(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0025】
(第1の実施の形態)
図1〜
図8に基づいて、本発明の第1の実施の形態に係る遊技機について説明する。
(遊技機/スロットマシン10)
本実施の形態に係る遊技機は、遊技媒体としてメダルが用いられるスロットマシン10である。
図1に示すように、このスロットマシン10は、前面に開口部を有する箱型の筐体20を備えている。また、筐体20の前面には、開口部を塞ぐ前扉21を備えている。また、前扉21の前面上部には、入賞となる図柄の組合せや、各役に入賞した際に払い出されるメダルの枚数(配当)などを表示するための上パネル22が備えられている。また、前扉21の前面中央には、中パネル23が備えられている。また、中パネル23のほぼ中央には、各回転リール40の外周面に付されている21個の図柄のうちの3個を表示するための図柄表示窓26が設けられている。また、前扉21の前面下部には、当該スロットマシン10の機種名のロゴやイメージキャラクターなどを表示するための下パネル24が備えられている。また、前扉21の前面における、中パネル23と下パネル24との間には、前方へ向けて突出する操作部25が設けられている。また、操作部25の上面右側には、メダルを投入するための投入口85が設けられ、また、操作部25の上面左側には、クレジットされているメダルを投入するためのベットスイッチ70が設けられ、また、操作部25の前面右側には、クレジットされているメダルを返却するためのキャンセルスイッチ73が設けられ、また、操作部25の前面左側には、回転リール40の回転を開始させるためのスタートスイッチ50が設けられ、また、操作部25の前面中央には、回転リール40の回転を停止させるための3個のストップスイッチ60が横並びに設けられている。また、前扉21の前面における、上パネル22と中パネル23との間には、液晶ディスプレイ83が設けられ、また、前扉21の上部には、演出に用いられる演出用ランプ81が設けられている。また、前扉21の下部中央には、メダルを払い出すための払出口86が設けられ、また、払出口86の下方には、払出口86から払い出されたメダルを受け止めて貯留するための受け皿87が設けられている。また、払出口86の左右両側には、効果音などを鳴らすためのスピーカ82がそれぞれ設けられている。また、筐体20の内部の図柄表示窓の後方には、図示を省略するものの、3個の回転リール40を横並びに3列設けたリールユニット30が備えられている。また、前扉21の裏面における、投入口85の裏側に相当する位置には、図示を省略するものの、投入口85に投入されたメダルを処理するためのメダル処理ユニットが備えられている。また、筐体20の内部には、図示を省略するものの、メダルを払い出すためのホッパーユニット84や、スロットマシン10が備える各装置に電力を供給するための電源ユニットや、スロットマシン10を制御するための制御装置100などが備えられている。
(リールユニット30)
リールユニット30は、通常用いられているリールユニット30と同様なので詳細な図示を省略するものの、横並びに設けられている3個の回転リール40と、各回転リール40にそれぞれ対応して設けられている3個のステッピングモータと、これらを支持するためのフレームとを備えている。また、3個の回転リール40のうち、左側に位置するのが左リール41であり、中央に位置するのが中リール42であり、右側に位置するのが右リール43である。また、本実施の形態では、各回転リール40の外周面に付される図柄として、「赤7」「BAR」「ベル」「オレンジ」「チェリー」「リプレイ」の6種類が定められている。そして、各回転リール40の外周面には、これら6種類の図柄が所定の配列で合計21個配されている。
(図柄表示窓26)
図柄表示窓26は、各回転リール40の前方に設けられており、3個すべての回転リール40の回転が停止した際には、
図2に示すように、縦3列横3行に配列した合計9個の図柄を表示可能に形成されている。
【0026】
具体的には、図示を省略するものの、左リール41の周囲には合計21個の図柄が付されているが、左リール41の回転が停止した際には、21個の図柄のうちの3個が図柄表示窓26に表示される。すなわち、左リール41の回転が停止すると、図柄表示窓26の左側部分には、3個の図柄が縦並びに表示される。中リール42及び右リール43についても同様である。
これにより、3個すべての回転リール40の回転が停止すると、図柄表示窓26には、縦3列横3行に配列した合計9個の図柄が表示される。
また、本実施の形態では、
図2に示すように、左リール41の回転が停止した際に図柄表示窓26に表示される3個の図柄を上から順にそれぞれ「左リール上図柄291」「左リール中図柄292」「左リール下図柄293」とし、また、中リール42の回転が停止した際に図柄表示窓26に表示される3個の図柄を上から順にそれぞれ「中リール上図柄294」「中リール中図柄295」「中リール下図柄296」とし、また、右リール43の回転が停止した際に図柄表示窓26に表示される3個の図柄を上から順にそれぞれ「右リール上図柄297」「右リール中図柄298」「右リール下図柄299」としている。
【0027】
また、第1から第5までの5本の入賞ライン300を設けている。左リール中図柄292と中リール中図柄295と右リール中図柄298とを通る横一直線のラインが「第1入賞ライン301」であり、また、左リール上図柄291と中リール上図柄294と右リール上図柄297とを通る横一直線のラインが「第2入賞ライン302」であり、また、左リール下図柄293と中リール下図柄296と右リール下図柄299とを通る横一直線のラインが「第3入賞ライン303」であり、また、左リール下図柄293と中リール中図柄295と右リール上図柄297とを通る斜め右上がりのラインが「第4入賞ライン304」であり、また、左リール上図柄291と中リール中図柄295と右リール下図柄299とを通る斜め右下がりのラインが「第5入賞ライン305」である。
【0028】
但し、入賞ラインの設けかたは、直線状だけでなく、折れ線状に形成しても良い。更に、入賞ラインは、5本に限らず、6本以上あるいは4本以下であっても良い。
(スタートスイッチ50)
スタートスイッチ50は、回転リール40の回転を開始させるためのものであって、
図1に示すように、操作部25の前面左側に設けられている。また、スタートスイッチ50にはレバー式スイッチが用いられており、レバーの先端を押し下げると、3個すべての回転リール40の回転が開始する。
(ストップスイッチ60)
ストップスイッチ60は、回転リール40の回転を停止させるためのものであって、
図1に示すように、操作部25の前面中央に設けられている。また、ストップスイッチ60は、3個設けられており、また、各ストップスイッチ60は、各回転リール40にそれぞれ対応している。また、3個のストップスイッチ60は、操作部25の前面中央に横並びに設けられている。また、左側のストップスイッチ60は、左リール41に対応し、また、中央のストップスイッチ60は、中リール42に対応し、また、右側のストップスイッチ60は、右リール43に対応している。また、各ストップスイッチ60は、それぞれ、押しボタン式スイッチを用いて構成されており、左リール41用のストップスイッチ60が備えるボタンを押すと、左リール41の回転が停止し、また、中リール42用のストップスイッチ60が備えるボタンを押すと、中リール42の回転が停止し、また、右リール43用のストップスイッチ60が備えるボタンを押すと、右リール43の回転が停止する。
【0029】
なお、このストップスイッチ60は、3個全ての回転リールの回転が開始された後に、3個全ての回転リールの回転が定常回転となったときに操作可能となっている。
また、周知の技術としてフリーズ演出がある。このフリーズ演出は、スタートスイッチを操作しても、リールが回転をしない、あるいは定常回転とならない等の原因でストップスイッチ60の操作が有効とならないようにした演出である。
このような演出を行うこともできる。
(ベットスイッチ70)
ベットスイッチ70は、クレジットされているメダルを投入するためのものである。
【0030】
本実施の形態では、ベットスイッチ70として、シングルベットスイッチ71と、マックスベットスイッチ72とが備えられている。
図1に示すように、シングルベットスイッチ71及びマックスベットスイッチ72は、操作部25の上面左側に、横並びに設けられている。左側に位置するのがシングルベットスイッチ71であり、右側に位置するのがマックスベットスイッチ72である。
また、シングルベットスイッチ71には押しボタン式スイッチが用いられており、ボタンを1回押すと、クレジットされているメダルが1枚投入される。
また、マックスベットスイッチ72も、シングルベットスイッチ71と同様に、押しボタン式スイッチを用いて構成されている。ただ、マックスベットスイッチ72は、ボタンを1回押すと、クレジットされているメダルが3枚投入される。
(キャンセルスイッチ73)
キャンセルスイッチ73は、クレジットされているメダル及び既に投入されたものの未だ遊技には用いられていないメダルを返却するためのものであって、
図1に示すように、操作部25の前面右側に設けられている。また、キャンセルスイッチ73には押しボタン式スイッチが用いられており、ボタンを押すと、クレジットされているメダル及び既に投入されたものの未だ遊技には用いられていないメダルが払出口86から返却される。
(演出用ランプ81)
演出用ランプ81は、遊技者に当選又は入賞などを知らせるためのものであって、
図1に示すように、前扉21の上部に設けられている。
(スピーカ82)
スピーカ82は、効果音などを鳴らすためのものであって、
図1に示すように、払出口86の左右両側にそれぞれ設けられている。
(液晶ディスプレイ83)
液晶ディスプレイ83は、演出に係る映像などを表示するためのものであって、
図1に示すように、前扉21の前面における、上パネル22と中パネル23との間に設けられている。
(投入口85)
投入口85は、メダルを投入するためのものであって、
図1に示すように、操作部25の上面右側に設けられている。
(払出口86)
払出口86は、メダルを払い出すためのものであって、
図1に示すように、前扉21の下部中央に設けられている。
(受け皿87)
受け皿87は、払出口86から払い出されたメダルを受け止めて貯留するためのものであって、
図1に示すように、払出口86の下方に設けられている。
(ホッパーユニット84)
ホッパーユニット84は、図示しないものの、メダルを払い出すためのものであって、筐体20の内部に設けられている。また、ホッパーユニット84は、メダルを貯留するためのメダルタンクと、メダルタンクに貯留されているメダルを送り出すための送出機構とを備えている。そして、送出機構によって送り出されたメダルは、払出口86から払い出される。
(メダル処理ユニット)
メダル処理ユニットは、図示しないものの、投入口85から投入されたメダルを処理するためのものであって、前扉21の裏面における、投入口85の裏側に相当する位置に設けられている。また、メダル処理ユニットは、投入口85に投入されたメダルを一定方向へ誘導するためのメダル通路と、メダル通路の途中から分岐するメダル返却通路と、メダル通路からメダル返却通路が分岐する分岐部に位置するメダルセレクターとを有している。また、メダル通路は、ホッパーユニット84のメダルタンクに連通し、また、メダル返却通路は、払出口86に連通している。また、メダル通路の途中であって、メダルセレクターよりも下流側には、投入口85から投入されたメダルを検出するための投入検出センサーが設けられている。そして、投入検出センサーによる検出をもって、投入口85からのメダルの投入とされる。
(電源ユニット)
電源ユニットは、スロットマシン10が備える各装置、具体的には、例えば、制御装置100や、リールユニット30や、ホッパーユニット84などに電力を供給するためのものである。
(貸出レート設定スイッチ231)
貸出レート設定スイッチ231は、予め定められた複数のメダル貸出レートの中からいずれかの貸出レートを設定するための操作を行うために設けられたものである。筐体20の内部に設けられており、これにより、遊技者が操作できないようになっているとともに、遊技店の店員などの限られた者のみが操作できるようになっている。
(貸出レート表示手段232)
貸出レート表示手段232は、具体的に図示しないものの、貸出レート設定手段230により設定されている貸出レートを表示するためのものである。3個のLEDランプにより構成されており、それぞれのLEDランプが貸出レートに対応している。
【0031】
具体的には、貸出レート設定スイッチ231の操作により、貸出レート「20円/1枚」が設定されたときには、貸出レート表示手段232は「20」に対応したLEDランプを点灯し、また、貸出レート「10円/1枚」が設定されたときには、貸出レート表示手段232は「10」に対応したLEDランプを点灯し、また、貸出レート「5円/1枚」が設定されたときには、貸出レート表示手段232は「5」に対応したLEDランプを点灯する。
また、本実施の形態では、貸出レート表示手段232としてのLEDランプは、前扉21の背面側に設けられているものの、それぞれのLEDランプの点灯・消灯状態が中パネル23を通して正面から視認可能となっている。そして、遊技者はその表示を見ながら遊技機を選択することができる。
【0032】
但し、視認不可とすることもできる。
(制御装置100)
制御装置100は、スロットマシン10を制御するためのものである。
本実施の形態では、制御装置100は、主として遊技の制御を行うためのメイン制御装置101と、メイン制御装置101からの信号を受信して主として演出の制御を行うためのサブ制御装置102とを備えている。
また、メイン制御装置101は、メイン基板などとも呼ばれるものであって、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。
【0033】
また、サブ制御装置102は、サブ基板などとも呼ばれるものであって、メイン制御装置101と同様に、CPU、RAM、ROM、及びI/Oなどを備えたマイクロコンピュータを用いて構成されている。
また、制御装置100の入力手段としては、
図3に示すように、スタートスイッチ50、ストップスイッチ60、シングルベットスイッチ71、マックスベットスイッチ72、キャンセルスイッチ73、及び、貸出レート設定スイッチ231などが接続されているものの、これ以外の入力手段を設けることもできる。
また、制御装置100の出力手段としては、
図3に示すように、リールユニット30、演出用ランプ81、スピーカ82、液晶ディスプレイ83、ホッパーユニット84、及び貸出レート表示手段232などが接続されているものの、これ以外の出力手段を設けることもできる。
【0034】
また、本実施の形態では、メイン制御装置101は、一般的な遊技である一般遊技状態での遊技と、遊技者にとって一般遊技状態における遊技よりも有利な遊技である特別遊技状態での遊技(いわゆるビッグボーナスゲームやレギュラーボーナスゲーム)とを実行可能に形成されている。また、メイン制御装置101は、一般遊技状態の中でも、特別遊技状態への移行契機である特別役への当選の確率が通常の確率である通常確率状態での遊技と、特別役への当選の確率が通常確率状態に比べて高い高確率状態での遊技とを実行可能に形成されている。
また、
図3に示すように、メイン制御装置101は、遊技状態制御手段110と、役抽選手段120と、変動停止手段140と、入賞判定手段150と、払出制御手段160と、有利状態付与手段170と、上限回数カウンタ180と、数値確認手段190と、確率変動手段200と、初期値設定手段210と、数値減算手段220と、貸出レート設定手段230とを備えている。
【0035】
CPUがROMに記憶された所定のプログラムを実行することにより、メイン制御装置101を構成するマイクロコンピュータが、遊技状態制御手段110、役抽選手段120、変動停止手段140、入賞判定手段150、払出制御手段160、有利状態付与手段170、数値確認手段190、確率変動手段200、初期値設定手段210、数値減算手段220、貸出レート設定手段230などとして機能する。
また、停止テーブル130と上限回数初期値テーブル215は、プログラムなどとともに、ROMに記憶されている。
以下、メイン制御装置101が備える各手段について詳述する。
(遊技状態制御手段110)
遊技状態制御手段110は、有利状態付与手段170によって一般遊技状態から特別遊技状態に移行することが決定されたときに特別遊技状態に移行させると共に、一般遊技中において、確率変動手段200で決定された通常確率状態かあるいは高確率状態かのいずれかの状態に移行させることを行っている。
(一般遊技状態)
一般遊技状態とは、一般的な遊技を行う遊技状態のことである。
【0036】
以下、本実施の形態における一般遊技状態での遊技について説明する。
本実施の形態では、遊技者による1〜3枚のメダルの投入を条件に1回の遊技が可能となる。ここで、メダルの投入とは、遊技を行うためにメダルを賭ける(ベットする)ことを意味する。また、メダルの投入には、投入口85からの現実のメダルの投入と、ベットスイッチ70(シングルベットスイッチ71又はマックスベットスイッチ72)の操作によるクレジットされているメダルの投入とがある。また、クレジットされているメダルが投入されると、投入された枚数分の数値がクレジット数から減算される。
そして、メダルを投入すると、メダルの投入枚数に応じた本数の入賞ライン300が有効になる。具体的には、メダルの投入枚数が1枚のときには、第1入賞ライン301のみが有効になり、また、メダルの投入枚数が2枚のときには、第1から第3までの3本の入賞ライン301〜303が有効になり、また、メダルの投入枚数が3枚のときには、第1から第5までの5本すべての入賞ライン301〜305が有効になる。
【0037】
また、メダルの投入後、スタートスイッチ50を操作すると、役抽選手段120により、役に当選か又はハズレかの抽選(役抽選)が行われる。また、役抽選とほぼ同時に、3個すべての回転リール40の回転が開始する。その後に、3個のストップスイッチ60のうちの1個を操作すると、当該ストップスイッチ60に対応した回転リール40の回転が停止する。そして、3個すべてのストップスイッチ60の操作を終えると、3個すべての回転リール40の回転が停止する。
ここで、役抽選手段120による抽選の結果、いずれかの役に当選すると、いずれかの有効入賞ライン300上に、当選した役に対応する図柄の組合せが揃い得るようになり、そして、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、当選した役に対応する図柄の組合せが揃うと、当選した役に対応する入賞となって、入賞態様に応じた枚数のメダルが払い出される。
【0038】
具体的には、例えば、役抽選手段120による抽選の結果が第1小役当選となると、いずれかの有効入賞ライン300上に、第1小役に対応した「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが揃い得るようになり、そして、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが揃うと、第1小役入賞となって、第1小役に応じた所定枚数(10枚)のメダルが払い出される。他の役についても同様である。
また、メダルの払い出しとは、遊技によりメダルを獲得することを意味する。つまり、払い出されたメダルとは、遊技により獲得したメダルを意味する。また、メダルの払い出しには、クレジットによるメダルの払い出しと、ホッパーユニット84を駆動させることによる払出口86からの現実のメダルの払い出しとがある。また、払い出されたメダルがクレジットされると、クレジットされた枚数分の数値がクレジット数に加算される。本実施の形態では、クレジット数が上限値の「50」に達するまでは、払い出されたメダルはクレジットされ、クレジット数が上限値の「50」に達すると、ホッパーユニット84を駆動させることによる払出口86からの現実のメダルの払い出しが行なわれる。
【0039】
また、メダルの払い出しに代えて、あるいはメダルの払い出しとともに、遊技者に対して所定の利益が付与されることもある。例えば、特別遊技状態への移行である。
また、役抽選手段120による抽選の結果がハズレとなると、いずれの有効入賞ライン300上にも、いずれの役に対応した図柄の組合せも揃えることができなくなる。
また、役抽選手段120による抽選の結果の如何にかかわらず、いずれの有効入賞ライン300上にも、いずれの役に対応した図柄の組合せも揃わないと、入賞なしとなる。
(特別遊技状態)
特別遊技とは、本実施の形態では、遊技者にとって一般遊技状態での遊技よりも有利な遊技をいい、特別遊技状態とは、特別遊技を実行するときの遊技状態のことである。
【0040】
またこの特別遊技状態は、有利状態付与手段が一般遊技中からの移行を決定し、遊技状態制御手段によって移行が実施される。
以下、本実施の形態における特別遊技状態での遊技について説明する。
本実施の形態では、特別遊技として、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)とレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)とを設けている。
一般遊技状態での遊技中に、役抽選手段120による抽選の結果がビッグボーナス当選(BB当選)になると、ビッグボーナスフラグ(BBフラグ)がセットされて、ビッグボーナス内部当選状態(BB内部当選状態)になるとともに、変動停止手段140により、いずれかの有効入賞ライン300上に、ビッグボーナス(BB)に対応する「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが揃い得るように、つまり、ビッグボーナス入賞(BB入賞)を引き当て得るように、各回転リール40の停止制御が行われる。
【0041】
具体的には、一般遊技状態での遊技中に、役抽選手段120による抽選の結果がBB当選になると、変動停止手段140は、BBに対応する停止テーブル130を選択し、この選択した停止テーブル130に基づいて、各回転リール40の停止制御を行う。このとき、いずれかの有効入賞ライン300上に、BBに対応する「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが揃い得るようになるとともに、BB以外の役に対応した図柄の組合せについては、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わなくなる。
そして、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、BBに対応する「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが揃うと、BB入賞となり、BBゲームフラグがセットされて、BBゲームへ移行する。
【0042】
また、BB入賞が引き当てられると、BBフラグがクリアされて、BB内部当選状態は終了する。
一方、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれの有効入賞ライン300上にも、BBに対応する「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが揃わないと、入賞なしとなるものの、BBフラグはクリアされず、BB内部当選状態は継続する。BBフラグは、BB入賞が引き当てられるまで、クリアされずにセットされたままとなる(持ち越される)。つまり、BB内部当選状態は、BB入賞が引き当てられるまで継続する。
また、一般遊技状態において、役抽選手段120による抽選の結果がレギュラーボーナス当選(RB当選)になると、レギュラーボーナスフラグ(RBフラグ)がセットされて、レギュラーボーナス内部当選状態(RB内部当選状態)になるとともに、変動停止手段140により、いずれかの有効入賞ライン300上に、レギュラーボーナス(RB)に対応する「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃い得るように、つまり、レギュラーボーナス入賞(RB入賞)を引き当て得るように、各回転リール40の停止制御が行われる。
【0043】
具体的には、一般遊技状態中に、役抽選手段120による抽選の結果がRB当選になると、変動停止手段140は、RBに対応する停止テーブル130を選択し、この選択した停止テーブル130に基づいて、各回転リール40の停止制御を行う。このとき、いずれかの有効入賞ライン300上に、RBに対応する「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃い得るようになるとともに、RB以外の役に対応した図柄の組合せについては、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わなくなる。
そして、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、RBに対応する「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃うと、RB入賞となり、RBゲームフラグがセットされて、RBゲームへ移行する。
【0044】
また、RB入賞が引き当てられると、RBフラグがクリアされて、RB内部当選状態は終了する。
一方、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれの有効入賞ライン300上にも、RBに対応する「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃わないと、入賞なしとなるものの、RBフラグはクリアされず、RB内部当選状態は継続する。RBフラグは、RB入賞が引き当てられるまで、クリアされずにセットされたままとなる(持ち越される)。つまり、RB内部当選状態は、RB入賞が引き当てられるまで継続する。
なお、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)及びレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)を総称して「ボーナスゲーム」といい、また、ビッグボーナス当選(BB当選)及びレギュラーボーナス当選(RB当選)を総称して「ボーナス当選」といい、また、ビッグボーナスフラグ(BBフラグ)及びレギュラーボーナスフラグ(RBフラグ)を総称して「ボーナスフラグ」といい、また、ビッグボーナス入賞(BB入賞)及びレギュラーボーナス入賞(RB入賞)を総称して「ボーナス入賞」といい、また、ビッグボーナスゲームフラグ(BBゲームフラグ)及びレギュラーボーナスゲームフラグ(RBゲームフラグ)を総称して「ボーナスゲームフラグ」という。
【0045】
また、本実施の形態では、ボーナスゲーム中は、メダルの投入可能枚数が、1回の遊技につき1枚となる。そして、メダルを1枚投入すると、第1入賞ライン301のみが有効になる。
また、本実施の形態では、ボーナスゲーム中も、一般遊技状態での遊技と同様に、メダルの投入を条件に、スタートスイッチ50を操作すると、役抽選手段120により役抽選が行われるとともに、3個すべての回転リール40の回転が開始し、その後、ストップスイッチ60を操作すると、対応する回転リール40の回転が停止し、そして、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、第1入賞ライン301上に、当選した役に対応する図柄の組合せが揃うと、当選した役に対応する入賞となって、入賞態様に応じた枚数のメダルが払い出される遊技が行われる。
【0046】
また、本実施の形態では、ボーナスゲーム中は、以下に示すような制御を行うことにより、ボーナスゲームを、遊技者にとって一般遊技状態での遊技よりも有利な遊技とする。
具体的には、本実施の形態では、第1小役、第2小役及び第3小役の当選確率が、一般遊技状態での遊技よりもボーナスゲーム中の方が高くなる。
また、本実施の形態では、一般遊技状態において、いずれかの有効入賞ライン300上に「ベル−ベル−リプレイ」が揃っても、入賞判定手段150により第4小役に入賞とは判定されないものの、ボーナスゲーム中にいずれかの有効入賞ライン300上に「ベル−ベル−リプレイ」が揃うと、入賞判定手段150により第4小役に入賞と判定されて、第4小役に応じた所定枚数(15枚)のメダルが払い出される。
【0047】
これにより、本実施の形態では、ボーナスゲームを、一般遊技状態での遊技よりも遊技者にとって有利な遊技とするようにしている。そして、ボーナスゲームが終了すると、一般遊技状態へ戻る。
(通常確率状態)
通常確率状態とは、一般遊技状態において、特別役に当選する確率が通常である遊技を行う遊技状態のことである。
本実施の形態では、一般的な遊技を行う一般遊技状態の中の一つの遊技状態のことである。
(高確率状態)
高確率状態とは、一般遊技状態において、通常確率状態に比べて特別役に当選する確率が高い遊技を行う遊技状態のことである。
【0048】
本実施の形態では、一般的な遊技を行う一般遊技状態の中の一つの遊技状態のことである。
また、本実施の形態では、特別遊技終了後、遊技状態が高確率状態に移行すれば、特別遊技終了後から少ない遊技回数で次回特別遊技を実行することが可能になる。
なお通常確率状態と高確率状態とは、確率変動手段によっていずれの状態で遊技を実行するかを決定され、決定された状態への移行が遊技状態制御手段によって実施される。
(役抽選手段120)
役抽選手段120は、役の抽選を行うためのものである。
具体的には、本実施の形態では、「役」として、「ビッグボーナス/BB」「レギュラーボーナス/RB」「第1小役」「第2小役」「第3小役」「第4小役」及び「再遊技/リプレイ」を設けており、スタートスイッチ50の操作を契機に、複数の役のいずれかに当選か又はハズレかの抽選を行う。ここで、「当選」とは、役抽選手段120の抽選で当たることを意味する。
【0049】
また、役抽選手段120は、役抽選用乱数発生手段と、役抽選用乱数抽出手段と、役抽選テーブルと、テーブル選択手段と、役抽選判定手段とを備えている。
また、役抽選用乱数発生手段は、役抽選用の乱数を、所定の範囲内(例えば、10進数で0〜65535)で発生させるためのものである。
また、役抽選用乱数発生手段は、例えば、発振回路と、この発振回路が発生させたクロック信号をカウントするカウンタ回路とによって構成できる(いわゆるハード乱数)。
また、役抽選用乱数発生手段は、例えば、平均採中法で乱数を発生させる手段や、あるいは素数の加算によって乱数を発生させる手段によって構成することもできる。また、これらの手段は、例えば、CPUに所定のプログラムを実行させることによって構成できる(いわゆるソフト乱数)。
【0050】
また、役抽選用乱数抽出手段は、役抽選用乱数発生手段が発生させた乱数を、所定の契機(例えば、スタートスイッチ50の操作)で抽出するためのものである。
なお、役抽選用乱数発生手段は、カウンタ回路などによって構成されるため、役抽選用乱数発生手段が発生させる数値は、厳密には乱数ではない。ただ、スタートスイッチ50が操作されるタイミングは、ランダムであると考えられるため、役抽選用乱数抽出手段が抽出する数値は、実質的には乱数として取り扱うことができる。
また、役抽選テーブルは、役抽選用乱数発生手段が発生させる範囲内の各乱数について、役に当選か又はハズレかをあらかじめ定めたものである。
【0051】
また、本実施の形態では、役抽選テーブルとして、一般遊技状態で用いられる一般遊技役抽選テーブルと、特別遊技状態で用いられる特別遊技役抽選テーブルとを備えている。
また、一般遊技役抽選テーブルには、BB当選、RB当選、第1小役当選、第2小役当選、第3小役当選、リプレイ当選、及びハズレの領域が、役抽選用乱数発生手段が発生させる乱数の範囲内において、それぞれ所定の割合で定められている。また、一般遊技役抽選テーブルには、第4小役当選の領域は定められていない。このため、一般遊技状態では、役抽選手段120による抽選で第4小役に当選することはない。
また、一般遊技役抽選テーブルの中には、通常確率状態で用いられる通常確率役抽選テーブルと、高確率状態で用いられる高確率役抽選テーブルとがある。そして、通常確率役抽選テーブル及び高確率役抽選テーブルには、既に一般遊技役抽選テーブルで述べたように、BB当選、RB当選、第1小役当選、第2小役当選、第3小役当選、リプレイ当選、及びハズレの領域が、役抽選用乱数発生手段が発生させる乱数の範囲内において、それぞれ所定の割合で定められている。ただし、高確率役抽選テーブルは、通常確率役抽選テーブルに比べてBB当選とRB当選の領域の双方又は一方が大きく定められ、ハズレの領域が小さく定められている。つまり、高確率状態では、通常確率状態に比べてBB当選やRB当選の当選確率の双方又は一方が高く定められている。
【0052】
また、特別遊技役抽選テーブルには、第1小役当選、第2小役当選、第3小役当選、第4小役当選、リプレイ当選、及びハズレの領域が、役抽選用乱数発生手段が発生させる乱数の範囲内において、それぞれ所定の割合で定められている。このため、特別遊技状態では、役抽選手段120による抽選で第4小役に当選し得る。また、特別遊技役抽選テーブルには、BB当選及びRB当選の領域は定められていない。このため、特別遊技状態では、役抽選手段120による抽選でBB及びRBに当選することはない。また、第1小役当選、第2小役当選、及び第3小役当選については、一般遊技役抽選テーブルよりも特別遊技役抽選テーブルの方が領域の割合が大きい。このため、第1小役当選、第2小役当選、及び第3小役当選の当選確率が、一般遊技状態よりも特別遊技状態の方が高くなる。
【0053】
また、テーブル選択手段は、複数の役抽選テーブルの中から1の役抽選テーブルを選択するためのものである。
テーブル選択手段は、一般遊技状態では、一般遊技役抽選テーブルを選択し、特別遊技状態では、特別遊技役抽選テーブルを選択する。さらに、一般遊技役抽選テーブルの中でも、通常確率状態では通常確率役抽選テーブルを選択し、高確率状態では高確率役抽選テーブルを選択する。
また、役抽選判定手段は、役抽選用乱数抽出手段が抽出した乱数と、テーブル選択手段が選択した役抽選テーブルとを照合して、役に当選か又はハズレかの判定を行うためのものである。
【0054】
本実施の形態では、役抽選判定手段は、役抽選用乱数抽出手段が抽出した乱数と、テーブル選択手段が選択した役抽選テーブルとを照合して、一般遊技状態であれば、BB当選か、RB当選か、第1小役当選か、第2小役当選か、第3小役当選か、リプレイ当選か、又はハズレかの判定を行い、また、特別遊技状態であれば、第1小役当選か、第2小役当選か、第3小役当選か、第4小役当選か、リプレイ当選か、又はハズレかの判定を行う。
なお、本実施の形態では、役抽選手段120は、ビッグボーナスフラグやレギュラーボーナスフラグが持ち越されているときにも、つまり、ビッグボーナス内部当選状態中やレギュラーボーナス内部当選状態中にも、一般遊技役抽選テーブルを用いて役抽選を行う。
(停止テーブル130)
停止テーブル130は、各回転リール40の停止位置を決定するためのものであって、各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置、入賞判定手段の判定結果及びその時の遊技状態に応じて、各回転リール40の滑りコマ数をあらかじめ定めたものである。
【0055】
また、「滑りコマ数」とは、ストップスイッチ60の操作から、対応する回転リール40の回転停止までにおける、その回転リール40の回転角度を、図柄何コマに相当するかで表したものをいう。
具体的には、滑りコマ数「0」とは、ストップスイッチ60の操作から、対応する回転リール40の回転停止までにおける、その回転リール40の回転角度を、図柄「0コマ」相当とすることを意味し、また、滑りコマ数「1」とは、ストップスイッチ60の操作から、対応する回転リール40の回転停止までにおける、その回転リール40の回転角度を、図柄「1コマ」相当とすることを意味する。滑りコマ数「2」以上についても同様である。
【0056】
また、本実施の形態では、複数ある各役に対応して、複数種類の停止テーブル130が備えられている。
また、本実施の形態では、各停止テーブル130は、各回転リール40の滑りコマ数を、「0」以上「4」以下の範囲内で定めている。
また、いずれかの役に対応した停止テーブル130は、その役に対応した図柄の組合せが、いずれかの有効入賞ライン300上に揃い得るように、かつ、その役以外の役に対応した図柄の組合せについては、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わないように、各回転リール40の滑りコマ数を定めている。
【0057】
例えば、BBに対応した停止テーブル130は、BBに対応した「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが、いずれかの有効入賞ライン300上に揃い得るように、かつ、BB以外の役に対応した図柄の組合せが、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わないように、各回転リール40の滑りコマ数を定めている。
これにより、BBに対応した停止テーブル130が停止制御に用いられると、BBに対応した「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが、いずれかの有効入賞ライン300上に、揃うこともあれば、揃わないこともあり、また、BB以外の役に対応した図柄の組合せは、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わない。
【0058】
また、第4小役に対応した停止テーブル130は、第4小役に対応した「ベル−ベル−リプレイ」の図柄の組合せが、いずれかの有効入賞ライン300上に揃い得るように、かつ、第4小役以外の役に対応した図柄の組合せが、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わないように、各回転リール40の滑りコマ数を定めている。
これにより、第4小役に対応した停止テーブル130が停止制御に用いられると、第4小役に対応した「ベル−ベル−リプレイ」の図柄の組合せが、いずれかの有効入賞ライン300上に、揃うこともあれば、揃わないこともあり、また、第4小役以外の役に対応した図柄の組合せは、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わない。
【0059】
このように、BBに対応した停止テーブル130は、BB入賞を引き当て得るようにするとともに、BB入賞以外の入賞を引き当て得ないようにしており、また、第4小役に対応した停止テーブル130は、第4小役入賞を引き当て得るようにするとともに、第4小役以外の入賞を引き当て得ないようにしている。他の役に対応した各停止テーブル130についても同様である。
また、「入賞なし」に対応した停止テーブル130は、いずれの有効入賞ライン300上にも、いずれの役に対応した図柄の組合せも揃わないように、各回転リール40の滑りコマ数を定めている。
(変動停止手段140)
変動停止手段140は、各回転リール40の停止制御を行うためのものである。
【0060】
また、変動停止手段140は、取得した停止テーブル130と、各ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置とに基づいて、各回転リール40の停止制御を行う。
以下、各回転リール40の停止制御について説明する。
まず、変動停止手段140は、役抽選手段120の抽選結果に基づいて、複数の停止テーブル130の中から一の停止テーブル130を選択する。
具体的には、例えば、役抽選手段120の抽選結果がBB当選となったときには、変動停止手段140は、複数の停止テーブル130の中から、BBに対応した停止テーブル130を選択する。これにより、役抽選手段120の抽選結果がBB当選となったときには、BBに対応した「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが、いずれかの有効入賞ライン300上に揃い得るようになるとともに、BB以外の役に対応した図柄の組合せが、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わなくなる。
【0061】
また、例えば、役抽選手段120の抽選結果が第4小役当選となったときには、変動停止手段140は、複数の停止テーブル130の中から、第4小役に対応した停止テーブル130を選択する。これにより、役抽選手段120の抽選結果が第4小役当選となったときには、第4小役に対応した「ベル−ベル−リプレイ」の図柄の組合せが、いずれかの有効入賞ライン300上に揃い得るようになるとともに、第4小役以外の役に対応した図柄の組合せが、いずれの有効入賞ライン300上にも揃わなくなる。
次に、変動停止手段140は、選択した一の停止テーブル130と、ストップスイッチ60が操作されたときの対応する回転リール40の回転位置とに基づいて、その回転リール40の滑りコマ数を停止テーブル130から取得する。
【0062】
そして、変動停止手段140は、ストップスイッチ60の操作から、決定した滑りコマ数に相当する回転角度まで、対応する回転リール40を回転させ、そこで、その回転リール40の回転を停止させる。
具体的には、例えば、左リール41の図柄番号「10」の図柄が第1入賞ライン301上に位置しているときに、左側のストップスイッチ60が操作されたとする。
ここで、滑りコマ数が「0」の場合、変動停止手段140は、左側のストップスイッチ60の操作後ただちに、左リール41の回転を停止させる。これにより、第1入賞ライン301上に、図柄番号「10」の図柄が位置した状態で、左リール41の回転が停止する。
【0063】
また、滑りコマ数が「1」の場合、変動停止手段140は、左側のストップスイッチ60の操作から、図柄「1コマ」に相当する角度だけ、左リール41を回転させ、そこで、左リール41の回転を停止させる。このとき、図柄番号「10」の図柄は、左側のストップスイッチ60の操作後に、左リール41の回転方向に図柄1コマ分滑るように移動して見える。これにより、第1入賞ライン301上に、図柄番号「11」の図柄が位置した状態で、左リール41の回転が停止する。
また、滑りコマ数が「2」の場合、変動停止手段140は、左側のストップスイッチ60の操作から、図柄「2コマ」に相当する角度だけ、左リール41を回転させ、そこで、左リール41の回転を停止させる。このとき、図柄番号「10」の図柄は、左側のストップスイッチ60の操作後に、左リール41の回転方向に図柄2コマ分滑るように移動して見える。これにより、第1入賞ライン301上に、図柄番号「12」の図柄が位置した状態で、左リール41の回転が停止する。
【0064】
なお、上述したような回転リール40の停止制御は、停止テーブル130を用いた制御であることから、「テーブル制御」などと呼ばれる。
(入賞判定手段150)
入賞判定手段150とは、回転リール40が停止したときに表示された図柄の組合せに基づいて役に入賞か、又は、入賞なしかの判定を行うためのものである。
本実施の形態では、「入賞」とは、いずれかの有効入賞ライン300上に所定の図柄の組合せが揃い、役が成立することを意味する。また、「入賞」として、ビッグボーナスに対応する「ビッグボーナス入賞/BB入賞」、レギュラーボーナスに対応する「レギュラーボーナス入賞/RB入賞」、第1小役に対応する「第1小役入賞」、第2小役に対応する「第2小役入賞」、第3小役に対応する「第3小役入賞」、第4小役に対応する「第4小役入賞」、及び再遊技に対応する「再遊技入賞/リプレイ入賞」を設けている。
【0065】
また、本実施の形態では、「図柄の組合せ」として、ビッグボーナスに対応する「赤7−赤7−赤7」、レギュラーボーナスに対応する「BAR−BAR−BAR」、第1小役に対応する「ベル−ベル−ベル」、第2小役に対応する「オレンジ−オレンジ−オレンジ」、第3小役に対応する「チェリー−ANY−ANY」、第4小役に対応する「ベル−ベル−リプレイ」、及び再遊技に対応する「リプレイ−リプレイ−リプレイ」を設けている。なお、「ANY」とは、いずれの図柄でもよいことを意味する。
また、一般遊技状態での遊技において、いずれかの有効入賞ライン300上に「ベル−ベル−リプレイ」が揃っても、入賞判定手段150により第4小役入賞とは判定されないものの、特別遊技状態での遊技において、いずれかの有効入賞ライン300上に「ベル−ベル−リプレイ」が揃うと、入賞判定手段150により第4小役入賞と判定されて、第4小役に応じた枚数(15枚)のメダルが払い出される。また、「ベル−ベル−リプレイ」の図柄の組合せは、一般遊技状態では、いわゆる「ハズレ目」となる。
【0066】
具体的には、本実施の形態では、入賞判定手段150は、一般遊技状態での遊技中に、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せが揃うと、BB入賞と判定する。
また、本実施の形態では、入賞判定手段150は、一般遊技状態での遊技中に、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃うと、RB入賞と判定する。
また、本実施の形態では、入賞判定手段150は、一般遊技状態及び特別遊技状態のいずれにおいても、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、「ベル−ベル−ベル」の図柄の組合せが揃うと、第1小役入賞と判定する。
【0067】
また、本実施の形態では、入賞判定手段150は、一般遊技状態及び特別遊技状態のいずれにおいても、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、「オレンジ−オレンジ−オレンジ」の図柄の組合せが揃うと、第2小役入賞と判定する。
また、本実施の形態では、入賞判定手段150は、一般遊技状態及び特別遊技状態のいずれにおいても、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、「チェリー−ANY−ANY」の図柄の組合せが揃うと、第3小役入賞と判定する。なお、「ANY」とは、いずれの図柄でもよいことを意味する。
【0068】
また、上述したように、本実施の形態では、「ベル−ベル−リプレイ」の図柄の組合せは、一般遊技状態では、いわゆる「ハズレ目」となるものの、ボーナスゲーム中には、第4小役に対応する、いわゆる「入賞図柄」となる。
そして、本実施の形態では、入賞判定手段150は、一般遊技状態では、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、「ベル−ベル−リプレイ」の図柄の組合せが揃っても、第4小役入賞とは判定しないものの、特別遊技状態において、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、「ベル−ベル−リプレイ」の図柄の組合せが揃うと、第4小役入賞と判定する。
【0069】
また、本実施の形態では、入賞判定手段150は、一般遊技状態及び特別遊技状態のいずれにおいても、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、「リプレイ−リプレイ−リプレイ」の図柄の組合せが揃うと、再遊技(リプレイ)入賞と判定する。
また、本実施の形態では、入賞判定手段150は、一般遊技状態及び特別遊技状態のいずれにおいても、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれの有効入賞ライン300上にも、いずれの役に対応する図柄の組合せも揃わないと、「入賞なし」と判定する。
(払出制御手段160)
払出制御手段160は、入賞判定手段150により役に入賞と判定されたときに、入賞した役に応じた数の遊技媒体を払い出すためのものである。
【0070】
具体的には、本実施の形態では、払出制御手段160は、一般遊技状態での遊技中及びボーナスゲーム中のいずれにおいても、入賞判定手段150により第1小役入賞と判定されると、10枚のメダルを払い出す。
また、本実施の形態では、払出制御手段160は、一般遊技状態での遊技中及びボーナスゲーム中のいずれにおいても、入賞判定手段150により第2小役入賞と判定されると、10枚のメダルを払い出す。
また、本実施の形態では、払出制御手段160は、一般遊技状態での遊技中及びボーナスゲーム中のいずれにおいても、入賞判定手段150により第3小役入賞と判定されると、4枚のメダルを払い出す。
【0071】
また、本実施の形態では、払出制御手段160は、ボーナスゲーム中に、入賞判定手段150により第4小役入賞と判定されると、15枚のメダルを払い出す。
また、上述したように、本実施の形態では、メダルの払い出しには、クレジットによるメダルの払い出しと、ホッパーユニット84を駆動させることによる払出口86からの現実のメダルの払い出しとがある。また、払い出されたメダルがクレジットされると、クレジットされた枚数分の数値がクレジット数に加算される。また、本実施の形態では、クレジット数が上限値の「50」に達するまでは、払い出されたメダルはクレジットされ、クレジット数が上限値の「50」に達すると、上限値を超えた分について、ホッパーユニット84を駆動させることによる払出口86からの現実のメダルの払い出しが行なわれる。
【0072】
なお、本実施の形態では、一般遊技状態での遊技中に、入賞判定手段150によりBB入賞と判定されたときには、払出制御手段160によるメダルの払い出しは行われないものの、メダルの払い出しに代えて、BBゲームへの移行という利益が遊技者に対して付与される。
また、本実施の形態では、一般遊技状態での遊技中に、入賞判定手段150によりRB入賞と判定されたときには、払出制御手段160によるメダルの払い出しは行われないものの、メダルの払い出しに代えて、RBゲームへの移行という利益が遊技者に対して付与される。
【0073】
また、本実施の形態では、一般遊技状態での遊技中及びボーナスゲーム中のいずれにおいても、入賞判定手段150により再遊技(Replay)入賞と判定されたときには、払出制御手段160によるメダルの払い出しは行なわれないものの、メダルの払い出しに代えて、前回の遊技と同じ枚数のメダルを投入したという条件で再度遊技を行うことができる、という利益が遊技者に対して付与される。
(有利状態付与手段170)
有利状態付与手段170は、入賞判定手段150で特別役が入賞したと判定されると特別遊技状態の遊技を実行すると決定するものである。そして、遊技状態制御手段110が遊技状態を特別遊技状態に移行する。
【0074】
具体的には、本実施の形態では、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選し、3個すべての回転リール40の回転が停止したときに、いずれかの有効入賞ライン300上に、ビッグボーナスに対応する「赤7−赤7−赤7」の図柄の組合せ、もしくは、レギュラーボーナスに対応する「BAR−BAR−BAR」の図柄の組合せが揃うと、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナス入賞となる。そして、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスが入賞したと判定されることを条件に、ビッグボーナスゲームまたはレギュラーボーナスゲームを実行すると決定される。
(上限回数カウンタ180)
上限回数カウンタ180は、通常確率状態から特別遊技状態へ移行した後、次回通常確率状態へ移行するまでの間に、高確率状態での遊技と特別遊技状態での遊技とを交互に連続で実行できる回数、すなわち、高確率状態での遊技とボーナスゲームとのセットの遊技(以降、確変セット遊技と呼ぶ)を連続で実行できる回数を「0」以上の正数として数値化して記憶するためのものである。
【0075】
具体的には、本実施の形態では、上限回数カウンタ180に記憶されている数値が「0」である場合には特別遊技状態が終了した後に高確率状態での遊技を実行せず通常確率状態に戻るものの、上限回数カウンタ180に記憶されている数値が「1」以上の時には、数値に対応した回数分だけ確変セット遊技を連続で実行できることとなっている。
但し、高確率状態での遊技については、遊技回数を無制限として、次の特別役の当選まで継続することとできるし、遊技回数を定めることもできる。
遊技回数を定めた場合には、定めた遊技回数に到達するまでに次の特別役に当選しなければ、上限回数カウンタの値をクリアすることとできる。
【0076】
この上限回数カウンタ180への数値の書き込みは、ボーナスに当選し、かつボーナス当選前の一般遊技状態が通常確率状態であったときに初期値設定手段210によって行われる。この上限回数カウンタ180の数値の減算は、ボーナスに当選し、かつ上限回数カウンタ180の数値が1以上の場合に、数値減算手段220によって行われる。
(数値確認手段190)
数値確認手段190は、ボーナス当選時の上限回数カウンタ180の数値が所定数以上であるか否かを判定するためのものである。数値が所定数以上であると判定されると、遊技状態制御手段110により、ボーナス終了後に高確率状態へ遊技状態を設定できる。数値が所定数以上でない、すなわち「0」であると判定されると、遊技状態制御手段110により、ボーナス終了後に通常確率状態へ遊技状態を設定する。
【0077】
またここで、本実施の形態では、後述の確変設定処理における負担の軽減のため、後述の数値減算手段220による数値の減算が数値確認手段190の一部として行われる。
具体的には、本実施の形態では、ボーナス当選時に、数値確認手段190により、上限回数カウンタ180の値が「0」であるか、「1」以上であるか、すなわち「通常確率状態での遊技におけるボーナス当選」であるものの、後述する上限回数カウンタ180の初期値を「0」にセットされた場合及び前回のボーナス当選時に行われた数値減算手段220による「1」減算の結果、今回のボーナス当選時に行われた数値確認手段190による確変セット遊技の残りセット数が「0」である時のように上限回数カウンタ180の値が「0」の状態か、「確変セット遊技の残りセット数が1」以上であるかの確認が行われる。
【0078】
このような確認は、確率変動手段200によって、ボーナス終了後の一般遊技状態を高確率状態に設定するか、あるいは通常確率状態に設定するかを判断するために行われるものである。
そして、上限回数カウンタ180の値が「0」の時は、特別遊技状態が終了した後の一般遊技状態を通常確率状態とするものの、上限回数カウンタ180の値が「1」以上の時は、特別遊技状態が終了した後の一般遊技状態を高確率状態とする。
(確率変動手段200)
確率変動手段200は、数値確認手段190によるボーナス当選時の上限回数カウンタ180の数値が所定数以上であるか否かを数値確認手段190が判定したことを受けて、特別遊技状態を終了した後の一般遊技状態を高確率状態もしくは通常確率状態のいずれの遊技状態とするかを決定するためのものである。
【0079】
具体的には、本実施の形態では、数値確認手段190により、上限回数カウンタ180の値が「0」であると判断された場合、特別遊技状態を終了した後の一般遊技状態を通常確率状態とする旨が決定される。一方、上限回数カウンタ180の値が「1」以上であると判断された場合、特別遊技状態を終了した後の一般遊技状態を高確率状態とする旨が決定される。
すなわち、数値確認手段190により、上限回数カウンタ180の値が「0」である、すなわち上限回数の初期値を「0」にセットされた場合及び「確変セット遊技の残りセット数が0」であると判断された場合、そのボーナス当選に対応する特別遊技状態での遊技が終了した後の遊技として通常確率状態での遊技を実行する旨が決定される。また、上限回数カウンタ180の値が「1」以上である、すなわち「確変セット遊技の残りセット数が1」以上であると判断された場合、そのボーナス当選に対応する特別遊技状態での遊技が終了した後の遊技として高確率状態での遊技を実行する旨が決定される。
【0080】
このような数値確認手段190の決定に伴って、特別遊技状態での遊技が終了した後の遊技は、確率変動手段200によって高確率状態もしくは通常確率状態のうち決定された方の状態で実行されることとなる。
(初期値設定手段210)
初期値設定手段210は、通常確率状態における特別役の当選時に、上限回数カウンタ180に所定の初期値を設定するためのものである。
具体的には、本実施の形態では、「通常確率状態におけるボーナス当選」であると判断されたことを条件に、初期値設定手段210により、上限回数カウンタ180に初期値の設定が行われる。
【0081】
ここで、数値確認手段190により、上限回数カウンタ180の数値が「1」以上であると判断された場合、換言すると、高確率状態での遊技においてボーナス当選した場合には、改めて上限回数カウンタ180に初期値の設定が行われることはない。つまり、通常確率状態での遊技におけるボーナス当選の場合のみ、初期値設定手段210による上限回数初期値の設定が行われるような構成になっている。
なお、上限回数カウンタ180が「1」の状態でボーナス当選した場合、数値減算手段220によって減算され、数値が「0」になると共に、確率変動手段200によって特別遊技終了後の一般遊技状態が高確率状態に決定される。この高確率状態でボーナスに当選すると、上限回数カウンタ180の数値は「0」であるものの、ボーナス当選時が高確率状態であったため、初期値設定手段210による初期値設定は行われない。
【0082】
またここで、本実施の形態では、初期値設定手段210により設定される初期値は、後述の上限回数初期値テーブル215に基づいて予め定められている。
(上限回数初期値テーブル215)
上限回数初期値テーブル215は、メダルの貸出レートと確変セット遊技を連続して実行できる上限回数の初期値との対応関係を予め定めたものである。上限回数初期値は、貸し出すメダルの貸出価格が高い方が小さくなるように定められている。
具体的には、本実施の形態では、貸出レート「20円/1枚」に対応して、確変セット遊技を連続して実行できる上限回数の初期値を「0」と定め、また、貸出レート「10円/1枚」に対応して、確変セット遊技を連続して実行できる上限回数の初期値を「1」と定め、また、貸出レート「5円/1枚」に対応して、確変セット遊技を連続して実行できる上限回数の初期値を「3」と定めている。
【0083】
勿論、対応関係の数値は適宜変更することができる。
(数値減算手段220)
数値減算手段220は、上限回数カウンタ180が「1」以上であり、かつボーナス当選することを条件に、上限回数カウンタ180から数値を「1」減算するものである。
なお、本実施の形態では、後述の確変設定処理における負担の軽減のため、数値減算手段220による数値の減算が数値確認手段190の一部として行われる。
具体的には、通常確率状態での遊技においては上限回数カウンタ180の数値は「0」となっている。この時、ボーナス当選した場合、初期値設定手段210により所定の初期値が設定されるものの、数値減算手段220により、上限回数カウンタ180の数値を「1」減算した状態で、確率変動手段200により特別遊技終了後の遊技として高確率状態の遊技が行われることが決定される。
【0084】
また、上限回数カウンタ180の数値が「0」の場合には、この数値減算手段220による減算処理が行われない。
(貸出レート設定手段230)
貸出レート設定手段230は、予め定められた複数のメダル貸出レートの中から貸出レート設定スイッチ231によっていずれかの貸出レートを設定する。
ここで、本実施の形態では、上述の上限回数初期値テーブル215にメダルの貸出レートと確変セット遊技を連続で実行できる上限回数との対応関係が予め定められている。
具体的には、本実施の形態では、メダルの貸出レートとして、「20円/1枚」「10円/1枚」「5円/1枚」の3つが定められており、貸出レート設定スイッチ231として、3段階の切替スイッチが用いられている。例えば、スイッチの1段目が貸出レート「20円/1枚」に、スイッチの2段目が貸出レート「10円/1枚」に、スイッチの3段目が貸出レート「5円/1枚」に、それぞれ対応している。
【0085】
勿論、対応関係の数値は適宜変更することができる。
(スロットマシン10の動作)
以下、フローチャートに基づいて、本実施の形態に係るスロットマシン10の動作の概略を説明する。
まず、
図5に示すフローチャートに基づいて、遊技処理について説明する。
遊技機の電源がONになると、ステップ101に進む。
ステップ101において、後述する貸出レート設定処理を行う。そして、ステップ102に進む。
【0086】
ステップ102において、出玉率(各役の当選確率)の設定変更の予備操作が行われたか否かの判断が行われる。ここで、出玉率の設定変更とは、前述した一般遊技状態における通常確率状態と高確率状態との変更とは異なり、全体を6段階にわけ、入賞役に当選しやすい設定6と入賞役に当選し難い設定1との間で、適宜設定段階を選択して行う操作である。また、予備操作とは、電源をONにする前に鍵を用いて行う操作のことであり、この操作を行ったか否かにより、電源をONにした後に設定変更を行うか否かが決定される。
ここで、設定変更の予備操作が行われたと判断されると、ステップ103に進む。一方、設定変更の予備操作が行われていないと判断されると、ステップ104に進む。なお、ここまでの処理は遊技店の店員など、限られた者のみが行う処理である。
【0087】
ステップ103において、出玉率の設定変更が行われると、ステップ104に進む。
ステップ104において、1回の遊技を行うために必要な遊技媒体を所定枚数投入したか否かの判断が行われる。ここで、所定枚数投入したと判断されると、ステップ105に進む。一方、所定枚数投入していないと判断されると、再度ステップ104の処理を繰り返す。
ステップ105において、制御装置100により、スタートスイッチ50が操作されたか否かの判断が行われる。ここで、スタートスイッチ50が操作されたと判断されると、ステップ106に進む。一方、スタートスイッチ50が操作されていないと判断されると、再度ステップ105の処理を繰り返す。
【0088】
ステップ106において、役抽選手段120により、役の抽選が行われ、ステップ107に進む。
ステップ107において、後述する確変設定処理が行われ、ステップ108に進む。
ステップ108において、制御装置100により、リールユニット30が駆動されて、各回転リール40の回転が開始し、ステップ109に進む。
ステップ109において、制御装置100により、ストップスイッチ60が操作されたか否かの判断が行われる。ここで、ストップスイッチ60が操作されたと判断されると、ステップ110に進む。一方、ストップスイッチ60が操作されていないと判断されると、再度ステップ109の処理を繰り返す。
【0089】
ステップ110において、変動停止手段140により、回転リール40の停止制御が行われ、ステップ111に進む。
ステップ111において、全ての回転リール40が停止したか否かの判断が行われる。ここで、全ての回転リール40が停止したと判断されると、ステップ112に進む。一方、全ての回転リール40が停止していないと判断されるとステップ109に戻る。
ステップ112において、入賞判定手段150により、いずれかの役が入賞しているか否かの判断が行われ、ステップ113に進む。
ステップ113において、払出制御手段160により、入賞した役に応じた枚数のメダルの払い出しが行われ、ステップ114に進む。
【0090】
ステップ114において、遊技状態制御手段110により、遊技状態が特別遊技状態、通常確率状態、高確率状態のいずれかに設定され、1回の遊技が終了しステップ104に戻る。
次に、
図6に示すフローチャートに基づいて、貸出レート設定処理について説明する。
ステップ201において、貸出レート設定スイッチ231によりメダルの貸出レートを変更するか否かが判断される。ここで、変更すると判断されると、ステップ202に進む。一方、変更しないと判断されると、貸出レート設定処理を終了する。なお、工場出荷時などにはメダルの貸出レート「20円/1枚」「10円/1枚」「5円/1枚」の3つの中からいずれかに定められている。
【0091】
ステップ202において、貸出レート設定手段230により、選択された貸出レートの設定が行われ、貸出レート設定処理を終了する。
それから、
図7に示すフローチャートに基づいて、確変設定処理について説明する。
ステップ301において、ボーナスに当選したか否かの判断が行われる。ここで、当選したと判断されるとステップ302に進む。一方、当選していないと判断されると、原則として確変設定処理は終了する。
ステップ302において、上限回数カウンタ180の値が「0」であるか否かが判断される。値が「0」であることは通常確率状態での遊技におけるボーナス当選であること、又は確変セット遊技の残り実行回数が「0」であることを意味し、値が「0」でないことは確変セット遊技の残り実行回数が「1以上」であることを意味する。「0」でない場合にはステップ306に進む。「0」の場合にはステップ303に進む。なおここで、上限回数カウンタ180の値が「0」より大きいか否か、即ちステップ305と同様の判断を行うようにしても良い。この場合には、ステップ302の「YES」と「NO」とが逆になる。
【0092】
ステップ303において、ボーナス当選前は高確率状態であったか否かが判断される。ボーナス当選前が高確率状態であることは確変セット遊技の残り実行回数が「0」であることを意味し、高確率状態でないことは通常確率状態での遊技におけるボーナス当選であることを意味する。高確率状態であったと判断された場合には、ステップ308に進み、確率変動手段200により、ボーナスが終了した後の一般遊技状態として通常確率状態の設定が行われ、確変設定処理が終了する。また、高確率状態でないと判断された場合には、ステップ304に進む。
ここで、高確率状態であったと判断された場合には、ボーナス終了後の一般遊技状態において通常確率状態の設定が行われるとして説明したが、この実施例では、高確率遊技状態時の上限回数カウンタ180の値の積み増しがないようにしたためである。
【0093】
ステップ304において、初期値設定手段210により、上限回数初期値が設定され、ステップ305に進む。
ステップ305において、上限回数カウンタ180の値が「0」より大きいか否かが判断される。大きくない、即ち「0」であると判断されると、前記したステップ308に進み、確率変動手段200により、ボーナス終了後の一般遊技状態において通常確率状態の設定が行われ、確変設定処理が終了する。また、「0」より大きい、即ち「1以上」であると判断されると、ステップ306に進む。なおここで、上限回数カウンタ180の値が「0」であるか否か、即ちステップ302と同様の判断を行うようにしても良い。この場合には、ステップ305の「YES」と「NO」とが逆になる。
【0094】
ステップ306において、数値減算手段220により、上限回数カウンタ180の数値が「1」減算され、ステップ307に進む。
ステップ307において、確率変動手段200により、ボーナスが終了した後の一般遊技状態として高確率状態の設定が行われ、確変設定処理が終了する。
ステップ303でYESと判断された場合、またはステップ305でNOと判断された場合に移行するステップ308において、確率変動手段200により、ボーナスが終了した後の一般遊技状態として通常確率状態の設定が行われ、確変設定処理が終了する。
なお、
図7では、ステップ301の判断でNOと判断された場合に、「原則として確変設定処理は終了する。」として説明した。
【0095】
例外として、ステップ309がある。このステップ309は、特定条件を満たした場合に、初期値設定手段210により、上限回数初期値が設定されるステップ304に進むこととなっている。
またここで、特定条件としては、例えば、所定のライン上に特定の図柄の組合せが表示されたこと、所定ゲーム数に亘ってボーナスに当選しなかったこと、投入したメダルの数から払い出したメダルの数を引いた値が所定の数になったこと、入賞判定手段150以外の抽選に当選したこと、等が考えられる。
所定のライン上に特定の図柄の組合せが表示されたこと、入賞判定手段150以外の抽選に当選したこと、については、賞としてステップ304に進ませることが考えられる。
【0096】
また、所定ゲーム数に亘ってボーナスに当選しなかったこと、投入したメダルの数から払い出したメダルの数を引いた値が所定の数になったこと、については、遊技者救済の意味からステップ304に進ませることが考えられる。
そして、
図8に示すフローチャートに基づいて、状態移行処理について説明する。
ステップ401において、入賞判定手段150により、ボーナスに入賞したか否かの判断が行われる。ここで、ボーナスに入賞したと判断されると、ステップ402に進む。一方、ボーナスに入賞していないと判断されると、ステップ403に進む。
ステップ402において、遊技状態制御手段110により、遊技状態を特別遊技状態に設定され、原則として状態移行処理が終了する。
【0097】
ステップ403において、ボーナスゲームが終了したか否かの判断が行われる。ここで、終了したと判断されると、ステップ404に進む。一方、終了していないと判断されると、原則として状態移行処理は終了する。
ステップ404において、確率変動手段200により、遊技状態が高確率状態に移行するように設定されているか否かの判断が行われる。ここで、高確率状態へ移行するように設定されていると判断されると、ステップ405に進む。一方、高確率状態へ移行しない、すなわち通常確率状態へ移行するように設定されていると判断されると、ステップ406に進む。
ステップ405において、遊技状態制御手段110により、遊技状態を高確率状態に設定され、状態移行処理は終了する。
【0098】
ステップ406において、遊技状態制御手段110により、遊技状態を通常確率状態に設定され、状態移行処理は終了する。
なお、例外として、ステップ402の後、及びステップ403でNOと判断された場合には、いずれもステップ407の特定条件を満たしたことによる高確率状態の設定があるか否かが判断される。これは
図7のステップ309で特定条件を満たしたことにより上限回数カウンタ180に数値が書き込まれた場合に対応する処理である。
このステップ407でYESと判断されると、前記したステップ405に進み、遊技状態制御手段110により、遊技状態を高確率状態に設定され、状態移行処理は終了する。また、NOと判断されると、このまま状態移行処理は終了する。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態によれば、確変セット遊技を連続で実行できる上限回数をメダルの貸出レートに応じて変更できる。このため、例えば、「10円/1枚」や「5円/1枚」など、「20円/1枚」よりも低い貸出レートでメダルの貸し出しが行われたときには、ボーナスゲーム移行後、次回通常確率状態へ移行するまでの間に発生する確変セット遊技の回数を、「1回」や「3回」など、「20円/1枚」のときの「0回」よりも多い回数に設定できるため、「10円/1枚」や「5円/1枚」など、「20円/1枚」よりも低い貸出レートでメダルの貸し出しが行われたとしても、特別遊技状態としてのボーナスゲームに移行すると、ボーナスゲーム終了後に高確率状態での遊技に移行させ、ボーナスゲームを繰り返すことによって、獲得できるメダルの枚数が多くなり、遊技の終了後にメダルを景品に交換するときに、「20円/1枚」の貸出レートで貸し出された場合に比べて、交換される景品が見劣りしないようにすることができ、ひいては遊技者に対して物足りないという印象を与えないようにすることができる。
これに加え、本実施の形態では、特定条件を満たした場合を除くと、上限回数カウンタ180に所定の数値を設定する契機となる所定条件を、通常確率状態における特別役への当選とした。これにより、例えば、特別遊技状態における遊技の終了後に高確率状態と通常確率状態のいずれの遊技状態で遊技を実行できるかを、特別遊技状態における遊技中の演出によって報知することができるようになり、ひいては遊技者の興趣を高めることができる。
(変形例)
上記実施の形態にはいくつかの変形例が存在する。以下では、これらの変形例について簡単に説明する。
【0099】
上記実施の形態では、予め定められた初期値として、貸出レート「20円/1枚」に対応して初期値を「0」と定め、貸出レート「10円/1枚」に対応して初期値を「1」と定め、貸出レート「5円/1枚」に対応して初期値を「3」と定めた上限回数初期値テーブル215を用いた。しかし、これに限られるものではなく、
図9に示す上限回数初期値テーブル215のように、貸出レート「20円/1枚」に対応して初期値を「1」とし、貸出レート「10円/1枚」に対応して初期値を「2」とし、貸出レート「5円/1枚」に対応して初期値を「4」とするなど、適宣定めることができる。さらに、
図10に示す上限回数初期値テーブル215のように、貸出レート「20円/1枚」に対応して初期値を「1〜2」の範囲内と定め、貸出レート「10円/1枚」に対応して初期値を「2〜4」の範囲内と定め、貸出レート「5円/1枚」に対応して初期値を「4〜8」の範囲内と定め、初期値設定手段210により初期値を設定する毎に抽選する構成としてもよい。
【0100】
また、上記実施の形態では、初期値を設定するために上限回数初期値設定テーブル215を用いたが、これに限らず、貸出レートと初期値との対応関係を予め定めた対応関係データを用いて設定することもできる。具体例を
図11の貸出レート設定処理のフローチャートを用いて説明する。ステップ501において、貸出レート設定スイッチ231により、予め定められたメダルの貸出レート「20円/1枚」「10円/1枚」「5円/1枚」の3つの中のいずれかへの設定が実行されたか否かの判断が行われる。ここで、実行されたと判断されると、ステップ502に進む。一方、実行されていないと判断されると、貸出レート設定処理を終了する。ステップ502において、設定された貸出レートが「20円/1枚」であるか否かの判断が行われる。ここで、「20円/1枚」であると判断されると、ステップ503に進む。一方、「20円/1枚」でないと判断されると、ステップ504に進む。ステップ503において、初期値を「0」に設定し、貸出レート設定処理を終了する。ステップ504において、設定された貸出レートが「10円/1枚」であるか否かの判断が行われる。ここで、「10円/1枚」であると判断されると、ステップ505に進む。一方、「10円/1枚」でないと判断されると、ステップ506に進む。ステップ505において、初期値を「1」に設定し、貸出レート設定処理を終了する。ステップ506において、初期値を「3」に設定し、貸出レート設定処理が終了する。
(第2の実施の形態)
図12〜
図13に基づいて、本発明の第2の実施の形態に係る遊技機について説明する。
【0101】
第2の実施の形態は、第1の実施の形態に加えて、貸出レート判定手段240を備え、貸出レート判定手段240の判定結果に基づいて、上限回数カウンタ180に上限回数初期値を設定するか否かが決定されることにしたものである。また、それ以外の点については、第2の実施の形態は第1の実施の形態と同様である。
以下、第1の実施の形態とは異なる点を中心に、第2の実施の形態に係る遊技機について説明する。
(貸出レート判定手段240)
貸出レート判定手段240は、貸出レート設定手段230によって設定されたメダルの貸出レートの値が設定可能なすべての貸出レートのうちで所定の貸出レートの値であるか否かを判定するためのものである。
【0102】
そして、貸出レート判定手段240の判定結果が所定の貸出レートの値であると判定された場合、上限回数カウンタ180に貸出レートに基づいた初期値が設定される。一方、貸出レート判定手段240の判定結果が所定の貸出レートの値でないと判定された場合、上限回数カウンタ180に初期値の設定は行われない。
具体的には、本実施の形態では、「20円/1枚」「10円/1枚」「5円/1枚」の3つの貸出レートが設定可能になっている。そして、遊技店の店員など限られた人物が、貸出レート設定スイッチ231により上述の3つの中からいずれかの貸出レートを設定する。そして遊技が開始され、ボーナスに当選したことを条件に、貸出レート判定手段240によって貸出レートの値が所定の貸出レートの値であるか否かが判定される。
【0103】
ここで、本実施の形態では、例えば、所定の貸出レートの値として「10円/1枚」「5円/1枚」が定められている。そして、貸出レートとして「10円/1枚」もしくは「5円/1枚」が設定されていた場合、貸出レート判定手段240によって所定の貸出レートの値であると判定され、貸出レートに基づいた初期値が上限回数カウンタ180に設定される。これにより、上限回数カウンタ180に設定された数値の回数だけ確変セット遊技を連続で実行できる。一方、貸出レートとして「20円/1枚」が設定されていた場合、貸出レート判定手段240によって所定の貸出レートの値でないと判定され、初期値の設定が行われない。すなわち、確変セット遊技を実行できない。
(スロットマシン10の動作)
図13に示すフローチャートに基づいて、確変設定処理について説明する。
【0104】
ステップ601において、入賞判定手段150により、ビッグボーナスまたはレギュラーボーナスに当選したか否かの判断が行われる。ここで、当選していると判断されるとステップ602に進む。一方、当選していないと判断されると原則として確変設定処理は終了する。
ステップ602において、貸出レート判定手段240により、設定されている貸出レートが「5円/1枚」もしくは「10円/1枚」であるか否かの判断が行われる。ここで、「5円/1枚」もしくは「10円/1枚」であると判断されると、ステップ603に進む。一方、「5円/1枚」もしくは「10円/1枚」ではないと判断されると、ステップ608に進む。「5円/1枚」もしくは「10円/1枚」ではない場合、つまり「20円/1枚」である場合には高確率状態の設定が行われないことを意味している。
【0105】
ステップ603において、上限回数カウンタ180の値が「0」であるか否かが判断される。「0」でない場合にはステップ606に進む。「0」の場合にはステップ604に進む。なおここで、上限回数カウンタ180の値が「0」より大きいか否か、即ちステップ305と同様の判断を行うようにしても良い。この場合には、ステップ603の「YES」と「NO」とが逆になる。
ステップ604において、ボーナス当選前は高確率状態であったか否かが判断される。高確率状態であったと判断された場合には、ステップ608に進み、確率変動手段200により、ボーナスが終了した後の一般遊技状態として通常確率状態の設定が行われ、確変設定処理が終了する。また、高確率状態でないと判断された場合には、ステップ605に進む。
【0106】
ここで、高確率状態であったと判断された場合には、ボーナスが終了した後の一般遊技状態として通常確率状態の設定が行われると説明したが、この実施例では、高確率遊技状態時の上限回数カウンタ180の値の積み増しがないようにしたためである。
ステップ605において、初期値設定手段210により、上限回数初期値が設定され、ステップ606に進む。
ステップ606において、数値減算手段220により、上限回数カウンタ180の数値が「1」減算され、ステップ607に進む。
ステップ607において、確率変動手段200により、ボーナスが終了した後の一般遊技状態として高確率状態の設定が行われ、確率抽選処理が終了する。
【0107】
ステップ602でNOと判断された場合、またはステップ604でYESと判断された場合に移行するステップ608において、確率変動手段200により、通常確率状態の設定が行われ、確変設定処理が終了する。
なお、
図13では、ステップ601の判断でNOと判断された場合に、「原則として確変設定処理は終了する。」として説明した。
例外として、ステップ609がある。このステップ609は、特定条件を満たした場合に、初期値設定手段210により、上限回数初期値が設定されるステップ605に進むこととなっている。
【0108】
またここで、特定条件としては、例えば、所定のライン上に特定の図柄の組合せが表示されたこと、所定ゲーム数に亘ってボーナスに当選しなかったこと、投入したメダルの数から払い出したメダルの数を引いた値が所定の数になったこと、入賞判定手段150以外の抽選に当選したこと、等が考えられる。
所定のライン上に特定の図柄の組合せが表示されたこと、入賞判定手段150以外の抽選に当選したこと、については、賞としてステップ605に進ませることが考えられる。
また、所定ゲーム数に亘ってボーナスに当選しなかったこと、投入したメダルの数から払い出したメダルの数を引いた値が所定の数になったこと、については、遊技者救済の意味からステップ304に進ませることが考えられる。
(作用・効果)
以上説明したように、本実施の形態によれば、第1の実施の形態と同様に、確変セット遊技を連続で実行できる上限回数をメダルの貸出レートに応じて変更できる。このため、例えば、「10円/1枚」や「5円/1枚」など、「20円/1枚」よりも低い貸出レートでメダルの貸し出しが行われたときには、ボーナスゲーム移行後、次回通常確率状態へ移行するまでの間に発生する確変セット遊技の回数を、「1回」や「3回」など、「20円/1枚」のときの「0回」よりも多い回数に設定できるため、「10円/1枚」や「5円/1枚」など、「20円/1枚」よりも低い貸出レートでメダルの貸し出しが行われたとしても、特別遊技状態としてのボーナスゲームに移行すると、ボーナスゲーム終了後に高確率状態での遊技に移行させ、ボーナスゲームを繰り返すことによって、獲得できるメダルの枚数が多くなり、遊技の終了後にメダルを景品に交換するときに、「20円/1枚」の貸出レートで貸し出された場合に比べて、交換される景品が見劣りしないようにすることができ、ひいては遊技者に対して物足りないという印象を与えないようにすることができる。
(変形例)
上記実施の形態にはいくつかの変形例が存在する。以下では、これらの変形例について簡単に説明する。
【0109】
上記実施の形態では、通常確率状態での遊技におけるボーナス当選時を所定条件として説明したが、これに限られるものではなく、ボーナス遊技の終了時など、様々な状況を所定条件に設定できる。
また、上記実施の形態では、確変設定処理により、上限回数カウンタ180の数値が「0」になるまで高確率状態の設定が確実に行われる構成としたが、これに限らず、上限回数カウンタ180の数値が「1」以上のとき、確変終了抽選手段を設け、遊技状態を高確率状態に設定するか、通常確率状態に設定するかを抽選するようにしてもよい。具体的には、例えば、初期値設定手段210により上限回数初期値の設定が行われた後、確変終了抽選手段により高確率状態での遊技を実行するか通常確率状態での遊技を実行するかの抽選を行う。そして、高確率状態での遊技を実行することが決定されると、高確率状態の設定が行われる。一方、通常確率状態での遊技を実行することが決定されると、上限回数カウンタ180の数値が「0」にリセットされ、通常確率状態の設定が行われる。
【0110】
また、上記実施の形態では、高確率状態での遊技とその後に実行される特別遊技状態での遊技とを一つのセットの遊技(確変セット遊技)とし、高確率状態は次回特別遊技状態に移行するまで続く構成としたが、これに限らず、高確率状態での遊技回数に制限を設け、制限遊技回数内に特別役に当選しなかった場合には高確率状態での遊技を終了するようにしてもよい。具体的には、例えば、高確率状態での遊技の制限遊技回数を100ゲームとし、高確率状態での遊技が開始した後、100ゲーム以内に特別役に当選した場合は遊技状態を特別遊技状態に設定し、上限回数カウンタ180の数値が「1」以上であれば、特別遊技状態での遊技終了後に再度100ゲームを制限とした高確率状態での遊技が開始される。一方、100ゲーム以内に特別役に当選しなかった場合は上限回数カウンタ180の数値が「0」にリセットされ、通常確率状態の設定が行われる。
【0111】
また、上記実施の形態では、特別遊技として、ビッグボーナスゲーム(BBゲーム)とレギュラーボーナスゲーム(RBゲーム)を例に説明したが、これに限らず、一般遊技状態での遊技に比べて遊技者にとって有利である他の遊技でもよい。例えば、ストップスイッチ60の停止操作順番や当選図柄等を報知することによって入賞役を成立させるためのアシストをする、いわゆるアシストタイム遊技(AT遊技)や、リプレイ当選の確率が一般遊技状態での遊技よりも高く設定された、いわゆるリプレイタイム遊技(RT遊技)や、AT遊技とRT遊技とを組み合わせた、いわゆるアシストリプレイタイム遊技(ART遊技)でもよい。
【0112】
また、上記実施の形態では、連続で実行できるボーナスゲームの回数の対象として、ビッグボーナスゲームとレギュラーボーナスゲームとを区別することなく説明したが、これに限らず、ボーナスゲームの種類によって区別してもよい。すなわち、例えば、ビッグボーナスに当選したときのみ上限回数カウンタ180から数値を「1」減算するようにしてもよい。また、レギュラーボーナスへの当選は2回の当選をもって「1」減算するようにしてもよい。
また、上記実施の形態では、貸出レートとして、「20円/1枚」「10円/1枚」「5円/1枚」の3つを用いて説明したが、これに限らず、例えば、「2円/1枚」などのように様々な貸出レートを定めてもよい。
【0113】
また、上記実施の形態では、貸出レート設定手段230として、貸出レート設定スイッチ231を用いたが、これに限らず、0〜9までの数値をそれぞれ入力可能なテンキーを用いてもよい。例えば、貸出レートが「20円/1枚」のときには「2」「0」「Enter」と入力することで、貸出レートを設定することができる。
また、上記実施の形態では、上限回数カウンタ180の数値、つまり、確変セット遊技を連続で実行できる残り実行回数を表示していないが、これに限らず、残り実行回数を遊技者が視認できるように遊技機正面などに表示してもよい。更には、いずれの遊技状態で遊技中であるかを遊技者が視認できるように、実行中の遊技状態を遊技機正面などに表示してもよい。
【0114】
また、上記実施の形態では、高確率状態での遊技における各小役の当選確率について、通常確率状態との違いを定めなかったが、これに限らず、各小役の当選確率を通常確率状態に比べて変更してもよい。例えば、高確率状態をリプレイタイム遊技(RT遊技)としてもよい。また、高確率状態をアシストタイム遊技(AT遊技)や、アシストリプレイタイム遊技(ART遊技)などの通常確率状態に比べて遊技者にとって有利である他の遊技状態としてもよい。ただし、この場合、高確率状態よりも特別遊技状態のほうが遊技者にとって有利な遊技状態となる。
また、上記実施の形態では、高確率状態は、次回ボーナスに当選するまで継続するような構成としたが、これに限らず、ある特定の条件を満たした場合、例えば、いわゆるパンク役に当選又は入賞することで通常確率状態へ移行するようにしてもよい。
【0115】
更に、以上の実施の形態では、高確率状態での遊技時の上限回数カウンタ180の値の積み増しがないようにしたが、ボーナス当選前が高確率遊技であった場合には抽選で、上限回数の取得が可能であるようにすることもできる。
また、上限回数カウンタ180からの減算は、高確率状態への移行時等、他のタイミングで行うこともできる。
また、上記実施の形態では、遊技機として、スロットマシンを例に説明したが、これに限らず、本発明はパチンコ機の仕様に合わせて適宣設定するようにしてもよい。