【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の1つの目的は、振動刺激のための改善されたデバイスを提供することである。より具体的には、本発明の1つの目的は、振動刺激治療を必要としている哺乳類対象の治療を改善するための振動パターンを提供することである。
【0008】
本発明のこれらおよび他の目的は、独立請求項において定義される特徴を有する振動刺激のためのデバイスを用いて達成される。本発明の実施形態は従属請求項によって定義される。
【0009】
本発明の第1の態様によれば、刺激部材を対象の体腔に導入可能である第1の状態と、刺激部材の外表面が体腔内の体組織に当接し、哺乳類対象の体腔内の体組織に振動を付与するように適合されるような容積まで刺激部材を拡張させた第2の状態とで配置可能である、拡張可能な刺激部材と;振動発生器を制御して、刺激部材を振動パターンにしたがって振動させるように適合された振動コントローラと;を備え、振動パターンが、第1の周波数の主要な周期的要素(main periodic element)と、第1の周波数よりも高い第2の周波数の励起刺激とを含む、哺乳類対象の体腔内における振動刺激のためのデバイスが提供される。
【0010】
振動は、刺激部材の外表面を介して対象の体組織へと伝わると、上述したような様々なタイプの受容器によって記録される。受容器のそれぞれのタイプは、特定の周波数範囲内の振動に応答する。振動刺激を用いて治療することができる疾病を患っている対象の振動刺激治療を改善するため、神経回路網の他の神経細胞など、神経系の他の部分を刺激してもよい周波数を、振動パターンに含めることが望ましいであろう。これらの周波数の一部は、神経系の他の部分の固有周波数に対応することがある。さらに、本出願人は、場合によっては、個々の特定の感度範囲内の振動による機械的刺激を記録することに関与する、異なるタイプの受容器を(同時に)標的とするのが有利なことがあることを見出している。これに鑑みて、本出願人は、振動刺激治療をさらに改善するため、より複雑な振動パターンが必要であることを理解している。
【0011】
本発明は、振動パターンの中で2つの異なる周波数を組み合わせるという概念に基づく。本出願人は、振動パターン(もしくは振動信号)の中で低い方の周波数の主要な周期的要素と高い方の周波数の励起刺激とを組み合わせることによって、受容器の1つまたはそれ以上の感度範囲における刺激、ならびに/あるいは神経系の他の部分の1つまたはそれ以上の固有周波数の整合が可能になり、それによって振動刺激治療が改善されることを見出している。
【0012】
したがって、本発明による振動パターンは、高い方の周波数の成分;即ち励起刺激と、低い方の周波数の成分;即ち主要な周期的要素の両方を含む。この文脈では、「成分」という用語は、振動信号の周波数成分だけではなく、振動パターンの任意の一般的な部分または要素を指す。さらに、かかる組み合わせは、より高い周波数の振動によって引き起こされることがある、あらゆる悪影響を低減することがある。
【0013】
本開示では、「主要な周期的要素」という用語は、振動パターンに対して第1の周波数の周期性を提供する、振動パターンの要素(または部分)を指すことがある。
【0014】
さらに、「励起刺激」という用語は、刺激部材(の少なくとも一部分)の1つもしくはそれ以上の空間変位および/またはその当接圧力の変化をもたらす振動パターンの部分を指すことがある。
【0015】
本発明はさらに、別の方法ではアクセスするのが困難なことがある、体腔内部のある程度大きな組織の治療を可能にするという点で有利である。刺激部材の容積を低減する(即ち、刺激部材をその第1の状態にする)ことができることによって、体腔への振動刺激部材の挿入をより円滑にするとともに、その煩わしさを軽減することが可能になる。刺激部材は、その第2の状態では、刺激部材の外表面が体腔内の体組織に当接するような容積を有する。このことによって、刺激部材の当接した外表面を介して体組織に振動を付与することができる。
【0016】
本発明の一実施形態によれば、第1の周波数は、10〜100Hzの範囲内、例えば、60〜80Hzの範囲内、または50〜70Hzの範囲内、例えば約68Hz(例えば、68±5Hz)など、50〜90Hzの範囲内であってもよい。臨床試験、例えば、鼻炎を患っているヒト対象の鼻腔内における振動刺激治療により、本出願人は、10〜100Hzの範囲内の振動周波数が所望の治療効果を達成するのに有益であることを理解している。したがって、この範囲内の周波数の周期性を振動パターンに加えることによって(主要な周期的要素をかかる周波数に設定することによって)、所望の治療効果が達成されてもよい。例えば、視床下部の異常活動に関連する疾病(例えば、片頭痛、ALS、メニエール病、および心臓不整脈)を持つ患者の鼻腔の異なる部分において振動刺激を実施した試験では、40〜100Hzの周波数の振動刺激によって、かかる疾病を成功裏に治療できたことが示されている。
【0017】
しかし、身体の他の部分の振動刺激、および/または他の目的に対しては、他の周波数間隔が想定される。
【0018】
本発明の実施形態によれば、第2の周波数は第1の周波数の少なくとも1.5倍の高さであってもよい。2つの周波数間のこの差によって、神経回路網中の異なる神経細胞など、神経系の異なる部分、および/または神経系の他の部分の固有周波数範囲、および/または受容器の異なる感度範囲の標的化を改善することができる。第2の周波数は、第1の周波数の1.9〜4倍など、1.5〜5倍の高さであってもよい。しかし、周波数を高くすることは、Kranjak et al(JOEM 2010,52:584−594)によって実証されているように、体組織に対する悪影響を有することがある。その研究では、100Hzを上回る振動周波数は、ストレスおよび緊張を誘発し、機能異常を示す血管変化をもたらすことが見出された。したがって、治療上の考慮点ならびに他の要因によって、実際には、第2の周波数に対して上限が与えられることがある。達成可能な最大周波数を制限する要因は、例えば、デバイスの固有の慣性、振動発生器の種類、刺激部材の構成(材料および幾何学形状など)、ならびに振動発生器と刺激部材との間の伝達の構成である。
【0019】
本出願人は、約60〜80Hzの単一の周波数(または周期性)を含む振動パターンにしたがって、鼻腔に対して振動を与えることで、振動治療に対する患者の反応が増大することを見出している。数人の患者に対して、最適な周波数は約68Hz、例えば68±5Hzであることが見出された。さらに、より高い周波数(100Hz以下)では反応が縮小したことが見出された。機械受容器についての現在の知識はこの発見と矛盾するように思われるが、それは、マイスナー小体の感度が50Hz超過の周波数で既に減少しており、パチーニ小体の感度が約200〜300Hz以下の周波数で増加するためである。本出願人は、したがって、観察された有利な周波数(約60〜80Hz)が神経系の他のある部分と関係があり得ることを理解している。
【0020】
したがって、本発明の一実施形態では、第1の周波数は、約60〜80Hzまたは約50〜70Hz(例えば、約68Hz)に設定されてもよく、第2の周波数は、約110〜320Hzなど、約90〜400Hzに設定されてもよい。このことは、振動パターンが、振動刺激に有効であることが示されている(主要な周期要素によって提供される)周波数(即ち、60〜80Hz)と、特にパチーニ小体の活性化/刺激を向上させる(励起刺激によって提供される)より高い周波数の両方を含むという点で、有益であることの証明になり得る。
【0021】
例えば、第2の周波数は、パチーニ小体の感度極大を標的とするため、約200〜300Hzに設定されてもよい。あるいは、第2の周波数は、第1の周波数の高調波を得るため、100〜180Hz(125〜145Hzまたは約136Hzなど)に設定されてもよい。
【0022】
第1および第2の周波数はそれぞれ、上述の間隔のうち任意の1つ以内の一定値に設定されてもよく、あるいは、上述の間隔のうち任意の1つ以内の異なる周波数の間で変動/交番してもよいことが認識されるであろう。
【0023】
本発明の一実施形態によれば、振動パターンは連続波形を有してもよい。さらに、波形の時間導関数は連続的であってもよい。例えば、振動パターンは、正弦または余弦状の波形を有してもよい。本実施形態により、刺激部材によって体組織に働く当接圧力(もしくは、刺激部材が例えば拡張可能な中空体である場合の、刺激部材内の流体圧)および/または刺激部材の空間変位は、連続波形にしたがって変動してもよい。本実施形態は、もたらされる変位がさほど急激ではないため、振動刺激部材で(また、振動発生器と刺激部材との間の何らかの伝達において)必要とされる剛性が低いという点で有利である。したがって、より柔軟な材料が刺激部材に使用されてもよく、このことは特に、鼻腔内の骨格など、敏感な組織の振動刺激治療には有利である。
【0024】
一実施形態によれば、体腔は、対象の鼻腔または腸から選択され、第2の状態にある刺激部材が、鼻腔または腸の組織に当接するように適合される。したがって、体腔が対象の鼻腔であるとき、刺激部材の外表面が、その第2の状態において、鼻腔内の組織に当接するように適合されてもよい。振動刺激が鼻腔内で行われるとき、第1の周波数は、例えば、68Hzなど、50〜70Hzの範囲内であってもよく、第2の周波数は、110〜320Hzなど、90〜400Hzの範囲内であってもよい。
【0025】
体腔が対象の腸であるとき、刺激部材の外表面が、その第2の状態において、腸内の組織に当接するように適合されてもよい。本出願人は、約10〜20Hzの単一の周波数(または周期性)を含む振動パターンにしたがって、腸に対して振動を与えることで、振動治療に対する患者の反応が増大することを見出している。それに加えて、約68Hzなど、約60〜80Hzまたは50〜70Hzの単一の周波数も、ヒト対象における肯定的な反応を生じさせることが見出されている。したがって、振動刺激が腸内で行われるとき、第1の周波数は、10〜20Hzの範囲内の周波数に設定されてもよい。体腔が腸であるとき、第2の周波数は、68Hzなど、50〜70Hzの範囲内の周波数に設定されてもよい。腸内における本発明によるデバイスを用いた振動刺激のための振動パターンは、したがって、10〜20Hzの範囲内の第1の周波数と、68Hzなど、50〜70Hzの範囲内の第2の周波数とを含んでもよい。
【0026】
様々な哺乳類対象が、本明細書に記載するような振動デバイスを用いた振動刺激によって利益を得られることが想到される。哺乳類対象の一例はヒト対象である。
【0027】
振動刺激は、ヒト対象の鼻腔の異なる部分に向けられてもよい。刺激は、例えば、視床下部の異常活動に関連する疾病の治療のため、鼻腔の後部で実施されてもよい。視床下部の異常活動に関連する疾病の非限定例は、片頭痛、メニエール病、高血圧、群発性頭痛、不整脈、ALS(筋萎縮性側索硬化症)、過敏性大腸症候群、睡眠障害、糖尿病、肥満、多発性硬化症、耳鳴り、呼吸器疾患、アルツハイマー病、感情および不安障害、ならびにてんかんである。他方で、鼻腔の前部の振動刺激が、例えば鼻炎および喘息の治療に有用なことがある。それに加えて、本明細書に記載するような振動刺激はまた、対象の他の体腔、即ち血管および胆管など、気導空洞および液導空洞(air-conducting and liquid-conducting cavities)の両方で実施されてもよい。
【0028】
さらに、例えば結腸の腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、および尿道炎などを患っている対象は、腸内の振動刺激によって利益を得られることがある。
【0029】
本発明の一実施形態によれば、振動は:流体圧、偏心重りを備えたモータ、および電気活性材料(または他の任意の便利な振動発生器)の1つもしくはそれ以上を用いて発生させてもよい。例えば、振動発生器は、刺激部材内の加圧流体に対して振動パターンによる振動を提供する、周波数調整モジュールを備えてもよい。周波数調整モジュールは、例えば、中にある加圧流体に振動を提供するため、刺激部材に(またはその近傍に)配置される、圧搾タイプのアクチュエータまたは蠕動ポンプを含んでもよい。別の方法として(または補足として)、偏心重りを備えたモータが刺激部材に(またはその近傍に)配置されてもよく、その場合、モータは回転し、かつそれによって振動パターンにしたがって振動するように制御されてもよい。さらに、刺激部材は、刺激部材が振動パターンにしたがって振動するように制御される、電気活性材料、例えば誘電性エラストマーを含んでもよい。
【0030】
振動を流体圧によって発生させる場合、刺激部材は例えば拡張可能な中空体である。その結果、刺激部材が、拡張を達成するために、刺激部材との間で流体を流すことが可能になる。しかし、体腔内の体組織に関して、刺激部材は、体腔内への流体の漏れを防ぐ液密チャンバを構成する。
【0031】
振動発生器は、刺激部材に対して振動を提供するために、デバイスに含まれてもよく、または別の方法として、外部に配置され、デバイスに(振動コントローラおよび刺激部材に)接続可能であってもよい。
【0032】
本発明の一実施形態によれば、デバイスは、20〜170mbarの圧力で、刺激部材が体組織に当接するか、または当接するように適合されるようにして構成されてもよい。特に、刺激部材の外表面は、定義された圧力で体組織に当接するように適合されてもよい。刺激部材は、その第2の状態において、例えば、振動治療の開始に先立って約20〜120mbarのベース圧力で組織に当接してもよい。振動治療中、組織に対する刺激部材の当接圧力は、±30〜50mbarの圧力などによって、振動パターンにしたがって変動してもよい(即ち、振動パターンの振幅が30〜50mbarの範囲内であってもよい)。例えば、刺激部材内の流体圧は、体腔内で拡張し配置されたとき(即ち、第2の状態にあるとき)、20〜120mbarの範囲内であってもよい。当接圧力は、刺激される体組織の種類、体腔の種類、および治療の目的に対して適合されてもよいことが認識されるであろう。例えば、視床下部の異常活動に関係する疾患を治療するために鼻腔の後部を刺激する場合、圧力は、70〜120mbar、例えば75〜100mbarに、振動の振幅(±30〜50mbar)を加減したものであってもよい。
【0033】
刺激部材が所望の圧力(例えば、20〜170mbar)で体組織に当接するか、または当接するように適合されるようにして、刺激部材を加圧するように適合された圧力調整モジュール(例えば、加圧ポンプ)がさらに、デバイスに含まれるか、あるいは別の方法として、デバイスの外部に配置され、デバイスに接続可能であってもよい。したがって、かかる圧力調整モジュールは、刺激部材が例えば拡張可能な中空体であるとき、刺激部材の拡張の程度を調整してもよい。圧力調整モジュールは、例えば、振動コントローラによって制御されてもよい。本発明の一実施形態によれば、主要な周期的要素は、第1の周波数の主要な刺激によって提供されて(またはそれを含んで)もよく、主要な刺激には励起刺激が少なくとも部分的に重畳される。したがって、主要な刺激は、励起刺激のための搬送波として作用してもよい。本実施形態によれば、主要な周期的要素(およびしたがって、第1の周波数を有する周期性)は、主要な刺激によって振動パターンの形で実現される。したがって、第2の(高い方の)周波数の振動(即ち、励起刺激)を第1の(低い方の)周波数の振動(即ち、主要な刺激)に加える(またはそれと重畳する)ことによって、高い方の周波数および低い方の周波数が振動パターンにおいて組み合わされてもよい。したがって、振動信号(またはパターン)は、第1の周波数の周波数成分と第2の周波数の周波数成分とを含む。励起刺激は主要な刺激の一部と重畳されてもよく、一方で主要な刺激の他の部分は重畳されなくてもよい。あるいは、励起刺激は、主要な刺激と継続的に(即ち、励起刺激が中断されないか、または少なくとも中断がより少ない状態で)重畳されてもよい。
【0034】
本開示では、「主要な刺激」という用語は、刺激部材(の少なくとも一部分)の均衡状態からの1つもしくはそれ以上の空間変位および/またはその当接圧力の変化をもたらす振動信号の一部分を指すことがある。例えば、主要な刺激は、連続時間導関数(例えば、正弦または余弦状の波形)を有する波形など、連続波形を有してもよい。
【0035】
本発明の一実施形態によれば、振動発生器は、第1の周波数調整モジュールおよび第2の周波数調整モジュールを備えてもよく、振動コントローラは、第1の周波数調整モジュールを制御して第1の周波数の振動(主要な刺激)を提供し、第2の周波数調整モジュールを制御して第2の周波数の振動(励起刺激)を提供するように構成されてもよい。さらに、第1の周波数調整モジュールの出力および第2の周波数調整モジュールの出力は、振動パターンを提供するために加算されてもよい。結果として、主要な刺激に励起刺激が加算(または重畳)された振動パターンが提供される。
【0036】
例えば、2つの周波数調整モジュールは、刺激部材に供給される加圧流体に振動を提供してもよい。別の方法として、または補足として、周波数調整モジュールは発振電気信号を提供してもよく、その際、第1の周波数調整モジュールは第1の周波数で発振する信号を発生させてもよく、第2の周波数調整モジュールは第2の周波数で発振する信号を発生させてもよい。第1および第2の周波数調整モジュールの出力(即ち、発振電気信号)を加算することによって、振動パターンにしたがって変動する制御信号が提供される。かかる制御信号は、例えば、振動を発生させるのに使用されてもよい、リニアモータまたは電気活性材料を制御するのに使用されてもよい。
【0037】
本発明の別の実施形態によれば、主要な周期的要素は、第1の周波数で反復して開始される振動プロファイルによって提供されて(またはそれを含んで)もよく、振動プロファイルは、励起刺激を含む刺激位相と休止位相(励起刺激を有さない)とを含む。したがって、振動パターンは、休止位相と交番する(またはそれによって中断される)励起刺激の位相を含んでもよい。本実施形態によって、第2の(高い方の)周波数の振動が一定して与えられることが回避され、それにより、高周波数振動によって引き起こされることがある、体組織に対する悪影響が低減されてもよい。例えば、刺激位相は、励起刺激の1つの周期または複数の連続した周期を含んでもよい。さらに、休止位相は刺激を有さないことがあるので、休止位相の間、組織に対して振動はまったく(少なくともほとんど)付与されない(即ち、刺激部材は静止している)。
【0038】
本開示では、「振動プロファイル」という用語は、特定の周波数(即ち、第1の周波数)で繰り返される(または反復して開始される)、振動信号(またはパターン)の一部分を指すことがある。振動プロファイルの正確な構成は、反復ごとに(わずかに)変動してもよいことが認識されるであろう。例えば、振動プロファイルにおける励起刺激の位相シフト、波形、および/または周期数は、反復ごとに変動してもよい。
【0039】
本発明の一実施形態によれば、休止位相は、少なくとも刺激位相と同程度の長さ、例えば刺激位相の少なくとも2倍など、少なくとも1.5倍の長さであってもよい。本実施形態は、刺激位相間のより明確な中断を提供し、受容器が刺激位相間に刺激から回復または休止するためのより長い位相が可能になるという点で有利である。
【0040】
本発明の一実施形態によれば、振動発生器は、周波数調整モジュールおよびゲートを備えてもよく、振動コントローラは、周波数調整モジュールを制御して第2の周波数の振動(励起刺激)を提供し、ゲートを制御して(第2の周波数調整モジュールから)刺激部材に対する振動の伝達を選択的に可能にし、それによって伝達が第1の周波数で反復して開始されるように構成される。振動が流体圧によって発生する場合、周波数調整モジュールは、加圧流体中の振動を提供するように適合されてもよく、ゲートは、周波数調整モジュールと刺激部材との間で流体中における振動の伝達を開閉するように制御される弁であってもよい。
【0041】
あるいは、周波数調整モジュールは、第2の周波数で発振する電気信号を出力するように構成されてもよく、その場合、信号処理構成要素(ゲートとして見なされることがある)は、信号が休止位相(ゼロ圧力または一定圧力の位相など)を含むように、周波数調整モジュールからの出力信号を処理するように構成されてもよい。制御信号は、振動を発生させるためにリニアモータまたは電気活性材料を制御するのに使用されてもよい。
【0042】
本発明の一実施形態によれば、デバイスは、振動刺激の間、刺激部材を対象に対して固定するように適合された固着手段、即ち固着部材を備える。固着手段は、ヘッドバンド、フェイシャルマスク、眼鏡、ヘルメット、ベルト、カフ、ベスト、および/または接着パッチを含んでもよい。固着手段のタイプは特定の体腔に適合されてもよい。ヘッドバンドは、刺激部材を鼻腔内で使用するために固定するのに適した固着手段の一例である。
【0043】
第2の態様によれば、振動刺激のためのデバイスが提供される。デバイスは、哺乳類対象の体組織(または治療範囲)に振動を付与するのに適合された刺激部材と、振動パターンにしたがって刺激部材を振動させるように振動発生器を制御するのに適合された振動コントローラとを備える。振動パターンは、第1の周波数の主要な周期的要素と、第1の周波数よりも高い第2の周波数の励起刺激とを含む。本発明の第2の態様によるデバイスの効果および利点は、本発明の第1の態様によるデバイスの効果および利点と同じであることが認識されるであろう。
【0044】
第2の態様の一実施形態によれば、刺激部材は、拡張可能であり、刺激部材を対象の体腔に導入することができる第1の状態(即ち、刺激部材が折り畳まれるかもしくは拡張がより少なくてもよい状態)と、刺激部材が体腔内の体組織に当接するような容積まで刺激部材が拡張された第2の状態とで配置されるように適合される。
【0045】
第2の態様の一実施形態によれば、刺激部材は、腹部など、(体腔ではなく)体表面に適用されるように適合されてもよい。
【0046】
本発明の第3の態様によれば、ヒト対象の治療の方法が提供される。方法は、振動パターンにしたがってヒト対象の体組織に振動を付与する工程を含み、振動パターンは、第1の周波数の主要な周期的要素と、第1の周波数よりも高い第2の周波数の励起刺激とを含む。本発明の第3の態様による方法の効果および利点は、本発明のデバイスの態様の効果および利点と同じであることが認識されるであろう。
【0047】
第4の態様によれば、拡張可能な刺激部材をヒト対象の体腔に導入する工程であって、前記拡張可能な刺激部材が、ヒト対象の体組織に振動を付与するように適合されている、工程と;刺激部材が体腔内の体組織に当接するような容積まで刺激部材を拡張させる工程と;振動パターンにしたがってヒト対象の体腔内の体組織に対して振動が付与されるように、刺激部材を振動させる工程であって、振動パターンが、第1の周波数の主要な周期的要素と、第1の周波数よりも高い第2の周波数の励起刺激とを含む、工程とを含む、ヒト対象の治療方法が提供される。本発明の第4の態様による方法の効果および利点は、本発明の上述のデバイスおよび方法の態様の効果および利点と本質的に同じであることが認識されるであろう。さらに、以下の実施形態は、特段の記述がない限り、本発明のすべての態様に適用可能であることが認識されるであろう。
【0048】
方法の態様の一実施形態では、振動は、本発明の第1の態様に関連して記載した実施形態のうち任意の1つによるデバイスを使用して付与されてもよい。刺激部材を導入するとき、第1の(折り畳まれた、または拡張がより少ない)状態で配置されてもよい。
【0049】
方法の態様の一実施形態では、第1の周波数は、50〜90Hz、60〜80Hz、および約68Hzなど、10〜100Hzの範囲内であってもよい。
【0050】
方法の態様の一実施形態では、第2の周波数は第1の周波数の少なくとも1.5倍の高さであってもよい。
【0051】
方法の態様の一実施形態では、第2の周波数は第1の周波数の1.9〜4倍など、1.5〜5倍の高さであってもよい。
【0052】
一実施形態では、振動パターンは連続波形を有してもよい。
【0053】
方法の態様の一実施形態では、主要な周期的要素は、第1の周波数の主要な刺激によって提供されてもよく、主要な刺激は励起刺激と少なくとも部分的に重畳されてもよい。
【0054】
方法の態様の一実施形態では、主要な周期的要素は、第1の周波数で反復して開始される振動プロファイルによって提供されてもよく、振動プロファイルは、励起刺激を含む刺激位相と休止位相とを含む。
【0055】
方法の態様の一実施形態では、休止位相は、刺激位相の少なくとも1.5倍の長さ、刺激位相の少なくとも2倍の長さなど、刺激位相と少なくとも同程度の長さであってもよい。
【0056】
方法の態様の一実施形態では、体腔は対象の鼻腔および腸から選択されてもよい。
【0057】
治療が鼻腔内で行われるとき、拡張させる工程は、一実施形態では、刺激部材が50〜120mbarの範囲の圧力で鼻腔内の体組織に当接するような容積まで刺激部材を拡張させる工程をさらに含んでもよい。
【0058】
本明細書に記載する方法の態様による治療は、鼻炎、喘息、片頭痛、メニエール病、高血圧、群発性頭痛、不整脈、ALS、過敏性大腸症候群、睡眠障害、呼吸器疾患、糖尿病、肥満、多発性硬化症、耳鳴り、アルツハイマー病、感情および不安障害、ならびにてんかんから成る群から選択された疾病を患っている、ヒト対象の鼻腔内で行われてもよい。
【0059】
特に、ヒト対象が視床下部の異常活動に関連する疾病を患っている場合、刺激部材は、有利には、70〜120mbarの範囲の圧力で鼻腔内の体組織に当接してもよい。視床下部の異常活動に関連する疾病は、例えば、片頭痛、メニエール病、高血圧、群発性頭痛、不整脈、ALS、過敏性大腸症候群、睡眠障害、呼吸器疾患、糖尿病、肥満、多発性硬化症、耳鳴り、アルツハイマー病、感情および不安障害、ならびにてんかんから成る群から選択される。
【0060】
治療が鼻腔内で実施されるとき、第1の周波数は、方法の態様の一実施形態では、50〜70Hzの範囲内であり、第2の周波数は110〜320Hzの範囲内である。
【0061】
治療が腸内で実施されるとき、拡張させる工程は、一実施形態では、刺激部材が20〜50mbarの範囲の圧力で腸内の体組織に当接するような容積まで刺激部材を拡張させる工程を含んでもよい。
【0062】
本明細書に記載する方法の態様による治療は、過敏性大腸症候群、腸炎、潰瘍性大腸炎、およびクローン病から成る群から選択された疾病を患っている、ヒト対象の腸内で行われてもよい。
【0063】
治療が腸内で行われるとき、第1の周波数は、一実施形態では、10〜20Hzの範囲内であり、第2の周波数は50〜70Hzの範囲内である。
【0064】
第5の態様によれば、刺激部材をヒト対象の体組織に適用する工程と;前記刺激部材をヒト対象の体組織に振動を付与するように適合させる工程と;可変周波数で前記体組織に振動を付与することによって第1の周波数を選択する工程と;可変周波数を最大周波数まで徐々に調節する工程と;対象の生理学的(または健康)状態を示す、治療に対する身体反応を監視する工程と;可変周波数の第1の周波数を、身体反応が最大になる(または少なくとも増大する)、±10Hzなど、±20Hz以内の周波数に設定する工程と、振動パターンにしたがってヒト対象の体組織に対して振動を付与する工程であって、振動パターンが、第1の周波数の主要な周期的要素と、第1の周波数よりも高い第2の周波数の励起刺激とを含む、工程とを含む、ヒト対象の治療方法が提供される。
【0065】
最大周波数は、この文脈では、それよりも高い周波数では振動パターンをヒト対象に対して付与することができない、周波数の上限として理解されてもよい。したがって、周波数の選択はこの達成可能な最大周波数によって制限される。最大周波数は、200〜500Hzの範囲内であってもよい。
【0066】
したがって、第1の周波数は、身体反応が最大になる主要な周期的要素の周波数±20Hzに相当する値に設定される。そこで、身体反応が最大になる主要な周期的要素の周波数がF
1MAXである場合、第1の周波数は、F
1MAX−20Hz〜F
1MAX+20Hzの範囲内の値に設定される。例えば、第1の周波数はF
1MAXに設定されてもよい。身体反応が2つ以上の周波数で最大になる場合、対象とする組織が高周波数振動を損なう可能性を回避するため、より低い周波数が好ましくは選択される。本実施形態は、治療に対する身体反応の増大をもたらすように振動パターンが調節されるという点で有利である。このことは、身体反応に対する最大の影響が対象の健康状態に対する所望の効果と相関するため、監視された身体反応に対する最大の影響(またはその変化)を有する周波数(±20Hz)が振動刺激として選択されることを意味する。明白に、対象の健康状態に対する所望の効果は、上方制御ならびに下方制御であってもよい。
【0067】
あるいは、対象の健康状態に対する所望の効果は、上方制御または下方制御した状態から通常状態への復帰であってもよい。したがって、第1の周波数は身体反応が安定する周波数に設定される。
【0068】
第5の態様の一実施形態では、可変周波数は、第1の下限(例えば、10〜60Hzの範囲内)と第1の上限との間で徐々に調節されてもよく、第1の上限は、約100Hzなど、80〜120Hzの範囲内である。本出願人は、前記第1の下限および上限の間の第1の周波数での振動治療が、ヒト対象の健康状態に対して有益な効果を達成することを見出している。
【0069】
第5の態様の一実施形態では、方法は、第1の周波数から最大周波数まで励起刺激の周波数を徐々に調節することによって、第2の周波数を選択する工程と;対象の生理学的状態を示す、治療に対する身体反応を監視する工程と、身体反応が最大になる励起刺激の周波数の±10Hzなど、±20Hz以内の周波数に第2の周波数を設定する工程とをさらに含んでもよい。
【0070】
したがって、第2の周波数は、身体反応が最大になる励起刺激の周波数±20Hzに相当する値に設定される。そこで、身体反応が最大になる励起刺激の周波数がF
2MAXである場合、第2の周波数は、F
2MAX−20Hz〜F
2MAX+20Hzの範囲内の値に設定される。例えば、第2の周波数はF
2MAXに設定されてもよい。本実施形態は、治療に対する身体反応の増大をもたらすように振動パターンが調節されるという点で有利である。身体反応の最大の変化(正または負のどちらであるかに係わらず)をもたらす周波数(±20Hz)が、第2の周波数として選択される。これは、第1の周波数の選択に関して上述した選択基準に類似している。
【0071】
第5の態様の一実施形態では、方法は、不必要な高周波数の使用を回避しながらヒト対象における治療効果を最大にするような形で、第1の周波数および第2の周波数を選択する工程をさらに含んでもよい。これは、何らかの励起刺激を適用することなく、可変周波数(主要な周期的要素の周波数)を下限(例えば、10Hz)から始めて徐々に増加させ、対象の生理学的(または健康)状態を示す、治療に対する身体反応を監視し、身体反応が最大になる(または少なくとも増大する)主要な周期的要素の周波数の±10Hzなど、±20Hz以内の周波数に、第1の周波数を設定することによって実現される。次に、第1の周波数に対して選択された値から始めて第2の周波数を徐々に増加させ、対象の生理学的(または健康)状態を示す、治療に対する身体反応を監視し、身体反応が最大になる(または少なくとも増大する)主要な周期的要素の周波数の±10Hzなど、±20Hz以内の周波数に、第2の周波数を設定することによって、第2の周波数が選択される。励起刺激は、この手順の間、1つの完全な発振周期を含んでもよく、即ち、第2の周波数を増加させることの効果は、単一の励起パルス間の休止位相が増大することであろう。
【0072】
第5の態様の一実施形態では、方法は、第2の周波数が第1の周波数よりも常に高く、第1の周波数および第2の周波数が両方とも上限および/または最大周波数によって制限される、周波数の多数(4〜9など)の異なる組み合わせを適用することによって、第1および第2の周波数を選択する工程を、さらに含んでもよい。この上限または最大周波数は、臨床上の理由から課されることがあり、あるいは、振動治療を与えるのに使用される任意のシステムの実際上の限界であることがある。刺激に対する身体反応は、適用される周波数の各組み合わせに対して記録され、最も望ましい反応を与える組み合わせが選択される。いくつかの組み合わせが同じ反応を与える場合、最も低い第2の周波数に対応するものが選択される。この選択手順は、示されるごとに、または治療する各対象に対して行われてもよい。
【0073】
第5の態様の一実施形態では、励起刺激の周波数は、第2の下限(例えば、15〜150Hzの範囲内)と、第2の上限(約350Hzなど、200〜450Hzの範囲内)との間で徐々に調節されてもよい。
【0074】
第5の態様の一実施形態では、刺激部材は拡張可能であってもよく、適用する工程は:刺激部材を対象の体腔に導入する工程と;刺激部材が体腔内の体組織に当接するような容積まで刺激部材を拡張させる工程とをさらに含む。体腔は、例えば、対象の鼻腔および腸から選択される。
【0075】
視床下部などの生物学的標的の活動は、様々な定性的および/または定量的方法によって測定することができる。特に、例えば血流、酸素消費量、および代謝活動などの生理学的パラメータの変化は、視床下部などの生物学的標的の活動レベルの変化と相関する。第1の態様によるデバイスを用いて治療されるヒト対象の現在の健康状態に応じて、刺激は、視床下部などの生物学的標的の活動レベルをある程度変化させてもよい。例えば、視床下部の異常活動に関連する病状を患っているヒト対象を、この態様による方法で治療した場合、振動刺激が正常化された視床下部の活動をもたらしてもよい。正常化は、この文脈では、生物学的標的の活動が周囲組織の活動と同等である状態を指してもよい。したがって、正常化された視床下部の活動は、周囲の脳組織の活動と同等である活動を指してもよい。視床下部などの生物学的標的の活動の異なる指標を、直接または間接的に監視することができる。
【0076】
さらに、同じ推論は、蝶形口蓋神経節など、他の生物学的標的に対して有効である。蝶形口蓋神経節の活動は、様々な直接的もしくは間接的な定性的および/または定量的方法によって測定することができる。
【0077】
治療の方法は、有益には、鼻炎、片頭痛、メニエール病、高血圧、群発性頭痛、不整脈、ALS、過敏性大腸症候群、睡眠障害、糖尿病、肥満、多発性硬化症、耳鳴り、呼吸器疾患(例えば、気管気管支軟化症)、アルツハイマー病、感情および不安障害、てんかん、(例えば、結腸内の)腸炎、潰瘍性大腸炎、クローン病、ならびに尿道炎から成る群から選択される、疾病または病状を患っているヒト対象に与えられてもよい。対象が上述の疾病の1つを患っているとき、鼻腔または腸のどちらかにおける治療が特に有利なことがある。
【0078】
方法の態様の一実施形態では、身体反応は、鼻分泌物、くしゃみの頻度、痛覚、瞳孔の大きさ、脳の選択部分における酸素消費量(機能的磁気共鳴画像法(fMRI)を用いて測定されてもよい)、人体の選択部分における代謝活動(陽子射出断層撮影法(PET)を用いて測定されてもよい)、脳活動(脳磁気図記録法(MEG)または脳波記録法(EEG)を用いて測定されてもよい)、心臓活動(心電図記録法(ECG)を用いて測定されてもよい)、筋肉活動(筋電図記録法(EMG)を用いてされてもよい)、血圧、器官内の(流体)体積(フォトプレチスモグラフを用いて測定されてもよい)、組織導電率、体温、体組織と振動を付与している刺激部材との間の圧力のうち、1つまたはそれ以上を測定することによって監視されてもよい。痛覚は、視覚的アナログ尺度(VAS)を参照することによって、ヒト対象自身が評価することができる。身体反応が体組織と刺激部材との間の圧力である場合、刺激部材は、組織に働く圧力、ならびに体組織反応による圧力の変化を測定する、圧力センサを含んでもよい。
【0079】
方法の態様の一実施形態では、振動は、流体圧、偏心重りを備えたモータ、および電気活性材料のうち1つまたはそれ以上によって提供されてもよい。例えば、振動は、本発明の第1の態様に関連して記載したような振動発生器を用いて付与されてもよい。
【0080】
方法の態様の一実施形態では、振動は、20〜170mbarの圧力で体組織に付与されてもよい。例えば、本発明の第1の態様に関連して記載したような刺激部材(または振動を付与するための他の任意の手段)は、20〜170mbarの圧力で組織に当接してもよい。さらに、刺激部材内の平均圧力は、振動を付与しているとき、20〜120mbarの範囲内であってもよい。
【0081】
方法の態様の一実施形態では、第1の周波数および第2の周波数は、振動に伴う機械的刺激の記録に関与する、異なる受容器タイプを標的とする。第1および第2の周波数は、有利には、特定の受容器タイプを標的とするために、本明細書で定義するような周波数間隔から選択されてもよい。第1の周波数は10〜100Hzの範囲内で選択されてもよく、一方で、第2の周波数は独立して、第1の周波数の高調波であるか、または例えば、本明細書で上述したようなパチーニ小体の最大感度を標的にするように選択されてもよい。
【0082】
本発明の方法の態様に関して記載する実施形態による効果および利点は、本発明のデバイスの態様に関して記載する、対応する実施形態による効果および利点と同じであることが認識されるであろう。
【0083】
本発明のさらなる目的、特徴、および利点は、以下の詳細な開示、図面、および添付の請求項を検討することで明白となるであろう。当業者であれば、本発明の異なる特徴を組み合わせて、以下に記載するもの以外の実施形態を作成することが可能であることを理解する。特に、デバイスに関して記載する様々な実施形態はすべて、本発明の第3の態様にしたがって定義されるような方法と組み合わせ可能であることが認識されるであろう。
【0084】
本発明の上述ならびに追加の目的、特徴、および利点は、添付図面を参照して、本発明の好ましい実施形態の以下の例証的かつ非限定的な詳細な説明によって、より十分に理解されるであろう。