特許第6175324号(P6175324)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6175324
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】クリンカ除去装置
(51)【国際特許分類】
   F23J 1/00 20060101AFI20170724BHJP
   F23J 3/00 20060101ALN20170724BHJP
【FI】
   F23J1/00 Z
   !F23J3/00 101C
【請求項の数】5
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2013-189243(P2013-189243)
(22)【出願日】2013年9月12日
(65)【公開番号】特開2015-55425(P2015-55425A)
(43)【公開日】2015年3月23日
【審査請求日】2016年4月25日
(73)【特許権者】
【識別番号】514030104
【氏名又は名称】三菱日立パワーシステムズ株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100137752
【弁理士】
【氏名又は名称】亀井 岳行
(74)【代理人】
【識別番号】100096541
【弁理士】
【氏名又は名称】松永 孝義
(74)【代理人】
【識別番号】100133318
【弁理士】
【氏名又は名称】飯塚 向日子
(74)【代理人】
【識別番号】100174953
【弁理士】
【氏名又は名称】佐々木 豪
(72)【発明者】
【氏名】間宮 昌俊
(72)【発明者】
【氏名】三好 秀昌
(72)【発明者】
【氏名】斉藤 功
(72)【発明者】
【氏名】山口 良祐
【審査官】 藤原 弘
(56)【参考文献】
【文献】 実開平04−041932(JP,U)
【文献】 特開平05−272740(JP,A)
【文献】 特開平09−250732(JP,A)
【文献】 特開2003−082362(JP,A)
【文献】 特開平09−243046(JP,A)
【文献】 実開昭63−167036(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
F23J 1/00
F23J 1/04
F23J 3/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
1)軸方向の先端部近傍の側面に高圧の噴射流体(9)を噴射するノズル(1)を備えた第1のランスチューブ(2−1)、
2)端部に外部から高圧の噴射流体を導入する流体導入部(7)を設けた第2のランスチューブ(2−3)、
3)第1のランスチューブ(2−1)と第2のランスチューブ(2−3)の間にあって、軸方向に前記第1、第2のランスチューブ(2−1、2−3)を両端部で連結する連結部(4−1、4−2)をそれぞれ備えた少なくとも一つの中間ランスチューブ(2−2)
を連結した直管状ランスチューブ(2)を構成し、
ボイラ火炉壁を貫通して設置されているスリーブ状部材(5)の内側で該ランスチューブ(2)を摺動可能にする複数のガイド部材(3)を該ランスチューブ(2)の外周部に設けたことを特徴とするクリンカ除去装置。
【請求項2】
各ランスチューブ(2−1、2−2、2−3)を火炉壁の外側からスリーブ状部材(5)の内部に挿入可能な作業スペースを火炉壁の外側に備えていることを特徴とする請求項1記載のクリンカ除去装置。
【請求項3】
複数のガイド部材(3)が全て火炉壁の厚みに対応するスリーブ状部材(5)の内周面に接する位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のクリンカ除去装置。
【請求項4】
複数のガイド部材(3)のうちの火炉内側に配置される第1のガイド部材(3−1)はノズル(1)付きの第1のランスチューブ(2−1)の外周部であって、第1のランスチューブ(2−1)に隣接する中間ランスチューブ(2−2)との連結部(4−1)よりもノズル(1)側に配置されることを特徴とする請求項3記載のクリンカ除去装置。
【請求項5】
隣接する第1のランスチューブ(2−1)と中間ランスチューブ(2−2)の連結部(4−1)及び中間ランスチューブ(2−2)と第2のランスチューブ(2−3)の連結部(4−2)はそれぞれ螺合により連結され、かつ第1のランスチューブ(2−1)と中間ランスチューブ(2−2)の当たり面及び中間ランスチューブ(2−2)と第2のランスチューブ(2−3)の当たり面にそれぞれ菊座金(14)を介装させたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のクリンカ除去装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、火力発電プラント等のボイラ設備において、主としてバーナや二段燃焼用ガス(主に空気)を噴出させる各種ポート類のスロート部(火炉開口部)近傍に付着・堆積するクリンカに向けて高圧の流体を噴射し、これを除去するクリンカ除去装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
バーナや二段燃焼用ガスを噴出させる各種ポート類(OFA;Over-firing Airport、AAP;After Air Port、SAP;Side Air Port 等と称されるものであり、以下、これらを総称して単にエアポート、ないしはポート類と記すこともある。)の火炉に開口したスロート部近傍には、燃料中の灰分等から生成したクリンカが付着することが多い。特に微粉炭に代表される固体燃料には、灰分等が多く含まれるため、スロート部の周方向に付着したクリンカが塊状に成長する。
【0003】
これを除去するための装置として、特許文献1(特許3547817号公報)の請求項1には、「微粉炭バーナの軸心位置にオイルバーナに換えて回動自在に挿入し得るよう形成された筒体と、該筒体の先端部に径方向外側に向けてクリンカ除去用噴射流を噴射し得るよう穿設された主噴射ノズルと、該主噴射ノズルの噴射流に干渉する噴射流を噴射して合成噴射流を形成し得るよう前記主噴射ノズルに近接して前記筒体の先端部に穿設された副噴射ノズルと、前記主噴射ノズル及び副噴射ノズルに対し前記筒体の基端部から噴射流体を供給し得るよう筒体内部に形成された噴射流体流路を備えたことを特徴とするクリンカ除去装置」が開示されている。
【0004】
また、特許文献2(特開2000−111296号公報)には、ボイラ内部の吊り下げ伝熱管に付着するハードクリンカを除去するための伝熱管の付着物除去装置が開示されている。これは、高速のウォータージェットを噴射するノズルを先端部に設けた長尺のアームをボイラ壁面の覗き窓から挿入し、クリンカの除去対象となる吊り下げ伝熱管にノズルを接近させるように炉外から操作するものである。
【0005】
また、特許文献3(特開平9−61087号公報)には伝熱管付着物除去装置として、ボイラのマンホールなどから、高圧水を噴出するノズルを先端に設けたノズルマニュピレータを挿入してボイラ火炉内の伝熱管などに付着したクリンカ状付着物を取り除く装置が開示されている。
【0006】
また、特許文献4(特開平11−182758号公報)にはパイプ同士の接続を確実にするためのパイプ同士の接続部のパイプ端部(弾性変形可能)の一方に係合溝を設け、他方に該係合溝に係止される突起部をそれぞれ設けることで容易に複数の管を接続できることが開示されている。
【0007】
また、特許文献5(実公平3−1468号公報)にはランスパイプの先端部が溶損して短くなったら、後端部に短いパイプを接続して必要なパイプ長さを確保することができる構成が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】特許3547817号公報
【特許文献2】特開2000−111296号公報
【特許文献3】特開平9−61087号公報
【特許文献4】特開平11−182758号公報
【特許文献5】実公平3−1468号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
上記特許文献1記載の発明は、ボイラ設備の運転中でも微粉炭バーナのスロート周辺に付着・堆積したクリンカを効率良く且つ安全に除去し得るクリンカ除去装置を提供することを目的としたものであるが、前記クリンカ除去装置などを用いて行うクリンカの除去作業は、ボイラ設備の運転を停止して炉内の保守・点検等の作業をする前段階でも行う必要性が高い。
【0010】
即ち、クリンカはバーナ等の部材と熱膨張(収縮)差があり、運転中はそれら部材の表面に強固に付着していたものが、冷却により部分的に剥離するなどして脱落しやすい状態となる。このようなクリンカが炉内作業中に落下すると危険であるから、予め除去しておく必要があり、クリンカが付着・堆積する部位、即ちスロート部の周方向に向けて高圧の流体を噴射し、これを除去することができるクリンカ除去装置を使用することが望ましい。
【0011】
一方、ボイラの壁面には、多数のバーナやポート類が設置されており、運転停止から保守・点検等、炉内作業開始までの限られた期間に、全てのバーナやポート類に対してクリンカを除去する作業量は膨大なものとなる。高圧の流体によりクリンカを除去する装置とはいえ、最終的に使用する箇所に持ち込んで組み立て・操作を行うのは専ら人手によるため、可搬性、組み立ての容易さや操作性に対する配慮が重要である。
【0012】
特許文献2記載の発明は、クリンカを除去する対象がボイラ内部の吊り下げ伝熱管であり、ボイラ壁面の覗き窓から長尺のノズルアームを挿入し、これを炉外から操作して、噴射ノズルをクリンカの付着する部位まで近づけ、ウォータージェットの噴射を行う伝熱管の付着物除去装置である。従って、本発明が対象とする多数のバーナやポート類のスロート部に付着したクリンカを除去するための装置に要する狭隘なスペースで人手による作業を伴うこと又は前記スロート部という限定された箇所でのクリンカ除去操作、あるいは前記スロート部の円周方向に付着するクリンカを除去すること等の対策について特別な配慮まではなされていない。
【0013】
特許文献3記載のノズルマニュピレータはボイラ外部から操作するものであるが、ノズルマニュピレータの先端が届かない箇所にあるクリンカを除去することができない。
特許文献4記載の発明では弾性変形可能な複数のパイプ同士を容易に接続することができるが、ボイラ火炉壁面を貫通させてパイプ同士を接続することまでは開示していない。
【0014】
また、特許文献5記載の発明は、ランスパイプの先端部が溶損して短くなったら、後端部に短いパイプを接続して必要なパイプ長さを確保する構成が開示されている。このような構成では、本発明のように細長いスリーブ状部材に通した長尺のランスチューブを人手によって軸方向前後および周方向に操作すると、スリーブ状部材の内壁面にランスチューブの外周面が長い範囲で接触して、細長い溝に管状の部材が嵌ったような状態となり、手動操作がしにくくなることが考えられる。また、特許文献5記載の発明は、ランスチューブ先端部側面に設けたノズルから高圧の流体を噴射することにより、その反力によるモーメントが接続部に作用し、当該接続部に変形(カシリ)を生ずる可能性がある。
【0015】
本発明の課題は、簡易な構成で人手による作業がしやすく、限られた期間に、ボイラに多数設置されたバーナやポート類のスロート部に付着・堆積したクリンカを効率的に除去できるクリンカ除去装置と該クリンカ除去装置の設置方法を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0016】
上記課題を解決するため、本発明では次のような解決手段を提供する。
請求項1記載の発明は、
1)軸方向の先端部近傍の側面に高圧の噴射流体(9)を噴射するノズル(1)を備えた第1のランスチューブ(2−1)、
2)端部に外部から高圧の噴射流体を導入する流体導入部(7)を設けた第2のランスチューブ(2−3)、
3)第1のランスチューブ(2−1)と第2のランスチューブ(2−3)の間にあって、軸方向に前記第1、第2のランスチューブ(2−1、2−3)を両端部で連結する連結部(4−1、4−2)をそれぞれ備えた少なくとも一つの中間ランスチューブ(2−2)
を連結した直管状ランスチューブ(2)を構成し、
ボイラ火炉壁を貫通して設置されているスリーブ状部材(5)の内側で該ランスチューブ(2)を摺動可能にする複数のガイド部材(3)を該ランスチューブ(2)の外周部に設けたことを特徴とするクリンカ除去装置である。
【0017】
請求項2記載の発明は、各ランスチューブ(2−1、2−2、2−3)を火炉壁の外側からスリーブ状部材(5)の内部に挿入可能な作業スペースを火炉壁の外側に備えていることを特徴とする請求項1記載のクリンカ除去装置である。
【0018】
請求項3記載の発明は、複数のガイド部材(3)が全て火炉壁の厚みに対応するスリーブ状部材(5)の内周面に接する位置に配置されていることを特徴とする請求項1又は2記載のクリンカ除去装置である。
【0019】
請求項4記載の発明は、複数のガイド部材(3)の内の火炉内側に配置される第1のガイド部材(3−1)はノズル(1)付きの第1のランスチューブ(2−1)の外周部であって、第1のランスチューブ(2−1)に隣接する中間ランスチューブ(2−2)との連結部(4−1)よりもノズル(1)側に配置されることを特徴とする請求項3記載のクリンカ除去装置である。
【0020】
請求項5記載の発明は、隣接する第1のランスチューブ(2−1)と中間ランスチューブ(2−2)の連結部(4−1)及び中間ランスチューブ(2−2)と第2のランスチューブ(2−3)の連結部(4−2)はそれぞれ螺合により連結され、かつ第1のランスチューブ(2−1)と中間ランスチューブ(2−2)の当たり面及び中間ランスチューブ(2−2)と第2のランスチューブ(2−3)の当たり面にそれぞれ菊座金(14)を介装させたことを特徴とする請求項1ないし4のいずれかに記載のクリンカ除去装置である。
【発明の効果】
【0022】
請求項1記載の発明によれば、第1のランスチューブ(2−1)と第2のランスチューブ(2−3)の間に少なくとも一つの中間ランスチューブ(2−2)を連結した直管状ランスチューブ(2)がボイラ火炉壁を貫通して設置されているスリーブ状部材(5)の内側で複数のガイド部材(3)により摺動可能となる簡易な構成のクリンカ除去装置が得られ、人手による持ち運び、組立て、操作がしやすい構成で、ボイラに多数設置されたバーナやポート類のスロート部に付着・堆積したクリンカを除去することができる。
【0023】
請求項2記載の発明によれば、請求項1記載の発明の効果に加えて、各ランスチューブ(2−1、2−2、2−3)を、火炉壁の外側からスリーブ状部材(5)の内部に挿入可能な作業スペースを火炉壁の外側に有することで、直管状ランスチューブ(2)の長さが長くなっても各ランスチューブ(2−1、2−2、2−3)を順次挿入しながら連結することで、直管状ランスチューブ(2)を構成することができる。
【0024】
請求項3記載の発明によれば、請求項1又は2記載の発明の効果に加えて、複数のガイド部材(3)は全て火炉壁の厚みに対応するスリーブ状部材(5)の内周面に接する位置に配置しているので、各ランスチューブ(2−1、2−2、2−3)がスリーブ状部材(5)の内側の位置に移動しても全てのガイド部材(3)がスリーブ状部材(5)を介して火炉壁に常時支持されていることになり、安定して各ランスチューブ(2−1、2−2、2−3)を摺動させることができる。
【0025】
請求項4記載の発明によれば、請求項3記載の発明の効果に加えて、ノズル(1)から炉内に高圧流体を噴射したときの反力が第1のランスチューブ(2−1)と第1のランスチューブ(2−1)に隣接する中間ランスチューブ(2−2)の連結部(4−1)に大きく作用するが、複数のガイド部材(3)の内の火炉内側に配置されるガイド部材(3−1)が前記連結部(4−1)よりもノズル(1)側に配置されているので、前記ノズル(1)からの高圧流体噴射の反力により連結部(4−1)に作用するモーメントを低減できる。
【0026】
請求項5記載の発明によれば、請求項1ないし4のいずれかに記載の発明の効果に加えて、ノズル1から高圧流体を噴射したときの反力やランスチューブ軸周りの回転動作に伴う連結部(4)の螺子部の変形(カシリ)もしくは折損や緩みに対する抵抗力を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0028】
図1】本発明の第1の実施形態になるクリンカ除去装置の側断面図である。
図2図1の要部拡大図である。
図3】本発明の実施形態になるランスチューブを火炉壁に挿入して連結していく様子を模式的に表した図である。
図4】本発明の実施形態になるネジ継ぎ手からなる連結部の一例を示す断面図(図4(a))と菊座金の平面図(図4(b))である。
図5】本発明の実施形態になるネジ継ぎ手からなる連結部の一例を示す断面図(図5(a))と菊座金の平面図(図5(b))である。
図6】本発明の実施形態になるバネによる連結部の断面図(図6(a)、図6(b))である。
図7】本発明の別の実施形態になるクリンカ除去装置の側断面図である。
図8】本発明の比較例のクリンカ除去装置の側断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0029】
以下、本発明の実施の形態を図面を用いて説明する。
なお、本発明のクリンカ除去装置の適用対象となるバーナの燃料として、固体燃料である微粉炭、燃焼用ガスとして空気を用いるものを想定した説明となっているが、本発明はバーナにおける燃料種や燃焼用ガスの種類によって限定されるものではない。また、本発明の各構成要素等について、同質の機能・作用を有するものと適宜置き換えが可能である。例えば、部材の材質等は、特に断りのない限り一つの例に過ぎない。
【0030】
また、本実施の形態は、第1に1本の直管状ランスチューブ2を、これを挿入するボイラ側のスリーブ状部材5の挿入口(覗き窓)6から火炉外側の流体導入部7までの間に収まる程度の長さに短く複数に分割する。このとき第1のランスチューブ2−1と第2のランスチューブ2−3は各1本ずつあれば良く、中間ランスチューブ2−2は、連結されたランスチューブ2−1、2−2、2−3の全体の必要な長さと、ボイラ側のスリーブ状部材5の挿入口(覗き窓)6から火炉外側の流体導入部7までの長さに依存する分割の必要数に応じて1本以上、必要な数を設定する。
【0031】
第2に、この直管状ランスチューブ2の外周面には少なくとも、使用時においてボイラ側に装着されているスリーブ状部材5が設けられた範囲内に位置するようにガイド部材3を設置するのである。なお、スリーブ状部材5は、バーナであればオイルガンの挿入用スリーブ、他のポート類であれば、覗き窓用のスリーブ等としてボイラ側に元々備わっている構成である。
【0032】
このガイド部材3(ガイド3−1、3−2)は、各ランスチューブ2−1、2−2、2−3がボイラ側のスリーブ状部材5の内側で摺動するように、直管状ランスチューブ2の外周面に設ける。
【0033】
そして、このガイド部材3は、当該スリーブ状部材5の内周面上で直管状ランスチューブ2の荷重を支持する機能と中心軸周りに該ランスチューブ2を回転させる動作を円滑にする接触部材としての役割を併せ持つ。
【0034】
ここで、各ランスチューブ2−1、2−2、2−3の連結部4(4−1、4−2)は、ノズル1から高圧流体を噴射したときの反力やランスチューブ軸周りの回転動作に伴う当該連結部4のネジ部の変形(カシリ)もしくは折損や緩みに対する抵抗力の高い構造を採ることが望ましい。
【実施例1】
【0035】
図1に、本発明の第1の実施形態になるクリンカ除去装置の側断面図を示し、図2には、その要部を拡大した側断面図を示す。図1及び図2は、AAP(After Air Port)の空気流路中心軸に設けられるスリーブ状部材5の炉外側端部に形成された観察用覗き窓(挿入口)6からランスチューブ2を挿入し、高圧流体を噴射するノズル部1をクリンカ除去対象となる火炉のスロート部10まで延伸させた様子を表す。
【0036】
ここでは、図面の右側がボイラ設備の炉内側、左側が炉外側に相当し、二段燃焼用空気が図示しないウィンドボックスから供給されるAAP内の空気流路にランスチューブ2を挿入し、スロート部10を経て火炉開口部に達するランスチューブ2の先端のノズル部1から火炉内へと噴出空気流9となって噴出する。
【0037】
AAP内の空気流路の炉外には流体導入部7(この部分は断面図でなく側面図で示す)が固定されており、AAP内の空気流路の長手方向中心軸付近には円筒状のスリーブ状部材5が設置されている。このスリーブ状部材5は、炉内側に開口部5aを設けており、また、通常、炉外側の端部開口部は覗き窓6となっている。該覗き窓6は、炉外からAAP内の空気流路及び炉内の状態を観察するためのものである。この覗き窓6は、本発明のクリンカ除去装置を使用する際には、直管状ランスチューブ2の挿入口として開放される。
【0038】
本実施形態のクリンカ除去装置は、ランスチューブ2の内部に図示しない高圧流体供給装置から供給される高圧流体が流れる流路を形成している。即ち、スリーブ状部材5に挿入した短い第1のランスチューブ2−1と次に挿入する中間ランスチューブ2−2の端部など、チューブ端部同士の連結を繰り返すことで、覗き窓(チューブ2の挿入口)6からスロート部10のクリンカ付着箇所までの距離に見合った長さの1つの直管状のランスチューブ2を形成する。
【0039】
本実施の形態では、次の3種類のランスチューブ2−1、2−2、2−3を炉内側から順に連結する。
1)軸方向の先端部近傍の側面に高圧の噴射流体を噴射するノズル1と、その反対側の端部に隣接する中間ランスチューブ2−2との連結部4−1aを備えたノズル1付き第1のランスチューブ2−1
2)軸方向の両端部に隣接する第1、第2のランスチューブ2−1、2−3との連結部4−1b、4−2aをそれぞれ備えた中間ランスチューブ2−2
3)一方の端部に隣接する中間ランスチューブ2−2との連結部4−2bと、その反対側の端部に外部から高圧の噴射流体を導入する流体導入部7を設けた操作用の第2のランスチューブ2−3
第1のランスチューブ2−1に設置されるノズル1は、高圧流体を噴射可能な各種のノズルが適用できる。また、高圧流体としては、例えば、1〜2MPa程度の圧縮空気が適している。気体であれば、水などの液体に比べて、使用後の流体の後処理の必要がなく、また、噴流を受けたボイラ設備の材料に過剰な熱衝撃を与えることが少ない利点がある。但し、クリンカの除去能力は気体の場合、一般に液体(高圧水等)に比べ不利である。
【0040】
各ランスチューブ2−1、2−2、2−3の径は、スリーブ状部材5の内径に併せて上限があるので、十分な噴射圧力と流量が確保できるように、図1に示す例では、ノズル1の数は1個としている。この場合、空気などの噴射流体の反力により、特に第1のランスチューブ2−1のノズル1に隣接する中間ランスチューブ2−2との連結部4−1aへ作用する力に対する配慮が重要となる。
【0041】
それぞれのノズル1からの噴出流体がクリンカの除去に十分な噴射圧力と流量が確保できる場合には、前記ノズル1に対向するランスチューブ2−1の位置にあるノズル(図示せず)から上述のノズル1の反力を互いに打ち消しあえるような位置に設けても良い。
【0042】
操作用の第2のランスチューブ2−3には、図示しない高圧流体供給装置から供給される高圧の噴射流体を導入する流体導入部7と、作業者が手動で第2のランスチューブ2−3を軸方向に前後移動させたり、周方向に回転させたりするためのハンドル11が設置されている。
【0043】
流体導入部7は、第2のランスチューブ2−3の固定された側の一方向から第2のランスチューブ2−3の内部に噴射流体を導入する基部7−1と、噴射流体をシールしつつ、この基部7−1に対してランスチューブが軸周りに回転自在となるように接続される接続機構7−2とを備えている。
【0044】
これらのランスチューブ2−1、2−2、2−3は、その軸方向長さを、それぞれL5(ノズル付きランスチューブ2−1)、L4(中間ランスチューブ2−2)及びL3(操作用ランスチューブ2−3)とし、炉外の流体導入部7とランスチューブ2−1、2−2、2−3を挿入するスリーブ部材5の挿入口(覗き窓)6までの距離をL1としたとき、それぞれの距離の間には次のような関係が成立するように設定されている。
【0045】
L1>L3、L1>L4、L1>L5
これにより、組み立ての概略の断面模式図を図3に示すように、先ずノズル1付きランスチューブ2−1を挿入口6よりスリーブ状部材5内に挿し込み、その連結部4−1aに中間ランスチューブ2−2の連結部4−1bを連結することができる。
【0046】
次いで、この中間ランスチューブ2−2をスリーブ状部材5内に挿し込んでゆき、反対側の連結部4−2aに操作用の第2のランスチューブ2−3の連結部4−2bを連結し、1本の直管状ランスチューブ2として一体化させることができる。
【0047】
ここで、バーナのスロート部のみをクリンカ除去の対象とするのであれば、ランスチューブ2の全体を長さ方向に分割することなく、特許文献1記載の発明と同様に1本の長尺のランスチューブ2のみから構成されるようにしても良い。
【0048】
即ち、通常のバーナ使用状態において、図示しないバーナのノズル中心軸にスリーブ状部材5を通じて挿入されるオイルバーナガンは、燃料配管の曲がり部を貫通してバーナノズル内に挿入される部位からノズルの炉内開口部近傍まで到達する長大なものであり、その長さは、例えば5m程度に達する。
【0049】
このため、オイルバーナガンの後方、ボイラ炉外側には、これを抜き差しする際に、障害物が無いようにボイラの設計・配置上の考慮がなされているので、必ずしもクリンカ除去装置の直管状ランスチューブ2を短く「分割」する必要は無い。
【0050】
しかし、直管状ランスチューブ2は、強度や耐熱性とコストとの折り合いから、主に金属製の管材で構成される。外径は一例として50mm前後、肉厚は3〜7mm程度のもので、5mもの長尺物となると、かなりの重量物となる。従って、ボイラ設備の外部から現場への搬入や、据え付け等の作業を少人数の人手によって行うのが困難な場合も多く考えられる。直管状ランスチューブ2が分割されていれば、運搬・組み立て、スリ−ブ状部材5への挿入が人手によって容易に行える。
【0051】
一方、バーナ以外のポート類の場合、当該ポート類の後方であるボイラ炉外側には、長尺の直管状ランスチューブ2を細いスリーブ状部材5に挿入させるための十分な空間が確保されておらず、何らかの干渉物(例えば、図1に示す流体導入部7)が存在する場合が多い。
【0052】
上述のように図3は、そのような状態の箇所に本発明のランスチューブ2を挿入し連結していく様子を模式的に表したものである。仮にスリーブ状部材5の挿入口(覗き窓)6からクリンカ8が付着した箇所の距離に合わせて1つの長尺な管で直管状ランスチューブ2を構成すると、前記挿入口6からクリンカ付着箇所までの距離と比べ、短い間隔で覗き窓6の後部に流体導入部7がある場合、直管状ランスチューブ2などが干渉し挿入することが不可能である。
【0053】
このようなことからも、ランスチューブ2は複数個に分割されていることは重要である。
ここで、スリ−ブ状部材5の内径DS>ランスチューブ2の外径DLとなっていることは、いうまでもないが、スリーブ状部材5の内壁面及びランスチューブ2の外周面に曲がりやゆがみが生じていることがある。さらに、ボイラ設備の運転停止直後、スリ−ブ状部材5の炉内側は高温で熱膨張しているのに対し、ランスチューブ2は冷えた状態である。また、冷却が進行することでスリ−ブ状部材5側は収縮してくるので、ランスチューブ2とスリ−ブ状部材5の間には、ある程度の隙間を確保しておくことが必要となる。
【0054】
このとき、スリ−ブ状部材5の内壁面へ直接、ランスチューブ2の外周面が接触する構造であると、長尺物であるランスチューブ2が細長い溝に嵌ったようにスリ−ブ状部材5の内壁と軸方向に長い範囲で線接触する状態となる可能性がある。このため、軸方向前後への抜き差し・移動、除去作業時の回転操作を行う際に、引きずり・固着を生じる可能性、または動作の妨げとなる可能性がある。
【0055】
本実施形態は、ランスチューブ2の外周面に細いリング状の二つのガイド部材3(例えばガイド3−1及びガイド3−2)を設け、ランスチューブ2の外周面は直接スリ−ブ状部材5の内壁面とは接触せず、リング状の部材であるガイド3−1及びガイド3−2を介して接触するような構成を採る。
【0056】
なお、機能的に同様のものであれば、ガイド部材3は細いリング状の形態に限定されるものではない。
炉内側のガイド3−1と炉外側のガイド3−2は、クリンカ除去装置によるクリンカ除去操作時において、両者がともにスリ−ブ状部材5の範囲内に位置するように設けられる。
【0057】
即ち、クリンカ8の除去の対象となる火炉のスロート部10は前後方向(炉内外方向)にある程度の幅があるので、クリンカ8の除去作業を行う際に、ランスチューブ2の先端に設けるノズル1を最も炉内側に移動させたときと、最も炉外側に移動させたときにもガイド3−1及びガイド3−2が共にスリ−ブ状部材5の範囲内に位置することが望ましい。
【0058】
また、特に、炉内側のガイド3−1の配置は、ランスチューブ2−1とランスチューブ2−2の連結部4−1にノズル1から高圧流体を噴射したときの反力が大きく作用することから重要である。本実施形態においては、ノズル1付きのランスチューブ2−1上であって、最もランスチューブ2−1の先端側に近い連結部4−1よりもノズル1側に配置されている。
【0059】
これにより、ノズル1からの高圧流体噴射の反力により連結部4−1に作用するモーメントを低減できる。このモーメントを低減する観点からは、ガイド3−1の配置は、連結部4−1よりもノズル1側であって、なるべく連結部4−1に近いランスチューブ2−1上の位置とすることが望ましい。
【0060】
炉外側のガイド3−2は、除去作業を行う際に直管状ランスチューブ2を炉外側に移動させる操作上、移動を停止させる目印ともなる。
ランスチューブ2−1、2−2の連結部4−1とランスチューブ2−2、2−3の連結部4−2は、ノズル1から高圧流体を噴射したときの反力やランスチューブ軸周りの回転動作に伴う当該連結部のネジ部の変形(カシリ)もしくは折損や緩みに対する抵抗力の高い構造が適している。
【0061】
図4にネジ継ぎ手からなる連結部4−1の一例の概略図を示す。図4(a)に示す断面図と図4(b)に示す菊座金14の平面図は、2つのランスチューブ2−1、2−2の端部にそれぞれ雌ネジ、雄ネジを設けた連結部4−1の例であり、2つのランスチューブ2−1、2−2の当たり面に菊座金14を介装させている。なお、前記連結部の雌ネジ、雄ネジ両者の位置関係は左右逆でも良い。
【0062】
図5には他のネジ継ぎ手からなる実施例の連結部4−1の概略図を示し、図5(a)に側面図、図5(b)に菊座金14の平面図を示す。図5(b)に示すように菊座金14の外周に均等に12個の歯15を形成している。そしてランスチューブ2−1、2−2の連結部4−1に用いるときには12個の歯15のうちで必要な歯15だけ残して、その他の歯15を切除する。図5で示す例では4個の歯15を残しておく。また、ランスチューブ2−1、2−2のそれぞれの当たり面側の外周の一部を、例えば八角柱状とし、八角柱12の各平面に溝13を設け、該溝13に菊座金14の外周に残している4個の歯15を折り曲げてはめ込む。こうして、図5に示す連結部は、ランスチューブ2−1、2−2の回転動作に伴う当該連結部の緩みを抑制することができる。前記ランスチューブ2−1、2−2の連結部4−1の図示しない雌ネジ、雄ネジの位置関係は左右逆でも良い。
【0063】
図4図5に示す連結部4−1、4−2の代わりに、図6(a)の連結部断面図に示すように、一方のランスチューブ2−2の端部に凸状継ぎ手2−2−aを設け、該凸状継ぎ手2−2−aにばね18を内蔵した突起物16を設け、押し縮めた当該突起物16が他方のランスチューブ2の端部に設けた凹状継ぎ手2−1−aの孔17に嵌るようにして連結する構成としても良い。
【0064】
以上によりランスチューブ2上にネジを加工せずに済むほか、着脱が容易になるので、火炉が設置されている現場での作業者の労力を軽減することができる。
なお、図6(a)の連結部4−1の断面図に示すように、ランスチューブ2−1−aの外周面には、孔17が貫通していることが望ましい。これによりランスチューブ2−1、2−2同士を脱着する時には外側から突起物16をバネ18の力に抗して押し下げ、ランスチューブ2−2を引き抜くことで容易に脱着できる。
【0065】
さらに図6(b)の連結部4−1の断面図に示すように、ランスチューブ2−1の孔17には、ランスチューブ2−2の突起物16を収容する窪み部17aを有する形成とし、該窪み部17aの奥側では突起物16の先端部よりも小径の開口部がランスチューブ2−1の外周面に貫通するような構成としておけば、突起物16の先端部がランスチューブ2−1の外周面に飛び出すことなく、他の部材との干渉を避けることができる。
【0066】
このようにして複数のランスチューブ2−1、2−2を繋ぎ合わせ、作業者が軸周り(周方向)に回転させる動作と、前後方向(炉内外)に移動させる動作とを行い、ノズル1から高圧流体を火炉のスロート部10の全面に向けて満遍なく吹き付けることでクリンカを効率良く除去することができる。
【0067】
作業者は、操作用の第2のランスチューブ2−3上のハンドル11(図1)を利用して一方向の往復動作と回転動作という単純な動作を適宜行うことでクリンカ除去作業を進めることができる。
【0068】
ハンドル操作は炉外からの操作であるので、ボイラ運転停止後、炉内が常温になる前の高温の状態でも着手可能である。特に、ボイラ内の除去作業対象部位が高温の状態であれば、高圧流体噴射に伴う急速な冷却効果により、付着・堆積したクリンカが剥離・脱落しやすくなり、除去作業を迅速・効率的に進めることができる。
【実施例2】
【0069】
本実施形態は、1本の直管状のランスチューブ2を、これを挿入するボイラ側のスリーブ状部材5の挿入口6から炉外側の流体導入部7までの間に収まる程度の長さに短く複数に分割するものであるが、前述のノズル1付きランスチューブ2−1及び操作用ランスチューブ2−3は各1本ずつあれば良い。一方、中間ランスチューブ2−2は、連結されたランスチューブ2全体の必要な長さと、スリーブ状部材5の挿入口6から後方(炉外側)の流体導入部7までの長さに依存する分割の条件に応じて1本以上、必要な数を設定する。
【0070】
加えて、ランスチューブ2の外周面に設けられるガイド部材3は、使用時においてスリーブ状部材5が設けられた範囲内に位置するように設置する必要があるが、スリーブ状部材5の長さ、その挿入口6及び火炉側の端部である開口部5aの位置は、ランスチューブ2の必要長さとは関係なく定まっているので、直管状ランスチューブ2の分割(設定)条件(例えば、分割数、又は分割された短尺管それぞれを配置に応じてどの程度の長さに区切るかといった条件など)及びガイド部材3の設置位置には、スリーブ状部材5の条件(長さ、挿入口6、開口部5aの位置等)に応じた配慮が必要である。
[比較例1]
【0071】
図8は、スリーブ状部材5の長さが短く、その開口部5aの先端から、クリンカ除去対象の最遠部となる火炉スロート部10までの距離Lxが長いケースを表したものである。
このケースでは、スリーブ開口部5aの先端から、直管状ランスチューブ2を最も炉内側まで挿入した当該ランスチューブ2の先端部位置までの距離Lxがノズル1付きランスチューブ2−1の長さL5よりも長い。
【0072】
仮に前述の実施形態1と同様に、ノズル1付きランスチューブ2−1の連結部4−1に近い部位にガイド3−1を配置すると、ランスチューブ2−1を炉内側に移動させた場合には、ガイド3−1がスリーブ開口部5−1の先端からはみ出してしまう。そこで、ガイド3−1を中間ランスチューブ2−2上、連結部4−1bに近い部位に配置している。
【0073】
しかし、このようにすると、ノズル1を1つしか設けず、高圧流体噴射の反力を複数のノズル1からの噴射反力で互いに打ち消すことができないような場合には、ガイド3−1を支点として連結部4−1に作用するノズル1の反力のモーメントが大きくなるので、連結部4−1のネジ部の変形(カシリ)もしくは折損や緩みの原因となる可能性がある。
【実施例3】
【0074】
図8に示す比較例1の構成の場合には、図7に示すように、スリーブ部材5の開口部5aの先端から炉内側に延びる直管状ランスチューブ2として、ノズル1付きランスチューブ2−1−1と、これに連結部4−1−1で連結される延長用ランスチューブ2−1−2とで構成することが望ましい。
【0075】
そして、ガイド3−1は延長用ランスチューブ2−1−2上に設け、中間ランスチューブ2−2との連結部4−1−2に近い部位に配置する。
言い換えれば、ノズル1付きランスチューブ2−1を連結部4−1−1でさらにノズル付きランスチューブ2−1−1と延長用ランスチューブ2−1−2とに分割し、なるべくノズル1から連結部4−1−1までの距離が短くなるようにノズル付きランスチューブ2−1−1の長さL9を設定する。
【0076】
これにより、連結部4−1−1に作用するノズル1からの高圧流体噴射の反力の作用を小さくして、当該連結部4−1−1及び連結部4−1−2におけるネジ部の変形(カシリ)もしくは折損や緩みの可能性を低減することができる。
【0077】
本実施形態3の構成、組み立て方法、機能、本実施形態による効果等は前述の実施形態1と同様である。
【符号の説明】
【0078】
1 ノズル部
2 ランスチューブ
3 ガイド部材
4 連結部
5 スリーブ状部材
6 観察用覗き窓(挿入口)
7 流体導入部
8 クリンカ
9 噴出空気流
10 スロート部
11 ハンドル
12 ボルト
13 溝
14 菊座金
15 菊座金の歯
16 突起物
17 孔
18 ばね
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8