(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6176085
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】電池モジュール
(51)【国際特許分類】
H01M 10/6555 20140101AFI20170731BHJP
H01M 2/10 20060101ALI20170731BHJP
H01G 2/02 20060101ALI20170731BHJP
H01G 2/08 20060101ALI20170731BHJP
H01M 10/613 20140101ALI20170731BHJP
H01M 10/647 20140101ALI20170731BHJP
H01G 9/26 20060101ALI20170731BHJP
H01G 2/04 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
H01M10/6555
H01M2/10 E
H01G1/02 Z
H01G9/00 331
H01G9/00 321
H01M10/613
H01M10/647
H01G9/00 521
H01G1/03 Z
【請求項の数】1
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2013-246587(P2013-246587)
(22)【出願日】2013年11月28日
(65)【公開番号】特開2015-106443(P2015-106443A)
(43)【公開日】2015年6月8日
【審査請求日】2016年2月9日
(73)【特許権者】
【識別番号】000003218
【氏名又は名称】株式会社豊田自動織機
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】寺林 治
【審査官】
坂本 聡生
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許出願公開第2011/0135985(US,A1)
【文献】
特開2006−310309(JP,A)
【文献】
特開2012−256521(JP,A)
【文献】
国際公開第2013/084756(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01M 2/10
10/52−10/667
H01G 2/02
2/04
2/08
9/26
11/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
並設方向両側から挟持される複数の電池セルと、
前記電池セルの間に並設され、前記電池セルと熱的に接合される伝熱プレートと、を備える電池モジュールであって、
前記伝熱プレートは、前記電池セルの間に位置する板状の吸熱部と、前記吸熱部の両端部から前記電池セルの並設方向に前記電池セルに沿ってそれぞれ延設された板状の支持部と、を有し、
前記支持部は、前記並設方向における一方の端部に凸部を有し、前記並設方向における他方の端部に前記凸部と嵌合する凹部を有しており、
前記支持部は、前記吸熱部の両端部のうち、一方端部から延設された前記支持部と、他方端部から延設された前記支持部とは、互いに反対方向に延設されていることを特徴とする電池モジュール。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、並設された複数の電池セルを有する電池モジュールに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1に記載の電池モジュールは、複数の電池セルが並設されている。複数の電池セルは、その並設方向両側に配置されたプレートが連結部品によって連結されることにより、並設方向両側から
挟持される。また、それら電池セルの間に伝熱プレートが挟み込まれることにより、電池セルの熱が放熱されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開平08―321329号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
ところで、特許文献1に記載の電池モジュールに振動が加わると、電池セルの並設方向においてはその両側から電池セルが
挟持されているため電池セルに位置ずれが生じにくいものの、電池セルの並設方向に直交する方向においては、電池セルに位置ずれが生じるおそれがある。
【0005】
本発明は、このような従来技術の問題点に鑑みてなされたものであり、その目的は電池セルの並設方向に直交する方向において電池セルが位置ずれすることを抑制することのできる電池モジュールを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記課題を解決するための電池モジュールは、並設方向両側から
挟持される複数の電池セルと、電池セルの間に並設され、電池セルと熱的に接合される伝熱プレートと、を備える。伝熱プレートは、電池セルの間に位置する板状の吸熱部と、吸熱部の両端部から電池セルの並設方向に電池セルに沿ってそれぞれ延設された板状の支持部と、を有する。支持部は、前記並設方向における一方の端部に凸部を有し、前記並設方向における他方の端部に凸部と嵌合する凹部を有する。
また、伝熱プレートは、吸熱部の両端部のうち、一方端部から延設された支持部と、他方端部から延設された支持部とが互いに反対方向に延設されている。
【0007】
上記構成によれば、伝熱プレートの支持部の凸部と凹部とが嵌合することにより、電池モジュールに振動が加わって電池セルが並設方向に直交する方向、すなわち電池セルの高さ方向に位置ずれしようとしたとしても、同方向において伝熱プレートの位置ずれが抑制されることにより、電池セルの位置ずれが生じることを抑制することができる。
【0008】
また、2つの電池セルの間に配置される伝熱プレートにおいて、一方の支持部が一方の電池セルに沿って位置し、他方の支持部が他方の電池セルに沿って位置する。これにより、電池モジュールに振動が加わって上記一方の電池セルが並設方向に直交する方向、すなわち電池セルの幅方向に位置ずれしようとしたとしても、上記他方の支持部と上記他方の電池セルとが係合することにより、伝熱プレートの上記一方の支持部の位置ずれが抑制されるため、上記一方の電池セルが係止される。したがって、電池セルの並設方向に直交する方向において、電池セルが位置ずれすることを抑制することができる。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、電池セルの並設方向に直交する方向において電池セルが位置ずれすることを抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【
図5】別例における電池モジュールの側部を示す平面図。
【
図6】別例における電池セル及び伝熱プレートを示す斜視図。
【
図7】別例における電池セル及び伝熱プレートを示す斜視図。
【発明を実施するための形態】
【0011】
以下、本発明を具体化した一実施形態について
図1にしたがって説明する。
図1に示すように、電池パック10は、筐体11の内面11aに電池モジュール12が連結されている。電池モジュール12は、二次電池としての角型の電池セル13が、その厚み方向に並設されることで構成されている。
【0012】
図2に示すように、電池セル13は、収容ケース14に電極組立体15が収容されている。収容ケース14は、電極組立体15を収容する有底四角筒状のケース本体14aと、ケース本体14aの開口部を閉塞する矩形平板状の蓋体14bとからなる。ケース本体14aと蓋体14bとは、いずれも金属製(例えば、ステンレス製やアルミニウム製)である。また、この実施形態の電池セル13は、リチウムイオン二次電池である。
【0013】
電極組立体15は、正極電極、負極電極、及び正極電極と負極電極を絶縁するセパレータを有する。正極電極は、正極金属箔(アルミニウム箔)の両面に正極活物質を塗布して構成される。負極電極は、負極金属箔(銅箔)の両面に負極活物質を塗布して構成される。そして、電極組立体15は、複数の正極電極と複数の負極電極を交互に積層するとともに、両電極の間にセパレータを介在した積層構造とされている。また、電極組立体15には、正極端子16と負極端子17が電気的に接続されている。これら正極端子16と負極端子17の各一部分は、蓋体14bから収容ケース14外に突出している。なお、以下では、電池セル13の並設方向に直交する方向のうち、電池セル13における正極端子16及び負極端子17の突出方向を、電池セル13の高さ方向である方向Yとして規定する。電池セル13の並設方向に直交する方向のうち、電池セル13における正極端子16及び負極端子17の並設方向を、電池セル13の幅方向である方向Zとして規定する。これら方向Yと方向Zとの両方向と直交する方向を、電池セル13の厚み方向である方向Xとして規定する。この方向Xは電池セル13の並設方向でもある。
【0014】
電池モジュール12において、方向Xの両端部には、アルミニウム製のエンドプレート18,19が設けられている。そして、電池モジュール12は、エンドプレート18,19に挿通されるボルトB1が、ナットNに螺合されることで組み付けられている。これにより、電池セル13は、エンドプレート18,19によって方向Xの両側から
挟持されている。
【0015】
電池モジュール12では、隣り合う電池セル13の間にアルミニウム製の伝熱プレート20が介装されている。伝熱プレート20は、電池セル13の間に配置される矩形平板状の吸熱部21と、吸熱部21から方向Xに電池セル13に沿って延びる支持部22とを有している。支持部22は、電池セル13のうち、正極端子16及び負極端子17が突出する蓋体14bと、ケース本体14aを構成するケース壁のうち方向Yで蓋体14bに対向するケース壁とには沿っていない。すなわち、支持部22は、電池セル13のうち、ケース本体14aを構成するケース壁のうち方向Zで対向して位置するケース壁に沿っている。また、支持部22は、吸熱部21の長手方向の端部21a,21bからそれぞれ反対方向に延びる矩形平板状の本体23を有する。本体23の延設長さは、電池セル13のケース本体14aの厚み、すなわち電池セル13の並設方向に沿う大きさと同程度に設定されている。支持部22は、本体23の短手方向の端部23a,23bのうち、吸熱部21から離間する方向の端部23aから本体23の短手方向に突出する凸部24と、本体23の端部23a,23bのうち、吸熱部21と接続する端部23bに凸部24と係合する凹部25とを有している。凹部25は、方向Xに沿って延びる第1辺25aと、第1辺25aよりも方向Yにおける下方に位置するとともに方向Xに沿って延びる第2辺25bと、第1辺25aの端部と第2辺25bの端部とを繋ぐ第3辺25cとを有する。
【0016】
また、電池モジュール12では、電池セル13とエンドプレート18,19との間にもアルミニウム製の伝熱プレート30がそれぞれ介装されている。伝熱プレート30は、電池セル13とエンドプレート18,19との間に配置される矩形平板状の吸熱部31と、吸熱部31から方向Xに延びる支持部32,35とを有している。支持部32は、電池セル13のうち、正極端子16及び負極端子17が突出する蓋体14bや、ケース本体14aを構成するケース壁のうち方向Yで蓋体14bに対向するケース壁には沿っていない。すなわち、支持部32,35は、電池セル13のうち、ケース本体14aを構成するケース壁のうち方向Zで対向して位置するケース壁の一方に沿っている。また、支持部32は、吸熱部31の長手方向の一方の端部31aからエンドプレート18,19から離間する方向に電池セル13に沿って延びる矩形平板状の本体33と、本体33の短手方向の端部33a,33bのうち、吸熱部31から離間する方向の端部33aから本体33の短手方向に突出する凸部34とを有している。本体33の延設長さは、電池セル13のケース本体14aの厚み、すなわち電池セル13の並設方向に沿う大きさと同程度に設定されている。
【0017】
支持部35は、吸熱部31の長手方向の一方の端部31bからエンドプレート18,19に近接する方向に延びる矩形平板状の本体36と、本体36の短手方向の端部36a,36bのうち、吸熱部31と接続する端部36bに凸部24と係合する凹部37とを有している。凹部37は、方向Xに沿って延びる第1辺37aと、第1辺37aよりも方向Yにおける下方に位置するとともに方向Xに沿って延びる第2辺37bと、第1辺37aの端部と第2辺37bの端部とを繋ぐ第3辺37cとを有する。本体36の延設長さは、エンドプレート18,19の厚みと同程度に設定されている。また、支持部32の本体33と、支持部35の本体36とは、吸熱部31の長手方向の端部31a,31bからそれぞれ反対方向に延びる。
【0018】
図3に示すように、電池セル13の間に伝熱プレート20が介装された状態において、伝熱プレート20の吸熱部21及び支持部22が電池セル13のケース本体14aの側面にそれぞれ接する。更に、電池セル13を介して隣り合う伝熱プレート20において、支持部22の凸部24と凹部25とが嵌合する。
【0019】
電池セル13とエンドプレート18,19との間に伝熱プレート30が介装された状態において、伝熱プレート30の吸熱部31が電池セル13のケース本体14aの側面及びエンドプレート18,19に接する。更に、伝熱プレート30の支持部32が電池セル13のケース本体14aの側面に接し、支持部35がエンドプレート18,19に接する。また、支持部32の凸部34が、伝熱プレート30と電池セル13を介して隣り合う伝熱プレート20の支持部22の凹部25に嵌合する。支持部35の凹部37に、伝熱プレート30と電池セル13を介して隣り合う伝熱プレート20の支持部22の凸部24が嵌合する。
【0020】
図4に示すように、電池モジュール12は、両エンドプレート18,19に固定されたブラケット41を挿通したボルトB2が筐体11の側壁に螺合されることで、筐体11に固定されている。これにより、伝熱プレート20の一方の支持部22(
図3の上側の支持部22)と、筐体11の内面11aとが接する。更に、伝熱プレート30のうち、エンドプレート18と面する伝熱プレート30の支持部35と、筐体11の内面11aとが接する。伝熱プレート30のうち、エンドプレート19と面する伝熱プレート30の支持部32と、筐体11の内面11aとが接する。こうした伝熱プレート20,30は、熱的に電池セル13と接合されることとなる。そして、伝熱プレート20の支持部22及び伝熱プレート30の支持部32,35が、吸熱部21,31で電池セル13から吸収した熱を筐体11の内面11aに放熱する放熱部として機能する。
【0021】
次に、電池モジュール12の作用について説明する。
電池モジュール12に振動が加わる際、電池セル13の方向Xにおいては、その両側からエンドプレート18,19によって電池セル13及び伝熱プレート20,30が
挟持されているため、電池セル13に位置ずれが生じにくい。
【0022】
電池モジュール12に振動が加わって、電池セル13が方向Yに位置ずれしようとすると、伝熱プレート20の支持部22の凸部24と凹部25との嵌合により、方向Yにおける伝熱プレート20の位置ずれが抑制される。このとき、凹部25の第1辺25aや第2辺25bによって凸部24が係止されることにより、方向Yにおける伝熱プレート20の位置ずれが抑制される。また、伝熱プレート30の支持部32の凸部34と伝熱プレート20の支持部22の凹部25との嵌合によって、方向Yにおける伝熱プレート30の位置ずれが抑制される。このとき、凹部25の第1辺25aや第2辺25bによって凸部34が係止されることにより、方向Yにおける伝熱プレート30の位置ずれが抑制される。更に、伝熱プレート30の支持部35の凹部37と伝熱プレート20の支持部22の凸部24との嵌合により、方向Yにおける伝熱プレート20の位置ずれが抑制される。このとき、凹部37の第1辺37aや第2辺37bによって凸部24が係止されることにより、方向Yにおける伝熱プレート20の位置ずれが抑制される。こうして方向Yにおける伝熱プレート20,30の位置ずれが抑制されることにより、方向Yにおいて電池セル13に位置ずれが生じることが抑制される。
【0023】
また、2つの電池セル13の間に配置される伝熱プレート20において、吸熱部21の端部21aから延設される支持部22が一方の電池セル13に沿って位置し、吸熱部21の端部21bから延設される支持部22が他方の電池セル13に沿って位置する。これにより、電池モジュール12に振動が加わって、電池セル13が方向Zに位置ずれしようとしたとしても、伝熱プレート20の吸熱部21の端部21aから延設される支持部22と電池セル13とが係合することにより、吸熱部21の端部21bから延設される支持部22の位置ずれが抑制される。また、伝熱プレート20の吸熱部21の端部21bから延設される支持部22と電池セル13とが係合することにより、吸熱部21の端部21aから延設される支持部22の位置ずれが抑制される。
【0024】
また、電池セル13とエンドプレート18,19との間に配置される伝熱プレート30において、吸熱部31の端部31aから延設される支持部32が電池セル13に沿って位置し、吸熱部31の端部31bから延設される支持部35がエンドプレート18,19に沿って位置する。これにより、電池モジュール12に振動が加わって、電池セル13が方向Zに位置ずれしようとしたとしても、伝熱プレート30の支持部35とエンドプレート18,19とが係合することにより、支持部32の位置ずれが抑制される。こうして伝熱プレート20,30の位置ずれが抑制されることにより、電池セル13が係止される。
【0025】
したがって、本実施形態によれば、以下に示す効果を得ることができる。
(1)伝熱プレート20,30の凸部24,34と凹部25,37とが嵌合することにより、電池モジュール12に振動が加わって電池セル13が方向Yに位置ずれしようとしたとしても、電池セル13の位置ずれが生じることを抑制することができる。
【0026】
(2)伝熱プレート20の支持部22が電池セル13に沿って位置し、伝熱プレート20の支持部35がエンドプレート18,19に沿って位置していることにより、電池モジュール12に振動が加わって電池セル13が方向Zに位置ずれしようとしたとしても、方向Zにおける電池セル13の位置ずれを抑制することができる。
【0027】
(3)電池モジュール12の組立に際して、電池セル13と伝熱プレート20,30との間や電池セル13とエンドプレート18,19との間に強力な接着力を有する接着シートを介在させれば、方向Y,Zにおける電池セル13の位置ずれを抑制することはできる。しかしながら、こうした強力な接着力を有する接着シートを介在させるようにすると、仮に点検のため電池モジュール12から電池セル13を取り出そうとするときに、接着シートの接着力が強力なために、電池セル13を取り出し難くなり、工数の増加が懸念される。また、そうした強力な接着力を有する接着シートは、例えば接着力の弱い接着シートと比較して高価であるため、コストの増加が懸念される。また、電池モジュール12を組み立てるに際して、電池セル13の位置の微調整がし難くなるため、電池モジュール12の組み付け性が低下するおそれがある。本実施形態では、伝熱プレート20,30によって方向Y,Zにおける電池セル13の位置ずれを抑制することを可能にしている。このため、上記のように介在させる接着シートについて、その配置を省略したり接着力の弱い接着シートを採用したりすることが可能となる。したがって、強力な接着力を有する接着シートを設ける際に懸念される上記の工数の増加、コストの増加、並びに組み付け性の低下といった問題が生じることを抑制することができる。
【0028】
なお、上述の実施形態は以下のように変更して実施することもできる。
○
図5に示すように、伝熱プレート20の支持部22に凸部24及び凹部25をそれぞれ2つずつ設けても良い。こうした形態では、伝熱プレート30の支持部32に凸部34を2つ設け、伝熱プレート30の支持部35に凹部37を2つ設けることにより、伝熱プレート20と伝熱プレート30とを係合させることができる。
【0029】
○
図6に示すように、伝熱プレート60の支持部62を吸熱部61の端部61a,61bから方向Xの両側に延設してもよい。この形態においても、伝熱プレート60の凸部64と凹部65とを嵌合させることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この形態において、
図5に示す例と同様に、伝熱プレート60の支持部62に凸部64及び凹部65をそれぞれ2つずつ設けても良い。こうして凸部64及び凹部65を2つずつ設ける形態では、伝熱プレート30の支持部32に凸部34を2つ設け、伝熱プレート30の支持部35に凹部37を2つ設けることにより、伝熱プレート60と伝熱プレート30とを係合させることができる。
【0030】
○
図7に示すように、伝熱プレート80の支持部82を吸熱部81の端部81a,81bから方向Xの同方向に延設してもよい。この形態においても、伝熱プレート80の凸部84と凹部85とを嵌合させ、凸部87と凹部86とを嵌合させることにより、上記実施形態と同様の効果を得ることができる。また、この形態において、
図5に示す例と同様に、伝熱プレート80の吸熱部81の端部81aから延設される支持部82に凸部84及び凹部85をそれぞれ2つずつ設けても良い。伝熱プレート80の吸熱部81の端部81bから延設される支持部82に凸部87及び凹部86をそれぞれ2つずつ設けても良い。また、こうして凸部84,87を2つずつ設け、凹部85,86を2つずつ設ける形態では、伝熱プレート30の支持部32に凸部34を2つ設け、伝熱プレート30の支持部35に凹部37を2つ設けることにより、伝熱プレート80と伝熱プレート30とを係合させることができる。
【0031】
○ 上記変形例において、伝熱プレート20,30,60,80に設ける凸部24,34,64,84,87の数及び、凹部25,37,65,85,86の数を、3つ以上としてもよい。
【0032】
○ 伝熱プレート20,60,80の凹部25,65,85,86は、第1辺25aを省略して、第3辺25cが方向Yでの支持部22,62,82の上端まで延びる形態としても良い。この形態でも、伝熱プレート20,60,80の凸部24,64,84,87を凹部25,65,85,86の第2辺25bによって係止することができるため、方向Yの一方向における電池セル13の位置ずれを抑制することは可能である。また、伝熱プレート20,60,80の凹部25,65,85,86は、第2辺25bを省略して、第3辺25cが方向Yでの支持部22,62,82の下端まで延びる形態としても良い。この形態でも、伝熱プレート20,60,80の凸部24,64,84,87を凹部25,65,85,86の第1辺25aによって係止することができるため、方向Yの一方向における電池セル13の位置ずれを抑制することは可能である。
【0033】
○ 伝熱プレート30の凹部37は、第1辺37aを省略して、第3辺37cが方向Yでの支持部35の上端まで延びる形態としても良い。この形態でも、伝熱プレート20,60,80の凸部24,64,84,87を伝熱プレート30の凹部37の第2辺37bによって係止することができるため、方向Yの一方向における電池セル13の位置ずれを抑制することは可能である。また、伝熱プレート30の凹部37は、第2辺37bを省略して、第3辺37cが方向Yでの支持部35の下端まで延びる形態としても良い。この形態でも、伝熱プレート20,60,80の凸部24,64,84,87を伝熱プレート30の凹部37の第1辺37aによって係止することができるため、方向Yの一方向における電池セル13の位置ずれを抑制することは可能である。
【0034】
○ 伝熱プレート30の凸部34及び凹部37と、伝熱プレート30の凸部34と嵌合する伝熱プレート20,60,80の凹部25と、伝熱プレート30の凹部37と嵌合する伝熱プレート20,60,80の凸部24とを省略しても良い。こうした形態では、伝熱プレート20,60,80と伝熱プレート30とが係合しないこととなるが、伝熱プレート20,60,80の凸部24,64,84,87と凹部25,65,85,86との嵌合により、伝熱プレート20,60,80同士が係合するため、方向Yにおける電池セル13の位置ずれを抑制することができる。
【0035】
○ 伝熱プレート30の支持部32を省略しても良い。こうした形態では、伝熱プレート30の支持部32,35によっては電池セル13を支持しないこととなるが、伝熱プレート20,60,80の支持部22,62,82によっては電池セル13が支持されるため、方向Zにおける電池セル13の位置ずれを抑制することができる。
【0036】
○ 伝熱プレート20,30,60,80は、ステンレス等、アルミニウム以外の熱伝導性の高い材料からなるものであっても良い。
○ 電極組立体15は、積層型に限らず、帯状の正極電極と帯状の負極電極を捲回して層状に積層した捲回型でも良い。
【0037】
○ 電池セル13は、リチウムイオン二次電池であったが、これに限らず、他の二次電池であっても良い。要は、正極活物質層と負極活物質層との間をイオンが移動するとともに電荷の授受を行うものであれば良い。また、蓄電装置としてキャパシタでも良い。
【符号の説明】
【0038】
10…電池パック、11…筐体、12…電池モジュール、13…電池セル、20,30,60,80…伝熱プレート、21,31,61,81…吸熱部、21a,21b,23a,23b,31a,31b,33a,33b,36a,36b,61a,61b,81a,81b…端部、22,32,35,62,82…支持部、23,33,36,83…本体、24,34,64,84,87…凸部、25,37,65,85,86…凹部。