【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第2項適用 (1−1)展示日 平成25年3月5日 (1−2)展示会名等 ライティング・フェア2013(第11回国際照明総合展) 東京国際展示場「東京ビッグサイト」西1・2ホール (1−3)公開者 コイズミ照明株式会社 (2−1)展示日 平成25年6月12日 (2−2)展示会名等 2013 新製品総合展示会 広島産業会館 西展示館 第2展示場 (2−3)公開者 コイズミ照明株式会社 (3−1)発行日 平成25年8月1日 (3−2)刊行物 Cledy Lighting PRO LED Products vol.6 2013−2014 店舗・施設照明総合カタログ, 第78頁,第243頁,第245頁乃至第250頁 (3−3)公開者 コイズミ照明株式会社
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、面状の出光面を有する照明器具において、光源からの光を導入する入射部付近の輝度ムラを抑えることである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
すなわち、本願に開示する照明器具は、
光源部と、
平坦な板状であり、第1面側と、前記第1面に対向する第2面側の両面側に向けて出光する導光部とを、備える照明器具であって、
前記導光部は、前記光源部からの光を導入する入射部と、前記入射部から導入される光を出射する出光領域と、前記入射部と前記出光領域との間に配置される透明領域と、を備え、
前記出光領域には、前記入射部から導入される光のうち、
一部の光を透過させ、一部の光を反射させる光調整部が設けられ、
前記光調整部が一部の光を透過させることにより、前記照明器具の消灯状態において、前記第1面側と前記第2面側のいずれからでも、前記導光部の反対側が透けて見えるように構成した。
【0009】
本願に開示する照明器具は、上記構成を基本として、以下のような態様をとることが出来る。
【0010】
本願に開示する照明器具は、前記光源部と前記入射部とを覆うカバー部を備え、
前記カバー部の端面は、前記第1面側において、前記光源部と前記出光領域との間の前記透明領域に重なる位置に配置されることが好ましい。
【0011】
本願に開示される照明器具は、第1面側において、カバー部の端面から、出光領域の端面までの距離を10mm以上とすることが好ましい。
【0012】
本願に開示する照明器具のカバー部は、枠体であり、
透明領域は、カバー部の内縁部に沿って配置され、
出光領域は、透明領域に包囲されて配置されていることが好ましい。
【0013】
本願に開示する照明器具の導光部は、1対の長辺と1対の短辺を有する長方形であり、入射部は1対の長辺に配置され、
光源部は、入射部に沿って配置される半導体発光素子を有することが好ましい。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、面状の出光面を有する照明器具において、光源からの光を導入する入射部付近の導光部の出射光の輝度ムラを抑えることができる。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の実施形態に係る照明器具11について、
図1から
図6を用いて説明する。
本実施形態に係る照明器具11は、半導体発光素子としてのLED53の光を導光部60に導入し、導光部60の第1面61及び第2面62を出光面として出光させる照明器具である。
照明器具11は、例えば、天井等の取付面に設置されるシーリングライトとして使用される。
以下では、
図4に示すように、照明器具11を天井Cに取り付けた場合における上下方向を照明器具11の上下として説明する。
【0017】
図1、
図2に示すように、照明器具11は、主に器具本体21及び取付部71を有している。器具本体21は、照明器具11の主たる部分である。取付部71は、照明器具11を天井C等に取り付けるための部分である。
【0018】
器具本体21は、カバー部31、光源部51、及び導光部60、を有している。
【0019】
本実施形態のカバー部31は、枠体であり、平面形状は長方形である。
以下の説明では、カバー部31の平面方向における長方形の中心側をカバー部31の内側とし、中心側から見て長方形の外側をカバー部31の外側とする。カバー部31は、一対の長辺と、一対の短辺を有している。カバー部31の一対の長辺は、対向する位置に配置される、第1長辺部321及び第2長辺部322で構成される。カバー部31の一対の短辺は、対向する位置に配置される、第1短辺部331及び第2短辺部332で構成される。
光源部51は、第1長辺部321及び第2長辺部322に設けられ、第1短辺部331及び第2短辺部332には光源部51は設けられないが、カバー部31の断面形状は同様の構造である。このため、カバー部31の構成について、
図4、
図5を用いて説明する。
【0020】
カバー部31は、カバー主体34、挟持部35、及び上部カバー36を有する。カバー主体34は、カバー部31の基体となる部分である。カバー主体34は、第1長辺部321、第2長辺部322、第1短辺部331、及び第2短辺部332のそれぞれの長手方向に沿って設けられている。カバー主体34は、立壁部37、上壁部38、下壁部39、及び遮光部41を有する。
【0021】
立壁部37は、上下方向に沿って立設される板状の部分である。上壁部38は、立壁部37の上部からカバー部31の内側に向けて延設される板状の部分である。下壁部39は、立壁部37の下部からカバー部31の外側に向けて延設される板状の部分である。下壁部39の外側の端部には、側壁部40が上方に向けて立設される。遮光部41は、立壁部37の下部からカバー部31の内側に向けて延設される板状の部分である。
【0022】
第1長辺部321及び第2長辺部322を構成するカバー主体34の内側方向の表面に、光源部51は取り付けられる。光源部51が取り付けられる表面は、立壁部37の内側面である。立壁部37における光源部51が取り付けられる部分は、光源取付部43となる。光源取付部43は、光源部51で発生した熱を伝えて外部に放出する放熱部でもある。このため、光源部51が取り付けられる立壁部37の内側面は、光源部51との接触面積が広くなるよう平坦に形成されている。
【0023】
挟持部35は、導光部60をカバー部31に固定する部材である。挟持部35は、カバー主体34の遮光部41との間で導光部60を挟持する。
【0024】
上部カバー36は、カバー主体34の上面側、換言すれば器具本体21の上側を覆う部材である。上部カバー36は、カバー主体34の立壁部37の上部と、下壁部39の側壁部40との間に配置される。
【0025】
カバー部31を構成するカバー主体34、挟持部35、及び上部カバー36の主要部は、耐久性と、光源部51が発する熱を放熱させるための熱伝導性とを考慮し、アルミニウム等の金属素材を用いて形成されている。尚、カバー部31は、耐久性及び放熱性が確保できれば、アルミニウム等の金属材料に限らず、樹脂などの他の材料、もしくはそれら材料の組み合わせで形成することもできる。
【0026】
光源部51は、例えば複数のLED53を有し、導光部60の入射部67に対して光を出射するものである。光源部51は、例えば複数のLED光源モジュールを有している。各LED光源モジュールは、例えば平板状の基板52上に複数のLED53が等間隔に実装されている。本実施形態では、光源部51は、第1長辺部321及び第2長辺部322に設けられる。このため、光源部51は、第1長辺部321及び第2長辺部322の光源取付部43に配置される。
【0027】
光源部51は、光源取付部43に当接して固定されるため、光源部51から発生する熱は、第1長辺部321及び第2長辺部322を構成するカバー部31に伝わる。カバー部31に伝わった熱は、カバー部31の周囲の空気中に放熱される。放熱性を高めるため、光源部51と光源取付部43との間に熱伝導性シートや放熱グリスを介在させてもよい。尚、本実施形態では、光源部51に半導体発光素子としてのLED53を用いたが、LED53に限定されず、例えば有機EL素子(OLED)を用いてもよい。
【0028】
光源部51には、LED53を点灯させるための電源装置54や点灯装置(図示せず)等が電気的に接続される。電源装置54や点灯装置(図示せず)等は、取付部71の内部に収容される。
【0029】
導光部60は、光源部51から導入される光を面状に出光する部分である。本実施形態の導光部60は、平坦な板状であり、第1面61と、第1面61に対向する第2面62の両面が出光面となる。第1面61は、器具本体21の下側に向けられる面である。第2面62は、器具本体21の上側に向けられる面である。
【0030】
導光部60は、主として導光板63、光調整部64、及び保護板66で構成される。また、導光部60は、入射部67、出光領域としての出光部68、及び透明領域としての透明部69を有する。導光部60の平面形状は長方形である。導光部60は、入射部67を光源部51のLED53に対向させるようにカバー部31の遮光部41に載置され、遮光部41と挟持部35とで挟持して固定される。
【0031】
導光板63は、例えば、透明のアクリル樹脂素材を用いて形成される板状体である。導光板63は、対向する一対の長辺と、対向する一対の短辺とを有する。一対の長辺のうちの一方の長辺を、光源部51からの光を導入する入射部67とする。
【0032】
導光板63の第2面62側の表面には、光調整部64が形成される。本実施形態では、光調整部64として、入射部67から導入される光のうち、一部の光を透過させ、一部の光を反射させる、パターン印刷層が導光板63に形成される。光調整部64が形成される領域は、出光部68(
図2に示す斜線部)となる。つまり、第1面61側から見て、光調整部64が形成される領域は第1面61側の第1出光部681となる。また、第2面62側から見て、光調整部64が形成される領域は第2面62側の第2出光部682となる。
【0033】
本実施形態では、光調整部64が形成される領域の外縁は、導光板63の各辺の端部から所定距離だけ内側に設定される。つまり、導光板63の各辺に沿った縁部には、光調整部64が形成されない透明部分が一定幅で確保される。光調整部64が形成されない領域は透明部69となる。
【0034】
つまり第1面61においては、導光板63の各辺に沿った枠状の透明部69が形成され、その内側に、透明部69に囲まれる長方形の第1出光部681が形成される。また、第2面62においては、導光板63の各辺に沿った枠状の透明部69が形成され、その内側に、透明部69に囲まれる長方形の第2出光部682が形成される。
【0035】
なお、光調整部64は光透過性を有するため、第1出光部681及び第2出光部682は、光透過性を有する。このため、照明器具11の消灯状態においては、第1面61側と第2面62側のいずれからでも導光部60の反対側にあるものが透けて見える。例えば、照明器具11の消灯状態において、下側の第1面61側から見た場合、第1出光部681、第2出光部682、透明部69を通して、上側の取付部71を目視することができる。照明器具11の点灯状態においては、第1出光部681及び第2出光部682は、出光しているため取付部71を目視することは困難となる。
【0036】
導光板63の第1面61側と第2面62側には、導光板24を保護する保護板66が設けられる。保護板66として、例えば、導光板63よりも薄いアクリル樹脂板を用いることができる。
【0037】
ここで、本実施形態の光調整部64について説明する。光調整部64は、例えば白色インクで導光板63に直接印刷された所定のドットパターンを有する。光調整部64は、光源部51近傍の領域に比較的小さいドットを配置するとともにドット間隔を大きくし、光源部51から離間するにしたがってドットを大きくするとともにドット間隔を小さくすることで、光の反射量と透過量を制御することができる。その結果、第1出光部681及び第2出光部682の光量の制御や、第1出光部681及び第2出光部682が各々なるべく均一に出光するような配光制御を行うことができる。
【0038】
次に、カバー部31、光源部51、及び導光部60の位置関係について説明する。
【0039】
上述のように、光源部51は、第1長辺部321及び第2長辺部322の光源取付部43に配置される。導光部60は、入射部67が光源部51のLED53に対向するようにカバー部31の遮光部41に載置される。これにより、光源部51のLED53及び入射部67は、第1面61側から見て、カバー部31の遮光部41に覆われることとなる。入射部67付近は、光源部51に最も近いため、その他の部分に比べて輝度が不均一になりやすいが、光源部51及び入射部67がカバー部31の遮光部41に覆われることにより、輝度が不均一な部分が第1面61側に露出することを回避することができる。
【0040】
また、第1面61側から見たカバー部31の端面である遮光部41の端部42は、透明部69に重なる位置に配置される。透明部69は、入射部67から光が導入されても出光しない部分であるため、光源部51に近くてもその影響をうけず透明のままである。これにより、透明部69においては入射部67付近であっても出光することがないため、輝度ムラが発生しないまたは輝度ムラが比較的小さい領域となる。第1面61側において、カバー部31の端面である遮光部41の端部42から、第1出光部681までの距離は特に限定されないが、光源部51及び入射部67から輝度ムラが発生しやすい距離(例えば、特許文献1に記載では、10mm程度)を鑑みて、10mm以上とすることが好ましい。
【0041】
以上説明した本実施形態に係る照明器具11によれば、カバー部31の端面である遮光部41の端部42は、第1面61側において、光源51と第1出光部681との間の透明部69に重なる位置に配置される。通常、輝度ムラは、導光部60の、光源部51に近いカバー部31の端面付近において生じやすい。特に、LEDは、出射する光の直進性が強いため、光源部51に近いカバー部31の端面付近において輝度ムラが発生しやすい。しかしながら、照明器具11は、入射部67から光が導入されても出光しない透明部69にカバー部31の遮光部41の端部42が配置される。このため、入射部67に近いカバー部31の端面付近の導光部60の輝度ムラを抑えることができる。また、カバー部31と第1出光部681との間に出光しない透明部69を設けることにより、点灯時において、輝度ムラを低減した発光面を実現でき、透明部を含んだ発光面を有する照明器具のデザイン設計が可能となる。
【0042】
照明器具11によれば、第1出光部681及び第2出光部682には、入射部67から導入される光のうち、一部の光を第1面61側及び第2面62側に透過させ、一部の光を反射させる光調整部64が設けられ、透明部69には、光調整部64が設けられていない。このため、光調整部64を設けないことで、透明部69を入射部67と第1出光部681及び第2出光部682との間に設けることができる。
【0043】
照明器具11によれば、光調整部64は、導光部60に形成されるインクジェット手段を用いたドット印刷パターンである。このため、導光部60に容易に光調整部64を設けることができる。
【0044】
照明器具11によれば、第1出光部681及び第2出光部682は、光透過性を有し、透明部69は、透明である。第1出光部681、第2出光部682、透明部69は、ともに光を透過する。このため、消灯時には、導光部60が透けて見える意匠的効果を得ることができる。点灯時には透明部69が出光せず透明であることにより、照明器具としてさまざまな発光のデザイン設計を実現することができる。例えば、出光している第1出光部681及び第2出光部682がカバー部31に対して浮いて見える照明器具を実現できる。
【0045】
照明器具11によれば、導光部60は、第1面61側と、第1面61に対向する第2面62側を出光面とする。このため、第1面61側だけでなく、第2面62側に向けて出光させることができる。導光部60に透明部69を設ければ、第2面62側においても第1面61と同様の効果を奏する。
【0046】
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変更が可能である。例えば、照明器具11は長方形としたが、丸型やその他の形状としてもよい。また、シーリングライトの他、ペンダントライト等に適用してもよい。
【0047】
本実施形態においては、導光部60は、1対の長辺と1対の短辺を有する長方形である。入射部67は1対の長辺に配置され、光源は、入射部67に沿って配置されるLED53である。しかしながら、一対の長辺のうちの一方にのみLED53を配置しても良い。その場合、一方の長辺に沿って配置されるLED53により第1出光部681及び第2出光部682を均一出光させるため、LED53の光を強くする必要があるが、透明部69により、入射部67に近いカバー部31の端面付近の輝度ムラを抑える効果を奏する。
【0048】
光源部51を導光部60の端部の一部に対して設けたが、これに限定されず、光源部51を導光部60の全周に対して設けてもよい。また、光源部51を導光部60の外側に設けたが、導光部60の内側に設けてもよい。例えば、導光部60の内側に開口部を形成してドーナツ型とし、その開口部の端部に沿って内側から外側に向けて光源部51を設けるようにしてもよい。
【0049】
光調整部64としてインクジェット手段を用いたドット印刷パターンを用いたが、これに限定されず、例えば、一部の光を透過させ、一部の光を反射させるシート状材を導光板63に張り付けて配光を制御するようにしてもよい。もしくは、導光板63の表面に凹凸を設ける方法や光を反射させる物質を含有させた導光板を用いても良い。
【0050】
本実施形態では、第1面61側及び第2面62側の両面を出光面としたが、片面だけを出光面としてもよい。
【0051】
本実施形態では、カバー部31として枠体を用いたが、これに限定されず、例えば、導光部を収納するケースや、反射シートを貼り付けるなどの手段を用いても良い。