(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
図1には、本実施の形態に係る画像処理装置10が示されている。
【0017】
画像処理装置10は、記録用紙に画像を形成する画像形成部12と、原稿画像を読み取る画像読取部14と、ファクシミリ通信制御回路16を備えている。画像処理装置10は、メインコントローラ18を備えており、画像形成部12、画像読取部14、ファクシミリ通信制御回路16を制御して、例えば、画像読取部14で読み取った原稿画像の画像データを一次的に記憶したり、読み取った画像データを画像形成部12又はファクシミリ通信制御回路16へ送出したりする。なお、画像読取部14は上部筐体10Aに覆われ、画像形成部12,ファクシミリ通信制御回路16、メインコントローラ18は下部筐体10Bに覆われている。下部筐体10Bのさらに下部は記録用紙を収容する複数段のトレイユニット50が設けられている。
【0018】
また、前記画像読取部14を被覆する上部筐体10Aの上面かつ前方には、画像読取処理、複写処理、画像形成処理、送受信処理を含む処理動作(サービス)項目を指示したり、それぞれの処理動作の詳細設定を指示すると共に、画像処理装置10の状態を表示するためのユーザーインターフェイス52(以下、「UI52」という場合がある。)が配置されている。UI52には、表示画面に操作者の指等を接触することで指示可能なタッチパネル部40と、機械的動作(例えば、押圧動作)で指示可能な複数のハードキー54とが設けられている。
【0019】
また、タッチパネル部40に隣接するように、サブパネル80が設けられている。本実施の形態では、このサブパネル80は、前記UI52に属さない、独立したユーザーインターフェイスとして機能する。
【0020】
メインコントローラ18にはインターネット等のネットワーク通信回線網20が接続され、ファクシミリ通信制御回路16には電話回線網22が接続されている。メインコントローラ18は、例えば、ネットワーク通信回線網20を介してホストコンピュータと接続され、画像データを受信したり、ファクシミリ通信制御回路16を介して電話回線網22を用いてファクシミリ受信及びファクシミリ送信を実行する役目を有している。
【0021】
画像読取部14は、原稿を位置決めする原稿台と、原稿台に置かれた原稿の画像を走査して光を照射する走査駆動系と、走査駆動系の走査により反射又は透過する光を受光して電気信号に変換するCCD等の光電変換素子と、が設けられている。
【0022】
画像形成部12は、感光体を備え、感光体の周囲には、感光体を一様に帯電する帯電装置と、画像データに基づいて光ビームを走査する走査露光部と、前記走査露光部によって走査露光されることで形成された静電潜像を現像する画像現像部と、現像化された感光体上の画像を記録用紙へ転写する転写部と、転写後の感光体の表面をクリーニングするクリーニング部と、が設けられている。また、記録用紙の搬送経路上には、転写後の記録用紙上の画像を定着する定着部を備えている。
【0023】
本実施の形態では、上記画像形成部12、画像読取部14、ファクシミリ通信制御回路16(以下、総称する場合「デバイス」という場合がある)を用いて、スキャン、複写、プリント、ファクシミリ送信、ファクシミリ受信、受信後のプリントを含むサービス(処理形態)が実行可能である。
【0024】
画像処理装置10には、入力電源線24の先端にコンセント26が取り付けられており、壁面Wまで配線された商用電源31の配線プレート32に、当該コンセント26を差し込むことで、画像処理装置10は、商用電源31から、電力の供給を受けるようになっている。
【0025】
なお、
図1(A)は、コンセント26が配線プレート32に差し込まれた状態であり、この場合、商用電源31の電力が画像処理装置10へ供給される。一方、
図1(B)は、コンセント26が配線プレート32に差し込まれていない状態であり、この場合、商用電源31の電力は画像処理装置10へ供給されない。
【0026】
また、
図1(A)に示すように、コンセント26が配線プレート32に差し込まれていても、例えば、オフタイマー機能付タップ(延長コードを含む)が介在されている場合は、見た目は
図1(A)のように電力供給状態であっても、画像処理装置10に電力が供給されないことがある。
【0027】
図2に示される如く、上部筐体10Aに設置されたUI52は、当該上部筐体10Aとは別部材とされたプレート56上に設けられている。プレート56の中央部には、タッチパネル部40が配置されている。また、タッチパネル部40の
図2の左右のプレート56の表面には、複数のハードキー54A〜54E(
図1では、総称してハードキー54とした)が露出されている。
【0028】
ハードキー54A〜54Eは、それぞれ押圧操作によって予め決められた指示情報を確定するものであり、例えば、タッチパネル部40の表示画面を基本画面に遷移させるためのメニューキー54A、複写を指定するためのコピーキー54B、複写の部数を指定したり、暗唱番号を入力するためのテンキー54C、節電を指示したり解除するための節電キー54D、処理の実行を指示するためのスタートキー54Eを備える。
【0029】
また、前記プレート56の
図2の右下であり、スタートキー54Eの近傍には、モニタ用LEDとして、データ送信中を表示するLED72A、エラー発生を報知するためのLED72B、電源投入を報知するLED72Cが設けられている。
【0030】
一方、前記プレート56の
図2の左側には、サブパネル80が設けられている。本実施の形態では、サブパネル80は、上部筐体10Aに設けられた矩形状の凹陥部57に収容されている。
【0031】
サブパネル80は、全体を覆うカバー部材の表面(
図2に示すように、凹陥部57に収容された状態では上面)には、表示部88が設けられている。
【0032】
なお、このサブパネル80は、前記凹陥部57に収容された状態で固定されてもよいし、着脱可能としてもよい(
図2の想像線参照)。また、サブパネル80が着脱可能な場合、画像処理装置10との間で情報通信を司るバス33E、電流監視用の信号線100(
図2、
図3参照)に相当する配線系統は、有線でもよいし、無線であってもよい。
【0033】
なお、サブパネル80の取付位置は限定されるものではなく、UI52の周囲はもちろん、上部筐体10A、下部筐体10Bを含み、何れに取り付けてもよいが、ユーザーから見易い位置を選択することが好ましい。また、サブパネル80を着脱可能な構造とした場合は、仮設置場所を複数箇所設けてもよい。
【0034】
サブパネル80は、本実施の形態において、前記UI52とサブパネル80とを区別する理由は、電力の供給元が異なる点にあり、UI52への電力供給が遮断されているときでも、別系統から電力の供給を受けて、告知情報の報知を行う役目を有する。
【0035】
図3に示される如く、サブパネル80は、独自の蓄電デバイス82が設けられおり、電力供給線35Eを介して制御部84に接続されている。この蓄電デバイス82は、ソーラーパネル86による太陽光発電によって、充電されるようになっている。
【0036】
また、サブパネル80には、制御部84の制御によって動作する表示部88が設けられている。
【0037】
なお、表示部88は、バックライトを持たない液晶表示装置を適用し、現状で考え得る最小消費電力としたが、蓄電デバイス82の蓄電量、或いは、ソーラーパネル86の発電能力によって、バックライトを持つ表示部88や、LED表示部であってもよい。さらに、操作機能を備えたタッチパネル式としてもよい。
【0038】
上記のように、サブパネル80は、画像処理装置10から電力供給を受けず、独立した電源(蓄電デバイス82)から受ける電力で動作し、メインコントローラ18からバス33Eを介して受け付ける稼働情報(例えば、各デバイスへの実行情報、動作モード(状態)情報を含む)に基づいて表示部88に告知情報(主として、電力値情報)を表示する情報表示装置として機能する。
【0039】
(画像処理装置の制御系)
図3は、画像処理装置10の制御系のハード構成の概略図である。
【0040】
ネットワーク回線網20は、前記画像処理装置10のメインコントローラ18に接続されている。なお、ネットワーク通信回線網20には、画像データを送信元等になり得るPC(端末装置)29が接続されている。
【0041】
メインコントローラ18には、それぞれ、データバスやコントロールバス等のバス33A〜33Dを介して、ファクシミリ通信制御回路16、画像読取部14、画像形成部12、UI52が接続されている。すなわち、このメインコントローラ18が主体となって、画像処理装置10の各処理部が制御されるようになっている。
【0042】
また、本実施の形態のメインコントローラ18は、バス33Eを介して、サブパネル80の制御部84に接続されている。
【0043】
前記画像処理装置10は、電源装置42を備えており、メインコントローラ18とは信号ハーネス43で接続されている。
【0044】
電源装置42は、前記商用電源31から配線プレート32、コンセント26を経て、入力電源線24を介して電力の供給を受けている。
【0045】
電源装置42では、メインコントローラ18、ファクシミリ通信制御回路16、画像読取部14、画像形成部12、UI52のそれぞれに対して独立して電力を供給する電力供給線35A〜35Dが設けられている。このため、メインコントローラ18では、各処理部(デバイス)に対して個別に電力供給(電力供給モード)、或いは電力供給制限(省エネモード)し、所謂部分節電制御を可能としている。
【0046】
ところで、一般的な省エネモードでは、メインコントローラ18以外のデバイスへの電力供給を遮断すると共に、メインコントローラ18においても、外部(ネットワーク通信回線網20や、電話回線網22)からの情報の受付待機機能に必要な電力以外の電力を遮断している。この場合、電力として、1.5w〜5w程度が消費される。
【0047】
これに対して、本実施の形態では、省エネモードとして、メインコントローラ18に対しても、基本的に電力供給を遮断する「スリープ0」モードとしている。
【0048】
「基本的に電力供給を遮断」という意味は、メインコントローラ18が、商用電源31(電源装置42)からの電力を一切受けないが、外部からの情報受付待機機能、並びに「スリープ0」モード状態から通常モード状態に復帰させるために、主電源部である電源装置42とは別の副電源部から電力供給を受けることを意味する。この「スリープ0」モードにおける消費電力は、前記一般的な消費電力(1.5w〜5w)に比べ、0.1w以下となり、省エネ性が拡張される。前記サブパネル80の表示部88には、告知情報の1つとして、この「スリープ0」モード中の消費電力が表示可能となっている。
【0049】
ここで、本実施の形態では、表示部88での電力表示を1w単位としている。従って、1w未満の消費電力は、「スリープ0」モード中は、「0w」の表示となる。
【0050】
本実施の形態の画像処理装置10は、漏電遮断器102(
図4参照)が搭載されている。このため、コンセント26が配線プレート32に接続され、入力電源線24と商用電源31とが導通状態であると、漏電遮断器102に電流が流れ、10mw(0.01w)程度の電力が消費される場合がある。このような、1w未満の消費電力は、例えば、画像処理装置10における最大消費電力(画像形成時の1300w)と比較すれば誤差の範囲として処理しても問題はない。
【0051】
図3に示される如く、本実施の形態では、前記「スリープ0」モード期間中に、メインコントローラ18へ電力を供給するための副電源部として、太陽光発電を利用した電源システムが適用されている。
【0052】
すなわち、画像処理装置10には、ソーラーパネル92が設置されている。ソーラーパネル92は、例えば、上部筐体10Aや下部筐体10B(
図1参照)の表面の全部又は一部に貼り付けてもよいし、画像処理装置10から離して配置するようにしてもよい。
【0053】
ソーラーパネル92は、専用配線94を介して蓄電デバイス96に接続されている。蓄電デバイス96に充電されている電力は、電力供給線98を介してメインコントローラ18に送出可能となっている。
【0054】
メインコントローラ18には、電源切替部18Aとサブコントローラ18Sが設けられている。電源切替部18Aでは、電力供給元を、通常モード時は前記電源装置42(主電源部)に切り替え、「スリープ0」モード時は蓄電デバイス96(副電源部)に切り替える。なお、詳細は後述するが、
図4に示される如く、「スリープ0」モード時には、入力電源線24に介在される0wスイッチ104をオフとしているため、主電源スイッチ106がオン状態であっても、商用電源31からの電力がLVPS108に入力することはない。
【0055】
サブコントローラ18Sは、メインコントローラ18の一部の機能であり、「スリープ0」モード期間中に起動し、前記節電キーの操作状態の監視、並びに、前述した外部からの情報受付待機、並びに「スリープ0」モード状態から通常モード状態に復帰させるプログラムを実行する。
【0056】
なお、サブコントローラ18Sは、メインコントローラ18とは別体として設けてもよい。
【0057】
図4は、本実施の形態の画像処理装置10における、メインコントローラ18に対して電力を供給するための配線を主体とした回路図が示されている。
【0058】
一端部にコンセント26が取り付けられた入力電源線24の他端部は、漏電遮断器102に接続されている。すなわち、漏電遮断器102は、主電源スイッチ106よりも上流側に接続されている。
【0059】
漏電遮断器102では、画像処理装置10内の電力配線の漏電を監視しており、仮に漏電があった場合には、画像処理装置10の最入力端で電力供給が遮断される。
【0060】
前記主電源スイッチ106は、ユーザーの意思で画像処理装置10に商用電源31からの電力を投入する役目を有している。この主電源スイッチ106は、0wスイッチ104を介してLVPS108に接続されている。
【0061】
0wスイッチ104は、メインコントローラ18からの指示信号に基づいてオン/オフする、ソフト的にオン/オフ制御されるスイッチである。通常モードから「スリープ0」モードへ移行するとき、この0wスイッチ104がオフされると共に、電源切替部18Aの接点切り替えによって、サブコントローラ18Sに対して蓄電デバイス96から電力が供給されるようになっている。
【0062】
(電源遮断告知機能)
ここで、本実施の形態では、前記漏電遮断器102よりもさらに上流側となる入力電源線24に電流検知装置110が取り付けられている。電流検知装置110は、入力電源線24の周りにコイル部110Aが配置され、電流と磁界との関係に基づいて入力電源線24に流れる電流を計測する。
【0063】
電流検知装置110は、信号線100を介して、計測値信号をサブパネル80の制御部84へ送出するようになっている。サブパネル80では、計測値信号を常に監視している。
【0064】
サブパネル80の制御部84では、電流が流れているときにH信号、流れていないときにL信号となる2値信号を生成する。
【0065】
ここで、H信号が生成された場合には、「スリープ0」モード中の電力値(「0w」、若しくは、より高精度の場合は「0.01w」)を表示する。
【0066】
一方、L信号が生成された場合には、取得した電流値に基づいて、消費電力を演算する。
【0067】
また、上記監視において、L信号が生成されたた場合には、漏電遮断器102にも電力が供給されていない状態である。例えば、コンセント26が抜けている、或いは、オフタイマー機能付タップでタイムアップしている等の理由で、入力電源線24からの漏電遮断器102への電力供給が断たれていることが予測される。
【0068】
そこで、サブパネル80の制御部84では、L信号が生成された場合、表示部88に、商用電源31からの入力(AC入力)が遮断されている旨の告知情報(例えば、「電源入力が遮断されています」、「AC入力が遮断されています」、「コンセント等を確認して下さい」等)を表示するようにしている。
【0069】
(復帰制限機能)
また、「スリープ0」モード中、副電源である蓄電デバイス96から電力を受けて、主として復帰指示の契機を監視しているサブコントローラ18Sでは、例えば、ユーザーによる節電キー54Dの復帰指示操作があると、メインコントローラ18の全ての機能を回復するための復帰動作を実行する。このとき、消費電力が急激に上昇するため、電源切替部18Aにより電源系統を副電源から主電源に切替える。
【0070】
ところが、この主電源への切り替えがあっても、前述のようにコンセントが抜けているような事態では、メインコントローラ18を復帰させる電力を確保することができない場合がある。
【0071】
そこで、本実施の形態では、「スリープ0」モードから通常モードへ復帰する際のサブコントローラ18Sにおいて、前記サブパネル80の制御部84から、電力供給の有無を示す信号(H信号、L信号)を取得し、商用電源31の取得の可否を判断するようにした。
【0072】
より具体的には、サブコントローラ18Sがサブパネル80の制御部84からH信号を受けると、通常モードへの復帰を実行する。一方、サブコントローラ18Sがサブパネル80の制御部84からL信号を受けると、「スリープ0」モードを維持する。
【0073】
以下、本実施の形態の作用を
図5及び
図6のフローチャートに従い説明する。
【0074】
図5は、サブパネル80の制御部84における電力供給監視制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0075】
ステップ150では、電流検知装置110から信号を取得し、次いで、ステップ152へ移行して、取得した電流値に基づいてH信号/L信号を生成する。H信号は電源供給有りを示し、L信号は電源供給無しを示す。
【0076】
次のステップ154では、前記ステップ152で生成した信号を判別する。ステップ154において、H信号と判別した場合は、0wスイッチ104までは商用電源31からの電力が供給されていると判断し、ステップ156へ移行する。ステップ156では、電流値から電力値を演算し、次いでステップ158へ移行してサブパネル80の表示部88に、電力値を表示し、ステップ150へ戻る。
【0077】
一方、ステップ154において、L信号と判別した場合は、入力電源線24に商用電源部31からの電力が供給されていないと判断し、ステップ160へ移行する。
【0078】
ステップ160では、サブパネル80の表示部88に、AC遮断を報知して、ステップ150へ戻る。なお、メッセージとしては、「電源入力が遮断されています」、「AC入力が遮断されています」、「コンセント等を確認して下さい」等が考えられる。
【0079】
ユーザーは、省エネ志向として、コンセント26を抜く場合があり、「スリープ0」モード中にコンセント26が抜かれた状態で復帰指示があると、電力不足によりメインコントローラ18が正しく復帰しない場合がある。本実施の形態では、その要因を、サブパネル80の表示部88にメッセージを表示するようにしたため、ユーザーへのコンセント抜け等の報知が可能となる。
【0080】
図6は、サブコントローラにおける電力供給状態復帰制御ルーチンを示すフローチャートである。
【0081】
ステップ170では、復帰指示があったか否かが判断され、否定判定された場合はこのルーチンは終了する。また、ステップ170で肯定判定されると、ステップ172へ移行して、メインコントローラ18に電力を供給して、一部の機能を復帰させる。このとき、「スリープ0」モード中の場合の電力は、蓄電デバイス96からの電力でまかなう。
【0082】
次のステップ174では、復帰指示が「スリープ0」モードからの復帰か否かが判断される。
【0083】
このステップ174で否定判定された場合には、商用電源31から電力の供給を受けている状態(例えば、5w程度の電力で稼働する通常の省エネモード、或いはスタンバイモード)と判断し、ステップ176へ移行して通常復帰処理を実行し、このルーチンは終了する。
【0084】
また、ステップ174で肯定判定された場合は、商用電源31から電力の供給を受けていない状態(すなわち、「スリープ0」モード)と判断し、ステップ178へ移行して、サブパネル80の制御部84から電力供給有無信号(H信号/L信号)を取得して、ステップ180へ移行する。
【0085】
ステップ180では、信号の種別を判別する。このステップ180でH信号と判別した場合は、少なくとも0wスイッチ104の上流側までは電力の供給を受けていると判断し、ステップ182へ移行して、スリープ復帰処理を実行する。このスリープ復帰処理では、まず、0wスイッチ104のオン制御から開始され、その後、電源切替部18Aでの電源切替処理が実行される。
【0086】
また、ステップ180でL信号と判別した場合は、入力電源線24に電力が供給されていないと判断し、ステップ184へ移行して、「スリープ0」モード移行の準備をし、次いでステップ186へ移行してメインコントローラ18の電力供給を遮断(一部機能復帰の終了)して、このルーチンは終了する。
【0087】
この結果、商用電源31からの電力が供給されていない状態での復帰処理の実行が回避されるため、例えば、メインコントローラ18における電力不足に起因するプログラム暴走、データ消失といった不具合の未然の防止が可能である。
【0088】
本実施の形態では、画像処理装置10に搭載された漏電遮断器102において、「スリープ0」モード中でも10mw程度の電流が流れることを利用して、入力電源線24の電流を電流検知装置110で検知し、コンセント抜けやオフタイマーのオフ起動による商用電源31が入力電源線24に取り込まれていないこと(以下、「電源入力遮断」という)を判別するようにした。この判別の結果、「電源入力遮断」状態をサブパネル80の表示部88に報知すると共に、「電源入力遮断」状態での通常モード復帰を禁止し、メインコントローラ18の暴走、並びに記憶情報の消失を防止するようにした。
【0089】
なお、本実施の形態では、画像処理装置10に搭載された漏電遮断器102において、「スリープ0」モード中でも10mw程度の電流が流れることを利用したが、漏電遮断器102が搭載されていない場合には、
図7に示される如く、入力電源線24に抵抗112を介して接地された配線114を施し、当該抵抗112間の電圧を検出し、サブパネル80の制御部84へ送出することで、「電源入力遮断」状態か否かを判別するようにしてもよい。