(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記複数のD2Dサブフレームの1つの送信タイミングは、D2D信号の種類にしたがって決定され、前記D2D信号の種類は、ディスカバリのための前記第1D2D信号及び通信のための第2D2D信号の一つである、請求項1に記載の方法。
前記D2Dリンクのために設定された前記複数のD2Dサブフレームの一つである第2D2Dサブフレームでの通信のための第2D2D信号を送信するステップをさらに含み、
前記第2D2Dサブフレームの送信タイミングは前記基地局から取得したセルでの上りリンクサブフレームのタイミングとして決定される、請求項1に記載の方法。
前記D2Dリンクのために設定された前記複数のD2Dサブフレームの一つである第2D2Dサブフレームでの通信のための第2D2D信号を送信するステップをさらに含み、
前記第2D2Dサブフレームの送信タイミングは、前記第2D2D信号のタイミングアドバンスを0に設定し、前記第2D2D信号の前記タイミングアドバンスを前記下りリンクサブフレームに適用して決定される、請求項1に記載の方法。
【発明を実施するための形態】
【0018】
本明細書に添付される図面は、本発明に関する理解を提供するためのものであり、本発明の様々な実施の形態を示し、明細書の記載と共に本発明の原理を説明するためのものである。
以下の説明で使われる特定用語は本発明の理解を助けるために提供されたものであり、このような特定用語の使用は、本発明の技術的思想を逸脱しない範囲で別の形態に変更されてもよい。
【0019】
いくつかの場合、本発明の概念が曖昧になることを避けるために、公知の構造及び装置は省略されてもよく、各構造及び装置の核心機能を中心にしたブロック図の形式で図示されてもよい。また、本明細書全体を通じて同一の構成要素については同一の図面符号を付して説明する。
【0020】
本発明の実施例は、無線接続システムであるIEEE 802システム、3GPPシステム、3GPP LTE及びLTE−A(LTE−Advanced)システム、及び3GPP2システムのうち少なくとも一つに開示された標準文書によって裏付けることができる。すなわち、本発明の実施例において本発明の技術的思想を明確にするために説明を省略した段階又は部分は、上記の文書によって裏付けることができる。また、本文書で開示している用語はいずれも上記の標準文書によって説明することができる。
【0021】
以下の技術は、CDMA(Code Division Multiple Access)、FDMA(Frequency Division Multiple Access)、TDMA(Time Division Multiple Access)、OFDMA(Orthogonal Frequency Division Multiple Access)、SC−FDMA(Single Carrier Frequency Division Multiple Access)などのような様々な無線接続システムに用いることができる。CDMAは、UTRA(Universal Terrestrial Radio Access)やCDMA2000のような無線技術(radio technology)によって具現することができる。TDMAは、GSM(Global System for Mobile communications)/GPRS(General Packet Radio Service)/EDGE(Enhanced Data Rates for GSM Evolution)のような無線技術によって具現することができる。OFDMAは、IEEE 802.11(Wi−Fi)、IEEE 802.16(WiMAX)、IEEE 802−20、E−UTRA(Evolved UTRA)などのような無線技術によって具現することができる。UTRAは、UMTS(Universal Mobile Telecommunications System)の一部である。3GPP(3rd Generation Partnership Project) LTE(long term evolution)は、E−UTRAを用いるE−UMTS(Evolved UMTS)の一部であり、下りリンクでOFDMAを採用し、上りリンクでSC−FDMAを採用する。LTE−A(Advanced)は、3GPP LTEの進化である。WiMAXは、IEEE 802.16e規格(WirelessMAN−OFDMA Reference System)及び発展したIEEE 802.16m規格(WirelessMAN−OFDMA Advanced system)によって説明することができる。明確性のために、以下では3GPP LTE及び3GPP LTE−Aシステムを中心に説明するが、本発明の技術的思想がこれに制限されることはない。
【0022】
以下、
図2及び
図3を参照して、3GPP LTEシステムの無線フレームの構造について説明する。
【0023】
図2は、LTE FDD(Frequency Division Duplex)システムにおいて無線フレームの構造を例示する。
【0024】
1つの無線フレーム(radio frame)は10個のサブフレーム(subframe)で構成され、1つのサブフレームは時間領域(time domain)で2個のスロット(slot)で構成される。1サブフレームの送信にかかる時間をTTI(transmission time interval)といい、例えば、1サブフレームの長さは1msであり、1スロットの長さは0.5msである。1スロットは時間領域で複数のOFDMシンボルを含み、周波数領域で複数のリソースブロック(Resource Block;RB)を含む。3GPP LTEシステムでは、下りリンクでOFDMAを用いることから、OFDMシンボルが1シンボル区間を表す。OFDMシンボルは、SC−FDMAシンボル又はシンボル区間と呼ぶこともできる。リソースブロック(RB)はリソース割り当て単位であり、1スロットにおいて複数個の連続した副搬送波(subcarrier)を含むことができる。
【0025】
1つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、CP(Cyclic Prefix)の構成(configuration)によって異なってもよい。CPには、拡張CP(extended CP)と一般CP(normal CP)がある。例えば、OFDMシンボルが一般CPによって構成された場合、1つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は7個であってもよい。OFDMシンボルが拡張CPによって構成された場合、1つのOFDMシンボルの長さが増加するため、1つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は、一般CPの場合に比べて少ない。拡張CPの場合、例えば、1つのスロットに含まれるOFDMシンボルの数は6個であってもよい。端末が高速で移動するなどの場合のようにチャネル状態が不安定な場合、シンボル間干渉をより減らすために拡張CPを用いることができる。
【0026】
図3は、LTE TDD(Time Division Duplex)システムにおいて無線フレームの構造を例示する図である。
【0027】
図3には、LTE TDDシステムにおいて無線フレームの構造を例示する。LTE TDDシステムにおいて無線フレームは2個のハーフフレーム(half frame)で構成され、各ハーフフレームは、2個のスロットを含む4個の一般サブフレームと、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period、GP)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)を含む特別サブフレーム(special subframe)とで構成される。
【0028】
上記の特別サブフレームにおいて、DwPTSは、端末における初期セル探索、同期化又はチャネル推定に用いられる。UpPTSは、基地局におけるチャネル推定及び端末との上りリンク送信同期化に用いられる。すなわち、DwPTSは下りリンク送信に、UpPTSは上りリンク送信に用いられ、特に、UpPTSは、PRACHプリアンブルやSRSの送信のために用いられる。また、保護区間は、上りリンクと下りリンクとの間に下りリンク信号の多重経路遅延によって上りリンクで生じる干渉を除去するための区間である。
【0029】
一方、LTE TDDシステムにおいて上りリンク/下りリンクサブフレーム設定(UL/DL configuration)は、下記の表1のとおりである。
【0031】
上記の表1で、Dは下りリンクサブフレーム、Uは上りリンクサブフレームを表し、Sは上記の特別サブフレームを意味する。また、上記の表1では、それぞれの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定において下りリンク−上りリンクスイッチング周期(Downlink−to−Uplink Switch−point periodicity)も表している。
【0032】
支援される上りリンク/下りリンクサブフレームは、表1に羅列されているとおりである。無線フレームの各サブフレームに対して“D”は、下りリンク送信のために予約されたサブフレームを表し、“U”は上りリンク送信のために予約されたサブフレームを表し、“S”は、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)、保護区間(Guard Period;GP)及びUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成される特別サブフレームを表す。
【0033】
上記の特別サブフレームに関して、現在3GPP標準文書では下記の表2のように設定を定義している。表2で、T
S=1/(15000*2048)の場合、DwPTS及びUpPTSを表しており、残りの領域は保護区間として設定される。
【0035】
以上説明した無線フレームの構造は例示に過ぎず、無線フレームに含まれるサブフレームの数、サブフレームに含まれるスロットの数、又はスロットに含まれるシンボルの数は、様々に変更されてもよい。
【0036】
図4は、下りリンクスロットにおけるリソースグリッド(resource grid)を示す図である。ここでは、1つの下りリンクスロットは時間領域で7個のOFDMシンボルを含み、1つのリソースブロック(RB)は周波数領域で12個の副搬送波を含むとしているが、本発明がこれに制限されるものではない。例えば、一般CP(Cyclic Prefix)では1スロットが7 OFDMシンボルを含むが、拡張CP(extended−CP)では1スロットが6 OFDMシンボルを含むこともできる。リソースグリッド上の各要素をリソース要素(resource element)と呼ぶ。1リソースブロックは12×7個のリソース要素を含む。下りリンクスロットに含まれるリソースブロックのN
DLの個数は、下りリンク送信帯域幅による。上りリンクスロットの構造は下りリンクスロットの構造と同一であってもよい。
【0037】
図5は、下りリンクサブフレームの構造を示す図である。1つのサブフレーム内で一番目のスロットの先頭における最大3個のOFDMシンボルは、制御チャネルが割り当てられる制御領域に該当する。残りのOFDMシンボルは、物理下りリンク共有チャネル(Physical Downlink Shared Chancel;PDSCH)が割り当てられるデータ領域に該当する。3GPP LTEシステムで用いられる下りリンク制御チャネルには、例えば、物理制御フォーマット指示子チャネル(Physical Control Format Indicator Channel;PCFICH)、物理下りリンク制御チャネル(Physical Downlink Control Channel;PDCCH)、物理HARQ指示子チャネル(Physical Hybrid automatic repeat request Indicator Channel;PHICH)などがある。PCFICHは、サブフレームの最初のOFDMシンボルで送信され、サブフレーム内の制御チャネル送信に用いられるOFDMシンボルの個数に関する情報を含む。PHICHは、上りリンク送信の応答としてHARQ ACK/NACK信号を含む。PDCCHを介して送信される制御情報を、下りリンク制御情報(Downlink Control Information;DCI)という。DCIは、上りリンク又は下りリンクスケジューリング情報を含んだり、任意の端末グループに対する上りリンク送信電力制御命令を含む。PDCCHは、下りリンク共有チャネル(DL−SCH)のリソース割り当て及び送信フォーマット、上りリンク共有チャネル(UL−SCH)のリソース割り当て情報、ページングチャネル(PCH)のページング情報、DL−SCH上のシステム情報、PDSCH上に送信される任意接続応答(Random Access Response)のような上位層制御メッセージのリソース割り当て、任意の端末グループ内の個別端末に対する送信電力制御命令のセット、送信電力制御情報、VoIP(Voice over IP)の活性化などを含むことができる。複数のPDCCHが制御領域内で送信され、端末が複数のPDCCHをモニタすることもできる。PDCCHは、一つ以上の連続する制御チャネル要素(Control Channel Element;CCE)の組合せ(aggregation)で送信される。CCEは、無線チャネルの状態に基づくコーディングレートでPDCCHを提供するために用いられる論理割り当て単位である。CCEは、複数個のリソース要素グループに対応する。PDCCHのフォーマット及び利用可能なビット数は、CCEの個数とCCEによって提供されるコーディングレート間の相関関係によって決定される。基地局は、端末に送信されるDCIによってPDCCHフォーマットを決定し、制御情報に巡回冗長検査(Cyclic Redundancy Check;CRC)を付加する。CRCは、PDCCHの所有者又は用途によって、無線ネットワーク臨時識別子(Radio Network Temporary Identifier;RNTI)と呼ばれる識別子でマスクされる。PDCCHが特定端末に対するものであれば、端末のcell−RNTI(C−RNTI)識別子をCRCにマスクすることができる。又は、PDCCHがページングメッセージに対するものであれば、ページング指示子識別子(Paging Indicator Identifier;P−RNTI)をCRCにマスクすることができる。PDCCHがシステム情報(より具体的に、システム情報ブロック(SIB))に対するものであれば、システム情報識別子及びシステム情報RNTI(SI−RNTI)をCRCにマスクすることができる。端末の任意接続プリアンブルの送信に対する応答である任意接続応答を示すために、任意接続−RNTI(RA−RNTI)をCRCにマスクすることができる。
【0038】
図6は、上りリンクサブフレームの構造を示す図である。
【0039】
上りリンクサブフレームは、周波数領域において制御領域とデータ領域とに区別することができる。制御領域には、上りリンク制御情報を含む物理上りリンク制御チャネル(Physical Uplink Control Channel;PUCCH)が割り当てられる。データ領域には、ユーザデータを含む物理上りリンク共有チャネル(Physical uplink shared channel;PUSCH)が割り当てられる。単一搬送波特性を維持するために、1つの端末はPUCCH及びPUSCHを同時に送信しない。1つの端末に対するPUCCHは、サブフレームでリソースブロック対(RB pair)に割り当てられる。リソースブロック対に属するリソースブロックは、2つのスロットに対して互いに異なる副搬送波を占める。これを、PUCCHに割り当てられるリソースブロック対がスロット境界で周波数−ホップ(frequency−hopped)するという。
【0040】
多重アンテナ(MIMO)システムのモデリング
以下、MIMOシステムについて説明する。MIMO(Multiple−Input Multiple−Output)は、複数個の送信アンテナと複数個の受信アンテナを用いる方法であり、この方法によってデータの送受信効率を向上させることができる。すなわち、無線通信システムの送信端或いは受信端で複数個のアンテナを用いることによって、容量を増大させ、性能を向上させることができる。以下、本文献ではMIMOを’多重アンテナ’と呼ぶことができる。
【0041】
多重アンテナ技術では、一つの全体メッセージを受信する上で単一アンテナ経路に依存しない。その代わりに、多重アンテナ技術では複数のアンテナから受信したデータ断片(fragment)を一つにまとめて併合することによってデータを完成する。多重アンテナ技術を用いると、特定の大きさのセル領域内でデータ送信速度を向上させたり、又は特定のデータ送信速度を保障しながらシステムカバレッジ(coverage)を増大させることができる。また、この技術は、移動通信端末と中継機などに幅広く用いることができる。一方、従来では一般に単一送信アンテナ及び単一受信アンテナを使用してきた。多重アンテナ技術によれば、単一アンテナを用いる従来技術による移動通信における送信量の限界を克服することができる。
【0042】
同時にデータの送信効率を向上させることができる様々な技術の中でも、上記のMIMO技術は、周波数を更に割り当てたり、電力を更に増加させなくとも通信容量及び送/受信性能を格段に向上させることができる。このような技術的な利点から、大部分の会社や開発者らはMIMO技術に集中している。
【0043】
図7は、多重アンテナ(MIMO)を有する無線通信システムの構成図である。
【0044】
図7に示すように、送信端にはN
T個の送信アンテナが設けられており、受信端にはN
R個の受信アンテナが設けられている。このように送信端及び受信端の両方で複数個のアンテナを用いる場合には、送信端又は受信端のいずれか一方でのみ複数個のアンテナを用いる場合に比べて理論的なチャネル送信容量が増加する。チャネル送信容量の増加はアンテナの数に比例する。これによって、送信レートが向上し、周波数効率が向上する。1つのアンテナを用いる場合の最大送信レートをR
oとすれば、多重アンテナを用いる場合の送信レートは、理論的に、下記の式1のように、最大送信レートR
oにレート増加率R
iを掛けた分だけ増加し得る。ここで、R
iは、N
TとN
Rのうちの小さい値である。
【0046】
例えば、4個の送信アンテナと4個の受信アンテナを用いるMIMO通信システムでは、単一アンテナシステムに比べて、理論上、4倍の送信レートを得ることができる。このような多重アンテナシステムの理論的容量増加が90年代の半ばに証明されて以来、実質的にデータ送信率を向上させるための様々な技術が現在まで活発に研究されており、それらのいくつかの技術は既に3世代移動通信や次世代無線LANなどの様々な無線通信の標準に反映されている。
【0047】
現在までの多重アンテナ関連研究の動向を調べると、様々なチャネル環境及び多重接続環境における多重アンテナ通信容量計算などに関連した情報理論側面の研究、多重アンテナシステムの無線チャネル測定及び模型導出の研究、そして送信信頼度向上及び送信率向上のための時空間信号処理技術の研究など、様々な観点で活発な研究が行われている。
【0048】
多重アンテナシステムにおける通信方法をより具体的な方法で説明するためにそれを数学的にモデリングすると、次のとおりである。
図7に示すように、N
T個の送信アンテナとN
R個の受信アンテナが存在すると仮定する。まず、送信信号について説明すると、N
T個の送信アンテナがある場合、最大送信可能な情報はN
T個であるから、送信情報を下記の式2のようなベクトルで示すことができる。
【0056】
ここで、W
ijは、i番目の送信アンテナとj番目の情報間の重み値を意味する。Wは、重み行列(Weight Matrix)又はプリコーディング行列(Precoding Matrix)と呼ばれる。
【0060】
多重アンテナ無線通信システムでチャネルをモデリングする場合、チャネルを送受信アンテナインデックスによって区別することができる。送信アンテナjから受信アンテナiを経るチャネルをh
ijと表示するものとする。h
ijにおいて、インデックスの順序は、受信アンテナインデックスが先、送信アンテナのインデックスが後であることに留意されたい。
【0061】
一方、
図7(b)は、N
T個の送信アンテナから受信アンテナiへのチャネルを示す図である。これらのチャネルをまとめてベクトル及び行列形態で表示することができる。
図7(b)で、総N
T個の送信アンテナから受信アンテナiに到着するチャネルを次のように示すことができる。
【0063】
したがって、N
T個の送信アンテナからN
R個の受信アンテナに到着する全てのチャネルを次のように表現することができる。
【0067】
上述の数式モデリングによって受信信号を次のように表現することができる。
【0072】
或いは、ランクは、行列を固有値分解(Eigen value decomposition)したとき、0以外の固有値の個数と定義することもできる。或いは、ランクは、特異値分解(singular value decomposition)したとき、0以外の特異値の個数と定義することもできる。したがって、チャネル行列においてランクの物理的な意味は、与えられたチャネルで互いに異なる情報を送信できる最大数と定義することができる。
【0073】
本発明は、端末が直接無線チャネルを用いて他の端末と通信を行う場合、相手端末を発見する方法を提案する。ここで、端末はユーザの端末を意味する。ただし、基地局のようなネットワーク装備が端末間通信方式によって信号を送受信する場合、基地局のようなネットワーク装備も一種の端末と見なすことができる。直接連結されたリンクを端末間直接通信(Device to Device、D2D)リンクと呼び、端末が基地局と通信するリンクを基地局−端末(eNB−UE)リンクと呼ぶ。
【0074】
図8は、本発明が適用される通信システムを示す図である。
【0075】
図8を参照して、端末が直接無線チャネルを用いて通信を行う場合に、相手端末を発見する方法を説明する。
【0076】
特定端末の観点で、無線通信システムは、D2Dリンクと基地局−端末リンクが共存できるように運営されなければならない。すなわち、D2Dリンクで接続できない位置に相手端末が存在する場合、端末は、隣接した他の端末とのD2Dリンクを動作させながら、基地局−端末リンクで相手端末と通信を行わなければならない。
【0077】
一般に、無線通信システムは2種類の使用リソースを有する。具体的に、基地局から端末への送信に使用する下りリンクリソースと、端末から基地局への送信に使用する上りリンクリソースを有する。FDDシステムで、下りリンクリソースは下りリンクバンド(Band)に該当し、上りリンクリソースは上りリンクバンドに該当する。TDDシステムで、下りリンクリソースは下りリンクサブフレームに該当し、上りリンクリソースは上りリンクサブフレームに該当する。下りリンクリソースは、基地局が高い送信電力で信号を送信するリソースであるから、相対的に電力の低い端末がD2Dリンクを運営するには干渉レベルが非常に高いといえる。このため、上りリンクリソースを用いてD2Dリンクを運営する場合が多い。
【0078】
図9は、上りリンクサブフレームの境界を把握する方法を示す図である。
【0079】
図9(a)を参照して、上りリンクサブフレームと下りリンクサブフレームとのタイミング関係を説明する。
【0081】
一方、無線フレームのスロットの一部が送信されてもよい。例えば、TDDシステムにおいて、無線フレームのスロットの部分集合が送信されてもよい。
【0082】
図9(b)を参照して、端末が上りリンクサブフレームの境界を把握する方法を説明する。
【0083】
上りリンクリソースは複数の上りリンクサブフレームで構成される。基地局に接続して同期化された端末は、基地局が指定したタイミングアドバンス(Timing Advance、TA)指示を基地局から受信し、上りリンクサブフレームの境界を把握することができる。
【0084】
複数の端末は基地局からそれぞれ異なる距離に位置してもよい。これら複数の端末が送信した信号が同一時点に基地局に到達するように、基地局は各端末にTA指示を送信することができる。ここで、TA指示は、下りリンクサブフレームの境界を検出した時点より所定時間先に上りリンクサブフレームの境界を設定することを指示することができる。基地局は、TAを適度な値に設定し、複数の端末から同時に信号を受信することができる。例えば、基地局はTAを、該当の端末と基地局間の伝搬遅延(Propagation delay)の2倍に設定することができる。この場合、基地局と各端末間の伝搬遅延が補償でき、基地局は各端末から同時に信号を受信することができる。
【0085】
例えば、
図9(b)で、端末1の伝搬遅延値が1の場合に、TAを2に設定する。また、端末2の伝搬遅延値が2の場合に、TAを4に設定する。こうすると、基地局は端末1及び端末2から同時に信号を受信することができる。
【0086】
上述したように、端末は、基地局が指定したTA指示を基地局から受信し、上りリンクサブフレームの境界を把握することができる。
【0087】
また、近接の位置にある端末、例えば、D2D送受信端末は、略同一のTA値を有している確率が高い。したがって、端末間同期化のために、当該TA値に基づいてD2Dリンクのサブフレーム境界を決定することもできる。特に、この方法によれば、D2Dリンクが上りリンクリソースを使用する場合に、D2Dリンクが使用するサブフレーム境界と基地局−端末リンクが使用するサブフレーム境界とが同一である。したがって、これら両リンクを時間レベルで切り替えるする動作が円滑になり得る。具体的に、特定サブフレームではD2Dリンクを動作し、他のサブフレームでは基地局−端末リンクを動作することを円滑にさせることができる。
【0088】
一方、基地局に連接続していない端末がD2D動作を行うこともある。基地局に接続していない端末は、基地局からTA指示を受信することができない。以下、基地局に接続していない端末がD2Dリンクのためのサブフレーム境界を設定する方法を説明する。
【0089】
一つの方法として、基地局に接続していない端末は、D2D動作を行う前にランダムアクセス(random access)のような過程で取得したTA指示に基づいてサブフレーム境界を設定することができる。しかし、このような方法は、更なる時間遅延及びバッテリー消耗を招きうる。
【0090】
他の方法として、基地局に接続していない端末は、TA指示無しでサブフレーム境界を設定するように動作することができる。ここで、TA指示無しで動作するということは、
図9(a)の説明と関連して次の2つの解釈が可能である。
【0091】
まず、上述した
図9(a)の説明で、N
TAとN
TA offsetとの和が0になったり、特定値と固定されることと解釈することができる。また、TA指示無しで動作するということは、特定端末に特化したTA値を有しないということを意味することもできる。これは、不特定多数の端末が同一のTA値を用いて動作することを意味することもできる。具体的に、TA値が0に設定され、端末が受信した下りリンクサブフレームの境界が上りリンクサブフレームの境界となることを意味することができる。又は、端末が受信した下りリンクサブフレームの境界がD2Dサブフレームの境界となることを意味することができる。又は、システム情報などによってあらかじめ定められた特定のTA値に設定されることを意味することもできる。
【0092】
一方、基地局からのTA指示に該当するN
TAが0になることと解釈することもできる。その結果、TA値が、事前に与えられたオフセット値であるN
TA offset値によって決定されるということを意味することができる。この場合にも、上述したように、特定端末に特化したTA値は有しないということを意味できる。
図9(a)に関する説明によって、N
TAは0より大きい又は等しい数字であり、この場合には、TA値が可能な値のうちの最小値に設定されると見なすことができる。D2D通信は、2つの過程に大別することができる。一つは、隣接した位置にある端末の存在を把握する発見(discovery)過程であり、もう一つは、特定端末とデータを送受信する通信(communication)過程である。TA指示無しでD2D通信を行う場合、2つの過程が全て適用されてもよく、いずれか一過程のみ適用されてもよい。
【0093】
例えば、基地局に接続していない端末は、TA指示無しで発見過程を行う。しかし、発見過程で相手端末が発見された場合、基地局に接続していない端末は基地局への接続を試み、TA指示を取得して通信過程を行うことができる。この場合、基地局に接続してあらかじめTAを取得している端末はTAがないと仮定して動作することができる。すなわち、基地局に接続していない端末との同期化のために、基地局に接続してあらかじめTAを取得した端末は、取得したTA指示がないと仮定したうえでD2D通信の特定過程又は全体過程を行うことができる。
【0094】
特に、基地局に接続している端末がTA指示によってD2D通信を行う場合、上りリンクサブフレームの同期は、D2D通信と基地局−端末リンクにおいて同一に維持される。これによって、基地局−端末リンクに対するD2D通信の影響を最小化すことができる。すなわち、特定サブフレームをD2D通信に用いる場合、該特定サブフレームの境界と同じサブフレームの境界を維持する隣接サブフレームを基地局−端末リンクに用いることができる。その結果、少なくとも基地局−端末リンクとD2Dリンク間の送受信動作切替が不要なD2D信号を送信する端末の観点で見ると、TA指示によって行うD2D通信では、D2D通信のために割り当てられたサブフレーム内の全てのリソースでD2D信号を送信することが可能になる。
【0095】
図10は、相手端末に端末の状態を知らせる方法を説明するための図である。
【0096】
図10を参照して、端末が自身の状態を相手端末に知らせる方法を説明する。
【0097】
端末1は基地局に接続している状態であり、端末2は、基地局に接続していない状態であると仮定する。
【0098】
発見過程はTA指示無しで行われ、通信過程はTA指示によって行われる場合、基地局に接続していない端末が、D2D通信を行う相手端末が基地局に接続していないことを把握する場合がある。この場合、基地局に接続していない端末は基地局に接続を試み、TA指示を取得し、このTA指示によるサブフレーム境界を用いて通信を行うことができる。
【0099】
一方、発見過程と同様に、TA指示無しでD2D通信を直接試みることもできる。すなわち、基地局に接続していない2つの端末間のD2D通信は、発見過程と同様に、TA指示無しで行うことができる。これは、両端末とも基地局に接続していないことから、基地局−端末リンク動作による影響を最小化するためにTA指示によってD2D通信を行うことは無意味であるためである。
【0100】
そのために、段階S1001で、端末2(803)は、端末2(803)の状態によって異なる信号を生成して端末1(802)に送信することができる。端末2(803)は、発見信号を生成する場合に、当該端末(803)が基地局(801)に接続しているか否かによって異なる信号を生成することができる。例えば、遊休モード(Idle mode)にあるか接続モード(connected mode)にあるかによってそれぞれ異なる信号を生成することができる。したがって、上記の発見信号を検出した端末1(801)は、端末2(803)の状態が把握できる。
【0101】
又は、基地局に接続してTAによって上りリンク送信を行っている端末であっても、現在使用しているTA値が一定レベル以下である場合には、TA指示無しでD2D通信を行うことができる。仮に遊休モードである場合をTAが一定レベル以下の場合と仮定すれば、当該端末が使用しているTA値が一定レベル以下の場合、端末は、遊休モード状態にある場合と同様にして発見信号を生成することができる。すなわち、端末2(803)は、発見信号を生成する場合に、端末2(803)で使用中のTA値が一定レベル以下かどうかによってそれぞれ異なる信号を生成することができる。
【0102】
段階S1003で、端末1(802)は端末2(803)の状態を把握し、基地局(801)に端末2(803)との通信接続を要求する。
【0103】
端末1(802)が基地局(801)に接続してTA指示によってD2D通信を行おうとする場合、端末2(803)とのD2D通信を試み、端末2(803)が遊休モードにあると判明することができる。このとき、端末1(802)は基地局(801)に、端末2(803)が遊休モードにあるという事実を報告する。また、端末1(802)は、基地局(801)が端末2(803)への接続を試みることを指示することができる。
【0104】
段階S1005で、基地局(801)は、端末2(803)に接続モードに進入することを要求することができる。段階S1007で、端末2(803)は基地局(801)とのネットワーク接続手順を行い、接続モードに進入する。この場合、基地局(801)はTA値を端末2(803)に伝達し、基地局との上りリンクサブフレームを同期化することを要求することができる。これによって、段階S1009で、端末1(802)はTA値を維持しつつ端末2(803)とのD2D通信を行うことができる。
【0105】
以下では、TA指示無しでD2Dが効果的に動作し得るフレーム構造を説明する。具体的に、FDDシステムとTDDシステムについてそれぞれ説明する。
【0106】
A.FDDシステム
図11は、一般のFDDにおいて、下りリンクサブフレーム及び上りリンクサブフレームの境界を示す図である。
【0107】
図11を参照すると、上りリンクサブフレームは下りリンクサブフレームを基準にTA値だけ先に始まることがわかる。
【0108】
図12は、一般的な場合に、D2D動作を行う方法を説明するための図である。
【0109】
D2D動作を行う場合、TAは0であり、D2Dリンクのための上りリンクサブフレームの境界は下りリンクサブフレームの境界と一致すると仮定する。
【0110】
図12を参照すると、D2Dリンクのためのサブフレーム1の後ろの部分(以下、領域Bという。)1201が、基地局−端末リンクのためのサブフレーム2と重なることがわかる。仮にサブフレーム2を基地局−端末リンクに用いると、前の部分(以下、領域Aという。)1202でのみD2D動作が可能である。
【0111】
以下、
図12に示すように、D2Dリンクのための上りリンクサブフレーム境界が基地局−端末リンクのサブフレーム境界と一致しない場合に対して解決方法を説明する。
【0112】
a.方法1
図13(a)を参照すると、端末は、
図13の領域A(1301)のように、サブフレーム間で重ならない部分でのみD2D動作を行うことがわかる。
【0113】
そのために、基地局は、RRC(Radio Resource Control)又はシステム情報のシグナリングのような方法により、サブフレームで領域A(1301)が占める領域の位置又は長さ情報のうち少なくとも一つを端末に送信することができる。領域B(1302)は、最大のTA値を有する端末の後続する基地局−端末リンクサブフレームを含まなければならない。このため、基地局は、自身のセル半径などを考慮して領域A(1301)の長さを設定することができる。
【0114】
さらに、領域Aの先頭及び/又は末尾の部分には、一部の時間で端末が基地局−端末動作(例えば、基地局−端末リンク)とD2D動作(例えば、D2Dリンク)間の切替を行うことができるように保護時間(Guard Period;GP)1303を設定することもできる。このGP(1303)は、送受信切替を行う端末の立場では必須のものである。
【0115】
しかし、隣接した2つのサブフレームで同一に送信動作を行ったり、同一に受信動作を行う端末には現れなくてもよい。例えば、複数のサブフレームで持続して信号を送信する端末は、このようなGP無しで信号送信を行うことができる。しかし、隣接サブフレームで送信動作を行ってから受信動作に切替する端末は、一部の時間をGPと設定し、それ以外の領域で信号を受信することができる。
【0116】
領域B(1302)では基本的に、
図12に示したサブフレーム2で基地局−端末リンク動作が行わなければならず、領域B(1302)はD2Dリンクに活用することができない。
【0117】
図13(a)で説明したとおり、D2Dリンクサブフレームで領域B(1302)に該当する後ろの一部領域でD2Dリンクへの活用が中断される動作は、後続するサブフレームをTAが適用される基地局−端末サブフレームに活用できる場合に限って現れてもよい。すなわち、後続するサブフレームが、TAが適用されないD2Dリンクサブフレームであるか、基地局が別のTA無しで信号を送信する下りリンクサブフレームである場合には、
図12で説明したサブフレーム間の重畳が現れず、領域Bが存在しなくてもよい。或いは、D2Dリンクサブフレームの構成を同一に維持するために、後続するサブフレームの種類にかかわらず、領域B(1302)が存在すると見なし、当該領域ではD2D動作が中断されるように動作することもできる。
【0118】
b.方法2
図13(b)を参照して、D2Dリンクのサブフレームと基地局−端末リンクのサブフレーム間の境界が一致しない場合、D2D動作を行う方法を説明する。
【0119】
端末は、領域A(1301)及び領域B(1302)の両方をD2D用途に用いるように動作することができる。その結果、
図13(b)に示すように、後続するサブフレームを基地局−端末リンクに使用する上で制約が発生する。これを解決するために、端末は、サブフレーム#m+1である後続するサブフレームでは基地局−端末動作を行わなくてもよい。
【0120】
万一、端末が後続するサブフレームで特定信号を送信するように指示された場合、当該送信を、事前に約束された位置(例えば、次のサブフレーム)に移動したり、送信自体を省略したりすることができる。ここで、特定信号は、例えば、上りリンクACK/NACK、周期的なチャネル状態情報報告、サウンディング参照信号(Sounding Reference signal、SRS)又は半永続的スケジューリング信号(Semi−persistent scheduling)を含むことができる。
【0121】
又は、より効果的なリソース活用のために、部分的な時間リソースを用いて、基地局−端末動作を行うことができる。ここで、部分的な時間リソースは、例えば、サブフレーム#m+1の時間リソースのうち、領域B(1302)と重ならない部分であってもよい。
【0122】
以下、部分的な時間リソースを用いて、基地局−端末動作を行う方法を、
図13(c)を用いて具体的に説明する。
【0123】
c.方法3
図13(c)は、D2D動作を行うための更に他の方法を説明するための図である。
【0124】
図13(c)に示す方法3は、方法1と方法2との中間形態に該当するといえる。方法3によれば、端末は領域B(1302)の一部領域でD2D動作を行う。
【0125】
他の観点で、方法3は、方法2で説明した後続するサブフレームを部分的に基地局−端末リンクに活用する場合に効果的である。
【0126】
図13(c)を参照すると、領域B(1302)の一部領域をD2D動作のために活用する場合、サブフレーム#m+1において先頭部分における一部の時間に、基地局−端末リンクを動作する上で制約が発生しうることをわかる。
【0127】
図13(c)に示すように、一部の時間のみを用いて基地局−端末リンクを動作する場合、方法3は、基地局−端末リンクで送受信する信号のフォーマットがいくつかにあらかじめ制限される場合に効果的である。特に、使用する時間の長さがあらかじめ制限された場合に効果的である。
【0128】
具体的には、
図13(b)に示したように領域B(1302)の全体領域をD2D動作のために使用する場合、サブフレーム#m+1において基地局−端末リンクで送受信する信号は非常に多様な種類の信号フォーマットを有しなければならない。しかし、これは、端末の具現を複雑にさせうる。このため、サブフレーム#m+1で使用する信号フォーマットを1つ或いはいくつかに制限する必要がある。
【0129】
端末は、制限された信号フォーマットから、現在の状況に最も符合するフォーマットを選択することができる。仮に、選択されたフォーマットが、
図13(c)に示したように領域B(1302)の一部の領域のみを占める場合、残りの部分を、領域A(1301)と併せてD2D動作に活用する。
【0130】
D2Dサブフレームの後続サブフレームで部分的な時間リソースを用いて行える基地局−端末動作の一例は、次のとおりである。
【0131】
その第一は、PUSCH又はPUCCHを送信するが、1サブフレームにおける後ろの一部シンボルのみを用いて送信するフォーマットを使用する。1つのサブフレームを構成する2つのスロット間で類似の信号フォーマットが周波数位置を変化する形態で構成されるという特徴を用いて、1つのスロットでのみPUSCH又はPUCCHを送信することができる。
【0132】
その第二は、1つのシンボルでのみ送信されるSRSを送信する。仮に、後続するサブフレームで複数個のシンボルが使用可能である場合、シンボルごとにSRSを送信することができる。そのために、基地局は、後続するサブフレームでいくつのシンボルを用いてSRSを送信するかを知らせることができる。
【0133】
その第三は、いくつかのシンボルでのみ使用するPRACHプリアンブル(Preamble)を送信する。同様に、基地局は、後続するサブフレームでいくつのシンボルを用いてPRACHを送信するかを知らせることができる。
【0134】
方法3は、方法2で説明した後続するサブフレームを部分的に基地局−端末リンクに活用する場合に効果的である。
【0135】
d.方法4
図13(d)は、D2D動作を行うための更に他の方法を説明するための図である。
【0136】
方法4は、方法1と方法2とのさらに他の中間形態に該当する。方法4によれば、端末は、領域A(1301)の一部領域でのみD2D動作を行う。方法4は、方法1で説明した後続するサブフレーム全体を基地局−端末リンクに活用する場合に効果的である。
【0137】
図13(d)を参照すると、領域B(1302)でD2D動作を行わないことから、サブフレーム#m+1の全体領域では基地局−端末リンクが動作することがわかる。これは、D2Dリンクで送受信する信号のフォーマットがいくつかにあらかじめ制限される場合に効果的である。特に、使用する時間の長さがあらかじめ制限された場合に効果的である。
【0138】
具体的には、
図13(a)のように領域A(1301)の全体領域をD2Dに使用する場合、サブフレーム#mにおいてD2Dリンクで送受信する信号は、実際に適用されるTA値によって、占有可能な領域が異なってくる。その結果、上記D2Dリンクで送受信する信号は、非常に多様な種類の信号フォーマットを有しなければならない。しかし、これは、端末の具現を複雑にさせうる。このため、サブフレーム#mで用いる信号フォーマットを1つ或いはいくつかに制限する必要がある。
【0139】
端末は、制限された信号フォーマットから、現在の状況に最も符合するフォーマットを選択することができる。仮に、選択されたフォーマットが、
図13(d)に示すように、領域A(1301)の一部領域のみを占める場合、残りの部分はD2D用途に用いなくてもよい。
【0140】
上述した実施例で、端末のモードを切り替えるためのGP(1303)は、場合によって、D2D動作の開始点又は終了点のいずれか一方にのみ現れてもよく、開始点及び終了点の両方に現れなくてもよい。例えば、モード切替を非常に速い速度で行うことができる端末の場合、開始点及び終了点で一切現れなくてもよい。
【0141】
又は、D2Dサブフレームのサブフレーム境界に適度なオフセット(offset)をさらに与えることによって、GPの一部又は全部が現れないように動作することもできる。
【0142】
以下、具体的な実施例を挙げて、D2D動作のためにリソースを割り当てる方法を説明する。
【0143】
1.第1実施例
図14は、一定のオフセットが付加された場合、D2D動作のためにリソース割り当てを行う一例を示す図である。
【0144】
ここで、方法1を仮定して、領域A(1301)のみがD2D動作に用いられることを前提に説明する。また、半分のシンボル以下に該当する時間がモード切替に消耗されると仮定する。すなわち、1サブフレーム内の全体シンボルである14個のシンボルのうち、最後に位置した1つのシンボルは領域Bに割り当てられてD2D動作が不可能であると仮定する。言い換えると、TAが1シンボル長と設定され、最後のシンボルでD2D動作が不可能であると仮定する。ここで、1サブフレームが14個のシンボルで構成されると仮定したが、D2D通信のための設定によって、1サブフレームを構成するシンボルの個数は変わってもよい。特に、CP(Cyclic Prefix)長の設定によって、1サブフレームを構成するシンボルの個数は異なってもよい。
【0145】
図14を参照して、オフセットが付加された場合、D2D動作を行うための方法を説明する。そのために、D2Dリンクのサブフレームが基地局−端末リンクの下りリンクサブフレーム境界より一定のオフセットだけ先に始めると仮定する。
【0146】
端末は、下りリンクサブフレーム#m−1で基地局−端末リンクの動作を行い、その後、D2D動作のためにモード切替を行う。この場合、基地局−端末リンクにおいて下りリンク信号の受信時点で一定のオフセットが付加され、D2Dサブフレーム#mの境界が少し先に現れ、該境界からD2D動作を行う。端末は、シンボル12までD2D動作を行う。基地局−端末リンクの上りリンクサブフレーム#m+1と部分的に重なって使用が不可能なシンボル13の前の部分で再び基地局−端末リンクへとモード切替を行う。このモード切替後に始まる上りリンクサブフレーム#m+1で基地局−端末動作を行う。
【0147】
図14で説明した動作のためには、少なくとも一定値以上のTAが印加されていなければならない。ただし、基地局−端末リンクの上りリンクサブフレーム#m−1の終了点とD2Dリンクのサブフレーム#mの開始点との間に、モード切替のための時間を保障することができる。そのために、基地局は、全ての端末に少なくとも一定値以上のTAが印加されるようにTA指示を行うことができる。これは、基地局の上りリンクサブフレームの境界が下りリンクサブフレームの境界より先に現れることと解釈することもできる。この意味で、
図14は、当該動作を行う基地局に接続している端末のうち、最小のTAを有する端末の動作と理解することができる。
【0148】
仮に、より大きいTAを有する端末は、
図15に示すように、サブフレーム#mにおいてD2D動作が可能なシンボルが減るように動作しなければならない。
図15に示すように、TA値が一定値以上に設定されると、サブフレーム#mでD2D動作のために使用可能な可用OFDMシンボルの個数が変わる。
【0149】
2.第2実施例
図15は、一定のオフセットが付加された場合、D2D動作のためにリソース割り当てを行う他の例を示す図である。
【0150】
前述したとおり、TA値が一定値以上に設定されると、サブフレーム#mでD2D動作のために使用できる利用可能なOFDMシンボルの個数が変わる。これを解決するために、次の方法を提示する。
【0151】
D2Dリンクにおける送受信信号のフォーマットを様々に生成しておき、各状況で利用可能なOFDMシンボル個数に合うフォーマットを選定するように動作することができる。ここで、TA値は、端末別にそれぞれ設定することができる。このため、基地局は、セル内の端末に対するTA値のうちの最大TA値を基準に、使用するD2Dリンクの送受信信号フォーマットを決定する。又は、基地局は、セル内の端末に対する最大TA値を基準に、D2D動作のための可用OFDMシンボルの個数を決定する。この決定事項を、システム情報又はRRCのような信号を用いて端末に知らせることができる。
【0152】
これを受信した端末は、持っているTA値を用いるとより多いシンボルをD2D動作のために使用できるとしても、異なるTA値を有する相手端末との正しい信号送受信のために、基地局が送信した信号フォーマットに合わせてD2D信号を送受信するように動作する。一般には、当該端末のTA値で使用可能なOFDMシンボルよりも少ない数のシンボルを使用する。
【0153】
この場合、過度に多いD2D送受信信号フォーマットを生成することは、端末の具現を複雑にさせうる。この観点で、方法4を用いて、D2D送受信信号のフォーマットをいくつかに制限し、全ての利用可能なシンボルをD2D動作に使用する代わりに、最も符合するフォーマットを使用する。また、一部のシンボルはD2D動作に活用しない動作が好ましい。
【0154】
図16は、一定のオフセットが付加された場合、D2D動作のためにリソース割り当てを行う更に他の例を示す図である。
【0155】
図16を参照して、本発明に係るD2D動作のために最も符合するフォーマットを説明できる。そのために、
図15におけると同一のTAが与えられると仮定する。この場合、前半部に該当するOFDMシンボル0〜シンボル6のみをD2D動作のために活用し、残りのシンボルは使用しない場合に該当する。
【0156】
この場合、
図17のようにTAが相対的に小さく与えられる場合、OFDMシンボル0〜12をD2D動作のために用いることができる。これは、
図17に示すように、2種類のD2D送受信信号フォーマットを有するものと説明することができる。
【0157】
実施例2によれば、D2D動作に活用されるOFDMシンボルの一部は、端末の送受信モード切替のために実際の信号送受信には活用されなくてもよい。特に、シンボル6をその例として挙げることができる。
【0158】
図17は、D2D送受信信号のフォーマットを例示する図である。
【0159】
図17によれば、1サブフレームの半分に該当する1スロットを単位にして、D2D送受信信号のフォーマットが決定される。また、1スロットの最後のシンボル、例えば、
図16のシンボル6及びシンボル13は、次のスロットにおけるD2D或いは基地局−端末リンク送受信動作のためのモード切替に用いられると仮定した。
【0160】
その結果、
図17のようにTA値が小さい場合、D2Dサブフレームフォーマット1を適用して、両スロットともD2D送受信のために活用することができる。特に、シンボル6を用いて送受信モード切替ができることから、各スロットにおける送信/受信動作モードをそれぞれ異なるように設定することができる。一方、
図15に示したようにTA値が大きい場合、D2Dサブフレームフォーマット2を適用して、前の部分に位置したスロットのみをD2D送受信に活用する。
【0161】
特に、
図15に示したD2Dサブフレーム構造は、相対的に短い時間領域に該当する1つのスロットを用いることが基本単位となる。このため、相対的に少ない量の信号を伝達する発見信号を伝達する場合に有用に適用することができる。仮に、TA値が大きくなり、1つのスロットのみを使用するD2Dサブフレームフォーマット2を適用すると、より多いサブフレームをD2D動作のために割り当てることによって、リソース不足の問題を解決することができる。
【0162】
以下、実施例3において具体的に説明する。
【0163】
3.第3実施例
図18は、D2D動作のために、連続するサブフレームを用いてリソース割り当てを行う一例を示す図である。
【0164】
具体的に、前述したとおり、TA値が大きくなった場合、より多いサブフレームをD2D動作のために割り当てる方法を説明する。
【0165】
TA値がより大きくなると、D2Dサブフレームの一番目のスロットの一部領域と次の基地局−端末リンクの上りリンクサブフレームの領域とが重なることがある。この場合、
図17に示すように、連続する2つのサブフレーム(例えば、サブフレーム#m、サブフレーム#m+1)をD2Dサブフレームとして割り当てることができる。ただし、実際にはサブフレーム#m+1はD2D動作のために活用できず、サブフレーム#m+1の大部分の領域でサブフレーム#m+2における基地局−端末接続動作を行わなければならない。
【0166】
同時に、サブフレーム#mを用いてD2D動作を行うことができる。この場合、当該サブフレームの全シンボルを使用することができ、よって、
図16の場合、D2Dサブフレームフォーマット1をサブフレーム#mで適用することができる。一方、サブフレーム#m+1はD2Dサブフレームとしては指定されるものの、いかなるD2D動作も行わないサブフレームであり、NULL D2Dサブフレームと見されてもよい。また、サブフレーム#m+1は、基地局−端末リンクにも用いられない。このため、D2Dサブフレーム#mに後続するサブフレーム#m+1が基地局−端末リンクにも用いられないように動作することと解釈されてもよい。具体的には、
図18に示すように、印加されるTAが、D2Dサブフレームの構成上、吸収可能な最大のTA値を超える場合には、D2Dサブフレーム#mに後続するサブフレーム#m+1が基地局−端末リンクに用いられないように動作することと見なすことができる。
【0167】
このような状況をまとめて、基地局は、いかなるサブフレームがD2Dサブフレームとして用いられるかを端末に知らせることができる。特に、TA指示無しで、D2D動作が行われるサブフレームを端末に知らせることができる。例えば、いかなるサブフレームが発見(Discovery)動作のために用いられるかを知らせることができる。また、各D2Dサブフレームにおけるフォーマットを端末に知らせることができる。
【0168】
4.第4実施例
図19は、D2D動作のために隣接サブフレームの利用を制限する一例を説明するための図である。
【0169】
図14に関する説明のようにTAが非常に小さく設定された場合、D2D動作を行うための方法を説明するための図である。
【0170】
TAが非常に小さく設定される場合、サブフレーム#m−1の最後のシンボルがサブフレーム#mの最初のシンボルと部分的に重なることになる。この場合、サブフレーム#m−1の最後のシンボルを使用せず、モード切替を行うように動作することができる。
【0171】
特に、この動作は、サブフレーム#m−1から基地局へ上りリンク送信を行った端末が、サブフレーム#mでD2D信号を受信するべき場合に効果的である。これは、サブフレーム#mでD2D信号を送信する端末は、サブフレーム#m−1とサブフレーム#m間のモード切替が必要でないためである。
【0172】
以下、サブフレーム#m−1の最後のシンボルを使用しない動作の例を説明する。基地局は、当該サブフレーム#m−1をSRSのためのサブフレームとして構成し、当該端末が当該サブフレームでは、最後のシンボル以前に、基地局へのPUSCH又はPUCCHの送信を終了するように動作することができる。
【0173】
特定端末がサブフレーム#mでD2D信号送信を行う場合を仮定することができる。サブフレーム#m−1で基地局に信号を送信し、TA値が一定レベル以下(例えば、モード切替のための時間)と与えられる場合、サブフレーム#m−1における最後のシンボルに対する送信指示は実行しないように基地局が調節することができる。この調節は、SRS構成(Configuration)などを通じて行うことができる。仮に、基地局の調節がない場合、自動的に上記送信を行わないように動作することができる。例えば、自動でSRSを送信しないか、PUSCH又はPUCCH送信をその以前に終了するように動作することができる。
【0174】
万一端末がサブフレーム#mでD2D信号を送信する場合には、モード切替がされなくてもよい。このため、サブフレーム#m−1の最後のシンボルの一部領域を基地局への信号送信に活用することができる。例えば、上述したSRSを送信するように動作することができる。又は、動作の統一のために、この場合にも当該シンボルでは基地局への送信を行わないことと規定されてもよい。
【0175】
図17との相違点として、この場合、サブフレーム#mの最後のシンボルが、D2D動作のために活用可能な部分を有する。したがって、基地局は、TA値によって
図17及び
図18の動作を適切に調整することができる。又は、動作の統一のために、
図18のようにTAが小さい場合にも、サブフレーム#mの最後のシンボルはD2Dに使用しないものとしてもよい。
【0176】
図14、
図18及び
図19に示した実施例で、仮に1つのサブフレーム内で端末が送信と受信間にモード切替を行うならば、適切なシンボルを追加のGPとして設定しなければならない。
【0177】
例えば、
図14のようなサブフレーム構造を使用する場合を仮定することができる。端末がD2D動作のためのサブフレームの前半部と後半部で互いに異なる送受信動作を行う場合、前半部と後半部のシンボル構成を同一にするために、前半部の最後のシンボルであるシンボル6をD2D信号送受信に使用せず、GPとして設定することができる。
【0178】
以下、オフセットを反対方向におく場合について説明する。
【0179】
5.第5実施例
図20は、オフセットが逆に付加された場合、D2D動作のためにリソース割り当てを行う一例を示す図である。
【0180】
図14と同じ状況で、反対方向にオフセットをおく状況を仮定する。上述した追加のオフセットを反対方向に付加し、D2Dサブフレームが下りリンクサブフレームの境界時点よりオフセットだけ遅く始まるようにすることができる。
【0181】
端末は、受信した下りリンクサブフレーム境界から一定のオフセットだけ遅い時点でD2Dリンクのサブフレームが始めると仮定し、当該時間でモード切替を行う。D2D動作のためのサブフレームの最後の一部シンボルは、基地局−端末リンクの上りリンクサブフレームと重なる。このため、D2D動作のために使用不可能であり、この使用不可能な時間の一部を用いて再びモード切替を行う。したがって、初期シンボルは常にD2D動作のために使用可能である。必要な場合、D2D動作のために使用可能なシンボルのうち、最後のシンボルの位置を適切に設定することができる。
【0182】
図20を用いて説明する動作は、
図14を用いて説明した動作において、シンボル1からD2D動作のためのサブフレームが始まると仮定した場合と同一である。すなわち、D2D用途のサブフレームは下りリンクサブフレームよりオフセットだけ早く始まるが、最初のシンボルであるシンボル0はD2D動作のために利用不可能な場合と同一である。
【0183】
図20に示すように、D2D動作のためのサブフレームが基地局−端末リンクサブフレームよりオフセットだけ遅く始まる場合も同様、
図17及び
図18に示したフォーマットから、設定されたTAによって適切なフォーマットを選択して動作することができる。
【0184】
上述したように、D2D信号送受信に使用可能なシンボルの数字と位置は、各端末が使用しているTA値によって異なってくる。したがって、基地局は、当該基地局のセル内の端末が有し得るTA値を考慮して、適切なD2D信号送受信シンボルを設定しなければならない。ただし、例えば、基地局が予測したTAの最大値は、実際に端末が有するTAの最大値よりも小さくてもよい。
【0185】
この場合、端末は、基地局が設定したD2D動作のために設定されたD2Dシンボルの一部を使用できない場合が発生しうる。例えば、当該端末のTA値とモード切替時間を考慮するとき、端末は、基地局が設定したD2Dシンボルの一部を使用できないことがある。
【0186】
基地局が設定したD2Dシンボルの一部を使用できない場合が発生すると、当該端末は、その事実を基地局に報告することができる。そのために、端末は報告情報を基地局に送信することができる。報告情報は、現在のTA値、当該端末に必要なモード切替時間、又は現在のTA値と当該端末に必要なモード切替時間とを合わせた総必要GP時間、D2D送受信の用途として設定されたが、当該端末が使用てぎない時間区間の長さ或いは使用できない時間区間が存在するか否かのうち少なくとも一つを含むことができる。さらに、上記端末は、当該端末の現在状況で動作可能なD2Dサブフレームフォーマットの種類又は最大の長さを有するD2D送受信信号領域のうち少なくとも一つを基地局に知らせることができる。
【0187】
上述した本発明の実施例を適用する際、D2D信号を送信する前にプリアンブル(Preamble)が送信されてもよい。このプリアンブルは、D2D送信端末が制御情報又はデータ情報を伝達する本格的なD2D信号を送信する前に、別の目的で送信される信号を意味する。具体的に、D2D送信端末が制御情報又はデータ情報を伝達する上記本格的なD2D信号を送信する以前に、受信端末の受信準備動作のために送信する信号であってもよい。ここで、本格的なD2D信号は、D2D送信端末が制御情報又はデータ情報を伝達するD2D信号を意味する。また、上記受信準備動作は時間/周波数同期を含む。
【0188】
一般に、プリアンブルは、事前に送受信端末間に知らされた信号である。このプリアンブルは、上記本格的な信号受信以前に受信端末の事前準備過程(又は、受信準備過程)のために送信される。このため、送信時間が上記事前準備過程に充分であれば、少なくとも一つのOFDMシンボルに該当する時間を占める必要がない。上記事前準備過程は、時間/周波数同期化又は受信増幅器の利得調節などを含む。
【0189】
以下、プリアンブルが適用される場合、本発明の実施例について説明する。
【0190】
6.第6実施例
図21は、プリアンブルが送信される場合、D2D動作のためにリソース割り当てを行う一例を示す図である。
【0191】
図21では、
図14と同様に、端末が取得した下りリンクサブフレーム境界から一定のオフセットだけ早めた地点をD2Dサブフレームが始まる時点と見なすことができる。又は、端末が取得した下りリンクサブフレーム境界から一定のオフセットだけ早めた地点をD2D送信が始まる時点と見なすこともできる。
【0192】
図21を参照すると、上記本格的なD2D信号送信のための本格的なD2Dシンボルが送信される以前に、同期化を含む事前準備過程のためのプリアンブルが送信されることがわかる。また、上記本格的なD2Dシンボルのうちのシンボル0は、端末が取得した下りリンクサブフレームの境界地点から送信し始まることがわかる。シンボル0は、本格的なD2Dシンボルのうち、最初のシンボルを意味する。言い換えると、下りリンクサブフレーム境界に付加されたオフセットの長さがプリアンブルの送信時間と一致する。
【0193】
図21では、端末が0のTAを取得したことと仮定することができる。その結果、サブフレーム#m−1の最後のシンボルでは基地局への信号送信が不可能である。その代わり、それ以前のシンボルで送信を終了し、一定時間を送受信間のモード切替のために用いる。その後、次のプリアンブルを送信又は受信する。
【0194】
図21に示すように、送受信間のモード切替時間と上記プリアンブルの送信時間との和は、1つのOFDMシンボルに該当する時間以下であってもよい。このような構造を適切に用いれば、モード切替とプリアンブルによるOFDMシンボルの損失を最小化することができる。
【0195】
図21に示すように、サブフレーム#mのシンボル13がサブフレーム#m+1と重なると仮定すれば、シンボル13を使用することができない。したがって、総13個のシンボルを使用することができる。仮に、サブフレーム#m+1で、端末の信号が送信されないと、サブフレーム#mのシンボル13はD2D動作に使用することができる。
【0196】
一方、当該端末に0よりも大きいTAが印加される場合、当該TA値とサブフレーム#m及びサブフレーム#m+1間に必要なモード切替時間との和が、1つのOFDMシンボルに該当する時間より小さい又は等しいと、シンボル13をD2D動作のために用いなくてもよい。 この場合、サブフレーム#m+1の最初のシンボルであるシンボル0から基地局−端末リンクの動作が可能である。
【0197】
7.第7実施例
図22は、プリアンブルが送信される場合、D2D動作のためにリソース割り当てを行う他の例を示す図である。
【0198】
図22に関する説明は、
図20で説明した同原理を適用したものである。
【0199】
図22では、端末が取得した下りリンクサブフレーム境界から一定のオフセットだけ遅れた地点をD2Dサブフレームが始まる開始点と見なすことができる。又は、D2D送信の開始点と見なすことができる。
【0200】
ここで、オフセットの長さとプリアンブル送信時間との和が、1つのOFDMシンボルに該当する時間と同一である。その結果、D2D信号を含むシンボル0が下りリンクサブフレームの二番目のシンボルと同時に送信される。
【0201】
ここで、受信端末が基地局への信号送信動作とD2D信号受信動作との切替を行うために、1つのOFDMシンボルよりも小さいモード切替区間(Switching period)を必要とする場合、当該モード切替区間が存在するOFDMシンボル時間において、モード切替時間を除いた残り区間を、プリアンブルを送信するために用いる。これにより、モード切替時間及びプリアンブルによるOFDMシンボルの損失を最小化することができる。
【0202】
仮にサブフレーム#m+1で送信端末又は受信端末の基地局への送信が行われるとすれば、シンボル12とシンボル13はD2D動作のために使用できない。この場合、シンボル12の一部時間を用いて受信と送信間の切替を保障することもできる。
【0203】
8.第8実施例
図23は、プリアンブルが送信される場合、D2D動作のためにリソース割り当てを行う更に他の例を示す図である。
【0204】
図23に関する説明のために、実施例7で一定レベルのTAが印加された場合を仮定することができる。
【0205】
図23を参照すると、印加されたTAが、1つのOFDMシンボルに該当する時間とモード切替に必要な時間との差より小さい又は等しいと、サブフレーム#mでシンボル0からシンボル11まで使用可能であることがわかる。すなわち、合計12個のシンボルを使用することができる。
【0206】
したがって、TA値が非常に大きい特殊な場合を除いては、D2Dに使用可能なシンボルの個数を一定に維持でき、複数の端末が同一のフォーマットを共有できるという効果がある。
【0207】
仮に、TAが非常に大きい場合、当該端末がより少ないシンボルを使用するD2Dサブフレームフォーマットを用いるように基地局が保障する必要がある。又は、後続するサブフレーム#m+1で基地局への送信を回避するように基地局が保障する必要がある。
【0208】
9.第9実施例
図24は、プリアンブルが送信される場合、D2D動作のためにサブフレームにおける最初のシンボルの使用を制限する一例を示す図である。
【0209】
図24に関する説明のために、TAとして0が印加された場合を仮定することができる。
【0210】
図24を参照すると、D2D動作のために割り当てられたサブフレーム#mが、下りリンクサブフレームと同じサブフレーム境界を有する場合に該当することがわかる。ここで、サブフレーム#mにおけるシンボル0の一部時間でモード切替が行われ、その以降の残り時間ではプリアンブルが送信されるようにすることができる。
【0211】
これは、下りリンクサブフレームの境界から一定のオフセットだけ遅れた時点から、プリアンブルを含むD2D信号を送信する動作と同一である。その結果、D2D動作のために利用可能なシンボルの個数又は当該時間上における位置によれば、
図22の場合と同一である。
【0212】
すなわち、端末は、下りリンクサブフレーム境界からオフセットだけ遅れた時点からプリアンブルを送信することができる。また、下りリンクサブフレームの二番目のシンボルと同じ時点から、最初の本格的なD2Dシンボルを送信し始める。合計12個のシンボルを送信又は受信した後、サブフレーム#m+1における送信動作のためにモード切替を行うことができる。最初の本格的なD2Dシンボルは、
図22においてシンボル0に該当する。また、最初の本格的なD2Dシンボルは、
図24ではシンボル1に該当する。
図22及び
図24は、D2D動作のために用いられるシンボルのインデックス(index)が互いに異なるという相違がある。また、
図23及び
図25も、同様の相違がある。
【0213】
図24の構造によれば、サブフレーム#mの最初のシンボルと最後のシンボルはD2D情報伝達のために使用できない場合がある。その結果、サブフレームの構造が対称的であるという特徴がある。特に、スロット単位に周波数領域を変更する場合のような動作においてより有利な側面がある。また、2つのスロットで可用なシンボルの個数が同一であるという特徴がある。
【0214】
10.第10実施例
図25は、プリアンブルが送信される場合、D2D動作のためにサブフレームにおける最初のシンボルの使用を制限する他の例を示す図である。
【0215】
図25に関する説明のために、
図24に関する説明において、0よりも大きいTAが印加された場合を仮定することができる。
【0216】
図25を参照すると、TA値とモード切替に必要な時間との和が、1つのOFDMシンボルに該当する時間より小さい又は等しい場合、シンボル0からシンボル12まで可用であることがわかる。すなわち、一定レベル以下のTAが適用される端末はいずれも、同一のD2Dサブフレームフォーマットを共有することができる。
【0217】
仮に、TAが一定レベルよりも大きいと、基地局は、より少ないシンボルを使用するD2Dサブフレームを用いることを保障する必要がある。又は、基地局は、後続サブフレームであるサブフレーム#m+1で基地局への送信を回避することを保障する必要がある。
【0218】
一方、後続サブフレームであるサブフレーム#m+1への影響を防止するためのD2D信号送信を制限する動作は、より小さい単位で行われてもよい。具体的に、上述した実施例において、サブフレーム#mがD2D動作のために割り当てられた場合、サブフレーム#mの最後の一部時間領域においてD2D信号送信を制限する動作は、1つのシンボル単位よりも小さい単位で行われてもよい。
【0219】
以下、これについて具体的に説明する。
【0220】
11.第11実施例
図26は、1つのシンボルよりも小さい単位でD2D動作のためのリソース割り当てを行う一例を示す図である。
【0221】
図26を参照して、最後の一部時間領域でD2D信号送信を制限する動作を、より小さい単位で行う方法を説明する。
【0222】
図26によれば、シンボル1においても前の一部サンプル(Sample)ではD2D信号の送信が可能であることがわかる。ただし、D2D信号が送信される部分が終了する時点から当該端末が送受信モード切替に必要な時間を保障する必要がある。したがって、送受信モード切替に必要な時間が過ぎた後にサブフレーム#m+1の送信が始まるようにTA値が適切に調節されなければならない。
【0223】
このように、1つのシンボルの一部サンプルのみを用いてD2D信号を送信することを、部分シンボル送信という。部分シンボル送信は、既存LTEのサウンディング参照信号(Sounding Reference Signal)送信に適合する。
【0224】
SRSは、2サブキャリアに1回ずつ信号を印加し、残りのサブキャリアには0を印加する形態で構成される。時間次元では、上記SRSの送信は2つの同信号が反復される形態で現れる(ただし、2つの信号の反復前にはCPが存在できる。)。したがって、時間次元で、既存のSRSで反復される信号を1回のみ送信すると、既存の信号送信回路を用いて簡単に部分シンボル送信を行うことができる。
【0225】
上述した部分シンボル送信の原理は、SRSを用いて送信する場合に制限されず、その他の参照信号やコードワードに対応する信号の送信にも適用可能である。この場合、当該信号の1つのシンボルに該当するサンプルのうち、一部分のみが送信され、残りのサンプルに該当する時間は、送受信切替及び次のサブフレームのTA吸収のために用いられてもよい。
【0226】
上記の方法を用いると、一つのサブフレームであっても、D2D動作を行う場合、隣接したサブフレームの基地局−端末動作に制約が発生しうる。この制約は、D2D動作のためのD2Dサブフレームの境界と基地局−端末動作のためのサブフレームの境界とが一致しないことから発生しうる。したがって、一連の連続したサブフレームでD2D動作を行う場合には、同一のサブフレームの境界で動作するD2Dサブフレームを連続して設定することが、上記の制約を減らすのに役立つことができる。
【0227】
12.第12実施例
図27は、連続するサブフレームにおけるD2D動作のためのリソース割り当てを行う一つの方法を説明するための図である。
【0228】
図27を参照して、一連のサブフレームにおいて同一のサブフレーム境界を用いてD2D動作を行う方法を説明する。
【0229】
図27によれば、サブフレーム1、サブフレーム2及びサブフレーム3が連続してD2D動作のために用いられることがわかる。この場合、サブフレーム1及びサブフレーム2の全領域をD2D動作のために用いることができる。したがって、前述した基地局−端末リンクとの重畳問題を解決する実施例は、サブフレーム3のように、一連の連続したD2Dサブフレームのうち最後のサブフレームにのみ制限的に適用されればいい。
【0230】
このように連続したサブフレームをD2Dサブフレームとして設定する動作は、FDDシステムにおいて、上りリンクバンド(UL band)にTDDのための上りリンク/下りリンクサブフレーム設定(UL/DL Configuration)を設定する形態として具現することができる。
【0231】
例えば、基地局は、表3に示す構成又は新しい構成をFDD上りリンクバンドに設定することができる。
【0232】
表3は、本発明に適用される上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を示すものである。
【0234】
上記設定された構成上で下りリンクとして設定されたサブフレームでは、下りリンクバンド(DL band)における基地局−端末リンクの下りリンクサブフレームと同じサブフレーム境界を用いてD2D動作を行うことができる。又は、一定のオフセットを用いて変形を加えたサブフレーム境界を用いてD2D動作を行う。
【0235】
設定された構成上で上りリンクとして設定されたサブフレームでは、一般的な基地局−端末リンクの上りリンクサブフレームと同じサブフレーム境界を用いてD2D動作を行うことができる。ここで、下りリンクとして設定されたサブフレームで動作するD2D動作は、発見動作と通信動作のうち少なくとも一つを含むことができる。
【0236】
又は、下りリンクとして設定されたサブフレームでは、TA無しで下りリンクサブフレームの境界を基準にD2D動作を行うが、上りリンクとして設定されたサブフレームでは、当該端末に与えられたTAによって設定される上りリンクサブフレームの境界を基準にD2D動作を行うことができる。
【0237】
例えば、下りリンクとして設定されたサブフレームで、個別端末に最適化されたTA値を使用せずにD2D発見動作を行うことができる。一方、上りリンクとして設定されたサブフレームで、個別端末に送信されるTA値によって決定されるサブフレーム境界を用いてD2D通信動作を行うことができる。特に、基地局に接続している端末間のD2D通信動作の場合、上りリンクとして設定されたサブフレームで、個別端末に送信されるTA値によって決定されるサブフレーム境界を用いるようにD2D通信動作を行うことができる。
【0238】
一方、上記の表3は一例示に過ぎず、本発明に適用される上りリンク/下りリンクサブフレーム設定はそれに制限されない。例えば、本発明には、LTE TDDシステムにおける上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が適用されてもよい。
【0239】
図27を参照すると、サブフレーム1及び2は下りリンクとして設定されたと見なすことができる。サブフレーム0は上りリンクとして設定されたと見なすことができる。
【0240】
サブフレーム3及び4のように重畳が発生するサブフレームは、次のように解釈することができる。
【0241】
図13(a)を参照して説明した方法1が適用される場合、サブフレーム3は、特別サブフレーム(Special subframe)と見なすことができる。D2D動作を行う領域A(1301)は、DwPTS(Downlink Pilot Time Slot)と見なすことができる。残りの時間は、TAを吸収するGPと見なすことができる。領域B(1302)は、実際に上りリンクサブフレームに該当するサブフレーム4によって、基地局−端末リンクに活用される。
【0242】
図13(b)を参照して説明した方法2が適用される場合、サブフレーム3の全領域でD2D動作を行うことができる。このため、サブフレーム3も、下りリンクサブフレームと見なすことができる。この場合、サブフレーム4が特別サブフレームと見なされ、サブフレーム4ではD2D動作が行われないことから、DwPTSが存在しない。また、サブフレーム4は、GPとUpPTS(Uplink Pilot Time Slot)で構成されたサブフレームと見なすことができる。
【0243】
図13(c)を参照して説明した方法3が適用される場合、サブフレーム3及びサブフレーム4を特別サブフレームと見なすことができる。ただし、サブフレーム3にはUpPTSがなく、サブフレーム4にはDwPTSがないと見なすことができる。また、両サブフレームを連結した一つのスーパー(super)サブフレームを特別サブフレームとして設定することと解釈することもできる。
【0244】
図13(d)を参照して説明した方法4が適用される場合、サブフレーム3は特別サブフレームと見なされ、D2D動作可能な領域A(1301)の部分領域がDwPTSと見なされてもよい。サブフレーム3の残りの時間は、TAを吸収するGPと見なすことができる。領域B(1302)は、実際に上りリンクサブフレームに該当するサブフレーム4によって、基地局−端末リンクに活用される。
【0245】
場合によって、領域Aに属するが、D2D動作不可能な領域を、基地局への上りリンク送信区間であるUpPTSとして活用することができる。例えば、少ない数のシンボルを使用するPRACHプリアンブルやSRSを送信することができる。特に、
図17に示したように、D2Dサブフレームフォーマット2が適用される場合、領域Aの最後の一部シンボルをUpTPSとして設定し、各種の上りリンク信号送信に活用することができる。
【0246】
上述したように、TDD上りリンク/下りリンクサブフレーム設定をFDDの上りリンクバンドに設定する動作は、D2D動作を行う時間区間にのみ選択的に設定することができる。例えば、一定の周期で現れる無線フレームにのみ上記のような上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が適用され、残りの無線フレームでは全体サブフレームが上りリンクサブフレームとして動作することができる。
【0247】
一方、FDDの上りリンクで、HARQは8msの周期で動作する属性を有する。すなわち、サブフレームnで送信したPUSCHに対する再送信がサブフレームn+8で行われる。したがって、上りリンクバンドにおけるTDD上りリンク/下りリンクサブフレーム設定は、4ms、8ms、又は8msの倍数を周期とすることが提案される。これを基づき、基地局−端末リンクにおける特定上りリンクHARQプロセスに属するサブフレームのみを上記D2D動作のために活用すると、D2D動作を行う上で発生しうる、基地局−端末リンクにおける上りリンクHARQに対する制約を、特定プロセスに限定することができる。これによって、残りのプロセスは何ら影響もなく動作させることが可能になる。
【0248】
例えば、上記の表3のようにTDD上りリンク/下りリンクサブフレーム設定のいずれか一つをFDD上りリンクバンドに設定することができる。上記の表3に示したように、4ms又は8msの周期で上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が反復されると仮定することができる。万一8msの倍数でTDD上りリンク/下りリンクサブフレーム設定が現れるとすれば、全体サブフレームを連続する8個のサブフレームのグループに分け、上記の表3に示した構成のいずれか一つを上記グループの一部グループにのみ設定することができる。表3でサブフレーム番号は、無線フレーム番号に10を掛けた値及びサブフレームの和を8で割った余りに該当する値であってもよい。
【0249】
特徴的に、上記の表3で構成#9は、一つの特別サブフレームを有する。また、7個の上りリンクサブフレームを有する。上記特別サブフレームのDwPTSは、上述した方式によってD2D動作のために使用し、残りはいずれも通常の上りリンクサブフレームとして活用することができる。この場合、特別サブフレームの位置は任意の位置にしてもよく、必ずしも表の位置に制限されない。
【0250】
一方、
図27を参照して説明した動作と類似の動作をより簡単に具現する方法を提示する。
【0251】
図28は、連続するサブフレームにおけるD2D動作のためのリソース割り当てを行う他の方法を説明するための図である。
【0252】
図28を参照して、連続するM個の上りリンクサブフレームを基地局−端末リンクから分離するものの、実際にはM−1個のサブフレームでのみD2D動作を行う方法を説明する。
【0253】
図28によれば、サブフレーム1、2及び3は基地局−端末リンクから分離されたが、実際にはサブフレーム1及び2のみがD2D動作のために用いられることがわかる。サブフレーム3は、各端末のTAを吸収する用途に用いることができる。
【0254】
上記の方法によれば、1つのサブフレームは使用することができない。しかし、TAにしたがって別々の送受信方式を具現せず、関連動作を単純化することができる。特に、上記の方法は、D2D動作が間欠的に行われる場合に適する。
【0255】
上述した実施例によって上りリンクバンドにD2D動作サブフレームを知らせるための追加の上りリンク/下りリンクサブフレーム構成が設定されてもよい。仮に、サブフレームがD2D動作のための下りリンクサブフレームとして設定され、該サブフレーム全体がD2D動作に使用されてもよい場合、相対的に多量のリソースが必要なD2D通信動作のために用いられる。一方、サブフレームが一連のD2Dサブフレームの最後に位置することから特別サブフレームなどとして用いられる場合には、相対的に少量のリソースが必要なD2D発見動作のために用いられてもよい。
【0256】
特定時間リソース又は特定周波数リソースがD2D動作のために設定されても、実際にD2D送受信のために用いない場合には、当該リソースを用いて基地局が端末にデータを送信することができる。このような動作が可能な理由は、端末が当該リソースでは基地局−端末リンクの下りリンクサブフレームの境界と同じ時点でサブフレーム境界を設定するためである。
【0257】
B.TDDシステム
図29は、上りリンクサブフレーム及び下りリンクサブフレームの境界を示す図である。
【0258】
具体的には、TDDシステムにおいて、下りリンク及び上りリンクサブフレームの境界を示す図である。
【0259】
図29を参照すると、上りリンクサブフレームは、下りリンクサブフレームを基準にTA値だけ早めに始まることがわかる。このような不一致は、特別サブフレームのDwPTSとUpPTS間に存在するGPを調節して解決することができる。
【0260】
TDDの場合、上記FDDで説明した実施例を適用してD2D通信を行うことができる。
【0261】
TDDの特徴的な部分として、次の2つの属性が提示される。一つは、D2D動作が行われるサブフレームとしては、基地局送信からの干渉がない上りリンクサブフレームが好ましいという点である。もう一つは、D2D動作のうち、個別端末に特化したTAを使用しない動作が行われるサブフレームは、下りリンクサブフレームと同じサブフレーム境界を有したり、下りリンクサブフレームと同じサブフレーム境界に一定のオフセットが印加されたサブフレーム境界を有するという点である。
【0262】
このような2つの属性を全て満たすために、D2D動作は、一つの基地局が設定した上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で上りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームを用いることができる。又は、発見動作のような、D2D動作の一部は、基地局が設定した上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で上りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームを用いることができる。ただし、可能ならば、連続する上りリンクサブフレームのうち最後に位置するサブフレームを用いるものの、当該サブフレームの境界を、
図30に示すように、下りリンクサブフレームの境界と同一に設定するように動作することができる。又は、下りリンクサブフレームの境界に一定のオフセットが印加されたサブフレーム境界として設定するように動作することもできる。
【0263】
図30は、TDDシステムにおいて、D2D動作のためにリソースを割り当てる方法を説明するための図である。
【0264】
ここで、1つのサブフレームであるサブフレーム3がD2D動作のために選定されたと仮定する。ただし、連続したサブフレームがD2D動作のために選定されてもよい。また、FDDシステムにおける実施例で説明したとおり、下りリンクサブフレームの境界から一定のオフセットだけ調節された境界を、D2D動作のためのD2Dサブフレームの境界として設定することも可能である。ここで、D2Dサブフレームに付加されるオフセット値は、基地局に接続している端末が有する最小のTA値に該当すると見なすことができる。
【0265】
特に、
図30に示す構造によれば、任意のD2Dサブフレーム以降に、基地局−端末リンクとして割り当てられる上りリンクサブフレームが存在しないように設定することができる。これによって、TAを使用しないD2Dサブフレームに後続してTAを使用する基地局−端末リンクの上りリンクサブフレームが現れることから生じうる、サブフレームが重なる問題を事前に防止することができる。その結果、基地局は、当該セルで可能なTA値にかかわらず、最大限に多いシンボルをD2D動作に使用する構成を用いることができる。例えば、連続した上りリンクサブフレームのうち、最後に位置したD2Dサブフレームに含まれた全てのシンボルでD2D動作を行うことができる。さらに、D2Dサブフレームに含まれた全てのシンボルでD2D動作を行うこともできる。
【0266】
例えば、
図17に示した2つのD2Dフォーマットのうち前者を常に用いることができる。又は、
図26で説明したように、部分シンボル送信を極力活用することもできる。又は、
図18で説明したように、一定レベル以上のTAが印加される場合には、次のサブフレームで基地局−端末リンク送信が存在しないと制約せず、自由に基地局−端末リンクに対するスケジューリングを行うこともできる。
【0267】
TDDシステムでも、FDDシステムに関する説明で上りリンクバンドにTDD上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を設定する動作と類似の動作が可能である。基地局は、まず、各サブフレームの用途を知らせるために、一つの上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を端末に知らせる。すなわち、各サブフレームを基地局の信号送信のために用いるか、又は各サブフレームを端末の信号送信のために用いるかを知らせるために、第1上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を端末に知らせる。
【0268】
その後、追加の上りリンク/下りリンクサブフレーム設定である第2上りリンク/下りリンクサブフレーム設定を端末に知らせる。その結果、当該構成上で下りリンクサブフレームとして設定されたサブフレームでは、基地局−端末リンクの下りリンクサブフレームと同じサブフレームを用いてD2D動作を行うことができるということを知らせることができる。
【0269】
上記第2上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上で上りリンクであるサブフレームは、常に基地局−端末リンクの上りリンクサブフレームと同じ境界を有するという点を保障するために、第1上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上では必ず上りリンクでなければならないという制約がありうる。
【0270】
好ましくは、D2D動作は基地局−端末リンクの下りリンクサブフレーム境界を用いるために、上記第2上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上では下りリンクとして設定される。又は、発見動作のようなD2D動作の一部は、基地局−端末リンクの下りリンクサブフレーム境界を用いるために、上記第2上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上では下りリンクとして設定されてもよい。しかし、実際には基地局信号の送信がないということを保障するために、各サブフレームの用途を指定する第1上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上では上りリンクとして設定されてもよい。又は、少なくとも全帯域を通じて送信されるCRSやCSI−RSのような送信がないということを保障するために、各サブフレームの用途を指定する第1上りリンク/下りリンクサブフレーム設定上では上りリンクとして設定される。
【0271】
仮に、D2D発見信号が基地局カバレッジ(Coverage)外に位置している端末から送信されると、TAをもって基地局に送信するサブフレームが存在しない。したがって、基地局−端末リンク送信に適用されるTAによるサブフレームの重畳が発生しないには、
図30の説明と同様にD2D動作を行うことが要求されてもよい。
【0272】
その結果、最大限に多いシンボルをD2D動作に使用する構成を用いることができる。例えば、
図17に示した2つのD2Dフォーマットのうち前者を常に使用するように動作することができる。又は、
図26の説明のように、部分シンボル送信を極力活用するように動作することもできる。
【0273】
図31は、本発明の一実施例に係る通信装置のブロック構成図である。
【0274】
図31を参照すると、無線通信システムは、基地局(BS)3110及び端末(UE)3120を含む。
【0275】
下りリンクで、送信器は基地局3110の一部であり、受信器は端末3120の一部であってもよい。上りリンクで、送信器は端末3120の一部であり、受信器は基地局3110の一部であってもよい。基地局3110は、プロセッサ3112、メモリ3114及び無線周波数(Radio Frequency、RF)ユニット3116を含む。プロセッサ3112は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されてもよい。メモリ3114は、プロセッサ3112と接続し、プロセッサ3112の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット3116は、プロセッサ3112と接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。端末3120は、プロセッサ3122、メモリ3124及びRFユニット3126を含む。プロセッサ3122は、本発明で提案した手順及び/又は方法を具現するように構成されてもよい。メモリ3124は、プロセッサ3122と接続し、プロセッサ3122の動作と関連した様々な情報を記憶する。RFユニット3126は、プロセッサ3122と接続し、無線信号を送信及び/又は受信する。基地局3110及び/又は端末3120は、単一アンテナ又は多重アンテナを有することができる。
【0276】
以上説明してきた実施例は、本発明の構成要素及び特徴を所定形態に結合したものである。各構成要素又は特徴は、別の明示的な言及がない限り、選択的なものとして考慮しなければならない。各構成要素又は特徴は、他の構成要素や特徴と結合しない形態で実施することもでき、一部の構成要素及び/又は特徴を結合して本発明の実施例を構成することもできる。本発明の実施例で説明される動作の順序は変更されてもよい。ある実施例の一部構成や特徴は、他の実施例に含まれてもよく、他の実施例の対応する構成又は特徴に取り替わってもよい。特許請求の範囲において明示的な引用関係にない請求項を結合して実施例を構成したり、出願後の補正により新しい請求項として含めたりできるということは明らかである。
【0277】
本文書で本発明の実施例は、主に、端末と基地局間の信号送受信関係を中心に説明された。このような送受信関係は、端末とリレー間、又は基地局とリレー間の信号送受信にも同一/類似に拡張される。本文書で基地局によって行われるとした特定動作は、場合によっては、その上位ノード(upper node)によって行われてもよい。すなわち、基地局を含む複数のネットワークノード(network nodes)で構成されるネットワークにおいて端末との通信のために行われる様々な動作は、基地局又は基地局以外の他のネットワークノードによって行われることは明らかである。基地局は、固定局(fixed station)、Node B、eNode B(eNB)、アクセスポイント(access point)などの用語に代えてもよい。また、端末は、UE(User Equipment)、MS(Mobile Station)、MSS(Mobile Subscriber Station)などの用語に代えてもよい。
【0278】
本発明に係る実施例は、様々な手段、例えば、ハードウェア、ファームウェア(firmware)、ソフトウェア又はそれらの結合などによって具現することができる。ハードウェアによる具現では、本発明の一実施例は、一つ又はそれ以上のASICs(application specific integrated circuits)、DSPs(digital signal processors)、DSPDs(digital signal processing devices)、PLDs(programmable logic devices)、FPGAs(field programmable gate arrays)、プロセッサ、コントローラ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサなどによって具現することができる。
【0279】
ファームウェアやソフトウェアによる具現では、本発明の一実施例は、以上で説明された機能又は動作を実行するモジュール、手順、関数などの形態として具現することができる。ソフトウェアコードは、メモリユニットに記憶され、プロセッサによって駆動可能である。メモリユニットは、プロセッサの内部又は外部に設けられ、公知の様々な手段によってプロセッサとデータを交換することができる。
【0280】
本発明は、本発明の特徴から逸脱しない範囲で別の特定の形態に具体化できるということが当業者にとっては自明である。したがって、上記の詳細な説明は、いずれの面においても制限的に解釈してはならず、例示的なものとして考慮しなければならない。本発明の範囲は、添付の請求項の合理的な解釈によって決定すべきであり、本発明の等価的範囲内における変更はいずれも本発明の範囲に含まれる。