特許第6176453号(P6176453)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6176453
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】画像形成装置
(51)【国際特許分類】
   G03G 21/10 20060101AFI20170731BHJP
   G03G 21/12 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   G03G21/10
   G03G21/12
【請求項の数】4
【全頁数】12
(21)【出願番号】特願2014-24333(P2014-24333)
(22)【出願日】2014年2月12日
(65)【公開番号】特開2015-152675(P2015-152675A)
(43)【公開日】2015年8月24日
【審査請求日】2016年7月22日
(73)【特許権者】
【識別番号】000005496
【氏名又は名称】富士ゼロックス株式会社
(72)【発明者】
【氏名】神川 雄次
(72)【発明者】
【氏名】高島 義行
(72)【発明者】
【氏名】重森 幸友
(72)【発明者】
【氏名】小宮山 努
(72)【発明者】
【氏名】白井 雅憲
(72)【発明者】
【氏名】三浦 剛
【審査官】 松本 泰典
(56)【参考文献】
【文献】 特開2013−064807(JP,A)
【文献】 特開2011−012707(JP,A)
【文献】 特開2013−064808(JP,A)
【文献】 米国特許出願公開第2013/0071137(US,A1)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
G03G 21/10
G03G 21/12
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
像保持体上に残留するトナーを除去する除去手段と、
前記除去手段により像保持体上から除去されたトナーを搬送する搬送部材を収容すると共に搬送された前記トナーを排出するための排出口を備えた筒状部材と、
前記筒状部材に移動自在に挿入される鍔部および前記鍔部から一体として前記筒状部材の軸方向に設けられ前記排出口を開閉するシャッタ部を有するスライド部材と、
前記スライド部材を前記筒状部材の前記排出口を閉塞する方向に付勢する付勢部材と、
前記筒状部材が挿入されて前記排出口と連通され、周縁に弾性部材が貼付された回収口を有する廃トナー回収容器と、を備え、
前記鍔部は、前記軸方向に延びる前記シャッタ部から前記軸方向と直交する方向に延び、前記弾性部材と面する第一面と、当該直交する方向における先端に位置する第二面とを有し、前記第一面と前記第二面とにより形成される角が面取りされている
ことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記面取りが平面取りであり、面取り大きさが、前記鍔部の一面と前記回収口の周縁部が接触して圧縮される前記弾性部材の圧縮代よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記面取りがR面取りであり、R面取りの半径が、前記鍔部の一面と前記回収口の周縁部が接触して圧縮される前記弾性部材の圧縮代よりも大きい、
ことを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記弾性部材が発泡ウレタンフォームである、
ことを特徴とする請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
第1部分と第2部分とを含み、第1部分と第2部分とを開閉可能に構成し、感光体に残留したトナーを掻き落とすクリーニング手段を第1部分に設け、クリーニング手段によって除去したトナーを収容するトナー回収容器を第2部分に着脱自在に設けた画像形成装置において、第1部分と第2部分とを開放した状態においてクリーニング手段からトナー回収容器へのトナーの排出を禁止する排出禁止手段、およびトナー回収容器が第2部分の所定位置に装着されていないとき第1部分と第2部分とを閉じるのを禁止する閉成禁止手段を備える画像形成装置が知られている(特許文献1)。
【0003】
画像形成装置の現像装置本体のトナーカートリッジ受入部に挿入してトナーを供給するトナーカートリッジにおいて、トナーカートリッジの一側面に設けられたトナーを排出する開口部に、開口部を開閉する開閉部材をスライド自在に設け、開閉部材に、その内面に位置して、トナーカートリッジの挿入方向の手前端に掻取部材を有する傾斜部材の奥端を回動自在に装着し、開閉部材が開放動作をする際、傾斜部材がトナーを排出するように傾斜する画像形成装置用トナーカートリッジも知られている(特許文献2)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平9−179364号公報
【特許文献2】特開平6−161243号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明は、廃トナー回収容器へ廃トナーを回収する際の廃トナーの漏出を抑制することができる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を解決するために、請求項1に記載の画像形成装置は、
像保持体上に残留するトナーを除去する除去手段と、
前記除去手段により像保持体上から除去されたトナーを搬送する搬送部材を収容すると共に搬送された前記トナーを排出するための排出口を備えた筒状部材と、
前記筒状部材に移動自在に挿入される鍔部および前記鍔部から一体として前記筒状部材の軸方向に設けられ前記排出口を開閉するシャッタ部を有するスライド部材と、
前記スライド部材を前記筒状部材の前記排出口を閉塞する方向に付勢する付勢部材と、
前記筒状部材が挿入されて前記排出口と連通され、周縁に弾性部材が貼付された回収口を有する廃トナー回収容器と、を備え、
前記鍔部は、前記軸方向に延びる前記シャッタ部から前記軸方向と直交する方向に延び、前記弾性部材と面する第一面と、当該直交する方向における先端に位置する第二面とを有し、前記第一面と前記第二面とにより形成される角が面取りされている
ことを特徴とする。


【0007】
請求項2記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記面取りが平面取りであり、面取り大きさが、前記鍔部の一面と前記回収口の周縁部が接触して圧縮される前記弾性部材の圧縮代よりも大きい、
ことを特徴とする。
【0008】
請求項3記載の発明は、請求項1に記載の画像形成装置において、
前記面取りがR面取りであり、R面取りの半径が、前記鍔部の一面と前記回収口の周縁部が接触して圧縮される前記弾性部材の圧縮代よりも大きい、
ことを特徴とする。
【0009】
請求項4記載の発明は、請求項1ないし3のいずれか1項に記載の画像形成装置において、
前記弾性部材が発泡ウレタンフォームである、
ことを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
請求項1に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、廃トナー回収容器へ廃トナーを回収する際の廃トナーの漏出を抑制することができる。
請求項2及び3に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、廃トナー回収容器の弾性部材の損傷を抑制することができる。
請求項4に記載の発明によれば、本構成を有しない場合に比して、廃トナー回収容器へ廃トナーを回収する際の廃トナーの漏出を抑制することができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
図1】画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図である。
図2】廃トナー回収容器70が装着された画像形成装置1の内部構成を示す斜視図である。
図3】廃トナー回収容器70を取り外した画像形成装置1の内部構成を示す斜視図である。
図4】廃トナー回収容器70の内部構成を示す断面模式図である。
図5】(a)は廃トナー回収容器70が取り外されている状態における第2連結部90の廃トナー搬送方向先端部分の断面模式図、(b)は廃トナー回収容器70が装着されている状態における第2連結部90の廃トナー搬送方向先端部分の断面模式図である。
図6】(a)は白黒印刷時の転写ユニット15が感光体ドラム31に接触した状態を示す断面模式図、(b)はメンテナンス時に転写ユニット15が感光体ドラム31から離間した状態を示す断面模式図である。
図7】(a)は転写装置50内で感光体ドラム31と接離する中間転写ベルト51の接離動作に伴って中間転写ベルトクリーナ54と一体化された第2連結部90がX方向及びY方向に移動する状態を説明するための模式図、(b)、(c)は筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96と廃トナー回収容器70の第2回収口75Bの周縁部に貼付されたウレタンフォーム材77との関係を説明するための断面模式図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
次に図面を参照しながら、以下に実施形態及び具体例を挙げ、本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施形態及び具体例に限定されるものではない。
また、以下の図面を使用した説明において、図面は模式的なものであり、各寸法の比率等は現実のものとは異なることに留意すべきであり、理解の容易のために説明に必要な部材以外の図示は適宜省略されている。
尚、以後の説明の理解を容易にするために、図面において、前後方向をX軸方向、左右方向をY軸方向、上下方向をZ軸方向とする。
【0013】
(1)画像形成装置の全体構成及び動作
図1は本実施形態に係る画像形成装置1の内部構成を示す断面模式図である。
以下、図面を参照しながら、画像形成装置1の全体構成及び動作を説明する。
【0014】
画像形成装置1は、制御装置10、給紙装置20、感光体ユニット30、現像装置40、転写装置50、定着装置60、を備えて構成されている。画像形成装置1の上面(Z方向)には、画像が記録された用紙が排出・収容される排出トレイ1aが形成されている。
【0015】
制御装置10は、画像形成装置1の動作を制御する画像形成装置制御部11と、印刷処理要求に応じた画像データを準備するコントローラ部12、露光装置LHの点灯を制御する露光制御部13、電源装置14等を有する。電源装置14は、後述する帯電ローラ32、現像ローラ42、一次転写ローラ52、二次転写ローラ53等に高圧電圧を印加するとともに、露光装置LH、給紙装置20、定着装置60及び備えられた各センサ等に電力を供給する。
【0016】
コントローラ部12は、外部の情報送信装置(例えばパーソナルコンピュータ等)から入力された印刷情報を潜像形成用の画像情報に変換して予め設定されたタイミングで、駆動信号を露光装置LHに出力する。本実施形態の露光装置LHは、LED(Light Emitting Diode)が線状に配置されたLEDヘッドにより構成されている。
【0017】
画像形成装置1の底部には、給紙装置20が設けられている。給紙装置20は、用紙積載板21を備え、用紙積載板21の上面には多数の記録媒体としての用紙Pが積載される。用紙積載板21に積載され、規制板(不図示)で幅方向位置が決められた用紙Pは、上側から1枚ずつ用紙引き出し部22により前方(−X方向)に引き出された後、レジストローラ対23のニップ部まで搬送される。
【0018】
感光体ユニット30は、給紙装置20の上方(Z方向)に、それぞれが並列して設けられ、回転駆動する像保持体としての感光体ドラム31を備えている。感光体ドラム31の回転方向にそって、帯電ローラ32、露光装置LH、現像装置40、一次転写ローラ52、クリーニングブレード34が配置されている。帯電ローラ32には、帯電ローラ32の表面をクリーニングするクリーニングローラ33が対向、接触して配置されている。
【0019】
現像装置40は、内部に現像剤が収容される現像ハウジング41を有する。現像ハウジング41内には、感光体ドラム31に対向して配置された現像ローラ42と、この現像ローラ42の背面側斜め下方には現像剤を現像ローラ42側へ撹拌搬送する一対のオーガ44、45が配設されている。現像ローラ42には、現像剤の層厚を規制する層規制部材46が近接配置されている。
現像装置40各々は、現像ハウジング41に収容される現像剤を除いて略同様に構成され、それぞれがイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、黒(K)のトナー像を形成する。
【0020】
回転する感光体ドラム31の表面は、帯電ローラ32により帯電され、露光装置LHから出射する潜像形成光により静電潜像が形成される。感光体ドラム31上に形成された静電潜像は現像ローラ42によりトナー像として現像される。
【0021】
転写装置50は、各感光体ユニット30の感光体ドラム31にて形成された各色トナー像が多重転写される中間転写ベルト51、各感光体ユニット30にて形成された各色トナー像を中間転写ベルト51に順次転写(一次転写)する一次転写ローラ52を備えている。さらに、中間転写ベルト51上に重畳して転写された各色トナー像を記録媒体である用紙Pに一括転写(二次転写)する二次転写ローラ53、中間転写ベルト51上に付着している残留トナーを除去する中間転写ベルトクリーナ54を備えて構成されている。
【0022】
各感光体ユニット30の感光体ドラム31に形成された各色トナー像は、画像形成装置制御部11により制御される電源装置14等から所定の転写電圧が印加された一次転写ローラ52により中間転写ベルト51上に順次静電転写(一次転写)され、各色トナーが重畳された重畳トナー像が形成される。
【0023】
中間転写ベルト51上の重畳トナー像は、中間転写ベルト51の移動に伴って二次転写ローラ53が配置された領域(二次転写部TR)に搬送される。重畳トナー像が二次転写部TRに搬送されると、そのタイミングに合わせて給紙装置20から用紙Pが二次転写部TRに供給される。そして、二次転写ローラ53には、画像形成装置制御部11により制御される電源装置14等から所定の転写電圧が印加され、レジストローラ対23から送り出され、搬送ガイドにより案内された用紙Pに中間転写ベルト51上の多重トナー像が一括転写される。
【0024】
感光体ドラム31表面の残留トナーは、クリーニングブレード34により除去され、廃トナー回収容器70(図2に図示)に回収される。感光体ドラム31の表面は、帯電ローラ32により再帯電される。尚、クリーニングブレード34で除去しきれず帯電ローラ32に付着した残留物は、帯電ローラ32に接触して回転するクリーニングローラ33表面に捕捉され、蓄積される。
【0025】
定着装置60は加熱モジュール61と加圧モジュール62を有し、加熱モジュール61と加圧モジュール62の圧接領域によって定着ニップ部N(定着領域)が形成される。
転写装置50においてトナー像が転写された用紙Pは、トナー像が未定着の状態で搬送ガイドを経由して定着装置60に搬送される。定着装置60に搬送された用紙Pは、一対の加熱モジュール61と加圧モジュール62により、圧着と加熱の作用でトナー像が定着される。
定着トナー像が形成された用紙Pは、搬送ガイド65a、65bによってガイドされ、排出ローラ対69から画像形成装置1上面の排出トレイ1aに排出される。
【0026】
(2)廃トナー回収部の構成と動作
図2は廃トナー回収容器70が装着された画像形成装置1の内部構成を示す斜視図、図3は廃トナー回収容器70を取り外した画像形成装置1の内部構成を示す斜視図、図4は廃トナー回収容器70の内部構成を示す断面模式図、図5(a)は廃トナー回収容器が取り外されている状態における連結部の廃トナー搬送方向先端部分の断面模式図、(b)は廃トナー回収容器が装着されている状態における連結部の廃トナー搬送方向先端部分の断面模式図である。
以下、図面を参照しながら廃トナー回収部の構成及び動作について説明する。
【0027】
図2に示すように、画像形成装置1には廃トナー回収容器70が着脱可能に備えられている。
そして画像形成装置1においては、感光体ドラム31上に現像されたトナー像を用紙Pに転写した後の残留トナーをクリーニングブレード34により除去して、搬送オーガ35で画像形成装置1内の廃トナー回収容器70へ送り込み、廃トナーとして回収している。
また、中間転写ベルト51上から用紙Pへトナー像を二次転写した後は、中間転写ベルト51上に付着している残留トナーも中間転写ベルトクリーナ54によって除去され、搬送オーガ56で画像形成装置1内の廃トナー回収容器70へ送り込まれて回収されるようになっている。
【0028】
(2.1)廃トナー回収容器の構成
図4に示すように、廃トナー回収容器70は、プラスチック製のフロントカバー71(図2に図示)とリアカバー72とを接合して筐体を構成しており、内部に回収された廃トナーを貯留する貯留室73が形成されている。
リアカバー72の上部には、各感光体ユニット30のクリーニングブレード34から排出される廃トナーが回収される4つの第1回収口75A及び中間転写ベルトクリーナ54から排出される廃トナーが回収される第2回収口75Bが形成されている。
【0029】
廃トナー回収容器70を画像形成装置1に装着すると、各感光体ユニット30から画像形成装置1の前側へ突出した第1連結部80及び中間転写ベルトクリーナ54から画像形成装置1の前側へ突出した第2連結部90(図3参照)が第1回収口75A及び第2回収口75Bに挿入され、各感光体ユニット30の搬送オーガ35及び中間転写ベルトクリーナ54の搬送オーガ56によって送り込まれた廃トナーが廃トナー回収容器70内に落とし込まれるようになっている。
【0030】
貯留室73には、廃トナーを搬送する搬送オーガ74が回転可能に支持されている。搬送オーガ74は貯留室73の側壁を跨ぐようにして設けられており、貯留室73に落とし込まれた廃トナーが第1回収口75A及び第2回収口75Bの直下で堆積され、廃トナー回収容器70の収容上限を超えた場合に、その収容上限を超えた部分を崩して搬送するように構成されている。
【0031】
第1回収口75A及び第2回収口75Bには、シャッタ76(図5に図示)が開閉可能に設けられている。シャッタ76は、第1回収口75A及び第2回収口75Bの上方に回転支持される支点を有し、貯留室73内へ回転して開閉する構造となっており、リアカバー72の内側に開閉自在に取り付けられている。
【0032】
シャッタ76には、シャッタ76をリアカバー72の壁面に押し当てて第1回収口75A及び第2回収口75Bを閉塞するトーションバネT(不図示)が取り付けられ、画像形成装置1に装着されていない状態ではシャッタ76はトーションバネTのバネ力により第1回収口75A及び第2回収口75Bを閉塞している。
そして、廃トナー回収容器70を画像形成装置1に装着して、第1連結部80及び第2連結部90がそれぞれ第1回収口75A及び第2回収口75Bに挿入されると、シャッタ76がトーションバネTのバネ力に抗して内側に押されて開放状態となり、連結パイプ81(不図示)及び連結パイプ91が貯留室73内と連通される。
【0033】
(2.2)第2連結部90の構成と動作
図5(a)に示すように、第2連結部90は中間転写ベルトクリーナ54で除去された廃トナーを搬送する搬送部材としての搬送オーガ56を収容すると共に搬送された廃トナーを排出するための廃トナー排出口95を備えた筒状部材としての連結パイプ91と、廃トナー排出口95を開閉するスライド部材としての筒状シャッタ92と、筒状シャッタ92を連結パイプ91の先端側へ付勢しているコイルバネ93から構成されている。
【0034】
連結パイプ91の廃トナー搬送方向の先端部94は、円筒状に突出した形状を有しており、廃トナー搬送空間S1から続く管状の空間S2が形成されており、管状の空間S2内には廃トナー搬送空間S1から延びる搬送オーガ56が回転可能に配置されている。
連結パイプ91の廃トナー搬送方向の先端部94の一面側(下面側)には、廃トナーを廃トナー回収容器70内へ排出する廃トナー排出口95が形成されている。
筒状シャッタ92は、廃トナー排出口95を開閉するように連結パイプ91の先端部94に移動自在に嵌挿されている。
【0035】
コイルバネ93は、連結パイプ91の円筒状に突出した先端部94を取り巻くように配置されている。
そして、廃トナー回収容器70が取り外されている状態(図5(a)に示す状態)では、筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96が廃トナー排出口95よりも突出して廃トナー排出口95を閉塞した状態となるように、筒状シャッタ92を付勢している。
【0036】
廃トナー回収容器70が装着されている状態(図5(b)に示す状態)では、筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96が廃トナー回収容器70の第2回収口75Bの周縁部と当接して廃トナー排出口95を開放し、搬送オーガ56で搬送された廃トナーが貯留室73に落下できる状態となる。
【0037】
廃トナー回収容器70の第2回収口75Bの周縁部には、弾性部材としてのウレタンフォーム材77が帖付され、筒状シャッタ92の鍔部96と廃トナー回収容器70の第2回収口75Bの周縁部とを隙間なくシールしている。
【0038】
このように構成される第2連結部90は、画像形成装置1の画像形成モードに応じて、転写装置50内で感光体ドラム31と接離する中間転写ベルト51の接離動作とともに中間転写ベルトクリーナ54と一体化された第2連結部90がX方向及びY方向に移動することになる。
【0039】
(2.3)転写装置50の接離動作
(2.3.1)フルカラー印刷位置
図1に示すように、画像形成装置1は中間転写ベルト51上に各色トナー像を形成するフルカラー印刷時には、全ての一次転写ローラ52(Y)、(M)、(C)、(K)が中間転写ベルト51を介して各感光体ドラム31に接触した第一接触位置に位置している。
【0040】
(2.3.2)白黒印刷位置
画像形成装置1において、白黒印刷が選択されると、第一接触位置の状態から、カラー用一次転写ローラ52(Y)、(M)、(C)が感光体ドラム31から離間するように回転移動する(図6(a)中 矢印R1方向)。また、テンションローラ55も中間転写ベルト51を感光体ドラム131から離間させる方向に回転移動(図6(a)中 矢印R2方向)し、中間転写ベルトクリーナ54もテンションローラ55とともに回転移動する。
その結果、転写装置50は、図6(b)に模式的に示す白黒印刷モードである第二接触位置に位置することになる。
【0041】
(2.4.3)メンテナンス位置
転写装置50の操作ハンドル(不図示)を回転操作することよって、全ての一次転写ローラ52(Y)、(M)、(C)、(K)及びテンションローラ55が感光体ドラム31から離間するように回転移動する(図6(b)中 矢印R1、R2方向)。
その結果、中間転写ベルト51は、図6(b)に模式的に示すメンテナンス位置に位置し、全ての一次転写ローラ52(Y)、(M)、(C)、(K)及びテンションローラ55を感光体ドラム31から離間させ、転写装置50及び各感光体ユニット30を画像形成装置1の本体から引き出す状態にすることができる。
【0042】
(2.4)シール構成
図7(a)は転写装置50内で感光体ドラム31と接離する中間転写ベルト51の接離動作に伴って中間転写ベルトクリーナ54と一体化された第2連結部90がX方向及びY方向に移動する状態を説明するための模式図、図7(b)、(c)は筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96と廃トナー回収容器70の第2回収口75Bの周縁部に貼付されたウレタンフォーム材77との関係を説明するための断面模式図である。
【0043】
図7(a)に示すように、第2連結部90を構成する筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96が廃トナー回収容器70の回収口75の周縁部と当接した状態で中間転写ベルトクリーナ54の移動に伴って移動する結果、鍔部96周縁の角部でウレタンフォーム材を損傷させたり剥離させたりする虞があった。
【0044】
図7(b)に示すように、本実施形態に係る筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96と廃トナー回収容器70の第2回収口75Bの周縁部に貼付されたウレタンフォーム材77とは、第2回収口75Bの周縁部に貼付されたウレタンフォーム材77と鍔部96の接触部から廃トナーが漏洩しないように、鍔部96はウレタンフォーム材77をΔLだけ圧縮した状態で接触している。
そして、鍔部96のうちウレタンフォーム材77と面する部位の先端部には、第2回収口75Bの周縁部に対して傾斜したテーパ部97が設けられている。
【0045】
テーパ部97のテーパ大きさCは、鍔部96の接触面96aとウレタンフォーム材77とが接触して圧縮されるウレタンフォーム材77の圧縮量ΔLよりも大きく形成されている。
【0046】
尚、図7(c)に示すように、鍔部96のうちウレタンフォーム材77と面する部位の先端部には、R面取り部98が設けても良い。
R面取り部98の面取り半径Rの大きさは、鍔部96の接触面96aとウレタンフォーム材77とが接触して圧縮されるウレタンフォーム材77の圧縮量ΔLよりも大きく形成される。
【0047】
その結果、画像形成装置1の画像形成モードに応じて中間転写ベルトクリーナ54が移動して、第2連結部90を構成する筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96が廃トナー回収容器70の第2回収口75Bの周縁部に貼付されたウレタンフォーム材77と当接した状態で、X方向及びY方向に移動しても、鍔部96の周縁でウレタンフォーム材77を損傷させたり剥離させたりすることを抑制することができる。
【0048】
(3)作用・効果
本実施形態に係る画像形成装置1は、中間転写ベルトクリーナ54により中間転写ベルト51上から除去されたトナーを搬送する搬送オーガ56を収容すると共に搬送されたトナーを排出するための廃トナー排出口95を備えた連結パイプ91と、連結パイプ91に移動自在に挿入される鍔部96および鍔部96から一体として連結パイプ91の軸方向に設けられ廃トナー排出口95を開閉する筒状シャッタ92からなる第2連結部90を有している。
【0049】
そして、廃トナー回収容器70が取り外されている状態では、廃トナー排出口95を開閉する筒状シャッタ92は、コイルバネ93により、筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96が廃トナー排出口95よりも突出して廃トナー排出口95を閉塞した状態となるように付勢されている。
そのために、画像形成装置1に対して、廃トナー回収容器70を着脱する際に、画像形成装置1内への廃トナーの零れ落ちを抑制している。
【0050】
さらに、第2回収口75Bの周縁部に貼付されたウレタンフォーム材77と鍔部96の接触部から廃トナーが漏洩しないように、鍔部96はウレタンフォーム材77をΔLだけ圧縮した状態で接触している。
そして、鍔部96のうちウレタンフォーム材77と面する部位の先端部には面取りが施されている。
面取りは平面取り又はR面取りとされ、面取り大きさは、鍔部96の接触面96aとウレタンフォーム材77とが接触して圧縮されるウレタンフォーム材77の圧縮量ΔLよりも大きく形成されている。
【0051】
そのために、画像形成装置1の画像形成モードに応じて中間転写ベルトクリーナ54が移動して、第2連結部90を構成する筒状シャッタ92の先端に設けられた鍔部96が廃トナー回収容器70の第2回収口75Bの周縁部に貼付されたウレタンフォーム材77と当接した状態で、X方向及びY方向に移動しても、鍔部96の周縁でウレタンフォーム材77を損傷させたり剥離させたりすることを抑制することができる。
【符号の説明】
【0052】
1・・・画像形成装置
10・・・制御装置
20・・・給紙装置
30・・・感光体ユニット
40・・・現像装置
50・・・転写装置
60・・・定着装置
70・・・廃トナー回収容器
71・・・回収ハウジング
72・・・回収カバー
72a・・・流入口(廃トナー)
73・・・搬送オーガ
74・・・シャッタ
75・・・検知窓
76・・・検知センサ
76a・・・発光部
76b・・・受光部
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7