(58)【調査した分野】(Int.Cl.,DB名)
前記切断手段による切断時に、前記ラベル移送部に保持されたラベル連続体部分の下面に向けてエアを吹き付け、前記ラベル移送部の移動時にエアの吹付けを停止する第1エア吹付手段と、
前記ラベル移送部の移動時に、前記ラベル移送部により移送されるラベルの下面に向けてエアを吹き付ける第2エア吹付手段と、を備えたことを特徴とする請求項2または請求項3に記載のラベル貼付装置。
【発明を実施するための形態】
【0028】
以下、添付図面を参照して本発明の実施形態を説明する。
【0029】
[ラベル貼付装置の全体構成]
図1に示すように、本実施形態に係るラベル貼付装置1は、商品Gを搬送するコンベア4と、コンベア4で搬送される商品Gの上面にラベルL(
図3及び
図4参照)を貼り付ける上貼り機構7と、コンベア4で搬送される商品Gの下面にラベルを貼り付ける下貼り機構15と、所定の入力操作および所定の表示を行うための操作表示部12と、以上の構成要素を支持するラック2と、を備えている。
【0030】
[コンベア]
コンベア4は、ラベル貼付装置1の正面側から見て左から右に向かう搬送方向(図中D方向)に沿って商品Gを移動させるように配設されている。コンベア4は、上流側コンベア4aと、搬送方向(図中D方向)において上流側コンベア4aの下流側に間隔を空けて配設された下流側コンベア4bと、に分割して設けられている。そのため、コンベア4の下方に配設された下貼り機構15は、上流側コンベア4aと下流側コンベア4bとの間隙を通して、商品Gの下面に下側からラベルを貼り付けることができる。上流側コンベア4a及び下流側コンベア4bは例えば無端ベルトで構成されるが、本発明において、コンベア4a,4bの具体的構造は特に限定されるものでない。
【0031】
上流側コンベア4aの近傍には商品通過センサ110が配設されている。商品通過センサ110は、上貼り機構7及び下貼り機構15によるラベル貼付位置よりも搬送方向(図中D方向)上流側の所定位置を上流側コンベア4a上の商品Gが通過したか否かを検出する。商品通過センサ110の種類は限定されるものでないが、例えば、発光部と受光部を有する光学式の商品通過センサ110が用いられる。
【0032】
[上貼り機構]
上貼り機構7は、商品Gの上面に貼り付けられるラベルLを発行する上貼り用のラベル発行機8と、ラベル発行機8で発行されたラベルLを商品Gの上面に貼り付けるラベル貼付機10と、を備えている。
【0033】
ラベル発行機8及びラベル貼付機10は、コンベア4の上方に配設されている。搬送方向(図中D方向)に関して、ラベル貼付機10は、ラベル発行機8の下流側に隣接して配設されている。なお、ラベル貼付機10のさらに下流側に、商品Gの上面に貼り付けられたラベルLを上側から押さえ付けるための別のラベル貼付機、又は、商品Gの上面に貼り付けられたラベルLに上方からエアを吹き付けるエア吹付装置を配設してもよい。
【0034】
ラベル発行機8はラック2によって下側から支持されている。ラベル発行機8とラベル貼付機10はユニット化されており、ラベル貼付機10は、ラベル発行機8を介してラック2に支持されている。ラック2には、搬送方向(図中D方向)に直交するラベル貼付装置1の奥行き方向に延びるレール部18が設けられており、該レール部18に沿ってラベル発行機8がスライド可能となっている。そのため、ラベル発行機8をレール部18に沿ってスライドさせることで、ラベル発行機8及びラベル貼付機10を一体的に奥行き方向に位置調整することができる。
【0035】
ラベル発行機8及びラベル貼付機10の構成を含めて、上貼り機構7の具体的構成については後に説明する。
【0036】
[下貼り機構]
下貼り機構15は、商品Gの下面に貼り付けられるラベルを発行する下貼り用のラベル発行機16と、ラベル発行機16から発行されたラベルを商品Gの下面へ搬送するラベル搬送装置24と、商品Gの下面に貼り付けられたラベルに下方からエアを吹き付けるエア吹付装置26と、を備えている。ラック2には、搬送方向(図中D方向)に直交するラベル貼付装置1の奥行き方向に延びるレール部20が設けられており、該レール部20に沿ってラベル発行機16がスライド可能となっている。ラベル搬送装置24は、例えば、ラベル搬送モータによって駆動プーリを介して無端ベルトを回転駆動することによって、無端ベルトに支持されたラベルを上方へ搬送して商品Gの下面に貼り付けるように構成されている。
【0037】
[操作表示部]
操作表示部12は、表示パネル13とストロークキー部14とを有する。表示パネル13は例えばタッチパネルで構成されている。ただし、表示パネル13は必ずしもタッチパネルでなくてもよい。また、表示パネル13がタッチパネルである場合、操作表示部12において必ずしもストロークキー部14を設ける必要はない。
【0038】
[上貼り機構の具体的構成]
続いて、上貼り機構7の具体的構成について説明する。
【0039】
[ラベル発行機]
まず、
図2を参照しながら、上貼り用のラベル発行機8の構成について説明する。ラベル発行機8には、いわゆる台紙レスラベルロールLRが用いられる。該ラベルロールLRは、糊面と非糊面を有する帯状のラベル連続体LCを糊面が内側を向くようにロール状に巻くことで形成されている。ラベル連続体LCの非糊面は、熱の印加により発色する印字面である。
【0040】
ラベル発行機8は、ラベルロールLRの巻回中心部を支持する支持軸90と、ラベルロールLRの外周部から延びるラベル連続体LCの延長部分をガイドする複数のガイドローラ99a,99b,99cと、ラベル連続体LCの印字面に印字する印字部91と、印字部91と共にラベル連続体LCを挟み込む印字ローラ92と、印字ローラ92と協働してラベル連続体LCをラベル発行口Wに向けて送り込むアシストローラ93と、ラベル連続体LCを切断する切断手段95と、ラベル発行機8の各種構成要素を収容するハウジング120と、を備えている。
【0041】
以下の説明において、ラベル連続体LCがラベルロールLRからラベル発行口Wに向けて送り込まれる方向を「ラベル供給方向」(図中F方向)という。
【0042】
支持軸90の一端はハウジング120に固定されており、支持軸90の他端は自由端となっている。ラベルロールLRの巻回中心部を支持軸90に差し込むことで、ラベル発行機8にラベルロールLRをセットすることができる。
【0043】
印字部91は、印字データに応じて加熱される複数の微小な発熱体を備えたサーマルヘッドであり、加熱された発熱体をラベル連続体LCの印字面に接触させることで、感熱印字方式の印字を行う。
【0044】
印字ローラ92の表面はゴム系の素材で構成されている。印字ローラ92は、印字ローラ用モータ96によって回転駆動される駆動ローラである。印字ローラ用モータ96には、例えばステッピングモータが用いられる。
【0045】
印字ローラ92は、印字部91と共にラベル連続体LCを挟み込むように配設されている。これにより、印字ローラ92は、ラベル連続体LCの印字面を印字部91に押し付けながら、印字ローラ92の回転駆動によりラベル連続体LCをラベル供給方向(図中F方向)に移動させることができる。印字ローラ92は印字部91の下側に配設されている。そのため、ラベル連続体LCは、印字面が上面となる姿勢でラベル発行口Wへ送り出される。
【0046】
印字ローラ92は、正逆両方向に回転可能である。ここでいう「正方向」とは、ラベル連続体LCをラベル供給方向(図中F方向)に送り込む回転方向を指し、「逆方向」とは、ラベル連続体LCをラベル供給方向とは反対方向に引き込む回転方向を指す。
【0047】
アシストローラ93の表面はゴム系の素材で構成されている。アシストローラ93は、アシストローラ用モータ97によって回転駆動される駆動ローラである。アシストローラ用モータ97には、例えばステッピングモータ用いられる。
【0048】
アシストローラ93は、ラベル供給方向(図中F方向)に関して印字ローラ92の上流側に配設されている。アシストローラ93は、対向する従動ローラ94と共にラベル連続体LCを挟み込むように配設されている。印字ローラ92と同様、アシストローラ93も、正逆両方向に回転可能である。
【0049】
印字ローラ92とアシストローラ93が正方向に回転駆動されることにより、ラベル連続体LCはラベル供給方向(図中F方向)にフィードされ、印字ローラ92とアシストローラ93が逆方向に回転駆動されることにより、ラベル連続体LCはラベル供給方向(図中F方向)と反対方向にバックフィードされる。
【0050】
なお、印字ローラ92とアシストローラ93は、別の駆動源によって回転駆動されるため、印字ローラ92の回転速度とアシストローラ93の回転速度を個別に制御することが可能である。ただし、本発明は、印字ローラ92とアシストローラ93を同じ駆動源によって回転駆動することを妨げるものでない。
【0051】
アシストローラ93と印字ローラ92との間において、ラベル連続体LCは、ガイドローラ99cによって下方に迂回するように案内されている。また、アシストローラ93と印字ローラ92との間にはラベルセンサ100が配設されている。ラベルセンサ100は、アシストローラ93と印字ローラ92との間にラベル連続体LCが存在するか否かを検知するセンサである。ラベルセンサ100には、例えば、発光部と受光部を備えた光学式センサが用いられる。この場合、ラベルセンサ100とラベル連続体LCとの距離に応じてラベルセンサ100の出力値が変化することを利用して、ラベルセンサ100の出力値に基づいて、ラベル連続体LCの弛みを検知することが可能である。
【0052】
切断手段95は、可動カッタ95aと固定カッタ95bとを備えている。可動カッタ95aは、下方に刃を向けて配設されている。可動カッタ95aは、カッタ用モータ98によって上下方向にスライドするように駆動される。固定カッタ95bは、上方に刃を向けた姿勢でハウジング120に固定されている。
【0053】
切断手段95の非動作時(待機状態)において、可動カッタ95aの刃は、固定カッタ95bの刃よりも上側に配置される。切断手段95によってラベル連続体LCが切断されるとき、ラベル連続体LCは、先端部がラベル発行口Wを通してハウジング120の外側に送り出され、且つ、被切断位置が固定カッタ95bの刃と可動カッタ95aの刃とに位置合わせされる。このようにラベル連続体LCが位置合わせされた状態で、可動カッタ95aが下方へスライド駆動されると、ラベル連続体LCは、固定カッタ95bの刃と可動カッタ95aの刃とによって上下から挟み込まれて切断される。このようにして切断手段95によってラベル連続体LCが切断されることで、ラベル連続体LCから切り取られたラベルLがラベル発行口Wから発行される。
【0054】
[ラベル貼付機]
続いて、ラベル貼付機10の構成について説明する。
【0055】
図3に示すように、ラベル貼付機10は、ラベル発行機8で発行されたラベルLを商品Gの上面に貼り付けるラベル貼付機構30と、ラベル貼付機構30を収容するハウジング40と、を有する。
【0056】
ハウジング40の下面には、ラベル保持部としての吸着ブロック50が設けられている。吸着ブロック50の下面は、負圧の供給によりラベルLを吸着させる吸着面となっている。吸着ブロック50の具体的構成については後に説明する。
【0057】
ラベル貼付機構30は、吸着ブロック50の下面に吸着保持されたラベルLの上側から下降することで、吸着ブロック50の下方に位置する商品Gの上面にラベルLを押し付ける例えば1本の貼付アーム31と、貼付アーム31に上向きの付勢力を作用させるコイルスプリング37を介して貼付アーム31に連結されることで貼付アーム31を保持するアーム保持体36と、を有する。また、ラベル貼付機構30は、アーム保持体36を貼付アーム31と共に上下方向に移動させる上下動用モータ41と、貼付アーム31を軸周りに回転させる回転用モータ45と、を有する。
【0058】
アーム保持体36は、例えばアルミニウム製のブロック材で構成され、これにより、アーム保持体36の軽量化が図られる。
【0059】
貼付アーム31は中空の棒材である。貼付アーム31の材料には例えばステンレスが用いられ、これにより、貼付アーム31の軽量化が図られる。貼付アーム31は、アーム保持体36を貫通して、上下方向に延びるように配設されている。貼付アーム31の中空部は、貼付アーム31の上端部に取り付けられた接続部35を介して貼付アーム用負圧源111(
図18参照)に連通している。
【0060】
貼付アーム31の下端部にはクッション部32が設けられている。クッション部32は、上下方向に延びる筒状部材である。クッション部32の中空部は、貼付アーム31の中空部に連通している。クッション部32の材料には軟質の素材が用いられ、具体的には例えばゴムが用いられる。これにより、クッション部32が押し当てられたときに商品Gに与えられる衝撃が緩和され、商品Gの保護が図られる。ラベル貼付機構30の非動作時(待機状態)において、クッション部32の下端部は、クッション部32の下面が吸着ブロック50の下面と比べて同じ高さか又は僅かに高く配置される。
【0061】
図9に示すように、クッション部32は、貼付アーム31の下端部に嵌め付けられる円筒状の嵌着部32aと、該嵌着部32aから下方に延びる例えば蛇腹状の可撓部32bと、該可撓部32bの下端部に設けられた押し当て部32cと、を備える。押し当て部32cの形状は、例えば、下方に向かって拡径するラッパ状となっている。貼付アーム用負圧源111の駆動によって押し当て部32cの下面に負圧が供給されると、押し当て部32cの下面にラベルLが吸着保持され得る。
【0062】
図3に戻って、貼付アーム31の中間部には下側ストッパ33が設けられている。下側ストッパ33は、アーム保持体36に対する貼付アーム31の相対的な上方移動を規制する規制部として機能するように、アーム保持体36よりも下側に配設されている。下側ストッパ33の材料は特に限定されるものでないが、例えば、貼付アーム31と同じ材料が用いられる。
【0063】
貼付アーム31の上端部には上側ストッパ34が設けられている。前記コイルスプリング37の上端部は上側ストッパ34に固定され、コイルスプリング37の下端部はアーム保持体36に固定されている。このようにして上側ストッパ34とアーム保持体36との間にコイルスプリング37が圧縮された状態で介装されることで、コイルスプリング37による上向きの付勢力が貼付アーム31に作用するようになっている。
【0064】
上下動用モータ41の出力軸は水平方向に沿って配置されている。上下動用モータ41の出力軸には駆動側プーリ42が駆動連結されている。駆動側プーリ42は、無端状のベルト44を介して、駆動側プーリ42の下方に配設された従動側プーリ43に連結されている。ベルト44にはアーム保持体36が固定されている。これにより、上下動用モータ41の駆動によって、ベルト44の移動と共にアーム保持体36が上下方向に移動するようになっている。
【0065】
なお、本発明において、アーム保持体36を上下方向に移動させる駆動機構は、上下動用モータ41等を含む上記機構に限定されるものでなく、例えば、エアシリンダを駆動機構として用いてもよい。この場合、エアシリンダを上下方向に伸縮させることで、エアシリンダのロッド又はシリンダに固定されたアーム保持体36を上下方向に移動させることができる。
【0066】
回転用モータ45の出力軸は上下方向に沿って配置されている。回転用モータ45の出力軸には駆動側プーリ46が駆動連結されている。駆動側プーリ46は、無端状のベルト47を介して従動側プーリ38に連結されている。従動側プーリ38には、貼付アーム31が上下方向にスライド可能に貫通しており、貼付アーム31の外周面と従動側プーリ38の貫通穴の内周面との間には例えばボールベアリングが介装されている。貼付アーム31は、回転用モータ45の駆動によって従動側プーリ38が回転したときに、これに連動して軸周りに回転するようになっている。
【0067】
図4を参照しながら、ラベル貼付機構30の動作の一例について説明する。
【0068】
図4(a)に示すように、ラベル発行機8で発行されて後述の移送ブロック70により移送されたラベルLは、負圧が供給された吸着ブロック50の下面に吸着保持される。移送ブロック70の構成、及び、吸着ブロック50へ負圧を供給するための構成については後に説明する。
【0069】
次に、
図4(b)に示すように、吸着ブロック50の下面への負圧供給が停止されるとともに、上下動用モータ41によってアーム保持体36が高速で下降するように駆動される。アーム保持体36が下降されると、下側ストッパ33がアーム保持体36によって下方へ押し込まれることによって、貼付アーム31がアーム保持体36と共に下降する。これにより、貼付アーム31のクッション部32は、吸着ブロック50の下面よりも下方へ突出し、ラベルLを吸着ブロック50から引き離して押し下げる。
【0070】
このとき、クッション部32の下面には負圧が供給されており、ラベルLはクッション部32の下面に吸着保持された状態で押し下げられる。ラベルLが吸着ブロック50から引き離されると、回転用モータ45によって貼付アーム31が軸周りに所定角度回転するように駆動される。これにより、クッション部32の下面に保持されたラベルLは、所定の向きになるまで貼付アーム31と共に回転しながら下降する。
【0071】
続いて、
図4(c)に示すように、アーム保持体36が所定高さまで下降すると、上下動用モータ41が急激に停止されてアーム保持体36の下降が停止される。このとき、貼付アーム31には下向きの慣性力が作用し、貼付アーム31は、慣性による下降を開始する。その後、貼付アーム31は、コイルスプリング37をさらに圧縮させながら、慣性による下降を継続する。
【0072】
この慣性による貼付アーム31の下降中に、クッション部32に保持されたラベルLが商品Gの上面に押し当てられる。また、ラベルLが商品Gの上面に押し当てられる直前の所定タイミングで、クッション部32の下面への負圧供給が停止される。これにより、商品Gに大きな衝撃力を与えることなく、商品Gの上面にラベルLを貼り付けることができる。
【0073】
その後、貼付アーム31は、コイルスプリング37による上向きの付勢力によって引き上げられる。また、クッション部32が商品Gの上面から離間すると、上下動用モータ41及び回転用モータ45が貼付アーム31の下降時とは反対方向に回転するように作動して、
図4(a)に示す待機状態と同じ高さ及び同じ角度になるまで、貼付アーム31が回転しながら引き上げられる。
【0074】
[ラベル貼付機の下部構造]
次に、
図5〜
図17を参照しながら、ラベル貼付機10の下部構造について具体的に説明する。
【0075】
図5及び
図6は、ラベル貼付機10の下部構造を示す斜視図である。また、
図7は、
図5に示す構造の平面図であり、
図8は、
図5に示す構造の底面図であり、
図9は、
図7のA−A線断面図である。
【0076】
図5〜
図9に示すように、ラベル貼付機10の下端部には、吸着ブロック50と移送ブロック70が設けられている。吸着ブロック50は、第1吸着ブロック50aと第2吸着ブロック50bとを備えている。移送ブロック70は、ラベル発行機8から発行されたラベルLを下面に吸着させて保持し、該ラベルLを保持しながらラベル発行機8から遠ざかるように移動するラベル移送部である。
【0077】
また、
図9に示すように、吸着ブロック50の下方には一対のエア吹付部81,82が配設されている。エア吹付部81,82は、ブラケット80を介して吸着ブロック50に支持されている。なお、
図5〜
図8において、エア吹付部81,82及びブラケット80の図示は省略されている。
【0078】
第1吸着ブロック50a、第2吸着ブロック50b、移送ブロック70及びエア吹付部81,82の各構成について順に説明する。
【0079】
以下の説明において、移送ブロック70がラベル発行機8から遠ざかるように移動する方向(
図5〜
図17に示す矢印Y方向)を「移送方向」といい、移送方向に直交する水平方向(
図5〜
図17に示す矢印X方向)を「幅方向」という。また、以下の説明において、方向を示すために使用する「前」、「後」及びこれらを含む用語は、移送方向(図中Y方向)における前方および後方を意味する。
【0080】
[第1吸着ブロック]
図10及び
図11に示すように、第1吸着ブロック50aは、略水平に配設される板状部材である。第1吸着ブロック50aの後端面51d,51eは、ラベル発行機8のハウジング120(
図2参照)に対向して配設され、後端面51d,51eの下端は、ハウジング120のラベル発行口W(
図2参照)に近接して配置される。後端面51d,51eの下端には、面取りコーナー部51fが形成されている。これにより、ラベル発行口Wから送り出されたラベル連続体LCの先端部が第1吸着ブロック50aの後端面51d,51eに引っ掛かり難くなっている。
【0081】
後端面51d,51eには、後端面51d,51eを幅方向に分断するように切欠部52が設けられている。これにより、第1吸着ブロック50aには、切欠部52を挟んだ幅方向両側に、後方へ突出する一対の突出部57,58が形成されている。
【0082】
切欠部52の内壁面は、後端面51d,51eの幅方向内側コーナー部から前方に延びる一対の側方壁面部52a,52bと、側方壁面部52a,52bの前端部から幅方向内側に延びる一対の移送部対向面部52c,52dと、を有する。側方壁面部52a,52bの下端は、コーナー部を介して第1吸着ブロック50aの下面に連なっている。移送部対向面部52c,52dの下端は、第1吸着ブロック50aの下面よりも高く配置されており、コーナー部を介して後述の溝54a,54bの上面に連なっている。
【0083】
また、切欠部52には、移送部対向面部52c,52dから前方に凹入した凹入部53が設けられている。凹入部53の内壁面は、移送部対向面部52c,52dの幅方向内側コーナー部から前方に延びる一対の側方壁面部53a,53bと、該一対の側方壁面部53a,53bの前端部間を繋ぐように幅方向に延びるアーム対向面部53cと、を有する。側方壁面部53a,53bの下端及びアーム対向面部53cの下端の高さは、移送部対向面部52c,52dの下端と同じ高さである。アーム対向面部53cの下端コーナー部には、前方に向かって下側に傾斜した傾斜面55が連ねて設けられている。
【0084】
図5及び
図6に示すように、切欠部52の内側には、貼付アーム31の下端部を構成するクッション部32が配設されている。これにより、貼付アーム31と第1吸着ブロック50aとの干渉が回避されている。また、
図8に示すように、貼付アーム31のクッション部32は切欠部52の前端部に配置されており、これにより、ラベル発行口W(
図2参照)から貼付アーム31までの距離の拡大が図られている。具体的に、クッション部32の前部は、切欠部52の凹入部53の内側に配設されており、クッション部32の前方にアーム対向面部53cが対向配置されている。
【0085】
図8及び
図10に示すように、第1吸着ブロック50aの下面には、移送方向に延びる一対の溝54a,54bが設けられている。溝54a,54bは、切欠部52の移送部対向面部52c,52dの下端から前方に延設されている。一対の溝54a,54bによって、第1吸着ブロック50aの下面は、幅方向において溝54a,54b及び切欠部52の外側に配置された一対の外側下面部51a,51bと、切欠部52の前方において一対の溝54a,54bに挟まれた内側下面部51cと、に分断されている。内側下面部51cの後端は、コーナー部を介して傾斜面55の前端に連なっている。
【0086】
第1吸着ブロック50aの下面には第1吸引部S1が設けられている。第1吸引部S1は、複数の吸引穴60a,60b,60cで構成されている。具体的には、一方の外側下面部51aにおいて移送方向に間隔を空けて並べられた複数の吸引穴60aと、他方の外側下面部51bにおいて移送方向に間隔を空けて並べられた複数の吸引穴60bと、内側下面部51cにおいて移送方向に間隔を空けて並べられた複数の吸引穴60cとで、第1吸引部S1が構成されている。
【0087】
図8に示すように、外側下面部51a,51bの吸引穴60a,60bは、外側下面部51a,51bの幅方向内側縁部に沿って配置されている。外側下面部51a,51bにおける最も後側の吸引穴60a,60bは、第1吸着ブロック50aの後端部に配置され、外側下面部51a,51bにおける最も前側の吸引穴60a,60bは、貼付アーム31よりも前側に配置されている。
【0088】
内側下面部51cの吸引穴60cは、幅方向に関して貼付アーム31の軸心と同じ位置に配置されている。内側下面部51cにおける最も後側の吸引穴60cは、外側下面部51a,51bにおける最も前側の吸引穴60a,60bよりも前側に配置されている。
【0089】
図11に示すように、第1吸着ブロック50aの上面には溝状の凹部56が設けられている。凹部56は、第1吸着ブロック50aの上面に重ねられたカバー部材49aによって上側から塞がれている。
【0090】
凹部56は、第1吸着ブロック50aの突出部57,58において移送方向に延びる一対の後側溝部56a,56bと、切欠部52の前方において移送方向に延びる前側溝部56cと、一方の後側溝部56aの前端部と前側溝部56cの後端部とを繋ぐ接続溝部56dと、他方の後側溝部56bの前端部と前側溝部56cの後端部とを繋ぐ接続溝部56eと、を有する。各接続溝部56d,56eは、前側溝部56cの後端部から後側溝部56a,56bの前端部に向かって斜め後方に延設されている。
【0091】
図7〜
図9に示すように、前側溝部56cは、内側下面部51cの吸引穴60cに連通している。同様に、後側溝部56a,56bは、外側下面部51a,51bの吸引穴60a,60bに連通している。つまり、凹部56には、第1吸引部S1を構成する全ての吸引穴60a,60b,60cが連通している。
【0092】
図7及び
図11に示すように、凹部56は、各後側溝部56a,56bから幅方向外側に膨出する膨出部56f,56gを有する。各膨出部56f,56gの上方には、第1吸引部用負圧源112a(
図18参照)に接続された負圧供給経路77a,77b(
図5〜
図7参照)と凹部56とを連通するための貫通穴48a,48bが、カバー部材49aを貫通して設けられている。これにより、第1吸引部S1は、凹部56及び負圧供給経路77a,77bを介して第1吸引部用負圧源112aに連通している。
【0093】
[第2吸着ブロック]
図12及び
図13に示すように、第2吸着ブロック50bの形状は概略直方体である。
図5〜
図9に示すように、第2吸着ブロック50bは、第1吸着ブロック50aの切欠部52の内側において貼付アーム31の後方に配設される。第2吸着ブロック50bは、ブラケット(図示せず)を介して第1吸着ブロック50aに固定される。
【0094】
図7に示すように、第2吸着ブロック50bの幅方向の各側面59e,59fは、第1吸着ブロック50aの切欠部52の側方壁面部52a,52bに対向配置されている。また、第2吸着ブロック50bの側面59e,59fは、側方壁面部52a,52bに略平行に配置されている。そのため、側面59e,59fと側方壁面部52a,52bとの間隔は、移送方向の全長に亘って略一定となっている。
【0095】
図12及び
図13に示すように、第2吸着ブロック50bの前端部には、後方に凹入するように湾曲した湾曲面59dが設けられている。
図8に示すように、湾曲面59dは、貼付アーム31のクッション部32の後方に対向配置されている。湾曲面59dの平面形状は、クッション部32の下端拡径部の平面形状に沿った円弧状となっている。これにより、第2吸着ブロック50bとクッション部32との隙間の縮小を図りつつ、第2吸着ブロック50bと貼付アーム31との干渉が回避されている。
【0096】
図8に示すように、第2吸着ブロック50bの後面59bは、第1吸着ブロック50aの後端面51d,51eと略同一面上に配置される。また、
図9に示すように、第2吸着ブロック50bの下面は、第1吸着ブロック50aの下面と略同一面上に配置される。
図12に示すように、第2吸着ブロック50bの後面59bの下端には、面取りコーナー部59cが形成されている。これにより、ラベル発行口Wから送り出されたラベル連続体LCの先端部が第2吸着ブロック50bの後端面59bに引っ掛かり難くなっている。
【0097】
図12に示すように、第2吸着ブロック50bの下面には第2吸引部S2が設けられている。第2吸引部S2は、複数の吸引穴61で構成されている。第2吸引部S2を構成する複数の吸引穴61は、移送方向に間隔を空けて並べられている。
図8に示すように、第2吸引部S2における最も後側の吸引穴61は、第2吸着ブロック50bの後端部に配置されている。第2吸引部S2の吸引穴61は、幅方向に関して貼付アーム31の軸心と同じ位置に配置されている。
【0098】
図13に示すように、第2吸着ブロック50bの上面には凹部62が設けられている。凹部62は、移送方向に延びる溝状に形成されている。凹部62は、第2吸着ブロック50bの上面に重ねられたカバー部材49bによって上側から塞がれている。
【0099】
図7〜
図9及び
図13に示すように、凹部62には、第2吸引部S2を構成する全ての吸引穴61が連通している。凹部62の上方には、第2吸引部用負圧源112b(
図18参照)に接続された負圧供給経路78(
図5〜
図7参照)と凹部62とを連通するための貫通穴48cが、カバー部材49bを貫通して設けられている。これにより、第2吸引部S2は、凹部62及び負圧供給経路78を介して第2吸引部用負圧源112bに連通している。
【0100】
[移送ブロック]
図5、
図6及び
図14に示すように、移送ブロック70は、貼付アーム31の前方に配置されたベース部71と、ベース部71から後方に延びる例えば一対の延長部72a,72bと、各延長部72a,72bの後端部から下方に延びる脚部73a,73bと、を有する。
【0101】
図5及び
図6に示すように、ベース部71は、移送方向に延びる一対のリニアシャフト76a,76bによりスライド可能に支持されている。リニアシャフト76a,76bは、ブラケット(図示せず)を介して、例えば第1吸着ブロック50aに固定されている。
【0102】
ベース部71は、第1リンク部材66及び第2リンク部材68を介して移送ブロック用モータ64に駆動連結されている。移送ブロック用モータ64の出力軸65は幅方向に延設されている。出力軸65には、第1リンク部材66の一端部が固定されている。第1リンク部材66の他端部は、幅方向に延びる連結軸67を介して、第2リンク部材68の一端部に回転可能に連結されている。第2リンク部材68の他端部は、幅方向に延びる連結軸69を介して、ベース部71に回転可能に連結されている。
【0103】
以上の構成により、移送ブロック用モータ64が駆動されると、移送ブロック70は、リニアシャフト76a,76bに沿って移送方向の前方または後方に略水平に移動する。移送ブロック70の具体的な動作については後に説明する。
【0104】
脚部73a,73bの下端部は、切欠部52の内側に配設され、脚部73a,73bの前方に切欠部52の移送部対向面部52c,52dが対向配置される。また、脚部73a,73bは、貼付アーム31のクッション部32及び第2吸着ブロック50bよりも幅方向外側に配設されている。そのため、移送ブロック70が移動するとき、脚部73a,73bは、第1吸着ブロック50aの側方壁面部52a,52bと第2吸着ブロック50bの側面59e,59fとの隙間(
図7参照)において、クッション部32、第1吸着ブロック50a及び第2吸着ブロック50bのいずれにも干渉することなく、移動することができる。
【0105】
図14に示すように、脚部73a,73bの下面は、ラベルLを吸着保持する吸着面74a,74bである。各吸着面74a,74bには吸引穴75a,75bが設けられており、これらの吸引穴75a,75bにより第3吸引部S3が構成されている。第3吸引部S3を構成する吸引穴75a,75bは、移送ブロック70の内部に設けられた空気路174(
図7及び
図9参照)を介して、第3吸引部用負圧源112c(
図18参照)に接続された負圧供給経路79(
図5〜
図7参照)に連通している。
【0106】
第3吸引部用負圧源112cの駆動によって第3吸引部S3に負圧が供給されると、ラベル発行機8の切断手段95によってラベル連続体LCから切り取られたラベルLを、移送ブロック70の吸着面74a,74bによって吸着保持することができる。また、切断手段95による切断が行われる前においても、ラベル発行口Wから外側に送り出されたラベル連続体LCを吸着面74a,74bによって吸着保持することができる。この場合、ラベル連続体LCは、移送ブロック70で保持されながら切断手段95によって良好に切断される。
【0107】
図9に示すように、脚部73a,73bの下端は、吸着ブロック50の下面よりも下方に僅かに突出して配置される。吸着ブロック50に対する脚部73a,73bの突出量は、例えば0.5〜1mmとされるが、特にこれに限定されるものでない。これにより、第3吸引部S3を有する吸着面74a,74bが吸着ブロック50の下面よりも僅かに低く配置されるため、第3吸引部S3に対して、吸着ブロック50の下方に送り込まれたラベル連続体LC又はラベルLを吸着させやすくなっている。そのため、移送ブロック70は、切断手段95によりラベル連続体LCを切断するときにラベル連続体LCを強い力で保持することができ、ラベル連続体LCから切り取られたラベルLを安定的に保持しながら移送させることができる
【0108】
図14に示すように、各脚部73a,73bの前面と下面とのコーナー部には、R面取り部76が形成されている。これにより、ラベル発行口Wから送り出されたラベル連続体LCの先端が脚部73a,73bの下端部に当接しても、ラベル連続体LCの先端はR面取り部76を伝って下方へ円滑に案内される。そのため、ラベル連続体LCの先端が脚部73a,73bの下端部に引っ掛かり難い。したがって、切断手段95によってラベル連続体LCから切り取られたラベルLを、移送ブロック70によって確実に所定位置で受け取ることができる。また、R面取り部76にラベル連続体LCの糊面(下面)が接触し難いため、R面取り部76に糊が付着して堆積することが抑制される。
【0109】
図15(a)は、移送ブロック70の第1の変形例を示しており、
図15(b)は、
図15(a)に示す移送ブロック70の一部を拡大して示している。
図15(a)に示すように、第1変形例では、各吸引穴75a,75bが、移送方向(図中Y方向)に長い長円形の長穴で構成されている。
図15(b)の拡大図に示すように、各吸引穴75a,75bはざぐり穴状の有底穴となっており、該吸引穴75a,75bの上端の底面に、断面円形の空気路174の入口175が設けられている。該入口175及び空気路174の径は、
図14に示す実施例の吸引穴75a,75bと同じ大きさとなっている。以上の第1変形例によれば、
図14に示す実施例に比べて、第3吸引部S3によるラベル連続体LC又はラベルLの吸着領域を移送方向に拡大することができ、吸着力の向上を図ることができる。ただし、本発明において、吸引穴75a,75bの形状は円形又は長円形に限定されるものでなく、例えば、移送方向に長い楕円形又は長方形を含む種々の形状を採用することができる。
【0110】
図16は、移送ブロック70の第2の変形例を示している。
図16に示す例では、移送ブロック70の各吸着面74a,74bに、2つの吸引穴75a,75bが設けられている。各吸着面74a,74bにおいて、2つの吸引穴75a,75bは移送方向(図中Y方向)に間隔を空けて配設されている。なお、各吸着面74a,74bにおいて、吸引穴75a,75bを3つ以上設けてもよい。このように吸着面74a,74b毎に複数の吸引穴75a,75bを設けることで、第3吸引部S3に対するラベル連続体LC又はラベルLの吸着力を高めることができる。なお、
図16に示す例において、各吸引穴75a,75bの形状は円形に限られるものでなく、
図15に示す例のような長穴を含む種々の形状を採用することができる。
【0111】
[エア吹付部]
図17に示すように、エア吹付部81,82は、第1エア吹付部81と第2エア吹付部82とで構成されている。
【0112】
第1エア吹付部81は、切断手段95による切断時に、移送ブロック70に保持されたラベル連続体LCの下面に向けてエア(圧縮空気)を吹き付け、移送ブロック70の移動時にエアの吹付けを停止する。第1エア吹付部81による具体的なエア吹付動作についての説明は、後に、
図22〜
図25に示される一連の動作についての説明の中で行う。
【0113】
第1エア吹付部81は、ラベル発行口Wの前下方に近接して配置されている。第1エア吹付部81は、幅方向に延びる管状部材である。第1エア吹付部81の内部空間は、エア供給経路83を介して第1エア吹付部用圧縮空気源113aに連通している。第1エア吹付部81の外周部には、エアを噴射する複数の吐出口81a,81b,81cが設けられている。これらの吐出口81a,81b,81cは、移送ブロック70の吸着面74a,74bと比べて幅方向の位置が略同じである吐出口81aと、ラベル発行口Wから送り出されるラベル連続体LCの中央部と比べて幅方向の位置が略同じである吐出口81b,81cと、を含む。吐出口81aの噴射角度は、移送前の移送ブロック70の吸着面74a,74b又はその周辺部に向けてエアが上方へ噴射される角度となっている。吐出口81b,81cの噴射角度は、吐出口81aの噴射角度よりも前方に傾斜した角度となっている。
【0114】
第2エア吹付部82は、移送ブロック70の移動時に移送ブロック70により移送されるラベルLの下面に向けてエアを吹き付ける。第2エア吹付部82による具体的なエア吹付動作についての説明は、後に、
図22〜
図25に示される一連の動作についての説明の中で行う。
【0115】
第2エア吹付部82は、第1エア吹付部81の前方に隣接して配置されている。第2エア吹付部82は、幅方向に延びる管状部材である。第2エア吹付部82の内部空間は、エア供給経路84を介して第2エア吹付部用圧縮空気源113bに連通している。第2エア吹付部82の外周部には、圧縮空気を噴射する複数の吐出口82a,82bが設けられている。これらの吐出口82a,82bは、ラベル発行口Wから発行されるラベルLの中央部と比べて幅方向にずらして配置された吐出口82aと、ラベル発行口Wから発行されるラベルLの中央部と比べて幅方向の位置が略同じである吐出口82bと、を含む。吐出口82aは、吐出口82bを挟んで幅方向両側に設けられている。吐出口82aの噴射角度は、第1エア吹付部81の吐出口81b,81cの噴射角度と比べて略同じ角度又は前方に傾斜した角度となっている。吐出口82bの径は、吐出口82aの径よりも大きい。吐出口82bの噴射角度は、吐出口82aの噴射角度よりも前方に傾斜した角度となっている。
【0116】
[制御システム]
図18に示すブロック図を参照しながら、ラベル貼付装置1の制御システムについて説明する。ただし、下貼り機構15の制御については、図示および説明を省略する。
【0117】
ラベル貼付装置1の各種動作は制御部101によって制御される。制御部101には、ラベル貼付装置1の動作に必要な種々の情報を記憶する記憶部102が設けられている。なお、制御部101は、例えばラック2(
図1参照)に取り付けられるが、制御部101の取付け位置は限定されるものでない。
【0118】
記憶部102には、例えば、操作表示部12に表示される画面に関する情報、商品マスター、トレーマスター、ラベルマスター及びカセットマスターを含む種々の情報が記憶される。記憶部102に記憶される各種情報の変更、追加または削除は、操作表示部12での入力操作により行うことができる。
【0119】
制御部101には、操作表示部12からの信号と、ラベル発行機8のラベルセンサ100からの信号と、商品通過センサ110からの信号とが入力される。なお、制御部101には、その他の種々の機器からの信号が入力されるようにしてもよい。
【0120】
また、制御部101は、記憶部102に記憶された情報、及び/又は、各種入力信号に基づいて、コンベア用モータ104、ラベル発行機8(具体的には、印字ローラ用モータ96、アシストローラ用モータ97、サーマルヘッド91及びカッタ用モータ98)、ラベル貼付機10(具体的には、移送ブロック用モータ64、貼付アーム上下動用モータ41、貼付アーム回転用モータ45、貼付アーム用負圧源111、第1吸引部用負圧源112a、第2吸引部用負圧源112b、第3吸引部用負圧源112c、第1エア吹付部用圧縮空気源113a及び第2エア吹付部用圧縮空気源113b)、並びに、操作表示部12に制御信号を出力する。
【0121】
制御部101は、移送ブロック用モータ64を制御することにより移送ブロック70の動作を制御し、貼付アーム上下動用モータ41、貼付アーム回転用モータ45及び貼付アーム用負圧源111を制御することにより貼付アーム31の動作を制御する。
【0122】
制御部101は、第1吸引部用負圧源112aを制御することにより第1吸着ブロック50aの第1吸引部S1に供給される第1の負圧P1を制御し、第2吸引部用負圧源112bを制御することにより第2吸着ブロック50bの第2吸引部S2に供給される第2の負圧P2を制御し、第3吸引部用負圧源112cを制御することにより移送ブロック70の第3吸引部S3に供給される第3の負圧P3を制御する。
【0123】
制御部101は、第1エア吹付部用圧縮空気源113aを制御することにより第1エア吹付部81によるエア吹付動作を制御し、第2エア吹付部用圧縮空気源113bを制御することにより第2エア吹付部82によるエア吹付動作を制御する。
【0124】
なお、上記の負圧源112(112a,112b,112c)として真空エジェクタを用いる場合、負圧源112の制御は、真空エジェクタの駆動および停止を制御することで行ってもよいし、真空エジェクタと吸引部S1,S2,S3とを繋ぐ負圧供給経路に設けられたバルブを制御することで行ってもよい。
【0125】
また、後述するように、第2の負圧P2は第1の負圧P1よりも大きい。第1の負圧P1よりも大きな第2の負圧P2を発生させるために、第2吸引部用負圧源112bは、第1吸引部用負圧源112aよりも大きな負圧を発生させる1つの負圧源で構成されてもよいし、第2吸引部S2に接続された複数の負圧源で構成されてもよい。複数の負圧源で第2吸引部用負圧源112bを構成する場合、共通の負圧源を第1吸引部S1と第2吸引部S2の両方に接続させて、共通の負圧源のみで第1吸引部用負圧源112aを構成し、共通の負圧源を含む複数の負圧源で第2吸引部用負圧源112bを構成してもよい。
【0126】
さらに、圧縮空気源113(113a,113b)としてコンプレッサを用いる場合、圧縮空気源113の制御は、コンプレッサとエア吹付部81,82とを繋ぐエア供給経路に設けられたバルブを制御することで行ってもよい。
【0127】
また、第1エア吹付部用圧縮空気源113aと第2エア吹付部用圧縮空気源113bは、第1エア吹付部81と第2エア吹付部82の両方に接続された共通の圧縮空気源で構成されてもよい。
【0128】
[ラベルの移送に関する動作]
図19を参照しながら、ラベル発行機8で発行されたラベルLを移送ブロック70によって移送させるための動作について説明する。
【0129】
図19(a)は、移送ブロック70が移送前の待機位置(ラベル受取位置)に配置された状態を示す底面図であり、
図19(b)は、
図19(a)に示すラベルLの移送が完了した状態を示す底面図である。
【0130】
図19(a)に示すように、移送ブロック70の待機位置(ラベル受取位置)は、移送方向に関して吸着ブロック50の後端部と略同じ位置に第3吸引部S3を位置付ける位置とされる。この待機位置において、移送ブロック70は、ラベルLの後端部を吸着保持する。
【0131】
なお、幅方向(図中X方向)に関して、ラベルLの幅は、移送ブロック70の第3吸引部S3によって吸着可能な幅であれば特に限定されるものでない。したがって、
図19では、第1吸着ブロック50aの切欠部52よりも小さな幅を有するラベルLが二点鎖線で図示されているが、切欠部52の幅よりも大きな幅を有するラベルLを用いてもよい。
【0132】
図19(a)に示す移送ブロック70の待機状態において、ラベル発行機8によりラベルLが発行されるとき、第1吸着ブロック50aの第1吸引部S1には第1の負圧P1が供給され、第2吸着ブロック50bの第2吸引部S2には第2の負圧P2が供給され、移送ブロック70の第3吸引部S3には第3の負圧P3が供給されている。そのため、ラベルLの幅方向端部が第1吸引部S1の下側に重なる程度にラベルLの幅が大きい場合、ラベル発行機8で発行されたラベルLは、第1〜第3の吸引部S1,S2,S3に吸着保持される。また、ラベルLの幅に関わらず、ラベルLは、少なくとも第2の吸引部S2と第3の吸引部S3とに吸着保持される。
【0133】
第1の負圧P1は、第2の負圧P2及び第3の負圧P3に比べて小さい。そのため、ラベルLの幅方向端部が第1吸引部S1に重なる場合であっても、第1吸引部S1に対するラベルLの吸着力は、第2吸引部S2及び第3吸引部S3に対する吸着力に比べて小さい。また、上述したように、移送ブロック70の第3吸引部S3は吸着ブロック50の下面よりも僅かに低く配置されており(
図9参照)、第3吸引部S3に対するラベルLの吸着力が高められている。
【0134】
移送ブロック70によるラベルLの移送が開始されるとき、第2吸引部S2への負圧供給が停止され、これにより、ラベルLは、第2吸引部S2への吸着状態から解放される。そのため、移送ブロック70が移送方向に移動するとき、第2吸引部S2からラベルLが円滑に離れる。また、ラベルLが第1吸引部S1に吸着される場合であっても、上述したように第1吸引部S1に対するラベルLの吸着力は、ラベルLの移送に支障を来さない程度に小さい。そのため、移送ブロック70は、ラベルLを確実に保持しながら吸着ブロック50の下面に沿って移送させることができる。
【0135】
なお、移送ブロック70の移送開始時において、第2吸引部S2への負圧供給を完全に停止する代わりに、第2吸引部S2に供給される負圧を、ラベルLの移送に支障を来さない程度に小さくなるように低減するようにしてもよい。
【0136】
ところで、ラベルLの幅が第1吸着ブロック50aの切欠部52の幅よりも小さい場合、ラベルLの幅方向端部が移送ブロック70の第3吸引部S3に吸着保持される。この場合、移送中のラベルLの前端コーナー部が、切欠部52の移送部対向面部52c,52d(
図5及び
図8等参照)に接触して、該接触部分にラベルLの糊が付着する懸念がある。
【0137】
この点に関して、本実施形態によれば、上述のように、移送部対向面部52c,52dは第1吸着ブロック50aの下面よりも高く配置されるとともに、第1吸着ブロック50aの下面に、移送部対向面部52c,52dの下端から前方に延びる溝54a,54bが形成されている。そのため、ラベルLの前端コーナー部は、移送部対向面部52c,52dに引っ掛かることなく溝54a,54bを通過する。したがって、ラベルLの糊が第1吸着ブロック50aに付着および堆積することを抑制できる。
【0138】
また、ラベルLの幅に関わらず、ラベルLの移送中に、ラベルLの前端部が切欠部52のアーム対向面部53c(
図5及び
図8等参照)に接触して、該接触部分にラベルLの糊が付着する懸念がある。
【0139】
この点に関して、本実施形態によれば、上述のように、アーム対向面部53cの下端は第1吸着ブロック50aの下面よりも高く配置されるとともに、アーム対向面部53cの下端コーナー部には、前方に向かって下側に傾斜した傾斜面55が連ねて設けられている。そのため、アーム対向面部53cの下方をラベルLの前端部が横切るとき、ラベルLの前端部は、アーム対向面部53c及び傾斜面55に引っ掛かることなく、傾斜面55によって斜め前下方へ案内される。したがって、ラベルLの糊が第1吸着ブロック50aに付着および堆積することを抑制できる。
【0140】
図19(b)に示すように移送ブロック70によるラベルLの移送が完了したとき、第3吸引部S3への負圧供給が停止される。これにより、ラベルLは、移送ブロック70への吸着状態から解放されて、移送ブロック70から吸着ブロック50に円滑に受け渡される。
【0141】
移送完了時において、第1吸引部S1には第1の負圧P1が引き続き供給されており、貼付アーム31のクッション部32の下面にも貼付アーム用負圧源111によって負圧が供給されている。そのため、
図19(b)に示すようにラベルLが第1吸引部S1に重ならない程度に小さい場合、移送完了時において、ラベルLは、クッション部32下面に吸着されることで吸着ブロック50の下面に保持される。一方、ラベルLが第1吸引部S1に重なる程度に大きい場合(例えば
図20(b)又は
図21(b)参照)、移送完了時において、ラベルLは、第1吸引部S1とクッション部32下面とに吸着されることで吸着ブロック50の下面に保持される。
【0142】
なお、移送ブロック70の移送完了時において、第3吸引部S3への負圧供給を完全に停止する代わりに、第3吸引部S3に供給される負圧を、ラベルLの貼付動作に支障を来さない程度に小さくなるように低減するようにしてもよい。
【0143】
また、第1吸引部S1への負圧供給は、移送前から移送完了時まで継続的に行う必要はなく、少なくとも移送完了時に負圧供給されればよい。
【0144】
本実施形態における基本的な動作では、移送完了時のラベルLの中央部は貼付アーム31の軸心よりも前側に配置される。ただし、
図19(b)に示すように、移送ブロック70は、平面視においてラベルLの中央部の位置が貼付アーム31の軸心(クッション部32の中心)に一致するように、ラベルLを移送させてもよい。以下、このようにラベルLの中央部と貼付アーム31の軸心を位置合わせするようなラベルLの移送を「センタリング移送」という。センタリング移送を行う場合、ラベルLの貼付動作において貼付アーム31が下降する際、確実にラベルLの中央部を貼付アーム31によって押し込むことができる。そのため、商品Gに対してラベルLを高い精度で貼り付けることができる。
【0145】
ところで、移送前の待機状態において、移送ブロック70に保持されたラベルLの中央部と貼付アーム31の軸心との位置関係は、移送方向におけるラベルLの長さによって異なる。例えば、待機状態において、移送ブロック70に保持されたラベルLの中央部が、貼付アーム31の軸心よりも後方に位置する場合がある。この場合、平面視において移送完了時のラベルLの中央部の位置が貼付アーム31の軸心に一致するように、移送ブロック70の移動距離をラベルLの長さに応じて制御することで、センタリング移送を実現できる。
【0146】
図19と
図20を対比させながら、センタリング移送の一例について具体的に説明する。
図20(a)は、
図19に示すラベルLに比べて移送方向に長いラベルLを移送する場合における移送前の状態を示す底面図であり、
図20(b)は、
図20(a)に示すラベルの移送が完了した状態を示す底面図である。
【0147】
図19及び
図20に示す例では、
図19(a)及び
図20(a)に示すように移送前における移送ブロック70の待機位置(ラベル受取位置)をラベルLの長さに関わらず一定とし、
図19(b)及び
図20(b)に示すように移送完了時の移送ブロック70の位置をラベルLの長さに応じて異ならせている。
【0148】
より具体的には、
図19(a)及び
図20(a)に示すように、ラベルLの長さに関わらず、移送ブロック70は、移送方向に関して吸着ブロック50の後端部と略同じ位置でラベルLを受け取る。これにより、移送ブロック70は、常にラベル発行口Wの近くでラベルLを吸着させることができる。
【0149】
また、
図19(b)及び
図20(b)に示すように、移送ブロック70は、ラベルLが短いときほど前方へ移動する。これにより、ラベルLが長いときほど移送ブロック70の移動距離を短縮することができる。したがって、長いラベルLについても、移送ブロック70による移送を安定して達成することができる。
【0150】
続いて、
図19及び
図21を対比させながら、センタリング移送の別の実施例について説明する。
図21(a)は、
図19に示すラベルLに比べて移送方向に長いラベルLを移送する場合における移送前の状態を示す底面図であり、
図21(b)は、
図21(a)に示すラベルの移送が完了した状態を示す底面図である。
【0151】
図19及び
図21に示す例では、
図19(a)及び
図21(a)に示すように、移送前における移送ブロック70の待機位置(ラベル受取位置)をラベルLの長さに応じて異ならせて、
図19(b)及び
図21(b)に示すように、移送完了時の移送ブロック70の位置をラベルLの長さに関わらず一定にしている。
【0152】
より具体的には、
図19(a)及び
図21(a)に示すように、ラベルLが長いときほど移送ブロック70の待機位置は前側に設定される。これにより、ラベルLが長いときほど、ラベルLの中央部に近い位置を移送ブロック70によって保持することができる。また、ラベルLが長いときほど移送ブロック70の移動距離を短縮することができる。したがって、長いラベルLについても、移送ブロック70による移送を安定して達成することができる。
【0153】
[上貼り機構の一連の動作]
図22に示すタイムチャートと
図23〜
図25に示す概略図を参照しながら、ラベル発行機8によってラベルLを発行してラベル貼付機10によって商品GにラベルLを貼り付ける上貼り機構7の一連の動作を複数回連続して行う場合において、この連続動作の一例について説明する。
【0154】
ただし、ラベル貼付機10のラベル貼付機構30の動作(
図4参照)については、ここでは詳細な説明を省略する。また、
図23〜
図25では、ラベル発行機8及びラベル貼付機10の主要な構成要素のみを簡略化して図示している。
【0155】
図22及び
図23(a)に示すように、時刻t0において、ラベル発行機8及びラベル貼付機10は、ラベルLの発行動作が開始される前の待機状態となっている。待機状態において、ラベル連続体LCの先端は、ラベル供給方向(
図2に示す矢印F方向)に関して印字部91と切断手段95との間の所定位置に配置されている。
【0156】
図22(a)及び
図23(b)に示すように、時刻t1にラベルLの発行動作が開始されると、印字ローラ92及びアシストローラ93が逆方向に回転駆動されて、ラベル連続体LCの先端は、印字部91と印字ローラ92との間のニップ部に引き込まれる。
【0157】
ラベル連続体LCの先端がニップ部に達すると、ラベル連続体LCの先端から所定長さの範囲について、印字面への印字が行われる。具体的には、
図22(b)に示すように、時刻t2に、印字部91によるラベル連続体LCの印字面への印字が開始されるとともに、印字ローラ92及びアシストローラ93の回転方向が正方向に逆転されて、ラベル供給方向(
図2に示す矢印F方向)へのラベル連続体LCのフィードが開始される。
【0158】
ラベル連続体LCへの印字範囲および印字内容は、記憶部102に記憶された商品マスター及びラベルマスターを含む情報に基づいて決定される。ラベル連続体LCのフィードが進むと、ラベル連続体LCの先端は、ラベル発行口W(
図2参照)を通って発行機8のハウジング120の外側へ送り出される。ラベル連続体LCのフィードは、ラベル連続体LCの被切断位置が可動カッタ95a及び固定カッタ95bの刃の位置に達するまで行われる。ラベル連続体LCの被切断位置は、ラベルマスターに含まれるラベル長さの情報に基づいて決定される。
【0159】
図22(f)〜
図22(i)に示すように、ラベル連続体LCのフィードが開始される時刻t2から、切断手段95によってラベル連続体LCが切断される時刻t3までの間に、貼付アーム31のクッション部32下面への負圧供給、第1吸着ブロック50a下面の第1吸引部S1への負圧供給、第2吸着ブロック50b下面の第2吸引部S2への負圧供給、及び、移送ブロック70の吸着面74a,74bの第3吸引部S3への負圧供給が開始される。これにより、ラベル連続体LCは、ラベル発行口W(
図2参照)を通して発行機8のハウジング120の外側へ送り出された部分において、少なくとも第2吸引部S2及び第3吸引部S3に吸着保持される。
【0160】
このとき、ラベル連続体LCの幅(短手方向の寸法)によっては、第1吸引部S1にもラベル連続体LCが吸着保持され得る。ただし、第1吸引部S1への負圧供給を開始するタイミングは、移送ブロック70によるラベルLの移送完了時(時刻t6)以前であれば、必ずしも切断手段95による切断時(時刻t3)よりも前でなくてもよい。また、貼付アーム31のクッション部32下面への負圧供給を開始するタイミングも、貼付アーム31の下降開始時(時刻t7)以前であれば、時刻t3以降であってもよい。
【0161】
また、
図22(j)及び
図23(c)に示すように、時刻t2から時刻t3までの間に、第1エア吹付部81によるエアの吹付けが開始される。第1エア吹付部81の吐出口81a(
図17参照)は、ラベル連続体LCを介して第3吸引部S3又はその周辺部に向けてエアを吹き付けるため、移送ブロック70によるラベル連続体LCの保持力が高められる。また、第1エア吹付部81の吐出口81b,81c(
図17参照)は、移送ブロック70に保持されるラベルLの中央部又はその周辺部に向けてエアを吹き付けるため、ラベルLを吸着ブロック50の下面に沿わせることができる。第1エア吹付部81によるエアの吹付けは、移送ブロック70によるラベルLの移送開始時(時刻t4)まで連続的または断続的に継続される。
【0162】
図22(a)、
図22(c)及び
図24(a)に示すように、ラベル連続体LCのフィードが完了した直後の時刻t3に、可動カッタ95aがスライド駆動されて、可動カッタ95aと固定カッタ95bとによってラベル連続体LCが切断される。このとき、ラベル連続体LCは、少なくとも第2吸引部S2と第3吸引部S3とに吸着保持されているため、ラベル連続体LCの切断が良好に行われる。
【0163】
図22(c)及び
図24(b)に示すように、切断後の時刻t4から時刻t5までの間、可動カッタ95aは上昇して切断前の待機位置まで戻る。また、
図22(a)、
図22(c)及び
図24(b)に示すように、可動カッタ95aが上昇するとき、印字ローラ92及びアシストローラ93が逆方向に回転駆動されて、切断後のラベル連続体LCの新たな先端が、
図23(a)に示す待機状態と同じ位置まで引き込まれる。
【0164】
図22(d)及び
図24(b)に示すように、切断手段95による切断後、可動カッタ95aが上昇する時刻t4から時刻t6にかけて、移送ブロック70がラベル発行口Wから遠ざかるようにスライド駆動される。これにより、ラベル連続体LCから切り取られたラベルLは、移送ブロック70に吸着保持されながら、貼付アーム31によって上側から押し込まれるための所定位置まで移送される(
図24(c)参照)。
【0165】
図22(h)に示すように、ラベルLの移送が開始される時刻t4に、第2吸着ブロック50bの第2吸引部S2への負圧供給は停止される。これにより、第2吸着ブロック50bに対するラベルLの吸着状態が解除されて、ラベルLの移送が円滑に開始される。このとき、第1吸着ブロック50aの第1吸引部S1への負圧供給は継続されるが、第1吸引部S1に供給される第1の負圧P1は、移送ブロック70の第3吸引部S3に供給される第3の負圧P3よりも十分に小さい。そのため、第1吸着ブロック50aに対するラベルLの吸着力は、移送ブロック70によるラベルLの移送を妨げない程度の弱い力となっている。
【0166】
また、
図22(j)及び
図22(k)に示すように、ラベルLの移送が開始される時刻t4に、第1エア吹付部81によるエアの吹付けが停止されるとともに、第2エア吹付部82によるエアの吹付けが開始される。ラベルLの移送中に、第1エア吹付部81によるエアの吹付けが停止されることにより、ラベルLの後端部と吸着ブロック50との間に第1エア吹付部81からのエアが吹き付けられることを回避して、移送ブロック70の吸着面74a,74bからラベルLが剥がれ落ちることを防止できる。また、ラベルLの移送中には、第1エア吹付部81に代わって、第2エア吹付部82が、移送ブロック70に保持されたラベルL部分に向けてエアを吹き付けるため、移送ブロック70によるラベルLの保持力が良好に維持される。そのため、移送ブロック70によって、ラベルLを安定的に保持しながら移送することができる。
【0167】
図22(d)、
図22(i)、
図22(k)及び
図24(c)に示すように、ラベルLの移送が完了する時刻t6に、第3吸引部S3への負圧供給が停止されるとともに、第2エア吹付部82によるエアの吹付けが停止される。これにより、移送ブロック70に対するラベルLの吸着状態が解除されて、ラベルLは、第1吸着ブロック50aの第1吸引部S1、及び、貼付アーム31のクッション部32の下面に吸着保持される。
【0168】
図22(e)及び
図25(a)に示すように、ラベルLが移送された後の時刻t7に、商品Gの上面にラベルLを貼り付けるための貼付アーム31の下降が開始される。このとき、第1吸引部S1への負圧供給が停止され、第1吸着ブロック50aに対するラベルLの吸着状態が解除される。これにより、ラベルLは、吸着ブロック50から円滑に離れて、クッション部32の下面に吸着保持された状態で貼付アーム31によって下方へ押し込められる。
【0169】
図4を参照しながら上述したように、ラベルLが商品Gの上面に押し当てられる時刻t8の直前に、クッション部32下面への負圧供給が停止され、これにより、ラベルLは、クッション部32に対する吸着状態から解放されて、商品Gに貼り付けられる。続いて、時刻t8から時刻t9にかけて、貼付アーム31は下降前の高さまで上昇する。また、上述したように、時刻t7から時刻t9までの間、貼付アーム31は、上下動用モータ41により下降および上昇されながら、回転用モータ45(
図3及び
図4参照)によって軸周りに所定角度だけ回転駆動される。
【0170】
図22(a)、
図22(b)及び
図25(a)に示すように、貼付アーム31が下降および上昇する時刻t7から時刻t9までの間に、ラベル発行機8により次に発行されるラベルのための印字が印字部91により開始され、この印字部分をフィードするための印字ローラ92及びアシストローラ93の正方向の回転駆動が開始される。このように、ラベルLの貼付動作中に、次のラベルの発行動作が開始されるため、ラベルLを発行して商品Gに貼り付ける一連の動作を複数回連続して繰り返す場合、この連続動作を高速化することができる。
【0171】
また、本実施形態に係るラベル貼付装置1は、移送ブロック70によるラベルLの移送機能を備えているため、ラベル発行口Wから貼付アーム31までの距離を拡大することができる。そのため、ラベルLを貼り付けるための貼付アーム31の下降および上昇が完了する前に次のラベルの発行動作が開始されても、該発行動作によってラベル発行口Wから吸着ブロック50の下方へ送り出されたラベル連続体LC部分と、吸着ブロック50の下方に突出した貼付アーム31との干渉を容易に回避することができる。
【0172】
さらに、
図22(d)及び
図25(a)に示すように、貼付アーム31が下降する時刻t7から時刻t8までの間に、移送ブロック70は、ラベルLの移送時とは反対方向(ラベル発行口Wに近づく方向)にスライド駆動される。このように、ラベルLの貼付動作中に、ラベルLの移送前の位置に向かって移送ブロック70が戻されることで、ラベルLの貼付動作中に開始された次のラベルの発行動作によってラベル発行口Wから送り出されたラベル連続体LC部分を、移送ブロック70によって所定の受取位置で確実に吸着保持することができる。
【0173】
図22(c)、
図22(h)及び
図22(i)に示すように、次のラベルを構成するラベル連続体LC部分のフィードが開始された後、ラベル連続体LCから次のラベルを切り取るための切断が切断手段95によって行われる時刻t10よりも前のタイミングで、第2吸着ブロック50bの第2吸引部S2への負圧供給と、移送ブロック70の第3吸引部S3への負圧供給とが開始される。また、
図22(j)及び
図25(b)に示すように、時刻t9から時刻t10の間に、第1エア吹付部81によるエアの吹付けが開始される。これにより、ラベル連続体LCは、ラベル発行口Wから外側へ送り出された部分において、第2吸引部S2及び第3吸引部S3に吸着保持されるとともに、第1エア吹付部81から吹き付けられるエアによって下側から補助的に支持され、この状態で、切断手段95によるラベル連続体LCの切断が良好に行われる(
図24(a)参照)。
【0174】
なお、
図22(f)及び
図22(g)に示すように、時刻t9から時刻t10の間に、貼付アーム31のクッション部32下面への負圧供給、及び、第1吸着ブロック50aの第1吸引部S1への負圧供給は、例えば、第2吸引部S2及び第3吸引部S3への負圧供給と同じタイミングで開始される。ただし、第1吸引部S1への負圧供給を開始するタイミングは、移送ブロック70による次のラベルの移送完了時以前であれば別のタイミングであってもよく、貼付アーム31のクッション部32下面への負圧供給を開始するタイミングは、次のラベルを貼り付けるための貼付アーム31の下降開始時以前であれば別のタイミングであってもよい。
【0175】
時刻t10以降、所定枚数のラベルの発行および貼付けが完了するまで、
図24(a)〜
図24(c)及び
図25(a)〜
図25(b)に示される一連の動作が繰り返し実行される。
【0176】
[メンテナンスに関連する構造]
図26〜
図31を参照しながら、ラベル貼付装置1のメンテナンスに関連する構造について説明する。
【0177】
図26に示すように、ラベル発行機8のハウジング120の側方には、ラベル貼付機10のハウジング40が隣接して配設されている。ラベル発行機8のハウジング120は、モータを含む各種部品を収容した第1ボックス140の前面に固定されている。ラベル貼付機10のハウジング40の後方には、各種部品を収容した第2ボックス150が配設されている。第2ボックス150は、第1ボックス140の側面に固定されている。
【0178】
ラベル発行機8は、印字ユニット122とカッタユニット130とを備えている。印字ユニット122は、印字部91、印字ローラ92、アシストローラ93及び従動ローラ94を含む各種部品をユニット化したものである。カッタユニット130は、切断手段95(
図2参照)及びカッタ用モータ98(
図18参照)を含む各種備品をユニット化したものである。
【0179】
印字ユニット122はハウジング40に収容されている。カッタユニット130は、ラベル貼付機10のハウジング40の側面に取り付けられている。
図26に示す状態において、カッタユニット130は、印字ユニット122に隣接して配置されるとともに、ラベル発行機8のハウジング120の側面の一部を構成している。また、
図26に示すように前面扉121が閉じられた状態において、印字ユニット122とカッタユニット130は前面扉121によって前面側から塞がれている。なお、
図26において、前面扉121は、一部のみが図示されている。
【0180】
図27に示すように、メンテナンスを行うとき(例えば、ラベルロールLRを交換するとき、又は、各種部品の交換若しくは清掃を行うとき)、作業者は、ラベル発行機8の前面扉121を開くとことで印字ユニット122及びカッタユニット130を露出させ、ラベル貼付機10のハウジング40を、第2ボックス150との連結軸周りに回動させることで、カッタユニット130を印字ユニット122から引き離せばよい。これにより、ラベルロールLRを交換するとき、及び、印字ユニット122のメンテナンスを行うときに、印字ユニット122とカッタユニット130との干渉を回避できるとともに、作業者の手が切断手段95の刃に触れることを防止できる。
【0181】
なお、前面扉121が開いた状態では、切断手段95の可動カッタ195aの駆動が規制される。これにより、メンテナンス時の安全性が高められている。
【0182】
図28に示すように、印字ユニット122は、ハウジング120に固定された下部ケース124と、ヒンジを介して下部ケース124に連結された上部ケース125と、を備えている。下部ケース124には、印字ローラ92及びアシストローラ93を含む各種部品が収容され、上部ケース125には、印字部91及び従動ローラ94(
図26参照)を含む各種部品が収容されている。
【0183】
ラベル発行機8にラベルロールLRをセットするときは、上部ケース125を、下部ケース124との連結軸周りに回動させて開くことで、上部ケース125に取り付けられた印字部91及び従動ローラ94(
図26参照)を、下部ケース124に取り付けられた印字ローラ92及びアシストローラ93から引き離す。これにより、ラベルロールLRの外周部から延ばしたラベル連続体LCの先端近傍部を、印字ローラ92及びアシストローラ93の上側に載置することができる。続いて、上部ケース125を閉じることで、印字ローラ92と印字部91との間、及び、アシストローラ93と従動ローラ94との間にラベル連続体LCを挟み込むことができる。
【0184】
また、同様の手順により上部ケース125を開くことで、印字ローラ92及びアシストローラ93を含む印字ユニット122の各種部品を交換または清掃することもできる。
【0185】
図29に示すように、カッタユニット130を、ラベル貼付機10のハウジング40との連結軸周りに回動して開くことができる。これにより、カッタユニット130におけるハウジング40との対向面、並びに、吸着ブロック50及び移送ブロック70におけるカッタユニット130との対向部分(特に、ラベル発行口Wから送り出されるラベル連続体LCの先端部が接触しやすい下端コーナー部)に付着した糊を容易に拭き取ることができる。また、エア吹付部81b,81cの清掃も容易に行うことができる。
【0186】
図30(a)に示すように、カッタユニット130は、フレーム部材132を有する。フレーム部材132の上端部には、カッタ用モータ98(
図2参照)を有するモータユニット134が固定され、フレーム部材132の下端部には、切断手段95の固定カッタ95bが固定されている。切断手段95の可動カッタ95aは、カッタ用モータ98に連結されることで、モータユニット134を介してフレーム部材132に連結されている。また、フレーム部材132には、固定カッタ95bの刃に沿ってラベル発行口Wが設けられている。
【0187】
図30(b)に示すように、可動カッタ95aは、可動カッタ95aの下端に設けられた刃が引き上げられるように回動可能である。また、
図30(a)に示すように、可動カッタ95aの上端部には、水平方向に突出する突出片136が設けられている。可動カッタ95aの刃を引き上げるときは、突出片136を下側から押し込むことで可動カッタ95aを容易に回動させることができる。このようにして可動カッタ95aの刃を引き上げることで、可動カッタ95aの刃を固定カッタ95bの刃から引き離すことができる。そのため、両カッタ95a,95bの刃を安全且つ簡単に清掃することができる。
【0188】
最後に、
図31(a)及び
図31(b)を参照しながら、下貼り用のラベル発行機16のメンテナンスに関連する構成について説明する。
【0189】
図31(a)に示すように、下貼り用のラベル発行機16は、概ね、上貼り用のラベル発行機8を上下に反転させた構成となっている。
【0190】
具体的に、下貼り用のラベル発行機16は、ラベルロールLRの巻回中心部を支持する支持軸190と、ラベルロールLRの外周部から延びるラベル連続体LCの延長部分をガイドする複数のガイドローラ199a,199bと、ラベル連続体LCの印字面に印字する印字部191と、印字部191と共にラベル連続体LCを挟み込む印字ローラ192と、印字ローラ192と協働してラベル連続体LCのフィード又はバックフィードを行うアシストローラ193と、ラベル連続体LCを切断する切断手段195(
図31(b)参照)と、を備えている。
【0191】
ラベル発行機16は、印字ユニット222とカッタユニット230を備えている。印字ユニット222は、印字ローラ192及びアシストローラ193を含む各種部品を収容する上部ケース224と、印字部191及び従動ローラ194を含む各種部品を収容する下部ケース225と、を備えている。
【0192】
図31(b)に示すように、カッタユニット230は、切断手段195とモータユニット234を支持するフレーム部材232を備えている。切断手段195は、上方に刃を向けた可動カッタ195aと、下方に刃を向けた固定カッタ195bとを備えている。可動カッタ195aは、モータユニット234に搭載されたカッタ用モータ(図示せず)により上下方向にスライド駆動される。
図31(a)に示す状態において、カッタユニット230は、印字ユニット222に隣接して配置されている。
【0193】
図31(b)に示すように、ラベル発行機16にラベルロールLRをセットするときは、前面扉(図示せず)を開いた後、カッタユニット230を上下方向の軸周りに回動させて開くことで、カッタユニット230を印字ユニット222から引き離す。続いて、下部ケース225を、上部ケース224との連結軸周りに回動させて開くことで、下部ケース225に取り付けられた印字部191及び従動ローラ194(
図31(a)参照)を、下部ケース224に取り付けられた印字ローラ192及びアシストローラ193から引き離す。これにより、ラベルロールLRの外周部から延ばしたラベル連続体LCの先端近傍部を、印字ローラ192及びアシストローラ193の下側に通すことができる。その後、下部ケース225を閉じることで、印字ローラ192と印字部191との間、及び、アシストローラ193と従動ローラ194との間にラベル連続体LCを挟み込むことができる。
【0194】
また、同様の手順により下部ケース225を開くことで、印字ローラ192及びアシストローラ193を含む印字ユニット222の各種部品を交換または清掃することもできる。さらに、
図30(b)に示す上貼り用のカッタユニット130と同様、下貼り用のカッタユニット230においても、可動カッタ195aを回動させることができ、これにより、可動カッタ195aの刃及び固定カッタ195bの刃を互いから引き離して、両刃を安全且つ簡単に清掃することができる。
【0195】
以上、上述の実施形態を挙げて本発明を説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではない。
【0196】
例えば、上述の実施形態では、切断手段によって台紙レスラベルロールからラベルを切り取って発行するラベル発行機を用いる場合について説明したが、本発明は、切断手段を備えていないラベル発行機を用いることを妨げないものとする。具体的には、例えば、台紙付きラベルロール(複数のラベルが所定間隔で剥離可能に貼り付けられた帯状の台紙がロール状に巻かれることで形成されたラベルロール)を用いることで、切断手段を用いることなくラベルを発行することができる。