特許第6176186号(P6176186)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6176186
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】自動車の電源装置
(51)【国際特許分類】
   B60R 16/02 20060101AFI20170731BHJP
   B60R 16/033 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   B60R16/02 645D
   B60R16/033 C
【請求項の数】5
【全頁数】9
(21)【出願番号】特願2014-106100(P2014-106100)
(22)【出願日】2014年5月22日
(65)【公開番号】特開2015-221595(P2015-221595A)
(43)【公開日】2015年12月10日
【審査請求日】2016年7月27日
(73)【特許権者】
【識別番号】395011665
【氏名又は名称】株式会社オートネットワーク技術研究所
(73)【特許権者】
【識別番号】000183406
【氏名又は名称】住友電装株式会社
(73)【特許権者】
【識別番号】000002130
【氏名又は名称】住友電気工業株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100105957
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 誠
(74)【代理人】
【識別番号】100068755
【弁理士】
【氏名又は名称】恩田 博宣
(72)【発明者】
【氏名】石原 章生
【審査官】 谷治 和文
(56)【参考文献】
【文献】 特開2002−305843(JP,A)
【文献】 特開平5−176464(JP,A)
【文献】 特開2007−89350(JP,A)
【文献】 実開平2−110242(JP,U)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
B60R 16/033
B60R 16/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
複数の蓄電池と、
前記各蓄電池と複数の負荷との間に介在され、前記各負荷に前記蓄電池の少なくともいずれかから電力を供給する電源ボックスと、
前記各蓄電池及び各負荷に電力を供給するオルタネータと
を備えた自動車の電源装置において、
前記電源ボックス内に設けられ、入力端子が前記各蓄電池にそれぞれ接続される複数のスイッチ手段と、
前記各スイッチ手段の出力端子を接続する接続点と、前記各負荷とをそれぞれ接続する1本ずつの電源供給配線と、
前記オルタネータから前記接続点に電力を供給する電力供給配線と、
前記各スイッチ手段及び前記各蓄電池に流れる電流値をそれぞれ検出する電流検出手段と、
前記各電流検出手段の検出信号に基づいて、前記各蓄電池に流れる電流値と、当該蓄電池に接続されるスイッチ手段に流れる電流値が異なるとき、当該スイッチ手段を不導通状態に制御する制御手段と
を備えたことを特徴とする自動車の電源装置。
【請求項2】
請求項1に記載の自動車の電源装置において、
前記電流検出手段を、ホール素子で構成したことを特徴とする自動車の電源装置。
【請求項3】
請求項1に記載の自動車の電源装置において、
前記スイッチ手段に流れる電流値を検出する電流検出手段は、
前記スイッチ手段の入出力端子の端子間電圧を検出する電圧検出部と、
前記端子間電圧に基づいて電流値を検出する前記制御手段で構成したことを特徴とする自動車の電源装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれか1項に記載の自動車の電源装置において、
前記スイッチ手段は、前記制御手段から出力される励磁電流に基づいて開閉制御されるリレーで構成したことを特徴とする自動車の電源装置。
【請求項5】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の自動車の電源装置において、
3台の前記蓄電池と、
前記蓄電池にそれぞれ接続される3つのスイッチ手段と、
前記各スイッチ手段及び前記各蓄電池に流れる電流値をそれぞれ検出する電流検出手段と
を備えたことを特徴とする自動車の電源装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、冗長機能を備えた自動車用電源装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年の自動車用電源装置では、種々の電気負荷への電源供給の安定性を確保するために、複数の蓄電池の少なくともいずれかから各負荷に電源を供給可能とした冗長機能を備えたものが提案されている。
【0003】
このような電源装置では、一方の蓄電池の電圧低下時あるいは失陥時には、自動的に他方の蓄電池から各負荷に電力を供給する。
特許文献1には、バッテリーと、バッテリーから供給される電力で充電されるキャパシタをバックアップ電源として備え、バッテリーの出力電圧が低下した場合には、バックアップ電源から負荷に電力を供給する電源装置が開示されている。
【0004】
また、特許文献2には、複数の蓄電装置から負荷群に電力を供給可能とした電源制御装置が開示されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2013−95238号公報
【特許文献2】特開2012−240487号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1に開示された電源装置では、バッテリーが失陥した場合には、バックアップ電源を充電することができないため、負荷に安定して電力を供給することができない。
また、電源の冗長化を図るために、バッテリーとバックアップ電源から各負荷に電力を供給するためにそれぞれ2本ずつの電源供給配線が必要となるため、電源供給配線の本数が増大し、コストも上昇する。
【0007】
また、電源の供給経路にダイオードが介在されるため、負荷への供給電流が増大すると、ダイオードでの発熱が大きくなる。従って、電流容量の大きい大型のダイオードを使用する必要があるため、部品コストが増大する。
【0008】
特許文献2に開示された電源制御装置では、メインバッテリーから電源ボックスへの電源供給線が断線状態となると、負荷への電力供給が遮断されるため、電源の冗長化が確保されていない。
【0009】
この発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、その目的は負荷に対し安定して電力を供給可能としながら、電源供給配線の本数を削減し得る自動車の電源装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記課題を解決する自動車の電源装置は、複数の蓄電池と、前記各蓄電池と複数の負荷との間に介在され、前記各負荷に前記蓄電池の少なくともいずれかから電力を供給する電源ボックスと、前記各蓄電池及び各負荷に電力を供給するオルタネータとを備えた自動車の電源装置において、前記電源ボックス内に設けられ、入力端子が前記各蓄電池にそれぞれ接続される複数のスイッチ手段と、前記各スイッチ手段の出力端子を接続する接続点と前記各負荷とをそれぞれ接続する1本ずつの電源供給配線と、前記オルタネータから前記接続点に電力を供給する電力供給配線と、前記各スイッチ手段及び前記各蓄電池に流れる電流値をそれぞれ検出する電流検出手段と、前記各電流検出手段の検出信号に基づいて、前記各蓄電池に流れる電流値と、当該蓄電池に接続されるスイッチ手段に流れる電流値が異なるとき、当該スイッチ手段を不導通状態に制御する制御手段とを備えたことを特徴とする。
【0011】
この構成により、各蓄電池の少なくともいずれかから各負荷毎に一本の電源供給配線で各負荷に電力を供給可能となるとともに、オルタネータから一本の電力供給配線で各蓄電池及び各負荷に電力を供給可能となり、且つ各蓄電池間の電流の回り込みを阻止可能となる。
【0012】
また、上記の自動車の電源装置において、前記電流検出手段を、ホール素子で構成することが好ましい。
この構成により、各ホール素子で、各蓄電池及び各スイッチ手段に流れる電流値を検出可能となる。
【0013】
また、上記の自動車の電源装置において、前記スイッチ手段に流れる電流値を検出する電流検出手段は、前記スイッチ手段の入出力端子の端子間電圧を検出する電圧検出部と、前記端子間電圧に基づいて電流値を検出する前記制御手段で構成することが好ましい。
【0014】
この構成により、スイッチ手段の入出力端子の端子間電圧に基づいて、スイッチ手段に流れる電流値が検出される。
また、上記の自動車の電源装置において、前記スイッチ手段は、前記制御手段から出力される励磁電流に基づいて開閉制御されるリレーや半導体リレーで構成することが好ましい。
【0015】
この構成により、各蓄電池に流れる電流値と、当該蓄電池に接続されるリレーの接点に流れる電流値が異なるとき、当該リレーの接点が不導通状態となるように制御される。
また、上記の自動車の電源装置において、3台の前記蓄電池と、前記蓄電池にそれぞれ接続される3つのスイッチ手段と、前記各スイッチ手段及び前記各蓄電池に流れる電流値をそれぞれ検出する電流検出手段とを備えることが好ましい。
【0016】
この構成により、3台の蓄電池の少なくともいずれかから負荷に電力が供給され、いずれかの蓄電池からその他の蓄電池に向かって流れる電流が遮断される。
【発明の効果】
【0017】
本発明の自動車の電源装置によれば、負荷に対し安定して電力を供給可能としながら、電源供給配線の本数を削減することができる。
【図面の簡単な説明】
【0018】
図1】第一の実施形態を示すブロック図である。
図2】第一の実施形態の動作を示すブロック図である。
図3】第一の実施形態の動作を示すブロック図である。
図4】第一の実施形態の動作を示すブロック図である。
図5】第二の実施形態を示すブロック図である。
図6】第二の実施形態を示すブロック図である。
図7】別例を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
(第一の実施形態)
図1図4は、自動車の電源装置の第一の実施形態を示す。オルタネータ1は、回生動作時あるいは通常走行時にエンジンの出力軸の回転に基づいて発電し、その発電電力が一本の電力供給配線2を介して電源ボックス3に供給される。
【0020】
メインバッテリー4の出力電力は、ヒューズf1を介して電源ボックス3に供給され、サブバッテリー5の出力電力は、ヒューズf2を介して電源ボックス3に供給される。
また、メインバッテリー4に接続される接地線には、ホール素子h1が装着されて、メインバッテリー4から出力される電流及びメインバッテリー4に供給される電流の方向及び電流値を検出可能となっている。
【0021】
同様に、サブバッテリー5に接続される接地線には、ホール素子h2が装着されて、サブバッテリー5から出力される電流及びサブバッテリー5に供給される電流の電流値及び方向を検出可能となっている。そして、ホール素子h1,h2の検出信号は、電源制御ECU6に出力される。
【0022】
前記電源ボックス3内にはリレー7,8が配設されている。リレー7の接点9の一方の端子(入力端子)10aにはメインバッテリー4から出力電力が供給され、リレー8の接点11の一方の端子(入力端子)12aにはサブバッテリー5から出力電力が供給される。
【0023】
前記接点9,11の他方の端子(出力端子)10b,12bに接続される配線は、接続点Cで互いに接続されるとともに、ヒューズf3及び電源ボックス3外の電源供給配線13を介して第一の負荷15に接続され、ヒューズf4及び電源ボックス3外の電源供給配線14を介して第二の負荷16に接続されている。
【0024】
接点9,11の他方の端子10b,12bと前記接続点Cとの間の配線には、それぞれホール素子h3,h4が装着されて、接点9,11に流れる電流の電流値及び電流の方向を検出可能となっている。そして、ホール素子h3,h4の検出信号は、電源制御ECU6に出力される。
【0025】
前記電力供給配線2は、前記接続点Cに接続されている。そして、オルタネータ1の発電電力は、接点9を介してメインバッテリー4に供給可能であり、接点11を介してサブバッテリー5に供給可能である。
【0026】
また、オルタネータ1の発電電力は、ヒューズf3及び電源供給配線13を介して第一の負荷15に供給され、ヒューズf4及び電源供給配線14を介して第二の負荷16に供給される。
【0027】
前記電源制御ECU6は、前記ホール素子h1〜h4で検出される電流値と、電流の方向に基づいてリレー7,8のコイルに励磁電流を供給するか否かを制御することにより、接点9,11を開閉制御する。
【0028】
具体的には、ホール素子h1で検出される電流値がホール素子h3で検出される電流値より十分に小さく、且つホール素子h3で検出される電流方向とホール素子h4で検出される電流方向とが異なる場合に、リレー7の接点9を不導通状態とする。
【0029】
同様に、ホール素子h2で検出される電流値がホール素子h4で検出される電流値より十分に小さく、且つホール素子h3で検出される電流方向とホール素子h4で検出される電流方向とが異なる場合に、リレー8の接点11を不導通状態とする。
【0030】
次に、上記のように構成された電源装置の作用を説明する。
図2に示すように、オルタネータ1が発電動作を停止しているとき、メインバッテリー4からリレー7を介して第一及び第二の負荷15,16に電力が供給され、サブバッテリー5からリレー8を介して第一及び第二の負荷15,16に電力が供給される。
【0031】
このとき、ホール素子h1,h3で検出される電流I1の電流値は同一であるとともに電流方向も同方向である。また、ホール素子h2,h4で検出される電流I2の電流値は同一であるとともに電流方向も同方向である。すると、リレー7,8の接点9,11は導通状態に維持される。
【0032】
図3に示すように、オルタネータ1が動作するとき、その発電電力はリレー7を介してメインバッテリー4に供給されるとともに、リレー8を介してサブバッテリー5に供給される。また、第一及び第二の負荷15,16にも発電電力が供給される。
【0033】
このとき、ホール素子h1,h3で検出される電流I3の電流値は同一であるとともに電流方向も同方向である。また、ホール素子h2,h4で検出される電流I4の電流値は同一であるとともに電流方向も同方向である。すると、リレー7,8の接点9,11は導通状態に維持される。
【0034】
図4に示すように、例えばメインバッテリー4で地絡が発生して、ヒューズf1が溶断されると、サブバッテリー5からリレー8を介して第一及び第二の負荷15,16に電力が供給されるとともに、サブバッテリー5からリレー8,7を介して地絡電流が流れようとする。
【0035】
すると、ホール素子h2,h4に流れる電流I5,I6の電流値と電流方向は同一となる。一方、ホール素子h3には電流I6が流れるが、ホール素子h1には電流が流れない。
【0036】
この結果、ホール素子h1,h3で検出される電流値及び電流方向が一致しないため、リレー7の接点9が不導通状態に制御され、サブバッテリー5からの地絡電流の発生が阻止される。
【0037】
同様に、サブバッテリー5に地絡が発生した場合には、メインバッテリー4から第一及び第二の負荷15,16に電力が供給される。そして、ホール素子h2,h4で検出される電流値及び電流方向が一致しなくなるため、リレー8の接点11が不導通状態に制御され、メインバッテリー4からの地絡電流の発生が阻止される。
【0038】
上記のような自動車の電源装置では、次に示す効果を得ることができる。
(1)メインバッテリー4とサブバッテリー5のいずれか一方が地絡した場合、他方のバッテリーから第一及び第二の負荷15,16に電力を供給することができる。従って、電源の冗長化を図り、負荷に所要の電力を安定して供給することができる。
(2)電源ボックス3から各負荷15,16までそれぞれ1本ずつの電源供給配線13,14で電力を供給することができる。従って、電源の冗長化を図りながら、電源供給配線13,14の本数を削減することができるので、自動車の車両重量の低減に寄与するとともに、コストを低減することができる。
(3)ホール素子h1〜h4及び電源制御ECU6の動作に基づいて開閉されるリレー7,8により、メインバッテリー4とサブバッテリー5との間の電流の回り込みを阻止することができる。従って、一方のバッテリーが地絡あるいは失陥した場合に、他方のバッテリーの無用な放電を阻止して、当該バッテリーを保護することができる。
(4)リレー7,8の接点9,11に充分な電力容量を確保することが容易であるため、第一及び第二の負荷15,16が、モータやランプのような大電流の供給を必要とする負荷であっても、電源の冗長化を図りながら、電源供給配線13,14の本数を削減することができる。
(5)オルタネータ1から電源ボックス3に一本の電力供給配線2で発電電力を供給して、メインバッテリー4及びサブバッテリー5を充電可能であるとともに、第一及び第二の負荷15,16にオルタネータ1の発電電力を供給可能である。従って、電力供給配線2の本数を削減して、自動車の車両重量の低減に寄与するとともに、コストを低減することができる。
(第二の実施形態)
図5は、第二の実施形態を示す。この実施形態は、第一の実施形態の構成にさらに第二のサブバッテリー17を追加した構成である。第一の実施形態と同一構成部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0039】
第二のサブバッテリー17は、ヒューズf5及びリレー18を介して接続点Cに接続される。また、第二のサブバッテリー17に接続される接地線には、ホール素子h5が接続され、リレー18の接点19と接続点Cとの間の配線には、ホール素子h6が装着されている。
【0040】
そして、ホール素子h5は第二のサブバッテリー17に流れる電流の電流値及び方向を検出し、その検出信号を電源制御ECU6に出力する。また、ホール素子h6はリレー18の接点19に流れる電流の電流値及び方向を検出し、その検出信号を電源制御ECU6に出力する。
【0041】
電源制御ECU6は、ホール素子h5,h6から出力される検出信号に基づいて、リレー7,8の制御と同様に、リレー18の接点19を開閉制御する。その他の構成は、第一の実施形態と同様である。
【0042】
このように構成された電源装置では、メインバッテリー4と第一及び第二のサブバッテリー5,17の少なくともいずれかから第一及び第二の負荷15,16に電力が供給される。また、メインバッテリー4と第一及び第二のサブバッテリー5,17のいずれかで地絡が発生すると、当該バッテリーに接続されるリレーの接点が不導通状態に制御される。
【0043】
上記のような自動車の電源装置では、第一の実施形態で得られた効果に加えて、次に示す効果を得ることができる。
(1)3台のバッテリーの少なくともいずれかから第一及び第二の負荷15,16に電力を供給可能であるので、冗長機能をさらに充実させることができる。
(第三の実施形態)
図6は、第三の実施形態を示す。この実施形態は、第一の実施形態のホール素子h3,h4に代えて、第一及び第二の電圧検出部20,21を備えた構成としたものである。第一の実施形態と同一構成部分は同一符号を付して詳細な説明を省略する。
【0044】
第一の電圧検出部20は、リレー7の接点9の両端子10a,10bの端子間電圧を検出し、その検出信号を電源制御ECU6に出力する。同様に、第二の電圧検出部21は、リレー8の接点11の両端子12a,12bの端子間電圧を検出し、その検出信号を電源制御ECU6に出力する。
【0045】
電源制御ECU6は、第一及び第二の電圧検出部20,21から出力される検出信号に基づいて、リレー7,8の接点9,11に流れる電流の電流値及び方向を検出し、その検出結果に基づいて第一の実施形態と同様な制御動作により、リレー7,8の接点9,11を開閉制御する。
【0046】
このように構成された電源装置では、メインバッテリー4及びサブバッテリー5の少なくともいずれかから第一及び第二の負荷15,16に電力が供給される。また、メインバッテリー4及びサブバッテリー5のいずれかで地絡が発生すると、当該バッテリーに接続されるリレーの接点が不導通状態に制御される。
【0047】
従って、第一の実施形態と同様な効果を得ることができる。
なお、上記実施形態は以下のように変更してもよい。
・第一〜第三の実施形態において、リレー7,8,18に代えて、図7に示すパワーMOSFET27を使用してもよい。
【符号の説明】
【0048】
1オルタネータ、2…電力供給配線、3…電源ボックス、4…蓄電池(メインバッテリー)、5,17…蓄電池(サブバッテリー)、6…制御手段(電流検出手段、電源制御ECU)、7,8…スイッチ手段(リレー)、10a,12a…入力端子、10b,12b…出力端子、13,14…電源供給配線、15,16…負荷、h1〜h6…電流検出手段(ホール素子)、20,21…電流検出手段(電圧検出部)、22,23…スイッチ手段(ダイオード)。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7