特許第6175488号(P6175488)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6175488皮膚、粘膜および/または爪の処置および/またはケアのためのエキソポリサッカライド
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6175488
(24)【登録日】2017年7月14日
(45)【発行日】2017年8月2日
(54)【発明の名称】皮膚、粘膜および/または爪の処置および/またはケアのためのエキソポリサッカライド
(51)【国際特許分類】
   A61K 31/715 20060101AFI20170724BHJP
   A61K 45/00 20060101ALI20170724BHJP
   A61P 17/00 20060101ALI20170724BHJP
   A61P 17/16 20060101ALI20170724BHJP
   A61P 43/00 20060101ALI20170724BHJP
   A61P 17/14 20060101ALI20170724BHJP
   A61P 25/02 20060101ALI20170724BHJP
   A61K 8/73 20060101ALI20170724BHJP
   A61Q 19/00 20060101ALI20170724BHJP
   A61Q 19/08 20060101ALI20170724BHJP
【FI】
   A61K31/715
   A61K45/00
   A61P17/00
   A61P17/16
   A61P43/00 121
   A61P17/14
   A61P25/02
   A61K8/73
   A61Q19/00
   A61Q19/08
【請求項の数】13
【全頁数】46
(21)【出願番号】特願2015-500945(P2015-500945)
(86)(22)【出願日】2013年3月22日
(65)【公表番号】特表2015-510919(P2015-510919A)
(43)【公表日】2015年4月13日
(86)【国際出願番号】EP2013056080
(87)【国際公開番号】WO2013139965
(87)【国際公開日】20130926
【審査請求日】2016年1月27日
(31)【優先権主張番号】201230432
(32)【優先日】2012年3月22日
(33)【優先権主張国】ES
【微生物の受託番号】CNCM  I-4277
(73)【特許権者】
【識別番号】506347528
【氏名又は名称】ルブリゾル アドバンスド マテリアルズ, インコーポレイテッド
(73)【特許権者】
【識別番号】513132704
【氏名又は名称】ポリマリス バイオテクノロジー
【氏名又は名称原語表記】POLYMARIS BIOTECHNOLOGY
(74)【代理人】
【識別番号】100078282
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 秀策
(74)【代理人】
【識別番号】100113413
【弁理士】
【氏名又は名称】森下 夏樹
(72)【発明者】
【氏名】デルガド ゴンサレス, ラケル
(72)【発明者】
【氏名】ソレイ アスタルス, アルベルト
(72)【発明者】
【氏名】クールトワ, アントニー
(72)【発明者】
【氏名】トラス, ベルトラン
【審査官】 新熊 忠信
(56)【参考文献】
【文献】 特表2011−516584(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 31/00−33/44
A61K 35/00−35/768
A61K 36/06−36/068
A61K 45/00
A61P 17/00
A61P 25/00
A61P 43/00
A61Q 19/00
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
CAplus/MEDLINE/EMBASE/BIOSIS(STN)
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドを含む、老化の処置および/または予防のための美容用または皮膚医薬用組成物であって、前記エキソポリサッカライドが、フコース1重量%〜12重量%、グルコース10重量%〜35重量%、グルクロン酸18重量%〜40重量%およびN−アセチルグルコサミン34重量%〜56重量%の組成を示し、ただし、割合の合計が100%を超えない、組成物
【請求項2】
前記老化の処置および/または予防が皮膚のシワの処置および/または予防である、請求項1に記載の組成物。
【請求項3】
前記処置がヒアルロン酸合成を刺激する、請求項1に記載の組成物。
【請求項4】
前記処置および/または予防が、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水和作用の不足または低下の結果である障害、状態および/または疾患の処置および/またはケア、あるいは、皮膚上の遊離基形成によって引き起こされる損傷の除去および/または予防の処置である、請求項1に記載の組成物。
【請求項5】
寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドを含む、ニューロンエキソサイトーシスの阻害のための美容用または皮膚医薬用組成物であって、前記エキソポリサッカライドが、フコース1重量%〜12重量%、グルコース10重量%〜35重量%、グルクロン酸18重量%〜40重量%およびN−アセチルグルコサミン34重量%〜56重量%の組成を示し、ただし、割合の合計が100%を超えない、組成物
【請求項6】
発汗の処置および/または予防、発毛を刺激する処置および/または脱毛の予防、皮膚、粘膜および/または爪の疼痛またはそう痒または多汗症の処置および/または予防のための、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドを含む美容用または皮膚医薬用組成物であって、前記エキソポリサッカライドが、フコース1重量%〜12重量%、グルコース10重量%〜35重量%、グルクロン酸18重量%〜40重量%およびN−アセチルグルコサミン34重量%〜56重量%の組成を示し、ただし、割合の合計が100%を超えない、組成物
【請求項7】
前記エキソポリサッカライドが100,000〜10,000,000Daの分子量を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項8】
前記エキソポリサッカライドが最高7%までのサルフェートを有する、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項9】
前記エキソポリサッカライドが、リン酸化、スルホン化、アシル化、エステル化、前記エキソポリサッカライドの金属錯体の形成および/または7%を超える化学硫酸化により形成される群から選択される化学修飾を有する、請求項1〜6のいずれかに記載の組成物。
【請求項10】
請求項1に記載の組成物であって、少なくとも1種の美容的にまたは皮膚医薬的に許容され得る賦形剤、アジュバントおよび/または成分を含む、組成物。
【請求項11】
前記エキソポリサッカライドが、リポソーム、混合リポソーム、オレオソーム、ニオソーム、エソソーム、ミリ粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子および固体脂質ナノ粒子、ナノ構造脂質担体、スポンジ、シクロデキストリン、小胞、ミセル、界面活性剤の混合ミセル、界面活性剤リン脂質混合ミセル、ミリスフィア、マイクロスフィアおよびナノスフィア、リポスフィア、ミリカプセル、マイクロカプセル、ナノカプセル、マイクロエマルションおよびナノエマルションにより形成される群から選択される、美容的にまたは皮膚医薬的に許容され得る送達系または徐放系に組み込まれる、請求項1に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
【請求項12】
前記組成物が、タルク、ベントナイト、シリカ、デンプンおよびマルトデキストリンにより形成される群から選択される固体有機ポリマーまたは固体無機支持体に吸収されるか、あるいは
布地、非織布、または医療デバイスに組み込まれるか、あるいは
多重エマルション、溶液、液晶、無水組成物、水性分散系、油、乳汁、バルサム、泡沫、水性または油性ローション、水性または油性ゲル、クリーム、溶液、ヒドロアルコール溶液、ヒドログリコール溶液、ヒドロゲル、糊膏、漿液、石鹸、シャンプー、コンディショナー、フェイスマスク、ヘアスプレー、漿液、ポリサッカライド膜、軟膏、ムース、ポマード、ペースト、粉末、バー、ペンシル、スプレーもしくはエアロゾルにより形成される群から選択される処方物、またはカプセル、ゼラチンカプセル、ソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤、粉末、顆粒、チューイングガム、溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、ポリサッカライド膜、ゼリーもしくはゼラチンにより形成される群から選択される経口投与のための処方物で提示されることを特徴とする、
請求項1〜1のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
【請求項13】
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、ヒアルロン酸合成刺激剤、グリコサミノグリカン合成刺激剤、コラーゲン合成刺激剤、真皮または表皮の高分子の合成を刺激し、かつ/またはそれらの分解を阻害または予防することができる薬剤、エラスチン合成刺激剤、デコリン合成刺激剤、ラミニン合成刺激剤、デフェンシン合成刺激剤、シャペロン合成刺激剤、cAMP合成刺激剤、熱ショックタンパク質、HSP70合成刺激剤、熱ショックタンパク質合成刺激剤、フィブロネクチン合成刺激剤、サーチュイン合成刺激剤、サーチュイン活性化剤、脂質の合成および角質層、セラミド、脂肪酸の構成要素の合成を刺激する薬剤、コラーゲン分解を阻害する薬剤、エラスチン分解を阻害する薬剤、セリンプロテアーゼを阻害する薬剤、線維芽細胞増殖を刺激する薬剤、角化細胞増殖を刺激する薬剤、脂肪細胞増殖を刺激する薬剤、メラニン細胞増殖を刺激する薬剤、角化細胞分化を刺激する薬剤、アセチルコリンエステラーゼを阻害する薬剤、皮膚弛緩剤、AQP−3を調節する薬剤、アクアポリン合成を調節する薬剤、アクアポリンファミリー由来のタンパク質、PGC−1α合成を調節する薬剤、PPARγ活性を調節する薬剤、脂肪細胞のトリグリセリド含量を増加または減少させる薬剤、脂肪細胞分化を刺激もしくは遅延させる薬剤、脂肪分解剤または脂肪分解を刺激する薬剤、抗セルライト剤、脂肪生成剤、アセチルコリン受容体集団化を阻害する薬剤、筋収縮阻害剤、ニューロンエキソサイトーシスの阻害剤、抗シワおよび/または老化防止剤、抗コリン剤、エラスターゼ阻害剤、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、メラニン合成刺激剤または阻害剤、美白剤または色素脱失剤、色素促進剤、セルフタンニング剤、NO−合成阻害剤、5α−還元酵素阻害剤、リシルおよび/またはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、抗酸化剤、遊離基捕捉剤および/または大気汚染に対抗する薬剤、反応性カルボニルまたは酸素種捕捉剤、抗糖化剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、駆虫剤、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶剤、液体プロペラント、スキンコンディショナー、保湿剤、水分を保持する物質、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、湿潤剤、表皮加水分解酵素、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、色素または着色剤、染料、バイオポリマー、ゲル化ポリマー、増粘剤、界面活性剤、軟化剤、乳化剤、結合剤、防腐剤、目の下のクマを減少または処置することができる薬剤、剥離剤、角質剥離剤、角質溶解剤、抗菌剤、抗真菌剤、静真菌剤、殺菌剤、静菌剤、抗過角化剤、面皰分解剤、抗乾癬剤、抗皮膚炎剤、抗湿疹剤、DNA修復剤、DNA保護剤、安定化剤、抗そう痒剤、敏感肌の処置および/またはケアのための薬剤、安定剤、再密度化剤、再構築化剤、抗皮膚線条剤、結合剤、皮脂生成を調節する薬剤、美容用防臭剤および/または体臭吸収剤および/または体臭マスキング剤および/または制汗剤、香りがする物質および/または香油、治癒を刺激する薬剤、コアジュバント治癒剤、再上皮化を刺激する薬剤、コアジュバント再上皮化剤、サイトカイン増殖因子、沈静剤、抗炎症剤および/または鎮痛剤、麻酔剤、PAR−2活性阻害剤、毛細血管循環および/または微小循環に作用する薬剤、血管新生を刺激する薬剤、血管透過性を阻害する薬剤、静脈緊張剤、細胞代謝に作用する薬剤、真皮−表皮結合を改善する薬剤、発毛を誘発する薬剤、発毛阻害剤または抑制剤、香料、キレート化剤、植物抽出物、精油、海洋抽出物、バイオ発酵プロセスから得られた薬剤、無機塩、細胞抽出物、紫外線Aおよび/またはB光線に対して活性な日焼け止剤および有機もしくは無機光防護剤またはそれらの混合物により形成される群から選択される、請求項1〜1のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ヒアルロン酸合成を促進し、ニューロンエキソサイトーシスを阻害し、そして寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されるエキソポリサッカライド(EPS)に関する。本発明はまた、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアのための美容用または皮膚医薬用組成物におけるこのエキソポリサッカライドの使用に関する。
【背景技術】
【0002】
皮膚、粘膜、毛髪および/または爪は、器官とその周囲との間の物理的なバリアを構成する。皮膚は2種の組織、表皮および真皮からなる。表皮は不浸透性の皮膚の最も外側の層であるため、外部物質から保護する作用をもたらす。表皮は、絶えず再生している角化する多層状の上皮である。
【0003】
美容および皮膚医薬品産業では、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水分バランスを維持することができ、かつ皮膚の外観、ならびにその保護機能およびバリアとしての機能を改善する目的で皮膚のシワを少なくする化合物の開発にかなりの労力を費やしている。これらの成分の1つに、ヒアルロン酸、つまり、D−グルクロン酸およびD−N−アセチルグルコサミンを単位とする直鎖状ポリサッカライドにより形成された、全ての脊椎動物の結合組織、上皮組織およびニューロン組織の細胞外マトリクスを構成する非硫酸化グリコサミノグリカンがある。各糖はともに、グリコシドβ−1,3結合により互いに結合するが、同時にその二量体がグリコシドβ1,4−結合により結合する。数百またはおそらく数千の二量体が、一般に1000Kダルトンより大きい分子量をもつ1つの高分子を形成する。その1つ1つが極めて多数の親水性残基(ヒドロキシル)および多数の負の電荷(カルボキシル)を保持し、これによりゲルと同様の堅さを有する非常に水分を含んだ、おおよそ剛性の構造となる。皮膚において、ヒアルロン酸は、エラスチンおよびコラーゲンならびに他の線維と、他の細胞間構造を包み込む粘性の液体である。ヒアルロン酸は、ヒトおよび動物の組織の細胞外マトリクスに存在し、その分子量はその場所により異なる。例えば、滑液に存在するヒアルロン酸は、1〜8000000ダルトンの分子量を有し、ヒトの臍帯に存在するヒアルロン酸は、3600000〜4500000の分子量を有する。しかし、ヒアルロニダーゼと呼ばれる酵素があり、これがヒアルロン酸からなる二量体を脱重合または分解させ、結合組織の粘度を改変させる。
【0004】
ヒアルロン酸は、皮膚と関節の恒常性における、ならびに結合組織における他の重要な構造の生物学的活性、例えば、増殖および細胞移動を可能にするマトリクスの形成、免疫細胞付着の調節、細胞内シグナル活性化における寄与に起因する、皮膚の皮膚層の最も重要なグリコサミノグリカンである。ヒアルロン酸は、ヒアルロン酸合成酵素(HAS)と呼ばれ、脊椎動物では3つのタイプ:HAS1、HAS2およびHAS3を有する、あるクラスの内在性膜タンパク質(integral membrane protein)により合成される。これらの酵素は、新生ポリサッカライドにグルクロン酸およびN−アセチルグルコサミンを繰り返し付加することによりヒアルロン酸ポリマーの長さを延長させる。合成されると、ヒアルロン酸は細胞膜を通り細胞外の空間に出ていく。[Schulz,T.ら、“Hyaluronan export by the ABC transporter MRP5 and its modulation by intracellular cGMP.”,J.Biol.Chem.,(2007),282,20999−21004]。
【0005】
ヒアルロン酸は、天然には表皮および受容体CD44と相互作用する細胞外空間に存在するが、上記受容体とのこの相互作用は、角化細胞の分化の調節や、角質層の正常な構造の維持に必要な細胞外脂質の形成および表皮バリア機能において起こる[Bourguignon L.Y.W.ら、“Hyaluronan−CD44 Interaction Stimulates Keratonocyte Differentiation,Lamellar Body Formation/Secretion,and Permeability Barrier Homeostasis”,Journal of Investigative Dermatology(2006),126,1356−1365]。
【0006】
その弾性および粘性特性により、ヒアルロン酸は、より水分を含んだ皮膚を維持するのに役立つ皮膚の水分の保持とともに、弾性の維持、シワの形成の減少を可能にし、より均一な皮膚の弛緩を生じさせる。しかし、皮膚の線維芽細胞で合成されるヒアルロン酸の量は、年齢とともに劇的に減少し[Matuoka K.ら、”A decrease in hyaluronic acid synthesis by aging human fibroblasts leading to heparan sulfate enrichment and growth reduction”,Aging(Milano),(1989),Sep 1(1):47−54]、これが弾性の低下およびシワの形成の原因となり、成熟した皮膚が乾燥する傾向となる。ヒアルロン酸は、特に表情線のシワの予防および減少に重要な機能を果たし、シワの処置に関する美容および皮膚医薬品産業がより一般的に使用する戦略の1つに、局所および皮下の両方へのヒアルロン酸の投与があり、これは、ヒアルロン酸が水分を吸収することができるため、皮膚の内部からシワを膨らませることができることによる。
【0007】
一方、シワ、特に表情線の予防および減少させるための他の戦略には、その領域のニューロンエキソサイトーシスの阻害による、筋収縮を遮断する化合物の投与がある。表情線の外観に関与する主な筋肉は、目およびまつ毛を囲む筋肉、額の筋肉、唇、口、頬および首の筋肉である。これらの筋肉は、顔面の皮下結合前部に存在し、そこから皮膚に向かって隆起し、真皮層の最深部に入り込む。このような収縮は、皮膚の上昇、押下、収縮または緩慢な動作につながり得る。
【0008】
1990年代以降、ボツリヌス毒素(AllerganよりBotox(登録商標)として市販)を使用し、筋肉の収縮を減少させ、ジストニアおよび/または疼痛などの関連疾患を処置するために筋肉に注射した。神経毒注射も、老化および/または光老化の徴候を減少させ、遅延させ、または予防する目的で皮膚を処置および/またはケアするため、特に、顔の表情を弛緩させ、シワの形成を少なくし、またはシワの外観を最小限にするために使用されてきた。その作用機序は、神経筋接合部の軸索のシナプス前終末におけるACh放出を遮断することにより神経伝達および筋収縮を回避することに基づく。シナプス前膜内の受容体に結合する毒素は取り込まれ、細胞質になる。その活性は、三分子のシナプトブレビンSNARE複合体、SNAP−25およびシンタキシンの破壊の原因であり、シナプス小胞と細胞膜の結合およびAChのシナプス間隔への放出を回避する。ボツリヌス毒素の制御型投与は、とりわけ広域の状態、障害および疾患、例えば、発汗および多汗(米国特許第6974578号および米国特許第6683049号)、皮膚の障害および疾患、例えば、皮膚上の胼胝、疣贅、潰瘍および病変(米国特許第8048423号、米国特許第2011/206731号)、乾癬および皮膚炎(米国特許第5670484号)、血管高反応性および酒さ(国際公開2010/114828号)、ざ瘡(国際公開03/011333号)、発毛および維持(米国特許第6299893号)、眉および額の下垂(米国特許第2011/280978号)、口角の下垂(米国特許第6358917号)または様々な種類の疼痛および炎症(米国特許第2010/266638号、米国特許第7811586号、米国特許第7704524号、米国特許第7704511号、米国特許第7468189号、米国特許第7255866号、米国特許第7091176号、米国特許第6887476号、米国特許第6869610号、米国特許第6838434号、米国特許第6641820号、米国特許第6623742号、米国特許第6565870号、米国特許第6500436号、米国特許第6458365号、米国特許第6423319号、米国特許第6113915号、米国特許第5714468号および米国特許第6063768号)の処置に使用されてきた。
【0009】
さらに、ヒアルロン酸自体または種々の異なる分子で網目状のヒアルロン酸の種々の適用が見つかっている。特に、創傷治癒の間の遊離基の作用を防ぐのに使用されることができ[Trabucchi E.ら、“Low molecular weight hyaluronic acid prevents oxygen free radicals damage to granulation tissue during wound healing”,Int.J.Tissue React.,(2002),24(2),65−71]、およびインプラントおよびフイラーにおける美容外科手術の充填材料としても使用されることができる。
【0010】
ヒアルロン酸はまた、他の種ならびにヒトに存在している。ヒアルロン酸は、ニワトリの鶏冠、サメの鰭、眼球の硝子体内および分泌物中、例えば、哺乳類動物の関節の間の液体に多く存在している。ウシの硝子体液中、多くの器官の結合組織内、および特定の菌株、例えば、Streptococcus属のもの[Stoolmillerら、“The biosynthesis of hyaluronic acid by Streptococcus”,J.Biol.Chem.,(1969),244,236−246]およびPasteurella属[Rosnerら、“Hyaluronic acid and a (1−4)−beta−D−xylan,extracellular polysaccharides of Pasteurella multocida(Carter type A)strain 880”,Carbohdr.Res.,(1992),223,329−333]のものに、およびSamphire Crithmum maritimumなどの細菌(これは感染した動物の免疫系の攻撃から細菌自体を保護する方法として動物組織を模倣することにより産生する)の抽出物中にも存在する。したがって、ヒアルロン酸の生成は、天然に産生する細菌の発酵から可能である。
【0011】
ヒアルロン酸の化学組成および構造は、その動物または細菌由来に関わらず同じであり、細菌培養物に存在するヒアルロニダーゼの作用に起因するその分子量により区別されるに過ぎない。それゆえ、ヒアルロニダーゼが不足している細菌株が、ヒアルロン酸の分解を確実に最小限なものにするために望ましい。その結果、動物由来のヒアルロン酸は、純度および重量を満たしているのであれば、動物由来の材料に置き換えることができる。
【0012】
ヒアルロン酸の特性は分子量に依存し、高分子量のヒアルロン酸が構造特性を有するが、ヒアルロン酸の分解生成物または低分子量のヒアルロン酸が内皮細胞の増殖および移動を刺激し、炎症過程を調節し、創傷治癒の様々な段階で血管新生を促進する。それどころか、低分子量のヒアルロン酸は、皮膚のバリアを通り越え、血管周囲の組織の弾性を改善することができ、これにより血流が増加し、クモ静脈(couperose)を減少させ、毛細血管を補強し、蜂窩織炎を伴う浮腫を防ぐ。
【0013】
美容産業では、ヒアルロン酸の生成を行う皮膚の代謝機能を促進することに注目している。したがって、例えば、欧州特許第1344528号は、表皮細胞活性の作用の効果、およびビタミンAおよびその誘導体を保有し、これらをマメ抽出物と反応させたビフィズス属の微生物により得られた発酵生成物と組み合わせたときのヒアルロン酸の生成の増加について記載している。チア種子オイル、オプンティアフィカス(Opuntia ficus)、クコ、アンジェリカチャイナ(Angelica China)などの他の抽出物、または、野バラのチェロキー、ビワ(Eribotrya Japonica)およびブドウ種子の抽出物について、米国特許第2009/117211号および米国特許第7348034号には、皮膚の細胞外マトリクスに存在する高分子、例えば、一般にはヒアルロン酸またはグリコサミノグリカンを増加させることにより皮膚の湿潤性、質感および外観を改善させることについて記載されている。別の例として、真皮線維芽細胞内のヒアルロン酸の合成を促進させることができる卵白酵素加水分解物により生じる老化防止および保湿特性を有する美容用組成物について記載している米国特許第5460832号がある。米国特許第7465460号は、同じくヒアルロン酸合成を促進させるための皮膚用組成物中のダイゼインを含む。さらに、米国特許第7547819号は、ヒアルロン酸合成酵素をコードするDNAを含む遺伝子改変植物がヒアルロン酸を合成することができる方法について記載している。
【0014】
美容産業はまた、ニューロンエキソサイトーシスの阻害による表情線の処置のための新たな化合物の開発に様々な試みを行っている。特に、抗シワ効果のあるタンパク質SNA−25のアミノ末端フラグメント由来のペプチドについて、欧州特許第1180524号明細書および欧州特許第2123673号明細書に記載されており、国際公開97/34620号も、タンパク質SNAP−25のアミノ酸配列由来の、特にカルボキシ末端領域由来またはニューロンエキソサイトーシスを阻害することができるシナプトブレビンまたはシンタキシン由来のペプチドについて記載しており、国際公開2011/048443号は、シナプトブレビンに結合することによりニューロンエキソサイトーシスを阻害することができるV−ATPaseの膜構成要素のサブユニットc由来のペプチドおよび抗シワ処置としてのその潜在的適用について記載している。
【0015】
特筆すべきことに、本発明の出願人は、ブダペスト条約に従い寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌の菌株により産生される新たなエキソポリサッカライド(これはヒアルロン酸合成を促進し、ニューロンエキソサイトーシスを阻害するため、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水和作用を改善し、皮膚のシワを予防および/または減少させる)に基づいた従来技術に記載されている化合物に対する新たな代替物を発見している。さらに、エキソポリサッカライドは、ニューロンエキソサイトーシスの阻害により改善または予防される状態、障害および/または疾患の処置および/またはケアに有用であることがわかっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0016】
【特許文献1】米国特許第6974578号明細書
【特許文献2】米国特許第6683049号明細書
【特許文献3】米国特許第8048423号明細書
【特許文献4】米国特許出願公開第2011/206731号明細書
【特許文献5】米国特許第5670484号明細書
【特許文献6】国際公開2010/114828号
【特許文献7】国際公開03/011333号
【特許文献8】米国特許第6299893号明細書
【特許文献9】米国特許出願公開第2011/280978号明細書
【特許文献10】米国特許第6358917号明細書
【特許文献11】米国特許出願公開第2010/266638号明細書
【特許文献12】米国特許第7811586号明細書
【特許文献13】米国特許第7704524号明細書
【特許文献14】米国特許第7704511号明細書
【特許文献15】米国特許第7468189号明細書
【特許文献16】米国特許第7255866号明細書
【特許文献17】米国特許第7091176号明細書
【特許文献18】米国特許第6887476号明細書
【特許文献19】米国特許第6869610号明細書
【特許文献20】米国特許第6838434号明細書
【特許文献21】米国特許第6641820号明細書
【特許文献22】米国特許第6623742号明細書
【特許文献23】米国特許第6565870号明細書
【特許文献24】米国特許第6500436号明細書
【特許文献25】米国特許第6458365号明細書
【特許文献26】米国特許第6423319号明細書
【特許文献27】米国特許第6113915号明細書
【特許文献28】米国特許第6113915号明細書
【特許文献29】米国特許第6063768号明細書
【特許文献30】米国特許出願公開第2009/117211号明細書
【特許文献31】米国特許第7348034号明細書
【特許文献32】米国特許第5460832号明細書
【特許文献33】米国特許第7465460号明細書
【特許文献34】米国特許第7547819号明細書
【特許文献35】欧州特許第1180524号明細書
【特許文献36】欧州特許第2123673号明細書
【特許文献37】国際公開97/34620号
【特許文献38】国際公開2011/048443号
【非特許文献】
【0017】
【非特許文献1】Schulz,T.ら、“Hyaluronan export by the ABC transporter MRP5 and its modulation by intracellular cGMP.”,J.Biol.Chem.,(2007),282,20999−21004
【非特許文献2】Bourguignon L.Y.W.ら、“Hyaluronan−CD44 Interaction Stimulates Keratonocyte Differentiation,Lamellar Body Formation/Secretion,and Permeability Barrier Homeostasis”,Journal of Investigative Dermatology(2006),126,1356−1365
【非特許文献3】Matuoka K.ら、”A decrease in hyaluronic acid synthesis by aging human fibroblasts leading to heparan sulfate enrichment and growth reduction”,Aging(Milano),(1989),Sep 1(1):47−54
【非特許文献4】Trabucchi E.ら、“Low molecular weight hyaluronic acid prevents oxygen free radicals damage to granulation tissue during wound healing”,Int.J.Tissue React.,(2002),24(2),65−71
【非特許文献5】Stoolmillerら、“The biosynthesis of hyaluronic acid by Streptococcus”,J.Biol.Chem.,(1969),244,236−246
【非特許文献6】Rosnerら、“Hyaluronic acid and a (1−4)−beta−D−xylan,extracellular polysaccharides of Pasteurella multocida(Carter type A)strain 880”,Carbohdr.Res.,(1992),223,329−333
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明は、美容用および/または皮膚医薬用の使用のための、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌の菌株により産生されるエキソポリサッカライドに関する。驚くべきことに、本発明の発明者らは、上記のエキソポリサッカライドがヒアルロン酸合成を促進し、ニューロンエキソサイトーシスを阻害することを発見している。特に、ヒアルロン酸の刺激は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水和作用を改善し、皮膚の柔軟性を改善し、皮膚の表面を均等にする。一方で、ニューロンエキソサイトーシスの阻害は、シワ、特に表情線の予防および/または減少に有用であることがわかっている。
上記に加え、本発明は以下を提供する。
(項目1)
皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアにおける使用のための寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライド。
(項目2)
皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の老化の処置および/または予防における使用のための寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライド。
(項目3)
前記皮膚の老化の処置および/または予防が皮膚のシワの処置および/または予防である、項目2に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目4)
ヒアルロン酸合成を刺激する、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目5)
前記処置および/またはケアが、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水和作用の不足または低下の結果である障害、状態および/または疾患の処置および/またはケアである、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目6)
前記状態、障害および/または疾患が、乾燥肌、乾燥症、過角化症、反応性過角化症、手掌および足底の過角化症、鶏眼および胼胝、日光角化症、非日光角化症、アトピー性皮膚炎、接触湿疹、脂漏性皮膚炎、頭垢、乳痂、ざ瘡、酒さ、母斑、魚鱗癬、乾癬、錯角化、粃糠疹、扁平苔癬、掌蹠角皮症、唇の荒れ、クモ静脈、膣乾燥、眼球の乾燥、ドライヘア、脆弱毛および脆弱爪より形成される群から選択される、項目5に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目7)
前記処置および/またはケアが、皮膚、粘膜および/または爪の炎症の結果である状態、障害および/または疾患の処置および/またはケアである、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目8)
前記状態、障害および/または疾患が、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、過剰増殖性皮膚疾患、熱傷、日焼け、爪囲炎、膣粘膜の炎症、口腔粘膜の炎症、歯肉炎、歯周炎により形成される群から選択される、項目7に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目9)
前記処置および/またはケアが、皮膚および/または粘膜の再上皮化および/または治癒処置である、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目10)
前記処置および/またはケアが、遊離基形成の除去および/または予防の処置である、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目11)
前記皮膚の処置および/またはケアが、前記エキソポリサッカライドの局所、経皮、経口または非経口適用により行われる、項目1または2のいずれかに記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目12)
100,000〜10,000,000Daの分子量を有する、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目13)
前記分子量が、100,000〜5,000,000Daである、項目12に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目14)
最高7%までのサルフェートを有する、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目15)
リン酸化、スルホン化、アシル化、エステル化、前記エキソポリサッカライドの金属錯体の形成および/または7%を超える化学硫酸化により形成される群から選択される化学修飾を有する、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目16)
少なくとも3種の異なる中性単糖および1種の酸性単糖を含む、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目17)
前記中性単糖が、フコース、グルコースおよびN−アセチルグルコサミンである、項目16に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目18)
前記酸性単糖がグルクロン酸である、項目16に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目19)
フコース1重量%〜12重量%、グルコース10重量%〜35重量%、グルクロン酸18重量%〜40重量%およびN−アセチルグルコサミン34重量%〜56重量%の組成を示し、ただし、割合の合計が100%を超えない、項目16〜18のいずれかに記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目20)
寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの発酵を含む、項目1に記載のエキソポリサッカライドを調製する方法。
(項目21)
項目1に記載のエキソポリサッカライドの有効な美容用または皮膚医薬用の量および少なくとも1種の美容的にまたは皮膚医薬的に許容され得る賦形剤、アジュバントおよび/または成分を含む美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目22)
前記エキソポリサッカライドが、前記組成物の総重量に対して、0.00000001重量%〜20重量%を含む濃度で存在する、項目21に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目23)
前記エキソポリサッカライドが、リポソーム、混合リポソーム、オレオソーム、ニオソーム、エソソーム、ミリ粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子および固体脂質ナノ粒子、ナノ構造脂質担体、スポンジ、シクロデキストリン、小胞、ミセル、界面活性剤の混合ミセル、界面活性剤リン脂質混合ミセル、ミリスフィア、マイクロスフィアおよびナノスフィア、リポスフィア、ミリカプセル、マイクロカプセル、ナノカプセル、マイクロエマルションおよびナノエマルションにより形成される群から選択される、美容的にまたは皮膚医薬的に許容され得る送達系または徐放系に組み込まれる、項目21〜22のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目24)
前記組成物を、タルク、ベントナイト、シリカ、デンプンおよびマルトデキストリンにより形成される群から選択される固体有機ポリマーまたは固体無機支持体に吸収させることを特徴とする、項目21〜23のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目25)
前記組成物が、布地、非織布、または医療デバイスに組み込まれることを特徴とする、項目21〜23のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目26)
前記組成物が、多重エマルション、溶液、液晶、無水組成物、水性分散系、油、乳汁、バルサム、泡沫、水性または油性ローション、水性または油性ゲル、クリーム、溶液、ヒドロアルコール溶液、ヒドログリコール溶液、ヒドロゲル、糊膏、漿液、石鹸、シャンプー、コンディショナー、フェイスマスク、ヘアスプレー、漿液、ポリサッカライド膜、軟膏、ムース、ポマード、ペースト、粉末、バー、ペンシル、スプレーまたはエアロゾルにより形成される群から選択される処方物で提示される、項目21〜23のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目27)
前記組成物が、カプセル、ゼラチンカプセル、ソフトカプセル、ハードカプセル、錠剤、粉末、顆粒、チューイングガム、溶液、懸濁液、エマルション、シロップ、ポリサッカライド膜、ゼリーまたはゼラチンにより形成される群から選択される経口投与のための処方物で提示される、項目21〜23のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目28)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、ヒアルロン酸合成刺激剤、グリコサミノグリカン合成刺激剤、コラーゲン合成刺激剤、真皮または表皮の高分子の合成を刺激し、かつ/またはそれらの分解を阻害または予防することができる薬剤、エラスチン合成刺激剤、デコリン合成刺激剤、ラミニン合成刺激剤、デフェンシン合成刺激剤、シャペロン合成刺激剤、cAMP合成刺激剤、熱ショックタンパク質、HSP70合成刺激剤、熱ショックタンパク質合成刺激剤、フィブロネクチン合成刺激剤、サーチュイン合成刺激剤、サーチュイン活性化剤、脂質の合成および角質層、セラミド、脂肪酸の構成要素の合成を刺激する薬剤、コラーゲン分解を阻害する薬剤、エラスチン分解を阻害する薬剤、セリンプロテアーゼを阻害する薬剤、線維芽細胞増殖を刺激する薬剤、角化細胞増殖を刺激する薬剤、脂肪細胞増殖を刺激する薬剤、メラニン細胞増殖を刺激する薬剤、角化細胞分化を刺激する薬剤、アセチルコリンエステラーゼを阻害する薬剤、皮膚弛緩剤、AQP−3を調節する薬剤、アクアポリン合成を調節する薬剤、アクアポリンファミリー由来のタンパク質、PGC−1α合成を調節する薬剤、PPARγ活性を調節する薬剤、脂肪細胞のトリグリセリド含量を増加または減少させる薬剤、脂肪細胞分化を刺激もしくは遅延させる薬剤、脂肪分解剤または脂肪分解を刺激する薬剤、抗セルライト剤、脂肪生成剤、アセチルコリン受容体集団化を阻害する薬剤、筋収縮阻害剤、ニューロンエキソサイトーシスの阻害剤、抗シワおよび/または老化防止剤、抗コリン剤、エラスターゼ阻害剤、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、メラニン合成刺激剤または阻害剤、美白剤または色素脱失剤、色素促進剤、セルフタンニング剤、NO−合成阻害剤、5α−還元酵素阻害剤、リシルおよび/またはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、抗酸化剤、遊離基捕捉剤および/または大気汚染に対抗する薬剤、反応性カルボニルまたは酸素種捕捉剤、抗糖化剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、駆虫剤、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶剤、液体プロペラント、スキンコンディショナー、保湿剤、水分を保持する物質、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、湿潤剤、表皮加水分解酵素、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、色素または着色剤、染料、バイオポリマー、ゲル化ポリマー、増粘剤、界面活性剤、軟化剤、乳化剤、結合剤、防腐剤、目の下のクマを減少または処置することができる薬剤、剥離剤、角質剥離剤、角質溶解剤、抗菌剤、抗真菌剤、静真菌剤、殺菌剤、静菌剤、抗過角化剤、面皰分解剤、抗乾癬剤、抗皮膚炎剤、抗湿疹剤、DNA修復剤、DNA保護剤、安定化剤、抗そう痒剤、敏感肌の処置および/またはケアのための薬剤、安定剤、再密度化剤、再構築化剤、抗皮膚線条剤、結合剤、皮脂生成を調節する薬剤、美容用防臭剤および/または体臭吸収剤および/または体臭マスキング剤および/または制汗剤、香りがする物質および/または香油、治癒を刺激する薬剤、コアジュバント治癒剤、再上皮化を刺激する薬剤、コアジュバント再上皮化剤、サイトカイン増殖因子、沈静剤、抗炎症剤および/または鎮痛剤、麻酔剤、PAR−2活性阻害剤、毛細血管循環および/または微小循環に作用する薬剤、血管新生を刺激する薬剤、血管透過性を阻害する薬剤、静脈緊張剤、細胞代謝に作用する薬剤、真皮−表皮結合を改善する薬剤、発毛を誘発する薬剤、発毛阻害剤または抑制剤、香料、キレート化剤、植物抽出物、精油、海洋抽出物、バイオ発酵プロセスから得られた薬剤、無機塩、細胞抽出物、紫外線Aおよび/またはB光線に対して活性な日焼け止剤および有機もしくは無機光防護剤またはそれらの混合物により形成される群から選択される、項目21〜27のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目29)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、合成由来であり、または植物抽出物であり、あるいはバイオテクノロジープロセス、または合成手法およびバイオテクノロジープロセスの組み合わせに由来する、項目28に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目30)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、抗シワ剤および/または老化防止剤により形成される群から選択される、項目28〜29のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目31)
前記抗シワ剤および/または老化防止剤が、アセチルヘキサペプチド−8、アセチルヘプタペプチド−4、アセチルオクタペプチド−3、ペンタペプチド−18、アセチルヘキサペプチド−30、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物およびトリペプチド−1の混合物、ジアミノプロピオノイルトリペプチド−33、トリペプチド−10シトルリン、シュードアルテロモナス発酵抽出物、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−10シトルリンおよびトリペプチド−1の混合物、アセチルテトラペプチド−5、アセチルトリペプチド−30シトルリン、アセチルアルギニルトリプトフィルジフェニルグリシン、アセチルテトラペプチド−22、ジメチルメトキシクロマノール、パルミチン酸ジメチルメトキシクロマニル、シュードアルテロモナス発酵抽出物、リジンHCl、レシチンおよびトリペプチド−9シトルリンの混合物、リジンHCl、レシチンおよびトリペプチド−10シトルリンの混合物、アセチルヘキサペプチド−37、アセチルヘキサペプチド−38またはアセチルヘキサペプチド−46およびダイズ油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピルを含むダイズタンパク質加水分解物、ならびにアセチルヘキサペプチド−39の混合物により形成される群から選択される、項目30に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目32)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、保湿剤または水分を保持する物質、湿潤剤または皮膚軟化剤により形成される群から選択される、項目28〜29のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目33)
前記保湿剤または水分を保持する物質、湿潤剤または皮膚軟化剤が、シュードアルテロモナス発酵抽出物、アミノヘキサン酸アセチルジペプチド−3、アセチルヘキサペプチド−37またはグリセリン、シュードアルテロモナス発酵抽出物、キサンタンガム、プロリン、アラニン、セリン、エチルヘキシルグリセリンおよびカプリリルグリコールの混合物により形成される群から選択される、項目32に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目34)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、治癒および/または再上皮化を刺激する薬剤およびコアジュバント治癒および/または再上皮化剤により形成される群から選択される、項目28〜29のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目35)
前記治癒および/または再上皮化を刺激する薬剤あるいはコアジュバント治癒剤および/または再上皮化剤が、シュードアルテロモナス発酵抽出物、アミノヘキサン酸アセチルジペプチド−3、トリペプチド−10シトルリン、シュードアルテロモナス発酵抽出物、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−10シトルリンおよびトリペプチド−1の混合物、グリセリン、シュードアルテロモナス発酵抽出物、キサンタンガム、プロリン、アラニン、セリン、エチルヘキシルグリセリンおよびカプリリルグリコールの混合物、ヘキサペプチド−10またはアセチルテトラペプチド−22により形成される群から選択される、項目34に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目36)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、安定剤および/または再密度化剤および/または再構築化剤より形成される群から選択される、項目28〜29のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目37)
前記安定剤および/または再密度化剤および/または再構築化剤が、ヘキサペプチド−10、シュードアルテロモナス発酵抽出物、アセチルヘキサペプチド−38、トリペプチド−10シトルリン、シュードアルテロモナス発酵抽出物、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−10シトルリンおよびトリペプチド−1の混合物ならびにダイズ油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピルを含むダイズタンパク質加水分解物およびアセチルヘキサペプチド−39の混合物により形成される群から選択される、項目36に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目38)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、真皮または表皮の高分子の合成を刺激する薬剤により形成される群から選択される、項目28〜29のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目39)
真皮または表皮の高分子の合成を刺激する前記薬剤が、アセチルアルギニルトリプトフィルジフェニルグリシン、シュードアルテロモナス発酵抽出物、トリペプチド−10シトルリン、ヘキサペプチド−10、植物タンパク質加水分解物、アセチルトリペプチド−30シトルリン、アセチルテトラペプチド−22、アセチルヘキサペプチド−37、アセチルヘキサペプチド−38、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物およびトリペプチド−1の混合物ならびにダイズ油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピルを含むダイズタンパク質加水分解物およびアセチルヘキサペプチド−39の混合物である、項目36に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目40)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤により形成される群から選択される、項目28〜29のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目41)
前記マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤が、植物タンパク質加水分解物またはアセチルトリペプチド−30シトルリンにより形成される群から選択される、項目40に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目42)
前記賦形剤、アジュバントおよび/または成分が、遊離基捕捉剤および/または大気汚染に対抗する薬剤、反応性カルボニルまたは酸素種捕捉剤および/または抗糖化剤により形成される群から選択される、項目28〜29のいずれかに記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目43)
前記遊離基捕捉剤および/または大気汚染に対抗する薬剤、反応性カルボニルあるいは酸素種捕捉剤および/または抗糖化剤が、トリペプチド−1、ジメチルメトキシクロマノール、ジアミノプロピオノイルトリペプチド−33、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物およびトリペプチド−1の混合物、リジンHCl、レシチンおよびトリペプチド−9シトルリンの混合物、リジンHCl、レシチンおよびトリペプチド−10シトルリンの混合物により形成される群から選択される、項目42に記載の美容用または皮膚医薬用組成物。
(項目44)
前記皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアが、ニューロンエキソサイトーシスを阻害する、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目45)
前記皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアが、皮膚、粘膜および/または爪の疼痛の処置および/または予防である、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目46)
前記皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアが、皮膚、粘膜および/または爪のそう痒の処置および/または予防である、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目47)
前記皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアが、多汗症の処置および/または予防である、項目1に記載の使用のためのエキソポリサッカライド。
(項目48)
前記発汗の処置および/または予防、胼胝または疣贅により形成される群から選択される皮膚の障害の処置および/またはケア、発毛を刺激する処置および/または脱毛の予防における使用のための寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライド。
【発明を実施するための形態】
【0019】
定義
本発明の理解を容易にするため、本発明の文脈内で使用されるいくつかの用語および表現の意味を挙げる。
【0020】
本発明の文脈において、「皮膚」は、最表層または角質層から最深層または皮下組織の両方を含む層群であると理解される。これらの層は、異なる種類の細胞、例えば、とりわけ角化細胞、線維芽細胞、メラニン細胞および/または脂肪細胞からなる。本発明の文脈において、用語「皮膚」は頭皮を含む。
【0021】
本発明の文脈において、「皮膚、粘膜、毛髪および/または爪のケア」は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の障害および/または疾患の予防を含む。
【0022】
本発明の文脈において、用語「老化」は年齢とともに(経年的老化)、あるいは太陽(光老化)または環境物質(例えば、タバコの煙、寒気、熱、または風の極端な気候条件、化学混入物質または汚染物質)に暴露されることにより、皮膚が経験する変化を指し、感触、例えば、限定されないが、とりわけ皮膚の切れ目の進行(例えば、とりわけシワ、小ジワ、溝、凹凸もしくは粗さ、孔径の増加、弾性の減少、堅さの減少、滑らかさの減少、変形からの回復力の減少、頬の弛みなどの皮膚の弛み、目の下のクマの外観または二重あごの外観)、皮膚の色の変化(例えば、とりわけ痕、発赤、目の下のクマまたは色素過剰領域の外観(例えば、シミもしくはそばかす))、異常な分化、過角化、弾性線維症、角化症、脱毛、オレンジピールスキン、コラーゲン構造の減少ならびに角質層、真皮、表皮、血管系(例えば、クモ状静脈の外観または毛細血管拡張症)の、または皮膚に近いこのような組織の他の組織学的変化による外見上の視覚および/または知覚的変化全てを含む。用語「光老化」は、皮膚の早老を生じ、老化と同じ物理的特徴、例えば、限定されないが弛緩症、弛み、色の変化または色素の不均一さ、異常および/または過剰な角化を示す、紫外線の皮膚への長期暴露による過程の集合を集約する。
【0023】
本発明のエキソポリサッカライドを産生する株を、2010年2月17日にブダペスト条約に従い、「Collection Nationale de Culture de Microorganismes」[National Microorganism Culture Collection](CNCM),Institut Pasteur,28 rue du Docteur Roux,75724 Paris,FranceにおいてコードCNCM I−4277で寄託した。
【0024】
したがって、本発明の第1の態様は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアにおける使用のための寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドに関する。
【0025】
具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは老化の処置および/または予防であり、好ましくは、皮膚のシワの処置および/または予防であり、より好ましくは、皮膚のシワを伸ばす処置または表情シワの処置および/または予防である。
【0026】
具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、ヒアルロン酸合成を刺激する。
【0027】
具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、ニューロンエキソサイトーシスを阻害する。
【0028】
別の具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水和作用の不足または低下の結果である状態、障害および/または疾患の処置および/またはケアである。好ましくは、状態、障害および/または疾患は、乾燥肌、乾燥症、過角化症、反応性過角化症、手掌および足底の過角化症、鶏眼または胼胝、日光角化症、非日光角化症、アトピー性皮膚炎、接触湿疹、脂漏性皮膚炎、頭垢、乳痂、ざ瘡、酒さ、母斑、魚鱗癬、乾癬、錯角化、粃糠疹、扁平苔癬、掌蹠角皮症、唇の荒れ、クモ静脈、膣乾燥、眼球の乾燥、ドライヘア、脆弱毛および脆弱爪により形成される群から選択される。
【0029】
別の具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、皮膚、粘膜および/または爪の炎症の結果である状態、障害および/または疾患の処置および/またはケアである。好ましくは、状態、障害および/または疾患は、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、過剰増殖性皮膚疾患、熱傷、日焼け、爪囲炎、膣粘膜の炎症、口腔粘膜の炎症、歯肉炎、歯周炎により形成される群から選択される。
【0030】
別の具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、皮膚および/または粘膜の再上皮化および/または治癒の処置である。
【0031】
別の具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、皮膚、粘膜および/または爪の疼痛の処置および/または予防である。好ましくは、疼痛は、状態、疾患および/または障害、例えば、限定されないが、とりわけ感触に対する感受性、寒冷に対する感受性、熱に対する感受性、皮膚刺激、除毛後の皮膚刺激、剃毛後の皮膚刺激、乾癬、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、扁平苔癬、熱傷、日焼け、関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、過敏症、外科手術後、高強度パルス光(IPL)処置後、単色パルス光(レーザー)処置後、化学角質剥離剤処置後、あるいは外用侵襲剤(external aggressive agent)の過剰曝露後の皮膚疼痛または刺激と関連した疼痛から選択される。
【0032】
別の具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、皮膚、粘膜および/または爪のそう痒の処置および/または予防である。好ましくは、そう痒は、状態、疾患および/または障害、例えば、限定されないが、とりわけ皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、疱疹性皮膚炎、光線皮膚症、感光性、妊娠関連皮膚炎、更年期関連皮膚炎、湿疹、敏感肌、乾癬、水痘、ヘルペス、帯状疱疹、ネザートン症候群、皮膚剥離症候群、扁平苔癬、ざ瘡、頭垢、脂漏症、脂漏性皮膚炎、脱毛症、水虫、カンジダ症、痔核、膣そう痒、肛囲そう痒、肛門生殖器そう痒、日焼け、蕁麻疹、そう痒性耳炎、目の痒み、老年性そう痒、水原性そう痒症、結節性痒疹、扁平性痒疹、バラ色粃糠疹、乾燥症および乾燥肌、アレルギー反応、薬物アレルギー、食物アレルギー、化学物質アレルギー、有毒植物への暴露および昆虫咬傷への暴露と関連するそう痒から選択される。
【0033】
具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、多汗症の処置および/または予防である。
【0034】
別の具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、遊離基形成の除去および/または予防の処置である。
【0035】
具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、発汗の処置および/または予防、胼胝または疣贅により形成される群から選択される皮膚の障害の処置および/またはケア、発毛を刺激する処置および/または脱毛の予防である。
【0036】
好ましくは、多汗症または発汗の処置および/または予防は、腋窩、顔面、生殖器、手掌または足底の多汗症または発汗の処置および/または予防である。
【0037】
別の具体的な実施形態において、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアは、局所または経皮適用により行われる。
【0038】
別の具体的な実施形態において、エキソポリサッカライドは、従来法で撹拌および通気させた適切な培養培地において、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌の菌株の発酵により得ることができる。本発明のエキソポリサッカライドを産生する発酵は、20℃から37℃、好ましくは29℃の温度で撹拌および通気させた培地で行われ得、この培地は、pH6.5〜9、好ましくはpH7.5前後を有し、必要な場合発酵中に調節する。発酵時間は30〜120時間、好ましくは48〜96時間である。
【0039】
具体的な実施形態において、本発明の外因性糖のビブリオ菌の菌株の発酵において、例えば、限定されないが、ガラクトース、グルコース、マンノース、アミグダリン、セロビオース、マルトース、デンプン、グリコーゲン、ラクトース、それらの混合物および/またはこれらの糖類の混合物を含有する抽出物を炭素源として使用することができる。特に、2〜40g/Lおよび好ましくは15〜25g/Lのグルコースの外因性供給が提供される。糖を組み込み、異なるポリサッカライドを生成する方法は、従来技術、例えば、限定されないが、文献:WO98/38327号および“Vibrio diabolicus sp.nov.,a new polysaccharide−secreting organism isolated from a deep−sea hydrothermal vent polychaete annelid,Alvinella pompejana”Raguenesら、Int.J.Syst.Bact.,(1997),47,989−995に記載されている。
【0040】
別の具体的な実施形態において、無機塩も寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株の発酵培養に用いられる。例えば、限定されないが、無機塩は、イオンNa、K、NH、Ca2+、Mg2+、PO3−、SO2−、Cl、CO2−またはCu、Mn、FeおよびZnなどの必須微量元素を含む塩から選択される。
【0041】
別の具体的な実施形態において、エキソポリサッカライドの単離および精製の方法は、当業者に公知の方法、例えば遠心分離、ろ過、限外ろ過および透析により行われる。好ましくは、限外ろ過および透析は、100,000Daより大きい分子量の分子を保持するポリエーテルスルホン膜を用いて行われる。
【0042】
別の具体的な実施形態において、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されるエキソポリサッカライドは、任意の化学修飾を媒介することなく、最高7%までのサルフェート、より好ましくは最高5%までのサルフェートの天然の硫酸化物を示す。
【0043】
別の具体的な実施形態において、本発明は、天然のエキソポリサッカライドならびに当業者に公知の任意の化学修飾、例えば、リン酸化、スルホン化、例えばアセチル、ピルボイル、プロピオニル、スクシニル、ラクトイルまたは3−ヒドロキシブチル基でのアシル化、例えばグリセリルでのエステル化、エキソポリサッカライドおよび/または7%より多くの化学硫酸化物の金属錯体の形成に関する。
【0044】
ポリサッカライドの分子量は、100,000〜10,000,000Daおよびより好ましくは100,000〜5,000,000Daからなる。具体的な実施形態において、ラジカル脱重合が行われ、分子量は100,000〜1,000,000Daである。脱重合法は従来技術において公知であり、例えば、限定されないが、[Volpiら、“Low molecular weight heparins(5kDa) and oligoheparins(2kDa)produced by gel permeation enrichment or radical process:Comparison of structures and physicochemical and biological properties.”,Anal.Biochem.,(1992),200,100−107]に記載されるものである。
【0045】
好ましい実施形態において、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されるエキソポリサッカライドは、少なくとも3種の異なる中性単糖および1種の酸性単糖が存在することを特徴とする。中性単糖は、好ましくはフコース、グルコースおよびN−アセチルグルコサミンである。単糖酸は、好ましくはグルクロン酸である。より好ましくは、本発明のエキソポリサッカライドは、フコース1重量%〜12重量%、グルコース10重量%〜35重量%、グルクロン酸18重量%〜40重量%およびN−アセチルグルコサミン34重量%〜56重量%の組成を示し、ただし、割合の合計は100%を超えない。さらに好ましくは、エキソポリサッカライドは、フコース2重量%〜10重量%、グルコース14重量%〜30重量%、グルクロン酸22重量%〜35重量%およびN−アセチルグルコサミン38重量%〜52重量%の組成を示す。さらにより好ましくは、エキソポリサッカライドは、フコース3重量%〜8重量%、グルコース18重量%〜22重量%、グルクロン酸27重量%〜30重量%およびN−アセチルグルコサミン45重量%〜49重量%の組成を示す。
【0046】
本発明の第2の態様は、美容的にまたは皮膚医薬的に有効な量の本発明のエキソポリサッカライドならびに少なくとも1種の賦形剤、アジュバントおよび/または美容的におよび/または皮膚医薬的に許容され得る成分を含むことを特徴する美容用または皮膚医薬用組成物に関する。上記の組成物を当業者に公知の従来の方法により調製することができる[“Harry’s Cosmeticology”,Seventh edition,(1982),Wilkinson J.B.,Moore R.J.,ed.Longman House,Essex,GB]。
【0047】
投与される本発明のエキソポリサッカライドの美容的にまたは皮膚医薬的に有効な量ならびにその用量は、多数の要因、例えば年齢、患者の状態、状態の性質または重症度、処置および/またはケアされる障害または疾患、投与経路および頻度、特に使用されるエキソポリサッカライドの性質に依存する。
【0048】
「美容的にまたは皮膚医薬的に有効な量」は、所望の効果をもたらすエキソポリサッカライドの非毒性であるが、十分な量であると理解される。本発明のエキソポリサッカライドは、好ましくは組成物の総重量に対して0.00000001%(重量基準)〜20%(重量基準)、好ましくは0.000001%(重量基準)〜15%(重量基準)、より好ましくは0.0001%(重量基準)〜10%(重量基準)およびさらにより好ましくは0.0001%(重量基準)〜5%(重量基準)使用される。
【0049】
具体的な実施形態において、本発明のエキソポリサッカライドはまた、美容的および/または皮膚医薬的送達系および/または徐放系に組み込まれ得る。
【0050】
用語「送達系」は、美容的におよび/または皮膚医薬的に許容され得る担体、例えば本発明のエキソポリサッカライドとともに投与される希釈剤、アジュバント、賦形剤、ベヒクルまたは添加剤に関する。これらの送達系は、従来技術において周知であり、例えば、官能特性、皮膚の浸透性および活性成分のバイオアベイラビリティに関する限定的な処方物を改善するために使用され得る。これらの美容的および/または皮膚医薬的ベヒクルは、液体、例えば水、油または界面活性剤、例えば、石油、動物、植物または合成由来のもの(例えば、限定されないが、ピーナッツ油、ダイズ油、鉱物油、ゴマ油、ヒマシ油、ポリソルベート、ソルビタンエステル、エーテルサルフェート、サルフェート、ベタイン、グリコシド、マルトシド、脂肪族アルコール、ノノキシノール、ポロキサマー、ポリオキシエチレン、ポリエチレングリコール、デキストロース、グリセロール、ジギトニンなど)であり得る。当業者であれば、エキソポリサッカライドを投与する様々な送達系に使用され得る希釈剤、アジュバント、賦形剤または添加剤を知っている。
【0051】
用語「徐放」は、ある期間中に、好ましくは、必ずしもではないが期間中にわたり相対的に一定の化合物放出レベルで本化合物を徐々に放出する化合物の送達系に関する慣用的な意味で使用される。
【0052】
送達系または徐放系の例は、リポソーム、混合リポソーム、オレオソーム、ニオソーム、エソソーム、ミリ粒子、マイクロ粒子、ナノ粒子および固体脂質ナノ粒子、ナノ構造脂質担体、スポンジ、シクロデキストリン、小胞、ミセル、界面活性剤の混合ミセル、界面活性剤リン脂質混合ミセル、ミリスフィア、マイクロスフィアおよびナノスフィア、リポスフィア、ミリカプセル、マイクロカプセルおよびナノカプセル、ならびにマイクロエマルションおよびナノエマルションであり、これらを添加し、本発明のエキソポリサッカライドの透過性を高めることができる。好ましい送達系または徐放系は、リポソーム、界面活性剤リン脂質混合ミセルおよびマイクロエマルション、より好ましくは内部反転ミセル構造を有する油中水型マイクロエマルションおよびマイクロエマルションを含有するナノカプセルである。
【0053】
徐放系を従来技術で公知の方法により調製することができ、それらを含有する組成物を、例えば局所または経皮的投与、例えば、粘着パッチ、非粘着パッチ、密封パッチおよび微細電気パッチ(microelectric patch)により投与することができ、好ましくは相対的に一定量の本発明のエキソポリサッカライドを放出するものとする。徐放系に含有されるエキソポリサッカライドの量は、例えば、組成物を投与する場所、本発明のエキソポリサッカライドの放出の動態および期間、ならびに処置および/またはケアされる状態、障害および/または疾患の性質に依存するだろう。
【0054】
本発明のエキソポリサッカライドを含有する組成物はまた、固体有機ポリマーまたは固体無機支持体、例えば、限定されないが、とりわけタルク、ベントナイト、シリカ、デンプンまたはマルトデキストリンに吸着させることができる。
【0055】
本発明のエキソポリサッカライドを含有する組成物はまた、皮膚に直接接触する布地、非織布、または医療デバイスに組み込むことができるため、布地、非織布、または医療デバイスに結合する系の生分解により、または布地、非織布、または医療デバイスと身体との摩擦により、あるいは身体の水分、皮膚のpHもしくは体温によるいずれかで本発明のエキソポリサッカライドを放出することができる。さらに、本発明のエキソポリサッカライドを、身体と直接接触する衣料品の製造において使用される布地および非織布に組み込むことができる。
【0056】
布地、非織布、衣料品、医療デバイスおよびこれらにエキソポリサッカライドを固定する手段の例の中には、上記の送達系および/または徐放系があり、文献に見つけることができ、従来技術において公知である(Schaab C.K.1986“Impregnating Fabrics With Microcapsules”,HAPPI May 1986;Nelson[Schaab C.K.1986“Impregnating Fabrics With Microcapsules”,HAPPI May 1986;Nelson G.Int.J.Pharm.2002,242:55−62;Hipler U.C.y Elsner P.2006,“Biofunctional Textiles and the Skin”,Curr.Probl.Dermatol.v.33,.,eds.S.Karger AG,Basel,Switzerland;Malcom R.K.ら、J.Cont.Release,2004,97:313−320]。好ましい布地、非織布、衣料品および医療デバイスは、包帯、ガーゼ、Tシャツ、靴下、タイツ、肌着、ガードル、手袋、おむつ、生理用ナプキン、手当用品(dressing)、ベッドカバー、ワイプ、粘着パッチ、非粘着パッチ、密封パッチ、微細電気パッチおよび/またはフェイスマスクである。
【0057】
本発明のエキソポリサッカライドを含有する美容用組成物または皮膚医薬用組成物を、場合により、所望の投与形態を処方するために必要な美容的におよび/または皮膚医薬的に許容され得る賦形剤を含む、異なる種類の局所または経皮適用の組成物に使用することができる。
【0058】
局所または経皮適用の組成物は、任意の固体、液体または半固体処方物で生成され得る。したがって、これらの局所または経皮適用の組成物は、例えば、限定されないが、多重エマルション(例えば、限定されないが、水中油型および/または水中シリコーン型エマルション、油中水型および/またはシリコーン型エマルション、水/油/水または水/シリコーン/水型エマルションならびに油/水/油またはシリコーン/水/シリコーン型エマルション)、マイクロエマルション、液晶、無水組成物、水性分散液、油、乳汁、バルサム、泡沫、水性または油性ローション、水性または油性ゲル、クリーム、溶液、ヒドロアルコール溶液、ヒドログリコール溶液(hydroglycolic solutions)、ヒドロゲル、糊膏、漿液、石鹸、シャンプー、コンディショナー、フェイスマスク、ヘアスプレー、漿液、ポリサッカライド膜、軟膏、ムース、ポマード、ペースト、粉末、バー、ペンシルおよびスプレーあるいはエアロゾル(スプレー)であり、洗い流さない処方物および洗い流す処方物を含む。これらの処方物を皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の局所の領域に局所的にまたは経皮的に適用し、当業者に公知の技法を使用し、様々な種類の固体装身具、例えば、限定されないが、とりわけ包帯、ガーゼ、Tシャツ、靴下、タイツ、肌着、ガードル、手袋、おむつ、生理用ナプキン、手当用品、ベッドカバー、フランネル、粘着パッチ、非粘着パッチ、密封パッチ、微細電気パッチおよび/またはフェイスマスクに組み込むことができ、またはこれらを様々なメーキャップ製品、例えば、メーキャップファンデーション(例えば、フルイドファンデーションおよびコンパクトファンデーション)、メーキャップリムーバルローション、メーキャップリムーバル乳液、くま用コンシーラー、アイシャドウ、口紅、リッププロテクター、リップグロスおよびパウダーに組み込むことができる。
【0059】
本発明の美容用または皮膚医薬用組成物は、本発明のエキソポリサッカライドの経皮吸収を増大させる薬剤、例えば、限定されないが、とりわけジメチルスルホキシド、ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミド、界面活性剤、アゾン(1−ドデシルアザシクロヘプタン−2−オン)、アルコール、尿素、エトキシジグリコール、アセトン、プロピレングリコールまたはポリエチレングリコールを含むことができる。さらに、本発明の美容用または皮膚医薬用組成物を、処置される局所の領域にイオン泳動、ソノフォレーシス、電気穿孔法、微細電気パッチ、機械式圧力、浸透圧勾配、密封療法、圧よる微量注入または無針注射、例えば、酸素圧による注射またはそれらの任意の組み合わせにより適用し、本発明のエキソポリサッカライドの透過性を高めることができる。適用領域は、処置および/またはケアされる状態、障害および/または疾患の性質により決定される。
【0060】
本発明に記載される美容的にまたは皮膚医薬的に許容され得る組成物に含有される美容的にまたは皮膚医薬的に許容され得る賦形剤、アジュバントおよび/または成分のうち、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアのための組成物に通常使用される追加の成分、例えば、限定されないが、とりわけ他のヒアルロン酸合成刺激剤、グリコサミノグリカン合成刺激剤、コラーゲン合成刺激剤、真皮または表皮の高分子の合成を刺激し、かつ/またはそれらの分解を阻害もしくは予防することができる薬剤、エラスチン合成刺激剤、デコリン合成刺激剤、ラミニン合成刺激剤、デフェンシン合成刺激剤、シャペロン合成刺激剤、cAMP合成刺激剤、熱ショックタンパク質、HSP70合成刺激剤、熱ショックタンパク質合成刺激剤、フィブロネクチン合成刺激剤、サーチュイン合成刺激剤、サーチュイン活性化剤、脂質の合成および角質層、セラミド、脂肪酸の構成要素の合成を刺激する薬剤、コラーゲン分解を阻害する薬剤、エラスチン分解を阻害する薬剤、セリンプロテアーゼ、例えば、カリクレイン、白血球エラスターゼ、カテプシンGを阻害する薬剤、線維芽細胞増殖を刺激する薬剤、角化細胞増殖を刺激する薬剤、脂肪細胞増殖を刺激する薬剤、メラニン細胞増殖を刺激する薬剤、角化細胞分化を刺激する薬剤、アセチルコリンエステラーゼを阻害する薬剤、皮膚弛緩剤、AQP−3を調節する薬剤、アクアポリン合成を調節する薬剤、アクアポリンファミリー由来のタンパク質、PGC−1α合成を調節する薬剤、PPARγ活性を調節する薬剤、脂肪細胞のトリグリセリド含量を増加または減少させる薬剤、脂肪細胞分化脂肪分解剤を刺激もしくは遅延させる薬剤または脂肪分解を刺激する薬剤、抗セルライト剤、脂肪生成剤、アセチルコリン受容体集団化を阻害する薬剤、筋収縮阻害剤、ニューロンエキソサイトーシスの阻害剤、抗シワ剤および/または老化防止剤、抗コリン剤、エラスターゼ阻害剤、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害剤、メラニン合成刺激剤または阻害剤、美白剤または色素脱失剤、色素促進剤(propigmenting agent)、セルフタンニング剤、NO−合成阻害剤、5α−還元酵素阻害剤、リシルおよび/またはプロリルヒドロキシラーゼ阻害剤、抗酸化剤、遊離基捕捉剤および/または大気汚染に対抗する薬剤、反応性カルボニルまたは酸素種捕捉剤、抗糖化剤、抗ヒスタミン剤、抗ウイルス剤、駆虫剤、乳化剤、皮膚軟化剤、有機溶剤、液体プロペラント、スキンコンディショナー、例えば保湿剤、水分を保持する物質、アルファヒドロキシ酸、ベータヒドロキシ酸、湿潤剤、表皮加水分解酵素、ビタミン、アミノ酸、タンパク質、色素または着色剤、染料、バイオポリマー、ゲル化ポリマー、増粘剤、界面活性剤、軟化剤、乳化剤、結合剤、防腐剤、目の下のクマを減少または処置することができる薬剤、剥離剤、角質剥離剤、角質溶解剤、抗菌剤、抗真菌剤、静真菌剤、殺菌剤、静菌剤、抗過角化剤、面皰分解剤、抗乾癬剤、抗皮膚炎剤、抗湿疹剤、DNA修復剤、DNA保護剤、安定化剤、抗そう痒剤、敏感肌の処置および/またはケアのための薬剤、安定剤、再密度化剤(redensifying agent)、再構築化剤(restructuring agent)、抗皮膚線条剤、結合剤、皮脂生成を調節する薬剤、美容用防臭剤および/または体臭吸収剤および/または体臭マスキング剤および/または制汗剤、香りがする物質および/または香油、治癒を刺激する薬剤、コアジュバント治癒剤、再上皮化を刺激する薬剤、コアジュバント再上皮化剤、サイトカイン増殖因子、沈静剤、抗炎症剤および/または鎮痛剤、麻酔剤、PAR−2活性阻害剤、毛細血管循環および/または微小循環に作用する薬剤、血管新生を刺激する薬剤、血管透過性を阻害する薬剤、静脈緊張剤(venotonic agents)、細胞代謝に作用する薬剤、真皮−表皮結合を改善する薬剤、発毛を誘発する薬剤、発毛阻害または抑制剤、香料、キレート化剤、植物抽出物、精油、海洋抽出物、バイオ発酵プロセスから得られた薬剤、無機塩、細胞抽出物、紫外線Aおよび/またはB光線に対して活性な日焼け止剤および有機もしくは無機光防護剤あるいはそれらの混合物があり、ただし、これらは組成物の構成要素の残りと物理的および化学的に相溶性があり、特に本発明の組成物に含有されるエキソポリサッカライドに相溶性があるものとする。さらに、これらの追加の成分の性質は、本発明のエキソポリサッカライドの利点を許容しがたい程度に変更しないものとする。上記の追加の成分の性質は、合成または天然由来、例えば植物抽出物であり、バイオテクノロジープロセス、または合成手法およびバイオテクノロジープロセスの組み合わせに由来する。追加の例は、CTFA International Cosmetic Ingredient Dictionary&Handbook,12th Edition(2008)の記載に見つけることができる。本発明の文脈において、バイオテクノロジープロセスは、生物またはその一部において、活性成分、またはその一部を生成する任意のプロセスであると理解される。
【0061】
具体的な実施形態において、水分、湿潤剤または皮膚軟化剤を保持する保湿剤または物質は、例えば、限定されないが、とりわけポリオールおよびポリエーテル、例えばグリセリン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール、ペンチレングリコール、ブチレングリコール、プロピレングリコールおよびその誘導体、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、グリセレス−26、ソルベス−30;パンテノール;ピログルタミン酸およびその塩ならびにその誘導体;アミノ酸、例えばセリン、プロリン、アラニン、グルタミン酸またはアルギニン酸;エクトインおよびその誘導体;N−(2−ヒドロキシエチル)アセトアミド;ピロリドンカルボン酸(PCA);N−ラウロイル−ピロリドンカルボン酸;N−ラウロイル−L−リジン;N−アルファ−ベンゾイル−L−アルギニン;尿素;クレアチン;アルファおよびベータ−ヒドロキシ酸、例えば乳酸、グリコール酸、リンゴ酸、クエン酸、酒石酸またはサリチル酸、およびこれらの塩;ポリグリセリルアクリレート;糖およびポリサッカライド、例えば、グルコース、異性化糖、ソルビトール、ペンタエリスリトール、イノシトール、キシリトール、ソルビトール、トレハロースおよびその誘導体、グルクロン酸ナトリウム、カラゲネート(Chondrus crispus)またはキトサン;グリコサミノグリカン、例えばヒアルロン酸およびその誘導体;任意の形態のアロエベラ(Aloe vera);ハチミツ、可溶性コラーゲン;レシチンおよびホスファチジルコリン;セラミド;コレステロールおよびそのエステル;トコフェロールおよびそのエステル、例えば酢酸トコフェリルまたはリノール酸トコフェリル;長鎖アルコール、例えばセテアリルアルコール、ステアリルアルコール、セチルアルコール、オレイルアルコール、イソセチルアルコールまたはオクタデカン−2−オール;長鎖アルコールエステル、例えば乳酸ラウリル、乳酸ミリスチルまたはC12−C15アルキルベンゾアート;脂肪酸、例えばステアリン酸、イソステアリン酸またはパルミチン酸;多価不飽和脂肪酸(PUFA);ソルビタン、例えばジステアリン酸ソルビタン;グリセリド、例えばモノリシノール酸グリセリル、モノステアリン酸グリセリル、クエン酸ステアリン酸グリセリルまたはカプリル酸およびカプリン酸トリグリセリド;サッカロースエステル、例えばパルミチン酸サッカロースまたはオレイン酸サッカロース;ブチレングリコールエステル、例えばジカプリレートおよびジカプリレート;脂肪酸、例えばイソステアリン酸イソプロピル、パルミチン酸イソブチル、ステアリン酸イソセチル、ラウリン酸イソプロピル、ラウリン酸ヘキシル、オレイン酸デシル、パルミチン酸セチル、セバシン酸ジ−n−ブチル、ミリスチン酸イソプロピル、パルミチン酸イソプロピル、ステアリン酸イソプロピル、ステアリン酸ブチル、ミリスチン酸ブチル、リノール酸イソプロピル、パルミチン酸2−エチルヘキシル、2−エチルヘキシルココエート、オレイン酸デシル、ミリスチン酸ミリスチル;スクアラン、スクアレン;ミンクオイル;ラノリンおよびその誘導体;アセチル化ラノリンアルコール;シリコン誘導体(silicon derivative)、例えばシクロメチコーン、ジメチコーンまたはジメチルポリシロキサン;Antarcticine(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物]、Xpertmoist(商標)[INCI:グリセリン、シュードアルテロモナス発酵抽出物、キサンタンガム、プロリン、アラニン、セリン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール]、Bodyfensine(商標)[INCI:アミノヘキサン酸アセチルジペプチド−3]、Diffuporine(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−37]またはHyadisine(商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物](Lipotecより市販);ワセリン;鉱物油;鉱蝋および合成蝋;蜜蝋(cera alba);パラフィン;または植物由来の蝋および油、例えばカンデリラ蝋(Euphorbia cerifera)、カルナウバ蝋(Copernicia cerifera)、シアバター(Butirospermum parkii)、ココアバター(Theobroma cacao)、ヒマシ油(Ricinus communis)、ヒマワリ油(Helianthus annuus)、オリーブ油(Olea europaea)、ココナッツ油(Cocos nucifera)、パーム油(Elaeis guineensis)、コムギ胚芽油(Triticum vulgare)、スイートアーモンド油(Prunus amygdalus dulces)、マスクローズ種子油(Rosa moschata)、野生ダイズ油(Glycine soja)、ブドウ種子油(Vitis vinifera)、カレンジュラ油(Calendula officinalis)、ホホバ油(Simmonsis chinensis)、マンゴー油(Mangifera indica)、アボカド油(Persea gratissima)、および/またはそれらの混合物により形成される群から選択される。
【0062】
具体的な実施形態において、ヒアルロン酸合成を刺激する薬剤、グリコサミノグリカン合成を刺激する薬剤は、例えば、限定されないが、とりわけStreptococcus属、Pasteurella属、およびSampire Crithmum属由来の細菌の抽出物およびビタミンAおよびその誘導体、Bifidobacterium属由来の微生物、チア油の抽出物、Opuntia ficusの抽出物、Lycium barbarumの抽出物、Angelica Chinaの抽出物、ワイルドチェロキーローズの抽出物またはブドウ種子の抽出物より形成される群から選択される。
【0063】
具体的な実施形態において、真皮または表皮の高分子の合成を刺激する薬剤は、例えば、限定されないが、とりわけコラーゲン合成刺激剤、エラスチン合成刺激剤、デコリン合成刺激剤、ラミニン合成刺激剤、シャペロン合成刺激剤、サーチュイン合成刺激剤、サーチュイン活性化剤、アクアポリン合成調節剤、フィブロネクチン合成刺激剤、コラーゲン分解を阻害する薬剤、エラスチン分解を阻害する薬剤、セリンプロテアーゼ、例えば、カリクレイン、白血球エラスターゼまたはカテプシンGを阻害する薬剤、線維芽細胞増殖を刺激する薬剤、脂肪細胞増殖を刺激する薬剤、脂肪細胞分化を加速または遅延させる薬剤、およびDNA修復剤および/またはDNA保護剤、例えば、限定されないが、Centella asiatica、Saccharomyces cerivisiae、Solanum tuberosum、Rosmarinus officinalis、Vaccinium angustifoliumの抽出物、algae Macrocystis pyrifera、Padina pavonicaの抽出物、ダイズ、麦芽、亜麻、セージ、レッドクローバー、葛根、白花ルピナス植物の抽出物、ヘーゼルナッツの抽出物、トウモロコシの抽出物、酵母の抽出物、ビーチシュート(beech shoot)の抽出物、マメ科種子の抽出物、植物ホルモンの抽出物、例えば、とりわけジベレリン、オーキシンまたはサイトカイニンまたは海水動物プランクトン(saline zooplankton)の抽出物、Lactobacillus Bulgaricusによる乳汁の発酵生成物、アシアチコシドおよびそれらの誘導体、ビタミンCおよびその誘導体、ケイ皮酸およびその誘導体、Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド−3]、Matrixyl(登録商標)3000[INCI:パルミトイルテトラペプチド−3、パルミトイルオリゴペプチド]またはBiopeptide CL(商標)[INCI:ポリメタクリル酸グリセリル、プロピレングリコール、パルミトイルオリゴペプチド](Sederma/Crodaより市販)、Antarcticine(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物]、Decorinyl(登録商標)[INCI:トリペプチド−10シトルリン]、Serilesine(登録商標)[INCI:ヘキサペプチド−10]、Lipeptide[INCI:植物タンパク質加水分解物]、Aldenine(登録商標)[INCI:コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−1]、Relistase(商標)[INCI:アセチルアルギニルトリプトフィル ジフェニルグリシン]、Thermostressine(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−22]、Peptide AC29[INCI:アセチルトリペプチド−30シトルリン]、Diffuporine(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−37]、Silusyne(商標)[INCI:ダイズ(Glycine Soja)油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピルダイズタンパク質加水分解物、アセチルヘキサペプチド−39]またはAdifyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−38](Lipotecより市販)、Drieline(登録商標)PF[INCI:酵母ベータグルカン](Alban Mullerより市販)、Phytovityl C(登録商標)[INCI:アクア(Aqua)、トウモロコシ(Zea Mays)抽出物](Solabiaより市販(comercializado por Solabia))、Collalift(登録商標)[INCI:麦芽抽出物加水分解物](Coletica/Engelhard/BASFより市販)、Phytocohesine PSP(商標)[INCI:ベータシトステロール硫酸ナトリウム](Vincience/ISP/Ashlandより市販)、無機物、例えば、とりわけカルシウム、レチノイドおよびそれらの誘導体、イソフラボノイド、カロテノイド、特に、リコピン、シュードジペプチド、レチノイドおよびそれらの誘導体、例えば、とりわけレチノールまたはパルミチン酸レチニルまたはヘパリン類似物質により形成される群から選択される。
【0064】
具体的な実施形態において、抗シワおよび/または老化防止剤は、例えば、限定されないが、とりわけVitis vinifera、Rosa canina、Curcuma longa、Theobroma cacao、Ginkgo biloba、Leontopodium alpinumまたはDunaliella salinaの抽出物または抽出物加水分解物;Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド−4]、Matrixyl 3000(登録商標)[INCI:パルミトイルテトラペプチド−7、パルミトイルオリゴペプチド]、Essenskin(商標)[INCI:ヒドロキシメチオニンカルシウム]、Renovage[INCI:テプレノン]またはDermaxyl(登録商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド](Sederma/Crodaより市販)、Vialox(登録商標)[INCI:ペンタペプチド−3]、Syn(登録商標)−Ake(登録商標)[INCI:ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセタート]、Syn(登録商標)−Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド−5]、Phytaluronate[INCI:ローカストビーン(Ceratonia Siliqua)ガム]またはPreregen(登録商標)[INCI:Glycine Soja(ダイズ)タンパク質、酸化還元酵素](Pentapharm/DSMより市販)、Myoxinol(商標)[INCI:Hibiscus Esculentusの抽出物加水分解物]、Syniorage(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−11]、Dermican(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−9]またはDN AGE(商標)LS[INCI:Cassia Alataの葉抽出物](Laboratoires Serobiologiques/Cognis/BASFより市販)、Algisum C(登録商標)[INCI:マンヌロン酸メチルシラノール]またはHydroxyprolisilane CN(登録商標)[INCI:アスパラギン酸メチルシラノールヒドロキシプロリン](Exsymolより市販)、Argireline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−8]、SNAP−7[INCI:アセチルヘプタペプチド−4]、SNAP−8[INCI:アセチルオクタペプチド−3]、Leuphasyl(登録商標)[INCI:ペンタペプチド−18]、Inyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−30]、Aldenine(登録商標)[INCI:コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−1]、Preventhelia(商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド−33]、Decorinyl(登録商標)[INCI:トリペプチド−10シトルリン]、Trylagen(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−10シトルリン、トリペプチド−1]、Eyeseryl(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−5]、Peptide AC29[INCI:アセチルトリペプチド−30シトルリン]、Relistase(商標)[INCI:アセチルアルギニルトリプトフィルジフェニルグリシン]、Thermostressine(登録商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−22]、Lipochroman(商標)6[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、Chromabright(商標)[INCI:ジメチルメトキシクロマニルパルミタート]、Antarcticine(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物]、dGlyage(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド−9シトルリン]、Vilastene(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド−10シトルリン]、Diffuporine(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−37]、Silusyne(商標)[INCI:ダイズ(Glycine Soja)油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピルダイズタンパク質加水分解物、アセチルヘキサペプチド−39]またはAdifyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−38]、Hyadisine(商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物]またはDelisens(商標)[INCI(仮):アセチルヘキサペプチド−46](Lipotecより市販)、Kollaren(登録商標)[INCI:トリペプチド1、デキストラン](Institut Europeen de Biologie Cellulaireより市販)、Collaxyl(登録商標)IS[INCI:ヘキサペプチド−9]、Laminixyl IS(商標)[INCI:ヘプタペプチド]、Orsirtine(商標)GL[INCI:Oryza Sativa(イネ)抽出物]、D’Orientine(商標)IS[INCI:Phoenix Dactylifera(ナツメヤシ)種子抽出物]、Phytoquintescine(商標)[INCI:ヒトツブコムギ(Triticum Monococcum)抽出物]またはQuintescine(商標)IS[INCI:ジペプチド−4](Vincience/ISP/Ashlandより市販)、BONT−L−Peptide[INCI:パルミトイルヘキサペプチド−19](Infinitec Activosより市販)、Deepaline(商標)PVB[INCI:パルミトイルコムギタンパク質加水分解物]またはSepilift(登録商標)DPHP[INCI:ジパルミトイルヒドロキシプロリン](Seppicより市販)、Gatuline(登録商標)Expression[INCI:Acmella Oleracea抽出物]、Gatuline(登録商標)In−Tense[INCI:オランダセンニチ花抽出物]またはGatuline(登録商標)Age Defense2[INCI:Juglans Regia(クルミ)種子抽出物](Gattefosseより市販)、Thalassine(商標)[INCI:Algae抽出物]Biotechmarineより市販、ChroNOline(商標)[INCI:カプロオイルテトラペプチド−3]またはThymulen−4[INCI:アセチルテトラペプチド−2](Atrium Biotechnologies/Unipex Innovationsより市販)、EquiStat[INCI:Pyrus Malus果物抽出物、Glycine Soja種子抽出物]またはJuvenesce[INCI:エトキシジグリコールおよびカプリル酸トリグリセリド、レチノール、ウルソール酸、フィトナジオン、イロマスタット](Coletica/Engelhard/BASFより市販)、Ameliox[INCI:カルノシン、トコフェロール、Silybum Marianum果物抽出物]またはPhytoCellTec Malus Domestica[INCI:Malus Domestica果物細胞培養物](Mibelle Biochemistryより市販)、Bioxilift[INCI:Pimpinella Anisum抽出物]またはSMS Anti−Wrinkle(登録商標)[INCI:Annona Squamosa種子抽出物](Silabより市販)、Ca2+チャネルのアンタゴニスト、例えば、限定されないが、アルベリン、マンガンまたはマグネシウム塩、特定の二級または三級アミン、レチノールおよびその誘導体、イデベノンおよびその誘導体、コエンザイムQ10およびその誘導体、ボスウェリア酸およびその誘導体、GHKおよびその誘導体および/または塩、カルノシンおよびその誘導体、DNA修復酵素、例えば、限定されないが、フォトリアーゼまたはT4エンドヌクレアーゼV、または塩素チャネルアゴニストにより形成される群から選択される。
【0065】
さらに、別の具体的な実施形態において、治癒を刺激する薬剤、コアジュバント治癒剤、再上皮化を刺激する薬剤および/またはコアジュバント再上皮化剤は、例えば、限定されないが、とりわけAristoloquia clematis、Centella asiatica、Rosa moschata、Echinacea angustifolia、Symphytum officinal、Equisetum arvense、Hypericum perforatum、Mimosa tenuiflora、Persea gratisima、Prunus africanum、Tormentilla erecta、Aloe veraの抽出物、Polyplant(登録商標)Epithelizing[INCI:Calendula Officinalis、Hypericum Perforatum、Chamomilla Recutita、Rosmarinus Officinalis](Provitalにより市販)、Cytokinol(登録商標)LS9028[INCI:カゼイン加水分解物、酵母タンパク質加水分解物、リジンHCl](Laboratories Serobiologiques/Cognis/BASFより市販)またはDeliner(登録商標)[INCI:Zea Mays(トウモロコシ)穀粒抽出物]Coletica/Engelhardより市販、アラントイン、カドヘリン、インテグリン、セレクチン、ヒアルロン酸受容体、免疫グロブリン、線維芽細胞増殖因子、結合組織増殖因子、血小板由来増殖因子、血管内皮増殖因子、表皮成長因子、インスリン様成長因子、角化細胞増殖因子、コロニー刺激因子、形質転換増殖因子ベータ、腫瘍壊死因子アルファ、インターフェロン、インターロイキン、マトリクスメタロプロテアーゼ、受容体タンパク質チロシンホスファターゼ、Antarcticine(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物]、Bodyfensine(登録商標)[INCI:アセチルジペプチド−3アミノヘキサン酸]またはDecorinyl(商標)[INCI:トリペプチド−10シトルリン]、Trylagen(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−10シトルリン、トリペプチド−1]、Xpertmoist(商標)[INCI:グリセリン、シュードアルテロモナス発酵抽出物、キサンタンガム、プロリン、アラニン、セリン、エチルヘキシルグリセリン、カプリリルグリコール]、Serilesine(登録商標)[INCI:ヘキサペプチド−10]またはThermostressine(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−22]、(Lipotecより市販)、および/またはそれらの混合物により形成される群から選択される。
【0066】
具体的な実施形態において、マトリクスメタロプロテアーゼ阻害薬剤は、例えば、限定されないが、とりわけウルソール酸、イソフラボン、例えば、ゲニステイン、ケルセチン、カロチノイド、リコピン、ダイズ抽出物、クランベリー抽出物、ローズマリー抽出物、Trifolium pratense(レッドクローバー)の抽出物、Phormium tenax(ニュージーランド亜麻)の抽出物、葛根湯抽出物、セージ抽出物、レチノールおよびその誘導体、レチノイン酸およびその誘導体、サポゲニン、例えば、ジオスゲニン、ヘコゲニン、スミラゲニン、サルサポゲニン、チゴゲニン、ヤモゲニンおよびユカゲニン(yucagenin)、Collalift(登録商標)[INCI:麦芽抽出物加水分解物]、Juvenesce[INCI:エトキシジグリコールおよびカプリル酸トリグリセリド、レチノール、ウルソール酸、フィトナジオン、イロマスタット]またはEquiStat[INCI:Pyrus Malus果物抽出物、Glycine Soja種子抽出物](Coletica/Engelhard/BASFより市販)、Pepha(登録商標)−Timp[INCI:ヒトオリゴペプチド−20]、Regu−Age[INCI:米ぬかタンパク質加水分解物、Glycine Sojaタンパク質、酸化還元酵素]またはColhibin[INCI:イネタンパク質加水分解物](Pentapharm/DSMより市販)、Lipeptide[INCI:植物タンパク質加水分解物]またはPeptide AC29[INCI:アセチルトリペプチド−30シトルリン](Lipotecより市販)、Litchiderm(商標)[INCI:Litchi Chinensis Pericarp抽出物]またはArganyl(商標)[INCI:Argania Spinosa葉抽出物](Laboratories Serobiologiques/Cognis/BASFより市販)、MDI Complex(登録商標)[INCI:グリコサミノグリカン]またはECM−Protect(登録商標)[INCI:水(アクア)、デキストラン、トリペプチド−2](Atrium Biotechnologies/Unipex Innovationsより市販)、Dakaline[INCI:Prunus Amygdalus Dulcis、Anogeissus Leiocarpus Bark抽出物](Solianceより市販)、Homeostatine[INCI:Enteromorpha Compressa、Caesalpinia Spinosa](Provitalより市販)、Timp−Peptide[INCI(仮):アセチルヘキサペプチド]またはECM Moduline[INCI(仮):パルミトイルトリペプチド](Infinitec Activosより市販)、IP2000[INCI:デキストラン、トリフルオロアセチルトリペプチド−2](Institut Europeen de Biologie Cellulaire/Unipex Innovationsより市販)、Actimp1.9.3(登録商標)[INCI:ルピナスタンパク質加水分解物](Expanscience Laboratoriesより市販)、Vitaderm(登録商標)[INCI:アルコール、水(アクア)、グリセリン、イネタンパク質加水分解物、Ilex Aquifolium抽出物、ウルソール酸ナトリウム、オレアノール酸ナトリウム](Rahnより市販)、アダパレン、テトラサイクリンおよびそれらの誘導体、例えば、ミノサイクリン、ロリテトラサイクリン、クロルテトラサイクリン、メタサイクリン、オキシテトラサイクリン、ドキシサイクリン、デメクロサイクリンおよびそれらの塩、Batimastat[BB94;[4−(N−ヒドロキシアミノ)−2R−イソブチル−3S−(チオフェン−2−イルチメチル(ilthymethyl))スクシニル]−L−フェニルアラニン−N−メチル−アミド]、Marimastat[BB2516;[2S−[N−4(R),2R,3S]]−N−4[2,2−ジメチル−1−[メチルアミノカルボニル]プロピル]−N1,2−ジヒドロキシ(dyhydroxy)−3−(2−メチル−プロピル)ブタンジアミド]により形成される群から選択される。
【0067】
具体的な実施形態において、安定剤および/または再密度化剤および/または再構成化剤は、例えば、限定されないが、とりわけMalpighia punicitolia、Cynara scolymus、Gossypium herbaceum、Aloe Barbadensis、Panicum miliaceum、Morus nigra、Sesamum indicum、Glycine soja、Triticum vulgareの抽出物、Pronalen(登録商標)Refirming HSC[INCI:Triticum Vulgare、Silybum Marianum、Glycine Soy、Equisetum Arvense、Alchemilla Vulgaris、Medicago Sativa、Raphanus Sativus]またはPolyplant(登録商標)Refirming[INCI:ハンゴンソウ、Asiatic Centella、ヒバマタ、コロハ](Provitalより市販)、Lanablue(登録商標)[INCI:ソルビトール、藻類抽出物](Atrium Biotechnologies/Unipex Innovationsより市販)、Pepha(登録商標)−Nutrix[INCI:天然栄養因子](Pentapharm/DSMより市販)、イソフラボンを含有する植物抽出物、Biopeptide EL(商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Biopeptide CL(商標)[INCI:パルミトイルオリゴペプチド]、Vexel(登録商標)[INCI:水(アクア)、プロピレングリコール、レシチン、カフェイン、パルミトイルカルニチン]、Matrixyl(登録商標)[INCI:パルミトイルペンタペプチド−3]、Matrixyl(登録商標)3000[INCI:パルミトイルテトラペプチド−3、パルミトイルオリゴペプチド]またはBio−Bustyl(商標)[INCI:ポリメタクリル酸グリセリル、ラーネラダイズタンパク質発酵物、水(アクア)、プロピレングリコール、グリセリン、PEG−8、パルミトイルオリゴペプチド](Sederma/Crodaより市販)、Dermosaccharides(登録商標)HC[INCI:グリセリン、水(アクア)、グリコサミノグリカン、グリコーゲン]、Aglycal(登録商標)[INCI:マンニトール、シクロデキストリン、グリコーゲン、Aratostaphylos Uva Ursi葉抽出物]、Cytokinol(登録商標)LS[INCI:カゼイン加水分解物、酵母タンパク質加水分解物、リジンHCl]またはFirmiderm(登録商標)LS9120[INCI:Terminalia Catappa葉抽出物、Sambucus Negra花抽出物、PVP、タンニン酸](Laboratoires Serobiologiques/Cognis/BASFより市販)、Liftline(登録商標)[INCI:コムギタンパク質加水分解物]、Raffermine(登録商標)[INCI:ダイズ粉加水分解物]またはRidulisse C(登録商標)[ダイズタンパク質加水分解物](Silabより市販)、Serilesine(登録商標)[INCI:ヘキサペプチド−10]、Decorinyl(商標)[INCI:トリペプチド−10シトルリン]、Trylagen(登録商標)[INCI:シュードアルテロモナス発酵抽出物、コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−10シトルリン、トリペプチド−1]、Silusyne(商標)[INCI:ダイズ(Glycine Soja)油、セスキオレイン酸ソルビタン、イソヘキサデカン、ヒアルロン酸ナトリウム、ラウリルジモニウムヒドロキシプロピルダイズタンパク質加水分解物、アセチルヘキサペプチド−39]またはAdifyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−38](Lipotecより市販)、Ursolisome(登録商標)[INCI:レシチン、ウルソール酸、アテロコラーゲン、キサンタンガム、コンドロイチン硫酸ナトリウム]またはCollalift(登録商標)[INCI:麦芽抽出物加水分解物](Coletica/Engelhard/BASFより市販)、Syn(登録商標)−Coll[INCI:パルミトイルトリペプチド−5](Pentapharm/DSMより市販)、Hydriame(登録商標)[INCI:水(アクア)、グリコサミノグリカン、スクレロチウムガム](Atrium Biotechnologies/Unipex Innovationsより市販)またはIP2000[INCI:デキストラン、トリフルオロアセチルトリペプチド−2](Institut Europeen de Biologie Cellulaire/Unipex Innovationsより市販)により形成される群から選択される。
【0068】
具体的な実施形態において、抗そう痒物質は、例えば、限定されないが、とりわけAbelmoschus esculentus、Actaea alba、Aglaia odorata、Alkanna tinctoria、Althaea officinalis、Altingia excelsa、Andropogon virginicus、Aralia nudicaulis、Aralia racemosa、Argemone mexicana、Barleria prionitis、Camelia sinensis、Caesalpinia digyna、Campsis grandiflora、Carissa congesta、Carthamus oxyacantha、Cassia tora、Chrysanthemum indicum、Cimicifuga racemosa、Cinnamomum camphora、Clematis vitalba、Cuscuta reflexa、Diospyros peregrina、Enicostema axillare、Hammamelis virginiana、Jatropha multifida、Lavandula officinalis、Lavandula latifolia、Liquidambar orientalis、Lithospermum officinale、Madhuca longifolia、Martynia annua、Medicago sativa、Michelia champaca、Mikania glomerata、Mimosa pudica、Oryza sativa、Phaseolus vulgaris、Phyllanthus urinaria、Phyllanthus virgatus、Pistacia vera、Polygonum hydropiper、Quercus ilex、Rauvolfia caffra、Ricinus communis、Rubus idaeus、Sagittaria sagittifolia、Sandoricum koetjape、Sapindus mukorossi、Schleichera oleosa、Sesbania grandiflora、Spondias dulcis、Tilia菌種、Toona ciliata、Tragia involucrata、Trichosanthes quinquangulata、Vaccaria pyramidata、Ventilago madraspatana、Veratrum albumまたはXanthium strumariumの抽出物あるいは抗そう痒剤であるバイオテクノロジー由来の合成化合物または生成物、例えば、限定されないが、Neutrazen(商標)[INCI:水、ブチレングリコール、デキストラン、パルミトイルトリペプチド−8](Atrium/Unipex Innovationsより市販)、Meliprene(登録商標)[INCI:デキストラン、アセチル(Acetil)ヘプタペプチド−1](Institut Europeen de Biologie Cellulaire/Unipex Innovationsより市販)、Delisens(商標)[INCI(仮):アセチルヘキサペプチド−46](Lipotec/Lubrizolより市販)、Skinasensyl(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−15](Laboratoires Serobiologiques/Cognis/BASFより市販)、SymSitive(登録商標)1609[INCI:4−t−ブチルシクロヘキサノール](Symriseより市販)、Symbiocell(商標)[INCI:Cestrum Latifoliumからの抽出物](BASFより市販)、Gatuline(登録商標)Derma−Sensitive[INCI:ミリスチン酸オクチルドデシル、Capparis Spinosa果物抽出物](Gattefosseより市販)またはMAXnolia[INCI:Magnolia Officinalis Bark抽出物、Vitis Vinifera/Vitis Vinifera(ブドウ)種子抽出物、トコフェロール](Mibelle Biochemistryより市販)またはそれらの混合物により形成される群から選択される。
【0069】
別の具体的な実施形態において、次に抗炎症剤は、例えば、限定されないが、マデカソシドの抽出物、エキナセアの抽出物、アマランス種子油、白檀油、桃の木の葉抽出物、Aloe vera、Arnica montana、Artemisia vulgaris、Asarum maximum、Calendula officinalis、トウガラシ、Centipeda cunninghamii、Chamomilla recutita、Crinum asiaticum、Hamamelis virginiana、Harpagophytum procumbens、Hypericum perforatum、Lilium candidum、Malva sylvestris、Melaleuca alternifolia、Origanum majorana、Origanum vulgare、Prunus laurocerasus、Rosmarinus officialis、Salix alba、Silybum marianum、Tanacetum parthenium、Thymus vulgaris、Uncaria guianensisまたはVaccinum myrtillusの抽出物、オメガ−3およびオメガ−6脂肪酸、Neutrazen(商標)[INCI:水、ブチレングリコール、デキストラン、パルミトイルトリペプチド−8](Atrium Innovations/Unipex Groupより市販)、Meliprene(登録商標)[INCI:デキストラン、アセチルヘプタペプチド−1](Institut Europeen de Biologie Cellulaire/Unipex Groupより市販)、Skinasensyl(商標)[INCI:アセチルテトラペプチド−15]またはAnasensyl(商標)[INCI:マンニトール、グリシルリチン酸アンモニウム、カフェイン、セイヨウトチノキ(Hippocastanum)(Horse Chestnut)抽出物](Laboratoires Serobiologiques/Cognisより市販)、Calmosensine(商標)[INCI:アセチルジペプチド−1]Sedermaより市販、コエンザイムQ10またはアルキルグリセリルエーテルにより形成される群から選択される。
【0070】
別の具体的な実施形態において、遊離基捕捉剤および/または大気汚染に対抗する薬剤、反応性カルボニル種または酸素種捕捉剤および/または抗糖化剤は、例えば、限定されないが、カルノシンおよびその誘導体、GHK[INCI:トリペプチド−1]ならびにその塩および/または誘導体、またはAldenine(登録商標)[INCI:コムギタンパク質加水分解物、ダイズタンパク質加水分解物、トリペプチド−1]、Preventhelia(商標)[INCI:ジアミノプロピオノイルトリペプチド−33]、Lipochroman(商標)6[INCI:ジメチルメトキシクロマノール]、dGlyage(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド−9シトルリン]ならびにVilastene(商標)[INCI:リジンHCl、レシチン、トリペプチド10シトルリン](Lipotecより市販)、により形成される群から選択される。
【0071】
別の具体的な実施形態において、ニューロンエキソサイトーシスの阻害剤、抗コリン剤、アセチルコリン受容体集団化を阻害する薬剤および/または筋収縮阻害剤は、例えば、限定されないが、とりわけAtropa belladonna、Hyoscyamus niger、Mandragora officinarum、Chondodendron tomentosum、Brugmansias属またはDaturas属由来の植物、ボツリヌス菌(Clostridium botulinum)毒素の抽出物、タンパク質SNAP−25由来のペプチド、タンパク質シナプトタグミン由来のペプチド、タンパク質シンタキシン由来のペプチド、タンパク質シナプトブレビン由来のペプチド、タンパク質スナピン由来のペプチド、Argireline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−8]、SNAP−7[INCI:アセチルヘプタペプチド−4]、SNAP−8[INCI:アセチルオクタペプチド−3]、Leuphasyl(登録商標)[INCI:ペンタペプチド−18]またはInyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−30](Lipotec/Lubrizolより市販)、BONT−L−Peptide[INCI:パルミトイルヘキサペプチド−19](Infinitec Activosより市販)、およびVialox(登録商標)[INCI:ペンタペプチド−3]またはSyn(登録商標)Ake(登録商標)[INCI:ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセタート](Pentapharm/DSMより市販)またはそれらの混合物により形成される群から選択される。
【0072】
別の具体的な実施形態において、体臭吸収剤および/または体臭マスキング剤、防臭剤および/または制汗剤および/または香料は、例えば、限定されないが、とりわけリシノール酸の亜鉛塩の複合体、アビエチン酸(abiotic acid)由来の亜鉛塩の複合体、サルビアエッセンス、カモミールエッセンス、カーネーションエッセンス、レモンバームエッセンス、ミントエッセンス、桂皮エッセンス、ライムブロッサムエッセンス、ジュニパーベリーエッセンス、ベチバーエッセンス、乳香エッセンス、ガルバヌムエッセンス、ラダナムエッセンス、ラベンダーエッセンス、ペパーミントエッセンス、安息香、ベルガモット、ジヒドロミルセノール、リリアール、ライラル、シトロネロール、レモンエッセンス、マンダリンエッセンス、オレンジエッセンス、ラベンダーエッセンス、マスカテル、ゼラニウムバーボンエッセンス、アニス種子、コリアンダー、クミン、ジュニパー、アヤメ、ユリ、バラ、ジャスミン、ネロリの抽出物;酢酸ベンジル、p−tert−ブチルシクロヘキシルアセタート、酢酸リナリル、酢酸フェニルエチル、グリシン酸エチルメチルフェニル、安息香酸リナリル、ギ酸ベンジル、シクロヘキシルプロピオン酸アリル(alylcyclohexyl propionate)、プロピオン酸スチラリル(stiralyl propionate)、サルチル酸ベンジル、ベンジルエチルエーテル、炭素原子8〜18の直鎖状アルカン、シトラール、リシノール酸、シトロネラール、シトロネリルオキシアセトアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ヒドロキシシトロネラール、ボージュナール、イオノン、メチルセドリルケトン、アネトール、オイゲノール、イソオイゲノール、ゲラニオール、リナロール、テルピネオール、フェニルエチルアルコール、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ゲラニオール、ベンジルアセトン、シクラメンアルデヒド、アンブロキサン、インドール、ヘジオン、サンデライス、シクロベルタル(cyclovertal)、β−ダマスコン、アリルアミルグリコール酸、ジヒドロミルセノール、イソ酪酸フェノキシエチル、サリチル酸シクロヘキシル、フェニル酢酸、酢酸ゲラニル、ロミプレート(romilate)、イロチル、フロラメート、アルミニウム塩、例えば、ミョウバン、塩化アルミニウム、アルミニウムクロロハイドレート、アルミニウムジクロロハイドレート、アルミニウムセスキクロロハイドレート、ヒドロキシアラントイン酸アルミニウム、アルミニウムクロロタートレート、アルミニウムジルコニウムトリクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムテトラクロロハイドレート、アルミニウムジルコニウムペンタクロロハイドレートおよび/またはそれらの混合物、Leuphasyl(登録商標)[INCI:ペンタペプチド−18]、SNAP−7[INCI:アセチルヘプタペプチド−4]、SNAP−8[INCI:アセチルオクタペプチド−3]、Argireline(登録商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−8]またはInyline(商標)[INCI:アセチルヘキサペプチド−30](Lipotec/Lubrizolより市販)、Vialox(登録商標)[INCI:ペンタペプチド3]またはSyn(登録商標)Ake(登録商標)[INCI:ジペプチドジアミノブチロイルベンジルアミドジアセタート](Pentapharm/DSMより市販)およびBONT−L−Peptide[INCI:パルミトイルヘキサペプチド−19](Infinitec Activosより市販)、あるいはそれらの混合物により形成される群から選択される。
【0073】
(適用)
本発明の第3の態様は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアのための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0074】
別の具体的な実施形態において、本発明は、老化の処置および/または予防のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0075】
別の具体的な実施形態において、本発明は、皮膚のシワの処置および/または予防、好ましくはシワを伸ばす処置または表情シワの処置および/または予防のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0076】
別の具体的な実施形態において、本発明は、ヒアルロン酸合成の刺激のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0077】
別の具体的な実施形態において、本発明は、ニューロンエキソサイトーシスの阻害のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0078】
別の具体的な実施形態において、本発明は、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水和作用の不足または低下の結果である状態、障害および/または疾患の処置および/またはケアのための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。好ましくは状態、障害および/または疾患は、乾燥肌、乾燥症、過角化症、反応性過角化症、手掌および足底の過角化症、鶏眼および胼胝、日光角化症、非日光角化症、アトピー性皮膚炎、接触湿疹、脂漏性皮膚炎、頭垢、乳痂、ざ瘡、酒さ、母斑、魚鱗癬、乾癬、錯角化、粃糠疹、扁平苔癬、掌蹠角皮症、唇の荒れ、クモ静脈、膣乾燥、眼球の乾燥、ドライヘア、脆弱毛および/または脆弱爪より形成される群から選択される。
【0079】
別の具体的な実施形態において、本発明は、皮膚、粘膜および/または爪の炎症の結果である状態、障害および/または疾患の処置および/またはケアのための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。好ましくは、状態、障害および/または疾患は、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、過剰増殖性皮膚疾患、熱傷、日焼け、爪囲炎、膣粘膜の炎症、口腔粘膜の炎症、歯肉炎、歯周炎により形成される群から選択される。
【0080】
別の具体的な実施形態において、本発明は、皮膚の治癒および/または再上皮化のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0081】
別の具体的な実施形態において、本発明は、皮膚、粘膜および/または爪の疼痛の処置および/または予防のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。好ましくは、疼痛は、状態、疾患および/または障害、例えば、限定されないが、とりわけ感触に対する感受性、寒冷に対する感受性、熱に対する感受性、皮膚刺激、除毛後の皮膚刺激、剃毛後の皮膚刺激、乾癬、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、扁平苔癬、熱傷、日焼け、関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、過敏症、外科手術後、高強度パルス光処置(IPL)後、単色パルス光(レーザー)処置後、化学角質剥離剤処置後、または外用侵襲剤の過剰曝露後の皮膚疼痛または刺激と関連した疼痛から選択される。
【0082】
別の具体的な実施形態において、本発明は、皮膚、粘膜および/または爪のそう痒の処置および/または予防のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。好ましくはそう痒は、状態、疾患および/または障害、例えば、限定されないが、とりわけ皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、疱疹性皮膚炎、光線皮膚症、感光性、妊娠関連皮膚炎、更年期関連皮膚炎、湿疹、敏感肌、乾癬、水痘、ヘルペス、帯状疱疹、ネザートン症候群、皮膚剥離症候群、扁平苔癬、ざ瘡、頭垢、脂漏症、脂漏性皮膚炎、脱毛症、水虫、カンジダ症、痔核、膣そう痒、肛囲そう痒、肛門生殖器そう痒、日焼け、蕁麻疹、そう痒性耳炎、目の痒み、老年性そう痒、水原性そう痒症、結節性痒疹、扁平性痒疹、バラ色粃糠疹、乾燥症および乾燥肌、アレルギー反応、薬物アレルギー、食物アレルギー、化学物質アレルギー、有毒植物への暴露および昆虫咬傷への暴露と関連するそう痒から選択される。
【0083】
別の具体的な実施形態において、本発明は、多汗症の処置および/または予防のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0084】
別の具体的な実施形態において、本発明は、遊離基形成の除去および/または予防のための美容用または皮膚医薬用組成物の調製における、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0085】
別の具体的な実施形態において、本発明は、発汗の処置および/または予防、胼胝または疣贅により形成される群から選択される皮膚の障害の処置および/またはケア、発毛を刺激する処置および/または脱毛の予防のための寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの使用に関する。
【0086】
好ましくは、多汗症または発汗の処置および/または予防は、腋窩、顔面、生殖器、手掌または足底の多汗症または発汗の処置および/または予防である。
【0087】
本発明のさらなる態様は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の処置および/またはケアの方法に関する。
【0088】
具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、老化および/または光老化の処置および/または予防の方法に関する。
【0089】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、ヒアルロン酸合成の刺激の方法に関する。
【0090】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、ニューロンエキソサイトーシスの阻害の方法に関する。
【0091】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、皮膚のシワの処置および/または予防の方法に関し、好ましくは、処置はシワを伸ばす処置であり、または表情シワの処置および/または予防である。
【0092】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水和作用の不足または低下の結果である、哺乳類動物、好ましくはヒトの状態、障害および/または疾患の処置および/またはケアの方法に関する。好ましくは皮膚、粘膜、毛髪および/または爪の水和作用の不足または低下の結果である状態、障害および/または疾患は、乾燥肌、乾燥症、過角化症、反応性過角化症、手掌および足底の過角化症、鶏眼または胼胝、日光角化症、非日光角化症、アトピー性皮膚炎、接触湿疹、脂漏性皮膚炎、頭垢、乳痂、ざ瘡、酒さ、母斑、魚鱗癬、乾癬、錯角化、粃糠疹、扁平苔癬、掌蹠角皮症、唇の荒れ、クモ静脈、膣乾燥、眼球の乾燥、ドライヘア、脆弱毛および/または脆弱爪により形成される群から選択される。
【0093】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、皮膚、粘膜および/または爪の炎症の結果である、状態、障害および/または疾患の処置および/またはケアの方法に関する。好ましくは、状態、障害および/または疾患は、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、過増殖性皮膚疾患、熱傷、日焼け、爪囲炎、膣粘膜の炎症、口腔粘膜の炎症、歯肉炎、歯周炎により形成される群から選択される。
【0094】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、皮膚および/または再上皮化の治癒の方法に関する。
【0095】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、皮膚、粘膜および/または爪の疼痛の処置および/または予防の方法に関する。好ましくは、疼痛は、状態、疾患、および/または障害、例えば限定されないが、とりわけ感触に対する感受性、寒冷に対する感受性、熱に対する感受性、皮膚刺激、脱毛後の皮膚刺激、剃毛後の皮膚刺激、乾癬、敏感肌、皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、脂漏性皮膚炎、湿疹、扁平苔癬、熱傷、日焼け、関節炎、関節リウマチ、骨関節炎、乾癬性関節炎、過敏症、外科手術後の、高強度パルス光処置(IPL)後の、単色パルス光(レーザー)処置後の、化学角質剥離剤処置後の、または外用侵襲剤の過剰曝露後の皮膚疼痛または刺激と関連した疼痛から選択される。
【0096】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、皮膚、粘膜および/または爪のそう痒の処置および/または予防の方法に関する。好ましくは、そう痒は、状態、疾患および/または障害、例えば、限定されないが、とりわけ皮膚炎、アトピー性皮膚炎、接触皮膚炎、おむつ皮膚炎、疱疹性皮膚炎、光線皮膚症、感光性、妊娠関連皮膚炎、更年期関連皮膚炎、湿疹、敏感肌、乾癬、水痘、ヘルペス、帯状疱疹、ネザートン症候群、皮膚剥離症候群、扁平苔癬、ざ瘡、頭垢、脂漏症、脂漏性皮膚炎、脱毛症、水虫、カンジダ症、痔核、膣そう痒、肛囲そう痒、肛門生殖器そう痒、日焼け、蕁麻疹、そう痒性耳炎、目の痒み、老年性そう痒、水原性そう痒症、結節性痒疹、扁平性痒疹、バラ色粃糠疹、乾燥症および乾燥肌、アレルギー反応、薬物アレルギー、食物アレルギー、化学物質アレルギー、有毒植物への暴露および昆虫咬傷への暴露と関連するそう痒から選択される。
【0097】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、多汗症の処置および/または予防の方法に関する。
【0098】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドの投与を含む、遊離基形成の除去および/または予防の方法に関する。
【0099】
別の具体的な実施形態において、本発明は、美容的におよび/または皮膚医薬的に有効な量の寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株のエキソポリサッカライドの投与を含む、発汗の処置および/または予防、胼胝または疣贅により形成される群から選択される皮膚の障害の処置および/またはケア、発毛を刺激する処置および/または脱毛の予防の方法に関する。
【0100】
好ましくは、多汗症または発汗の処置および/または予防は、腋窩、顔面、生殖器、手掌または足底の多汗症または発汗の処置および/または予防である。
【0101】
本方法の適用または投与の頻度は、各被験体の必要性、処置またはケアされる状態、障害または疾患の重症度に応じてかなり異なり得、これには月に1回から1日10回、好ましくは、週に1回から1日4回、より好ましくは、週に3回から1日3回、さらにより好ましくは1日1回または2回の適用または投与の範囲が示唆される。
【0102】
本発明は、以下の実施例を参照してより明確に理解されるが、限定されることなく、本発明におけるエキソポリサッカライドおよびエキソポリサッカライドを含有する組成物の調製および特徴付けを記載する例示的な目的として含まれるに過ぎない。
【実施例】
【0103】
実施例1:寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドの調製および単離
【0104】
a)寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株の培養の方法
【0105】
寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株を、培養液にグルコースを多く含む(20g/l)2216E培地(ZoBell C.E.J.Mar.Res.,1941,4:42.)を含有する発酵槽において29℃およびpH7.5にて培養した。接種菌を10%(v/v)の予備培養で調製し、発酵期間を72時間に延長した。通気および撹拌の速度はそれぞれ2vvmおよび250rpmであった。
【0106】
b)エキソポリサッカライドの精製
【0107】
細菌を12,000g、45分間の遠心分離により培養液から分離した。ポリサッカライドを、分子量100KDaを超えるポリサッカライドに対するポリエーテルスルホン膜の限外ろ過により蒸留水でろ過し、分子量500,000Daの第1のピークおよび分子量1,000,000Daの第2のピークを示す、分子量の分布を有するポリマーが生じた。得られたポリマーの硫酸化のレベルは3%であった。
【0108】
実施例2:寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドの物理化学的特徴付け
【0109】
実施例1に記載された方法に従い得られたエキソポリサッカライドの中性および酸性単糖の含量を、Kamerlingら、Biochem.J.,1975 151:491−495に記載の方法に従い加水分解およびガスクロマトグラフィーにより測定し、Montreuilら、in 1986,Glycoproteins.In Carbohydrate analysis:a practical approach.Eds Chaplin et Kennedy,I.R.L Press,Oxford,Washington D.C.,pp143−204により改変した。得られた糖の割合の関係性は、フコース4.11%、グルコース20.58%、グルクロン酸28.81%およびN−アセチルグルコサミン46.50%であった。
【0110】
実施例3:寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドのマイクロエマルションの調製
【0111】
適切な容器に、ドクサートナトリウムUSP[INCI:スルホコハク酸ジエチルヘキシルナトリウム]およびイソステアリン酸[INCI:イソステアリン酸](相A)を混合した。別の容器に、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドを、エタノール[INCI:アルコール]および水[INCI:水(アクア)](相B)に溶解させた。相Bを相Aに撹拌させながらゆっくり添加した。表1を参照のこと。
【表1】
【0112】
実施例4:寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドを含有する脂質ナノ粒子の組成物の調製
【0113】
適切な容器に、以下の成分を以下の順:水[INCI:水(アクア)]、Amigel(登録商標)[INCI:スクレロチウムガム]、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]およびフェノキシエタノール[INCI:フェノキシエタノール](相Aの成分)で添加し、完全に均質化するまで撹拌した。
【0114】
別の容器に、CNCM I−4277株により産生されたエキソポリサッカライドのマイクロエマルションを、実施例3に従い調製し、IP精製されたダイズ油、欧州薬局方(Ph.Eur)[INCI:GLYCINE SOJA(ダイズ)油]、Arlacel 83V[INCI:セスキオレイン酸ソルビタン]、およびArlamol HD[INCI:イソヘキサデカン]を添加した(相Bの成分)。
【0115】
次いで、成分Bの混合物をエマルションが形成されるまでタービン撹拌しながら成分Aの混合物に添加した。
【0116】
最後に、混合物を、微小流動化装置(microfluidizer)において3回、80barの入口圧力および15000psiの出口圧力の圧力下で均質化した。全工程を通して、サンプルの温度を水/グリコール冷却回路を使用して25℃に維持した。高圧均質化を微小流体(Microfluidics)モデル「M110−Y」微小流動化装置で実行した。マイクロエマルションの形成用のUltraturrax撹拌器は、Miccra RTの「D−8」モデルであった。
【0117】
次いで、水中のQuat Soy LDMA 25[INCI:ラウリルジモニウムヒドロキシプロピルダイズタンパク質加水分解物]の懸濁液を撹拌しながら滴下した(相Cの成分)。表2を参照のこと。
【表2】
【0118】
実施例5:寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドを含有するコアセルベーションマイクロカプセルの組成物の生成
【0119】
カルボキシメチルセルロース[INCI:セルロースガム]を適切な容器において水に添加した(相A)、ゼラチン[INCI:ゼラチン]、水[INCI:水(アクア)]、Zemea(商標)[INCI:1,3−プロパンジオール]およびフェノキシエタノール[INCI:フェノキシエタノール](相B)を、15分間撹拌を維持しながら第2の容器に添加し、全体が希釈するまで沸点に温度を上げた。槽中の相Bの温度を75℃に下げ、相Aに滴下にて添加した。
【0120】
温度が60℃を下回ることを避け、pHを5.0〜5.5に調節しながら、以下の成分を撹拌しながら添加した:ビタミンE酢酸エステル[INCI:酢酸トコフェリル]、実施例3に従って菌株CNCM I−427により産生されたエキソポリサッカライドのマイクロエマルションおよびダイズ油[INCI:GLYCINE SOJA(ダイズ)油](相C)。次いで、混合物のpHをクエン酸[INCI:クエン酸](相D)で4.42に調節し、30分間撹拌させ、必要な場合pHを再調節した。続いて、混合物を必要な場合pHを再調節しながら室温まで冷却させた。室温になると、pHをNaOHで7.0〜7.5に上げた(相E)。
【0121】
最後に、水[INCI:水(アクア)]に分散させたグルタルアルデヒド[INCI:グルタラール](相F)を添加し、2時間反応させた。表3を参照のこと。
【表3】
【0122】
実施例6:ココジモニウムメトサルフェートのカチオンポリマーに結合させた寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドを含有するマイクロカプセルの生成
【0123】
Luviquat HM552[INCI:ココトリモニウムメトサルフェート]を撹拌しながら実施例5のカプセルに添加した。
【表4】
【0124】
実施例7:寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドの美容用組成物の調製。
【0125】
精製水[INCI:水(アクア)]、Hydrolyte5 2/016020[INCI:ペンチレングリコール]およびMicrocare BNA[INCI:ベンジルアルコール]を適切な容器において溶解させた。成分のこの混合物を一定に撹拌し、70〜75℃に加熱した。70〜75℃の温度を維持し、続いてCarbopol 934[INCI:カルボマー]を少しずつ添加した。このセットの成分が相Aを構成する。
【0126】
相B由来の成分Finsolv−TN[INCI:C12−15安息香酸アルキル]、Phytocream 2000[INCI:ステアリン酸グリセリル、セテアリルアルコール、カリウムパルミトイルコムギタンパク質加水分解物]、Waglinol 13088[INCI:エチルヘキシルココエート]、フェノキシエタノール[INCI:フェノキシエタノール]およびArlatone Map 160 K[INCI:セチルリン酸カリウム]も70〜75℃にて溶解させた。溶解させると、これらを相の混合物の成分にタービン撹拌しながら少しずつ添加した。
【0127】
別の容器に、Silicone dc 200[INCI:ジメチコーン]およびビタミンE酢酸エステル[INCI:酢酸トコフェリル]を添加した(相Cの成分)。次いで、相Cの成分の混合物を50℃にてタービン撹拌させながらAおよびBの成分の混合物に添加した。寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドの0.75%溶液もリン酸水素二ナトリウム[INCI:リン酸二ナトリウム]、リン酸二水素ナトリウム二水和物(sodium phosphate 2−hydrate)[INCI:リン酸ナトリウム]、Dermosoft Pea Eco[INCI:フェネチルアルコール]およびDermosoft GMCY[INCI:カプリル酸グリセリル](相C1の成分)と合わせて調製し、続いてこれを得られた相A、BおよびCの混合物のエマルションに添加した。
Sepigel 305[INCI:水(アクア)、ポリアクリルアミド、C13−14イソパラフィン、ラウレス−7](相D)を様々な相の混合物から得られたエマルションにタービン撹拌させながら添加した。pHを、水酸化ナトリウム[INCI:水酸化ナトリウム](相E)に撹拌させながら滴加させることにより6.0〜6.5に調節した。
【0128】
最後に、Perfume Ocean 12720[INCI:芳香剤(香料)]を混合物に添加し、表5に示す割合で美容用組成物を得た(相F)。
【表5】
【0129】
実施例8:寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドを含有するリポソームの生成
【0130】
実施例1において得られたエキソポリサッカライドを、適切な容器において水[INCI:水(アクア)]をサリチル酸ナトリウム[INCI:サリチル酸ナトリウム]と共に添加し、相Aを得た。水、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]およびフェノキシエタノール[INCI:フェノキシエタノール](相B〜D)をこの相に添加した。これまでの各構成要素を全て溶解させると、Leciflor 100 IP[INCI:レシチン](相E)を完全に溶解するまで激しく撹拌させながら少しずつ添加した。その後、ラブラゾール(Labrasol)[INCI:PEG−8カプリル酸/カプリン酸グリセリド](相F)を添加し、エマルションを形成させるために10〜15分間撹拌させた。
【表6】
【0131】
サンプルを80barの入口圧および12500psiの出口圧にて1回、微小流動化装置において高圧で均質化させた。
【0132】
実施例9:ポリクオタニウム−16のカチオンポリマーに結合させた寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドを含有するリポソームの生成
【0133】
実施例1において得られたエキソポリサッカライドを、適切な容器において水[INCI:水(アクア)]をサリチル酸ナトリウム[INCI:サリチル酸ナトリウム]と共に添加し、相Aを得た。水、Zemea(商標)[INCI:プロパンジオール]およびフェノキシエタノール[INCI:フェノキシエタノール](相B〜D)(phases B a D)をこの相に添加した。これまでの構成要素を全て溶解させると、Leciflor 100 IP[INCI:レシチン](相E)を完全に溶解するまで激しく撹拌させながら少しずつ添加した。その後、Labrasol[INCI:PEG−8カプリル酸/カプリン酸グリセリド](相F)を添加し、エマルションを形成させるために10〜15分間撹拌させた。
【表7】
【0134】
サンプルを80barの入口圧および12500psiの出口圧にて1回、微小流動化装置において高圧で均質化させた。得られたリポソームを穏やかに撹拌させながら1.5:1のリポソーム:カチオンポリマー比においてLuviquat(登録商標)HM552[INCI:ポリクオタニウム−16]に添加した。
【0135】
実施例10:ポリクオタニウム−16とカチオン化させた寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドおよびビタミンE酢酸エステルを含有するマイクロカプセルの生成
【0136】
本実施例のマイクロカプセルを、実施例5に従い、濃度は異なるが、実施例6で得られたマイクロカプセルと同じ補法で調製した。
【表8】
【0137】
実施例11:寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドによる真皮線維芽細胞におけるヒアルロン酸刺激試験
【0138】
本実施例は、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドによるヒアルロン酸刺激を試験した。
【0139】
ヒト真皮線維芽細胞を、トリプシンで処理し、藩種し(3×10細胞/ウェル、24−ウェルプレート)、10%ウシ胎仔血清(FBS)を含むダルベッコ改変イーグル培地(DMEM)において37℃、5%COの空気中で24時間インキュベーションした。
【0140】
インキュベーション後、培養培地を血清の少ない培地(0.1%FBSを含むDMEM)に変更し、37℃、5%COの空気中でさらに24時間インキュベーションした。次いで、寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライドを、最終濃度が1mg/mLになるように希釈した培養培地に添加し、37℃、5%COの空気中でさらに48時間インキュベーションした。インキュベーション期間後、上清を各ウェルから回収し、ヒアルロン酸のレベルをELISA免疫アッセイ(Hyaluronan Enzyme−Linked Immunosorbent Assay Kit,K−1200,Echelon)により測定し、それにより上記培養物の上清に産生されたヒアルロン酸の量を測定した。50ng/mlのPDGF(血小板由来増殖因子)を陽性対照として使用し、未処理の細胞を陰性対照として使用した。ヒアルロン酸刺激に一致しないが、免疫アッセイの抗体で試験した生成物の認識に一致する値を差し引くために、培地と試験生成物を含むが細胞を含まないブランクアッセイを行った。
【表9】
【0141】
CNCM I−4277の菌株から得られた、本発明のエキソポリサッカライドにより刺激されたヒアルロン酸の量は66.69%であった。
【0142】
実施例12:皮膚のシワの減少のインビボ試験
【0143】
実施例7の美容用組成物の鼻(nasogenian)のシワの減少の有効性のインビボ試験を行った。
【0144】
44〜56歳の志願者19例が本試験に参加した。志願者はフィッツパトリックの分類型IIおよびIIIに入り、中等度の鼻のシワを示した。実施例7の美容用組成物を志願者に28日間1日2回顔の片面に適用した。
【0145】
鼻のシワの減少の有効性を、皮膚のトポグラフィーに関連した物理的パラメータ(体積、周囲、面積および深さ)の計器による測定により、処置前、14日後および28日後を比較し定量的に評価した。計器による測定に使用される技法は、ヒト皮膚の高速光学的インビボトポメトリー(Fast Optical In Vivo Topometry of human Skin)(FOITS)であった。
【0146】
試験中に測定されたパラメータの変化(evolution)の統計学分析は、統計学的に有意な閾値が5%であるスチューデント検定により行われた。
【0147】
画像の処理から得られた結果、19例の志願者の0時間の値に対する各パラメータの変化の平均を表10に示す。
【表10】
【0148】
表10の結果は、14日後13.65%および28日後19.6%と、実施例7の美容用組成物を適用後の鼻のシワの最大深さの統計学的に有意な改善を示す。個体の最大の減少は14日64.73%および28日70.62%であった。
【0149】
表10の結果はまた、14日後14.72%および28日後18.54%と、実施例7の美容用組成物を適用したときの鼻のシワの平均深さの統計学的有意な低下を示す。志願者のうちの最大低下は、14日65.84%および28日71.43%であった。
【0150】
表はまた、実施例7の組成物を適用した14日後に、鼻のシワの平均体積が低下し(15.39%)、表面積(6.68%)および周囲(1.9%)は、適用後28日はさらに低下したことを示す。処置終了時の個体の最大の改善は体積93.48%、表面積77.84%および周囲79.29%であった。
【0151】
実施例13:ELISAによる複合体の検出を用いたSNARE複合体形成の阻害試験
【0152】
本発明のエキソポリサッカライドによるSNARE複合体形成の阻害能を測定するため、SNAP−25と比較した本化合物の競合的阻害について、本複合体の形成に対して試験した。形成されたSNARE複合体の割合を、GSTに結合させた複合体由来のタンパク質の1種を使用してELISA法により測定した。
【0153】
96ウェルプレートにおいて、VAMPを固定し(0.037μM溶液を使用)、続いて空いている空間をBSA(3%)で遮断した。このプロセスと並行して、GSTに結合させたSNAP−25(0.0185μM)、シンタキシン(0.037μM)および寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライド(1、0.5および0.1mg/mL)を1時間インキュベーションした。試験生成物添加により生成された同様の希釈物を、超純水(18.2mΩ)を含んだ複合体阻害の陰性対照用として作製した。
【0154】
インキュベーション後、サンプルを、固定したVAMPを含むプレートに移し、1時間インキュベーションし、SNARE複合体を形成させた。その後、プレートを洗浄し、複合体を、一次抗体である抗GST(抗体 抗GST、エピトープ TAG、Fisher品番:PA1−982A)により検出した。TECAN GENios分光光度リーダー(spectrophotometric reader)において波長490nmにて読み取りを行った。
【0155】
表11は、本発明のエキソポリサッカライドとSNAP−25によるSNARE複合体形成の競合的阻害の結果を示す。複合体形成の阻害の割合は、分光光度的に検出されたSNARE複合体の量と反比例した。
【表11】
【0156】
実施例14:電気泳動法による複合体の検出を用いたSNARE複合体形成の阻害試験
【0157】
VAMP(6μM)、シンタキシン(6μM)および寄託番号CNCM I−4277のビブリオ菌種の株により産生されたエキソポリサッカライド(1mg/mLおよび0.1mg/mL)を3時間インキュベーションした。試験生成物添加により生成された同様の希釈物を、超純水(18.2mΩ)を含んだ複合体阻害の陰性対照用として作製した。続いて、SNAP−25(0.6μM)を添加し、混合物をさらに15時間インキュベーションし、SNARE複合体を形成させた。インキュベーション後、ローディングバッファー(Laemli Simple Buffer)を添加し、混合物を10%アクリルアミドゲルSDS−PAGEにより分析した。複合体の量を画像取り込みおよび分析ソフトウェアにより測定した。
【0158】
表12は、SNARE複合体形成の阻害の結果を示す。複合体形成の阻害の割合は、検出されたSNARE複合体の量に反比例する。
【表12】