特許第6176469号(P6176469)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

知財求人 - 知財ポータルサイト「IP Force」

▶ 海爾集団公司の特許一覧 ▶ 青島海爾洗衣机有限公司の特許一覧

特許6176469循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法
<>
  • 特許6176469-循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法 図000002
  • 特許6176469-循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法 図000003
  • 特許6176469-循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法 図000004
  • 特許6176469-循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法 図000005
  • 特許6176469-循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法 図000006
  • 特許6176469-循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法 図000007
  • 特許6176469-循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法 図000008
  • 特許6176469-循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法 図000009
< >
(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6176469
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法
(51)【国際特許分類】
   D06F 39/08 20060101AFI20170731BHJP
   D06F 39/10 20060101ALI20170731BHJP
   D06F 33/02 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
   D06F39/08 301Z
   D06F39/10 E
   D06F33/02 Q
   D06F33/02 T
【請求項の数】8
【全頁数】11
(21)【出願番号】特願2016-533781(P2016-533781)
(86)(22)【出願日】2013年12月18日
(65)【公表番号】特表2016-529984(P2016-529984A)
(43)【公表日】2016年9月29日
(86)【国際出願番号】CN2013089803
(87)【国際公開番号】WO2015021722
(87)【国際公開日】20150219
【審査請求日】2016年7月12日
(31)【優先権主張番号】201310356428.5
(32)【優先日】2013年8月15日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】512127855
【氏名又は名称】海爾集団公司
(73)【特許権者】
【識別番号】512128645
【氏名又は名称】青島海爾洗衣机有限公司
【氏名又は名称原語表記】QingDao Haier Washing Machine Co.,Ltd.
(74)【代理人】
【識別番号】100091683
【弁理士】
【氏名又は名称】▲吉▼川 俊雄
(74)【代理人】
【識別番号】100179316
【弁理士】
【氏名又は名称】市川 寛奈
(72)【発明者】
【氏名】許升
(72)【発明者】
【氏名】▲デン▼金柱
【審査官】 大瀬 円
(56)【参考文献】
【文献】 特開2001−113090(JP,A)
【文献】 特開2001−286698(JP,A)
【文献】 特開平7−39683(JP,A)
【文献】 特開平11−267396(JP,A)
【文献】 特開2001−300191(JP,A)
【文献】 中国実用新案第2639369(CN,Y)
【文献】 中国特許出願公開第1312409(CN,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
D06F 1/00−51/02
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
洗濯槽と、前記洗濯槽内に設けられる衣類洗浄構造と、前記洗濯槽下方に設けられる循環水処理装置とを含む、循環水処理機能を有する洗濯機であって、前記循環水処理装置が凝集処理ユニットおよびろ過ユニットを含み、
前記凝集処理ユニットが、前記洗濯槽と連通する凝集容器と、前記凝集容器内に凝集剤を投入する凝集剤投入装置とを含み、前記洗濯槽から前記凝集容器内に排水されて凝集処理が行われ、
前記ろ過ユニットが、ろ過容器と、前記ろ過容器内に設けられるろ過ネットとを含み、前記ろ過容器が前記凝集容器および前記洗濯槽とそれぞれ連通し、前記凝集容器内の凝集処理された水をろ過した後、この水を再び前記洗濯槽内に放出して再度使用し、
前記凝集容器の下部および前記ろ過容器の下部は、オンオフ制御構造によって2つの容器間の連通/切断が制御され、前記凝集容器の上部および前記洗濯槽底部の出水口が導水管を介して連通し、前記導水管に出水制御バルブが設けられる、ことを特徴とする洗濯機。
【請求項2】
前記凝集容器の底部に、洗濯機の外部に排水する排水構造が設けられ、前記排水構造前記凝集容器の排水口と、前記排水口と連通する排水管と、排水バルブとを含むことを特徴とする、請求項に記載の循環水処理機能を有する洗濯機。
【請求項3】
前記ろ過容器に、ろ過水を洗濯槽に放出する水循環構造が設けられ、前記水循環構造前記ろ過容器の循環出水口、循環ポンプおよび循環管を含み、前記循環管が前記洗濯槽と連通し、前記ろ過ネットが前記ろ過容器の内部を2つの部分に分割し、第1部分が前記凝集容器と連通し、第2部分が前記水循環構造を介して前記洗濯槽と連通することを特徴とする、請求項に記載の循環水処理機能を有する洗濯機。
【請求項4】
洗濯槽と、前記洗濯槽内に設けられる衣類洗浄構造と、前記洗濯槽下方に設けられる循環水処理装置とを含む、循環水処理機能を有する洗濯機であって、前記循環水処理装置が凝集処理ユニットおよびろ過ユニットを含み、
前記凝集処理ユニットが、前記洗濯槽と連通する凝集容器と、前記凝集容器内に凝集剤を投入する凝集剤投入装置とを含み、前記洗濯槽から前記凝集容器内に排水されて凝集処理が行われ、
前記ろ過ユニットが、ろ過容器と、前記ろ過容器内に設けられるろ過ネットとを含み、前記ろ過容器が前記凝集容器および前記洗濯槽とそれぞれ連通し、前記凝集容器内の凝集処理された水をろ過した後、この水を再び前記洗濯槽内に放出して再度使用し、
前記凝集容器が前記ろ過容器の上方に設けられ、前記凝集容器の底部および前記ろ過容器の上部が接続管を介して連通し、前記接続管にストップバルブが設けられ、前記凝集容器の上部および前記洗濯槽底部の出水口が導水管を介して連通し、前記導水管に出水制御バルブが設けられ、
前記ろ過容器の底部に、洗濯機の外部に排水する排水構造と、ろ過水を前記洗濯槽に放出する水循環構造とが設けられ、前記ろ過ネットが前記ろ過容器の内部を2つの部分に分割し、第1部分が前記接続管および前記排水構造とそれぞれ連通し、第2部分が前記水循環構造を介して前記洗濯槽と連通する、ことを特徴とする循環水処理機能を有する洗濯機。
【請求項5】
前記循環水処理装置がさらに、凝集ろ過処理水を洗濯槽に放出して循環使用する水循環構造と、動作終了後、水を洗濯機の外部に排出する排水構造と、を含むことを特徴とする、請求項1または4に記載の循環水処理機能を有する洗濯機。
【請求項6】
前記凝集処理ユニットが、主に撹拌モータ、撹拌軸、および撹拌翼からなる凝集撹拌構造をさらに含み、前記撹拌モータが前記凝集容器の外部に設けられ、前記撹拌軸が前記撹拌モータから前記凝集容器の内部に延伸し、前記撹拌翼が前記凝集容器内部の前記撹拌軸に設けられることを特徴とする、請求項1〜5のいずれか1項に記載の循環水処理機能を有する洗濯機。
【請求項7】
前記ろ過ネットが筒状構造であり、前記ろ過容器内に回転可能に設けられ、一端が洗浄モータにより駆動接続され、もう一端が回転コネクタを介してろ過水を前記洗濯槽内に排出することを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の循環水処理機能を有する洗濯機。
【請求項8】
洗濯が終了し、前記循環水処理装置に排水され、順に前記凝集処理ユニットによる凝集処理、前記ろ過ユニットによるろ過処理が行われ、さらにろ過処理が行われた水が前記洗濯槽に放出されてすすぎが行われ、上記水処理過程はすすぎが終了するまで繰り返され、その後、水が前記循環水処理装置に放出されて前記凝集処理ユニットおよび前記ろ過ユニットが洗浄され、最後に排出されることを特徴とする、請求項1〜のいずれか1項に記載の洗濯機の制御方法。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は洗濯機分野に関し、具体的に循環節水型洗濯機であり、特に循環水処理機能を有する洗濯機およびその制御方法である。
【背景技術】
【0002】
人々の生活レベルの上昇に伴い、洗濯機はすでに日常生活における主要な家電の1つとなっている。洗濯機の衣類洗浄過程は主に洗濯、すすぎ、脱水の数段階を含み、洗濯段階で、洗濯機は取水し、洗剤により衣類を洗濯する。すすぎ段階に入ると、汚れおよび残った洗剤を洗い落とすために、より多くの水を取水するか、またはより多くの回数のすすぎを実行して衣類をすすぐ必要がある。これは必然的に大量の水資源を消費し、たとえ節水のドラム式洗濯機であっても、洗い落とすために、衣類を少なくとも2回すすぐ必要があり、この過程で少なくとも30L以上の水道水を消費する。衣類の汚れが比較的少なかったり、投入する洗剤が比較的少なかったりして、2回できれいにすすぐことができることもあるが、ユーザが3回のすすぎを選択することによって、必然的に水資源の浪費が引き起こされる。例えば6Kgの全自動洗濯機では、一般的に2回のすすぎで水を基本的に100リットル前後使用する。衣服を洗浄すると同時に、節水節電をいかにして行うかということは、消費者が一貫して注目する焦点の1つである。
【0003】
現在まで、家庭用洗濯機に組み合わせて使用する水の浄化および循環利用装置はいまだない。たとえいわゆる節水機能を備えた洗濯機であっても、一般的に洗濯機の側部に貯水タンクを取り付け、水ポンプを使用して注水および排水を行い、一般的に注水を1回、すすぎを3回行うことができ、節水機能を示すものである。しかし、洗濯後の水を保存することができず、さらに洗濯機本体の構造を複雑、膨大にし、輸送、回収処理などに不利である。体積、構造および適応性などの面の制限により、洗濯機が元々有する機能および節水タンク自体の機能に影響を及ぼしている。既存の洗濯機の方式を基に、より良好に水資源の節約を行うため、多くのメーカが研究開発に多くの投資を行っている。
【0004】
既存の水循環機能を備えた洗濯機は、糸くずをろ過する、洗濯を均一にする、またはオゾン、重金属イオンを添加して殺菌する、などの作用を示すのみである。水の消費量を改善することができず、洗浄についての根本的な向上はない。
【0005】
衣類洗浄水の循環利用について、関連する特許文献を調べると、例えば中国特許出願番号第200810072420.5号の「洗濯機の循環水節水装置」は、衣類洗浄水を1つの水槽内に送り込み、浄化処理を行う。該発明は1回目の衣類洗浄水は浄化せずに直接排出し、2回目、3回目のすすぎ水を浄化処理した後、後で次回の衣類洗浄時に使用する。
【0006】
上記技術における「循環水技術」は、すすぎ水を浄化後に使用する。該技術は1回目の衣類洗浄水(初回の洗濯水)を循環利用することができず、浄化後の水を後に次回の衣類洗浄で使用するものであり、進行中の衣類洗浄時に使用することができない。
【0007】
このことを考慮して、特に本発明を示す。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0008】
【特許文献1】中国特許出願番号第200810072420.5号
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
本発明が解決しようとする技術的問題は既存技術の不足を克服することであり、凝集ろ過を利用して洗濯、すすぎ水の処理を行う、循環水処理機能を有する洗濯機を提供する。
【0010】
本発明のもう1つの目的は、該節水洗濯機の制御方法を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記技術的問題を解決するため、本発明が採用する技術案の基本的構想は次の通りである。循環水処理機能を有する洗濯機は、洗濯槽と、洗濯槽内に設けられる衣類洗浄構造と、洗濯槽下方に設けられる循環水処理装置とを含み、前記循環水処理装置は凝集処理ユニットおよびろ過ユニットを含む。
凝集処理ユニットは、洗濯槽と連通する凝集容器と、凝集容器内に凝集剤を投入する凝集剤投入装置とを含み、洗濯槽から凝集容器内に排水されて凝集処理が行われる。
ろ過ユニットは、ろ過容器と、ろ過容器内に設けられるろ過ネットとを含み、ろ過容器は凝集容器および洗濯槽とそれぞれ連通し、凝集容器内の凝集処理された水を濾過した後、この水を再び洗濯槽内に放出して再度使用する。
【0012】
さらに、前記循環水処理装置はさらに、凝集ろ過処理水を洗濯槽に放出して循環使用する水循環構造と、動作終了後、水を洗濯機の外部に排出する排水構造とを含む。
【0013】
さらに、前記凝集容器の下部およびろ過容器の下部は、オンオフ制御構造によって2つの容器間の連通/切断が制御される。凝集容器の上部および洗濯槽底部の出水口は導水管を介して連通し、導水管に出水制御バルブが設けられる。
【0014】
さらに、前記凝集容器およびろ過容器は独立して横一列に並び、洗濯槽の下方に設けられる。この間は接続管を介して連通し、接続管に2つの容器間の連通/切断を制御するストップバルブが設けられる。または、ろ過容器は凝集容器内部に設けられ、ろ過容器と凝集容器との間の空洞が水の凝集処理に用いられる。ろ過容器の下部に開口が設けられ、開口部分に2つの容器間の連通/切断を制御するオンオフ制御構造が設けられる。
【0015】
さらに、前記凝集容器の底部に、洗濯機の外部に排水する排水構造が設けられる。これは凝集容器の排水口と、排水口と連通する排水管と、排水バルブとを含む。
【0016】
さらに、前記ろ過容器に、ろ過水を洗濯槽に放出する水循環構造が設けられる。これはろ過容器の循環出水口、循環ポンプおよび循環管を含み、循環管は洗濯槽と連通する。前記ろ過ネットはろ過容器の内部を2つの部分に分割し、第1部分は凝集容器と連通し、第2部分は水循環構造を介して洗濯槽と連通する。
【0017】
さらに、前記凝集容器はろ過容器の上方に設けられ、凝集容器の底部およびろ過容器の上部は、接続管を介して連通し、接続管にストップバルブが設けられる。凝集容器の上部および洗濯槽底部の出水口は導水管を介して連通し、導水管に出水制御バルブが設けられる。
【0018】
さらに、前記ろ過容器の底部に、洗濯機の外部に排水する排水構造と、ろ過水を洗濯槽に放出する水循環構造とが設けられる。前記ろ過ネットはろ過容器の内部を2つの部分に分割し、第1部分は接続管および排水構造とそれぞれ連通し、第2部分は水循環構造を介して洗濯槽と連通する。
【0019】
さらに、前記凝集処理ユニットは、主に撹拌モータ、撹拌軸、および撹拌翼からなる凝集撹拌構造をさらに含む。撹拌モータは凝集容器の外部に設けられ、撹拌軸は撹拌モータから凝集容器の内部に延伸し、撹拌翼は凝集容器内部の撹拌軸に設けられる。
【0020】
さらに、前記ろ過ネットは筒状構造であり、ろ過容器内に回転可能に設けられる。一端は洗浄モータにより駆動接続され、もう一端は回転コネクタを介してろ過水を洗濯槽内に排出する。
【0021】
本発明の前記洗濯機の制御方法としては、洗濯が終了し、循環水処理装置に排水され、順に凝集処理ユニットによる凝集処理、ろ過ユニットによるろ過処理が行われる。さらにこの水が洗濯槽に放出されてすすぎが行われ、上記水処理過程はすすぎが終了するまで繰り返される。その後、水が循環水処理装置に放出されて、凝集処理ユニットおよびろ過ユニットが洗浄され、最後に排出される。
【0022】
さらに、本発明の洗濯機は洗剤自動投入装置をさらに含む。洗剤自動投入装置は既存技術であり、好ましくは取水による負圧を利用して洗剤を吸引し、投入する構造である。本発明の前記凝集剤投入装置は自動投入構造であり、洗濯水の量および洗濯/すすぎ水の混濁度に基づいて、凝集処理を行うたびに、対応する比率の凝集剤が自動投入される。好ましくは、凝集剤はフレーク状であり、既存のフレーク状洗剤の自動投入構造を採用することができる。
【0023】
さらに、本発明は洗濯後に測定した洗濯水混濁度に基づいて、凝集処理が必要かどうかを判断する。混濁度が比較的高いとき、直接完全に排出することができ、新たに清水を取水してすすぎを行い、1回目のすすぎ後、循環水を凝集してすすぎを行う。または、混濁度の範囲に基づいて、一定比率の洗濯水を排出し、その後水道水を取水して混濁度を低下させ、循環水を凝集してすすぎを行う。
【発明の効果】
【0024】
上記技術案を採用すると、本発明は既存技術と比較して以下の有益な効果を有する。
【0025】
1、洗濯終了後、洗濯槽内の水はきれいな清水であり、衣服に粉末洗剤が残る、またはすすぎがきれいでない問題が存在せず、ユーザの身体的健康にとって好ましい。
2、本発明は、取水を1回行うだけで、すべての洗濯過程を終了することができる。洗濯効率に影響を及ぼさないのと同時に、水資源を最大限に節約する。
3、洗濯後排出した洗濯機の水は、基本的に粉末洗剤または洗剤を含有しないため、環境に対する汚染を減少させることができる。
【図面の簡単な説明】
【0026】
図1図1は、本発明の実施例1に記載する洗濯機の構造概要図である。
図2図2は、本発明の実施例1に記載する洗濯機の構造概要図である。
図3図3は、本発明の実施例2に記載する洗濯機の構造概要図である。
図4図4は、本発明の実施例2に記載する洗濯機の構造概要図である。
図5図5は、本発明の実施例3に記載する洗濯機の構造概要図である。
図6図6は、本発明の実施例3に記載する洗濯機の構造概要図である。
図7図7は、本発明の実施例4および実施例5に記載する洗濯機の構造概要図である。
図8図8は、本発明の実施例5に記載する洗濯機の構造概要図である。
【発明を実施するための形態】
【0027】
以下、図を組み合わせて、本発明の具体的実施方式について、さらに詳細に述べる。
【0028】
図1から図8に示すように、本発明の前記洗濯機は、上部が既存の洗濯機構造であり、下部に循環水処理装置が設けられる。洗濯機は筐体1、筐体1内に設けられる外槽2、外槽2内に設けられる内槽3、ドア体4、操作パネル5、取水システム6、および駆動モータ7を含む。外槽2の底部および上部は、それぞれダンパー8およびサスペンションスプリング9を介して筐体フレームと接続し、取水システム6は取水構造および洗剤自動投入装置を含む。前記外槽2は洗濯槽であり、外槽内に設けられる内槽3は衣類洗浄構造である。
【0029】
本発明の前記循環水処理装置は、凝集処理ユニットおよびろ過ユニットを含む。このうち、凝集処理ユニットは、外槽2と連通する凝集容器10と、凝集容器10内に凝集剤を投入する凝集剤投入装置11とを含み、外槽2から凝集容器10内に排水されて凝集処理が行われる。ろ過ユニットは、ろ過容器12と、ろ過容器12内に設けられるろ過ネット13とを含む。ろ過容器12は凝集容器10および外槽2とそれぞれ連通し、凝集容器10内の凝集処理された水をろ過した後、この水を再び外槽2内に放出して再度使用する。
【0030】
さらに、前記循環水処理装置はさらに、凝集ろ過処理水を外槽2に放出して循環使用する水循環構造と、動作終了後、水を洗濯機の外部に排出する排水構造とを含む。凝集およびろ過を一定回数繰り返し、最後のすすぎが終了した後、外槽内のきれいな清水を循環水処理装置に排出して、新たに凝集容器およびろ過ネットを洗浄し、その後、洗浄後の水を排出する。
【実施例】
【0031】
実施例1
図1および図2に示すように、本実施例の前記凝集容器10およびろ過容器12は、左右に横一列に並んで外槽2の下方に設けられる。前記凝集容器10の下部と、ろ過容器12の下部との間は、接続管14を介して連通し、接続管14に2つの容器間の連通/切断を制御するストップバルブ15が設けられる。凝集容器10の上部と、外槽2底部の出水口とは、導水管16を介して連通し、導水管16に出水制御バルブ17が設けられる。前記凝集容器10の底部に、洗濯機の外部に排水する排水構造が設けられる。これは凝集容器の排水口と、排水口と連通する排水管18と、排水バルブ19とを含む。
【0032】
さらに、前記ろ過容器12に、ろ過水を外槽2に放出する水循環構造が設けられる。これはろ過容器の循環出水口、循環ポンプ20および循環管21を含み、循環管21は外槽2と連通する。前記ろ過ネット13は、ろ過容器12の内部を2つの部分に分割し、第1部分は接続管14を介して凝集容器10と連通し、第2部分は水循環構造を介して外槽2と連通する。
【0033】
実施例2
図3および図4に示すように、本実施例および実施例1の違いは、前記ろ過容器12が凝集容器10の内部に設けられ、ろ過容器12と凝集容器10との間の空洞が水の凝集処理に用いられ、ろ過容器12の下部に開口が設けられ、開口部分に2つの容器間の連通/切断を制御するオンオフ制御構造22が設けられることである。
【0034】
実施例3
図5および図6に示すように、本実施例の前記凝集容器10はろ過容器12の上方に設けられる。凝集容器10の底部およびろ過容器12の上部は、接続管14を介して連通し、接続管14にストップバルブ15が設けられる。凝集容器10の上部および外槽2底部の出水口は、導水管16を介して連通し、導水管16に出水制御バルブ17が設けられる。
【0035】
前記ろ過容器12の底部に、洗濯機の外部に排水する排水構造と、ろ過水を外槽2に放出する水循環構造とが設けられる。前記ろ過ネット13は、ろ過容器12の内部を2つの部分に分割し、第1部分は接続管14および排水構造とそれぞれ連通し、第2部分は水循環構造を介して外槽2と連通する。
【0036】
実施例4
図7に示すように、本実施例は、上記実施例を基にして、さらなる改良を行う。前記凝集処理ユニットは、主に撹拌モータ23、撹拌軸24および撹拌翼25からなる凝集撹拌構造をさらに含む。撹拌モータ23は凝集容器10の外部に設けられ、撹拌軸24は撹拌モータ23から凝集容器10の内部に延伸し、撹拌翼25は凝集容器10内部の撹拌軸24に設けられる。
【0037】
実施例5
図7および図8に示すように、本実施例は、上記実施例を基にして、さらなる改良を行う。前記ろ過ネット13は筒状構造であり、ろ過容器12内に回転可能に設けられる。一端は洗浄モータ26により駆動接続され、もう一端は回転コネクタ27を介してろ過水を外槽2内に排出する。
【0038】
実施例6
本発明の前記洗濯機の制御方法としては、洗濯が終了し、循環水処理装置に排水され、順に凝集処理ユニットによる凝集処理、ろ過ユニットによるろ過処理が行われる。さらにこの水が外槽2に放出されてすすぎが行われ、上記水処理過程はすすぎが終了するまで繰り返される。その後、水が循環水処理装置に放出されて凝集処理ユニットおよびろ過ユニットが洗浄され、最後に排出される。
【0039】
具体的に以下の通りである。
洗濯
必要な洗濯プログラムを選択して、凝集処理機能を選択した後、スタートボタンを押すと、洗濯機は設定した取水量まで取水し、モータは内槽を回転させ、洗濯を開始する。
【0040】
凝集
洗濯終了後、出水制御バルブが開き、汚れた洗濯水が凝集容器内に放出される。主制御盤が、設定したプログラムに基づいて、凝集剤投入装置により、凝集容器内に一定量の凝集剤を添加する。一定時間静置すると、凝集剤が凝集容器内の汚れを凝集して容器内に大きい顆粒が浮遊し、底部は処理後のきれいな清水となる。
【0041】
ろ過
凝集終了後、ストップバルブ/オンオフ制御構造が開き、凝集容器内の清水がろ過容器内に流入する。ろ過容器内のろ過ネットは、凝集物および汚れをネットの外で遮り、清水は底部の循環ポンプにより、再び外槽2内に投入され、続けてすすぎが行われる。
【0042】
循環
上記凝集およびろ過過程を1〜3回繰り返し、濁度センサが、外槽2内の洗濯水がすでにきれいになったことを検出すると、停止する。または、実験のデータに基づいて、決まった回数の循環を行っても、比較的良好な効果に達することができる。
【0043】
洗浄および排水
水の循環処理が終了すると、外槽2内の水が再度凝集容器内に放出され、さらにストップバルブ/オンオフ制御構造が開き、一部の水がろ過容器内に進入してろ過ネットを洗浄する。最後に、排水バルブが開いて凝集した汚物、ろ過ネットの汚物、糸くずが水と一緒に洗濯機外に排出される。
【0044】
実施例7
本発明は洗濯後に測定した洗濯水混濁度に基づいて、凝集処理が必要かどうかを判断する。混濁度が比較的高いとき、直接完全に排出することができ、新たに清水を取水してすすぎを行い、1回目のすすぎ後、さらに循環水を凝集してすすぎを行う。または、混濁度の範囲に基づいて、一定比率の洗濯水を排出し、その後水道水を取水して混濁度を低下させてから、循環水を凝集してすすぎを行う。
【0045】
本発明の洗濯機は、洗剤自動投入装置をさらに含む。洗剤自動投入装置は既存技術であり、好ましくは取水による負圧を利用して洗剤を吸引し、投入する構造である。本発明の前記凝集剤投入装置は自動投入構造であり、洗濯水の量および洗濯/すすぎ水の混濁度に基づいて、凝集処理を行うたびに、対応する比率の凝集剤が自動投入される。好ましくは、凝集剤はフレーク状であり、既存のフレーク状洗剤の自動投入構造を採用することができる。
【0046】
上記実施例中の実施案は、さらなる組合せまたは置換を行うことができ、また、実施例は本発明の好ましい実施例について詳しく述べたに過ぎず、本発明の構想および範囲を限定しない。本発明の設計、構想を逸脱しない前提の下、当業者が本発明の技術案に対して行う各種の変更および改良は、いずれも本発明の保護範囲に属する。
図1
図2
図3
図4
図5
図6
図7
図8