(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
【発明を実施するための形態】
【0009】
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
【0010】
図1は、本実施形態に係る情報処理装置100の外観斜視図である。
【0011】
情報処理装置100は、例えばA5サイズの大きさのタブレット型端末装置であり、本体部12と、筐体としてのバインダ13と、から構成されている。
本体部12には、画面表示及びタッチ入力のためのタッチ表示部5、撮像手段としての撮像部8等が設けられている。撮像部8は、タッチ表示部5の外側の部分のうち、ヒンジ部13cによる回転軸から遠い方の長手側の枠の中央部(
図1では表面側の左側中央部)に配設されている。
【0012】
筐体としてのバインダ13は、第1の筐体としての第1のカバー13aと第2の筐体としての第2のカバー13bとがヒンジ部13cを回転軸として開閉可能に連結されて構成されている。第1のカバー13aには記録媒体15が配置され、第2のカバー13bには本体部12が設けられている。本体部12、記録媒体15は、留め具、フック等により、バインダ13に着脱可能に装着されている。
【0013】
なお、本実施形態において、記録媒体15とは、撮影すべき情報が記録されている媒体を示すものであり、例えば、情報が文書データを印刷することにより記録されている用紙、情報が印刷されている用紙、書籍等である。ただし、記録媒体15は、撮像すべき情報が記録されている媒体であればよく、素材は紙に限定されない。記録媒体15は、1枚のシート状の用紙であってもよいし、冊子状に綴じられていてもよい。また、記録媒体15には、情報を電子的に表示可能な電子ペーパーも含まれる。
【0014】
第1のカバー13a及び第2のカバー13bは、平板長方形状に構成され、ヒンジ部13cにより、本や手帳を開閉するように、開閉可能となっている。
図1は、第1のカバー13aと第2のカバー13bとのなす角度が180°である状態(180°開いた状態)を図示している。ユーザは、180°開いた状態、または所定の角度の状態でタッチ表示部5に表示される画面の参照及びタッチ入力を行い、記録媒体15に文字や図表等を記入する。
【0015】
ヒンジ部13cには、第1のカバー13aと第2のカバー13bとのなす角度を検出する開閉角度センサ14が設けられている。開閉角度センサ14は、ヒンジ部13cの軸の回転を検出するロータリーエンコーダや、ホール素子等を用いて開閉状態を検出する磁気センサによって構成されている。ここで開閉角度センサ14は、検出手段として機能している。
【0016】
図2は、情報処理装置100の第1のカバー13aを示す図である。第1のカバー13aには記録媒体15が配置され、記録媒体15が配置される部分の外側である縁部にはマークM1〜M6が設けられている。マークM1〜M3は第1のカバー13aにおいてヒンジ部13cに近い縁部に設けられている。マークM4〜M6は第1のカバー13aにおいてヒンジ部13cに遠い縁部に設けられている。本実施形態におけるマークM1〜M6の形状は2つの四角形が角部を接している形状であるが、位置を識別できる形状であればよく、例えば、十字形等の形状であってもよい。これらのマークM1〜M6は、記録媒体15とともに撮像部8によって撮影される。
【0017】
図3は、情報処理装置100の内部構成を示すブロック図である。情報処理装置100は、機器の全体的な制御を行うCPU(Central Processing Unit)1と、操作キーを有する操作部6と、CPU1に作業用のメモリ空間を提供するRAM(Random Access Memory)3と、表示パネル5aにタッチパネル5bを積層配設した構造のタッチ表示部5と、CPU1が実行する制御プログラムや制御データ等を格納した記憶部4と、無線通信部7と、被写体の光学像を撮影する撮像部8と、撮像部8を制御するカメラコントローラ9と、現在日時を計時する計時部10と、第1のカバー13aと第2のカバー13bとのなす角度を検出する開閉角度センサ14等を備えている。CPU1、操作部6、RAM3、タッチ表示部5、記憶部4、無線通信部7、カメラコントローラ9、計時部10、開閉角度センサ14は、バス11を介して接続されている。
【0018】
CPU1は、操作部6やタッチパネル5bから入力される操作信号に応じて情報処理装置100の各部の処理動作を統括的に制御する。具体的には、CPU1は、記憶部4に記憶されているシステムプログラムを読み出し、RAM3のワークエリアに展開し、該システムプログラムに従って各部を制御する。また、CPU1は、記憶部4に記憶されている処理プログラム4aを読み出してワークエリアに展開し、後述する第1手書き文書撮影保存処理を実行することで、撮像制御手段、比較手段、付加手段、判定手段、記憶制御手段、台形補正手段として機能する。また、CPU1は、後述する第2手書き文書撮影保存処理を実行することで、撮像制御手段、取得手段、比較手段、付加手段、台形補正手段として機能する。
【0019】
第1記憶手段、第2記憶手段としてのRAM3は、揮発性のメモリである。また、RAM3は、実行される各種プログラムやこれら各種プログラムに係るデータ等を格納するワークエリアを有する。
【0020】
電源部(二次電池)2は各部に電源を供給する。
【0021】
記憶部4は、例えば、磁気記録媒体を有するHDD(Hard Disk Drive)、書換式のROM(Read Only Memory)、フラッシュメモリ等で構成される。記憶部4には、プログラム記憶部41が設けられている。なお、記憶部4は、例えば、SDカード、ICカードなど、着脱自在な可搬型メモリ(記録メディア)を含む構成であってもよく、図示しないが、通信機能を介してネットワークに接続されている状態においては所定のサーバ装置側の記憶領域を含むものであってもよい。
【0022】
プログラム記憶部41には、CPU1で実行されるシステムプログラムや処理プログラム4a等が記憶されている。処理プログラム4aには、第1手書き文書撮影保存処理、第2手書き文書撮影保存処理を始めとする各種処理を実行するためのプログラムが含まれる。また、文書データ等を管理等するための画像データ管理プログラム、OCR(Optical Character Recognition)(光学文字認識)プログラムが含まれている。OCRプログラムは、画像処理により入力画像を2値化された画像データに認識処理し、予め記憶されたパターンとの照合により文字、符号を特定し、文字・符号データを出力するプログラムである。ここで、CPU1は、OCRプログラムを実行することで画像データを文字認識する文字認識手段として機能している。
これらのプログラムは、コンピュータ読み取り可能なプログラムコードの形態でプログラム記憶部41に格納されている。CPU1は、当該プログラムコードに従った動作を逐次実行する。
【0023】
タッチ表示部5は、表示パネル5aにタッチパネル5bを積層配設した構造で、表示パネル5aは、縦横比(例えば、横4:縦3)の異なる画面を有した高精細液晶ディスプレイであり、タッチパネル5bは、撮影者の指などでタッチ操作された位置を検知してその座標データを入力するタッチスクリーンを構成するもので、例えば、静電容量方式あるいは抵抗膜方式を採用しているが、その他の方式であってもよい。
【0024】
操作部6は、図示省略したが、電源をオン/オフさせる電源キーなどの押しボタン式のキーを備え、CPU1は、この操作部6から操作キーに対応して出力される入力操作信号に応じた処理を行う。
【0025】
無線通信部7は、高速大容量の通信が可能な無線通信モジュールであり、例えば、最寄りの無線LAN(Local Area Network)ルータ(図示省略)を介してインターネットに接続可能となっている。ここで、無線通信部7は取得手段として機能している。
【0026】
撮像部8は、被写体の光学像を撮影するもので、図示省略したが、光学レンズからの被写体像が撮像素子(CCDやCMOSなど)に結像されることにより被写体を撮影するカメラモジュールであり、例えば、合焦駆動部と、CCD(Charge Coupled Device)またはCMOS(Complementary Metal-oxide Semiconductor)等のイメージセンサと、タイミング発生器と、ドライバ等を備え、撮影された光学像を二次元の画像信号に変換する。撮像部8は、例えば、フレームレートが秒15コマ(15fps)の連続撮影(高速像)が可能となっている。ここで、撮像部8は撮像手段として機能している。また、撮像部8は取得手段として機能している。
【0027】
カメラコントローラ9は、撮像部8を制御する。撮像部8の動作のための動作制御用信号はカメラコントローラ9から出力され、画像の取得開始、画像取得位置、オートフォーカスの制御をする。撮像部8から出力される画像データは、カメラコントローラ9で受け取り、CPU1のDNA機能を使用してRAM3上に転送される。ここで、CPU1およびカメラコントローラ9は撮像制御手段として機能する。
【0028】
計時部10は、図示しない発振回路部から入力される信号を計数して、内部時刻等を得る。そして当該内部時刻をCPU1に出力する。ここで、内部時刻とは、計時部9で計時される現在日時のことをいう。
【0029】
次に、本実施形態に係る情報処理装置100の動作について説明する。
図4は情報処理装置100におけるバインダ13の開閉状態を示す図である。
図4(A)は、情報処理装置100の第1のカバー13aと第2のカバー13bとが開いた状態を示す図を、
図4(B)は、第1のカバー13aの上に第2のカバー13bが重なり合う状態を示す図である。
【0030】
ユーザは、例えば、バインダ13を開いた状態において情報処理装置100を使用したり、記録媒体15に図表などを書き入れたりすることができる。また、情報処理100及び記録媒体15を使用しないときには、第1のカバー13aと第2のカバー13bとを閉じてバインダ13を閉じる(角度は0度。)ことができる。
【0031】
図5は、本実施形態に係る情報処理装置100により実行される第1手書き文書撮影保存処理のフローを示す図である。以下、情報処理装置100による第1手書き文書撮影保存処理について
図5を参照して説明する。これらの処理は、CPU1と記憶部4に記憶されている処理プログラムとの協働により実行される。
【0032】
この第1手書き文書撮影保存処理が開始される前提として、例えば、情報処理装置100が起動されている状態で文書データを印刷した記録媒体15が第1のカバー13a上に設置されているものとする。第1手書き文書撮影保存処理では、撮影に適する角度として、例えば、略110度が設定されている。また、撮影に適する角度(略110度)に合わせてフォーカス、露出などの撮影条件が設定されている。なお、撮影に適する角度は、110度に限られず、撮像部8の画角等に対応して例えば略70度等の角度を選択することができる。また、元となる文書データは無線通信部7により取得され、記憶部4に記憶されているものとする。また、図示しないUSBメモリ等の外部記憶媒体がUSBコントローラ等で構成されたI/F部にて接続されて、元となる文書データがI/F部にて取得され、記憶部4に記憶されていてもよい。
【0033】
ステップS1では、CPU1は、ユーザの操作部6による操作に基づき、モードを第1手書き文書撮影保存処理のモードに決定する。
【0034】
ステップS2では、CPU1は、撮像部8を起動させる。
【0035】
ステップS3では、CPU1は、撮像部8により文書データを印刷した記録媒体15を撮影して初期画像データとし、第1記憶手段としてのRAM3の初期画像データ記憶領域に記憶する。ここで、第1手書き文書撮影保存処理では、初期画像データが元画像データである。なお、第1手書き文書撮影保存処理では、文書データもまた元画像データである。その後、ユーザは文書データを印刷した記録媒体15に文字等の追記を開始する。また、CPU1は、この初期画像データを、第2記憶手段としてのRAM3の画像データ記憶領域に記憶する。
【0036】
ステップS4では、CPU1は、第1手書き文書撮影保存処理が終了したか否かを判断する。具体的には、後述するステップS13による画像がRAM3に保存されている場合、または、第1手書き文書撮影保存処理開始後、所定時間経過した場合、および、手動による終了指示がされた場合に終了したと判断する。終了したと判断すると「YES」へ分岐して本処理を終了する。終了していないと判断すると、「NO」へ分岐してステップS4に移行する。
【0037】
ステップS5では、CPU1は、撮像部8から画像データを転送してRAM3に記憶する。
【0038】
ステップS6では、CPU1は、前回撮影された画像データと今回のステップS5で撮影された画像データとを比較して差分画像データを取得し、その差分画像データの差分値を計算する。ここで前回撮影された画像データとはステップS3における文書データを印刷した記録媒体15の初期画像データである。また、ステップS7またはステップS8の処理を経てステップS4に戻った後においては、前回撮影された画像データとは前回のステップS5にて撮影された画像データである。
【0039】
図6は、第1手書き文書撮影保存処理開始後の、画像データの差分値と時間との関係を模式的に示した図である。
図7は、ユーザが、文書データを印刷した記録媒体15に文字等の追記をしている動作を示す図である。
図7のように、ユーザは間欠的に、文書データを印刷した記録媒体15に文字等を追記する。追記する間、手の動作が文字等の追記に重畳して撮影されるため、画像データの差分値は大きくなる。追記が終わって手の位置が撮像部8の画角範囲外に外れると、画像データの差分値は小さくなる。手書き検出判定値とは、このような手書き動作を検出するために予め設定されている閾値である。
【0040】
ステップS7では、CPU1は、ステップS6で計算した差分値が手書き検出判定値を越えたか否かを判定する。画像データの差分値が手書き検出判定値を越えたと判定されると「YES」へ分岐してステップS9に移行する。画像データの差分値が手書き検出判定値を越えていないと判定されると「NO」へ分岐してステップS8に移行する。
【0041】
ステップS8では、CPU1は、ステップS5で転送された画像データを第2記憶手段としてのRAM3に記憶してステップS4に移行する。
【0042】
ステップS9では、CPU1は、ステップS6で計算した差分値がめくり検出判定値を越えたか否かを判定する。
図8は、ユーザが、追記した記録媒体15をめくっている動作を示す図である。
図8に示すように、ユーザが文書データを印刷した記録媒体15をめくって次のページに移行したり、または、文書データを印刷した記録媒体15を情報処理装置100から取り除いたりすると、画像データの差分値は増大する。めくり検出判定値とは、このようなめくり動作等を検出するために予め設定されている閾値である。
画像データの差分値がめくり検出判定値を越えたと判定されると「YES」へ分岐してステップS10に移行する。画像データの差分値がめくり検出判定値を越えていないと判定されると「NO」へ分岐してステップS4に移行する。
【0043】
ステップS10では、CPU1は、第2記憶手段としてのRAM3への画像データ上書きを禁止する。
【0044】
すなわち、ステップS4からステップS8において、CPU1は、画像データの差分値が手書き検出判定値を越えていないと判定されると最新の画像データを第2記憶手段としてのRAM3に記憶し、ステップS9にて画像データの差分値がページめくり検出判定値を越えたと判定されると、ステップS10において、第2記憶手段としてのRAM3への画像データ上書きを禁止する。
【0045】
ステップS11では、CPU1は、第1記憶手段としてのRAM3に記憶された初期画像データと第2記憶手段としてのRAM3に記憶された画像データとに対し、台形補正処理、明るさ調整を行う。台形補正処理はマークM1〜M6の画像を参照し、公知の手法で行うことができる。ここで、撮像部8が第2のカバー13b側に設けられているので、例えば、長方形記録媒体の画像の対辺のうち、ヒンジ部13cに近い縁部に設けられているマークM1〜M3側の画像の対辺は、ヒンジ部13cに遠い縁部に設けられているマークM4〜M6側の画像の対辺に比べて拡大されている。そこで、解像度を下げないため、2つの対辺のうち、マークM4〜M6側の対辺の画像を拡大することにより台形を補正することがより好ましい。明るさ調整は画像データの輝度値を例えば、自動利得制御により調整する。
【0046】
ステップS12では、CPU1は、台形補正された初期画像データと画像データとの差分画像データを取得する。この差分画像データが追記された部分の画像データに相当する。
なお、ステップS11で台形補正処理・明るさ調整を行わず、差分データを取得した後に台形補正処理・明るさ調整を行ってもよい。
【0047】
ステップS13では、CPU1は、その差分画像データを元となる文書データに付加する。即ち、差分画像データが元画像データとしての文書データに追記される。
【0048】
ここで、CPU1は、OCR(Optical Character Recognition)(光学文字認識)プログラムにより、その差分画像データを文字認識した後で文書データに付加(追記)することもできる。
【0049】
ステップS14では、CPU1は、「第2記憶手段としてのRAM3に記憶された最新の画像データ」と、差分画像データと、差分画像データが付加された文書データとを記憶部4に記憶する。その際、CPU1は、元となる文書データに関連付けて、「第2記憶手段としてのRAM3に記憶された最新の画像データ」と、差分画像データと、差分画像データが付加された文書データとを記憶部4に記憶する。
なお、差分画像データが付加された文書データをタッチ表示部5に表示させ、元となる文書データに差分画像データが付加されたことをユーザが確認できるようにしてもよい。
図9は、記憶部4に記憶されている画像管理プログラムにより管理されている文書データのデータ構造を示す図である。個々の文書データ毎に、ID、画像名が登録されており、インデックス1に「第2記憶手段としてのRAM3に記憶された最新の画像データ」のIDが、インデックス2に差分画像データが、インデックス3に差分画像データが付加された文書データのIDが登録できるようになっている。CPU1は、文書管理プログラムにより、「第2記憶手段としてのRAM3に記憶された最新の画像データ」と、差分画像データと、差分画像データが付加された文書データとをIDを付しつつ記憶するとともに、もとの文書データのデータ構造においてそれらのIDをインデックスとして記憶する。
また、元画像データ(初期画像データ)を文書データと関連付けて記憶部4に記憶してもよい。
さらに、ステップS13において、CPU1が、OCRプログラムにより、その差分画像データを文字認識した後で文書データに付加した場合には、ステップS14では、文書データに文字認識された差分画像データが付加されたものが記憶されてもよい。
そして、ステップS4を経て本処理を終了する。
【0050】
以上のように、本実施形態に係る情報処理装置100によれば、撮像部8は、記録媒体15を撮影して画像データを取得し、CPU1は、撮像部8によって取得された画像データの元となる元画像データを取得し、CPU1は、撮像部8により取得された画像データと元画像データとを比較して差分画像データを取得し、取得された差分画像データを元画像データに追記する。
これにより、記録媒体に手書きで文書、図形等の内容が加筆された後、加筆された内容を撮影して手書き加筆された部分に相当する差分画像を取得し、取得した差分画像を元画像データに追記することができる。
【0051】
また、情報処理装置100において、元画像を取得するのは撮像部8であって、撮像部8により取得された元画像データを記憶する第1記憶手段としてのRAM3と、撮像部8により連続して取得された画像データを順次更新して記憶する第2記憶手段としてのRAM3とを備え、CPU1は、撮像部8より連続して取得された前後の画像データの差分を計算してその差分値が手書き検出判定値を越えたか否かを判定し、CPU1は、差分値が手書き検出判定値を越えないと判定された場合にのみ、前後の画像データのうち後の画像データを第2記憶手段としてのRAM3に記憶させ、CPU1は、撮像部8より連続して取得された前後の画像データの差分を計算してその差分値がめくり検出判定値を越えたか否かを判定し、CPU1は、差分値がページめくり検出判定値を越えたと判定された場合、第1記憶手段としてのRAM3に記憶された元画像データと、第2記憶手段としてのRAM3に記憶された画像データとを比較して差分画像データを取得する。
これにより、ユーザの手書き動作とページめくり動作の検出により記録媒体に手書きで追記がされた際の画像データを適切に記憶することができ、追記された記録媒体の画像データと元画像データとを比較することにより追記された部分に相当する差分画像データを取得することができる。
【0052】
また、情報処理装置100において、CPU1は、画像データに対し、台形補正を行い、CPU1は、第1記憶手段としてのRAM3に記憶された元画像データと、第2記憶手段としてのRAM3に記憶された最新の画像データとが台形補正された後で、それらの画像データを比較して差分画像データを取得する。
これにより、それらの画像データが台形補正されるので台形補正された差分画像データを得ることができる。
【0053】
また、情報処理装置100において、CPU1は、差分画像データを文字認識する。
これにより、文字認識された差分データが得られる。
【0054】
続いて、
図10に示すフローチャートを用いて、本実施形態に係る情報処理装置100における別の動作について説明する。
【0055】
図10は、本実施形態に係る情報処理装置100により実行される第2手書き文書撮影保存処理のフローを示す図である。以下、情報処理装置100による第2手書き文書撮影保存処理について
図10を参照して説明する。これらの処理は、CPU1と記憶部4に記憶されている処理プログラムとの協働により実行される。
【0056】
この第2手書き文書撮影保存処理が開始される前提として、ユーザは例えば、情報処理装置100が起動されている状態で文書データを印刷した記録媒体15に文字等の追記を行い、追記した後で情報処理装置100のバインダ13を閉じる動作が行われるものとする。第2手書き文書撮影保存処理では、撮影に適する角度として、例えば、略110度が設定されている。具体的には、CPU1は、開閉角度センサ14によって第1のカバー13aと第2のカバー13bとの角度(撮像に最適な角度)として略110度が検出された際に、撮像部8により生成された画像を取得することになる。また、撮像に最適な角度(略110度)に合わせてフォーカス、露出などの撮像条件が設定されている。なお、撮影に適する角度は、110度に限られず、撮像部8の画角等に対応して例えば略70度等の角度を選択することができる。また、元画像データとしての文書データは無線通信部7により取得され、記憶部4に記憶されているものとする。また、図示しないUSBメモリ等の外部記憶媒体がUSBコントローラ等で構成されたI/F部にて接続されて、元画像データとしての文書データが取得され、記憶部4に記憶されていてもよい。
【0057】
ステップS21では、CPU1は、ユーザの操作部6による操作に基づき、撮影モードを第2手書き文書撮影保存処理のモードに決定する。
【0058】
ステップS22では、CPU1は、撮像部8を起動させる。
【0059】
ステップS23では、CPU1は、開閉角度センサ14の信号を取得する。
【0060】
ステップS24では、CPU1は、開閉角度センサ14からの信号により第1のカバー13aと第2のカバー13bとのなす角度が予め設定されている角度(例えば略110度)以下の所定角度範囲になっているか否かを判断する。このステップは、ユーザの閉じる動作により、第1のカバー13aと第2のカバー13bとが所定の角度範囲に入り撮影状態になっているかを判断するステップである。
所定の角度範囲になっていると判断されると「YES」へ分岐してステップS25に移行する。所定の角度範囲になっていないと判断されると「NO」へ分岐してステップS23に移行する。
【0061】
ステップS25では、CPU1は、撮像部8を制御して記録媒体15を撮影させ、撮像部8により撮影された画像データを取得してRAM3に転送して記憶する
【0062】
ステップS26では、CPU1は、RAM3上に記憶されている画像データに対して、台形補正処理、明るさ調整を行う。台形補正処理はマークM1〜M6の画像を参照し、公知の手法で行うことができる。ここで、撮像部8が第2のカバー13b側に設けられているので、例えば、長方形記録媒体の画像の対辺のうち、ヒンジ部13cに近い縁部に設けられているマークM1〜M3側の画像の対辺は、ヒンジ部13cに遠い縁部に設けられているマークM4〜M6側の画像の対辺に比べて拡大されている。そこで、解像度を下げないため、2つの対辺のうち、マークM4〜M6側の対辺の画像を拡大することにより台形を補正することがより好ましい。
【0063】
ステップS27では、CPU1は、台形補正された画像データと、取得手段としての無線通信部7により取得されて記憶部4に記憶されている元画像データとしての文書データとの差分画像を取得する。この差分画像が追記された部分の画像データである。
【0064】
ステップS28では、CPU1は、差分画像データを文書データに付加する。即ち、差分画像データが元画像データとしての文書データに追記される。
ここで、CPU1は、OCR(Optical Character Recognition)(光学文字認識)プログラムにより、台形補正処理された画像データを文字認識した後で文書データに付加することもできる。
【0065】
ステップS29では、CPU1は、台形補正された画像データと、差分画像データと、差分画像データが付加された文書データとを記憶部4に記憶する。その際、CPU1は、もとの文書データに関連付けて記憶部4に記憶する。
関連付けて記憶する方法は、第1手書き文書撮影保存処理におけるステップS13と同じである。
【0066】
以上のように、情報処理装置100によれば、記録媒体15が配置される第1の筐体である第1のカバー13aと、ヒンジ部13cにより第1のカバー13aと開閉可能に連結され、本体部12が設けられた第2の筐体である第2のカバー13bと、第1のカバー13aと第2のカバー13bとが所定の状態まで閉じられたことを検出する開閉角度センサ14とを備え、CPU1は、画像データに対し、台形補正を行い、撮像部8は、本体部12の第1のカバー13aに対向する位置に設けられており、開閉角度センサ14により第1のカバー13aと第2のカバー13bとが所定の状態まで閉じられたことが検出されたタイミングで画像データを取得し、CPU1は、元画像データと、台形補正後の画像データとを比較することにより差分画像データを取得する。
これにより、バインダ13が閉じられたことが検出されたタイミングで自動的に、記録文書に追記がされた画像データを取得するとともに、追記された部分に相当する差分画像データを取得することができる。
【0067】
本発明の実施形態を説明したが、本発明の範囲は上述の実施の形態に限定するものではなく、特許請求の範囲に記載された発明とその均等の範囲に含まれる。以下に、本願出願の当初の特許請求の範囲に記載された発明を付記する。
[付記]
<請求項1>
記録媒体を撮影して画像データを取得する撮像手段と、
前記撮像手段によって取得された画像データの元となる元画像データを取得する取得手段と、
前記画像データと前記元画像データとを比較して差分画像データを取得する比較手段と、
前記比較手段によって取得された差分画像データを元画像データに追記する追記手段と、
を備えることを特徴とする情報処理装置。
<請求項2>
前記取得手段は前記撮像手段であって、
前記撮影手段により取得された前記元画像データを記憶する第1記憶手段と、
前記撮影手段により連続して取得された前記画像データを順次更新して記憶する第2記憶手段と、
前記撮像手段より連続して取得された前後の画像データの差分を計算してその差分値が手書き検出判定値を越えたか否かを判定する判定手段と、
前記判定手段により、前記差分値が手書き検出判定値を越えないと判定された場合にのみ、前記前後の画像データのうち後の画像データを前記第2記憶手段に記憶させる記憶制御手段と、を備え、
前記判定手段は、前記差分値が手書き検出判定値を越えたと判定された場合に、前記差分値がめくり検出判定値を越えたか否かを判定し、
前記比較手段は、前記判定手段により前記差分値がページめくり検出判定値を越えたと判定された場合、前記第1記憶手段に記憶された元画像データと、前記第2記憶手段に記憶された画像データとを比較して前記差分画像データを取得することを特徴とする請求項1記載の情報処理装置。
<請求項3>
前記画像データに対し、台形補正を行う台形補正手段を備え、
前記比較手段は、前記第1記憶手段に記憶された元画像データと、前記記憶制御手段により第2記憶手段に記憶された最新の画像データとが台形補正手段により台形補正された後で、それらの画像データを比較して差分画像データを取得することを特徴とする請求項2に記載の情報処理装置。
<請求項4>
前記記録媒体が配置される第1の筐体と、
前記第1の筐体と開閉可能に連結され、本体部が設けられた第2の筐体と、
前記第1の筐体と前記第2の筐体とが予め決められた角度まで閉じられたことを検出する検出手段と、
前記画像データに対し、台形補正を行う台形補正手段と、
を備え、
前記撮像手段は、前記本体部の前記第1の筐体に対向する位置に設けられており、前記検出手段により前記第1の筐体と前記第2の筐体とが前記予め決められた角度まで閉じられたことが検出されたタイミングで前記画像データを取得し、
前記比較手段は、前記元画像データと、前記台形補正後の画像データとを比較することにより差分画像データを取得することを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
<請求項5>
前記差分画像データを文字認識する文字認識手段を備えることを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の情報処理装置。
<請求項6>
コンピュータを、
記録媒体を撮影して画像データを取得する撮像手段を制御する撮像制御手段、
前記撮像手段によって取得された画像データの元となる元画像データを取得する取得手段、
前記画像データと前記元画像データとを比較して差分画像データを取得する比較手段、
前記比較手段によって取得された差分画像データを元画像データに追記する追記手段、
として機能させるためのプログラム。