特許第6176413号(P6176413)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6176413
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】貼付剤
(51)【国際特許分類】
   A61K 9/70 20060101AFI20170731BHJP
   A61K 47/32 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 47/38 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 47/10 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 47/14 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 47/16 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 31/27 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 31/137 20060101ALI20170731BHJP
   A61K 31/60 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   A61K9/70 401
   A61K47/32
   A61K47/38
   A61K47/10
   A61K47/14
   A61K47/16
   A61K31/27
   A61K31/137
   A61K31/60
【請求項の数】7
【全頁数】15
(21)【出願番号】特願2016-572097(P2016-572097)
(86)(22)【出願日】2016年1月27日
(86)【国際出願番号】JP2016052294
(87)【国際公開番号】WO2016121805
(87)【国際公開日】20160804
【審査請求日】2017年5月24日
(31)【優先権主張番号】特願2015-16991(P2015-16991)
(32)【優先日】2015年1月30日
(33)【優先権主張国】JP
【早期審査対象出願】
(73)【特許権者】
【識別番号】000222118
【氏名又は名称】東洋インキSCホールディングス株式会社
(74)【代理人】
【識別番号】100103975
【弁理士】
【氏名又は名称】山本 拓也
(72)【発明者】
【氏名】薦田 俊一
(72)【発明者】
【氏名】小端 久美
【審査官】 天野 貴子
(56)【参考文献】
【文献】 国際公開第02/69942(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/047191(WO,A1)
【文献】 国際公開第2014/051128(WO,A1)
【文献】 国際公開第2013/047410(WO,A1)
【文献】 国際公開第2005/072716(WO,A1)
【文献】 特開2011−195565(JP,A)
【文献】 特開2011−190204(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2014/0221942(US,A1)
【文献】 米国特許出願公開第2012/0197221(US,A1)
【文献】 国際公開第2015/087926(WO,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
A61K 9/70
A61K 31/137
A61K 31/27
A61K 31/60
A61K 47/10
A61K 47/14
A61K 47/16
A61K 47/32
A61K 47/38
JSTPlus/JMEDPlus/JST7580(JDreamIII)
WPI
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
支持体と、
上記支持体の一面に積層一体化され、且つアクリル系粘着剤100重量部、上記アクリル系粘着剤に相溶せず且つ40℃で固体状であり、エチルセルロース、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体及びテルペン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂を含んでいる固体樹脂1〜25重量部オクチルドデカノール、ミリスチン酸イソプロピル、及び流動パラフィンよりなる群から選択される少なくとも一種を含んでいる可塑剤5〜80重量部、及び、30℃で液体状であり且つ、リバスチグミン、セレギリン、及びサリチル酸エチルよりなる群から選択される少なくとも一種の可塑化効果を有する液状薬物1〜40重量部を含み、上記固体樹脂(S)と、上記可塑剤(P1)及び上記可塑化効果を有する液状薬物(P2)の総量との重量比[(P1+P2)/S]が、1.5〜25である粘着剤層とを含んでいることを特徴とする貼付剤。
【請求項2】
アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターと固体樹脂の溶解性パラメーターとの差が、0.5(cal/cm31/2以上であることを特徴とする請求項1に記載の貼付剤。
【請求項3】
固体樹脂が、エチルセルロース、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体及びテルペン樹脂からなる群から選ばれた少なくとも一種の樹脂であることを特徴とする請求項1又は2に記載の貼付剤。
【請求項4】
可塑剤が、オクチルドデカノール、ミリスチン酸イソプロピル、及び流動パラフィンよりなる群から選択される少なくとも一種であることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項5】
アクリル系粘着剤が、ドデシルメタクリレート、2−エチルへキシルアクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートの共重合体であることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項6】
薬物が、リバスチグミンであることを特徴とする請求項1〜のいずれか1項に記載の貼付剤。
【請求項7】
粘着剤層において、固体樹脂(S)と、可塑剤(P1)及び可塑化効果を有する液状薬物(P2)の総量との重量比[(P1+P2)/S]が、2.5〜25であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の貼付剤。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、薬物を経皮投与するための貼付剤に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、薬物を体内に経皮吸収させるために、貼付剤が用いられている。貼付剤は、一般的に、支持体と、粘着剤及び薬物を含む粘着剤層とを含む。粘着剤としては、アクリル系粘着剤、ゴム系粘着剤やシリコーン系粘着剤などが用いられている。これらの中でも、モノマーの組み合わせによって、機能や経皮吸収性能を選択することができることから、アクリル系粘着剤が多く用いられている(例えば、特許文献1など)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特許第4724368号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
アクリル系粘着剤を含む粘着剤層は、貼付剤を皮膚に貼り付ける際には、十分なタックを発揮することができる。しかしながら、貼付後に長時間が経過すると、粘着剤層のタックが低下して、貼付剤が皮膚から剥離することがある。
【0005】
そこで、粘着剤層に可塑剤を添加することにより、タックを長時間に亘って維持することができる。しかしながら、粘着剤層には薬効が得られるように所定量の薬物を粘着剤層に含有させる必要があり、そのため、粘着剤層の厚みが増加する。このような厚い粘着剤層に可塑剤を添加すると、人体の繰り返される動きに伴って粘着剤層がその層内で破壊して分離し、貼付中に貼付剤が剥離することがあった。
【0006】
したがって、粘着剤層の凝集力を向上させることによって、人体の繰り返される動きに伴う粘着剤層の破壊を低減することができる。しかしながら、粘着剤層の凝集力の向上は、粘着剤層のタックを低下させて、貼付剤を皮膚に貼り付ける際に貼付剤が貼り付きにくくなることがある。このように粘着剤層のタックと凝集力とは相反する関係にあり、これらを両立させることは困難であった。
【0007】
そこで、本発明の目的は、皮膚に貼り付ける際に優れたタックを発揮できると共に、貼付中に皮膚からの剥がれが低減された貼付剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の貼付剤は、支持体と、上記支持体の一面に積層一体化されてなる粘着剤層とを含んでいることを特徴とする。
【0009】
[粘着剤層]
粘着剤層は、アクリル系粘着剤、このアクリル系粘着剤に相溶せず且つ40℃で固体状である固体樹脂、可塑剤、及び薬物を含んでいる。
【0010】
可塑剤を用いることにより、アクリル系粘着剤を可塑化して、皮膚表面に対する粘着剤層の投錨性を向上させることができる。これにより、貼付剤を貼付する際に、皮膚に対して粘着剤層が優れたタックを発揮することができ、貼付剤を皮膚に確実に貼り付けることができる。さらに、固体樹脂を用いることにより、粘着剤層の凝集力を向上させることができる。これにより、人体の繰り返される動きに伴う粘着剤層の破壊が低減されて、人体の動きに貼付剤が追随することが可能となる。したがって、貼付剤を皮膚に貼付している間における、貼付剤の剥離を低減できる。このように、固体樹脂と可塑剤とを組み合わせて用いることにより、粘着剤層のタックと凝集力との両立を可能とし、貼付時に皮膚に対して優れたタックを発揮できると共に、貼付中に皮膚からの剥がれが低減された貼付剤を提供することが可能となる。
【0011】
さらに、固体樹脂と可塑剤とを組み合わせて用いることにより、薬物の投与後に、貼付剤を剥離除去する際に加わる高速の大きな剥離力に対しては抵抗が低く、皮膚刺激を起こさないように貼付剤を容易に剥離除去することも可能となる。
【0012】
(アクリル系粘着剤)
アクリル系粘着剤としては、アルキル(メタ)アクリレートを含有する単量体を重合させてなるアクリル系重合体が挙げられる。なお、(メタ)アクリレートとは、アクリレート又はメタクリレートを意味する。アクリル系重合体は、単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
【0013】
アルキル(メタ)アクリレートのアルキル基の炭素数は、1〜16が好ましく、1〜14がより好ましく、2〜14が特に好ましく、2〜12が最も好ましい。
【0014】
アルキル基の炭素数が1〜16のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ヘキサデシル(メタ)アクリレート、シクロドデシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、及びヒドロシキプロピル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なかでも、n−オクチル(メタ)アクリレート、及び2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。アルキル(メタ)クリレートは、単独で用いられても、2種以上を併用してもよい。
【0015】
アクリル系重合体としては、アルキル基の炭素数が3〜16のアルキル(メタ)アクリレートを含むアルキル基の炭素数が1〜16のアルキル(メタ)アクリレートの共重合体が好ましい。
【0016】
アルキル基の炭素数が3〜16のアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、n−プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルブチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ドデシル(メタ)アクリレート、及びトリデシル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。なかでも、ドデシル(メタ)アクリレートが好ましい。
【0017】
アクリル系共重合体としては、n−オクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレートを含む単量体を共重合させてなるアクリル系共重合体が好ましく、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、及びドデシル(メタ)アクリレートを含む単量体を共重合させてなるアクリル系共重合体がより好ましく、ドデシルメタクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、及び2−エチルヘキシルメタクリレートを含む単量体を共重合させてなるアクリル系共重合体が特に好ましい。
【0018】
アクリル系共重合体中におけるアルキル基の炭素数が1〜16のアルキル(メタ)アクリレート成分の含有量は、40重量%以上が好ましく、45〜95重量%がより好ましい。
【0019】
アクリル系共重合体中におけるアルキル基の炭素数が3〜16のアルキル(メタ)アクリレートの含有量は、60重量%未満が好ましく、5〜55重量%がより好ましい。
【0020】
アクリル系共重合体の単量体は、アルキル(メタ)アクリレート以外の、他のモノマーを含有していてもよい。他のモノマーとしては、例えば、1−ビニル−2−ピロリドン、アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、アクリロニトリル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリル酸t−ブチルアミノエチル、酢酸ビニル、及びプロピオン酸ビニルなどが挙げられる。なお、(メタ)アクリル酸とは、アクリル酸又はメタクリル酸を意味する。
【0021】
アクリル系重合体の重合方法としては、従来公知の方法にて行なえばよい。例えば、重合開始剤の存在下で、上述した単量体を重合する方法が挙げられる。具体的には、所定量の単量体、重合開始剤、重合溶媒、及び必要に応じて架橋剤を反応器に供給し、60〜80℃の温度で4〜48時間に亘って加熱して、単量体をラジカル重合させる。
【0022】
重合開始剤としては、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−(2,4’−ジメチルバレロニトリル)などのアゾビス系重合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド(BPO)、ラウロイルパーオキサイド(LPO)、ジ−tert−ブチルパーオキサイドなどの過酸化物系重合開始剤などが挙げられる。重合溶媒としては、例えば、酢酸エチルやトルエンなどが挙げられる。更に、重合反応は、窒素ガス雰囲気下で行なうことが好ましい。
【0023】
粘着剤層中におけるアクリル系粘着剤の含有量は、45〜90重量%が好ましく、50〜85重量%がより好ましく、55〜80重量%が特に好ましい。アクリル系粘着剤の含有量が低いと、粘着剤層のタックが低下することがある。アクリル系粘着剤の含有量が高いと、必要な量で薬物や可塑剤を粘着剤層に添加できないことがある。
【0024】
(固体樹脂)
粘着剤層は、上述したアクリル系粘着剤に相溶せず、且つ40℃で固体状である固体樹脂を含んでいる。なお、固体状とは、流動性を有しない状態をいう。
【0025】
アクリル系粘着剤の溶解性パラメーター(SPA)と固体樹脂の溶解性パラメーター(SPS)との差(|SPS−SPA|)は、0.5(cal/cm31/2以上が好ましく、0.8(cal/cm31/2以上がより好ましく、0.8〜3(cal/cm31/2が特に好ましく、1〜3(cal/cm31/2が最も好ましい。溶解性パラメーターの差を上記範囲内とすることによって、アクリル系粘着剤に相溶しない固体樹脂を得ることができる。
【0026】
固体樹脂はアクリル系粘着剤に相溶しないため、粘着剤層中では、アクリル系粘着剤と固体樹脂とが、混じり合って単一相を形成せずに、それぞれが相分離して独立した相として存在している。
【0027】
溶解性パラメーター(solubility parameter)とは、J. H. Hildebrandによって定義された、分子間の凝集エネルギーの単位体積あたりの密度の平方根である。具体的には、溶解性パラメーターδは、下記式(1)によって求められる。
δ=(E/V)1/2 (1)
(式中、δは溶解性パラメーターであり、Eはモル凝集エネルギーであり、Vはモル容積である。)
【0028】
また、溶解性パラメーターは、例えば、「溶解性パラメーター適用事例集」(谷口彰敏、(株)情報機構、2007年3月15日、p.276〜282)などに記載されている値を参照することもできる。
【0029】
なお、アクリル系粘着剤の溶解性パラメーターは、各モノマーの重量百分率と各モノマーの溶解性パラメーターを二乗した値とを掛け、これにより得られた値の和の平方根とする。具体的には、下記式(2)によって求められる。
δA=[(φ1×δ12+φ2×δ22+・・・+φn×δn2)/100]1/2 (2)
(式中、δAはアクリル系粘着剤の溶解性パラメーターであり、φnは全モノマー中のn種目のモノマーの重量百分率(重量%)であり、δnはn種目のモノマーの溶解性パラメーターであり、nはモノマーの種類数を表す整数である。)
【0030】
固体樹脂としては、アミノアルキル(メタ)アクリレートコポリマー、スチレン系ブロック共重合体、セルロース誘導体、及び脂環族炭化水素樹脂などが挙げられる。固体樹脂は、単独で用いられても、2種以上を併用してもよい。
【0031】
アミノアルキル(メタ)アクリレートコポリマーとしては、例えば、アクリル酸エチル、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸塩化トリメチルアンモニウムエチルの共重合体(例えば、BASF社製 商品名「EUDRAGIT(登録商標)RS」シリーズ)、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸メチル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルの共重合体(例えば、BASF社製 商品名「EUDRAGIT(登録商標)E」シリーズ)などが挙げられる。
【0032】
スチレン系ブロック共重合体としては、スチレン−ブタジエンブロック共重合体、スチレン−ブタジエン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソプレンブロック共重合体、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/プロピレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−イソブチレンブロック共重合体、及びスチレン−イソブチレン−スチレンブロック共重合体などが挙げられ、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体が好ましい。
【0033】
セルロース誘導体としては、エチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロースフタレート、カルボキシメチルセルロースなどが挙げられ、エチルセルロースが好ましい。
【0034】
脂環族炭化水素樹脂は、脂環族飽和炭化水素樹脂及び脂環族不飽和炭化水素樹脂を含む。
【0035】
脂環族飽和炭化水素樹脂としては、例えば、水添テルペン系樹脂(ヤスハラケミカル社製 クリアロン(登録商標)P、M、Kシリーズなど)、水添ロジン及び水添ロジンエステル系樹脂(荒川化学工業(株)製 ペンセル(登録商標)A、荒川化学工業(株)製 エステルガム(登録商標)H、HPなど)、水添テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル社製 YSポリスターUHなど)、芳香族変性水添テルペン樹脂(ヤスハラケミカル社製 クリアロンM,K)、石油ナフサの熱分解で生成するペンテン、イソプレン、ピペリン、1,3−ペンタジエンなどのC5留分を共重合して得られるC5系石油樹脂の水添加樹脂である水添ジシクロペンタジエン系樹脂(エクソンモービル社製 エスコレッツ(登録商標)5300、5400シリーズ、イーストマンケミカルジャパン(株)製 Eastotac(登録商標) Hシリーズ)、部分水添芳香族変性ジシクロペンタジエン系樹脂(エクソンモービル社製 エスコレッツ(登録商標)5600シリーズ)、石油ナフサの熱分解で生成するインデン、ビニルトルエン、α−またはβ−メチルスチレンなどのC9留分を共重合して得られるC9系石油樹脂の水添樹脂(荒川化学工業(株)製 アルコン(登録商標)P及びMシリーズ)、上記したC5留分とC9留分の共重合石油樹脂の水添樹脂(出光興産(株)製 アイマーブ(登録商標)シリーズ)が挙げられ、C9系石油樹脂の水添樹脂が好ましい。
【0036】
脂環族不飽和炭化水素樹脂は、不飽和結合を有する脂環族炭化水素樹脂を意味する。脂環族不飽和炭化水素樹脂としては、例えば、α−ピネン、β−ピネン、カンフル、ジペンテンなどの環状テルペンを共重合したテルペン樹脂(未水添、ヤスハラケミカル社製 YSレジン(登録商標)PX、PXNシリーズ、ピノーバ社製 ピコライト(登録商標)など)、テルペンフェノール樹脂(未水添、ヤスハラケミカル社製 YSポリスター(登録商標)U,T,S,G,N、Kシリーズなど)、芳香族変性テルペン樹脂(未水添、ヤスハラケミカル社製 YSレジンTO、TRなど)、石油ナフサの熱分解で生成するC5留分から抽出した1,3−ペンタジエンを重合して得られる石油樹脂(JX日鉱日石エネルギー社製 ネオポリマー(登録商標)など)が挙げられ、テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂が好ましい。
【0037】
固体樹脂としては、スチレン系ブロック共重合体、セルロース誘導体、及び、脂環族炭化水素樹脂が好ましく、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、エチルセルロース、C9系石油樹脂の水添樹脂、テルペン樹脂、及び、テルペンフェノール樹脂がより好ましく、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、エチルセルロース、及び、テルペン樹脂が特に好ましい。これらの固体樹脂によれば、タックの低下を抑制しつつ優れた凝集力を粘着剤層に付与することができる。
【0038】
粘着剤層中における固体樹脂の含有量は、アクリル系粘着剤100重量部に対して、1〜25重量部が好ましく、1〜20重量部がより好ましく、5〜20重量部が特に好ましく、7〜20重量部が最も好ましい。固体樹脂の含有量が低いと、粘着剤層に十分な凝集力を付与できないことがある。また、固体樹脂の含有量が高いと、粘着剤層のタックを低下させることがある。
【0039】
(可塑剤)
粘着剤層は、可塑剤を含んでいる。可塑剤は、アクリル系粘着剤及び固体樹脂の双方に相溶できることが好ましい。
【0040】
可塑剤としては、例えば、ミリスチン酸イソプロピル、オレイン酸デシル、アジピン酸イソプロピルなどのエステル類;ミリスチルアルコール、セタノール、オクチルドデカノール、イソステアリルアルコール、ステアリルアルコールなどの1価アルコール類;オクタンジオールなどの2価アルコール類;オレイン酸、ステアリン酸などの酸類;流動パラフィンなどが挙げられる。なかでも、ミリスチン酸イソプロピル、オクチルドデカノール、及び流動パラフィンが好ましく、ミリスチン酸イソプロピル、2−オクチルドデカノール及び流動パラフィンがより好ましい。なお、可塑剤は、単独で用いられても、2種以上を併用してもよい。
【0041】
可塑剤は、アクリル系粘着剤や固体樹脂との組み合わせに応じて選択して用いることが好ましい。固体樹脂としてエチルセルロース及び/又はスチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体を用いる場合には、可塑剤は、オクチルドデカノールを少なくとも含んでいることが好ましく、オクチルドデカノールと、ミリスチン酸イソプロピル又は流動パラフィンとを組み合わせて含んでいることがより好ましく、2−オクチルドデカノールと流動パラフィンとを組み合わせて含んでいることが特に好ましい。
【0042】
粘着剤層中における可塑剤の含有量は、アクリル系粘着剤100重量部に対して、5〜80重量部が好ましく、10〜80重量部がより好ましく、20〜70重量部が特に好ましく、20〜35重量部が最も好ましい。可塑剤の含有量が低いと、粘着剤層のタックを低下させることがある。また、可塑剤の含有量が高いと、粘着剤層からの可塑剤の滲み出しや、粘着剤層のコールドフローを招くことがある。
【0043】
(薬物)
粘着剤層は、薬物を含んでいる。薬物としては、経皮吸収可能であればよく、例えば、ドネペジル、リバスチグミン、ガランタミン、タクリン、及びメマンチンなどのアルツハイマー治療薬;セレギリン及びロチゴチンなどのパーキンソン病治療薬;メチルフェニデートなどの注意欠陥・多動性障害治療薬;ジクロフェナク、インドメタシン、及びサリチル酸エチルなどの抗炎症薬などが挙げられる。
【0044】
薬物は、30℃で液体状であり且つ可塑化効果を有している液状薬物であることが好ましい。このような液状薬物としては、リバスチグミン、セレギリン、及びサリチル酸エチルなどが挙げられる。これらの液状薬物によれば、アクリル系粘着剤を可塑化して、皮膚表面に対する粘着剤層の投錨性をさらに向上させることができる。これにより、貼付剤を貼付する際に、皮膚に対して粘着剤層がより優れたタックを発揮することができる。なお、液体状とは、液体及び流動性を有する状態をいう。
【0045】
粘着剤層中における薬物の含有量は、アクリル系粘着剤100重量部に対して、1〜40重量部が好ましく、1〜30重量部がより好ましく、5〜25重量部が特に好ましい。薬物の含有量が低いと、薬物血中濃度を所望の範囲まで向上できないことがある。また、薬物の含有量が高いと、過剰の薬物が無駄となることがある。
【0046】
粘着剤層中において、固体樹脂(S)と、可塑剤(P1)及び可塑化効果を有している液状薬物(P2)の総量との重量比[(P1+P2)/S]は、1.5〜25が好ましく、2〜25がより好ましく、2.5〜15が特に好ましく、2.5〜10が最も好ましい。重量比[(P1+P2)/S]が低いと、粘着剤層のタックが低下したり、可塑化効果を有している液状薬物が経皮吸収されるにつれて粘着剤層の粘着力が低下することがある。重量比[(P1+P2)/S]が高いと、粘着剤層に十分な凝集力を付与できないことがある。
【0047】
(他の添加剤)
粘着剤層は、それぞれ上述したアクリル系粘着剤、固体樹脂、及び可塑剤以外にも、他の添加剤を含んでいてもよい。他の添加剤としては、例えば、吸収促進剤、安定化剤、充填剤などが挙げられる。
【0048】
充填剤は、粘着剤層の形状保持性を調整するために用いられる。充填剤としては、例えば、無水ケイ酸、酸化チタン、酸化亜鉛などの無機充填剤;炭酸カルシウム、ステアリン酸マグネシウムなどの有機金属塩類;乳糖、結晶セルロース、エチルセルロース、低置換度ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース誘導体などが挙げられる。
【0049】
粘着剤層中における充填剤の含有量は、アクリル系粘着剤100重量部に対して、15重量部以下が好ましく、1〜10重量部がより好ましい。充填剤の含有量が高いと、粘着剤層のタックを低下させることがある。
【0050】
粘着剤層の厚みは、特に制限されないが、10〜250μmが好ましく、20〜200μmがより好ましく、40〜150μmが特に好ましい。薄い粘着剤層では、十分な量の薬物を含有できないことがある。また、厚い粘着剤層では、凝集力が低下することがある。
【0051】
[支持体]
本発明の貼付剤では、上述した粘着剤層は支持体の一面に積層一体化される。支持体は、粘着剤層中の薬物の損失を防ぎ、貼付剤に自己保持性を付与するための強度を有することが求められる。このような支持体としては、樹脂フィルム、不織布、織布、編布、アルミニウムシートなどが挙げられる。
【0052】
樹脂フィルムを構成する樹脂としては、例えば、酢酸セルロース、レーヨン、ポリエチレンテレフタレート、可塑化酢酸ビニル−塩化ビニル共重合体、ナイロン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、可塑化ポリ塩化ビニル、ポリウレタン、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。なかでも、揮散性のある薬物であっても粘着剤層からの薬物の損失を防げることから、ポリエチレンテレフタレートが特に好ましい。
【0053】
不織布を構成する素材としては、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−(メタ)アクリル酸メチル共重合体、ナイロン、ポリエステル、ビニロン、スチレン−イソプレン−スチレンブロック共重合体、スチレン−エチレン/ブチレン−スチレンブロック共重合体、レーヨン、綿などが挙げられ、ポリエステルが好ましい。なお、これらの素材は、単独で用いられても、2種以上が併用されてもよい。
【0054】
支持体は、単層であっても、複数層が積層一体化された積層シートであってもよい。積層シートとしては、例えば、ポリエチレンテレフタレートシートと、不織布や柔軟な樹脂シートとが積層一体化された積層シートが挙げられる。
【0055】
支持体の厚みは、特に制限されないが、2〜200μmが好ましく、2〜100μmがより好ましい。
【0056】
[剥離ライナー]
本発明の貼付剤では、粘着剤層の一面に、剥離ライナーが剥離可能に積層一体化されていてもよい。剥離ライナーは、粘着剤層中の薬物の損失防止や粘着剤層を保護するために用いられる。
【0057】
剥離ライナーとしては、例えば、紙及び樹脂フィルムが挙げられる。樹脂フィルムを構成する樹脂としては、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデンなどが挙げられる。剥離ライナーの粘着剤層と対向させる面には離型処理が施されていることが好ましい。
【0058】
[貼付剤の製造方法]
本発明の貼付剤の製造方法としては、例えば、(1)アクリル系粘着剤、固体樹脂、可塑剤、薬物、及び溶剤を含む粘着剤層溶液を、支持体の一面に塗工した後に乾燥させることにより、支持体の一面に粘着剤層を積層一体化し、必要に応じて、粘着剤層に剥離ライナーを、剥離ライナーの離型処理が施された面が粘着剤層に対向した状態となるように積層する方法、(2)上記粘着剤層溶液を剥離ライナーの離型処理が施された面上に塗工し、乾燥させることにより、剥離ライナー上に粘着剤層を形成し、この粘着剤層に支持体を積層一体化させる方法などが挙げられる。
【0059】
粘着剤層溶液は、アクリル系粘着剤、固体樹脂、可塑剤、薬物、及び溶剤を均一に撹拌することにより得られる。溶剤としては、アクリル系粘着剤と固体樹脂を溶解できるものであれば限定されないが、例えば、トルエン、ノルマルヘキサン、シクロヘキサン、ノルマルヘプタン、及び酢酸エチルが好ましい。
【発明の効果】
【0060】
本発明によれば、貼付時に皮膚に対して優れたタックを発揮できると共に、貼付中に皮膚からの剥がれが低減された貼付剤を提供することができる。
【発明を実施するための形態】
【0061】
以下に、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれに限定されない。
【実施例】
【0062】
[アクリル系粘着剤Aの調製]
アクリル系粘着剤Aの調製を下記の要領で行なった。ドデシルメタクリレート13重量部、2−エチルヘキシルメタクリレート78重量部及び2−エチルヘキシルアクリレート9重量部を含む単量体を、酢酸エチル50重量部に添加して、これらを撹拌することにより、反応液を得た。次に、反応液を40リットルの重合機に供給し、重合機内を80℃の窒素雰囲気とした。一方、ベンゾイルパーオキサイド0.5重量部をシクロヘキサン50重量部に溶解させて重合開始剤溶液を得た。そして、反応液に重合開始剤溶液を24時間かけて加えながら単量体を共重合させ、重合完了後に反応液に更に酢酸エチルを加えて、アクリル系粘着剤Aの含有量が35重量%である溶液を得た。アクリル系粘着剤Aの溶解性パラメーターは、9.0(cal/cm31/2であった。
【0063】
[実施例1〜18、比較例1〜2及び参考例1〜3
アクリル系粘着剤A、エチルセルロース(溶解性パラメーター10.3(cal/cm31/2、DowChemical社製 商品名「エトセル」)、スチレン−イソプレン−スチレン(SIS)ブロック共重合体(溶解性パラメーター8.2(cal/cm31/2、クレイトンポリマー社製 商品名「D1117P」)、テルペン樹脂(溶解性パラメーター8.3(cal/cm31/2、ヤスハラケミカル社製 商品名「YSレジンPX1150N」)、C9系石油樹脂の水添樹脂(溶解性パラメーター8.2(cal/cm31/2、荒川化学工業社製、商品名「アルコンP−100」)、テルペンフェノール樹脂(溶解性パラメーター8.8(cal/cm31/2、ヤスハラケミカル社製、商品名「YSポリスターT115」)、流動パラフィン(カネダ社製、商品名「ハイコールM−72」)、2−オクチルドデカノール、ミリスチン酸イソプロピル、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリル(日光ケミカルズ社製、商品名「トリエスターF−810」)及びリバスチグミンを、それぞれ表1〜3に示した配合量となるように配合して混合物を得、この混合物に、固形分の濃度が25重量%になるように、酢酸エチル及びトルエンを加えた後、これらを均一になるまで混合して、粘着剤層溶液を作製した。なお、トリ(カプリル酸・カプリン酸)グリセリルは、グリセリンと、カプリル酸及びカプリン酸とのトリエステルである。
【0064】
次に、剥離ライナーとして、シリコーン離型処理が施されたポリエチレンテレフタレートフィルム(厚さ38μm)を用意した。この剥離ライナーのシリコーン離型処理面に、粘着剤層溶液を塗布し、80℃で15分間乾燥させることにより、剥離ライナーのシリコーン離型処理面に粘着剤層(厚み100μm)が形成された積層体を得た。
【0065】
そして、支持体として、ポリエチレンテレフタレートフィルム(厚み25μm)を用意した。この支持体と積層体を、支持体と粘着剤層とが対向するように重ね合わせて、積層体の粘着剤層を支持体の一面に積層一体化させることによって貼付剤を得た。
【0066】
[評価]
実施例比較例及び参考例で得られた貼付剤について、下記の要領で、ボールタック試験、定荷重剥離試験、180°剥離試験、貼付試験を行い、得られた結果を表1〜3に示した。
【0067】
(ボールタック試験(タック))
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、試験片(幅22.5mm×長さ15mm)を3枚得た。各試験片について、JIS Z0237(2009年)に規定された傾斜式ボールタック試験に準じて、最大ボールナンバーを測定した。そして、3枚の試験片の最大ボールナンバーの相加平均値を、表1〜3に示した。
【0068】
(定荷重剥離試験(凝集力))
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、長方形状の試験片(幅20mm×長さ30mm)を得た。粘着剤層の長さ方向の一端部5mmが露出するように、試験片から剥離ライナーの一部を剥がした。粘着剤層の露出部より一回り大きいPETフィルムを、粘着剤層の露出部に貼り付けて、クリップ掴み部とした。残りの剥離ライナーを試験片から剥がし取り、露出させた粘着剤層によって、試験片を、試験面がEVA(エチレン−酢酸ビニル共重合体)からなる長方形状の試験板(幅25mm×長さ200mm)の中央部に貼り付けた。800gのゴムローラーを試験片上で一往復させた後、40℃で30分間静置することにより積層体を得た。そして、40℃の恒温槽内に、積層体を、試験片が下側となるようにして水平に張設した後、クリップ掴み部に1gの金属クリップを取り付け、金属クリップに1gの重りをぶら下げて試験を開始した。試験開始から24時間後、試験板から剥離した試験片の最大剥離長さ(mm)を測定した。なお、貼付剤の任意の箇所から3枚の試験片を作製し、上述した要領にしたがって、3枚の試験片について最大剥離長さをそれぞれ測定し、これらの相加平均値を、表1〜3に示した。
【0069】
(180°剥離試験(粘着力))
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、試験片(幅22.5mm×長さ15mm)を3枚得た。各試験片について、JIS Z0237(2009年)に規定された180°引き剥がし試験に準じて、引き剥がし粘着力(g/25mm)を測定し、これらの相加平均値を、表1〜3に示した。
【0070】
(貼付試験)
貼付剤の任意の箇所を切断することにより、試験片(面積10cm2)を10枚得た。各試験片から剥離ライナーを剥がし取り、健康な成人男性10人の上腕部に各試験片を貼付した。貼付から24時間後に、皮膚への試験片の貼着面積を測定し、下記粘着スコアーに従って貼付性を評価した。各試験片の粘着スコアーの相加平均値を、表1〜3に示した。
〈粘着スコアー〉
0:粘着面積が90%以上であった。
1:粘着面積が75%以上90%未満であった。
2:粘着面積が50%以上75%未満であった。
3:粘着面積が50%未満であったが、試験片が皮膚から脱落していなかった。
4:試験片が皮膚から脱落した。
【0071】
【表1】

【0072】
【表2】
【0073】
【表3】
【0074】
(関連出願の相互参照)
本出願は、2015年1月30日に出願された日本国特許出願第2015−16991号に基づく優先権を主張し、この出願の開示はこれらの全体を参照することにより本明細書に組み込まれる。
【産業上の利用可能性】
【0075】
本発明は、貼付時に皮膚に対して優れたタックを発揮できると共に、貼付中に皮膚からの剥がれが低減されている貼付剤を提供することができる。本発明の貼付剤によれば、安定的に薬物を経皮投与することが可能となる。