(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
第1のユーザ入力デバイスをさらに備え、該第1のユーザ入力デバイスは、前記パワーヘッドおよび前記造影剤注入器システムの遠隔コンソールのうちの少なくとも1つと関連付けられ、該第1のユーザ入力デバイスは、撮像されるべき患者に関する腎機能データの手動入力に適応する、請求項1に記載の造影剤注入器システム。
第2のユーザ入力デバイスをさらに備え、該第2のユーザ入力デバイスもまた、撮像されるべき患者に関する腎機能データの手動入力に適応し、前記第1のユーザ入力デバイスは、前記造影剤注入器システムの遠隔コンソールと関連付けられ、該第2のユーザ入力デバイスは、前記パワーヘッドと関連付けられている、請求項2に記載の造影剤注入器システム。
前記腎機能査定モジュールは、プロンプト論理をさらに備え、該プロンプト論理は、撮像されるべき患者に関する腎機能情報の入力のためのプロンプトを発するように構成されている、請求項1〜3のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記パワーヘッドは、パワーヘッドディスプレイを備え、前記プロンプトは、該パワーヘッドディスプレイ上に提示される、請求項4および5のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記パワーヘッドと通信する遠隔コンソールをさらに備え、該遠隔コンソールは、遠隔コンソールディスプレイを備え、注入パラメータをプログラムするためにユーザによって利用されることができ、該プロンプトは、該遠隔コンソールディスプレイ上に提示される、請求項4〜6のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記造影剤注入器システムの第1のユーザ入力デバイスは、ユーザが、前記プロンプトに手動で応答することを可能にする、請求項4〜7のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記プロンプトは、ユーザへのメッセージであり、該メッセージは、撮像されるべき患者の現在の腎機能の入力を要求する、請求項4〜8のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記プロンプトは、撮像されるべき患者の現在の腎機能が容認可能であると決定されたかどうかについての照会である、請求項4〜8のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記造影剤注入器システムは、否定応答が、前記プロンプトに応答して、前記第1のユーザ入力デバイスを介して入力される場合、造影剤放出を提供するよう動作することを阻止される、請求項10に記載の造影剤注入器システム。
前記腎機能査定モジュールは、少なくとも1つのプロセッサをさらに備え、該少なくとも1つのプロセッサは、前記プロンプトを発するようにプログラムされている、請求項4〜11のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する患者腎機能データが、前記プロンプトに応答して、前記造影剤注入器システムの第1のユーザ入力デバイスを介して手動で入力されない場合、該造影剤注入器システムが造影剤放出を提供するよう動作することを阻止されるようにプログラムされている、請求項12に記載の造影剤注入器システム。
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する患者腎機能データが、前記プロンプトに応答する直接ユーザ入力によって、前記造影剤注入器システムに手動で提供されない場合、アラームを発するようにプログラムされている、請求項12および13のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
撮像されるべき患者に関する腎機能データは、直接ユーザ入力、病院情報システム(HIS)から、放射線情報システム(RIS)から、画像およびアーカイブ通信システム(
PACS)から、患者電子医療記録システムから、ならびに腎機能試験モジュールからのうちの少なくとも1つによって、前記造影剤注入器システムに提供される、請求項1〜3のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
腎機能データ源をさらに備え、該腎機能データ源は、直接ユーザ入力、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、画像およびアーカイブ通信システム(PACS)、患者電子医療記録システム、ならびに腎機能試験モジュールのうちの少なくとも1つを備える、請求項1〜3のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する腎機能データが、前記第1の閾値腎機能データに対応しない場合、前記造影剤注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作することを阻止されるようにプログラムされている、請求項17に記載の造影剤注入器システム。
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する腎機能データが、前記第1の閾値腎機能データに対応しない場合、アラームを発するようにプログラムされている、請求項17および18のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記少なくとも1つのプロセッサは、第1の条件および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、前記造影剤注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作することを阻止されるようにプログラムされ、該第1の条件は、撮像されるべき患者に関する患者腎機能データが該造影剤注入器システムに未だ提供されていないというものであり、該第2の条件は、撮像されるべき患者に関する腎機能データが、前記第1の閾値腎機能データに対応しないというものである、請求項17〜19のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の条件および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、アラームを発するようにプログラムされている、請求項20に記載の造影剤注入器システム。
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1の条件および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、少なくとも1つの次のアクション命令を発するようにプログラムされている、請求項20および21のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記データ記憶デバイスは、RFデータタグを備え、前記読取り機は、電磁デバイスを備え、該電磁デバイスは、前記シリンジ上のRFデータタグからデータを電磁的に読み取るように設計されている、請求項1〜23のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
データ記憶装置をさらに備え、該データ記憶装置は、造影剤特有の閾値腎機能データを備え、該造影剤特有の閾値腎機能データは、前記第1の閾値腎機能データを備える、請求項1〜26のいずれか一項に記載の造影剤注入器システム。
前記データ記憶装置は、ルックアップテーブルを備え、該ルックアップテーブルは、複数の造影剤タイプおよび対応する閾値腎機能データを含む、請求項27に記載の造影剤注入器システム。
注入のために使用されるべき造影剤タイプの前記造影剤注入器システムに対する識別は、該造影剤タイプと関連付けられた前記ルックアップテーブルから閾値腎機能データを自動的に読み出す、請求項28に記載の造影剤注入器システム。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明の第1の側面は、パワーヘッド、シリンジ、読取り機、および腎機能査定モジュールを含む、造影剤注入器システムによって具現化される。パワーヘッドは、筐体、動力付き駆動ラム、およびシリンジ取付け台(例えば、任意の適切なタイプであって、例えば、パワーヘッド(例えば、その筐体)に固定取着される(例えば、それと一体型である)、取外し可能面板またはシリンジ取付け台)を含む。パワーヘッドの動力付き駆動ラムは、軸に沿って移動するように設計され、動力付き駆動ラムの少なくとも一部は、筐体内に位置する。パワーヘッドのシリンジ取付け台は、駆動ラムが、バレル内およびそれに対して、シリンジのプランジャを移動させることができるように、少なくとも実質的に、バレルをパワーヘッドの筐体に対して不動化するように設計される。
【0007】
シリンジは、第1の側面の場合、パワーヘッド(例えば、シリンジ取付け台を使用して)上に設置され、少なくとも第1の閾値腎機能データを記憶する、データ記憶デバイスを含む。読取り機は、シリンジデータ記憶デバイスと通信し、例えば、腎機能査定モジュールによって使用するための第1の閾値腎機能データを読み出すことが可能である。この点において、腎機能査定モジュールは、第1の閾値腎機能データを撮像されるべき患者に関する腎機能データと比較するように構成される比較論理を含む。
【0008】
いくつかの特徴精緻化および付加的特徴が、本発明の第1の側面に適用可能である。これらの特徴精緻化および付加的特徴は、個々に、または第1の側面に関連して、任意の組み合わせにおいて、使用されてもよい。したがって、議論される以下の特徴はそれぞれ、要求されないが、任意の他の特徴または第1の側面の特徴の組み合わせと併用されてもよい。以下の議論は、本発明の第2の側面の議論の開始まで、第1の側面に別個に適用可能である。
【0009】
造影剤注入器システムは、任意の適切なタイプ(例えば、ユーザ入力デバイス)の1つ以上のデータ入力デバイスを利用してもよい。1つ以上のデータ入力デバイスは、パワーヘッドおよび/または造影剤注入器システムの遠隔コンソールによって組み込まれてもよい。任意の造影剤注入器システムの遠隔コンソールは、パワーヘッドと通信してもよく、遠隔コンソールディスプレイを含んでもよく、少なくとも1つのデータ入力デバイスを含んでもよく、および/または造影剤注入器システムのパワーヘッドと異なる場所(例えば、少なくともある方式で隔離される)にあってもよい。造影剤注入器システムによって組み込まれる任意のデータ入力デバイスは、注入パラメータのプログラミングを含め、任意の適切な目的のために、造影剤注入器システムへの入力(例えば、ユーザ入力)の提供に適応してもよい(例えば、1つ以上の位相を有する、注入プロトコルを定義するためであって、各位相は、注入される流体の量および注入流速、ならびに可能性として、1つ以上の注入遅延(時として、「保留」および/または「一時停止」と称される)等の注入パラメータを含み、それぞれ、有限または無限持続時間であることができる)。造影剤注入器システムはまた、撮像機器(例えば、CTまたはMRスキャナ)または医療機関の他の部分と関連付けられた1つ以上のデータ入力デバイス等、1つ以上の外部データ入力デバイス(すなわち、実際には、造影剤注入器システムの一部ではない)からのデータ入力にも適応し得る。所与のデータ入力デバイスを使用して、例えば、撮像されるべき患者に関する腎機能データであって、以下に論じられるように、腎機能査定モジュールによって使用され得る、任意の適切なデータを造影剤注入器システムに提供してもよい。
【0010】
少なくとも、造影剤注入器システムと通信するために利用可能である、1つ以上のデータ入力デバイスはそれぞれ、任意の適切なタイプ(例えば、キーボード、タッチスクリーン、マウス、ジョイスティック、トラックボール、および/または任意のそれらの組み合わせ)であってもよい。任意の適切なユーザ入力は、そのようなデータ入力デバイスを通して、造影剤注入器システムに提供されてもよいが、撮像されるべき患者の腎機能データは、ユーザによって、造影剤注入器システムに手動で入力されてもよい。造影剤注入器システムは、複数のデータ入力デバイスを含んでもよい。一実施形態では、あるデータ入力デバイスは、造影剤注入器システムと関連付けられた遠隔コンソール(例えば、パワーヘッドおよび医療撮像機器を有する、撮像室と別個/隔離される、制御室内の遠隔コンソールの一部または少なくともそれと共同設置される)と関連付けられる一方、別のデータ入力デバイスは、パワーヘッドと関連付けられる(例えば、パワーヘッドと統合される、タッチスクリーンディスプレイの形態である)。
【0011】
造影剤注入器システムの動作と併せて、撮像されるべき患者に関する腎機能データは、任意の適切な様式において、取得されてもよく、任意の適切な様式において、造影剤注入器システムに通信されてもよい。撮像されるべき患者に関する腎機能データは、ユーザによって、任意の適切な様式(例えば、患者の腎機能を表す、データを手動で入力する、すなわち、ユーザ入力の形態)において、造影剤注入器システムに入力されてもよい。撮像されるべき患者に関する腎機能データは、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)、患者電子医療記録(EMR)を記憶する、またはそこへのアクセスを有する、別のシステム、あるいは腎機能試験モジュール等、造影剤注入器システムと通信している、もしくは通信可能であり得る、1つ以上のデータ源から取得されてもよい。
【0012】
腎機能査定モジュールは、撮像されるべき患者に関する腎機能情報の入力(例えば、ユーザによって、適切なデータ入力デバイスを通して手動で)のためのプロンプトを発するように構成されるプロンプト論理を含んでもよい(または、いくつかの実施形態では、それを参照する)。プロンプトの対象である腎機能情報は、撮像されるべき患者の腎機能を表すデータであってもよい(例えば、糸球体濾過量または「GFR」、血清中クレアチニン測定、あるいは任意の他の適切な腎機能指標)。一実施形態では、第1のユーザ入力は、撮像される第1の患者の第1の腎機能データの形態において、造影剤注入器システムに提供され、腎機能査定モジュールは、第1の患者の第1の腎機能データを第1の閾値腎機能データと比較するように構成される比較論理を含む。第1の腎機能データおよび第1の閾値腎機能データは両方とも、データが、患者腎機能(例えば、GFR、血清中クレアチニン測定)を示す限り、任意の適切なタイプであってもよい。例えば、第1の患者の第1の腎機能データは、GRF測定の観点から表されてもよく、第1の腎機能データが比較され得る、第1の閾値腎機能データもまた、閾値GRFまたはGFRの容認可能範囲の観点におけるものであってもよい。別の実施例として、第1の患者の第1の腎機能データは、血清中クレアチニン測定の観点から表されてもよく、第1の腎機能データが比較され得る、第1の閾値腎機能データもまた、閾値血清中クレアチニンレベルまたは血清中クレアチニンの容認可能範囲の観点におけるものであってもよい。第1の閾値腎機能データは、任意の適切な様式で表されてもよい(例えば、基準値の形態であって、第1の腎機能データは、少なくとも基準値程度であるか、または別の実施形態では、基準値未満でなければならない形態、範囲の形態であって、第1の腎機能データは、この範囲内になければならない、形態)。
【0013】
患者腎機能情報の入力のために発せられたプロンプトは、造影剤注入器システムの少なくとも1つのディスプレイ上、例えば、パワーヘッドと関連付けられた(例えば、それによって組み込まれる)ディスプレイ上、造影剤注入器システムと関連付けられた遠隔コンソールディスプレイ上、または両方に提示されてもよい。データ入力デバイスは、ユーザが、撮像されるべき患者の腎機能情報のために記述されたプロンプトに手動で応答することを可能にしてもよい。プロンプトは、任意の適切なフォーマットであってもよく、任意の適切な様式において、所望の腎機能情報の入力を要求してもよい。例えば、プロンプトは、ユーザが、腎機能情報を造影剤注入器システムに提供/入力する(例えば、閾値腎機能データとの比較のため)ことを要求する形態であってもよい。患者の腎機能を表す、任意のデータは、ユーザ入力デバイスを通して、手動で入力され得る。
【0014】
プロンプトは、単純に、撮像されるべき患者の腎機能が、容認可能であると決定された(例えば、閾値腎機能データと関連して)かどうかの決定を対象とする、照会の形態であってもよい。すなわち、ユーザが、単純に、患者の腎機能が検査され、ユーザ(または、他の適切な人員)によって、関連閾値腎機能データに対応すると決定されたことを確認しなければならないようなものであってもよい(例えば、「はい/いいえ」または「合格/不合格」質問)。別の実施形態では、プロンプト論理は、ユーザが、造影剤注入器システムの動作と併せて、撮像されるべき患者に関して、表示される回答のリストから回答を選択することを要求するプロンプトを発するように構成されてもよい(例えば、プロンプトをユーザに視覚的に表示する)。さらに別の実施形態では、プロンプト論理は、ユーザが、システムのディスプレイ上に示される空のデータフィールドを、造影剤注入器システムの動作と併せて、撮像されるべき患者に関する腎機能データによって、入力/記入することを要求する、プロンプトを発するように構成されてもよい(例えば、プロンプトをユーザに視覚的に表示する)。
【0015】
一実施形態では、造影剤注入器システムは、記述されたプロンプトに関連して、提供されたユーザ入力に基づいて、造影剤放出を提供するよう動作するのを阻止されてもよい(例えば、注入プロトコルの実行を可能にしないように)。例えば、造影剤注入器システムは、ユーザによって入力された患者腎機能データが、第1の閾値腎機能データに対応しない場合、注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作する(例えば、少なくとも1つのシリンジプランジャが、造影剤注入器システムによって、対応するバレルに対して前進される)のを阻止するように構成されてもよい。別の実施例として、造影剤注入器システムは、注入器システムが、ユーザによって入力された患者腎機能データが、シリンジのデータ記憶デバイス上に記憶された第1の閾値腎機能データの評価を行うときに考慮する、腎機能査定モジュールによって行われる電子評価に「合格」しない場合、造影剤放出を提供するよう動作するのを阻止するように構成されてもよい。造影剤注入器システムは、ユーザが、プロンプトに全く応答しない場合、ユーザが、撮像されるべき患者の腎機能が容認可能であると決定されたことの検証に対する要求に否定応答する場合、または両方の場合、注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作するのを阻止するように構成されてもよい。造影剤注入器システム動作の前述の阻止は、注入器システムが、プログラムされた注入プロトコルを起動するよう「準備」または「有効化」されないようにすること等を含んでもよい。加えて、または代替として、造影剤注入器システム動作の前述の阻止は、ユーザによって、プログラムされた注入プロトコルが(例えば、システムが、患者腎機能に関する照会に先立って、「準備」または「有効化」される場合)始動(例えば、「起動」または「開始」)されないように、および/または注入器システムの1つ以上の手動制御(例えば、ボタン)を使用して、手動で患者内に造影剤が注入されないようにすること等を含んでもよい。
【0016】
腎機能査定モジュールは、1つ以上のプロセッサを含んでもよい。一実施形態では、腎機能査定モジュールの1つ以上のプロセッサは、造影剤注入器システムのパワーヘッド内に位置する、および/またはそれによって組み込まれる(例えば、腎機能査定モジュールの1つ以上のプロセッサは、造影剤注入器システムのパワーヘッドに関連して「搭載」されてもよい)。別の実施形態では、腎機能査定モジュールの1つ以上のプロセッサは、造影剤注入器システムと関連付けられた遠隔コンソール内に位置するか、および/またはそれによって組み込まれる。腎機能査定モジュールの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、第1のプロセッサ)は、1)撮像されるべき患者に対する腎機能情報に関するプロンプトを発する、2)撮像されるべき患者に関する腎機能データが、第1の閾値腎機能データに対応しない(例えば、第1の閾値腎機能データに合致またはそれを超過しない)場合、造影剤注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作するのを阻止する(例えば、注入プロトコルの実行を認めない)、3)撮像されるべき患者に関する患者腎機能データが、第1の閾値腎機能データに対応しない(例えば、第1の閾値腎機能データに合致またはそれを超過しない)場合、任意の適切なタイプまたは複数のタイプの(例えば、視覚的、可聴)アラームを発する、4)撮像されるべき患者に関する腎機能データが、第1の閾値腎機能データに対応しない(例えば、第1の閾値腎機能データに合致またはそれを超過しない)場合、行われるべき少なくとも1つのアクションについて、次のアクション命令を生成する、および/または5)前述の2つ以上の任意の組み合わせを行うようにプログラムされてもよい。
【0017】
パワーヘッド上に設置された少なくとも1つのシリンジは、造影剤(例えば、CTまたはMR造影剤)を含んでもよく、シリンジのデータ記憶デバイス上に記憶された第1の閾値腎機能データは、シリンジ内の対応する造影剤の閾値腎機能データを参照してもよい。任意の他の適切な情報が、シリンジのデータ記憶デバイス上に記憶されてもよく、例えば、シリンジ内の造影剤のタイプ(例えば、識別、化学組成物、活性成分)、シリンジ内の造影剤の濃度(例えば、ヨウ素含有量および/または別の成分のレベル)、シリンジ内の造影剤の体積、所定の体積を受容するように提案される、患者に対する閾値(例えば、最小)腎機能データ(例えば、5ml、10ml、15,ml、20ml、25ml、30ml、35ml、40ml、45ml、50ml、55ml、60ml、65ml、70ml、75ml、80ml、85ml、90ml、95ml、100ml、105ml、110ml、115ml,120ml、125ml、130ml、135ml、140ml、145ml、150ml、いずれも、シリンジ内の造影剤の全体体積であってもよく、またはそうでなくてもよい)、またはシリンジ内の造影剤の全体体積、あるいは任意のそれらの組み合わせである。
【0018】
第1の側面の場合の造影剤注入器システムと関連付けられた読取り機は、任意の適切なタイプであってもよく、任意の適切な様式において、造影剤注入器システムによって組み込まれてもよく(例えば、パワーヘッド上に、例えば、その場合、この読取り機の少なくとも一部が、パワーヘッドのシリンジ取付け台によって組み込まれてもよい)、任意の適切な様式において、シリンジデータ記憶デバイスと通信するように構成されてもよく(例えば、シリンジデータ記憶デバイス上に記憶されたデータを読み取る/読み出す)、または任意のそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態では、シリンジのデータ記憶デバイスは、RFまたはRFIDデータタグの形態であって、読取り機は、シリンジ上のRFデータタグからデータを電磁的に読み取る(および、随意に、そこにデータを書き込む)ように構成される、電磁デバイス(例えば、RFアンテナ)の形態である。
【0019】
造影剤注入器システムは、複数の造影剤タイプに対する閾値腎機能データを含む、データ記憶装置を含んでもよい(例えば、複数の異なる造影用物質に対して、その場合、2つの造影剤タイプ間の差異は、異なる濃度の1つ以上の造影剤成分を有する形態であってもよい)。特定の造影剤タイプに対する閾値腎機能データは、「造影剤タイプ特有の閾値腎機能データ」として特徴付けられてもよい。各造影剤タイプは、特定の閾値腎機能と関連付けられ得るが、1つ以上の造影剤タイプは、同一閾値腎機能と関連付けられ得る。しかしながら、各造影剤タイプは、異なる閾値腎機能(例えば、シリンジ内の造影剤の体積および/または濃度に応じて)を有し得る。データ記憶装置は、造影剤タイプを閾値腎機能データと関連付ける目的のために、例えば、ルックアップテーブルの形態における、任意の適切な構成であってもよい。一実施形態では、造影剤注入器システムに対する、注入のために使用される(例えば、患者内に注入される)であろう、造影剤タイプの識別(例えば、データ入力デバイスを通して)は、対応する閾値腎機能データを、電動的に、造影剤注入器システムによって、データ記憶装置(例えば、ルックアップテーブル)から読み出させる。ユーザはまた、第1の閾値腎機能データを造影剤注入器システムに手動で入力し得る(例えば、遠隔コンソール、電動注入器、または両方のためのユーザ入力デバイスを通して)ことを理解されたい。
【0020】
本発明の第2の側面は、パワーヘッドおよびデータ記憶装置を含む造影剤注入器システムによって具現化される。パワーヘッドは、筐体、動力付き駆動ラム、およびシリンジ取付け台(例えば、任意の適切なタイプのものであって、例えば、パワーヘッド(例えば、その筐体)に固定取着される(例えば、それと一体型である)、面板またはシリンジ取付け台)を含む。パワーヘッドの動力付き駆動ラムは、軸に沿って移動するように設計され、動力付き駆動ラムの少なくとも一部は、筐体内に位置する。パワーヘッドのシリンジ取付け台は、駆動ラムが、バレル内およびそれに対して、このシリンジのプランジャを移動させることができるように、少なくとも実質的に、バレルをパワーヘッドの筐体に対して不動化するように設計される。注入器システムのデータ記憶装置は、複数の造影剤タイプおよびその対応する閾値腎機能を含む。
【0021】
いくつかの特徴精緻化および付加的特徴は、本発明の第2の側面に適用可能である。これらの特徴精緻化および付加的特徴は、個々に、または第2の側面に関連して、任意の組み合わせにおいて、使用されてもよい。したがって、論じられる以下の特徴はそれぞれ、要求されないが、任意の他の特徴または第2の側面の特徴の組み合わせと併用されてもよい。以下の議論は、本発明の第3の側面の議論開始まで、第2の側面に適用可能である。最初に、第1の側面に関連して記載される各特徴は、この第2の側面によって利用されてもよく、その逆であってもよい。
【0022】
特定の造影剤タイプに対する閾値腎機能または閾値腎機能データ(例えば、患者への対応する造影剤の安全投与のために要求/推奨される最低患者腎機能、患者への対応する造影剤の安全投与のために要求/推奨される容認可能患者腎機能の範囲)は、「造影剤タイプ特有の閾値腎機能」として特徴付けられてもよい。各造影剤タイプは、特定の閾値腎機能と関連付けられ得るが、1つ以上の造影剤タイプは、同一閾値腎機能と関連付けられ得る(データ記憶装置は、所望に応じて、関係データ記憶技法を使用してもよい)。しかしながら、各造影剤タイプは、異なる閾値腎機能を有し得る。データ記憶装置は、造影剤タイプを閾値腎機能と関連付ける目的のための任意の適切な構成、例えば、ルックアップテーブルの形態であってもよい。一実施形態では、造影剤注入器システムに対する、注入のために使用される(例えば、患者内に注入される)であろう、造影剤タイプの識別(例えば、データ入力デバイスを通して、造影剤注入器システムに対するその造影剤タイプを識別する、シリンジ上のデータ記憶デバイスからのデータを読み取り得る、第1の側面に関連して前述の読取り機を通して)は、対応する閾値腎機能を、電動的に、造影剤注入器システムによって、データ記憶装置(例えば、ルックアップテーブル)から読み出させる。
【0023】
適切なコンピュータ可読記憶媒体は、この第2の側面によって利用される、データ記憶装置を含むように構成されてもよい。データ記憶装置は、任意の適切な様式において、造影剤注入器システムによって組み込まれてもよい。データ記憶装置の少なくとも一部は、パワーヘッド上、造影剤注入器システムの遠隔コンソール上、造影剤注入器システムの外部にある、1つ以上の構成要素上(例えば、撮像システム上、病院情報システム(HIS)上、放射線情報システム(RIS)上、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)上、または任意のそれらの組み合わせ上)に常駐してもよい。
【0024】
本発明の第3の側面は、造影剤の容器の制御を対象とする。(例えば、造影剤貯蔵/分配ユニット内に)複数の造影剤容器の供給部が存在する場合を検討する。腎機能検査が、特定の造影剤容器を供給部から解放する前に行われてもよい(例えば、造影剤容器からの造影剤が、患者内に注入される、注入プロトコルを実行するための造影剤注入器システムによる後続使用のために)。
【0025】
いくつかの特徴精緻化および付加的特徴は、本発明の第3の側面に適用可能である。これらの特徴精緻化および付加的特徴は、個々に、または第3の側面に関連して、任意の組み合わせにおいて、使用されてもよい。したがって、論じられる以下の特徴はそれぞれ、要求されないが、任意の他の特徴または第3の側面の特徴の組み合わせと併用されてもよい。以下の議論は、本発明の第4の側面の議論開始まで、第3の側面に適用可能である。最初に、第3の側面は、第1および第2の側面のそれぞれと併せて、使用されてもよい。さらに、第3の側面は、造影剤管理または分配システムの形態、ならびに注入手技または同等物における後続使用のために、造影剤容器の分配または解放を管理する形態を含め、任意の適切な様式において、実装されてもよい。
【0026】
第3の側面は、造影剤管理または分配システムの形態で実装されてもよい。そのようなシステムは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプの造影剤貯蔵/分配ユニット(例えば、少なくとも、概して、電動販売機の形態における)を含んでもよい。このシステムは、任意の適切なタイプの複数の造影剤容器(例えば、シリンジ、ボトル、またはバイアルの形態における)を貯蔵する。各そのような造影剤容器は、造影剤管理システムによって貯蔵される間、密閉状態下にあってもよく(例えば、その含有量が、その周囲環境から隔離されるように、および/またはその含有量が、滅菌されたままであるように)、供給部から解放されるとき、この密閉状態下のままであってもよい。システムは、特定の造影剤容器が、システムから除去される/それによって分配可能となる前に、腎機能検査を実装してもよい。例えば、システムは、任意の適切なタイプのデータ入力デバイスを、任意の適切な様式において、組み込んでもよい。造影剤管理システムに提供されるデータに応じて、造影剤容器は、システムから分配される、またはそれによって解放されてもよく、あるいはそうでなくてもよい。
【0027】
第3の側面の一実装では、ユーザは、撮像されるべき患者の腎機能が、供給部から要求される特定の造影剤タイプに関連して、十分であると決定されているかどうかに関する入力を提供するよう要求されてもよい。肯定応答(例えば、患者の腎機能が、造影剤の安全投与を助長するために推奨/要求される、閾値患者腎機能に対応することのユーザによる確認)によって、所望の造影剤の容器を供給部から分配または解放可能にしてもよい。そうでなければ、第3の側面は、所望の造影剤タイプの容器が、供給部から解放されないように構成されてもよい(例えば、患者の腎機能が、造影剤の安全投与を助長するために推奨/要求される、閾値患者腎機能に合致またはそれを超過しない場合)。
【0028】
第3の側面の別の実装では、造影剤を受容する、患者の腎機能に関するデータは、供給部から解放される所望の造影剤タイプに関するデータと同様に、入力されてもよい。これは、ユーザが、関連データを手動で入力することを伴ってもよく(例えば、患者の腎機能を表す、データの入力、患者の最新の腎機能を1つ以上のデータ源から読み出すことを可能にする、患者識別子の入力(例えば、「病院情報システム」またはHISを利用して)、所望の造影剤タイプの識別の入力)、ユーザが、ドロップダウンメニューから適切な選択を行うことを伴ってもよく、または同等物であってもよい。患者の腎機能は、要求される造影剤タイプの閾値腎機能と比較されてもよく、これは、任意の適切な様式において、造影剤貯蔵/分配ユニットに対して識別され得てもよい(例えば、ユーザが、ユニットに対する造影剤タイプを識別し、ユニットに、閾値腎機能を前述のデータ記憶装置から読み出させることによって、ユーザが、ユーザ入力デバイスを通して、閾値腎機能をユニットに入力することによって)。入力患者腎機能が、要求される造影剤タイプの閾値腎機能に対応する(例えば、この閾値腎機能に合致またはそれを超過する)場合、所望の造影剤タイプの容器が、供給部から解放されてもよい。そうでなければ、第3の側面は、所望の造影剤タイプの容器が、供給部から解放されないように、構成されてもよい。
【0029】
造影剤管理システムのための供給部を画定する、複数の造影剤容器は、任意の適切なタイプであってもよい。一実施形態では、造影剤管理システムは、腎機能査定モジュールからの出力に応答してのみ、造影剤管理システムから解放され得る、複数の予充填されたシリンジ(供給者によって充填または装填され、最終的には、エンドユーザまたは最終使用施設に輸送される、シリンジであって、予充填されたシリンジは、エンドユーザまたは最終使用施設によって、造影剤で装填されない)を貯蔵する。造影剤管理システムから解放後(依然として、密閉状態にある)、所与の造影剤容器は、次いで、造影剤注入器システムによって使用されてもよく、患者に造影剤を注入するために使用されてもよい、または両方であってもよい。
【0030】
複数の造影剤容器のそれぞれは、任意の適切なタイプのデータ記憶デバイス(例えば、RFタグ)を含んでもよい。任意の適切な情報が、造影剤容器のいずれかによって利用され、任意のデータ記憶デバイス上に記憶されてもよい。造影剤タイプ識別子は、造影剤容器のためのデータ記憶デバイス上に記憶されてもよく、閾値腎機能データは、造影剤容器内の造影剤、または同等物に関する、シリンジのためのデータ記憶デバイス上に記憶されてもよい。造影剤管理システムは、任意の適切なタイプの読取り機を含み、その供給部内の各造影剤容器のデータ記憶デバイスから情報を取得してもよい。
【0031】
造影剤管理システムのための各造影剤容器内の造影剤と関連付けられた閾値腎機能データは、任意の適切な様式において、読み出されてもよい。前述のように、閾値腎機能データは、特定の造影剤容器と関連付けられたデータ記憶デバイスから読み出されてもよい。別の選択肢は、特定の造影剤容器と関連付けられたデータ記憶デバイスから、造影剤タイプデータを読み出し、この情報から、任意の適切な様式において、対応する閾値腎機能データを読み出すというものである(例えば、造影剤管理システムによる、病院情報システム(HIS)と、放射線情報システム(RIS)と、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)と、電子医療記録(EMR)を保持するまたはそこへのアクセスを有する、別のシステムと、あるいは同等物との通信を介して、ユーザによる、直接入力を介して)。
【0032】
腎機能査定モジュールは、選択された造影剤タイプの造影剤容器に対する閾値腎機能データを利用して、造影剤容器がその供給部から解放されるべきかどうかを決定してもよい。1つ以上のデータ入力デバイスは、腎機能査定モジュールと動作可能に接続されてもよい。腎機能査定モジュールは、閾値腎機能データを造影剤管理システムによって入力された患者腎機能データと比較し、対応する造影剤容器が、その供給部から解放されるべきかどうかを決定(例えば、撮像されるべき患者に関する腎機能データが、患者内に注入される造影剤の閾値腎機能データに対応するかどうかを決定)するように構成される、比較論理を含んでもよい。
【0033】
本発明の第4の側面は、撮像ユニット(例えば、X線源を有するCTスキャナ、または磁石を有するMRIスキャナ)を含む、医療撮像システムによって具現化され撮像ユニットは、腎機能査定モジュールを含む。
【0034】
いくつかの特徴精緻化および付加的特徴は、本発明の第4の側面に適用可能である。これらの特徴精緻化および付加的特徴は、個々に、または第4の側面に関連して、任意の組み合わせにおいて、使用されてもよい。したがって、論じられる以下の特徴はそれぞれ、要求されないが、任意の他の特徴または第4の側面の特徴の組み合わせと併用されてもよい。
【0035】
撮像システムは、任意の適切なタイプの1つ以上のデータ入力デバイス(例えば、ユーザ入力デバイス)を利用してもよい。例えば、1つ以上のデータ入力デバイスが、撮像システムの遠隔コンソールによって組み込まれてもよい。任意の撮像システムの遠隔コンソールは、遠隔コンソールディスプレイを含んでもよく、少なくとも1つのデータ入力デバイスを含んでもよく、および/または撮像システムの撮像ユニットと異なる場所(例えば、撮像ユニットを格納するX線および/またはRF遮蔽室外)にあってもよい(例えば、少なくともある方式で隔離される)。撮像システムによって組み込まれる任意のデータ入力デバイスは、適切な撮像パラメータのプログラミングを含め、任意の適切な目的のために、撮像システムへの入力(例えば、ユーザ入力)の提供に適応してもよい。撮像システムはまた、撮像機器(例えば、造影剤注入器システム)、腎機能試験モジュール、または医療機関の他の部分(例えば、HIS、RIS、PACS、あるいは患者EMRを格納またはそこへのアクセスを有する、任意の他のシステム)と関連付けられた1つ以上のデータ入力デバイス等、1つ以上の外部データ入力デバイス(すなわち、実際には、撮像システムの一部ではない)からのデータ入力に適応し得る。所与のデータ入力デバイスを使用して、例えば、撮像されるべき患者に関する腎機能データおよび/または閾値腎機能データ(両方とも、以下に論じられるように、撮像システムの腎機能査定モジュールによって使用されてもよい)等、任意の適切なデータを撮像システムに提供してもよい。
【0036】
腎機能査定モジュールは、撮像されるべき患者に関する腎機能情報の入力(例えば、ユーザによって、適切なデータ入力デバイスを通して手動で)のためのプロンプトを発するように構成される、プロンプト論理を含んでもよい(または、いくつかの実施形態では、それを参照する)。プロンプトの対象である腎機能情報は、撮像されるべき患者の腎機能を表すデータ(例えば、糸球体濾過量または「GFR」、血清中クレアチニン測定、あるいは任意の他の適切な腎機能指標)であってもよい。一実施形態では、第1のユーザ入力は、撮像される第1の患者の第1の腎機能データの形態において、撮像システムに提供され、腎機能査定モジュールは、第1の患者の第1の腎機能データを閾値腎機能データと比較するように構成される、比較論理を含む。第1の腎機能データおよび閾値腎機能データは両方とも、データが、患者腎機能(例えば、GFR、血清中クレアチニン測定)を示す限り、任意の適切なタイプであってもよい。閾値腎機能データは、任意の適切な様式において(例えば、基準値の形態であって、第1の腎機能データは、少なくとも、基準値程度である、または別の実施形態では、基準値未満でなければならない形態、範囲の形態であって、第1の腎機能データは、この範囲内になければならない、形態)、表されてもよい。
【0037】
患者腎機能情報の入力のために発せられたプロンプトは、撮像システムの少なくとも1つのディスプレイ上、例えば、撮像システムの遠隔コンソールと関連付けられた(例えば、それによって組み込まれる)ディスプレイ上に提示されてもよい。データ入力デバイスは、ユーザが、撮像されるべき患者の腎機能情報のための記述されたプロンプトに手動で応答することを可能にしてもよい。プロンプトは、任意の適切なフォーマットであってもよく、任意の適切な様式において、所望の腎機能情報の入力を要求してもよい。例えば、プロンプトは、ユーザが、腎機能情報を撮像システムに提供/入力することの要求(例えば、閾値腎機能データとの比較のため)の形態であってもよい。患者の腎機能を表す、任意のデータは、データ入力デバイスを通して、手動で入力され得る。
【0038】
プロンプトは、単純に、撮像されるべき患者の腎機能が、容認可能であると決定された(例えば、閾値腎機能データと関連して)かどうかの決定を対象とする、照会の形態であってもよい。すなわち、ユーザが、単純に、患者の腎機能が検査され、ユーザ(または、他の適切な人員)によって、関連閾値腎機能データに対応すると決定されたことを確認しなければならないようなものであってもよい(例えば、「はい/いいえ」または「合格/不合格」質問)。別の実施形態では、プロンプト論理は、ユーザが、撮像システムの動作と併せて、撮像されるべき患者に関して、表示される回答のリストから回答を選択することを要求する、プロンプトを発するように構成されてもよい(例えば、プロンプトをユーザに視覚的に表示する)。さらに別の実施形態では、プロンプト論理は、ユーザが、システムのディスプレイ上に示される空のデータフィールドを、撮像システムの動作と併せて、撮像されるべき患者に関する腎機能データによって、入力/記入することを要求する、プロンプトを発するように構成されてもよい(例えば、プロンプトをユーザに視覚的に表示する)。
【0039】
撮像システムは、造影剤注入器システムと通信可能に相互接続されてもよい(例えば、適切な有線インターフェース(例えば、CANインターフェース)を介して、または適切な無線接続を通して)。そのような実施形態では、造影剤注入器システムは、記述されたプロンプトに関連して、撮像システムに入力されたユーザ入力に基づいて、造影剤放出を提供するよう動作するのを阻止されてもよい(例えば、注入プロトコルの実行を可能にしないように)。例えば、撮像システムは、撮像システムにユーザによって入力された患者腎機能データが、関連閾値腎機能データに対応しない場合、注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作する(例えば、少なくとも1つのシリンジプランジャが、造影剤注入器システムによって、対応するバレルに対して前進される)のを阻止するように構成されてもよい。別の実施例として、撮像システムは、注入器システムが、ユーザによって入力された患者腎機能データが、閾値腎機能データの評価を行うときに考慮し得る、腎機能査定モジュールによって行われる電子評価に「合格」しない場合、造影剤放出を提供するよう動作するのを阻止するように構成されてもよい。撮像システムは、撮像システムのユーザが、プロンプトに全く応答しない場合、撮像システムのユーザが、撮像されるべき患者の腎機能が容認可能であると決定されたことの検証に対する要求に否定応答する場合、または両方の場合、注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作するのを阻止するように構成されてもよい。撮像システムによって始動される、造影剤注入器システム動作の前述の阻止は、注入器システムが、プログラムされた注入プロトコルを起動するよう「準備」または「有効化」されないようにすること等を含んでもよい。加えて、または代替として、撮像システムによって始動される、造影剤注入器システム動作の前述の阻止は、プログラムされた注入プロトコルが(例えば、システムが、患者腎機能に関する照会に先立って、「準備」または「有効化」される場合)始動(例えば、「起動」または「開始」)されないように、および/または注入器システムの1つ以上の手動制御(例えば、ボタン)を使用して、手動で患者内に造影剤が注入されないようにすること等を含んでもよい。
【0040】
腎機能査定モジュールは、閾値腎機能データを撮像されるべき患者に関する腎機能データと比較するように構成される、比較論理を含んでもよい。記述された造影剤注入器システムの動作と併せて、撮像されるべき患者に関する腎機能データ動作は、任意の適切な様式において、取得されてもよく、任意の適切な様式において、撮像システムに通信されてもよい。撮像されるべき患者に関する腎機能データは、ユーザによって、任意の適切な様式(例えば、患者の腎機能を表す、データを手動で入力する、すなわち、ユーザ入力の形態)において、撮像システムに入力されてもよい。撮像されるべき患者に関する腎機能データは、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)、患者電子医療記録(EMR)を記憶する、またはそこへのアクセスを有する、別のシステム、あるいは腎機能試験モジュール等、撮像システムと通信している、もしくは通信可能であり得る、1つ以上のデータ源から取得されてもよい。
【0041】
閾値腎機能データは、撮像されるべき患者に注入されるべき造影剤の閾値腎機能データを参照してもよく、腎機能査定モジュールによって使用され、造影剤が撮像されるべき患者内に注入されるべきかどう制御してもよい。閾値腎機能データは、任意の適切な源または源の組み合わせから、撮像ユニットに入力されてもよい。閾値腎機能データは、撮像手技において使用されるシリンジと関連付けられたデータ記憶デバイスから読み出されてもよく、これは、次いで、任意の適切な様式において、撮像ユニットに伝送されてもよい。別の選択肢は、撮像手技において使用される少なくとも1つのシリンジと関連付けられたデータ記憶デバイスから、造影剤タイプデータを受信し、この情報から、任意の適切な様式において(例えば、撮像システムによる、病院情報システム(HIS)と、放射線情報システム(RIS)と、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)と、電子医療記録(EMR)を格納またはそこへのアクセスを有する、別のシステムと、あるいは同等物との通信を介して)、対応する閾値腎機能データを受信するというものである。閾値腎機能情報はまた、直接ユーザ入力を介して、撮像システムに提供され得る。
【0042】
撮像システムは、複数の造影剤タイプに対する閾値腎機能データを含む、データベースまたはデータ記憶装置を含んでもよい(例えば、複数の異なる造影用物質に対して、その場合、2つの造影剤タイプ間の差異は、異なる濃度の1つ以上の造影剤成分を有する形態であってもよい)。特定の造影剤タイプに対する閾値腎機能データは、「造影剤タイプ特有の閾値腎機能データ」として特徴付けられてもよい。各造影剤タイプは、特定の閾値腎機能と関連付けられ得るが、1つ以上の造影剤タイプは、同一閾値腎機能と関連付けられ得る。しかしながら、各造影剤タイプは、異なる閾値腎機能(例えば、シリンジ内の造影剤の体積および/または濃度に応じて)を有し得る。データ記憶装置は、造影剤タイプを閾値腎機能データと関連付ける目的のために、例えば、ルックアップテーブルの形態における、任意の適切な構成であってもよい。一実施形態では、撮像システムに対する、注入のために使用される(例えば、相互接続された造影剤注入器システムを使用して、患者内に注入される)、造影剤タイプの識別(例えば、データ入力デバイスを通して)は、対応する閾値腎機能データを、電動的に、撮像システムシステムによって、データ記憶装置(例えば、ルックアップテーブル)から読み出させる。ユーザはまた、閾値腎機能データを撮像システムに手動で入力し得る(例えば、遠隔コンソールのためのユーザ入力デバイスを通して)ことを理解されたい。
【0043】
少なくとも1つのシリンジは、前述の造影剤注入器システムによって利用されてもよく、少なくとも1つのそのようなシリンジは、適切なデータ記憶デバイスを含んでもよい。閾値腎機能データは、任意のそのようなシリンジのデータ記憶デバイス上に記憶されてもよく、シリンジ内に含有される造影剤に対する閾値腎機能データを参照してもよい。任意の他の適切な情報が、シリンジのデータ記憶デバイス上に記憶されてもよく、例えば、シリンジ内の造影剤のタイプ(例えば、識別、化学組成物、活性成分)、シリンジ内の造影剤の濃度(例えば、ヨウ素含有量および/または別の成分のレベル)、シリンジ内の造影剤の体積、所定の体積を受容するように提案される、患者に対する閾値(例えば、最小)腎機能データ(例えば、5ml、10ml、15,ml、20ml、25ml、30ml、35ml、40ml、45ml、50ml、55ml、60ml、65ml、70ml、75ml、80ml、85ml、90ml、95ml、100ml、105ml、110ml、115ml,120ml、125ml、130ml、135ml、140ml、145ml、150ml、いずれも、シリンジ内の造影剤の全体体積であってもよく、またはそうでなくてもよい)、またはシリンジ内の造影剤の全体体積、あるいは任意のそれらの組み合わせである。
【0044】
第4の側面によって利用される腎機能査定モジュールは、1つ以上のプロセッサを含んでもよい。腎機能査定モジュールの少なくとも1つのプロセッサ(例えば、第1のプロセッサ)は、1)撮像されるべき患者に対する腎機能情報に関するプロンプトを発する、2)撮像されるべき患者に関する腎機能データが、閾値腎機能データに対応しない(例えば、閾値腎機能データに合致またはそれを超過しない)場合、相互接続された造影剤注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作するのを阻止する(例えば、注入プロトコルの実行を認めない)、3)撮像されるべき患者に関する患者腎機能データが閾値腎機能データに対応しない(例えば、閾値腎機能データに合致またはそれを超過しない)場合、任意の適切なタイプまたはタイプのアラームを発する(例えば、視覚的、可聴)、4)撮像されるべき患者に関する腎機能データが、閾値腎機能データに対応しない(例えば、第1の閾値腎機能データに合致またはそれを超過しない)場合、行わされるべき少なくとも1つのアクションについて、次のアクション命令を生成する、および/または5)前述の2つ以上の任意の組み合わせを行うようにプログラムされてもよい。
【0045】
いくつかの特徴精緻化および付加的特徴は、本発明の前述の第1、第2、第3、および第4の側面のそれぞれに別個に適用可能である。これらの特徴精緻化および付加的特徴は、個々に、または前述の側面のそれぞれに関連して、任意の組み合わせにおいて、使用されてもよい。「単数形」文脈または同等物に限定されることが意図される、本発明の任意の他の種々の側面の任意の特徴は、「only(唯一の)」、「single(単一の)」、「limited to(限定される)」、または同等物等の用語によって、本明細書に明確に記載されるであろう。単に、一般に受け入れられている先行詞の慣例に従う、特徴の導入は、対応する特徴を単数形に限定するものではない(例えば、電動注入器が、「シリンジ」単独を含むことを示すことは、電動注入器が、単一シリンジのみを含むことを意味するものではない)。さらに、「at least one(少なくとも1つ)」等の語句の任意の不使用もまた、対応する特徴を単数形に限定するものではない(例えば、電動注入器が、「シリンジ」単独を含むことを示すことは、電動注入器が、単一シリンジのみを含むことを意味するものではない)。特定の特徴と関連した語句「at least generally(少なくとも概して)」または同等物の使用は、対応する特性および実体のないその変形例を包含する(例えば、バレルが、少なくとも概して、円筒形であることを示すことは、円筒形であるバレルを包含する)。最後に、語句「in one embodiment(一実施形態では)」と併せた特徴の参照は、特徴の使用を単一実施形態に限定するものではない。
【0046】
本発明の種々の側面のいずれかによって利用され得る、任意の「論理」は、限定ではないが、任意の適切なソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアにおいて、1つ以上のプラットフォームを使用して、1つ以上のプロセッサを使用して、任意の適切なタイプのメモリを使用して、任意の適切なタイプの任意の単一コンピュータまたは任意の適切なタイプの複数のコンピュータを使用して等、任意の適切な様式において、実装され、任意の適切な様式において相互接続され、または任意のそれらの組み合わせであってもよい。この論理は、任意の適切な様式において相互接続される(例えば、任意のタイプのネットワークを介して)、任意の単一場所または複数の場所に実装されてもよい。
【0047】
流体放出を提供するために利用され得る、任意の電動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであってもよい。任意のそのような電動注入器は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプの1つ以上のシリンジプランジャ駆動体を利用してもよく、その場合、各そのようなシリンジプランジャ駆動体は、少なくとも双方向移動が可能であって(例えば、流体を放出するための第1の方向における移動、流体の装填および/または引き込みに適応するための、ならびに/あるいは後続流体放出動作のための位置に戻るような第2の方向における移動)、各そのようなシリンジプランジャ駆動体は、シリンジプランジャを少なくとも1つの方向に前進させることが可能であるように(例えば、流体を放出するため)任意の適切な様式において、その対応するシリンジプランジャと相互作用してもよい(例えば、機械的接触によって、適切な連結によって(機械的または別様に))。各シリンジプランジャ駆動体は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプの1つ以上の駆動源を利用してもよい。複数の駆動源出力は、任意の適切な様式において、組み合わせられ、単一シリンジプランジャを所与のとき間に前進させてもよい。1つ以上の駆動源は、単一シリンジプランジャ駆動体に専用であってもよく、1つ以上の駆動源は、複数のシリンジプランジャ駆動体と関連付けられてもよく(例えば、あるシリンジプランジャから別のシリンジプランジャに出力を変更するようなソートの伝送を組み込む)、またはそれらの組み合わせであってもよい。代表的駆動源形態として、ブラシ付きまたはブラシレス電気モータ、油圧モータ、空気圧モータ、圧電モータ、またはステッパモータが挙げられる。
【0048】
任意のそのような電動注入器は、限定ではないが、任意の適切な医療撮像用途(例えば、コンピュータ断層撮影またはCT撮像、磁気共鳴画像診断またはMRI、単一光子放射コンピュータ断層撮影またはSPECT撮像、陽電子放射断層撮影またはPET撮像、X線撮像、血管造影撮像、光学撮像、超音波撮像)、ならびに/あるいは任意の適切な医療診断および/または治療用途(例えば、化学療法の注入、疼痛管理等)を含む、1つ以上の医療流体の送達が所望される、任意の適切な用途のために使用されてもよく。任意のそのような電動注入器は、適切な撮像システム(例えば、CTまたはMRスキャナ)等の任意の構成要素または構成要素の組み合わせと併せて、使用されてもよい。例えば、情報は、任意のそのような電動注入器と1つ以上の他の構成要素(例えば、走査遅延情報、注入開始信号、注入速度)との間で伝達され得る。
【0049】
任意の適切な数のシリンジが、任意の適切な様式において(例えば、着脱可能に、正面装填、背面装填、側面装填)任意のそのような電動注入器と併用されてもよく、任意の適切な医療流体が、任意のそのような電動注入器の所与のシリンジから放出されてもよく(例えば、造影剤、治療流体、放射性医薬品、生理食塩水、および任意のそれらの組み合わせ)、任意の適切な流体が、任意の適切な様式において(例えば、連続して、同時に)、複数のシリンジ電動注入器構成から放出されてもよく、または任意のそれらの組み合わせであってもよい。一実施形態では、電動注入器の動作によって、シリンジから放出される流体は、導管(例えば、医療管類セット)に指向され、その場合、この導管は、任意の適切な様式において、シリンジと流動的に相互接続され、流体を所望の場所(例えば、注入のために、患者内に挿入される、カテーテル)に指向する。複数のシリンジは、共通導管内に放出されてもよい(例えば、単一注入部位への提供のため)、または1つのシリンジが、1つの導管内に放出されてもよい(例えば、1つの注入部位への提供のため)一方、別のシリンジは、異なる導管内に放出されてもよい(例えば、異なる注入部位への提供のため)。一実施形態では、各シリンジは、バレルと、バレル内およびそれに対して移動可能であるように配置される、プランジャと、を含む。このプランジャは、シリンジプランジャ駆動アセンブリが、少なくとも1つの方向、および可能性として、2つの異なる反対方向に、プランジャを前進させることが可能であるように、電動注入器のシリンジプランジャ駆動アセンブリと界面接合してもよい。
【0050】
本明細書で使用されるように、用語「着脱可能に相互接続される」とは、構成要素間の関係を説明しており、その場合、構成要素は、相互接続されるが、相互から取り外される能力を留保し、取り外された後も、構成要素はそれぞれ、使用可能条件下にある。例えば、「パワーヘッドと着脱可能に相互接続されている、電動注入シリンジ」とは、電動注入シリンジが、現在、電動注入シリンジをパワーヘッドから取り外すことが可能な様式において、パワーヘッドに相互接続されている、条件を説明する。さらに、そのような取り外し後も、電動注入シリンジおよびパワーヘッドは両方とも、相互に(または、別の構成要素と)(例えば、着脱可能に)相互接続される能力を留保する。
本発明はさらに、たとえば、以下を提供する。
(項目1)
造影剤注入器システムであって、
該システムは、
パワーヘッドと、データ記憶装置とを備え、
該パワーヘッドは、
筐体と、
軸に沿って移動するように設計される動力付き駆動ラムであって、該動力付き駆動ラムの少なくとも一部は、該筐体内に位置する、駆動ラムと、
シリンジ取付け台であって、該シリンジ取付け台は、シリンジのバレルを該筐体に対して少なくとも実質的に不動化するように設計され、それにより、該駆動ラムは、該シリンジの該バレル内においておよびそれに対して、該シリンジのプランジャを移動させることができる、シリンジ取付け台と
を備え、
該データ記憶装置は、複数の造影剤タイプおよび複数の閾値腎機能を備え、各造影剤タイプは、対応する該閾値腎機能と関連付けられる、システム。
(項目2)
前記データ記憶装置は、コンピュータ可読記憶媒体によって具現化される、項目1に記載の造影剤注入器システム。
(項目3)
前記データ記憶装置は、ルックアップテーブルを備える、項目1および2のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目4)
前記パワーヘッドは、前記データ記憶装置を備える、項目1−3のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目5)
前記造影剤注入器システムの遠隔コンソールは、前記データ記憶装置を備える、項目1−4のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目6)
前記データ記憶装置は、前記パワーヘッドおよび前記造影剤注入器システムの遠隔コンソールのうちの少なくとも1つと分離しているが、それと動作可能に接続されている、項目1−3のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目7)
前記データ記憶装置は、撮像システム、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)、ならびに患者電子医療記録システムのうちの少なくとも1つによって具現化される、項目6に記載の造影剤注入器システム。
(項目8)
前記パワーヘッド上に設置されるシリンジであって、該シリンジは、データ記憶デバイスを備え、第1の閾値腎機能データが、該データ記憶デバイス記憶装置に記憶される、シリンジと、
該シリンジのための該データ記憶デバイスと通信する読取り機と、
比較論理を備える腎機能査定モジュールであって、該比較論理は、該第1の閾値腎機能データを撮像されるべき患者に関する腎機能データと比較するように構成され、該第1の閾値腎機能データは、該読取り機によって、該シリンジのための該データ記憶デバイスから読み出される、腎機能査定モジュールと
をさらに備える、項目1−7のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目9)
造影剤注入器システムであって、
該システムは、
パワーヘッドと、シリンジと、読取り機と、腎機能査定モジュールとを備え、
該パワーヘッドは、
筐体と、
軸に沿って移動するように設計される動力付き駆動ラムであって、該駆動ラムの少なくとも一部は、該筐体内に位置する、駆動ラムと、
シリンジ取付け台と
を備え、
該シリンジは、該パワーヘッド上に設置され、該シリンジは、データ記憶デバイスを備え、第1の閾値腎機能データが該データ記憶デバイス記憶装置に記憶され、該シリンジ取付け台は、該シリンジのバレルを該筐体に対して少なくとも実質的に不動化するように設計され、それにより、該シリンジのプランジャを該シリンジの該バレル内においておよびそれに対して移動させることができ、
該読取り機は、該シリンジのための該データ記憶デバイスと通信し、
該腎機能査定モジュールは、比較論理を備え、該比較論理は、該第1の閾値腎機能データを撮像されるべき患者に関する腎機能データと比較するように構成され、該第1の閾値腎機能データは、該読取り機によって、該シリンジのための該データ記憶デバイスから読み出される、システム。
(項目10)
第1のユーザ入力デバイスをさらに備え、該第1のユーザ入力デバイスは、前記パワーヘッドおよび前記造影剤注入器システムの遠隔コンソールのうちの少なくとも1つと関連付けられ、該第1のユーザ入力デバイスは、撮像されるべき患者に関する腎機能データの手動入力に適応する、項目8および9のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目11)
第2のユーザ入力デバイスをさらに備え、該第2のユーザ入力デバイスもまた、撮像されるべき患者に関する腎機能データの手動入力に適応し、前記第1のユーザ入力デバイスは、前記造影剤注入器システムの遠隔コンソールと関連付けられ、該第2のユーザ入力デバイスは、前記パワーヘッドと関連付けられる、項目10に記載の造影剤注入器システム。
(項目12)
前記腎機能査定モジュールは、プロンプト論理をさらに備え、該プロンプト論理は、撮像されるべき患者に関する腎機能情報の入力のためのプロンプトを発するように構成される、項目8−11のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目13)
前記プロンプトは、前記造影剤注入器システムの少なくとも1つのディスプレイ上に提示される、項目12に記載の造影剤注入器システム。
(項目14)
前記パワーヘッドは、パワーヘッドディスプレイを備え、前記プロンプトは、該パワーヘッドディスプレイ上に提示される、項目12および13のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目15)
前記パワーヘッドと通信する遠隔コンソールをさらに備え、該遠隔コンソールは、遠隔コンソールディスプレイを備え、注入パラメータをプログラムするためにユーザによって利用されることができ、該プロンプトは、該遠隔コンソールディスプレイ上に提示される、項目12−14のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目16)
前記造影剤注入器システムの第1のユーザ入力デバイスは、ユーザが、前記プロンプトに手動で応答することを可能にする、項目12−15のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目17)
前記プロンプトは、ユーザへのメッセージであり、該メッセージは、撮像されるべき患者の現在の腎機能の入力を要求する、項目12−16のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目18)
前記プロンプトは、撮像されるべき患者の現在の腎機能が容認可能であると決定されたかどうかについての照会である、項目12−16のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目19)
前記造影剤注入器システムは、否定応答が、前記プロンプトに応答して、前記第1のユーザ入力デバイスを介して入力される場合、造影剤放出を提供するよう動作することを阻止される、項目18に記載の造影剤注入器システム。
(項目20)
前記腎機能査定モジュールは、少なくとも1つのプロセッサをさらに備え、該少なくとも1つのプロセッサは、前記プロンプトを発するようにプログラムされる、項目12−19のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目21)
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する患者腎機能データが、前記プロンプトに応答して、前記造影剤注入器システムの第1のユーザ入力デバイスを介して手動で入力されない場合、該造影剤注入器システムが造影剤放出を提供するよう動作させられることを阻止されるようにプログラムされる、項目20に記載の造影剤注入器システム。
(項目22)
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する患者腎機能データが、前記プロンプトに応答して、前記造影剤注入器システムの第1のユーザ入力デバイスを介して手動で入力されない場合、アラームを発するようにプログラムされる、項目20および21のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目23)
撮像されるべき患者に関する腎機能データは、直接ユーザ入力、病院情報システム(HIS)から、放射線情報システム(RIS)から、画像およびアーカイブ通信システム(PACS)から、患者電子医療記録システムから、ならびに腎機能試験モジュールからのうちの少なくとも1つによって、前記造影剤注入器システムに提供される、項目8−11のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目24)
腎機能データ源をさらに備え、該腎機能データ源は、直接ユーザ入力、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、画像およびアーカイブ通信システム(PACS)、患者電子医療記録システム、ならびに腎機能試験モジュールのうちの少なくとも1つを備える、項目8−11のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目25)
前記腎機能査定モジュールは、少なくとも1つのプロセッサをさらに備える、項目8−11、23、および24のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目26)
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する腎機能データが、前記第1の閾値腎機能データに対応しない場合、前記造影剤注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作させられることを阻止されるようにプログラムされる、項目25に記載の造影剤注入器システム。
(項目27)
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する腎機能データが、前記第1の閾値腎機能データに対応しない場合、アラームを発するようにプログラムされる、項目25および26のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目28)
前記少なくとも1つのプロセッサは、第1および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、前記造影剤注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作させられることを阻止されるようにプログラムされ、該第1の条件は、撮像されるべき患者に関する患者腎機能データが該造影剤注入器システムに未だ提供されていないというものであり、該第2の条件は、撮像されるべき患者に関する腎機能データが、前記第1の閾値腎機能データに対応しないというものである、項目25−27のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目29)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、アラームを発するようにプログラムされる、項目28に記載の造影剤注入器システム。
(項目30)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、少なくとも1つの次のアクション命令を発するようにプログラムされる、項目28および29のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目31)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記パワーヘッド内に位置する、項目25−30のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目32)
前記データ記憶デバイスは、RFデータタグを備え、前記読取り機は、電磁デバイスを備え、該電磁デバイスは、前記シリンジ上のRFデータタグからデータを電磁的に読み取るように設計される、項目8−31のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目33)
前記読取り機は、前記パワーヘッドと関連付けられる、項目8−32のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目34)
前記読取り機の少なくとも一部は、前記シリンジ取付け台内に位置する、項目8−33のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目35)
前記第1の閾値腎機能データは、前記シリンジ内に含有される造影剤に関する、項目8−34のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目36)
データ記憶装置をさらに備え、該データ記憶装置は、造影剤特有の閾値腎機能データを備え、該造影剤特有の閾値腎機能データは、前記第1の閾値腎機能データを備える、項目9−35のいずれかに記載の造影剤注入器システム。
(項目37)
前記データ記憶装置は、ルックアップテーブルを備え、該ルックアップテーブルは、複数の造影剤タイプおよび対応する閾値腎機能データを含む、項目36に記載の造影剤注入器システム。
(項目38)
注入のために使用されるべき造影剤タイプの前記造影剤注入器システムに対する識別は、該造影剤タイプと関連付けられた前記ルックアップテーブルから閾値腎機能データを自動的に読み出す、項目37に記載の造影剤注入器システム。
(項目39)
造影剤管理システムであって、
該システムは、
複数の造影剤容器を備える造影剤供給部であって、該複数の造影剤容器は、各々、密閉状態にある、造影剤供給部と、
腎機能査定モジュールであって、該腎機能査定モジュールは、該密閉状態にある間、該供給部からの個々の造影剤容器の解放を制御するよう動作可能である、腎機能査定モジュールと
を備える、システム。
(項目40)
前記複数の造影剤容器は、複数の予充填されたシリンジを備え、該シリンジは、各々、造影剤を含有する、項目39に記載の造影剤管理システム。
(項目41)
前記複数の造影剤容器の各々は、造影剤注入器システムと併用するために適合される、項目39および40のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目42)
前記複数の造影剤容器の各々は、前記造影剤供給部から解放された後にのみ、患者注入手技において使用可能である、項目39−41のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目43)
前記複数の造影剤容器の各々は、データ記憶デバイスを備える、項目39−42のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目44)
前記複数の造影剤容器の各々のための前記データ記憶デバイスは、RFデータタグを備える、項目43に記載の造影剤管理システム。
(項目45)
前記複数の造影剤容器の各々のための前記データ記憶デバイスは、その対応する造影剤容器の中の造影剤に対する造影剤タイプ識別子を備える、項目43および44のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目46)
前記複数の造影剤容器の各々のための前記データ記憶デバイスは、その対応する造影剤容器の中の造影剤に対する閾値腎機能データを備える、項目43−45のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目47)
前記複数の造影剤容器の各々は、対応する閾値腎機能データを有し、該閾値腎機能データは、その対応する前記データ記憶デバイス上に記憶されたデータを使用して読出し可能である、項目43−46のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目48)
前記閾値腎機能データは、選択された造影剤タイプの造影剤容器の前記データ記憶デバイス上に記憶されたデータを使用して、外部データベースから読み出される、項目47に記載の造影剤管理システム。
(項目49)
前記閾値腎機能データは、選択された造影剤タイプの造影剤容器の前記データ記憶デバイスから直接的に読み出される、項目47に記載の造影剤管理システム。
(項目50)
前記腎機能査定モジュールは、選択された造影剤タイプの造影剤容器のための前記閾値腎機能データを利用して、該造影剤容器が前記供給部から解放されるべきかどうかを決定する、項目46−49のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目51)
第1のデータ入力デバイスをさらに備え、該第1のデータ入力デバイスは、前記腎機能査定モジュールと動作可能に接続される、項目50に記載の造影剤管理システム。
(項目52)
前記腎機能査定モジュールは、比較論理を備え、該比較論理は、前記第1のデータ入力デバイスを介して入力された患者腎機能データを、選択された造影剤タイプの造影剤容器のための前記閾値腎機能データと比較するように構成される、項目51に記載の造影剤管理システム。
(項目53)
前記腎機能査定モジュールは、前記造影剤容器を前記供給部から解放し、該解放は、前記患者腎機能データが、前記選択された造影剤タイプの造影剤容器の前記データ記憶デバイスを使用して読み出された前記閾値腎機能データに対応するときにのみ行われる、項目52に記載の造影剤管理システム。
(項目54)
前記患者腎機能データは、直接ユーザ入力によって、病院情報システム(HIS)によって、放射線情報システム(RIS)によって、画像およびアーカイブ通信システム(PACS)によって、患者電子医療記録システムによって、および腎機能試験モジュールによって提供される、項目52および53のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目55)
前記腎機能査定モジュールと動作可能に接続された第1のデータ入力デバイスをさらに備え、該腎機能査定モジュールは、所定のデータが該第1のデータ入力デバイスを介して入力された後にのみ、前記複数の造影剤容器のうちの1つを前記供給部から解放する、項目39−45のいずれかに記載の造影剤管理システム。
(項目56)
前記所定のデータは、撮像されるべき患者の腎機能が、選択された造影剤タイプの造影剤容器に対して十分であると既に決定されていることの肯認を備える、項目55に記載の造影剤管理システム。
(項目57)
腎機能査定モジュールを備える撮像ユニットを備える、医療撮像システム。
(項目58)
前記腎機能査定モジュールは、比較論理を備え、該比較論理は、閾値腎機能データを撮像されるべき患者に関する腎機能データと比較するように構成され、該閾値腎機能データは、撮像されるべき患者に注入されるべき造影剤に関する、項目57に記載の医療撮像システム。
(項目59)
前記腎機能査定モジュールは、プロンプト論理をさらに備え、該プロンプト論理は、撮像されるべき患者に関する前記腎機能データの入力のためのプロンプトを発するように構成される、項目58に記載の医療撮像システム。
(項目60)
前記プロンプトは、前記医療撮像システムの少なくとも1つのディスプレイ上に提示される、項目59に記載の医療撮像システム。
(項目61)
前記医療撮像システムの第1のユーザ入力デバイスは、ユーザが前記プロンプトに手動で応答することを可能にする、項目59および60のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目62)
前記プロンプトは、ユーザへのメッセージであり、該メッセージは、撮像されるべき患者に関する前記腎機能データの入力を要求する、項目59−61のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目63)
前記プロンプトは、撮像されるべき患者の現在の腎機能が容認可能であると既に決定されているかどうかについての照会である、項目59−61のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目64)
造影剤注入器システムは、否定応答が、前記プロンプトに応答して、前記医療撮像システムのユーザ入力デバイスを介して入力される場合、造影剤放出を提供するよう動作させられることを阻止される、項目63に記載の医療撮像システム。
(項目65)
前記腎機能査定モジュールは、少なくとも1つのプロセッサをさらに備え、該少なくとも1つのプロセッサは、前記プロンプトを発するようにプログラムされる、項目59−64のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目66)
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する前記腎機能データが、前記プロンプトに応答して、医療撮像システムの第1のユーザ入力デバイスを介して手動で入力されない場合、造影剤注入器システムが、造影剤放出を提供するよう動作させられることを阻止されるようにプログラムされる、項目65に記載の医療撮像システム。
(項目67)
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する前記腎機能データが、前記プロンプトに応答して、前記医療撮像システムのユーザ入力デバイスを介して手動で入力されない場合、アラームを発するようにプログラムされる、項目65および66のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目68)
撮像されるべき患者に関する前記腎機能データは、直接ユーザ入力、病院情報システム(HIS)から、放射線情報システム(RIS)から、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)から、患者電子医療記録システムから、ならびに腎機能試験モジュールからのうちの少なくとも1つによって、前記医療撮像システムに提供される、項目59−67のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目69)
腎機能データ源をさらに備え、該腎機能データ源は、直接ユーザ入力、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)、患者電子医療記録システム、ならびに腎機能試験モジュールのうちの少なくとも1つを備える、項目59−67のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目70)
前記閾値腎機能データは、直接ユーザ入力、前記医療撮像システムの造影剤注入器システムの造影剤シリンジのデータ記憶デバイスから読み出されるデータから、複数の造影剤タイプおよび関連付けられた閾値腎機能を有するデータ記憶装置から、病院情報システム(HIS)から、放射線情報システム(RIS)から、ならびに画像アーカイブおよび通信システム(PACS)からのうちの少なくとも1つによって、前記医療撮像システムに提供される、項目59−67のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目71)
前記腎機能査定モジュールは、少なくとも1つのプロセッサをさらに備える、項目58−64のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目72)
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する前記腎機能データが前記閾値腎機能データに対応しない場合、造影剤注入器システムが造影剤放出を提供するよう動作させられることを阻止されるようにプログラムされる、項目71に記載の医療撮像システム。
(項目73)
前記少なくとも1つのプロセッサは、撮像されるべき患者に関する前記腎機能データが、前記閾値腎機能データに対応しない場合、アラームを発するようにプログラムされる、項目71および72のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目74)
前記少なくとも1つのプロセッサは、造影剤注入器システムが、第1および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、造影剤放出を提供するよう動作せられることを阻止されるようにプログラムされ、該第1の条件は、撮像されるべき患者に関する前記腎機能データが、前記医療撮像システムに提供されていないというものであり、該第2の条件は、撮像されるべき患者に関する該腎機能データが、前記閾値腎機能データに対応しないというものである、項目71−73のいずれかに記載の医療撮像システム。
(項目75)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、アラームを発するようにプログラムされる、項目74に記載の医療撮像システム。
(項目76)
前記少なくとも1つのプロセッサは、前記第1および第2の条件のうちの1つ以上の発生に応じて、少なくとも1つの次のアクション命令を発するようにさらにプログラムされる、項目74および75のいずれかに記載の医療撮像システム。
【発明を実施するための形態】
【0052】
図1Aは、パワーヘッド212を有する、電動注入器の210一実施形態の概略図を表す。1つ以上のグラフィカルユーザインターフェースまたはGUI211は、パワーヘッド212と関連付けられてもよい。各GUI211は、1)任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであってもよく、2)任意の適切な様式において、パワーヘッド212と動作可能に相互接続されてもよく、3)任意の適切な場所に配置されてもよく、4)以下の機能:電動注入器210の動作の1つ以上の側面の制御、電動注入器210の動作と関連付けられた1つ以上のパラメータの入力/編集、および適切な情報(例えば、電動注入器210の動作と関連付けられた)の表示のうちの1つまたは任意の組み合わせを提供するように構成されてもよく、あるいは5)前述の任意の組み合わせであってもよい。任意の適切な数のGUI211が、利用されてもよい。一実施形態では、電動注入器210は、パワーヘッド212と分離しているが、それと通信するコンソールによって組み込まれるGUI211を含む。別の実施形態では、電動注入器210は、パワーヘッド212の一部である、GUI211を含む。さらに別の実施形態では、電動注入器210は、パワーヘッド212と通信する別個のコンソール上のあるGUI211を利用し、また、パワーヘッド212上にある別のGUI211も利用する。各GUI211は、同一の機能性または一組の機能性を提供し得るか、あるいはGUI211は、その個別の機能性に関連して、少なくともいくつかの点で異なってもよい。
【0053】
シリンジ228は、このパワーヘッド212上に配置されてもよく、設置されると、電動注入器210の一部と見なされてもよい。いくつかの注入手技は、比較的に高圧力をシリンジ228内で生成させてもよい。この点において、圧力ジャケット226内にシリンジ228を配置することが望ましくあり得る。圧力ジャケット226は、一般的には、シリンジ228をパワーヘッド212上に設置するステップの一部として、またはその後、シリンジ228がその中に配置されることを可能にする様式において、パワーヘッド212と関連付けられる。種々のシリンジ228が、複数の注入手技のために、圧力ジャケット226内に位置付けられ、そこから除去されるのに伴って、同一の圧力ジャケット226は、一般的には、パワーヘッド212と関連付けられたままであろう。電動注入器210は、電動注入器210が、低圧力注入のために構成/利用される場合、および/または電動注入器210と併用されるシリンジ228が、圧力ジャケット226によって提供される付加的支持を伴わずに、高圧力注入に耐えるために十分な耐久性がある場合、圧力ジャケット226を排除してもよい。いずれの場合も、シリンジ228から放出される流体は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプの導管238内に指向され得、導管は、任意の適切な様式でシリンジ228と流動的に相互接続され、任意の適切な場所(例えば、患者)に流体を指向させ得る。
【0054】
パワーヘッド212は、シリンジ228(例えば、そのプランジャ232)と相互作用(例えば、界面接合)し、シリンジ228から流体を放出する、シリンジプランジャ駆動アセンブリまたはシリンジプランジャ駆動体214を含む。このシリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、駆動出力218(例えば、回転可能駆動ネジ)に電力を供給する駆動源216(例えば、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプのモータ、随意の伝動装置、ならびに同等物)を含む。ラム220は、駆動出力218によって、適切な経路(例えば、軸方向)に沿って前進されてもよい。ラム220は、後述される様式において、シリンジ228の対応する部分と相互作用または界面接合するための連結器222を含んでもよい。
【0055】
シリンジ228は、バレル230内に移動可能に配置される、プランジャまたはピストン232を含む(例えば、両矢印Bと合致する軸に沿った軸方向往復運動のため)。プランジャ232は、連結器234を含んでもよい。このシリンジプランジャ連結器234は、ラム連結器222と相互作用または界面接合し、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214に、バレル230内でシリンジプランジャ232を後退させてもよい。シリンジプランジャ連結器234は、ヘッドまたはボタン236bとともに、シリンジプランジャ232の本体から延在する、シャフト236aの形態であってもよい。しかしながら、シリンジプランジャ連結器234は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであってもよい。
【0056】
概して、電動注入器210のシリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、少なくとも1つの方向に、シリンジプランジャ232を(バレル230に対して)移動または前進させることが可能であるように(例えば、対応するシリンジ228から流体を放出するため)、任意の適切な様式において(例えば、機械的接触によって、適切な連結によって(機械的または別様に))、シリンジ228のシリンジプランジャ232と相互作用してもよい。すなわち、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、双方向運動可能であってもよいが(例えば、同一駆動源216の動作を介して)、電動注入器210は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214の動作が、実際には、電動注入器210によって使用される各シリンジプランジャ232を一方向のみに移動させるだけであるように構成されてもよい。しかしながら、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、2つの異なる方向(例えば、共通軸方向経路に沿った異なる方向)のそれぞれに、各そのようなシリンジプランジャ232を移動させることが可能であるように、電動注入器210によって使用される各シリンジプランジャ232と相互作用するように構成されてもよい。
【0057】
シリンジプランジャ232の後退は、後続注入または放出のために、バレル230内への流体の装填に適応するたために利用されてもよく、後続注入または放出のために、バレル230内に実際に流体を引き込むために利用されてもよく、あるいは任意の他の適切な目的のためであってもよい。ある構成は、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214が、シリンジプランジャ232を後退させることが可能であることを要求せず、その場合、ラム連結器220およびシリンジプランジャ連結器234は、所望されなくてもよい。この場合、シリンジプランジャ駆動アセンブリ214は、別の流体送達動作を実行する目的のために、後退されてもよい(例えば、別の予充填されたシリンジ228が設置された後)。ラム連結器222およびシリンジプランジャ連結器232が、利用される場合でも、これらの構成要素は、ラム220が、シリンジプランジャ232を前進させ、シリンジ228から流体を放出させるとき、連結されてもよく、またはそうでなくてもよいようなものであり得る(例えば、ラム220は、単純に、シリンジプランジャ234を「押し進め」てもよい)。任意の適切な寸法または寸法の組み合わせにおける、任意の単一運動あるいは運動の組み合わせを利用して、ラム連結器222およびシリンジプランジャ連結器234を連結状態または条件に配置する、ラム連結器222およびシリンジプランジャ連結器234を非連結状態または条件に配置する、もしくは両方を行ってもよい。
【0058】
シリンジ228は、任意の適切な様式において、パワーヘッド212上に設置されてもよい。例えば、シリンジ228は、直接、パワーヘッド212上に設置されるように構成され得る。例示される実施形態では、筐体224は、シリンジ228とパワーヘッド212との間に界面接合を提供するように、パワーヘッド212上に適切に取り付けられる。この筐体224は、シリンジ228の1つ以上の構成が設置され得る、アダプタの形態であってもよく、その場合、シリンジ228のための少なくとも1つの構成は、直接、任意のそのようなアダプタを使用することなく、パワーヘッド212上に設置され得る。筐体224はまた、シリンジ228の1つ以上の構成が設置され得る、面板の形態であってもよい。この場合、面板は、シリンジ228をパワーヘッド212上に設置するために要求されるようなものであり得る。すなわち、シリンジ228は、面板を伴わない場合、パワーヘッド212上に設置され得ない。圧力ジャケット226が使用されるとき、シリンジ228と関連して本明細書で論じられる種々の様式において、パワーヘッド212上に設置されてもよく、次いで、シリンジ228が、その後、圧力ジャケット226内に設置されるであろう。
【0059】
筐体224は、シリンジ228を設置するとき、パワーヘッド212上に搭載され、それに対して、固定位置のままであってもよい。別の選択肢は、筐体224およびパワーヘッド212を移動可能に相互接続し、シリンジ228の設置に適応するというものである。例えば、筐体224は、両矢印Aを含有する平面内を移動し、ラム連結器222とシリンジプランジャ連結器234との間に、連結状態または条件および非連結状態または条件のうちの1つ以上を提供してもよい。
【0060】
図1Bを参照すると、注入器10は、シリンジ取付け台12を含み、注入アセンブリを提供するために、駆動ラム16と整合するように、注入器10へのシリンジ14の取着を容易にする。注入器10と併用するためのシリンジ14は、概して、本体18(外部円筒形筒の形態であってもよい)を含み、その前方端20は、円錐形正面壁22と一体型である。首部24は、放出先端26において終端し、概して、円錐形正面壁22から前方に延在し、それと一体型であってもよい。シリンジ14の本体18は、圧力ジャケット(図示せず)または架台30が、注入器10上に存在するとき、そのような圧力ジャケットまたは架台30の内部壁と界面接合してもよい。シリンジ14は、注入器10と併用されるように、半径方向外向きに延在するフランジ34の形態にあり得る、シリンジ嵌合区画32を含む。本フランジ34は、シリンジ14の縦軸36に略垂直な平面に位置付けられ、概して、シリンジ14の本体18の後方端38と一体型であってもよい。シリンジ14が、注入器10と関連付けられると、フランジ34は、注入器10の筐体42の前方端40上に位置する、シリンジ取付け台12内および/またはそれに接触して位置付けられる。シリンジ嵌合区画32およびシリンジ取付け台12を利用して、以下により詳細に説明されるように、注入器10へのシリンジ14の動作接続を容易にしてもよい。
【0061】
シリンジ14の放出先端26は、首部24内に画定される、内部シリンジ空洞46、円錐形正面壁22、およびシリンジ14の本体18と連通し得る、その遠隔端に画定される、オリフィス44を有する。空洞46の後方端48は、シリンジプランジャ52の略前方に面する表面50によって画定されてもよい。例示される実施形態では、この前方に面する表面50は、略円錐形である。表面50は、円錐形正面壁22の内部の勾配に一致する、勾配であってもよい。シリンジプランジャ52は、空洞46が、可変体積であるように、シリンジ14の本体18内をぴったりと摺動可能であってもよい。管類(図示せず)は、流体が、シリンジ14から、管類を通して、吐出され得るように、放出先端26に動作可能に接続されてもよい。
【0062】
次に、
図1B、4B、および5Bを参照すると、シリンジプランジャ52は、シリンジ14の本体18内により明確に見られ得る。シリンジ14が、注入器10に取着されると、シリンジプランジャ52は、好ましくは、注入器10の駆動ラム16の近位かつそれと実質的に整合して位置付けられる。駆動ラム16は、モータ(図示せず)によって駆動され、その縦軸54に沿って、前方または後方運動において移動し、駆動ラム16を配備し、したがって、それに応答して、シリンジ14の縦軸36に沿って、前方または後方運動において、シリンジプランジャ52を配備し、それぞれ、流体を患者内に注入する、またはシリンジ14を流体で充填する。例えば、予充填されたシリンジを注入器10内に装填してもよく、プランジャ52を前方方向に配備することによって、それによって、流体をシリンジ14から排出してもよい。そうすることによって、流体は、患者内に注入されてもよい。代替として、空のシリンジが、注入器10内に装填されてもよい一方、シリンジプランジャ52は、その最前方位置またはその近傍に位置してもよい。その後、流体(例えば、造影剤)は、シリンジ14を流体源に動作可能に接続し、流体をシリンジ14内に引き込むために、シリンジプランジャ52を後方方向に後退させることによって、シリンジ14内に装填されてもよい。
【0063】
注入器10は、可変体積の予充填されたシリンジまたは空のシリンジに適応するように設計されてもよい。例えば、注入器10は、125mlの予充填されたシリンジ(例えば、Mallinckrodt LLC(St.Louis、Missouri)から市販のUltraject(登録商標)シリンジ)を受容するように適合されてもよい。そのようなシリンジは、造影剤を患者内に注入するために使用されてもよい。これらの125mlシリンジは、流体の適切な量の範囲のいずれか、例えば、50ml、75ml、100ml、125ml、または他の量で予充填されてもよい。加えて、注入器10は、種々のサイズ(例えば、50ml、75ml、100ml、125ml、130ml等)のいずれかの空のシリンジに適応してもよい。
【0064】
次に、
図2A−5Bを参照すると、シリンジ取付け台12の一実施形態が、示される。シリンジ取付け台12は、シリンジ14が、注入器10上に設置可能となる構造である(例えば、シリンジ14または注入器10のいずれも損傷することなく、シリンジ14が、注入器10に取着され、そこから除去され得る、着脱可能接続を介して)。概して、シリンジ取付け台12はさらに、注入器10の駆動ラム16が、バレル18内およびそれに対して、シリンジプランジャ52を移動させることができるように、少なくとも実質的に、シリンジ14の本体または筒18を不動化するステップとして特徴付けられてもよい。
【0065】
シリンジ取付け台12は、オリフィス60を画定する、壁部材58と、少なくとも、アクチュエータ56に動作可能に連結され、それに応じて、それに伴って移動可能である、第1の可動部材62と、を含む、可動アクチュエータ56を含む。より具体的には、例示される実施形態のシリンジ取付け台12は、アクチュエータ56の壁部材58に動作可能に連結される、第1および第2の可動部材62、64を含む。第1および第2の可動部材62、64は、それに動作可能に接続される、第1および第2のピン66、68を含む。第1のピン66は、第1の可動部材62の第1の端部70近傍に動作可能に連結され、第2のピン68は、第2の可動部材64の第1の端部72近傍に動作可能に連結される。第1および第2のピン66、68は、アクチュエータ56の壁部材58内に画定される、少なくとも1つのスロット74内に受容され、第1および第2の可動部材62、64をそこに連結する。アクチュエータ56は、第1および第2の可動部材62、64の近位に配置される。さらに、第1および第2の部材62、64は、そこから後方に突出する、第1および第2のロッド67、69を含んでもよい。これらの第1および第2のロッド67、69は、第1および第2の可動部材62、64が、開放と閉鎖位置との間を移動するのに伴って、アクチュエータ56の壁部材58に対向し、その外側輪郭に沿って、移動してもよい。
【0066】
スロット74は、その基部部分76において、アクチュエータ56の壁部材58によって画定される。第1および第2のピン66、68は、スロット74内を移動可能(例えば、摺動可能および随意に回転可能)である。第1および第2のピン66、68はそれぞれ、スロット74の中心78の位置近位から、スロット74の第1および第2の終端80、82近傍の位置に移動することができる。第1および第2のピン66、68は両方とも、スロット74の片側を移動しない。むしろ、第1のピン66は、スロット74の一部分内を移動するように適合され、第2のピン68は、スロット74の別の部分内を移動するように適合される。特に、例示される実施形態では、壁部材58の基部部分76は、少なくとも、略「V」に類似する形状にある、その上部を有する、開口部84を含む。第1および第2のピン66、68は、この開口部84の「V」部分内に配置される。第1および第2のピン66、68は、「V」の2つの脚部の交差近傍に位置付けられるとき、第1および第2の可動部材62、64は、開放位置にある(
図4A参照)。第1および第2のピン66、68が、「V」の第1および第2の終端80、82近傍に位置付けられるとき、第1および第2の可動部材62、64は、閉鎖位置にある(
図5A参照)。例示される実施形態のスロット74は、概して、「V」形状を有するように図示および本明細書に説明されるが、そのような「V」形状は、必要ではなく、第1および第2の可動部材62、64が、スロット内を十分に移動し、シリンジを注入器10に動作可能に接続可能にする、任意の他の形状を使用することができることが、当業者によって認識されるであろう。例えば、スロット74は、「U」または「C」形状を有してもよい。さらに、当業者は、2つ以上のスロットが、使用されてもよいことを認識するであろう。例えば、壁部材58の基部76の近位に「V」形状を形成する2つのスロットは、「V」の突端近傍において、第1および第2のピン66、68を受容する。再び、当業者は、スロットが、必ずしも、「V」の形状にある必要はないことを認識するであろう。
【0067】
図2A−5Bから分かるように、アクチュエータ56ならびにシリンジ取付け台12の第1および第2の可動部材62、64は、注入器10の筐体42の面板86内に保持される(付加的面板の図は、
図6−12に見られ得る)。特に、
図2Aを参照すると、面板86は、近位壁部分88、遠位壁部分90、遠位壁部分90から遠位に延在する架台30、および連結板92を含む。第1および第2の可動部材62、64は、連結板92とアクチュエータ56の壁部材58との間に位置し、全3つの構成要素は、次いで、近位壁部分88と遠位壁部分90との間に形成される、面板86の内部空洞94内に含有される。アクチュエータ56ならびに第1および第2の可動部材62、64は、内部空洞94内で移動可能である。連結板は、好ましくは、近位および遠位壁部分88、90のうちの少なくとも1つに固定されるため、好ましくは、実質的に、面板86の近位および遠位壁部分に対して、不動である。例示される実施形態では、この固定は、背面板99内のオリフィス97、近位壁部分88内のオリフィス98、連結板92内のオリフィス100を通して延在する、ネジ96の使用を通して生じ、遠位壁部分90内のオリフィス(図示せず)内に受容される。
【0068】
連結板92は、その近位表面105から突出する、第1および第2の旋回シャフト101、103を含む。これらの第1および第2の旋回シャフト101、103は、それぞれ、第1および第2の可動部材62、64内に画定される、第1および第2のシャフト開口部107、109内に受容される。したがって、第1および第2の可動部材62、64は、対応する第1および第2の旋回シャフト101、103を中心として、旋回運動を呈することが可能である。換言すると、第1および第2の可動部材62、64は、可動部材62、64が、それを中心として旋回することができるような様式において、対応する第1および第2の旋回シャフト101、103と連結される。第1および第2の旋回シャフト101、103は、したがって、第1および第2の可動部材62、64のための旋回点を提供すると言え得る。
【0069】
シリンジ取付け台12内へのシリンジ14の装填を始動するために、シリンジ14の後方端38におけるフランジ34は、シリンジ取付け台12の遠位壁部分90および連結板92それぞれにおける開口を通過され、アクチュエータ56内に画定されたオリフィス60内に受容されてもよい。シリンジ14の後方端38は、オリフィス60内に位置するが、シリンジ14は、注入器10の駆動ラム16の縦軸54に略垂直な第1の方向に移動されてもよい。ここでは、この方向は、「下向き」方向と称されるであろう(運動が、注入器10に対して下方であるため)。しかしながら、運動は、「下向き」である必要はなく、シリンジ取付け台12の構成要素は、他の方向における運動が、シリンジ14の適切な係合をもたらし得るように構成することができることが、当業者によって認識されるであろう(限定されないが、「上向き」移動、「横方向」移動、またはシリンジ14の縦軸36が、駆動ラム16の縦軸54と略同軸関係に移動されるような任意の他の適切な略垂直移動を含む)。この下向き運動は、順に、それに応じて、アクチュエータ56を下向き方向に移動させる。下向き方向におけるアクチュエータ56の運動は、第1および第2のピン66、68のそれぞれを、壁部材58の基部部分76内に画定される、スロット74の対応する第1および第2の端部80、82に移動させる。ピン66、68のこの移動は、第1および第2の可動部材62、64が、第1および第2の可動部材62、64の第1および第2のシャフト開口部107、109内に位置する、固定連結板92の第1および第2の旋回シャフト101、103のため、下向き方向に移動することができないため、生じる。したがって、アクチュエータ56が、下向き方向に移動するのに伴って、第1および第2のピン66、68は、スロット74内でその第1および第2の終端80、82へ移動する。第1および第2の可動部材62、64は、下向きに移動することができないため、代わりに、第1および第2の旋回シャフト101、103によって提供される旋回点を中心として、旋回する。言い換えると、第1および第2の可動部材62、64は、個別の第1および第2のシャフト開口部107、109において、対応する第1および第2の旋回シャフト101、103を中心として回転する。したがって、第1および第2の可動部材62、64は、シリンジ14の後方端38に係合(例えば、それを略円周方向に包囲)するように旋回する(
図5A参照)。シリンジ14のフランジ34は、可動部材62、64のこの旋回移動の間、アクチュエータ56内に位置するため、第1および第2の可動部材62、64は、シリンジ14の本体18(フランジ34ではなく)に係合する。シリンジ14の本体18とのこの係合が、本体18の実質的包囲として特徴付けられ得るように、可動部材62、64が設計される実施形態では、このタイプの係合は、従来のシリンジ取付け台に見られるものより大きなシリンジ14の被覆率を可能にし、したがって、潜在的に、シリンジ14が、より大きな注入圧力に耐えることを可能にすると言え得る。
【0070】
例示される実施形態では、第1および第2の可動部材62、64は、相互に向かい合って、駆動ラム16の縦軸54を中心として位置付けられる。さらに、第1および第2の可動部材62、64はそれぞれ、弓状面102、104を有する。これらの弓状面102、104は、相互に直径方向に向かい合ってあるように示され、シリンジ14の本体18の外部に位置する。シリンジ14が、注入器10のシリンジ取付け台12と適切に係合されると、シリンジ取付け台12の第1および第2の可動部材62、64は、外部シリンジ14の本体18の側部表面と接触し、シリンジ14を定位置かつ注入器10の駆動ラム16と整合して、保持する。
【0071】
いくつかの実施形態では、可動部材62、64の弓状面102、104は、1つ以上のタイプの係合向上特徴(例えば、溝、凸凹、圧入、隆起、歯、それらの組み合わせ、および同等物)を支承し、可動部材62、64が、シリンジ14を把持および保持する能力を改善してもよい。いくつかの実施形態では、把持向上コーティング(例えば、Santoprene(登録商標)エラストマー)が、可動部材62、64の弓状面102、104に塗布され、シリンジ14の把持/保持を容易にしてもよい。
【0072】
第1および第2の可動部材62、64の旋回移動は、相互に向かってかつそこから離れるように旋回するのに伴って、弓状面102、104間の距離を改変する。例示される実施形態では、第1および第2の可動部材62、64はそれぞれ、移動可能である。いくつかの実施形態では、不動部材(例えば、弓状停止部または当接部)と離間関係に配置される、単一可動部材を使用可能であって、それに向かって、単一可動部材は、移動されてもよい。
【0073】
いくつかの実施形態では、第1および第2の可動部材62、64は、適切なシリンジ係合機能のために必要ではない。そのような実施形態では、単一把持部材が使用され、シリンジ14に係合し、それによって、シリンジ14を注入器10に動作可能に接続してもよい。そのような実施形態では、単一可動部材は、本体18と接触時、シリンジ14の円周を十分に被覆し、シリンジ14を注入器10に対して保持するはずである。そのような実施形態では、可動部材の中心点から延在する、各アームは、アームが、外向きにおよび内向きに拡開し、シリンジ14の挿入および/または除去を可能にし得るように、ある程度弾性を有してもよい。
【0074】
アクチュエータ56の壁部材58は、第1の波状輪郭106および第2の波状輪郭108を含む、周辺側部表面110を有するように示される。示されるように、第2の波状輪郭108は、実質的に、第1の波状輪郭106と向かい合って位置付けられる。これらの第1および第2の波状輪郭106、108はそれぞれ、第1の谷間112、第2の谷間114、およびその間に配置される隆起116を含む。注入器10のシリンジ取付け台12内に位置付けられるとき、これらの第1および第2の波状輪郭106、108は、アクチュエータ56が、第1と第2の位置との間で移動されるのに伴って、第1および第2の波状輪郭106、108の表面に沿って、乗設されるように適合される、第1および第2の突起118、120と対向する(
図2Aおよび5A参照)。例示される実施形態では、第1および第2の突起118、120は、面板86の近位壁部分88に連結され、第1および第2の波状輪郭106、108のそれぞれに向かう方向にバネバイアスされる。第1および第2の戻り止め118、120ならびに第1および第2の波状輪郭106、108の相互作用は、アクチュエータ56を移動させ、シリンジ14の装填または除荷を所望するまで、第1または第2の位置のいずれかにアクチュエータ56を維持する補助をする。いくつかの実施形態では、第1および第2のピン66、68は、第1および第2の可動部材62、64のそれぞれと関連付けられたバイアスバネを含んでもよい。そのような実施形態では、バイアスバネのそれぞれの一端は、そのそれぞれ関連付けられた可動部材と接触してもよく、各バイアスバネの反対端は、注入器10の筐体42(または、面板86)の一部に対して、着座または支承してもよい。いくつかの実施形態では、これらのバイアスバネの少なくとも一部は、第1および第2の可動部材62、64の旋回軸を形成する、ピン66、68を中心として配置されてもよい。
【0075】
シリンジ14を注入器10内に装填するために、シリンジ14は、シリンジ14の後方端38におけるフランジ34が、壁部材58のオリフィス60内に受容され、フランジ34の周縁上の少なくとも1つの接触点122が、オリフィス60を画定する周辺表面124と接触する、または接触されることができるように、アクチュエータ56の壁部材58に対して位置付けられる。より具体的には、フランジ34は、ある実施形態では、アクチュエータ56内の陥凹125によって受容されてもよい。アクチュエータ56は、
図4Aでは、第1および第2の可動部材62、64が、開放位置にあるように、第1の位置にあるように示される。また、この第1の位置では、第1および第2の突起118、120は、対応する第1および第2の波状輪郭106、108の第1の谷間112と接触する。第1および第2の突起118、120のバネバイアスの力は、少なくとも、アクチュエータ56の壁部材58が、第2の位置に単独で移動するのを防止する補助をする。さらに、注入器10の駆動ラム16は、好ましくは、プランジャ連結機構126が、シリンジプランジャ52の後方面から延在する、連結機構128と整合されるように位置付けられる(
図4B参照)。
【0076】
ユーザは、次いで、駆動ラム16の縦軸54に略垂直方向に、かつそれに向かう方向において、シリンジ14に力を印加する。シリンジ14のフランジ34は、壁部材58の周辺表面124に接触し、アクチュエータ56の壁部材58を付勢し、それに応じて、駆動ラム16の縦軸54に略垂直方向に移動させるために利用される。アクチュエータ56が、第1の位置から第2の位置に移動するように、十分な力が、第1および第2の突起118、120のバネバイアスを克服するために印加される。これが生じるのに伴って、第1および第2の突起118、120は、第1および第2の波状輪郭106、108に沿って、第1の谷間112から、隆起116に沿って、第2の谷間114内に乗設される。第1および第2の突起118、120を利用して、次いで、少なくとも、壁部材58を
図5Aに示される第2の位置に維持する補助をしてもよい。
【0077】
第1の位置から第2の位置への壁部材58の移動は、駆動ラムの縦軸54に略垂直方向に、壁部材58のスロット74を協働し得るように移動させる。したがって、スロット74は、第1および第2のピン66、68に対して移動し、それによって、第1および第2のピン66、68をスロット74に対してかつその中で移動させる。より具体的には、例示される実施形態では、第1および第2のピン66、68は、「V」の突端の位置近位から、「V」の各脚部の終端の近位の位置へ(
図4Aに示される位置から、
図5Aに示される位置へ)V−形状スロット内を移動する。この移動は、シリンジ14の後方端38が、第1および第2の可動部材62、64によって係合されるように、開放位置から閉鎖位置に、第1および第2の可動部材62、64の応答的旋回移動を生じさせる。特に、アクチュエータ56が、下向き方向に移動するのに伴って、第1および第2のピン66、68は、スロット74内でその第1および第2の終端80、82へ移動する。第1および第2の可動部材62、64は、下向きに移動することができないため、代わりに、第1および第2の旋回シャフト101、103によって提供される旋回点を中心として旋回する。言い換えると、第1および第2の可動部材62、64は、それぞれ、第1および第2のシャフト開口部107、109において、第1および第2の旋回シャフト101、103を中心として回転する。
【0078】
壁部材58が、第1の位置から第2の位置に移動され、シリンジ14が、可動部材62、64によって係合されていない位置から、可動部材62、64によって係合された位置に、壁部材58とともに移動するのに伴って、シリンジプランジャ52の後方端38における連結機構128は、駆動ラム16のプランジャ連結機構126と係合されていない位置から、駆動ラム16のプランジャ連結機構126と係合された位置に移動する。例示される実施形態では(
図4Bおよび5B参照)、シリンジ14のフランジ34が、壁部材58によって画定されたオリフィス60と整合されると、シリンジ14内のシリンジプランジャ52は、好ましくは、シリンジプランジャ52の後方面上の連結機構128が、駆動ラム16のプランジャ連結機構126と整合されるように位置付けられる。例示されるシリンジプランジャ52の連結機構128は、シリンジプランジャ52の後方面から延在する、突起128である。この突起128は、キャップ部分132(シリンジ14の縦軸に直角)によって冠着されたステム部分130(シリンジ14の縦軸36に平行)を有する、「T」形状を呈するように特徴付けられてもよい。壁部材58が、第1の位置から第2の位置に移動されるのに伴って、連結機構128のキャップ部分132は、例示される実施形態では、駆動ラム16の前方端内に形成される、スロット134である、プランジャ連結機構126によって受容されてもよい。
【0079】
スロット134は、シリンジ14の連結機構128、特に、そのキャップ部分132を受容するような形状において、駆動ラム16の前方端内に画定される。プランジャ連結要素126の断面は、シリンジプランジャ52が、駆動ラム16と係合されると、「J」形状の遠位端136が、連結機構128のキャップ部分132の一部の遠位に位置付けられるように、J−形状を呈するように示される(キャップ部分132を受容するように構成される、「J」のフック部分内にスロットを有する)。したがって、シリンジ14が、最初に、アクチュエータ56(第1の位置にある)内に挿入されると、連結機構128のキャップ部分132は、駆動ラム16のプランジャ連結要素126の「上方」にくる。しかしながら、アクチュエータ56が、第2の位置に移動されるのに伴って、連結機構128のキャップ部分132は、駆動ラム16のプランジャ連結機構126の遠位端136の近位に位置付けられるように移動される。係合されると、注入手技が、その縦軸54に沿って、駆動ラム16を前方に平行移動させること等によって、起動され、造影剤等の流体をシリンジ14から分配してもよい。例示される実施形態のスロット134および延在部128は、本明細書では、それぞれ、「J」および「T」と称される形状を有するが、連結を容易にする任意の形状が使用されてもよいことが、当業者によって認識されるであろう。加えて、例示される実施形態は、最初に、受動的連結をもたらす、連結機構128およびプランジャ連結機構126を描写するが、当業者は、能動的連結をもたらす、連結機構およびプランジャ連結機構(ある程度の確実な把持を伴う)が使用されてもよいことを認識するであろう。
【0080】
前述のように、シリンジ取付け台12は、注入器10の駆動ラム16が、任意の位置にあるとき、シリンジ14が、注入器10の面板86および/または前方端40から除去されることを可能にする。シリンジ14を注入器10から取り外す前に、駆動ラム16が「定」位置に戻ることは要求されない。したがって、注入手技の間、駆動ラム16の平行移動は、駆動ラム16が、注入器10の正面面板86から延在位置にある間、停止されてもよい。ユーザは、次いで、シリンジ14を把持し、それを上向き方向に移動させ、それによって、第1および第2の突起118、120のバネバイアスされた力を克服し、アクチュエータ56を第2の位置から第1の位置に移動させることができる。これが生じるのに伴って、第1および第2の突起118、120は、第1および第2の波状輪郭106、108に沿って、第2の谷間114から、隆起116を越えて、第1の谷間112内に乗設される。同時に、第1および第2の可動部材62、64の第1および第2のピン66、68は、Vのアームの終端80、82近傍の位置から、Vの突端近傍の位置に、壁部材58のV−形状スロット内を移動するであろう。これは、第1および第2の旋回シャフト101、103の第1および第2のシャフト開口部107、109との相互作用によって生成される駆動点を中心として駆動することによって、第1および第2の可動部材62、64を閉鎖位置から開放位置に旋回させる。アクチュエータ56のオリフィス60内のシリンジ14の後方端38におけるフランジ34の位置付けのため、アクチュエータ56は、シリンジ14の後方面上のT−形状連結機構が、駆動ラム16の前方端上のスロットを脱するために十分な垂直シリンジ移動を可能にし、それによって、シリンジ14の注入器10からの除去を可能にする。
【0081】
図1Aおよび1Bの電動注入器210、10はそれぞれ、限定ではないが、流体が、対象(例えば、患者)内に注入される、医療撮像用途等、任意の適切な用途のために使用されてもよい。電動注入器210、10のための代表的医療撮像用途として、限定ではないが、コンピュータ断層撮影またはCT撮像、磁気共鳴画像診断またはMRI、SPECT撮像、PET撮像、X線撮像、血管造影撮像、光学撮像、および超音波撮像が挙げられる。電動注入器210、10はそれぞれ、単独、または1つ以上の他の構成要素と組み合わせて、使用され得る。電動注入器210、10はそれぞれ、例えば、情報(例えば、走査遅延情報、注入開始信号、注入速度)が、電動注入器210、10と1つ以上の他の構成要素との間で伝達され得るように、1つ以上の構成要素と動作可能に相互接続されてもよい。
【0082】
任意の数のシリンジが、限定ではないが、単一ヘッド構成(単一シリンジの場合)および二重ヘッド構成(2つのシリンジの場合)を含む、電動注入器210、10のそれぞれによって利用されてもよい。複数のシリンジ構成の場合、各電動注入器210、10は、任意の適切な様式において、かつ任意のタイミングシーケンス(例えば、2つ以上のシリンジからの逐次放出、2つ以上のシリンジからの同時放出、または任意のそれらの組み合わせ)に従って、種々のシリンジから流体を放出してもよい。複数のシリンジが、共通導管内に放出してもよく(例えば、単一注入部位への提供のため)、または1つのシリンジが、1つの導管内に放出してもよい(例えば、1つの注入部位への提供のため)一方、別のシリンジが、異なる導管内に放出してもよい(例えば、異なる注入部位への提供のため)。電動注入器210、10のそれぞれによって利用される各そのようなシリンジは、任意の適切な流体、例えば、造影剤、放射性医薬品、生理食塩水、および任意のそれらの組み合わせを含んでもよい。電動注入器210、10のそれぞれによって利用される各そのようなシリンジは、任意の適切な様式において、設置されてもよい(例えば、背面装填構成が利用されてもよい、正面装填構成が利用されてもよい、側面装填構成が利用されてもよい)。
【0083】
図6は、
図1Bの電動注入器10ならびに任意の他の適切な電動注入器のシリンジ取付け台12によって使用され得る(可動部材62、64と置換して)、電動注入シリンジクランプアセンブリ300の一実施形態の斜視図である。概して、クランプアセンブリ300は、電動注入シリンジ330を対応する電動注入器のパワーヘッド上に保持または保定するために使用されてもよい。クランプアセンブリ300は、電動注入シリンジ330に圧縮力を付与し得るが、それは、全事例において要求されるわけではない。代わりに、クランプアセンブリ300の1つ以上の部分は、電動注入シリンジ330に近接に離間した状態で配置され得る、クランプアセンブリ300の1つ以上の部分は、単純に、電動注入シリンジ330と界面接合する関係で配置され得る、または両方であり得る。いずれの場合も、クランプアセンブリ300は、電動注入シリンジ330上の1つ以上のRFIDタグ336と通信するために、少なくとも1つのRFIDアンテナを含む(例えば、1つ以上のRFIDタグ336からデータを読み取るため、1つ以上のRFIDタグ336にデータを書き込むため)。任意の適切な数のRFIDアンテナが、クランプアセンブリ300によって利用されてもよく、各RFIDアンテナは、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプ(例えば、任意の適切なレイアウトまたはパターン)である。クランプアセンブリ300のRFIDアンテナに電力を提供するための任意の適切な方法が、利用されてもよい。1つ以上のRFIDアンテナをクランプアセンブリ300に組み込む任意の適切な方法が、利用されてもよい(例えば、1つ以上のRFIDアンテナをクランプアセンブリ300に別個に取り付ける、1つ以上のRFIDアンテナをクランプアセンブリ300の構造内に統合する、および任意のそれらの組み合わせを含む)。
【0084】
クランプアセンブリ300によるRFIDアンテナの種々の統合は、
図7−10に関連して後述される。最初に、
図7を参照すると、クランプアセンブリ300は、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312を含む。第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312は、向かい合った関係に配置されるように特徴付けられてもよい。例示される実施形態では、各クランプ部材302、312は、電動注入シリンジ330のバレル332の異なる部分から外向きに配置されるが、電動注入シリンジ330の長さ寸法(軸338と一致する長さ寸法)に沿った同一場所にある。第1のクランプ部材302は、内側または内部表面308とともに、向かい合って配置される端部表面304、306を含む。端部表面306は、クランプアセンブリ300内に位置付けられ、クランプアセンブリ300が、閉鎖構成にあるとき(代表的閉鎖構成は、
図7に示される)、電動注入シリンジ330のフランジ334に向かって突出する、またはそれに面するであろう。すなわち、シリンジフランジ334は、
図6に示される図では、クランプアセンブリ300の背後に配置されるであろう。いずれの場合も、内側表面308は、クランプアセンブリ300内に位置付けられ、クランプアセンブリ300が、その閉鎖構成にあるとき、電動注入シリンジ330の筒332に向かって突出する、またはそれに面するであろう。第1の旋回ピン310は、第1のクランプ部材302を、クランプアセンブリ300を組み込む、電動注入器のパワーヘッドと旋回可能に相互接続する。
【0085】
第2のクランプ部材312は、内側または内部表面318とともに、向かい合って配置される端部表面314、316を含む。端部表面316は、クランプアセンブリ300内に位置付けられ、クランプアセンブリ300が、閉鎖構成にあるとき、電動注入シリンジ330のシリンジフランジ334に向かって突出する、またはそれに面するであろう。すなわち、シリンジフランジ334は、
図6に示される図では、クランプアセンブリ300の背後に配置されるであろう。いずれの場合も、内側表面318は、クランプアセンブリ300内に位置付けられ、クランプアセンブリ300が、その閉鎖構成にあるとき、電動注入シリンジ330の筒332に向かって突出する、またはそれに面するであろう。第2の旋回ピン320は、第1のクランプ部材312を、クランプアセンブリ300を組み込む、電動注入器のパワーヘッドと旋回可能に相互接続する。
【0086】
電動注入シリンジ330のフランジ334は、電動注入シリンジ330の近位端またはその上に位置するように特徴付けられてもよい(例えば、電動注入シリンジ330の向かい合って配置される遠位端は、電動注入シリンジ330からの流体放出に適応してもよく、フランジ334は、
図1Bに示されるシリンジ14のフランジ34と同様に位置する)。少なくとも1つのRFIDタグ336は、電動注入シリンジ330上に配置される。各RFIDタグ336は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであってもよく、任意の適切な様式において、加工されてもよく、任意の適切な情報でエンコードされてもよく、電動注入シリンジ330上の任意の適切な場所に配置されてもよい。任意の適切な数のRFIDタグ336が、電動注入シリンジ330上に配置されてもよく、複数のRFIDタグ336が、任意の適切な配列に配置されてもよい。1つ以上のRFIDタグ336は、バレル332上に配置され得る、1つ以上のRFIDタグ336は、電動注入シリンジ330のフランジ334上に配置され得る、または両方であり得る。
【0087】
クランプアセンブリ300の例示される実施形態は、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312のそれぞれを、クランプアセンブリ300のための開放および閉鎖構成を画定する、少なくとも2つの一般位置間を移動可能にする。第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312はそれぞれ、クランプアセンブリ300のための開放および閉鎖構成を画定する、任意の適切な経路または経路の組み合わせに沿って移動されてもよい。クランプアセンブリ300をその開放および閉鎖構成のそれぞれに作動させる任意の適切な方法が、利用されてもよい。一実施形態では、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプの単一アクチュエータ(例えば、アクチュエータ56)は、その個別の旋回ピン310、320を中心として、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312を同時に旋回させる。別個のアクチュエータが、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312のそれぞれのために提供され得ることを理解されたい。また、第1のクランプ部材302および第2のクランプ部材312の一方は、実際には、定常または固定位置(少なくとも他方のクランプ部材302、312に対して)に維持され得る一方、他方は、任意の適切な様式において、移動され、クランプアセンブリ300のための開放および閉鎖構成を提供する(図示せず)ことも理解されたい。
【0088】
図7は、少なくとも1つのRFIDアンテナをクランプアセンブリ300と統合するためのある選択肢を例示する。第1のRFIDアンテナ区画340は、第1のクランプ部材302の端部表面304(端部表面306は、別の選択肢である(図示せず))上に配置される一方、第2のRFIDアンテナ区画342は、第2のクランプ部材312の端部表面314(端部表面316は、別の選択肢である(図示せず))上に配置される。第1のRFIDアンテナ区画340および第2のRFIDアンテナ区画342はそれぞれ、自立または独立して、動作可能な(例えば、完全機能)RFIDアンテナであり得る。代替として、第1のRFIDアンテナ区画340および第2のRFIDアンテナ区画342は、集合的に、単一RFIDアンテナを画定してもよい(少なくとも、クランプアセンブリ300が、
図7に示される閉鎖構成にあるとき)。任意の適切なレイアウトが、第1のRFIDアンテナ区画340および第2のRFIDアンテナ区画342のそれぞれのために利用されてもよい。
【0089】
クランプアセンブリ300と統合されたRFIDアンテナに電力を提供するための2つの選択肢もまた、
図7によって例示される。RFIDアンテナ区画340への電力は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプの屈曲コネクタ344によって提供される。第2のRFIDアンテナ区画342への電力は、第2の旋回ピン320を通して提供され、したがって、これは、導電性材料または材料の組み合わせから形成されるであろう。
【0090】
RFIDアンテナのための別のレイアウトは、
図8Aに例示される。ここでは、RFIDアンテナ区画350は、第1/第2のクランプ部材302/312の内側表面308/318(電動注入シリンジ330が、クランプアセンブリ300内に位置付けられるとき、バレル332に向かって突出する、またはそれに面する、クランプ部材302/312の表面)上に配置される。第1/第2の旋回ピン310/320は、
図8Aに示されないが、第1/第2の旋回軸311/321(それを中心として、個別の第1/第2のクランプ部材302/312が移動する、軸311/321)は、
図8Aに示される。RFIDアンテナ区画350自体が、例示される実施形態では、RFIDアンテナとして機能するが、集合的に、クランプアセンブリ300の他のクランプ部材302/312上の別のRFIDアンテナ区画ともRFIDアンテナを画定するように構成され得る(図示せず)。
【0091】
図8Bは、
図6の電動注入シリンジクランプアセンブリ300上のRFIDアンテナのための別の可能性として考えられるレイアウトを示す。ここでは、第1のRFIDアンテナ区画360および第2のRFIDアンテナ区画362はそれぞれ、第1/第2のクランプ部材302/312の内側表面308/318(電動注入シリンジ330が、クランプアセンブリ300内に位置付けられるとき、バレル332に向かって突出する、またはそれに面する、クランプ部材302/312の表面)上に配置される。第1/第2の旋回ピン310/320は、
図8Bに示されないが、第1/第2の旋回軸311/321(それを中心として、個別の第1/第2のクランプ部材302/312が移動する、軸311/321)は、
図8Bに示される。RFIDアンテナ区画360、362はそれぞれ、例示される実施形態では、RFIDアンテナとして機能し得る。各RFIDアンテナ区画360、362は、集合的に、クランプアセンブリ300の他のクランプ部材302/312上の別のRFIDアンテナ区画とRFIDアンテナを画定し得る(クランプアセンブリ300が、2つの別個のRFIDアンテナを含むように)。最後に、各RFIDアンテナ区画360、362は、1つ以上のRFIDアンテナ区画が、他のクランプ部材302/312上に配置される場合を含む、クランプアセンブリ300のための単一RFIDアンテナの一部であり得る。
【0092】
クランプアセンブリ300上のRFIDアンテナに電気電力を提供するための2つの方法が、
図7に関連して前述された。付加的選択肢は、
図9および10に提示される。
図9では、旋回ピン370は、
図8Bに示される、対の離間したRFIDアンテナ区画360、362に別個の電気接続を提供するように構成される。クランプ部材302/312のための旋回ピン370は、中間絶縁体区画374によって分離される、第1の伝導性区画372および第2の伝導性区画376を含む。一対の可動かつ導電性のピン378は、相互から分離され、任意の適切な様式において(例えば、バネまたは同等物を使用して(図示せず))、旋回ピン370と接触するようにバイアスされる。一方の伝導性ピン378は、旋回ピン370の第1の伝導性区画372に係合する一方、他方の伝導性ピン378は、旋回ピン370の第2の伝導性区画376に係合する。各伝導性ピン378はまた、少なくとも、伝導性ピン378が、旋回ピン370と接触すると、その独自の導体380と電気接触する。一方の導体380は、第1のRFIDアンテナ区画360に延在する、または別様に、それと電気連通する一方、他方の導体380は、第2のRFID区画362に延在する、または別様に、それと電気連通する(
図8B参照)。
【0093】
図10に示される第1/第2のクランプ部材302/312は、RFIDアンテナ区画380を含み、これは、順に、相互から離間される、一対の脚部382を含む。各脚部382は、クランプ部材302/312の縁386まで延在し、その独自の電気接点384(例えば、パワーヘッド上に取り付けられる)と整合される。クランプ部材302/312が、クランプアセンブリ300をその閉鎖構成に配置するように移動されると、各脚部382は、その対応する電気接触384と電気接触される。他のクランプ部材302/312は、類似対の電気接点384を有し得る、または他のクランプ部材302/312もまた、
図10に示される電気接点384と接触され得る。
【0094】
任意の適切なサイズ、形状、構成および/またはタイプの電動注入シリンジクランプアセンブリ(例えば、任意の適切な数のクランプ部材を含む、単一クランプ部材の利用を含む、複数のクランプ部材が、利用され、任意の適切な配列に配置される)は、前述に従って、少なくとも1つのRFIDアンテナを含んでもよい。一実施形態では、1つ以上のRFIDアンテナが、このクランプアセンブリと設置された電動注入シリンジとの間の相対的位置付け要件が、低減されるような様式において、電動注入シリンジクランプアセンブリによって組み込まれる。設置された電動注入シリンジ上の各RFIDタグは、電動注入シリンジクランプアセンブリ内のその位置に関わらず、電動注入シリンジクランプアセンブリの1つ以上のRFIDアンテナによって読取可能であることが望ましくあり得る。
【0095】
電動注入シリンジクランプアセンブリの1つ以上のクランプ部材は、前述に従って、RFIDアンテナを含んでもよい。所与のRFIDアンテナは、単一クランプ部材と組み込まれてもよく、または複数のクランプ部材と組み込まれてもよい。電動注入シリンジクランプアセンブリの各クランプ部材は、RFIDアンテナを含み得るが、1つ以上のクランプ部材が、多重クランプ部材構成の場合、それとともに含まれる任意のRFIDアンテナを有していないようなものであってもよい(しかしながら、少なくとも1つのクランプ部材は、そのような事例では、依然として、少なくとも1つのRFIDアンテナを含むであろう)。
【0096】
本明細書に説明される種々の電動注入シリンジクランプアセンブリは、任意の適切な電動注入器によって利用されてもよく、任意の適切な様式において、統合されてもよい。一実施形態では、シリンジクランプアセンブリは、電動注入器のパワーヘッド上に取り付けられる。別の実施形態では、シリンジクランプアセンブリは、面板の構造内に組み込まれ、これは、順に、電動注入器のパワーヘッドに着脱可能に取り付けられてもよい(例えば、手動によって、または任意のツールを伴うことなく)。さらに別の実施形態では、シリンジクランプアセンブリは、アダプタの構造内に組み込まれ、これは、順に、電動注入器のパワーヘッドに取り付けられる。
【0097】
図11は、造影剤注入器システム430、医療撮像システム407、データ記憶装置414、および少なくとも1つの患者腎機能データ源438を含む、撮像系400の一実施形態を提示する。1つ以上の外部デバイス439は、注入器システム430および/または医療撮像システム407と通信してもよい。所与のデバイス439は、実際には、特定のシステム430および/または407の一部ではない場合、「外部」として特徴付けられてもよい。1つ以上の外部デバイス439はまた、データ記憶装置414および/または1つ以上の患者腎機能データ源438と通信し得る。代表的外部デバイス439は、限定ではないが、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)、患者電子医療記録(EMR)システム、または同等物を含む。
【0098】
データ記憶装置414は、任意の適切なタイプの通信リンク410によって、造影剤注入器システム430および/または医療撮像システム407と動作可能に接続されてもよい。データ記憶装置414は、造影剤注入器システム430によって組み込まれ得る、および/または医療撮像システム407によって組み込まれ得る。患者腎機能データ源438は、任意の適切なタイプの通信リンク410によって、造影剤注入器システム430および/または医療撮像システム407と動作可能に接続されてもよい。
【0099】
医療撮像システム407は、遠隔コンソール409および撮像ユニットまたはデバイス422を含む。造影剤注入器システム430は、順に、電動注入器432および遠隔コンソール404を含む。電動注入器432は、任意の適切な構成、例えば、前述の電動注入器10および210の形態であってもよい。撮像デバイス422は、任意の適切なサイズ、形状、構成、および/またはタイプであってもよく、その画像取得機能性は、任意の適切な技術または技術の組み合わせを利用してもよい。例示される実施形態では、撮像系400は、適切な障壁412によって分離される、制御室402および撮像室420を含む。この分離は、全事例において要求されなくてもよい。いくつかの実施形態では、この障壁は、画像取得を妨害し得る、望ましくない条件の可能性を低減させ得る、放射線(例えば、アルファ線、ベータ線、および/またはガンマ線)遮蔽、RF遮蔽、および/または任意の他のタイプの材料を含んでもよい。
【0100】
造影剤注入器システム430の遠隔コンソール404(例えば、コンピュータ)は、制御室402内に位置してもよい。遠隔コンソール404の構成要素は、遠隔コンソールディスプレイ406および少なくとも1つのデータまたはユーザ入力デバイス408を含む。注入器システム430の各ユーザ入力デバイス408は、任意の適切なタイプ、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、トラックボール、または同等物の形態であってもよい。遠隔コンソール404は、任意の適切なタイプの通信リンク410によって、電動注入器432と動作可能に相互接続される。概して、ユーザは、電動注入器432のための注入パラメータをプログラムしてもよい(例えば、注入プロトコル、例えば、1つ以上の位相を定義し、その場合、各位相は、可能性として、遠隔コンソール404のユーザ入力デバイス408を通して、1つ以上の注入遅延(例えば、保留または一時停止)とともに、注入される造影剤の体積および注入流速等の注入パラメータを含む)。任意の適切なデータが、ユーザ入力デバイス408を通して入力されてもよい。同様に、医療撮像システム407の遠隔コンソール409(例えば、コンピュータ)は、制御室402内に位置してもよい。遠隔コンソール409の構成要素は、遠隔コンソールディスプレイ411および少なくとも1つのデータまたはユーザ入力デバイス413を含んでもよい。医療撮像システム407の各ユーザ入力デバイス413は、任意の適切なタイプ、例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、トラックボール、または同等物の形態であってもよい。撮像システム407の遠隔コンソール409は、任意の適切なタイプの通信リンク410によって、撮像デバイス422と動作可能に相互接続される。概して、ユーザは、プログラム撮像デバイス422のための撮像パラメータをプログラムし、および/または遠隔コンソール409のユーザ入力デバイス413によって、撮像手技を制御(例えば、始動および/または終了)してもよい。任意の適切なデータが、ユーザ入力デバイス413を通して入力されてもよい。
【0101】
医療撮像システム407(例えば、その遠隔コンソール409)は、造影剤注入器システム430(例えば、その遠隔コンソール404)と動作可能に接続されてもよい。撮像システム407が、実際、注入器システム430と動作可能に接続される場合、いくつかの実施形態は、ユーザが、撮像デバイス422に関して本明細書で説明されたプログラミングおよび/または制御機能性を行うことに加え、撮像システムの遠隔コンソール409のユーザ入力デバイス413を通して、注入パラメータをプログラムし、および/または電動注入器432のための注入手技を制御(例えば、始動および/または終了)することを可能にする。撮像系400のいくつかの実施形態では、注入器システム430および医療撮像システム407は、ユーザが、撮像デバイス422および電動注入器432両方のための本明細書に説明されたプログラムおよび/または制御動作のいずれかを行い得る、単一の共有遠隔コンソール(図示せず)のみ、含んでもよい。
【0102】
電動注入器432は、遠隔コンソール404と動作可能に接続され、データ記憶装置414および撮像デバイス422の一方または両方と動作可能に接続されてもよく、患者424と流動的に接続可能である(例えば、電動注入器432が、造影剤を患者424内に注入し得るように)。電動注入器432は、ディスプレイ434および任意の適切なタイプの少なくとも1つのデータまたはユーザ入力デバイス436(例えば、キーボード、マウス、タッチスクリーン、ジョイスティック、トラックボール、または同等物)を含んでもよい。任意の適切なデータが、ユーザ入力デバイス436を通して入力されてもよい。
【0103】
データ記憶装置414は、任意の適切な構成であってもよく、適切なコンピュータ可読記憶媒体によって組み込まれてもよい。データ記憶装置414は、独立型構成要素であり得、造影剤注入器システム430によって、任意の適切な様式において(例えば、遠隔コンソール404の一部として、電動注入器432の一部として、独立型記憶デバイスによって、または任意のそれらの組み合わせ)、組み込まれてもよく、および/または任意の適切な様式において(例えば、遠隔コンソール411の一部として、独立型記憶デバイスによって、または任意のそれらの組み合わせ)、医療撮像システム407によって組み込まれてもよい。
【0104】
データ記憶装置414は、複数の造影剤タイプ416および各造影剤タイプ416のための対応する閾値腎機能418を含む。本明細書では、「造影剤タイプ」は、少なくとも部分的に、造影剤の1つ以上の成分(例えば、活性成分)の濃度によって定義されてもよい。別の実施例として、「造影剤タイプ」は、少なくとも部分的に、シリンジ内の造影剤の総体積内に見出される、またはシリンジ内の造影剤の所定の基準体積内に見出される、特定の成分(例えば、活性成分)の総量(例えば、造影剤1mlあたり「x」mgのヨウ素)によって定義されてもよい。「造影剤タイプ」のさらに別の実施例は、それぞれ、所望のデータ(例えば、承認用量に対するある濃度および/または体積制限/指針と関連付けられてもよく、あるいはそうでなくてもよい、その提案される受容のための閾値(例えば、最小容認可能)腎機能)と対応する、造影剤のための商品名/識別を参照してもよい。
【0105】
閾値腎機能418は、患者腎機能(例えば、GFR、血清中クレアチニン測定)を示す限り、任意の適切なタイプであってもよい。例えば、閾値腎機能418は、閾値GRFまたはGFRの容認可能範囲の観点においてであってもよい。別の実施例として、閾値腎機能418は、閾値血清中クレアチニンレベルまたは血清中クレアチニンの容認可能範囲の観点においてであってもよい。閾値腎機能418は、任意の適切な様式(例えば、基準値の形態であって、患者腎機能は、少なくとも基準値と同程度、または、別の実施形態では、基準値未満でなければならない形態、範囲の形態であって、患者腎機能データは、本範囲内でなければならない形態)において、表現されてもよい。閾値腎機能418は、患者424への対応する造影剤の安全投与のために要求/推奨される最小患者腎機能として特徴付けられてもよく、患者424への対応する造影剤の安全投与のために要求/推奨される容認可能患者腎機能の範囲として特徴付けられてもよく、または両方であってもよい。
【0106】
データ記憶装置414に関して、1)造影剤タイプ416を識別する任意の方法が、利用されてもよく、2)閾値腎機能418を表現または特徴付ける任意の方法(例えば、基準値、範囲)が、利用されてもよく、3)所与の造影剤タイプ416を閾値腎機能418と関連付ける任意の方法が、利用されてもよい。各造影剤タイプ416は、異なる閾値腎機能418を有し得るが、造影剤タイプ416のうちの2つ以上は、同一閾値腎機能418を有し得る。
【0107】
所与の造影剤タイプ416およびその対応する閾値腎機能418は、データ記憶装置414(例えば、ルックアップテーブル構成)内に記録419を定義するように特徴付けられてもよい。3つのみの記録419が、
図11におけるデータ記憶装置414に対して例示されるが、任意の適切な数の記録419が、データ記憶装置414内に含有されてもよい。さらに、データは、任意の適切な様式において、データ記憶装置414内に記憶されてもよい(例えば、関係データベースの形態においてであって、所与の閾値腎機能419は、複数の造影剤タイプ416に関連して記憶されてもよい)。さらに、このデータ記憶装置414は、限定されないが、1)注入器システム430内、2)撮像システム407内、3)独立型情報記憶システム内、4)病院情報システム(HIS)内、放射線情報システム(RIS)内、または5)画像アーカイブおよび通信システム(PACS)内を含む、医療機関全体を通して、任意の適切な場所に位置してもよい。
【0108】
患者腎機能データ源438は、造影剤注入器システム430および/または医療撮像システム407の一部である、それと動作可能に接続される、あるいはそれに接続可能である、および/またはそれと通信可能であるように特徴付けられてもよい。造影剤注入器システム430および医療撮像システム407はそれぞれ、専用患者腎機能データ源438を有し得る、または造影剤注入器システム430および医療撮像システム407は、同一患者腎機能データ源438と通信し得る。また、造影剤注入器システム430および医療撮像システム407のうちの1つのみ、患者腎機能データ源と通信してもよい。
【0109】
患者腎機能データ源438は、造影剤注入器システム430および撮像システム407を使用して撮像される、患者の腎機能に関する任意の適切なタイプのデータを含んでもよい。所与の患者腎機能データ源438内の患者腎機能データは、データが、患者腎機能(例えば、GFR、血清中クレアチニン測定)を示す限り、任意の適切なタイプであってもよい。例えば、患者腎機能データは、GRF測定の観点において表現されてもよい。別の実施例として、患者腎機能データは、血清中クレアチニン測定の観点において表現されてもよい。
【0110】
患者腎機能データ源438は、電動注入器432のためのユーザ入力デバイス436を通して、遠隔コンソール404のためのユーザ入力デバイス408を通して、撮像システム407のためのデータまたはユーザ入力デバイスを通して、または別様に、造影剤注入器システム430に提供されるユーザ入力の形態であってもよい。患者腎機能データ源438はまた、病院情報システム(HIS)、放射線情報システム(RIS)、画像アーカイブおよび通信システム(PACS)、腎機能試験モジュール(例えば、このタイプの代表的デバイスは、2006年4月6日公開のWilliamsらの米国特許出願公開第2006/0074294に説明されている)、または同等物の形態であり得る。所与の患者腎機能データ源438は、前述のうちの任意の1つ以上を含んでもよい。これらの「外部」構成要素のいずれかからの患者腎機能データは、任意の適切な様式において、造影剤注入器システム430および/または撮像システム407と通信し、患者腎機能情報を造影剤注入器システム430および/または撮像システム407に利用可能にしてもよい(例えば、患者腎機能データ源438は、電動注入器432のユーザ入力デバイス436を通して、造影剤注入器システム430に入力される必要はない)。
【0111】
制御モジュールの一実施形態は、
図12に例示されており、注入器システム430および/または撮像システム407によって利用されてもよく、参照番号440によって識別される。制御モジュール440は、
図11に示される電動注入器432および/または撮像デバイス422に関連して利用されてもよい。制御モジュール440の全部または任意の部分は、造影剤注入器システム430の遠隔コンソール404によって、電動注入器432によって、撮像システム407の遠隔コンソール409によって、撮像デバイス422によって、または任意のそれらの組み合わせによって、組み込まれてもよい。概して、制御モジュール440は、腎機能査定モジュール442を含む。この腎機能査定モジュール442は、1つ以上のプロセッサ444を含んでもよい。腎機能査定モジュール442のプロセッサ444は、プロンプト論理446および比較論理448(例えば、後述のプロトコル450および480を実行するようにプログラムされる)のうちの少なくとも1つに従って、プログラムまたは別様に構成されてもよい。概して、プロンプト論理446は、造影剤注入器システム430および/または撮像システム407によって、使用され、ユーザが、患者424のための腎機能情報を造影剤注入器システム430および/または撮像システム407に手動で入力するためのプロンプトを発(例えば、視覚的に表示)してもよく、比較論理448は、造影剤注入器システム430および/または撮像システム407によって使用され、患者424の腎機能を査定し、この患者424のための注入が、進行されるべきかどうか決定してもよい(例えば、電動注入器432を造影剤放出を提供するように動作可能にすべきかどうか)。撮像システム407が、注入器システム430と動作可能に接続される場合、または撮像システム407および注入器システム430が、共通遠隔コンソールを共有する場合、プロンプト論理446は、注入器システム430および/または撮像システム407によって使用され、ユーザが、患者424のための腎機能情報を注入器システム430および/または撮像システム407に手動で入力するためのプロンプトを発(例えば、視覚的に表示)してもよく、比較論理448は、注入器システム430および/または撮像システム407によって使用され、患者424の腎機能を査定し、注入が、この患者424に関連して進行されるべきかどうか決定してもよい。
【0112】
腎機能査定モジュール442のプロンプト論理446(
図12)によって使用され得る、プロトコルの一実施形態は、
図13に示されており、参照番号450によって識別される。概して、プロトコル450は、ユーザが、撮像されるべき患者424のための腎機能情報を手動で入力するためのプロンプト(例えば、ディスプレイ406、411、434のうちの少なくとも1つ上のメッセージ)を発することを対象とする。プロトコル450のステップ452は、患者腎機能情報(例えば、患者424の腎機能を表す、または別様にそれに関する、データ)の入力のためのプロンプトを発することを対象とする。このプロンプトは、注入器システムの遠隔コンソールディスプレイ406上、電動注入器ディスプレイ434上、撮像デバイス422のディスプレイ(図示せず)上、撮像システムの遠隔コンソールディスプレイ411上、単一の共通共有される遠隔コンソール、または任意のそれらの組み合わせのディスプレイ上に提示されてもよく、任意の適切な様式において(例えば、記述された情報の入力のためのメッセージまたは要求の形態において)、提示されてもよい。
【0113】
異なるタイプのプロンプトが、ステップ452によって具現化される。ステップ452のプロンプトは、患者腎機能データ(例えば、患者424の腎機能を表す、任意のデータ)の、
図13のプロンプトプロトコル450のステップ454によって記述されるような、ユーザ入力の要求であってもよい。ステップ456の目的のためのユーザ入力は、遠隔コンソール404のユーザ入力デバイス408を通して、電動注入器432のユーザ入力デバイス436を通して、撮像デバイス422のデータまたはユーザ入力デバイス(図示せず)を通して、撮像デバイス422と関連付けられ、制御室402内に位置する、遠隔コンソール409のユーザ入力デバイス413を通して、または任意のそれらの組み合わせを通して、提供(例えば、手動で入力)されてもよい。患者腎機能データが、入力される場合、ステップ456は、プロトコル450に、このユーザ入力を閾値腎機能データとの比較を対象とする(例えば、
図14に例示され、以下により詳細に記載される、プロトコル480の実行を通して)、ステップ458に進ませる。別様に、プロトコル450は、代わりに、ステップ456からステップ460に進む(これもまた、以下により詳細に記載される)。
【0114】
図13のプロトコル450のステップ452と関連付けられたプロンプトの別の形態は、ステップ468によって記載される。プロンプトは、造影剤注入器システム430および/または撮像システム407のユーザ/オペレータが、患者424の腎機能が、ある造影剤の注入の進行を容認可能であると決定したことの確認の形態であってもよい(ステップ468)。ステップ468の目的のためのユーザ入力は、注入器システムの遠隔コンソール404のユーザ入力デバイス408を通して、電動注入器432のユーザ入力デバイス436を通して、撮像デバイス422のデータまたはユーザ入力デバイス(図示せず)を通して、撮像システムの遠隔コンソール409のユーザ入力デバイス413を通して、単一の共通共有される遠隔コンソールのユーザ入力デバイス(図示せず)を通して、または任意のそれらの組み合わせを通して、提供(例えば、手動で入力)されてもよい。腎機能査定モジュール442が、患者424の腎機能が、造影剤の注入の進行に対して容認可能であることの肯定確認を受信する場合(ステップ470)、プロトコル450は、ステップ472に進む。別様に、プロトコル450は、ステップ470からステップ460に進む。
【0115】
図13のプロトコル450のステップ460は、患者腎機能検査が、少なくともいくつかの点で不履行であるとき、到達される。例えば、ステップ460は、ユーザが、患者の腎機能データの入力(例えば、ステップ456の目的のため)の不履行の結果、到達され得る。別の実施例として、ステップ460は、ユーザが、患者の腎機能データが、検査され、および/またはステップ470からの特定の最小腎機能要件に合致あるいはそれを超過することの要求された確認の入力の不履行の結果、到達され得る。この腎機能検査不履行のため、造影剤注入器システム430によって提案される患者424の注入は、進められることが不可能となる(これは、プロトコル450のステップ460に示される)。ステップ460のこの注入阻止は、任意の適切な様式において、実装されてもよい。例えば、造影剤注入器システム430によって組み込まれるロックアウト機能をアクティブ化することによって、造影剤注入器システム430が、プログラムされた注入プロトコルを起動するよう「準備」または「有効化」されないようにすることによって、ユーザ/オペレータが、プログラムされた注入プロトコルを始動(例えば、「起動」または「開始」)することを可能にしないことによって、ユーザ/オペレータが、患者424内に手動で注入することを可能にしないことによって(例えば、造影剤注入器システム430の1つ以上の手動制御(例えば、ボタン、レバー)を使用して)、または任意のそれらの組み合わせによって、実装されてもよい。
【0116】
1つ以上の付加的機能性は、腎機能検査の不履行に応答して、採用されてもよい。プロトコル450のステップ462は、1つ以上のアラームの発報を対象とする。各アラームは、任意の適切なタイプ(例えば、可聴、視覚的)であってもよい。ステップ464は、次のアクション命令の生成を対象とする。これらの命令は、注入器システムの遠隔コンソールディスプレイ406上、電動注入器ディスプレイ434上、撮像デバイス422のディスプレイ(図示せず)上、撮像システムの遠隔コンソールディスプレイ411上、単一の共同共有される遠隔コンソールのディスプレイ上、または任意のそれらの組み合わせ上に提示され得る。これらの命令は、造影剤注入器システム430および/または医療撮像システム407内にプログラムされ、腎機能検査の不履行に対処する方法について、オペレータに指針を提供し得る。ステップ460、462、および464のうちの任意の1つ以上は、腎機能検査の不履行に応答して、これらのステップのうちの2つ以上が、同時に、実行される場合を含め、任意の適切な順序において、実行され得る。
【0117】
腎機能査定モジュール442の比較論理448(
図12)によって使用され得る、プロトコルの一実施形態は、
図14に示され、参照番号480によって識別される。概して、プロトコル480は、患者の腎機能424を査定し、注入が進行されるべきかどうか(例えば、造影剤注入器システム430が、造影剤放出を提供するように動作されるべきかどうか)の決定を対象とする。プロトコル480のステップ482は、患者424に対する腎機能データの形態において、情報を受信または読み出す(例えば、ユーザ入力デバイス408、413、436のうちの少なくとも1つを通して)ことを対象とする。この腎機能データは、患者の腎機能424を表す任意のタイプのデータ(例えば、少なくともいくつかの点において、患者424の腎機能を定量化する、情報)であってもよく、任意の適切な様式において、受信され/読み出されてもよい。
【0118】
閾値腎機能データは、プロトコル480のステップ484に関して、受信または読み出される。この閾値腎機能データは、患者424が、造影剤注入器システム430からの注入(例えば、特定のタイプの造影剤の注入)を受容するために、存在すべき腎機能に対する閾値を表す、任意のタイプのデータであってもよい。閾値腎機能データは、任意の適切な様式において、受信され/読み出されてもよい。ユーザは、閾値腎機能データを任意の適切な源/複数源から調べ、それを造影剤注入器システム430および/または撮像システム407に手動で入力し得る(例えば、ユーザ入力デバイス408、413、436のうちの少なくとも1つを通して)。ユーザは、データ記憶装置414を検索し得る(例えば、ユーザ入力デバイス408、413、436のうちの少なくとも1つを通して、造影剤タイプ416を造影剤注入器システム430に手動で入力(または、それをシステム430によって提供されるリストから選択)し、関連閾値腎機能418を識別することによって)。この関連閾値腎機能418は、ステップ484に関して、任意の適切な様式において、造影剤注入器システム430および/または撮像システム407によって、読み出され得る(例えば、ユーザが、データ記憶装置414の検索から識別された閾値腎機能418を「クリック」することによって、造影剤注入器システム430および/または撮像システム407が、電動的に、造影剤タイプ416に関するユーザによって提供された情報から、関連閾値腎機能418を読み出すことによって)。
【0119】
図14のプロトコル480のステップ484の目的のためのさらに別の選択肢は、造影剤注入器システム430および/または撮像システム407が、例えば、造影剤注入器システム430が、電動注入器432上に設置されるシリンジ上のデータタグまたは同等物を読み取ることによって(例えば、電動注入器432が、適切な電磁デバイスを組み込み、そのようなシリンジが、少なくとも、シリンジ内の造影剤タイプ416(例えば、シリンジ内の体積および/または造影剤の1つ以上の成分の濃度を含む)を識別する、RF/RFIDタグ(より一般的には、任意の適切なタイプのデータ記憶デバイス)を含むことによって(すべて、
図6の実施形態に関して前述の議論に従う)電動的に、ステップ484のための閾値腎機能データを読み出すものとなるであろう。閾値腎機能データは、シリンジ上のそのようなデータタグ上に記憶され、次いで、ステップ484の目的のために、電動注入器432の電磁デバイス(より一般的には、「読取り機」)によって読み取られ得る。閾値腎機能データはまた、造影剤タイプ416をシリンジ上のそのようなデータタグに記憶することによって、読み出され得、これは、次いで、ステップ484の目的のために、電動注入器432の電磁デバイスによって読み取られ得る。シリンジ内の造影剤タイプ416の識別は、次いで、プロトコル480のステップ484の目的のために、データ記憶装置414を検索し、対応する閾値腎機能418を識別するために使用され得る。
【0120】
患者腎機能データ(ステップ482)は、プロトコル480のステップ486に関して、閾値腎機能データ(ステップ484)と比較される。この比較は、任意の適切な様式において(例えば、
図12の腎機能査定モジュール442の1つ以上のプロセッサ444によって)、行われてもよい。
図14の比較腎機能プロトコル480のステップ488は、患者腎機能データ(ステップ482)が、閾値腎機能データ(ステップ484)に対応するかどうかの決定を対象とする。例えば、決定は、患者腎機能データ(ステップ482)が、閾値腎機能データ(ステップ484)に合致またはそれを超過するかどうかについて行われてもよい。いずれの場合も、患者腎機能データ(ステップ482)が、閾値腎機能データ(ステップ484)に対応する場合、プロトコル480は、造影剤注入器システム430による患者424の注入が進行可能となることを対象とする、ステップ490に進む。患者腎機能データ(ステップ482)が、閾値腎機能データ(ステップ484)に対応しない場合、プロトコル480は、代わりに、ステップ492に進む。
【0121】
図14のプロトコル480のステップ492は、腎機能検査が、少なくともいくつかの点において不履行であるとき、到達される。この点において、造影剤注入器システム430による患者424の注入は、プロトコル480のステップ492の実行を通して、進行不可能である。これは、任意の適切な様式において、例えば、
図13に関連して前述のプロンプトプロトコル450のステップ460に従って、実装されてもよい。
【0122】
1つ以上の付加的機能性が、腎機能検査の不履行に応答して、採用されてもよい。プロトコル480のステップ494は、1つ以上のアラームの発報を対象とする。各アラームは、任意の適切なタイプ(例えば、可聴、視覚的)であってもよい。ステップ496は、次のアクション命令の生成を対象とする。これらの命令は、注入器システムの遠隔コンソールディスプレイ406上、電動注入器ディスプレイ434上、撮像デバイス422のディスプレイ(図示せず)上、撮像システムの遠隔コンソールディスプレイ411上、単一の共同共有される遠隔コンソールのディスプレイ上、または任意のそれらの組み合わせ上に提示され得る。これらの命令は、造影剤注入器システム430および/または医療撮像システム407にプログラムされ、腎機能検査の不履行に対処する方法について、オペレータに指針を提供し得る。ステップ492、494、および496のうちの任意の1つ以上は、腎機能検査の不履行に応答して、これらのステップのうちの2つ以上が、同時に、実行される場合を含め、任意の適切な順序において、実行され得る。
【0123】
造影剤貯蔵/分配ユニットの一実施形態は、
図15に例示され、参照番号500によって識別される。造影剤貯蔵/分配ユニット500は、
図11−14に関連して前述の撮像系400と併用されてもよい。しかしながら、造影剤貯蔵/分配ユニット500はまた、そのような撮像系400から独立して、実装されてもよい。概して、造影剤貯蔵/分配ユニット500は、患者の注入と併用するために、造影剤の解放に先立って(例えば、所与の患者に対して提案される注入手技において使用するために、造影剤を技術者に提供するのに先立って)、腎機能検査の提供を対象とする。
【0124】
造影剤貯蔵/分配ユニット500は、離散量の造影剤の供給部502を含む、またはそのような形態として特徴付けられてもよい。これらの離散量の造影剤は、集合的に、造影剤供給部502を画定し、任意の適切な様式において、造影剤貯蔵/分配ユニット500によって/その中に貯蔵され得る、任意の適切なタイプ(例えば、シリンジ、バイアル、バッグ)である、複数の造影剤容器504内に留保されてもよい。1つ以上の造影剤タイプの複数の容器504が、造影剤供給部502内に含まれてもよい。一実施形態では、造影剤貯蔵/分配ユニット500内に貯蔵される造影剤容器504の少なくともいくつかは、「予充填されたシリンジ」の形態である。「予充填されたシリンジ」とは、病院、医院、または同等物等の最終使用施設に輸送するのに先立って、製造施設において、造影剤または他の医療流体で装填される、シリンジである。造影剤貯蔵/分配ユニット500内に貯蔵される造影剤容器504はすべて、共通タイプであってもよく、および/または共通サイズ/構成であってもよいが、これは、全事例に該当しなくてもよい。
【0125】
造影剤容器504は、造影剤貯蔵/分配ユニット500内に貯蔵時、ならびに造影剤貯蔵/分配ユニット500から解放時/後の両方において、密閉状態または状態にある。「密閉状態」にあるとは、所与の造影剤容器504が、現在、造影剤を患者424内に注入するための構成にないことを包含する。「密閉状態」にあるとは、また、所与の造影剤容器504が、造影剤貯蔵/分配ユニット500から解放後のみ、患者注入手技において使用可能であることを包含する。造影剤容器504はそれぞれ、造影剤注入器システム430等の医療流体送達システムと併用するために適合されるように特徴付けられてもよい。造影剤貯蔵/分配ユニット500から解放後、所与の造影剤容器504は、造影剤を患者424内へ注入可能となるのに先立って、医療流体送達システム(例えば、造影剤注入器システム430)と適切に相互接続される必要があってもよい。
【0126】
造影剤容器504はそれぞれ、任意の適切なタイプのデータ記憶デバイス514(例えば、RFまたはRFIDタグ)を含んでもよい。任意の適切な情報が、各造影剤容器504のデータ記憶デバイス514上に記憶されてもよい。所与のデータ記憶デバイス514上に記憶され得る代表的データとして、限定ではないが、造影剤タイプ識別子(「造影剤タイプ」が、1)少なくとも部分的に、造影剤の1つ以上の成分(例えば、活性成分)の濃度によって定義される、2)少なくとも部分的に、対応する容器504内の造影剤の総体積内に見出される、または対応する容器504内の造影剤の所定の基準体積内に見出される、特定の成分(例えば、活性成分)の総量(例えば、造影剤1mlあたり「x」mgのヨウ素)によって定義される、3)造影剤のための商品名/識別を参照し得る場合)、閾値腎機能データ(例えば、承認された用量に対するある濃度および/または体積制限/指針と関連付けられてもよく、あるいはそうでなくてもよい、閾値(例えば、最小容認可能)腎機能)、および同等物が挙げられる。
【0127】
造影剤貯蔵/分配ユニット500の他の構成要素は、腎機能査定モジュール510(例えば、少なくとも、概して、
図12の制御モジュール440の腎機能査定モジュール442に従って、それによって、後述されるプロトコル520および540を行うようにプログラムされ得る、1つ以上のプロセッサを含む)、および少なくとも1つのデータまたはユーザ入力デバイス508(
図11の撮像系400に関連して前述のユーザ入力デバイス408、413、436に従って)を含む。造影剤貯蔵/分配ユニット500はまた、1つ以上のディスプレイ506、ならびに
図11の撮像系400に関連して前述のデータ記憶装置414を含んでもよい。腎機能情報はまた、腎機能データ源512(例えば、HIS、RIS、PACS、注入器システム430、撮像システム407、または患者電子医療記録システム)を通して、造影剤貯蔵/分配ユニット500(例えば、腎機能査定モジュール510)に利用可能となってもよい。
【0128】
図16は、造影剤容器504が、造影剤貯蔵/分配ユニット500によって解放/分配されるべきかどうかを決定する目的のために、造影剤貯蔵/分配ユニット500のための腎機能査定モジュール510によって組み込まれ得る、解放プロトコル520の一実施形態を例示する。プロトコル520のステップ522は、造影剤貯蔵/分配ユニット500から読み出されることが所望される、造影剤タイプ(例えば、商標名、活性成分、濃度、および体積のうちの1つ以上を含んでもよい)の入力(入力または選択)あるいは取得を対象とする。ステップ522と関連付けられた入力は、造影剤貯蔵/分配ユニット500のユーザ入力デバイス508を通して等、任意の適切な様式において、提供されてもよい。
【0129】
図16の解放プロトコル520のステップ524は、患者腎機能が、ステップ522に関して入力された造影剤タイプと互換性があると決定されたかどうかの質問/照会を対象とする。これは、造影剤貯蔵/分配ユニット500のディスプレイ506上に提示されてもよい。ユーザ入力は、プロトコル520のステップ526を通して(例えば、ユーザ入力デバイス508を通して)、提供されてもよい。ユーザ入力が、肯定応答(例えば、「はい」)である場合、プロトコル520は、ステップ528からステップ530に進む。ステップ530は、ステップ522を通して識別された造影剤タイプに従って、造影剤供給部502からの造影剤容器504の解放を対象とする。ユーザ入力が、ステップ526に関して提供されない、またはユーザ入力が、否定応答(例えば、「いいえ」)である場合、造影剤貯蔵/分配ユニット500は、造影剤供給部502から造影剤容器504を解放しないであろう(例えば、解放プロトコル520のステップ532に関して)。
【0130】
1つ以上の付加的機能性が、ステップ532の造影剤解放/分配拒否に応答して、採用されてもよい。例えば、次のアクション命令が、生成されてもよい。これらの命令は、記憶/分配ユニットのディスプレイ506上に提示され得る。これらの命令は、造影剤貯蔵/分配ユニット500にプログラムされ、腎機能検査の不履行に対処する方法について、技術者に指針を提供し得る。
【0131】
図17は、造影剤容器504が、造影剤貯蔵/分配ユニット500によって解放/分配されるべきかどうかを決定する目的のために、造影剤貯蔵/分配ユニット500のための腎機能査定モジュール510によって組み込まれ得る、解放プロトコル540の別の実施形態を例示する。プロトコル540のステップ542は、造影剤貯蔵/分配ユニット500から読み出されることが所望される、造影剤タイプの入力または取得を対象とする。ステップ542と関連付けられた入力は、造影剤貯蔵/分配ユニット500のユーザ入力デバイス508を通して等、任意の適切な様式において、提供されてもよい。
【0132】
図17の解放プロトコル540のステップ544は、前述のタイプの患者腎機能データに関して、造影剤貯蔵/分配ユニット500への入力の提供を対象とする。これは、任意の適切な様式において、行われてもよい。選択肢の1つは、患者腎機能データ(例えば、GFR、血清中クレアチニン測定)が、ユーザによって、造影剤貯蔵/分配ユニット500のユーザ入力デバイス508を通して、手動で入力されるものである。別の選択肢は、造影剤貯蔵/分配ユニット500が、腎機能データのリストを含み、ユーザが、ユーザ入力デバイス508を通して、そのようなリストから関連患者腎機能データを手動で選択するものとなるであろう。さらに別の選択肢は、造影剤貯蔵/分配ユニット500が、1つ以上の腎機能データ源512(例えば、HIS、RIS、PACS、注入器システム430、撮像システム407、患者電子医療記録システム)と動作可能に接続され(例えば、それと通信し)、そのような腎機能データ源512から、ステップ544のための患者腎機能データを読み出すものとなり得る。例えば、ユーザは、ユーザ入力デバイス508を通して、適切な患者識別子を造影剤貯蔵/分配ユニット500に入力し、造影剤貯蔵/分配ユニット500が、次いで、1つ以上の腎機能データ源512から、ステップ544のための患者腎機能データを読み出し得る。ユーザが、患者腎機能データを手動で入力する代替として、そのデータは、適切なデータ源(例えば、技術者によって、ユニット500上に提示されるバーコードまたはRFIDタグ)を読み取ることによって、患者を識別する、ユニット500の電子読取デバイス(図示せず)に応答して、ユニット500によって、腎機能データ源512から読み出され得る。他の実施形態では、患者の腎機能データは、適切なデータ源(例えば、バーコードまたはRFIDタグ)上に記憶され、単純に、技術者が、そのデータ源をユニット500の電子読取デバイス(図示せず)に暴露することによって、ユニット500に入力され得る。
【0133】
閾値腎機能データは、
図17の解放プロトコル540のステップ546に関して、読み出される。この閾値腎機能データは、患者が、特定のタイプの造影剤の注入(例えば、造影剤注入器システム430から)を受容するために、存在すべき腎機能に対する閾値を表す、任意のタイプのデータであってもよい。閾値腎機能データは、任意の適切な様式において、読み出されてもよい。ユーザは、任意の適切な源/複数源から閾値腎機能データを調べ、それを造影剤貯蔵/分配ユニット500に手動で入力し得る(例えば、ユーザ入力デバイス508を通して)。ユーザは、データ記憶装置414を検索し(例えば、ユーザ入力デバイス508を通して、造影剤タイプを造影剤貯蔵/分配ユニット500に手動で入力することによって)、関連閾値腎機能418(例えば、データ記憶装置414に関しては、
図11参照)を識別し得る。この関連閾値腎機能418は、ステップ546に関して、造影剤貯蔵/分配ユニット500によって、任意の適切な様式において、読み出され得る(例えば、ユーザが、データ記憶装置414の検索から識別された閾値腎機能418を「クリック」することによって、造影剤貯蔵/分配ユニット500が、電動的に、データ記憶装置414を利用して、造影剤タイプ416に関するユーザによって提供される情報から、関連閾値腎機能418を読み出すことによって)。
【0134】
解放プロトコル540のステップ548は、患者腎機能データ(ステップ544)が、閾値腎機能データ(ステップ546)に対応するかどうかの決定を対象とする。この決定/比較任意の適切な様式において(例えば、腎機能査定モジュールの1つ以上のプロセッサ510によって)、行われてもよい。例えば、決定は、患者腎機能データ(ステップ544)が、閾値腎機能データ(ステップ546)に合致またはそれを超過するかどうかについて行われてもよい。いずれの場合も、患者腎機能データ(ステップ544)が、閾値腎機能データ(ステップ546)に対応する場合、プロトコル540は、ステップ542を通して提供される造影剤タイプに従って、造影剤供給部502からの造影剤容器504の解放を対象とする、ステップ550に進む。患者腎機能データ(ステップ544)が、閾値腎機能データ(ステップ546)に対応しない場合、造影剤貯蔵/分配ユニット500は、造影剤容器504を造影剤供給部502から解放しないであろう(例えば、解放プロトコル540のステップ552に関して)。
【0135】
図11−17の実施形態のための腎機能検査に関連して記載されたモジュール、プロトコル、論理、または同等物のいずれも、限定ではないが、任意の適切なソフトウェア、ファームウェア、またはハードウェアにおいて、1つ以上のプラットフォームを使用して、1つ以上のプロセッサを使用して、任意の適切なタイプのメモリを使用して、任意の適切なタイプの任意の単一コンピュータまたは任意の適切なタイプの複数のコンピュータを使用して、任意の適切な様式において、実装され、任意の適切な様式において、相互接続され、または任意のそれらの組み合わせであってもよい。これらのモジュール、プロトコル、論理、または同等物は、任意の単一場所、または任意の適切な様式において(例えば、任意のタイプのネットワークを介して)相互接続される複数の場所において、実装されてもよい。
【0136】
本発明の前述の説明は、例示および説明の目的のために提示された。さらに、説明は、本発明を本明細書に開示される形態に限定することを意図するものではない。その結果、前述の教示ならびに関連技術の技能および知識に相応した変形例および修正は、本発明の範囲内にある。本明細書に前述される実施形態はさらに、本発明を実践することから把握される最良の形態を説明し、他の当業者が、そのようなまたは他の実施形態において、特定の用途または本発明の使用によって要求される種々の修正によって、本発明を利用可能となることが意図される。添付の請求項は、先行技術によって許可される範囲において、代替実施形態を含むように解釈されることが意図される。