(54)【発明の名称】新規3−(4−(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ−4−イン酸誘導体、その製造方法、並びに有効成分としてそれを含む、代謝性疾患を予防及び治療するための医薬組成物
【文献】
Organic Process Research & Development,2011年,15(3),570-580
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
代謝性疾患が、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXからなる群から選択される、請求項5に記載の、代謝性疾患を予防又は治療するための医薬組成物。
【発明を実施するための形態】
【0024】
これ以降に、本発明を詳細に説明する。
【0025】
本発明は、以下の式1により表される化合物:
【化8】
〔式1中、
【化9】
は、単結合又は二重結合であり、
A及びEは、独立して、C、N、又はOであり、
nは、0〜5の整数であり、
Xは、単結合、又は直鎖若しくは分岐C
1〜10アルキレンであり、
R
1は、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C
1〜10アルキル、直鎖若しくは分岐C
1〜10アルコキシ、C
5〜10シクロアルキル、又はC
5〜10シクロアルケニルであり、
R
2、R
3及びR
5は、独立して、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C
1〜10アルキル、又は直鎖若しくは分岐C
1〜10アルコキシであり、
R
2及びR
3は、これらと共役している原子と一緒になって、C
5〜10シクロアルキル、C
6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクロアルキル又は5〜10員ヘテロアリールを形成してもよい。5〜10員ヘテロシクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、5〜10員ヘテロアリールは、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、
R
4Aは、-H、-OH、=O、非置換若しくは置換C
6〜10アリール、又はN、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する非置換若しくは置換5〜10員ヘテロアリールであり、
前記置換C
6〜10アリール及び置換5〜10員ヘテロアリールでは、-OH、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは置換の直鎖若しくは分岐C
1〜5アルキル(1個以上のハロゲンが置換されている)、非置換若しくは置換の直鎖若しくは分岐C
1〜5アルコキシ(1個以上のハロゲンが置換されている)、直鎖若しくは分岐C
1〜10アルキルスルホニル、
【化10】
からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。m及びqは、独立して、1〜10の整数であり、
前記非置換又は置換5〜10員ヘテロアリールでは、フェニルが縮合してもよく、
R
3及びR
4Aは、これらと共役している原子と一緒になって、C
5〜10シクロアルキル、C
6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクロアルキル又は5〜10員ヘテロアリールを形成してもよい。5〜10員ヘテロシクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、5〜10員ヘテロアリールは、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、
前記C
5〜10シクロアルキル、C
6〜10アリール、5〜10員ヘテロシクロアルキル、及び5〜10員ヘテロアリールでは、直鎖若しくは分岐C
1〜5アルコキシで置換されていてもよく、
R
4Bは存在しないか、又はR
4B及びR
4Aと共役している原子と一緒になって、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5〜10員複素環を形成してもよい。〕、
その光学異性体、又は薬学的に許容されるその塩を提供する。
【0026】
好ましくは、
【化11】
は、単結合又は二重結合であり、
A及びEは、独立して、C、N、又はOであり、
nは、0〜3の整数であり、
Xは、単結合、又は直鎖若しくは分岐C
1〜5アルキレンであり、
R
1は、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C
1〜5アルキル、直鎖若しくは分岐C
1〜5アルコキシ、C
5〜8シクロアルキル、又はC
5〜8シクロアルケニルであり、
R
2、R
3及びR
5は、独立して、-H、-OH、ハロゲン、直鎖若しくは分岐C
1〜5アルキル、又は直鎖若しくは分岐C
1〜5アルコキシであり、
R
2及びR
3は、これらと共役している原子と一緒になって、C
5〜8シクロアルキル、C
6〜8アリール、5〜8員ヘテロシクロアルキル又は5〜8員ヘテロアリールを形成してもよい。5〜8員ヘテロシクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、5〜8員ヘテロアリールは、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、
R
4Aは、-H、-OH、=O、非置換若しくは置換C
6〜8アリール、又はN、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する非置換若しくは置換5〜8員ヘテロアリールであり、
前記置換C
6〜8アリール及び置換5〜8員ヘテロアリールでは、-OH、ハロゲン、ニトリル、非置換若しくは置換の直鎖若しくは分岐C
1〜5アルキル(1個以上のハロゲンが置換されている)、非置換若しくは置換の直鎖若しくは分岐C
1〜5アルコキシ(1個以上のハロゲンが置換されている)、直鎖若しくは分岐C
1〜8アルキルスルホニル、
【化12】
からなる群から選択される1つ以上の置換基で置換されていてもよい。m及びqは、独立して、1〜5の整数であり、
前記非置換又は置換5〜8員ヘテロアリールでは、フェニルが縮合してもよく、
R
3及びR
4Aは、これらと共役している原子と一緒になって、C
5〜8シクロアルキル、C
6〜8アリール、5〜8員ヘテロシクロアルキル又は5〜8員ヘテロアリールを形成してもよい。5〜8員ヘテロシクロアルキルは、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、5〜8員ヘテロアリールは、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有してもよく、
前記C
5〜8シクロアルキル、C
6〜8アリール、5〜8員ヘテロシクロアルキル、及び5〜8員ヘテロアリールでは、直鎖若しくは分岐C
1〜5アルコキシで置換されていてもよく、
R
4Bは存在しないか、又はR
4B及びR
4Aと共役している原子と一緒になって、N、O及びSからなる群から選択される1個以上のヘテロ原子を含有する5〜8員複素環を形成してもよい。
【0027】
より好ましくは、
【化13】
は、単結合又は二重結合であり、
A及びEは、独立して、C又はNであり、
nは、0〜1の整数であり、
Xは、単結合、又は直鎖若しくは分岐C
1〜3アルキレンであり、
R
1は-Hであるか、又は
【化14】
であり、
R
2、R
3、及びR
5は、独立して、-Hであり、
R
2及びR
3は、フェニルを形成してもよく、
R
4Aは、-H、-OH、=O、
【化15】
であり、
R
3及びR
4Aは、これらと共役している原子と一緒になって、フェニルを形成してもよい。前記フェニルでは、メトキシで置換されていてもよく、
R
4Bは存在しないか、又はR
4B及びR
4Aと共役している原子と一緒になって、
【化16】
を形成してもよい。
【0028】
式1により表される化合物は、以下の化合物により例示することができる。
(1) 3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(2) 3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシン;
(3) 4-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(4) 3-(4-(3-(4-オキソシクロヘキサ-1-エンイル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(5) 3-(4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキサ-1-エンイル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(6) 3-(4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキサ-1-エンイル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシン;
(7) (3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(8) (3R)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(9) (3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシン;
(10) (3R)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシン;
(11) (3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウム;
(12) 3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(13) 3-(4-(3-シクロヘキセニル-4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(14) 3-(4-(4-((4-フェニル-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(15) 3-(4-(4-((4-フェニルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(16) 3-(4-(4-((6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(17) 3-(4-(4-((4-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(18) 3-(4-(4-((4-(4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(19) 3-(4-(4-((4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(20) 3-(4-(4-((4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(21) (S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(22) (S)-3-(4-(4-((4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(23) (S)-3-(4-(4-((4-(4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(24) (S)-3-(4-(4-((4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸カリウム;
(25) (S)-3-(4-(4-((6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(26) (S)-3-(4-(4-((4-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(27) (S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(28) (S)-3-(4-(4-((4-フェニル-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(29) (S)-3-(4-(4-((4-(4-(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(30) (S)-3-(4-(4-((4-(5-イソプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(31) (S)-3-(4-(4-((4-(5-イソプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(32) (S)-3-(4-(4-((4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(33) (S)-3-(4-(4-((4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(34) (3S)-3-(4-(4-(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(35) (S)-3-(4-(4-((4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(36) (S)-3-(4-(4-((4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(37) (S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウム;
(38) (S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシン;
(39) (S)-3-(4-(4-((4-(4-フルオロフェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(40) (S)-3-(4-(4-((4-(4-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(41) (S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウム;
(42) (S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸カリウム;
(43) (S)-3-(4-(4-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(44) (S)-3-(4-(4-((4-(5-プロピルピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(45) (S)-3-(4-(4-((4-(5-シアノピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(46) (3S)-3-(4-(4-((3-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(47) (S)-3-(4-(4-((4-(4-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウム;
(48) (S)-3-(4-(4-(2-(6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(49) (S)-3-(4-(4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;
(50) (S)-3-(4-(4-(2-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸;及び
(51) (S)-3-(4-(4-((6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウム。
【0029】
本発明の式1により表される化合物は、薬学的に許容される塩の形態として使用することができ、この塩は、好ましくは薬学的に許容される遊離酸により形成される、酸付加塩である。本明細書では、該酸付加塩は、塩酸、硝酸、リン酸、硫酸、臭化水素酸、ヨウ化水素酸、亜硝酸及び亜リン酸などの無機酸;脂肪族モノ/ジカルボキシレート、フェニル置換アルカノエート、ヒドロキシアルカノエート、アルカンジオエート、芳香族酸、及び脂肪族/芳香族スルホン酸などの非毒性有機酸;あるいは酢酸、安息香酸、クエン酸、乳酸、マレイン酸、グルコン酸、メタンスルホン酸、4-トルエンスルホン酸、酒石酸、及びフマル酸などの有機酸から得ることができる。薬学的に非毒性の塩は、硫酸塩、ピロ硫酸塩、重硫酸塩、亜硫酸塩、重亜硫酸塩、硝酸塩、リン酸塩、リン酸一水素塩、リン酸二水素塩、メタリン酸塩、ピロリン酸塩、塩化物、臭化物、ヨウ化物、フッ化物、酢酸塩、プロピオン酸塩、デカン酸塩、カプリル酸塩、アクリル酸塩、ギ酸塩、イソ酪酸塩、カプリン酸塩、ヘプタン酸塩、プロピオール酸塩、シュウ酸塩、マロン酸塩、コハク酸塩、スベリン酸塩、カバケート(cabacate)、フマル酸塩、マリエート(maliate)、ブチン-1,4-ジオン酸塩、ヘキサン-1,6-ジオン酸塩、安息香酸塩、クロロ安息香酸塩、メチル安息香酸塩、ジニトロ安息香酸塩、ヒドロキシ安息香酸塩、メトキシ安息香酸塩、フタル酸塩、テレフタル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、トルエンスルホン酸塩、クロロベンゼンスルホン酸塩、キシレンスルホン酸塩、フェニル酢酸塩、フェニルプロピオン酸塩、フェニルブチレート(phenylbutylate)、クエン酸塩、乳酸塩、ヒドロキシブチレート(hydroxybutylate)、グリコール酸塩、リンゴ酸塩、酒石酸塩、メタンスルホン酸塩、プロパンスルホン酸塩、ナフタレン-1-スルホン酸塩、ナフタレン-2-スルホン酸塩、及びマンデル酸塩により例示される。
【0030】
本発明における酸付加塩は、当業者に公知の従来法により調製することができる。例えば、式1により表される化合物を、メタノール、エタノール、アセトン、塩化メチレン、又はアセトニトリルなどの有機溶媒に溶解し、ここに有機酸又は無機酸を加えて、沈殿を誘発させる。次に、沈殿物をろ過して乾燥すると、塩が得られる。あるいは溶媒及び過剰の酸を減圧蒸留して乾燥すると、塩が得られる。あるいは沈殿物は、有機溶媒中で結晶化すると、塩が得られる。
【0031】
薬学的に許容される金属塩は、塩基を使用することにより調製することができる。アルカリ金属塩又はアルカリ土類金属塩は、以下の方法、すなわち、過剰の水酸化アルカリ金属又は水酸化アルカリ土類金属の溶液中に化合物を溶解し、非可溶性化合物塩をろ過し、残存溶液を蒸発させ、それを乾燥することにより得られる。この際、金属塩は、好ましくは、薬学的に適したナトリウム、カリウム又はカルシウム塩の形態で調製される。また、対応する銀塩は、アルカリ金属塩又はアルカリ金属塩と適切な銀塩(例えば、硝酸銀)との反応により調製される。
【0032】
薬学的に許容される塩は、アミノ基が有機酸に結合しているアミノ酸を使用することにより調製することもでき、この場合、アミノ酸塩は、好ましくは、グリシン、アラニン、フェニルアラニン、バリン、リシン及びグルタミン酸としての天然アミノ酸のままで調製され、より好ましくはL-リシンである。
【0033】
本発明は、式1により表される化合物だけではなく、それから生成する可能性のある、薬学的に許容されるその塩、及び溶媒和物、光学異性体、又は水和物も含む。
【0034】
さらに、本発明は、式1により表される化合物を製造する方法を提供する。
【0035】
製造法1
本発明の式1により表される化合物は、以下の反応式1に示されている以下のステップ:
式2により表される化合物と式3により表される化合物の縮合反応により、式4により表される化合物を調製するステップ(ステップ1)、及び
ステップ1において調製した式4により表される化合物の還元反応により、式1により表される化合物を調製するステップ(ステップ2)
を含む方法により製造することができる。
【0036】
【化17】
〔反応式1中、
R
1、R
2、R
3、R
4A、R
4B、R
5、A、E、n、及びXは、式1において定義されている通りであり、Yは直鎖又は分岐C
1〜10アルキルである。〕
【0037】
これ以降、本発明の式1により表される化合物を製造する方法を、ステップ毎に、より詳細に説明する。
【0038】
本発明の式1により表される化合物を製造する方法では、ステップ1は、式2により表される化合物と式3により表される化合物との間のカップリング反応を誘発することにより、式4により表される化合物を調製することである。より正確には、式2により表される化合物、式3により表される化合物、及びトリフェニルホスフィンをすべて混合すると、混合溶液となる。この混合溶液に、-5℃〜10℃の温度で、アゾカルボキシレート試薬をゆっくりと加え、続くMitsunobu反応を誘発することにより、式4により表される化合物が得られる。
【0039】
この際、アゾジカルボキシレート試薬は、ジエチルアゾジカルボキシレート(DEAD)、及びジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)からなる群から選択することができ、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(DIAD)が好ましく選択される。
【0040】
ここで反応溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、トルエン、及びアセトニトリルからなる群から選択することができ、テトラヒドロフランが好ましく選択される。
【0041】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0042】
本発明の式1により表される化合物を製造する方法では、ステップ2は、塩基の存在下、ステップ1において調製した式4により表される化合物の還元反応を誘発することにより、式1により表される化合物を調製することである。より正確には、ステップ1において調製した式4により表される化合物は、室温で塩基と反応させ、これにより、式4により表される化合物に含まれるエステル基がカルボキシル基に還元され、式1により表される化合物が調製される。
【0043】
この際、塩基は、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、及び水酸化リチウム(LiOH)からなる群から選択することができ、水酸化カリウム(KOH)が好ましく選択される。
【0044】
ここで反応溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、トルエン、及びアセトニトリルからなる群から選択することができ、テトラヒドロフラン(THF)が好ましく選択される。
【0045】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0046】
出発原料(式2により表される化合物)の調製
本発明の反応式1では、式2により表される化合物は、以下の反応式2に示されている以下のステップ:
式8により表される化合物と式9により表される化合物とを反応させることにより、式10により表される化合物を調製するステップ(ステップ1)、
ステップ1において調製した式10により表される化合物と式11により表される化合物とを反応させることにより、式12により表される化合物を調製するステップ(ステップ2)、及び
ステップ2において調製した式12により表される化合物の還元反応により、式2により表される化合物を調製するステップ(ステップ3)
を含む方法により製造することができる。
【0047】
【化18】
〔反応式2中、
R
1、R
2、R
3、R
4A、R
4B、R
5、A、E、n、及びXは、式1において定義されている通りであり、-OTfはトリフルオロメタンスルホネートである。〕
【0048】
これ以降、本発明の式2により表される化合物を製造する方法を、ステップ毎に、より詳細に説明する。
【0049】
本発明の式2により表される化合物を製造する方法では、ステップ1は、式8により表される化合物と式9により表される化合物とを反応させることにより、式10により表される化合物を調製することである。より正確には、式8により表される化合物及び式9により表される化合物を-80℃〜-70℃の有機溶媒に溶解し、ここにビス(トリメチルシリル)アミド金属錯体をゆっくりと加え、次いで昇温しながら撹拌することにより、式10により表される化合物が得られる。
【0050】
この際、ビス(トリメチルシリル)アミド金属錯体は、カリウムビス(トリメチルシリル)アミド、リチウムビス(トリメチルシリル)アミド、及びナトリウムビス(トリメチルシリル)アミドからなる群から選択することができ、カリウムビス(トリメチルシリル)アミドが好ましくは選択される。
【0051】
ここで有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、クロロベンゼン、トルエン、及びベンゼンからなる群から選択することができる。
【0052】
反応温度は、好ましくは、-80℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0053】
本発明の式2により表される化合物を製造する方法では、ステップ2は、ステップ1において調製した式10により表される化合物と式11により表される化合物とを反応させることにより、式12により表される化合物を調製することである。より正確には、式12により表される化合物は、ステップ1において調製した式10により表される化合物と式11により表されるボロン酸エステル化合物とのSuzukiカップリング反応を誘発することにより調製される。
【0054】
この際、パラジウム触媒は、テトラキス(トリフェニルホスフィン)(Pd(PPh
3)
4)、二塩化ビス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(II)(PdCl
2(PPh
3)
2)、二塩化パラジウム(PdCl
2)、又は酢酸パラジウム(Pd(OCOCH
3)
2)とすることができ、テトラキス(トリフェニルホスフィン)(Pd(PPh
3)
4)がより好ましい。
【0055】
ここで有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、クロロベンゼン、トルエン、及びベンゼンからなる群から選択され、トルエンが好ましくは選択される。
【0056】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0057】
本発明の式2により表される化合物を製造する方法では、ステップ3は、塩基の存在下、ステップ2において調製した式12により表される化合物の還元反応を誘発することにより、式2により表される化合物を調製することである。より正確には、ステップ2において調製した式12により表される化合物は、有機溶媒に溶解し、ここに塩基を加える。次に、式12により表される化合物中に含まれているアルデヒド基を還元してヒドロキシ基にすると、式2により表される化合物になる。
【0058】
この際には、有機溶媒は、メタノール、エタノール、酢酸エチル、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル又はこれらの溶媒の2種以上を含む混合溶液とすることができるが、本明細書では、好ましくは、テトラヒドロフラン:メタノール(4:1)の混合溶媒が使用される。
【0059】
ここで塩基は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3)、又は水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)とすることができ、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3)がより好ましい。
【0060】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0061】
製造法2
本発明の式1により表される化合物は、以下の反応式3に示されている以下のステップ:
式5により表される化合物と式3により表される化合物との間のカップリング反応を誘発することにより、式6により表される化合物を調製するステップ(ステップ1)、
ステップ1において調製した式6により表される化合物のメシル化反応(mesylate reaction)を誘発することにより、式7より表される化合物を調製するステップ(ステップ2)、
式7により表される化合物のメシル基部位(mesylate site)を式13により表される化合物で置き換えることにより、式4により表される化合物を調製するステップ(ステップ3)、及び
ステップ3において調製した式4により表される化合物の還元反応を誘発することにより、式1により表される化合物を調製するステップ(ステップ4)
を含む方法により製造することができる。
【0062】
【化19】
〔反応式3中、
R
1、R
2、R
3、R
4A、R
4B、R
5、A、E、n、及びXは、式1において定義されている通りであり、Yは直鎖又は分岐C
1〜10アルキルである。〕
【0063】
これ以降、本発明の式1により表される化合物を製造する方法を、ステップ毎に、より詳細に説明する。
【0064】
本発明の式1により表される化合物を製造する方法では、ステップ1は、式5により表される化合物と式3により表される化合物との間のカップリング反応を誘発することにより、式6により表される化合物を調製することである。
【0065】
ここで有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、クロロベンゼン、トルエン、及びベンゼンからなる群から選択され、ジメチルホルムアミド(DMF)が好ましく選択される。
【0066】
ここで塩基は、炭酸セシウム(Cs
2CO
3)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3)、又は水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)であり、炭酸セシウム(Cs
2CO
3)がより好ましい。
【0067】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0068】
本発明の式1により表される化合物を製造する方法では、ステップ2は、溶媒中、ステップ1において調製した式6により表される化合物のメシル化反応を誘発することにより、式7により表される化合物を調製することである。
【0069】
この際には、メシル化反応に使用される試料は、塩化メタンスルホニル(MsCl)とすることができる。
【0070】
ここで有機溶媒は、トリエチルアミン(TEA)、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、クロロベンゼン、トルエン、及びベンゼンからなる群から選択され、トリエチルアミン(TEA)が好ましく選択される。
【0071】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0072】
本発明の式1により表される化合物を製造する方法では、ステップ3は、ステップ2において調製した式7により表される化合物のメシル基部位を式13により表される化合物で置き換えることにより、式4により表される化合物を調製することである。
【0073】
この際、ここで有機溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジエチルエーテル、ジフェニルエーテル、ジイソプロピルエーテル(DIPE)、ジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)、ジクロロメタン(DCM)、クロロベンゼン、トルエン、及びベンゼンからなる群から選択され、ジクロロメタン(DCM)が好ましく選択される。
【0074】
ここで塩基は、炭酸セシウム(Cs
2CO
3)、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3)、又は水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)であり、炭酸セシウム(Cs
2CO
3)がより好ましい。
【0075】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0076】
本発明の式1により表される化合物を製造する方法では、ステップ4は、塩基の存在下、ステップ3において調製した式4により表される化合物の還元反応を誘発することにより、式1により表される化合物を調製することである。より正確には、ステップ3において調製した式4により表される化合物は、室温で塩基と反応させて、式4により表される化合物に含まれるエステル基をカルボキシル基に還元すると、式1により表される化合物が調製される。
【0077】
この際、ここで塩基は、水酸化カリウム(KOH)、水酸化ナトリウム(NaOH)、又は水酸化リチウム(LiOH)とすることができ、水酸化カリウム(KOH)がより好ましい。
【0078】
ここで反応溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、トルエン又はアセトニトリルとすることができ、テトラヒドロフラン(THF)がより好ましい。
【0079】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0080】
製造法3
本発明の式1により表される化合物は、以下の反応式4に示される、式1aにより表される化合物の開環反応により、式1bにより表される化合物を調製するステップ(ステップ1)を含む方法により製造することができる。
【0081】
【化20】
〔反応式4中、
R
1は、式1において定義されている通りであり、式1a及び式1bにより表される化合物は、式1により表される化合物に含まれる。〕
【0082】
これ以降、本発明の製造方法を、ステップ毎に、より詳細に説明する。
【0083】
製造法において、ステップ1は、酸の存在下、式1aにより表される化合物の開環反応を誘発することにより、式1bにより表される化合物を調製することである。より正確には、式1により表される化合物に含まれる式1aにより表される化合物は、酸の存在下で、開環反応へと進む。その結果、式1aにより表される化合物の複素環が開環し、カルボニルを含有する式1bにより表される化合物が得られる。
【0084】
この際、ここで酸は、塩酸、硫酸、又はリン酸とすることができ、塩酸がより好ましい。
【0085】
ここで反応溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、トルエン又はアセトニトリルとすることができ、テトラヒドロフラン(THF)がより好ましい。
【0086】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0087】
製造法4
本発明の式1により表される化合物は、以下の反応式5に示される、式1bにより表される化合物の還元反応により、式1cにより表される化合物を調製するステップ(ステップ1)を含む方法により製造することができる。
【0088】
【化21】
〔反応式5中、
R
1は、式1において定義されている通りであり、式1b及び式1cにより表される化合物は、式1により表される化合物に含まれる。〕
【0089】
これ以降、本発明の製造方法を、ステップ毎に、より詳細に説明する。
【0090】
この製造法において、ステップ1は、塩基の存在下、式1bにより表される化合物の還元反応を誘発することにより、式1cにより表される化合物を調製することである。より正確には、式1により表される化合物の1つである式1bにより表される化合物は、塩基の存在下で還元される。すなわち、式1bにより表される化合物のカルボニル基を還元してヒドロキシ基にし、式1cにより表される化合物にする。
【0091】
この際には、ここで塩基は、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3)、又は水素化アルミニウムリチウム(LiAlH
4)とすることができ、水素化ホウ素ナトリウム(NaBH
3)がより好ましい。
【0092】
ここで反応溶媒は、テトラヒドロフラン(THF)、ジクロロメタン(DCM)、トルエン又はアセトニトリルとすることができ、テトラヒドロフラン(THF)がより好ましい。
【0093】
反応温度は、好ましくは、0℃〜溶媒の沸点であり、反応時間は限定されないが、0.5〜10時間反応が好ましい。
【0094】
本発明はまた、式1により表される化合物、その光学異性体又は薬学的に許容されるその塩を活性成分として含む、代謝性疾患を予防又は治療するための医薬組成物も提供する。
【0095】
この際には、該医薬組成物は、GPR40酵素を活性化するよう機能するのが特徴である。
【0096】
GPR40は、膵臓のインスリン分泌細胞において主に発現する、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)である。GPR40の発現プロファイルは、肥満及び糖尿病を含む、様々な代謝性疾患の治療に潜在的な有用性を有する。
【0097】
したがって、本発明者らは、本発明の式1により表される化合物、その光学異性体、又は薬学的に許容されるその塩による、GPR40受容体の活性化パターンを検討した。その結果、本発明の実験化合物はすべて、低濃度においてGPR40受容体を50%(EC
50)活性化することができ、本発明の化合物の活性化作用が優れていることが示唆された(実験例1及び2、並びに
図1を参照されたい)。
【0098】
本発明者らは、本発明の式1により表される化合物、その光学異性体又は薬学的に許容されるその塩の薬物代謝に関連して、これらのCYP酵素阻害率を評価した。その結果、実験化合物はすべて、別の薬物と共投与した場合、濃度にかかわらず毒性を引き起こさないことが確認され、これらの化合物は、合併症を処置しなければならない場合、別の薬物と共投与することができることが示唆される(実験例3を参照されたい)。
【0099】
本発明者らは、本発明の式1により表される化合物、その光学異性体又は薬学的に許容されるその塩を用いて、経口グルコース負荷試験も行った。その結果、本発明の実験化合物はすべて、従来のGPR40活性化剤と同様又はそれよりも優れた血糖降下作用があることを実証し、これらの化合物はすべて、インビボにおいて、GPR40を活性化するのに優れていることが示唆される(実験例4、5及び6を参照されたい)。
【0100】
本発明者らはまた、本発明の式1により表される化合物、その光学異性体又は薬学的に許容されるその塩の経口投与による、血中GLP-1の増加率も検討した。その結果、比較例1の化合物は、グルコース処置群(Veh.)と比較して、投与後に、血中GLP-1の増加作用を示さなかった一方、本発明の実施例9の化合物により、SDラットへ投与した後に、血中のGLP-1が増加した(実験例7及び
図2を参照されたい)。
【0101】
したがって、本発明の式1により表される化合物は、GPR40タンパク質を活性化及びインスリン分泌の促進に優れているだけではなく、これにより、別の薬物と共使用することが可能であり、その結果、活性成分として、インビボでGPR40タンパク質を活性化するのに優れている式1の化合物を含む組成物は、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXなどの代謝性疾患を予防又は治療するための医薬組成物として、有効に使用することができる。
【0102】
本発明の式1により表される化合物は、経口又は非経口投与することができ、医薬製剤の形態で一般に使用することができる。すなわち、本発明の化合物は、充填剤、増量剤、結合剤、湿潤剤、崩壊剤、及び界面活性剤などの一般に使用される希釈剤又は賦形剤と混合することにより、経口又は非経口投与用に調製することができる。
【0103】
経口投与用の固形製剤は、錠剤、丸剤、散剤、粒剤、カプセル剤、及びトローチ剤などである。これらの固形製剤は、本発明の化合物と、デンプン、炭酸カルシウム、スクロース又はラクトース、及びゼラチンなどの1種以上の適切な賦形剤とを混合することにより調製される。単一の賦形剤を除くと、滑沢剤、例えばステアリン酸マグネシウム、タルクなどを使用することができる。経口投与用の液体製剤は、懸濁剤、溶液剤、乳剤、及びシロップ剤であり、上記の製剤は、水及び液体パラフィンなどの一般に使用される単純な希釈剤の他に、湿潤剤、甘味剤、芳香剤、及び保存剤などの様々な賦形剤を含有することができる。
【0104】
非経口投与用の製剤は、滅菌されている水溶液剤、水不溶性賦形剤、懸濁剤、乳剤、凍結乾燥されている調製剤、及び座剤である。水不溶性賦形剤及び懸濁剤は、活性化合物(単数又は複数)の他に、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、オリーブオイルのような植物性オイル、エチロレート(ethylolate)のような注射可能なエステルなどを含有することができる。座剤は、活性化合物(単数又は複数)の他に、ウイテプゾール(witepsol)、マクロゴール、tween61、カカオ脂、ラウリン脂、グリセロール、ゼラチンなどを含むことができる。
【0105】
本発明の化合物の有効量は、患者の年齢、体重及び性別、投与経路、健康状態、疾患の重症度などに応じて調節することができる。一般に、投与量は、0.001〜100mg/kg/日であり、好ましくは0.01〜35mg/kg/日である。本発明の化合物は、体重が70kgの成人患者の場合、0.07〜7000mg/日、より好ましくは0.7〜2500mg/日で投与することができ、これは、医師又は薬剤師の判断に従い、規則的な時間間隔で、1日に1回〜数回投与することができる。
【0106】
本発明の実践的及び現在のところ好ましい実施形態を、以下の実施例に示されている通り、説明する。
【0107】
しかし、当業者であれば、本開示を考慮する際、本発明の精神及び範囲内で、改変及び改良を行うことができることが理解されよう。
[実施例]
【0108】
製造例1: エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化22】
【0109】
3-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサ-4-イン酸(20.0g)及びエタノール(200mL)を、窒素雰囲気中、250mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。ここに硫酸(9.6mL)を室温でゆっくりと加えた。この混合物を少なくとも6時間、還流撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(150mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(200mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(19.5g、85.7%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.25(2H, d), 6.78(2H, d), 4.95(1H, s), 4.14(2H, m), 4.04(1H, m), 2.68(2H, m), 1.84(3H, d), 1.29(3H, t).
【0110】
製造例2: (S)-エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化23】
【0111】
(S)-3-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサ-4-イン酸(20.0g)及びエタノール(200mL)を、窒素雰囲気中、250mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。ここに硫酸(9.6mL)を室温でゆっくりと加えた。この混合物を少なくとも6時間、還流撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(150mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(200mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(21.2g、93.2%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.25(2H, d), 6.78(2H, d), 4.95(1H, s), 4.14(2H, m), 4.04(1H, m), 2.68(2H, m), 1.84(3H, d), 1.29(3H, t).
【0112】
製造例3: (R)-エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化24】
【0113】
(R)-3-(4-ヒドロキシフェニル)-ヘキサ-4-イン酸(20.0g)及びエタノール(200mL)を、窒素雰囲気中、250mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。ここに硫酸(9.6mL)を室温でゆっくりと加えた。この混合物を少なくとも6時間、還流撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(150mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(200mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(20.6g、90.6%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.25(2H, d), 6.78(2H, d), 4.95(1H, s), 4.14(2H, m), 4.04(1H, m), 2.68(2H, m), 1.84(3H, d), 1.29(3H, t).
【0114】
製造例4: (3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノールの調製
【化25】
【0115】
ステップ1: 1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イルトリフルオロメタンスルホネートの調製
1.4-ジオキサスピロ[4.5]デカン-8-オン(30.0g)及びトルエン(300mL)を窒素雰囲気中、1000mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにN-フェニルビス(トリフルオロメタンスルホンイミド)(64.3g)を加えた。ここに、滴下漏斗を使用して、0.7Mカリウムビス(トリメチルシリル)アミド溶液(257mL)を-78℃でゆっくりと加え、次いで、温度を室温まで上昇させながら、少なくとも4時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(200mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(300mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(54.7g、98.8%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 5.68(1H, t), 4.01(4H, s), 2.55(2H, t), 2.42(2H, d), 1.92(2H, t).
【0116】
ステップ2: 3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンズアルデヒドの調製
1.4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-8-イルトリフルオロメタンスルホネート(54.70g)及びトルエン(300mL)を窒素雰囲気中、1000mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。ここに3-ホルミルフェニルボロン酸(28.7g)及び炭酸セシウム(156g)を加えた。この混合物を0℃まで冷却し、ここにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.09g)をゆっくりと加えた。温度を室温まで上昇させながら、この混合物を少なくとも3時間、撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(200mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(300mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(45.9g、99%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.03(1H, s), 7.92(1H, s), 7.76(1H, d), 7.67(1H, d), 7.47(1H, t), 6.11(1H, s), 4.05(4H,s), 2.71(2H, t), 2.51(2H, s), 1.97(2H, t).
【0117】
ステップ3: (3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノールの調製
3-(1.4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-8-イル)ベンズアルデヒド(46.9g)、テトラヒドロフラン(160mL)及びメタノール(40mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。この混合物を0℃まで冷却した。次に、ここに水素化ホウ素ナトリウム(10.9g)をゆっくりと加え、温度を室温まで上昇させながら、少なくとも3時間、撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(150mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(150mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(37.8g、81.7%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.34(1H, s), 7.25(3H, m), 6.01(1H, m), 4.69(2H, d), 4.04(4H, s), 2.68(2H, m), 2.48(2H, s), 1.94(2H,t), 1.80(1H,t).
【0118】
製造例5: (4-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノールの調製
【化26】
【0119】
ステップ1: 4-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンズアルデヒドの調製
1.4-ジオキサスピロ[4.5]デカ-7-エン-8-イルトリフルオロメタンスルホネート(3.0g)及びトルエン(50mL)を窒素雰囲気中、250mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。ここに3-ホルミルフェニルボロン酸(1.8g)及び炭酸セシウム(8.47g)を加えた。この混合物を0℃まで冷却し、ここにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(601mg)をゆっくりと加えた。温度を室温まで上昇させながら、この混合物を少なくとも3時間、撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(500mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(100mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(2.0g、78.7%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 10.00(1H, s), 7.84(2H, d), 7.57(2H, d), 6.19(1H, s), 4.06(4H, s), 2.71(2H, t), 2.53(2H, s), 1.97(2H, t).
【0120】
ステップ2: (4-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノールの調製
4-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンズアルデヒド(2.0g)、テトラヒドロフラン(40mL)及びメタノール(10mL)を窒素雰囲気中、250mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。この混合物を0℃まで冷却した。次に、ここに水素化ホウ素ナトリウム(619mg)をゆっくりと加え、温度を室温まで上昇させながら、少なくとも3時間、撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(50mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(100mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(1.6g、52.9%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.40(2H, d), 7.32(2H, d), 6.01(1H, m), 4.70(2H, d), 4.13(4H, s), 2.68(2H,t), 2.49(2H, s), 1.93(2H,t), 1.60(1H,t).
【0121】
製造例6: エチル3-(4-(4-((メチルスルホニルオキシ)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
ステップ1: (4-(ブロモメチル)フェニル)メタノールの調製
【化27】
【0122】
4-(ブロモメチル)安息香酸メチル(5.0g)及びMC(20ml)を窒素雰囲気中、1Lフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにDIBAL-H 70mlを-78℃でゆっくりと加え、次いで5時間、撹拌した。反応が完了すると、この混合物を0℃まで冷却し、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いでMCを使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.42(2H, d), 7.38(2H, d), 4.73(2H, s), 4.52(2H, m).
【0123】
ステップ2: エチル3-(4-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化28】
【0124】
製造例1において調製した、エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエート4.0g及びステップ1において調製した(4-(ブロモメチル)フェニル)メタノール5.0gを、窒素雰囲気中、DMF 50mlを含む500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにCs
2CO
3 9.0gを投入し、次いで室温で12時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで酢酸エチルを使用して抽出した。この抽出物をブラインで洗浄し、次いで無水MgSO
4で脱水して濃縮した。次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.42(2H, d), 7.38(2H, d), 7.29(2H, d), 6.93(2H, d), 5.06(2H, s), 4.73(2H, d), 4.15(2H, m), 4.06(1H, m), 2.68(2H, m), 1.84(3H, s), 1.69(1H, m), 1.24(3H, m).
【0125】
ステップ3: エチル3-(4-(4-((メチルスルホニルオキシ)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化29】
【0126】
ステップ2において得られた、エチル3-(4-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート3.0gを、窒素雰囲気中、MC 30mlを含有する500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにTEA 4.0mLを0℃で投入した。30分後、ここにMsCl 2.1mlをゆっくりと加えた。1時間後、反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで、MCを使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.49(4H, m), 7.29(2H, d), 6.93(2H, d), 5.27(2H, s), 5.08(2H, s), 4.15(2H, m), 4.06(1H, m), 2.95(3H, s), 2.68(2H, m), 1.84(3H, s), 1.69(1H, m), 1.24(3H, m).
【0127】
製造例7: (S)-エチル3-(4-(4-((メチルスルホニルオキシ)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
ステップ1: (S)-エチル3-(4-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化30】
【0128】
目的化合物は、エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエートの代わりに(S)-エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエートを使用した以外、製造例6のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.42(2H, d), 7.38(2H, d), 7.29(2H, d), 6.93(2H, d), 5.06(2H, s), 4.73(2H, d), 4.15(2H, m), 4.06(1H, m), 2.68(2H, m), 1.84(3H, s), 1.69(1H, m), 1.24(3H, m).
【0129】
ステップ2: (S)-エチル3-(4-(4-((メチルスルホニルオキシ)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化31】
【0130】
目的化合物は、エチル3-(4-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの代わりに、ステップ1において得られた(S)-エチル3-(4-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジル)フェニル)ヘキサ-4-イノエートを使用した以外、製造例6のステップ3に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.49(4H, m), 7.29(2H, d), 6.93(2H, d), 5.27(2H, s), 5.08(2H, s), 4.15(2H, m), 4.06(1H, m), 2.95(3H, s), 2.68(2H, m), 1.84(3H, s), 1.69(1H, m), 1.24(3H, m).
【0131】
製造例8: 6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製
ステップ1: エチル3-メトキシフェネチルカルバメートの調製
【化32】
【0132】
窒素雰囲気中、2-(3-メトキシフェニル)エタンアミン25gを、MC 300mlを含有するフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次いで、ここにTEA 24.2mLを0℃で投入した。30分後、ここにクロロギ酸エチル16.6mlをゆっくりと加えた。1時間後、反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで、MCを使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.25(1H, m), 6.79(3H, m), 4.70(1H, s), 4.13(2H, m), 3.81(3H, s), 3.46(2H, m), 2.80(2H, m), 1.25(3H, m).
【0133】
ステップ2: 6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オンの調製
【化33】
【0134】
ステップ1において得られたエチル3-メトキシフェネチルカルバメート36g及びポリリン酸120gを、窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、この混合物を少なくとも3時間、加熱しながら還流した。この混合物を室温まで冷却した。ここに酢酸エチル及び蒸留水をゆっくりと加え、次いで少なくとも3回、抽出した。この抽出した有機層をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮した。次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.03(1H, d), 6.87(1H, d), 6.72(1H, s), 6.44(1H, s), 3.86(3H, s), 3.57(2H, m), 2.98(2H, m).
【0135】
ステップ3: 6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの調製
【化34】
【0136】
窒素雰囲気中、6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-1(2H)-オン10gを、THF 150mlを含有するフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにLAH 4.3gを0℃でゆっくりと加えた。少なくとも5時間加熱還流を起こした後に、この反応が完了すると、蒸留水をゆっくりと加え、次いで、酢酸エチルを使用して抽出した。この抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮した。次いで、固化を行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 6.94(1H, d), 6.73(1H, d), 6.65(1H, s), 4.14(2H, s), 3.80(3H, s), 3.13(2H, m), 2.79(2H, m).
【0137】
製造例9: 4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩の調製
ステップ1: tert-ブチル4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートの調製
【化35】
【0138】
窒素雰囲気中、tert-ブチル4-(トリフルオロメチルスルホニルオキシ)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート3.31g及びトルエン50mlを1000mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに4-(メチルスルホニル)フェニルボロン酸2.0g及び炭酸セシウム6.6gを加えた。この混合物を0℃まで冷却し、ここにテトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム(11.09g)1.16gをゆっくりと加えた。温度を室温まで上昇させながら、この混合物を少なくとも3時間、撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで酢酸エチルを使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥した。次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.92(2H. d), 7.56(2H, d), 6.21(1H, s), 4.14(2H, d), 3.68(2H, m), 3.07(3H, s), 2.56(2H, s), 1.49(9H, s).
【0139】
ステップ2: 4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩の調製
【化36】
【0140】
ステップ1において得られた、tert-ブチル4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート1.4gをMC 20mlに溶解し、ここに4N HCl 10.4mlを加えた。5時間後、反応が完了すると、ここにジエチルエーテルを加えた。次いで、固化を行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.92(2H. d), 7.56(2H, d), 6.21(1H, s), 4.14(2H, d), 3.68(2H, m), 3.07(3H, s), 2.56(2H, s).
【0141】
製造例10: 4-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェノール塩酸塩の調製
ステップ1: tert-ブチル4-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートの調製
【化37】
【0142】
目的化合物は、4-(メチルスルホニル)フェニルボロン酸の代わりに4-ヒドロキシフェニルボロン酸を使用した以外、製造例9のステップ1に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.26(2H, d), 6.83(2H, d), 5.93(1H, s), 5.47(1H, s), 4.07(2H, s), 3.66(2H, m), 2.50(2H, s), 1.52(9H, s).
【0143】
ステップ2: 4-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェノール塩酸塩の調製
【化38】
【0144】
目的化合物は、tert-ブチル4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートの代わりに、ステップ1において得られたtert-ブチル4-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートを使用した以外、製造例9のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.26(2H, d), 6.83(2H, d), 5.93(1H, s), 5.47(1H, s), 4.07(2H, s), 3.66(2H, m), 2.50(2H, s).
【0145】
製造例11: 4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩の調製
ステップ1: 3-(メチルチオ)プロピル4-メチルベンゼンスルホネートの調製
【化39】
【0146】
窒素雰囲気中、3-(メチルチオ)プロパン-1-オール25.4gを、MC 500mlを含有する500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次いで、ここにTEA 44mLを0℃で加えた。30分後、ここにTsCl 46gをゆっくりと加えた。1時間後、反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで、MCを使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.81(2H, d), 7.38(2H, d), 4.16(2H, m), 2.53(2H, m), 2.47(3H, s), 2.05(3H, s), 1.94(2H, m).
【0147】
ステップ2: 3-(メチルスルホニル)プロピル4-メチルベンゼンスルホネートの調製
【化40】
窒素雰囲気中、ステップ1において得られた3-(メチルチオ)プロピル4-メチルベンゼンスルホネート62gを、フラスコ中のTHF/蒸留水(150/100ml)に投入し、次いでそれらを溶解するために撹拌した。次いで、ここにオキソン310gを加えた。この混合物を室温で12時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで酢酸エチルを使用して抽出した。この抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.81(2H, d), 7.38(2H, d), 4.20(2H, m), 3.13(2H, m), 2.93(3H, s), 2.48(3H, s), 2.23(2H, m).
【0148】
ステップ3: tert-ブチル4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートの調製
【化41】
【0149】
目的化合物は、製造例10のステップ1において得られたtert-ブチル4-(4-ヒドロキシフェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレート及び製造例10のステップ2において得られた3-(メチルスルホニル)プロピル4-メチルベンゼンスルホネートを使用した以外、製造例6のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.34(2H, d), 6.85(2H, d), 6.00(1H, s), 4.12(2H, s), 3.28(2H, m), 3.18(2H, s), 2.97(3H, s), 2.72(2H, m), 2.56(2H, m), 2.36(2H, m), 1.52(9H, s).
【0150】
ステップ4: 4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩の調製
【化42】
【0151】
目的化合物は、tert-ブチル4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートの代わりに、ステップ3において得られたtert-ブチル4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートを使用した以外、製造例9のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.34(2H, d), 6.85(2H, d), 6.00(1H, s), 4.12(2H, s), 3.28(2H, m), 3.18(2H, s), 2.97(3H, s), 2.72(2H, m), 2.56(2H, m), 2.36(2H, m).
【0152】
製造例12: (3S)-エチル3-(4-(4-(1-ブロモエチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
ステップ1: 1-(4-(ブロモメチル)フェニル)エタノンの調製
【化43】
【0153】
窒素雰囲気中、撹拌しながら1-p-トリルエタン5.0gを、フラスコ中、CCl
4 100mlに溶解し、ここにNBS 14.6g及びAIBN 6.7gを0℃で加えた。次に、この混合物を少なくとも5時間、加熱しながら還流した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いでMCを使用して抽出した。この抽出した有機層をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮した。次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.95(2H, d), 7.50(2H, d), 4.52(2H, s), 2.62(3H, s).
【0154】
ステップ2: (S)-エチル3-(4-(4-アセチルベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化44】
【0155】
目的化合物は、製造例2において得られた(S)-エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエート及びステップ1において得られた1-(4-(ブロモメチル)フェニル)エタノンを使用した以外、製造例6のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.99(2H, d), 7.53(2H, d) 7.31(2H, d), 6.92(2H, d), 5.13(2H, s), 4.15(2H, m), 4.09(1H, m), 2.75(2H, m), 2.64(3H, s), 1.84(3H, d), 1.24(3H, m).
【0156】
ステップ3: (3S)-エチル3-(4-(4-(1-ヒドロキシエチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化45】
【0157】
窒素雰囲気中、ステップ2において得られた(S)-エチル3-(4-(4-アセチルベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート1.0gを、フラスコ中、THF 50mlに撹拌しながら溶解し、ここにNaBH
4 0.16gを0℃で加えた。この混合物を少なくとも2時間、室温で撹拌した後に、この反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで、EAを使用して抽出した。この抽出した有機層をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.02(2H, d), 7.57(2H, d) 7.36(2H, d), 6.99(2H, d), 5.21(2H, s), 4.23(2H, m), 4.17(1H, m), 3.81(1H, s), 2.75(2H, m), 2.64(3H, s), 1.84(3H, d), 1.24(3H, m).
【0158】
ステップ4: (3S)-エチル3-(4-(4-(1-ブロモエチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化46】
【0159】
窒素雰囲気中、ステップ3において得られた(3S)-エチル3-(4-(4-(1-ヒドロキシエチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート0.76gを、フラスコ中、MC 50mlに撹拌しながら溶解し、ここにトリフェニルホスフィン0.6g及びCBr
4 0.75gを0℃で加えた。この混合物を少なくとも2時間、室温で撹拌した後、この反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで、EAを使用して抽出した。この抽出した有機層をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.02(2H, d), 7.57(2H, d) 7.36(2H, d), 6.99(2H, d), 5.21(2H, s), 4.23(2H, m), 4.17(1H, m), 3.92(1H, s), 2.85(2H, m), 2.44(3H, s), 1.86(3H, d), 1.27(3H, m).
【0160】
製造例13: 2-(ピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩の調製
ステップ1: tert-ブチル4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
【化47】
【0161】
窒素雰囲気中、tert-ブチルピペラジン-1-カルボキシレート2.0gを、フラスコ中、AN/蒸留水(100/50ml)に撹拌しながら溶解し、ここにDIPEA 2.1mlを0℃で加えた。ここに2-クロロベンゾ[d]チアゾール0.9gを加え、次いで少なくとも2時間、加熱還流した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いでEAを使用して抽出した。この抽出した有機層をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.61(1H, d), 7.60(1H, d), 7.29(1H, m), 7.09(1H, m), 3.77(4H, m), 2.62(4H, m), 1.52(9H, s).
【0162】
ステップ2: 2-(ピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩の調製
【化48】
【0163】
目的化合物は、tert-ブチル4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートの代わりに、ステップ1において得られたtert-ブチル4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートを使用した以外、製造例9のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.61(1H, d), 7.60(1H, d), 7.29(1H, m), 7.09(1H, m), 3.77(4H, m), 2.62(4H, m).
【0164】
製造例14: 2-(ピペラジン-1-イル)-5-プロピルピリミジン塩酸塩の調製
ステップ1: tert-ブチル4-(5-プロピルピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
【化49】
【0165】
目的化合物は、2-クロロベンゾ[d]チアゾールの代わりに2-クロロ-5-プロピルピリミジンを使用した以外、製造例13のステップ1に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.19(2H, s), 3.77(4H, m), 2.62(4H, m), 2.41(2H, m), 1.61(2H, m), 1.52(9H, s), 0.96(3H, m).
【0166】
ステップ2: 2-(ピペラジン-1-イル)-5-プロピルピリミジン塩酸塩の調製
【化50】
【0167】
目的化合物は、tert-ブチル4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートの代わりに、ステップ1において得られたtert-ブチル4-(5-プロピルピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートを使用した以外、製造例9のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 8.19(2H, s), 3.77(4H, m), 2.62(4H, m), 2.41(2H, m), 1.61(2H, m), 0.96(3H, m).
【0168】
製造例15: 6-(ピペラジン-1-イル)ニコチノニトリル塩酸塩の調製
ステップ1: tert-ブチル4-(5-シアノピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートの調製
【化51】
【0169】
目的化合物は、2-クロロベンゾ[d]チアゾールの代わりに6-クロロニコチノニトリルを使用した以外、製造例13のステップ1に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.41(1H, s)7.61(1H, d), 6.59(1H, d), 3.77(4H, m), 2.62(4H, m), 1.52(9H, s).
【0170】
ステップ2: 6-(ピペラジン-1-イル)ニコチノニトリル塩酸塩の調製
【化52】
【0171】
目的化合物は、tert-ブチル4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-カルボキシレートの代わりに、ステップ1において得られたtert-ブチル4-(5-シアノピリジン-2-イル)ピペラジン-1-カルボキシレートを使用した以外、製造例9のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 8.41(1H, s)7.61(1H, d), 6.59(1H, d), 3.77(4H, m), 2.62(4H, m).
【0172】
製造例16: (S)-エチル3-(4-(4-(2-(メチルスルホニルオキシ)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
ステップ1: 2-(4-(ブロモメチル)フェニル)エタノールの調製
【化53】
【0173】
窒素雰囲気中、2-(4-(ブロモメチル)フェニル)酢酸5gを、フラスコ中、THF 100mlに撹拌しながら溶解し、ここにボラン-THF溶液70mlを0℃でゆっくりと加えた。この混合物を2時間撹拌した後、反応が完了すると、温度を0℃まで低下させ、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いでEAを使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 37(2H, d), 7.24(2H, d), 4.51(2H, s), 3.89(2H, m), 2.89(2H, m).
【0174】
ステップ2: (S)-エチル3-(4-(4-(2-ヒドロキシエチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化54】
【0175】
目的化合物は、(4-(ブロモメチル)フェニル)メタノールの代わりに、ステップ1において得られた2-(4-(ブロモメチル)フェニル)エタノールを使用した以外、製造例6のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.40(2H, d), 7.30(2H, d), 7.27(2H, d), 6.95(2H, d), 5.04(2H, s), 4.18(2H, m), 4.11(1H, m), 3.89(2H, m), 2.91(2H, m), 2.71(2H, m), 1.84(3H, s), 1.38(1H, m), 1.25(3H, m).
【0176】
ステップ3: (S)-エチル3-(4-(4-(2-(メチルスルホニルオキシ)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
【化55】
【0177】
目的化合物は、エチル3-(4-(4-(ヒドロキシメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの代わりに、ステップ2において得られた(S)-エチル3-(4-(4-(2-ヒドロキシエチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートを使用した以外、製造例6のステップ3に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.40(2H, d), 7.30(2H, d), 7.27(2H, d), 6.95(2H, d), 5.04(2H, s), 4.18(2H, m), 4.11(1H, m), 3.99(2H, m), 2.95(3H, s), 2.93(2H, m), 2.71(2H, m), 1.84(3H, s), 1.25(3H, m).
【0178】
[実施例1]
3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化56】
【0179】
ステップ1: エチル3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
製造例4において調製した(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノール(19.54g)及びテトラヒドロフラン(80mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに、製造例1において調製したエチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエート(18.42g)及びトリフェニルホスフィン(31.21g)をゆっくりと加えた。ここに、滴下漏斗を使用して、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(23.4mL)を0℃でゆっくりと加え、次いで、温度を室温まで上昇させながら、少なくとも4時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(200mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(300mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(32.1g、87.9%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.46(1H, s), 7.31(5H, m), 6.93(2H, d), 6.02(1H, m), 5.04(2H, s), 4.13(2H, m), 4.08(1H, m), 4.04(4H, s), 2.69(4H, m), 2.49(2H, s), 1.94(2H, t), 1.84(3H, d), 1.31(3H, t).
【0180】
ステップ2: 3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
ステップ1において調製したエチル3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート(32.1g)、メタノール(50mL)及び蒸留水(50mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに水酸化カリウム(19.5g)を室温でゆっくりと加え、次いで少なくとも1時間、撹拌した。反応が完了すると、1M HCl水溶液を使用することにより、この混合物を酸性にし(pH2〜3)、次いで、酢酸エチル(300mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(24.1g、79.9%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.44(1H, s), 7.34(5H, m), 6.91(2H, d), 6.00(1H, t), 5.02(2H, s), 4.08(1H, m), 4.04(4H, s), 2.73(4H, m), 2.48(2H, s), 1.92(2H, t), 1.82(3H, s).
【0181】
[実施例2]
3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシンの調製
【化57】
【0182】
実施例1において調製した3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸(24.1g)及びエタノール(170mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにL-リシン(7.33g)を加えた。反応温度を50℃まで上昇し、この混合物を50℃で30分間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次いで30分間、撹拌した。反応が完了すると、生成した固体をろ過し、目的化合物(31.5g、73.3%)が得られた。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.11(3H, m), 6.99(3H, m), 6.64(2H, d), 5.65(1H, s), 4.59(2H, s), 3.79(5H, s), 3.60(1H, t), 2.88(2H, t), 2.35(2H, d), 2.23(2H, s), 2.14(2H, s), 1.75(2H, m), 1.59(7H, m), 1.38(2H, m).
【0183】
[実施例3]
4-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化58】
【0184】
ステップ1: エチル4-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
製造例5において調製した(4-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノール(1.5g)及びテトラヒドロフラン(20mL)を窒素雰囲気中、100mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに、製造例1において調製したエチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエート(1.41g)及びトリフェニルホスフィン(2.39g)をゆっくりと加えた。ここに、滴下漏斗を使用して、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(9.38mL)を0℃でゆっくりと加え、次いで、温度を室温まで上昇させながら、少なくとも4時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(50mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(100mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(1.38g、49.2%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.42(2H, d), 7.37(2H, d), 7.30(2H, d), 6.92(2H, d), 6.01(1H, s), 5.01(2H, s), 4.14(2H, m), 4.06(5H, m), 2.70(4H, m), 2.49(2H, s), 1.94(2H, t), 1.84(3H, d), 1.24(3H, t).
【0185】
ステップ2: 4-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
ステップ1において調製したエチル4-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート(1.38g)、メタノール(10mL)及び蒸留水(10mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに水酸化カリウム(1.25g)を室温でゆっくりと加え、次いで、少なくとも1時間、撹拌した。反応が完了すると、1M HCl水溶液を使用することにより、この混合物を酸性にし(pH2〜3)、次いで、酢酸エチル(50mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(0.98g、75.6%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.41(2H, d), 7.36(2H, d), 7.29(2H, d), 6.92(2H, d), 6.01(1H, s), 5.01(2H, s), 4.04(5H, m), 2.77(4H, m), 2.49(2H, s), 1.96(2H, t), 1.83(3H, d).
【0186】
[実施例4]
3-(4-(3-(4-オキソシクロヘキサ-1-エンイル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化59】
【0187】
実施例1において調製した3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸(1g)及びテトラヒドロフラン(5mL)を窒素雰囲気中、フラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。ここに6N HCl水溶液(5mL)を加え、次いで室温で少なくとも1時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(50mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(50mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(0.76g、84.6%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.48(1H, s), 7.40(5H, m), 6.94(2H, d), 6.13(1H, s), 5.07(2H, s), 4.05(1H, m), 3.10(1.5H, t), 2.93(1.5H, t), 2.82(2H, m), 2.67(2H, t), 1.85(3H, s).
【0188】
[実施例5]
3-(4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキサ-1-エンイル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化60】
【0189】
実施例4において調製した3-(4-(3-(4-オキソシクロヘキサ-1-エンイル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸(1g)及びエタノール(10mL)を窒素雰囲気中、100mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに水素化ホウ素ナトリウム(0.3g)を室温で加え、次いで少なくとも3時間、撹拌した。反応が完了すると、1N HCl水溶液を使用することにより、この混合物を酸性にし(pH4〜5)、次いで、酢酸エチル(100mL)及び蒸留水(100mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(0.81g、80.6%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.44(1H, s), 7.33(5H, m), 6.93(2H, d), 6.02(1H, s), 5.03(2H, s), 4.08(2H, s), 2.78(2H, m), 2.55(2.5H, m), 2.22(1H, m), 2.04(1H, m), 1.85(3H, s).
【0190】
[実施例6]
3-(4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキサ-1-エンイル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシンの調製
【化61】
【0191】
実施例5において調製した3-(4-(3-(4-ヒドロキシシクロヘキサ-1-エンイル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸(1g)及びエタノール(170mL)を窒素雰囲気中、100mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにL-リシン(0.7g)を加えた。反応温度を50℃まで上昇し、この混合物を50℃で30分間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次いで30分間、撹拌した。反応が完了すると、生成した固体をろ過して、目的化合物(0.95g、69.1%)が得られた。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.11(3H, m), 6.99(3H, m), 6.64(2H, d), 5.65(1H, s), 4.59(2H, s), 3.79(1H, s), 3.60(1H, t), 2.88(2H, t), 2.35(2H, d), 2.23(2H, s), 2.14(2H, s), 1.75(2H, m), 1.59(7H, m), 1.38(2H, m).
【0192】
[実施例7]
(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化62】
【0193】
ステップ1: エチル-(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
製造例4において調製した(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノール(19.54g)及びテトラヒドロフラン(80mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに、製造例2において調製した(S)-エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエート(18.42g)及びトリフェニルホスフィン(31.21g)をゆっくりと加えた。ここに、滴下漏斗を使用して、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(23.4mL)を0℃でゆっくりと加え、次いで、温度を室温まで上昇させながら、少なくとも4時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(200mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(300mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.46(1H, s), 7.31(5H, m), 6.93(2H, d), 6.02(1H, m), 5.04(2H, s), 4.13(2H, m), 4.08(1H, m), 4.04(4H, s), 2.69(4H, m), 2.49(2H, s), 1.94(2H, t), 1.84(3H, d), 1.31(3H, t).
【0194】
ステップ2: (3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
ステップ1において調製したエチル-(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート(32.1g)、メタノール(50mL)及び蒸留水(50mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに水酸化カリウム(19.5g)を室温でゆっくりと加え、次いで少なくとも1時間、撹拌した。反応が完了すると、1M HCl水溶液を使用することにより、この混合物を酸性にし(pH2〜3)、次いで、酢酸エチル(300mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(24.1g、66.2%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.44(1H, s), 7.34(5H, m), 6.91(2H, d), 6.00(1H, t), 5.02(2H, s), 4.08(1H, m), 4.04(4H, s), 2.73(4H, m), 2.48(2H, s), 1.92(2H, t), 1.82(3H, s).
【0195】
[実施例8]
(3R)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化63】
【0196】
ステップ1: エチル-(3R)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
製造例4において調製した(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)フェニル)メタノール(19.54g)及びテトラヒドロフラン(80mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに、製造例3において調製した(R)-エチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエート(18.42g)及びトリフェニルホスフィン(31.21g)をゆっくりと加えた。ここに、滴下漏斗を使用して、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート(23.4mL)を0℃でゆっくりと加え、次いで、温度を室温まで上昇させながら、少なくとも4時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水(200mL)をゆっくりと加え、次いで酢酸エチル(300mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.46(1H, s), 7.31(5H, m), 6.93(2H, d), 6.02(1H, m), 5.04(2H, s), 4.13(2H, m), 4.08(1H, m), 4.04(4H, s), 2.69(4H, m), 2.49(2H, s), 1.94(2H, t), 1.84(3H, d), 1.31(3H, t).
【0197】
ステップ2: (3R)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
ステップ1において調製したエチル-(3R)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート(32.1g)、メタノール(50mL)及び蒸留水(50mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに水酸化カリウム(19.5g)を室温でゆっくりと加え、次いで少なくとも1時間、撹拌した。反応が完了すると、1M HCl水溶液を使用することにより、この混合物を酸性にし(pH2〜3)、次いで、酢酸エチル(300mL)を使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物(17.3g、47.5%)が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.44(1H, s), 7.34(5H, m), 6.91(2H, d), 6.00(1H, t), 5.02(2H, s), 4.08(1H, m), 4.04(4H, s), 2.73(4H, m), 2.48(2H, s), 1.92(2H, t), 1.82(3H, s).
【0198】
[実施例9]
(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシンの調製
【化64】
【0199】
実施例7において調製した(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸(24.1g)及びエタノール(170mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにL-リシン(7.33g)を加えた。反応温度を50℃まで上昇し、この混合物を50℃で30分間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次いで30分間、撹拌した。反応が完了し、生成した固体をろ過すると、目的化合物(22.5g、69.8%)が得られた。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.11(3H, m), 6.99(3H, m), 6.64(2H, d), 5.65(1H, s), 4.59(2H, s), 3.79(5H, s), 3.60(1H, t), 2.88(2H, t), 2.35(2H, d), 2.23(2H, s), 2.14(2H, s), 1.75(2H, m), 1.59(7H, m), 1.38(2H, m).
【0200】
[実施例10]
(3R)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシンの調製
【化65】
【0201】
実施例8において調製した(3R)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸(24.1g)及びエタノール(170mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにL-リシン(7.33g)を加えた。反応温度を50℃まで上昇し、この混合物を50℃で30分間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次いで30分間、撹拌した。反応が完了すると、生成した固体をろ過すると、目的化合物(16.2g、71.4%)が得られた。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.11(3H, m), 6.99(3H, m), 6.64(2H, d), 5.65(1H, s), 4.59(2H, s), 3.79(5H, s), 3.60(1H, t), 2.88(2H, t), 2.35(2H, d), 2.23(2H, s), 2.14(2H, s), 1.75(2H, m), 1.59(7H, m), 1.38(2H, m).
【0202】
[実施例11]
(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウムの調製
【化66】
【0203】
実施例7において調製した(3S)-3-(4-(3-(1,4-ジオキサスピロ[4,5]デカ-7-エン-8-イル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸(1g)及びエタノール(170mL)を窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに3N水酸化ナトリウム水溶液(0.77mL)を加え、次いで室温で撹拌した。反応が完了すると、反応混合物を減圧濃縮した。次に、ここにイソプロピルアルコール(10mL)を加え、生成した固体をろ過すると、目的化合物(0.73g、69.2%)が得られた。
1H NMR (400, CDCl
3): δ 7.44(1H, s), 7.34(5H, m), 6.91(2H, d), 6.00(1H, t), 5.02(2H, s), 4.08(1H, m), 4.04(4H, s), 2.73(4H, m), 2.48(2H, s), 1.92(2H, t), 1.82(3H, s)
【0204】
[実施例12]
3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化67】
【0205】
ステップ1: エチル3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン0.5gを、窒素雰囲気中、フラスコ中でDMF 20mLに投入し、次いで撹拌した。ここに炭酸セシウム1.2gを室温で加えた。30分後、ここに、製造例6において調製したエチル3-(4-(4-((メチルスルホニルオキシ)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート1.0gを加え、次いで室温で12時間、撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで酢酸エチルを使用して抽出した。この抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮した。次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.38(2H,d), 7.31(2H,d), 7.22(2H,d), 7.16(3H,m), 6.97(3H,m), 4.98(2H,s), 4.14(2H,m), 4.09(1H,s), 3.91(1H,d), 3.70(3H,m), 2.92(4H,s), 2.73(2H,m), 1.83(3H,s), 1.29(3H,m).
【0206】
ステップ2: 3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
ステップ1において調製したエチル3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート0.7g、THF及び蒸留水を窒素雰囲気中、フラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに水酸化リチウム(0.7g)を室温でゆっくりと加え、次いで少なくとも1時間、撹拌した。反応が完了すると、1M HCl水溶液を使用することにより、この混合物を酸性にし(pH2〜3)、次いで、酢酸エチルを使用して抽出した。抽出物を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.38(2H,d), 7.31(2H,d), 7.22(2H,d), 7.16(3H,m), 6.97(3H,m), 4.98(2H,s), 4.09(1H,s), 3.91(1H,d), 3.70(3H,m), 2.92(4H,s), 2.73(2H,m), 1.83(3H,s).
【0207】
[実施例13]
3-(4-(3-シクロヘキセニル-4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化68】
【0208】
ステップ1: エチル3-(4-(3-シクロヘキセニル-4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
窒素雰囲気中、(3-シクロヘキセニル-4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)フェニル)メタノール1.0g及びテトラヒドロフラン30mlをフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに、製造例1において調製したエチル3-(4-ヒドロキシフェニル)ヘキサ-4-イノエート0.8g及びトリフェニルホスフィン0.6gをゆっくりと加えた。ここに、滴下漏斗を使用して、ジイソプロピルアゾジカルボキシレート0.5mlを0℃でゆっくりと加え、次いで、温度を室温まで上昇させながら、少なくとも4時間撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで酢酸エチルを使用して抽出した。抽出した有機層を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 12.56(1H,s), 8.26(1H,d), 7.43(2H,d), 7.25(6H,m), 7.21(1H,d), 7.02(1H,d), 6.89(2H,d), 5.46(1H,s), 5.03(2H,s), 4.14(2H,m), 4.05(1H,s), 3.92(1H,s), 3.70(1H,s), 3.35(1H,s), 3.27(1H, s), 3.03(1H,s), 2.83(2H,m), 2.01(4H,m), 1.84(3H,d), 1.51(4H,m), 1.29(3H,m).
【0209】
ステップ2: 3-(4-(3-シクロヘキセニル-4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
目的化合物は、エチル3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの代わりに、エチル3-(4-(3-シクロヘキセニル-4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートを使用した以外、実施例12のステップ2に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 12.56(1H,s), 8.26(1H,d), 7.43(2H,d), 7.25(6H,m), 7.21(1H,d), 7.02(1H,d), 6.89(2H,d), 5.46(1H,s), 5.03(2H,s), 4.05(1H,s), 3.92(1H,s), 3.70(1H,s), 3.35(1H,s), 3.27(1H, s), 3.03(1H,s), 2.83(2H,m), 2.01(4H,m), 1.84(3H,d), 1.51(4H,m).
【0210】
[実施例14]
3-(4-(4-((4-フェニル-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化69】
【0211】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩を使用した以外、実施例12に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.25(2H, d), 6.78(2H, d), 4.95(1H, s), 4.14(2H, m), 4.04(1H, m), 2.68(2H, m), 1.84(3H, d), 1.29(3H, t).
【0212】
[実施例15]
3-(4-(4-((4-フェニルピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化70】
【0213】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1-フェニルピペラジン
を使用した以外、実施例12に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.37(2H,d), 7.29(4H,m), 7.11(2H,d), 6.93(5H,m), 4.96(2H,s), 4.13(1H,s), 3.66(2H,m), 3.23(4H,s), 2.83(2H,m), 2.66(2H,s), 1.82(3H,s).
【0214】
[実施例16]
3-(4-(4-((6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化71】
【0215】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに製造例8において得られた6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンを使用した以外、実施例12に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.40(4H,q), 7.26(2H,d), 6.92(3H,q), 6.66(2H,d), 5.06(2H,s), 3.94(1H,s), 3.73(3H,s), 3.63(2H,s), 3.35(3H,s), 2.78(2H,t), 2.62(2H,t), 2.58(2H,s), 1.77(3H,s).
【0216】
[実施例17]
3-(4-(4-((4-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化72】
【0217】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに4-フェニルピペリジンを使用した以外、実施例12に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.44(2H,d), 7.32(2H,d), 7.23(5H,t), 7.13(2H,d), 6.96(2H,d), 4.92(2H,s), 4.16(1H,s), 3.85(2H,q), 3.33(2H,t), 2.90(1H,d), 2.78(1H,m), 2.58(1H,t), 2.38(2H,t), 2.02(2H,m), 1.83(5H,m).
【0218】
[実施例18]
3-(4-(4-((4-(4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化73】
【0219】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1-(4-フルオロフェニル)ピペラジンを使用した以外、実施例12に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.60(2H,d), 7.46(2H,d), 7.30(3H,d), 6.97(2H,t), 6.86(4H,m), 5.01(2H,s), 4.21(2H,s), 4.04(1H,t), 3.50(4H,d), 3.25(4H,s), 2.78(2H,m), 1.80(3H,d).
【0220】
[実施例19]
3-(4-(4-((4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化74】
【0221】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジンを使用した以外、実施例12に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.63(2H,d), 7.51(4H,d), 7.21(2H,d), 6.93(2H,d), 6.74(2H,s), 5.03(2H,s), 4.13(2H,m), 4.01(1H,t), 3.73(4H,s), 2.96(4H,s), 2.71(2H,m), 1.78(3H,s).
【0222】
[実施例20]
3-(4-(4-((4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化75】
【0223】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)ピペラジン塩酸塩を使用した以外、実施例12に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.65(2H,d), 7.49(2H,d), 7.30(2H,d), 6.87(6H,m), 5.07(2H,s), 4.20(2H,d), 4.08(2H,t), 4.01(1H,t), 6.63(2H,s), 3.49(4H,m), 3.26(2H,t), 3.01(2H,s), 2.97(3H,s), 2.71(2H,m), 2.34(2H,m), 1.83(2H,d).
【0224】
[実施例21]
(S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化76】
【0225】
ステップ1: エチル(S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
窒素雰囲気中、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン0.5gを、フラスコ中、DMF 20mLに投入し、次いで撹拌した。ここに炭酸セシウム1.1gを室温で加えた。30分後、ここに、製造例7において調製した(S)-エチル3-(4-(4-((メチルスルホニルオキシ)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート1.0gを加え、次いで室温で12時間、撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで酢酸エチルを使用して抽出した。この抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮した。次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.38(2H,d), 7.31(2H,d), 7.22(2H,d), 7.16(3H,m), 6.97(3H,m), 4.98(2H,s), 4.14(2H,m), 4.09(1H,s), 3.91(1H,d), 3.70(3H,m), 2.92(4H,s), 2.73(2H,m), 1.83(3H,s), 1.29(3H,m).
【0226】
ステップ2: (S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
ステップ1において調製した(S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート0.5g、THF、メタノール及び蒸留水を窒素雰囲気中、フラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに水酸化リチウム0.5gを室温でゆっくりと加え、次いで少なくとも1時間、撹拌した。反応が完了すると、1M HCl水溶液を使用することにより、この混合物を酸性にし(pH2〜3)、次いで、酢酸エチルを使用して抽出した。抽出物を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.38(2H,d), 7.31(2H,d), 7.22(2H,d), 7.16(3H,m), 6.97(3H,m), 4.98(2H,s), 4.09(1H,s), 3.91(1H,d), 3.70(3H,m), 2.92(4H,s), 2.73(2H,m), 1.83(3H,s).
【0227】
[実施例22]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化77】
【0228】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.65(2H,d), 7.51(4H,m), 7.30(2H,d), 6.61(2H,d), 6.85(2H,d), 5.05(2H,s), 4.21(2H,s), 4.03(1H,t), 3.68(4H,s), 3.49(2H,s), 2.84(2H,s), 2.70(2H,m), 1.82(3H,s).
【0229】
[実施例23]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化78】
【0230】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1-(4-フルオロフェニル)ピペラジンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.39(2H,d), 7.30(2H,d), 7.19(2H,d), 6.96(4H,m), 6.87(2H,m), 4.97(2H,s), 4.10(2H,s), 3.81(1H,d), 3.51(1H,d), 3.15(4H,s), 2.80(6H,m), 1.82(3H,s).
【0231】
[実施例24]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-(トリフルオロメチル)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸カリウムの調製
【化79】
【0232】
実施例23において調製した(S)-3-(4-(4-((4-(4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸0.4g及びエタノール10mlを窒素雰囲気中、フラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに3N水酸化カリウム水溶液0.3mlを加え、次いで室温で撹拌した。反応が完了すると、反応混合物を減圧濃縮した。次に、ここにイソプロピルアルコールを加え、生成した固体をろ過すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.10(4H,m), 6.98(2H,d), 6.57(4H,d), 6.38(2H,s), 4.55(2H,s), 3.82(1H,s), 3.07(2H,s), 2.59(4H,s), 2.36(2H,s), 2.13(4H,s), 1.51(3H,s).
【0233】
[実施例25]
(S)-3-(4-(4-((6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化80】
【0234】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 7.40(4H,q), 7.26(2H,d), 6.94(3H,m), 6.68(2H,m), 5.06(2H,s), 3.95(1H,t), 3.70(3H,s), 3.51(2H,s), 3.43(2H,s), 2.77(2H,t), 2.66(2H,t), 2.57(2H,d), 1.75(3H,d).
【0235】
[実施例26]
(S)-3-(4-(4-((4-フェニルピペリジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化81】
【0236】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに4-フェニルピペリジンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.66(2H,d), 7.49(2H,d), 7.30(7H,m), 6.87(2H,d), 5.04(2H,s), 4.19(2H,s), 4.06(1H,t), 3.59(2H,d), 2.73(7H,m), 2.00(2H,d), 1.82(3H,s).
【0237】
[実施例27]
(S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化82】
【0238】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりにイソインドリンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.68(2H,d), 7.47(2H,d), 7.38(2H,m), 7.30(4H,m), 6.87(2H,d), 5.06(2H,s), 4.90(2H,s), 4.32(4H,m), 4.05(1H,t), 2.81(2H,m), 1.83(3H,s).
【0239】
[実施例28]
(S)-3-(4-(4-((4-フェニル-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化83】
【0240】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに4-フェニル-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.47(2H,d), 7.36(9H,m), 6.88(2H,d), 5.99(1H,s), 4.99(2H,s), 4.18(1H,m), 4.06(2H,m), 3.53(2H,s), 3.22(2H,s), 2.82(4H,m), 1.82(3H,s).
【0241】
[実施例29]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化84】
【0242】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1-(4-(メトキシメトキシ)フェニル)ピペラジンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.57(2H,d), 7.46(2H,d), 7.26(2H,d), 6.97(2H,d), 6.87(2H,d), 6.80(2H,d), 5.13(2H,s), 5.01(2H,s), 4.13(2H,s), 4.02(1H,t), 3.51(11H,m), 2.72(2H,m), 1.79(3H,s).
【0243】
[実施例30]
(S)-3-(4-(4-((4-(5-イソプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピペリジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化85】
【0244】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに3-イソプロピル-5-(ピペリジン-4-イル)-1,2,4-オキサジアゾールを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.63(2H,d), 7.46(2H,d), 7.30(2H,d), 6.86(2H,d), 5.05(2H,d), 4.13(2H,m), 4.03(1H,t), 3.61(1H,s), 3.43(2H,s), 3.10(1H,m), 2.92(4H,m), 2.73(2H,m), 2.30(2H,m), 1.83(3H, s), 1.32(6H,d).
【0245】
[実施例31]
(S)-3-(4-(4-((4-(5-イソプロピル-1,2,4-オキサジアゾール-3-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化86】
【0246】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに3-イソプロピル-5-(ピペラジン-1-イル)-1,2,4-オキサジアゾールを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.61(2H,d), 7.49(2H,d), 7.30(2H,d), 6.87(2H,d), 5.05(2H,s), 4.15(4H,m), 4.02(1H,t), 3.49(3H,m), 2.81(3H,m), 1.83(3H,s), 1.24(6H,d).
【0247】
[実施例32]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化87】
【0248】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに製造例9において得られた4-(4-(メチルスルホニル)フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 7.95(2H,d), 7.75(2H,d), 7.63(2H,d), 7.44(2H,d), 7.30(2H,d), 6.98(2H,d), 6.37(1H,s), 5.14(2H,s), 4.45(2H,t), 6.97(1H,s), 6.82(4H,m), 3.27(4H,s), 2.84(2H,s), 2.59(2H,d), 1.77(3H,s).
【0249】
[実施例33]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化88】
【0250】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに製造例11において得られた4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.66(2H,d), 7.49(2H,d), 7.32(2H,d), 7.15(2H,d), 6.90(2H,d), 6.82(2H,d), 5.06(2H,s), 4.18(2H,s), 4.09(3H,m), 3.58(2H,s), 3.26(2H,m), 2.97(3H,s), 2.81(5H,m), 2.62(3H,s), 2.32(2H,m), 1.96(2H,d), 1.83(3H,s).
【0251】
[実施例34]
(3S)-3-(4-(4-(1-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化89】
【0252】
目的化合物は、(S)-エチル3-(4-(4-((メチルスルホニルオキシ)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの代わりに、製造例12において得られた(3S)-エチル3-(4-(4-(1-ブロモエチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 12.98(1H,s), 7.61(6H,m), 7.30(4H,m), 6.92(2H,t), 5.08(2H,s), 4.29(2H,s), 4.06(1H,s), 3.81(1H,s), 3.51(2H,s), 3.21(2H,m), 2.75(2H,m), 1.95(2H,d), 1.84(3H,s).
【0253】
[実施例35]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-ヒドロキシフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化90】
【0254】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに製造例10において得られた4-(1,2,3,6-テトラヒドロピリジン-4-イル)フェノール塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.80(1H,s), 7.41(2H,d), 735(2H,d), 7.28(2H,d), 6.94(2H,d), 6.74(2H,d), 6.63(2H,d), 5.06(2H,s), 3.94(1H,t), 3.62(3H,s), 2.95(4H,s), 2.61(2H,d), 1.77(3H,s).
【0255】
[実施例36]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化91】
【0256】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1-(4-(3-(メチルスルホニル)プロポキシ)フェニル)ピペラジン塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 12.32(1H,s), 7.42(4H,m), 7.29(2H,d), 6.96(2H,d), 6.83(4H,q), 5.06(2H,s), 4.02(2H,t), 3.92(1H,t), 3.52(2H,s), 3.25(2H,t), 3.01(7H,m), 2.61(2H,d), 2.09(2H,m), 1.77(3H,d).
【0257】
[実施例37]
(S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウムの調製
【化92】
【0258】
実施例27において調製した(S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸0.4g及びエタノールを窒素雰囲気中、500mLフラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに3N水酸化ナトリウム水溶液0.3mlを加え、次いで室温で撹拌した。反応が完了すると、反応混合物を減圧濃縮し、ここにイソプロピルアルコールを加えた。次に、生成した固体をろ過すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.09(2H,d), 7.03(2H,d), 6.97(2H,d), 6.85(2H,m), 6.75(2H,m), 6.57(2H,d), 4.54(2H,s), 3.81(1H,t), 3.36(4H,s), 3.31(2H,s), 2.33(2H,d), 1.54(3H,d).
【0259】
[実施例38]
(S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸L-リシンの調製
【化93】
【0260】
実施例27において調製した(S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸0.4g及びエタノールを、窒素雰囲気中、フラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここにL-リシン0.12gを加えた。反応温度を50℃まで上昇し、この混合物を50℃で30分間、撹拌した。この混合物を室温まで冷却し、次いで30分間、撹拌した。反応が完了すると、生成した固体をろ過して、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, D2O): δ 7.03(6H,s), 6.83(2H,s), 6.74(2H,s), 6.54(2H,s), 4.53(2H,s), 3.77(1H,s), 3.54(5H,m), 2.88(2H,t), 2.28(2H,s), 1.74(2H,m), 1.62(3H,m), 1.42(3H,s), 1.35(3H, m).
【0261】
[実施例39]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-フルオロフェニル)-5,6-ジヒドロピリジン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化94】
【0262】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに-(4-フルオロフェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジン塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.69(2H,d), 7.48(2H,d), 7.32(4H,m), 7.04(2H,t), 6.86(2H,d), 5.90(1H,s), 5.03(2H,s), 4.30(2H,s), 4.02(1H,t), 3.71(2H,s), 3.54(2H,s), 3.31(2H,s), 2.73(2H,m), 1.81(3H,d).
【0263】
[実施例40]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化95】
【0264】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに4-(4-メトキシフェニル)-1,2,3,6-テトラヒドロピリジンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.64(2H,d), 7.48(2H,d), 7.31(2H,d), 6.94(2H,s), 6.86(4H,t), 5.04(2H,s), 4.21(2H,s), 4.03(1H,t), 3.78(3H,s), 3.60(2H,s), 3.47(2H,s), 3.05(2H,s), 2.73(2H,m), 1.82(3H,s).
【0265】
[実施例41]
(S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウムの調製
【化96】
【0266】
ステップ1: (S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1,2,3,4-テトラヒドロキノリンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.02(2H,d), 6.76(2H,d), 6.69(2H,d), 6.43(4H,m), 6.21(1H,s), 6.02(1H,s), 4.24(2H,s), 3.84(3H,s), 2.68(2H,s), 2.37(2H,d), 2.14(2H,s), 1.47(3H,s), 1.35(2H,s).
【0267】
ステップ2: (S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウムの調製
目的化合物は、(S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の代わりに、ステップ1において得られた(S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を使用した以外、実施例37に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 7.01(2H,d), 6.74(2H,d), 6.68(2H,d), 6.42(4H,m), 6.15(1H,s), 6.02(1H,s), 4.25(2H,s), 3.79(3H,s), 2.62(2H,s), 2.34(2H,d), 2.12(2H,s), 1.45(3H,s), 1.32(2H,s).
【0268】
[実施例42]
(S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸カリウムの調製
【化97】
【0269】
目的化合物は、(S)-3-(4-(4-((4-(4-フルオロフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の代わりに、実施例41のステップ1において得られた(S)-3-(4-(4-((3,4-ジヒドロキノリン-1(2H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を使用した以外、実施例25に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, D
2O): δ 6.97(2H,d), 6.71(2H,d), 6.63(2H,d), 6.45(2H.s), 6.38(2H,d), 6.13(1H,s), 5.98(1H,s), 4.20(2H,s), 3.71(3H,m), 2.58(2H,s), 2.32(2H,s), 2.15(2H,s), 1.43(3H,s), 1.29(2H,s).
【0270】
[実施例43]
(S)-3-(4-(4-((4-(ベンゾ[d]チアゾール-2-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化98】
【0271】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに製造例13において得られた2-(ピペラジン-1-イル)ベンゾ[d]チアゾール塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 10.87(1H,s), 7.85(1H,d), 7.55(5H,m), 7.31(3H,m), 7.14(2H,t), 6.96(2H,d), 5.13(2H,s), 4.40(2H,s), 4.17(2H,d), 3.95(1H,t), 3.57(3H,t), 3.22(3H,s), 2.57(2H,d), 1.78(3H,d).
【0272】
[実施例44]
(S)-3-(4-(4-((4-(5-プロピルピリミジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化99】
【0273】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに、製造例14において得られた2-(ピペラジン-1-イル)-5-プロピルピリミジン塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 8.20(2H,s), 7.62(2H,d), 7.47(2H,d), 7.30(2H,d), 6.85(2H,d), 5.08(2H,s), 4.80(2H,d), 4.17(2H,s), 4.03(1H,t), 3.84(1H,t), 3.43(2H,s), 2.74(4H,m), 2.43(2H,t), 1.83(3H,d), 1.59(2H,q), 0.94(3H,t).
【0274】
[実施例45]
(S)-3-(4-(4-((4-(5-シアノピリジン-2-イル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化100】
【0275】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに製造例15において得られた6-(ピペラジン-1-イル)ニコチノニトリル塩酸塩を使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 11.20(1H,s), 8.56(1H,s), 7.99(1H,d), 7.63(1H,d), 7.55(1H,d), 7.27(2H,d), 7.04(1H,d), 6.95(2H,d), 5.12(2H,s), 4.57(2H,d), 4.35(2H,s), 3.95(1H,t), 3.39(5H,m), 2.90(2H,m), 2.59(2H,d), 1.77(3H,d).
【0276】
[実施例46]
(3S)-3-(4-(4-((3-フェニルピロリジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化101】
【0277】
目的化合物は、1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに3-フェニルピロリジンを使用した以外、実施例21に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 12.64(1H,s), 7.66(2H,s), 7.46(2H,d), 7.32(7H,m), 6.86(2H,d), 5.02(2H,s), 4.28(2H,m), 4.04(1H,t), 3.87(2H,s), 3.73(1H,s), 3.18(1H,s), 2.89(1H,m), 2.84(3H,m), 2.61(1H,s), 2.41(1H,s), 2.19(1H,s), 1.81(3H,d).
【0278】
[実施例47]
(S)-3-(4-(4-((4-(4-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウムの調製
【化102】
【0279】
目的化合物は、(S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の代わりに、実施例40において得られた(S)-3-(4-(4-((4-(4-メトキシフェニル)ピペラジン-1-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を使用した以外、実施例37に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, MEOC): δ 7.33(2H,d), 7.26(1H,d), 7.11(1H,s), 6.96(8H,m), 5.04(2H,s), 4.04(1H,t), 3.76(3H,s), 3.32(4H,m), 3.21(4H,m), 2.52(2H,m), 1.80(3H,s).
【0280】
[実施例48]
(S)-3-(4-(4-(2-(6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化103】
【0281】
ステップ1: エチル(S)-3-(4-(4-(2-(6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエートの調製
窒素雰囲気中、6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリン0.5gを、フラスコ中、DMF 20mLに投入し、次いで撹拌した。ここに炭酸セシウム1.1gを室温で加えた。30分後、ここに、製造例16において調製した(S)-エチル3-(4-(4-(2-(メチルスルホニルオキシ)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート1.0gを加え、次いで室温で12時間、撹拌した。反応が完了すると、ここに蒸留水をゆっくりと加え、次いで酢酸エチルを使用して抽出した。この抽出物をブラインで洗浄し、無水MgSO
4で脱水して濃縮した。次に、シリカゲルカラムクロマトグラフィーを行うと、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.35(2H,d), 7.30(2H,d), 7.23(2H,d), 7.00(1H,d), 6.85(2H,d), 6.80(1H,d), 6.70(1H,d), 5.00(2H,s), 4.30(2H,m), 4.13(2H,m) 4.03(1H,t), 3.80(3H,s), 3.58(6H,m), 3.30(2H,s), 2.78(2H,m), 1.86(3H,d), 1.28(3H,m).
【0282】
ステップ2: (S)-3-(4-(4-(2-(6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
ステップ1において調製したエチル(S)-3-(4-(4-(2-(6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イノエート0.5g、THF、メタノール及び蒸留水を、窒素雰囲気中、フラスコに投入し、次いで、それらを溶解するために撹拌した。次に、ここに水酸化リチウム0.5gを室温でゆっくりと加え、次いで少なくとも1時間、撹拌した。反応が完了すると、1M HCl水溶液を使用することにより、この混合物を酸性にし(pH4〜5)、次いで、酢酸エチルを使用して抽出した。抽出物を減圧乾燥すると、目的化合物が得られた。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 7.35(2H,d), 7.30(2H,d), 7.23(2H,d), 7.00(1H,d), 6.85(2H,d), 6.80(1H,d), 6.70(1H,d), 5.00(2H,s), 4.30(2H,m), 4.03(1H,t), 3.80(3H,s), 3.58(6H,m), 3.30(2H,s), 2.78(2H,m), 1.86(3H,d).
【0283】
[実施例49]
(S)-3-(4-(4-(2-(イソインドリン-2-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化104】
【0284】
目的化合物は、6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりにイソインドリンを使用した以外、実施例48に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, CDCl
3): δ 13.57(1H,s), 7.38(3H,m), 7.29(7H,m), 6.90(2H,d), 5.03(4H,m), 4.28(2H,s), 4.08(1H,t), 3.48(2H,m), 3.34(2H,m), 2.80(2H,m), 1.83(3H,d).
【0285】
[実施例50]
(S)-3-(4-(4-(2-(3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)エチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化105】
【0286】
目的化合物は、6-メトキシ-1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンの代わりに1,2,3,4-テトラヒドロイソキノリンを使用した以外、実施例48に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, DMSO): δ 7.44(2H,d), 7.38(2H,d), 7.27(5H,m), 7.22(1H,d), 6.94(2H,d), 5.07(2H,s), 4.64(1H,d), 4.38(1H,s), 3.95(1H,t), 3.77(1H,s), 3.39(2H,s), 3.16(4H,m), 2.26(2H,d), 1.77(3H,d), 1.84(3H,d), 1.29(3H,t).
【0287】
[実施例51]
(S)-3-(4-(4-((6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸ナトリウムの調製
【化106】
【0288】
目的化合物は、(S)-3-(4-(4-(イソインドリン-2-イルメチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸の代わりに、実施例25において得られた(S)-3-(4-(4-((6-メトキシ-3,4-ジヒドロイソキノリン-2(1H)-イル)メチル)ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸を使用した以外、実施例37に記載されているものと同じ方法により得た。
1H NMR (400MHz, D
32O): δ 7.10(2H,d), 7.02(2H,d), 6.95(2H,d), 6.55(2H,d), 6.40(1H,d), 6.34(2H,s), 4.53(2H,s), 3.83(1H,t), 3.39(3H,s), 3.17(2H,s), 3.05(2H,s), 2.37(4H,m), 2.20(2H,s), 1.57(3H,s).
【0289】
比較例1: [(3S)-6-({(2',6'-ジメチル-4'-[3-(メタンスルホニル)プロポキシ]-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)}メトキシ)-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-3-イル]酢酸の調製
【化107】
【0290】
国際特許公開第2008/001931号に報告されている方法により、[(3S)-6-({(2',6'-ジメチル-4'-[3-(メタンスルホニル)プロポキシ]-[1,1'-ビフェニル]-3-イル)}メトキシ)-2,3-ジヒドロ-1-ベンゾフラン-3-イル]酢酸を調製した。
【0291】
比較例2: (3S)-3-(4-{[4-(1'H-スピロ[インデン-1,4'-ピペリジン]-1'-イルメチル)ベンジル]オキシ}フェニル)ヘキサ-4-イン酸の調製
【化108】
【0292】
国際特許公開番号WO2011/046851に報告されている方法により、(3S)-3-(4-{[4-(1'H-スピロ[インデン-1,4'-ピペリジン]-1'-イルメチル)ベンジル]オキシ}フェニル)ヘキサ-4-イン酸を調製した。
【0293】
比較例3: 4-(3-フェノキシベンジルアミノ)フェニルプロピオン酸の調製
【化109】
【0294】
4-(3-フェノキシベンジルアミノ)フェニルプロピオン酸は従来法により調製した。
【0295】
実施例1〜51において調製した化合物の化学式を表1にまとめる。
【0297】
実験例1: 3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体によるGPR40タンパク質活性の評価
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体によるGPR40活性を評価するために、以下の実験を実施した。
【0298】
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体によるGPR40タンパク質活性は、GRP40の活性化により影響を受ける細胞内カルシウム濃度の変化を検討することにより測定した。まず、Fugene HD(Promega、E2311)を使用することにより、HEK-293細胞をヒトGPR40 DNA(Origene、RC218370)でトランスフェクトした。このトランスフェクトしたHEK-293細胞を96ウェルのブラッククリアボトムフロアプレート(Costar、3603)に分注し、次いで培養した。24時間後、これらの細胞培養培地を、1%ウシ胎仔血清(FBS)を補給したダルベッコの改変イーグル培地(DMEM、50μl/ウェル)により置き換えた。カルシウム濃度を測定するために、Fluo-4試薬(Invitrogen、F10471)50μlを各ウェルに加え、次いで37℃のインキュベーター中で2時間、培養した。培養中、20mM 4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸(HEPES)緩衝液を含有する1×HBSS(Hankの緩衝化塩溶液)により、実施例の化合物、並びに比較例1及び2の化合物を希釈し、細胞を処置するための試料を調製した。培養を開始して2時間後、Flexstation3(Molecular Devices)を使用することにより、これらの調製した試料を細胞に自動注入した。次に、SoftMax(登録商標)Proソフトウエアを使用することにより、120秒間、細胞内カルシウム濃度を測定した。この際、非処置群の細胞にジメチルスルホキシド(DMSO)を注入し、次いで細胞内のカルシウム濃度を測定した。GPR40タンパク質活性は、カルシウム濃度の測定結果を用いて、以下の数式1により算出した。これらの結果を表2に示す。
[数式1]
GPR40活性=(試料により上昇した細胞内カルシウム濃度)/(非処置群の細胞内カルシウム濃度)×100
【0300】
表2に示されている通り、本発明の実施例の化合物は、低濃度において、GPR40タンパク質の活性化を促進するのに優れていることが確認された。特に、実施例7、9、11、12、14、27、28、37及び38の化合物は、非常に低濃度(0.20μM未満)でも、GPR40タンパク質の活性化を50%促進することができ、これらの化合物の細胞内Ca
2+濃度を上昇させる能力は、比較例1の化合物と比べて(B、0.28μM)、優れていることが示唆された。
【0301】
したがって、本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体は、GPR40タンパク質の活性化の増大に優れていることが確認された。この活性は、GPR40タンパク質の活性化を誘発することによりインスリン分泌を促進することが知られている、従来の抗糖尿病剤(比較例1)と少なくとも同程度か、又はそれよりも優れている。したがって、本発明の化合物を活性成分として含む組成物は、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXなどの代謝性疾患を予防及び治療するための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0302】
実験例2: カルシウム流入の分析
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体によるGPR40の活性化によるカルシウム流入は、Millipore、GPCRアッセイ専門機関(assay specialized institution)により評価した。
【0303】
DMSO(ジメチルスルホキシド)、PBS(リン酸緩衝生理食塩水)、及びDW(蒸留水)などに溶解した本発明の実施例の化合物を、EMD MilliporeのGPCRプロファイラー(profiler)アッセイ用緩衝液により3回、希釈した。同様に、分析精度を高めるため、非処置群(ビヒクル)及びポジティブ対照群(比較例1及び3)を用意した。各ウェルをEMD MilliporeのGPCRプロファイラーアッセイ用緩衝液で満たした。前記EMD MilliporeのGPCRプロファイラーアッセイ用緩衝液は、20mM HEPES(4-(2-ヒドロキシエチル)-1-ピペラジンエタンスルホン酸)及び2.5mMプロベネシド(4-(ジプロピルスルファモイル)安息香酸)を含有するHBSS(Hanks平衡塩溶液)であり、このpHを7.4に調節した。
【0304】
実施例の化合物は、各濃度において2回複製した。各Gタンパク質共役型受容体(GPCR)に対するポジティブ対照群(比較例1又は3)は、非処置群(ビヒクル)を用意した通りに用意した。各GPCRに対するポジティブ対照群(比較例1又は3)は、最高活性を示した濃度において、E
maxに含まれた。アゴニストアッセイは、FLIPR
TETRAを使用することにより行った。蛍光及び発光のベースラインを測定した。実施例の化合物、非処置群(ビヒクル)、及びポジティブ対照群(比較例1又は3)を、アッセイ用プレートに含めた。実施例のこうした化合物の活性を測定するため、GPCR活性のアッセイを180秒間行った。
【0305】
ベースラインを除いた蛍光値は、ポジティブ対照(比較例1及び3)及び非処置群のE
maxと比較し、これらの活性を%として表した。得られたデータは、非処置群の場合のEC
50の比較から得られた阻害率(%)を示し、各プレートの良否は、反復データからの活性%を示す統計的数字により評価した。アッセイデータが満足するものではない場合、追加実験を行った。
【0306】
濃度依存性グラフはすべて、GraphPad Prismを使用することにより行った。このグラフは、シグモイド型用量応答により修正した。より良好な有効値を予測するために、最低値は0として固定し、最大値は100として固定した。
【0309】
図1は、実施例9、比較例1、及び比較例3の化合物の濃度による、GPR40の活性化パターンを示すグラフである。
【0310】
図1に示される通り、実施例の化合物は、GPR40の活性を50%(検出可能な最低濃度である、1nM未満でさえも)上昇させるのに、比較例1及び3の化合物よりもかなり低い濃度しか必要としなかった。特に、表3に示される通り、本発明の実施例9の化合物は、比較例1(14nM)及び比較例3(27nM)の化合物よりも低い濃度で、GPR40の活性化を誘発することができた。
【0311】
したがって、本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体は、GPR40タンパク質の活性化を促進するのに優れており、この誘導体は、GPR40タンパク質を活性化することによりインスリン分泌を高めることが知られている従来の抗糖尿病剤(比較例1及び3の化合物)よりも特に優れていることが確認された。したがって、本発明の化合物を活性成分として含む組成物は、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXなどの代謝性疾患を予防及び治療するための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0312】
実験例3: CYP阻害の分析
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体と別の薬物との間の相互作用を評価するため、以下の実験を行った。
【0313】
CYPは、薬物代謝に関与する酵素である。そのため、この酵素を阻害することにより、薬物の用量の予測、及び別の薬物との共処置により引き起こされる毒性が変化し得る。したがって、本発明者らは、内因性CYP3A4、CYP2C9、CYP1A2、CYP2D6、及びCYP2C19に対する、本発明の実施例の化合物の阻害作用を測定した。この際に、CYP2D6阻害キットとして、Invitrogen(P2862)を使用し、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、及びCYP3A4阻害キットとして、BD GENTEST(459100、459300、459400、459500)を使用した。Invitrogenキットを調製するため、試験試料を最終実験濃度の2.5×で蒸留水により希釈した。
【0314】
Invitrogenキット中に含まれているP450 BACULOSOMES(登録商標)試薬及びリプロデューサー(reproducer)(100×)を、標的CYP450に適合する濃度で、Vivid(登録商標)CYP450反応用緩衝液(2×)中に希釈した。調製した2.5×試料(80μL)、及び上記の希釈P450 BACULOSOMES(登録商標)試薬の混合物(100μL)をU底96ウェルプレートの各ウェル中で混合し、次いで20分間、予備培養した。Vivid(登録商標)CYP450基質及びNADP+(100×)を、標的CYP450及び該基質に適合する濃度で、Vivid(登録商標)CYP450反応用緩衝液(2×)中に希釈した。予備培養が終了すると、ここに基質-NADP(ニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸)の混合溶液(20μL)を加え、次いで1時間反応させた。反応が完了すると、反応物を白色プレートに移し、次に、マイクロプレートリーダー(CYP2D6の励起波長:400nm、吸収波長:502nm)を用いて蛍光を測定した。
【0315】
BD GENTESTキット用の試験試料を、アセトニトリル中で最終実験濃度の50×で希釈した。NADPH-補酵素の混合物は、補酵素、G6PDH、及び上記のキット中に含まれている調節タンパク質を、キットにより指示されている濃度で蒸留水により希釈して調製した。調製した50×試料(4μL)、及びNADPH-補酵素の混合物(96μL)をU底96ウェルプレートの各ウェル中で混合し、次いで37℃のインキュベーター中で10分間、予備培養した。酵素/基質の混合溶液は、緩衝液(0.5Mリン酸カリウム、pH7.4)、キット中に含まれている各CYP450酵素/基質の混合溶液を、蒸留水により指示濃度で希釈することにより調製した。予備培養が終了すると、酵素/基質の混合溶液100μLを、プレートの各ウェル中に加え、次いで、37℃のインキュベーター中で、15分間(CYP1A2)、30分間(CYP3A4及びCYP2C19)、又は1.5時間(CYP2C9)、培養した。反応が完了すると、反応物を白色プレートに移し、次いでマイクロプレートリーダー(CYP1A2及びCYP2C19の励起波長:410nm、吸収波長:460nm、CYP2C9及びCYP3A4の励起波長:409nm、吸収波長:530nm)を用いて蛍光を測定した。上で得られた値は、非処置群の値に基づき、試料の阻害率として、%に変換した。これらの結果を表4に示す。
【0317】
表4に示されている通り、本発明の実施例の化合物は、CYP450の阻害に低い活性を示しており、様々な薬物間の相互作用による副作用を引き起こすリスクが、非常に低いことを示唆している。より正確には、本発明の化合物はほとんどすべてが、CYP1A2、CYP2C9、CYP2C19、CYP2D6、及びCYP3A4酵素に対して、せいぜい50%という低い阻害率しか示さなかった。特に、GPR40タンパク質を活性化することによりインスリン分泌を促進することができる、従来の抗糖尿病剤として使用されてきた比較例1の化合物(81.2%)と比べると、本発明の実施例の化合物は、特にCYP2C9に対して、かなり低い酵素阻害活性であることを実証した。比較例2の化合物(63.2%)と比べると、本発明の実施例の化合物は、CYP2D6に対して、比較的低い酵素阻害活性であることを実証した。
【0318】
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体は、かなり低いCYP酵素阻害作用を有するので、活性成分としてそれを含む医薬組成物は、別の薬物と共に共処置することができ、これにより、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXなどの、代謝性疾患を含む合併症の処置に有効に使用することができる。
【0319】
実験例4: 経口グルコース負荷試験(OGTT)1
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体のインビボでの血糖降下作用を検討するため、以下の実験を実施した。
【0320】
食事により誘発させた肥満モデルである8〜10週齢の雄のSprague Dawleyラットを、少なくとも7日間、順応させた。健常な動物だけを選び、次いでOGTTを行った。16〜18時間の絶食後、1群あたり5匹のラットを無作為に選択し、それぞれ10mg/kgの用量で、実施例2、3、4、6、9、12、14、16、25、29、36、37、41、43、及び44において調製した化合物を経口投与した。この際、同じ用量の5%ポリエチレングリコール(PEG)を非処置群(ビヒクル)のラットに経口投与した。試料投与の30分間後、グルコース(4g/kg)を5ml/kgの用量で、ラットに経口投与した。次に、アキュチェックアクティブストリップ(Accu-chek active strip)(Roche diagnostic Co.)を使用することにより、血中グルコースを測定した。測定時間は、グルコース投与前30分時(-30)、グルコース投与後0分、20分、40分、60分、及び120分時に設定し、血中グルコースは、尾静脈穿刺を介して測定した。これらの結果を表5に示す。
【0322】
表5に示されている通り、本発明の化合物は、非処置群を基準にして21.9%の血糖降下作用を示し、これらの化合物が、インビボでのグルコース低下作用に優れていることが示唆される。より正確には、従来のGPR40タンパク質活性化剤として知られている比較例1の化合物は、16.2%という高い血糖降下作用を有することが確認された一方、本発明の実施例の化合物は、それよりも高い血糖降下作用があることが実証された。特に、実施例9、12、14、29及び37の化合物の血糖効果作用は、それぞれ、24.7%、31.0%、27.7%、27.1%、及び28.5%であり、血中グルコースを低下させるこれらの化合物の活性は、比較例1の化合物と比べて優れていたことが示された。
【0323】
したがって、本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体は、GPR40タンパク質を活性化する優れた作用を有しており、したがって、インスリン分泌を促進することにより、血中グルコースを低下させる顕著な作用を有することが確認された。したがって、これを活性成分として含む組成物は、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXなどの代謝性疾患を治療するための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0324】
実験例5: 経口グルコース負荷試験(OGTT)2
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体のインビボでの血糖降下作用を検討するため、以下の実験を実施した。
【0325】
II型糖尿病の動物モデル(肥満ではない)である、22〜23週齢の雄のGoto-Kakizaki(GK)ラットを、少なくとも7日間、順応させた。健常な動物だけを選び、次いでOGTTを行った。16〜18時間の絶食後、1群あたり5匹のラットを無作為に選択し、0.3〜10mg/kgの用量で、実施例5、9、14、28、37及び47において調製した化合物を経口投与した。この際、同じ用量の5%ポリエチレングリコール(PEG)を、非処置群のラットに経口投与した。試料投与の60分間後、グルコース(4g/kg)を5ml/kgの用量で、ラットに経口投与した。次に、アキュチェックアクティブストリップ(Roche diagnostic Co.)を使用することにより、血中グルコースを測定した。測定時間は、グルコース投与前60分時(-60)、グルコース投与後0分、20分、40分、60分、及び120分時に設定し、血中グルコースは、尾静脈穿刺を介して測定した。これらの結果を表6に示す。
【0327】
表6に示されている通り、本発明の実施例の化合物は、比較例1の化合物の同じ用量(10mg/kg)で、非処置群に基づいて、少なくとも平均で30.0%の血糖降下作用があることを実証した。より正確には、比較例1の化合物は、10mg/kgの用量において25.3%(B)の血糖降下作用を示した一方、実施例5、9、14、28、37及び47の化合物は、3mg/kgの用量において、比較例1の化合物と同様の血糖降下作用があることを実証した。特に、実施例9及び37の化合物は、10mg/kgの用量において、35.0%を超える血糖降下作用を示し、これは、比較例1の化合物と比べるとかなり高いものであった。
【0328】
したがって、本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体は、GPR40タンパク質を活性化する優れた作用を有しており、したがって、インスリン分泌を促進することにより、血中グルコースを低下させる顕著な作用を有することが確認された。したがって、これを活性成分として含む組成物は、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXなどの代謝性疾患を治療するための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0329】
実験例6: 経口グルコース負荷試験(OGTT)3
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体のインビボでの血糖降下作用を検討するため、以下の実験を実施した。
【0330】
II型糖尿病の動物モデル(肥満)である、29〜30週齢の雄のOLETF(Otsuka Long-Evans Tokushima肥満性)ラットを、少なくとも7日間、順応させた。健常な動物だけを選び、次いで、OGTTを行った。16〜18時間の絶食後、1群あたり5匹のラットを無作為に選択し、1〜10mg/kgの用量で、実施例5、9、14、28、37及び47において調製した化合物を経口投与した。この際、同じ用量の5%ポリエチレングリコール(PEG)を、非処置群のラットに経口投与した。試料投与の60分間後、グルコース(4g/kg)を5ml/kgの用量で、ラットに経口投与した。次に、アキュチェックアクティブストリップ(Roche diagnostic Co.)を使用することにより、血中グルコースを測定した。測定時間は、グルコース投与前60分時(-60)、グルコース投与後0分、20分、40分、60分、及び120分時に設定し、血中グルコースは、尾静脈穿刺を介して測定した。これらの結果を表7に示す。
【0332】
表7に示されている通り、本発明の実施例の化合物は、比較例1の化合物の同じ用量(10mg/kg)で、非処置群と比べて、少なくとも平均で35.0%の血糖降下作用があることを実証した。より正確には、比較例1の化合物は、10mg/kgの用量において31.6%(B)の血糖降下作用を示した一方、実施例9及び37の化合物は、1mg/kgの用量において、比較例1の化合物よりも高い血糖降下作用があることを実証した。特に、実施例9及び37の化合物は、10mg/kgの用量において、35.0%を超える血糖降下作用を示し、これは、比較例1の化合物と比較するとかなり高いものであった。
【0333】
したがって、本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体は、GPR40タンパク質を活性化する優れた作用を有しており、したがって、インスリン分泌を促進することにより、血中グルコースを低下させる顕著な作用を有することが確認された。したがって、これを活性成分として含む組成物は、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXなどの代謝性疾患を治療するための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0334】
実験例7: 経口投与後の血中GLP-1(グルカゴン様ペプチド-1)の測定
本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体の経口投与における、血中GLP-1の増加率を検討するため、以下の実験を実施した。
【0335】
食事により誘発させた肥満モデルである10〜12週齢の雄のSprague Dawleyラットを、少なくとも7日間、順応させた。以下の実験のために順応させた後、健常な動物だけを選んだ。16〜18時間の絶食後、1群あたり5匹のラットを無作為に選択し、実施例9において調製した化合物を10〜100mg/kgの用量(投与用溶媒の体積:5ml/kg)で経口投与した。この際、同じ用量の5%ポリエチレングリコール(PEG)を、非処置群のラットに経口投与した。試料投与の60分間後、グルコースを2g/kgの用量で、ラットに経口投与した。20分後、心臓から血液を採取した(全血0.5ml)。この血液試料を直ちに、DPP-4(ジペプチジルペプチダーゼ-4)阻害剤及びEDTA(エチレンジアミン四酢酸)で処理した試料管に入れ、これを冷却用の氷の容器に置いた。この血液試料を3600rpmで10分間、遠心分離にかけ、血漿を分離した。次に、GLP-1測定用のELISAキット(Millipore、米国)を使用することにより、分離した血漿中のGLP-1含有量を測定した。これらの結果を
図2に示す。
【0336】
図2は、実施例9及び比較例1の化合物の経口投与による、SDラット(Sprague Dawleyラット)における、血中のGLP-1含有量を示すグラフである。
【0337】
図2に示されている通り、比較例1の化合物は、グルコースにより処置した群(Veh.)と比べて、投与後にインスリン分泌を促進することができる、GLP-1のいかなる増加も示さなかった。しかし、実施例9の化合物は、SDラットにおいて、血中GLP-1を増加させることが確認された。
【0338】
したがって、本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体は、比較例1の化合物と比べて、GLP-1ホルモンの分泌を促進する優れた活性を有していることが確認され、特にこの作用は、糖尿病の動物モデルにおいて、一層優れている。GLP-1分泌を促進するこうした活性により、本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体は、ベータ細胞の機能的欠陥及び体重増加を防止することが可能であることも予期される。したがって、本発明の新規3-(4-(ベンジルオキシ)フェニル)ヘキサ-4-イン酸誘導体を活性成分として含む組成物は、肥満、I型糖尿病、II型糖尿病、耐糖能障害、インスリン抵抗性、高血糖症、高脂血症、高トリグリセリド血症、高コレステロール血症、脂質異常症、及びシンドロームXなどの代謝性疾患を治療するための医薬組成物として有効に使用することができる。
【0339】
ところで、本発明の式1により表される化合物は、使用目的に応じて、様々な形態に製剤化することができる。以下は、本発明の式1により表される化合物を活性成分として使用する製剤化法の例であるが、本発明はそれらに限定されない。
【0340】
調製例1: 医薬製剤の調製
<1-1> 散剤の調製
実施例1の化合物 500mg
ラクトース 100mg
タルク 10mg
【0341】
散剤は、散剤を調製するための従来法に従って、上の構成成分をすべて混合することにより調製し、気密包装中に充填した。
【0342】
<1-2> 錠剤の調製
実施例1の化合物 500mg
トウモロコシデンプン 100mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0343】
錠剤は、錠剤を調製するための従来法により、上の構成成分をすべて混合することによって調製した。
【0344】
<1-3> カプセル剤の調製
実施例1の化合物 500mg
トウモロコシデンプン 100mg
ラクトース 100mg
ステアリン酸マグネシウム 2mg
【0345】
カプセル剤は、カプセル剤を調製するための従来法に従って、上の構成成分をすべて混合することにより調製し、ゼラチンカプセル中に充填した。
【0346】
<1-4> 注射液剤の調製
実施例1の化合物 500mg
滅菌蒸留水 適量
pH調節剤 適量
【0347】
注射液剤は、注射液剤を調製するための従来法により、上の構成成分をすべて混合することにより調製し、この混合物を2mlのアンプルに入れ、これを滅菌した。
【0348】
<1-5> 液体製剤の調製
実施例1の化合物 100mg
異性化糖 10g
マンニトール 5g
精製水 適量
【0349】
上の構成成分すべてを精製水に溶解した。レモンフレーバーを加えた後、精製水を添加することにより、全体積を100mlに調節した。液体製剤は、液体製剤を調製するための従来法により、上記の混合物を茶色のボトルに入れ、これを滅菌することにより調製した。