特許第6176642号(P6176642)IP Force 特許公報掲載プロジェクト 2022.1.31 β版

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(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6176642
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】発光装置及び関連する光源システム
(51)【国際特許分類】
   H01S 5/022 20060101AFI20170731BHJP
   H01S 5/40 20060101ALI20170731BHJP
   F21S 2/00 20160101ALI20170731BHJP
   G02B 3/00 20060101ALI20170731BHJP
   F21Y 115/30 20160101ALN20170731BHJP
【FI】
   H01S5/022
   H01S5/40
   F21S2/00 311
   G02B3/00 A
   F21Y115:30
【請求項の数】17
【全頁数】24
(21)【出願番号】特願2016-507991(P2016-507991)
(86)(22)【出願日】2014年4月11日
(65)【公表番号】特表2016-522986(P2016-522986A)
(43)【公表日】2016年8月4日
(86)【国際出願番号】CN2014075194
(87)【国際公開番号】WO2014169785
(87)【国際公開日】20141023
【審査請求日】2015年10月27日
(31)【優先権主張番号】201310138613.7
(32)【優先日】2013年4月20日
(33)【優先権主張国】CN
(73)【特許権者】
【識別番号】515289668
【氏名又は名称】アッポトロニック チャイナ コーポレイション
(74)【代理人】
【識別番号】230104019
【弁護士】
【氏名又は名称】大野 聖二
(74)【代理人】
【識別番号】100174137
【弁理士】
【氏名又は名称】酒谷 誠一
(74)【代理人】
【識別番号】100119183
【弁理士】
【氏名又は名称】松任谷 優子
(74)【代理人】
【識別番号】100114465
【弁理士】
【氏名又は名称】北野 健
(74)【代理人】
【識別番号】100149076
【弁理士】
【氏名又は名称】梅田 慎介
(74)【代理人】
【識別番号】100173185
【弁理士】
【氏名又は名称】森田 裕
(74)【代理人】
【識別番号】100133042
【弁理士】
【氏名又は名称】佃 誠玄
(72)【発明者】
【氏名】フ,フェイ
(72)【発明者】
【氏名】ホー,ハイション
【審査官】 小濱 健太
(56)【参考文献】
【文献】 特開2012−156182(JP,A)
【文献】 国際公開第2013/015357(WO,A1)
【文献】 特開2011−176276(JP,A)
【文献】 特開2008−034188(JP,A)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
H01S 5/00−5/50
H01L 33/00−33/64
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
導光装置が第1の光と第2の光の発散角の差を利用して少なくとも一部の第1の光を波長変換装置に導き、当該第1の光が前記波長変換装置によって波長変換された被励起光と当該第2の光を光合成して出射するために用いられる発光装置であって、
それぞれ波長範囲の異なる第1の光及び第2の光を生成するための第1のレーザアレイ及び第2のレーザアレイを含むレーザ光源と、
前記レーザ光源から発した光を収集し、収集された第2の光の発散角と第1の光の発散角との比を0.7以下にするように、第1の光と第2の光との発散角をそれぞれ変化させ、変化後の第1の光と第2の光を前記導光装置へ出射する光収集システムと
備えることを特徴とする発光装置。

【請求項2】
前記光収集システムは、レーザ光源からの光束を集光するための少なくとも一つの集光レンズを含む収集装置と、前記収集装置からの光束をコリメートするためのコリメータレンズとを備え、
前記収集装置は、第1の光が通る第1の領域と、第2の光が通る第2の領域とを備え、前記第1の領域の合成焦点距離は前記第2の領域の合成焦点距離よりも大きく、且つ、前記レーザ光源の出射において、第1の光の発散角は第2の光の発散角よりも大きく、前記光収集システムにより収集された第2の光の発散角と第1の光の発散角との比は前記所定値以下にされることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項3】
前記レーザ光源の出射光において、第1の光は第2の光と、発散角が同じであり、
前記光収集システムは、レーザ光源からの光束を集光するための少なくとも一つの集光レンズを含む収集装置と、前記収集装置からの光束をコリメートするためのコリメータレンズとを備え、
前記収集装置は、第1の光が通る第1の領域と、第2の光が通る第2の領域とを備え、前記第2の領域の合成焦点距離と前記第1の領域の合成焦点距離との比は前記所定値以下にされることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項4】
前記収集装置の第1の領域は、前記レーザ光源の出射光路に位置する第1の収集レンズを含み、一部の第1の収集レンズは第1の光を集光し、前記収集レンズの第2の領域は、第1の収集レンズを通る第2の光の出射光路に位置し、前記第2の光を集光するための第2の収集レンズを含むことを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項5】
前記収集装置は、前記レーザ光源に面する第1の面と、第1の面に対向し、第2の光を透過出射し、第1の光を反射するフィルターフィルムが設けられた第2の面とを含む集光レンズと、貫通孔を有し、前記レーザ光源の出射光路に位置し、その反射面が前記集光レンズの第2の面に面する反射カバーとを備え、
前記レーザ光源からの第1の光は、直接的に前記反射カバーに入射し、前記集光レンズの第1の面に反射され、再び前記コリメータレンズに反射され、
前記レーザ光源からの第2の光は、直接的に前記集光レンズに入射し、前記コリメータレンズに収集され、
前記コリメータレンズの出射光は、前記反射カバーの貫通孔から出射されることを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項6】
前記発光装置は、光均一棒を含み、前記収集レンズは、第1の集光レンズと、前記第1の集光レンズと前記第1の集光レンズの焦点との間に位置し、前記第1の集光レンズに面する第1の面と、第1の面に対向し、第2の光を透過出射し、第1の光を反射するフィルターフィルムが設けられた第2の面とを含む第2の集光レンズとを備え、
第1のレーザアレイは、第1の集光レンズにおける、第2の集光レンズに背向する側に設けられ、第2のレーザアレイは、第2の集光レンズにおける、第1の集光レンズに背向する側に設けられ、且つ、第1のレーザアレイ及び第1の集光レンズがそれぞれ前記コリメータレンズに対応する光軸において、いずれも貫通孔が設けられ、前記光均一棒は、前記コリメータレンズの出射光路に位置し、順次に第1の集光レンズ及び第1のレーザアレイの貫通孔を通し、
第1のレーザアレイからの第1の光は、第1の集光レンズにより第2の集光レンズの第1の面に収集され、前記コリメータレンズに反射され、そして前記光均一棒に入射し、
第2のレーザアレイからの第2の光は、第2の集光レンズにより前記コリメータレンズに収集され、コリメートされた後、前記光均一棒に入射することを特徴とする請求項2又は3に記載の発光装置。
【請求項7】
前記レーザ光源の出射光における第1の光及び第2の光が、それぞれ通る前記光収集システムの異なる領域は同じ焦点距離を有し、
前記レーザ光源が出射した光束において、第2の光の発散角と第1の光の発散角との比は、前記所定値以下であることを特徴とする請求項1に記載の発光装置。
【請求項8】
前記レーザ光源は、さらに第1のコリメータレンズアレイ及び第2のコリメータレンズアレイを含み、前記第1、第2のコリメータレンズアレイにおける各コリメータレンズは、それぞれ第1、第2のレーザアレイにおける各レーザ光源と一対一で対応し、対応するレーザ光源が発した光をコリメートし、
コリメートされた第2の光の発散角とコリメートされた第1の光の発散角との比を前記所定値以下にするように、第2のコリメータレンズアレイにおける各コリメータレンズの焦点距離は、第1のコリメータレンズアレイにおける各コリメータレンズの焦点距離よりも大きくし、もしくは、
コリメートされた第2の光の発散角とコリメートされた第1の光の発散角との比を前記所定値以下にするように、第1のレーザアレイにおける各レーザ素子とそれに対応するコリメータレンズとのデフォーカス具合は、第2のレーザアレイにおける各レーザ素子とそれに対応するコリメータレンズとのデフォーカス具合よりも大きくし、もしくは、
コリメートされた第2の光の発散角とコリメートされた第1の光の発散角との比を前記所定値以下にするように、第1のレーザアレイにおける各レーザ素子が発した光の発散角は第2のレーザアレイにおける各レーザ素子が発した光の発散角よりも大きくすることを特徴とする請求項2又は7に記載の発光装置。
【請求項9】
第1の光の、前記レーザ光源内における伝播経路において、散光片又は複眼レンズペアが設けられ、且つ、前記散光片又は複眼レンズペアは、第2の光の伝播経路を避けていることを特徴とする請求項2又は7に記載の発光装置。
【請求項10】
前記発光装置は、前記光収集システムからの光束を均光するための光均一棒を含み、該光均一棒の、該光均一棒に垂直な方向における任意の断面はいずれも一致し、
前記レーザ光源は、発光領域及び非発光領域を含み、第1,第2レーザアレイは、いずれも該発光領域に位置し、
前記光収集システムは、反射集光装置及びコリメータレンズを含み、前記反射集光装置は前記レーザ光源からの出射光をフォーカスし、前記コリメータレンズに反射する集光領域及び非集光領域を含み、前記コリメータレンズは前記反射集光装置からの光束をコリメートし、前記光均一棒に出射し、
前記レーザ光源の非発光領域及び非集光領域は、前記レーザ光源の出射光の光軸に平行な同じ直線に位置し、且つ、前記光均一棒は、前記非発光領域及び/又は前記非集光領域を通っていることを特徴とする請求項2又は7に記載の発光装置。
【請求項11】
前記反射集光装置は、貫通孔を有する集光レンズ及び反射素子を含み、前記集光レンズの貫通孔は非集光領域であり、前記集光レンズの貫通孔以外の領域及び前記反射素子は、前記集光領域であり、
前記集光レンズの貫通孔以外の領域は、前記レーザ光源の出射光を集光し、前記反射素子は、前記集光レンズからの光束を前記コリメータレンズに反射し、
前記光均一棒は、前記集光レンズの貫通孔及び前記レーザ光源の非発光領域を通っていることを特徴とする請求項10に記載の発光装置。
【請求項12】
前記反射集光装置は、反射カバーであり、前記反射カバーの中間領域は、非集光領域であり、前記中間領域以外の領域は、集光領域であり、前記光均一棒は、前記レーザ光源の非発光領域を通っていることを特徴とする請求項10に記載の発光装置。
【請求項13】
前記反射集光装置は、反射素子及び貫通孔を有する反射カバーを含み、前記反射カバーの貫通孔は非集光領域であり、前記反射カバーの貫通孔以外の領域及び前記反射素子は、集光領域であり、
前記光均一棒は、前記反射カバーの貫通孔を通っていることを特徴とする請求項10に記載の発光装置。
【請求項14】
第3の反射素子は、前記レーザ光源の非発光領域に固定されていることを特徴とする請求項13に記載の発光装置。
【請求項15】
前記発光装置は、前記光収集システムからの光束を均光するための光均一棒を更に含み、該光均一棒の、該光均一棒に垂直な方向における任意の断面はいずれも一致することを特徴とする請求項1、2、3又は7に記載の発光装置。
【請求項16】
前記所定値は、0.3であることを特徴とする請求項1、2、3又は7に記載の発光装置。
【請求項17】
請求項1乃至16の何れか一つに記載の発光装置と、
前記発光装置からの第1の光を吸収することで被励起光を生成し、一方の側が励起光及び第1の光を受け取り、同じ側において、少なくとも一部の第1の光、及び少なくとも一部の被励起光又は被励起光と吸収されなかった励起光との少なくとも一部の混合光を出射する波長変換層を含む波長変換装置と、
前記発光装置からの第2の光を散射し、一方の側が第2の光を受け取り、同じ側において、少なくとも一部の第2の光を出射する散射層を含む散射装置と、
第1の領域を含む導光装置とを備え、
前記発光装置からの第2の光及び第1の光は第1の光通路から前記導光装置に入射し、少なくとも一部の第2の光は第1の領域に入射し、少なくとも一部の第1の光は前記導光装置の第1の領域以外の領域に入射し、前記導光装置の第1の領域以外の領域に入射した光は前記波長変換装置に導引され、前記導光装置の第1の領域に入射した光は前記散射装置に導引され、前記導光装置の第1の領域以外の領域は、前記波長変換装置からの被励起光及び前記散射装置からの第2の光を第2の光通路に導引して出射することを特徴とする光源システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は照明及び表示技術分野に関し、特に発光装置及び関連する光源システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
青色光を用いて黄色光蛍光体を励起することで黄色光を生成し、該黄色光を吸収されなかった青色光と混合することで白色光を生成することは従来技術の投影表示などの分野におけてよく用いられている白色光の光源方案である。このような光源方案において、445nmの青色レーザは、蛍光体を励起する効率が高いため、445nmの青色光レーザは励起光源としてよく用いられている。但し、445nmの青色光の色は、紫色ぽいため、直接的に投影表示に用いられることに適しない。よって、一つの改良方案においては、445nmの青色光レーザを用いて黄色光蛍光体を励起することで黄色被励起光を生成し、462nmの青色光レーザを用いて該黄色被励起光とを光合成することで白色光を生成する。
【0003】
図1に示されたように、図1は従来技術における一つの光源システムの構造概念図である。光源システムは第1の発光装置10、第2の発光装置20、波長変換装置30及び光収集システム40を含む。第1の発光装置10は第1のレーザアレイ101及び集光レンズ102を含む。第1のレーザアレイ101は複数のレーザ素子を含み、445nmの青色レーザを生成する。第1のレーザアレイ101が発した光は集光レンズ102により収集された後、出射する。第2の発光装置2は第2のレーザアレイ201及び集光レンズ202を含む。該第2のレーザアレイ201が発した光は集光レンズ202により収集された後、出射する。
【0004】
光収集システム40はフィルター401及び収集レンズ402を含み、ここで、該フィルター401は青色光を透過出射し、黄色光を反射する。第1の発光装置10及び第2の発光装置20が発した光はそれぞれ該フィルター401の両側から入射し、ここで、第1の発光装置10が発した光は順次にフィルター401及び収集レンズ402を透過出射した後、波長変換装置30に入射する。波長変換装置30は波長変換層を含み、該波長変換層は黄色蛍光体を含み、第1の発光装置10からの青色レーザを吸収し、黄色被励起光を生成する。該黄色被励起光は収集レンズ402により収集された後、フィルター401に入射し、フィルター401に反射され、フィルター401に透過出射された第2の発光装置20が発した光と1束の光に光合成して出射する。
【0005】
レーザはガウス分布であり、被励起光はランバーシアン分布であるため、第2の発光装置20が発した光と黄色被励起光との合成光を均一にするために、第2の発光装置20はさらに集光レンズ202の出射光路に位置し、集光レンズ202により出射された青色光レーザを均光するための光均一棒203を含む。それとともに、第1の発光装置10の発した光が波長変換装置30において形成した光スポットの光パワー密度を均一にし、励起効率を向上させるために、第1の発光装置10は集光レンズ102の出射後の光路に位置し、集光レンズ102により出射された青色光レーザを均光するための光均一棒103を更に含む。
【0006】
該光源システムに含まれた光学素子が多いため、光源システムの構造は大きくなってしまう。一つの解決方案は、第1のレーザアレイ及び第2のレーザアレイを同じレーザアレイに合成し、一つの集光レンズ及び光均一棒を用いて該レーザアレイに対して収集及び均光を行う。但し、後続の光路において、波長分光の方法を用いて445nmの青色光及び462nmの青色光を分光すると、この二つの青色光の波長が近いため、フィルターのフィルター曲線の急峻度に対する要求が高くなり、コストが増加してしまう。
【発明の概要】
【0007】
本発明が主に解決しようとする技術課題は異なるエテンデューを有する2つの光束を生成する発光装置を提供することである。
【0008】
本発明の実施例は発光装置を提供し、該発光装置は、それぞれ波長範囲の異なる第1の光及び第2の光を生成するための第1のレーザアレイ及び第2のレーザアレイを含むレーザ光源と、前記レーザ光源アレイから発した光を収集し、収集された第2の光の発散角と第1の光の発散角との比を所定値以下にする光収集システムとを含み、ここで、該所定値は0.7である。
【0009】
好ましくは、前記光収集システムは収集装置及びコリメータレンズを含み、ここで、収集装置はレーザ光源からの光束を集光するための少なくとも一つの集光レンズを含み、該コリメータレンズは該収集装置からの光束をコリメートし、
前記収集装置は第1の領域及び第2の領域を含み、該第1の領域は第1の光が通る領域であり、第2の領域は第2の光が通る領域であり、ここで、第1の領域の合成焦点距離は第2の領域の合成焦点距離よりも大きく、且つ、前記レーザ光源の出射において、第1の光の発散角は第2の光の発散角よりも大きく、前記光収集システムにより収集された第2の光の発散角と第1の光の発散角との比を前記所定値以下にする。
【0010】
好ましくは、前記レーザ光源の出射光において、第1の光は第2の光と発散角が同じであり、
前記光収集システムは収集装置及びコリメータレンズを含み、ここで、収集装置はレーザ光源からの光束を集光するための少なくとも一つの集光レンズを含み、該コリメータレンズは該収集装置からの光束をコリメートし、
前記収集装置は第1の領域及び第2の領域を含み、該第1の領域は第1の光が通る領域であり、第2の領域は第2の光が通る領域であり、ここで、第2の領域の合成焦点距離と第1の領域の合成焦点距離との比は前記所定値以下である。
【0011】
好ましくは、前記収集装置の第1の領域は前記レーザ光源の出射光路に位置する第1の収集レンズを含み、ここで、一部の第1の収集レンズは第1の光を集光し、前記収集レンズの第2の領域は第1の収集レンズを通る第2の光の出射光路に位置する第2の収集レンズを含み、該第2の光を集光する。
【0012】
好ましくは、前記収集装置は集光レンズ及び貫通孔を有する反射カバーを含み、該集光レンズは前記レーザ光源に面する第1の面及び第1の面に対向する第2の面を含み、ここで、第2の面において第2の光を透過出射し、第1の光を反射するフィルターが設けられ、該反射カバーは前記レーザ光源の出射光路に位置し、その反射面は該集光レンズの第2の面に面し、
前記レーザ光源からの第1の光は直接的に前記反射カバーに入射し、前記集光レンズの第1の面に反射され、再び前記コリメータレンズに反射され、
前記レーザ光源からの第2の光は直接的に前記集光レンズに入射し、前記コリメータレンズに収集され、
前記コリメータレンズの出射光は該反射カバーの貫通孔から出射する。
【0013】
好ましくは、前記発光装置は光均一棒を含み、前記収集レンズは第1の集光レンズ及び第2の集光レンズを含み、第2の集光レンズは第1の集光レンズと第1の集光レンズの焦点との間に位置し、第2の集光レンズは第1の集光レンズに面する第1の面及び第1の面に対向する第2の面を含み、ここで、第2の面において第2の光を透過出射し、第1の光を反射するフィルターが設けられ、
第1のレーザアレイは第1の集光レンズにおける、第2の集光レンズに背向する側に設けられ、第2のレーザアレイは第2の集光レンズにおける、第1の集光レンズに背向する側に設けられ、且つ、第1のレーザアレイ及び第1の集光レンズがそれぞれ前記コリメータレンズに対応する光軸において、いずれも貫通孔が設けられ、該光均一棒は前記コリメータレンズの出射光路に位置し、順次に第1の集光レンズ及び第1のレーザアレイの貫通孔を通し、
第1のレーザアレイからの第1の光は第1の集光レンズにより第2の集光レンズの第1の面に収集され、前記コリメータレンズに反射され、そして前記光均一棒に入射し、
第2のレーザアレイからの第2の光は第2の集光レンズにより前記コリメータレンズに収集され、コリメートされた後、前記光均一棒に入射する。
【0014】
好ましくは、前記レーザ光源の出射光における第1の光及び第2の光が、それぞれ通る前記光収集システムの異なる領域は同じ焦点距離を有し、
前記レーザ光源が出射した光束において、第2の光の発散角と第1の光の発散角との比は前記所定値以下である。
【0015】
好ましくは、前記レーザ光源はさらに第1のコリメータレンズアレイ及び第2のコリメータレンズアレイを含み、ここで、第1、第2のコリメータレンズアレイにおける各コリメータレンズはそれぞれ第1、第2のレーザアレイにおける各レーザ光源と一対一で対応し、対応するレーザ光源が発した光をコリメートし、
第2のコリメータレンズアレイにおける各コリメータレンズの焦点距離は第1のコリメータレンズアレイにおける各コリメータレンズの焦点距離よりも大きくすることで、コリメートされた第2の光の発散角とコリメートされた第1の光の発散角との比を前記所定値以下にし、もしくは、
第1のレーザアレイにおける各レーザ素子とそれに対応するコリメータレンズとのデフォーカス具合は第2のレーザアレイにおける各レーザ素子とそれに対応するコリメータレンズとのデフォーカス具合よりも大きくすることで、コリメートされた第2の光の発散角とコリメートされた第1の光の発散角との比を前記所定値以下にし、もしくは、
第1のレーザアレイにおける各レーザ素子が発した光の発散角は第2のレーザアレイにおける各レーザ素子が発した光の発散角よりも大きくすることで、コリメートされた第2の光の発散角とコリメートされた第1の光の発散角との比を前記所定値以下にする。
【0016】
好ましくは、第1の光の、前記レーザ光源内における伝播経路において、散光片又は複眼レンズペアが設けられ、且つ、該散光片又は複眼レンズペアは第2の光の伝播経路を避けている。
【0017】
好ましくは、前記発光装置は前記光収集システムからの光束を均光するための光均一棒を含み、該光均一棒の、該光均一棒に垂直な方向における任意の断面はいずれも一致し、
前記レーザ光源は発光領域及び非発光領域を含み、ここで、第1、第2レーザアレイはいずれも該発光領域に位置し、
前記光収集システムは反射集光装置及びコリメータレンズを含み、該反射集光装置は集光領域及び非集光領域を含み、該集光領域は前記レーザ光源からの出射光をフォーカスし、該コリメータレンズに反射し、該コリメータレンズは該反射集光装置からの光束をコリメートし、該光均一棒に出射し、
前記レーザ光源の非発光領域及び非集光領域は前記レーザ光源の出射光の光軸に平行な同じ直線に位置し、且つ、前記光均一棒は前記非発光領域及び/又は前記非集光領域を通っている。
【0018】
好ましくは、前記反射集光装置は貫通孔を有する集光レンズ及び反射素子を含み、前記集光レンズの貫通孔は非集光領域であり、前記集光レンズの貫通孔以外の領域及び該反射素子は前記集光領域であり、
前記集光レンズの貫通孔以外の領域は前記レーザ光源の出射光を集光し、該反射素子は前記集光レンズからの光束を前記コリメータレンズに反射し、
前記光均一棒は前記集光レンズの貫通孔及び前記レーザ光源の非発光領域を通っている。
【0019】
好ましくは、前記反射集光装置は反射カバーであり、該反射カバーの中間領域は非集光領域であり、該中間領域以外の領域は集光領域であり、前記光均一棒は前記レーザ光源の非発光領域を通っている。
【0020】
好ましくは、前記反射集光装置は反射素子及び貫通孔を有する反射カバーを含み、該反射カバーの貫通孔は非集光領域であり、該反射カバーの貫通孔以外の領域及び該反射素子は集光領域であり、
前記光均一棒は前記反射カバーの貫通孔を通っている。
【0021】
好ましくは、第3の反射素子は前記レーザ光源の非発光領域に固定されている。
【0022】
好ましくは、前記発光装置は前記光収集システムからの光束を均光し、垂直な方向における任意の断面がいずれも一致する光均一棒を更に含む。
【0023】
好ましくは、前記所定値は0.3である。
【0024】
本発明の実施例はさらに光源システムを提供し、該光源システムは、上述した発光装置と、
前記発光装置からの第1の光を吸収することで被励起光を生成し、一方の側が前記励起光及び第1の光を受け取り、同じ側において、少なくとも一部の第1の光、及び少なくとも一部の被励起光又は被励起光と吸収されなかった励起光との少なくとも一部の混合光を出射する波長変換層を含む波長変換装置と、前記発光装置からの第2の光を散射し、一方の側が第2の光を受け取り、同じ側において、少なくとも一部の第2の光を出射する散射層を含む散射装置と、第1の領域を含む導光装置とを備え、
前記発光装置からの第2の光及び第1の光は第1の光通路から該導光装置に入射し、少なくとも一部の第2の光は第1の領域に入射し、少なくとも一部の第1の光は該導光装置の第1の領域以外の領域に入射し、該導光装置の第1の領域以外の領域に入射した光は前記波長変換装置に導引され、該導光装置の第1の領域に入射した光は前記散射装置に導引され、該導光装置の第1の領域以外の領域は、前記波長変換装置からの被励起光及び前記散射装置からの第2の光を第2の光通路に導引して出射する。
【発明の効果】
【0025】
従来技術と比べ、本発明は下記の有益な効果を有する。
【0026】
本発明において、発光装置における光収集システムが出射した第1の光と第2の光との発散角の比は0.7以下であり、該2つの光のエテンデューは大きく異なるため、発光装置の後続の光路において該2つの光束のエテンデューの差を用いて、該2つの光を分光することができる。
【図面の簡単な説明】
【0027】
図1図1は従来技術における光源システムの構造概念図である。
図2A図2Aは本発明における光源システムにかかる一つの実施例の構造概念図である。
図2B図2B図2Aに示した光源システムにおける第1の収集レンズの右側面図である。
図3図3図2Aに示した光源システムにおける発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。
図4A図4Aは本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。
図4B図4Bは本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。
図5図5は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。
図6図6は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。
図7図7は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。
図8図8は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。
図9図9は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。
【発明を実施するための形態】
【0028】
明確に説明するために、以下に記載した「合成焦点距離」は各光学素子からなる光学システムの等価焦点距離を指す。
【0029】
以下、図面及び実施形態と合わせて、本発明の実施例について詳しく説明する。
【0030】
実施例1
図2Aを参照し、図2Aは本発明における光源システムにかかる一つの実施例の構造概念図である。光源システムは発光装置1、導光装置2、散射装置3及び波長変換装置4を含む。
【0031】
発光装置1はレーザ光源11、光収集システム12及び光均一棒13を含む。レーザ光源11は発光方向が一致する、それぞれ波長範囲が異なる第1の光及び第2の光を生成するための第1のレーザアレイ111及び第2のレーザアレイ112を含む。本実施例において、第1の光は波長が440nm〜460nm範囲内の青色レーザであり、第2の光は波長が460nm〜480nm範囲の青色レーザである。第1のレーザアレイ111及び第2のレーザアレイ112は同じ平面に配列され、ここで、第1のレーザアレイ111は第2のレーザアレイ112を取り囲み、且つ、該二つのレーザアレイにおける各レーザ素子が発した光の発散角は一致する。当然ながら、実際の運用の中では、第1、第2のレーザアレイは同じ平面に配列されなくてもよい。
【0032】
レーザ素子が発した光は一定の発散角を有するため、レーザ光源11はさらに第1のコリメータレンズアレイ113及び第2のコリメータレンズアレイ114を含み、ここで、第1、第2のコリメータレンズアレイにおける各コリメータレンズはそれぞれ第1、第2のレーザアレイにおける各レーザ光源と一対一で対応し、対応するレーザ光源が発した光をコリメートする。実際の運用の中では、コリメータレンズによりコリメートされたレーザ光束は厳密的に平行光束ではなく、一定の発散角を有する光束であり、当然ながら、該発散角はレーザ素子が発した光の発散角よりも小さい必要がある。但し、光スポットの輝度に対する要求がそれほど高くないときに、コリメータレンズアレイは設けられなくてもよい。
【0033】
光収集システム12は収集装置及びコリメータレンズ123を含み、ここで、該収集装置は第1の領域及び第2の領域を含み、該第1の領域は第1の光が通る領域であり、第2の領域は第2の光が通る領域である。
【0034】
本実施例において、収集装置は第1の収集レンズ121及び第2の収集レンズ122を含み、それぞれは第1の領域及び第2の領域である。該二つのレンズはいずれも凸レンズである。図2Bに示されたように、図2B図2Aに示した光源システムにおける第1の収集レンズの右側面図である。第1の収集レンズ121はレーザ光源11の出射光路に位置し、且つ、第1の収集レンズ121の、第2の光の伝播経路に対応する箇所に貫通孔121aが設けられ、レーザ光源11が発した光において、第1の光は第1の収集レンズ121により収集され、第2の光は直接的に第1の収集レンズ121の貫通孔121aを通る。第2の収集レンズ122の焦点距離(f2と記し、すなわち、第2の領域の合成焦点距離)は第1の収集レンズ121の焦点距離(f1と記し、すなわち、第1の領域の合成焦点距離)よりも小さい。本実施例において、f2/f1は0.3以下である。第2の収集レンズ122は第1の収集レンズ121を通る第2の光の伝播経路に位置し、第2の光を収集し、且つ、第1、第2の収集レンズの焦点は重なっている。
【0035】
コリメータレンズ123は第2の収集レンズ122の出射光路に位置し、それぞれ第1、第2の収集レンズにより収集された第1、第2の光をコリメートし、ここで、該コリメータレンズ123の焦点距離はf3と記される。コリメータレンズ123によりコリメートされた光束は光均一棒13に入射し、均光され、ここで、該光均一棒13に垂直な方向における任意の断面はいずれも一致する。
【0036】
レーザ光源11の出射光は複数の小さい光束からなり、ここで、各小さい光束は一つのレーザ素子が発した光であり、各小さい光束は互いに平行しており、各小さい光束の内部において一定の発散角を有する。該出射光における、第1の光及び第2の光はそれぞれ異なる収集レンズ及び同じコリメータレンズによりコリメートされた後、各小さい光束の発光面は圧縮される。エテンデュー保存からわかるように、各小さい光束の発散角は増大するが、第1の光における各小さい光束の発散角の増大倍数はf1/f3であり、第2の光における各小さい光束の発散角の増大倍数はf2/f3である。第1の光及び第2の光が光均一棒13に入射するときに、いずれもコリメータ光束であるため、該2つの光のそれぞれの発散角はそれぞれ該2つの光における小さい光束の発散角に等しい。本実施例において、f2/f1は0.3以下であるため、光収集システム12が出射した光における第2の光と第1の光との発散角の比は0.3以下である。
【0037】
光均一棒13の、該光均一棒13に垂直な方向における任意の断面はいずれも一致し、光束は光均一棒13により均光された後、単に面分布が変化し、角分布が変化しないため、第2の光及び第1の光の、光均一棒13により均光された発散角の比は依然として0.3以下である。該2つの光の発散角は差がこれほど大きく、これにより、後続の光路上において、該2つの光のエテンデューを用いて該2つの光を分光することができる。
【0038】
光収集システム12における第1、第2の収集レンズを通った後、各小さい光束は単に一つのスポットにフォーカスし、各小さい光束からなる大きい光束の発散角は大きいが、各小さい光束内部の発散角は依然として小さい。第1、第2の収集レンズが出射した光は直接的に光均一棒13内に入射し、均光されると、各小さい光束は光均一棒13内において複数回反射された後、出射時の内部発散角が依然として非常に小さく、各小さい光束からなる大きい光束は、発散角が依然として大きい。よって、光均一棒13の出光口のある面に形成された光スポットは依然として複数の互いに独立した小光スポットであり、1つの均一で完全な大きい光スポットではない。また、該大きい光束の発散角は大きく、後続の収集に不利である。
【0039】
従って、光収集システム12において、さらにコリメータレンズ123を含むことが好ましい。第1、第2の収集レンズの出射光はコリメータレンズ123によりコリメートされた後、異なる小さい光束間はコリメートされているが、小さい光束内の発散角はかえって大きくなる。よって、光均一棒13により均光された大きい光束の発散角は小さく、該大きい光束における各小さい光束の発散角は大きく、これにより、光均一棒13の出光口がある面に形成された光スポットは、照度が均一な1つの完全な大きい光スポットである。光均一棒13が出射した第1の光及び第2の光の発散角は、コリメータレンズ123がないときに比べ、より小さく、後続の光路に用いられるのに有利である。
【0040】
導光装置2は第1のフィルター21及び第1の反射素子22を含み、ここで、第1のフィルター21は第1の光及び第2の光を透過出射して被励起光を反射し、第1の反射素子22は第2の光を反射する。本実施例において、具体的に、第1の反射素子22は小さいフィルターであり、第1の光を透過出射し、第2の光を反射する。第1の反射素子22は導光装置2の第1の領域において設けられ、本実施例において、該第1の領域は第1のフィルター21の中心領域である。
【0041】
光均一棒13の出射光は第1の光通路から導光装置2に入射する。便利さを図り、且つ後続の光路における該2つの光の利用率を向上させるために、光均一棒13の出射光路において、光均一棒13の出射光をコリメートするためのコリメータレンズ14が更に設けられることが好ましい。第1の光及び第2の光は光均一棒13から出射するとき、該2つの光の発光面がいずれも光均一棒13の出光口の面積に等しく、且つ、第2の光の発散角と第1の光の発散角との比が0.3以下であるため、光均一棒13の出射光がコリメータレンズ14によりコリメートされたコリメータ光束におけるその光軸に垂直な任意の断面において、第1の光及び第2の光が形成した光スポットはいずれも該光軸を中心とし、且つ、第2の光が形成した光スポットの口径は第1の光が形成した光スポットの口径よりも小さい。該光均一棒13の出射光における第2の光と第1の光との発散角の比は小さいほど、第2の光が形成した光スポットは第1の光が形成した光スポットに対して小さくなる。
【0042】
コリメータレンズ14によりコリメートされた光束は導光装置4に入射し、ここで、該コリメータ光束の中間における一部の光束(第1の光及び第2の光を含み)は第1のフィルター21の中間領域に入射し、すなわち、第1の反射素子22に入射し、散射装置3に反射され、残りの光束(すなわち、第1の光)は第1のフィルター21の第1の反射素子22以外の領域に入射し、波長変換装置4まで透過出射される。容易にわかるように、光均一棒13の出射光における第2の光と第1の光との発散角の比は小さいほど、第1の反射素子22は第1のフィルター21に比べ、面積が小さくなってもよい。
【0043】
実際の運用の中では、第1の反射素子22は反射鏡又は偏光板であってもよく、第2の光を散射装置3に反射することができればよい。第1のフィルター21の第1の位置において一つの貫通孔を設けることができ、第1の反射素子22が該貫通孔内に固定される。加工を便利にするため、直接的に第1の反射素子22を第1のフィルター21の第1の領域に積層固定することが好ましい。第1の反射素子22は第1のフィルター21の、レーザ光源11に背向する側又は面する側に固定することができるが、後者は好ましく、これにより、第2の光が第1の反射素子22により反射される前後に第1のフィルター21を通ることによる光の損失を避けることができる。
【0044】
散射装置3は積層設置された散射層31及び反射基板32を含む。散射層31は対向する第1の表面及び第2の表面を含み、ここで、第2の表面は反射基板32に接し、第1の表面は導光装置2からの光束を受け取り、同じ側において散射装置3に散射された光束を出射する。当然ながら、散射層31が十分に厚い場合、反射基板32がなくても、大部分の光束を第1の表面から出射することができる。
【0045】
波長変換装置4は積層設置された波長変換層41及び反射基板42を含む。波長変換層41は対向する第1の表面と第2の表面を含み、ここで、第1の表面は反射基板42に背向し、第1の光を受け取る。波長変換層41において、波長変換材料が設けられ、導光装置2からの第1の光を吸収し、第1の表面から被励起光又は被励起光と吸収されなかった励起光との混合光を出射する。当然ながら、波長変換層41が十分に厚い場合、反射基板42がなくても、大部分の被励起光又は被励起光と吸収されなかった励起光との混合光を第1の表面から出射することができる。本実施例において、波長変換材料は、具体的に、励起光を受け取って黄色被励起光に変換して出射する黄色光波長変換材料であり、ここで、該被励起光はランバーシアン分布をなしている。実際の運用の中では、波長変換材料は蛍光体、量子点又は蛍光染料など、波長変換能力を有する材料であってもよく、該波長変換材料はその他の色の波長変換材料であってもよい。
【0046】
散射装置3及び波長変換装置4が出射した光はそれぞれ収集レンズ23、24により収集された後、それぞれ導光装置2の両側から入射し、ここで、被励起光は第1のフィルター21に反射され、第2の光通路から出射し、波長変換装置4に吸収されなかった第1の光は第1のフィルター21を透過出射し、損失される。散射装置3が出射する散射された光束における、第1の反射素子22に入射した光は反射され、損失され、第1のフィルター21における、第1の反射元件22以外の領域に入射した光束は導光装置4を透過出射し、被励起光と1束の合成光に合成し、第2の光通路から出射する。散射装置3が出射した光束における、第1の反射素子22の反射による損失される光をできる限り小さくするために、第1の反射素子22の面積は第1のフィルター21の面積の10%よりも小さいことが好ましい。
【0047】
本実施例において、光均一棒13が出射した光において、第1の光と第2の光とのエテンデューの差が大きいため、導光装置4は該両者のエテンデューの差を用いて分光することができ、このように、導光装置4における第1の反射素子22は第1のフィルター21に対して小さく、散射装置により散射される前の第2の光と散射された後の第2の光とのエテンデューの差を用いて該2束の光の光路を区分けすることができる。それとともに、導光装置4はさらに第2の光と被励起光との波長の違いを用いて、該2束の光を光合成し、光源システム全体の構造をコンパクトにし、体積を小さくする。
【0048】
本実施例において、散射装置3の出射光が導光装置2に入射するとき、第1の反射素子22に反射されることにより、損失される光束をできる限り小さくするために、第1の反射素子22の面積はできる限り小さいことが好ましい。このように、光均一棒13の出射光における第2の光はすべて第2の反射素子22に入射できると保障するために、該出射光における第2の光と第1の光との発散角の比は0.3以下であることが好ましい。ところで、実際の運用の中では、励起光の励起効率に対する要求がそれほど高くない場合、一部の第2の光は第1のフィルター21における第1の反射素子22以外の領域に入射し、波長変換装置4まで透過出射し、波長変換材料を励起することができる。この場合、光均一棒13から出射した第2の光と第1の光との発散角の比は小さい範囲内に制御しなくてもよく、該比は0.3よりも大きくても良い。該2束の光のエテンデューの差を用いて分光できるようにするために、光均一棒13から出射するとき、第2の光と第1の光との発散角の比は0.7以下である。
【0049】
本実施例において、第1の光及び第2の光はまず光均一棒により均光され、そしてそれぞれ波長変換装置及び散射装置に入射し、これにより、第1の光が波長変換層に形成した光スポットをより均一にし、第1の光の励起効率を向上させ、第2の光は光均一棒によりデコヒーレンス・均光され、散射装置によりそれを散射する効果をよりよくする。ところで、発光装置が出射した第1の光及び第2の光の均一度に対する要求がそれほど高くない場合、光均一棒13を省略することもでき、これにより、発光装置1においてコリメータレンズ123により出射された光束は直接的に導光装置2に入射する。
【0050】
もしくは、発光装置における光均一棒の代わりに、複眼レンズペアを用いても良い。それとともに、光束が該複眼レンズペアにより均光された後、出射するとき、第1の光と第2の光とのエテンデューの差を大きくするために、レーザ光源11における、第2のレーザアレイの発光面積と第1のレーザアレイの発光面積との比は0.3以下であり、第2の光及び第1の光がそれぞれ該複眼レンズペアに形成した光スポット面積の比を0.3以下とし、さらに該複眼レンズペアがそれぞれ出射した該第2の光及び第1の光の出射光スポットの面積の比は0.3以下である。該複眼レンズペアが出射した第1の光及び第2の光の発散角は、一致するが、発光面の違いが大きいため、該2束の光のエテンデューの差を用いて該2束の光を分光することができる。
【0051】
本実施例において、光収集システム12におけるコリメータレンズ123は凹レンズであってもよい。コリメータレンズ123は凸レンズが用いられるとき、光収集システム12において、第1の収集レンズ121とコリメータレンズ123との間の距離はこの二つのレンズの焦点距離の和である。コリメータレンズ123は凹レンズが用いられるとき、第1の収集レンズ121とコリメータレンズ123との間の距離はこの二つのレンズの焦点距離の差であるため、光収集システム12において光路をより短くすることができる。
【0052】
本実施例において、第1の収集レンズ121において貫通孔が設けられなくてもよい。このように、レーザ光源11が発した光における第2の光は順次に第1の収集レンズ121及び第2の収集レンズ122により収集された後、コリメータレンズ123によりコリメートされ、すなわち、光収集システムにおける収集装置の第2の領域は第1の収集レンズ121及び第2の収集レンズ122を含む。これにより、第2の光が光収集システム12を通った後、発散角の増大の倍数は第2の領域の合成焦点距離とコリメータレンズ123の焦点距離との比であり、すなわち、第1の収集レンズ121と第2の収集レンズ122との合成焦点距離がコリメータレンズ123の焦点距離との比である。
【0053】
そのため、第1の収集レンズ121及び第2の収集レンズ122のそれぞれの焦点距離と合成焦点距離を設定することにより、光収集システム12を通った第2の光と第1の光との発散角の比を変更することができる。第1の収集レンズ121と第2の収集レンズ122との合成焦点距離は第1の収集レンズ121の焦点距離よりも大きい場合、レーザ光源11において、第2のレーザアレイは第1のレーザアレイを取り囲み、且つ、第1のレーザアレイが発した光は順次に第1の収集レンズ及び第2の収集レンズにより収集され、第2のレーザアレイが発した光は単に第1の収集レンズ121を通る。
【0054】
本実施例において、第1のレーザアレイ111と第2のレーザアレイ112との位置関係は前者が後者を取り囲まず、並列に配置されてもよい。図3に示されたように、図3図2Aに示した光源システムにおける発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。図2Aに示した実施例における発光装置と相違することは、本実施例において、第1のレーザアレイ111と第2のレーザアレイ113とは並列に配置されている。光収集システム12における第1の収集レンズ124及び第2の収集レンズ125はそれぞれ第1のレーザアレイ111及び第2のレーザアレイ112の出射光路に位置し、それに対応するレーザアレイが発した光をコリメータレンズ123に収集する。
本実施例において、第1の収集レンズ124及び第2の収集レンズ125の焦点とコリメータレンズ123の焦点とは、位置がいずれも同じである。上記の説明からわかるように、光収集システム12を通った第2の光と第1の光との発散角の比は第2の収集レンズ125の焦点距離と第1の収集レンズ124の焦点距離との比に等しく、そのため、本実施例における第2の収集レンズと第1の収集レンズとの焦点距離の比は依然として0.7以下である。
【0055】
図3に示した発光装置において、光収集システムにおける第1の収集レンズ124、第2の収集レンズ125及びコリメータレンズ123はいずれも共焦点である。実際の運用の中では、第1の及び/或第2の収集レンズはコリメータレンズと共焦点でなくてもよい。収集レンズがコリメータレンズとデフォーカスするとき、コリメータレンズが出射した光束の発散角は大きくなり、そのため、光収集システムにおける第1、第2の収集レンズは焦点距離が一致するレンズを用いることもでき、ここで、第2の収集レンズ125はコリメータレンズ123と共焦点であり、第1の収集レンズ124の焦点はコリメータレンズ123の焦点にずれており、ここで、具体的にずれる程度はコリメータレンズ123を通った第1の光の発散角の具体的な大きさに定められ、コリメータレンズ123を通った第2の光の発散角と第1の光の発散角との比は0.7以下であると保障すればよい。もしくは、同時に第1、第2の収集レンズの焦点距離が違うこと及び第1の収集レンズがコリメータレンズとデフォーカスすることを組み合わせ、コリメータレンズを通った後、第2の光と第1の光との発散角の差を大きくすることができる。
【0056】
いくつかの場合において、第1のレーザアレイは第2のレーザアレイと必要なレーザ素子の数の差が大きいため、第1と第2の収集レンズとの口径の差も大きく、第1の収集レンズは第2の収集レンズと共焦点である必要があり、且つ、該焦点は第1,第2の収集レンズ間における光軸に位置し、これにより、第1の光が第1の収集レンズにより屈折されるとき、折り曲げ角度を大きくし、光の損失が大きく、また、第1のレーザアレイの数が多いとき、第1の収集レンズの口径は相対的に大きく、焦点距離が大きいことにより、光路が長くなる。この問題について、図4A及び図4Bに示した実施例はそれぞれ一つの解決方法を提供する。
【0057】
図4Aに示されたように、図4Aは本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。発光装置はレーザ光源11、光収集システム及び光均一棒13を含む。本実施例が図3に示した実施例との相違点は以下のとおりである。
【0058】
光収集システムは収集装置及びコリメータレンズ123を含む。本実施例において、収集装置は反射カバー126及び集光レンズ127を含む。第1のレーザアレイ111は第2のレーザアレイ112を取り囲んで、配置されている。集光レンズ127はレーザ光源11が発した光における第2の光の出射光路に位置し、第1の光の出射光路を避けており、該第2の光を収集する。集光レンズ127は対向する第1の面127aと第2の面127bを含み、ここで、第1の面127aはレーザ光源11に向けており、且つ、第2の面127bにおいてさらに第2の光を透過出射し、第1の光を反射するフィルターがメッキされている。コリメータレンズ123は該集光レンズ127の出射光路に位置し、集光レンズ127により出射された光束をコリメートする。
【0059】
反射カバー126はレーザ光源11の出射光路に位置し、且つ、集光レンズ127の第2の面127bに向けた一方の側に位置する。本実施例において、該反射カバー126はアルミ反射板であってもよく、又は反射膜がメッキされた凹面鏡であってもよい。反射カバー126の反射面はレーザ光源11に向けており、集光レンズ127に対応する出射光軸において貫通孔126aが設けられている。レーザ光源11が発した光において、第1の光は直接的に反射カバー126に入射し、反射され、集光レンズ127の第2の面127bに収集され、そして第2の面127bにコリメータレンズ123まで反射され、コリメートされる。光均一棒13はコリメータレンズ123の出射光路に位置し、反射カバー126における貫通孔126aを通し、コリメータレンズ123からのコリメータ光束を受け取り、均光する。
【0060】
上記の説明からわかるように、第2の光は順次に収集装置の第2の領域(すなわち、集光レンズ127の第1の面127a及び第2の面127b)及びコリメータレンズ123を通り、第1の光は順次に収集装置の第1の領域(すなわち、反射カバー126、集光レンズ127の第2の面127b)及びコリメータレンズ123を通っている。ここで、反射カバーと集光レンズ127の第2の面127bとの合成焦点距離はf5であり、集光レンズ127の焦点距離はf6であり、コリメータレンズ123の焦点距離はf3であると、第1の光の発散角は光収集システム12を通った後、増大の倍数はf5/f3であり、第2の光の発散角は光収集システム12を通った後、増大の倍数はf6/f3であり、第2の光及び第1の光が光均一棒13に入射するときの発散角の比が0.7以下であると保障するために、f6/f5は0.7以下である。
【0061】
本実施例において、レーザ光源が発した光において、第1の光は二つの反射面により収集されるが、第2の光は一つの収集レンズにより収集され、レーザ光源の第1のレーザアレイは第2のレーザアレイと数の差が大きい場合、本実施例において、反射カバーの焦点距離を変更することにより、該2束の光が収集システムを通った後の発散角の比を調整することができ、さらに、反射カバーと収集レンズの第2の面との連携により、第1の光のフォーカス過程は二つの光路に分けられ、且つ、この二つの光路間に重畳があり、光路を短くし、さらに発光装置の体積を小さくする。
【0062】
当然ながら、実際の運用の中では、光均一棒13は必ずしも反射カバー126における貫通孔126aを通すものではなく、これは光均一棒13の長さ及び反射カバー126の焦点距離により定められる。光均一棒13が反射カバー126を通すか、又は光均一棒13の出光口が反射カバー126の貫通孔に位置することが好ましく、反射カバー126の貫通孔126aが小さい場合でも、光均一棒13の出射光が反射カバー126に遮断されないようにする。
【0063】
図4Bに示されたように、図4Bは本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。発光装置はレーザ光源、光収集システム及び光均一棒13を含む。光収集システムは収集装置及びコリメータレンズ123を含む。本実施例が上記の実施例との相違点は以下のとおりである。
【0064】
本実施例において、レーザ光源における第1のレーザアレイ111及び第2のレーザアレイ112は同じ平面に位置していない。収集装置は第1の集光レンズ128及び第2の集光レンズ129を含む。
【0065】
具体的に、第1の集光レンズ128は貫通孔128aを有する凸レンズであり、貫通孔128a以外の非貫通孔領域128bは集光領域であり、該集光領域128bは光束をフォーカスすることができ、レーザ光束の断面積を小さくする。第1のレーザアレイ111の出射光は第1のコリメータレンズアレイ113によりコリメートされた後、直接的に第1の集光レンズ128の集光領域128bに入射する。
【0066】
第2の集光レンズ129の焦点距離(F2と記す)は第1の集光レンズ128の焦点距離よりも小さい。第2の集光レンズ129は対向する第1の面129a及び第2の面129bを含み、第1の集光レンズ128と該第1の集光レンズ128の焦点との間に位置し、ここで、第1の面129aは第1の集光レンズ128に向けており、且つ、第1の面129aに第1の光を反射し、第2の光を透過出射するフィルターがメッキされている。コリメータレンズ123は第1の集光レンズ128と第2の集光レンズ129との間に位置する。第1の集光レンズ128の出射光は直接的に第2の集光レンズ129の第1の面129aに入射し、反射され、フォーカスしたままコリメータレンズ123に入射し、コリメートされる。
【0067】
光均一棒13はコリメータレンズ123の出射光路に位置する。第1のレーザアレイ111及び第1のコリメータレンズアレイ113がコリメータレンズ123に対応する光軸においてそれぞれ貫通孔111a及び貫通孔113aが設けられている。光均一棒13は順次に第1の集光レンズ128における貫通孔128a、第1のコリメータレンズアレイ113の貫通孔113a及び第1のレーザアレイ111の貫通孔111aを通している。コリメータレンズ123によりコリメートされた第1の光は光均一棒13に入射し、均光された後、出射する。
【0068】
レーザ光源における第2のレーザアレイ112及びそれと一対一で対応する第2のコリメータレンズアレイ114は第2の集光レンズ129における、第1の集光レンズ128に背向する一方の側に位置し、第2のコリメータレンズアレイ114によりコリメートされた第2の光は直接的に第2の集光レンズ129の第2の面129bに入射し、コリメータレンズ123まで収集され、そしてコリメートされ、光均一棒13に出射し、均光される。
【0069】
上記の説明からわかるように、第2の光は順次に収集装置の第2の領域(すなわち、第2の集光レンズ129の第2の面129b及び第1の面129a)及びコリメータレンズ123を通り、第1の光は順次に収集装置の第1の領域(すなわち、第1の集光レンズ128の二つの面、第2の集光レンズ129の第1の面129a)及びコリメータレンズ123を通っている。ここで、第1の集光レンズ128と第2の集光レンズの第1の面129aとの合成焦点距離はF1であり、コリメータレンズの焦点距離はF3であると、第1の光の発散角が光収集システムを通った後、増大の倍数はF1/F3であり、第2の光の発散角が光収集システムを通った後、増大の倍数はF2/F3である。第2の光及び第1の光が光均一棒13に入射するときの発散角の比が0.7以下であると保障するために、F2/F1は0.7以下である。
【0070】
本実施例において、第1のレーザアレイ及び第2のレーザアレイは同じ平面に位置していないため、レーザ光源及び第1の集光レンズの幅を小さくすることができる。図4Aに示した実施例において、第1のレーザ光源アレイ及び第2のレーザアレイは同じ平面に位置しており、統一した放熱に有利であり、且つ、光均一棒はレーザ光源を通しておらず、レーザ光源の放熱装置の設置に有利である。
【0071】
実際の運用の中では、光収集システムが含む素子は図3,4A,4Bに示した実施例における例に限定されず、その他の素子であってもよく、レーザ光源が発した光において、第2の光及び第1の光がそれぞれ光収集システムにおける光学素子を通った後、発散角の増大の倍数の比が0.7以下であるようにできればよい。
【0072】
実施例2
実施例1において、発光装置のレーザ光源が発した光において第1の光及び第2の光の発散角は一致し、該2束の光がそれぞれ通る光収集システムにおける光学素子の違いにより、該2束の光が光均一棒に入射するときの発散角を変更し、該第2の光及び第1の光が光均一棒に入射するときの発散角の比が0.7以下であるようにする。本実施例において、第2の光及び第1の光がレーザ光源から出射するときの発散角の比が既に0.7以下であるようにする。レーザ光源が出射した光のコリメート性がよいため、第2の光及び第1の光の発散角は差があっても、この差は依然として小さいため、後続の光路における光収集システムにより、該2束の光の発散角を同等割合で拡大させる。以下、具体的に説明する。
【0073】
図5を参照し、図5は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。発光装置はレーザ光源21、光収集システム22及び光均一棒23を含む。
【0074】
本実施例が図4に示した実施例における発光装置との相違点は以下のとおりである。
【0075】
レーザ光源21は第1のレーザアレイ211と第2のレーザアレイ212、並びにそれぞれ第1,第2のレーザアレイに対応する第1のコリメータレンズアレイ213及び第2のコリメータレンズアレイ214を含み、ここで、該二つのレーザアレイにおける各レーザ素子が発した光の発散角は一致しているが、第2のコリメータレンズアレイ214における各コリメータレンズの焦点距離は第1のコリメータレンズアレイ213における各コリメータレンズの焦点距離よりも大きく、第2のコリメータレンズアレイ214により出射された第2の光の発散角と第1のコリメータレンズアレイ213により出射された第1の光の発散角との比が0.7以下であるようにする。
光収集システム22は順次にレーザ光源21の出射光路に位置する集光レンズ221及びコリメータレンズ222を含み、ここで、該二つのレンズは共焦点である。レーザ光源21が出射した光は集光レンズ221により収集された後、コリメータレンズ222によりコリメートされ、そして光均一棒23に入射する。上記の説明からわかるように、第1の光及び第2の光は光収集システム22を通った後、発散角はいずれも増大し、ここで、増大の倍数はいずれも集光レンズ221とコリメータレンズ222との焦点距離の比である。当然ながら、実際の運用の中で、集光レンズ221及びコリメータレンズ222の焦点は互いにずれてもよく、これにより、第1の光及び第2の光の発散角の増大の倍数をより大きくする。
【0076】
本実施例において、光収集システムにおける各レンズ又は反射カバーの焦点および焦点距離を制御する必要がなく、単にレーザ光源における各コリメータレンズを設定するため、実施例1に比べ、設定はより簡便になる。
【0077】
本実施例において、レーザ光源21において、第1のコリメータレンズアレイ213及び第2のコリメータレンズ214は同じコリメータレンズを用いることもできる。それとともに、第1のレーザアレイが第1のコリメータレンズアレイにおけるレンズとデフォーカスするように設定し、すなわち、第1のレーザアレイにおける各レーザ素子はそれに対応するコリメータレンズアレイにおけるコリメータレンズの光軸に位置し、且つ、該コリメータレンズの焦点の所定位置にずれており、第1のレーザアレイにおける各レーザ素子の発した光が第2のレーザアレイにおける各レーザ素子の発散角よりも大きい所定発散角を有するようにする。もしくは、以下のようにしてもよく、第1,第2のコリメータレンズアレイはいずれも同じコリメータレンズを用いて、且つ、いずれもデフォーカスすることはないが、第1のレーザアレイにおける各レーザ素子が発した光の発散角は第2のレーザアレイにおける各レーザ素子が発した光の発散角よりも大きく、コリメートされた第2の光の発散角とコリメートされた第1の光の発散角との比が0.7以下であるようにする。当然ながら、同時に発散角が異なるレーザ素子、デフォーカス設定、焦点距離が異なるコリメータレンズという三つの方法のうち少なくとも二つを用いてもよく、レーザ光源が発した光において第1の光と第2の光との発散角の差を大きくする。
【0078】
もしくは、本実施例において、レーザ光源21において第1のコリメータレンズアレイ213及び第2のコリメータレンズ214は同じコリメータレンズを用いてもよい。それとともに、レーザ光源内における第1の光の伝播経路に散光片又は複眼レンズペアが設けられ、且つ、該散光片又は複眼レンズペアは第2の光の伝播経路を避けており、このように、該両者は第1の光の発散角を増大させることができる。
【0079】
レーザ光源21の出光面が大きい場合、集光レンズ221の口径も十分に大きい必要があり、レーザ光源21の出射光をすべて収集するようにする。集光レンズ221の焦点距離は口径と関係があり、その口径は大きいほど、焦点距離は長くなり、発光装置における光路も長くなる。この問題について、図6に示した実施例において一つの解決方法が提供されている。図6に示されたように、図6は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。発光装置はレーザ光源21、光収集システム22及び光均一棒23を含む。
【0080】
本実施例が図5に示した実施例における発光装置との相違点は以下のとおりである。
【0081】
本実施例において、光収集システム22は集光レンズ221、第2の反射素子223及びコリメータレンズ222を含む。具体的に、集光レンズ221は貫通孔221aを含む凸レンズであり、貫通孔221a以外の非貫通孔領域221bは集光領域である。集光領域221bはレーザ光源21の出射光をフォーカスすることができ、レーザ光束の断面積を小さくする。
【0082】
本実施例において、具体的に、第2の反射素子223は一つの凸反射面を含む凸レンズ(例えば、凸レンズの表面に反射膜がメッキされている)である。該凸レンズ223は集光レンズ221と該集光レンズ221の焦点Oとの間に位置し、且つ、その凸反射面は集光レンズ221の出射光を反射し、反射光がフォーカスしたままの状態にする。コリメータレンズ222は凸レンズ223の出射光路に位置し、光束をコリメートする。
【0083】
それとともに、レーザ光源21において、集光レンズ221に対応する貫通孔221aにおいても貫通孔21aが設けられ、該貫通孔21aにおいて、レーザ素子及びコリメータレンズが設けられていない。光均一棒23の設置はそれが順次に集光レンズ221の貫通孔221a、レーザ光源21の貫通孔21aを通すようにし、且つ、光均一棒23の入光口はコリメータレンズ222に隣接し、コリメータレンズ222によりコリメートされた光束が光均一棒23に入射し、均光されるようにする。
【0084】
このように、集光レンズ221と凸レンズ223との連携により、光束のフォーカス過程は二つの光路に分けられ、且つ、この二つの光路間に重畳があり、そのため、本実施例における光収集システムはレーザ光源21の出射光のフォーカスに必要な距離を短くし、発光装置の体積を小さくする。
【0085】
図5に示した実施例において、光収集システム22における集光レンズ221はさらに反射曲面を用いて代えることができる。図7に示されたように、図7は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。発光装置はレーザ光源21、光収集システム22及び光均一棒23を含む。
【0086】
図5に示した実施例における発光装置と相違するのは、光収集システム22は反射集光装置224及びコリメータレンズ222を含む。本実施例において、具体的に、反射集光装置224は反射カバーであり、該反射カバーはアルミ反射板であってもよく、又は反射膜がメッキされた凹面鏡であってもよい。反射罩224はレーザ光源21の出射光路に位置し、レーザ光源21が発した光を反射し、収集する。コリメータレンズ222はレーザ光源21と反射カバー224との間に位置し、反射カバー224からの光束をコリメートする。
【0087】
それとともに、レーザ光源21は、コリメータレンズ222の出射光に対応する光軸において貫通孔21aが設けられ、該貫通孔21aにおいてレーザ素子及びコリメータレンズが設けられていない。光均一棒23はコリメータレンズ222の出射光路に位置し、レーザ光源21の貫通孔21aを通している。コリメータレンズ222によりコリメートされた光束は光均一棒23に入射し、均光され、出射する。
【0088】
本実施例において、反射カバーを用いることにより、光収集システム22における光路を折り畳み、光路を短くし、且つ、光均一棒23はレーザ光源21を通しており、光均一棒23における一部の光路がレーザ光源21と重畳するようにし、さらに発光装置における光路を短くし、発光装置の構造をよりコンパクトにし、体積をより小さくする。
【0089】
図7に示した実施例において、レーザ光源21の出光面が大きい場合、反射カバー224の面積も十分に大きい必要があり、レーザ光源21の出射光をすべて収集するようにし、これにより、反射カバー224の焦点距離を長くし、発光装置の体積を大きくする。この問題について、図8に示した実施例において、一つの解决方法が提供されている。図8に示されたように、図8は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。発光装置はレーザ光源21、光収集システム22及び光均一棒23を含む。
【0090】
本実施が図7に示した実施例との相違点は以下のとおりである。
【0091】
本実施例において、レーザ光源21に貫通孔が設けられていない。反射集光装置224は反射カバー225及び第3の反射素子226を含む。反射カバー225の中心領域に貫通孔225aが設けられ、該貫通孔225aは非集光領域であり、貫通孔225a以外の領域は集光領域225bである。反射カバー225はレーザ光源21の出射光路に位置し、レーザ光源21の出射光を反射し、フォーカスをする。
【0092】
本実施例において、具体的に、第3の反射素子226は反射鏡である。該反射鏡226は反射カバー225とレーザ光源21との間に位置し、且つ、反射カバー225と該反射カバー225の集光焦点との間に位置し、反射カバー225の出射光の光軸と垂直に設けられ、反射カバー225の出射光を反射し、反射光がフォーカスしたままの状態とする。
【0093】
コリメータレンズ222は反射鏡226と反射カバー225との間に位置し、反射鏡226からの光束を受け取り、コリメートする。コリメータレンズ222が出射したコリメータ光束が出射できるようにするために、光均一棒23はコリメータレンズ226の出射光路に位置し、反射カバー225の貫通孔225aを通しており、コリメータレンズ222からの光束を受け取り、均光し、そして出射する。
【0094】
このように、反射カバー225と反射鏡226との連携により、光束のフォーカス過程は二つの光路に分けられ、且つ、この二つの光路間に重畳があり、そのため、レーザ光源21の出射光のフォーカスに必要な距離を短くし、発光装置の体積を小さくする。反射鏡のメリットは構造が簡単で、コストが低いことにある。
【0095】
また、反射鏡226とレーザ光源21との距離が近いため、図8に示されたように、レーザ光源21と反射カバー225の出射光の光軸との交点の付近において、レーザ素子及びコリメータレンズが設けられなくてもよく、反射鏡226をレーザ光源21における、レーザ素子が設けられていない領域に固定し、反射鏡226が懸架しており、固定が難しい問題を解決するようにする。
【0096】
本実施例において、反射鏡226の位置がそのまま変わらない場合、自身が光を反射するフォーカス点の位置も固定されている。実際の運用の中では、第3の反射素子226は凹レンズ又は凸レンズを用いて代えることができ、該凹レンズ又は凸レンズは一つの反射面(例えば、表面に反射膜がメッキされている)を含む。反射鏡に対し、凸レンズが反射した光はより近い距離においてフォーカスすることができ、凹レンズが反射した光はより遠い距離においてフォーカスすることができ、且つ、凹レンズ及び凸レンズは、需要に応じて、自身の曲面が設定することができ、自身が光を反射するフォーカス点の位置遠近を制御するようにする。このように、反射鏡、凹レンズ又は凸レンズを選択することにより、反射光のフォーカス点の位置を制御し、さらにレーザ光源が出射した光が光収集システムを通った後、発散角の増大倍数を制御する。
【0097】
また、反射カバー225の寸法は大きいため、その反射光は明らかな収差が生じ、それは単独で反射カバー225の曲面を設定することにより、解消できないが、反射カバー225及び凹透鏡又は凸レンズの反射面を用いて、連携して収差を解消することができる。そのため、コストに対する要求がそれほど高くない場合、第3の反射素子は凹反射面を有する凹レンズ又は凸反射面を有する凸レンズであることが好ましい。説明しなければならないのは、凹反射面を有する凹レンズは凹反射面を有するアルミ反射板などを用いて代えることもでき、その凹反射面も同じ効果を奏することができ、同じように、凸反射面を有する凸レンズは凸反射面を有するアルミ反射板を用いて代えることもできる。
【0098】
また、説明しなければならないのは、本実施例において、光均一棒23の出光面は反射罩225の貫通孔225aより延出しており、このように、光均一棒23の挟持固定に有利である。本発明におけるその他の実施形態において、反射集光装置224及び光均一棒23を調整することにより、光均一棒23の出光面がちょうど反射カバー225の貫通孔225aに位置するようにし、これにより、発光装置全体の構造をコンパクトにすることができる。このとき、透明ガラス片を用いて光均一棒23の出光面を封止することもでき、これにより、一つの密封した空間を形成することができ、埃が内部に入ることを防止する。当然ながら、さらに反射集光装置224及び光均一棒23を調整することにより、光均一棒23の出光面が反射カバー225とレーザ光源21との間に位置するようにし、このとき、光収集システム22はさらに一つのレンズを含むことができ、該レンズは光均一棒23の出射光をコリメートし、又はフォーカスし、後続の光学素子が使用するためであり、且つ、該レンズは反射カバー225の貫通孔225aにおいて固定することができ、これにより、発光装置全体の構造をコンパクトにすることができる。
【0099】
実施例1において、第2の光及び第1の光はレーザ光源の出射光において同じ発散角を有し、そしてそれぞれ光収集システムにおける異なる素子を通り、該2束の光の発散角を異なる程度に拡大させ、光収集システムが出射した第2の光と第1の光との発散角の比が0.7以下であるようにする。実施例2において、第2の光及び第1の光は、レーザ光源の出射光における発散角の比がすでに0.7以下であり、そして光収集システムを通り、同等割合で拡大され、光収集システムが出射した第2の光と第1の光との発散角の比が0.7以下であるようにする。実際の運用の中では、実施例1及び実施例2においてそれぞれ用いられた方法を組み合わせることができ、すなわち、第2の光及び第1の光はレーザ光源の出射光において前者の発散角は後者の発散角よりも小さく、そして光収集システムを通り、異なる割合で拡大され、ここで、後者の拡大の倍数は前者の拡大の倍数よりも大きく、光収集システムが出射した第2の光と第1の光との発散角の比が0.7以下であるようにする。
【0100】
実施例3
実施例1及び実施例2において、レーザ光源が発した光は光収集システムにおける収集素子により収集された後、いずれもコリメータレンズに入射し、コリメートされる。このように、コリメータレンズの出射光において、第1の光及び第2の光における各小光束はいずれも互いに平行となり、そのため、第1の光及び第2の光の発散角はそれぞれ各自の内部における小光束の発散角である。ところで、実際の運用の中では、発光装置が出射した第1の光及び第2の光の均一度に対する要求がそれほど高くない場合、光収集システムにおいて、コリメータレンズが設けられなくてもよく、レーザ光源が発した光は収集された後、直接的に光均一棒に入射する。以下、具体的に説明する。
【0101】
図9を参照し、図9は本発明における発光装置にかかるもう一つの実施例の構造概念図である。発光装置はレーザ光源31、光収集システム及び光均一棒33を含む。
【0102】
本実施例が図5に示した実施例との相違点は以下のとおりである。
【0103】
レーザ光源31は第1のレーザアレイ311、第2のレーザアレイ312、第1のコリメータレンズアレイ313及び第2のコリメータレンズアレイ314を含み、ここで、第1のレーザアレイ311は第2のレーザアレイ312を取り囲んで配置され、第2のレーザアレイ312は光軸Mを取り囲んで配置され、第1、第2のコリメータレンズアレイにおける各コリメータレンズはそれぞれ第1、第2のレーザアレイにおける各レーザ素子と一対一で対応し、それに対応するレーザ素子が発した光をコリメートする。
【0104】
光収集システムは集光レンズ32を含み、レーザ光源31が発した光を光均一棒33内に収集し、均光し、ここで、集光レンズ31の光軸は光軸Mと重なっている。レーザ光源が発した光は集光レンズ31により収集された後、直接的に光均一棒33に入射するため、光均一棒の入光口において、第1の光の発散角はθである。レーザ光源31が発した光において光軸Mより最も遠い第1の光と光軸Mとの距離はL1であり、集光レンズ31の焦点距離はFであると、tanθ=L1/Fである。第2の光の発散角はαであり、レーザ光源31が発した光において光軸Mより最も遠い第2の光と光軸Mとの距離はL2であると、tanα=L2/Fである。
【0105】
そのため、本実施例において、それぞれ集光レンズ31に入射した第2の光及び第1の光の口径を制御することにより、発光装置の出射光において、第2の光及び第1の光の発散角の相違を制御する。本実施例において、α/θが0.7以下であるようにすると、arctan(L2/F)とarctan(L1/F)との比は0.7以下である。
【0106】
上記の例において、第1の光及び第2の光はそれぞれ波長範囲が異なる青色光である。当然ながら、実際の運用の中では、第1の光及び第2の光はその他の色の光であってもよく、上記の例に限定されない。
【0107】
上記の実施例の説明において、各発光装置はいずれも図2Aに示した光源システムに応用されている。ところで、実際の運用の中では、各発光装置はその他の場合に応用することもできる。例えば、第1の光は青色レーザであり、第2の光は赤色レーザである。発光装置の後続の光路において、小反射鏡を用いて発光装置が出射した光における第2の光を反射し、該2束の光を分光し、又は一つの貫通孔を有する反射鏡を用いて発光装置からの出射光を受け取り、ここで、第2の光は該反射鏡の貫通孔から透過して出射し、第1の光は該反射鏡の、貫通孔を除いた領域に反射され、該二つの光を分光するようにする。当然ながら、第1の光は赤色レーザであり、第2の光は青色レーザであってもよく、これは実際の需要に応じて定められる。
【0108】
本明細書における各実施例を累進の形式で説明し、各実施例については、主に他の実施例との違いを説明したが、各个実施例における同様又は類似の部分について、互いに参照すればよい。
【0109】
本発明の実施例はさらに投影システムを提供し、該投影システムは光源システムを含み、該光源システムは上述した各実施例における構造及び機能を有することができる。該投影システムにおいては、各種投影技術を採用することができ、例えば、液晶ディスプレイ(LCD,Liquid Crystal Display)投影技術、デジタルライトプロセッサ(DLP,Digital Light Processor)投影技術が挙げられる。なお、上述した発光装置は照明システムにおいて、応用することもでき、例えば、舞台灯照明が挙げられる。
【0110】
上述したのは本発明の実施形態であり、本発明の特許範囲を限定するものではなく、本発明の明細書及び図面の内容を用いて実現した等価構成又は等価変換フロー、又は他の関連する技術分野における直接又は間接運用は全て同様に本発明の特許保護範囲内に含まれる。

図1
図2A
図2B
図3
図4A
図4B
図5
図6
図7
図8
図9