(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6175454
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】ゴルフスイング練習用クラブ
(51)【国際特許分類】
A63B 69/36 20060101AFI20170724BHJP
【FI】
A63B69/36 501B
A63B69/36 501C
【請求項の数】28
【全頁数】16
(21)【出願番号】特願2014-561242(P2014-561242)
(86)(22)【出願日】2013年3月12日
(65)【公表番号】特表2015-509793(P2015-509793A)
(43)【公表日】2015年4月2日
(86)【国際出願番号】CA2013050182
(87)【国際公開番号】WO2013134872
(87)【国際公開日】20130919
【審査請求日】2016年3月9日
(31)【優先権主張番号】61/610,542
(32)【優先日】2012年3月14日
(33)【優先権主張国】US
(73)【特許権者】
【識別番号】516013284
【氏名又は名称】ムーブメント ゴルフ インコーポレイテッド
(74)【代理人】
【識別番号】100107766
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠重
(74)【代理人】
【識別番号】100070150
【弁理士】
【氏名又は名称】伊東 忠彦
(74)【代理人】
【識別番号】100091214
【弁理士】
【氏名又は名称】大貫 進介
(72)【発明者】
【氏名】ポールソン,マイケル エフ.
【審査官】
吉田 英一
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2008/0268974(US,A1)
【文献】
米国特許第08105179(US,B1)
【文献】
米国特許第02938728(US,A)
【文献】
特開平08−280867(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A63B 69/36
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ゴルファーを指導するためのゴルフスイング練習用クラブであって、
シャフトと;
前記シャフトの第1端部のクラブヘッドであって、前記クラブヘッドはボール打撃するクラブフェースを持ち、前記クラブヘッドは、前記シャフトから第1方向に延び、前記クラブフェースは前記第1方向に前記シャフトから外方に延び、前記クラブフェースは前記第1方向に直交し、目標領域に向いた第2方向て面している、クラブヘッドと;
前記シャフトの第2端部における把持領域であって、前記第1端部は前記第2端部の下側に位置する、把持領域と;
利き手によって把持される練習用グリップであって、前記練習用グリップは前記シャフトによって支持され、前記練習用グリップは前記クラブヘッドに対して前記把持領域の下側に位置し、前記練習用グリップは、前記シャフト上に前記第2端部から離れて位置し、前記練習用グリップは、前記シャフトの前記第2端部から前記第1端部に向く方向に関して、前記シャフトの第1端部から、前記第1方向と前記第2方向の間の離れた点に向けて傾斜している、練習用グリップ、
を有するゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項2】
前記練習用グリップは、前記第1方向において20〜45°の角度で傾斜しており、前記第2方向において20〜50°の範囲で角度がつけられている、請求項1に記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項3】
前記把持領域と前記練習用グリップの少なくとも1つは、U字形底部表面と実質的に平坦な上部表面を持つ、請求項1又は2に記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項4】
前記把持領域は非利き手把持領域と利き手把持領域を含み、非利き手把持領域の上部表面は前記目標領域から離れる方向に角度がつけられており、前記利き手把持領域の上部表面は前記目標領域の方向に向けて角度が付けられている、請求項3に記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項5】
前記非利き手把持領域の実質的に平坦な上部表面は前記目標領域から2〜10°の範囲で角度がつけられており、前記利き手把持領域の実質的に平坦な上部表面は前記目標領域に向けて5〜10°の範囲で角度がつけられている、請求項4に記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項6】
前記把持領域は、非利き手区域と前記非利き手把持領域の下の利き手把持領域との間に非連続的な傾斜部分を持つ、請求項1乃至5のいずれかに記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項7】
前記利き手把持領域は前記非利き手把持領域とは逆向きの傾斜を持つ、請求項6に記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項8】
前記練習用グリップは、前記シャフト上の利き手位置の下部に位置する、請求項1乃至7のいずれかに記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項9】
前記把持領域と前記練習用グリップの少なくとも1つは、親指配置用マーク又は外面を含む、請求項1乃至8のいずれかに記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項10】
前記練習用グリップは、前記シャフトに永久的に取り付けられている、請求項1乃至9のいずれかに記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項11】
前記練習用グリップは、コネクターによって取り付けられている、請求項1乃至9のいずれかに記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項12】
前記コネクターは、クランプ、クラスプ、ラッチのうちの少なくとも1つを有する、又は前記練習用グリップが第1部材を持ち、前記シャフトが前記第1部材を受け入れる第2部材を持つ2部材コネクターを有する、請求項11に記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項13】
前記練習用グリップは、前記シャフトに関し折り畳み可能となっている、請求項1乃至12のいずれかに記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項14】
前記クラブフェースは、前記シャフトに関し、5〜65°のロフトを有する、請求項1乃至13のいずれかに記載のゴルフスイング練習用クラブ。
【請求項15】
利き手及び非利き手を持つユーザにより保持される練習用クラブを使用する方法であって、
シャフトと;
前記シャフトの第1端部のクラブヘッドであって、前記クラブヘッドはボール打撃するクラブフェースを持ち、前記クラブヘッドは、前記シャフトから第1方向に延び、前記クラブフェースは前記第1方向に前記シャフトから外方に延び、前記クラブフェースは前記第1方向に直交し、目標領域に向いた第2方向て面している、クラブヘッドと;
前記シャフトの第2端部における把持領域であって、前記第1端部は前記第2端部の下側に位置する、把持領域と;
利き手によって把持される練習用グリップであって、前記練習用グリップは前記シャフトによって支持され、前記練習用グリップは前記クラブヘッドに対して前記把持領域の下側に位置し、前記練習用グリップは、前記シャフト上に前記第2端部から離れて位置し、
前記練習用グリップは、前記シャフトの前記第2端部から前記第1端部に向く方向に関して、前記シャフトの第1端部から、前記第1方向と前記第2方向の間の離れた点に向けて傾斜している、練習用グリップ、
を有するゴルフスイング練習用クラブを与えるステップと;
前記把持領域を非利き手で把持し、前記練習用グリップを利き手で把持するステップと;
クラブストロークのトップへバックスイングし、前記クラブストロークの前記トップからゴルフボールに接触するためのダウンスイングを行うステップ;
を有する練習用クラブを使用する方法。
【請求項16】
前記練習用グリップは、前記第1方向において20〜45°の角度で角度がつけられ、前記第2方向において20〜50°の角度で角度がつけられている、請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記把持領域と前記練習用グリップの少なくとも1つは、U字形底部表面と実質的に平坦な上部表面を持つ、請求項15又は16に記載の方法。
【請求項18】
前記把持領域は非利き手把持領域と利き手把持領域を含み、非利き手把持領域の上部表面は前記目標領域から離れる方向に角度がつけられており、前記利き手把持領域の上部表面は前記目標領域の方向に向けて角度が付けられている、請求項17に記載の方法。
【請求項19】
前記非利き手把持領域の実質的に平坦な上部表面は前記目標領域から2〜10°の範囲で角度がつけられており、前記利き手把持領域の実質的に平坦な上部表面は前記目標領域に向けて5〜10°の範囲で角度がつけられている、請求項18に記載の方法。
【請求項20】
前記把持領域は、非利き手区域と前記非利き手把持領域の下の利き手把持領域との間に非連続的な傾斜部分を持つ、請求項15乃至19のいずれかに記載の方法。
【請求項21】
前記利き手把持領域は前記非利き手把持領域とは逆向きの傾斜を持つ、請求項20に記載の方法。
【請求項22】
前記把持領域と前記練習用グリップの少なくとも1つは、親指配置用マーク又は外面を含む、請求項15乃至21のいずれかに記載の方法。
【請求項23】
前記練習用グリップは、前記シャフトに永久的に取り付けられている、請求項15乃至22のいずれかに記載の方法。
【請求項24】
前記練習用グリップは、コネクターによって取り付けられている、請求項15乃至22のいずれかに記載の方法。
【請求項25】
前記コネクターは、クランプ、クラスプ、ラッチのうちの少なくとも1つを有する、又は前記練習用グリップが第1部材を持ち、前記シャフトが前記第1部材を受け入れる第2部材を持つ2部材コネクターを有する、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記練習用グリップを、前記シャフトに関して作動位置と折り畳み位置との間で移動するステップを更に有する、請求項15乃至25のいずれかに記載の方法。
【請求項27】
前記クラブフェースは、5〜65°のロフトを持つ、請求項15乃至26のいずれかに記載の方法。
【請求項28】
バックスイングはダウンスイングの内側となる、請求項15乃至27のいずれかに記載の方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は練習目的に使用されるゴルフクラブに関する。
【背景技術】
【0002】
ゴルフ練習用クラブは、しばしばゴルファーのスイングを改善することを支援するため、或いは適切なスイングを教えるために使用される。米国特許出願予備公開公報2012−029572号(Walker)「ゴルフクラブ練習ハンドル」は練習用クラブの一例を述べている。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ゴルファーを指導するためのシャフトとシャフトの第1端部にあるクラブヘッドを有するゴルフスイング練習用クラブが提供される。
【課題を解決するための手段】
【0004】
クラブヘッドはボールを打撃するクラブフェースを有する。クラブヘッドはシャフトから第1の方向へ向かって外方に延び、クラブフェースは前記第1の方向と直交する方向で目標領域に向かう方向に面している。シャフトの第2端部には把持領域があり、前記第1端部は第2端部より下方に存在する。利き手によって把持される練習用グリップはシャフトによって保持されている。練習用グリップはクラブヘッドに対して把持領域の下に位置している。練習用グリップは、シャフトの第2端部から第1端部に向かう方向に関して、クラブヘッドの方向においてシャフトの上方に位置し、練習用グリップは、各第1及び第2の各方向において、シャフトの第1端部から離れた点に向かって傾斜している。
【0005】
1つの態様によれば、練習用グリップは第1の方向において20〜45度の範囲で、第2の方向において20〜50度の範囲で傾斜している。
【0006】
1つの態様によれば、グリップ領域と練習用グリップの少なくとも1つは、U字形の底面をと実質的に平坦な上面を有することができる。
【0007】
1つの態様によれば、把持領域は非利き手把持領域をと利き手把持領域を含むことができ、非利き手把持領域の上面は、目標領域から離れる方向に傾斜し、利き手把持領域の上面は、目標領域に向けて傾斜している。非利き手把持領域の実質的に平坦な上面は、2〜10度の範囲で目標領域から離れて傾斜し、利き手把持領域の実質的に平坦な上面は、5〜20度の範囲で目標領域に向けてけ傾斜しているようにすることができる。
【0008】
1つの態様によれば、把持領域は、非利き手領域と非利き手領域の下にある利き手領域の間に非連続的傾斜面をもつことができる。利き手把持領域は逆向きの傾斜とすることがでできる。
1つの態様によれば、練習用グリップは、シャフトの利き手領域の下側に位置させることができる。
【0009】
1つの態様によれば、練習用グリップは、逆向きの傾斜面とすることができる。
【0010】
1つの態様によれば、把持領域と練習用グリップの少なくとも1つは、親指配置マーキング又は外形を含むようにすることができる。
【0011】
1つの態様によれば、練習用グリップはシャフトに永久的に取り付けることができる。
【0012】
1つの態様によれば、練習用グリップは、シャフトに連結具により取り付けることができる。この連結具は、クランプ、クラスプ(留め具)、ラッチ、又は、練習グリップが第1部分を持ち、シャフトが第1部分を受ける第2部分を持つ2部品連結具のうちの1つとすることができる。
【0013】
1つの態様によれば、練習用グリップは、折り畳み可能及び/又はシャフトに対して回転可能とすることができる。
【0014】
1つの態様によれば、クラブフェースは、シャフトに対して5〜65度の範囲のロフトを持つようにすることができる。
【0015】
他の態様によれば、利き手と非利き手を持つユーザによって保持される練習用クラブによりゴルフボールを打つ方法が提供され、本方法は、上述の練習用クラブを準備するステップ;非利き手で把持領域を把持し、利き手で練習用グリップを把持するステップ;及びクラブストロークのトップにバックスイングし、前記クラブストロークのトップからゴルフボールの接触位置にダウンスイングするステップを有する。
【0016】
他の態様によれば、バックスイングはダウンストロークの内側とすることができる。
【0017】
他の態様は、以下の説明とクレームによって明かとなるであろう。
【0018】
上述の及び他の特徴は、限定する目的でなく説明目的のためのみの添付の図面を参照とした以下の記載からより明かになるであろう。
【図面の簡単な説明】
【0019】
【
図1A】練習用グリップが取り付けられたゴルフスイング練習用クラブの側面図である。
【
図1B】練習用グリップが取り外されたゴルフスイング練習用クラブの側面図である。
【
図2A】練習用グリップが取り付けられたゴルフスイング練習用クラブの正面図である。
【
図2B】練習用グリップが取り外されたゴルフスイング練習用クラブの正面図である。
【
図3】ゴルフスイング練習用クラブ分解斜視図である。
【
図4A】ゴルフスイング練習用クラブの第2端部の詳細側面図である。
【
図4B】ゴルフスイング練習用クラブの把持領域の詳細側面図である。
【
図4C】ゴルフスイング練習用クラブの端部を示す図である。
【
図5B】
図5Aの非利き手把持領域の端部のA-A線の断面図である。
【
図5C】
図5の利き手手把持領域の端部のB-B線の断面図である。
【
図6A】把持領域と練習用グリップの詳細側面図である。
【
図6B】
図6Aの把持領域のC-C線の断面の詳細側面図である。
【
図7B】
図7Aの練習用グリップのD-D線の断面の側面図である。
【
図8A】ゴルファーの通常のゴルフスイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図8B】ゴルファーの通常のゴルフスイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図8C】ゴルファーの通常のゴルフスイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図8D】ゴルファーの通常のゴルフスイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図8E】ゴルファーの通常のゴルフスイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図8F】ゴルファーの通常のゴルフスイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図9A】ゴルフスイング練習用クラブを使用したゴルファーの練習スイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図9B】ゴルフスイング練習用クラブを使用したゴルファーの練習スイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図9C】ゴルフスイング練習用クラブを使用したゴルファーの練習スイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図9D】ゴルフスイング練習用クラブを使用したゴルファーの練習スイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図9E】ゴルフスイング練習用クラブを使用したゴルファーの練習スイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図9F】ゴルフスイング練習用クラブを使用したゴルファーの練習スイングの連続する異なる段階を示す図である。
【
図10】ゴルファーの通常のスイングの異なる段階を示す図である。
【
図11】ゴルフスイング練習用クラブを使用したゴルファーの練習スイングの異なる段階を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0020】
ゴルフスイング練習用クラブは全体として符号20により示され、以下、
図1〜
図11を参照して説明される。
図1A及び1Bを参照すると、ゴルファーを訓練するためのゴルフスイング練習用クラブ20はシャフト22を持つ。シャフト22はシャフト22の第1端部にボールを打撃するためのクラブフェース28を持つクラブヘッド26を持つ。練習用クラブ20は他のクラブと同様な形状とされ、通常のゴルフクラブの他のヘッドと同様のクラブヘッド26を持っている。図示されるように、クラブヘッド26はシャフト22から第1の方向に延び、クラブフェース28は第1の方向と直交する方向の第2の方向に面している。
図2Aを参照すると、クラブフェース28はゴルフボールを打つために使用される平坦なフェースを持ち、ゴルフボールは正確に打たれる場合には、第2の方向にある目標領域34に向けてボール34の意図する方向に飛行する。好ましくは、練習用クラブは、ドライバー、ウッド、ハイブリッド、アイアン、ウェッジ等、フルスイングで使用されるクラブについて使用され、パターには使用されない。練習の目的には、練習用クラブ20は好ましくはアイアンである。一般的に、練習用クラブ20として使用されるように検討されるクラブの種類はシャフトに対して5°〜65°のロフトを持つクラブフェースを持つが、他のロフトも使用することができる。
【0021】
再度、
図1A及び
図1Bを参照すると、シャフト22はシャフト22の第2の端部に把持領域49を持つ。ここでの説明は、第1端部21はクラブの終端とみなされ、クラブが使用される時の向きで、第2端部24、即ちグリップエンドの下にあるものとして説明される。好ましくは、把持領域49は利き手把持領域50と非利き手把持領域60を持つ。把持領域49は既知のタイプのグリップを持つことができ、或いは、以下に更に詳細に説明するように、クラブ20の練習態様を強化するような別のタイプのグリップとすることができる。
【0022】
クラブ20は、また、ユーザの利き手で把持される練習用グリップ70を持つ。練習用グリップ70はシャフト22によって支持され、クラブヘッド26の方向(即ち、シャフト22の軸から直角に離れる方向)にシャフト22上で把持領域に隣接し、クラブヘッド26に関して把持領域49の下に配置される。
図4A及び
図4Bを参照すると、練習用グリップ70は、シャフト22の第2端部24から第1端部21に至る方向に関して、練習用グリップ70が、 第1及び第2方向のそれぞれの方向においてシャフト22の第1端部21から離れる点に向けてシャフト22から角度が付けられて離れるようにして配置される。換言すると、
図2Aを参照して、クラブ20がユーザによって通常のゴルフスタンスで保持されると、練習用グリップ70はシャフト22の上側に位置し、目標領域34に向けて角度が付けられ、ユーザの利き親指がクラブの上で目標領域34を指すようになる。再度、
図4A-4Cを参照すると、練習用グリップ70は、好ましくは、シャフト22から第1の方向に20°〜45°の範囲、シャフト22から第2の方向に20°〜50°の範囲で角度が付けられる。練習用グリップ70は、また、ユーザが練習用グリップ70を把持するため グリップ領域49上の通常の利き手の位置に対して利き手をクラブヘッド26の方向に移動させなければならないように、非利き手把持領域60から下方に十分に離れて配置される。練習用クラブ20は練習用グリップ70と共に使用されるように設計されるため、利き手が練習用グリップ70を把持するときは使用されないため、利き手グリップ50を持つことは必要ないかもしれない。しかしながら、クラブ20を通常のスイングに使用することを可能にする機能を増加させ、また、ユーザが好ましいグリップを学ぶをことを支援するために練習用グリップが設けられることを可能にするため、利き手グリップ領域50を持つことが好ましい。利き手グリップ50の存在の有無は、練習用グリップ70がシャフトに沿って設けられる好ましい位置に影響を与えるものでない。
【0023】
練習用グリップ70はシャフト22に永久的に取り付けることができ、或いはシャフト22に取り外し可能に取り付けることができる。
図2A及び2Bは2部材コネクターによって取り付けられた取り外し可能な練習用グリップを示し、
図2Bを参照すると、練習用グリップ70は練習用グリップ70の一端にあるコネクターの第1部分80を持ち、シャフト22は把持領域49の下側に位置するコネクターの第2部分82を持っている。第1及び第2部分80,82の実際の位置はコネクターとクラブ20の設計により変えることができる。
図1A及び1Bはクラブ20の1実施例を示し、ここでは、練習用グリップ70が練習用グリップ70を所定位置にロックするコネクターの第2部分82に連結される第1部分80によってクラブ20に取り付けられる。図中には2部材コネクターが示されているが、練習用グリップ70はシャフト22にクランプ、クラスプ(締め具)、ラッチ、或いは他の既知のタイプのアタッチメントにより取り付けることができる。これとは別に、練習用グリップ70はシャフト22に対して折り畳み可能な手段により取り付けることができ、これにより、
練習用グリップ70がシャフト22に整列するまで回転させ、次にシャフト22に対して下降させてクラブ20を容易に収納することができるようにする、或いは、練習用グリップ70が通常のスイングに邪魔となるリスクを減らすようにすることができる。
【0024】
図8A〜8Fは、従来のゴルフクラブを使用するゴルファーのスイングの6の異なるスイングのステージを示し、
図9A〜9Fはクラブ20を使用するゴルファーのスイングの6の異なるスイングのステージを示す。
図8A〜8Fに示されたゴルフスイングと
図9A〜9Fに示されたゴルフスイングは共に以下のステージにより説明される。
【0025】
両方のゴルフスイングは
図8A及び
図9Aに示されるアドレスステージにより始まる。次に、ゴルファーはバックスイングを開始し、
図8B及び
図9Bに示されるバックスイングの途中のセットステージ102に移る。
図8C及び
図9Cはクラブヘッドがバックスイングのトップにあるトップステージ104を示す。次に、ゴルファーはダウンスイングを開始し、ダウンスイング中の過程の部分は
図8D及び
図9Dの両方に示されるようにラッグステージである。
図8E及び
図9Eはインパクトステージ108を示し、クラブフェース28とゴルフボール30が接触する瞬間を含む。ゴルフスイングの最終ステージはリリース(放出)ステージ110であり、クラブフェースが放出されるときに現れ、
図8F及び
図9Fに示されるように、前腕が互いにクロスする状態となる。この後、ゴルファーの頭は上方にあがり、フィニッシュステージ(図示せず)となる。
【0026】
図10は通常の、或いは理想的スイングを用いた6のスイングのステージの全てを示す。示された6つのステージは:アドレス100,セット102,トップ104,ラッグ106、インパクト108及びリリース110である。ゴルフスイングの6のステージを通じてのクラブフェース28の軌道と向きが示される。通常のゴルフスイングでは、ゴルファーの利き手及非利き手は互いに接触している。
【0027】
通常のゴルフスイングは理想的なスイング、即ち、クラブヘッド26とゴルファーの身体の移動過程を表している。しかしながら、ゴルフスイングは難しいものであり、複雑でゴルフスイングを正しく実行するためには、ゴルファーによって、
図11に示された練習用クラブ20を使用する練習スイングに比べて、より早いスイングの動き(即ち、6つのステージを通しての行程)が要求される。また、曲線によって示されたクラブヘッド26の軌道は、
図11に示された練習スイングの曲線の小さな円弧に比較して、
図10の通常のスイングではより大きな円弧を描くことに留意すべきである。
【0028】
図10を参照すると、アドレス100における始動は、クラブヘッド26がセット102に向けて内側に(即ち、ゴルファーに近くに)動き、この点でクラブヘッド26は、クラブ20が丁度平行に、即ち水平になる前まで、外側(即ち、ゴルファーから離れる)に移行し、再び内側に移行してトップ104に至る。次に、クラブヘッド26はラッグ106に到達する直前に内側に移行する前の短い距離だけ外側に移行する。ラッグ106の始めからインパクト108の直前まで、クラブヘッド26は外側に移行する。クラブヘッド26はリリース106まで、及びリリース106より先までのスイングでは、外側を維持する。
【0029】
図11はクラブ20を使用するゴルフスイングの6つの全てのステージを示す。示クラブヘッド26の軌道はされている6つのステージは:アドレス100,セット102,トップ104,ラッグ106、インパクト108及びリリース110である。
図11の曲線も、また、クラブ20を使用するゴルフスイングの6のステージを通じてのクラブフェース28の軌道と向きを示している。クラブ20を使用したゴルフスイングの間、利き手と非利き手はスイング全体を通して互いに接触していない。
【0030】
図11の練習ゴルフスイングは、
図10のスイングに比べて、より遅く、より易しく、また、比較的単純である。クラブ20を使用する練習スイングの間、クラブヘッド26は、アドレス100からセット102を経てトップ104に至る間は内側過程(即ち、ゴルファーに近く)を描く。次にクラブヘッド26は、トップ104からラッグ106,インパクト108及びリリース110において外側(即ち、ゴルファーから離れる)を移動する。
図11では、クラブヘッド26の軌道は、
図10に示されたスイングの円弧に比較してより小さい円弧を描くことにも留意すべきである。
図10のスイングの間、又はクラブ20を使用する
図11のスイングの間のいかなる点も、クラブヘッド26の軌道は、トップ104に至る過程又はトップ104からインパクト108に至る過程において上下に交差することはない。クラブヘッド26はスイングの間、内側の過程をたどり、次に外側の過程をたどる。
図10に示される通常のスイングのリリース110に比較して、クラブヘッド26はリリース110においてゴルファーの身体に近くなることを留意すべきである。
【0031】
上述したように、クラブ20は、また、ユーザがグリップを改善するように訓練することができるように設計されている。一例として、
図5A,5B,5Cを参照すると、非利き手グリップ50と利き手グリップ60は、親指が略置かれるための上部の平坦部を備えるU字形の断面を持つ。
図5Aを参照すると、非利き手グリップ50と利き手グリップ60はゴルファーの親指を正しく置くための領域を持つ。一例においては、非利き手グリップ領域50は非利き手親指配置パッド54を持ち、利き手把持領域60は利き手親指配置パッド64を持っている。これはユーザが、適正な親指の配置と他の指がそれに続くことを理解し、所定の手を把持領域49上に案内するものである。親指配置パッドに加えて、グリップは他の方法によってユーザの指の位置を案内することを支援するために、親指及び/又は他の指の位置を示す線、又は親指、他の指及び/又は手のヒールを適正な位置に置くための隆起や溝等、形付けたり、マークを付けることができる。
図6Aを参照すると、練習用グリップ70は、また、練習グリップ親指配置パッド74を持つことができる。親指と他の指の適正な配置に加え、グリップ50とグリップ60の各々のU字形断面は、適正な或いは強調した両手のオーバーラップを確実するため、互いに角度を持たせることができる。
図5Bを参照すると、図示されるように、非利き手グリップ50の上部の表面は目標領域34(
図2Aに図示)から角度をずらしている、即ち、グリップの頂部から時計回り方向に、例えば、2°〜10°だけ角度をずらしており、一方、利き手グリップ60の上部表面は目標領域34に向けて、即ち、グリップの頂部から、反時計回り方向に、例えば、5°〜20°の角度でずらしている。
【0032】
他の例では、種々の把持領域に軸に沿ってテーパーや輪郭を持たせて、ユーザのグリップの改善を助けるようにすることができる。
図6A及び6Bに示されるように、把持領域49は、非利き手領域50と利き手領域60の間に不連続なテーパーを持っている。図からわかるように、利き手把持領域60は逆向きのテーパー、即ち、グリップの下方に向けて大きくなるテーパーを持ち、一方、非利き手把持領域50は、頂端部において比較的連続的で、ゆるやかなテーパーを持ち。利き手把持領域60と交わるところでより強い傾斜を持っている。
図6Aに示されるように、練習用グリップ70は、また、逆向きのテーパーを持つことができる。
【0033】
図3はゴルフスイング練習用クラブの分解図である。クラブフェース28を持つクラブヘッド26はホーゼル25によって第1端部に取り付けられている。シャフトは、利き手把持領域60と非利き手把持領域50持つ把持領域49を持つ第2端部に向けて延びている。把持領域はゴルファーが親指を正しく置くための領域を持っている。非利き手把持領域50は、非利き手親指配置パッド54の下に非利き手親指配置領域52を持っている。利き手把持領域60は、利き手親指配置パッド64の下に利き手親指配置領域60を持っている。シャフト22の第1端部は、ゴルファーがゴルフスイングの正しいバックスイング動作を行うことを助けるカウンターウェイトとして機能するように十分な重量を持つように設計されたシャフトボルト46を持っている。当業者であれば、所望の結果を得るためのクラブとカウンターウエイトの適正な重量割合を決定することができるであろう。シャフトボルト46は、カウンターウエイトキャップコネクター44を通して延び、ゴルフスイング練習用クラブ20の第2端部に位置するカウンターウエイトキャップ42にシャフト22を連結する。
【0034】
図3において、練習用グリップシャフト78の端部にある第1コネクター部分80は、利き手把持領域60の第1端部の近くにある穴を通して露出する第2コネクター部分82に取り付けられる。第2コネクター部分82は、利き手把持領域の下のシャフト22の一部を囲む第2コネクター部分ハウジング88に取り付けられる。第2コネクタ部分ハウジングは、また、コネクターボタン84によって覆われたコネクタースプリング86を含む。1つの実施例によれば、ゴルファーはコネクターボタン84を押し下げ、練習用グリップ70を第1端部の方向にスライドさせて練習用グリップを取り外す。同じ実施例において、ゴルファーは、練習用グリップの第1コネクター部分80を第2コネクター部分82の下に整列させ、練習用用グリップをゴルフ練習用クラブの第2端部の方向に練習用グリップがコネクターボタン84によって第1コネクター部分の穴を通してロックして固定されるまでスライドさせる。練習用グリップシャフト78は、第1コネクター部分80から延びる練習用グリップ70によって囲まれ、練習用グリップは、湾曲した部分の後にゴルファーの非利き手の親指に類似するような方法により形造られた隆起領域76を有している。練習用グリップは、また、親指配置パッド74を持っている。例示された実施例では、練習用グリップは利き手の親指が練習用グリップ親指配置パッド74の上にくるようにして把持されるように設計される。第1コネクター部分80から離れた練習用グリップ70の端部は練習用グリップキャップ72を有している。
【0035】
図4Aと
図4Bは、シャフト22の非利き手把持領域50と利き手把持領域60を含むゴルフスイング練習用クラブの第2端部24及びシャフト22の利き手把持領域60の下に取り付けられた練習用グリップ70を示す。フルスイングモードにおいては、ゴルファーは、グリップを適正に持った後、非利き手の親指を非利き手親指配置パッド54上に置き。利き手の親指を利き手親指配置パッド64上に置く練習モードにおいては、ゴルファーは非利き手の親指を非利き手親指配置パッド54上に置き、利き手の親指を練習用グリップ親指配置パッド74上に置く。練習用グリップは目標領域34(図示せず)の方向に、 シャフトの軸23と練習用グリップの軸79との間に
図4に示すように20°〜50°の角度で角度が付けられている。
図4Bを参照すると、練習用グリップはクラブヘッドの方向に、シャフトの軸23と練習用グリップの軸79との間で20°〜45°の角度で角度が付けられている。
図4Aと
図4Bに示された角度を総合すると、練習用グリップ70のシャフト22に対する向きが決まる。
【0036】
この特許明細書においては、「有する」は、その後に続く用語の要素が含まれることを意味するように非限定的な意味で使用されるものであり、特定的に記載されていない要素が除外されることを意味するものでない。不定冠詞の「1つ」による要素を参照することは、1つが存在し、1つのみの要素が存在することが明確に要求されていない限り、1以上の要素が存在する可能性を除外するものでない。
【0037】
以下のクレームは、上記の特定的に記載されたもの、概念的に均等なもの、及び明らかに置換可能なものを含むものと理解されるべきである。クレームの範囲は、例として記載された前述の好ましい実施例に限定されるべきものではない。