(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0016】
以下、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
【0017】
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態の通信装置100を示した図である。
【0018】
図1において、通信装置100は、通信部101および102と、制御部103と、を含む。通信装置100は、例えば車両に搭載される。
【0019】
通信部101は、第1通信手段の一例である。通信部101は、他の通信装置と第1通信方式で通信する。
【0020】
第1通信方式は、例えば、車々間通信や路車間通信で使用されるアドホック通信方式であり、一例としては、IEEE802.11pに準拠した無線LAN(Local Area Network)通信方式である。なお、第1通信方式は、IEEE802.11pに準拠した無線LAN通信方式に限らず適宜変更可能である。
【0021】
通信部102は、第2通信手段の一例である。通信部102は、他の通信装置と通信する外部サーバと、第1通信方式とは異なる第2通信方式で通信する。
【0022】
第2通信方式は、例えば、携帯電話通信で用いられているセルラー通信方式であり、一例としては、3G(3rd Generation)やLTE(Long Time Evolution)である。なお、第2通信方式は、3GやLTEに限らず、第1通信方式と異なる通信方式であればよい。
【0023】
制御部103は、制御手段の一例である。制御部103は、通信部101と通信部102とから、同一の通信情報を送信する。
【0024】
本実施形態によれば、制御部103は、通信部101と通信部102とから、同一の通信情報を送信する。このため、通信情報は、通信装置100から、第1通信方式を用いた通信経路と、第2通信方式を用いた通信経路と、に送信される。よって、通信装置100から送信された情報が他の通信装置に到達するまでに通る経路を複数にすることが可能になる。したがって、通信装置100から送信された情報が、他の通信装置に到達する確率を高くすることが可能になる。
【0025】
(第2実施形態)
図2は、本発明の第2実施形態の通信装置100A−1〜100A−n(nは1以上の整数)を含む通信システム1を示した図である。
図2において、
図1に示したものと同一構成のものには同一符号を付してある。
【0026】
本実施形態では、通信部101は、第1通信方式として、車々間通信や路車間通信で使用されるアドホック通信方式の一例であるIEEE802.11pに準拠した無線LAN通信方式を用いるとする。また、通信部102は、第2通信方式として、セルラー通信方式の一例である携帯電話通信で用いられている3G通信方式を用いるとする。
【0027】
図2において、通信システム1は、通信装置100A−1〜100A−nと、中継局200と、サーバ300と、を含む。なお、サーバ300は、外部サーバに相当する。
【0028】
通信装置100A−1〜100A−nは、それぞれ、車両400−1〜400−nに搭載されている。
【0029】
通信装置100A−1は、通信部101および102と、制御部103Aと、位置検出部104と、異常検出部105と、を含む。制御部103Aは、通信情報生成部103A1と、格納部103A2と、管理部103A3と、複製部103A4と、を含む。
【0030】
位置検出部104は、例えばGPS(Global Positioning System)を用いて、通信装置100A−1の位置を特定する。通信装置100A−1の位置は、車両400−1の位置も意味する。
【0031】
位置検出部104は、通信装置100A−1の位置を特定すると、通信装置100A−1の位置を表す位置情報を生成する。位置検出部104は、継続的に位置を特定し、継続的に位置情報を生成する。位置検出部104は、位置情報を通信情報生成部103A1に出力する。なお、位置検出部104は、通信装置100A−1内に含まれてもよいし、通信装置100A−1の外部装置でもよい。
【0032】
異常検出部105は、車両400−1の経路上の異常の有無を検出する。異常とは、経路の交通に支障を与える事態が生じている可能性があることを意味し、例えば、道路上に存在する障害物や落下物、道路の異常(陥没や法面の崩れ等)、または、大雨等の気象異常等である。
【0033】
異常検出部105は、異常を検出すると、その異常の種別を表す異常識別情報を生成し、異常識別情報を通信情報生成部103A1に出力する。
【0034】
異常検出部105は、例えば、車両400−1の進行方向を撮像するカメラと、カメラが撮像した画像を処理する画像処理装置と、を含み、カメラが撮像した画像を用いて、車両400−1の経路上の異常の有無を検出する。
【0035】
なお、異常検出部105は、例えば、光センサや超音波センサ等を用いて異常を検出してもよい。また、異常検出部105は、アンチロック(あるいはスキッド)ブレーキシステム等によるタイヤのロック状態の検知信号等に基づいて、異常を検出してもよい。また、異常検出部105は、ユーザが異常を発見したときに操作する手動操作のスイッチの出力に基づいて、異常を検出してもよい。また、異常検出部105は、これらの各機能を組み合わせて、異常を検出してもよい。
【0036】
以下では、異常検出部105が生成する異常識別情報として、道路上に異常物体(例えば、障害物または落下物)が存在することを表す異常物体情報が用いられる。なお、異常識別情報は、異常物体情報に限らず適宜変更可能である。
【0037】
制御部103Aは、制御手段の一例である。
【0038】
制御部103Aは、通信部101を用いた通信(車々間通信や路車間通信等のアドホック通信)と、通信部102を用いた通信(サーバ300との間で行われるセルラー通信)と、の各々を制御する。
【0039】
通信情報生成部103A1は、位置情報または異常物体情報を元に、通信情報を生成する。
【0040】
通信情報生成部103A1は、位置検出部104から位置情報を受け付けると、その位置情報と、その位置情報を生成した装置(この場合、通信装置100A−1)を識別するための装置IDと、を表すメッセージを生成する。
【0041】
本実施形態では、位置情報と装置IDを表すメッセージとして、CAM(Cooperative Awareness Message)が用いられる。なお、装置IDは、通信情報生成部103A1にて保持されている。CAMは、通信情報の一例である。
【0042】
通信情報生成部103A1は、CAMを生成すると、そのCAMを管理部103A3に出力する。
【0043】
また、通信情報生成部103A1は、異常検出部105から異常物体情報を受け付けると、その異常物体情報と、その異常物体情報を生成した装置(この場合、通信装置100A−1)の装置IDと、そのときの通信装置100A−1の位置を表す位置情報(位置検出部104からの位置情報)と、を表すメッセージを生成する。
【0044】
本実施形態では、異常物体情報と装置IDと位置情報を表すメッセージとして、DENM(Decentralized Environmental Notification Message)が用いられる。DENMは、通信情報の一例である。
【0045】
通信情報生成部103A1は、DENMを生成すると、そのDENMを管理部103A3に出力する。
【0046】
格納部103A2は、CAMやDENMを格納するために用いられる。
【0047】
管理部103A3は、CAMやDENMのルーティング(パケットルーティング)を制御する。例えば、管理部103A3は、通信部101が属するアドホックネットワークにおいて、GN(GeoNetworking)に基づいてCAMやDENMのルーティングを制御する。
【0048】
なお、GNは、欧州標準ETSI TS 102 636-4-1で仕様化されたネットワークレイヤープロトコルである。GNは、車々間通信や路車間通信を行う通信装置間で、位置情報に基づいたパケットの送受信を制御する。また、車々間通信や路車間通信を行う通信装置を指定したパケットの送信(ユニキャスト)では、通信装置は移動しているため、GNは、定期的に位置情報を交換し、中継する通信装置をリアルタイムに切り替える。また、アドホックネットワークにおいてブロードキャストで送信された複数のパケットは、複数の経路(通信装置が中継ノードとなる経路)を通って同一の通信装置に到達する可能性があるため、GNは、アドホックネットワークを通ってきた同一情報を有するパケットのうち、最初に到着したパケットを選択する機能を有する。
【0049】
管理部103A3は、通信情報生成部103A1からCAMを受け付けると、そのCAMの複製を生成し、その複製を格納部103A2に格納する。また、管理部103A3は、その複製の元になったCAMに、オフ状態にセットされた送信識別フラグを付し、送信識別フラグが付されたCAMを、複製部103A4に出力する。
【0050】
オフ状態にセットされた送信識別フラグは、その送信識別フラグ付きの通信情報(例えばCAM)がサーバ300にて認識されていないことを意味する。
【0051】
一方、オン状態にセットされた送信識別フラグは、その送信識別フラグ付きの通信情報がサーバ300にて認識済みであることを意味する。なお、オン状態にセットされた送信識別フラグは、認識済み情報の一例である。
【0052】
また、管理部103A3は、通信情報生成部103A1からDENMを受け付けると、そのDENMの複製を生成し、その複製を格納部103A2に格納する。また、管理部103A3は、その複製の元になったDENMに、オフ状態にセットされた送信識別フラグを付し、送信識別フラグが付されたDENMを、複製部103A4に出力する。
【0053】
また、管理部103A3は、他の通信装置からアドホック通信方式で送信されたCAMまたはDENMを、通信部101を介して受信する。通信部101を介して受信されたCAMやDENMには、それぞれ、送信識別フラグが付されている。
【0054】
また、管理部103A3は、サーバ300からセルラー通信方式で送信されたDENMを、通信部102を介して受信する。なお、通信部102を介して受信されたDENM、つまり、サーバ300から送信されたDENMには、オン状態にセットされた送信識別フラグが付されている。
【0055】
管理部103A3は、通信部101を介してCAMを受信した場合、そのCAMの複製を生成し、その複製から送信識別フラグを除いた残りの部分(CAMそのもの)を格納部103A2に格納する。さらに、管理部103A3は、その複製の元になったCAM(送信識別フラグ付きCAM)を、複製部103A4に出力する。
【0056】
また、管理部103A3は、通信部101または102を介してDENMを受信し、かつ、そのDENMと同一の情報(DENM)が格納部103A2に格納されていない場合には、そのDENMの複製を生成し、その複製から送信識別フラグを除いた残りの部分(DENMそのもの)を格納部103A2に格納する。さらに、管理部103A3は、その複製の元になったDENM(送信識別フラグ付きDENM)を、複製部103A4に出力する。
【0057】
また、管理部103A3は、通信部101または102を介してDENMを受信し、かつ、そのDENMと同一の情報(DENM)が格納部103A2に格納されている場合には、そのDENMを破棄する。
【0058】
複製部103A4は、送信識別フラグが付された通信情報(CAMやDENM)を受け付けると、送信識別フラグのオン・オフ状態に応じて、送信識別フラグが付された通信情報(CAMやDENM)の送信手法を変更する。
【0059】
例えば、複製部103A4は、オン状態の送信識別フラグが付された通信情報(CAMやDENM)を受け付けた場合、オン状態の送信識別フラグが付された通信情報を、通信部102から送信することなく、通信部101から送信する。
【0060】
一方、複製部103A4は、オフ状態の送信識別フラグが付された通信情報(CAMやDENM)を受け付けた場合、オフ状態の送信識別フラグが付された通信情報の複製を作成し、その複製を通信部102から送信し、その後、サーバ300から通信情報(複製)を受信した旨の応答(例えばACK)を受信すると、その複製の元になった通信情報に付された送信識別フラグをオン状態に変更し、オン状態の送信識別フラグが付された通信情報を通信部101から送信する。
【0061】
なお、複製部103A4は、複製の元になった通信情報を通信部102から送信し、その後、サーバ300から通信情報(複製の元になった通信情報)を受信した旨の応答(例えばACK)を受信すると、複製が有する送信識別フラグをオン状態に変更し、オン状態に変更された送信識別フラグを有する複製を通信部101から送信してもよい。
【0062】
通信装置100A−2〜100A−nは、通信装置100A−1と同様の構成を有する。このため、通信装置100A−2〜100A−nについての説明を省略する。
【0063】
中継局200は、通信部101が採用している通信方式と同じ通信方式に対応し、通信部101と通信する。中継局200は、通信部101から受信したCAMやDENMを、サーバ300に送信する。
【0064】
サーバ300は、通信部301と、処理部302と、を含む。
【0065】
通信部301は、サーバ側通信手段の一例である。
【0066】
通信部301は、不図示の基地局を介して3G通信方式で通信部102と通信する。
【0067】
処理部302は、処理手段の一例である。
【0068】
処理部302は、通信部301や中継局200を介して、CAMやDENMを受信する。処理部302は、CAMを用いて各通信装置(各車両)の位置を管理する。また、処理部302は、DENMにて表される異常物体の位置を確認し、その位置の周囲(例えば、異常物体の位置を中心に半径500mの範囲内)にいる各通信装置(各車両)に、通信部301や中継局200を介して、そのDENMを送信する。処理部302は、オン状態にセットされた送信識別フラグが付されたDENMを送信する。なお、異常物体の位置の周囲は、異常物体の位置を中心に半径500mの範囲内に限らず、適宜変更可能である。
【0069】
また、処理部302は、通信部301が複数の通信装置100Aから同一の位置情報および同一の異常物体情報を表す複数のDENMを受信した場合、それら複数のDENMのうちいずれか1つ(例えば、最も早く受信したDENM)を保持し、他を破棄する。
【0071】
図3は、通信装置100A−1の動作を説明するためのフローチャートである。
【0072】
管理部103A3は、通信部101、通信部102または通信情報生成部103A1から、通信情報(CAMまたはDENM)を受け付けると(ステップS301)、通信情報(CAMまたはDENM)に送信識別フラグが付加されているかを判断する(ステップS302)。
【0073】
通信情報(CAMまたはDENM)に送信識別フラグが付加されていない場合、つまり、その通信情報が通信情報生成部103A1にて生成された通信情報である場合、管理部103A3は、その通信情報(CAMまたはDENM)の複製を生成し、その複製を格納部103A2に格納する(ステップS303)。
【0074】
続いて、管理部103A3は、その複製の元になった通信情報に、オフ状態にセットされた送信識別フラグを付し(ステップS304)、送信識別フラグが付された通信情報を、複製部103A4に出力する。
【0075】
一方、ステップS302で通信情報(CAMまたはDENM)に送信識別フラグが付加されている場合、つまり、その通信情報が通信部101または102にて受信された通信情報である場合、管理部103A3は、通信情報がDENMであるかを判断する(ステップ305)。
【0076】
通信情報がDENMでない場合、つまり、通信情報がCAMである場合、管理部103A3は、そのCAMの複製を生成し、その複製から送信識別フラグを除いた残りの部分(CAMそのもの)を格納部103A2に格納する(ステップS306)。続いて、管理部103A3は、その複製の元になったCAMを、複製部103A4に出力する。
【0077】
一方、ステップS305で通信情報がDENMである場合、管理部103A3は、そのDENMと同一情報を表すDENMが格納部103A2に格納されているかを判断する(ステップS307)。
【0078】
管理部103A3が受け付けたDENMと同一情報を表すDENMが格納部103A2に格納されていない場合、管理部103A3は、管理部103A3が受け付けたDENMの複製を生成し、その複製から送信識別フラグを除いた残りの部分(DENMそのもの)を格納部103A2に格納する(ステップS306)。続いて、管理部103A3は、その複製の元になったDENM(送信識別フラグ付きDENM)を、複製部103A4に出力する。
【0079】
一方、ステップS307で、管理部103A3が受け付けたDENMと同一情報を表すDENMが格納部103A2に格納されている場合、管理部103A3は、管理部103A3が受け付けたDENMを破棄する(ステップS308)。
【0080】
複製部103A4は、送信識別フラグが付された通信情報(CAMまたはDENM)を受け付けると、その送信識別フラグがオフ状態かを判断する(ステップS309)。
【0081】
送信識別フラグがオフ状態であると、複製部103A4は、オフ状態の送信識別フラグが付された通信情報の複製を作成する(ステップS310)。
【0082】
続いて、複製部103A4は、その複製を通信部102からサーバ300に送信する(ステップS311)。
【0083】
サーバ300では、処理部302は、通信部301を介して複製を受信すると、複製を保持し、複製を受信した旨の応答(ACK)を、通信部301から複製の送信元に送信する。
【0084】
複製の送信元、つまり通信装置100A−1では、通信部102は、複製を受信した旨の応答(ACK)を受信すると、その応答(ACK)を複製部103A4に出力する。
【0085】
複製部103A4は、複製を送信してから所定時間内に、複製を受信した旨の応答(ACK)を受け付けると(ステップS312)、その複製の元になった通信情報に付された送信識別フラグをオン状態にセットする(ステップS313)。なお、所定時間は適宜設定可能である。
【0086】
一方、複製部103A4は、複製を送信してから所定時間内に、複製を受信した旨の応答(ACK)を受け付けなかった場合、その複製の元になった通信情報に付された送信識別フラグをオフ状態に維持する。
【0087】
続いて、複製部103A4は、送信識別フラグ付き通信情報(CAMまたはDENM)を、通信部101から送信(車々間通信)する(ステップS314)。
【0088】
例えば、ステップS309で送信識別フラグがオン状態であった場合、ステップS314では、複製部103A4は、管理部103A3から受け付けた、オン状態の送信識別フラグが付された通信情報(CAMまたはDENM)を、通信部101から送信する。
【0089】
また、ステップS312で、複製を送信してから所定時間内に複製を受信した旨の応答(ACK)が受け付けられなかった場合、ステップS314では、複製部103A4は、管理部103A3から受け付けた、オフ状態の送信識別フラグが付された通信情報(CAMまたはDENM)を、通信部101から送信する。
【0090】
また、ステップS312で、複製を送信してから所定時間内に複製を受信した旨の応答(ACK)が受け付けられた場合、ステップS314では、複製部103A4は、ステップS313でオフ状態からオン状態に変更された送信識別フラグが付された通信情報(CAMまたはDENM)を、通信部101から送信する。
【0091】
なお、送信識別フラグ付き通信情報の送信は、パケット単位で実行される。
【0092】
また、ステップS311で通信部102から送信される通信情報(送信識別フラグを除いたCAMまたはDENM)と、ステップS314で通信部101から送信される通信情報(送信識別フラグを除いたCAMまたはDENM)とは、同一の通信情報となる。
【0094】
本実施形態によれば、制御部103Aは、通信部101と通信部102から同一の通信情報を送信する。このため、通信情報は、通信装置100A−1から、アドホック通信方式を用いた通信経路と、セルラー通信方式を用いた通信経路と、に送信される。よって、通信装置100A−1から送信された情報が他の通信装置に到達するまでに通る経路を複数にすることが可能になる。したがって、通信装置100A−1から送信された情報が、他の通信装置に到達する確率を高くすることが可能になる。
【0095】
また、本実施形態では、制御部103Aは、オン状態の送信識別フラグが付された通信情報を受け付けた場合には、オン状態の送信識別フラグが付された通信情報を、通信部102から送信することなく通信部101から送信する。
【0096】
オン状態の送信識別フラグが付された通信情報は、既にサーバ300にて認識済みである。このため、既にサーバ300にて認識済みである通信情報を、再度サーバ300に通知することを抑制可能になり、また、サーバ300との通信にて輻輳が発生することを抑制可能になる。
【0097】
また、本実施形態では、制御部103Aは、オン状態の送信識別フラグが付加されていない通信情報を受け付けた場合には、その通信情報の複製を作成し、その通信情報とその通信情報の複製のうち一方を、通信部102から送信し、他方を通信部101から送信する。この場合、サーバ300にて認識されていない通信情報を受け付けた際に、その通信情報を、サーバ300と他の通信装置に送信することが可能になる。
【0098】
また、本実施形態では、制御部103Aは、オン状態の送信識別フラグが付加されていない通信情報とその通信情報の複製のうち一方をサーバ300に送信した後、サーバ300から一方を受信した旨の応答(例えばACK)を受信すると、他方に付されている送信識別フラグをオン状態に変更し、オン状態に変更された送信識別フラグを有する他方を通信部101から送信する。
【0099】
このため、サーバ300にて認識された通信情報を、オン状態の送信識別フラグが設定された状態で送信することが可能になる。
【0100】
また、本実施形態では、制御部103Aは、サーバ300にて認識されていない通信情報とその通信情報の複製のうち一方をサーバ300に送信した後、所定時間以内に一方を受信した旨の応答(例えばACK)をサーバ300から受信しなかった場合に、他方に付されている送信識別フラグをオン状態に変更することなく、オフ状態の送信識別フラグを有する他方を通信部101から送信する。
【0101】
このため、サーバ300に送信してもサーバ300にて認識されなかった通信情報については、オフ状態の送信識別フラグを付加した状態で送信することが可能になる。
【0102】
また、本実施形態では、制御部103Aは、通信部101と通信部102とが、同一の通信情報(例えばDENM)を受信した場合、同一の通信情報のうち一方を破棄する。
【0103】
このため、同一の通信情報を保持することを抑制可能になる。
【0104】
なお、制御部103Aは、通信部101からの通信情報の送信タイミングと、通信部102からの通信情報の送信タイミングとを、個別に設定してもよい。
【0105】
例えば、制御部103Aは、通信部101と通信部102からCAMを間欠的に送信する際に、通信部101にてCAMを送信する周期と、通信部102にてCAMを送信する周期と、を別々に設定する。
【0106】
この場合、通信部101にてCAMを送信する周期と、通信部102にてCAMを送信する周期とを、それぞれ適切に設定可能となる。
【0107】
また、制御部103Aは、通信部101からの通信情報の送信周期を予め設定された周期に設定し、通信部102からの通信情報の送信周期を、所定の情報に基づいて設定してもよい。
【0108】
例えば、制御部103Aは、通信部102にてCAMを送信する周期を、車両400−1の位置情報(所定の情報)に基づいて変更する。この場合、通信装置100A−1が高い頻度でのCAMの送信を必要としない場所(例えば、交通量が所定量よりも少ない場所)に位置するときには、CAMの送信間隔を長くし、通信装置100A−1が高い頻度でのCAMの送信を必要とする場所(例えば、交通量が所定量以上である場所)に位置するときには、CAMの送信間隔を短くすることが可能になる。したがって、CAMの通信の効率化を図ることが可能になる。
【0109】
なお、所定の情報は、車両400−1の位置情報に限らず適宜変更可能である。例えば、所定の情報として、車両400−1の加速度、車両400−1の進行方向、車両400−1が有する方向指示器の動作状態、車両400−1が位置するエリアの状況、現在の日時、現在の時刻、現在の気象状態、および、車両400−1の種類のいずれかが用いられてもよい。なお、制御部103Aは、車両400−1に関する情報(例えば、加速度、進行方向、種類)については、例えば、車両400−1が有する個別のセンサから受け付ける。
【0110】
また、サーバ300では、処理部302は、通信部301が複数の通信装置100Aから同一の位置情報および同一の異常物体情報を表す複数のDENMを受信した場合、それら複数のDENMのうちいずれか1つ(例えば、最も早く受信したDENM)を保持し、他を破棄する。このため、同一の通信情報(DENM)を保持することを抑制可能になる。
【0111】
なお、処理部302は、通信部101から送信されたDENM(異常物体情報)を、中継局200を介して受け付けた場合、そのDENMに表された異常物体の存在を、その異常物体の周囲に存在する車両に知らせるために、そのDENMを、そのDENMを受信した中継局200を介して送信してもよい。
【0112】
また、処理部302は、通信部102から送信されたDENM(異常物体情報)を、通信部301を介して受け付けた場合、そのDENMに表された異常物体の存在を、その異常物体の周囲に存在する車両に知らせるために、そのDENMを、通信部301から送信してもよい。
【0113】
なお、本実施形態において、通信情報(CAMやDENM)がアドホック通信に対応する通信部101から最初に送信される際に、通信情報(CAMやDENM)に最大通信ホップ数が設定され、最大通信ホップ数が設定された通信情報(CAMやDENM)は、アドホック通信時には、最大通信ホップ数だけ転送される。
【0114】
また、本実施形態において、中継局200が省略されてもよい。
【0115】
また、上記各実施形態において、通信装置100、100A−1〜100A−nまたはサーバ300は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、このコンピュータは、コンピュータにて読み取り可能なCD−ROM(Compact Disk Read Only Memory)のような記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行して、通信装置またはサーバが有する機能を実行する。なお、記録媒体は、CD−ROMに限らず適宜変更可能である。
【0116】
また、制御部103、103Aまたは処理部302は、コンピュータにて実現されてもよい。この場合、このコンピュータは、コンピュータにて読み取り可能な記録媒体に記録されたプログラムを読込み実行して、制御部103、103Aまたは処理部302が有する機能を実行する。また、このプログラムが通信回線によってコンピュータに配信され、この配信を受けたコンピュータがこのプログラムを実行してもよい。また、このプログラムは、上述した機能の一部を実現するためのものであってもよい。さらに、このプログラムは、上述した機能をコンピュータにすでに記録されているプログラムとの組み合わせで実現できるもの、いわゆる差分ファイル(差分プログラム)であってもよい。
【0117】
以上説明した各実施形態において、図示した構成は単なる一例であって、本発明はその構成に限定されるものではない。