特許第6175690号(P6175690)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6175690
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】ライセンスランプの取付け構造
(51)【国際特許分類】
   B60Q 1/56 20060101AFI20170731BHJP
【FI】
   B60Q1/56
【請求項の数】5
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2013-78357(P2013-78357)
(22)【出願日】2013年4月4日
(65)【公開番号】特開2014-201183(P2014-201183A)
(43)【公開日】2014年10月27日
【審査請求日】2016年2月19日
(73)【特許権者】
【識別番号】000006286
【氏名又は名称】三菱自動車工業株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000176811
【氏名又は名称】三菱自動車エンジニアリング株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100078499
【弁理士】
【氏名又は名称】光石 俊郎
(74)【代理人】
【識別番号】230112449
【弁護士】
【氏名又は名称】光石 春平
(74)【代理人】
【識別番号】100102945
【弁理士】
【氏名又は名称】田中 康幸
(74)【代理人】
【識別番号】100120673
【弁理士】
【氏名又は名称】松元 洋
(74)【代理人】
【識別番号】100182224
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲三
(72)【発明者】
【氏名】榊原 春彦
(72)【発明者】
【氏名】内田 幸作
(72)【発明者】
【氏名】井上 博之
【審査官】 津田 真吾
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−105971(JP,A)
【文献】 特開平05−213124(JP,A)
【文献】 実開昭63−008147(JP,U)
【文献】 特開2004−216976(JP,A)
【文献】 特開昭60−259543(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60Q 1/56
B60R 13/10
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
ライセンスプレートが装着されるライセンスプレート装着部がリヤバンパに設けられた車両におけるライセンスランプの取付け構造であって、
前記リヤバンパが固定されるバンパ固定部を備える支持ブラケットを、車体のリヤエンドにおける前記ライセンスプレート装着部の裏面側と対向する位置に固定し
前記支持ブラケットに、前記バンパ固定部から所定の角度で前記リヤバンパ側に延設されて前記ライセンスランプが装着されるランプ支持部を一体に形成した
ことを特徴とするライセンスランプの取付け構造。
【請求項2】
請求項1に記載されたライセンスランプの取付け構造であって、
前記ランプ支持部は、前記バンパ固定部の上端部から前記リヤバンパ側に屈曲形成されており、
前記ランプ支持部と前記バンパ固定部との境界部分には、前記ランプ支持部と前記バンパ固定部に亘ってリブが設けられる
ことを特徴とするライセンスランプの取付け構造。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載されたライセンスランプの取付け構造であって、
前記バンパ固定部には、前記リヤバンパを固定する固定孔と、前記リヤバンパ仮止める係止孔とが設けられ
前記ライセンスプレート装着部には、前記ライセンスプレート装着部の裏面側へ突出し表面側に対して凹んでいる凹部が設けられ、
前記凹部には、前記係止孔に差し込むことで前記リヤバンパを仮止め可能な係止爪と、前記リヤバンパを仮止めした状態で前記固定孔と重なる位置に設けられたクリップ孔が形成され、
前記リヤバンパは、仮止め状態で前記クリップ孔及び前記固定孔にクリップを嵌合させることによって前記支持ブラケットに固定される
ことを特徴とするライセンスランプの取付け構造。
【請求項4】
請求項1から請求項3の何れか一項に記載されたライセンスランプの取付け構造であって、
前記リヤバンパは、前記ライセンスプレート装着部の上端から車両後方に屈曲して当該ライセンスプレート装着部の上方を覆うように延在する庇部を備え、
前記庇部には、前記ライセンスプレートを照明するための照明窓が設けられ、
前記ランプ支持部は、前記バンパ固定部の上端から前記庇部の上方に延設されて前記ライセンスランプを前記照明窓と対向する位置に配置させる
ことを特徴とするライセンスランプの取付け構造。
【請求項5】
請求項1から請求項の何れか一項に記載されたライセンスランプの取付け構造であって、
前記支持ブラケット、他の電装機器を固定するための電装機器固定部と、前記ライセンスランプ及び前記電装機器の配線を挿通する挿通孔を備える
ことを特徴とするライセンスランプの取付け構造。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、ライセンスランプの取付け構造に関する。
【背景技術】
【0002】
従来より、リヤバンパの後面にライセンスプレートが装着される車両がある。そして、ライセンスプレートを装着するライセンスプレート装着部には、ライセンスプレートを照明するライセンスランプが設けられている。ライセンスプレートの視認性は法規によって定められており、ライセンスプレートに対するライセンスランプの位置や照射角度は、この法規を満たすように設定されている。ライセンスランプの位置や照射角度には、ある程度の精度が要求されるため、ライセンスランプとライセンスプレートとの位置関係が狂いにくいようにライセンスランプもリヤバンパに装着するタイプのものが多く採用されている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平10−53068号公報(例えば、明細書の段落[0009]−[0012]、[図2]−[図5]など参照)
【特許文献2】特開2004−175129号公報(例えば、明細書の段落[0020]−[0027]、[図2]−[図4]など参照)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、特許文献1および特許文献2に記載されているようなライセンスランプをリヤバンパに装着するタイプの場合、リヤバンパを車体に艤装する際に、ライセンスランプの配線をリヤバンパ側から車体側に繋ぐ等の作業が必要となる。またリヤバンパやフィニッシャーを車体から取り外す際に、ライセンスランプやその配線をバンパから取り外さなければならず、作業性が悪い。
【0005】
一方、ライセンスランプを車体側にブラケット等を介して装着する構造がある。このタイプであれば、リヤバンパを艤装する前に車体にライセンスランプを装着して配線しておけばよいので、艤装時や取り外し時の作業性は向上される。しかしながら、ブラケットやリヤバンパを車体側に組み付ける際の組付け誤差により、リヤバンパとブラケットとの相対位置、すなわち、ライセンスプレートに対するライセンスランプの位置や照射角度にばらつきが生じやすく、配光精度が出難いといった問題があった。
【0006】
以上のことから、本発明は、上述したような問題を解決するために為されたものであって、艤装性の低下を招くことなく、ライセンスプレートに対するライセンスランプの配光を高精度で確保することができるライセンスランプの取付け構造を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決する第1の発明に係るライセンスランプの取付け構造は、ライセンスプレートが装着されるライセンスプレート装着部がリヤバンパに設けられた車両におけるライセンスランプの取付け構造であって、前記リヤバンパが固定されるバンパ固定部を備える支持ブラケットを、車体のリヤエンドにおける前記ライセンスプレート装着部の裏面側と対向する位置に固定し、前記支持ブラケットに、前記バンパ固定部から所定の角度で前記リヤバンパ側に延設されて前記ライセンスランプが装着されるランプ支持部を一体に形成したことを特徴とする。
【0008】
上述した課題を解決する第2の発明に係るライセンスランプの取付け構造は、前述した第1の発明に係るライセンスランプの取付け構造であって、前記ランプ支持部は、前記バンパ固定部の上端部から前記リヤバンパ側に屈曲形成されており、前記ランプ支持部と前記バンパ固定部との境界部分には、前記ランプ支持部と前記バンパ固定部に亘ってリブが設けられることを特徴とする。
上述した課題を解決する第の発明に係るライセンスランプの取付け構造は、前述した第1または第2の発明に係るライセンスランプの取付け構造であって、前記バンパ固定部には、前記リヤバンパを固定する固定孔と、前記リヤバンパ仮止める係止孔とが設けられ、前記ライセンスプレート装着部には、前記ライセンスプレート装着部の裏面側へ突出し表面側に対して凹んでいる凹部が設けられ、前記凹部には、前記係止孔に差し込むことで前記リヤバンパを仮止め可能な係止爪と、前記リヤバンパを仮止めした状態で前記固定孔と重なる位置に設けられたクリップ孔が形成され、前記リヤバンパは、仮止め状態で前記クリップ孔及び前記固定孔にクリップを嵌合させることによって前記支持ブラケットに固定されることを特徴とする。
【0009】
上述した課題を解決する第の発明に係るライセンスランプの取付け構造は、前述した第1から何れか一つの発明に係るライセンスランプの取付け構造であって、前記リヤバンパは、前記ライセンスプレート装着部の上端から車両後方に屈曲して当該ライセンスプレート装着部の上方を覆うように延在する庇部を備え、前記庇部には、前記ライセンスプレートを照明するための照明窓が設けられ、前記ランプ支持部は、前記バンパ固定部の上端から前記庇部の上方に延設されて前記ライセンスランプを前記照明窓と対向する位置に配置させることを特徴とする。
【0010】
上述した課題を解決する第の発明に係るライセンスランプの取付け構造は、前述した第1から第の何れか一つの発明に係るライセンスランプの取付け構造であって、前記支持ブラケット、他の電装機器を固定するための電装機器固定部と、前記ライセンスランプ及び前記電装機器の配線を挿通する挿通孔を備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0011】
第1の発明に係るライセンスランプの取付け構造によれば、リヤバンパを艤装する前に車体に設けられた支持ブラケットにライセンスランプおよびこの配線を装着することができ、艤装時や取外し時に、前記ライセンスランプおよびこの配線を取り外す必要が無いことから、艤装性の低下を招くことがなく、1つのブラケットがライセンスランプおよびライセンスプレートの両方を位置決めすることから、ライセンスプレートに対するライセンスランプの位置や照射角度にばらつきを生じにくく、ライセンスプレートに対するライセンスランプの配光を高精度で確保することができる。
第2の発明に係るライセンスランプの取付け構造によれば、上述の第1の発明に係るライセンスランプの取付け構造と同じ作用効果を奏することに加え、バンパ固定部の上端部を屈曲させることによりバンパ固定部にランプ支持部を一体形成した際にも、ランプ支持部のバンパ固定部に対する剛性を確保できる。
【0012】
の発明に係るライセンスランプの取付け構造によれば、上述の第1および第2の発明に係るライセンスランプの取付け構造と同じ作用効果を奏することに加え、リヤバンパを車体に艤装するときに、リヤバンパに設けられた係止爪を支持ブラケットの係止孔に係止することができ、当該リヤバンパを車体側に組み付ける際の作業性を向上させることができる。
【0013】
の発明に係るライセンスランプの取付け構造によれば、上述の第1からの発明に係るライセンスランプの取付け構造と同じ作用効果を奏することに加え、照明窓である開口部を介して、ライセンスプレート装着部に装着されたライセンスプレートとランプ支持部に装着されたライセンスランプとが対向することになり、ライセンスプレートに対するライセンスランプの配光をより一層高精度に維持することができる。
【0014】
の発明に係るライセンスランプの取付け構造によれば、上述の第1から第の発明に係るライセンスランプの取付け構造と同じ作用効果を奏することに加え、他の電装機器およびその配線も支持ブラケットに固定することができ、当該他の電装機器やその配線用のブラケットを別途設ける必要が無く、リヤバンパの艤装時やその取り外し時の作業性をさらに向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
図1】本発明の第1の実施例に係るライセンスランプの取付け構造を備える車両の斜視図である。
図2図1におけるII−II線に沿う縦断面図である。
図3図1におけるIII−III線に沿う縦断面図である。
図4】前記ライセンスランプの取付け構造の取付け状態を説明するための図である。
図5】前記ライセンスランプの取付け構造が具備する支持ブラケットの説明図であって、図5(a)にその上面を示し、図5(b)にその正面を示し、図5(c)にその側面を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明に係るライセンスランプの取付け構造を実施するための一つの形態を図面に基づいて説明するが、本発明は、図面に基づいて説明する以下の実施形態のみに限定されるものではない。
【0017】
本実施形態に係るライセンスランプの取付け構造について、図1図5を参照して説明する。図1図4において、X軸方向が車両左側部方向を示し、Y軸方向が車両前方向を示し、Z軸方向が高さ方向を示している。
【0018】
図1図4に示すように、車体1のリヤエンド2にリヤバンパ10が装着され、リヤバンパ10の車幅方向略中央にはライセンスプレート6が取り付けられている。
【0019】
リヤバンパ10の車幅方向略中央には、ライセンスプレート6が装着されるライセンススプレート装着部11が設けられる。ライセンスプレート装着部11は、鉛直方向に対して傾斜している。ライセンスプレート装着部11の略中央には、裏面側(車両前方向)へ突出し表面側に対して凹んでいる凹部12が設けられている。凹部12には、裏面側へさらに突出し、詳細につき後述する支持ブラケット20の係止孔22bに係止可能な係止爪12aが設けられると共に、クリップ孔12bが設けられている。凹部12の裏面側におけるクリップ孔12bの縁には、鉛直方向で平面をなす平面部12cが設けられている。これにより、リヤバンパ10を車体1側に組み付ける際の組付け誤差を抑制することができる。リヤバンパ10は、ライセンスプレート装着部11の上端部に接続し表面側(車両後方向)へほぼ水平方向に屈曲し直線状に延在してライセンスプレート装着部11の上方を覆う庇部13を備えている。庇部13には照明窓として形成された開口部13aが設けられており、支持ブラケット20に装着されたライセンスランプ7がリヤバンパ10に取り付けられたライセンスプレート6を照明可能になっている。
【0020】
支持ブラケット20は、車体1のリヤエンド2においてリヤバンパ10のライセンスプレート装着部11の裏面側と対向する位置に溶接固定されている。具体的には、リヤエンド2の車幅方向略中央部に固定される。支持ブラケット20は、リヤバンパ10を支持するバンパ固定部22とライセンスランプ7が装着されるランプ支持部21を備える。支持ブラケット20は、板金部材を折り曲げ形成した部材であり、バンパ固定部22とランプ支持部21とは一体で形成されている。
【0021】
図2図3図5に示すように、バンパ固定部22は、上下方向に延設された板状を成しており、車幅方向の両側端部には側壁部をなす側板部23,24がそれぞれ接続されている。
【0022】
バンパ固定部22と側板部23,24とは略直角をなしている。また、側板部23,24の先端部にはフランジ部25,26が設けられており、このフランジ部25,26がリヤエンド2の後面に溶接されている。
【0023】
ランプ支持部21は、バンパ固定部22の上端部から屈曲形成されて車両後方側、つまり、リヤバンパ10側に向かって延設されている。具体的には、ランプ支持部21は、バンパ固定部22に対して所定の角度を成して設けられ、リヤバンパ10のライセンスプレート装着部11の庇部13の上方まで延びている。ランプ支持部21には、ライセンスプレート装着部11の庇部13に形成された照明窓である開口部13aに上下方向で対向する位置にライセンスランプ7が装着されるランプ装着孔21aが設けられている。つまり、ランプ装着孔21aに装着されたライセンスランプ7は、ライセンスプレート装着部11の開口部13aと対向して配置される。このように、ランプ支持部21は、開口部13aからライセンスプレート6を照明できるようにライセンスランプ7を開口部13aと対向する位置に配置するように構成されている。ランプ支持部21の先端部および側端部にはフランジ部27a,27b,27cがそれぞれ設けられてランプ支持部21を補強している。
【0024】
また、支持ブラケット20のランプ支持部21とバンパ固定部22との境界部分、すなわち、バンパ固定部22の上端部から後方側に折り曲げられる部位には、補強のためのリブ部28,29がランプ支持部21とバンパ固定部22とに亘って設けられている。
【0025】
バンパ固定部22には、リヤバンパ10をクリップ固定するための固定孔(クリップ孔)22aが設けられると共に、リヤバンパ10の係止爪12aが係止可能な係止孔22bが設けられている。係止孔22bは、左右方向が上下方向よりも長い長方形状をなしている。前記固定孔22aは、バンパ固定部22の側端部近傍に設けられる。バンパ固定部22の他方の側端部近傍には、無線機器などのリヤ用電装機器31の配線(図示せず)を挿通する挿通孔22cが形成されている。バンパ固定部22の略中央部には、表裏を貫通する貫通孔22dが設けられる。貫通孔22dに隣接して、リヤ用電装機器31をボルト(図示せず)で固定可能なボルト孔22e,22fが設けられる。また、一方の側板部23には、前記ライセンスランプ7の配線8および前記リヤ用電装機器31の配線を挿通可能な挿通孔23a,23bが設けられている。
【0026】
なお、係止孔22bにリヤバンパ10の係止爪12aを係止することで、リヤバンパ10は、ライセンスプレート装着部11の裏面側が支持ブラケット20に仮置き状態とされる。そして、仮置きした状態で、リヤバンパ10の凹部12のクリップ孔12bを貫通したクリップ41が固定孔22aに嵌合されてライセンスプレート装着部11の裏面側が支持ブラケット20のバンパ固定部22に固定される。ライセンスプレート装着部11の裏面側がバンパ固定部22に固定されることで、ライセンスプレート装着部11とランプ支持部21の相対位置が決められる。
【0027】
なお、図4に示すように、車体1のリヤエンド2およびリヤバンパ10の上部には、当該リヤバンパ10をクリップ固定するためのクリップ孔4a,4b,4c,4d,16a,16b,16c,16dがそれぞれ設けられている。車体1のリヤエンド2およびリヤバンパ10の下部には、当該リヤバンパ10をクリップ固定するためのクリップ孔3a,3b,15a,15bがそれぞれ設けられている。車体1のリヤエンド2の左側部には、リヤバンパ用ブラケット51をボルト固定するためのボルト孔5a,5bが設けられている。リヤバンパ10の左側部には、リヤバンパ用ブラケット51の下部にクリップ固定するためのクリップ孔15cが設けられている。車体1のリヤエンド2の右側部には、車体1のリヤエンド2の左側部側と同様に、図示しないリヤバンパ用ブラケットをボルト固定するためのボルト孔(図示せず)が設けられている。
【0028】
上述した、本発明のライセンスランプの取付け構造を備える車両におけるライセンスランプ7およびリヤバンパ10の車体1への組み付け手順について図4を参照して以下に説明する。
【0029】
車体1のリヤエンド2における略中央部分、すなわち、リヤバンパ10のライセンスプレート装着部11の裏面側と対向する位置には、支持ブラケット20が溶接固定されている。
【0030】
まず、支持ブラケット20のバンパ固定部22にリヤ用電装機器31を固定し、当該リヤ用電装機器31の配線(図示せず)を挿通孔22c,23a,23bに挿通する。続いて、ライセンスランプ7をランプ支持部21のランプ装着孔21aに装着し、当該ライセンスランプ7の配線8を挿通孔23a,23bに挿通する。
【0031】
続いて、車体1のリヤエンド2の左側部のボルト孔5a,5bにリヤバンパ用ブラケット51をボルト52,52により固定する。なお、車体1のリヤエンド2の右側部においても、車体1のリヤエンド2の左側部と同様に、車体1のリヤエンド2の右側部のボルト孔(図示せず)にリヤバンパ用ブラケット(図示せず)をボルト(図示せず)により固定する。
【0032】
続いて、リヤバンパ10のライセンスプレート装着部11の凹部12の裏面に設けられた係止爪12aを支持ブラケット20のバンパ固定部22に設けられた係止孔22bに差し込み、前記係止爪12aを前記係止孔22bに係止する。支持ブラケット20の係止孔22bにリヤバンパ10の係止爪12aを係止した状態にて、ライセンスプレート装着部11の凹部12に設けられたクリップ12bを介してバンパ固定部22の固定孔22aにクリップ41を嵌合する。車体1のリヤエンド2のクリップ孔4a,4b,4c,4d,22a,3a,3b、リヤバンパ10のクリップ孔16a,16b,16c,16d,12b,15a,15bにクリップ63,63,63,63,41,61,61を嵌合すると共に、車体1のリヤエンド2の左側部に固定されたブラケット51、リヤバンパ10のクリップ孔15cにクリップ62を嵌合する。また、リヤバンパ10の右側部にも、当該リヤバンパ10の左側部側と同様に、クリップ孔(図示せず)が設けられており、車体1のリヤエンドの右側部に固定されたブラケット(図示せず)、リヤバンパ10の右側部側の前記クリップ孔(図示せず)にクリップ(図示せず)を締結する。これにより、リヤバンパ10は、車体1のリヤエンド2に固定される。
この状態で、ランプ支持部21のランプ装着孔21aに装着されたライセンスランプ7は、ライセンスプレート装着部11の庇部13の上方で、照明窓である開口部13aと対向して配置される。
【0033】
続いて、リヤバンパ10のライセンスプレート装着部11にライセンスプレート6を固定する。
【0034】
このようにして、ライセンスランプ7およびライセンスプレート6を組み付けることにより、ライセンスランプ7の照明範囲にライセンスプレート6が正確に位置づけられることになり、ライセンスプレート6に対するライセンスランプ7の配光を所定の精度で維持することができる。
【0035】
したがって、本実施形態に係るライセンスランプの取付け構造によれば、支持ブラケット20がライセンスランプ7を装着するランプ装着孔21aとライセンスランプの配線8を挿通する挿通孔23a,23bとを備えることから、リヤバンパ10を艤装する前に車体1に固定された支持ブラケット20に、ライセンスランプ7およびこの配線8を装着することができ、艤装時や取外し時の作業性の低下を招くことがない。また、1つのブラケット20がライセンスランプ7およびライセンスプレート装着部11の両方を位置決めすることから、ライセンスプレート6に対するライセンスランプ7の位置や照射角度にばらつきを生じにくく、ライセンスプレート6に対するライセンスランプ7の配光を高精度で確保することができる。
【0036】
バンパ固定部22が固定孔22aと係止孔22bとを備えることにより、リヤバンパ10を車体1に艤装するときに、支持ブラケット20の係止孔22bにリヤバンパ10の係止爪12aを係止することで、作業者がリヤバンパ10を支持する作業を軽減することができることから、リヤバンパ10を係止することができない場合と比べて、当該リヤバンパ10を車体1側に組み付ける際の作業性を向上させることができる。
【0037】
支持ブラケット20のランプ支持部21が、ライセンスランプ7をリヤバンパ10の庇部13に設けられた照明窓である開口部13aと対向する位置に配置されることにより、開口部13aを介して、ライセンスプレート装着部11に装着されたライセンスプレート6とランプ支持部21に装着されたライセンスランプ7が対向することになり、ライセンスプレート6に対するライセンスランプ7の配光をより一層高精度に維持することができる。
【0038】
支持ブラケット20は、リヤ用電装機器31を固定するためのクリップ孔22e,22fおよびリヤ用電装機器31の配線を挿通する挿通孔22c,23a,23bを備えることにより、ライセンスランプ7の他の電装機器を固定するためのブラケットを兼用することができ、当該他の電装機器を固定するためのブラケットを別途に設ける必要が無く、リヤバンパ10を車体1に艤装するときやリヤバンパ10を車体1から取り外すときの作業性をさらに向上させることができる。
【0039】
なお、上記では、ライセンスランプ7およびリヤバンパ10とともに、リヤ用電装機器31を組み付けることが可能な支持ブラケット20を備えるライセンスランプの取付け構造について説明したが、ライセンスランプおよびリヤバンパを組み付けることが可能な支持ブラケットを備えるライセンスランプの取付け構造とすることも可能である。
【産業上の利用可能性】
【0040】
本発明に係るライセンスランプの取付け構造は、艤装性の低下を招くことなく、ライセンスプレートに対するライセンスランプの配光を高精度で確保することができるため、自動車産業などにおいて、極めて有益に利用することができる。
【符号の説明】
【0041】
1 車体
2 リヤエンド
3a,3b クリップ孔
4a〜4d クリップ孔
5a,5b ボルト孔
6 ライセンスプレート
7 ライセンスランプ
8 ライセンスランプの配線
10 リヤバンパ
11 ライセンスプレート装着部
12 凹部
12a 係止部
12b クリップ孔
13 庇部
13a 開口部
15a〜15c クリップ孔
16a〜16d クリップ孔
20 支持ブラケット
21 ランプ支持部
22 バンパ固定部
22a 固定孔(クリップ孔)
22b 係止孔
22c 挿通孔
22d 貫通孔
22e,22f ボルト孔
23 側板部
23a,23b 挿通孔
24 側板部
25,26 フランジ部
27a,27b,27c フランジ部
28,29 リブ部
31 リヤ用電装機器
41 クリップ
51 リヤバンパ用ブラケット
52 ボルト
61〜63 クリップ
図1
図2
図3
図4
図5