(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、トイレブースは各種の建物施設に設けられ、その一つが幼稚園や保育園である。これらの幼稚園や保育園のトイレブースを使用する者は園児であり、このトイレブースの出入口に配置される扉は、園児により数多く開閉されたり接触されたりするものである。
【0005】
このため、園児が扉本体に接触したときに受ける影響を軽減できるように、扉本体の少なくとも表面の一部を軟質材料により形成することが考えられる。
【0006】
しかし、このように、扉本体の少なくとも表面の一部を軟質材料により形成することにより、この扉本体に設けられる扉関連部材の取付強度が低下するおそれがあり、このため、この取付強度の低下を防止する工夫が求められている。
【0007】
本発明の目的は、扉本体の少なくとも表面の一部を軟質材料により形成しても、この扉本体に設けられる扉関連部材の取付強度の低下が防止できるようになる扉を提供するところにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明に係る扉は、開口部を開閉するためにこの開口部に開閉自在に配置され、扉本体と、この扉本体に設けられる扉関連部材と、を含んで構成される扉において、前記扉本体の少なくとも表面における前記扉関連部材が設けられる部分を含む少なくとも一部が軟質材料で形成されており、前記扉関連部材は、前記扉本体の厚さ方向両側のうちの一方の側に設けられた第1部材と、他方の側における前記第1部材と対応する位置に設けられ、前記第1部材と結合される第2部材と、を含んで構成されており、前記扉本体の内部における前記第1部材と前記第2部材との間には、前記扉本体の厚さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有する硬質材料で形成された中間部材が配置され、この中間部材の長さ方向の両端部の一方の端部が前記第1部材に当接しているとともに、他方の端部が前記第2部材に当接していることを特徴とするものである。
【0009】
本発明では、扉本体の少なくとも表面における扉関連部材が設けられる部分を含む少なくとも一部が軟質材料で形成されており、これにより、扉を利用する者が扉に接触したときに受ける影響を軽減できるようになる。
【0010】
また、本発明では、扉関連部材は、扉本体の厚さ方向両側のうちの一方の側に設けられた第1部材と、他方の側における第1部材と対応する位置に設けられ、第1部材と結合される第2部材と、を含んで構成されている。
【0011】
上述したように、扉本体の少なくとも表面における扉関連部材が設けられる部分を含む少なくとも一部が軟質材料で形成されており、このため、扉関連部材の第1部材及び第2部材が扉本体の厚さ方向内側へ移動し、この扉本体に設けられる扉関連部材の取付強度が低下するおそれがある。
【0012】
しかし、本発明では、扉本体の内部における第1部材と第2部材との間には、扉本体の厚さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有する硬質材料で形成された中間部材が配置され、この中間部材の長さ方向の両端部の一方の端部が第1部材に当接しているとともに、他方の端部が第2部材に当接している。
【0013】
これにより、扉関連部材の第1部材と第2部材の間の距離は、中間部材の存在により扉本体の厚さ寸法と同じ又は略同じ距離が維持され、扉関連部材の第1部材及び第2部材が扉本体の厚さ方向内側へ移動することが阻止される。
【0014】
このため、本発明によると、扉本体の少なくとも表面の一部を軟質材料により形成しても、この扉本体に設けられる扉関連部材の取付強度の低下が防止できるようになる。
【0015】
なお、本発明において、軟質材料とは、通常の扉本体の材料として用いられている鋼板等の金属や合板等の木材よりも柔軟性を有する材料のことであり、この軟質材料には、高発泡倍率の軟質性発泡樹脂や軟質ゴム等が含まれる。
【0016】
これに対して、硬質材料とは、上記軟質材料よりも剛性を有する材料のことであり、この硬質材料は、例えば、合成樹脂、金属や木材などである。
【0017】
本発明において、中間部材の形状、構造は、扉本体の厚さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有するものであれば任意なものでよく、例えば、中間部材は、扉本体の厚さ方向への長さを有する棒状部材でもよい。なお、この棒状部材は、中空でもよく、中実でもよい。また、この例において、中間部材は、1個の棒状部材で構成されるものでもよく、複数個の棒状部材で構成されるものでもよい。
【0018】
本発明において、第1部材と第2部材のうちの少なくとも一方には、扉本体の厚さ方向内側へ突出し、扉本体の厚さ寸法よりも小さい長さ寸法を有する突出部を設けるとともに、中間部材を、内部に突出部が挿入可能な筒状部材としてもよい。
【0019】
これによると、扉関連部材を構成する第1部材と第2部材のうちの少なくとも一方に設けられた突出部を筒状部材の内部に挿入することにより、この扉関連部材の扉本体に対する設置位置が位置決めされるようになる。
【0020】
本発明において、扉関連部材を構成する第1部材と第2部材の結合構造は、任意なものでよい。
【0021】
なお、第1部材と第2部材は、結合具により結合してもよく、しなくてもよい。前者の場合において、結合具は、例えば、ボルトやビス等のねじ部材でもよく、リベット等でもよい。後者の場合には、第1部材と第2部材は、例えば、接着、溶着等により結合するようにしてもよい。
【0022】
中間部材を、上述したように、内部に第1部材と第2部材のうちの少なくとも一方に設けた突出部が挿入可能な筒状部材とした場合には、第1部材と第2部材の結合構造は、例えば、筒状部材の内部に、第1部材と第2部材を結合するための雄ねじ部材を挿通するとともに、突出部には、雄ねじ部材が螺入される雌ねじ穴を形成するようにしてもよい。すなわち、筒状部材となっている中間部材の内部に雄ねじ部材を挿通するととともに、この雄ねじ部材を、突出部に形成した雌ねじ穴に螺入することにより、第1部材と第2部材が結合する構造としてもよい。
【0023】
なお、上述した第1部材と第2部材の結合構造において、第1部材と扉本体との間及び/又は第2部材と扉本体との間には、硬質材料で形成されている板状部材を配置するようにしてもよい。
【0024】
これによると、第1部材と第2部材を結合するための雄ねじ部材を、突出部に形成した雌ねじ穴に螺入することにより、第1部材及び/又は第2部材に掛かる雄ねじ部材の荷重を分散させることができる。
【0025】
このため、第1部材と扉本体との間及び/又は第2部材と扉本体との間に配置した硬質材料で形成されている板状部材は、第1部材及び/又は第2部材に掛かる雄ねじ部材の荷重を分散させるための荷重分散部材となる。
【0026】
なお、板状部材の形状、寸法は、任意なものでよく、板状部材は、例えば、第1部材や第2部材と同じ又は略同じ形状、寸法を有するものでもよく、第1部材や第2部材よりも大きい形状、寸法を有するもの等でもよい。
【0027】
本発明において、中間部材を前述したように筒状部材とした場合には、この筒状部材を形成する硬質材料は、透光性又は半透光性を有するものとしてもよく、しなくてもよい。
【0028】
上述したように、第1部材及び/又は第2部材には雄ねじ部材の荷重が掛かることになるが、この荷重が過度に大きくなった場合には、筒状部材の長さ方向の両端部にも大きな荷重が掛かるため、筒状部材の一部あるいは全体にひび割れ等の損傷が発生するおそれがある。
【0029】
ここで、筒状部材を形成する硬質材料を透光性又は半透光性を有するものとした場合には、筒状部材を形成する硬質材料を透光性又は半透光性を有するものとしない場合と比較して、筒状部材にひび割れ等の損傷が発生したことが容易に分かるようになる。なお、ひび割れ等の損傷が、筒状部材の内周面及び/又はその近傍のみであって筒状部材の外周面まで達していない場合でも、筒状部材に損傷が発生したことは、筒状部材にこの損傷による白濁した部分があることを外部から視認することで判断できる。
【0030】
なお、筒状部材の損傷の確認作業は、第1部材と第2部材の結合作業の際や、扉関連部材の点検、交換作業の際に行うことが好ましい。
【0031】
なお、本発明において、中間部材は、第1部材と第2部材のうちのいずれか一方と一体となっていてもよい。すなわち、本発明において、中間部材には、第1部材及び第2部材と別体となっているもののほか、第1部材と第2部材のうちのいずれか一方と一体となっているものが含まれる。
【0032】
なお、第1部材は、この第1部材が設けられている側の扉本体の表面の少なくとも一部を覆っているとともに、この第1部材が設けられている側の扉本体の表面と接しているか又は略接している(言い換えると、扉が実際に使用されるときには、この第1部材が設けられている側の扉本体の表面と実質的に接している)ことが好ましい。これと同様に、第2部材は、この第2部材が設けられている側の扉本体の表面の少なくとも一部を覆っているとともに、この第2部材が設けられている側の扉本体の表面と接しているか又は略接している(言い換えると、扉が実際に使用されるときには、この第2部材が設けられている側の扉本体の表面と実質的に接している)ことが好ましい。
【0033】
また、第1部材は、中間部材の長さ方向の両端部のうちの一方の端部(言い換えると、この第1部材が設けられている側の端部)の表面の少なくとも一部を覆うことになるが、この第1部材は、中間部材の長さ方向の両端部のうちの一方の端部の表面の全部を覆っていることが好ましい。これと同様に、第2部材は、中間部材の長さ方向の両端部のうちの他方の端部(言い換えると、この第2部材が設けられている側の端部)の表面の少なくとも一部を覆うことになるが、この第2部材は、中間部材の長さ方向の両端部のうちの他方の端部の表面の全部を覆っていることが好ましい。
【0034】
以上の本発明において、扉関連部材とは、扉本体に設けられる部材、装置等をいい、この扉関連部材の第1の例は、扉を施錠、開錠するための施錠装置である。
【0035】
ここで、施錠装置の形式、構造等は任意なものでよく、この施錠装置は、例えば、シリンダ錠でもよく、打掛錠でもよく、鎌錠でもよく、南京錠でもよく、キーボードから暗証番号を入力することにより開錠できる暗証番号錠でもよく、ICカードをかざしたり、差し込むことにより開錠できるICカード錠でもよく、指をかざしたり、接触させたりすることにより開錠する指紋認証錠等でもよい。
【0036】
また、施錠装置は、扉本体の厚さ方向両側から施錠、開錠できるものでもよく、扉本体の厚さ方向両側のうちの一方の側のみから施錠、開錠できるものでもよい。
【0037】
後者の場合の施錠装置の具体例として、扉本体の厚さ方向両側のうちの一方の側である開口部の内側に設けられていて開口部を形成している不動部材に配置されたラッチ受け部材に受けられる棒状のラッチを有するサムターン部材と、このサムターン部材の回動中心軸を支持するための支持部材と、他方の側である開口部の外側に設けられていて結合具により支持部材と結合するベース部材と、このベース部材よりも開口部の外側に設けられていて施錠状態及び/又は開錠状態を表示するための施錠状態表示部材と、を含んで構成されており、支持部材が第1部材となっていて、ベース部材が第2部材となっている施錠装置を挙げることができる。
【0038】
この施錠装置では、サムターン部材を回動させ、このサムターン部材のラッチが不動部材に配置されたラッチ受け部材に受けられることにより、扉が施錠されるとともに、施錠状態表示部材は、施錠状態を表示するものとなり、サムターン部材を反対方向に回動させることにより、扉が開錠されるとともに、施錠状態表示部材は、開錠状態を表示するものとなる。
【0039】
なお、サムターン部材と扉本体との間及び/又はベース部材と扉本体との間には、前述したように、硬質材料で形成されている荷重分散部材である板状部材を配置するようにしてもよい。
【0040】
また、本発明における扉関連部材の第2の例は、扉を開口部に対して開閉自在とするためのヒンジである。
【0041】
ここで、ヒンジの形式、構造等は任意なものでよく、その一例として、開口部を形成している不動部材と扉本体のうちの一方に設けられていて上下方向を長さ方向とするピン部を有する第1ヒンジ部材と、不動部材と扉本体のうちの他方に設けられていて第1ヒンジ部材のピン部が挿入される穴が設けられている第2ヒンジ部材と、を含んで構成されているものを挙げることができる。
【0042】
上述したヒンジのより具体的な例として、第1ヒンジ部材は、本体部と、前記不動部材に取り付けるための取付部とを有し、第2ヒンジ部材は、第1ヒンジ部材よりも上側に配置され、扉本体の前記厚さ方向両側のうちの一方の側に設けられている本体部と、他方の側に設けられていて結合具により本体部と結合する取付部とを有し、第1ヒンジ部材のピン部は、この第1ヒンジ部材の本体部の上部に設けられており、第2ヒンジ部材の穴は、この第2ヒンジ部材の本体部の底部に設けられており、第2ヒンジ部材の本体部が第1部材となっているとともに、第2ヒンジの取付部が第2部材となっているものを挙げることができる。
【0043】
この例では、第2ヒンジ部材は、第1ヒンジ部材に載置されるとともに、第1ヒンジ部材のピン部を中心に回動自在となる。
【0044】
また、以上の本発明において、扉関連部材の表面の少なくとも一部を軟質材料で覆うようにしてもよく、あるいは、扉関連部材の表面の少なくとも一部を軟質材料で形成するようにしてもよい。
【0045】
本発明は、任意な出入口を開閉するための扉に適用することができ、この出入口は、トイレブースの出入口でもよく、教室や居室等の部屋の出入口でもよい。
【0046】
また、トイレブースは幼稚園や保育園に設置されるものでもよく、公園等の公共施設に設置されるものでもよい。
【発明の効果】
【0047】
本発明によると、扉本体の少なくとも表面の一部を軟質材料により形成しても、この扉本体に設けられる扉関連部材の取付強度の低下が防止できるようになるという効果を得られる。
【発明を実施するための形態】
【0049】
以下に本発明を実施するための形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本実施形態に係る扉1が適用されたトイレブース2が示されており、このトイレブース2は幼稚園又は保育園に設置されているものである。本実施形態では、複数個のトイレブース、
図1では2個のトイレブース2A,2Bが横方向連設されているため、連設式のトイレブースとなっており、それぞれのトイレブース2A,2Bごとに扉1が設けられている。
【0050】
それぞれのトイレブース2A,2Bは、左右方向の間隔を開けて設置されている正面パネル3と、正面パネル3から後方に延びている側面パネル4と、これらの側面パネル4の後端において、正面パネル3と平行に立設されている図示外の室内壁とにより、平面視で四角形に形成され、正面パネル3同士の間が、それぞれのトイレブース2A,2Bの開口部である出入口5となっている。そして、互いに連結されている正面パネル3と側面パネル4は、脚部材6により床に立設されている。このように、正面パネル3は、出入口5を形成する不動部材となっている。
【0051】
図1で3個示されている不動部材である正面パネル3A,3B,3Cのうち、中央の正面パネル3Bは、言い換えると、2個のトイレブース2Aと2Bの間に設けられた正面パネル3Bは、これらのトイレブース2Aと2Bに共通の正面パネルになっており、また、
図1で3個示されている不動部材である側面パネル4A,4B,4Cのうち、正面パネル3Bの左右方向中央部から後方に延びている側面パネル4Bは、トイレブース2Aと2Bを仕切るための間仕切りパネルとなっている。
【0052】
図2は、
図1のトイレブース2を示す正面図である。それぞれのトイレブース2の扉1は、正面パネル3に上下方向に離間して配置された具体的な構造を後述する2個のヒンジ7で開閉自在に取り付けられており、これにより、正面パネル3Aと3Bとの間に形成されているトイレブース2Aの出入口5Aは、扉1Aにより開閉され、正面パネル3Bと3Cとの間に形成されているトイレブース2Bの出入口5Bは、扉1Bにより開閉される。このため、出入口5A,5Bに配置されている扉1A,1Bは、左右の側辺10,12のうちの左の側辺10側に配置された上下2個のヒンジ7を中心に開閉自在となっているとともに、左側開きの扉となっている。
【0053】
このように、出入口5Aは、左右方向の間隔を開けて配置されている不動部材となっている2枚の正面パネル3A,3Bにより形成されており、出入口5Bは、左右方向の間隔を開けて配置されている不動部材となっている2枚の正面パネル3B,3Cにより形成されている。また、扉1は、出入口5を開閉するためにこの出入口5に開閉自在に配置されている。
【0054】
扉1A,1Bは、扉本体1Dと、扉関連部材である具体的な構造を後述する施錠装置20と、扉関連部材である上述した上下2個のヒンジ7を構成する第2ヒンジ部材34と、を含んで構成されており、扉本体1Dは、金属や木材よりも柔軟な材料であって、軟質材料となっている発泡樹脂製の1枚の板状部材、すなわち、軟質板状部材により形成されたものとなっている。このため、扉本体1Dにおける扉関連部材が設けられる部分を含む全部が軟質材料で形成されており、扉1の表面の大部分は、軟質材料で形成されている。
【0055】
一方、正面パネル3A,3B,3C及び側面パネル4A,4B,4Cは、木材等の硬質材料で形成されたものとなっている。
【0056】
また、
図2に示されているように、扉1A,1Bの扉本体1Dは、正面視で略長方形の形状となっているとともに、四つの角部がラウンド形状に面取りされたものとなっている。また、扉本体1Dの下辺11は、正面パネル3の下辺と面一状態又は略面一状態となっており、扉本体1Dの上辺13は、正面パネル3の上辺と面一状態又は略面一状態となっている。
【0057】
このため、扉1は、
図1〜
図3に示されているように、左側開きの扉として使用できるだけでなく、左右の側辺10,12のうちの右の側辺12側に配置された上下2個のヒンジ7を中心に開閉自在となっている右側開きの扉としても使用できるようになっている。
【0058】
なお、扉本体1Dの形状は、
図2に示されているような正面視で略長方形の形状に限定されるものでなく、任意な形状なものでよい。例えば、扉本体1Dの形状は、正面視で非四角形の形状となっていてもよく、この場合の形状は、例えば、1個又は複数個の果物(例えば、スイカ、オレンジ、キウイフルーツ等)の断面形状の輪郭を表す形状でもよい。
【0059】
また、それぞれの扉本体1Dには、扉1が前述の出入口5を閉じているときに、これらの扉1を正面パネル3に施錠するための施錠装置20が設けられている。具体的な構造を後述するこの施錠装置20は、
図4及び
図5に示されているように、扉1におけるトイレブース2の内側に向いている面に、水平軸(回動中心軸)を中心に回動自在に取り付けられているサムターン部材21と、このサムターン部材21に結合されている棒状のラッチ21Bと、正面パネル3におけるトイレブース2の外側に向いている面に取り付けられているラッチ受け部材16とを有するものとなっている。
図4は、サムターン部材21を回動させる前であって、ラッチ1Bの先端部がラッチ受け部材16の溝部16Aに嵌合してしないときを示しており、このときの施錠装置20は開錠されており、扉1を開閉操作することができる。また、
図5は、サムターン部材21を90度回動させた後であって、ラッチ21Bの先端部がラッチ受け部材16の溝部16Aに嵌合しているときを示しており、このときの施錠装置20は施錠されており、扉1を開閉操作することができない。このように、施錠装置20は、室内側であるトイレブース2の内側(内部)から施錠、開錠するための扉関連部材となっている。
【0060】
なお、サムターン部材21と扉1を隔てた反対側、すなわち、トイレブース2の外側には、扉1の施錠状態及び開錠状態を表示するための施錠状態表示部材が設けられており、この施錠状態表示部材を構成するカップ状のカバー部材26の窓孔26Aから、扉1の施錠状態及び開錠状態が分かるようになっている。
【0061】
すなわち、カバー部材26の内部には、サムターン部材21の回動中心軸に固定されていてサムターン部材21とともに回動する円盤状の円盤部を有するマーク部材が配置されており、このマーク部材の円盤部の四半円部分は、着色(本実施形態では、赤色)されたマーク部(着色部)25Bとなっている。
【0062】
このため、施錠装置20を
図5に示されているように施錠するために、サムターン部材21を90度回動させると、カバー部材26の窓孔26Aには、マーク部25Bが露出するため、トイレブース2の外部から扉1が施錠されていることを確認できる。
【0063】
図6は、
図1〜
図3に示されている扉1A,1Bのうち、右側に配置されている扉1Bの扉本体1Dに取り付けられる施錠装置20及びヒンジ7を構成する第2ヒンジ部材34の分解斜視図であるとともに、
図1に示すトイレブース2Bの外側から見たとき扉1Bの斜視図となっている。
【0064】
図7は、
図6に示されている施錠装置20の分解斜視図の拡大図であり、
図8は、
図4で示されている扉本体1Dに取り付けられた状態の施錠装置20の拡大断面図である。
【0065】
図7に示されているように、施錠装置20は、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの一方の側であるトイレブース2の内側に配置されるサムターン部材21と、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの他方の側であるトイレブース2の外側に配置されるベース部材24、マーク部材25及びカバー部材26と、を含んで構成されている。
【0066】
サムターン部材21は、扉1の利用者が施錠装置20を操作するための操作部となっている摘み部21Aと、
図4及び
図5に示されているラッチ受け部材16の溝部16Aに受けられる棒状のラッチ21Bと、回動中心軸21Cと、を有している。
【0067】
サムターン部材21の回動中心軸21Cを支持するための支持部材22は、円柱状のベース部22Aと、このベース部22Aの中心部から扉本体1Dの厚さ方向内側へ水平方向に突出して設けられていて、サムターン部材21の回動中心軸21Cを受けるための円筒状の軸受け部22Bと、ベース部22Aにおける軸受け部22Bの外周部に扉本体1Dの厚さ方向内側へ水平方向に突出して設けられた2個の円筒状の突出部22Cと、を有しており、それぞれの突出部22Cには、雌ねじ穴22Dが形成されている。なお、これらの突出部22Cは、扉本体1Dの厚さ寸法D1よりも小さい長さ寸法(突出量)を有している。
【0068】
回動中心軸21Cが支持部材22の軸受け部22Bから露出しているサムターン部材21は、支持部材22のベース部22Aの外周部を回動するようになっている。
【0069】
扉本体1Dには、支持部材22の軸受け部22Bが挿通される貫通孔1Eと、支持部材22の2個の突出部22Cがそれぞれ挿通される2個の貫通孔1Fが設けられている。
【0070】
円盤状のベース部材24は、支持部材22を扉本体1Dに取り付けるため部材(言い換えると、支持部材22の相手部材)となっており、中心部に設けられた貫通孔24Aと、この貫通孔24Aの外周部に設けられた2個の貫通孔24Bと、を有している。
図8に示されているように、2個の貫通孔24Bにそれぞれ挿通された雄ねじ部材であるビス28の軸部28Bが、支持部材22の突出部22Cの雌ねじ穴22Dに螺入されるとともに、ビス28の頭部28Aがベース部材24の貫通孔24Bの周縁部に圧接することにより、支持部材22が扉本体1Dに取り付けられた状態となる。このように、支持部材22は、結合具であるビス28でベース部材24と結合されることになる。
【0071】
前述したように、サムターン部材21と扉1を隔てた反対側、すなわち、トイレブース2の外側に設けられるマーク部材25及びこのマーク部材25を覆うためのカバー部材26は、ベース部材24よりも出入口5の外側に設けられていて、扉1の施錠状態及び開錠状態を表示するための施錠状態表示部材(より正確には、施錠/開錠状態表示部材)となっている。
【0072】
図7に示されているように、マーク部材25は、約四半円部分が着色(本実施形態では、赤色)されたマーク部(着色部)25Bを有する円形状の円盤部25Aと、この円盤部25Aの中心部から扉本体1D側へ水平方向に突出する
図8に示されている円筒状の突出部25Cと、を有しており、この突出部25Cの内部25Dに、サムターン部材21の回動中心軸21Cが嵌合固定されるようになっている。これにより、マーク部材25はサムターン部材21とともに回動自在となる。
【0073】
マーク部材25の円盤部25Aとベース部材24は、カップ状のカバー部材26の内径寸法よりも小さい直径寸法を有しており、カバー部材26は、このカバー部材26の内周面がベース部材24の外周部24Cの突起部24Dに係合されることにより、あるいはカバー部材26の側面部がベース部材24の外周部24Cにビス等の止着具により止着されることにより、ベース部材24に固定される(取り付けられる)ようになっている。
【0074】
図8に示されているように、マーク部材25の円盤部25Aは、カバー部材26の内部(カバー部材26とベース部材24とで形成された空間S1)で回動自在となっている。このため、サムターン部材21の回動により、カバー部材26の窓孔26Aからマーク部材25のマーク部25Bが見え隠れし、これにより、扉1の施錠状態及び開錠状態が分かるようになっている。
【0075】
すなわち、本実施形態では、
図4で示されている扉1の開錠状態では、カバー部材26の窓孔26Aには、マーク部材25のマーク部25Bが露出しておらず、
図5で示されている扉1の施錠状態では、カバー部材26の窓孔26Aには、マーク部材25のマーク部25Bが露出するようになっている。
【0076】
なお、本実施形態では、扉本体1Dとベース部材24との間には、円盤状の板状部材23が配置されるものとなっている。合成樹脂、金属、木材等の硬質材料で形成されているこの板状部材23には、扉本体1Dに設けられた1個の貫通孔1Eと同じ又は略同じ直径寸法を有する1個の貫通孔23Aと、扉本体1Dに設けられた2個の貫通孔1Fと同じ又は略同じ直径寸法を有する2個の貫通孔23Bと、が設けられており、板状部材23の貫通孔23Aが扉本体1Dの貫通孔1Eに対応し、板状部材23の2個の貫通孔23Bが扉本体1Dの2個の貫通孔1Fに対応するものとなっている。
【0077】
図8に示されているように、板状部材23の貫通孔23Aには、サムターン部材21の回動中心軸21Cが嵌合固定されたマーク部材25の突出部25Cが挿通され、板状部材23の2個の貫通孔23Bのそれぞれには、ベース部材24の貫通孔24Bに挿通されたビス28の軸部28Bが挿通されるものとなっている。
【0078】
この板状部材23は、ベース部材24の貫通孔24Bに挿通されたビス28の軸部28Bが支持部材22の突出部22Cの雌ねじ穴22Dに螺入されることにより、ベース部材24に掛かるビス28の荷重を分散させるための荷重分散部材となっている。
【0079】
また、本実施形態では、
図7及び
図8に示されているように、扉本体1Dに設けられた2個の貫通孔1Fのそれぞれには、透光性又は半透光性を有する硬質材料となっている合成樹脂で形成された中間部材となっている筒状部材27が挿通されるものとなっている。
【0080】
扉本体1Dの厚さ方向への長さを有する棒状部材となっているこの筒状部材27の長さ寸法L1は、扉本体1Dの厚さ寸法D1と同じ又は略同じとなっている。また、筒状部材27の内径寸法は、前述したようにビス28の軸部28Bが螺入される雌ねじ穴22Dを有する支持部材22の突出部22Cの外径寸法と同じ又は略同じとなっている。このため、支持部材22の突出部22Cは、筒状部材27の内部27Aに挿通可能となっている。
【0081】
また、板状部材23の2個の貫通孔23Bは、筒状部材27の外径寸法と同じ又は略同じ直径寸法を有しており、このため、筒状部材27は、板状部材23の2個の貫通孔23Bに挿通可能となっている。
【0082】
以上説明したように、本実施形態では、
図8に示されているように、扉本体1Dのうち、施錠装置20が設けられる部分の内部には、硬質材料で形成された筒状部材27が配置されており、施錠装置20を構成するベース部材24と扉本体1Dとの間には、荷重分散部材となっている板状部材23が配置されるようになっている。
【0083】
そして、本実施形態では、扉関連部材となっている施錠装置20を構成するサムターン部材21の支持部材22は、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの一方の側(トイレブース2の内側)に設けられた第1部材となっており、施錠装置20を構成するベース部材24は、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの他方の側(トイレブース2の外側)におけるサムターン部材21の支持部材22と対応する位置に設けられ、2個のビス28によりこの支持部材22と結合される第2部材となっている。
【0084】
このため、扉本体1Dの内部における第1部材である支持部材22と第2部材であるベース部材24との間に配置された筒状部材27は、扉本体1Dの厚さ寸法D1と同じ又は略同じ長さ寸法L1を有する硬質材料で形成された中間部材となっている。
また、本実施形態では、支持部材22のベース部22Aの2個の突出部22Cが、第1部材である支持部材22に設けられていて、扉本体1Dの厚さ方向内側へ突出し、扉本体1Dの厚さ寸法1Dよりも小さい長さ寸法を有する突出部となっている。
【0085】
次に、施錠装置20を扉本体1Dへ取り付ける作業手順(取付方法)について説明する。
【0086】
まず、扉本体1Dの2個の貫通孔1Fのそれぞれに筒状部材27を挿入するとともに、それぞれの筒状部材27の長さ方向の両端部が扉本体1Dの表面と面一又は略面一状態となるように配置する作業を実施する。
【0087】
なお、扉本体1Dの1個の貫通孔1E及び2個の貫通孔1Fを形成する作業は、工場において扉本体1Dを製造するときに一緒に実施されるものであってもよく、扉1を設置する現場で実施されるものであってもよい。また、貫通孔1Eと貫通孔1Fとは連通するようにてもよい。
【0088】
この後、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの一方の側(トイレブース2の内側に配置される側)から、サムターン部材21の支持部材22の軸受け部22Bを扉本体1Dの貫通孔1Eに挿入するとともに、サムターン部材21の支持部材22の2個の突出部22Cを、扉本体1Dの内部に挿入配置された筒状部材27の内部27Aに挿入する作業を実施する。
【0089】
次に、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの他方の側(トイレブース2の外側に配置される側)から、板状部材23を扉本体1Dの表面に押し当てる。なお、このとき、板状部材23の貫通孔23Aの中心が扉本体1Dの貫通孔1Eの中心に一致又は略一致するとともに、板状部材23の2個の貫通孔23Bのそれぞれの中心が扉本体1Dの2個の貫通孔1Fのそれぞれの中心に一致又は略一致するようにする。
【0090】
この後、ベース部材24を、このベース部材24の貫通孔24Aの中心が板状部材23の貫通孔23Aの中心に一致又は略一致するとともに、ベース部材24の2個の貫通孔24Bのそれぞれの中心が板状部材23の2個の貫通孔23Bのそれぞれの中心に一致するように、板状部材23の表面に押し当てる。
【0091】
次に、2個のビス28の軸部28Bのそれぞれを、板状部材23の2個の貫通孔23Bのそれぞれに挿通するとともに、扉本体1Dの内部に配置された2個の筒状部材27の内部27Aに挿入し、さらに、2個の筒状部材27の内部27Aに挿入されたサムターン部材21の支持部材22の2個の突出部22Cの雌ねじ穴22Dにそれぞれ螺入する作業を実施する。この螺入作業は、ビス28の頭部28Aがベース部材24の貫通孔24Bの周縁部に圧接するまで行う。
【0092】
以上の作業により、サムターン部材21が扉本体1Dに取り付けられた(固定された)状態となる。
【0093】
この後、
図8に示されているマーク部材25の突出部25Cの内部25Dに、サムターン部材21の回動中心軸21Cを嵌合固定する作業を実施する。これにより、マーク部材25はサムターン部材21とともに回動自在な状態となる。
【0094】
最後に、カバー部材26をベース部材24に取り付ける作業を実施する。すなわち、カバー部材26の内周面をベース部材24の外周部24Cの突起部24Dに係合し、あるいはカバー部材26の側面部をベース部材24の外周部24Cにビス等の止着具により止着する作業を実施する。
【0095】
以上で施錠装置20を扉本体1Dへ取り付ける作業は完了する。
【0096】
なお、筒状部材27の長さ方向の両端部のうちの一方の端部の表面の全部は、施錠装置20のサムターン部材21の支持部材22のベース部22Aで覆われているとともに、筒状部材27の長さ方向の両端部のうちの他方の端部の表面の全部は、施錠装置20のベース部材24で覆われている。また、施錠装置20のサムターン部材21の支持部材22のベース部22Aは、扉本体1Dのトイレブース2の内側の表面15と接触しているとともに、板状部材23も、扉本体1Dのトイレブース2の外側の表面14と接触している。
【0097】
以上説明した本実施形態では、
図8に示されているように、扉本体1Dのうち、施錠装置20が設けられる部分の内部には、扉本体1Dの厚さ寸法D1と同じ又は略長さ寸法L1を有する筒状部材27が配置される。そして、筒状部材27の長さ方向の両端部のうちの一方の端部に、施錠装置20のサムターン部材21の支持部材22のベース部22Aが当接するとともに、筒状部材27の長さ方向の両端部のうちの他方の端部に、施錠装置20のベース部材24が当接するようになっている。これにより、施錠装置20のサムターン部材21の支持部材22のベース部22Aと、施錠装置20のベース部材24との間の距離は、扉本体1Dの厚さ寸法D1である状態が維持される。
【0098】
すなわち、本実施形態では、施錠装置20がビス28により扉本体1Dに取り付けられる際、施錠装置20の支持部材22のベース部22Aやベース部材24が、軟質材料で形成された扉本体1Dにめり込むことが防止される(言い換えると、扉本体1Dの厚さ方向内側へ移動することが阻止される)ようになっている。
【0099】
このため、本実施形態によると、扉本体1Dの内部に筒状部材27を配置しない場合と比較して、施錠装置20の扉本体1Dに対する取付強度の低下を防止することができる。
【0100】
なお、本実施形態では、扉1が出入口5を閉じる全閉位置に達したときには、
図4及び
図5に示されているように、扉1におけるトイレブース2の内側に向いている面は、ラッチ受け部材16に当接している。このため、ラッチ受け部材16は、扉1の全閉位置を規定するための戸当たり部材を兼ねている。ラッチ受け部材16におけるトイレブース2の外側に向いている面には、扉本体1Dが当たったときの衝撃を緩和し、かつ園児に対する安全性を考慮して、発泡樹脂やゴム、モヘヤ等による軟質部材17が取り付けられている。このような軟質部材は、溝部16Aの開口部分と正面パネル3との接触面を除くラッチ受け部材16の全面に設けてもよい。
【0101】
また、
図4及び
図5に示されているように、扉1の右の側辺12を形成する右側の端部9は、ラッチ受け部材16から出入口5とは反対側の左右方向へ突出している。このため、正面パネル3との間に指や手を差し込むことができる間隔があいているこの端部9により、扉1をヒンジ7を中心に開閉操作できるようになっており、端部9を扉1の把持部材であるノブや取っ手の代わりとして使用できるようになっている。
【0102】
なお、施錠装置20の形式、構造等は、
図7及び
図8に示されているものに限定されるものではなく、任意なものでよい。
【0103】
図1及び
図2に示されているヒンジ7は、出入口5を形成している不動部材である正面パネル3A,3Bに設けられる第1ヒンジ部材30と、扉1A,1Bの扉本体1Dに設けられる第2ヒンジ部材34と、を含んで構成されており、
図9には、第1ヒンジ部材30の分解斜視図が示されており、
図10には、
図6で示されている第2ヒンジ部材34の分解斜視図の拡大図が示されている。
【0104】
図9に示されているように、第1ヒンジ部材30は、上部31Aに上下方向を長さ方向とするピン部31Bが設けられていて、側面部31Cに水平方向に延びる上下2個の円筒状の突出部31Dが設けられている円柱状の本体部31と、上下2個の貫通孔32Aが形成されている板状のベース部材32と、を含んで構成されている。そして、本体部31の上下2個の突出部31Dの内周面31Eには、第1ヒンジ部材30を正面パネル3に取り付けるための雄ねじ部材である2個のビス33の軸部33Bに形成された雄ねじ部が螺入可能な雌ねじ部が形成されている。言い換えると、本体部31の上下2個の突出部31Dには、2個のビス33の軸部33Bに形成された雄ねじ部が螺入可能な雌ねじ穴31Eが形成されている。また、ベース部材32に設けられている上下2個の貫通孔32Aは、ビス33の軸部33Bが挿通可能となっている。なお、本体部31の上下2個の突出部31Dの長さ寸法(突出量)は、正面パネル3の厚さ寸法と同じ又はこれよりも小さいものとなっている。
【0105】
図10に示されているように、第2ヒンジ部材34は、上下2個の貫通孔35Eが形成されている羽根部35Dが側面部35Cに設けられている円柱状の本体部35と、ベース部(言い換えると、基部)36Aに扉本体1Dの厚さ方向内側へ水平方向に延びる上下2個の円筒状の突出部36Bが設けられている板状のベース部材36と、を含んで構成されており、本体部35は、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの一方の側であるトイレブース2の内側に配置されており、ベース部材36は、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの他方の側であるトイレブース2の外側に配置されている。なお、ベース部材36のベース部36Aの2個の突出部36Bは、扉本体1Dの厚さ寸法D1よりも小さい長さ寸法(突出量)を有している。
【0106】
ベース部材36のベース部36Aの上下2個の突出部36Bの内周面36Cには、第2ヒンジ部材34を扉本体1Dに取り付けるための雄ねじ部材である2個のビス37の軸部37Bに形成された雄ねじ部が螺入可能な雌ねじ部が形成されている。言い換えると、ベース部材36のベース部36Aの上下2個の突出部36Bには、2個のビス37の軸部37Bに形成された雄ねじ部が螺入可能な雌ねじ穴36Cが形成されている。
【0107】
また、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dに設けられている上下2個の貫通孔35Eは、2個のビス37の軸部37Bが挿通可能となっており、この本体部35の底部35Aには、後述する
図11の部分拡大図である
図12に示されているように、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aのピン部31Bが挿入可能な穴35Bが設けられている。
【0108】
このように、本実施形態では、第2ヒンジ部材34のベース部材36は、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの他方の側であるトイレブース2の外側に配置されていて、結合具である2個のビス37により第2ヒンジ部材34の本体部35と結合する取付部となっている。
【0109】
本実施形態では、扉本体1Dの内部における第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dとベース部材36との間には、扉本体1Dの厚さ寸法D1と同じ又は略同じ長さ寸法L1を有する硬質材料で形成されている中間部材である筒状部材38が配置されるようになっている。この筒状部材38を形成している硬質材料は、前述した施錠装置20で使用される筒状部材27(
図7参照)と同様に、透光性又は半透光性を有している合成樹脂等となっている。
【0110】
この筒状部材38は、ベース部材36の上下2個の突出部36Bの外径寸法と同じ又は略同じ内径寸法を有しており、このため、ベース部材36の上下2個の突出部36Bは、筒状部材38の内部38Aに挿入可能となっている。
【0111】
また、本体部35の羽根部35Dの上下2個の貫通孔35Eは、筒状部材38の内径寸法と同じ又は略同じ直径寸法を有している。
【0112】
図6に示されているように、扉本体1Dの幅方向の両端部のうちのヒンジ7が配置される側の端部における上部と下部には、筒状部材38の外径寸法と同じ又は略同じ直径寸法を有する上下2個の貫通孔1G,1Hがそれぞれ設けられており、これらの貫通孔1G,1Hに筒状部材38が挿入配置されるものとなっている。
【0113】
次に、第2ヒンジ部材34を扉本体1Dへ取り付ける作業手順(取付方法)について説明する。
【0114】
なお、この扉本体1Dの上部と下部にそれぞれ取り付けられる第2ヒンジ部材34は同じものであるため、以下の説明は、扉本体1Dの上部に設けられる第2ヒンジ部材34について行う。
【0115】
まず、2個の筒状部材38を上述した上下2個の貫通孔1Gにそれぞれ挿入するとともに、それぞれの筒状部材38の長さ方向の両端部が扉本体1Dの表面と面一状態又は略面一状態となるように配置する。
【0116】
なお、扉本体1Dに、貫通孔1G,1Hをそれぞれ形成する作業は、工場において扉本体1Dを製造するときに一緒に実施されるものであってもよく、扉1を設置する現場で実施されるものであってもよい。
【0117】
この後、扉本体1Dの厚さ方向両側のうち、トイレブース2の外側に配置される側から、第2ヒンジ部材34のベース部材36の上下2個の突出部36Bを、ベース部36Aが扉本体1Dの表面に当接するまで、上下2個の筒状部材38の内部38Aにそれぞれ挿入する作業を実施する。
【0118】
次に、扉本体1Dの厚さ方向両側のうち、トイレブース2の内側に配置される側から、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dを扉本体1Dの表面に当接させる作業を実施する。なお、このとき、羽根部35Dの上下2個の貫通孔35Eの中心が上下2個の筒状部材38の中心と一致又は略一致するようにする。
【0119】
最後に、2個のビス37の雄ねじ部である軸部37Bを、本体部35の羽根部35Dの上下2個の貫通孔35Eに挿通するとともに、上下2個の筒状部材38の内部38Aに挿入した後、ベース部材36の上下2個の突出部36Bの雌ねじ穴36Cに螺入する作業を実施する。この螺入作業は、ビス37の頭部37Aが本体部35の羽根部35Dに圧接するまで行う。このように、ベース部材36のベース部36Aは、結合具であるビス37で本体部35の羽根部35Dと結合されることになる。
【0120】
なお、2個の筒状部材38を扉本体1Dの上下2個の貫通孔1Gに挿通する作業の前に、それぞれの筒状部材38の内部38Aにベース部材36の上下2個の突出部36Bを挿入する作業を実施するようにしてもよい。すなわち、予め内部38Aにベース部材36の突出部36Bを挿入しておいたそれぞれの筒状部材38を、扉本体1Dの上下2個の貫通孔1Gに挿通するようにしてもよい。
【0121】
以上の作業により、第2ヒンジ部材34が扉本体1Dに取り付けられた状態となり、このとき、扉本体1Dの上下2個の貫通孔1Gにそれぞれ挿通され、この扉本体1Dの内部に配置された筒状部材38の長さ方向の両端部のうちの一方の端部は、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dに当接するとともに、他方の端部は、第2ヒンジ部材34のベース部材36のベース部36Aに当接した状態となる。
【0122】
なお、筒状部材38の長さ方向の両端部のうちの一方の端部の表面の全部は、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dで覆われているとともに、筒状部材38の長さ方向の両端部のうちの他方の端部は、第2ヒンジ部材34のベース部材36のベース部36Aで覆われている。また、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dは、扉本体1Dのトイレブース2の内側の表面15と接触しているとともに、第2ヒンジ部材34のベース部材36のベース部36Aも、扉本体1Dのトイレブース2の外側の表面14と接触している。
【0123】
本実施形態では、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dは、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの一方の側であるトイレブース2の内側に設けられた第1部材となっており、第2ヒンジ部材34のベース部材36のベース部36Aは、扉本体1Dの厚さ方向両側のうちの他方の側であるトイレブース2の外側における本体部35の羽根部35Dと対応する位置に設けられ、2個のビス37によりこの羽根部35Dと結合される第2部材となっている。
【0124】
そして、本実施形態では、ベース部材36の2個の突出部36Bが、第2部材である第2ヒンジ部材34のベース部材36のベース部36Aに設けられていて、扉本体1Dの厚さ方向内側へ突出し、扉本体1Dの厚さ寸法1Dよりも小さい長さ寸法を有する突出部となっている。
【0125】
また、本実施形態では、扉本体1Dの内部における第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dと、第2ヒンジ部材34のベース部材36のベース部36Aとの間に配置され、扉本体1Dの厚さ方向への長さを有する棒状部材となっている筒状部材38は、本実施形態に係る中間部材となっている。
【0126】
このように、本実施形態では、前述した施錠装置20と同様に、扉本体1Dのうち、第2ヒンジ部材34が設けられる部分の内部には、扉本体1Dの厚さ寸法D1と同じ又は略長さ寸法L1を有する筒状部材38が配置されている。そして、上述したように、筒状部材38の長さ方向の両端部のうちの一方の端部に、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dが当接するとともに、筒状部材38の長さ方向の両端部のうちの他方の端部に、第2ヒンジ部材34のベース部材36のベース部36Aが当接するようになっている。これにより、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dと、第2ヒンジ部材34のベース部材36のベース部36Aとの間の距離は、扉本体1Dの厚さ寸法D1である状態が維持される。
【0127】
すなわち、本実施形態では、第2ヒンジ部材34をビス37で扉本体1Dに取り付ける際、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dやベース部材36のベース部36Aが、軟質材料で形成された扉本体1Dにめり込むことが防止される(言い換えると、扉本体1Dの厚さ方向内側へ移動することが阻止される)ようになっている。
【0128】
このため、本実施形態によると、扉本体1Dの内部に筒状部材38を配置しない場合と比較して、第2ヒンジ部材34の扉本体1Dに対する取付強度の低下を防止することができる。
【0129】
次に、第1ヒンジ部材30を正面パネル3Bへ取り付ける作業手順(取付方法)について説明する。なお、この正面パネル3Bの上部と下部にそれぞれ取り付けられる第1ヒンジ部材30は同じものであるため、以下の説明は、正面パネル3Bの上部に設けられる第1ヒンジ部材30について行う。
【0130】
図11は、扉1Bの扉本体1Dに取り付けられた第2ヒンジ部材34を、正面パネル3Bに取り付けられる分解斜視図で示された第1ヒンジ部材30に連結されるときを示す斜視図であり、
図12は、
図11に示されている扉1B及び正面パネル3Bの上部の拡大図である。
【0131】
まず、
図9、
図11及び
図12から分かるように、第1ヒンジ部材30の本体部31の上下2個の突出部31Dを、正面パネル3Bの厚さ方向両側のうち、一方の側であるトイレブース2の外側から、正面パネル3Bの上部に形成された上下2個の貫通孔3Dに挿入する作業を実施する。
【0132】
なお、正面パネル3Bの幅方向である左右方向の両端部のうちのヒンジ7が配置される側の端部における上部と下部に、第1ヒンジ部材30の本体部31の上下2個の突出部31Dの外径寸法と同じ又は略同じ直径寸法を有する上述した上下2個の貫通孔3Dがそれぞれ形成されているが、これらの貫通孔3Dの形成作業は、工場において正面パネル3Bを製造するときに一緒に実施されるものであってもよく、正面パネル3Bを設置する現場で実施されるものであってもよい。
【0133】
この後、正面パネル3Bの厚さ方向両側のうち、他方の側であるトイレブース2の内側から、上下2個の貫通孔32Aの中心が正面パネル3Bの上下2個の貫通孔3Dの中心と一致又は略一致するようにベース部材32を正面パネル3Bの表面に当接させる作業を実施する。
【0134】
そして、2個のビス33の軸部33Bを、ベース部材32の上下2個の貫通孔32Aのそれぞれに挿通するとともに、正面パネル3Bの内部に配置された本体部31の上下2個の突出部31Dの雌ねじ穴31E(
図9参照)に螺入する作業を実施する。この螺入作業は、2個のビス33の頭部33Aがベース部材32に圧接するまで行い、これにより、第1ヒンジ部材30の正面パネル3Bへの取り付けは完了する。
【0135】
本実施形態では、第1ヒンジ部材30の本体部31の上下2個の突出部31Dと、第1ヒンジ部材30のベース部材32は、第1ヒンジ部材30を正面パネル3Bに取り付けるための取付部となっている。
【0136】
次に、
図1及び
図2に示されているヒンジ7の組立作業、すなわち、第1ヒンジ部材30と第2ヒンジ部材34とを連結させる作業について説明する。
【0137】
図12に示されているように、第2ヒンジ部材34の本体部35の底部35Aには、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aに設けられているピン部31Bが挿入可能な穴35Bが設けられている。
【0138】
まず、
図11や
図12に示されているように、扉本体1Dに取り付けられた上下2個の第2ヒンジ部材34の本体部35の底部35Aの高さ位置が、正面パネル3Bに取り付けられた第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aのピン部31Bの先端の高さ位置よりも高くなるまで扉本体1Dを持ち上げる作業を実施する。
【0139】
この後、扉本体1Dを下ろしながら、正面パネル3Bに取り付けられた上下2個の第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aのピン部31Bを、扉本体1Dに取り付けられた上下2個の第2ヒンジ部材34の本体部35の底部35Aの穴35Bに挿入する作業を実施する。この作業は、第2ヒンジ部材34の本体部35の底部35Bが、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aに載置するまで行う。
【0140】
これにより、第2ヒンジ部材34は、
図1に示されているように、第1ヒンジ部材30よりも上側に配置されるとともに、第2ヒンジ部材34の本体部35は、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aのピン部31Bを中心に回動自在となる。このため、扉本体1Dは、第1ヒンジ部材30と第2ヒンジ部材34とを含んで構成されるヒンジ7で出入口5に開閉自在に配置される。
【0141】
なお、本実施形態において、第2ヒンジ部材34の本体部35の底部35Aに上下方向を長さ方向とするピン部を設け、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aに前記ピン部が挿入される穴を設けるようにしてもよい。
【0142】
また、本実施形態において、ヒンジ7は、扉1を開き移動させるとこの扉1が自重により自動的に閉じ移動するいわゆるグレビティヒンジとなっていてもよく、なっていなくてもよい。
【0143】
なお、扉1を開閉自在とするためのヒンジは、上述した形式、構造等を有するものに限定されるものではなく、任意な形式、構造等のものでよい。
【0144】
以上説明した本実施形態では、筒状部材27,38を形成する硬質材料は、透光性又は半透光性を有するものとなっている。
【0145】
このため、本実施形態によると、筒状部材27,38を形成する硬質材料を透光性又は半透光性を有するものとしない場合と比較して、筒状部材27,38にひび割れ等の損傷が発生したことが容易に分かるようになる。なお、ひび割れ等の損傷が、筒状部材27,38の内周面及び/又はその近傍のみであって筒状部材27,38の外周面まで達していない場合でも、筒状部材27,38に損傷が発生したことは、筒状部材27,38にこの損傷による白濁した部分があることを外部から視認することで判断できる。
【0146】
なお、筒状部材27の損傷の確認作業は、施錠装置20の取付作業の際や、施錠装置20の点検、交換作業の際に実施することが好ましい。これと同様に、筒状部材38の損傷の確認作業は、第2ヒンジ部材34の取付作業の際や、第2ヒンジ部材34の点検、交換作業の際に実施することが好ましい。
【0147】
以上説明した本実施形態では、出入口5を開閉するためにこの出入口5に開閉自在に配置される扉1の表面のうち、扉関連部材が配置される部分を除いた部分は、軟質材料で形成されたものとなっている。
【0148】
このため、扉1が使用する者により数多く開閉されたり接触されたりしても、使用する者が接触した際に受ける影響を軽減することができるようになる。すなわち、扉1を使用する者にとっての安全性の向上を図ることができる。
【0149】
なお、扉本体1Dの表面(トイレブース2の外側の面)や裏面(トイレブース2の内側の面)には、幼稚園や保育園の園児が興味を抱く色付きの絵柄を表示するようにしてもよい。
【0150】
また、扉本体1Dの形状が、前述したように、例えば、1個又は複数個の果物(例えば、スイカ、オレンジ、キウイフルーツ等)の断面形状の輪郭を表す形状となっている場合には、扉本体1Dの表面や裏面には、果物の中身(断面の様子)を表す絵柄を表示するようにしてもよい。
【0151】
なお、以上説明した本実施形態では、扉本体1Dは、軟質材料となっている発泡樹脂製の1枚の板状部材で形成されたものであったが、この扉本体1Dの構造はこれに限定されるものではなく、任意なものでよい。
【0152】
例えば、扉本体1Dは、同じ形状、寸法を有する軟質材料で形成された複数枚の板状部材を厚さ方向に重ね合わせることにより形成したものでもよい。
【0153】
なお、施錠装置20の少なくとも一部を軟質材料で覆うようにしてもよい。すなわち、施錠装置20のカバー部材26のうちの窓孔26Aを除いた部分を、軟質材料で覆うようにしてもよい。また、ヒンジ7の少なくとも一部も軟質材料で覆うようにしてもよい。
【0154】
また、扉本体1Dの少なくとも一部は、この扉本体1Dに対して取り付け、取り外し自在なカバー部材で覆われるようにしてもよい。これによると、扉本体1Dの汚損を防止できるようになる。
【0155】
なお、扉本体1Dにおける少なくとも上下2個のヒンジ7が配置される部分同士の間1C(
図1及び
図2参照)の内部に、この間に渡る長さを有する硬質材料で形成された硬質部材を配置するようにしてもよい。
【0156】
前述したように、上下2個のヒンジ7は、第1ヒンジ部材30と第2ヒンジ部材34とを含んで構成されており、第2ヒンジ部材34は、
図1に示されているように、第1ヒンジ部材30よりも上側に配置されるとともに、
図11及び
図12に示されているように、第2ヒンジ部材34の本体部35の底部35Aの穴35Bに、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aのピン部31Bが挿入され、第2ヒンジ部材34の本体部35は、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aのピン部31Bを中心に回動自在となっている。
【0157】
このため、扉本体1Dにおける上下2個のヒンジ7が配置される部分同士の間1Cが、本実施形態のように軟質材料で形成されていて厚さ方向に湾曲変形しやすいものとなっている場合には、扉本体1Dに対して厚さ方向への過大な荷重が作用することにより、扉本体1Dにおける上下2個のヒンジ7が配置される部分同士の間1Cが厚さ方向に湾曲変形し、これにより、ヒンジ7が損傷するおそれがあるだけでなく、第2ヒンジ部材34の本体部35が、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aのピン部31Bから抜けてしまうおそれがある。すなわち、扉1が正面パネル3から外れてしまうおそれがある。
【0158】
このため、上述したように、扉本体1Dにおける少なくとも上下2個のヒンジ7が配置される部分同士の間1Cの内部に、この間に渡る長さを有する硬質材料で形成された硬質部材を配置することにより、扉本体1Dに対して厚さ方向への過大な荷重が作用しても、扉本体1Dにおける上下2個のヒンジ7が配置される部分同士の間1Cは、厚さ方向に湾曲変形しにくいものとなる。
【0159】
すなわち、意図しない外力が加わることにより扉本体1Dに対して厚さ方向への過大な荷重が作用しても、扉本体1Dにおける上下2個のヒンジ7が配置される部分同士の間は、扉本体1Dのうちの上下2個のヒンジ7が配置される部分同士の間の部分を除いた部分と比較して、厚さ方向に湾曲変形しにくいため、これらのヒンジ7が損傷することを防止することができる。また、第2ヒンジ部材34の本体部35が、第1ヒンジ部材30の本体部31の上部31Aのピン部31Bから抜けてしまうことを防止できる。すなわち、扉1が正面パネル3から外れて(離脱して)しまうことを防止できる。
【0160】
なお、扉本体1Dにおける少なくとも上下2個のヒンジ7が配置される部分同士の間1Cの内部に配置する硬質部材は、上下2個のヒンジ7が配置される部分に達する長さを有するものとしてもよい。
【0161】
なお、以上説明した本実施形態に係る扉1は、扉の個数が1個のトイレブースについても、また扉の個数が3個以上のトイレブースについても適用することができる。
【0162】
なお、
図9に示されているヒンジ7を構成する第1ヒンジ部材30の上下2個の突出部31Dも、
図10に示されている第2ヒンジ部材34と同様に、本体部31の上下2個の突出部31Dの長さ寸法(突出量)を、正面パネル3Bの厚さ寸法よりも小さいものとし、それぞれの突出部31Dは、正面パネル3Bの厚さ寸法と同じ又は略同じ長さ寸法を有する硬質材料で形成されていて貫通孔3Dに挿通された筒状部材の内部に収納されるものとしてもよい。
【0163】
これによると、第1ヒンジ部材30が取り付けられる正面パネル3Bが軟質材料で形成されている場合において、本体部31の側面部31Cやベース部材32が正面パネル3Bにめり込むことが防止される。すなわち、第1ヒンジ部材30の正面パネル3Bに対する取付強度の低下を防止することができる。
【0164】
なお、施錠装置20の板状部材23の貫通孔23Aの直径寸法を筒状部材27の外径寸法よりも小さくし、この筒状部材27の長さ方向の両端部のうちの一方の端部が板状部材23の貫通孔23Aの周縁部に当接するようにしてもよい。
【0165】
なお、中間部材となっている2個の筒状部材27は、施錠装置20のサムターン部材21の支持部材22と、施錠装置20のベース部材24のうちのいずれか一方と一体となっていてもよい。
【0166】
また、中間部材となっている2個の筒状部材38も、第2ヒンジ部材34の本体部35の羽根部35Dと、第2ヒンジ部材34のベース部材36のうちのいずれか一方と一体となっていてもよい。