【実施例】
【0034】
配位子に関して、2つの実質的な実施形態があることが見出された。第1の実施形態では、構造R
1R
2P−N(R
3)−P(R
4)−NR
5R
6を有する配位子が使用される。第2の実施形態では、配位子は、R
1R
2P−N(R
3)−P(XR
7)R
8またはR
1R
2P−N(R
3)−P(XR
7)
2(式中、X=OもしくはS)である。第1の実施形態の配位子は、以下に示される様々な合成アプローチによって入手できる。
【0035】
【化2】
【0036】
うまく合成されたこの第1の実施形態の具体的な配位子も、以下に示される。
【0037】
【化3】
【0038】
[Ph
2PN(i−Pr)P(Ph)NR
1R
2の調製のための一般的な手順]
2mmolの適切な第二級アミンを、1.25mLの
tBuLi(ヘキサン中1.6M)により、0℃でトルエン中でリチウム化し、室温(r.t.:room temperature)で4時間撹拌した。その後、リチウム化されたアミンの溶液を、0.77g(2mmol)のPh
2PN(
iPr)P(Ph)Clのトルエン中溶液に0℃で移し、r.t.で24時間撹拌した。溶液を濾過し、乾燥するまで蒸発させると、油または固体が残り、これを低温のn−ペンタンで洗浄した。
【0039】
全ての場合において、Ph
2P(
iPr)NPClの調製は、クロス R.J.;グリーン,H.T.;キート,R.「J.Chem.Soc.Dalton Trans.」1976、1424〜1428頁に与えられる通り行った。
【0040】
[Ph
2PN(i−Pr)P(Ph)NMe
2(1)の調製]
0.77g(2mmol)のPh
2P(
iPr)NPClをトルエン中に溶解させ、10mLのジメチルアミン(THF中2M)とトルエンの混合物中に0℃でゆっくりと移した。溶液を12時間(h)室温で撹拌すると、溶液が濁った。全ての揮発性化合物を蒸発させた後、残留物を高温のn−ヘキサン中に溶解させ、濾過した。−40℃で静置する間に、純粋なPh
2PN(
iPr)P(Ph)NMe
2の白色結晶が溶液から沈殿した(
31P−NMR C
6D
6:48.0;91.0ppmのブロードシグナル)。
【0041】
例えば、下記のさらなる配位子が、この方法を使用して合成された。
Ph
2PN(i−Pr)P(Ph)N(i−Pr)Ph (2)
Ph
2PN(i−Pr)P(Ph)N(Me)C
6H
11 (3)
【0042】
[オリゴマ化の実施例]
標準的なエチレンのオリゴマ化が実施された。ディップチューブ、サーモウェル、気体混入スターラ(gas entrainment stirrer)、冷却コイル、温度、圧力およびスターラ速度用制御ユニット(全てデータ取得システムに接続される)を備えた300mlの圧力反応器を、乾燥アルゴンで不活性化した。天秤上のアルミニウム加圧気体シリンダにより、等圧のエチレン供給を維持し、コンピュータ処理したデータ取得システムにより、経時的にエチレンの消費量を監視した。
【0043】
実験を行う前に、反応器を減圧下で100℃まで数時間加熱し、微量の水、酸素および酸化不純物を除去した。
【0044】
触媒調製のために、適切な量の配位子およびクロム前駆体を秤量し、不活性雰囲気下のシュレンク管に入れた。75mlの体積の無水の溶媒を添加して、マグネチックスターラにより溶液を撹拌した。Cr化合物および配位子を溶解させた後、5mlのMMAO−3Aの溶液(ヘプタン中7wt%のAl)を添加した。溶液を直ちに反応器に移し、反応を開始させた。反応は、エチレンの最大取込み量(80g)に達したとき、または設定時間後にエチレン導入バルブを閉め、室温に冷却し、圧力を下げ、反応器を開放することによるいずれかで停止した。
【0045】
液体生成混合物を希釈HClでクエンチし、既知の量のドデカヒドロトリフェニレンを内部標準として用いた、ガスクロマトグラフィを使用して分析した。固体を濾過し、乾燥させて秤量した。
【0046】
触媒性能テストの結果を表1に示す。特に表1は、PNPN(R’)(R”)型の配位子を使用した触媒テストの結果を示し、標準反応条件は、p
エチレン=30bar、T=60℃、助触媒=5mLのMMAO−3A(ヘプタン中7wt%のAl、おおよその組成[(CH
3)
0.7(iC
4H
9)
0.3AlO]
n)、75mLの溶媒、[Cr]=0.034mmol、[配位子]/[Cr]=1.25mol/molとした。
【0047】
【表1】
【0048】
C4、C6、C8およびC10+の列の値は、重量パーセントでのそれぞれの収率である。これらの列の括弧内の値は、C6またはC8画分のそれぞれの選択率(重量パーセント)である。例えば、表1において、配位子1では、C8列は、反応からの生成物が44.0重量パーセントのC8を含有し、このC8画分の99.3重量パーセントが1−オクテンからなることを意味する。
【0049】
結果は、形成された均一触媒系が、好ましい1−ヘキセンおよび1−オクテンへの選択率を示した、C6/C8比率がN末端の置換基の性質により、好ましくは、溶媒により調節できることを示す。
【0050】
第2の実施形態によると、構造(B)による配位子が使用された。
【0051】
特に、下記の構造の配位子が合成された。
【化4】
【化5】
【化6】
【0052】
第2の実施形態のいくつかの配位子の調製の詳細は、次の通りである。
【0053】
[PNP(OR)/PNP(SR)配位子の合成]
(Ph
2PN(
iPr)P(Ph)S(
iPr)の調製 (A))
0.77g(2mmol)のPh
2P(
iPr)NPClをトルエン中に溶解させ、0.381g(5mmol)の2−プロパンチオール、1mL(7mmol)のトリエチルアミンおよびトルエンの混合物中にr.t.でゆっくりと移した。溶液を24時間、40℃で撹拌すると、溶液が濁った。濾過し、全ての揮発性化合物を蒸発させた後、無色の油が残った。(
31P−NMR C
6D
6:46.4ppm ブロード;91.7ppm d;J=26Hz)
【0054】
(Ph
2PN(
iPr)P(Ph)OEtの調製 (B))
0.77g(2mmol)のPh
2PN(
iPr)P(Ph)Cl、1mL(7mmol)のトリエチルアミン、0.233mL(4mmol)のエタノールおよびトルエンの混合物を、50℃で6日間撹拌した。濁った溶液を濾過し、乾燥するまで蒸発させて、無色の油を得た。(
31P−NMR CDCl
3:39.5ppm ブロード;129.7ppm d、J=20.6Hz)
【0055】
(Ph
2PN(
iPr)P(Ph)OMeの調製 (C))
0.77g(2mmol)のPh
2PN(
iPr)P(Ph)Cl、1mL(7mmol)のトリエチルアミン、0.162mL(4mmol)のメタノールおよびトルエンの混合物を、50℃で2日間撹拌した。濁った溶液を濾過し、乾燥するまで蒸発させて、無色の油を得た。(
31P−NMR CDCl
3:36.3ppm ブロード;133.3ppm d、J=19.6Hz)
【0056】
Ph
2P(
iPr)NPClの調製は、クロス R.J.;グリーン,H.T.;キート,R.「J.Chem.Soc.Dalton Trans.」1976、1424〜1428頁に従って行った。
【0057】
上記の実験手順に従い、触媒のオリゴマ化テストを実施した。
【0058】
触媒性能テストの結果を表2に示す。均一触媒系は、1−ヘキセンおよび1−オクテンへの好ましい選択率を示した。表2では、標準的な反応条件は、p
エチレン=30bar、T=60℃、助触媒=5mLのMMAO−3A(ヘプタン中7wt%のAl)、75mLの溶媒、[Cr]=0.034mmol、[配位子]/[Cr]=1.25である。
【0059】
【表2】
【0060】
要約すると、触媒組成物は、(a)クロム化合物、好ましくは、Cr(II)またはCr(III)の有機塩もしくは無機塩、配位錯体、または有機金属錯体であるクロム化合物、より好ましくは、CrCl
3(THF)
3、Cr(III)アセチルアセトネート、Cr(III)オクタノエート、クロムヘキサカルボニル、Cr(III)−2−エチルヘキサノエート、(ベンゼン)トリカルボニル−クロム、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せであるクロム化合物と、(b)一般構造
(A)R
1R
2P−N(R
3)−P(R
4)−NR
5R
6または
(B)R
1R
2P−N(R
3)−P(XR
7)R
8もしくはR
1R
2P−N(R
3)−P(XR
7)
2
(式中、X=OもしくはSであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は独立して、C
1〜C
10−アルキル、C
6〜C
20−アリール、C
3〜C
10−シクロアルキル、アラルキル、アルキルアリール、もしくはトリアルキルシリルである)の配位子、または(A)および(B)の任意の環状誘導体の配位子であって、PNPN単位またはPNP単位のPまたはN原子の少なくとも1つが、環システムの一部であり、環システムが、構造(A)または(B)の1つ以上の構成化合物から置換により形成される配位子、好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8がメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、トリル、もしくはキシリルである、配位子と、(c)活性剤または助触媒であって、好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアミノキサン(MMAO)、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せである活性剤または助触媒とを含み;より好ましくは、配位子(A)がPh
2P−N(i−Pr)−P(Ph)−N(i−Pr)Ph、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)−N(Me)C
6H
6、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)S(i−Pr)、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)OC
2H
5、Ph
2P−N(i−Pr)P(Ph)OCH
3、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せであり任意選択で、下記の条件の1つ以上が適用される:触媒組成物が溶媒、好ましくは芳香族炭化水素、直鎖脂肪族炭化水素、環状脂肪族炭化水素、直鎖オレフィン、直鎖エーテル、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せ、より好ましくはトルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、クメン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せ、最も好ましくは、トルエンまたはクロロベンゼンを更に含む;クロム化合物の濃度が、0.01から100mmol/Lまで、好ましくは、0.1から10mmol/Lである;配位子/Crモル比が、0.5から50まで、好ましくは、0.8から2.0である;およびAl/Crモル比が、1:1から1000:1まで、好ましくは、10:1から200:1である。
【0061】
前述の触媒組成物の製造のための方法は、(a)クロム化合物、好ましくは、Cr(II)またはCr(III)の有機塩もしくは無機塩、配位錯体、または有機金属錯体であるクロム化合物、より好ましくは、CrCl
3(THF)
3、Cr(III)アセチルアセトネート、Cr(III)オクタノエート、クロムヘキサカルボニル、Cr(III)−2−エチルヘキサノエート、(ベンゼン)トリカルボニル−クロム、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せであるクロム化合物と、(b)一般構造
(A)R
1R
2P−N(R
3)−P(R
4)−NR
5R
6または
(B)R
1R
2P−N(R
3)−P(XR
7)R
8もしくはR
1R
2P−N(R
3)−P(XR
7)
2
(式中、X=OもしくはSであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は独立して、C
1〜C
10−アルキル、C
6〜C
20−アリール、C
3〜C
10−シクロアルキル、アラルキル、アルキルアリール、もしくはトリアルキルシリルである)の配位子、あるいは(A)または(B)の任意の環状誘導体の配位子であって、PNPN単位またはPNP単位のPまたはN原子の少なくとも1つが、環システムの一部であり、環システムが、構造(A)または(B)の1つ以上の構成化合物から置換により形成される配位子、好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7またはR
8がメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、トリル、キシリル、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せである、配位子と、(c)活性剤または助触媒であって、好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアミノキサン(MMAO)、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せである活性剤または助触媒とを混合することを含み;より好ましくは、配位子(A)がPh
2P−N(i−Pr)−P(Ph)−N(i−Pr)Ph、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)−N(Me)C
6H
6、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)S(i−Pr)、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)OC
2H
5、Ph
2P−N(i−Pr)P(Ph)OCH
3、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せであり;任意選択で、下記の条件の1つ以上が適用される:溶媒、好ましくは芳香族炭化水素、直鎖もしくは環状脂肪族炭化水素、直鎖オレフィン、直鎖エーテル、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せ、より好ましくはトルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、クメン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せ、最も好ましくは、トルエンまたはクロロベンゼンが任意選択で混合される;クロム化合物の濃度が、0.01から100mmol/Lまで、好ましくは、0.1から10mmol/Lである;配位子/Crモル比が、0.5から50まで、好ましくは、0.8から2.0である;およびAl/Crモル比が、1:1から1000:1まで、好ましくは、10:1から200:1である。
【0062】
エチレンの三量体化および/または四量体化のための方法は、触媒組成物をエチレンの気相に反応器中でさらすことと、オリゴマ化を行うこととを含み、触媒組成物が、(a)クロム化合物、好ましくは、Cr(II)またはCr(III)の有機塩もしくは無機塩、配位錯体、または有機金属錯体であるクロム化合物、より好ましくは、CrCl
3(THF)
3、Cr(III)アセチルアセトネート、Cr(III)オクタノエート、クロムヘキサカルボニル、Cr(III)−2−エチルヘキサノエート、(ベンゼン)トリカルボニル−クロム、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せであるクロム化合物と、(b)一般構造
(A)R
1R
2P−N(R
3)−P(R
4)−NR
5R
6または
(B)R
1R
2P−N(R
3)−P(XR
7)R
8もしくはR
1R
2P−N(R
3)−P(XR
7)
2
(式中、X=OもしくはSであり、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8は独立して、C
1〜C
10−アルキル、C
6〜C
20−アリール、C
3〜C
10−シクロアルキル、アラルキル、アルキルアリール、もしくはトリアルキルシリルである)の配位子、または(A)および(B)の任意の環状誘導体の配位子であって、PNPN単位またはPNP単位のPもしくはN原子の少なくとも1つが、環システムの一部であり、環システムが、構造(A)または(B)の1つ以上の構成化合物から置換により形成される配位子、好ましくは、R
1、R
2、R
3、R
4、R
5、R
6、R
7およびR
8がメチル、エチル、イソプロピル、tert−ブチル、シクロヘキシル、フェニル、ベンジル、トリル、キシリル、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せである、配位子と、(c)活性剤または助触媒であって、好ましくは、トリメチルアルミニウム、トリエチルアルミニウム、トリイソプロピルアルミニウム、トリイソブチルアルミニウム、エチルアルミニウムセスキクロリド、ジエチルアルミニウムクロリド、エチルアルミニウムジクロリド、メチルアルミノキサン(MAO)、変性メチルアミノキサン(MMAO)、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せである活性剤または助触媒とを含み;より好ましくは、配位子(A)がPh
2P−N(i−Pr)−P(Ph)−N(i−Pr)Ph、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)−N(Me)C
6H
6、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)S(i−Pr)、Ph
2P−N(i−Pr)−P(Ph)OC
2H
5、もしくはPh
2P−N(i−Pr)P(Ph)OCH
3、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せであり;任意選択で、下記の条件の1つ以上が適用される:触媒組成物が溶媒、好ましくは芳香族炭化水素、直鎖および環状脂肪族炭化水素、直鎖オレフィン、直鎖エーテル、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せ、より好ましくはトルエン、ベンゼン、エチルベンゼン、クメン、キシレン、メシチレン、ヘキサン、オクタン、シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、ヘキセン、ヘプテン、オクテン、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、クロロベンゼン、または前述のうちの少なくとも1つを含む組合せ、最も好ましくは、トルエンまたはクロロベンゼンを更に含む;クロム化合物の濃度が、0.01から100mmol/Lまで、好ましくは、0.1から10mmol/Lである;配位子/Crモル比が、0.5から50まで、好ましくは、0.8から2.0である;およびAl/Crモル比が、1:1から1000:1まで、好ましくは、10:1から200:1である;オリゴマ化が、圧力1から200bar、好ましくは、10から50barで実施される;オリゴマ化が、温度10から200℃まで、好ましくは、20から100℃で実施される;およびオリゴマ化の間の平均滞留時間が、10分から20時間まで、好ましくは、1から4時間である。
【0063】
単数形「a」、「an」、および「the」は、文脈が明らかに単数であることを規定しない限り、複数の指示物を含む。「または」は「および/または」を意味する。同じ成分または特性に向けられる全ての範囲の末端の点は、包含され、独立して組み合わせることができる(例えば、「25wt%以下、または5wt%から20wt%」の範囲は、末端の点、および「5wt%から25wt%」の範囲の全ての中間の値などを包含する)。より広い範囲に加え、より狭い範囲またはより具体的な群の開示は、より広い範囲またはより大きな群の放棄ではない。特に別に定義されない限り、本明細書で使用される技術的および科学的用語は、この発明が属する技術の業者が一般に理解する意味と同じ意味を有する。「組合せ」は、ブレンド、混合物、合金、反応生成物、およびこれらに類するものを包含する。
【0064】
本明細書で使用するとき、用語「ヒドロカルビル」および「炭化水素」は、広く炭素および水素を含む、任意選択で1から3個のヘテロ原子、例えば、酸素、窒素、ハロゲン、ケイ素、硫黄、またはこれらの組合せを含む置換基を指し;「アルキル」は、直鎖または分枝鎖の飽和した一価の炭化水素基を指し;「アルキレン」は、直鎖または分枝鎖の飽和した二価の炭化水素基を指し;「アルキリデン」は、直鎖または分枝鎖の飽和した二価の炭化水素基であって、両方の原子価が単一の共通の炭素原子にある炭化水素基を指し;「アルケニル」は、直鎖または分枝鎖の一価の炭化水素基であって、少なくとも2個の炭素が炭素−炭素二重結合により結合した炭化水素基を指し;「シクロアルキル」は、非芳香族の一価の単環式または多環式炭化水素基であって、少なくとも3個の炭素原子を有する炭化水素基を指し;「シクロアルケニル」は、非芳香族の環状の二価の炭化水素基であって、少なくとも3個の炭素原子を有し、不飽和度が少なくとも1である炭化水素基を指し;「アリール」は、芳香族の一価の基であって、芳香環に炭素のみを含有する基を指し;「アリーレン」は、芳香族の二価の基であって、芳香環に炭素のみを含有する基を指し;「アルキルアリール」は、上記で定義されたアルキル基で置換されたアリール基を指し、4−メチルフェニルが例示的なアルキルアリール基であり;「アリールアルキル」は、上記で定義されたアリール基で置換されたアルキル基を指し、ベンジルが例示的なアリールアルキル基であり;「アシル」は、上記で定義されたアルキル基であって、示された数の炭素原子がカルボニル炭素ブリッジ(−C(=O)−)を介して結合したアルキル基を指し;「アルコキシ」は、上記で定義されたアルキル基であって、示された数の炭素原子が酸素ブリッジ(−O−)を介して結合したアルキル基を指し;「アリールオキシ」は、上記で定義されたアリール基であって、示された数の炭素原子が酸素ブリッジ(−O−)を介して結合したアリール基を指す。
【0065】
別段の指示がない限り、前述の基のそれぞれは、非置換であってもまたは置換されていてもよいが、ただし置換が、化合物の合成、安定性、または使用に著しく悪影響を与えない場合に限る。本明細書で使用する用語「置換された」は、指定された原子または基の少なくとも1つの水素が、別の基で置き換えられていることを意味するが、ただし指定された原子の通常の原子価を超えない場合に限る。置換基がオキソ(すなわち、=O)である場合、原子上の2個の水素が置き換えられる。置換基および/または変数の組合せは、置換が、化合物の合成または使用に著しく悪影響を与えない場合に限り許される。「置換された」位置に存在し得る例示的な基としては、限定するものではないが、シアノ;ヒドロキシル;ニトロ;アジド;アルカノイル(例えば、C
2〜6アルカノイル基、例えば、アシル);カルボキサミド;C
1〜6もしくはC
1〜3アルキル、シクロアルキル、アルケニル、およびアルキニル(少なくとも1つの不飽和結合および2から8個、もしくは2から6個の炭素原子を有する基を含む);C
1〜6もしくはC
1〜3アルコキシ;C
6〜10アリールオキシ、例えばフェノキシ;C
1〜6アルキルチオ;C
1〜6もしくはC
1〜3アルキルスルフィニル;C
1〜6もしくはC
1〜3アルキルスルホニル;アミノジ(C
1〜6もしくはC
1〜3)アルキル;少なくとも1つの芳香環を有するC
6〜12アリール(例えば、フェニル、ビフェニル、ナフチル、もしくはこれに類するものであって、それぞれの環は置換もしくは非置換の芳香族である);1〜3個の分離した環もしくは縮合環および6から18個の環の炭素原子を有するC
7〜19アリールアルキル;または1から3個の分離した環もしくは縮合環および6から18個の環の炭素原子を有するアリールアルコキシ(ベンジルオキシが例示的なアリールアルコキシである)が挙げられる。
【0066】
引用された全ての特許、特許出願、および他の参考文献は、その全体を本願に引用して援用する。しかし、本出願の用語が、援用された参考文献の用語と矛盾または対立する場合、本出願の用語が、援用された参考文献の対立する用語よりも優先する。
【0067】
前述の説明、特許請求の範囲および/または添付の図面で開示された特徴は、別々におよびそれらの任意の組合せで、本発明を多様な形態で理解するための材料であり得る。