋剤は、工程(i)で使用されているので、架橋の停止は、化合物の添加という手段により行うことができ、かかる化合物は、多糖類中の適切な基でのさらなる架橋を起こすことができないようにエポキシド部分を開裂させる。
【0093】
1つの実施形態において、工程(i)におけるエポキシドの開裂及びそれによる架橋の停止は酸によって行うことができる。有機酸ならびに無機酸は架橋を停止するために使用することができる。
【0094】
1つの実施形態において、塩酸などの無機酸を使用する。
【0095】
架橋反応の停止のために使用される化合物は、緩衝液、例えば、工程(i)における緩衝液中に適用することができる。
【0096】
このような溶液は「クエンチ溶液」と呼ぶことができる。従って、工程(ii)による停止は工程(i)により得られた架橋済み混合物をクエンチすることによって行うことができる。
【0097】
1つの実施形態において、工程(ii)による架橋の停止は、0℃〜30℃の温度範囲で行われる。
【0098】
別の実施形態において、工程(ii)における温度は、20℃又は15℃の温度を超えないように制御される。
【0099】
1つの実施形態において、工程(ii)における温度は0〜10℃、又は、3〜7℃、例えば、5℃である。
【0100】
工程(ii)による停止は、停止のために使用される化合物を、工程(i)による混合物に添加すること、及び、例えば、所定時間攪拌することにより行うことができる。
【0101】
架橋反応の停止は本発明に係る方法にとって重要である。というのは、このように得られる組成物又はゲルは優れた安定性を有し、すなわち、適用後に、例えば、皮膚組織における皮膚科フィラーとしての使用後に、特性、特に、その粘度又は粘弾性特性を変化させないからである。
【0102】
1つの実施形態において、工程(i)において得られる架橋品を工程(ii)において押出すること、例えば、ふるいを通して製品を押出することによりさらに支持されることができる。理論に束縛されないが、押出の間に加えられる高せん断力は、架橋剤及び架橋反応の停止のために使用される化合物を組成物又はゲル中で徹底的に混合するものと考えられる。結果として、架橋剤は完全に又はほぼ完全に不活性化され、このようにして、さらなる架橋を防止し、このようにして、分子量及び粘度及び/又は粘弾性のより一層の望ましくない増加を防止する。
【0103】
用語「ふるいを通して押出すること」は、「ふるいを通して通過させた」、又は、「ふるいを通してプレス加工した」、又は、「ふるいを通して誘導された」、又は、「ろ過された」などの用語を包含する。
【0104】
したがって、1つの実施形態において、工程(ii)は工程(ii.1):
(ii.1)工程(i)において得られた製品を酸に付すこと、
を含む。
【0105】
別の実施形態において、工程(ii)は工程(ii.1)及び(ii.2):
(ii.1)工程(i)において得られた架橋製品を酸に付すこと、
(ii.2)工程(ii.1)で得られた製品を押出すること、又は、
工程(ii.1)で得られた製品をふるいを通して押出すること、
を含む。
【0106】
別の実施形態において、工程(ii)は工程(ii.1)及び(ii.2):
(ii.1)工程(i)で得られた製品を酸に付すこと、
(ii.2)工程(ii.1)で得られた製品を押出するか、又は、
工程(ii.1)で得られた製品をふるいを通して押出するか、又は、
500〜600μmの範囲のメッシュサイズを有するふるいを通して工程(ii.1)で得られた製品を押出すること、
を含む。
【0107】
1つの実施形態において、工程(ii.2)において使用されるふるいのメッシュサイズは約560μmであり、例えば、558.8μm(0.022”)である。
【0108】
工程(iii)
場合により行う工程(iii)は工程(ii)で得られた製品を第二のポリマーとブレンドすることを必要とする。
【0109】
1つの実施形態において、第二のポリマーの存在は必要なく、そしてこのため、工程(iii)を工程(i)〜(iv)の反応シーケンスにおいて省略する。
【0110】
別の実施形態において、第二のポリマーの存在は必要であり、このため、工程(iii)を工程(i)〜(iv)の反応シーケンスにおいて必ず行う。
【0111】
用語「ブレンドすること」は、本明細書中で使用されるときに、工程(ii)で得られた架橋ポリマーを、工程(iii)で使用される第二のポリマーと混合することを包含し、ここで、前記架橋された第一ポリマー及び架橋されていてもよいが、非架橋形態で提供されてもよい第二ポリマーを含む得られたブレンドは、第一のポリマー及び第二のポリマーについて異なる物理的特性を有する。
【0112】
第二のポリマーも多糖類である。このポリマーは、第一ポリマーと同じポリマーであってもよく、又は、それと異なっていてもよい。
【0113】
したがって、1つの実施形態において、第二のポリマーは、工程(i)において使用される第一のポリマーと同一のHAであり、又は、工程(i)において使用されるHAとは異なるHAである。
【0114】
1つの実施形態において、第一のポリマーは分子量が第二のポリマーと同一である。別の実施形態において、分子量は互いに異なっている。前記第二のポリマーの用語「分子量」は、前記第二のポリマーをブレンドしそして場合により架橋する前の前記ポリマーのそれぞれの分子量を指す。
【0115】
1つの実施形態において、第二のポリマーは分子量が少なくとも3.0MDa、又は、少なくとも3.5MDa、又は、少なくとも4.0MDaである。
【0116】
1つの実施形態において、第二のポリマーは分子量が少なくとも3.0MDaであり、上限値は、それぞれ、20MDa、又は、10MDa、又は、8MDa、又は、6MDa、又は4MDaである。
【0117】
1つの実施形態において、第二のポリマーは分子量が少なくとも3.5MDaであり、上限値は、それぞれ、20MDa、又は、10MDa、又は、8MDa、又は、6MDa、又は、4MDaである。
【0118】
1つの実施形態において、第二のポリマーは分子量が少なくとも4.0MDaであり、上限値は、それぞれ、20MDa、又は、10MDa、又は、8MDa、又は、6MDa、又は、4MDaである。
【0119】
1つの実施形態において、第二のポリマーは、緩衝液、例えば、工程(i)又は工程(ii)において使用できる緩衝液中で提供される。
【0120】
1つの実施形態において、工程(iii)に係るブレンディングは0℃〜40℃、又は、0℃〜30℃の温度範囲で行われる。
【0121】
別の実施形態において、工程(iii)における温度は、20℃又は15℃の温度を超えないように制御される。
【0122】
1つの実施形態において、工程(iii)における温度は0〜10℃、又は、3〜7℃、例えば5℃である。
【0123】
1つの実施形態において、工程(iii)に係るブレンディングは、架橋が工程(ii)により停止された架橋された製品を第二のポリマーとともに撹拌することによって実施される。
【0124】
1つの実施形態において、第一ポリマーの質量に基づく第二のポリマーの質量は、5%未満、又は、4%未満であり、例えば、0.01〜5%の範囲、又は、0.1〜4%の範囲、又は、0.1〜2.5%の範囲、又は、0.2〜2.0%、又は、0.5〜1.5%である。
【0125】
1つの実施形態において、工程(iii)は皮膚科フィラーとして使用するのに不可欠である、目標組成物又はゲルの粘弾性及び粘性又は弾性に関する特性のオーダーメイドの調整を可能にする。このような特性は、工程(i)において適切な温度範囲、及び/又は、工程(iii)において第一のポリマー及び第二のポリマーの質量比、及び/又は、工程(i)において使用され、場合により第二のポリマーのために使用される架橋剤の量を選択することにより達成でき、ただし、第二のポリマーは工程(iii)において使用され、そして架橋された形態で使用される。
【0126】
さらに、工程(iii)における第二のポリマーの使用は、ふるい掛け工程が行われた場合に、ふるいを通した組成物の流動性を改良することがある。その後、一般に、前記第二のポリマーを含有しない組成物と比較して、前記ふるい(単数又は複数)を通した組成物を押出するためにより低い押出力が必要である。さらに、非架橋形態における、第二のポリマーの使用は、化粧用途で組成物を適用するために使用されるシリンジの針を通して本発明に係る組成物の流動性を有利に改良することができる。よって、前記針を通して組成物を押出するために、より弱い力を使用することができる。
【0127】
工程(iv)
工程(iv)は工程(ii)又は(iii)において得られた製品を透析に付すことを要求する。
【0128】
1つの実施形態において、この工程は工程(iii)で得られたゲルから外来化合物又は粒子を除去するために役立つ。外来化合物又は粒子がゲルなどの組成物の物性に悪影響を及ぼすことがあり、及び/又は、組成物又はゲルの皮膚組織との適合性に悪影響を及ぼすことがある。このように、1つの実施形態において、工程(iv)は、本発明に係る組成物を皮膚組織中に注入したときに、可能な炎症反応を低減し又は避けるのに役立つ。
【0129】
別の実施形態において、この工程は工程(ii)又は工程(iii)で得られたゲルの膨潤性を調節するのに役立つ。
【0130】
用語「膨潤」又は「膨潤性」は、本明細書中で使用されるときに、ゲルの水吸収性を包含する。
【0131】
1つの実施形態において、工程(iii)で得られたゲルの膨潤率は、工程(iv)に付したときに、すなわち、透析の間の吸水率は、例えば、ゲルの合計質量を基準として、5〜25%、例えば、6〜23%、又は、7〜22%、又は、9〜21%である。
【0132】
別の実施形態において、膨潤率又は膨潤化能は7〜18%、又は、8〜15%である。
【0133】
1つの実施形態において、このような膨潤率又は膨潤化能は膨潤圧を形成し、HAマトリックスが、皮膚組織に注入されそして前記皮膚組織が圧縮力にさらされたときなどの圧縮力に耐えるのを可能にする。
【0134】
1つの実施形態において、工程(iv)は、工程(ii)又は工程(iii)で得られたゲルからの外来化合物又は粒子の除去のために役立ち、そして工程(ii)又は工程(iii)で得られたゲルの膨潤性を調節するために役立つ。
【0135】
このように、工程(iv)は、とりわけ、当技術分野で知られている製品と比較して、さらに改良されたHA組成物を提供するために役立つ。
【0136】
このように、工程(ii)(架橋の停止)の他に、工程(iv)(透析)は本発明に係るゲルなどの組成物を調製するために必要な一連の工程でさらなる重要な反応工程である。特に、本発明に係る反応順序で工程(ii)及び工程(iv)の組み合わせにより、提起された問題に応じて達成されるべき特性を有するゲルなどの組成物を提供することができる。
【0137】
1つの実施形態において、所定の分子量カットオフを有する透析膜を用いて透析を行う。このような透析膜は市販されている。
【0138】
用語「分子量カットオフ(MWCO)」は、本明細書中で使用されるときに、溶質の規定百分率が透析のために使用される膜によって保持される最小分子量溶質(ダルトンで)を指し、又は、アナライトの規定百分率が膜拡散することが阻止される分子量を指す。
【0139】
市販の透析膜は、典型的には、1,000〜100,000Daの範囲のMWCOを有する。
【0140】
1つの実施形態において、使用される透析膜は12,000〜14,000Daの範囲のMWCOを有する。
【0141】
1つの実施形態において、透析は緩衝液を含む透析液を使用して行われる。
【0142】
1つの実施形態において、緩衝液は工程(i)で使用され、又は、工程(ii)で使用され、又は工程(iii)で使用される緩衝液である。
【0143】
1つの実施形態において、工程(iv)に係る透析は0℃〜30℃の温度範囲で行われる。
【0144】
別の実施形態において、工程の温度(iv)は、20℃又は15℃の温度を超えないように制御される。
【0145】
1つの実施形態において、、工程(iv)における温度は、0〜10℃、又は、3〜7℃、例えば、5℃である。
【0146】
1つの実施形態において、本発明に係る方法は、それぞれ工程(i)における温度が25〜35℃であり、工程(ii)〜(iv)における温度が0〜10℃であるようにして行われ、又は、本発明に係る方法は、それぞれ工程(i)における温度が25〜35℃であり、工程(ii)〜(iv)における温度が3〜7℃、例えば、5℃であるようにして行われる。
【0147】
1つの実施形態において、工程(iii)において得られた製品を透析に付す前に、製品を1つのふるい掛け工程又は幾つかのふるい掛け工程に付し、それにより、それぞれ製品を均一化し、皮膚科フィラーとしての使用に悪影響を及ぼすことがある不均一な粒子又はいかなるさらなる粒子をも除去する。
【0148】
1つの実施形態において、前記透析工程(iv)は工程(iv.1)〜(iv.3):
(iv.1)工程(ii)又は工程(iii)で得られた製品を第一のふるいを通して押出し、続いて、第一のふるいからの押出品を第二のふるいを通して押出すること、ここで、第二のふるいのメッシュサイズは第一のふるいのメッシュサイズよりも小さい、又は、
工程(ii)又は工程(iii)で得られた製品を第一のふるいを通して押出し、続いて、第一のふるいからの押出品を第二のふるいを通して押出し、続いて、第二のふるいからの押出品を第三のふるいを通して押出すること、ここで、第二のふるいのメッシュサイズは第一のふるいのメッシュサイズよりも小さく、そして、第三のふるいのメッシュサイズは第二のふるいのメッシュサイズよりも小さい、
(iv.2)工程(iv.1)で得られた製品を透析膜に充填すること、
(iv.3)工程(iv.2)で得られた充填された膜を透析液に付すこと、
を含む。
【0149】
透析前のふるいの使用は透析工程の有効性をさらに支持することができる。ふるいのメッシュサイズを適切に選択することは、製品の所望の均一性に悪影響を及ぼす外来化合物及びゲル化粒子などの粒子を除去するのをさらに支持する。したがって、1つの実施形態において、本発明に係る方法において使用される1つのふるい掛け工程又は幾つかのふるい掛けの工程により、特に均一な組成物の調製、すなわち、第一のポリマー、場合により存在する第二のポリマー、及び、水を含む、特に均一なゲルの調製を可能にする。均一性は、本発明の方法に従って得られる組成物の所望の特性であり、化粧又は医療用途の組成物の適用などの意図された適用を支持しそして改良する。
【0150】
1つの実施形態において、前記透析工程(iv)は工程(iv.1)〜(iv.3):
(iv.1)工程(ii)又は工程(iii)で得られた製品を、メッシュサイズが325〜425μmの範囲にある第一のふるいを通して押出し、続いて、第一のふるいからの押出品を、メッシュサイズが175〜225μmの範囲にある第二のふるいを通して押出し、続いて、第二のふるいからの押出品を、メッシュサイズが110〜170μmの範囲にある第三のふるいを通して押出すること、
(iv.2)工程(iv.1)で得られた製品を、分子量カットオフが12,000〜14,000Daの範囲にある透析膜に充填すること、
(iv.3)工程(iv.2)で得られた充填された膜を透析液に付すこと、
を含む。
【0151】
1つの実施形態において、工程(ii)又は(iii)で得られたゲルを、メッシュサイズが約380μm、例えば381μm(0.015”)である第一のふるい又はスクリーンを通して押出し、その後、メッシュサイズが約200μm、例えば203μm(0.008”)である第二のふるい又はスクリーンを通して押出し、その後、メッシュサイズが約140μm、例えば139.7μm(0.0055”)である第三のふるい又はスクリーンを通して押出し、透析膜へ入れる。充填された透析膜又は充填された膜を、次に、工程(i)に関しての本発明の第一の態様に従って使用される緩衝液などの適切な透析液を含む容器に入れる。
【0152】
1つの実施形態において、ブレンディング工程(iii)を工程(ii)の後でかつ透析工程(iv)の前に行う場合には、工程(iii)は、工程(iv.1)に係る工程(iv)の後に行うふるい掛け工程を容易にする。
【0153】
1つの実施形態において、透析は容器の内容物を攪拌することにより行われる。1つの実施形態において、透析液を新鮮な透析液で一回又は少なくとも2回交換することができる。1つの実施形態において、交換の間隔は8〜18時間であり、又は、10〜14時間であり、例えば12±2時間である。1つの実施形態において、工程(iv)に係る透析は30〜45時間、又は、35〜39時間、例えば37±2時間進行させることができる。
【0154】
1つの実施形態において、工程(iv)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.1〜0.9の範囲であり、例えば、0.1〜0.5、又は、0.2〜0.4の範囲である。
【0155】
別の実施形態において、工程(iv)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.1〜3.5の範囲である。
【0156】
1つの実施形態において、η
*は、0.7ヘルツの周波数及び30℃で2,000mPa*s〜200,000mPa*sの範囲であり、ここで、tanδは0.1〜0.9であり、例えば、0.1〜0.5、又は、0.2〜0.4の範囲である。
【0157】
1つの実施形態において、工程(iv)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.10〜3.5の範囲である。1つの実施形態において、対応する粘度η
*は2,500mPa*s〜145,000mPa*s、又は、4,000〜145,000mPa*sの範囲である。
【0158】
1つの実施形態において、工程(iv)で得られた組成物のtanδは0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.10〜3.5の範囲である。1つの実施形態において、工程(iv)で得られた組成物のtanδは0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.10〜0.25の範囲である。
【0159】
工程(v)
本発明に係る組成物はできる限り有害な皮膚反応を回避する使用を可能とするが、1つの実施形態において、局所麻酔薬及び/又は抗不整脈薬は、必要又は所望ならば、工程(iv)で得られた本発明に係る組成物又はゲルに添加することができる。このような薬剤は、本発明に係る組成物又はゲルが皮膚組織内に注入されたときに皮膚の炎症から生じることがある、かゆみ、バーニング及び痛みを和らげることができる。
【0160】
適切な薬剤は当該技術分野で公知である。
【0161】
1つの実施形態において、リドカインは局所麻酔薬及び/又は抗不整脈薬として使用される。この薬は、歯科麻酔薬として、又は、小手術用局所麻酔薬として、例えば、注入用で知られている。
【0162】
1つの実施形態において、リドカインは塩酸塩などの塩の形態で及び/又は一水和物などの水和物の形態で使用される。
【0163】
したがって、用語「リドカイン」は、本明細書で使用されるときに、その塩及び水和物を包含する。
【0164】
1つの実施形態において、リドカインは、組成物又はゲルの質量を基準として0〜1質量%、又は、0〜0.5wt%の量で使用される。
【0165】
1つの実施形態において、質量は0.3%〜0.35%である。
【0166】
1つの実施形態において、質量は0.3%、又は、0.35%である。
【0167】
別の実施形態において、テトラカインを使用する。用語「テトラカイン」は、本明細書中で使用されるときに、その塩及び水和物を包含する。テトラカインは、リドカインと同じ量で使用することができる。
【0168】
別の実施形態において、リドカイン及びテトラカインの混合物は使用される。
【0169】
したがって、1つの実施形態において、本発明に係る方法は、工程(iv)の後に工程(v):
(v)工程(iv)で得られた製品に、麻酔薬又は抗不整脈薬、あるいは、麻酔薬及び抗不整脈薬を混合すること、
をさらに含む。
【0170】
1つの実施形態において、本発明による方法は、工程(iv)の後に工程(v):
(v)工程(iv)で得られた製品に、リドカイン又は塩酸リドカイン又はリドカイン塩酸塩一水和物を混合すること、又は、工程(iv)で得られた製品に、テトラカインを混合すること、又は、工程(iv)で得られた製品に、リドカイン及びテトラカインを混合すること、
をさらに含む。
【0171】
1つの実施形態において、工程(v)で得られた組成物のtanδは0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.1〜0.9、例えば、0.1〜0.5又は0.2〜0.4の範囲である。
【0172】
別の実施形態において、工程(v)で得られた組成物のtanδは0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.1〜3.5又は0.15〜3.4の範囲である。
【0173】
1つの実施形態において、η
*は、0.7ヘルツの周波数及び30℃で2,000mPa*s〜200,000mPa*sの範囲であり、ここで、tanδは0.1〜0.9であり、例えば、0.1〜0.5、又は、0.2〜0.4の範囲である。
【0174】
1つの実施形態において、工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.10〜3.5の範囲である。1つの実施形態において、対応する粘度η
*は2,500mPa*s〜145,000mPa*s、又は、4,000〜145,000mPa*sの範囲である。
【0175】
1つの実施形態において、工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.10〜3.5の範囲である。1つの実施形態において、工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.10〜0.25の範囲である。
【0176】
1つの実施形態において、工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.1〜3.5の範囲である。1つの実施形態において、対応するη
*は、2,000mPa*s〜150,000mPa*sの範囲である。1つの実施形態において、工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.15〜3.5の範囲である。1つの実施形態において、対応する粘度η
*は2,500mPa*s〜145,000mPa*s、又は、4,000〜145,000mPa*sの範囲である。
【0177】
1つの実施形態において、工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.15〜0.25の範囲である。1つの実施形態において、対応する粘度η
*は15,000mPa*s〜28,000mPa*sの範囲である。
【0178】
工程(vi)
最後に、1つの実施形態において、工程(iv)又は工程(v)で得られた製品はシリンジに充填することができる。これは、本発明に係る方法で得られた製品は適用のために注入されることが意図されているからである。
【0179】
1つの実施形態において、工程(iv)又は工程(v)で得られた製品はシリンジに充填され、そして滅菌される。
【0180】
したがって、1つの実施形態において、本発明に係る方法は、工程(iv)又は工程(v)の後に工程(vi):
(vi)工程(iv)又は工程(v)で得られた製品をシリンジ中に充填し、それを滅菌すること、
をさらに含む。
【0181】
1つの実施形態において、工程(iv)又は工程(v)で得られた製品をシリンジ中に押出し、それにより、充填が行われる。
【0182】
滅菌は当該技術分野に公知の方法により行うことができる。用語「滅菌」は、本明細書中に使用されるときに、シリンジの表面上及び/又は本発明の方法により調製された組成物又はゲル中に存在するすべての形態の微生物(伝播性剤(例えば、真菌、細菌、ウイルス、胞子形態など)を含む)をなくし又は除去し又は殺生する任意の方法を包含する。滅菌は熱、薬品、放射線、高圧もしくはろ過又はそれらの組み合わせを課すことなどの当該技術分野で公知の方法により行うことができる。
【0183】
1つの実施形態において、滅菌は工程(vi)による充填の前に、すなわち、工程(iv)で得られた又は工程(v)で得られた組成物又はゲル及びシリンジは互いに独立に滅菌される。
【0184】
別の実施形態において、滅菌は工程(vi)による充填の間に行われる。
【0185】
別の実施形態において、滅菌は工程(vi)による充填の後に行われる。
【0186】
1つの実施形態において、ゲルなどの最終組成物中のHAの全体としての含有量は組成物の合計質量を基準として、1〜5質量%の範囲にある。別の実施形態において、全体としての含有量は1.5〜4質量%又は2〜2.5質量%の範囲である。
【0187】
1つの実施形態において、工程(iv)により得られる、又は、工程(v)により得られる、又は、工程(vi)により得られる製品は等張性で無菌性で粘弾性のゲルなどの組成物である。本組成物又はゲルは注入可能であり、そして皮膚組織の体積を増加させる、すなわち、増大させるためのインプラントとして作用しうる。
【0188】
1つの実施形態において、工程(iv)により得られる、又は、工程(v)により得られる、又は、工程(vi)により得られる製品は、顔の皮膚組織などの体積を増加させ、又は、中程度の又は深いしわを矯正するための等張性で無菌性で粘弾性の注入可能なゲル又はインプラントである。
【0189】
1つの実施形態において、皮膚組織は唇の組織を含み又は唇の組織である。
【0190】
別の実施形態において、皮膚組織は中程度から重度のほうれい線などの顔面のしわ又はひだの皮膚組織を含み、又は、かかる皮膚組織である。
【0191】
1つの実施形態において、本発明の第一の態様により調製される組成物は安全かつ有効な生体適合性非免疫原性組成物であって、分配及び貯蔵が容易であり、そしてアレルギー試験を必要とすべきでない組成物を提供する。さらに、組成物は皮膚組織に適用されるときに、許容可能な残留性を有する。1つの実施形態において、本発明の方法により調製される組成物は皮膚に適用されるときに、かなりの時間安定である。
【0192】
したがって、1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、工程(iii)で得られた組成物を工程(iv)でpHが6.5〜7.5、例えば、6.7〜7.2、又は、6.8〜7.1、又は、6.8〜6.9の範囲となるように透析する。
【0193】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、工程(iii)で得られたゲルを膨潤率がゲルの合計質量を基準として5〜25%、例えば、6〜23%、又は、7〜22%、又は、9〜21%となるように透析する。
【0194】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、工程(iv)又は工程(v)で得られた組成物のtanδは0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.1〜0.9の範囲であり、及び/又は、粘度η
*は2,000mPa*s〜150,000mPa*sの範囲であり、又は、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.1〜3.5の範囲であり、及び/又は、粘度η
*は2,000mPa*s〜150,000mPa*sの範囲であり、又は、工程(iv)又は工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.15〜3.5の範囲であり、及び/又は、粘度η
*は0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して2,100mPa*s〜145,000mPa*s、又は、2,500〜145,000mPa*s、又は、4,000〜145,000mPa*sであり、又は、工程(iv)又は工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.10〜0.25の範囲であり、及び/又は、粘度η
*は0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して15,000mPa*s〜28,000mPa*sの範囲であり、又は、工程(iv)又は工程(v)で得られた組成物のtanδは、0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して0.10〜0.25の範囲であり、及び/又は、粘度η
*は0.7ヘルツの周波数及び30℃で測定して22,000mPa*s〜28,000mPa*sの範囲である。
【0195】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、組成物は、皮膚組織中に注入されたときに、少なくとも3か月安定であり、例えば、少なくとも4か月又は5か月又は6か月安定である。
【0196】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、前記麻酔薬及び/又は抗不整脈薬、例えば、工程(v)のリドカイン又はテトラカイン、リドカイン及びテトラカインは皮膚組織に注入されたときに放出され、そして組成物は無菌である。
【0197】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、ゲルなどの最終組成物中のHAの全体としての含有量は組成物の合計質量を基準として1〜5質量%、例えば、1.5〜4質量%又は2〜2.5質量%の範囲である。
【0198】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、組成物は皮膚組織中に注入されたときに、前記皮膚組織を刺激しない。
【0199】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、組成物は注入可能な組織フィラーとして使用され、また、組成物はゲルの形態である。
【0200】
1つの実施形態において、本発明は、本明細書中に記載される第一の態様に係る組成物の調製方法、又は、第一の態様の方法及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の任意の組み合わせに係る組成物の調製方法に関し、ここで、ヒアルロン酸、又は、ヒアルロン酸及び麻酔薬及び/又は抗不整脈薬は組成物の唯一の活性成分である。
【0201】
第二の態様によると、本発明は、架橋された第一のポリマー、場合により存在する、架橋又は非架橋であることができる第二のポリマー、及び、水を含む、ゲルなどの組成物に関し、ここで、第一のポリマー及び第二のポリマーはHAなどの多糖類から選ばれる。
【0202】
1つの実施形態において、架橋された第一のポリマー、場合により存在する、架橋又は非架橋であることができる第二のポリマー、及び、水を含む、ゲルなどの組成物であって、第一のポリマー及び第二のポリマーは多糖類から選ばれる組成物は本明細書中に記載される本発明の第一の態様に係る方法により得ることができ、又は、第一の態様及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の組み合わせによる方法により得ることができる。
【0203】
1つの実施形態において、架橋された第一のポリマー、場合により存在する、架橋又は非架橋であることができる第二のポリマー、及び、水、及び、場合により存在する、麻酔薬及び/又は抗不整脈薬からなる、ゲルなどの組成物であって、ここで、第一のポリマー及び第二のポリマーは多糖類から選ばれる組成物は、本明細書中に記載される本発明の第一の態様に係る方法により得ることができ、又は、第一の態様及び任意の実施形態、又は、少なくとも2つの実施形態の組み合わせによる方法により得ることができる。
【0204】
第三の態様によると、本発明はシリンジ及び第二の態様に係るゲルなどの組成物、又は、シリンジ及び第一の態様に係る方法により調製されるゲルなどの組成物を含むキットに関する。
【0205】
第四の態様によると、本発明は、化粧用途における、第二の態様に係るゲルなどの組成物の使用、又は、第一の態様に係る方法により調製されるゲルなどの組成物に関する。
【0206】
1つの実施形態において、ゲルなどの組成物は皮膚科フィラーとして使用される。
【0207】
用語「皮膚科フィラー」は、本明細書中に使用されるときに、本発明により調製されるゲルなどの組成物は皮膚組織の体積を増加させる、すなわち、皮膚組織を増大させるのに適する。
【0208】
1つの実施形態において、ゲルなどの組成物は皮膚顔面組織などの皮膚組織を増大し及び/又は中程度の又は深いしわを矯正するために使用される。
【0209】
1つの実施形態において、組成物は注入可能な組成物であり、すなわち、組成物は適用されるときに皮膚組織中に注入される。
【0210】
さらなる態様によると、第二の態様に係る組成物は医薬組成物として又は医薬組成物中で使用されうる。
【0211】
1つの実施形態において、組成物はヒアルロン酸に基づくゲルなどの組成物の使用を要求する医療用途に使用される。
【0212】
このように、第五の態様によると、本発明は医薬としての使用のための第二の態様に係るゲルなどの組成物に関する。
【0213】
第六の態様によると、本発明は、架橋された第一のポリマー、場合により存在する、架橋又は非架橋であることができる第二のポリマー、及び、水を含み、第一のポリマー及び第二のポリマーは多糖類から選ばれるゲルなどの組成物の調製方法であって、少なくとも第一のふるい掛け工程(a)を含む方法に関する。
【0214】
用語「ふるい掛け工程」は、架橋されたヒアルロン酸などの架橋されたポリマー及び水をふるいを通して押出する工程を包含する。
【0215】
1つの実施形態において、用語「ふるい掛け工程」は、本発明の第一の態様に関して規定されるとおりの工程(i)〜(vi)のいずれかで得られた製品をふるいを通して押出する工程を包含する。例えば、本発明の第一の態様で言及されるような用語「ふるいを通して押出する」は用語「ふるいを通して通過させる」又は「ふるいを通してプレスする」又は「ふるいを通して進行させる」又は「ろ過する」を包含する。
【0216】
用語「ふるい」は用語「フィルター」を包含する。
【0217】
用語「ふるい」又は「フィルター」は液体が浸入することができる孔又は穴を有し、液体中に含まれることがある粒子を除去することができ、又は、ふるい又はフィルターの孔を通して適合するように粒子にせん断作用することができる任意の装置を包含する。このため、1つの実施形態において、粒子はふるい掛け又はろ過によりサイズ変更される。ふるいは金属ワイヤ又はプラスチック繊維などの繊維のネットの形態で提供されうる。適切なふるいはふるい掛け又はろ過の分野で知られている。
【0218】
1つの実施形態において、本方法は少なくとも第二のふるい掛け工程(b)を含む。
【0219】
別の実施形態において、本方法は第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)以外に、少なくとも第三のふるい掛け工程(c)を含む。
【0220】
別の実施形態において、本方法は第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)及び第三のふるい掛け工程(c)以外に、少なくとも1つの更なるふるい掛け工程又は少なくとも2つの更なるふるい掛け工程又は少なくとも3つの更なるふるい掛け工程又は少なくとも4つの更なるふるい掛け工程を含む。
【0221】
1つの実施形態において、第二のふるい掛け工程(b)は第一のふるい掛け工程(a)において使用される第一のふるいのメッシュサイズよりも小さいメッシュサイズを有する第二のふるいを用いて行われる。
【0222】
別の実施形態において、第三のふるい掛け工程(c)は第二のふるい掛け工程(b)において使用される第二のふるいのメッシュサイズよりも小さいメッシュサイズを有する第三のふるいを用いて行われる。
【0223】
別の実施形態において、第三のふるい掛け工程(c)は第二のふるい掛け工程(b)において使用される第二のふるいのメッシュサイズよりも小さいメッシュサイズを有する第三のふるいを用いて行われ、また、第二のふるいのメッシュサイズは第一のふるい掛け工程(a)において使用される第一のふるいのメッシュサイズよりも小さい。
【0224】
なおも別の実施形態において、各々続いて使用されるふるいは先行のふるい掛け工程において使用されるふるいのメッシュサイズよりも小さいメッシュサイズを有する。
【0225】
1つの実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが200〜600μmの範囲にある。
【0226】
別の実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが200〜600μmの範囲にあり、第二のふるいはメッシュサイズが100〜400μmの範囲にある。
【0227】
なおも別の実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが200〜600μmの範囲にあり、第二のふるいはメッシュサイズが100〜400μmの範囲にあり、第三のふるいはメッシュサイズが50〜300μmの範囲にある。
【0228】
1つの実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが300〜500μmの範囲にある。
【0229】
別の実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが300〜500μmの範囲にあり、第二のふるいはメッシュサイズが100〜300μmの範囲にある。
【0230】
なおも別の実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが300〜500μmの範囲にあり、第二のふるいはメッシュサイズが100〜300μmの範囲にあり、第三のふるいはメッシュサイズが50〜200μmの範囲にある。
【0231】
1つの実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが325〜425μmの範囲にある。
【0232】
別の実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが325〜425μmの範囲にあり、第二のふるいはメッシュサイズが175〜225μmの範囲にある。
【0233】
別の実施形態において、第一のふるいはメッシュサイズが325〜425μmの範囲にあり、第二のふるいはメッシュサイズが175〜225μmの範囲にあり、第三のふるいはメッシュサイズが110〜170μmの範囲にある。
【0234】
1つの実施形態において、ふるい掛け工程(a)、(b)又は(c)の少なくとも1つによるふるい掛け工程は5〜30℃の温度、例えば、5〜25℃又は5〜20℃又は5〜15℃又は5〜10℃で行われる。
【0235】
1つの実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)の前又はそれに続いて、第二のふるい掛け工程(b)の前又はそれに続いて、又は、第三のふるい掛け工程(c)の前又はそれに続いて、本方法は本発明の第一の態様に関して規定されるとおりの下記の工程(i)〜(vi)の少なくとも1つを含む。
【0236】
したがって、第六の態様の1つの実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)の前又はそれに続いて、第二のふるい掛け工程(b)の前又はそれに続いて、又は、第三のふるい掛け工程(c)の前又はそれに続いて、本方法は下記の工程(i)〜(vi):
(i)第一のポリマー及び水を含む混合物を架橋すること、
(ii)工程(i)の架橋に続いて、架橋を停止すること、
(iii)場合により、工程(ii)で得られた製品を第二のポリマーとブレンドすること、
(iv)工程(ii)又は工程(iii)で得られた製品を透析に付すこと、
(v)工程(iv)で得られた製品に、リドカイン又は塩酸リドカイン、又は、リドカイン塩酸塩一水和物、又は、テトラカイン、又は、リドカイン及びテトラカインなどの麻酔薬又は抗不整脈薬を混合すること、
(vi)工程(v)で得られた製品をシリンジに充填し、それを滅菌すること、
の少なくとも1つを含む。
【0237】
別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)の前又はそれに続いて、第二のふるい掛け工程(b)の前又はそれに続いて、又は、第三のふるい掛け工程(c)の前又はそれに続いて、本方法は下記の工程(i)〜(vi):
(i)第一のポリマー及び水を含む混合物を架橋すること、
(ii)工程(i)の架橋に続いて、架橋を停止すること、
(iii)場合により、工程(ii)で得られた製品を第二のポリマーとブレンドすること、
(iv)工程(i)又は工程(ii)又は工程(iii)で得られた製品を透析に付すこと、
(v)工程(i)又は工程(ii)又は工程(iii)又は工程(iv)で得られた製品に、リドカイン又は塩酸リドカイン、又は、リドカイン塩酸塩一水和物、又は、テトラカイン、又は、リドカイン及びテトラカインなどの麻酔薬又は抗不整脈薬を混合すること、
(vi)工程(i)又は工程(ii)又は工程(iii)又は工程(iv)又は工程(v)で得られた製品をシリンジに充填し、それを滅菌すること、
の少なくとも1つを含む。
【0238】
1つの実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)は工程(i)に続いて行う。
【0239】
別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)は工程(i)に続いて行う。
【0240】
さらに別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)及び第三のふるい掛け工程(c)は工程(i)に続いて行う。
【0241】
別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)は工程(ii)に続いて行う。
【0242】
さらに別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)は工程(ii)に続いて行う。
【0243】
さらに別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)及び第三のふるい掛け工程(c)は工程(ii)に続いて行う。
【0244】
1つの実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)は工程(iii)に続いて行う。
【0245】
別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)は工程(iii)に続いて行う。
【0246】
さらに別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)及び第三のふるい掛け工程(c)は工程(iii)に続いて行う。
【0247】
別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)は工程(iv)に続いて行う。
【0248】
別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)は工程(iv)に続いて行う。
【0249】
さらに別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)及び第三のふるい掛け工程(c)は工程(iv)に続いて行う。
【0250】
1つの実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)は工程(v)に続いて行う。
【0251】
別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)は工程(v)に続いて行う。
【0252】
さらに別の実施形態において、第一のふるい掛け工程(a)及び第二のふるい掛け工程(b)及び第三のふるい掛け工程(c)は工程(v)に続いて行う。
【0253】
ふるいの使用は製品の所望の均一性に悪影響を及ぼしうる外来化合物及びゲル化粒子などの粒子の除去を支援し、又は、せん断力を加えることによりふるいの孔を通して粒子をサイズ変更するのを援助する。このため、1つの実施形態において、本発明に係る方法において使用される1つのふるい掛け工程又はいくつかのふるい掛け工程により、第一のポリマー、場合により存在する第二のポリマー、及び、水を含む、特に均一な組成物の調製が可能になり、すなわち、特に均一なゲルの調製が可能になる。均一性は、化粧又は医療用途における組成物の適用などの意図した用途を支援しそして改良する。
【0254】
第七の態様によると、本発明は、架橋された第一のポリマー、架橋又は非架橋であることができる、場合により存在する第二のポリマー、及び、水を含み、ここで、第一のポリマー及び第二のポリマーは多糖類から選ばれる、ゲルなどの組成物であって、本発明の第六の態様に規定されるとおりの方法、又は、第六の態様に規定される実施形態のいずれか、又は、少なくとも2つの実施形態のいずれかにより調製され又は得ることができる、ゲルなどの組成物に関する。
【0255】
第八の態様によると、本発明は、シリンジ、及び、本発明の第六の態様に規定されるとおりの方法、又は、第六の態様に規定される実施形態のいずれかにより調製され又は得ることができる組成物を含むキット、又は、シリンジ及び本発明の第七の態様に規定されるとおりの組成物を含むキットに関する。
【0256】
本発明の第九の態様によると、本発明は、化粧用途における、又は、皮膚科フィラーとしての、本発明の第六の態様に規定されるとおりの方法、又は、第六の態様に規定される実施形態のいずれか、又は、少なくとも2つの実施形態のいずれかにより調製され又は得ることができる組成物の使用、又は、本発明の第七の態様に規定されるとおりの組成物の使用に関する。
【0257】
第十の態様によると、本発明は、医薬としての使用のための、架橋された第一のポリマー、架橋又は非架橋であることができる、場合により存在する第二のポリマー、及び、水を含み、ここで、第一のポリマー及び第二のポリマーは多糖類から選ばれる、ゲルなどの組成物であって、本発明の第六の態様に規定されるとおりの方法、又は、第六の態様に規定される実施形態のいずれか、又は、少なくとも2つの実施形態のいずれかにより調製され又は得ることができる組成物、又は、本発明の第七の態様に規定されるとおりの組成物に関する。
【0258】
第十一の態様によると、本発明は、架橋されたヒアルロン酸及び水を含む組成物の調製における少なくとも1つのふるい又は少なくとも1つのふるい掛け工程の使用に関する。
【0259】
本使用の1つの実施形態において、少なくとも2つのふるい又は少なくとも2つのふるい掛け工程を使用する。
【0260】
本使用の別の実施形態において、少なくとも3つのふるい又は少なくとも3つのふるい掛け工程を使用する。
【実施例】
【0261】
例
例1
緩衝液の調製
水中で塩を溶解することにより、緩衝液を塩化ナトリウム、二塩基性無水リン酸ナトリウム、一塩基性リン酸ナトリウム二水和物及び水から調製する。
【0262】
緩衝液中のHAの調製
緩衝液の調製に次いで、分子量が2.5MDa〜3.0MDa未満であるヒアルロン酸ナトリウムをクォート混合ボールに添加し、そして緩衝液の一部をそれに添加する。内容物をスターラを用いて250rpmで2.0〜2.5時間混合し、その間に、混合ボールに対するジャケット設定点を50℃に設定する。混合に次いで、内容物を5〜7℃に冷却する。
【0263】
アルカリ溶液の添加
上記の緩衝液中に水酸化ナトリウムを溶解することにより、第一のアルカリ溶液を調製する。その後、上記の緩衝液中に水酸化ナトリウムを溶解することにより、第二のアルカリ溶液を調製する。その後、第一のアルカリ溶液を混合ボール中の内容物に添加し、そして内容物を5℃ジャケット設定点にて250rpmで30〜40分間混合する。
【0264】
架橋反応[工程(i)]
第二のアルカリ緩衝液の一部分にBDDEを添加することにより、架橋溶液を調製する。架橋剤BDDEを含むこのアルカリ溶液を混合ボール中の内容物に添加し、5℃ジャケット設定点にて500rpmで10〜15分間混合させる。その後、混合速度を100rpmに低下し、そして温度設定点を30℃に変更する。28℃に到達した後に、混合を停止し、そして内容物を約3時間硬化させる。
【0265】
架橋反応の停止のためのクエンチ溶液の調製
1m HCl溶液を、緩衝液の一部分に添加し、クエンチ溶液を形成する。
【0266】
クエンチ反応[工程(ii)]
ジャケットの温度設定点を5℃に設定し、そしてクエンチ溶液をボール内容物に添加する。その後、内容物を500rpmで10〜15分間混合する。
【0267】
架橋HAの処理
工程(ii)から得られたポリマーを、その後、小片に切断し、それをチャンク又はストリップに成形することができる。チャンク又はストリップのサイズは1.27cm×1.27cm×1.27cm(0.5×0.5×0.5インチ)以下であることができる。チャンク又はストリップを、その後、約2.5〜3.0時間、150rpmで5℃ジャケット設定点で混合する。混合に次いで、混合した製品を558.8μm(0.022”)スクリーンを通して押出し、そして混合ボールに戻し、2.0〜2.5時間、150rpmで5℃ジャケット設定点でさらに混合する。
【0268】
第二のポリマーの提供
Mw≧3.0MDaであるHA(ナトリウム塩)を緩衝液の一部分に添加する。内容物をオーバーヘッドミキサーで短時間混合する。
【0269】
ゲルの調製[工程(iii)]
緩衝液中の第二のポリマー(1% w/w)の一部分をクォートミキサー中の内容物に添加する。内容物を1〜5分間、250rpmで混合する。
【0270】
透析反応[工程(iv)]
MWCOが12,000〜14,000Daである透析膜を無菌水中で水和する。その後、工程(iii)で得られたゲルをメッシュサイズが約380μm、例えば381μm(0.015”)であるスクリーンを通して押出し、その後、メッシュサイズが200μm、例えば203.2μm(0.008”)であるスクリーンを通して押出し、その後、メッシュサイズが約140μm、例えば139.7μm(0.0055”)であるスクリーンを通して透析膜中に押出する。透析膜は充填され、そして有効長さ約20.3cm(8インチ)及び全体長さ約25.4cm(10インチ)を有する。その後、膜を、上記緩衝液を含む容器に入れる。容器を5℃設定点に冷却し、そして内容物を撹拌する。透析液を12±2時間の間隔で2回交換する。透析を37±2時間行う。
【0271】
工程(iv)で得られた製品の押出[工程(vi)]
透析後、膜を合わせ、混合し、そしてメッシュサイズが約140μm、例えば139.7μm(0.0055”)であるふるいを通して2回押出し、その後、真空下に30〜40分間混合する。得られた材料をシリンジ中に押出し、そしてスチーム滅菌する。
【0272】
工程(iv)の後に得られ、工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。
【0273】
例2
例1により反応を行うが、架橋工程(i)における差異を伴う。
【0274】
第二のアルカリ緩衝液の一部分にBDDEを添加することにより、架橋溶液を調製する。架橋剤BDDEを含むこのアルカリ溶液を混合ボール中の内容物に添加し、10〜15分間、500rpmにて5℃ジャケット設定点で混合させる。その後、混合速度を100rpmに低下し、温度設定点を33.33℃の温度に変更する。31.33℃の温度に到達した後に、混合を停止し、そして内容物を約3時間硬化させる。
【0275】
工程(iv)後に得られ、そして工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。このゲルは例1によるゲルよりも粘弾性が高い。
【0276】
例3
例1により反応を行うが、リドカインなどの麻酔薬及び抗不整脈薬を工程(iii)の後に得られたゲルに添加するという差異を伴う。
【0277】
リドカイン添加[工程(v)]
リドカインHCl一水和物の溶液を緩衝液中に溶解し、それを、ゲルを基準として0.35wt%の量で工程(iii)により調製されたゲルを含む透析膜に添加する。内容物を、メッシュサイズが約140μm、例えば139.7μm(0.0055”)であるふるいを通して2回押出し、その後、真空下に30〜40分間さらに混合する。
【0278】
工程(v)で得られ、そして工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。
【0279】
例4
例1により反応を行うが、架橋工程(i)における差異を伴う。
【0280】
第二のアルカリ緩衝液の一部分にBDDEを添加することにより、架橋溶液を調製する。架橋剤BDDEを含むこのアルカリ溶液を混合ボール中の内容物に添加し、10〜15分間、500rpmにて5℃ジャケット設定点で混合させる。その後、混合速度を100rpmに低下し、温度設定点を27℃の温度に変更する。25℃の温度に到達した後に、混合を停止し、そして内容物を約3時間硬化させる。
【0281】
工程(iv)後に得られ、そして工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。このゲルは例1によるゲルよりも粘弾性が低い。
【0282】
例5
例1により反応を行うが、架橋工程(i)及びブレンディング工程(iii)における差異を伴う。
【0283】
第二のアルカリ緩衝液の一部分にBDDEを添加することにより、架橋溶液を調製する。架橋剤BDDEを含むこのアルカリ溶液を混合ボール中の内容物に添加し、10〜15分間、500rpmにて5℃ジャケット設定点で混合させる。その後、混合速度を100rpmに低下し、温度設定点を30℃の温度に変更する。27℃の温度に到達した後に、混合を停止し、そして内容物を約3時間硬化させる。
【0284】
第二のポリマーの提供
Mw≧3.0MDaであるHA(ナトリウム塩)を緩衝液の一部分に添加する。内容物をオーバーヘッドミキサーで短時間混合する。
【0285】
ゲルの調製[工程(iii)]
緩衝液中の第二のポリマー(3% w/w)の一部分をクォートミキサー中の内容物に添加する。内容物を1〜5分間、250rpmで混合する。
【0286】
工程(iv)後に得られ、そして工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。
【0287】
例6
例1により反応を行うが、架橋工程(i)及びブレンディング工程(iii)における差異を伴う。
【0288】
第二のアルカリ緩衝液の一部分にBDDEを添加することにより、架橋溶液を調製する。架橋剤BDDEを含むこのアルカリ溶液を混合ボール中の内容物に添加し、10〜15分間、500rpmにて5℃ジャケット設定点で混合させる。その後、混合速度を100rpmに低下し、温度設定点を25℃の温度に変更する。22℃の温度に到達した後に、混合を停止し、そして内容物を約3時間硬化させる。
【0289】
第二のポリマーの提供
Mw≧3.0MDaであるHA(ナトリウム塩)を緩衝液の一部分に添加する。内容物をオーバーヘッドミキサーで短時間混合する。次いで、工程(i)で使用した架橋溶液の一部分を緩衝液中の第二のポリマーに添加する。
【0290】
ゲルの調製[工程(iii)]
緩衝液中の架橋された第二のポリマー(1% w/w)の一部分をクォートミキサー中の内容物に添加する。内容物を1〜5分間、250rpmで混合する。
【0291】
工程(iv)後に得られ、そして工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。
【0292】
例7
例2により反応を行うが、リドカインなどの麻酔薬及び抗不整脈薬を工程(iii)の後に得られたゲルに添加するという差異を伴う。
【0293】
リドカイン添加[工程(v)]
リドカインHCl一水和物の溶液を緩衝液中に溶解し、それを、ゲルを基準として0.35wt%の量で工程(iii)により調製されたゲルを含む透析膜に添加する。内容物を、メッシュサイズが約140μm、例えば139.7μm(0.0055”)であるふるいを通して2回押出し、その後、真空下に30〜40分間さらに混合する。
【0294】
工程(v)で得られ、そして工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。
【0295】
例8
例1により反応を行うが、工程(ii)後にブレンディング工程(iii)を省略するという差異を伴う。
【0296】
工程(iv)後にそれぞれ得られ、そして工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。
【0297】
例9〜14
例2〜7により反応を行うが、工程(ii)後にブレンディング工程(iii)を省略するという差異を伴う。
【0298】
工程(iv)後に得られ、そして工程(vi)後にシリンジ中に含まれる製品は等張性で無菌で粘弾性の注射可能なゲルである。このゲルは、例えば、顔面皮膚組織の体積を増加させる、すなわち皮膚組織を増大し及び/又は皮膚の中程度の又は深いしわを矯正するのに適したインプラントとして使用することができる。