(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
溶媒、界面活性ポリマー、悪臭中和剤、香料、酵素、フッ化物、キシリトール、及びこれらの混合物からなる群から選択される1種類以上の成分を更に含む、請求項1に記載の液体又はペースト状洗剤組成物。
前記粒子が、1種類以上の凝集剤を含み、前記凝集剤が、セルロース系のポリマー、繊維、及びこれらの混合物からなる群から選択される、請求項1〜7のいずれか一項に記載の液体又はペースト状洗剤組成物。
【発明を実施するための形態】
【0013】
本明細書で使用するとき、「グリース」とは、少なくとも一部(すなわち、グリースの少なくとも0.5重量%)に、飽和及び不飽和の油脂、好ましくは牛肉及び/若しくは鶏肉のような動物性原料、並びに/又は野菜由来の油脂を含む物質を意味する。
【0014】
本明細書で使用するとき、「保存性(Shelf Stable)」とは、周囲条件において、少なくとも2週間、好ましくは少なくとも6ヶ月、及びより好ましくは恒久的に相分離しない未希釈の皿手洗い液体洗剤組成物を意味する。
【0015】
本明細書で使用するとき、「家庭の硬質表面又は硬質表面」とは、本明細書では、台所や浴室等の家庭内及び周りに一般的に見出せるあらゆる種類の表面、例えば床、壁、タイル、窓、食器棚、流し、シャワー、シャワー用ビニルカーテン、洗面台、トイレ、備品及び建具等、セラミック、ビニル、ワックスなしビニル、リノリウム、メラミン、ガラス、Inox(登録商標)、Formica(登録商標)任意のプラスチック、ビニル処理した木材、金属若しくはあらゆる塗装又はつや消し又は密封したような表面等の異なる材料を素材にしたものを意味する。家庭の硬質表面は、冷蔵庫、冷凍庫、洗濯機、自動乾燥機、オーブン、電子レンジ、食器洗浄機等が挙げられるがこれらに限定されない家庭用電化製品も含む。このような硬質表面は、個人の家庭用並びに商業用,企業用及び工業用の環境の両方で見出される。このような表面は、皿又は食器類の表面も含む。
【0016】
本明細書で使用するとき、「皿又は食器類の表面」とは、本明細書では、皿、食事用器具、まな板、鍋等のような、皿の洗浄で見出されるあらゆる種類の表面を意味する。このような皿の表面は、個人の家庭用並びに商業用、企業用及び工業用の環境の両方で見出されてもよい。
【0017】
本明細書で使用するとき、「手のスキンケア効果」とは、手の皮膚の外観(滑らかさ、弾性、赤みがないこと及び線やしわがないこと等)、皮膚の感触(柔らかさ及びしなやかさ等)、並びに皮膚の湿度レベルに関連するあらゆる効果を意味する。
【0018】
本明細書で使用するとき、「剥落又は穏やかな皮膚剥落」とは、皮膚の最外層から死んだ皮膚細胞を除去すると同時に、手の損傷及び赤みを生じ得る、皮膚の過剰な剥落の危険性を最小化することを意味する。
【0019】
本明細書で使用するとき、「泡立ち特性」とは、本組成物の液体洗剤組成物の使用によりもたらされる、洗浄方法の全体を通した泡立ちの量(多い又は少ない)及び泡立ちの一貫性(持続的又は防止)を意味する。液体食器洗浄洗剤組成物は、高い泡立ち及び持続的な泡立ちを必要とする。これは、液体食器洗浄洗剤組成物に関し、消費者が高い泡立ちを、洗剤組成物の性能の目安として、及び洗浄液が未だ活性の洗剤成分を含んでいることの目安として使用する際に、特に重要である。消費者は、通常、泡立ちがなくなったときに洗浄液を新しくする。したがって、起泡性の低い液体食器洗浄洗剤組成物は、低い起泡性レベルのために、消費者によって、必要以上に頻繁に取り替えられる傾向がある。
【0020】
本明細書で使用するとき、「表面安全性」とは、洗浄後の食器表面上の視覚的な傷を有さないことで分かるように、洗浄される表面が本発明の組成物によって損傷されていないことを意味する。
【0021】
本明細書で使用するとき、「強固な汚れ」とは、一般的に非常に落としにくい、強固に粘着した汚れを意味する。このような汚れは、焦げ付いた及び/又は焼き付いた食物の残滓を含むがこれらに限定されない。
【0022】
本明細書で使用するとき、「無機材料を含む粒子又は無機発泡体粒子」とは、無機系発泡体をせん断(shearing)、挽砕(grinding)、摩砕(milling)、及び/又は粗粒化(graining)、好ましくは挽砕することで形成される粒子を意味する。
【0023】
本明細書で使用するとき、「無機」とは、1〜3、好ましくは1〜2.5、更に好ましくは1〜2の比重、及び1〜4、好ましくは1.5〜3.5、好ましくは2〜3、更に好ましくは2.5〜3の範囲のモース硬さを有するあらゆる無機材料を意味する。
【0024】
本明細書で使用されるとき、「無機系発泡体又は無機発泡体」とは、1種類以上の無機材料を主成分とする、好ましくは含有する材料で生成された発泡体構造を意味する。軽量の発泡体形態を有するこのような構造は、気泡、乳化、複製又は鋳型発泡成形後、任意で硬化並びに/若しくは乾燥すること等、完全に網羅する訳ではないが、当該技術分野において既知の好適な発泡成形プロセス及び製造プロセスを提供する。
【0025】
本明細書で開示する粒子、組成物及び方法の構造、機能、製造、及び使用の原理が総括的な理解を提供するために、様々な実施形態について説明する。これらの実施形態の1つ以上の例を、添付の図面に示す。当業者は、1つの例示的実施形態に関連して説明又は例示された特徴は、本開示から一般化することなく他の例示的実施形態の特徴と組み合わせることができることを理解するであろう。
【0026】
組成物
本発明による組成物、好ましくは液体又はペースト状洗剤組成物は、様々な無生物及び生物表面のためのクリーナー/クレンザーとして設計されており、1つ種類以上の有効成分及び研磨粒子を含む。好ましくは、本明細書での組成物は、無生物表面及び生物表面からなる群から選択される表面の洗浄/クレンジングに好適である。
【0027】
好ましい実施形態では、本明細書の組成物は、家庭の硬質表面、食器の表面、皮革若しくは合成皮革のような表面、及び自動車の表面からなる群から選択される無生物の表面を、洗浄/クレンジングするために好適である。
【0028】
別の好ましい実施形態では、本明細書の組成物は、ヒトの皮膚、動物の皮膚、ヒトの毛髪、動物の体毛、及び歯からなる群から選択される生物表面の洗浄/クレンジングに好適である。
【0029】
本発明による組成物は、個体又は気体と対照的に、液体又はペースト状組成物である。液体組成物には、水のような粘度並びに増粘組成物、例えばゲルを有する組成物が挙げられる。
【0030】
本明細書中の好ましい実施形態では、本明細書での液体組成物は水性組成物である。したがって、組成物は、組成物全体の65重量%〜99.5重量%、好ましくは75重量%〜98重量%、より好ましくは80重量%〜95重量%の水を含んでもよい。
【0031】
本明細書中の別の好ましい実施形態では、本明細書での液体組成物は、組成物全体の0重量%〜10重量%の水、好ましくは組成物全体の0重量%〜5重量%、より好ましくは0重量%〜1重量%、最も好ましくは0重量%の水を含んでもよいが、ほぼ非水性組成物である。
【0032】
本明細書での好ましい実施形態では、本明細書での組成物は中性の組成物であり、したがって25℃で測定して、6〜8、より好ましくは6.5〜7.5、更により好ましくは7のpHを有する。
【0033】
他の好ましい実施形態では、組成物は、好ましくはpH 4以上のpHを有し、あるいは好ましくはpH 9以下のpHを有する。
【0034】
本発明による好ましい実施形態では、本明細書の組成物は、増粘組成物である。好ましくは、本明細書の液体組成物は、ステンレス鋼製の4cm円錐形スピンドル、角度2°(最大8分で0.1〜100秒
-1の直線的な増分)を有するレオメーターモデルAR 1000(TA Instrumentsにより供給)で測定した場合、20s
-1において7500cpsまで、より好ましくは5000cps〜50cps、更により好ましくは2000cps〜50cps、最も好ましくは20s
-1及び20℃において1500cps〜300cpsの粘度を有する。
【0035】
本発明による別の好ましい実施形態では、本明細書の組成物は、水のような粘度を有する。「水のような粘度」とは、本明細書では、水の粘度に近い粘度を意味する。好ましくは、本明細書での液体組成物は、Brookfieldデジタル粘度計DVII型を、スピンドル2で使用して測定するとき、60rpmで最大50cps、60rpm及び20℃で、より好ましくは0cps〜30cps、更により好ましくは0cps〜20cps、最も好ましくは、0cps〜10cpsの粘度を有する。
【0036】
好ましい実施形態では、組成物は、非イオン性、アニオン性、双性イオン性、カチオン性、両性及びこれらの混合物を特に含む界面活性剤、アルコール及び/又はエーテル由来の溶媒、洗浄及び/又は界面活性及び/又は懸濁するポリマー、酵素、悪臭中和剤、香料、フッ化物、キシリトール、及びこれらの混合物を特に含む溶媒からなる群から選択されることが好ましく、1種類以上の有効成分を含む組成物である。
【0037】
好適な有効成分の一般的な例は、McCutcheonの「Emulsifiers and Detergents」(MC Publishing Co.)又は「Handbook of Detergent」A〜F章(M.Dekker/CRC/Surfactant science series)又は「Surfactants and Polymers in aqueous solution」(Wiley)又は「Enzymes in Detergency」(CRC)で見出すことができる。本明細書での使用に好適な香料化合物及び組成物は、例えば、EP−A−0 957 156号の、13ページの表題「Perfume」の段落に記載されているものである。悪臭中和剤が存在するとき、WO03/089561 A2号の9ページ〜15ページで説明されているとおり、非錯体化型シクロデキストリン、臭い遮断薬、反応性アルデヒド、フラバノイド、ゼオライト、活性炭、及びこれらの混合物からなる群から選択されることが好ましい。悪臭中和剤は、カプセル化又は非カプセル化されていてよい。臭い制御剤を含む本明細書の組成物は、組成物で処理された表面から悪臭を低減又は除去するための方法に使用されてもよい。
【0038】
好ましくは、本明細書の組成物は、組成物全体の0.01重量%〜35重量%、より好ましくは0.5重量%〜20重量%、最も好ましくは1重量%〜10重量%の界面活性剤又はこれらの混合物を含む。
【0039】
本明細書の組成物は、1種類以上の更に任意の成分を含んでもよい。
【0040】
研磨粒子
本明細書の液体洗浄及び/又はクレンジング組成物は、例えばマクロ形状記述子及びメソ形状記述子によって定義される、極めて有効な形状を特徴とするように選択又は合成される、研磨洗浄粒子を含み、その一方で、粒子の有効な形状は、発泡材を粒子へと縮小することによって得られる。そのような粒子は、無機材料を含む粒子であり、好ましくは無機材料が、粒子の60%を超える濃度で含まれており、好ましくは80重量%超、更に好ましくは95重量%超、更により好ましくは100重量%である。そのような粒子のための材料としての無機物の活用は、重量効果及び懸濁性能に利点をもたらすと共に、良好な洗浄を提供することが知られている。
【0041】
粒子が非回転性であることが非常に望ましい。本出願人は、非回転性及び/又は鋭利な研磨洗浄粒子が、良好な汚れ除去及び低い表面損傷ももたらすことを見出した。本出願人は、非常に特殊な粒子の形が、前述で引用された利点をもたらす無機系発泡体から得ることができることを見出した。
【0042】
更には、研磨粒子は、好ましくは、本発明によって定義される発泡体構造から作製される粒子の典型的な特徴である、多数の鋭利縁部を有する。非球状粒子の鋭利縁部は、20μm未満の、好ましくは8μm未満の、最も好ましくは5μm〜0.5μmの先端の丸みを有する縁部によって定義される。先端の丸みは端部の先端の湾曲に適合する仮想円の直径により定義される。本出願人は、無機系発泡体の挽砕から得られた粒子は、発泡体に付随する発泡成形プロセス及び特定の連続気泡構造の結果である鋭利な縁部を伴う粒子を一般的に有することを見出した。発泡剤、所望により界面活性剤若しくは高分子剤を添加した/添加していないガス又は揮発溶媒のいずれかは、発泡成形プロセスの間、膨張する泡の湾曲により、発泡材の縁部(又は壁体)を鋭利化する補助をする。
【0044】
研磨粒子は、それらが製造される同じ発泡材から構成される。
【0045】
無機発泡材の生産方法はいくつかあり、無機発泡体製造プロセスのいかなる所定の工程で、発泡体構造を安定させるために、凝集剤添加物で達成することができる。
【0046】
なお、最終無機発泡体製品は、十分な機械抵抗を提供するために、凝集剤の残留物を含有してもよい。その場合、凝集剤の濃度は、最終無機系発泡体の40重量%以下、好ましくは20重量%以下、最も好ましくは5重量%以下である。凝集剤は、熱可塑性又は架橋性ポリマー、ろう、樹脂、接着剤、セルロース誘導体、リグノセルロース物質等又は混合物に基づいてよい。凝集剤の代表的な例は、セルロース系のポリマー及び繊維、デキストリン、ポリオレフィン特にポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、樹脂特にロジンエステル、ポリオレフィンろう、モンタンろう及びカルナバろうである。
【0047】
凝集剤混合物は、ビーズ、粒子又は繊維の形態内に充填剤も含有してよい。充填剤は、ポリエチレン、ポリプロピレン、PVC、ポリカーボネート、メラミン、尿素、ポリウレタン、ポリアクリレート、ポリスチレン、フェノール、ポリエステル、ポリアミド、セルロース由来の天然材料、リグノセルロース又はくるみの殻等の殻、リンゴの種、オリーブストーン、杏子の種、穀粒、木材、竹及び植物、並びにこれらの混合物からなる群から選択することができる。充填剤が凝集剤と共に追加されるとき、充填剤及び凝集剤の総質量は、最終無機系発泡体の40重量%以下、好ましくは20重量%以下、最も好ましくは5重量%以下となる。
【0048】
好ましい実施形態では、最終無機系発泡体は、製造プロセスのいかなる所定の工程で凝集剤の存在を要求しない発泡成形プロセスの結果として凝集剤及び充填剤を含有しない、若しくは無機系発泡体の1つ又はいくつかの硬化又は焼結段階は、有機材料、並びに特に凝集剤及び充填剤を除去するために高温が加えられる。焼結工程が存在し、生成された無機発泡体内に凝集粒子が存在しない場合、無機材料を含有する粒子をもたらし、それゆえ凝集粒子の硬さ又はその重量含量に相対する無機材料は、もはや重要ではない。
【0049】
この方法を経ることにより、当業者は、選択された材料密度及び多孔性で洗浄粒子を配合することができ、洗浄の重量効果を最適化する。
【0050】
様々な好適なプロセスは既知であり、無機材料を伴う発泡体構造を得るために当該技術分野において説明されているため、全ての方法ス及び詳細な方法を詳しく説明することは本意ではない。それでもなお、好ましいプロセスを以下に記載する:
エマルションを介するプロセスあるいは逆のエマルション、例えば、polyHIPE(例えば、HIPE(高内相エマルション又は濃縮された油中水型エマルションとも説明される)の重合)と呼ばれるプロセス等に反して、連続位相は、スラリー無機前駆体材料(例えば、凝集剤及び充填剤を含む又は含まない)を含む一方で、無機前駆体材料は、更に後に凝固又は硬化される。凝固又は硬化工程は、乳化したメディアの除去前又は後に起こってもよい。
【0051】
物理的膨張発泡成形プロセス:発泡体構造は、(凝集剤及び充填剤を含む又は含まない)スラリー無機前駆体材料内に気泡ガスを射出又は生成後、制御された気泡拡張、安定化(例えば、選択された界面活性剤、ポリマー、粒子又は繊維を伴う)並びに凝固又は硬化工程によって達成される。拡張気泡は、圧力下(例えば、空気、CO2、N2)で射出されたガスで作られてもよく、又は発泡剤概して低沸点発泡剤(例えば、ペンタン、シクロペンタン、ヘプタン、水)で作られてもよく、又は原位置(例えば、CO2)で生成されてもよい。好ましい実施形態では、スラリー無機前駆体材料は、発泡成形ポリウレタン前駆体、例えば、ジイソシアネート(例えば、BASF製ルプラネートシリーズ)ジオール(例えば、BASF製Lupranolシリーズ)、触媒及び乳化剤(例えば、Momentive製Niaxシリーズ)も含有する。この場合、ポリウレタン材料の40重量%の最小値は、無機スラリーの存在内で有効な発泡成形を保証するために存在し、一方で発泡成形の完了後、焼結工程は、ポリウレタンの過負荷を除去するために必要である。
【0052】
複製又は鋳型発泡成形プロセス:非常に好適な実施形態では、無機材料を含む粒子は、複製発泡成形と呼ばれるプロセスを経由して生成される無機系発泡体から作製される。このプロセスには、液体スラリー内によく分散した(粉末形態の)所望する無機材料を伴う液体スラリーを準備する工程、及び一般的には、発泡体の全体的な網状構造に完全にスラリーが浸透することを保証するための真空中のスラリー内への高分子発泡体の液浸によって、このようなスラリーを伴う高分子発泡体を含浸する工程、その後無機材料を凝固させる硬化工程が挙げられ、高分子発泡体の形が複製される。好ましくはこのようなプロセスは、焼結工程を含み、高分子発泡体が、連続気泡ネットワークを形成する全体的に中空の壁体を伴う無機系発泡体を離れて蒸発するのを可能にする。その後、発泡体の挽砕後、中空構造を伴って形成された粒子が作製される一方で、中空構造は、洗浄粒子の重量効果を改善するが、リザーバを同様に構成し、表面活性剤、界面活性ポリマー、香料、悪臭中和剤等の表面へ有効成分を輸送及び提供する。
【0053】
冷凍鋳型成形プロセス:同様に、無機材料を含む粒子は、冷凍鋳型成形と呼ばれるプロセスを経由して生成される無機系発泡体から作製される。このプロセスは、培地内に所望する(粉末形状の)無機材料を分散する工程を含み、この培地は分散時の温度で液体形状、一般的には水であり、ゾルを生成する。ゾルはその後成形型の中に配置され、所定の凍結速度で凍結されることで、凍結工程中に発生する樹枝状形成物が、無機材料の界面で無機材料を凝集する分岐部の入り組んだ配列を生成する。凍結工程は、昇華、すなわち個体から気体への直接的な相転移(一般的には温度及び圧力を管理することによる)を受ける培地を確保するために、一般的にフリーズドライ工程へと続き、分岐部は、必要とされる多孔性を与える中空の通路に効率的に置き換えられる。結果として生じる多孔性構造は、必要とされる機械強度を伴う無機系発泡体を達成するために、無機材料を凝固させるようにその後硬化される。本明細書内において、水以外の培地、例えば、室温及び圧力で昇華が発生する培地は、同様に使用されてもよいことが理解される。
【0054】
出願人は、有効かつ安全な洗浄粒子が、以下で説明するような極めて特定の構造パラメーターを有する発泡体から作製され得ることを見出した。
【0055】
発泡体の壁体のアスペクト比:
同様に、出願人は、高アスペクト比を有する壁体を特徴とする発泡体から作製された研磨粒子により、良好な洗浄効果が達成され得ることを見出した。出願人は、壁体を、発泡体の気泡構造を形成するように相互接続する細長形材料と定義し、この気泡構造は、
図2に示されるように、発泡体に関しては、五角十二面体構造として最も良好に説明される。壁体の長さ(L)は、典型的には、2つの相互接続する節の幾何学的中心間の距離として見なされる。壁体の厚さ(T)は、典型的には、壁体の長さの中間での投影された壁体の厚さである。出願人は、容易に回転する、より丸い粒子を作り出す可能性が高いことから、過度に小さいL/T比を有する壁体を提示する発泡体に由来する粒子が、洗浄に関して準最適の形状を提示することを理解した。反対に、汚れ除去性が低いという特徴を有する、ロッド様の粒子を過剰量作り出す可能性が高いことから、過度に高いL/T比を有する壁体を提示する発泡体に由来する粒子もまた、洗浄に関して準最適の形状を提示する。付随して、出願人は、驚くべきことに、より良好な著しい洗浄効果が、Visiocellソフトウェアによって判定される、1.5〜10の、好ましくは2.0〜8.0の、より好ましくは3.0〜6.0の、最も好ましくは3.5〜4.5の範囲のL/T比を有する壁体で達成され得ることを見出した。
【0056】
図2 壁体の長さ(L)及び壁体の厚さ(T)を有する、五角十二面体構造
好ましい実施形態では、発泡体の粒子への縮小を補助するために、発泡体は、十分に脆性、すなわち応力に対して脆性であり、発泡体は変形する傾向を殆ど有さず、むしろ粒子へと砕ける。
【0057】
発泡体の密度:
出願人は、良好な洗浄効果は、
【0058】
【数1】
は、無機材料の比重であって、
【0060】
【数3】
の密度を持つ発泡体から作られた研磨粒子をもって達成されることを見出した。
ここで、γ(本明細書で使用する場合)は無機材料の比重である。しかしながら、出願人は、驚くべきことに、著しくより良好な洗浄効果が、
【0061】
【数4】
未満の発泡体の密度で、より好ましくは
【0062】
【数5】
の発泡体の密度で、最も好ましくは
【0063】
【数6】
の発泡体の密度で達成され得ることを見出した。発泡体の密度は、例えば、ASTM D3574に記載されるプロトコルを使用して、測定することができる。
【0064】
発泡体の気泡サイズ:
同様に、出願人は、良好な洗浄効果が、20マイクロメートル〜2000マイクロメートルの範囲の気泡サイズを特徴とする発泡体から作製された研磨粒子で達成され得ることを見出した。しかしながら、出願人は、驚くべきことに、著しくより良好な洗浄効果が、100〜1000マイクロメートルの、より好ましくは200〜500マイクロメートルの、最も好ましくは300〜450マイクロメートルの気泡サイズを特徴とする発泡体で達成され得ることを見出した。発泡体の気泡サイズは、例えば、ASTM D3576に記載されるプロトコルを使用して、測定することができる。
【0065】
発泡体連続/独立気泡含量
同様に、出願人は、良好な洗浄効果が、独立気泡構造を特徴とする発泡体から作製された研磨粒子で達成され得ることを見出した。しかしながら、出願人は、驚くべきことに、著しくより良好な洗浄効果が、連続気泡構造を有する発泡体から粒子へと縮小された研磨洗浄粒子で達成され得ることを見出した。連続気泡発泡体構造は、明確に画定された鋭利な壁体を形成する機会を提示し、このことが同様に、有効な研磨粒子を作り出す。反対に、各壁体から膜様材料へと延びる発泡材によって各気泡が閉鎖される、独立気泡が存在すると、研磨粒子へと挽砕した後に、平坦形状の残留物を一部に含有する研磨剤集団が作り出される。この平坦形状の残留物は、有効な洗浄性能を提供せず、それゆえ、望ましくない特徴である。この平坦形状の残留物の形状は、洗浄性を提供するためには準最適である。更には、これらの膜は、本質的に極めて脆弱であり、発泡体の挽砕の間、及び洗浄方法での使用の間にも、数百マイクロメートル〜サブマイクロメートルサイズの範囲のサイズを有する望ましくない粉塵を含む、著しく小さい粒子へと容易に砕ける。出願人は、50%未満の、好ましくは30%未満の、最も好ましくは15%未満の独立気泡を有する発泡体構造が、有効な研磨洗浄粒子を製造するのに望ましいことを見出した。
【0066】
したがって、効率的な洗浄粒子は、発泡構造体を、特別に注意して、標的サイズ及び標的形状へと挽砕することによって作製される。それゆえ例えば、大きい粒径が所望される場合、大きい気泡サイズを有する発泡体が望ましく、逆の場合もまた同様である。更には、発泡体構造を挽砕しつつ、最適な粒子形状を保持するためには、標的の粒径を、発泡体の気泡サイズの寸法よりも過度に小さくしないことが推奨される。典型的には、出願人は、発泡体の気泡サイズの約半分よりも小さくない標的の粒径を推奨する。出願人は、例えば元の発泡体構造に対し、また特に気泡サイズに対し粒子を過度に縮小させることで、準最適の洗浄効率を有する、より丸い粒子が生成されることを見出した。
【0067】
実際には、発泡体を粒子集団へと縮小するための方法は、平均的な発泡体気泡サイズの半分よりも小さいサイズを有する粒子の量が、30重量%未満、好ましくは20重量%未満、より好ましくは10重量%未満であるよう、最も好ましくは粒子が検出されないように設定される。この粒径の重量比率は、物理的篩い分け法によって判定される。注意:平均の発泡体気泡サイズの半分に関連するサイズに基づく、粒子の分別を進行させるために、理論的な標的篩い分けグリッドに対しての、篩い分けメッシュの選択に関しては、10%の許容誤差が認められる。選択される篩い分けメッシュの許容誤差は、理論的な標的サイズに対して、より小さい利用可能な篩分けメッシュに関して有効である。
【0068】
発泡体を本明細書での研磨洗浄粒子に縮小する1つの好適な方法は、発泡体を挽砕又は摩砕することである。他の好適な手段としては、集塵装置を備える高速の削剥ホイール等の、削剥器具の使用が挙げられ、このホイールの表面は、パターンが彫刻されるか、又は研磨紙等で被覆され、発泡体が、本明細書における研磨粒子を形成することを促進する。
【0069】
代替として及び本明細書での極めて好ましい実施形態では、発泡体をいくつかの工程で粒子に縮小してもよい。最初に、バルク発泡体を、手で切り刻む又は切断することにより、又は砕塊機、例えばS Howes,Inc.(Silver Creek,NY)からのモデル2036等の機械的な器具を用いて数cmの寸法の片に破砕することができる。
【0070】
研磨粒子の硬さ:
本明細書での使用に好適な好ましい研磨洗浄粒子は、良好な洗浄/クレンジング性能を提供するために十分に硬質なまま、良好な表面安全プロフィールを提供する。
【0071】
本発明で使用するための無機材料を含む粒子は、1〜4、好ましくは1.5〜3.5、好ましくは2〜3、更に好ましくは2.5〜3以下のモース硬さを有する。
【0072】
モース硬さスケールは、既知の硬さの化合物と比較して化合物の硬さを測定するための国際的に認定されたスケールである。Encyclopedia of Chemical Technology,Kirk−Othmer,4th Edition Vol 1,page 18又はLide,D.R(ed)CRC Handbook of Chemistry and Physics,73rd edition,Boca Raton,Fla.:The Rubber Company,1992〜1993を参照のこと。既知のモース硬さの材料を含む多数のモース試験キットが市販されている。選択されたモース硬さを伴う研磨粒子の測定及び選択のためにモース硬さ測定は、無形粒子で、例えば球状又は粒状形態の研磨材で一般的に実施される。
【0073】
発泡体由来の粒子が有効な形状を特徴とすることを制御するためには、本発明では、成形方法、及び極めて重要な形状標的パラメーターを定義することが有用である。
【0074】
研磨洗浄粒子の形状は、多くの方法で定義することができる。本発明は、洗浄粒子の形状を、粒子の1つの形態で定義し、この形態は、粒子の幾何学的比率、より実際的には、粒子集団の幾何学的比率を反映する。極めて最近の分析技術は、多数の粒子、典型的には10000個を超える粒子(好ましくは、100000個よりも多い)の、粒子形状の正確な同時測定を可能にする。このことによって、特徴的な性能を持つ平均の粒子集団形状の正確な調整及び/又は選択が可能となる。粒子形状のこれらの測定値分析は、Occhio Nano 500粒子特性評価計器上で、その付属のソフトウェア、Callistroバージョン25(Occhio s.a.Liege,Belgium)を使用して遂行される。この装置を使用して、メーカーの指示、及び次の装置設定の選択により粒子試料の準備、分散、画像化及び分析を行う:要求ホワイトレベル(white)=180、真空時間=5000ms、沈降時間=5000ms、自動しきい、粒子数計数値/分析値=8000〜500000、レプリカ/試料の最小数=3、レンズ設定1x/1.5x。
【0075】
出願人は、しかしながら、有意なサイズの粒子の形状が、極めて重要な役割を果たすと見なし、そのため実際には、形状パラメーターは、10マイクロメートル未満のサイズを有する粒子を除外した後の、粒子集団の平均形状として測定される。除外は、篩いの助けを借りて物理的に行なうか、又は好ましくは、10マイクロメートル未満のサイズ直径、例えば「面積直径」(粒子と同じ面積Aを有する円板の直径の値)を有する粒子の統計的フィルタリングを介して、電子的に行なうことができる(ISO 9276−6:2008(E)項7を参照)。
【0076】
本発明において形状記述子は、幾何学的記述子/形状因子の計算である。幾何学的形状因子は、2つの異なる幾何学的性質間の比であり、このような性質は、通常、粒子全体の像の比率の尺度、又は粒子を包み込むか若しくは粒子の周りで包絡線を形成する理想的な幾何学的体の比率の尺度である。これらの結果は、アスペクト比と同様の、マクロ形状記述子であるが、しかしながら、出願人は、メソ形状記述子(マクロ形状記述子の特定の下位分類)が、研磨洗浄粒子の洗浄有効性、及び表面安全性性能に、特に極めて重要であることを発見した一方で、アスペクト比等の、より典型的な形状パラメーターでは不十分であることが判明した。これらのメソ形状記述子は、粒子が、理想的な幾何学的形状と比較してどの程度異なっているか、特に、球体と比較してどの程度異なっているかを判定する際に大いに役立ち、また付随的に、非回転性の(例えば、滑動)、有効な洗浄移動パターンに関する、その粒子の能力を判定する補助となる。本発明の研磨洗浄粒子は、典型的な球状又は球状類似の研磨剤、例えば顆粒状の研磨剤の形と異なる。
【0077】
形状因子:
形状因子は、定量的な、2次元画像分析による形状説明であり、Occhio Nano 500粒子特性評価計器によって、その付属のソフトウェア、Callistroバージョン25(Occhio s.a.Liege,Belgium)を使用して実装されるようなISO 9276−6:2008(E)項8.2に従って測定されている。形状因子は、好ましいメソ形状記述子であり、Occhio Nano 500又はMalvern Morphologi G3等の、形状分析計器で広く利用可能である。形状因子は、粒子の形状及び完璧な球体の違いであるとして、時に文献に記載されている。形状因子の値は0〜1の範囲であり、形状因子1は、二次元画像で測定されるときの、完璧な球状の粒子又は円盤粒子を説明する。
【0078】
【数7】
式中、Aは二次元記述子である投影面積であり、Pは粒子の周辺の長さである。
【0079】
本明細書における無機材料を含む粒子は、0.1〜0.6好ましくは0.1〜0.4、好ましくは0.15〜0.3、及び更に好ましくは0.2〜0.25の平均形状因子を持つ。これらは、より良い洗浄性能及び表面安全性を提供する。式中、平均データは、数に基づく測定と対比した、体積に基づく測定から抽出される。
【0080】
ソリディティ:
ソリディティは、定量的な二次元の画像解析形状記述であり、ISO 9276−6:2008(E)8.2項に従って測定され、ソフトウェアCallistroバージョン25付きのOcchio Nano 500粒子キャラクタリゼーション装置(Occhio s.a.Liege,Belgium)を介して行われる。本明細書での非球状粒子は、好ましくは凹状の湾曲を有する少なくとも1つの端部又は表面を有する。ソリディティは、粒子/粒子集団の全体の凹性を記述する、メソ形状パラメーターである。ソリディティの値は、0〜1の範囲であり、ソリディティ数1は、次式として文献で測定されるときの、非凹状粒子を説明する。
ソリディティ=A/Ac
式中、Aは粒子の面積であり、Acは粒子を結合する凸状外皮(包絡線)の面積である(
図3を参照)。
【0081】
本明細書における無機材料を含む粒子は、0.3〜0.9、好ましくは0.3〜0.8、好ましくは0.5〜0.7、及び更に好ましくは0.55〜0.65の平均ソリディティを持つ。式中、平均データは、数に基づく測定と対比した、体積に基づく測定から抽出される。このような粒子は、改善された洗浄性能及び表面安全性を提供する。
【0082】
ソリディティは、文献、又はソリディティの数式を使用する一部の装置のソフトウェアでは、ISO 9276−6で説明されるその定義の代わりに、凸性と命名される場合もある(凸性=Pc/P、式中、Pは、粒子の周囲の長さであり、P
Cは、粒子の境界の凸状外皮(包絡線)の周囲の長さである)。ソリディティ及び凸性は、概念においては類似のメソ形状記述子であるにも拘わらず、本出願人は、上述のようにOcchio Nano 500により表されるソリディティの尺度を本明細書では参照する。
【0083】
所望により、上記で定義されたメソ形状記述子を有する粒子を、より粒状/球状タイプの研磨剤と混合することができる。その場合には、出願人は、そのメソ形状値の範囲が、最終混合物に適用されると見なす。
【0084】
非常に好ましい実施形態では、研磨洗浄粒子は、0.3〜0.8(好ましくは0.5〜0.7、及び更に好ましくは0.55〜0.65のソリディティ)の平均ソリディティ、並びに/若しくは0.1〜0.4(好ましくは0.15〜0.3、及び更に好ましくは0.2〜0.25)の平均形状因子、を有する。
【0085】
「平均形状因子」、又は「平均ソリディティ」という用語を、出願人は、10マイクロメートル未満の面積相当直径(ECD)を有する粒子の、形状因子又はソリディティのデータを、測定及び算出から除外した後の、少なくとも10 000個の粒子、好ましくは50 000個よりも多い粒子、より好ましくは100 000個よりも多い粒子の集団から採取される、各粒子の形状因子又はソリディティの値の平均として見なす。平均データは、数を基準にした測定と比較して容積を基準にした測定から抽出される。
【0086】
好ましくは、本明細書の非球状粒子は、多数の鋭利縁部を有する。非球状粒子の鋭利な端部は、20μm以下、好ましくは8μm以下、最も好ましくは5μm以下の先端の丸みを有する端部により定義される。先端の丸みは端部の先端の湾曲に適合する仮想円の直径により定義される。
【0087】
好ましい実施形態では、研磨洗浄粒子は、10μm〜1000μm、好ましくは50μm〜500μm、更に好ましくは100μm〜350μm、及び最も好ましくは150μm〜250μm、若しくは10μm〜50μm、好ましくは10μm〜30μm、更に好ましくは10μm〜20μm(特にこのような粒子が練り歯磨き組成物に使用されるとき)の、平均ECDを有する。
【0088】
実際、本出願人は、小さい粒径、例えば、典型的には10マイクロメートル以下の過剰に研磨剤集団は、小さい粒径に固有のクリーナー中の粒子装填量当たりの高い粒子数を示すにも拘わらず、洗浄と比較してポリッシュ作用を示すが、効率的な洗浄性能を達成するのに研磨性粒径が極めて重要であり得るということを見出した。他方、過度の高粒径、例えば典型的には1000マイクロメートル以上の研磨剤集団は、大粒径に固有なこととしてクリーナー中の粒子装填量当たりの粒子数が著しく減少するので、最適でない洗浄効率を与える。更には、実際面で、小さくて多数の粒子は、様々な表面トポロジーから除去することが困難である場合が多く、可視の粒子残留物を表面に残存させないのであれば、除去するための過大な労力が、ユーザーに要求されることから、粒径が過剰に小さいと洗浄剤内/洗浄作業用には望ましくない。他方、過度の大粒子は、目視での検出が容易過ぎるか、又はクリーナーの取扱い又は使用時に悪い触覚体験を提供する。したがって、出願人は、本明細書で、最適な洗浄性能及び使用経験の双方をもたらす、最適な粒径範囲を定義する。
【0089】
研磨粒子は、円相当径ECD(ASTM F1877−05項11.3.2)とも呼ばれる、これらの面積相当直径(9276−6:2008(E)項7)によって定義されるサイズを有する。粒子集団の平均ECDは、10マイクロメートル未満の面積相当直径(ECD)を有する粒子のデータを、測定及び算出から除外した後の、少なくとも10 000個の粒子、好ましくは50 000個よりも多い粒子、より好ましくは100 000個よりも多い粒子の粒子集団の、各粒子のそれぞれのECDの平均として算出される。平均データは、数を基準にした測定と比較して容積を基準にした測定から抽出される。
【0090】
1つの好ましい例では、本発明で使用される研磨洗浄粒子の粒径は、特に著しい粒径低下を受ける使用時に改変される。したがって、粒子は、液体組成物中及び使用プロセスの開始時に目視又は触覚で検出可能なままで、有効な洗浄を提供する。洗浄プロセスが進行するにしたがって、研磨粒子はより小粒子に分散又は破砕し、肉眼で目視不能又は触覚で検出不能となる。
【0091】
驚くべきことに、本発明の研磨洗浄粒子は、好ましくは組成物全体の0.1重量%〜20重量%、好ましくは0.1重量%〜10重量%、より好ましくは0.5重量%〜5重量%、更により好ましくは組成物全体の1.0重量%〜3重量%の研磨洗浄粒子等の、比較的低濃度でさえ、良好な洗浄性能を示すことが見いだされた。
【0092】
本発明で使用される粒子は、白色、透明、又は、好適な染料及び/若しくは顔料の使用により着色したものであることができる。更には、好適な色相安定剤を使用して、所望の色を安定化することができる。研磨粒子は、好ましい色相安定性粒子である。「色相安定性」により、本明細書では、本発明に使用される粒子の色が貯蔵及び使用中に黄変しないことが意味される。
【0093】
1つの好ましい例では、本発明で使用される研磨洗浄粒子は、瓶での貯蔵時には目視可能のままであり、一方、有効な洗浄プロセス時には研磨粒子は小粒子に分散又は破砕し、肉眼で目視不能となる。
【0094】
好適な無機物の選択:
無機材料を含む粒子のために使用される無機物は、本明細書に記載される試験方法を使用して測定したとき、1〜4、好ましくは1.5〜3.5、好ましくは2〜3、更に好ましくは2.5〜3のモース硬さを有する無機物から選択される。
【0095】
好ましい実施形態では、本明細書で使用される無機物は、1〜3、好ましくは1〜2.5、更に好ましくは1〜2の
【0096】
【数8】
を持つ。前述した比重は、無機材料を含む粒子が、効果的な洗浄を提供する液体の塗布時に表面上に速やかに蒸着するが、同時に液体マトリックス内に懸濁しやすいように選択される。
【0097】
注目すべき代表的な無機材料は、カーボネート、スルフェート、ホスフェート、水酸化物、カルシウムのフッ化塩、バリウム、鉄、マグネシウム、マンガン、亜鉛、銅、ホウ酸塩、ナトリウム、カリウム、アンモニウム、アルミナ又はケイ酸塩及び配合物由来であり、材料は、広く既知の無機材料合成プロセス(例えば、Synthesis of Inorganic Materials−Wiley or Handbook of Inorganic Compounds−CRC)から合成されてもよく、若しくは自然に生じる無機材料を採鉱&処理することから抽出されてもよく、あるいは無機発泡体の製造プロセスの任意の工程での合成及び自然材料の混合物であってもよい。無機材料の前駆体の例は、任意追加的に凝集剤を伴う超微粉末の形状のもと、自然無機材料と共に任意追加的に配合された無機組成物の有機物、酸化物、水酸化物、又はハロゲン化物が挙げられる。その場合、微粉末は、望ましくは30ミクロン以下、好ましくは15ミクロン以下、更に好ましくは5ミクロン以下であり、最良の材料均質性及び合成効果を得る。特に原料の無機前駆体材料が、天然の無機材料の微粉末を含むときだが、一般的には、スラリーを硬化及び接合し、任意追加的に有機凝集剤の除去された一部又は全体への硬化工程、通常は焼結工程が必要である。一般的には、焼結温度は、400℃以上、好ましくは600℃以上である。
【0098】
本明細書で使用される天然の無機材料の例は、表1に記載される無機物及びこれらの混合物からなる群から選択されてもよい。
【0103】
好ましい実施形態では、無機材料を含む粒子のために使用される無機物は、2〜3のモース硬さ及び1〜2.5の比重を持つものから選択される。好ましくは、このような無機物は、表2に記載されるもの及びこれらの混合物からなる群から選択される。
【0105】
最も好ましい実施形態では、本明細書で使用される無機物は、2.5〜3のモース硬さ及び1〜2の比重を持つ。好ましくは、無機物(複数の無機物)は、表3に記載されるもの及びこれらの組み合わせからなる群から選択される。
【0107】
前述の特性を有する無機材料を含む粒子、及び特に引用された比重は、例えば高分子材料等から派生した他の同様の粒子と比較して、改善された重量効率を可能にする。理論に束縛されるものではないが、これは、洗浄現象が起こる洗浄界面において、高密度無機粒子がより早く沈殿する傾向にあるとき、これらの高密度に対するポリマー由来の洗浄粒子によるもだと信じられている。洗浄製剤は、水と共に希釈を受ける(例えば、洗浄用具に存在する)ため、懸濁システムがその懸濁効率を失い、且つより多くの無機粒子が、有機粒子に対して洗浄界面においてより速く蒸着する。
【0108】
本明細書における無機材料を含む粒子の更なる利点として、より高い重量効果を鑑みて、組成物内に含有される粒子の全体の濃度は、過剰密度、例えば、一般的には上記3を伴う無機粒子と比較して軽減されてもよい。
【0109】
以下の無機材料は、以下1又は上記4のいずれかであるモース硬さを鑑みて、本明細書において有用ではない材料のいくつかの例である:アノーソミナスラグ石、アンソイナイト、バルベベーリ石、ベルリーライト、ボストウィッカイト、カーリナイト、ダシュコヴァ石、ダイナイト、エカテリン石、エヴェンキ石、蟻灰石、グローコセリナイト、グリッフィサイト、ハルタイト、苦土華、イルマジョク鉱、ジュンジャイト、ラリサアイト、ラサライト、ラザレンコアイト、マンガゼアイト、マツウラアイト、メタリンカイウラン石、ナクライト、ナトロン、コルネタイト、剥沸石、大隅石、エーカナイト、マンガンベルツェリウス石、ナトロフィライト、フォスフォインネライト、ローゼンハーン石、バフェアティス鉱、ベデライト、ベルベルヒ沸石、ダービライト、ジリチウム、緑銅鉱、デットマライト、ロボゼライト、ルクラナイト、マグハサイト等。
【0110】
好ましい実施形態では、無機材料を含む粒子は、
図4に例示されたような中空コアを含む。かかるものは、発泡体が、先に述べた焼結工程を含む複製発泡成形を経由して作製されたときに一般的に得られる。本実施形態において、中空は、一般的に1種類以上の活性剤で満たされている。本実施形態の利点の1つは、粒子がより小さい断片に分解されると、有効成分が、拭取り及び/又は研磨プロセス中のずりの適用に際し突如解放されることであり、そうすることで、処理された表面上への有効成分の有効作用を高める。本実施形態において、活性物質は、好ましくは界面活性剤、界面活性ポリマー悪臭中和剤、香料、及びこれらの混合物の群から選択される。液体洗剤組成物内にある、粒子内の中空コアに含まれる悪臭中和剤及び/又は香料を有する、このような無機材料を含む粒子の使用は、硬質表面からの有効な悪臭除去を提供する。
【0111】
好ましい実施形態では、中空コアは、粒子の外側と流体連通しており、好ましくは少なくとも1つの表面、更に好ましくは1つ以上の表面に開放端を有し、そうすることで中空コア内に含まれる活性物質が、完全に封入されないが、好ましくは表面張力を介して保持される。活性物質は、真空下で活性物質を保つ間、活性物質内での液浸によって中空粒子に組み込まれてもよい。
【0112】
任意の成分
本発明の組成物は、目的とする技術的効果及び処理される表面に応じて、種々の任意の成分を含んでもよい。
【0113】
本明細書で用いるのに好適な任意の成分には、キレート剤、ラジカル掃去剤、表面変性ポリマー、溶媒、ビルダー、緩衝剤、殺菌剤、向水性物質、着色剤、安定剤、漂白剤、漂白活性化剤、脂肪酸のような泡抑制剤、酵素、疎水性皮膚軟化剤、湿潤剤、汚れ懸濁剤、増白剤、防塵剤、分散剤、顔料、及び染料が挙げられる。
【0114】
懸濁助剤:
本発明の組成物中に存在する研磨洗浄粒子は、一般的に液体又はペースト組成物中の固体粒子である。上記研磨洗浄粒子は液体組成物中に懸濁していてもよい。しかしながら、このような研磨洗浄粒子が、組成物内で不安定な懸濁であり、かつ組成物の最上部で沈降又は浮遊のいずれかをするということは、充分本発明の範囲内のことである。この場合には、使用者は、使用前に組成物を揺動(例えば、振盪又は撹拌)することにより、研磨洗浄粒子を一時的に懸濁させなければならないこともある。
【0115】
しかしながら、本明細書では研磨洗浄粒子は、本明細書での液体組成物に安定に懸濁することが好ましい。したがって、本明細書での組成物は懸濁助剤を含む。
【0116】
本明細書中の懸濁助剤は、構造形成剤等、本発明の液体組成物中で研磨洗浄粒子の懸濁液を提供するように特に選択された化合物であるか、あるいは、増粘剤又は界面活性剤(本明細書中で別箇所で述べるような)等の別の機能を提供する化合物であってもよい。
【0117】
洗浄/クレンジング組成物及び他の洗剤又は化粧用組成物中でゲル化、増粘又は懸濁剤として典型的に使用される、任意の好適な有機及び無機懸濁助剤を、本明細書中で使用してもよい。実際、好適な有機懸濁助剤は多糖ポリマーを含む。加えて又は代替として、ポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤を本明細書中で使用してもよい。また、加えて又は上述の代替として、層状ケイ酸塩小板、例えばヘクトライト、ベントナイト又はモンモリロナイトも使用することができる。好適な市販の層状ケイ酸塩は、Rockwood Additivesから入手可能な、Laponite RD(登録商標)又はOptigel CL(登録商標)である。
【0118】
好適なポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤としては、(好ましくは軽)架橋ポリアクリレートが挙げられる。特に好適なポリカルボン酸塩ポリマー増粘剤は、商品名Carbopol 674(登録商標)でLubrizolから市販されているCarbopolである。
【0119】
本明細書での使用に好適な多糖ポリマーとしては、カルボキシメチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシメチルセルロースのような置換セルロース材料、スクシノグリカン、及びキサンタンガム、ゲランガム、グアーガム、イナゴマメガム、トラガカントガム等の天然の多糖ポリマー、若しくはこれらの誘導体、又はこれらの混合物が挙げられる。キサンタンガムは商品名Kelzan TでKelcoから市販されている。
【0120】
好ましくは、本明細書中の懸濁助剤はキサンタンガムである。代替の実施形態では、本明細書中の懸濁助剤は、ポリカルボキシレートポリマー増粘剤、好ましくは(好ましくは軽)架橋ポリアクリレートである。本明細書中の極めて好ましい実施形態では、液体組成物は、多糖ポリマー又はこれらの混合物、好ましくはキサンタンガムと、ポリカルボキシレートポリマー又はこれらの混合物、好ましくは架橋ポリアクリレートとの組み合わせを含む。
【0121】
好ましい実施例として、キサンタンガムは、好ましくは、組成物全体の0.1重量%〜5重量%、より好ましくは0.5重量%〜2重量%、更により好ましくは0.8重量%〜1.2重量%の濃度で存在する。
【0122】
有機溶媒:
任意ではあるが、極めて好ましい成分として、本明細書での組成物は有機溶媒又はこれらの混合物を含む。
【0123】
本明細書での組成物は、組成物全体の0重量%〜30重量%、より好ましくは1.0重量%〜20重量%、最も好ましくは、2重量%〜15重量%の有機溶媒又はこれらの混合物を含む。
【0124】
好適な溶媒は、4〜14個の炭素原子、好ましくは6〜12個の炭素原子、より好ましくは8〜10個の炭素原子を有する脂肪族アルコール、エーテル及びジエーテル;グリコール又はアルコキシル化グリコール;グリコールエーテル;アルコキシル化芳香族アルコール;芳香族アルコール;テルペン;及びこれらの混合物からなる群から選択可能である。脂肪族アルコール及びグリコールエーテル溶媒が最も好ましい。
【0125】
Rが1〜20個、好ましくは2〜15個、より好ましくは5〜12個の炭素原子の線状又は分岐の飽和又は不飽和アルキル基である、式R−OHの脂肪族アルコールが好適な溶媒である。好適な脂肪族アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、又はこれらの混合物である。脂肪族アルコールの中で、蒸気圧が高く、及び残渣を残さない傾向があるために、エタノール及びイソプロパノールが最も好ましい。
【0126】
本明細書で使用される好適なグリコールは、式HO−CR
1R
2−OH(式中、R1及びR2は、独立にH又はC
2〜C
10飽和又は不飽和脂肪族炭化水素鎖及び/又は環状鎖である)に従う。本明細書の使用に好適なグリコールは、ドデカングリコール及び/又はプロパンジオールである。
【0127】
1つの好ましい実施形態では、少なくとも1つのグリコールエーテル溶媒が本発明の組成物に組み込まれる。特に好ましいグリコールエーテルは、1〜3個のエチレングリコール又はプロピレングリコール部分に結合された、末端C
3〜C
6炭化水素を有し、適度な疎水性、及び好ましくは表面活性を提供する。エチレングリコール化学品をベースとする市販の有機洗浄溶媒の例としては、Dow Chemicalから入手可能な、モノ−エチレングリコールn−ヘキシルエーテル(Hexyl Cellosolve(登録商標))が挙げられる。エチレングリコール化学品をベースとする市販の溶媒の例としては、商品名Arcosolv(登録商標)及びDowanol(登録商標)でArcoから入手可能な、プロピル及びブチルアルコールのジ−及びトリ−プロピレングリコール誘導体が挙げられる。
【0128】
本発明の文脈では、好ましい溶媒は、モノ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、モノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−プロピルエーテル、ジ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル;トリ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテル;エチレングリコールモノ−ブチルエーテル;ジエチレングリコールモノ−ブチルエーテル、エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びジ−エチレングリコールモノ−ヘキシルエーテル及びこれらの混合物からなる群から選択される。「ブチル」は、ノーマルブチル、イソブチル、及びターシャリーブチル基を含む。モノ−プロピレングリコール及びモノ−プロピレングリコールモノ−ブチルエーテルが、最も好ましい洗浄溶媒であり、商品名Dowanol DPnP(登録商標)及びDowanol DPnB(登録商標)で入手可能である。ジ−プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテルは商品名Arcosolv PTB(登録商標)でArco Chemicalから市販されている。
【0129】
特に好ましい実施形態では、洗浄溶媒は、不純物を最少化するために、精製される。このような不純物としてはアルデヒド、ダイマー、トリマー、オリゴマー及び他の副生成物が挙げられる。これらは、製品の臭い,芳香剤溶解性及び最終結果に悪影響を及ぼすことが見出されている。本発明者らは、低濃度のアルデヒドを含有する普通の市販の溶媒が、特定の表面の不可逆的及び修復不能な黄化を生じる可能性があるということを見出した。洗浄溶媒を精製して、このような不純物を最少化又は除去することにより、表面損傷が軽微化又は排除される。
【0130】
好ましくはないが、テルペンを本発明で使用することができる。本明細書で用いるのに好適なテルペンとしては、単環テルペン、双環テルペン及び/又は非環状テルペンが挙げられる。好適なテルペンは、D−リモネン;ピネン;パインオイル;テルピネン;メントール、テルピネオール、ゲラニオール、チモール等のテルペン誘導体;及びシトロネラ又はシトロネロールタイプの成分である。
【0131】
本明細書で使用される好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、式R−(A)n−OHによるものであり、式中、Rは、炭素原子が1〜20個の、好ましくは2〜15個の、より好ましくは2〜10個の、アルキル置換又はアルキル非置換のアリール基であり、Aは、アルコキシ基、好ましくは、ブトキシ基、プロポキシ基、及び/又はエトキシ基であり、nは、1〜5、好ましくは1〜2の整数である。好適なアルコキシル化芳香族アルコールは、ベンゾキシエタノール及び/又はベンゾキシプロパノールである。
【0132】
本明細書で用いるのに好適な芳香族アルコールは、式R−OH(式中、Rは1〜20個、好ましくは1〜15個、より好ましくは1〜10個の炭素原子のアルキル置換又は非アルキル置換アリール基である)で表されるものである。例えば、本明細書で用いるのに好適な芳香族アルコールは、ベンジルアルコールである。
【0133】
キレート剤:
本明細書での使用のための1つの類の任意の化合物としては、キレート剤又はこれらの混合物が挙げられる。キレート剤は、本明細書の組成物中に組成物全体の0.0重量%〜10.0重量%、好ましくは0.01重量%〜約5.0重量%の範囲の量で組み込み可能である。
【0134】
本明細書における使用に好適なホスホン酸塩キレート剤としては、アルカリ金属エタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩(HEDP)、アルキレンポリ(アルキレンホスホン酸塩)、並びにアミノアミノトリ(メチレンホスホン酸塩)(ATMP)、ニトリロトリメチレンホスホン酸塩(NTP)、エチレンジアミンテトラメチレンホスホン酸塩、及びジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)を包含するアミノホスホン酸塩化合物を挙げることができる。ホスホン酸塩化合物は、その酸型として、又は酸性官能基の一部若しくはすべてを元に、異なるカチオンとの塩として存在してよい。本明細書で用いるのに好ましいホスホン酸塩キレート剤は、ジエチレントリアミンペンタメチレンホスホン酸塩(DTPMP)及びエタン1−ヒドロキシジホスホン酸塩(HEDP)である。このようなホスホン酸塩キレート剤は、Monsantoから商品名DEQUEST(登録商標)で市販されている。
【0135】
多官能性置換芳香族キレート剤もまた、本明細書に記載の組成物において有用であり得る。米国特許第3,812,044号(Connorら、1974年5月21日発行)を参照のこと。この種の酸型の好ましい化合物は、1,2−ジヒドロキシ−3,5−ジスルホベンゼン等のジヒドロキシジスルホベンゼンである。
【0136】
本明細書で用いるのに好ましい生分解性キレート剤は、エチレンジアミンN,N’−二コハク酸、又はそのアルカリ金属塩、若しくはアルカリ土類金属塩、アンモニウム塩若しくは置換アンモニウム塩、又はこれらの混合物である。エチレンジアミンN,N’−ジコハク酸、特に(S,S)異性体については、米国特許第4,704,233号(Hartman及びPerkins、1987年11月3日)に広く記載されている。エチレンジアミンN,N’−二コハク酸は、例えば、Palmer Research Laboratoriesより、商品名ssEDDS(登録商標)で市販されている。
【0137】
本明細書での使用に好適なアミノカルボキシレートとしては、酸形態、又はアルカリ金属塩、アンモニウム塩、及び置換アンモニウム塩の形態の両方での、エチレンジアミン四酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸、ジエチレントリアミン五酢酸(DTPA)、N−ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸、ニトリロ三酢酸、エチレンジアミンテトラプロピオネート、トリエチレンテトラアミン六酢酸、エタノール−ジグリシン、プロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)が挙げられる。本明細書で使用される特に好適なアミノカルボキシレートは、ジエチレントリアミン五酢酸、例えばBASFより商品名Trilon FS(登録商標)で市販されているプロピレンジアミン四酢酸(PDTA)、及びメチルグリシン二酢酸(MGDA)である。
【0138】
更に、本明細書に用いるカルボン酸塩キレート剤としては、サリチル酸、アスパラギン酸、グルタミン酸、グリシン、マロン酸、又はこれらの混合物が挙げられる。
【0139】
ラジカル掃去剤:
本発明の組成物は更に、ラジカル掃去剤又はその混合物を含んでもよい。
【0140】
本明細書における使用に適したラジカル掃去剤としては、周知の置換モノ及びジヒドロキシベンゼン並びにこれらの類似体、アルキル及びアリールカルボキシレート並びにこれらの混合物が挙げられる。本明細書における使用に好ましいこのようなラジカル掃去剤としては、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエン(BHT)、ヒドロキノン、ジ−tert−ブチルヒドロキノン、モノ−tert−ブチルヒドロキノン、tert−ブチル−ヒドロキシアニソール、安息香酸、トルイル酸、カテコール、t−ブチルカテコール、ベンジルアミン、1,1,3−トリス(2−メチル−4−ヒドロキシ−5−t−ブチルフェニル)ブタン、没食子酸n−プロピル、又はこれらの混合物が挙げられ、ジ−tert−ブチルヒドロキシトルエンがきわめて好ましい。没食子酸N−プロピルのようなラジカル掃去剤は、Nipa Laboratoriesより、商品名Nipanox S1(登録商標)で商業的に入手可能である。
【0141】
ラジカル掃去剤は、使用される場合、本明細書中では典型的に全組成物の10重量%まで、好ましくは0.001重量%〜0.5重量%の量で存在してもよい。ラジカル掃去剤の存在は、本発明の組成物の化学的安定性に貢献し得る。
【0142】
染料:
本発明による液体組成物は、着色することができる。したがって、これらの組成物は、染料、又はその混合物を含み得る。
【0143】
組成物の送達形状
本明細書での組成物は、液体組成物を注ぐためのプラスチック瓶、搾り出し式瓶又は液体組成物をスプレーするための引き金式噴霧器を備えた瓶等、当該技術分野では既知の様々な好適なパッケージングに包装され得る。あるいは、本発明によるペースト様組成物をチューブに包装してもよい。
【0144】
本発明の代替的な実施形態では、本明細書での液体組成物を基材上に含浸させ、好ましくは基材を可撓性の薄いシート又はスポンジ等の材料のブロックの形とする。
【0145】
好適な基材は、織製シート又は不織シート、セルロース材料をベースとしたシート、オープンセル構造のスポンジ又は発泡体、例えば、ポリウレタン発泡体、セルロース発泡体、メラミン樹脂発泡体等である。
【0146】
表面を洗浄する方法
好ましい実施形態では、表面、好ましくは硬質表面は、本発明による組成物と接触するが、好ましくは、この組成物はその表面上に塗布される。
【0147】
別の好ましい実施形態では、本発明中の方法は、上記液体組成物を入れた容器から本発明による液体組成物を(例えば、スプレーする、注ぐ、搾り出すことにより)分注し、その後、上記表面を洗浄及び/又はクレンジングする工程を含む。
【0148】
本明細書での組成物は、未希釈の形又は希釈された形のものであってもよい。「未希釈の形」により、上記液体組成物が、いかなる希釈も受けずに処理対象の表面上に直接塗布されること、すなわち、本明細書での液体組成物が、本明細書で述べられるように表面上に塗布されるということを理解すべきである。「希釈された形」により、本明細書では、上記液体組成物を典型的には水によりユーザーが希釈することを意味する。液体組成物は水の重量の10倍までの典型的な希釈レベルまで使用前に希釈される。通常の推奨希釈レベルは水中での組成物の10%希釈である。
【0149】
本明細書での組成物は、本明細書中の希釈された又は未希釈の組成物中に浸けた、モップ、ペーパータオル、ブラシ(例えば、歯ブラシ)又は布等の適切な道具を用いて塗布してもよい。更には、上記表面上に塗布したならば、適切な器具を用いて上記組成物を上記表面上で揺動してもよい。実際、モップ、ペーパータオル、ブラシ又は布を用いて、上記表面を拭いてもよい。
【0150】
本明細書中の方法は、好ましくは上記組成物の塗布後、すすぎ工程を追加的に含んでもよい。本明細書では「すすぐ」により、本明細書の液体組成物を上記表面に塗布する工程の後、本発明に従う方法により洗浄/クレンジングされる表面と、相当量の適切な溶媒、典型的には水とを接触させることを意味する。「相当量」とは、本明細書では、1m
2の表面当たり、0.01リットル〜1リットルの水、より好ましくは、1m
2の表面当たり、0.1リットル〜1リットルの水を意味する。
【0151】
本発明の極めて好ましい実施形態では、洗浄の方法は、家庭の硬質表面を本発明による液体組成物で洗浄する方法である。
【実施例】
【0152】
列挙された成分を列挙された比率(重量%)で含むこれら下記の組成物を作製する。本明細書での実施例1〜43は、本発明を例示するが、必ずしも本発明の範囲を限定するか、又は別の方法で規定するために使用されるものではない。
【0153】
無機発泡体1の実施例:40質量部の炭酸カルシウム又はタルク又はセッコウ及び混合物は、40質量部のVoranol 3010(Dow)又はLupranol 2040(BASF)、2部のNiax L620(Momentive)及び1部のポリウレタン触媒系(スズオクトアート、ジラウリン酸ジブチル錫、1,4−ジアザビシクロオクタン、トリエチレンジアミン、ジメチルエタノールアミン及び水の混合)並びに任意追加的に8部のペンタンと混ぜ合わされる。注意:混合物の含水量は、その後炭酸カルシウム、タルク又はセッコウの選択内にすでにある含水量に従って調節される。40質量部のLupranate M200R(BASF)が添加され、且つ1分間完全に混合される。当業者は、触媒、ペンタン及び水の濃度、並びに所望する最終発泡体密度に従って発泡成形を促す反応温度を調節するであろう。本明細書の実施例における120〜300kg.m3に変化する発泡体密度は、容易に得られる。発泡体は、その後最低60分間700℃で焼結工程を受けている一方で、ポリウレタン発泡体からの全ての有機残渣は、40〜100kg/m3の範囲の密度、2〜3の範囲のモース硬さを伴う無機発泡体のスケルトンを残して解放された。炭酸カルシウムの例は、Covercarb 60(Omya製0.8μm大理石)、Craie moulue(2.8μm Omya製白亜)、Syncarb F0474−60(1.8μm Omya製方解石)、Superfine S(2.2μm Omya製白亜)、Sturcal FA4046(2μm Specialty Minerals製)、Fintalc M30−SQ(9μm Mondo Mineral製タルク)及びAldrich製セッコウである。発泡体は、250μmの円相当径を伴う粒子を産するためにすり砕かれる。
【0154】
無機発泡体2の実施例:20×100×100cmのブロック又は連続気泡であって、密度30kg/km3の網状可塑性発泡体は、コーティングされた発泡体の密度が最低2.5〜5xに上昇するまで、Fintalc M30−SQ(Mondo製粉末タルク)を伴って又は伴わずにcovercarb 60(Omya製CaCO3、72%固形分)又はsyncarb F0476−Go(Omya製CaCO3、52%固形分)のスラリー炭酸カルシウム内に液浸する/搾り出すサイクルを受ける。発泡体は、その後60分間200℃で乾燥され、且つ最低60分間700℃で焼結工程を受ける一方で、ポリウレタン発泡体からの全ての有機残渣は、25〜85kg/m3の範囲の密度及び2.5〜3の範囲のモース硬さを伴う無機発泡体のスケルトンを残して解放された。発泡体は、300μmの円相当径を伴う粒子を産するためにすり砕かれる。
【0155】
無機発泡体3の実施例:20×100×100cmのブロック又は連続気泡であって、密度30kg/km3の網状可塑性発泡体は、コーティングされた発泡体の密度が最低2.5〜5xに上昇するまで、5%乾燥重量の凝集剤(95%乾燥炭酸カルシウムータルク混合/5%凝集剤)が添加されたFintalc M30−SQ(Mondo製粉末タルク)を伴って又は伴わずにcovercarb 60(Omya製CaCO3、72%固形分)又はsyncarb F0476−Go(Omya製CaCO3、52%固形分)のスラリー炭酸カルシウム内に液浸する/搾り出すサイクルを受ける。発泡体は、その後200℃で60分間乾燥される。任意追加的に、発泡体は、60分間700℃で焼結工程を受ける一方で、凝集剤からの全ての有機残渣は、25〜85kg/m3の範囲の密度及び2.5〜3の範囲のモース硬さを伴う無機発泡体のスケルトンを残して解放された。凝集剤の例は、Keltrol RD(CP kelco製キサンタンガム)、NFC(JRS製ミクロフィブリル化セルロース)、Arbocel UFC C3(JRS製超微細セルロース3μm)、Dextrolin 6743(Paramelt製デキストリン液状接着剤)、Luwax PE 10M(BASF製微粉化ポリエチレンワックス)、Polygen MW1(BASF製モンタンろう)、Luwax S(BASF製酸性モンタンろう)、Polygen WE20(BASF製高密度酸化ポリプロピレン)、Paramelt製カルナバワックス粉末、Syncera CW 1245(Paramelt製カルナバワックスエマルション)、Kartofix(Paramelt製ポリビニルアルコール粉末)、Enzyflex 318(Paramelt製ポリ酢酸ビニル液状接着剤)及び混合である。発泡体は、200μmの円相当径を伴う粒子を産するためにすり砕かれる。
【0156】
無機発泡体4の実施例:20×100×100cmのブロック又は連続気泡であって、密度30kg/km3の網状可塑性発泡体は、コーティングされた発泡体の密度が最低2.5〜5xに上昇するまで、スラリー水酸化カルシウム(CaOH2)及び/又は蛇紋岩(Mg3SiO3(OH4)及び/又はドロマイト(CaMg(CO3)2+SiO2)に液浸する/搾り出すサイクルを受ける。発泡体は、水酸化カルシウム及び/又は蛇紋石及び/又はドロマイトを伴うCO2の反応が(炭酸カルシウムで)炭酸カルシウムを、並びに/若しくは(蛇紋石又はドロマイトで)タルクをそれぞれ形成するまで、CO2雰囲気のもと200℃で乾燥される。更に効率的又はより早い結果が望ましく必要なときは、CO2の処理は、高圧及び高温条件下(例えば、200℃、10メガパスカル(100バール))で実施されてもよい。発泡体は、その後最低60分間700℃で焼結工程を受け、25〜85kg/m3の範囲の密度及び2.5〜3の範囲のモース硬さを伴う無機発泡体を産する。発泡体は、250μmの円相当径を伴う粒子を産するためにすり砕かれる。
【0157】
無機発泡体5の実施例:CO2は、20x膨張比に到達するため、ケイ素−アルキル界面活性剤(例えば、Momentive製Niax L620)の存在下で、スラリー水酸化カルシウム(CaOH2)及び/又は蛇紋岩(Mg3SiO3(OH4)及び/又はドロマイト(CaMg(CO3)2+SiO2)に圧縮射出される。CO2の気体の流れは、水酸化カルシウム及び/又は蛇紋岩及び/又はドロマイトを伴うCO2反応が、25〜50kg/m3の範囲の密度及び2.5〜3の範囲のモース硬さを伴う無機発泡体の産出を終えるまで維持される。発泡体は、100μmの円相当径を伴う粒子を産するためにすり砕かれる。
【0158】
無機発泡体6の実施例:40質量部の炭酸カルシウム(Omya製のOmyacarb 1TAVステアリンコーティング、1.7μm又はOmya製のSuperfine Sステアリンコーティング2.2μm白亜)又はタルク(Specialty Minerals製のSturcal FA4046ステアリンコーティング2μm)又は混合の40質量部は、60部のスチレン/ジビニルベンゼン混合(95/5)、2.5部のSpan 80及び1部の過硫酸ナトリウムと混ぜ合わされる。120部のCaCl2を含む3000部の水は、高逆位相エマルションを作製するために60℃で緩徐に添加される。達成したとき、エマルションは90℃で12時間重合される。発泡体は、その後最低60分間700℃で焼結工程を受け、10〜25kg/m3の範囲の密度及び2.5〜3の範囲のモース硬さを伴う無機発泡体を産する。発泡体は、15μmの円相当径を伴う粒子を産するためにすり砕かれる。
【0159】
例として、無機発泡体の小粒子への挽砕は、回転ミルを使用することで行われ、並びに粒子選択は、Retsch製のエアジェット篩い分け器具の使用により行われた。
【0160】
【表4】
【0161】
【表5】
【0162】
【表6】
【0163】
【表7】
【0164】
【表8】
【0165】
【表9】
【0166】
【表10】
【0167】
【表11】
【0168】
上述の拭取り布洗浄剤組成物は、約0.80mmのキャリパーを伴う、横におよそ0.17メートル(およそ6.5インチ)、縦に0.19メートル(7.5インチ)の70%のポリエステル及び30%のレイヨンを含む、56グラム毎平方メートルの坪量を有する水流交絡不織布模様である、非水溶性基材の上に装填される。所望によっては、慣用の基材被覆法を用いて、基材を、ジメチコーン(ダウ・コーニング200流体5×10
-6m
2/s(5cst))により予備被覆することができる。重量比約2:1の洗浄剤:拭取り布は、従来の基材コーティング技術を用いて得られる。無機発泡体4から作られた研磨粒子は、例えば、0.2〜3グラム粒子/平方mの基材を得るように拭取り布洗浄剤を介して、拭取り布上に装填される
【0169】
【表12】
【0170】
【表13】
【0171】
【表14】
* 供給元の使用指示書に従い、塩基をアクリレートコポリマーの活性化に使用する。
** 配合物を低pHに調整するために、酸を添加することができる。
1.Carbopol Aqua SF−1(登録商標)(Noveon(商標),Inc.)
2.Noveon(商標),Inc.製の、カーボポールUltrez 21(登録商標)
3.Rhodia製Miranol(登録商標)Ultra L32
4.Glucamate LT(登録商標)(Chemron)
5.Crothix(登録商標)(Croda)
【0172】
実施例24〜27を次の方法で作製する:
配合物の遊離水を脱イオン化するためにCarbopol(登録商標)を加える。カチオン性物質及びベタインを除いてすべての界面活性剤を加える。pHが6未満であった場合には、中和剤(典型的には、塩基、すなわち、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム)を加えて、6超のpHに調整する。必要であれば、穏やかに加熱して粘度を低下させ、空気の捕捉を最小化するのを助ける。ベタイン及び/又はカチオン性界面活性剤を加える。調湿剤、追加のレオロジー変性剤、真珠光沢剤、封入材料、剥離剤、防腐剤、染料、香料、研磨粒子及び他の望ましい成分を加える。最後に、所望される場合には、酸(すなわち、クエン酸)でpHを低下させ、塩化ナトリウムを加えることにより粘度を増加させる。
【0173】
【表15】
【0174】
Zeodent 119、109、及び165は、J.M.Huber Corporationにより販売される沈殿シリカ材料である。
【0175】
ガントレッズは、マレイン酸無水物又は酸及びメチルビニルエーテルのコポリマーである。
【0176】
CMC 7M8SFは、ナトリウムカルボキシメチルセルロースである。
【0177】
ポロキサマーは、一級ヒドロキシル基末端の2官能性ブロックポリマーである。
【0178】
【表16】
【0179】
【表17】
【0180】
【表18】
1 アクリルアミド(AM)及びTRIQUATのコポリマー、MW=1,000,000;CD=1.6meq./グラム;Rhodia
2 ジャガーC500、MW−500,000、CD=0.7、Rhodia
3 ミラポール100S、31.5%活性、Rhodia
4 ジメチコーン流体、ビスカシル330M;30ミクロン粒径;Momentive Silicones
【0181】
本明細書に開示した寸法及び値は、記載された正確な数値に厳密に限定されるものと理解されるべきではない。むしろ、特に断らないかぎり、そのような寸法のそれぞれは、記載された値及びその値の周辺の機能的に同等の範囲の両方を意味するものとする。例えば、「40mm」として開示される寸法は、「約40mm」を意味することを意図する。