特許第6174922号(P6174922)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6174922カードホルダーを吊り下げるためのリバーシブルネックストラップ及びリバーシブルネックストラップ付きカードホルダー
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6174922
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】カードホルダーを吊り下げるためのリバーシブルネックストラップ及びリバーシブルネックストラップ付きカードホルダー
(51)【国際特許分類】
   G09F 1/10 20060101AFI20170724BHJP
   G09F 3/18 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   G09F1/10 U
   G09F3/18 Z
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2013-131804(P2013-131804)
(22)【出願日】2013年6月24日
(65)【公開番号】特開2015-4941(P2015-4941A)
(43)【公開日】2015年1月8日
【審査請求日】2016年4月1日
(73)【特許権者】
【識別番号】592240149
【氏名又は名称】オープン工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000475
【氏名又は名称】特許業務法人みのり特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】小笠原 康夫
【審査官】 藤井 達也
(56)【参考文献】
【文献】 登録実用新案第3131829(JP,U)
【文献】 米国特許第06848207(US,B1)
【文献】 登録実用新案第3184032(JP,U)
【文献】 特開2009−058878(JP,A)
【文献】 米国特許第06427292(US,B1)
【文献】 特開2008−200408(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G09F 1/00− 7/22
A44B 11/00−11/28
A45C 1/00−15/08
A45F 3/00− 3/04
A45F 3/12
B42D 1/00−25/485
B42F 1/00−23/00
G02B 23/00−23/22
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
カードホルダーを使用者の首から吊り下げるためのネックストラップであって、
前記ネックストラップは、
一方面と他方面とを有する帯状本体と、
前記カードホルダーと前記ネックストラップとを連結するための2個の連結手段と、を備え、
前記連結手段は、
前記帯状本体の両端に取り付けられると共に、前記カードホルダーの上部の両側に取り付けられるように構成され、
前記帯状本体に取り付けられる第1部材と、
前記カードホルダーに取り付けられる第2部材と、
前記第1部材及び前記第2部材を互いに回転可能にするための回転手段と、
前記帯状本体の一方面が前記カードホルダーの正面に向く第1位置と、前記帯状本体の他方面が前記カードホルダーの正面に向く第2位置とで、前記第1部材を前記第2部材に位置保持するための位置保持手段と、を備えている
ことを特徴とするカードホルダーを吊り下げるためのリバーシブルネックストラップ。
【請求項2】
前記連結手段は、さらに、
前記第1部材を前記第2部材に対して半周のみ回転可能なように、前記回転手段を規制するための回転規制手段を備える
ことを特徴とする請求項1に記載のリバーシブルネックストラップ。
【請求項3】
前記回転手段は、
前記第1部材又は前記第2部材の一方に設けられた回転軸と、
前記第1部材又は前記第2部材の他方に設けられ、前記回転軸を回転可能に支持するための軸受部と、を備え、
前記回転規制手段は、
前記第1部材又は前記第2部材の一方に設けられ、前記回転軸の軸方向に対して直角方向に突出する係止部と、
前記第1部材又は前記第2部材の他方に設けられ、前記係止部を半周のみ回転可能にするための半周空間と、
前記第1部材又は前記第2部材の他方に設けられ、前記第1位置と前記第2位置とで前記係止部を当接する当接部と、を備える
ことを特徴とする請求項2に記載のリバーシブルネックストラップ。
【請求項4】
前記位置保持手段は、
前記第1部材又は前記第2部材の一方に設けられた凸部と、
前記第1部材又は前記第2部材の他方に設けられた凹部と、を備え、
前記凸部と前記凹部とは、前記第1位置と前記第2位置とで噛み合うように構成されている
ことを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載リバーシブルネックストラップ。
【請求項5】
カードホルダーと請求項1〜4のいずれかに記載のリバーシブルネックストラップとからなることを特徴とするカードホルダー付きリバーシブルネックストラップ。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、名刺、社員証、ICカードなどが収納されたカードホルダーを、職場やイベント会場などを入退する使用者の首から吊り下げるためのリバーシブルネックストラップ、及びリバーシブルネックストラップ付きカードホルダー関する。
【背景技術】
【0002】
周知の通り、職場やイベント会場などでは、名刺、社員証、ICカードなどが収納されたカードホルダーが入退出者の首に吊り下げられて、入退出者の自己を表示すると共に、セキュリティーを高める。そして、カードホルダーを使用者の首から吊り下げるために、ネックストラップが用いられ、このネックストラップは、カードホルダーに連結するための連結手段を備える。
【0003】
カードホルダーは、透明な合成樹脂で形成されており、カードを出し入れできるように構成されている。ネックストラップは、連結手段を介してカードホルダーに取り付けられ、入退出者の首に吊り下げられる。
【0004】
従来のネックストラップ付きカードホルダーでは、例えば特許文献1の通り、カードホルダーは、その上部の中央に1個の孔部を備えており、この孔部に1個の連結手段が取り付けられている。すなわち、従来のネックストラップ付きカードホルダーでは、カードホルダーは、その上部の中央の1点で、ネックストラップが取り付けられている。
【0005】
そのため、入退出者が、従来のネックストラップ付きカードホルダーを首に吊り下げて歩いていると、カードホルダーが、1個の連結手段を中心にして回転することがある。その結果、カードホルダーが回転して裏返ると、その都度、入退出者は、カードホルダーを戻さなければならなかった。
【0006】
そこで、カードホルダーの上部の両端側に、所定間隔を置いて2個の孔部を設け、これら2個の孔部にそれぞれ連結手段を設けて、これら2個の連結手段にネックストラップを取り付けたネックストラップ付きカードホルダーが考えられる。このネックストラップ付きカードホルダーでは、カードホルダーは、上部の両端側の2点で、ネックストラップが取り付けられている。
【0007】
このネックストラップ付きカードホルダーでは、ネックストラップの両端が、所定間隔を置いた2点で、カードホルダーに連結されているので、このネックストラップ付きカードホルダーを使用者の首に吊り下げて歩いていても、カードホルダーを回転しないようになっている。
【0008】
ところで、従来のネックストラップ付きカードホルダーでは、ネックストラップの連結手段は、単にカードホルダーを連結する機能しか有さない。そのため、ネックストラップの本体が、紐状ではなく帯状で、ネックストラップの両面に異なる模様や色彩を施している場合でも、ネックストラップを簡単に反転できず、使用者は、いちいちネックストラップとカードホルダーとを分離して反転しなければならず、手間ひまが非常にかかる。その結果、ネックストラップの両面に、それぞれ独立の商品価値を持たせることが難しかった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2011−215232号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
そこで、本発明が解決しようとする課題は、カードホルダーの回転を防止する機能を有すると共に、ネックストラップをリバーシブルにできる、カードホルダーを吊り下げるためのリバーシブルネックストラップ、及びリバーシブルネックストラップ付きカードホルダーを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記課題を解決するために、本発明に係るカードホルダーを吊り下げるためのリバーシブルネックストラップは、
カードホルダーを使用者の首から吊り下げるためのネックストラップであって、
ネックストラップは、
一方面と他方面とを有する帯状の本体と、
カードホルダーとネックストラップとを連結するための2個の連結手段と、を備え、
連結手段は、
帯状本体の両端に取り付けられると共に、カードホルダーの上部の両側に取り付けられるように構成され、
帯状本体に取り付けられる第1部材と、
カードホルダーに取り付けられる第2部材と、
第1部材及び第2部材を互いに回転可能にするための回転手段と、
帯状本体の一方面がカードホルダーの正面に向く第1位置と、帯状本体の他方面がカードホルダーの正面に向く第2位置とで、第1部材を第2部材に位置保持するための位置保持手段と、を備えている。
【0012】
好ましくは、
連結手段は、さらに、
第1部材を第2部材に対して半周のみ回転可能なように、回転手段を規制するための回転規制手段を備える。
【0013】
好ましくは、
回転手段は、
第1部材又は第2部材の一方に設けられた回転軸と、
第1部材又は第2部材の他方に設けられ、回転軸を回転可能に支持するための軸受部と、を備え、
回転規制手段は、
第1部材又は第2部材の一方に設けられ、回転軸の軸方向に対して直角方向に突出する係止部と、
第1部材又は第2部材の他方に設けられ、係止部を半周のみ回転可能にするための半周空間と、
第1部材又は第2部材の他方に設けられ、第1位置と第2位置とで係止部を当接する当接部と、を備える。
【0014】
好ましくは、
位置保持手段は、
第1部材又は第2部材の一方に設けられた凸部と、
第1部材又は第2部材の他方に設けられた凹部と、を備え、
凸部と凹部とは、第1位置と第2位置とで噛み合うように構成されている。
【0015】
また、本発明に係るカードホルダー付きリバーシブルネックストラップは、カードホルダーと上記リバーシブルネックストラップとからなる。
【発明の効果】
【0016】
本発明に係るカードホルダーを吊り下げるためのリバーシブルネックストラップでは、帯状本体が、2個の連結手段を介して、カードホルダーの上部の両側の2点で、所定間隔を置いて連結されるので、カードホルダーを使用者の首に吊り下げて歩いていても、カードホルダーが回転しないようになっている。
【0017】
さらに、本発明に係るリバーシブルネックストラップでは、本体が帯状になっており、連結手段の第1部材と第2部材とを回転可能にするための回転手段が備えられる。さらに、リバーシブルネックストラップは、帯状本体の一方面が正面側に向く第1位置と、帯状本体の他方面が正面側に向く第2位置とで、第1部材と第2部材とを位置保持するための位置保持手段を備える。
【0018】
本発明に係るリバーシブルネックストラップは、上記の通り構成されているので、帯状本体を簡単に反転して、その位置を保持できる。その結果、帯状本体の両面に異なる模様や色彩を施すことで、帯状本体の両面に、それぞれ独立の商品価値を持たせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0019】
図1】リバーシブルネックストラップ付きカードホルダーを示す正面図。
図2】第1部材が第2部材に対して回転しているときの連結手段を示す斜視図。
図3】開いた状態の第1部材を示し、(A)は正面図、(B)は底面図。
図4】第2部材を示し、(A)は正面図、(B)は側面図。
図5】回転規制手段を説明するための断面図。
【発明を実施するための形態】
【0020】
以下、図面に基づいて、本発明に係るカードホルダーを吊り下げるためのリバーシブルネックストラップ及びカードホルダー付きリバーシブルネックストラップについて説明する。
【0021】
図1の通り、カードホルダー1は、社員証、名刺、ICカード等のカードを収納する。カードホルダー1を吊り下げるためのリバーシブルネックストラップ(以下、単に「ネックストラップ」という)2は、カードホルダー1を使用者の首から吊り下げるための帯状の本体4と、カードホルダー1とネックストラップ2とを連結するための2個の連結手段3,3と、を備える。
【0022】
カードホルダー1は、カードを収納できるように矩形状に構成されている。カードホルダー1は、透明な合成樹脂で形成されており、カードホルダー1の正面1aを使用者の反対側(外側)に向けることで、第三者が収納されたカードを外側から認識できるようになっている。
【0023】
カードホルダー1は、その上部の両側に形成された2個の孔部10,10を備えている。孔部10,10は、所定間隔を置いて配置される。ネックストラップ2は、帯状本体4の両端に設けられた2個の連結手段3,3を備える。2個の連結手段3,3は、カードホルダー1の孔部10,10に取り付けられる。
【0024】
ネックストラップ2は、2個の連結手段3,3を介して、カードホルダー1の上部の両側の2点(2個の孔部10,10)で、所定間隔を置いて連結されている。これによって、ネックストラップ2を連結したカードホルダー1を使用者の首に吊り下げて歩いていても、カードホルダー1が回転しないようになっている。そのため、常時、カードホルダー1の正面1aが使用者の反対側(外側)に向いており、第三者は収納されたカードを認識できるようになっている。
【0025】
帯状本体4は、一方面4aと他方面4bとを有する布製の部材で構成されている。帯状本体4は、一方面4aと他方面4bとにそれぞれ異なる模様や色彩が施されている。
【0026】
図2の通り、連結手段3は、帯状本体4に取り付けられる第1部材30と、カードホルダー1に取り付けられる第2部材31と、からなる。第1部材30と第2部材31とは、互いに回転可能に構成されている。その結果、図1では、帯状本体4の一方面4aがカードホルダーの正面1aに向いているが、各連結手段3の第1部材30を第2部材31に対して反転することで、帯状本体4の他方面4bを簡単にカードホルダー1の正面1aに向けることができる。これにより、帯状本体4をリバーシブルにできる。
【0027】
図3の通り、第1部材30は、開閉可能に連結された一対の本体部305,305を備える。本体部305,305を閉じて帯状本体4を挟むことで、第1部材30に帯状本体4を取り付けることができる。これにより、帯状本体4は第1部材30に固定される。
【0028】
また、図4の通り、第2部材31は、フック部304を備える。フック部304をカードホルダー1の孔部10に挿通して引っ掛けることで、カードホルダー1とネックストラップ2とを連結できる。
【0029】
連結手段3は、第1部材30及び第2部材31を互いに回転可能にするための回転手段33を備える。回転手段33は、第2部材31に設けられた回転軸300を備える(図4)。回転軸300の軸方向は、ネックストラップ2の長さ方向と一致する。さらに、回転手段33は、第1部材30に設けられ、回転軸300を回転可能に支持するための軸受部301,301を備える(図3)。第1部材30の本体部305,305を閉じて、第2部材31の回転軸300を第1部材30の軸受部301に挟むことで、組み合わされた第1部材30と第2部材31とが互いに回転可能になる。
【0030】
連結手段3は、帯状本体4の一方面4aがカードホルダー1の正面1aに向く第1位置と、帯状本体4の他方面4bがカードホルダー1の正面1aに向く第2位置とで、第1部材30を第2部材31に位置保持するための位置保持手段35を備える。すなわち、第1位置と第2位置とは180度回転(反転)した位置になる。
【0031】
位置保持手段35は、第1部材30に設けられた凸部307,307と(図3)、第2部材31に設けられた凹部308,308と(図4)を備える。第1部材30と第2部材31とが組み合わさると、凸部307,307と凹部308,308とが対向する。そして、第1部材30と第2部材31とを反転する(帯状本体4を第1位置と第2位置とに切り替える)たびに、凸部307,307と凹部308,308とが互いに噛み合って、第1部材30を第2部材31に位置保持する。
【0032】
連結手段3は、第1部材30を第2部材31に対して半周のみ回転可能(半回転のみ可能)なように、回転手段33を規制するための回転規制手段34を備える。回転規制手段34は、第2部材31に設けられた係止部302を備える。係止部302は、回転軸300の軸方向に対して直角方向に突出する(図4)。なお、係止部302と反対側に延設された突起部309は、係止部302より短く構成され、第1部材30と第2部材31とを組み合わせた際に、第1部材3の本体部305に引っ掛かり、第2部材31が第1部材30から分離しないように用いられる。
【0033】
さらに、図5の通り、回転規制手段34は、第1部材30に設けられた半周空間303を備える。半周空間303は、回転軸300が軸受部301に支持されるときに、係止部302が半周(180度)のみ回転可能な空間となっている。そして、回転規制手段34は、第1部材30に設けられた当接部306,306を備える(図5)。第1部材30と第2部材31とを反転(半回転)する(帯状本体4を第1位置と第2位置とに切り替える)たびに、係止部302が当接部306,306に当接して、回転手段33の回転が規制される。
【0034】
なお、上記実施形態では、回転規制手段34によって、第1部材30が第2部材31に対して半周のみ回転可能になっている。そのため、使用者がネックストラップ2を首から吊り下げたまま反転しても、帯状本体4は捻じれることがなく、利便性に優れた構成になっている。ただし、回転規制手段34を備えていない場合、即ち、回転手段33が360度回転(全回転)可能であっても、ネックストラップ2を使用者の首から外すことで、帯状本体4を捻じれることなく反転でき、ネックストラップ2をリバーシブルにできる。
【0035】
上記実施形態では、回転軸300は第2部材31に設けられ、軸受部301は第1部材30に設けられているが、第1部材30に回転軸300が設けられ、第2部材31に軸受部301が設けられていても良い。また、上記実施形態では、凸部307は第1部材30に設けられ、凹部308は第2部材31に設けられているが、第1部材30に凹部308が設けられ、第2部材31に凸部307が設けられていても良い。
【符号の説明】
【0036】
1 カードホルダー
1a カードホルダーの正面
2 ネックストラップ
3 連結手段
30 第1部材
31 第2部材
33 回転手段
300 回転軸
301 軸受部
34 回転規制手段
302 係止部
303 半周空間
306 当接部
35 位置保持手段
307 凸部
308 凹部
4 帯状本体
4a 帯状本体の一方面
4b 帯状本体の他方面
図1
図2
図3
図4
図5