特許第6176165号(P6176165)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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特許6176165端末装置、判定システムおよびプログラム
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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6176165
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】端末装置、判定システムおよびプログラム
(51)【国際特許分類】
   G06F 3/01 20060101AFI20170731BHJP
   H04M 1/00 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   G06F3/01
   H04M1/00 R
【請求項の数】22
【全頁数】23
(21)【出願番号】特願2014-61302(P2014-61302)
(22)【出願日】2014年3月25日
(65)【公開番号】特開2015-184954(P2015-184954A)
(43)【公開日】2015年10月22日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】110000154
【氏名又は名称】特許業務法人はるか国際特許事務所
(72)【発明者】
【氏名】松田 二朗
(72)【発明者】
【氏名】佐藤 政寛
(72)【発明者】
【氏名】山崎 慎也
(72)【発明者】
【氏名】布施 透
【審査官】 星野 昌幸
(56)【参考文献】
【文献】 特開平06−026661(JP,A)
【文献】 特開2012−169877(JP,A)
【文献】 特開2012−175781(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G06F 3/01
H04M 1/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
通信手段と、
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段と、
前記判定された対象物の材料に基づいて、前記通信手段が他の機器と通信することを制限する制限手段と、
を有する端末装置。
【請求項2】
前記材料判定手段は、材料ごとに予め定められた温度変化量の範囲と、前記計測された前記機器の温度変化量とを比較して、前記対象物の材料を判定する、
請求項1に記載の端末装置。
【請求項3】
対象物ごとに予め定められた材料と、前記材料判定手段により判定された材料によって、前記端末装置が置かれた対象物を判定する対象物判定手段
を有する請求項1または2に記載の端末装置。
【請求項4】
前記発熱制御手段は、前記端末装置の移動が予め定められた期間継続して検出されなかった場合に、前記発熱手段に発熱を開始させる、
請求項3に記載の端末装置。
【請求項5】
前記発熱制御手段は、前記端末装置の落下が検出された後に、前記発熱手段に発熱を開始させる、
請求項3または4に記載の端末装置。
【請求項6】
前記対象物判定手段により判定された前記対象物を記録する記録手段を有し、
前記対象物判定手段は、前記端末装置の落下が検出された後に前記対象物を判定する場合、前記落下が検出される前に前記記録手段により記録された前記対象物と、前記落下が検出された後に前記材料判定手段により判定された材料に関連付けられた対象物とによって、前記端末装置が置かれた対象物を判定する、
請求項5に記載の端末装置。
【請求項7】
前記対象物のそれぞれには、高さが設定され、
前記対象物判定手段は、前記落下が検出された後に前記材料判定手段により判定された材料に関連付けられた対象物のうち、前記落下が検出される前に前記記録手段により記録された前記対象物よりも前記設定された高さが低い対象物を、前記端末装置が置かれた対象物として判定する、
請求項6に記載の端末装置。
【請求項8】
前記記録手段は、前記対象物判定手段により判定された前記対象物と、日時の情報を関連付けて記録し、
前記対象物判定手段は、前記落下が検出された後に前記材料判定手段により判定された材料に関連付けられた対象物のうち、前記落下が検出される時点から予め定められた期間内の日時が関連付けられて前記記録手段により記録された前記対象物よりも前記設定された高さが低い対象物を、前記端末装置が置かれた対象物として判定する、
請求項7に記載の端末装置。
【請求項9】
前記発熱制御手段は、前記発熱手段による発熱の開始時と終了時の間に前記端末装置の移動が検出された場合に、前記発熱手段に発熱を終了させる、
請求項1から8のいずれかに記載の端末装置。
【請求項10】
通信手段と、
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段と、
前記判定された対象物の性質に基づいて、前記通信手段が他の機器と通信することを制限する制限手段と、
を有する端末装置。
【請求項11】
前記制限手段は、判定された置き場所が予め定められた置き場所である場合、前記機器により操作される機能の実行を制限する、
請求項3から8のいずれかに記載の端末装置。
【請求項12】
前記制限手段は、判定された対象物の性質が予め定められた性質である場合に、前記機器により操作される機能の実行を制限する、
請求項10記載の端末装置。
【請求項13】
通信手段と、機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、を有する端末装置と、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段を有するサーバ装置と、
を有する判定システムであって、
前記端末装置は、前記判定された対象物の材料に基づいて、前記通信手段が他の機器と通信することを制限する制限手段を更に有する
判定システム
【請求項14】
通信手段、
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段、及び、
前記判定された対象物の材料に基づいて、前記通信手段が他の機器と通信することを制限する制限手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項15】
通信手段と、機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、を有する端末装置と、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段を有するサーバ装置と、
を有する判定システムであって、
前記端末装置は、前記判定された対象物の性質に基づいて、前記通信手段が他の機器と通信することを制限する制限手段を更に有する
判定システム
【請求項16】
通信手段、
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段、及び、
前記判定された対象物の性質に基づいて、前記通信手段が他の機器と通信することを制限する制限手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。
【請求項17】
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段と、
対象物ごとに予め定められた材料と、前記材料判定手段により判定された材料によって、端末装置が置かれた対象物を判定する対象物判定手段と、
前記対象物判定手段により判定された前記対象物を記録する記録手段と、を有し、
前記発熱制御手段は、前記端末装置の落下が検出された後に、前記発熱手段に発熱を開始させ
前記対象物判定手段は、前記端末装置の落下が検出された後に前記対象物を判定する場合、前記落下が検出される前に前記記録手段により記録された前記対象物と、前記落下が検出された後に前記材料判定手段により判定された材料に関連付けられた対象物とによって、前記端末装置が置かれた対象物を判定する
端末装置。
【請求項18】
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段と、
対象物ごとに予め定められた性質と、前記性質判定手段により判定された性質によって、端末装置が置かれた対象物を判定する対象物判定手段と、
前記対象物判定手段により判定された前記対象物を記録する記録手段と、を有し、
前記発熱制御手段は、前記端末装置の落下が検出された後に、前記発熱手段に発熱を開始させ
前記対象物判定手段は、前記端末装置の落下が検出された後に前記対象物を判定する場合、前記落下が検出される前に前記記録手段により記録された前記対象物と、前記落下が検出された後に前記性質判定手段により判定された性質に関連付けられた対象物とによって、前記端末装置が置かれた対象物を判定する
端末装置。
【請求項19】
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段、
対象物ごとに予め定められた材料と、前記材料判定手段により判定された材料によって、端末装置が置かれた対象物を判定する対象物判定手段、及び、
前記対象物判定手段により判定された前記対象物を記録する記録手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記発熱制御手段は、前記端末装置の落下が検出された後に、前記発熱手段に発熱を開始させ
前記対象物判定手段は、前記端末装置の落下が検出された後に前記対象物を判定する場合、前記落下が検出される前に前記記録手段により記録された前記対象物と、前記落下が検出された後に前記材料判定手段により判定された材料に関連付けられた対象物とによって、前記端末装置が置かれた対象物を判定する
プログラム
【請求項20】
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段、
対象物ごとに予め定められた性質と、前記性質判定手段により判定された性質によって、端末装置が置かれた対象物を判定する対象物判定手段、及び、
前記対象物判定手段により判定された前記対象物を記録する記録手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラムであって、
前記発熱制御手段は、前記端末装置の落下が検出された後に、前記発熱手段に発熱を開始させ
前記対象物判定手段は、前記端末装置の落下が検出された後に前記対象物を判定する場合、前記落下が検出される前に前記記録手段により記録された前記対象物と、前記落下が検出された後に前記性質判定手段により判定された性質に関連付けられた対象物とによって、前記端末装置が置かれた対象物を判定する
プログラム
【請求項21】
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段を有する端末装置と、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段を有するサーバ装置と、
を有する判定システム。
【請求項22】
機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段を有する端末装置と、
前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段を有するサーバ装置と、
を有する判定システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、端末装置、判定システムおよびプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、携帯型電話装置が鞄の中に置かれ手中にない状態を判定した後、周囲の温度が所定幅以上の上昇変化を判定した場合に、バイブレーション、音出力、バックライトの点灯の動作をさせることが記載されている。
【0003】
特許文献2には、携帯端末が手で把持された状態と判定した場合に、着呼操作を待たずに通話処理を開始させることが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2004−266569号公報
【特許文献2】特開2012−249330号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
端末装置が置かれている置き場所の材料又は端末装置が置かれている対象物の性質を判定する場合に、バイブレータによる端末装置の振動の振幅を用いることが考えられるが、バイブレータのモータの回転数が落ちるため、時間の経過とともに判定精度が低下することが想定される。本発明の目的は端末装置が置かれている置き場所の材料または端末装置が置かれている対象物の性質の判定を、時間の経過とともに精度の低下を起こすことなく行うことができる端末装置、判定システムおよびプログラムを提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に記載の発明は、機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段と、を有する端末装置である。
【0007】
また、請求項2に記載の発明は、前記材料判定手段は、材料ごとに予め定められた温度変化量の範囲と、前記計測された前記機器の温度変化量とを比較して、前記対象物の材料を判定する、請求項1に記載の端末装置である。
【0008】
また、請求項3に記載の発明は、対象物ごとに予め定められた材料と、前記材料判定手段により判定された材料によって、前記端末装置が置かれた対象物を判定する対象物判定手段を有する請求項1または2に記載の端末装置である。
【0009】
また、請求項4に記載の発明は、前記発熱制御手段は、前記端末装置の移動が予め定められた期間継続して検出されなかった場合に、前記発熱手段に発熱を開始させる、請求項3に記載の端末装置である。
【0010】
また、請求項5に記載の発明は、前記発熱制御手段は、前記端末装置の落下が検出された後に、前記発熱手段に発熱を開始させる、請求項3または4に記載の端末装置である。
【0011】
また、請求項6に記載の発明は、前記対象物判定手段により判定された前記対象物を記録する記録手段を有し、前記対象物判定手段は、前記端末装置の落下が検出された後に前記対象物を判定する場合、前記落下が検出される前に前記記録手段により記録された前記対象物と、前記落下が検出された後に前記材料判定手段により判定された材料に関連付けられた対象物とによって、前記端末装置が置かれた対象物を判定する、請求項5に記載の端末装置である。
【0012】
また、請求項7に記載の発明は、前記対象物のそれぞれには、高さが設定され、前記対象物判定手段は、前記落下が検出された後に前記材料判定手段により判定された材料に関連付けられた対象物のうち、前記落下が検出される前に前記記録手段により記録された前記対象物よりも前記設定された高さが低い対象物を、前記端末装置が置かれた対象物として判定する、請求項6に記載の端末装置である。
【0013】
また、請求項8に記載の発明は、前記記録手段は、前記対象物判定手段により判定された前記対象物と、日時の情報を関連付けて記録し、前記対象物判定手段は、前記落下が検出された後に前記材料判定手段により判定された材料に関連付けられた対象物のうち、前記落下が検出される時点から予め定められた期間内の日時が関連付けられて前記記録手段により記録された前記対象物よりも前記設定された高さが低い対象物を、前記端末装置が置かれた対象物として判定する、請求項7に記載の端末装置である。
【0014】
また、請求項9に記載の発明は、前記発熱制御手段は、前記発熱手段による発熱の開始時と終了時の間に前記端末装置の移動が検出された場合に、前記発熱手段に発熱を終了させる、請求項1から8のいずれかに記載の端末装置である。
【0015】
また、請求項10に記載の発明は、機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段と、を有する端末装置である。
【0016】
また、請求項11に記載の発明は、前記対象物判定手段は、判定された置き場所が予め定められた置き場所である場合に、前記機器により操作される機能の実行を制限する、請求項3から8の何れかに記載の端末装置である。
【0017】
また、請求項12に記載の発明は、前記性質判定手段は、判定された対象物の性質が予め定められた性質である場合に、前記機器により操作される機能の実行を制限する、請求項10記載の端末装置である。
【0018】
また、請求項13に記載の発明は、機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段を有する端末装置と、前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段を有するサーバ装置と、を有する判定システムである。
【0019】
また、請求項14に記載の発明は、機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の材料を判定する材料判定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【0020】
また、請求項15に記載の発明は、機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段を有する端末装置と、前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段を有するサーバ装置と、を有する判定システムである。
【0021】
また、請求項16に記載の発明は、機器に設けられた発熱手段による発熱を制御する発熱制御手段と、前記発熱手段による発熱の以後に計測された前記機器の温度変化によって、前記機器が置かれた対象物の性質を判定する性質判定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0022】
上記請求項1に記載の端末装置によれば、端末装置が置かれている置き場所の材料の判定を、時間の経過とともに精度の低下を起こすことなく行うことができる。
【0023】
また、上記請求項2に記載の端末装置によれば、材料ごとに温度変化量の範囲を定めて、端末装置が置かれた置き場所の材料を判定できる。
【0024】
また、上記請求項3に記載の端末装置によれば、端末装置が置かれた置き場所を判定できる。
【0025】
また、上記請求項4に記載の端末装置によれば、端末装置が携帯されている場合に、端末装置の発熱が開始されることを防止できる。
【0026】
また、上記請求項5に記載の端末装置によれば、端末装置が落下した後の置き場所を判定できる。
【0027】
また、上記請求項6に記載の端末装置によれば、端末装置が落下した後の置き場所を、端末装置が落下する前の置き場所を考慮して判定できる。
【0028】
また、上記請求項7に記載の端末装置によれば、端末装置が落下した後の置き場所を、端末装置が落下する前の置き場所の高さを考慮して判定できる。
【0029】
また、上記請求項8に記載の端末装置によれば、端末装置が落下した後の置き場所の判定と、該端末装置が置かれた端末装置の高さとを対応付けることができる。
【0030】
また、上記請求項9に記載の端末装置によれば、端末装置の発熱中に端末装置が携帯された場合、発熱を終了させることができる。
【0031】
また、上記請求項10に記載の端末装置によれば、端末装置が置かれている対象物の性質の判定を、時間の経過とともに精度の低下を起こすことなく行うことができる。
【0032】
また、上記請求項11に記載の端末装置によれば、端末装置が置かれた置き場所に応じた防犯を行うことができる。
【0033】
また、上記請求項12に記載の端末装置によれば、端末装置が置かれた対象物の性質に応じた防犯を行うことができる。
【0034】
また、上記請求項13に記載の判定システムによれば、端末装置が置かれている置き場所の材料の判定を、時間の経過とともに精度の低下を起こすことなく行うことができる。
【0035】
また、上記請求項14に記載のプログラムによれば、コンピュータを用いてコンピュータが置かれている置き場所の材料の判定を、時間の経過とともに精度の低下を起こすことなく行うことができる。
【0036】
また、上記請求項15に記載の判定システムによれば、端末装置が置かれている置き場所の性質の判定を、時間の経過とともに精度の低下を起こすことなく行うことができる。
【0037】
また、上記請求項16に記載のプログラムによれば、コンピュータを用いてコンピュータが置かれている置き場所の性質の判定を、時間の経過とともに精度の低下を起こすことなく行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0038】
図1】端末装置の置き場所の材料に応じた温度変化の違いを説明する図である。
図2】端末装置のハードウェア構成の一例を示す図である。
図3】端末装置の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。
図4】バイブレータが動作する期間の一例を表した図である。
図5】基準データの一例を示す図である。
図6】第1の実施形態にかかる置き場所データの一例を示した図である。
図7】端末装置において実行される処理の一例を示すフローチャートである。
図8】第1の実施形態にかかる計測判定処理の一例を示すフローチャートである。
図9】材料判定処理の一例を示すフローチャートである。
図10】材料スコア加算処理の一例を示すフローチャートである。
図11】第1の実施形態にかかる材料判定結果および置き場所判定結果が記録された判定データの一例を示した図である。
図12】第2の実施形態にかかる置き場所データの一例を示した図である。
図13】第2の実施形態にかかる計測判定処理の一例を示すフローチャートである。
図14】置き場所判定処理の一例を示すフローチャートである。
図15】第2の実施形態にかかる材料判定結果および置き場所判定結果が記録された判定データの一例を示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0039】
以下に、本発明を実施するための形態(以下、実施形態と呼ぶ)の例を、図面に従って説明する。なお、本明細書の各図について、既出の図に関して前述したものと同様の要素には同一の符号を付して、詳細な説明を適宜省略することがある。
【0040】
[1.第1の実施形態]
図1は、機器による発熱以後の温度変化が、機器の置き場所の材料に応じて異なることを説明する図である。ここで、機器とは、外部から与えられたエネルギーを仕事または他の形態のエネルギーに変換するものである。例えば、機器は、携帯電話機(スマートフォンを含む)、タブレット端末、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)の他、デスクトップパソコンやプリンタ、スキャナ、複数の機能を有する画像形成装置などとしてよい。同図のグラフの横軸は、例えば機器がバイブレータを用いて発熱を開始してからの時間を示し、グラフの縦軸は、機器において計測された温度を示すものである。同図に示すように、機器の置き場所の材料に応じて、温度変化は異なっている。なお、以下に説明する例においては、置き場所の材料の一例である木材(M1)、化学繊維(M2)、天然繊維(M3)に関し、熱伝導率は、木材(M1)、化学繊維(M2)、天然繊維(M3)の順に高いこととする。
【0041】
例えば、機器の置き場所が、熱伝導率が高い性質の材料である木材(M1)である場合には、熱が逃げることで温度の上昇が抑えられるため、発熱してからある時間を越えると、機器の温度変化は一定になる。一方、機器の置き場所が熱伝導率の低い性質の材料である化学繊維(M2)の場合には、木材(M1)の場合に比べて熱が逃げにくく、同一発熱時間における機器の温度上昇は、木材(M1)の場合に比べて高くなる。同様に、機器の置き場所が、化学繊維(M2)よりも熱伝導率の低い性質の材料である天然繊維(M3)の場合には、化学繊維(M2)の場合に比べて熱が逃げにくく、機器の温度上昇は木材(M1)と化学繊維(M2)に比べて高くなる。以下、機器を、ユーザが操作する端末装置とした場合を例として本発明の実施の形態について説明する。
【0042】
本発明の第1の実施形態にかかる端末装置は、例えば、端末装置における発熱の以後に計測した温度の変化によって、端末装置が置かれた置き場所の材料を判定するとともに、端末装置の置き場所を判定する。なお、ここでの材料とは、物(例えば、製品など)の元となるものである。例えば、材料は、繊維、木材、金属などに区分されることとしてもよし、更に詳細に区分されたものであってもよい。例えば、「繊維」を、「化学繊維」、「天然繊維」などのようにさらに区分してもよく、また、例えば「化学繊維」を「ナイロン」、「ポリエチレン」などのようにさらに詳細に区別してもよい。また、材料の他の一例としては、銀、銅、金、アルミニウム、鉄、ガラス、木材等のように熱伝導率(またはその範囲)が定められているものとしてよい。また、材料の性質とは、その材料に本来備わっている特徴である。性質は、例えば、材料の硬度、熱伝導率、強さ(引張り強さ、圧縮強さ、せん断強さ)、靱性などにより表されることとしてよい。
【0043】
[1−1.ハードウェア構成]
図2は、端末装置1のハードウェア構成の一例を示す図である。同図に示すように、端末装置1は、制御部11と、記憶部12と、通信部13と、表示部14と、操作部15と、音声出力部16と、加速度センサ17と、温度センサ18と、バイブレータ19と、これらを格納したケース2と、を含んで構成される。端末装置1は、例えば、携帯電話機(スマートフォンを含む)、タブレット端末、ノートパソコン、PDA(Personal Digital Assistant)、デスクトップパソコンなどを含む。また、同図に示すように、端末装置1は置き場所3の上に置かれることがある。置き場所3は、例えば、机や椅子、床などの物体である。
【0044】
制御部11は、例えばマイクロプロセッサなどを含んで構成される。制御部11は、記憶部12に記憶されているオペレーティングシステムやプログラムに従って動作し、各種の演算処理を実行するとともに、端末装置1の各部を制御する。なお、上記プログラムは、データ通信可能なネットワークを介して提供されるものであってもよいし、フラッシュメモリなどのコンピュータで読み取り可能な記憶媒体に記憶されて提供されるものであってもよい。
【0045】
記憶部12は、例えばRAMやフラッシュメモリなどのメモリ素子やハードディスクドライブなどにより構成される。記憶部12は、プログラムやデータ、端末装置1の各部から入力される情報や演算結果を記憶する。
【0046】
通信部13は、例えば無線LANの集積回路やアンテナなどにより構成されている。通信部13は、コンピュータ通信網や携帯電話網などのデータ通信可能なネットワークを介して、他の装置とのデータの授受を実現する。
【0047】
表示部14は、例えば液晶ディスプレイや有機ELディスプレイなどであり、端末装置1の表面に設けられたディスプレイを含む。表示部14は、制御部11の指示に従って画面を表示する。
【0048】
操作部15は、例えばボタンやタッチパネルなどの入力デバイスにより構成され、端末装置1の表面に設けられたボタンや、ディスプレイの上に重ねて設けられるタッチパネルを含む。
【0049】
音声出力部16は、例えばスピーカやヘッドホンなどであり、制御部11の指示に従って音声を出力する。
【0050】
加速度センサ17は、例えば互いに直交する3つの基準軸のそれぞれに加わる加速度の大きさを検出するデバイスである。
【0051】
温度センサ18は、例えば測温抵抗体やサーミスタなどにより構成されている。温度センサ18は、端末装置1の温度を計測する。
【0052】
バイブレータ19は、例えば重りと、重りを回転させるモータを含み構成され、制御部11の指示に応じて端末装置1を振動させる。
【0053】
[1−2.機能ブロック]
図3は、端末装置1の機能的構成の一例を示す機能ブロック図である。同図に示すように、端末装置1は、機能的には、計測制御部31と、移動検出部32と、発熱部33と、温度計測部34と、材料判定部35と、判定結果記録部36と、置き場所判定部37と、警告出力部38と、機能制限部39と、温度データ記憶部41と、基準データ記憶部42と、置き場所データ記憶部43と、判定データ記憶部44とを含む。
【0054】
計測制御部31は、発熱部33による発熱の開始と終了や、温度計測部34による温度の計測の開始と終了を制御する。具体的には、計測制御部31は、予め定められた条件を満たしたタイミングが到来した場合に、発熱および温度の計測を開始、終了させる。ここでの発熱や計測を開始するタイミングは、端末装置1において予め定められたイベントが発生した後や、イベント発生後の予め定められた時間を経過した後、予め定められた時間間隔ごとに到来することとしてもよい。なお、計測制御部31は、主に制御部11により実現されることとしてよい。
【0055】
移動検出部32は、端末装置1の移動を検出する。端末装置1の移動は、例えば、端末装置1が人により携帯されることや、端末装置1が落下することにより引き起こされるものである。移動検出部32は、主に制御部11と加速度センサ17により実現されることとしてよい。
【0056】
また、移動検出部32は、端末装置1の移動が落下か否かを判定する落下判定部を含んでいる。落下判定部による落下判定処理の具体例を以下に説明する。まず、加速度センサ17には常に重力が働いているため、端末装置1が移動していない状態であっても加速度センサ17は重力と逆方向の加速度を出力する。一方、端末装置1が自由落下しているときは、自由落下前に出力されていた重力と逆方向の加速度は、加速度センサ17から出力されなくなる(すなわち、加速度センサ17からは「0」に近い値が出力されるようになる)。このため、落下判定部は、加速度センサ17からの出力が「0」を基準とした閾値の範囲内となった場合に、端末装置1の移動を落下によるものと判定する。
【0057】
発熱部33は、計測制御部31からの指示に応じて発熱を開始、終了する。発熱部33は、例えばバイブレータ19を動作させることにより発熱する。なお、バイブレータ19による発熱は、モータの巻線抵抗に電流が流れることで発生するジュール熱や、モータが駆動することでモータの軸受部で発生する摩擦熱などによるものである。また、本実施形態では、バイブレータ19は同一の動作モードで動作することとし、バイブレータ19により発生する単位時間当たりの熱量は一定であるとする。
【0058】
また、本実施形態では、発熱部33は、計測制御部31による制御指示に応じて、バイブレータ19の作動と停止を周期的に繰り返すものとする。以下、発熱部33がバイブレータ19を用いて発熱する発熱期間について説明する。
【0059】
図4は、バイブレータ19が動作する期間の一例を表した図である。同図に示すように、本実施形態では、発熱期間51の間、バイブレータ19が作動する作動期間52と、バイブレータ19の作動が一時的に停止する待機期間53とが周期的に繰り返されるものとする。以降、発熱部33による「発熱の開始時」とは、発熱期間51の開始時間を示し、「発熱の終了時」とは、発熱期間51の終了時間を示すこととする。なお、発熱期間51は、発熱の開始時からの予め定められた期間としてもよく、作動期間52の開始時から待機期間53の終了時までの一周期に作動回数を掛けて算出された期間(又は当該算出された期間から待機期間53を減じた期間)としてもよい。また、発熱期間51は、発熱の以後、後述の温度計測部34により計測される温度が、予め定められた温度に達するまでの期間としてもよい。
【0060】
なお、発熱部33は、バイブレータ19に限らず他のハードウェアにより実現されるようにしてもよい。例えば、発熱部33が制御部11により実現される場合、計測制御部31が、予め定められたアプリケーションを実行することで、制御部11に含まれるCPUの処理負荷を上げることにより、CPUに供給される電流の量を増幅して発熱させるようにしてもよい。
【0061】
温度計測部34は、端末装置1の温度を計測するとともに、計測した温度と、計測した日時(または、計測期間の開始時から計測した時点までの経過時間)である計測タイミングと、を関連付けた温度データを、温度データ記憶部41に記憶させる。なお、温度計測部34は、主に制御部11と温度センサ18により実現されることとしてよく、また、温度データ記憶部41は、主に記憶部12により実現されることとしてよい。
【0062】
また、温度計測部34は、発熱部33による発熱の以後に端末装置1の温度を計測する。本実施形態では、端末装置1の温度を計測する期間である計測期間は、発熱期間51と一致するものとするが、これに限らず、計測期間は発熱期間51のうちの少なくとも一部としてもよい。また、本実施形態では、温度計測部34は計測期間の開始時から予め定められた時間ごと(例えば、30秒ごと)に到来する計測タイミングのそれぞれで端末装置1の温度を複数回計測することとするが、これに限らず、温度計測部34は、計測期間において端末装置1にイベントが発生した計測タイミング(例えば、加速度センサ17が、作動期間52におけるバイブレータ19の振動を検出した後)で温度を計測するようにしてもよい。
【0063】
基準データ記憶部42は、材料ごとに温度変化量の範囲を定めた基準データを記憶する。なお、基準データ記憶部42は、主に記憶部12により実現されることとしてよい。
【0064】
図5は、基準データの一例を示す図である。同図に示すように、基準データには、材料と、温度変化量の範囲とが互いに関連付けられて記録されている。ここで、温度変化量の範囲には、計測期間中の計測タイミングのそれぞれにおいて、各材料の特性に応じた温度変化量の取り得る範囲が設定される。また、温度変化量とは、温度が計測された期間の複数の時点における温度上昇(または、温度低下)の大きさを示す値であり、本実施形態では、温度変化量は温度の変化速度により示されるものとする。例えば、計測タイミングT1、T2(T1<T2)のそれぞれで計測した温度がθ1、θ2である場合、T1からT2までの温度変化量Δθは、次の式(1)により算出される。
Δθ=(θ2−θ1)/(T2−T1)・・・(1)
【0065】
なお、温度変化量は温度の変化速度に限定されず、他にも、温度差(Δθ=θ2−θ1)や、温度比(Δθ=θ2/θ1)などから算出されるようにしてもよい。
【0066】
材料判定部35は、発熱部33による発熱の以後に計測された温度変化によって、端末装置1が置かれた置き場所3の材料を判定する。ここでの「発熱の以後」の期間には、発熱部33による「発熱の開始時」を含んでもよいし、「発熱の開始時」を含まなくてもよい。より具体的には、材料判定部35は、材料ごとに予め定められた温度変化量の範囲と、計測された温度変化量によって、端末装置1が置かれた置き場所3の材料を判定する。
【0067】
材料判定部35は、例えば、計測期間中において計測タイミングT(i)に計測された温度θ(i)と、その直後の計測タイミングT(i+1)に計測された温度θ(i+1)から、温度変化量Δθ(i)を算出する。例えば、温度変化量Δθ(i)は、Δθ(i)=(θ(i+1)−θ(i))/(T(i+1)−T(i))の式により算出される。材料判定部35は、算出された温度変化量Δθ(i)が基準データのT(i)〜T(i+1)におけるそれぞれの材料ごとの温度変化量の範囲に収まるか否かを判定し、収まる場合には、当該材料のスコアに規定値(例えば、「1」)を加算する。材料判定部35は、温度が計測された複数の計測タイミングのそれぞれについて、温度変化量の算出と、材料のスコアの加算処理を繰り返し、最終的に算出された各材料のスコアのうち、最もスコアが高い材料(または、材料のスコアが予め定められた閾値を超える材料)を、端末装置1が置かれた置き場所3の材料として判定する。
【0068】
判定結果記録部36は、材料判定部35による材料判定結果と、後述する置き場所判定部37による置き場所判定結果を判定データに記録するとともに、この判定データを判定データ記憶部44に記憶させる。なお、判定結果記録部36は、主に制御部11により実現されることとしてよく、判定データ記憶部44は主に記憶部12により実現されることとしてよい。
【0069】
置き場所データ記憶部43は、置き場所3と、置き場所3の材料とを関連付けた置き場所データを記憶する。なお、置き場所データ記憶部43は、主に記憶部12により実現されることとしてよい。
【0070】
図6は、第1の実施形態にかかる置き場所データの一例を示した図である。同図に示すように、本実施形態にかかる置き場所データには、それぞれの置き場所3とそれぞれの材料が互いに関連付けられて記録されている。
【0071】
置き場所判定部37は、置き場所3ごとに予め定められた材料と、材料判定部35により判定された材料とによって、端末装置1が置かれた置き場所3を判定する。置き場所判定部37は、例えば、置き場所データに記録される置き場所3のうち、材料判定部35により判定された材料に関連付けられた置き場所3を、端末装置1が置かれた置き場所3として判定する。なお、置き場所判定部37は、主に制御部11により実現されることとしてよい。
【0072】
警告出力部38は、置き場所判定部37により判定された置き場所3によって、置き場所3に応じた警告を出力する。例えば、端末装置1の置き場所3が、椅子の上や床の上であった場合、持ち主が置き忘れていたり、意図せぬ落下があったりすることが考えられる。そこで、警告出力部38は、置き場所判定部37により判定された置き場所3が、置き忘れ場所の候補(例えば、椅子や床)である場合に、表示部14に警告を表した画面を表示したり、音声出力部16に警告を伝えるためのアラート音を出力したり、バイブレータ19を用いて予め定められた強度で端末装置1を振動させるようにしたり、予め定められたメールアドレスに置き忘れの旨を通知するメールを送信したりして、端末装置1の置き場所3を伝えるようにしてもよい。なお、警告出力部38は、主に制御部11や通信部13、表示部14、音声出力部16、バイブレータ19により実現されることとしてよい。
【0073】
機能制限部39は、置き場所判定部37により判定された置き場所3が予め定められた置き場所3である場合、端末装置1により操作される機能(例えば、端末装置1に備えられた少なくとも一部の機能)の実行を制限する。例えば、機能制限部39は、置き場所判定部37により判定された端末装置1の置き場所3が、置き忘れ場所の候補(例えば、椅子や床)である場合に、端末装置1が他の機器と通信することを制限したり、ユーザの入力操作を無効としたりしてよい。また、機能制限部39は、警告出力部38により警告が開始されてから予め定められた期間、端末装置1の移動や、端末装置1に対する入力操作を検出しない場合に、端末装置1に備えられた機能の実行を制限するようにしてもよい。
【0074】
[1−3.フローチャート]
以下では、本実施形態にかかる端末装置1において実行される処理の一例を、図7から図10に示したフローチャートに基づいて説明する。
【0075】
図7は、端末装置1において実行される処理の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、計測制御部31は、移動検出部32において端末装置1の落下が検出されたかを確認する(ステップS11)。端末装置1の落下が検出された場合(ステップS11のY)、計測制御部31は、計測契機に「落下」を設定し(ステップS12)、計測判定処理(ステップS15)を実行する。
【0076】
一方、端末装置1の落下が検出されていない場合(ステップS11のN)、計測制御部31は、移動検出部32により端末装置1の移動を検出していない期間が閾値に達したか否かを監視する(ステップS13)。なお、ここでの期間は、例えばタイマーを用いて計測された時間としてもよいし、端末装置1の移動が検出された日時を記憶部12に記憶させ、この日時と現在日時との差から算出されるものであってもよい。上記の移動を検出していない期間が閾値に達した場合(ステップS13のY)、計測契機に「時間経過」を設定し(ステップS14)、計測判定処理(ステップS15)を実行する。この計測判定処理の詳細については、図8に示したフローチャートに基づき説明する。
【0077】
図8は、第1の実施形態にかかる計測判定処理の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、計測制御部31は、端末装置1の機種や環境に応じた初期設定(例えば、発熱期間51の設定や、計測時間の設定、発熱方法に関する設定、前回記録した温度データの破棄など)を行い(ステップS21)、現在の日時を計測期間の開始時として取得する(ステップS22)。
【0078】
計測制御部31は、発熱部33に発熱を開始させる(ステップS23)。以上、ステップS11からステップS23までの処理により、計測制御部31は、端末装置1の落下が検出された後に、発熱部33に発熱を開始させる。また、計測制御部31は、端末装置1の移動が予め定められた期間継続して検出されなかった場合に、発熱部33に発熱を開始させる。
【0079】
なお、計測制御部31は、発熱部33による発熱以後に、計測中に端末装置1の移動が検出された場合(ステップS24のY)、端末装置1が材料を判定しようとしていた置き場所3から離れて移動したと考えられるため、計測制御部31は発熱部33に発熱を終了させ(ステップS25)、計測判定処理を終了する。
【0080】
計測制御部31は、計測タイミングが到来するごとに(ステップS26のY)、端末装置1の温度を計測し、計測した温度と、計測した日時(または、計測期間の開始時から計測した時点までの経過時間)である計測タイミングを関連付けた温度データを記録する(ステップS27)。計測制御部31は、計測期間が経過したかを監視し(ステップS28)、計測期間が経過するまで(ステップS28のN)、温度の計測と記録を繰り返す。
【0081】
計測時間の経過後(ステップS28のY)、計測制御部31は発熱部33による発熱を終了し(ステップS29)、材料判定処理を実行する(ステップS30)。この材料判定処理の詳細については、図9に示したフローチャートに基づき説明する。
【0082】
図9は、材料判定処理の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、材料判定部35は、材料のスコアを初期化する(ステップS41)。ここで、材料のスコアとは、端末装置1が置かれた置き場所3の材料の確からしさを示す数値であり、材料判定部35は、材料(1)〜材料(M)のそれぞれに対応する材料のスコアS(1)〜S(M)を算出する。ステップS41では、材料判定部35は、スコアS(1)〜S(M)のそれぞれに対して初期値として「0」を設定する。Mは基準データ記憶部42に記憶された基準データにおける材料の種類の数であり、2以上の整数である。
【0083】
材料判定部35は、変数iをN(Nは1以上の整数)に初期化する(ステップS42)。なお、変数iは、温度データに格納される温度が何番目に計測された温度であるかを示す。例えば、変数iが「1」に初期化される場合は、計測期間の開始時から計測された温度によって置き場所3の材料が判定され、変数iが「N」に初期化される場合は、計測期間の開始時より計測タイミングがN回経過した時点(例えば、N×30秒後)から計測された温度によって置き場所3の材料が判定される。
【0084】
材料判定部35は、温度データにおいて、計測タイミングT(i)に関連付けられて記録された温度が最後に記録された温度かを確認し(ステップS43)、最後に記録された温度ではない場合(ステップS43のN)、T(i)からT(i+1)にかけての温度変化量Δθを算出する(ステップS44)。材料判定部35は、算出された温度変化量Δθによって、材料スコアの加算処理を実行する(ステップS45)。この材料スコア加算処理の詳細については、図10に示したフローチャートに基づき説明する。
【0085】
図10は、材料スコア加算処理の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、材料判定部35は、まず、変数jを1に初期化する(ステップS51)。材料判定部35は、計測タイミングT(i)からT(i+1)にかけての温度変化量Δθが、基準データにおける材料(j)の温度変化量の範囲内か否かを確認し(ステップS52)、材料(j)の温度変化量の範囲内であれば(ステップS52のY)、材料スコアS(j)に1を加算する(ステップS53)。具体的には、図5に例示した基準データを参照する場合、ステップS44で算出したT(1)からT(2)にかけての温度変化量Δθが、Δθ(a1)〜Δθ(a2)の範囲内であれば、材料判定部35は、「木材A」のスコアに1を加算する。
【0086】
材料判定部35は、変数jに1を加算し(ステップS54)、変数jがMを超えるかを確認する(ステップS55)。ここで、変数jがMを超えない場合(ステップS55のN)、すなわち、変数jが材料の種類の数を超えない場合は、材料判定部35はステップS52からステップS54の処理を繰り返し、基準データにおける全ての材料について材料のスコアを加算する。変数jがMを超えた場合(ステップS55のY)、材料判定部35は材料スコア加算処理を終了する。
【0087】
図9に戻り、材料判定部35は、iに1を加算し(ステップS46)、再度、計測タイミングT(i)の温度が最後に記録された温度か確認する(ステップS43)。材料判定部35は、最後に記録された温度を確認するまで(ステップS43のN)、材料スコア加算処理(ステップS45)を繰り返す。計測タイミングT(i)の温度が最後に記録された温度である場合(ステップS43のY)、材料判定部35は、材料のスコアが最も高い材料を端末装置1が置かれた置き場所3の材料と判定して(ステップS47)、材料判定処理を終了する。
【0088】
図8に戻り、判定結果記録部36は、材料判定部35により判定された材料判定結果を判定データに記録する(ステップS31)。置き場所判定部37は、置き場所データ記憶部43に記憶された置き場所データを参照し、材料判定部35により判定された材料に紐付けられた置き場所3を特定する(ステップS32)。判定結果記録部36は、置き場所判定結果を判定データに記録し(ステップS33)、計測判定処理を終了する。
【0089】
図11は、第1の実施形態にかかる材料判定結果および置き場所判定結果が記録された判定データの一例を示した図である。同図に示すように、判定データには、置き場所判定部37により置き場所3が判定された日時と、材料判定部35により判定された材料と、置き場所判定部37により判定された置き場所3の情報とがそれぞれ関連付けられて記録される。例えば、置き場所判定部37が図6に例示した置き場所データを参照する場合であって、かつ、材料判定部35により判定された材料が「化学繊維X」であった場合、置き場所判定部37は、置き場所データにおいて「化学繊維X」に関連付けられた「椅子」を、端末装置1の置き場所3として判定し、判定結果記録部36は、上記判定された「椅子」を、置き場所データに記録する。
【0090】
図7に戻り、端末装置1は、置き場所判定部37により判定された置き場所3に応じた情報処理を実行する(ステップS16)。具体的には、警告出力部38が置き場所3に応じた警告を出力するようにしてもよいし、機能制限部39が端末装置1の機能の実行を制限するようにしてもよい。最後に、端末装置1は本処理に対する終了指示の有無を確認し(ステップS17)、終了指示があった場合(ステップS17のY)、処理を終了する。
【0091】
以上説明した第1の実施形態にかかる端末装置1は、自らが置かれた置き場所3を判定し、判定された置き場所3に応じた情報処理を実行する。
【0092】
[2.第2の実施形態]
次に、第2の実施形態にかかる端末装置1について説明する。本実施形態にかかる端末装置1のハードウェア構成、機能的構成は、第1の実施形態と同様である。以下では、本実施形態について、第1の実施形態とは異なる点を中心に説明する。
【0093】
図12は、第2の実施形態にかかる置き場所データの一例を示した図である。同図に示すように、本実施形態にかかる置き場所データには、それぞれの置き場所3に対し、1以上の材料と、高さの情報が、互いに関連付けられて記録されている。また、置き場所データには、「机」「椅子」「床」で共通の材料である「木材」が含まれており、材料判定部35により判定された材料によっては、一意に置き場所3を識別することが困難なことがある。本実施形態は、上記の場合に対応しており、端末装置1の落下が検出された後の置き場所3を、落下を検出する前の置き場所3によって絞り込んで判定を行うものである。
【0094】
図13は、第2の実施形態にかかる計測判定処理の一例を示すフローチャートである。同図に示すように、本実施形態は、置き場所判定部37が後述の置き場所判定処理(ステップS61)を実行する点で、第1の実施形態と相違する。
【0095】
本実施形態では、置き場所判定部37が端末装置1の落下が検出された後に端末装置1の置き場所3を判定する場合、落下が検出される前に判定結果記録部36により記録された置き場所3と、落下が検出された後に材料判定部35により判定された材料に関連付けられた置き場所3によって、端末装置1が置かれた置き場所3を判定する。
【0096】
より具体的には、置き場所判定部37は、端末装置1の落下が検出された後に端末装置1の材料判定部35により判定された材料に関連付けられた置き場所3のうち、判定結果記録部36により記録された置き場所3よりも設定された高さが低い置き場所3を、端末装置1が置かれた置き場所3として判定する。また、置き場所判定部37は、判定結果記録部36により記録された置き場所3のうち、落下が検出される時点から予め定められた期間内の日時が関連付けられている置き場所3の高さを基準とし、これよりも低い高さが設定される置き場所3を端末装置1が置かれた置き場所3として判定するようにしてもよい。
【0097】
図14は、置き場所判定処理の一例を示すフローチャートである。置き場所判定部37は、図7に示したステップS12またはステップS13で設定された計測契機を確認する(ステップS71)。計測契機が「時間経過」、すなわち、端末装置1の移動を検出していない時間が閾値に達したことにより計測が開始された場合、置き場所判定部37は、置き場所データを参照し、材料判定部35により判定された材料に紐付けられた置き場所3を特定し(ステップS72)、置き場所判定処理を終了する。
【0098】
また、計測契機が「落下」、すなわち、端末装置1の落下が検出されたことにより計測が開始された場合、置き場所判定部37は、判定データを確認し(ステップS73)、当該判定日時から所与の期間内の判定結果(以降、過去の判定結果とも呼ぶ)がある場合(ステップS73のY)、過去の判定結果における置き場所3のうち、最大の高さHを取得し(ステップS74)、材料判定部35により判定された材料に紐づけられた置き場所3のうち、高さがH未満の置き場所3を特定し(ステップS75)、置き場所判定処理を終了する。
【0099】
なお、計測契機が「落下」の場合であっても、過去の判定結果が存在しない場合には(ステップS73のN)、置き場所判定部37は、計測契機が「時間経過」の場合と同様の処理(ステップS72)を実行する。
【0100】
判定結果記録部36は、置き場所判定部37により特定された置き場所3を記録する(ステップS34)。図15は、第2の実施形態にかかる材料判定結果および置き場所判定結果が記録された判定データの一例を示した図である。なお、判定データは、同図に示した例に限られず、計測契機を必ずしも含むものでなくてもよい。
【0101】
例えば、図15の1番目のレコードに示した例では、材料判定部35により判定された材料が「化学繊維」であるため、置き場所判定部37は、図12に示した置き場所データにおいて「化学繊維」に関連付けられた「椅子」を、端末装置1の置き場所3として特定する。
【0102】
また、図15の2番目のレコードに示した例では、計測契機は「落下」である。ここで、置き場所判定部37は、当該判定日時から所与の時間内(例えば、1時間以内)の判定結果である1番目のレコードと、図12に示した置き場所データを参照し、「椅子」の高さである「50」を取得する。続いて、置き場所判定部37は、置き場所データにおいて「木材」に関連付けられた置き場所3である「机」「椅子」「床」のうち、高さが「50」未満である「床」を、端末装置1の置き場所3として特定する。
【0103】
また、図15の3番目のレコードに示した例では、計測契機は「時間経過」であり、判定された材料は「木材」である。このため、置き場所判定部37は、置き場所データにおいて「木材」に関連付けられた「机」「椅子」「床」を、端末装置1の置き場所3として特定する。
【0104】
また、図15の4番目のレコードに示した例では、計測契機は「落下」である。このため、置き場所判定部37は、「机」「椅子」「床」のそれぞれの高さのうち、最大の高さである「机」の高さ「90」を取得し、置き場所データにおいて「木材」に関連付けられた置き場所3である「机」「椅子」「床」のうち、高さが「90」未満である「椅子」と「床」を、端末装置1の置き場所3として特定する。
【0105】
なお、図15の5番目のレコードに示した例では、計測契機は「落下」であるが、1時間以内の判定結果が存在しないため、置き場所判定部37は、置き場所データにおいて「木材」に関連付けられた「机」「椅子」「床」を、端末装置1の置き場所3として特定する。
【0106】
また、置き場所判定部37により特定された置き場所3が複数である場合、端末装置1は、複数の置き場所3のうちの少なくとも一部に基づく情報処理を行うようにしてもよいし、置き場所3が一つに絞られない限りは特定の情報処理を行わないようにしてもよい。例えば、判定された置き場所3が「机」「椅子」「床」である場合に、警告出力部38は、「床」に応じた警告を出力してもよいし、「椅子」と「床」のそれぞれに応じた警告を出力するようにしてもよい。また、警告出力部38は、置き場所3が「椅子」か「床」のいずれかに特定されるまでは、警告出力を行わないようにしてもよい。
【0107】
以上説明した第2の実施形態にかかる端末装置1は、自らが置かれた置き場所3を、温度変化に基づき判定された置き場所3の材料のみならず、過去の判定結果における置き場所3の高さを考慮して判定する。
【0108】
上記の実施形態のそれぞれに示した具体的な構成は、例として示したものであり、本明細書において開示される発明は、これら例示した構成そのものに限定されるものではない。また、フローチャートについては、実施形態の機能を実現するアルゴリズムの一例を示すものであり、これに限定されることなく、同様の機能を実現するアルゴリズムであればいかなるものを用いてもよい。当業者は、これら開示された実施形態に種々の変形、例えば、各部材の形状や数、配置等を適宜変更してもよく、本明細書にて開示される発明の技術的範囲は、そのようになされた変形をも含むものと理解すべきである。
【0109】
[3.変形例]
以下、本発明の実施形態を変形した一例(変形例)について説明する。
【0110】
(1)実施形態においては、端末装置1が置かれた置き場所3の特性に応じて、端末装置1を発熱させた場合の温度変化に違いがあることに着目した例を説明した。一方では、発熱部33が発熱を終了すると端末装置1は時間経過に応じて冷めていくが、ここでの温度変化も、端末装置1が置かれた場所の材料に応じて異なると考えられる。このため、温度計測部34は、発熱期間51が経過した後の計測期間で端末装置1の温度を計測するようにしてもよく、材料判定部35は、発熱部33による発熱の終了後に計測された端末装置1の温度変化(すなわち温度降下)によって、端末装置1が置かれた置き場所3の材料を判定してもよい。
【0111】
より具体的には、計測制御部31は、発熱部33による発熱を開始し、予め定められた条件を満足する発熱期間51を経過するまで、端末装置1の温度を上昇させる。計測制御部31は、端末装置1の温度が予め定められた温度(例えば36℃)に到達するまで発熱させることとしてもよい。その後、温度計測部34は、計測期間の終了まで、端末装置1の温度を計測し、材料判定部35は、材料ごとに予め定められた温度の下がり方を示す温度変化量の範囲と、計測された温度から算出された温度変化量によって、端末装置1の置かれる置き場所3の材料を判定するようにしてもよい。
【0112】
(2)実施形態においては、端末装置1の材料判定部35が、端末装置1の置き場所3の材料を判定する場合について説明したが、端末装置1は、材料判定部35の代わりに置き場所3の材料の性質(例えば、材料の硬度、熱伝導率、強さ(引張り強さ、圧縮強さ、せん断強さ)、靱性、またはそれらのランクなど)を判定する性質判定部を備えることとしてもよい。ここで、性質判定部は、発熱部33による発熱の以後に計測された端末装置1の温度変化によって、端末装置1が置かれた置き場所3の性質を判定することとしてよい。性質判定部は、例えば、予め定められた温度変化量と性質の関係のうち、温度計測部34により計測された温度の変化量に対応する性質を判定するようにすればよい。より具体的には、材料の性質として、熱伝導の大きさに応じて2つのランクを設けた場合に、性質判定部は、計測された温度の変化速度などである温度変化量が、上記計測タイミングに応じて予め定められた閾値未満の場合(例えば、温度変化量がA℃/1分(A>0)未満の場合)、熱伝導が小さいランクに属すると判定し、計測された温度変化量が上記閾値以上の場合に、熱伝導が大きいランクに属すると判定するようにすればよい。
【0113】
(3)また、端末装置1が機能的に性質判定部を備える場合、置き場所判定部37は、性質判定部により判定された性質によって、置き場所3を判定することとしてもよい。置き場所判定部37は、例えば、予め定められた性質と置き場所3の関係のうち、性質判定部により判定された性質に対応する置き場所3を判定するようにすればよい。
【0114】
(4)また、端末装置1が機能的に性質判定部を備える場合、警告出力部38は、性質判定部により判定された性質(例えば、材料の硬度、熱伝導率、強さ(引張り強さ、圧縮強さ、せん断強さ)、靱性、またはそれらのランクなど)が予め定められた性質である場合に、判定された性質に応じた警告を出力するようにしてもよい。
【0115】
(5)また、端末装置1が機能的に性質判定部を備える場合、機能制限部39は、性質判定部により判定された性質が予め定められた性質である場合に、端末装置1により操作される機能(例えば、端末装置1に備えられた少なくとも一部の機能)の実行を制限することとしてもよい。例えば、性質判定部により判定された性質が材料の硬度である場合に、機能制限部39は、性質判定部により判定された材料の硬度が閾値以上であるときに、端末装置1の
【0116】
(6)また例えば、警告出力部38は、材料判定部35により判定された材料(例えば、木材や化学繊維など)が予め定められた材料である場合に、判定された材料に応じた警告を出力するようにしてもよい。
【0117】
(7)また例えば、機能制限部39は、材料判定部35により判定された材料が予め定められた材料である場合に、端末装置1により操作される機能(例えば、端末装置1に備えられた少なくとも一部の機能)の実行を制限するようにしてもよい。
【0118】
(8)実施形態に示した機能的構成は、端末装置1のハードウェアに限らず、外部の装置や機器を用いて実現されるものであってもよい。例えば、材料判定部35と、判定結果記録部36と、置き場所判定部37と、基準データ記憶部42と、置き場所データ記憶部43と、判定データ記憶部44は、端末装置1の外部のサーバ装置が備えていてもよい。
【0119】
より具体的には、端末装置1は、温度計測部34により計測された温度および計測時間が記録された温度データを、通信部13を用いてサーバ装置に送信し、サーバ装置は、送信された温度データによって、置き場所判定部37により端末装置1の置き場所3を判定した置き場所判定結果を端末装置1に送信し、端末装置1は、送信された置き場所判定結果によって、置き場所3に応じて予め定められた情報処理を実行することとしてもよい。このように、実施形態において説明した機能的構成は、一つの装置単体で実現される場合に限られず、複数の装置を含むシステムにより実現されるようにしてもよい。
【符号の説明】
【0120】
1 端末装置、2 ケース、3 置き場所、11 制御部、12 記憶部、13 通信部、14 表示部、15 操作部、16 音声出力部、17 加速度センサ、18 温度センサ、19 バイブレータ、31 計測制御部、32 移動検出部、33 発熱部、34 温度計測部、35 材料判定部、36 判定結果記録部、37 置き場所判定部、38 警告出力部、39 機能制限部、41 温度データ記憶部、42 基準データ記憶部、43 置き場所データ記憶部、44 判定データ記憶部、51 発熱期間、52 作動期間、53 待機期間。
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