【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明の主な一態様により、質量分析計におけるイオンビームの行路を変えるためのイオンデフレクターが提供される。このイオンデフレクターは、複数の静電場を確立するよう配置された電場誘導体を含み、これによって、実質的に第1の意図される行路に沿って移動しているイオンを偏向させて、実質的に第2の意図される行路に沿って移動させることができる。
【0011】
本発明の主な別の一態様により、質量分析計におけるイオンビームの行路を変えるためのイオンデフレクターが提供される。このイオンデフレクターは、複数の静電場を確立するよう配置された電場誘導体を含み、これによってイオンを、1つ以上の入射角から、所定の焦点に向かうよう偏向させることができる。
【0012】
本発明の主な別の一態様により、2つの異なる行路の間でイオン流を偏向させるための、質量分析計と共に使用するためのイオンデフレクターが提供される。このイオンデフレクターは、複数の静電場を確立するよう配置された電場誘導体を含み、これは、第1の行路軸に沿って移動しているイオン流を偏向させて、意図される焦点の空間領域に向かって集束させることができ、この焦点は実質的に別の行路軸に揃っている。
【0013】
電場誘導体は、複数 (又は数多くの)帯電可能エレメントを含む帯電可能コンポーネントを含み得る。この帯電可能エレメント又はこのそれぞれは、電圧源と共に配置することができ、これによりそれぞれが正又は負のバイアス電圧電位を呈する。
【0014】
一実施形態において、各帯電可能エレメントは、帯電可能コンポーネントのセグメントとなり得る。よって、帯電可能コンポーネントは、複数の帯電可能セグメントから構成され得る。
【0015】
帯電可能エレメント (又はセグメント) がバイアス電圧電位を備えて提供される場合、生成される電場は単極電場であり、ここにおいて電場線の方向は、印加されているバイアス電圧電位が正であるか (電場線が帯電可能エレメントから外向きに放射されている)、又は負であるか (電場線が帯電可能コンポーネントに向かって内向きに放射されている) に依存することが、理解されよう。
【0016】
したがって、本発明の上述の主な態様のため、及び後述の態様のため、この電場誘導体は好ましくは、複数の単極電場を確立するよう配置される。この点において、3次元空間のイオンのガイダンスは、少なくとも部分的に、確立された電場の結果として生じる影響、又は最終的な効果によって達成される。よって、一実施形態において、イオンビームの選択的操作 (又は操舵) 及び/又は選択的集束は、少なくとも部分的に、電場誘導体の帯電可能エレメント (又はセグメント) それぞれにより確立された電場の重ね合わせの活用により得られる。よって、電場誘導体10は複数の単極静電場を確立するよう配置することができ、この重ね合わせにより、イオンが必要に応じて3次元空間内で選択的に操舵され得る。
【0017】
好ましい一実施形態において、各帯電可能エレメントは、質量分析計に入るイオンの電位 (すなわち、イオン源の電位) に対して実質的に負のバイアス電圧電位を備えて提供される。
【0018】
好ましくは、イオンの意図される第1及び第2行路は、同じ面内、又は同じ流れ面内にある。しかしながら、本発明のデフレクターを配置及び採用することにより、質量分析計装置の具体的な配置 (例えば、イオン源に対する質量検出器の位置など) に応じて面外の偏向を生じさせることができることが理解されよう。
【0019】
一実施形態において、帯電可能コンポーネントは、4つの帯電可能エレメントを含み、それぞれが、イオン源で測定した電圧電位に対して実質的に負のバイアス電圧電位を備えて提供されるよう配置される。この配置において、電場誘導体は4つの単極電場を提供する。
【0020】
一実施形態において、帯電可能エレメントはペアになって動作可能に配置され、このペアの各半分 (構成要素である帯電可能エレメントを含む) が、他方に対して相対するよう構成されている。ペアを構成する帯電可能エレメントにわたってバイアス差動電圧を印加することにより、この静電場を使用して、イオンビームの方向及び/又は焦点を制御することができる。
【0021】
その構成する帯電可能エレメントにわたって印加されたバイアス差動電圧が、公称値又は所定の量で可変になるように、動作可能ペアの一方が配置され得る。このバイアス電圧電位における可変性が、ペア内の構成する帯電可能エレメント間の電圧電位の差動を提供し、これによって、イオンビームが操作又は「操舵」できるようになり、所定の空間領域に向かって適切に集束させることができる。それぞれの帯電可能エレメントペアの帯電可能コンポーネントは、イオンビーム流に対して幾何学的配置が構成されるように、互いに対して配置され、これによって、差動電圧が印加されたときに、イオンビームの望ましい方向への操作に影響を与える。
【0022】
一実施形態において、帯電可能コンポーネントは円形であり、4つの等しい形状の帯電可能エレメントを含む。よって、その実施形態における帯電可能コンポーネントは、2つの対称軸を含む。
【0023】
この実施形態の一配置において、帯電可能コンポーネントは、両方の対称軸がその流れ面に揃わないように、配置される。この配置において、相対する帯電可能エレメント (例えば、頂点対頂点で配置されるエレメント) は、それぞれのペアで動作可能に配置することができる。流れ面内に概ね存在する帯電可能エレメント (又はペア) 間に、バイアス差動電圧を印加することで、イオンビームはその面内で操作することができる。更に、流れ面の外に概ね存在する帯電可能エレメント (又はペア) 間に、バイアス差動電圧を印加することで、イオンビームはその面に対して実質的に直角に操作することができる。
【0024】
別の一配置において、1本の対称軸は、流れ面に実質的に揃っており、他方の対称軸は、流れ面に対して実質的に直交している。この配置において、流れ面内のイオンビームの操作は、流れ面に対して実質的に直交している対称軸を挟んで相対する1つ以上の帯電可能エレメントの間にバイアス差動電圧を確立することによって実施される。同様に、流れ面から外れるイオンビームの操作は、流れ面に実質的に揃っている対称軸を挟んで相対する1つ以上の帯電可能エレメントの間にバイアス差動電圧を確立することによって実施される。
【0025】
帯電可能コンポーネントは、実質的に円錐形状、又はその一部分の形状で提供され得る。この構成において、及び帯電可能コンポーネントが4つの帯電可能エレメントを含む場合、各帯電可能エレメントは円錐形の四半部分を呈する。この帯電可能コンポーネントは、他の幾何学的形状、又はその一部分の形状で提供され得ることが、当業者には理解されよう。
【0026】
帯電可能コンポーネントが複数の帯電可能エレメントを含む場合において、各帯電可能エレメントは、誘電性基材によって互いに電気的に分離され得る。そのような場合、誘電性材料又は類似の材料が、帯電可能エレメントの中間又はこれらに隣接して配置される。
【0027】
帯電可能コンポーネントは、イオンビームに対して十分な間隔をあけて配置され、これにより、イオンビームを所定の様相で偏向させることができる電場を形成する。一般に、イオンビームの意図された経路は、帯電可能コンポーネントの外周部分を中心に流れる。
【0028】
イオンデフレクターは更に、電気的に接地されるよう一般的に配置された接地エレメントを含み得る。いくつかの実施形態において、接地エレメントは、採用されている配置に応じて、わずかな電圧バイアスを有し得る。しかしながら、接地エレメントに印加されているバイアス電圧電位は、あったとしても、帯電可能エレメント又はそのそれぞれに印加されるもの
と同じ大きさにはならない。
【0029】
接地エレメントに印加されるバイアス電圧電位は、正又は負であり得る。ただし好ましくは、接地エレメントに印加されるどのバイアス電位も負である。
【0030】
接地エレメントの一部には、メッシュエレメントにより提供されるメッシュ又は類似の構造の領域が含まれ得る。メッシュエレメントは、場合により必要な/望ましいバイアス電圧電位を接地エレメントに提供することができるように、電圧源と共に配置され得る。
【0031】
接地エレメント及び/又はメッシュエレメントは、例えばニッケル又はステンレススチールなどの任意の好適な金属材料で製造することができる。更に、メッシュエレメントのメッシュ隙間の大きさは、例えば5 mm程度又はそれ以上であり得る。
【0032】
他の実施形態において、接地エレメントはその中に1つ以上の開口部を有し得る。例えば、そのような一実施形態において、接地エレメントは、第1又は第2の意図される行路の一方又は両方に実質的に同心状に配置され得る1つの開口部を含み得る。そのような開口部の形状は、例えば円形又は楕円形などの、任意の適切な形状であり得る。
【0033】
一実施形態において、接地エレメントは、幾何学的形状が円形又は楕円形であってよく、帯電可能コンポーネントに相対するような様相で位置及び/又は配置され得る。そのような構成において、接地エレメント及び帯電可能コンポーネントは、イオンビームがそれらの間を流れるように互いに対して配置される。帯電可能コンポーネントが概ね円錐形状である場合、接地エレメントと帯電可能コンポーネントは、円錐形の離れた端が接地エレメントに面するように構成することができる。
【0034】
接地エレメントは、例えば円形、楕円形などの任意の平面 (実質的に平坦) 形状の実質的に2次元であり得る。接地エレメントの外周形状は、実質的にセグメント化されていてよく (例えば複数のセグメントを有し、セグメントは実質的に直線であり得る)、又は実質的に曲線状であり得る。
【0035】
接地エレメントはまた、深さコンポーネントを有し得、よって本質的に3次元であり得る。この点に関して、この深さコンポーネントは、平面形状に関して、セグメント化又は曲線状であり得る (例えば凹面又は凸面を有し得る)。よって、接地エレメントは数多くの可能な3次元形状を含み得ることが理解されよう。
【0036】
非限定的な例としては、球形、放物線状、楕円形の2次元又は3次元形態を含み得る。接地エレメントは、数多くの2次元又は3次元形状の形態で提供され得ることが、当業者には理解されよう。
【0037】
本発明の上述の主な態様と、下記の態様に関して、意図される焦点の空間領域は、イオン流が集束または集中される空間領域 (すなわち焦点) を表わし、これにより、空間領域を実質的に通過するイオン流が強化され、イオンビームの空間的分配がその領域内で低減される。意図される焦点の空間領域はしばしば、後続の分光分析のためにイオンが導かれる入口領域の位置又はその近くに提供される。いくつかの実施形態において、この空間領域は、しばしば、質量分析計装置の全体の構成の一構成要素である質量分析器または衝突セル配置の入口位置またはその近くに提供される。
【0038】
好ましくは、イオン流は、任意のイオン熱運動化装置によって、イオンデフレクターに向かって集中または集束させることができ、これには例えばイオン漏斗、イオンガイド、または、残留圧力衝突冷却または衝突集束機能を採用したその他の装置が挙げられる。このようにして、イオン源から抽出されたイオンビームは、強化されたイオン流及び/又は低減されたエネルギー分布特性を有するイオンデフレクターに向かうよう、集束または集中させることができる。
【0039】
典型的に、意図される焦点の空間領域は、イオンデフレクターへの入口とは空間的に別個であり、ここにおいて、両者の間の位置関係は、電場誘導体配置の具体的な構成と相関関係にある。一実施形態において、この電場誘導体は、意図される焦点の空間領域がイオンデフレクターへの入口から十分に離れるよう配置され、これによりイオンが、行路の第1軸と第2軸との間で偏向される。
【0040】
好ましくは、この電場誘導体は、意図される焦点の空間領域の位置とこれによるイオン流の向きが所定通りになるよう配置される。
【0041】
行路の第1軸と第2軸の間の相対的角度は、望ましい質量分析計配置に応じて異なり得ることが理解されよう。例えば、イオンビームの偏向は、標的イオンのみを偏向することで、望ましくない粒子をイオンビーム流から除去することによって、質量分析計の測定感度が高まることが見出されている。したがって、そのような配置では、一般に衝突的雰囲気を提供することにより標的イオン密度を改善しようとする衝突または反応セルの必要を回避することが可能となる。加えて、イオンビームの操作または操舵の能力により、設計者が、よりコンパクトで、占めるベンチスペースがより小さい、あるいは機械的許容範囲が緩和された、質量分析計を開発することが可能になる。
【0042】
一実施形態において、電場誘導体は、第1行路軸と第2行路軸 (又は意図される第1行路及び第2行路) が互いに実質的に90度の角度で配置されているとき、これら行路軸の間でイオンが偏向するように、配置され得る。
【0043】
本発明の主な別の一態様により、2つの異なる行路の間でイオン流を導くための、質量分析計と共に使用するためのイオンデフレクターが提供され、このイオンデフレクターは、複数の静電場を確立するよう配置された電場誘導体を含み、これは、第1行路軸に沿っているイオンの流れを、意図される焦点の空間領域に向かって流れるようにすることができ、これにより、意図される焦点の空間領域を通って流れるイオンの空間的分布は、質量分析計に入るイオンの分布に比べて、実質的に低減されている。
【0044】
本発明の更なる主な一態様により、2つの異なる行路の間でイオン流を導くための、質量分析計と共に使用するためのイオンデフレクターが提供され、このイオンデフレクターは、複数の静電場を確立するよう配置された電場誘導体を含み、これは、第1行路軸に沿っているイオンの流れを、意図される焦点の空間領域に向かって流れるようにすることができ、これにより、空間領域を通って流れるイオン流は、質量分析計に入るイオンのイオン流に比べて、実質的により大きくなる。
【0045】
本発明の更なる主な一態様により、質量分析計装置と共に使用するためのサンプリングインタフェースが提供され、このサンプリングインタフェースは、分光分析のために、質量分析計内でイオンをサンプリングできるよう配置され、このサンプリングインタフェースは、イオン源から抽出された大量のイオンを受容して、第1行路軸に沿ってイオンビームを提供し、第2行路軸に沿って移動するイオンを受容するために配置されたイオン検出器に向けて意図された経路に沿って方向付けることができ、このサンプリングインタフェースは、第1行路軸と第2行路軸とにわたってイオンビームを偏向させるための、本発明の上述の主な態様の任意の実施形態にしたがって配置されたイオンデフレクターを含む。
【0046】
サンプリングインタフェースは、次の質量分析法装置のうち少なくとも1つに組み込み可能であるよう配置することができる: 大気圧プラズマイオン源 (低圧又は高圧プラズマイオン源も使用可能) の質量分析法で、例えば誘導結合プラズマ質量分析法 (ICP-MS)、マイクロ波プラズマ質量分析法 (MP-MS)、又はグロー放電質量分析法 (GD-MS) 若しくは光プラズマ質量分析法 (例えば、レーザー誘導プラズマ)、ガスクロマトグラフィー質量分析法 (GC-MS)、液体クロマトグラフィー質量分析法 (LC-MS)、及びイオンクロマトグラフィー質量分析法 (IC-MS)。更に、その他のイオン源も含まれ得、これには、電子イオン化 (EI)、リアルタイム直接分析 (DART)、脱離エレクトロスプレー (DESI)、フロー大気圧アフターグロー (FAPA)、低温プラズマ (LTP)、誘電体バリア放電 (DBD)、ヘリウムプラズマイオン化源 (HPIS)、脱離大気圧光イオン化 (DAPPI)、及び大気圧又は周囲気圧脱離イオン化 (ADI) が挙げられるがこれらに限定されない。他の開発中分野の質量分析法にも本発明の原理が有益である可能性があるため、当業者には、後者のリストは網羅的なものではないことが理解されよう。
【0047】
本発明の更なる主な一態様により、本発明により配置された上述のイオンデフレクターの任意の実施形態を組み込んだ質量分析計が提供される。
【0048】
本発明の更なる主な別の一態様により、本発明により配置された上述のイオンデフレクターの任意の実施形態を組み込んだ誘導結合プラズマ質量分析計が提供される。
【0049】
本発明の更なる主な別の一態様により、本発明により配置された上述のイオンデフレクターの任意の実施形態を組み込んだ大気圧イオン源質量分析計が提供される。
【0050】
本発明の更なる主な一態様により、本発明により配置された上述のサンプリングインタフェースの任意の実施形態を組み込んだ質量分析計が提供される。
【0051】
本発明の更なる主な別の一態様により、本発明により配置された上述のサンプリングインタフェースの任意の実施形態を組み込んだ誘導結合プラズマ質量分析計が提供される。
【0052】
本発明の更なる主な別の一態様により、本発明により配置された上述のサンプリングインタフェースの任意の実施形態を組み込んだ大気圧イオン源質量分析計が提供される。
【0053】
本発明の更なる主な一態様により、質量分析計装置と共に使用するためのサンプリングインタフェースが提供され、このサンプリングインタフェースは:
イオン源から抽出されたイオンをイオンデフレクターに向かって集束させるように配置されたイオン集束装置と、イオン流を、意図される焦点の空間領域に向かって集束させることができる複数の電場を提供することができる電場誘導体を有するイオンデフレクターと、を含む。
【0054】
このイオンリフレクターは、本発明の上述の主な態様に関連して記述される任意の特徴を含み得る。
【0055】
このイオン集束装置は、例えばイオン漏斗、イオンガイド、または、残留圧力衝突冷却または衝突集束機能を採用したその他の装置などの、任意のイオン熱運動化装置を含み得る。そのような装置は、例えばオーストラリア特許仮出願第2011904560号に記述されているものなどの配置を組み込むことができ、この内容は参照により本明細書に組み込まれる。
【0056】
本発明の別の主な一態様により、質量分析計におけるイオンビームの行路を変えるための方法が提供され、この方法には、分光分析のために、実質的に第1の意図される行路に沿って移動しているイオンを偏向させて、第2の意図される行路に沿って移動させることが可能な、複数の静電場を確立する工程が含まれる。
【0057】
本発明の別の主な一態様により、質量分析計におけるイオンビームの行路を変えるための方法が提供され、この方法は、イオンに対して複数の静電場を印加することによって、第1の意図される行路に実質的に沿って移動しているイオンを、意図される焦点の空間領域に向けて、偏向させる工程を含む。
【0058】
本発明の別の主な一態様により、質量分析計におけるイオンビームの行路を変えるための方法が提供され、この方法は、イオンに対して複数の静電場を印加することによって、1つ以上の入射角から、意図される焦点の空間領域に向けて、偏向させる工程を含む。
【0059】
本発明の主な別の一態様により、2本の異なる行路軸にわたってイオンビームのイオンを偏向させる方法が提供され、この方法は、2つの異なる行路軸の間でイオン流を偏向させることができる複数の静電場を確立するよう配置された電場誘導体を有するイオンデフレクターを提供する工程を含む。
【0060】
一実施形態において、イオンデフレクターは、上述の本発明の任意の主な態様に関連して記述される任意の実施形態に従って配置される。
【0061】
この方法は更に、イオン源から抽出されたイオン流の方向を変えて、このイオン流がイオンデフレクターへの入口に向かって集束または集中されるようにする工程を含み得る。この工程は、例えばイオン漏斗、イオンガイド、または、残留圧力衝突冷却または衝突集束機能を採用したその他の装置などの、任意のイオン熱運動化装置を使用することにより提供され得る。
【0062】
この方法は更に、質量分析器装置 (例えば四重極質量分析器配置) 又は衝突セル配置の入口位置又はその近くの、意図される焦点の空間領域に向かって、イオンビームを集中又は集束させるよう、イオンデフレクターを配置する工程を含む。
【0063】
この電場誘導体は、イオンデフレクターの入口領域でのイオンのエネルギー分布が、意図される焦点の空間領域でのものエネルギー分布と実質的に同じとなるように、適切に構成され得る。
【0064】
この電場誘導体は、本発明の上述の任意の主な態様により記述されている任意の実施形態を含み得る。
【0065】
本発明の実施形態は、任意の1つ以上の添付図を参照することにより、例としてのみ、更に説明され、具体的に示される。