(19)【発行国】日本国特許庁(JP)
(12)【公報種別】特許公報(B2)
(11)【特許番号】6176670
(24)【登録日】2017年7月21日
(45)【発行日】2017年8月9日
(54)【発明の名称】作業機械
(51)【国際特許分類】
E02F 9/08 20060101AFI20170731BHJP
E02F 9/18 20060101ALI20170731BHJP
【FI】
E02F9/08 Z
E02F9/18
【請求項の数】4
【全頁数】10
(21)【出願番号】特願2014-215133(P2014-215133)
(22)【出願日】2014年10月22日
(65)【公開番号】特開2016-79764(P2016-79764A)
(43)【公開日】2016年5月16日
【審査請求日】2016年11月14日
(73)【特許権者】
【識別番号】505236469
【氏名又は名称】キャタピラー エス エー アール エル
(74)【代理人】
【識別番号】100062764
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 襄
(74)【代理人】
【識別番号】100092565
【弁理士】
【氏名又は名称】樺澤 聡
(74)【代理人】
【識別番号】100112449
【弁理士】
【氏名又は名称】山田 哲也
(72)【発明者】
【氏名】岩本 貴宏
(72)【発明者】
【氏名】板子 佑士
(72)【発明者】
【氏名】中山 健太郎
(72)【発明者】
【氏名】中村 剛之
(72)【発明者】
【氏名】中井 暁人
(72)【発明者】
【氏名】恒吉 剛
【審査官】
西田 光宏
(56)【参考文献】
【文献】
米国特許第06296436(US,B1)
【文献】
特開2008−013990(JP,A)
【文献】
特開2008−045365(JP,A)
【文献】
実開昭59−006691(JP,U)
【文献】
特開2001−040705(JP,A)
【文献】
特開2007−092455(JP,A)
【文献】
特開2003−041627(JP,A)
【文献】
特開2000−080679(JP,A)
【文献】
特開2004−116676(JP,A)
【文献】
米国特許第8979125(US,B2)
(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
E02F 9/08
E02F 9/18
F16M 11/00
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
機体フレームと、
機体フレームの一端側に搭載され流体圧アクチュエータにより作動可能な作業装置と、
機体フレームの他端側に設けられたカウンタウエイト取付台と、
カウンタウエイト取付台に着脱可能に取り付けられたカウンタウエイトとを具備した作業機械において、
カウンタウエイト取付台に固定されたアキュムレータ取付ブラケットと、
アキュムレータ取付ブラケットに下部が取り付けられるとともにカウンタウエイトに上部が着脱自在に取り付けられ、流体圧アクチュエータを駆動する流体圧回路で作動流体を蓄圧および放圧するアキュムレータと、
カウンタウエイト取付台にアキュムレータ取付ブラケットを介してカウンタウエイトを固定することでカウンタウエイトとアキュムレータの下部とを固定する固定手段と、
アキュムレータの上部をカウンタウエイトに着脱自在に結合する結合部材と
を具備したことを特徴する作業機械。
【請求項2】
アキュムレータは、カウンタウエイトの上下方向の凹部内に嵌合された
ことを特徴とする請求項1記載の作業機械。
【請求項3】
結合部材は、
アキュムレータの上部を直接保持してカウンタウエイトの上部領域に着脱自在に結合する
ことを特徴とする請求項1または2記載の作業機械。
【請求項4】
結合部材は、
アキュムレータに添ってアキュムレータ取付ブラケット上に固定されるとともにアキュムレータの上部を拘束する枠板と、
枠板の上部をカウンタウエイトの上部領域に着脱自在に結合する上部結合板と
を具備したことを特徴とする請求項1または2記載の作業機械。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、カウンタウエイトの内部にアキュムレータが配置される作業機械に関する。
【背景技術】
【0002】
油圧ショベルに用いられる油圧回路のなかには、ブーム下げ時にアキュムレータに蓄圧された油圧を利用してブーム上げ動作などに再利用するようにしているものがある。そのような油圧回路で十分な蓄圧エネルギーを得るためには容量の大きいアキュムレータを装備する必要があり、アキュムレータ配置スペースとアキュムレータ重量に耐え得る強度とを確保する必要がある。
【0003】
このような観点から、カウンタウエイト上面またはカウンタウエイトの切欠き部内にアキュムレータを設置するようにした作業機械がある(例えば特許文献1参照)。
【0004】
この特許文献1の作業機械のようにアキュムレータをカウンタウエイト上面またはカウンタウエイト切欠き部内に取り付けた場合は、作業機械の運搬などに際してカウンタウエイトを取り外して自走させるときと、作業機械の組立に際してカウンタウエイトを取り付けるときとで、アキュムレータの配管を接続し直す手間がかかる。
【0005】
そこで、
図6に示されるように、油圧ショベルの上部旋回体を構成する機体フレーム1の後部から後方へ突出された1対のカウンタウエイト取付台2に搭載されたカウンタウエイト(図示せず)を取り外した状態でも自走できるように、機体フレーム1の後部にアキュムレータ支持用の支持板部3を一体に立設し、この支持板部3上にアキュムレータ4を取り付け、このアキュムレータ4をカウンタウエイトの切欠き部内に収納するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】特開2004−116676号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
図6に示されたアキュムレータ支持構造では、機体フレーム1の後部にアキュムレータ支持用の支持板部3を一体に立設するので、既存の機体フレームとフレーム構造が大きく異なり、既存の機体フレームとのフレーム共通化が困難であるとともに、支持板部3の補強部5も必要であり、大幅なコストアップとなる問題がある。
【0008】
さらに、上記支持板部3によりアキュムレータ4はカウンタウエイトと別の固有の振動モードになり、落下衝撃などでアキュムレータ4には前後方向に大きな加速度が発生するおそれもある。
【0009】
本発明は、このような点に鑑みなされたもので、カウンタウエイト取外時でもアキュムレータを取り外せずに済み、カウンタウエイト搭載時はアキュムレータをカウンタウエイトと共に確実にかつ安価に固定できるアキュムレータ支持構造の作業機械を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
請求項1に記載された発明は、機体フレームと、機体フレームの一端側に搭載され流体圧アクチュエータにより作動可能な作業装置と、機体フレームの他端側に設けられたカウンタウエイト取付台と、カウンタウエイト取付台に着脱可能に取り付けられたカウンタウエイトとを具備した作業機械において、カウンタウエイト取付台に固定されたアキュムレータ取付ブラケットと、アキュムレータ取付ブラケットに下部が取り付けられるとともにカウンタウエイトに上部が着脱自在に取り付けられ、流体圧アクチュエータを駆動する流体圧回路で作動流体を蓄圧および放圧するアキュムレータと、カウンタウエイト取付台にアキュムレータ取付ブラケットを介してカウンタウエイトを固定することでカウンタウエイトとアキュムレータの下部とを固定する固定手段と、アキュムレータの上部をカウンタウエイトに着脱自在に結合する結合部材とを具備した作業機械である。
【0011】
請求項2に記載された発明は、請求項1記載の作業機械におけるアキュムレータが、カウンタウエイトの上下方向の凹部内に嵌合された構成である。
【0012】
請求項3に記載された発明は、請求項1または2記載の作業機械における結合部材が、アキュムレータの上部を直接保持してカウンタウエイトの上部領域に着脱自在に結合する構成である。
【0013】
請求項4に記載された発明は、請求項1または2記載の作業機械における結合部材が、アキュムレータに添ってアキュムレータ取付ブラケット上に固定されるとともにアキュムレータの上部を拘束する枠板と、枠板の上部をカウンタウエイトの上部領域に着脱自在に結合する上部結合板とを具備した構成である。
【発明の効果】
【0014】
請求項1記載の発明によれば、カウンタウエイト取付台にアキュムレータ取付ブラケットを固定し、このアキュムレータ取付ブラケットを介してカウンタウエイト取付台に固定手段によりカウンタウエイトを固定するので、カウンタウエイト取外時でもアキュムレータはアキュムレータ取付ブラケットを介してカウンタウエイト取付台に装着したまま取り外さずに済み、また、カウンタウエイト搭載時は、カウンタウエイトを固定できる固定手段の強度を利用してアキュムレータの下部をより確実に固定するとともに、アキュムレータの上部を結合部材によりカウンタウエイトに結合するので、アキュムレータの全体をカウンタウエイトと共に確実にかつ安価に固定できる。
【0015】
請求項2記載の発明によれば、カウンタウエイトの上下方向の凹部内にアキュムレータを嵌合することで、アキュムレータ設置スペースを節約できるとともに、脱着時上下方向の動きを伴なうカウンタウエイトの脱着操作を容易にできる。
【0016】
請求項3記載の発明によれば、結合部材は、アキュムレータの上部を直接保持してカウンタウエイトの上部領域に着脱自在に結合するので、構造が簡単であり、コストアップを抑制できる。
【0017】
請求項4記載の発明によれば、結合部材は、アキュムレータ取付ブラケット上に固定されるとともにアキュムレータの上部を拘束する枠板により、カウンタウエイトを取り外した状態でもアキュムレータの上下部を安定的に拘束して、アキュムレータの振動を抑制できる効果がある。
【図面の簡単な説明】
【0018】
【
図1】本発明に係る作業機械におけるアキュムレータ支持構造の一実施の形態を示す後方からの斜視図である。
【
図2】同上アキュムレータ支持構造の前方からの斜視図である。
【
図3】同上アキュムレータ支持構造の断面図である。
【
図4】同上アキュムレータ支持構造を備えた作業機械の側面図である。
【
図5】同上アキュムレータ支持構造の他の実施の形態を示す後方からの斜視図である。
【
図6】従来のアキュムレータ支持構造を示す斜視図である。
【発明を実施するための形態】
【0019】
以下、本発明を、
図1乃至
図4に示された一実施の形態、
図5に示された他の実施の形態に基いて詳細に説明する。
【0020】
先ず、
図1乃至
図4に示された一実施の形態について説明する。
【0021】
図4に示されるように、作業機械としての油圧ショベル10の機体11は、走行モータ(図示せず)により走行駆動される履帯式の下部走行体12と、この下部走行体12に旋回軸受部13を介して旋回モータ(図示せず)により旋回駆動される上部旋回体14とを備え、上部旋回体14は機体フレーム14aを中心に構成され、機体フレーム14aの一端側としての前端側には、ブームシリンダ15cにより回動されるブーム15、スティックシリンダ16cにより回動されるスティック16およびバケットシリンダ17cにより回動されるバケット17を備えた作業装置18が搭載され、
図1に示されるように機体フレーム14aの他端側としての後端側には、逆凹形断面に形成された1対のカウンタウエイト取付台19が溶接付けにより一体的に取り付けられて後方へ突出され、これらのカウンタウエイト取付台19には、
図4に示されるように作業装置18などとの重量バランスを保つための、カウンタウエイト20が着脱可能に取り付けられている。
【0022】
走行モータ、旋回モータ、ブームシリンダ15c、スティックシリンダ16cおよびバケットシリンダ17cは流体圧アクチュエータとしての油圧アクチュエータであり、これらの油圧アクチュエータは、機体フレーム14aに搭載されたエンジン(図示せず)により駆動される油圧ポンプ(図示せず)から流体圧回路としての油圧回路(図示せず)に吐出された作動流体としての加圧された作動油により駆動される。
【0023】
カウンタウエイト20の内部にはアキュムレータ21が設けられている。このアキュムレータ21は、上記油圧アクチュエータを駆動する油圧回路において作動油を蓄圧および放圧するものであり、例えば、軽負荷時のエンジン・油圧ポンプや下降時のブームシリンダ15cなどの油圧アクチュエータから余剰エネルギとして放出された作動油を吸収するように蓄圧するとともに、エネルギ不足となる上昇時のブームシリンダ15cなどの油圧アクチュエータに対して蓄圧された作動油を放圧してアシストするように、これらの油圧回路中の油圧配管に接続されている。
【0024】
図1に示されるように、1対のカウンタウエイト取付台19間に、アキュムレータ取付ブラケット22が架設されている。このアキュムレータ取付ブラケット22は、各カウンタウエイト取付台19上にそれぞれ係合された被固定板部22aと、これらの被固定板部22a間に凹形に折曲形成されたアキュムレータ支持板部22bとを備えている。このアキュムレータ取付ブラケット22は、レイアウトスペースの観点ではこの凹形の形態が有効であるが、このような図示された形態に限定されるものではないことは言うまでもなく、例えばフラット形状に形成してもよい。
【0025】
このアキュムレータ取付ブラケット22は、各カウンタウエイト取付台19の下側からこれらのカウンタウエイト取付台19のネジ挿入穴を通して、各被固定板部22aに形成されたネジ穴22cにそれぞれ螺入された固定ネジ23により、各カウンタウエイト取付台19に固定されている。
【0026】
図1に示されるようにアキュムレータ取付ブラケット22のアキュムレータ支持板部22b上には、1対のアキュムレータ21の下部が取付台板25を介して取り付けられ、これらのアキュムレータ21の下部が、油圧配管26と接続されている。
【0027】
図2に示されるようにカウンタウエイト20には、前面部中央に上下方向の凹部20aが設けられ、下面部中央に前後方向の凹部20bが設けられている。このカウンタウエイト20をアキュムレータ取付ブラケット22を介して1対のカウンタウエイト取付台19上に搭載すると、上下方向の凹部20a内にアキュムレータ21が嵌合され、下面部中央の凹部20b内にアキュムレータ取付ブラケット22の各被固定板部22aが嵌合される。
【0028】
このカウンタウエイト20は、
図3に示される固定手段としての固定ネジ27により、アキュムレータ取付ブラケット22と共に各カウンタウエイト取付台19上に固定されている。固定ネジ27は、
図1に示されるように各カウンタウエイト取付台19の下側から、これらのカウンタウエイト取付台19のネジ挿入穴およびアキュムレータ取付ブラケット22の各被固定板部22aにそれぞれ形成された複数のネジ挿入穴22dを通して、
図3に示されるようにカウンタウエイト20に埋め込まれた複数のネジ穴部材20cにそれぞれ螺入する。これらの固定ネジ27を、スペーサ28を通して挿入することで、各固定ネジ27の伸び代を増やし、その締結軸力を確保する。
【0029】
このように、1対のカウンタウエイト取付台19にアキュムレータ取付ブラケット22を介してカウンタウエイト20を複数の固定ネジ27により固定することで、カウンタウエイト20を確実に固定できる固定手段の強度を利用して、アキュムレータ21の下部を確実に固定する共締め方式を採用する。
【0030】
図1に示されるように、アキュムレータ21の上部には、この上部をカウンタウエイト20に結合する結合部材30が取り付けられている。この結合部材30は、本体プレート31に各アキュムレータ21の上部を拘束するバンド状部32がそれぞれ取り付けられ、本体プレート31の左右両側にカウンタウエイト20の上部領域に固定される取付板部33がそれぞれ一体に設けられ、これらに複数の取付穴34がそれぞれ設けられているので、
図2に示されるように、カウンタウエイト20の凹部20a内にアキュムレータ21が収納された状態で、結合部材30の左右両側の取付穴34を、ネジ35により、カウンタウエイト20の前面側に設けられた垂直面部の上部領域に取り付ける。これにより、結合部材30は、アキュムレータ21の上部を直接保持して、このアキュムレータ21の上部をカウンタウエイト20の上部領域に着脱自在に結合する。なお、カウンタウエイト20の上部領域は、図示された形態のカウンタウエイト20の前面側に設けられた垂直面部に限定されるものではなく、例えばカウンタウエイト20の上面部に、上記結合部材30とは異なる形態の結合部材(図示せず)を介して、アキュムレータ21の上部を結合するようにしてもよい。
【0031】
次に、この
図1乃至
図3に示された一実施の形態の作用効果を説明する。
【0032】
図1に示されるように、左右1対のカウンタウエイト取付台19にアキュムレータ取付ブラケット22の左右の被固定板部22aを載せ、各カウンタウエイト取付台19の下側からそれらの中央部にそれぞれ挿入された比較的短い固定ネジ23を、アキュムレータ取付ブラケット22の左右のネジ穴22cに螺合することにより、左右のカウンタウエイト取付台19間にアキュムレータ取付ブラケット22を固定する。
【0033】
この
図1に示されるカウンタウエイト取外状態であっても、アキュムレータ取付ブラケット22は、固定ネジ23によりカウンタウエイト取付台19に固定され、アキュムレータ21を支持しているので、アキュムレータ21が接続された油圧系統の配管接続工事をすることなく機体11を油圧作動させることが可能であり、例えば走行用の油圧モータを駆動して自走できる状態であるため、工場内での移動等が容易である。
【0034】
一方、
図2および
図3に示されるように、カウンタウエイト20を機体フレーム14aに搭載するときは、カウンタウエイト取付台19にアキュムレータ取付ブラケット22を介してカウンタウエイト20の凹部20bを嵌合し、カウンタウエイト取付台19の下側からアキュムレータ取付ブラケット22を通してカウンタウエイト20のネジ穴部材20cに螺入した比較的長い固定ネジ27により、アキュムレータ取付ブラケット22に固定されたアキュムレータ21の下部と、カウンタウエイト20とを共締め方式で固定するとともに、アキュムレータ21の上部を、結合部材30によりカウンタウエイト20の上部領域に固定する。
【0035】
このように、機体フレーム14aに一体的に設けられたカウンタウエイト取付台19に、カウンタウエイト20の固定とは別にアキュムレータ取付ブラケット22を固定し、このアキュムレータ取付ブラケット22を介してカウンタウエイト取付台19に固定ネジ27によりカウンタウエイト20を固定するので、カウンタウエイト取外時でもアキュムレータ21はアキュムレータ取付ブラケット22を介してカウンタウエイト取付台19に装着したまま取り外さずに済み、また、カウンタウエイト搭載時は、カウンタウエイト20を固定できる固定ネジ27の強度を利用してアキュムレータ21の下部をより確実に固定するとともに、アキュムレータ21の上部を結合部材30によりカウンタウエイト20に結合するので、アキュムレータ21の全体をカウンタウエイト20と共に確実にかつ安価に固定できる。
【0036】
すなわち、既存の機体フレーム14aをそのまま利用する、アキュレータを使用しない仕様のフレームとの共通化が可能であるとともに、機体フレーム14aに過度な強度補強も不要であるため、
図6に示されたアキュムレータ支持構造よりコストダウンを図れる。
【0037】
かつ、上記のようにアキュムレータ21の上下部をカウンタウエイト20と一体化して確実に固定したので、アキュムレータ21の振動モードをカウンタウエイト20と同一にすることができ、例えばアキュムレータ21に発生する加速度をカウンタウエイト相当まで低減することができる。
【0038】
また、カウンタウエイト20の上下方向の凹部内にアキュムレータ21を嵌合することで、アキュムレータ設置スペースを節約できるとともに、脱着時上下方向の動きを伴なうカウンタウエイト20の脱着操作を容易にできる。
【0039】
さらに、結合部材30は、アキュムレータ21の上部を直接保持してカウンタウエイト20の上部領域に着脱自在に結合するので、構造が簡単であり、コストアップを抑制できる。
【0040】
次に、
図5に示された他の実施の形態について説明する。なお、
図1乃至
図4に示された一実施の形態と同様の部分には、同一符号を付して、その説明を省略する。
【0041】
図5に示されるように、カウンタウエイト取付台19にアキュムレータ取付ブラケット22が固定され、このアキュムレータ取付ブラケット22にアキュムレータ21の下部が取り付けられている。
【0042】
さらに、カウンタウエイト取付台19にはアキュムレータ取付ブラケット22を介してカウンタウエイト(図示せず)が搭載されるが、このカウンタウエイト(図示せず)は、固定手段としての固定ネジ27によりアキュムレータ取付ブラケット22の被固定板部22a上に固定され、これにより、アキュムレータ取付ブラケット22を介してカウンタウエイト(図示せず)とアキュムレータ21の下部とが固定される。
【0043】
アキュムレータ21の周囲には、アキュムレータ21の上部をカウンタウエイト(図示せず)に着脱自在に結合する結合部材40が設けられている。
【0044】
この結合部材40としては、アキュムレータ取付ブラケット22のアキュムレータ支持板部22b上に枠板41の底板部41aが図示しないネジまたは溶接などにより固定され、この底板部41a上に取付台板25を介して複数のアキュムレータ21の下部が固定され、これらのアキュムレータ21に添って3方を枠板41の縦板部41b,41c,41dにより囲むように、アキュムレータ取付ブラケット22上に枠板41が立設されている。なお、この枠板41は、図示された形態に限定されるものでないことは言うまでもなく、例えば、底板部41aがない形態や、左右の縦板部41b,41dを除去した前面側の縦板部41cのみの形態や、図示された枠板41に後面側の縦板部または上面側の平板部を追加した箱形の形態などにしてもよい。
【0045】
この枠板41の上部には内面側に複数のバンド状部42が取り付けられ、これらのバンド状部42によりアキュムレータ21の上部が拘束されている。さらに、この枠板41の上部における左右外側面にはL形の上部結合板43の垂直板部が複数のネジ44によりそれぞれ取り付けられ、これらの上部結合板43の水平板部にそれぞれ挿入されたネジ45により、各上部結合板43を介して枠板41の上部がカウンタウエイト(図示せず)の上面部に着脱自在に取り付けられる。なお、枠板41の上部は、カウンタウエイトの上部領域に締結されていればよく、必ずしも上記のように上面部に限定されるものではなく、例えばカウンタウエイトの前面部に締結するようにしてもよい。
【0046】
この結合部材40は、アキュムレータ取付ブラケット22のアキュムレータ支持板部22b上に固定されるとともにアキュムレータ21の上部を拘束する枠板41により、
図5に示されるようにカウンタウエイトを取り外した状態でもアキュムレータ21の上下部を安定的に拘束して、アキュムレータ21の振動を抑制できる効果がある。他の作用効果は、
図1乃至
図4に示された一実施の形態と同様であるから、その説明を省略する。
【0047】
なお、本発明は、油圧ショベルに限定されるものではなく、例えばクレーン車などの作業機械にも適用できる。
【産業上の利用可能性】
【0048】
本発明は、作業機械の製造および販売などに携わる事業者にとって産業上の利用可能性がある。
【符号の説明】
【0049】
10 作業機械としての油圧ショベル
14a 機体フレーム
15c 流体圧アクチュエータとしてのブームシリンダ
16c 流体圧アクチュエータとしてのスティックシリンダ
17c 流体圧アクチュエータとしてのバケットシリンダ
18 作業装置
19 カウンタウエイト取付台
20 カウンタウエイト
20a,20b 凹部
21 アキュムレータ
22 アキュムレータ取付ブラケット
27 固定手段としての固定ネジ
30,40 結合部材
41 枠板
43 上部結合板